開閉機構及びこれを用いた粉体搬送装置、粉体処理装置、画像形成装置
【課題】予め決められた受部に対して着脱可能な粉体処理部品の着脱に伴って粉体の供給又は回収のための開口を安定的に開閉する。
【解決手段】開閉蓋3と、開閉蓋3を移動可能に保持する保持枠4と、粉体処理部品16を装着するときに粉体処理部品の一部が突き当たる突き当て部5と、粉体処理部品16を装着するときに粉体処理部品側の引っ掛け部17に接触することで弾性変形した後、開閉蓋3の移動方向に沿って移動した引っ掛け部17を抱き込むように保持する弾性保持部6と、開閉蓋3が閉塞位置から開放位置まで保持枠4に沿って移動するときに、引っ掛け部17の移動を許容するように弾性変形した弾性保持部6を案内する案内部7と、案内部7の途中に設けられ、弾性保持部6が引っ掛け部17に接触することで引っ掛け部17の移動を許容するように弾性保持部6を弾性変形可能に退避させる退避部8と、を備える。
【解決手段】開閉蓋3と、開閉蓋3を移動可能に保持する保持枠4と、粉体処理部品16を装着するときに粉体処理部品の一部が突き当たる突き当て部5と、粉体処理部品16を装着するときに粉体処理部品側の引っ掛け部17に接触することで弾性変形した後、開閉蓋3の移動方向に沿って移動した引っ掛け部17を抱き込むように保持する弾性保持部6と、開閉蓋3が閉塞位置から開放位置まで保持枠4に沿って移動するときに、引っ掛け部17の移動を許容するように弾性変形した弾性保持部6を案内する案内部7と、案内部7の途中に設けられ、弾性保持部6が引っ掛け部17に接触することで引っ掛け部17の移動を許容するように弾性保持部6を弾性変形可能に退避させる退避部8と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉機構及びこれを用いた粉体搬送装置、粉体処理装置、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における粉体処理装置で用いられる開閉機構としては例えば特許文献1記載のものが知られている。
これは、粉体としてトナーを用いたものであり、カートリッジ側係合部材を有するトナーカートリッジと、シャッタ側係合部材を有する補給口シャッタとを備え、トナーカートリッジの離脱時に、カートリッジ側係合部材とシャッタ側係合部材とが係合して、補給口シャッタがトナーカートリッジと連結された状態でトナー補給口を開放位置から閉塞位置に移動し、トナーカートリッジの離脱動作に伴って補給口シャッタが閉塞位置に移動してから、シャッタ側係合部材とカートリッジ側係合部材との係合を解除するようにした技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−134452号公報(発明を実施するための最良の形態,図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、予め決められた受部に対して着脱可能な粉体処理部品の着脱に伴って粉体の供給又は回収のための開口を安定的に開閉する開閉機構及びこれを用いた粉体搬送装置、粉体処理装置、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、粉体の供給又は回収のための開口を有する搬送経路に設けられ、予め決められた受部に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品の着脱に伴って前記開口を開閉する開閉機構であって、粉体の供給又は回収のための開口を開閉する開閉蓋と、この開閉蓋を前記開口が閉塞する閉塞位置と開放する開放位置との間で移動可能に保持する保持枠と、前記開閉蓋に設けられ、前記粉体処理部品を装着するときに前記粉体処理部品の一部が突き当たり前記開閉蓋を閉塞位置から開放位置に移動させる突き当て部と、粉体処理部品側に延び且つ前記開閉蓋の移動方向に交差する方向に対し弾性変形可能に前記開閉蓋に設けられ、前記粉体処理部品を装着するときに当該粉体処理部品側に設けられた引っ掛け部に接触することで当該引っ掛け部の移動を許容するように弾性変形した後、前記開閉蓋の閉塞位置から開放位置への移動方向に沿って移動した前記引っ掛け部を抱き込むように保持する弾性保持部と、前記保持枠に設けられ、前記開閉蓋が前記閉塞位置から前記開放位置まで保持枠に沿って移動するときに、前記引っ掛け部の移動を許容するように弾性変形した前記弾性保持部を案内する案内部と、この案内部の途中に設けられ、前記弾性保持部が前記引っ掛け部に接触することで当該引っ掛け部の移動を許容するように前記弾性保持部を弾性変形可能に退避させる退避部と、を備えたことを特徴とする開閉機構である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る開閉機構において、前記突き当て部は、前記粉体処理部品を装着するときに前記引っ掛け部に突き当たるものであることを特徴とする開閉機構である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る開閉機構において、前記弾性保持部は、前記引っ掛け部を挟んで一対設けられていることを特徴とする開閉機構である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る開閉機構において、前記弾性保持部は、前記粉体処理部品側に延びて基部側を支点として弾性変形する保持腕部と、この保持腕部の先端側に設けられ、前記開閉蓋の移動方向に交差する方向で当該保持腕部が押し広げられる方向に張り出す張り出し部と、前記保持腕部の先端側に設けられ、前記開閉蓋の移動方向に交差する方向で前記張り出し部とは反対側に突出する突出部と、を有することを特徴とする開閉機構である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る開閉機構において、前記弾性保持部は、その先端部が案内部の入口及び退避部に位置するときには、開閉蓋の移動方向に交差する方向で押し広げられる方向に対し非接触にて弾性変形可能であることを特徴とする開閉機構である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る開閉機構において、前記退避部は、開閉蓋が閉塞位置から開放位置に向かって移動する方向に対し、次第に拡開する方向に傾斜する傾斜部を有し、この傾斜部の拡開終端部に前記弾性保持部が前記突き当て部側に倒れ込むようにせき止めるせき止め部を形成したものであることを特徴とする開閉機構である。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6いずれかに係る開閉機構において、前記案内部は、開閉蓋が閉塞位置から開放位置へ移動する方向に対し、前記開閉蓋の閉塞位置側に位置する部分に比べ、前記開閉蓋の開放位置側に位置する部分が当該開閉蓋の移動方向中心線から離れていることを特徴とする開閉機構である。
【0007】
請求項8に係る発明は、粉体の供給又は回収のための開口を有し、この開口を通じて粉体を搬送する搬送経路と、この搬送経路の開口に対応して設けられ、予め決められた受部に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品の着脱に伴って開閉する請求項1ないし7いずれかに係る開閉機構と、を備えたことを特徴とする粉体搬送装置である。
請求項9に係る発明は、予め決められた受部に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品と、請求項8に係る粉体搬送装置と、を備えたことを特徴とする粉体処理装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る粉体処理装置において、前記粉体処理部品は、前記開閉機構の弾性保持部にて抱き込み保持可能に設けられる引っ掛け部と、前記粉体搬送装置側の開閉機構の開口に接続可能な開口を有し、この開口を開閉すると共に、前記粉体処理部品が予め決められた受部に装着されたときに当該開口を前記粉体搬送装置側の開閉機構の開口に接続する開閉機構と、を備え、前記粉体搬送装置は、粉体処理部品側の開閉機構に係わり合って当該開閉機構の開口を開閉する開閉操作部材を備えることを特徴とする粉体処理装置である。
請求項11に係る発明は、粉体としての作像材料を用いて画像を形成する作像手段を有し、この作像手段の一部として請求項9又は10に係る粉体処理装置を含むことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、予め決められた受部に対して着脱可能な粉体処理部品の着脱に伴って粉体の供給又は回収のための開口を安定的に開閉することができる。
請求項2に係る発明によれば、粉体処理部品側の引っ掛け部との係わりにより開口を安定的に開閉することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、粉体処理部品の着脱操作に伴う開閉機構の姿勢を適正な姿勢に保つことができる。
請求項4に係る発明によれば、粉体処理部品側の引っ掛け部に対する弾性保持部による抱き込み保持性をより強化することができる。
請求項5に係る発明によれば、粉体処理部品側の引っ掛け部に対する弾性保持部による抱き込み保持性をより安定させることができる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、開閉蓋の開閉に伴う案内性を損なうことなく、弾性保持部による引っ掛け部の弾性保持性を良好に保つことができる。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、弾性保持部の永久変形を少なく抑えることができる。
請求項8に係る発明によれば、予め決められた受部に対して着脱可能な粉体処理部品の着脱に伴って粉体の供給又は回収のための開口を安定的に開閉することができ、これに伴って、粉体の搬送挙動を安定させることができる。
請求項9に係る発明によれば、予め決められた受部に対して着脱可能な粉体処理部品の着脱に伴って粉体の供給又は回収のための開口を安定的に開閉することができ、これに伴って、粉体処理部品の着脱に伴う粉体の搬送挙動に支障をきたす事態を有効に回避することができる。
請求項10に係る発明によれば、粉体処理部品の着脱に伴って、粉体搬送装置側の開閉機構と粉体処理部品側の開閉機構とを連動させて開閉することができる。
請求項11に係る発明によれば、予め決められた受部に対して着脱可能な粉体処理部品の着脱に伴って粉体としての作像材料の供給又は回収のための開口を安定的に開閉することができ、これに伴って、粉体処理部品の着脱に伴う粉体としての作像材料の搬送挙動に支障をきたす事態を有効に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本発明が適用された粉体処理装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)における粉体搬送装置側の開閉機構の要部を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】実施の形態1で用いられる画像形成部を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられる粉体処理装置の全体構成を示す説明図である。
【図5】実施の形態1で用いられる粉体搬送装置としての現像剤補給装置の全体構成を示す説明図である。
【図6】図5中VI方向から見た矢視図である。
【図7】実施の形態1で用いられる粉体処理部品である現像装置を示す説明図である。
【図8】図7に示す現像装置側の開閉機構を開放させた状態を示す説明図である。
【図9】(a)は図7に示す現像装置の正面説明図、(b)はその平面説明図である。
【図10】図9(a)に示す現像装置側の開閉機構の要部を示す説明図である。
【図11】図10の平面説明図である。
【図12】図11に示す開閉機構を開放した状態を示す説明図である。
【図13】実施の形態1で用いられる粉体搬送装置としての現像剤補給装置側の開閉機構の要部を示す説明図である。
【図14】図13に示す開閉機構のうち開閉蓋及び開閉蓋周辺の構造を示す説明図である。
【図15】図14中XV方向から見た矢視図である。
【図16】図15中XVI方向から見た矢視図である。
【図17】図13に示す開閉機構のうち保持枠及びこの保持枠周辺の構造を示す斜視図である。
【図18】図17中XVIII方向から見た矢視図である。
【図19】図18の平面説明図である。
【図20】実施の形態1において、装置筐体の現像受部に現像装置を装着するときに、現像装置と粉体搬送装置とが係わり合う直前の状態を示す説明図である。
【図21】実施の形態1において、装置筐体の現像受部に現像装置を装着完了したときの状態を示す説明図である。
【図22】実施の形態1における現像装置と粉体搬送装置側の開閉機構とが係わり合う前の状態を示す斜視図である。
【図23】実施の形態1における現像装置と粉体搬送装置側の開閉機構とが係わり合う直前の状態を示す斜視図である。
【図24】実施の形態1における現像装置と粉体搬送装置側の開閉機構との係わり合いが完了した状態を示す斜視図である。
【図25】実施の形態1における現像装置と粉体搬送装置側の開閉機構との係わり合い動作につき、開閉機構の開閉蓋が閉塞位置から移動し始める状態を示す説明図である。
【図26】図25と同様な係わり合い動作につき、開閉機構の開閉蓋が閉塞位置から開放位置に向かう途中の位置に到達した状態を示す説明図である。
【図27】図25と同様な係わり合い動作につき、開閉機構の開閉蓋が開放位置に到達したときの状態を示す説明図である。
【図28】実施の形態2で用いられる粉体搬送装置側の開閉機構につき、開閉機構の開閉蓋が閉塞位置から移動し始める状態を示す説明図である。
【図29】実施の形態2で用いられる粉体搬送装置側の開閉機構につき、開閉機構の開閉蓋が閉塞位置から開放位置に向かう途中の位置に到達した状態を示す説明図である。
【図30】実施の形態2で用いられる粉体搬送装置側の開閉機構につき、開閉機構の開閉蓋が開放位置に到達したときの状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
先ず、本発明が適用される粉体処理装置の実施の形態の概要を説明する。
図1(a)において、粉体処理装置は、予め決められた受部15に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品16と、粉体を搬送する粉体搬送装置と、を備えている。
本例では、粉体搬送装置は、粉体の供給又は回収のための開口1aを有し、この開口1aを通じて粉体を搬送する搬送経路1と、この搬送経路1の開口1aに対応して設けられ、予め決められた受部15に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品16の着脱に伴って開閉する開閉機構2と、を備えている。
【0011】
更に、本実施の形態では、開閉機構2は、図1(a)(b)に示すように、粉体の供給又は回収のための開口1aを開閉する開閉蓋3と、この開閉蓋3を前記開口1aが閉塞する閉塞位置と開放する開放位置との間で移動可能に保持する保持枠4と、前記開閉蓋3に設けられ、前記粉体処理部品16を装着するときに前記粉体処理部品16の一部が突き当たり前記開閉蓋3を閉塞位置から開放位置に移動させる突き当て部5と、粉体処理部品16側に延び且つ前記開閉蓋3の移動方向に交差する方向に対し弾性変形可能に前記開閉蓋3に設けられ、前記粉体処理部品16を装着するときに当該粉体処理部品16側に設けられた引っ掛け部17に接触することで当該引っ掛け部17の移動を許容するように弾性変形した後、前記開閉蓋3の閉塞位置から開放位置への移動方向に沿って移動した前記引っ掛け部17を抱き込むように保持する弾性保持部6と、前記保持枠4に設けられ、前記開閉蓋3が前記閉塞位置から前記開放位置まで保持枠4に沿って移動するときに、前記引っ掛け部17の移動を許容するように弾性変形した前記弾性保持部6を案内する案内部7と、この案内部7の途中に設けられ、前記弾性保持部6が前記引っ掛け部17に接触することで当該引っ掛け部17の移動を許容するように前記弾性保持部6を弾性変形可能に退避させる退避部8と、を備えている。
【0012】
このような技術的手段において、粉体処理部品16とは、予め決められた受部15に対して着脱可能に装着される部品で、粉体を処理する機能を有するものであればよい。例えば電子写真方式の画像形成装置を例に挙げれば、粉体としての作像材料を収容して静電潜像を現像する現像装置、粉体としての作像材料を供給する収容容器、粉体としての作像材料を回収する回収容器などが挙げられる。
また、開閉機構2は、粉体処理部品16側の開閉機構ではなく、粉体の供給又は回収のための開口1aを有する搬送経路1に設けられ、前記開口1aを開閉するものを対象とする。
更に、開閉蓋3は開口1aを閉塞する閉塞位置と開口1aを開放する開放位置との間で、保持枠4に移動可能に保持されていればよい。このとき、保持枠4は開閉蓋3又は開閉蓋3に設けられる弾性保持部6に係わり合って、開閉蓋3を閉塞位置又は開放位置で位置を規制することが好ましい。
更にまた、突き当て部5は、粉体処理部品16の一部に突き当たり、開閉蓋3を閉塞位置から開放位置に移動させるものであれば適宜選定してよい。ここで、図1(a)(b)では、突き当て部5は、粉体処理部品16の一部に設けられた引っ掛け部17が突き当たる態様が示されているが、これに限られるものではなく、例えば引っ掛け部17が弾性保持部6に抱き込み保持される位置に至った状態で、粉体処理部品16の一部(例えば縁部)が突き当て部5としての開閉蓋3の縁部に突き当たり、開閉蓋3を閉塞位置から開放位置へと移動させてもよい。
また、弾性保持部6は、粉体処理部品16側に延び、開閉蓋3の移動方向に交差する方向に弾性変形可能に設けられることで、引っ掛け部17との係わり合いで弾性変形し、粉体処理部品16の引っ掛け部17を抱き込むように保持する機能を備えていればよい。
そして、案内部7は、弾性保持部6により引っ掛け部17を抱き込んで保持するように、引っ掛け部17との係わり合いで弾性変形した弾性保持部6を案内するものであればよい。
更に、退避部8は、弾性保持部6により引っ掛け部17を抱き込んで保持するに当たり、例えば開閉機構2が弾性変形可能な搬送経路1に設けられている場合には、開閉機構2の弾性保持部6と粉体処理部品16の引っ掛け部17との相対位置関係がずれてしまい、引っ掛け部17が弾性保持部6に抱き込むように保持されないまま開閉蓋3が引っ掛け部17によって閉塞位置から開放位置へと移動してしまう懸念がある。しかしながら、本例では、案内部7の途中に退避部8を設けるようにしたので、弾性保持部6の先端が退避部8に至ったときに、引っ掛け部17が弾性保持部6を退避部8の空間を利用して押し広げることが可能になり、この退避部8にて引っ掛け部17が弾性保持部6に抱き込まれた状態で保持されるような挙動を示す。このような挙動を経ているため、本例では、引っ掛け部17が弾性保持部6に抱き込まれない状態のまま開閉蓋3が開放位置に至る懸念はない。
それゆえ、例えば粉体処理部品16を装着後に再び離脱するとしても、粉体処理部品16を離脱するに当たり、引っ掛け部17は開閉蓋3の弾性保持部6に抱き込まれて保持されているため、開閉蓋3は粉体処理部品16の離脱に伴う引っ掛け部17の移動に伴って開閉蓋3は開放位置から閉塞位置まで移動した後に開閉機構2から引っ掛け部17が外れる。このため、粉体処理部品16を離脱したとしても、開閉機構2開口1aが開放されたままになることは有効に抑えられる。
【0013】
次に、本実施の形態で用いられる代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、弾性保持部6の代表的態様としては、引っ掛け部17を挟んで一対設けられている態様が挙げられる。本態様によれば、対構成の弾性保持部6(本例では6a,6b)で両側から引っ掛け部17を抱き込んで保持すると、粉体処理部品16の着脱方向に対する開閉機構2の開閉蓋3の移動方向を略一致させることが可能である。
また、弾性保持部6の別の代表的態様としては、粉体処理部品16側に延びて基部側を支点として弾性変形する保持腕部と、この保持腕部の先端側に設けられ、前記開閉蓋3の移動方向に交差する方向で当該保持腕部が押し広げられる方向に張り出す張り出し部と、前記保持腕部の先端側に設けられ、前記開閉蓋3の移動方向に交差する方向で前記張り出し部とは反対側に突出する突出部と、を有する態様が挙げられる。
ここで、弾性保持部6として、保持腕部は引っ掛け部17を抱き込んで保持するための寸法を有していればよく、また、張り出し部は、引っ掛け部17が保持腕部に入り込む際に保持腕部が押し広げられるように案内部7に一旦せき止められるようにしたものである。更に、突出部は、引っ掛け部17が保持腕部に抱き込まれた状態で保持されたとき、粉体処理部品16を離脱するとき、前記引っ掛け部17が保持腕部から離脱することを回避する。
更に、弾性保持部6の別の代表的態様としては、その先端部が案内部7の入口及び退避部8に位置するときには、開閉蓋3の移動方向に交差する方向で押し広げられる方向に対し非接触にて弾性変形可能である態様が挙げられる。弾性保持部6は、その先端部が案内部7の入口及び退避部8に位置するときには、開閉蓋3の移動方向に交差する方向で押し広げられる方向に対し弾性変形可能であればよいが、非接触である方が弾性変形し易い点で好ましい。
また、退避部8の代表的態様としては、開閉蓋3が閉塞位置から開放位置に向かって移動する方向に対し、次第に拡開する方向に傾斜する傾斜部を有し、この傾斜部の拡開終端部に前記弾性保持部6が前記突き当て部5側に倒れ込むようにせき止めるせき止め部を形成したものがある。このようにすれば、傾斜部が弾性保持部6に対する案内性を確保し、せき止め部にて弾性保持部6が一旦せき止められ、引っ掛け部17が弾性保持部6に抱き込んだ状態で保持され易い点で好ましい。
また、案内部7の好ましい態様としては、開閉蓋3が閉塞位置から開放位置へ移動する方向に対し、前記開閉蓋3の閉塞位置側に位置する部分に比べ、前記開閉蓋3の開放位置側に位置する部分が当該開閉蓋3の移動方向中心線から離れている態様が挙げられる。案内部7による弾性保持部6の弾性変形軌跡を工夫したものであり、本例では、開閉蓋3が開放位置に位置するとき、弾性保持部6の弾性変形度合を少なくしたものである。
【0014】
また、粉体処理装置の代表的態様としては、前記粉体処理部品16は、前記開閉機構2の弾性保持部6に抱き込み保持可能に設けられる引っ掛け部17と、前記粉体搬送装置側の開閉機構2の開口1aに接続可能な開口(図示せず)を有し、この開口を開閉すると共に、前記粉体処理部品16が予め決められた受部15に装着されたときに当該開口を前記粉体搬送装置側の開閉機構2の開口1aに接続する開閉機構と、を備え、前記粉体搬送装置は、粉体処理部品16側の開閉機構に係わり合って当該開閉機構の開口を開閉する開閉操作部材(図示せず)を備えていればよい。
本態様では、粉体処理部品16には、予め決められた受部15に対して着脱されるに際し、粉体搬送装置側の開閉機構2を開閉させる要素(引っ掛け部17)を備えているほか、前記開閉機構2の開放時に当該開口1aに接続可能な開口を有し、かつ、この開口を開閉する開閉機構を備えるようにすることが好ましい。このとき、粉体搬送装置側には粉体処理部品側の開閉機構を開閉操作する開閉操作部材を設けるようにすればよい。
更に、本実施の形態では、粉体としての作像材料を用いて画像を形成する作像手段を有し、この作像手段の一部として上述した粉体処理装置を含むようにした画像形成装置を構築するようにしてもよいことは勿論である。
【0015】
◎実施の形態1
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
−画像形成装置全体の構成−
図2は実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
同図において、画像形成装置20は、画像形成装置筐体(以下装置筐体という)21内に四つの色(本実施の形態ではイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成部22(具体的には22a〜22d)を水平方向に対し斜め上方に向かって僅かに傾斜した位置関係にて配列し、その上方に各画像形成部22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト23を配設する一方、装置筐体21の下方には記録材が供給可能に収容される記録材供給装置24を配設すると共に、装置筐体21の上部には画像形成済みの記録材が排出収容される記録材排出受け26を設け、前記記録材供給装置24からの記録材を鉛直方向に沿って延びる記録材搬送路25を介して前記記録材排出受け26に排出するようにしたものである。
【0016】
本実施の形態において、各画像形成部22(22a〜22d)は、図2及び図3に示すように、中間転写ベルト23の循環方向上流側から順に、例えばイエロ用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、例えばドラム状に形成された感光体31と、この感光体31を予め帯電する帯電装置32と、この帯電装置32にて帯電された感光体31に静電潜像を書き込む露光装置33と、感光体31上の静電潜像を各色トナーにて可視像化する現像装置34と、感光体31上の残留トナーを清掃する清掃装置35とを備えている。
ここで、露光装置33は、各画像形成部22に対して共通するものであり、露光容器331内に各色成分の半導体レーザ(図示せず)などの光源からの光を偏向ミラー332で偏向走査し、図示外の結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体31上の露光位置に光像を導くようにしたものである。
【0017】
また、中間転写ベルト23は張架ロール41〜44に掛け渡されており、例えば張架ロール41を駆動ロールとして循環移動するようになっている。そして、各感光体31に対応した中間転写ベルト23の裏面には一次転写装置51(例えば一次転写ロール)が配設され、この一次転写装置51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体31上のトナー像を中間転写ベルト23側に静電的に転写するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の移動方向最下流に位置する画像形成部22dの下流側の張架ロール42に対応した部位には二次転写装置52(例えば二次転写ロール)が配設されており、中間転写ベルト23上の一次転写像を記録材に二次転写(一括転写)するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の二次転写部位の下流側の張架ロール41に対応した部位には中間転写ベルト23上の残留トナーを清掃する中間清掃装置53が設けられている。
ここで、中間転写ベルト23はポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂または各種ゴムにカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものを用い、その体積抵抗率が106〜1014Ω・cmとなるように形成されている。
更に、本実施の形態では、記録材供給装置24のフィーダ61で送出された記録材は、記録材搬送路25中の適宜数の搬送ロール(図示せず)にて搬送され、位置合せロール62にて位置合せされた後に二次転写装置52の二次転写部位を通過し、定着装置66にて未定着トナー像を例えば加熱加圧定着した後、排出ロール67を介して記録材排出受け26に排出収容されるようになっている。
尚、図2中、符号38(38a〜38d)は各画像形成部22(22a〜22d)の現像装置34に新しい現像剤(本実施の形態ではトナー)を補給する現像剤収容容器である。
【0018】
−画像形成部−
本実施の形態では、各画像形成部22(22a〜22d)は、図3に示すように、複数の機能要素が一体化された画像形成組立体としてのプロセスカートリッジとして構成されている。
本例では、プロセスカートリッジ30は、感光体31、この感光体31を帯電する帯電装置32及び感光体31を清掃する清掃装置35が共通の筐体に組み込まれる感光体カートリッジ30aと、この感光体カートリッジ30aに対して位置決め保持され、感光体31上の静電潜像を現像するための現像装置34が組み込まれる現像カートリッジ30bとを備えている。
ここで、帯電装置32は、感光体31に対向した部位が開口する帯電容器321を有し、この帯電容器321内に感光体31の表面に接触若しくは近接する帯電ロール322を配設したものである。
また、清掃装置35は、感光体31に対向する部位が開口した清掃容器351を有し、この清掃容器351の長手方向に沿う開口一縁部には前記感光体31に接触する弾性掻き取り板からなる清掃ブレード352を設けると共に、前記清掃容器351の長手方向に沿う開口他縁部には前記感光体31に接触する弾性シール材353を設け、前記清掃容器351内には清掃ブレード352で掻き取ったトナー等の残留物を長手方向に沿って清掃容器351の外部に排出する搬送部材354を配設したものである。
更に、本実施の形態において、現像装置34は、感光体31に対向して開口し且つ少なくともトナーが含まれる現像剤が収容される現像容器341を有し、この現像容器341の開口部位には感光体31との対向部位に位置する現像域に向けて現像剤が搬送可能な現像剤保持体342を配設すると共に、この現像容器341の現像剤保持体342の背面側には現像剤が循環しながら撹拌搬送可能な一対の現像剤撹拌搬送部材343,344を配設し、現像剤保持体342とこの現像剤保持体342側に位置する現像剤撹拌搬送部材343との間には撹拌搬送された現像剤が現像剤保持体342側に供給可能な現像剤供給部材345を設け、更に、前記現像剤保持体342に供給された現像剤を層厚規制部材346にて所定層厚に規制した後に現像域に現像剤を供給するようにしたものである。
【0019】
−粉体処理装置−
図4は本実施の形態で用いられる粉体処理装置の一例を示す。
同図において、粉体処理装置は、粉体としての現像剤を搬送して補給する粉体搬送装置としての現像剤補給装置80と、この現像剤補給装置80にて補給される現像剤を収容する現像装置34とを備えている。
本例では、現像剤補給装置80は、図4ないし図6に示すように、予め決められた装置筐体21の容器受部27に現像剤収容容器38(図2参照)を配設すると共に、この容器受部27には現像剤収容容器38の現像剤補給口(図示せず)に接続される開口81を開閉機構82にて開閉可能にすると共に、前記開口81には現像剤が搬送可能な弾性素材からなる搬送配管83を接続し、この搬送配管83の下端部に開閉機構110を設け、この開閉機構110にて搬送配管83の下端開口84(図17,図19参照)を開閉するようになっている。
ここで、容器受部27の開閉機構82は、容器受部27に現像剤収容容器38を装着したときに、現像剤収容容器38の開閉機構(図示せず)と係わり合い、現像剤収容容器38の現像剤補給口と前記開閉機構82の開口81とを接続するものである。
尚、搬送配管83側の開閉機構110については後述する。
【0020】
−現像装置−
<現像装置側の開閉機構>
本実施の形態では、現像装置34は、図7ないし図12に示すように、装置筐体21(図2参照)の予め決められた受部(図示せず)に着脱可能に装着されるようになっており、現像容器341の長手方向の一端側に開閉機構90を備えている。この開閉機構90は、現像容器341の一部に補給口91を開設し、この補給口91を開閉する開閉蓋92と、この開閉蓋92を、補給口91を閉塞する閉塞位置と開放する開放位置との間で移動可能に保持して案内する案内レール93とを有する。
そして、この開閉機構90の開閉蓋92には搬送配管83側の開閉機構110と係わり合って、前記開閉機構110が下端開口84を開放したときに、現像装置34側の開閉機構90が補給口91を開放し、搬送配管83の下端開口84が現像装置34の補給口91に接続されるようになっている。
より詳細に述べると、現像装置34側の開閉機構90は、開閉蓋92の搬送配管83側に向かって突出する一対の連結片95を形成し、この連結片95の先端に弾性変形可能な引っ掛け爪96を形成するようにしたものである。一方、搬送配管83側の開閉機構110の一要素である保持枠120(図13参照)の一部には前記引っ掛け爪96が弾性変形することで引っ掛かる孔部125(図17参照)を形成し、予め決められた装置筐体21の受部に対して現像装置34を装置筐体21の手前から奥に向かって挿入装着するとき、前記孔部125に前記引っ掛け爪96を引っ掛けることで前記開閉蓋92と開閉機構110の保持枠120とを連結し、これにより、案内レール93に沿って前記開閉蓋92を閉塞位置から開放位置に向かって移動させ、前記現像装置34が予め決められた装着位置に至るとき、前記開閉機構90の開閉蓋92を開放位置に至るように移動させ、現像装置34の補給口91と搬送配管83の下端開口84とを接続するようにしたものである。
【0021】
<現像装置側の引っ掛け部>
本実施の形態では、現像装置34は、図10ないし図12に示すように、現像容器341の搬送配管83側に板状の突出片97を設けると共に、この突出片97の一部に引っ掛け部100を一体的に形成したものである。
この引っ掛け部100は、図13に示すように、現像装置34の挿入装着方向に対し断面台形状に構成された凸部からなり、搬送配管83側に幅狭の平面部101を有すると共に、搬送配管83とは反対側に幅広の平面部102を有し、両方の平面部101,102間を搬送配管83側に向かって窄むような傾斜面103を有している。
【0022】
−搬送配管側の開閉機構−
図13は現像剤補給装置80における搬送配管83側の開閉機構110を示し、この開閉機構110は、弾性を有する合成樹脂(例えばPOM:ポリアセタール(polyacetal, polyoxymethylene))にて成形された開閉蓋111と、高剛性の合成樹脂(例えばABS樹脂等にて成形され且つ前記開閉蓋111を開閉可能に保持する保持枠120とを備えている。
<開閉蓋>
ここで、開閉蓋111は、図13ないし図16に示すように、略矩形状に成形されており、この開閉蓋111の一方の面の略中央には突き当て部130が一体的に形成されており、この突き当て部130の現像装置34側端部は引っ掛け部100の幅狭の平面部101に対向する平面状の突き当て面131として形成されている。
更に、開閉蓋111の突き当て部130を挟んだ両側には一対の弾性保持部141,142が現像装置34側に向かって延びており、開閉蓋111の開閉方向に延びる中心線に対し略対称に形成されている。これらの弾性保持部141,142は、突き当て部130よりも現像装置34側に延びて基部側を支点として弾性変形する保持腕部143と、この保持腕部143の先端側に設けられ、前記開閉蓋111の移動方向に交差する方向で当該保持腕部143が押し広げられる方向に張り出す張り出し部144と、前記保持腕部143の先端側に設けられ、前記開閉蓋111の移動方向に交差する方向で前記張り出し部144とは反対側に突出する突出部145と、を有している。
【0023】
また、図12,図13に示すように、引っ掛け部100の幅狭の平面部101の幅寸法をA,幅広の平面部102の幅寸法をBとすると、一対の弾性保持部141,142のうち、弾性変形していない自由状態において前記突出部145間の隙間寸法Dと前記寸法A,Bとは、A<B<Dの関係を満たすように選定されている。
また、一対の弾性保持部141,142のうち、弾性変形していない自由状態において張り出し部144は開閉蓋111の開閉方向に交差する幅方向の縁部よりも寸法mだけ内側に配置されている。この寸法mは、弾性保持部141,142が押し広げられる方向に弾性変形するときの許容寸法に相当する。
更に、本実施の形態では、開閉蓋111の突き当て部130の突き当て面131を挟んだ部位には、現像装置34側の引っ掛け部100の位置及び姿勢を規制する規制部150が設けられている。この規制部150は、開閉蓋111の開閉方向に延びる中心線に対して対称形状のV字状溝151を有し、引っ掛け部100の幅狭の平面部101が突き当て部130の突き当て面131に接触するときに、引っ掛け部100の傾斜面103が規制部150のV字状溝151に接触するようになっている。
更にまた、本実施の形態では、開閉蓋111の突き当て部130、弾性保持部141,142、規制部150が形成された面とは反対側の面のうち、現像装置34側の幅方向両側には、開閉蓋111の閉塞位置を位置決めする位置決め突部180が突出形成されている。
【0024】
<保持枠>
本実施の形態において、保持枠120は、図13,図17ないし図19に示すように、矩形状の保持板121の開閉蓋111の開閉方向に交差する幅方向両側には断面L字状の保持レール122,123を折り曲げ成形したものであり、開閉蓋111を開閉方向に移動可能に保持するようになっている。
本例では、保持枠120は、現像装置34側の端部に段差部124を有すると共に、この段差部124の近傍には前述した現像装置34側の開閉機構90の引っ掛け爪96が引っ掛かる孔部125を開設したものである。
更に、本例では、保持レール122,123の折り曲げ部分には、開閉蓋111が開閉方向に移動するときに、上述した弾性保持部141,142の張り出し部144が接触しながら案内される案内部160が形成されている。
この案内部160は、現像装置34側の端部に弾性保持部141,142の張り出し部144の初期位置が規制される規制壁161を有し、この規制壁161の裏側には弾性保持部141,142が弾性変形しない自由状態であるときの張り出し部144が配置される凹部162を設け、更に、この凹部162より開閉蓋111の開放方向側には、前記弾性保持部141,142を倒れ込ませるように弾性変形させるべく前記張り出し部144の位置を拘束案内する案内面163を開閉蓋111の開閉方向に略沿うように形成し、この案内面163の途中に退避部170を設けるようにしたものである。
本例では、退避部170は、弾性保持部141,142が引っ掛け部100に接触することで当該引っ掛け部100の移動を許容するように弾性保持部141,142を弾性変形可能に退避させるものである。
特に、本例では、退避部170は、開閉蓋111が閉塞位置から開放位置に向かって移動する方向に対し、次第に拡開する方向に傾斜する傾斜部171を有し、この傾斜部171の拡開終端部に弾性保持部141,142が突き当て部130側に倒れ込むようにせき止めるせき止め部172を形成したものである。
そして、本例では、弾性保持部141,142は、その先端部が案内部160の入口及び退避部170に位置するときには、開閉蓋111の移動方向に交差する方向で押し広げられる方向に対し非接触にて弾性変形可能になるようになっている。
更に、本例では、案内面163は、開閉蓋111が閉塞位置から開放位置へ移動する方向に対し、開閉蓋111の閉塞位置側に位置する部分に比べ、開閉蓋111の開放位置側に位置する部分が当該開閉蓋111の移動方向中心線から離れている。つまり、案内面163のうち、開閉蓋111の開放位置側に位置する部分は緩やかに拡開する拡開案内面164になっており、開閉蓋111が開放位置に位置するときには、弾性保持部141,142の弾性変形量は少なく抑えられている。
尚、拡開案内面164の終端には開閉蓋111を開放位置で規制する規制壁165が設けられている。
【0025】
−現像装置の装着動作過程−
次に、装置筐体21(図2参照)の予め決められた受部に現像装置34を装着する場合には、図4に矢印方向で示すように、現像装置34を装置筐体21手前から奥側に向かって挿入装着するようにすればよい。
このとき、図20及び図21に示すように、現像装置34側の引っ掛け部100が搬送配管83側の開閉機構110の弾性保持部141,142及び突き当て部130に向かって移動し、引っ掛け部100が開閉機構110に係わり合うことで、開閉機構110の開口84を開放すると共に、現像装置34側の引っ掛け爪96が搬送配管83側の開閉機構110の孔部125に引っ掛かり、これに伴って、開閉機構90の開閉蓋92が開放位置へと押されることになり、この結果、現像装置34側の開閉機構90の補給口91が開放され、前記開口84と前記補給口91とが接続される。
ここで、図22〜図24は両者の係わり合いを段階的に示す説明図である。
また、搬送配管83側の開閉機構110に着目すると、現像装置34を挿入装着していくと、先ず図25に示すように、現像装置34側の引っ掛け部100が開閉機構110の弾性保持部141,142に接触する。すると、引っ掛け部100の傾斜面103によって弾性保持部141,142の突出部145間が押し広げられ、前記引っ掛け部100が弾性保持部141,142に抱き込まれた状態で保持されると共に、引っ掛け部100の幅狭の平面部101が前記突き当て部130の突き当て面131に突き当たる。
このとき、同時に、引っ掛け部100の位置及び姿勢は規制部150にて規制される。
この状態において、更に現像装置34を挿入すると、図26に示すように、引っ掛け部100が突き当て部130を押し続けるため、開閉蓋111が保持枠120に沿って閉塞位置から開放位置へと移動していく。
そして、弾性保持部141,142は案内部160の途中で退避部170に至る。この退避部170では、弾性保持部141,142は開閉蓋111の開閉方向に対し押し広げる方向に弾性変形可能になる。このような状態においては、引っ掛け部100が弾性保持部141,142に抱き込まれた状態で保持されている場合には、弾性保持部141,142の弾性による保持状態が退避部170を通過するときに一旦緩やかになった後、弾性保持部141,142が再び案内面163に沿って弾性を強めた状態で移動していく。
しかしながら、例えば現像装置34側の引っ掛け部100が開閉機構110の弾性保持部141,142に抱き込まれないまま退避部170まで移動してきたような場合には、弾性保持部141,142の張り出し部144が退避部170に到達した段階で、弾性保持部141,142が開閉蓋111の開閉方向に対し押し広げられる方向に弾性変形しやすくなるため、退避部170の存在によって、現像装置34側の引っ掛け部100が弾性保持部141,142に抱き込まれた状態で保持されるに至る可能性が高くなる。
この結果、装置筐体21の予め決められた受部に現像装置34を挿入装着すると、図27に示すように、現像装置34側の引っ掛け部100が弾性保持部141,142に抱き込まれた状態で保持され、突き当て部130を終端位置まで押しつけるため、開閉蓋111は開放位置に移動し、搬送配管83の下端開口84は開放される。
このように、本例では、引っ掛け部100と弾性保持部141,142との係わり合いにつき、仮に、両者の係わり合いが不完全であったとしても、退避部170で再度両者の係わり合い動作が行われることから、引っ掛け部100と弾性保持部141,142との係わり合いが不完全なままになる懸念は少なく、開閉機構110による開閉蓋111の開放動作は安定的に行われる。
【0026】
−現像装置の離脱操作過程−
次に、装置筐体21の予め決められた受部から現像装置34を離脱する場合を想定すると、以下のようである。
今、図27に示す状態から、現像装置34を離脱方向に抜き出すと、現像装置34側の引っ掛け部100の幅広の平面部102が弾性保持部141,142の突出部145に突き当たり、開閉蓋111が保持枠120に沿って開放位置から閉塞位置へと移動していく。
そして、弾性保持部141,142の張り出し部144が規制壁161まで到達すると、弾性保持部141,142の移動が規制されることになり、かつ、張り出し部144が凹部162位置に配置される。この状態において、現像装置34を更に離脱方向に抜き出すと、弾性保持部141,142が押し広げる方向に弾性変形することから、引っ掛け部100が弾性保持部141,142の突出部145間から外れることになり、現像装置34は離脱する。
特に、本例では、引っ掛け部100は規制部150によって開閉蓋111の開閉方向に延びる中心線に対し略対称の位置に規制されるため、引っ掛け部100が開閉蓋111の前記中心線から一方側に片寄るなどすることはなく、弾性保持部141,142から引っ掛け部100はスムースに外れる。
一方、現像装置34の開閉機構90では、現像装置34の抜き出しに伴って開閉蓋92が開放位置から閉塞位置へと移動する。
【0027】
◎変形の形態
本実施の形態では、開閉蓋111の突き当て部130に現像装置34側の引っ掛け部100を突き当て、開閉蓋111を開閉する態様になっているが、これに限られるものではなく、例えば引っ掛け部100が弾性保持部141,142に抱き込み保持される位置に至った状態で、粉体処理部品としての現像装置34の一部を開閉蓋111の縁部(突き当て部に相当)に突き当てることで開閉蓋111を開放するようにしてもよい。
また、実施の形態1では、突き当て部130は開閉蓋111の一方の面の略中央に設けられ、規制部150は開閉蓋111の開閉方向に延びる中心線に対して対称形状のV字状溝151を有し、開閉蓋111の略中央に位置する突き当て部130に対して引っ掛け部100の位置及び姿勢を規制する態様であるが、必ずしもこれに限られるものではなく、レイアウトやスペースの関係で、開閉蓋111の略中央に突き当て部130を配置できないような場合には、開閉蓋111の略中央以外の箇所に突き当て部130を配置し、これに対して引っ掛け部100の位置及び姿勢を規制する規制部150を設けるようにすればよい。また、本実施の形態では、規制部150は引っ掛け部100の対称形状に合わせて対称形状に形成されているが、これに限られるものではなく、非対称形状の引っ掛け部100に合わせて非対称形状に形成してもよいことは勿論である。
【0028】
◎実施の形態2
図28は実施の形態2に係る搬送配管側の開閉機構の要部を示す。
同図において、開閉機構110は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、前記規制部150を備えていないものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態によれば、図28〜図30に示すように、装置筐体21の予め決められた受部に現像装置34を挿入装着する動作過程は、実施の形態1と略同様に行われ、引っ掛け部100が弾性保持部141,142に抱き込まれないまま、開閉機構110の開閉動作が不完全になる懸念はない。尚、現像装置34を離脱する動作過程についても、規制部150による作用は得られないが、それ以外については実施の形態1と略同様である。
尚、本実施の形態においても、開閉蓋111の開放構造は実施の形態1の変形形態と同様に構成してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
1…搬送経路,1a…開口,2…開閉機構,3…開閉蓋,4…保持枠,5…突き当て部,6(6a,6b)…弾性保持部,7…案内部,8…退避部,15…受部,16…粉体処理部品,17…引っ掛け部
【技術分野】
【0001】
本発明は、開閉機構及びこれを用いた粉体搬送装置、粉体処理装置、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における粉体処理装置で用いられる開閉機構としては例えば特許文献1記載のものが知られている。
これは、粉体としてトナーを用いたものであり、カートリッジ側係合部材を有するトナーカートリッジと、シャッタ側係合部材を有する補給口シャッタとを備え、トナーカートリッジの離脱時に、カートリッジ側係合部材とシャッタ側係合部材とが係合して、補給口シャッタがトナーカートリッジと連結された状態でトナー補給口を開放位置から閉塞位置に移動し、トナーカートリッジの離脱動作に伴って補給口シャッタが閉塞位置に移動してから、シャッタ側係合部材とカートリッジ側係合部材との係合を解除するようにした技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−134452号公報(発明を実施するための最良の形態,図9)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、予め決められた受部に対して着脱可能な粉体処理部品の着脱に伴って粉体の供給又は回収のための開口を安定的に開閉する開閉機構及びこれを用いた粉体搬送装置、粉体処理装置、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、粉体の供給又は回収のための開口を有する搬送経路に設けられ、予め決められた受部に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品の着脱に伴って前記開口を開閉する開閉機構であって、粉体の供給又は回収のための開口を開閉する開閉蓋と、この開閉蓋を前記開口が閉塞する閉塞位置と開放する開放位置との間で移動可能に保持する保持枠と、前記開閉蓋に設けられ、前記粉体処理部品を装着するときに前記粉体処理部品の一部が突き当たり前記開閉蓋を閉塞位置から開放位置に移動させる突き当て部と、粉体処理部品側に延び且つ前記開閉蓋の移動方向に交差する方向に対し弾性変形可能に前記開閉蓋に設けられ、前記粉体処理部品を装着するときに当該粉体処理部品側に設けられた引っ掛け部に接触することで当該引っ掛け部の移動を許容するように弾性変形した後、前記開閉蓋の閉塞位置から開放位置への移動方向に沿って移動した前記引っ掛け部を抱き込むように保持する弾性保持部と、前記保持枠に設けられ、前記開閉蓋が前記閉塞位置から前記開放位置まで保持枠に沿って移動するときに、前記引っ掛け部の移動を許容するように弾性変形した前記弾性保持部を案内する案内部と、この案内部の途中に設けられ、前記弾性保持部が前記引っ掛け部に接触することで当該引っ掛け部の移動を許容するように前記弾性保持部を弾性変形可能に退避させる退避部と、を備えたことを特徴とする開閉機構である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る開閉機構において、前記突き当て部は、前記粉体処理部品を装着するときに前記引っ掛け部に突き当たるものであることを特徴とする開閉機構である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る開閉機構において、前記弾性保持部は、前記引っ掛け部を挟んで一対設けられていることを特徴とする開閉機構である。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3いずれかに係る開閉機構において、前記弾性保持部は、前記粉体処理部品側に延びて基部側を支点として弾性変形する保持腕部と、この保持腕部の先端側に設けられ、前記開閉蓋の移動方向に交差する方向で当該保持腕部が押し広げられる方向に張り出す張り出し部と、前記保持腕部の先端側に設けられ、前記開閉蓋の移動方向に交差する方向で前記張り出し部とは反対側に突出する突出部と、を有することを特徴とする開閉機構である。
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4いずれかに係る開閉機構において、前記弾性保持部は、その先端部が案内部の入口及び退避部に位置するときには、開閉蓋の移動方向に交差する方向で押し広げられる方向に対し非接触にて弾性変形可能であることを特徴とする開閉機構である。
請求項6に係る発明は、請求項1ないし5いずれかに係る開閉機構において、前記退避部は、開閉蓋が閉塞位置から開放位置に向かって移動する方向に対し、次第に拡開する方向に傾斜する傾斜部を有し、この傾斜部の拡開終端部に前記弾性保持部が前記突き当て部側に倒れ込むようにせき止めるせき止め部を形成したものであることを特徴とする開閉機構である。
請求項7に係る発明は、請求項1ないし6いずれかに係る開閉機構において、前記案内部は、開閉蓋が閉塞位置から開放位置へ移動する方向に対し、前記開閉蓋の閉塞位置側に位置する部分に比べ、前記開閉蓋の開放位置側に位置する部分が当該開閉蓋の移動方向中心線から離れていることを特徴とする開閉機構である。
【0007】
請求項8に係る発明は、粉体の供給又は回収のための開口を有し、この開口を通じて粉体を搬送する搬送経路と、この搬送経路の開口に対応して設けられ、予め決められた受部に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品の着脱に伴って開閉する請求項1ないし7いずれかに係る開閉機構と、を備えたことを特徴とする粉体搬送装置である。
請求項9に係る発明は、予め決められた受部に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品と、請求項8に係る粉体搬送装置と、を備えたことを特徴とする粉体処理装置である。
請求項10に係る発明は、請求項9に係る粉体処理装置において、前記粉体処理部品は、前記開閉機構の弾性保持部にて抱き込み保持可能に設けられる引っ掛け部と、前記粉体搬送装置側の開閉機構の開口に接続可能な開口を有し、この開口を開閉すると共に、前記粉体処理部品が予め決められた受部に装着されたときに当該開口を前記粉体搬送装置側の開閉機構の開口に接続する開閉機構と、を備え、前記粉体搬送装置は、粉体処理部品側の開閉機構に係わり合って当該開閉機構の開口を開閉する開閉操作部材を備えることを特徴とする粉体処理装置である。
請求項11に係る発明は、粉体としての作像材料を用いて画像を形成する作像手段を有し、この作像手段の一部として請求項9又は10に係る粉体処理装置を含むことを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、予め決められた受部に対して着脱可能な粉体処理部品の着脱に伴って粉体の供給又は回収のための開口を安定的に開閉することができる。
請求項2に係る発明によれば、粉体処理部品側の引っ掛け部との係わりにより開口を安定的に開閉することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、粉体処理部品の着脱操作に伴う開閉機構の姿勢を適正な姿勢に保つことができる。
請求項4に係る発明によれば、粉体処理部品側の引っ掛け部に対する弾性保持部による抱き込み保持性をより強化することができる。
請求項5に係る発明によれば、粉体処理部品側の引っ掛け部に対する弾性保持部による抱き込み保持性をより安定させることができる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、開閉蓋の開閉に伴う案内性を損なうことなく、弾性保持部による引っ掛け部の弾性保持性を良好に保つことができる。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、弾性保持部の永久変形を少なく抑えることができる。
請求項8に係る発明によれば、予め決められた受部に対して着脱可能な粉体処理部品の着脱に伴って粉体の供給又は回収のための開口を安定的に開閉することができ、これに伴って、粉体の搬送挙動を安定させることができる。
請求項9に係る発明によれば、予め決められた受部に対して着脱可能な粉体処理部品の着脱に伴って粉体の供給又は回収のための開口を安定的に開閉することができ、これに伴って、粉体処理部品の着脱に伴う粉体の搬送挙動に支障をきたす事態を有効に回避することができる。
請求項10に係る発明によれば、粉体処理部品の着脱に伴って、粉体搬送装置側の開閉機構と粉体処理部品側の開閉機構とを連動させて開閉することができる。
請求項11に係る発明によれば、予め決められた受部に対して着脱可能な粉体処理部品の着脱に伴って粉体としての作像材料の供給又は回収のための開口を安定的に開閉することができ、これに伴って、粉体処理部品の着脱に伴う粉体としての作像材料の搬送挙動に支障をきたす事態を有効に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本発明が適用された粉体処理装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)における粉体搬送装置側の開閉機構の要部を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図3】実施の形態1で用いられる画像形成部を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられる粉体処理装置の全体構成を示す説明図である。
【図5】実施の形態1で用いられる粉体搬送装置としての現像剤補給装置の全体構成を示す説明図である。
【図6】図5中VI方向から見た矢視図である。
【図7】実施の形態1で用いられる粉体処理部品である現像装置を示す説明図である。
【図8】図7に示す現像装置側の開閉機構を開放させた状態を示す説明図である。
【図9】(a)は図7に示す現像装置の正面説明図、(b)はその平面説明図である。
【図10】図9(a)に示す現像装置側の開閉機構の要部を示す説明図である。
【図11】図10の平面説明図である。
【図12】図11に示す開閉機構を開放した状態を示す説明図である。
【図13】実施の形態1で用いられる粉体搬送装置としての現像剤補給装置側の開閉機構の要部を示す説明図である。
【図14】図13に示す開閉機構のうち開閉蓋及び開閉蓋周辺の構造を示す説明図である。
【図15】図14中XV方向から見た矢視図である。
【図16】図15中XVI方向から見た矢視図である。
【図17】図13に示す開閉機構のうち保持枠及びこの保持枠周辺の構造を示す斜視図である。
【図18】図17中XVIII方向から見た矢視図である。
【図19】図18の平面説明図である。
【図20】実施の形態1において、装置筐体の現像受部に現像装置を装着するときに、現像装置と粉体搬送装置とが係わり合う直前の状態を示す説明図である。
【図21】実施の形態1において、装置筐体の現像受部に現像装置を装着完了したときの状態を示す説明図である。
【図22】実施の形態1における現像装置と粉体搬送装置側の開閉機構とが係わり合う前の状態を示す斜視図である。
【図23】実施の形態1における現像装置と粉体搬送装置側の開閉機構とが係わり合う直前の状態を示す斜視図である。
【図24】実施の形態1における現像装置と粉体搬送装置側の開閉機構との係わり合いが完了した状態を示す斜視図である。
【図25】実施の形態1における現像装置と粉体搬送装置側の開閉機構との係わり合い動作につき、開閉機構の開閉蓋が閉塞位置から移動し始める状態を示す説明図である。
【図26】図25と同様な係わり合い動作につき、開閉機構の開閉蓋が閉塞位置から開放位置に向かう途中の位置に到達した状態を示す説明図である。
【図27】図25と同様な係わり合い動作につき、開閉機構の開閉蓋が開放位置に到達したときの状態を示す説明図である。
【図28】実施の形態2で用いられる粉体搬送装置側の開閉機構につき、開閉機構の開閉蓋が閉塞位置から移動し始める状態を示す説明図である。
【図29】実施の形態2で用いられる粉体搬送装置側の開閉機構につき、開閉機構の開閉蓋が閉塞位置から開放位置に向かう途中の位置に到達した状態を示す説明図である。
【図30】実施の形態2で用いられる粉体搬送装置側の開閉機構につき、開閉機構の開閉蓋が開放位置に到達したときの状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
先ず、本発明が適用される粉体処理装置の実施の形態の概要を説明する。
図1(a)において、粉体処理装置は、予め決められた受部15に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品16と、粉体を搬送する粉体搬送装置と、を備えている。
本例では、粉体搬送装置は、粉体の供給又は回収のための開口1aを有し、この開口1aを通じて粉体を搬送する搬送経路1と、この搬送経路1の開口1aに対応して設けられ、予め決められた受部15に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品16の着脱に伴って開閉する開閉機構2と、を備えている。
【0011】
更に、本実施の形態では、開閉機構2は、図1(a)(b)に示すように、粉体の供給又は回収のための開口1aを開閉する開閉蓋3と、この開閉蓋3を前記開口1aが閉塞する閉塞位置と開放する開放位置との間で移動可能に保持する保持枠4と、前記開閉蓋3に設けられ、前記粉体処理部品16を装着するときに前記粉体処理部品16の一部が突き当たり前記開閉蓋3を閉塞位置から開放位置に移動させる突き当て部5と、粉体処理部品16側に延び且つ前記開閉蓋3の移動方向に交差する方向に対し弾性変形可能に前記開閉蓋3に設けられ、前記粉体処理部品16を装着するときに当該粉体処理部品16側に設けられた引っ掛け部17に接触することで当該引っ掛け部17の移動を許容するように弾性変形した後、前記開閉蓋3の閉塞位置から開放位置への移動方向に沿って移動した前記引っ掛け部17を抱き込むように保持する弾性保持部6と、前記保持枠4に設けられ、前記開閉蓋3が前記閉塞位置から前記開放位置まで保持枠4に沿って移動するときに、前記引っ掛け部17の移動を許容するように弾性変形した前記弾性保持部6を案内する案内部7と、この案内部7の途中に設けられ、前記弾性保持部6が前記引っ掛け部17に接触することで当該引っ掛け部17の移動を許容するように前記弾性保持部6を弾性変形可能に退避させる退避部8と、を備えている。
【0012】
このような技術的手段において、粉体処理部品16とは、予め決められた受部15に対して着脱可能に装着される部品で、粉体を処理する機能を有するものであればよい。例えば電子写真方式の画像形成装置を例に挙げれば、粉体としての作像材料を収容して静電潜像を現像する現像装置、粉体としての作像材料を供給する収容容器、粉体としての作像材料を回収する回収容器などが挙げられる。
また、開閉機構2は、粉体処理部品16側の開閉機構ではなく、粉体の供給又は回収のための開口1aを有する搬送経路1に設けられ、前記開口1aを開閉するものを対象とする。
更に、開閉蓋3は開口1aを閉塞する閉塞位置と開口1aを開放する開放位置との間で、保持枠4に移動可能に保持されていればよい。このとき、保持枠4は開閉蓋3又は開閉蓋3に設けられる弾性保持部6に係わり合って、開閉蓋3を閉塞位置又は開放位置で位置を規制することが好ましい。
更にまた、突き当て部5は、粉体処理部品16の一部に突き当たり、開閉蓋3を閉塞位置から開放位置に移動させるものであれば適宜選定してよい。ここで、図1(a)(b)では、突き当て部5は、粉体処理部品16の一部に設けられた引っ掛け部17が突き当たる態様が示されているが、これに限られるものではなく、例えば引っ掛け部17が弾性保持部6に抱き込み保持される位置に至った状態で、粉体処理部品16の一部(例えば縁部)が突き当て部5としての開閉蓋3の縁部に突き当たり、開閉蓋3を閉塞位置から開放位置へと移動させてもよい。
また、弾性保持部6は、粉体処理部品16側に延び、開閉蓋3の移動方向に交差する方向に弾性変形可能に設けられることで、引っ掛け部17との係わり合いで弾性変形し、粉体処理部品16の引っ掛け部17を抱き込むように保持する機能を備えていればよい。
そして、案内部7は、弾性保持部6により引っ掛け部17を抱き込んで保持するように、引っ掛け部17との係わり合いで弾性変形した弾性保持部6を案内するものであればよい。
更に、退避部8は、弾性保持部6により引っ掛け部17を抱き込んで保持するに当たり、例えば開閉機構2が弾性変形可能な搬送経路1に設けられている場合には、開閉機構2の弾性保持部6と粉体処理部品16の引っ掛け部17との相対位置関係がずれてしまい、引っ掛け部17が弾性保持部6に抱き込むように保持されないまま開閉蓋3が引っ掛け部17によって閉塞位置から開放位置へと移動してしまう懸念がある。しかしながら、本例では、案内部7の途中に退避部8を設けるようにしたので、弾性保持部6の先端が退避部8に至ったときに、引っ掛け部17が弾性保持部6を退避部8の空間を利用して押し広げることが可能になり、この退避部8にて引っ掛け部17が弾性保持部6に抱き込まれた状態で保持されるような挙動を示す。このような挙動を経ているため、本例では、引っ掛け部17が弾性保持部6に抱き込まれない状態のまま開閉蓋3が開放位置に至る懸念はない。
それゆえ、例えば粉体処理部品16を装着後に再び離脱するとしても、粉体処理部品16を離脱するに当たり、引っ掛け部17は開閉蓋3の弾性保持部6に抱き込まれて保持されているため、開閉蓋3は粉体処理部品16の離脱に伴う引っ掛け部17の移動に伴って開閉蓋3は開放位置から閉塞位置まで移動した後に開閉機構2から引っ掛け部17が外れる。このため、粉体処理部品16を離脱したとしても、開閉機構2開口1aが開放されたままになることは有効に抑えられる。
【0013】
次に、本実施の形態で用いられる代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、弾性保持部6の代表的態様としては、引っ掛け部17を挟んで一対設けられている態様が挙げられる。本態様によれば、対構成の弾性保持部6(本例では6a,6b)で両側から引っ掛け部17を抱き込んで保持すると、粉体処理部品16の着脱方向に対する開閉機構2の開閉蓋3の移動方向を略一致させることが可能である。
また、弾性保持部6の別の代表的態様としては、粉体処理部品16側に延びて基部側を支点として弾性変形する保持腕部と、この保持腕部の先端側に設けられ、前記開閉蓋3の移動方向に交差する方向で当該保持腕部が押し広げられる方向に張り出す張り出し部と、前記保持腕部の先端側に設けられ、前記開閉蓋3の移動方向に交差する方向で前記張り出し部とは反対側に突出する突出部と、を有する態様が挙げられる。
ここで、弾性保持部6として、保持腕部は引っ掛け部17を抱き込んで保持するための寸法を有していればよく、また、張り出し部は、引っ掛け部17が保持腕部に入り込む際に保持腕部が押し広げられるように案内部7に一旦せき止められるようにしたものである。更に、突出部は、引っ掛け部17が保持腕部に抱き込まれた状態で保持されたとき、粉体処理部品16を離脱するとき、前記引っ掛け部17が保持腕部から離脱することを回避する。
更に、弾性保持部6の別の代表的態様としては、その先端部が案内部7の入口及び退避部8に位置するときには、開閉蓋3の移動方向に交差する方向で押し広げられる方向に対し非接触にて弾性変形可能である態様が挙げられる。弾性保持部6は、その先端部が案内部7の入口及び退避部8に位置するときには、開閉蓋3の移動方向に交差する方向で押し広げられる方向に対し弾性変形可能であればよいが、非接触である方が弾性変形し易い点で好ましい。
また、退避部8の代表的態様としては、開閉蓋3が閉塞位置から開放位置に向かって移動する方向に対し、次第に拡開する方向に傾斜する傾斜部を有し、この傾斜部の拡開終端部に前記弾性保持部6が前記突き当て部5側に倒れ込むようにせき止めるせき止め部を形成したものがある。このようにすれば、傾斜部が弾性保持部6に対する案内性を確保し、せき止め部にて弾性保持部6が一旦せき止められ、引っ掛け部17が弾性保持部6に抱き込んだ状態で保持され易い点で好ましい。
また、案内部7の好ましい態様としては、開閉蓋3が閉塞位置から開放位置へ移動する方向に対し、前記開閉蓋3の閉塞位置側に位置する部分に比べ、前記開閉蓋3の開放位置側に位置する部分が当該開閉蓋3の移動方向中心線から離れている態様が挙げられる。案内部7による弾性保持部6の弾性変形軌跡を工夫したものであり、本例では、開閉蓋3が開放位置に位置するとき、弾性保持部6の弾性変形度合を少なくしたものである。
【0014】
また、粉体処理装置の代表的態様としては、前記粉体処理部品16は、前記開閉機構2の弾性保持部6に抱き込み保持可能に設けられる引っ掛け部17と、前記粉体搬送装置側の開閉機構2の開口1aに接続可能な開口(図示せず)を有し、この開口を開閉すると共に、前記粉体処理部品16が予め決められた受部15に装着されたときに当該開口を前記粉体搬送装置側の開閉機構2の開口1aに接続する開閉機構と、を備え、前記粉体搬送装置は、粉体処理部品16側の開閉機構に係わり合って当該開閉機構の開口を開閉する開閉操作部材(図示せず)を備えていればよい。
本態様では、粉体処理部品16には、予め決められた受部15に対して着脱されるに際し、粉体搬送装置側の開閉機構2を開閉させる要素(引っ掛け部17)を備えているほか、前記開閉機構2の開放時に当該開口1aに接続可能な開口を有し、かつ、この開口を開閉する開閉機構を備えるようにすることが好ましい。このとき、粉体搬送装置側には粉体処理部品側の開閉機構を開閉操作する開閉操作部材を設けるようにすればよい。
更に、本実施の形態では、粉体としての作像材料を用いて画像を形成する作像手段を有し、この作像手段の一部として上述した粉体処理装置を含むようにした画像形成装置を構築するようにしてもよいことは勿論である。
【0015】
◎実施の形態1
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明をより詳細に説明する。
−画像形成装置全体の構成−
図2は実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
同図において、画像形成装置20は、画像形成装置筐体(以下装置筐体という)21内に四つの色(本実施の形態ではイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成部22(具体的には22a〜22d)を水平方向に対し斜め上方に向かって僅かに傾斜した位置関係にて配列し、その上方に各画像形成部22の配列方向に沿って循環搬送される中間転写ベルト23を配設する一方、装置筐体21の下方には記録材が供給可能に収容される記録材供給装置24を配設すると共に、装置筐体21の上部には画像形成済みの記録材が排出収容される記録材排出受け26を設け、前記記録材供給装置24からの記録材を鉛直方向に沿って延びる記録材搬送路25を介して前記記録材排出受け26に排出するようにしたものである。
【0016】
本実施の形態において、各画像形成部22(22a〜22d)は、図2及び図3に示すように、中間転写ベルト23の循環方向上流側から順に、例えばイエロ用、マゼンタ用、シアン用、ブラック用(配列は必ずしもこの順番とは限らない)のトナー像を形成するものであり、例えばドラム状に形成された感光体31と、この感光体31を予め帯電する帯電装置32と、この帯電装置32にて帯電された感光体31に静電潜像を書き込む露光装置33と、感光体31上の静電潜像を各色トナーにて可視像化する現像装置34と、感光体31上の残留トナーを清掃する清掃装置35とを備えている。
ここで、露光装置33は、各画像形成部22に対して共通するものであり、露光容器331内に各色成分の半導体レーザ(図示せず)などの光源からの光を偏向ミラー332で偏向走査し、図示外の結像レンズ、ミラーを介して対応する感光体31上の露光位置に光像を導くようにしたものである。
【0017】
また、中間転写ベルト23は張架ロール41〜44に掛け渡されており、例えば張架ロール41を駆動ロールとして循環移動するようになっている。そして、各感光体31に対応した中間転写ベルト23の裏面には一次転写装置51(例えば一次転写ロール)が配設され、この一次転写装置51にトナーの帯電極性と逆極性の電圧を印加することで、感光体31上のトナー像を中間転写ベルト23側に静電的に転写するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の移動方向最下流に位置する画像形成部22dの下流側の張架ロール42に対応した部位には二次転写装置52(例えば二次転写ロール)が配設されており、中間転写ベルト23上の一次転写像を記録材に二次転写(一括転写)するようになっている。
更に、中間転写ベルト23の二次転写部位の下流側の張架ロール41に対応した部位には中間転写ベルト23上の残留トナーを清掃する中間清掃装置53が設けられている。
ここで、中間転写ベルト23はポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂または各種ゴムにカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものを用い、その体積抵抗率が106〜1014Ω・cmとなるように形成されている。
更に、本実施の形態では、記録材供給装置24のフィーダ61で送出された記録材は、記録材搬送路25中の適宜数の搬送ロール(図示せず)にて搬送され、位置合せロール62にて位置合せされた後に二次転写装置52の二次転写部位を通過し、定着装置66にて未定着トナー像を例えば加熱加圧定着した後、排出ロール67を介して記録材排出受け26に排出収容されるようになっている。
尚、図2中、符号38(38a〜38d)は各画像形成部22(22a〜22d)の現像装置34に新しい現像剤(本実施の形態ではトナー)を補給する現像剤収容容器である。
【0018】
−画像形成部−
本実施の形態では、各画像形成部22(22a〜22d)は、図3に示すように、複数の機能要素が一体化された画像形成組立体としてのプロセスカートリッジとして構成されている。
本例では、プロセスカートリッジ30は、感光体31、この感光体31を帯電する帯電装置32及び感光体31を清掃する清掃装置35が共通の筐体に組み込まれる感光体カートリッジ30aと、この感光体カートリッジ30aに対して位置決め保持され、感光体31上の静電潜像を現像するための現像装置34が組み込まれる現像カートリッジ30bとを備えている。
ここで、帯電装置32は、感光体31に対向した部位が開口する帯電容器321を有し、この帯電容器321内に感光体31の表面に接触若しくは近接する帯電ロール322を配設したものである。
また、清掃装置35は、感光体31に対向する部位が開口した清掃容器351を有し、この清掃容器351の長手方向に沿う開口一縁部には前記感光体31に接触する弾性掻き取り板からなる清掃ブレード352を設けると共に、前記清掃容器351の長手方向に沿う開口他縁部には前記感光体31に接触する弾性シール材353を設け、前記清掃容器351内には清掃ブレード352で掻き取ったトナー等の残留物を長手方向に沿って清掃容器351の外部に排出する搬送部材354を配設したものである。
更に、本実施の形態において、現像装置34は、感光体31に対向して開口し且つ少なくともトナーが含まれる現像剤が収容される現像容器341を有し、この現像容器341の開口部位には感光体31との対向部位に位置する現像域に向けて現像剤が搬送可能な現像剤保持体342を配設すると共に、この現像容器341の現像剤保持体342の背面側には現像剤が循環しながら撹拌搬送可能な一対の現像剤撹拌搬送部材343,344を配設し、現像剤保持体342とこの現像剤保持体342側に位置する現像剤撹拌搬送部材343との間には撹拌搬送された現像剤が現像剤保持体342側に供給可能な現像剤供給部材345を設け、更に、前記現像剤保持体342に供給された現像剤を層厚規制部材346にて所定層厚に規制した後に現像域に現像剤を供給するようにしたものである。
【0019】
−粉体処理装置−
図4は本実施の形態で用いられる粉体処理装置の一例を示す。
同図において、粉体処理装置は、粉体としての現像剤を搬送して補給する粉体搬送装置としての現像剤補給装置80と、この現像剤補給装置80にて補給される現像剤を収容する現像装置34とを備えている。
本例では、現像剤補給装置80は、図4ないし図6に示すように、予め決められた装置筐体21の容器受部27に現像剤収容容器38(図2参照)を配設すると共に、この容器受部27には現像剤収容容器38の現像剤補給口(図示せず)に接続される開口81を開閉機構82にて開閉可能にすると共に、前記開口81には現像剤が搬送可能な弾性素材からなる搬送配管83を接続し、この搬送配管83の下端部に開閉機構110を設け、この開閉機構110にて搬送配管83の下端開口84(図17,図19参照)を開閉するようになっている。
ここで、容器受部27の開閉機構82は、容器受部27に現像剤収容容器38を装着したときに、現像剤収容容器38の開閉機構(図示せず)と係わり合い、現像剤収容容器38の現像剤補給口と前記開閉機構82の開口81とを接続するものである。
尚、搬送配管83側の開閉機構110については後述する。
【0020】
−現像装置−
<現像装置側の開閉機構>
本実施の形態では、現像装置34は、図7ないし図12に示すように、装置筐体21(図2参照)の予め決められた受部(図示せず)に着脱可能に装着されるようになっており、現像容器341の長手方向の一端側に開閉機構90を備えている。この開閉機構90は、現像容器341の一部に補給口91を開設し、この補給口91を開閉する開閉蓋92と、この開閉蓋92を、補給口91を閉塞する閉塞位置と開放する開放位置との間で移動可能に保持して案内する案内レール93とを有する。
そして、この開閉機構90の開閉蓋92には搬送配管83側の開閉機構110と係わり合って、前記開閉機構110が下端開口84を開放したときに、現像装置34側の開閉機構90が補給口91を開放し、搬送配管83の下端開口84が現像装置34の補給口91に接続されるようになっている。
より詳細に述べると、現像装置34側の開閉機構90は、開閉蓋92の搬送配管83側に向かって突出する一対の連結片95を形成し、この連結片95の先端に弾性変形可能な引っ掛け爪96を形成するようにしたものである。一方、搬送配管83側の開閉機構110の一要素である保持枠120(図13参照)の一部には前記引っ掛け爪96が弾性変形することで引っ掛かる孔部125(図17参照)を形成し、予め決められた装置筐体21の受部に対して現像装置34を装置筐体21の手前から奥に向かって挿入装着するとき、前記孔部125に前記引っ掛け爪96を引っ掛けることで前記開閉蓋92と開閉機構110の保持枠120とを連結し、これにより、案内レール93に沿って前記開閉蓋92を閉塞位置から開放位置に向かって移動させ、前記現像装置34が予め決められた装着位置に至るとき、前記開閉機構90の開閉蓋92を開放位置に至るように移動させ、現像装置34の補給口91と搬送配管83の下端開口84とを接続するようにしたものである。
【0021】
<現像装置側の引っ掛け部>
本実施の形態では、現像装置34は、図10ないし図12に示すように、現像容器341の搬送配管83側に板状の突出片97を設けると共に、この突出片97の一部に引っ掛け部100を一体的に形成したものである。
この引っ掛け部100は、図13に示すように、現像装置34の挿入装着方向に対し断面台形状に構成された凸部からなり、搬送配管83側に幅狭の平面部101を有すると共に、搬送配管83とは反対側に幅広の平面部102を有し、両方の平面部101,102間を搬送配管83側に向かって窄むような傾斜面103を有している。
【0022】
−搬送配管側の開閉機構−
図13は現像剤補給装置80における搬送配管83側の開閉機構110を示し、この開閉機構110は、弾性を有する合成樹脂(例えばPOM:ポリアセタール(polyacetal, polyoxymethylene))にて成形された開閉蓋111と、高剛性の合成樹脂(例えばABS樹脂等にて成形され且つ前記開閉蓋111を開閉可能に保持する保持枠120とを備えている。
<開閉蓋>
ここで、開閉蓋111は、図13ないし図16に示すように、略矩形状に成形されており、この開閉蓋111の一方の面の略中央には突き当て部130が一体的に形成されており、この突き当て部130の現像装置34側端部は引っ掛け部100の幅狭の平面部101に対向する平面状の突き当て面131として形成されている。
更に、開閉蓋111の突き当て部130を挟んだ両側には一対の弾性保持部141,142が現像装置34側に向かって延びており、開閉蓋111の開閉方向に延びる中心線に対し略対称に形成されている。これらの弾性保持部141,142は、突き当て部130よりも現像装置34側に延びて基部側を支点として弾性変形する保持腕部143と、この保持腕部143の先端側に設けられ、前記開閉蓋111の移動方向に交差する方向で当該保持腕部143が押し広げられる方向に張り出す張り出し部144と、前記保持腕部143の先端側に設けられ、前記開閉蓋111の移動方向に交差する方向で前記張り出し部144とは反対側に突出する突出部145と、を有している。
【0023】
また、図12,図13に示すように、引っ掛け部100の幅狭の平面部101の幅寸法をA,幅広の平面部102の幅寸法をBとすると、一対の弾性保持部141,142のうち、弾性変形していない自由状態において前記突出部145間の隙間寸法Dと前記寸法A,Bとは、A<B<Dの関係を満たすように選定されている。
また、一対の弾性保持部141,142のうち、弾性変形していない自由状態において張り出し部144は開閉蓋111の開閉方向に交差する幅方向の縁部よりも寸法mだけ内側に配置されている。この寸法mは、弾性保持部141,142が押し広げられる方向に弾性変形するときの許容寸法に相当する。
更に、本実施の形態では、開閉蓋111の突き当て部130の突き当て面131を挟んだ部位には、現像装置34側の引っ掛け部100の位置及び姿勢を規制する規制部150が設けられている。この規制部150は、開閉蓋111の開閉方向に延びる中心線に対して対称形状のV字状溝151を有し、引っ掛け部100の幅狭の平面部101が突き当て部130の突き当て面131に接触するときに、引っ掛け部100の傾斜面103が規制部150のV字状溝151に接触するようになっている。
更にまた、本実施の形態では、開閉蓋111の突き当て部130、弾性保持部141,142、規制部150が形成された面とは反対側の面のうち、現像装置34側の幅方向両側には、開閉蓋111の閉塞位置を位置決めする位置決め突部180が突出形成されている。
【0024】
<保持枠>
本実施の形態において、保持枠120は、図13,図17ないし図19に示すように、矩形状の保持板121の開閉蓋111の開閉方向に交差する幅方向両側には断面L字状の保持レール122,123を折り曲げ成形したものであり、開閉蓋111を開閉方向に移動可能に保持するようになっている。
本例では、保持枠120は、現像装置34側の端部に段差部124を有すると共に、この段差部124の近傍には前述した現像装置34側の開閉機構90の引っ掛け爪96が引っ掛かる孔部125を開設したものである。
更に、本例では、保持レール122,123の折り曲げ部分には、開閉蓋111が開閉方向に移動するときに、上述した弾性保持部141,142の張り出し部144が接触しながら案内される案内部160が形成されている。
この案内部160は、現像装置34側の端部に弾性保持部141,142の張り出し部144の初期位置が規制される規制壁161を有し、この規制壁161の裏側には弾性保持部141,142が弾性変形しない自由状態であるときの張り出し部144が配置される凹部162を設け、更に、この凹部162より開閉蓋111の開放方向側には、前記弾性保持部141,142を倒れ込ませるように弾性変形させるべく前記張り出し部144の位置を拘束案内する案内面163を開閉蓋111の開閉方向に略沿うように形成し、この案内面163の途中に退避部170を設けるようにしたものである。
本例では、退避部170は、弾性保持部141,142が引っ掛け部100に接触することで当該引っ掛け部100の移動を許容するように弾性保持部141,142を弾性変形可能に退避させるものである。
特に、本例では、退避部170は、開閉蓋111が閉塞位置から開放位置に向かって移動する方向に対し、次第に拡開する方向に傾斜する傾斜部171を有し、この傾斜部171の拡開終端部に弾性保持部141,142が突き当て部130側に倒れ込むようにせき止めるせき止め部172を形成したものである。
そして、本例では、弾性保持部141,142は、その先端部が案内部160の入口及び退避部170に位置するときには、開閉蓋111の移動方向に交差する方向で押し広げられる方向に対し非接触にて弾性変形可能になるようになっている。
更に、本例では、案内面163は、開閉蓋111が閉塞位置から開放位置へ移動する方向に対し、開閉蓋111の閉塞位置側に位置する部分に比べ、開閉蓋111の開放位置側に位置する部分が当該開閉蓋111の移動方向中心線から離れている。つまり、案内面163のうち、開閉蓋111の開放位置側に位置する部分は緩やかに拡開する拡開案内面164になっており、開閉蓋111が開放位置に位置するときには、弾性保持部141,142の弾性変形量は少なく抑えられている。
尚、拡開案内面164の終端には開閉蓋111を開放位置で規制する規制壁165が設けられている。
【0025】
−現像装置の装着動作過程−
次に、装置筐体21(図2参照)の予め決められた受部に現像装置34を装着する場合には、図4に矢印方向で示すように、現像装置34を装置筐体21手前から奥側に向かって挿入装着するようにすればよい。
このとき、図20及び図21に示すように、現像装置34側の引っ掛け部100が搬送配管83側の開閉機構110の弾性保持部141,142及び突き当て部130に向かって移動し、引っ掛け部100が開閉機構110に係わり合うことで、開閉機構110の開口84を開放すると共に、現像装置34側の引っ掛け爪96が搬送配管83側の開閉機構110の孔部125に引っ掛かり、これに伴って、開閉機構90の開閉蓋92が開放位置へと押されることになり、この結果、現像装置34側の開閉機構90の補給口91が開放され、前記開口84と前記補給口91とが接続される。
ここで、図22〜図24は両者の係わり合いを段階的に示す説明図である。
また、搬送配管83側の開閉機構110に着目すると、現像装置34を挿入装着していくと、先ず図25に示すように、現像装置34側の引っ掛け部100が開閉機構110の弾性保持部141,142に接触する。すると、引っ掛け部100の傾斜面103によって弾性保持部141,142の突出部145間が押し広げられ、前記引っ掛け部100が弾性保持部141,142に抱き込まれた状態で保持されると共に、引っ掛け部100の幅狭の平面部101が前記突き当て部130の突き当て面131に突き当たる。
このとき、同時に、引っ掛け部100の位置及び姿勢は規制部150にて規制される。
この状態において、更に現像装置34を挿入すると、図26に示すように、引っ掛け部100が突き当て部130を押し続けるため、開閉蓋111が保持枠120に沿って閉塞位置から開放位置へと移動していく。
そして、弾性保持部141,142は案内部160の途中で退避部170に至る。この退避部170では、弾性保持部141,142は開閉蓋111の開閉方向に対し押し広げる方向に弾性変形可能になる。このような状態においては、引っ掛け部100が弾性保持部141,142に抱き込まれた状態で保持されている場合には、弾性保持部141,142の弾性による保持状態が退避部170を通過するときに一旦緩やかになった後、弾性保持部141,142が再び案内面163に沿って弾性を強めた状態で移動していく。
しかしながら、例えば現像装置34側の引っ掛け部100が開閉機構110の弾性保持部141,142に抱き込まれないまま退避部170まで移動してきたような場合には、弾性保持部141,142の張り出し部144が退避部170に到達した段階で、弾性保持部141,142が開閉蓋111の開閉方向に対し押し広げられる方向に弾性変形しやすくなるため、退避部170の存在によって、現像装置34側の引っ掛け部100が弾性保持部141,142に抱き込まれた状態で保持されるに至る可能性が高くなる。
この結果、装置筐体21の予め決められた受部に現像装置34を挿入装着すると、図27に示すように、現像装置34側の引っ掛け部100が弾性保持部141,142に抱き込まれた状態で保持され、突き当て部130を終端位置まで押しつけるため、開閉蓋111は開放位置に移動し、搬送配管83の下端開口84は開放される。
このように、本例では、引っ掛け部100と弾性保持部141,142との係わり合いにつき、仮に、両者の係わり合いが不完全であったとしても、退避部170で再度両者の係わり合い動作が行われることから、引っ掛け部100と弾性保持部141,142との係わり合いが不完全なままになる懸念は少なく、開閉機構110による開閉蓋111の開放動作は安定的に行われる。
【0026】
−現像装置の離脱操作過程−
次に、装置筐体21の予め決められた受部から現像装置34を離脱する場合を想定すると、以下のようである。
今、図27に示す状態から、現像装置34を離脱方向に抜き出すと、現像装置34側の引っ掛け部100の幅広の平面部102が弾性保持部141,142の突出部145に突き当たり、開閉蓋111が保持枠120に沿って開放位置から閉塞位置へと移動していく。
そして、弾性保持部141,142の張り出し部144が規制壁161まで到達すると、弾性保持部141,142の移動が規制されることになり、かつ、張り出し部144が凹部162位置に配置される。この状態において、現像装置34を更に離脱方向に抜き出すと、弾性保持部141,142が押し広げる方向に弾性変形することから、引っ掛け部100が弾性保持部141,142の突出部145間から外れることになり、現像装置34は離脱する。
特に、本例では、引っ掛け部100は規制部150によって開閉蓋111の開閉方向に延びる中心線に対し略対称の位置に規制されるため、引っ掛け部100が開閉蓋111の前記中心線から一方側に片寄るなどすることはなく、弾性保持部141,142から引っ掛け部100はスムースに外れる。
一方、現像装置34の開閉機構90では、現像装置34の抜き出しに伴って開閉蓋92が開放位置から閉塞位置へと移動する。
【0027】
◎変形の形態
本実施の形態では、開閉蓋111の突き当て部130に現像装置34側の引っ掛け部100を突き当て、開閉蓋111を開閉する態様になっているが、これに限られるものではなく、例えば引っ掛け部100が弾性保持部141,142に抱き込み保持される位置に至った状態で、粉体処理部品としての現像装置34の一部を開閉蓋111の縁部(突き当て部に相当)に突き当てることで開閉蓋111を開放するようにしてもよい。
また、実施の形態1では、突き当て部130は開閉蓋111の一方の面の略中央に設けられ、規制部150は開閉蓋111の開閉方向に延びる中心線に対して対称形状のV字状溝151を有し、開閉蓋111の略中央に位置する突き当て部130に対して引っ掛け部100の位置及び姿勢を規制する態様であるが、必ずしもこれに限られるものではなく、レイアウトやスペースの関係で、開閉蓋111の略中央に突き当て部130を配置できないような場合には、開閉蓋111の略中央以外の箇所に突き当て部130を配置し、これに対して引っ掛け部100の位置及び姿勢を規制する規制部150を設けるようにすればよい。また、本実施の形態では、規制部150は引っ掛け部100の対称形状に合わせて対称形状に形成されているが、これに限られるものではなく、非対称形状の引っ掛け部100に合わせて非対称形状に形成してもよいことは勿論である。
【0028】
◎実施の形態2
図28は実施の形態2に係る搬送配管側の開閉機構の要部を示す。
同図において、開閉機構110は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、前記規制部150を備えていないものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態によれば、図28〜図30に示すように、装置筐体21の予め決められた受部に現像装置34を挿入装着する動作過程は、実施の形態1と略同様に行われ、引っ掛け部100が弾性保持部141,142に抱き込まれないまま、開閉機構110の開閉動作が不完全になる懸念はない。尚、現像装置34を離脱する動作過程についても、規制部150による作用は得られないが、それ以外については実施の形態1と略同様である。
尚、本実施の形態においても、開閉蓋111の開放構造は実施の形態1の変形形態と同様に構成してもよいことは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
1…搬送経路,1a…開口,2…開閉機構,3…開閉蓋,4…保持枠,5…突き当て部,6(6a,6b)…弾性保持部,7…案内部,8…退避部,15…受部,16…粉体処理部品,17…引っ掛け部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体の供給又は回収のための開口を有する搬送経路に設けられ、予め決められた受部に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品の着脱に伴って前記開口を開閉する開閉機構であって、
粉体の供給又は回収のための開口を開閉する開閉蓋と、
この開閉蓋を前記開口が閉塞する閉塞位置と開放する開放位置との間で移動可能に保持する保持枠と、
前記開閉蓋に設けられ、前記粉体処理部品を装着するときに前記粉体処理部品の一部が突き当たり前記開閉蓋を閉塞位置から開放位置に移動させる突き当て部と、
粉体処理部品側に延び且つ前記開閉蓋の移動方向に交差する方向に対し弾性変形可能に前記開閉蓋に設けられ、前記粉体処理部品を装着するときに当該粉体処理部品側に設けられた引っ掛け部に接触することで当該引っ掛け部の移動を許容するように弾性変形した後、前記開閉蓋の閉塞位置から開放位置への移動方向に沿って移動した前記引っ掛け部を抱き込むように保持する弾性保持部と、
前記保持枠に設けられ、前記開閉蓋が前記閉塞位置から前記開放位置まで保持枠に沿って移動するときに、前記引っ掛け部の移動を許容するように弾性変形した前記弾性保持部を案内する案内部と、
この案内部の途中に設けられ、前記弾性保持部が前記引っ掛け部に接触することで当該引っ掛け部の移動を許容するように前記弾性保持部を弾性変形可能に退避させる退避部と、
を備えたことを特徴とする開閉機構。
【請求項2】
請求項1記載の開閉機構において、
前記突き当て部は、前記粉体処理部品を装着するときに前記引っ掛け部に突き当たるものであることを特徴とする開閉機構。
【請求項3】
請求項1又は2記載の開閉機構において、
前記弾性保持部は、前記引っ掛け部を挟んで一対設けられていることを特徴とする開閉機構。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の開閉機構において、
前記弾性保持部は、前記粉体処理部品側に延びて基部側を支点として弾性変形する保持腕部と、この保持腕部の先端側に設けられ、前記開閉蓋の移動方向に交差する方向で当該保持腕部が押し広げられる方向に張り出す張り出し部と、前記保持腕部の先端側に設けられ、前記開閉蓋の移動方向に交差する方向で前記張り出し部とは反対側に突出する突出部と、を有することを特徴とする開閉機構。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれかに記載の開閉機構において、
前記弾性保持部は、その先端部が案内部の入口及び退避部に位置するときには、開閉蓋の移動方向に交差する方向で押し広げられる方向に対し非接触にて弾性変形可能であることを特徴とする開閉機構。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれかに記載の開閉機構において、
前記退避部は、開閉蓋が閉塞位置から開放位置に向かって移動する方向に対し、次第に拡開する方向に傾斜する傾斜部を有し、この傾斜部の拡開終端部に前記弾性保持部が前記突き当て部側に倒れ込むようにせき止めるせき止め部を形成したものであることを特徴とする開閉機構。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれかに記載の開閉機構において、
前記案内部は、開閉蓋が閉塞位置から開放位置へ移動する方向に対し、前記開閉蓋の閉塞位置側に位置する部分に比べ、前記開閉蓋の開放位置側に位置する部分が当該開閉蓋の移動方向中心線から離れていることを特徴とする開閉機構。
【請求項8】
粉体の供給又は回収のための開口を有し、この開口を通じて粉体を搬送する搬送経路と、
この搬送経路の開口に対応して設けられ、予め決められた受部に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品の着脱に伴って開閉する請求項1ないし7いずれかに記載の開閉機構と、
を備えたことを特徴とする粉体搬送装置。
【請求項9】
予め決められた受部に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品と、
請求項8記載の粉体搬送装置と、
を備えたことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項10】
請求項9記載の粉体処理装置において、
前記粉体処理部品は、前記開閉機構の弾性保持部にて抱き込み保持可能に設けられる引っ掛け部と、
前記粉体搬送装置側の開閉機構の開口に接続可能な開口を有し、この開口を開閉すると共に、前記粉体処理部品が予め決められた受部に装着されたときに当該開口を前記粉体搬送装置側の開閉機構の開口に接続する開閉機構と、を備え、
前記粉体搬送装置は、粉体処理部品側の開閉機構に係わり合って当該開閉機構の開口を開閉する開閉操作部材を備えることを特徴とする粉体処理装置。
【請求項11】
粉体としての作像材料を用いて画像を形成する作像手段を有し、この作像手段の一部として請求項9又は10記載の粉体処理装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
粉体の供給又は回収のための開口を有する搬送経路に設けられ、予め決められた受部に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品の着脱に伴って前記開口を開閉する開閉機構であって、
粉体の供給又は回収のための開口を開閉する開閉蓋と、
この開閉蓋を前記開口が閉塞する閉塞位置と開放する開放位置との間で移動可能に保持する保持枠と、
前記開閉蓋に設けられ、前記粉体処理部品を装着するときに前記粉体処理部品の一部が突き当たり前記開閉蓋を閉塞位置から開放位置に移動させる突き当て部と、
粉体処理部品側に延び且つ前記開閉蓋の移動方向に交差する方向に対し弾性変形可能に前記開閉蓋に設けられ、前記粉体処理部品を装着するときに当該粉体処理部品側に設けられた引っ掛け部に接触することで当該引っ掛け部の移動を許容するように弾性変形した後、前記開閉蓋の閉塞位置から開放位置への移動方向に沿って移動した前記引っ掛け部を抱き込むように保持する弾性保持部と、
前記保持枠に設けられ、前記開閉蓋が前記閉塞位置から前記開放位置まで保持枠に沿って移動するときに、前記引っ掛け部の移動を許容するように弾性変形した前記弾性保持部を案内する案内部と、
この案内部の途中に設けられ、前記弾性保持部が前記引っ掛け部に接触することで当該引っ掛け部の移動を許容するように前記弾性保持部を弾性変形可能に退避させる退避部と、
を備えたことを特徴とする開閉機構。
【請求項2】
請求項1記載の開閉機構において、
前記突き当て部は、前記粉体処理部品を装着するときに前記引っ掛け部に突き当たるものであることを特徴とする開閉機構。
【請求項3】
請求項1又は2記載の開閉機構において、
前記弾性保持部は、前記引っ掛け部を挟んで一対設けられていることを特徴とする開閉機構。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれかに記載の開閉機構において、
前記弾性保持部は、前記粉体処理部品側に延びて基部側を支点として弾性変形する保持腕部と、この保持腕部の先端側に設けられ、前記開閉蓋の移動方向に交差する方向で当該保持腕部が押し広げられる方向に張り出す張り出し部と、前記保持腕部の先端側に設けられ、前記開閉蓋の移動方向に交差する方向で前記張り出し部とは反対側に突出する突出部と、を有することを特徴とする開閉機構。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれかに記載の開閉機構において、
前記弾性保持部は、その先端部が案内部の入口及び退避部に位置するときには、開閉蓋の移動方向に交差する方向で押し広げられる方向に対し非接触にて弾性変形可能であることを特徴とする開閉機構。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれかに記載の開閉機構において、
前記退避部は、開閉蓋が閉塞位置から開放位置に向かって移動する方向に対し、次第に拡開する方向に傾斜する傾斜部を有し、この傾斜部の拡開終端部に前記弾性保持部が前記突き当て部側に倒れ込むようにせき止めるせき止め部を形成したものであることを特徴とする開閉機構。
【請求項7】
請求項1ないし6いずれかに記載の開閉機構において、
前記案内部は、開閉蓋が閉塞位置から開放位置へ移動する方向に対し、前記開閉蓋の閉塞位置側に位置する部分に比べ、前記開閉蓋の開放位置側に位置する部分が当該開閉蓋の移動方向中心線から離れていることを特徴とする開閉機構。
【請求項8】
粉体の供給又は回収のための開口を有し、この開口を通じて粉体を搬送する搬送経路と、
この搬送経路の開口に対応して設けられ、予め決められた受部に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品の着脱に伴って開閉する請求項1ないし7いずれかに記載の開閉機構と、
を備えたことを特徴とする粉体搬送装置。
【請求項9】
予め決められた受部に対して着脱可能に装着されて粉体を処理する粉体処理部品と、
請求項8記載の粉体搬送装置と、
を備えたことを特徴とする粉体処理装置。
【請求項10】
請求項9記載の粉体処理装置において、
前記粉体処理部品は、前記開閉機構の弾性保持部にて抱き込み保持可能に設けられる引っ掛け部と、
前記粉体搬送装置側の開閉機構の開口に接続可能な開口を有し、この開口を開閉すると共に、前記粉体処理部品が予め決められた受部に装着されたときに当該開口を前記粉体搬送装置側の開閉機構の開口に接続する開閉機構と、を備え、
前記粉体搬送装置は、粉体処理部品側の開閉機構に係わり合って当該開閉機構の開口を開閉する開閉操作部材を備えることを特徴とする粉体処理装置。
【請求項11】
粉体としての作像材料を用いて画像を形成する作像手段を有し、この作像手段の一部として請求項9又は10記載の粉体処理装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2012−173644(P2012−173644A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37567(P2011−37567)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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