防水コネクタ及びその製造方法
【課題】コネクタを構成する部品間の隙間から毛細管現象により水などが侵入するのを確実に阻止できる防水コネクタを提供する。
【解決手段】良導電性のコンタクト2と、このコンタクトを内部に配設する金属製管状体からなる金属シェル3と、コンタクト2を固定する電気絶縁性のハウジング4と備え、ハウジング4は、金属シェル3の内部に、コンタクト2を内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設すると共に電気絶縁性合成樹脂を注入して、一体にモールド成形した樹脂成型体4a〜4e及び4e1で形成されている。
【解決手段】良導電性のコンタクト2と、このコンタクトを内部に配設する金属製管状体からなる金属シェル3と、コンタクト2を固定する電気絶縁性のハウジング4と備え、ハウジング4は、金属シェル3の内部に、コンタクト2を内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設すると共に電気絶縁性合成樹脂を注入して、一体にモールド成形した樹脂成型体4a〜4e及び4e1で形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水コネクタ及びその製造方法に係り、さらに詳しくは、金属シェルを備えた防水コネクタ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、情報端末などの電子・情報機器が急速に普及して来ている。これらの電子・情報機器には、外部機器と接続するために様々なタイプの電気コネクタが組み込まれているが、その多くがUSB規格に適合するものとなっている。このようなコネクタは、通常、外部から内部へノイズが侵入して、電子機器内の電子回路などに障害を与えるのを防ぐため、いわゆるEMI(Electro Magnetic Interference:電磁干渉)障害を除去するために、コンタクトを装着した絶縁ハウジングをシールドケースで覆い電磁遮蔽する構造となっている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、携帯電話機に実装されたコネクタが開示されている。このコネクタ10は、図13、図14に示すように、複数本のコンタクト端子13と、これらのコンタクト端子を射出成形で一体に固定したハウジング11と、このハウジングの前方に装着したシェル12及び後方に実装したシール部材14とを有している。ハウジング11には、シール部材14を内部に実装するためのシール部材接続溝111が設けられている。シール部材14は、ハウジング11のシール部材接続溝111に対応する貫通孔140と、機器筐体の上側ケース100A及び下側ケース100Bをシール部材14に挿入するようにシール部材14の外周に沿って形成された気密溝部141とを有している。シール部材14の前側突起部142及び後側突起部142Aは、気密溝部141により区画されている。シール部材14の貫通孔140の内側に形成された凹部140A及び140B間の接続により、ハウジング11に形成されたシール部材接続溝111は、図14に示すように、シール部材接続溝111の外側に実装されたシール部材14の貫通孔140に気密に係合される。また、シェル12は、相手方コネクタ(不図示)のフックを固定するために、シェル12の上部に一対の固定孔121を有する。
【0004】
水は、固定孔121、ハウジング11、機器筐体の上側ケース100A及び下側ケース100B間の隙間を通って、本体に実装された印刷回路基板の内部まで入り込み、深刻なダメージを生じさせる恐れがあるが、このコネクタ10では、シール部材14、機器筐体の上側ケース100A及び下側ケース100Bの組立体が気密構造となるので、コネクタ10に入り込んだ水がシェル12の固定孔121を通ってさらに本体内に入り込むのを防止できる。
【0005】
また、携帯電話機筐体にコネクタを実装し、このコネクタを実装して機器筐体の開口に、端子保護カバーを設けて防水構造にしたコネクタも知られている(例えば、下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−176734号公報(段落〔0038〕〜〔0044〕、図3、図4、図6)
【特許文献2】特開2005−228756号公報(段落〔0033〕、〔0034〕、図2)
【特許文献3】特開2001−351745号公報(段落〔0032〕、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1、2のコネクタによれば、機器内への水の浸入を防止できる。しかしながら、これらのコネクタは、以下の課題が潜在している。上記特許文献1のコネクタは、複数本のコンタクト端子と、これらのコンタクト端子を射出成形で一体に固定したハウジングと、このハウジングの前方に装着したシェル及び後方に実装したシール部材とで構成されて、シール部、機器筐体の上側ケース及び下側ケースの組立体が気密構造となるので、コネクタに入り込んだ水がシェルの固定孔を通ってさらに本体内に入り込むのを防止できる。しかしながら、この防水構造は、ハウジングに、その前方にシェルと後方にシール部材とをこれらの部材を所定距離離した状態で装着しなければならないので、コネクタの長手方向の長さが長くなり、そのために機器筐体への実装スペースが大きくなる。また、部品点数が多くなり、しかも、回路配線基板への取付けは、ハウジングへのねじ結合にしなければならないので、その取付け作業が面倒で工数も掛かり、一方でまた、この種のシェルを備えたコネクタの通常の取付け方法、例えば、シェルに取付け片を設けて、この取付け片を回路配線基板に半田接続で固定するなどの方法を採用できない。
【0008】
また、上記特許文献2のコネクタは、コネクタを設けた機器筐体の開口を端子保護カバーで密閉シールするようにしてあるので、コネクタの不使用時に端子保護カバーでコネクタ取付け穴を密閉できて、水などの侵入を阻止できるが、特殊構造の端子保護カバーが必要となると共に、この保護カバーを装着できるように機器筐体の設計変更が必須となる。このために、端子保護カバーが機器筐体から外れ紛失する恐れがあり、また、全体で機器のコスト高を招くことになる。なお、このような防水カバーは、現在、防水性を維持するために2年に一度、有償で交換するようになっている。
【0009】
携帯電子機器、特に携帯電話機は、過酷な環境下で使用され、その状況によっては電子機器に好ましくない環境下で使用される機会が極めて多くなる。例えば、手などの汗が伝わり、湿気、塵ゴミが多い場所や雨がかかる場所で使用され、また、こぼれた水などに浸漬され、さらに過って水中へ落下させてしまうことなど様々な態様となり、しかもそれらは想定外の環境下で使用されることも多くなり、これらはいずれも電子機器にとって過酷な環境下での使用となっている。このために、携帯電子機器がこのような環境下に置かれるとコネクタを通して機器内に水が浸入する恐れが十分ある。例えば、上記特許文献1、2のコネクタでも、部品間に隙間ができ、この隙間から内部へ水滴や塵埃が侵入する恐れがある。特に、毛細管現象による浸水を阻止することができない。すなわち、携帯電子器に組み込まれたコネクタは、そのコネクタの一部、特に金属シェルの先端部が機器筐体から露出し、この露出部分から毛細管現象により侵入する恐れがある。なお、この対策として、コンタクト端子をハウジングのモールド成形により、直接に一体に保持するようにしたコネクタが上記特許文献3に開示されている。
【0010】
そこで本発明は、このような従来技術が抱える課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、簡単な構造で確実に水、塵などの侵入を阻止できる防水コネクタを提供することにある。特に、コネクタを構成する部品間の隙間から毛細管現象により水などが侵入するのを確実に阻止できる防水コネクタを提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記目的を有し、さらに部品点数を少なくして、しかも小型化、例えば背低化できる防水コネクタを提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、効率よく簡単に上記防水コネクタを製造できる防水コネクタの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の防水コネクタでは、良導電性のコンタクトと、前記コンタクトを内部に配設する金属製管状体からなる金属シェルと、前記コンタクトを固定する電気絶縁性のハウジングとを有する防水コネクタにおいて、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に、前記コンタクトを内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設すると共に電気絶縁性合成樹脂を注入して、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成したことを特徴とする。
【0012】
また、第2の態様の防水コネクタは、前記第1の態様の防水コネクタにおいて、前記コンタクトは、一端に相手方コネクタのコンタクトと接触する接点部と、他端に回路配線基板等の配線に接続する接続部及び前記接点部と接続部との間を繋ぐ中間部とを有し、
前記金属シェルは、少なくとも一端に開口及び内部に該開口に連通した空洞穴を有し、前記開口の内部付近を相手方コネクタが差込まれる差込み部とした金属製管状体で形成して、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に前記コンタクトの接点部及び中間部を内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設し、前記電気絶縁性合成樹脂を前記差込み部を除く内部箇所に注入して、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成して、前記コンタクトの接続部を外部へ露出させたことを特徴とする。
【0013】
また、第3の態様の防水コネクタは、前記第2の態様の防水コネクタにおいて、前記金属シェルは、前記差込み部の内壁面に相手方コネクタの係止部が係止される抜け止め部及び外周囲に回路配線基板等に実装する取付け固定片並びにアース端子が設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、第4の態様の防水コネクタは、良導電性のコンタクトと、前記コンタクトが内部に配置される金属製管状体からなる金属シェルと、前記コンタクトを固定する電気絶縁性のハウジングとを有する防水コネクタにおいて、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に前記コンタクトを内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設して電気絶縁性樹脂を注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成したことを特徴とする。
【0015】
また、第5の態様の防水コネクタは、前記第4の態様の防水コネクタにおいて、前記コンタクトは、一端に相手方コネクタのコンタクトと接触する接点部と、他端に回路配線基板等の配線に接続する接続部及び前記接点部と接続部との間を繋ぐ中間部とを有し、
前記金属シェルは、少なくとも一端に開口及び内部に該開口に連通した空洞穴を有し、前記開口の内部付近を相手方コネクタが差込まれる差込み部とした金属製管状体で形成して、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に前記コンタクトの接点部及び中間部を内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設し、前記電気絶縁性樹脂を前記差込み部を除く内部箇所に注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成して、前記コンタクトの接続部を外部へ露出させたことを特徴とする。
【0016】
また、第6の態様の防水コネクタは、前記第5の態様の防水コネクタにおいて、前記金属シェルは、前記差込み部の内壁面に相手方コネクタの係止部が係止される抜け止め部及び外周囲に回路配線基板等に実装する取付け固定片並びにアース端子が設けられていることを特徴とする。
【0017】
また、第7の態様の防水コネクタは、前記第4〜6のいずれかの態様の防水コネクタにおいて、前記ハウジングは、前記金属シェルの外周を覆った箇所に、外部防水部材が装着されていることを特徴とする。
【0018】
また、第8の態様の防水コネクタの製造方法は、前記第1〜3のいずれかの態様の防水コネクタにおいて以下(i)〜(iii)の工程を含むことを特徴とする。
(i)所定大きさの良導電性金属板を打抜き・折曲加工して、キャリアに連結片で連結して、前記コンタクト及び金属シェルを一体に形成するコンタクト及び金属シェル一体形成工程、
(ii)前記工程(i)で一体成形した前記コンタクト及び金属シェルの周囲に金型を配設して、前記金属シェル内部に電気絶縁性合成樹脂を注入して前記コンタクトをモールドして樹脂成型体からなる前記ハウジングを成型するハウジング成型工程、
(iii)前記工程(ii)でハウジングをモールド成型した後に、前記コンタクト、前記金属シェル及び連結片を前記キャリアから切断するキャリア切断工程。
【0019】
また、第9の態様の防水コネクタの製造方法は、前記第4〜7のいずれかの態様の防水コネクタにおいて以下(i')〜(iii')の工程を含むことを特徴とする。
(i')所定大きさの良導電性金属板を打抜き・折曲加工して、キャリアに連結片で連結して、前記コンタクト及び金属シェルを一体に形成するコンタクト及び金属シェル一体形成工程、
(ii')前記工程(i')で一体成形した前記コンタクト及び金属シェルの周囲を金型で囲んで、前記金属シェルの内部に前記電気絶縁性樹脂を注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体からなる前記ハウジングを成型するハウジング成型工程、
(iii')前記工程(ii')でハウジングをモールド成型した後に、前記コンタクト、前記金属シェル及び連結片を前記キャリアから切断するキャリア切断工程。
【0020】
また、第10の態様の防水コネクタの製造方法は、前記第8又は9の態様の防水コネクタの製造方法において、前記連結片は、前記アース端子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1及び第2の態様の防水コネクタによれば、金属シェル及びコンタクトは、電気絶縁性樹脂で一体にモールド成形した樹脂成型体からなるハウジングで固定されるので、コンタクトとハウジングとの間及び金属シェル内壁面とハウジングとの間が緊密に接合されるので、これらの間を伝わって水が侵入することがなく、防水、防塵効果が発揮される。特に、毛細管現象による水の侵入を防止できる。
【0022】
本発明の第3の態様の防水コネクタによれば、取付け固定片及びアース端子を利用して、回路配線基板等に機械的及び電気的に連結・接続することができる。また、小型化、例えば背低化ができる。
【0023】
本発明の第4及び第5の態様の防水コネクタによれば、金属シェル及びコンタクトは、電気絶縁性樹脂で一体にモールド成形された樹脂成型体からなるハウジングで固定されるので、コンタクトとハウジングとの間及び金属シェル内壁面とハウジングとの間が緊密に接合されるので、これらの間を伝わって水が侵入することがなく、防水、防塵効果が発揮される。特に、毛細管現象による水の侵入を防止できる。さらに、ハウジングは、金属シェルの外周囲も覆っているので、金属シェルを保護できると共に、外周囲を覆うハウジングに防水部材などの装着が容易になる。
【0024】
本発明の第6の態様の防水コネクタによれば、取付け固定片及びアース端子を利用して、回路配線基板等に機械的及び電気的に連結・接続することができる。また、小型化、例えば背低化ができる。
【0025】
本発明の第7の態様の防水コネクタによれば、ハウジングに外部防水部材を装着することにより、コネクタを実装する機器筐体との防水、防塵効果が発揮される。
【0026】
本発明の第8及び第9の態様の防水コネクタの製造方法によれば、コンタクト及び金属シェルとキャリアとは、連結片で繋がった同一板材で一体形成して、これらを電気絶縁性合成樹脂でモールドするので、モールドが一度済み、ハウジング成型体の作成が容易になり、効率よく簡単に防水コネクタを製造できる。
【0027】
本発明の第10の態様の防水コネクタの製造方法によれば、連結片をアース端子にすることにより、特別な連結片が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は本発明の実施形態1に係る防水コネクタを示し、図1Aは前方からみた前方斜視図、図1Bは後方からみた後方斜視図である。
【図2】図2は図1の防水コネクタの詳細図、図2Aは正面図、図2Bは上面図、図2Cは下面図、図2Dは一方の側面図、図2Eは他方の側面図である。
【図3】図3は図2AのIII−III線で切断した拡大断面図である。
【図4】図4Aはコンタクトを複数本併設・配列したコンタクト群の斜視図、図4Bは図2Aコンタクトの1本のコンタクトの側面図である。
【図5】図5は金属シェルを示し、図5Aは前方斜視図、図5Bは後方斜視図である。
【図6】図6は図5の金属シェルの詳細図で、図5Aは正面図、図5Bは上面図、図5Cは底面図、図5Dは一方の側面図、図5Eは他方の側面図である。
【図7】図7は図6AのVII−VII線で切断した拡大断面図である。
【図8】図8は製造工程の一部を示し、図8Aはコンタクトと金属シェルとを一体に成形した成形体を示し、図8Aは前方の斜視図、図8Bは後方の斜視図である。
【図9】図9は図8の詳細図で、図9Aは正面図、図9Bは上面図、図9Cは底面図、図9Dは一方の側面図、図9Eは他方の側面図である。
【図10】図10は図9AのX−X線で切断した拡大断面図である。
【図11】図11は図8のコンタクト/金属シェル成形体に金型を配設して、図9AのX−X線で切断した拡大断面図である。
【図12】図12は外装防水シール部材を示し、図12Aは斜視図、図12Bは図12AのXIIB−XIIB線で切断した断面図である。
【図13】図13は従来技術のコネクタの斜視図である。
【図14】図14は図13のコネクタを機器筐体に実装した状態で縦方向に切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための防水コネクタ及びその製造方法を例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0030】
[実施形態1]
図1〜図3を参照して、本発明の実施形態1に係る防水コネクタを説明する。なお、図1は本発明の実施形態1に係る防水コネクタを示し、図1Aは前方からみた前方斜視図、図1Bは後方からみた後方斜視図、図2は図1の防水コネクタの詳細図で、図2Aは正面図、図2Bは上面図、図2Cは下面図、図2Dは一方の側面図、図2Eは他方の側面図、図3は図2AのIII−III線で切断した拡大断面図である。
【0031】
本発明の実施形態1に係る防水コネクタ(以下、コネクタという)1は、携帯電話機などの情報端末の筐体に取付けて、図示を省略した相手方コネクタが取外し自在に差込み接続されるコネクタとなっている。このコネクタ1は、図1〜図3に示すように、複数本のコンタクト2と、これらのコンタクトを内部に配置してこれらを電磁シールする金属製管状体からなる金属シェル3と、これらのコンタクトを所定の間隔をあけて支持・固定する電気絶縁性のハウジング4とを有している。このハウジング4は、金属シェル3の内部に、複数本のコンタクト2を金属シェルの内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設した後に、電気絶縁性の合成樹脂材を内部に注入すると共に外周囲を覆って、一体にモールド成形した成型体で形成されている。すなわち、このハウジング4は、コネクタ製造工程におけるモールド工程で作成されるものとなっている。
【0032】
このコネクタ1は、複数本のコンタクト2が金属シェル3内に電気絶縁性の合成樹脂材によりモールド成形した成型体からなるハウジング4内に一体、すなわちインサートモールドした状態で支持・固定されるので、各コンタクト2とハウジング4とが緊密に固定されてその間に隙間が発生することがない。その結果、各コンタクト2を伝わって水がこのコネクタ1が装着された機器内などへ浸入することがない。特に、各コンタクト2を伝わって毛細管現象により侵入する水を確実に阻止できる。また、ハウジング4は、金属シェル3の内壁面、すなわち管状体の内壁面ともモールド成形により緊密に密着されるので、この部分からの水の浸入をも阻止できる。さらに、ハウジング4は、金属シェル3の外周囲、すなわち、管状体の外周囲がモールド成形による成型体で形成されるので、金属シェル3が樹脂材で保護されるとともに、この金属シェル3に回路基板などへ実装するために切り起し片を形成し、この切り起し片の形成によりその箇所に貫通孔があいても、それらがモールド成形時に樹脂材で塞がれるので、内部への水、塵などの侵入を阻止できる。さらにまた、ハウジング成型体の外周囲には、防水部材8などが簡単に装着できるようになる。さらにまた、一度のモールド成形により、コンタクトと金属シェルとを一体化し、ハウジングを成型できるので、コネクタの製造を効率よく簡単にできる。したがって、このコネクタ1は、ハウジング4がコンタクト2及び金属シェル3を電気絶縁性の合成樹脂材内にインサートモールドした成型体で形成されるので、従来技術のように部品点数を増やすことなく、また、その製造も別ラインにせずにインライン化が可能となりコストの削減もできる。以下、このコネクタの部品を詳述する。
【0033】
図4を参照して、コンタクトを説明する。なお、図4Aはコンタクトを複数本併設・配列したコンタクト群の斜視図、図4Bは図4Aコンタクトの1本のコンタクトの側面図である。コンタクト2は、図4Aに示すように、複数本、例えば5本のコンタクト21〜25からなり、これらのコンタクトは同じ構造となっている。1本のコンタクト21を説明する。
【0034】
このコンタクト21は、図4Bに示すように、一端に相手方コネクタのコンタクト(図示省略)が接触される接点部2aと、他端に回路配線基板等の配線に電気接続する接続部2c及び接点部2aと接続部2cとを連結しハウジング4にモールド固定される中間部2bとを有した細長片からなり、所定の面積、厚さの良導電性金属板を打ち抜き、折曲加工によって形成されている。接点部2aは、相手方コネクタのコンタクトとの間で良好な接触をするために長さ方向に所定の長さを有している。また、先端部2a'は、相手方コネクタのコンタクトのスライド接触がスムーズになるように上方へ湾曲している。中間部2bは、図4Aに示す状態で、接点部2aが上方、接続部2cが下方に位置するので、これらの間で略90°に折曲されて、ハウジング4にコールド固定される固定部となっている。接続部2cは、回路配線基板上の導体に接続するために中間部2bから外方へ略水平に延設した接続片となっている。また、この中間部2bには、細溝或は凹み穴などを設けるのが好ましい。これにより、中間部の沿面距離が長くなり防水効果を高めることができる。また、細溝及び凹み穴などは、レーザー加工などにより行なう。なお、コンタクトは、細長片で構成したが、これに限定するものでなく、任意のコンタクトでよく、例えば丸棒状のものでもよい。
【0035】
図5〜図7を参照して、金属シェルを説明する。なお、図5は金属シェルの外観を示し、図5Aは前方斜視図、図5Bは後方斜視図、図6は図5の金属シェルの詳細図で、図5Aは正面図、図5Bは上面図、図5Cは底面図、図5Dは一方の側面図、図5Eは他方の側面図、図5Fは背面図、図7は図6AのVII−VII線で切断した拡大断面図である。
【0036】
金属シェル3は、図5〜図7に示すように、両端に略矩形状の前後方開口3F、3R及び内部にこれらの開口に連通した空洞孔(空間)3Sを有した偏平角型の管状体からなり、薄肉の金属板材、例えばステンレス板又はコンタクト2と同じ金属板などを所定の形状に打ち抜いて、この打ち抜き片を所定の形状に折曲・湾曲などの加工により形成されている。すなわち、この金属シェル3は、前後に開口3F、3R及び内部に空間3Sを有し、上下板部3a、3b及び左右板部3c、3dで囲まれた扁平角型の管状体となっている。
【0037】
上板部3aは、その表面の前方開口3F側の両サイドに一対の内壁から外に向けて窪ませた凹み穴3a1が形成されている。これらの凹み穴3a1は、前方開口3Fに相手方コネクタが差込まれたときに、このコネクタの係止部が係合されて、該コネクタの抜け止め機能を果たすものとなっている。左右板部3c、3dには、両板部を切り起した基板固定脚3c1、3d1が形成されている。これらの基板固定脚3c1、3d1は、回路配線基板の固定部となる。これらの切り起しにより、切り起し箇所に貫通孔3c1'、3d1'ができるが、この貫通孔はモールド成形により塞がれる。下板部3bには、後方開口3R側に、端縁から下方へ折曲した一対の基板固定脚3r1及び後方へ延設した一対のアース端子3r2が形成されている。これらの基板固定脚3r1及びアース端子3r2は、両アース端子3r2の間に基板固定脚3r1を配設する。基板固定脚3r1は、回路配線基板の固定部となる。アース端子3r2は回路基板上の導体に接続される接続部となる。また、金属シェル3は、上下板部3a、3b及び左右板部3c、3dの内壁面にあって、コンタクト2の中間部2bがモールド固定される内壁面に、細溝及び凹み穴などを設けるのが好ましい。これにより、沿面距離が長くなり防水効果を高めることができる。なお、この金属シェルは、扁平角型の管状体にしたが、この形状に限定されるものでなく、任意の形状、例えば、円筒筒状体にしてもよい。また、後方開口3Rをあけずに蓋体で閉鎖してもよい。さらに、電磁遮蔽するものだけでなく、外郭を金属管体にしたものでもよい。
【0038】
図8〜図11を参照して、ハウジング4を説明する。ハウジング4は、コネクタ1の製造工程で形成される。なお、図8は製造工程の一部を示し、図8Aはコンタクトと金属シェルとを一体に成形した成形体を示し、図8Aは前方の斜視図、図8Bは後方の斜視図、図9は図8の詳細図で、図9Aは正面図、図9Bは上面図、図9Cは底面図、図9Dは一方の側面図、図9Eは他方の側面図、図10は図9AのX−X線で切断した拡大断面図、図11は図8のコンタクト/金属シェル成形体に金型を配設して、図9AのX−X線で切断した拡大断面図である。
【0039】
コネクタ1は、以下の工程(a)〜(c)で作製し、ハウジング4はこの工程の途中で作成される。
(a)コンタクト及び金属シェルの一体形成工程
【0040】
まず、コンタクト2と金属シェル3とは、連続供給される長尺金属板の所定エリアに形成する。コンタクト2と金属シェル3とを同一材料で成形するので、長尺金属板には、所定の肉厚、幅長を有し長尺の良導電性の金属板を使用する。この長尺金属板には、その長さ方向に、一個のコネクタ分のコンタクト2及び金属シェル3を作成するエリアを区画する。この区画は、図8〜図10に示すように、長尺金属板に繋がったキャリア部5Aと、このキャリア部5Aから前方へ比較的長く延ばしたコンタクト作成エリア2Aと、このコンタクト作成エリア2Aの先の金属シェル作成エリア3Aとに区分して、これらのエリア内でそれぞれコンタクト2及び金属シェル3を形成する。すなわち、コンタクト作成エリア2Aでは、キャリア部5Aを位置決め・固定して、打ち抜き・折曲加工により、5本のコンタクト21〜25、2本のアース端子3r2及び基板固定脚3r1を形成する。このとき、金属シェル3の上板部3aを二分しておき、各コンタクトの折曲を行なう。
【0041】
金属シェル作成エリア3Aも同様にして、打ち抜き・折曲加工により、前後に開口3F、3R及び内部に空間3Sを有し、上下板部3a、3b及び左右板部3c、3dで囲まれた扁平角型の管状体を形成する。符号3a'は接合部を示している。5本のコンタクト21〜25のそれぞれの接点部2aは、金属シェルの内壁面、すなわち管状体の内壁面から所定距離離して配設し、各コンタクトの接続部2c及び金属シェル3から延設したアース端子3r2はキャリア5に連結している。このように金属シェル3とキャリア5とがアース端子3r2で連結されているので、コンタクト/金属シェル成形体を一体部品として扱うことができる。すなわち、5本のコンタクト21〜25が金属シェルの内壁面から所定距離離されて金属シェルに連結されていなくとも、アース端子で連結されているので、一体部品として扱うことができる。なお、金属シェル3とキャリア5とをアース端子で連結したが、他の連結片を使用してもよい。
(b)ハウジング成型工程
【0042】
上記(a)工程で一体化したコンタクト2及び金属シェル3をキャリア5で位置決め・固定して、コンタクト2及び金属シェル3と金型との間に所定の空間が形成されるように、金属シェル3の外周囲に複数個の金型を配置する。すなわち、図11に示すように、金属シェル3の前方に前方金型MF、上方に上方金型MT、下方に下方金型MB、左右に左右金型(図示省略)及び後方に後方金型MRを配置して、コンタクト2及び金属シェル3との間に空間Sa、Sb、Sc、Sc1及びSrを形成する。上方金型MT、下方金型MB及び左右金型には、金属シェル3の前方開口3Fの近傍に凹み溝7が設けられている。一体化したコンタクト2及び金属シェル3はキャリア5の周囲にスペースがあるので、前方金型MF、上方金型MT、下方金型MB及び、左右金型及び後方金型MRを簡単に配置できる。特に、キャリア部5Aと金属シェル作成エリア3A間のコンタクト作成エリア2Aは、幅広にしてあるので、後方金型MRをも簡単に配置できる。
【0043】
次いで、これらの空間Sa、Sb、Sc、Sc1及びSrに、電気絶縁性の合成樹脂材を注入して、コンタクト2と金属シェル3とをモールドする。なお、合成樹脂材は、前方金型MF、上下方金型MT、MB、左右金型、後方金型MRのいずれかの金型に注入孔及び空気抜き孔を設けて、注入孔から注入する。これにより、電気絶縁性の合成樹脂材にコンタクト2及び金属シェル3がインサートされて一体にモールド成形された成型体が形成される。この成型体がハウジング4となる。このハウジング4は、図3に示すように、金属シェル3の内部空間3Sに、5本のコンタクト21〜25を支持・固定するコンタクト固定ハウジング部4e、4e1、後方開口3Rを覆う後方ハウジング部4r、外周囲、すなわち上下板部3a、3b及び左右板部3c、3dを覆う外部ハウジング部4a〜4d(図1参照)とからなる成型体となる。上下板部3a、3b及び左右板部3c、3dの外周壁面に係止突起4a1が形成される。この係止突起4a1には、外装防水シール部材8が係合される。
(c)キャリア切断工程
【0044】
上記工程(b)でモールド成型した後に、前方金型MF、上下方金型MT、MB、後方金型MR及び左右金型を外して、各コンタクト21〜25及びアース端子3r2に繋がれたキャリア5を切り離す。この切り離しは、アース端子3r2が各コンタクト21〜25より若干長くして切断する。これらの工程(a)〜(c)により、一個のコネクタを作製し、次いで、キャリア部5Aが移動して、次のコネクタを順次連続作製する。
【0045】
この製法によれば、一度のモールド成形により、コンタクトと金属シェルとを一体化し、ハウジングを成型できるので、コネクタの製造を効率よく簡単にできる。したがって、このコネクタ1は、ハウジング4がコンタクト2及び金属シェル3を電気絶縁性の合成樹脂材内にインサートモールドした成型体で形成されるので、従来技術のように部品点数を増やすことなく、また、その製造も別ラインにせずにインライン化が可能となりコストの削減もできる。
【0046】
ハウジング4を形成した後に、外周囲に外装防水シール部材8を装着して、携帯電話機などの筐体(図示省略)との間で防水する。この外装防水シール部材8は、図12に示すように、ハウジング4の外周囲に装着する大きさの環状シールパッキンからなり、内部にハウジング4の外周囲に嵌入する大きさの開口8aを設け、弾性部材で構成されている。
外周囲8bは、機器筐体の装着溝(図示省略)に嵌入される形状、例えば半円形状に膨らましてある。また、開口8aの内壁面には凹み溝81が形成されている。この外装防水シール部材8は、ハウジング4の外周囲の係止突起4a1に装着する。この装着により、機器筐体との間で防水できる。
【0047】
[実施形態2]
実施形態1のコネクタ1は、一体化したコンタクト及び金属シェルの内部及び外周囲を
樹脂でモールドしたが、このモールドを金属シェル内部のみとし、外周囲のモールドを省いてもよい。実施形態2のコネクタは、図示を省略したが、実施形態1のコネクタ1を構成するハウジング4のうち、内部のコンタクト固定ハウジング部4e及び後方開口3Rを塞ぐ後方ハウジング部4r残して、外周囲の外部ハウジング部4aを省いたものとなっている。このコネクタは、上記製造工程(a)〜(c)のうち、(b)ハウジング成型工程で図11に示す空間Sa、Sbが形成されないように上下左右の金型を金属シェル/コンタクト成形体に当接して、同様の方法で作製する。この構成のコネクタによっても、特に、金属シェルの内壁面とハウジングとが緊密に接合されて、実施形態1のコネクタと同じ効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 防水コネクタ
2、21〜25 コンタクト
2a 接点部
2b 中間固定部
2c 接続部
3 金属シェル
3F 前方開口
3R 後方開口
3s 空洞孔(穴)(空間)
3a 上板部
3a1 凹み穴
3b 下板部
3c、3d 側板部
3c1、3d1 基板固定脚(取付け固定片)
3r1 基板固定脚(取付け固定片)
3r2 アース端子(連結片)
4 ハウジング
4a〜4d 外部ハウジング部
4e コンタクト固定ハウジング部
4r 後方ハウジング部
5 キャリア
8 外装防水シール部材
MF 前方金型
MT 上方金型
MB 下方金型
MR 後方金型
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水コネクタ及びその製造方法に係り、さらに詳しくは、金属シェルを備えた防水コネクタ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、情報端末などの電子・情報機器が急速に普及して来ている。これらの電子・情報機器には、外部機器と接続するために様々なタイプの電気コネクタが組み込まれているが、その多くがUSB規格に適合するものとなっている。このようなコネクタは、通常、外部から内部へノイズが侵入して、電子機器内の電子回路などに障害を与えるのを防ぐため、いわゆるEMI(Electro Magnetic Interference:電磁干渉)障害を除去するために、コンタクトを装着した絶縁ハウジングをシールドケースで覆い電磁遮蔽する構造となっている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、携帯電話機に実装されたコネクタが開示されている。このコネクタ10は、図13、図14に示すように、複数本のコンタクト端子13と、これらのコンタクト端子を射出成形で一体に固定したハウジング11と、このハウジングの前方に装着したシェル12及び後方に実装したシール部材14とを有している。ハウジング11には、シール部材14を内部に実装するためのシール部材接続溝111が設けられている。シール部材14は、ハウジング11のシール部材接続溝111に対応する貫通孔140と、機器筐体の上側ケース100A及び下側ケース100Bをシール部材14に挿入するようにシール部材14の外周に沿って形成された気密溝部141とを有している。シール部材14の前側突起部142及び後側突起部142Aは、気密溝部141により区画されている。シール部材14の貫通孔140の内側に形成された凹部140A及び140B間の接続により、ハウジング11に形成されたシール部材接続溝111は、図14に示すように、シール部材接続溝111の外側に実装されたシール部材14の貫通孔140に気密に係合される。また、シェル12は、相手方コネクタ(不図示)のフックを固定するために、シェル12の上部に一対の固定孔121を有する。
【0004】
水は、固定孔121、ハウジング11、機器筐体の上側ケース100A及び下側ケース100B間の隙間を通って、本体に実装された印刷回路基板の内部まで入り込み、深刻なダメージを生じさせる恐れがあるが、このコネクタ10では、シール部材14、機器筐体の上側ケース100A及び下側ケース100Bの組立体が気密構造となるので、コネクタ10に入り込んだ水がシェル12の固定孔121を通ってさらに本体内に入り込むのを防止できる。
【0005】
また、携帯電話機筐体にコネクタを実装し、このコネクタを実装して機器筐体の開口に、端子保護カバーを設けて防水構造にしたコネクタも知られている(例えば、下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−176734号公報(段落〔0038〕〜〔0044〕、図3、図4、図6)
【特許文献2】特開2005−228756号公報(段落〔0033〕、〔0034〕、図2)
【特許文献3】特開2001−351745号公報(段落〔0032〕、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1、2のコネクタによれば、機器内への水の浸入を防止できる。しかしながら、これらのコネクタは、以下の課題が潜在している。上記特許文献1のコネクタは、複数本のコンタクト端子と、これらのコンタクト端子を射出成形で一体に固定したハウジングと、このハウジングの前方に装着したシェル及び後方に実装したシール部材とで構成されて、シール部、機器筐体の上側ケース及び下側ケースの組立体が気密構造となるので、コネクタに入り込んだ水がシェルの固定孔を通ってさらに本体内に入り込むのを防止できる。しかしながら、この防水構造は、ハウジングに、その前方にシェルと後方にシール部材とをこれらの部材を所定距離離した状態で装着しなければならないので、コネクタの長手方向の長さが長くなり、そのために機器筐体への実装スペースが大きくなる。また、部品点数が多くなり、しかも、回路配線基板への取付けは、ハウジングへのねじ結合にしなければならないので、その取付け作業が面倒で工数も掛かり、一方でまた、この種のシェルを備えたコネクタの通常の取付け方法、例えば、シェルに取付け片を設けて、この取付け片を回路配線基板に半田接続で固定するなどの方法を採用できない。
【0008】
また、上記特許文献2のコネクタは、コネクタを設けた機器筐体の開口を端子保護カバーで密閉シールするようにしてあるので、コネクタの不使用時に端子保護カバーでコネクタ取付け穴を密閉できて、水などの侵入を阻止できるが、特殊構造の端子保護カバーが必要となると共に、この保護カバーを装着できるように機器筐体の設計変更が必須となる。このために、端子保護カバーが機器筐体から外れ紛失する恐れがあり、また、全体で機器のコスト高を招くことになる。なお、このような防水カバーは、現在、防水性を維持するために2年に一度、有償で交換するようになっている。
【0009】
携帯電子機器、特に携帯電話機は、過酷な環境下で使用され、その状況によっては電子機器に好ましくない環境下で使用される機会が極めて多くなる。例えば、手などの汗が伝わり、湿気、塵ゴミが多い場所や雨がかかる場所で使用され、また、こぼれた水などに浸漬され、さらに過って水中へ落下させてしまうことなど様々な態様となり、しかもそれらは想定外の環境下で使用されることも多くなり、これらはいずれも電子機器にとって過酷な環境下での使用となっている。このために、携帯電子機器がこのような環境下に置かれるとコネクタを通して機器内に水が浸入する恐れが十分ある。例えば、上記特許文献1、2のコネクタでも、部品間に隙間ができ、この隙間から内部へ水滴や塵埃が侵入する恐れがある。特に、毛細管現象による浸水を阻止することができない。すなわち、携帯電子器に組み込まれたコネクタは、そのコネクタの一部、特に金属シェルの先端部が機器筐体から露出し、この露出部分から毛細管現象により侵入する恐れがある。なお、この対策として、コンタクト端子をハウジングのモールド成形により、直接に一体に保持するようにしたコネクタが上記特許文献3に開示されている。
【0010】
そこで本発明は、このような従来技術が抱える課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、簡単な構造で確実に水、塵などの侵入を阻止できる防水コネクタを提供することにある。特に、コネクタを構成する部品間の隙間から毛細管現象により水などが侵入するのを確実に阻止できる防水コネクタを提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記目的を有し、さらに部品点数を少なくして、しかも小型化、例えば背低化できる防水コネクタを提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、効率よく簡単に上記防水コネクタを製造できる防水コネクタの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の防水コネクタでは、良導電性のコンタクトと、前記コンタクトを内部に配設する金属製管状体からなる金属シェルと、前記コンタクトを固定する電気絶縁性のハウジングとを有する防水コネクタにおいて、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に、前記コンタクトを内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設すると共に電気絶縁性合成樹脂を注入して、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成したことを特徴とする。
【0012】
また、第2の態様の防水コネクタは、前記第1の態様の防水コネクタにおいて、前記コンタクトは、一端に相手方コネクタのコンタクトと接触する接点部と、他端に回路配線基板等の配線に接続する接続部及び前記接点部と接続部との間を繋ぐ中間部とを有し、
前記金属シェルは、少なくとも一端に開口及び内部に該開口に連通した空洞穴を有し、前記開口の内部付近を相手方コネクタが差込まれる差込み部とした金属製管状体で形成して、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に前記コンタクトの接点部及び中間部を内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設し、前記電気絶縁性合成樹脂を前記差込み部を除く内部箇所に注入して、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成して、前記コンタクトの接続部を外部へ露出させたことを特徴とする。
【0013】
また、第3の態様の防水コネクタは、前記第2の態様の防水コネクタにおいて、前記金属シェルは、前記差込み部の内壁面に相手方コネクタの係止部が係止される抜け止め部及び外周囲に回路配線基板等に実装する取付け固定片並びにアース端子が設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、第4の態様の防水コネクタは、良導電性のコンタクトと、前記コンタクトが内部に配置される金属製管状体からなる金属シェルと、前記コンタクトを固定する電気絶縁性のハウジングとを有する防水コネクタにおいて、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に前記コンタクトを内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設して電気絶縁性樹脂を注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成したことを特徴とする。
【0015】
また、第5の態様の防水コネクタは、前記第4の態様の防水コネクタにおいて、前記コンタクトは、一端に相手方コネクタのコンタクトと接触する接点部と、他端に回路配線基板等の配線に接続する接続部及び前記接点部と接続部との間を繋ぐ中間部とを有し、
前記金属シェルは、少なくとも一端に開口及び内部に該開口に連通した空洞穴を有し、前記開口の内部付近を相手方コネクタが差込まれる差込み部とした金属製管状体で形成して、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に前記コンタクトの接点部及び中間部を内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設し、前記電気絶縁性樹脂を前記差込み部を除く内部箇所に注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成して、前記コンタクトの接続部を外部へ露出させたことを特徴とする。
【0016】
また、第6の態様の防水コネクタは、前記第5の態様の防水コネクタにおいて、前記金属シェルは、前記差込み部の内壁面に相手方コネクタの係止部が係止される抜け止め部及び外周囲に回路配線基板等に実装する取付け固定片並びにアース端子が設けられていることを特徴とする。
【0017】
また、第7の態様の防水コネクタは、前記第4〜6のいずれかの態様の防水コネクタにおいて、前記ハウジングは、前記金属シェルの外周を覆った箇所に、外部防水部材が装着されていることを特徴とする。
【0018】
また、第8の態様の防水コネクタの製造方法は、前記第1〜3のいずれかの態様の防水コネクタにおいて以下(i)〜(iii)の工程を含むことを特徴とする。
(i)所定大きさの良導電性金属板を打抜き・折曲加工して、キャリアに連結片で連結して、前記コンタクト及び金属シェルを一体に形成するコンタクト及び金属シェル一体形成工程、
(ii)前記工程(i)で一体成形した前記コンタクト及び金属シェルの周囲に金型を配設して、前記金属シェル内部に電気絶縁性合成樹脂を注入して前記コンタクトをモールドして樹脂成型体からなる前記ハウジングを成型するハウジング成型工程、
(iii)前記工程(ii)でハウジングをモールド成型した後に、前記コンタクト、前記金属シェル及び連結片を前記キャリアから切断するキャリア切断工程。
【0019】
また、第9の態様の防水コネクタの製造方法は、前記第4〜7のいずれかの態様の防水コネクタにおいて以下(i')〜(iii')の工程を含むことを特徴とする。
(i')所定大きさの良導電性金属板を打抜き・折曲加工して、キャリアに連結片で連結して、前記コンタクト及び金属シェルを一体に形成するコンタクト及び金属シェル一体形成工程、
(ii')前記工程(i')で一体成形した前記コンタクト及び金属シェルの周囲を金型で囲んで、前記金属シェルの内部に前記電気絶縁性樹脂を注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体からなる前記ハウジングを成型するハウジング成型工程、
(iii')前記工程(ii')でハウジングをモールド成型した後に、前記コンタクト、前記金属シェル及び連結片を前記キャリアから切断するキャリア切断工程。
【0020】
また、第10の態様の防水コネクタの製造方法は、前記第8又は9の態様の防水コネクタの製造方法において、前記連結片は、前記アース端子であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1及び第2の態様の防水コネクタによれば、金属シェル及びコンタクトは、電気絶縁性樹脂で一体にモールド成形した樹脂成型体からなるハウジングで固定されるので、コンタクトとハウジングとの間及び金属シェル内壁面とハウジングとの間が緊密に接合されるので、これらの間を伝わって水が侵入することがなく、防水、防塵効果が発揮される。特に、毛細管現象による水の侵入を防止できる。
【0022】
本発明の第3の態様の防水コネクタによれば、取付け固定片及びアース端子を利用して、回路配線基板等に機械的及び電気的に連結・接続することができる。また、小型化、例えば背低化ができる。
【0023】
本発明の第4及び第5の態様の防水コネクタによれば、金属シェル及びコンタクトは、電気絶縁性樹脂で一体にモールド成形された樹脂成型体からなるハウジングで固定されるので、コンタクトとハウジングとの間及び金属シェル内壁面とハウジングとの間が緊密に接合されるので、これらの間を伝わって水が侵入することがなく、防水、防塵効果が発揮される。特に、毛細管現象による水の侵入を防止できる。さらに、ハウジングは、金属シェルの外周囲も覆っているので、金属シェルを保護できると共に、外周囲を覆うハウジングに防水部材などの装着が容易になる。
【0024】
本発明の第6の態様の防水コネクタによれば、取付け固定片及びアース端子を利用して、回路配線基板等に機械的及び電気的に連結・接続することができる。また、小型化、例えば背低化ができる。
【0025】
本発明の第7の態様の防水コネクタによれば、ハウジングに外部防水部材を装着することにより、コネクタを実装する機器筐体との防水、防塵効果が発揮される。
【0026】
本発明の第8及び第9の態様の防水コネクタの製造方法によれば、コンタクト及び金属シェルとキャリアとは、連結片で繋がった同一板材で一体形成して、これらを電気絶縁性合成樹脂でモールドするので、モールドが一度済み、ハウジング成型体の作成が容易になり、効率よく簡単に防水コネクタを製造できる。
【0027】
本発明の第10の態様の防水コネクタの製造方法によれば、連結片をアース端子にすることにより、特別な連結片が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は本発明の実施形態1に係る防水コネクタを示し、図1Aは前方からみた前方斜視図、図1Bは後方からみた後方斜視図である。
【図2】図2は図1の防水コネクタの詳細図、図2Aは正面図、図2Bは上面図、図2Cは下面図、図2Dは一方の側面図、図2Eは他方の側面図である。
【図3】図3は図2AのIII−III線で切断した拡大断面図である。
【図4】図4Aはコンタクトを複数本併設・配列したコンタクト群の斜視図、図4Bは図2Aコンタクトの1本のコンタクトの側面図である。
【図5】図5は金属シェルを示し、図5Aは前方斜視図、図5Bは後方斜視図である。
【図6】図6は図5の金属シェルの詳細図で、図5Aは正面図、図5Bは上面図、図5Cは底面図、図5Dは一方の側面図、図5Eは他方の側面図である。
【図7】図7は図6AのVII−VII線で切断した拡大断面図である。
【図8】図8は製造工程の一部を示し、図8Aはコンタクトと金属シェルとを一体に成形した成形体を示し、図8Aは前方の斜視図、図8Bは後方の斜視図である。
【図9】図9は図8の詳細図で、図9Aは正面図、図9Bは上面図、図9Cは底面図、図9Dは一方の側面図、図9Eは他方の側面図である。
【図10】図10は図9AのX−X線で切断した拡大断面図である。
【図11】図11は図8のコンタクト/金属シェル成形体に金型を配設して、図9AのX−X線で切断した拡大断面図である。
【図12】図12は外装防水シール部材を示し、図12Aは斜視図、図12Bは図12AのXIIB−XIIB線で切断した断面図である。
【図13】図13は従来技術のコネクタの斜視図である。
【図14】図14は図13のコネクタを機器筐体に実装した状態で縦方向に切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための防水コネクタ及びその製造方法を例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0030】
[実施形態1]
図1〜図3を参照して、本発明の実施形態1に係る防水コネクタを説明する。なお、図1は本発明の実施形態1に係る防水コネクタを示し、図1Aは前方からみた前方斜視図、図1Bは後方からみた後方斜視図、図2は図1の防水コネクタの詳細図で、図2Aは正面図、図2Bは上面図、図2Cは下面図、図2Dは一方の側面図、図2Eは他方の側面図、図3は図2AのIII−III線で切断した拡大断面図である。
【0031】
本発明の実施形態1に係る防水コネクタ(以下、コネクタという)1は、携帯電話機などの情報端末の筐体に取付けて、図示を省略した相手方コネクタが取外し自在に差込み接続されるコネクタとなっている。このコネクタ1は、図1〜図3に示すように、複数本のコンタクト2と、これらのコンタクトを内部に配置してこれらを電磁シールする金属製管状体からなる金属シェル3と、これらのコンタクトを所定の間隔をあけて支持・固定する電気絶縁性のハウジング4とを有している。このハウジング4は、金属シェル3の内部に、複数本のコンタクト2を金属シェルの内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設した後に、電気絶縁性の合成樹脂材を内部に注入すると共に外周囲を覆って、一体にモールド成形した成型体で形成されている。すなわち、このハウジング4は、コネクタ製造工程におけるモールド工程で作成されるものとなっている。
【0032】
このコネクタ1は、複数本のコンタクト2が金属シェル3内に電気絶縁性の合成樹脂材によりモールド成形した成型体からなるハウジング4内に一体、すなわちインサートモールドした状態で支持・固定されるので、各コンタクト2とハウジング4とが緊密に固定されてその間に隙間が発生することがない。その結果、各コンタクト2を伝わって水がこのコネクタ1が装着された機器内などへ浸入することがない。特に、各コンタクト2を伝わって毛細管現象により侵入する水を確実に阻止できる。また、ハウジング4は、金属シェル3の内壁面、すなわち管状体の内壁面ともモールド成形により緊密に密着されるので、この部分からの水の浸入をも阻止できる。さらに、ハウジング4は、金属シェル3の外周囲、すなわち、管状体の外周囲がモールド成形による成型体で形成されるので、金属シェル3が樹脂材で保護されるとともに、この金属シェル3に回路基板などへ実装するために切り起し片を形成し、この切り起し片の形成によりその箇所に貫通孔があいても、それらがモールド成形時に樹脂材で塞がれるので、内部への水、塵などの侵入を阻止できる。さらにまた、ハウジング成型体の外周囲には、防水部材8などが簡単に装着できるようになる。さらにまた、一度のモールド成形により、コンタクトと金属シェルとを一体化し、ハウジングを成型できるので、コネクタの製造を効率よく簡単にできる。したがって、このコネクタ1は、ハウジング4がコンタクト2及び金属シェル3を電気絶縁性の合成樹脂材内にインサートモールドした成型体で形成されるので、従来技術のように部品点数を増やすことなく、また、その製造も別ラインにせずにインライン化が可能となりコストの削減もできる。以下、このコネクタの部品を詳述する。
【0033】
図4を参照して、コンタクトを説明する。なお、図4Aはコンタクトを複数本併設・配列したコンタクト群の斜視図、図4Bは図4Aコンタクトの1本のコンタクトの側面図である。コンタクト2は、図4Aに示すように、複数本、例えば5本のコンタクト21〜25からなり、これらのコンタクトは同じ構造となっている。1本のコンタクト21を説明する。
【0034】
このコンタクト21は、図4Bに示すように、一端に相手方コネクタのコンタクト(図示省略)が接触される接点部2aと、他端に回路配線基板等の配線に電気接続する接続部2c及び接点部2aと接続部2cとを連結しハウジング4にモールド固定される中間部2bとを有した細長片からなり、所定の面積、厚さの良導電性金属板を打ち抜き、折曲加工によって形成されている。接点部2aは、相手方コネクタのコンタクトとの間で良好な接触をするために長さ方向に所定の長さを有している。また、先端部2a'は、相手方コネクタのコンタクトのスライド接触がスムーズになるように上方へ湾曲している。中間部2bは、図4Aに示す状態で、接点部2aが上方、接続部2cが下方に位置するので、これらの間で略90°に折曲されて、ハウジング4にコールド固定される固定部となっている。接続部2cは、回路配線基板上の導体に接続するために中間部2bから外方へ略水平に延設した接続片となっている。また、この中間部2bには、細溝或は凹み穴などを設けるのが好ましい。これにより、中間部の沿面距離が長くなり防水効果を高めることができる。また、細溝及び凹み穴などは、レーザー加工などにより行なう。なお、コンタクトは、細長片で構成したが、これに限定するものでなく、任意のコンタクトでよく、例えば丸棒状のものでもよい。
【0035】
図5〜図7を参照して、金属シェルを説明する。なお、図5は金属シェルの外観を示し、図5Aは前方斜視図、図5Bは後方斜視図、図6は図5の金属シェルの詳細図で、図5Aは正面図、図5Bは上面図、図5Cは底面図、図5Dは一方の側面図、図5Eは他方の側面図、図5Fは背面図、図7は図6AのVII−VII線で切断した拡大断面図である。
【0036】
金属シェル3は、図5〜図7に示すように、両端に略矩形状の前後方開口3F、3R及び内部にこれらの開口に連通した空洞孔(空間)3Sを有した偏平角型の管状体からなり、薄肉の金属板材、例えばステンレス板又はコンタクト2と同じ金属板などを所定の形状に打ち抜いて、この打ち抜き片を所定の形状に折曲・湾曲などの加工により形成されている。すなわち、この金属シェル3は、前後に開口3F、3R及び内部に空間3Sを有し、上下板部3a、3b及び左右板部3c、3dで囲まれた扁平角型の管状体となっている。
【0037】
上板部3aは、その表面の前方開口3F側の両サイドに一対の内壁から外に向けて窪ませた凹み穴3a1が形成されている。これらの凹み穴3a1は、前方開口3Fに相手方コネクタが差込まれたときに、このコネクタの係止部が係合されて、該コネクタの抜け止め機能を果たすものとなっている。左右板部3c、3dには、両板部を切り起した基板固定脚3c1、3d1が形成されている。これらの基板固定脚3c1、3d1は、回路配線基板の固定部となる。これらの切り起しにより、切り起し箇所に貫通孔3c1'、3d1'ができるが、この貫通孔はモールド成形により塞がれる。下板部3bには、後方開口3R側に、端縁から下方へ折曲した一対の基板固定脚3r1及び後方へ延設した一対のアース端子3r2が形成されている。これらの基板固定脚3r1及びアース端子3r2は、両アース端子3r2の間に基板固定脚3r1を配設する。基板固定脚3r1は、回路配線基板の固定部となる。アース端子3r2は回路基板上の導体に接続される接続部となる。また、金属シェル3は、上下板部3a、3b及び左右板部3c、3dの内壁面にあって、コンタクト2の中間部2bがモールド固定される内壁面に、細溝及び凹み穴などを設けるのが好ましい。これにより、沿面距離が長くなり防水効果を高めることができる。なお、この金属シェルは、扁平角型の管状体にしたが、この形状に限定されるものでなく、任意の形状、例えば、円筒筒状体にしてもよい。また、後方開口3Rをあけずに蓋体で閉鎖してもよい。さらに、電磁遮蔽するものだけでなく、外郭を金属管体にしたものでもよい。
【0038】
図8〜図11を参照して、ハウジング4を説明する。ハウジング4は、コネクタ1の製造工程で形成される。なお、図8は製造工程の一部を示し、図8Aはコンタクトと金属シェルとを一体に成形した成形体を示し、図8Aは前方の斜視図、図8Bは後方の斜視図、図9は図8の詳細図で、図9Aは正面図、図9Bは上面図、図9Cは底面図、図9Dは一方の側面図、図9Eは他方の側面図、図10は図9AのX−X線で切断した拡大断面図、図11は図8のコンタクト/金属シェル成形体に金型を配設して、図9AのX−X線で切断した拡大断面図である。
【0039】
コネクタ1は、以下の工程(a)〜(c)で作製し、ハウジング4はこの工程の途中で作成される。
(a)コンタクト及び金属シェルの一体形成工程
【0040】
まず、コンタクト2と金属シェル3とは、連続供給される長尺金属板の所定エリアに形成する。コンタクト2と金属シェル3とを同一材料で成形するので、長尺金属板には、所定の肉厚、幅長を有し長尺の良導電性の金属板を使用する。この長尺金属板には、その長さ方向に、一個のコネクタ分のコンタクト2及び金属シェル3を作成するエリアを区画する。この区画は、図8〜図10に示すように、長尺金属板に繋がったキャリア部5Aと、このキャリア部5Aから前方へ比較的長く延ばしたコンタクト作成エリア2Aと、このコンタクト作成エリア2Aの先の金属シェル作成エリア3Aとに区分して、これらのエリア内でそれぞれコンタクト2及び金属シェル3を形成する。すなわち、コンタクト作成エリア2Aでは、キャリア部5Aを位置決め・固定して、打ち抜き・折曲加工により、5本のコンタクト21〜25、2本のアース端子3r2及び基板固定脚3r1を形成する。このとき、金属シェル3の上板部3aを二分しておき、各コンタクトの折曲を行なう。
【0041】
金属シェル作成エリア3Aも同様にして、打ち抜き・折曲加工により、前後に開口3F、3R及び内部に空間3Sを有し、上下板部3a、3b及び左右板部3c、3dで囲まれた扁平角型の管状体を形成する。符号3a'は接合部を示している。5本のコンタクト21〜25のそれぞれの接点部2aは、金属シェルの内壁面、すなわち管状体の内壁面から所定距離離して配設し、各コンタクトの接続部2c及び金属シェル3から延設したアース端子3r2はキャリア5に連結している。このように金属シェル3とキャリア5とがアース端子3r2で連結されているので、コンタクト/金属シェル成形体を一体部品として扱うことができる。すなわち、5本のコンタクト21〜25が金属シェルの内壁面から所定距離離されて金属シェルに連結されていなくとも、アース端子で連結されているので、一体部品として扱うことができる。なお、金属シェル3とキャリア5とをアース端子で連結したが、他の連結片を使用してもよい。
(b)ハウジング成型工程
【0042】
上記(a)工程で一体化したコンタクト2及び金属シェル3をキャリア5で位置決め・固定して、コンタクト2及び金属シェル3と金型との間に所定の空間が形成されるように、金属シェル3の外周囲に複数個の金型を配置する。すなわち、図11に示すように、金属シェル3の前方に前方金型MF、上方に上方金型MT、下方に下方金型MB、左右に左右金型(図示省略)及び後方に後方金型MRを配置して、コンタクト2及び金属シェル3との間に空間Sa、Sb、Sc、Sc1及びSrを形成する。上方金型MT、下方金型MB及び左右金型には、金属シェル3の前方開口3Fの近傍に凹み溝7が設けられている。一体化したコンタクト2及び金属シェル3はキャリア5の周囲にスペースがあるので、前方金型MF、上方金型MT、下方金型MB及び、左右金型及び後方金型MRを簡単に配置できる。特に、キャリア部5Aと金属シェル作成エリア3A間のコンタクト作成エリア2Aは、幅広にしてあるので、後方金型MRをも簡単に配置できる。
【0043】
次いで、これらの空間Sa、Sb、Sc、Sc1及びSrに、電気絶縁性の合成樹脂材を注入して、コンタクト2と金属シェル3とをモールドする。なお、合成樹脂材は、前方金型MF、上下方金型MT、MB、左右金型、後方金型MRのいずれかの金型に注入孔及び空気抜き孔を設けて、注入孔から注入する。これにより、電気絶縁性の合成樹脂材にコンタクト2及び金属シェル3がインサートされて一体にモールド成形された成型体が形成される。この成型体がハウジング4となる。このハウジング4は、図3に示すように、金属シェル3の内部空間3Sに、5本のコンタクト21〜25を支持・固定するコンタクト固定ハウジング部4e、4e1、後方開口3Rを覆う後方ハウジング部4r、外周囲、すなわち上下板部3a、3b及び左右板部3c、3dを覆う外部ハウジング部4a〜4d(図1参照)とからなる成型体となる。上下板部3a、3b及び左右板部3c、3dの外周壁面に係止突起4a1が形成される。この係止突起4a1には、外装防水シール部材8が係合される。
(c)キャリア切断工程
【0044】
上記工程(b)でモールド成型した後に、前方金型MF、上下方金型MT、MB、後方金型MR及び左右金型を外して、各コンタクト21〜25及びアース端子3r2に繋がれたキャリア5を切り離す。この切り離しは、アース端子3r2が各コンタクト21〜25より若干長くして切断する。これらの工程(a)〜(c)により、一個のコネクタを作製し、次いで、キャリア部5Aが移動して、次のコネクタを順次連続作製する。
【0045】
この製法によれば、一度のモールド成形により、コンタクトと金属シェルとを一体化し、ハウジングを成型できるので、コネクタの製造を効率よく簡単にできる。したがって、このコネクタ1は、ハウジング4がコンタクト2及び金属シェル3を電気絶縁性の合成樹脂材内にインサートモールドした成型体で形成されるので、従来技術のように部品点数を増やすことなく、また、その製造も別ラインにせずにインライン化が可能となりコストの削減もできる。
【0046】
ハウジング4を形成した後に、外周囲に外装防水シール部材8を装着して、携帯電話機などの筐体(図示省略)との間で防水する。この外装防水シール部材8は、図12に示すように、ハウジング4の外周囲に装着する大きさの環状シールパッキンからなり、内部にハウジング4の外周囲に嵌入する大きさの開口8aを設け、弾性部材で構成されている。
外周囲8bは、機器筐体の装着溝(図示省略)に嵌入される形状、例えば半円形状に膨らましてある。また、開口8aの内壁面には凹み溝81が形成されている。この外装防水シール部材8は、ハウジング4の外周囲の係止突起4a1に装着する。この装着により、機器筐体との間で防水できる。
【0047】
[実施形態2]
実施形態1のコネクタ1は、一体化したコンタクト及び金属シェルの内部及び外周囲を
樹脂でモールドしたが、このモールドを金属シェル内部のみとし、外周囲のモールドを省いてもよい。実施形態2のコネクタは、図示を省略したが、実施形態1のコネクタ1を構成するハウジング4のうち、内部のコンタクト固定ハウジング部4e及び後方開口3Rを塞ぐ後方ハウジング部4r残して、外周囲の外部ハウジング部4aを省いたものとなっている。このコネクタは、上記製造工程(a)〜(c)のうち、(b)ハウジング成型工程で図11に示す空間Sa、Sbが形成されないように上下左右の金型を金属シェル/コンタクト成形体に当接して、同様の方法で作製する。この構成のコネクタによっても、特に、金属シェルの内壁面とハウジングとが緊密に接合されて、実施形態1のコネクタと同じ効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 防水コネクタ
2、21〜25 コンタクト
2a 接点部
2b 中間固定部
2c 接続部
3 金属シェル
3F 前方開口
3R 後方開口
3s 空洞孔(穴)(空間)
3a 上板部
3a1 凹み穴
3b 下板部
3c、3d 側板部
3c1、3d1 基板固定脚(取付け固定片)
3r1 基板固定脚(取付け固定片)
3r2 アース端子(連結片)
4 ハウジング
4a〜4d 外部ハウジング部
4e コンタクト固定ハウジング部
4r 後方ハウジング部
5 キャリア
8 外装防水シール部材
MF 前方金型
MT 上方金型
MB 下方金型
MR 後方金型
【特許請求の範囲】
【請求項1】
良導電性のコンタクトと、前記コンタクトを内部に配設する金属製管状体からなる金属シェルと、前記コンタクトを固定する電気絶縁性のハウジングとを有する防水コネクタにおいて、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に、前記コンタクトを内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設すると共に電気絶縁性合成樹脂を注入して、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成したことを特徴とする防水コネクタ。
【請求項2】
前記コンタクトは、一端に相手方コネクタのコンタクトと接触する接点部と、他端に回路配線基板等の配線に接続する接続部及び前記接点部と接続部との間を繋ぐ中間部とを有し、
前記金属シェルは、少なくとも一端に開口及び内部に該開口に連通した空洞穴を有し、前記開口の内部付近を相手方コネクタが差込まれる差込み部とした金属製管状体で形成して、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に前記コンタクトの接点部及び中間部を内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設し、前記電気絶縁性合成樹脂を前記差込み部を除く内部箇所に注入して、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成して、前記コンタクトの接続部を外部へ露出させたことを特徴とする請求項1に記載の防水コネクタ。
【請求項3】
前記金属シェルは、前記差込み部の内壁面に相手方コネクタの係止部が係止される抜け止め部及び外周囲に回路配線基板等に実装する取付け固定片並びにアース端子が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の防水コネクタ。
【請求項4】
良導電性のコンタクトと、前記コンタクトが内部に配置される金属製管状体からなる金属シェルと、前記コンタクトを固定する電気絶縁性のハウジングとを有する防水コネクタにおいて、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に前記コンタクトを内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設して電気絶縁性樹脂を注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成したことを特徴とする防水コネクタ。
【請求項5】
前記コンタクトは、一端に相手方コネクタのコンタクトと接触する接点部と、他端に回路配線基板等の配線に接続する接続部及び前記接点部と接続部との間を繋ぐ中間部とを有し、
前記金属シェルは、少なくとも一端に開口及び内部に該開口に連通した空洞穴を有し、前記開口の内部付近を相手方コネクタが差込まれる差込み部とした金属製管状体で形成して、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に前記コンタクトの接点部及び中間部を内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設し、前記電気絶縁性樹脂を前記差込み部を除く内部箇所に注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成して、前記コンタクトの接続部を外部へ露出させたことを特徴とする請求項4に記載の防水コネクタ。
【請求項6】
前記金属シェルは、前記差込み部の内壁面に相手方コネクタの係止部が係止される抜け止め部及び外周囲に回路配線基板等に実装する取付け固定片並びにアース端子が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の防水コネクタ。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記金属シェルの外周を覆った箇所に、外部防水部材が装着されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の防水コネクタ。
【請求項8】
以下(i)〜(iii)の工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防水コネクタの製造方法。
(i)所定大きさの良導電性金属板を打抜き・折曲加工して、キャリアに連結片で連結して、前記コンタクト及び金属シェルを一体に形成するコンタクト及び金属シェル一体形成工程、
(ii)前記工程(i)で一体成形した前記コンタクト及び金属シェルの周囲に金型を配設して、前記金属シェル内部に電気絶縁性合成樹脂を注入して前記コンタクトをモールドして樹脂成型体からなる前記ハウジングを成型するハウジング成型工程、
(iii)前記工程(ii)でハウジングをモールド成型した後に、前記コンタクト、前記金属シェル及び連結片を前記キャリアから切断するキャリア切断工程。
【請求項9】
以下(i')〜(iii')の工程を含むことを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の防水コネクタの製造方法、
(i')所定大きさの良導電性金属板を打抜き・折曲加工して、キャリアに連結片で連結して、前記コンタクト及び金属シェルを一体に形成するコンタクト及び金属シェル一体形成工程、
(ii')前記工程(i')で一体成形した前記コンタクト及び金属シェルの周囲を金型で囲んで、前記金属シェルの内部に前記電気絶縁性樹脂を注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体からなる前記ハウジングを成型するハウジング成型工程、
(iii')前記工程(ii')でハウジングをモールド成型した後に、前記コンタクト、前記金属シェル及び連結片を前記キャリアから切断するキャリア切断工程。
【請求項10】
前記連結片は、前記アース端子であることを特徴とする請求項8又は9に記載の防水コネクタの製造方法。
【請求項1】
良導電性のコンタクトと、前記コンタクトを内部に配設する金属製管状体からなる金属シェルと、前記コンタクトを固定する電気絶縁性のハウジングとを有する防水コネクタにおいて、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に、前記コンタクトを内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設すると共に電気絶縁性合成樹脂を注入して、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成したことを特徴とする防水コネクタ。
【請求項2】
前記コンタクトは、一端に相手方コネクタのコンタクトと接触する接点部と、他端に回路配線基板等の配線に接続する接続部及び前記接点部と接続部との間を繋ぐ中間部とを有し、
前記金属シェルは、少なくとも一端に開口及び内部に該開口に連通した空洞穴を有し、前記開口の内部付近を相手方コネクタが差込まれる差込み部とした金属製管状体で形成して、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に前記コンタクトの接点部及び中間部を内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設し、前記電気絶縁性合成樹脂を前記差込み部を除く内部箇所に注入して、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成して、前記コンタクトの接続部を外部へ露出させたことを特徴とする請求項1に記載の防水コネクタ。
【請求項3】
前記金属シェルは、前記差込み部の内壁面に相手方コネクタの係止部が係止される抜け止め部及び外周囲に回路配線基板等に実装する取付け固定片並びにアース端子が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の防水コネクタ。
【請求項4】
良導電性のコンタクトと、前記コンタクトが内部に配置される金属製管状体からなる金属シェルと、前記コンタクトを固定する電気絶縁性のハウジングとを有する防水コネクタにおいて、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に前記コンタクトを内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設して電気絶縁性樹脂を注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成したことを特徴とする防水コネクタ。
【請求項5】
前記コンタクトは、一端に相手方コネクタのコンタクトと接触する接点部と、他端に回路配線基板等の配線に接続する接続部及び前記接点部と接続部との間を繋ぐ中間部とを有し、
前記金属シェルは、少なくとも一端に開口及び内部に該開口に連通した空洞穴を有し、前記開口の内部付近を相手方コネクタが差込まれる差込み部とした金属製管状体で形成して、
前記ハウジングは、前記金属シェルの内部に前記コンタクトの接点部及び中間部を内壁から離し電気的に絶縁した状態で配設し、前記電気絶縁性樹脂を前記差込み部を除く内部箇所に注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体で形成して、前記コンタクトの接続部を外部へ露出させたことを特徴とする請求項4に記載の防水コネクタ。
【請求項6】
前記金属シェルは、前記差込み部の内壁面に相手方コネクタの係止部が係止される抜け止め部及び外周囲に回路配線基板等に実装する取付け固定片並びにアース端子が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の防水コネクタ。
【請求項7】
前記ハウジングは、前記金属シェルの外周を覆った箇所に、外部防水部材が装着されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の防水コネクタ。
【請求項8】
以下(i)〜(iii)の工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防水コネクタの製造方法。
(i)所定大きさの良導電性金属板を打抜き・折曲加工して、キャリアに連結片で連結して、前記コンタクト及び金属シェルを一体に形成するコンタクト及び金属シェル一体形成工程、
(ii)前記工程(i)で一体成形した前記コンタクト及び金属シェルの周囲に金型を配設して、前記金属シェル内部に電気絶縁性合成樹脂を注入して前記コンタクトをモールドして樹脂成型体からなる前記ハウジングを成型するハウジング成型工程、
(iii)前記工程(ii)でハウジングをモールド成型した後に、前記コンタクト、前記金属シェル及び連結片を前記キャリアから切断するキャリア切断工程。
【請求項9】
以下(i')〜(iii')の工程を含むことを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の防水コネクタの製造方法、
(i')所定大きさの良導電性金属板を打抜き・折曲加工して、キャリアに連結片で連結して、前記コンタクト及び金属シェルを一体に形成するコンタクト及び金属シェル一体形成工程、
(ii')前記工程(i')で一体成形した前記コンタクト及び金属シェルの周囲を金型で囲んで、前記金属シェルの内部に前記電気絶縁性樹脂を注入すると共に外周囲を覆い、一体にモールド成形した樹脂成型体からなる前記ハウジングを成型するハウジング成型工程、
(iii')前記工程(ii')でハウジングをモールド成型した後に、前記コンタクト、前記金属シェル及び連結片を前記キャリアから切断するキャリア切断工程。
【請求項10】
前記連結片は、前記アース端子であることを特徴とする請求項8又は9に記載の防水コネクタの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−59540(P2012−59540A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201593(P2010−201593)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(390033318)日本圧着端子製造株式会社 (457)
【Fターム(参考)】
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