説明

隣地空無し仮枠RC‐0(ゼロ)

【課題】都市部の、建物が密集した地価の高い場所や、建ぺい率が低い土地に鉄筋コンクリートの建物を建てる場合に、隣地との空きを少なくする装置と工法を提供する。
【解決手段】生コンクリートを打ち込んだ後に、室内側から、外壁の外側の仮枠をコンクリートから剥離する為の工法と、樹脂仮枠を用いた鉄筋コンクリート仮枠構造、及び、構築した鉄筋コンクリート仮枠を直上階に移設するスライド工法、さらに、これに関連するコンクリート表面の気泡痕(空気あばた)を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋コンクリート建物の外壁を成形する仮枠において、生コンクリートを打ち込んだ後に、室内側から、外壁の外側の仮枠をコンクリートから剥離するための工法と、鉄筋コンクリート仮枠構造、及び、構築した鉄筋コンクリート仮枠を直上階に移設するスライド工法、さらに、これに関連するコンクリート表面の気泡痕(空気あばた)を除去するための工法に関する。
【背景技術】
【0002】
生コンクリートには、通常、3〜6%の空気が含まれているため、コンクリート仮枠に生コンクリートを打設して、そのまま硬化させた場合には、コンクリートの表面に無数の気泡痕(空気あばた)が残る。その為、従来においては、仮枠に生コンクリートを打ち込んだ後に、生コンクリートの締め固めを行っている。
【0003】
その際、壁仮枠のコンクリート表面の生コンクリートを締め固めるためには仮枠振動機を利用している。仮枠振動機はせき板を介して振動を生コンクリートに伝えるもので、振動が作用する範囲は表面部分に限られる。
【0004】
しかしながら、木製の仮枠に比べてプラスチック製(特許文献1参照)の鉄筋コンクリート仮枠の場合には、仮枠振動機を使用した場合でも、コンクリートの表面に無数の気泡痕(空気あばた)が残る現象が著しかった。
【0005】
その為、従来から、表面に無数の気泡痕(空気あばた)を残さないようにするためには、前田工繊株式会社の発売する、透水シートと排水ネットを積層した二重構造の仮枠用脱水クロス、商品名RCクロス等を仮枠に貼り付けるといった方法があった。しかしながら、このようなRCクロスを使用する場合は、RCクロスを施工する手間や費用がかさむといった問題点があった。
【0006】
さらに、生コンクリートを仮枠に打設した後、コンクリート仮枠の内面に沿って櫛歯(特許文献2参照)を挿入して生コンクリートの表面側の気泡を除去して来た。
【0007】
また、建物外壁に用いる鉄筋コンクリート仮枠を直上階に移設するためのスライド工法に関しては、従来より、鉄筋コンクリート建物の外壁を構築するために配置する複数枚のせき板を、横端太材に金物を取付けて固定し、外壁の外側の複数枚の堰板を、外壁の大きさと一体となるように構成し、仮枠用締付け金物(特許文献3参照)とセパレーターとの螺合を解く事により、外壁の外側の仮枠をコンクリート壁から剥離し、直上階に移設していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
前記、プラスチック製の鉄筋コンクリート仮枠は、複数の補強リブが所定の間隔をもって平行に取付けられた平面長方形の枡形状で構成され、隣合うプラスチック仮枠を互いに固定する場合には、プラスチック仮枠の全周のフランジ面に、所定の間隔をもって開けられた孔に連結金具を挿入して固定していた。
【特許文献1】特開平7‐247678
【0009】
また、櫛歯形の空気抜き取り装置は、櫛状の櫛歯形をコンクリート仮枠の内面に沿って挿入して生コンクリートの表面の気泡を抜き取るための物である。
【特許文献2】特開2004‐197443
【0010】
更に、建物外壁に用いる鉄筋コンクリート仮枠を直上階に移設するためのスライド工法に関しては、建物の外側から作業員が仮枠用締付け金物のボルトを回転させて、仮枠用締付け金物とセパレーターの螺合を解く事が出来るように構成されている。
【特許文献3】特開平6‐93723
【0011】
なお、別のコンクリートユニット仮枠スライド工法においては、コンパネ等のせき板に骨格となるリブ材を固定したコンクリート仮枠を連設し、板状セパレータとコンクリート仮枠締付金具によって上下の横バタ材を締結し、該、横バタ材を包囲するように横バタ材ホールド金具を取付け、コンクリート打設後においてコンクリート仮枠締付金具を全て解除することにより、前記、横バタ材が、ホールド金具に保存され、その状態でコンクリートユニット仮枠せき板に絡む板状セパレータの不要部分をコンクリート面からはみださないように捩切り除去することで脱型をし、一体化に構築されたコンクリートユニット仮枠を一括して直上階に移設させている。
【特許文献4】特開2008‐115591
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、木製仮枠に比べて、プラスチック製の鉄筋コンクリート仮枠の場合には、コンクリートの表面に無数の気泡痕(空気あばた)が残る現象が著しく、耐久性と美観に対する問題があった。
【0013】
更に、前記、建物外壁に用いる鉄筋コンクリート仮枠を直上階に移設するための仮枠用締付け金物を用いたスライド工法においては、建物外壁に用いる鉄筋コンクリート仮枠をコンクリート壁と剥離するためには、作業員が、建物の外側で仮枠用締付け金物とセパレーターとの螺合を解く事が必要であり、その為、隣地の建物が境界線いっぱいまで建築されている場合には、新しく、これから建築する鉄筋コンクリート建物と、従来から、隣地に建っている建物との間に作業員が作業するための足場を構築しなくてはならず、都市部の建物が密集した、地価の高い土地や、建ぺい率が低い土地に住宅を建築する際には、隣地との間に足場を設置するための隣地離れ(約50cm以上必要)を設けて、そのために室内の空間を狭くして鉄筋コンクリート建物を建築しなければならず、土地の有効活用と云う観点から問題を抱えていた。
【0014】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、外壁の構築後に外壁仮枠を壁から剥離する場合、外壁の外側から一切手を加えることなく外壁仮枠を壁から剥離する事を可能とすると共に、外壁の表面に気泡痕(空気あばた)を残さない、プラスチック製の鉄筋コンクリート仮枠を提供する事を目的とする。
【0015】
さらに、仮枠に、押出成形した樹脂仮枠を用いるため、室内の高さを決める際に、樹脂仮枠を切断する位置により、仮枠の高さを自由に設定する事が容易に可能となり、お客様の要望により室内天井高を高くする事が容易に可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、鉄筋コンクリート建物の外壁を構築する際に用いる仮枠において、建物外側に用いる仮枠に、押出成形された樹脂仮枠を用い、その押出成形された樹脂仮枠の一端と、隣り合う押出成形された樹脂仮枠の他端を噛み合わせて横方向に複数個並べて固定し、鉄筋コンクリート建物の外壁仮枠を構成した事を特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明は、押出成形された樹脂仮枠は、コンクートに接する面が弓状に成形されると共に、コンクリートに接する面の裏側には補強のためのII形形状のリブを形成し、弓状の両端は平らに構成し、一方の平らの部分には、概ねコの字形の契合部を構成し、他端の平らの部分の先端には台形部と、前記、概ねコの字形に構成された契合部と契合させるため、T形形状のリブのコンクリート側に、概ねC字形の契合部が構成された事を特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明は、複数個の押出成形された樹脂仮枠を並べて、建物の外壁を構築する仮枠を作成するため、押出成形された樹脂仮枠の台形部にセパレーターを通す穴を開けると共に、T形形状のリブのウェブ面に複数の押出成形された樹脂仮枠を固定するための固定金具を取付けるための穴を開け、固定金具をT形形状のリブのウェブ面に固定し、その固定金具に隣り合う押出成形された樹脂仮枠の横方向を固定するための仮枠外端太を取付け、複数の押出成形された樹脂仮枠を横方向に複数個並べて固定した事を特徴とする。
【0019】
請求項4に記載の発明は、外壁の、外側仮枠と内側仮枠とを固定するためのセパレーターを、室内側から取外し可能にするため、セパレーターを設置する際、外側仮枠と内側仮枠との間に中空状のパイプを配置し、その中空状のパイプの中にセパレーターを挿入した事を特徴とする。
【0020】
請求項5に記載の発明は、押出成形による樹脂仮枠を仮枠に用いた事により、樹脂仮枠を切断する位置により、仮枠の高さを自由に設定することが可能となった事を特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の発明は、複数個の押出成形された樹脂仮枠を組合わせて構成した鉄筋コンクリート建物の外壁仮枠を吊り上げるために、外壁仮枠の上部にフックを取付けた事を特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の発明は、押出成形された樹脂仮枠のコンクートに接する面に、気泡を除去するための細い筋を入れた事を特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の発明によれば、鉄筋コンクリート建物の外壁を構築する際に用いる仮枠において、建物外側に用いる仮枠に、押出成形された樹脂仮枠を用い、その押出成形された樹脂仮枠の一端と、隣り合う押出成形された樹脂仮枠の他端を噛み合わせて横方向に複数個並べて固定し、鉄筋コンクリート建物の外壁仮枠を構成した事により、従来のように、隣合う樹脂仮枠を固定する際、樹脂仮枠を1個づつ、固定金具を使って固定する事に比べて労働時間の短縮となるため、工期の短縮につながると共に、大幅にコストの低減を図る事が出来る。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、コンクートに接する面が弓状に成形される事により、従来のように、外壁面の意匠が平面状で無味乾燥な形状ではなく、外壁面にアクセントを付けることが簡単に可能になるばかりでなく、コンクリートに接する面の裏側には補強のためのII形形状のリブを形成した事により、仮枠に生コンクリートを流し込んだ時にも、生コンクリートの重さが仮枠にかかる事により発生する、仮枠の変形にも耐える事が可能となると共に、弓状の両端は平らに構成し、一方の平らの部分には、概ねコの字形の契合部を構成し、他端の平らの部分の先端には台形部と、前記、概ねコの字形に構成された契合部と契合させるため、T形形状のリブのコンクリート側に、概ねC字形の契合部が構成された事により、固定する為の金具を使用すること無く、容易に、隣り合う押出成形された樹脂仮枠の他端を噛み合わせて横方向に複数個並べる事が可能となる。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、複数個の押出成形された樹脂仮枠を並べて、建物の外壁を構築する仮枠を作成するため、押出成形された樹脂仮枠の台形部にセパレーターを通すための穴を開けると共に、T形形状のリブのウェブ面に複数の押出成形された樹脂仮枠を固定するための固定金具を取付けるための穴を開け、固定金具をT形形状のリブのウェブ面に固定し、その固定金具に隣り合う押出成形された樹脂仮枠の横方向を固定するための仮枠外端太を取付け、複数の押出成形された樹脂仮枠を横方向に複数個並べて固定した事により、複数個の押出成形された樹脂仮枠を、容易に一枚の大きな仮枠として固定する事が可能となる。
【0026】
請求項4に記載の発明によれば、従来のように、外壁仮枠の内部に配置したセパレーターの両端にプラスチックコーンを取付け、外壁仮枠に生コンクリートを打ち込み、外壁コンクリートが固まった後に、仮枠の内側と外側から、セパレーターの両端に取付けたプラスチックコーンを取外す作業を行って来た事に比べて、外壁の、外側仮枠と内側仮枠とを固定するためのセパレーターを、室内側から取外し可能にするため、セパレーターを設置する際、外側仮枠と内側仮枠との間に中空状のパイプを配置し、その中空状のパイプの中にセパレーターを挿入した事により、外壁の、外側仮枠側に作業員が出て作業を行う必要が無くなるため、外壁の、外側仮枠側と隣地との間に足場等を設置する必要が無くなり、隣地との境界線いっぱいまで仮枠を構築する事が可能となり、土地の有効利用につながるばかりでなく、作業性も大幅に向上する。
【0027】
請求項5に記載の発明によれば、押出成形による樹脂仮枠を仮枠に用いた事により、従来の枡形状をした平面四角形のコンクリート打込み用のプラスチック仮枠のように、仮枠を構築する部所により、複数の長さ、形状の仮枠が必要であり、その為、プラスチック仮枠を作るための高価な金型を多数製作してきたが、押出成形による樹脂仮枠の場合は、樹脂仮枠を切断する位置により、仮枠の高さを自由に設定することが可能となるため、高価か金型が一個で可能となり、安価に仮枠を製作する事が可能となる。
【0028】
請求項6に記載の発明によれば、複数個の押出成形された樹脂仮枠を組合わせて構成した鉄筋コンクリート建物の外壁仮枠を吊り上げるために、外壁仮枠の上部にフックを取付けた事により、建築現場で仮枠を移動させる際や、外壁仮枠を直上階に吊り上げる際に、クレーン等を使って容易に移動したり、吊り上げる事が可能となるため、工期を短縮する事が可能となる。
【0029】
請求項7に記載の発明によれば、押出成形された樹脂仮枠のコンクートに接する面に、気泡を除去するための細い筋を入れた事により、生コンクリートの中の空気の気泡が細い筋を通って上昇し、生コンクリートの上部に排出しやすくなるため、外壁面のコンクリート表面に、ジャンカや、あばたが出来た事によりコンクリートの内部に水が浸入して発生する、鉄筋の腐食によるヒビ割れや、凍結融解の繰り返しによる、はく離を防ぐ事が可能となる。
【実施例】
【0030】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[発明の実施の形態]
【0031】
図1及至図4は、この発明の実施の形態で用いられる外壁仮枠を構成するための樹脂仮枠1を示す。
【0032】
図1は、樹脂仮枠1を平面図、正面図、右側面図、左側面図の第三角法で示す。樹脂仮枠1は、押出成形された樹脂仮枠で、平面図で示すように、生コンクリートに接する面が弓形状に反った弓状部16と台形形状をした台形部15で構成されると共に、樹脂仮枠1を横方向に複数個並べて固定するために、弓状部16の先端にはコの字形形状のコの字形契合部3と、嵌め込み先端部4が形成されると共に、台形部15の端部にはT形のT形形状リブ10が形成され、そのT形形状リブ10には、樹脂仮枠1を横方向に複数個噛合わされて並べて固定するための、L形形状の契合受部14とC字形形状のC字形契合部12が構成される。
【0033】
また、樹脂仮枠1の弓状部16、台形部15には外壁仮枠に生コンクリートを打ち込んだ際に、樹脂仮枠1の変形を防ぐためにT字形のパネル部9と、弓状部16にはII形形状のII形形状リブ5が形成され、II形形状リブ5には平面形状のパネル部6が構成される。
【0034】
このように構成され、押出成形された樹脂仮枠1は、建築する建物の各階の高さに合わせて樹脂仮枠1の長さが均一に揃えられて切断される。さらに、正面図と右側面図に示すようにパネル部9には、図5で説明する固定金具40を取付けるための、コの字形の欠き込み部17を形成し、欠き込み部17のウェブ面11には、図5で説明する固定部材51を取付けるための固定金具取付穴19、固定金具取付穴20を開けると共に、台形部15にも図5で説明するネジ受部材64を固定するためのセパレーター取付穴18が開けられる。
【0035】
図2は、このように構成された図1の樹脂仮枠1を、分かり易く説明するため斜視図で示す。
【0036】
図3と図4は樹脂仮枠1を横方向に複数個噛合わせて並べる方法を示す。図3の図3aは、樹脂仮枠1と同一形状の樹脂型枠A25の、台形部15のC字形の契合部C26に、樹脂仮枠1と同一形状の樹脂型枠B28を、樹脂型枠A25に対して約45度傾けて、コの字形の契合部D27を契合させた状態を示す。なお、図1の平面図で説明すると、嵌め込み部13のC字形契合部12に、横方向に並べた別の樹脂仮枠1の嵌め込み先端部4の先端が挿入された状態を示す。図3bは、図3aの状態から樹脂仮枠B28を樹脂仮枠A25に対してT形形状リブ10を持上げるようにして回転させている状態を示す。図3cは、樹脂仮枠A25のC字形の契合部C26と樹脂仮枠B28のコの字形の契合部D27が完全に噛合って一体となり、2個の樹脂仮枠、樹脂仮枠B28と樹脂仮枠A25が横方向に並べられて一体となった状態を示す。
【0037】
つづいて、C字形の契合部C26に対して、コの字形の契合部D27が、組合わされて契合に至る経過について詳細に説明する。図3の、拡大図Aは、図3aのC字形の契合部C26の拡大図であり、図3の拡大図Bは、図3cの契合部37の拡大図である。さらに、図3の拡大図Cは、図3aのコの字形の契合部D27の拡大図である。図3の拡大図Aと拡大図Bと拡大図Cで示すように、拡大図AのC字形の契合部C26に対して、拡大図Cのコの字形の契合部D27が契合され拡大図Bのような状態となる。拡大図Aの契合上面35に対して拡大図Cの契合下面36が当接し、更に、拡大図AのC字形の契合部Cとの当接面29に対して、拡大図Cのコの字形の契合部Dとの当接面34が当接し、拡大図Bのような状態となり、樹脂仮枠A25と樹脂仮枠B28の2個の樹脂仮枠は横方向に並べられた状態となり一体となる。
【0038】
図4は、図3で樹脂仮枠A25と樹脂仮枠B28の2個の樹脂仮枠を横方向に並べて契合し、一体となした状態と同様の方法で、さらに、図1の複数個の樹脂仮枠1を、図3の樹脂仮枠B28のC字形契合部12に契合させ、図3で説明した方法と同様の方法で樹脂仮枠1を複数個横方向に契合させて並べた状態を示す。
【0039】
しかしながら、樹脂仮枠1を図4のように横方向に噛合わせて並べた状態では、隣合う樹脂仮枠1同士が、図1で説明したコの字形契合部3と、隣合う樹脂仮枠1の嵌め込み部13が契合しているだけで横並びに固定されていない。その為、引き続いて、その複数個の横並び状態の樹脂仮枠1を一体として固定するための固定金具を示す。
【0040】
図5は、複数個の横並び状態の樹脂仮枠1を固定するための固定金具40を示す。図5aは固定金具40を構成する各部材を展開図で示す。図5bは図5aの各部材を組立てた状態を示す。さらに、図5cは固定金具40に角パイプ42、角パイプ43を挿入して固定金具40と角パイプ42、角パイプ43を固定した状態を示す。
【0041】
つづいて、図5aの固定金具40を構成する各部材を説明する。固定金具40は、先端が円錐状に形成され上部がL形に形成された丸棒形状のL形固定棒41と、3枚の板状の挿入部45、挿入部46、挿入部47を結合してE形形状に形成し、その3枚の挿入部45、挿入部46、挿入部47の先端部に挿入穴48、挿入穴49、挿入穴50が開けられた角パイプ固定部材44と、角パイプ固定部材44の3枚の板状の挿入部45、挿入部46、挿入部47を挟み込むため、4枚の契合部52、契合部53、契合部54、契合部55が縦4段に隙間をもって結合され、契合部52、契合部53、契合部54、契合部55の先端部に挿入穴56、挿入穴57、挿入穴58が開けられると共に、4枚の契合部52、契合部53、契合部54、契合部55が縦4段に隙間をもって結合された板状の結合面には穴61、穴62が開けられた固定部材51と、その固定部材51を、図1で説明した樹脂仮枠1に固定するための、ボルト59とナット60と、さらに、契合部53、契合部54とセパレーター67とを固定するために、真中にネジ穴63が形成された四角形状のネジ受部材64が溶接により取付られる。このネジ受部材64のネジ穴63には中空パイプ65に挿入されたセパレーター67が取付けられる。
【0042】
このように構成された固定金具40の、固定部材51の契合部53、契合部54に、図5bで示すようにネジ受部材64を溶接で固定し、契合部53、契合部54の間に角パイプ固定部材44の挿入部46を挿入すると共に、固定部材51の上部の契合部52と下部の契合部55が、角パイプ固定部材44の挿入部45と挿入部47に挟み込まれるように組合わされる事により、角パイプ固定部材44の挿入穴48、挿入穴49、挿入穴50と固定部材51の挿入穴56、挿入穴57、挿入穴58にL形固定棒41を貫通させる事が可能となり、角パイプ固定部材44と固定部材51は固定される。
【0043】
さらに、図5bの角パイプ挿入部69、角パイプ挿入部70に角パイプ42、角パイプ43を挿入する事により、図5cのような構成となる。
【0044】
図6及至図8は、このように構成された樹脂仮枠1と角パイプ42、角パイプ43と固定金具40が、外壁仮枠としてどのように構築されるかを示す。
【0045】
図6の、図6aは、図1で説明した樹脂仮枠1の欠き込み部17の平面断面図である。パネル部9の1部が欠き込まれている。図6bは、図6aで説明した樹脂仮枠1に、図5の、図5aで説明した固定部材51にネジ受部材64を溶接で固定し、その固定部材51をウェブ面8にボルト59とナット60で固定した状態を示す。図6cは、図6bで説明した樹脂仮枠1に、図5の、図5cで説明した角パイプ42、角パイプ43に、図5aで説明した角パイプ固定部材44を装着した後、角パイプ固定部材44を固定部材51に差し込んだ後、L形固定棒41を角パイプ固定部材44の挿入穴48に挿入して樹脂仮枠1と角パイプ42、角パイプ43を固定した状態を示す。図6dは、図6cで説明した樹脂仮枠1の固定金具40のネジ受部材64のネジ穴63に、中空パイプ65に挿入されたセパレーター67を取付けた状態を示す。
【0046】
図7は、図6の図6dで説明した樹脂仮枠1と固定金具40と角パイプ42、角パイプ43の結合状態を分かり易く説明するため、結合状態を平面図、正面図、側面図の三角法で示す。
【0047】
図8は、図1及至図7で説明してきた複数の樹脂仮枠1と固定金具40と角パイプ42とを結合した、建物の外壁を構築するための外壁外側仮枠79と、外壁内側仮枠78をセパレーター67と中空パイプ65で結合した状態を示す。外壁内側仮枠78は、一般的な鉄筋コンクリート住宅を造る際に用いられている仮枠と同一の、せき板82に根太80を固定した仮枠を、単管81と一般的なフォームタイ83で固定したものである。なお、この場合、ナット77でフォームタイ83を締付けた際に、中空パイプ65がせき板82に喰い込むのを防ぐため、せき板82と中空パイプ65の間にワッシャー84を挿入する。このように構成された仮枠に、生コンクリートを打込み、コンクリートが固まった後に、仮枠をコンクリートから剥離する際は、外壁内側仮枠78を固定しているセパレーター67の先端部の回動部71をスパナ等を使って回転させる事により、図5で説明したセパレーター67とネジ受け部材64との契合が解かれ、図8で説明した外壁外側仮枠79と外壁コンクリートとが剥離状態となり外壁外側仮枠79は自由に移動可能な状態となると共に、中空パイプ65は外壁コンクリートの中に取り残されるため、取り残された中空パイプ65の穴にコーキング等の詰め物を詰め込んで雨水の浸入を防止する。なお、外壁内側仮枠78の仮枠は、従来の一般的な解体方法により解体される。
【0048】
図9は、図1で説明した樹脂仮枠1の弓状部16と台形部15の表面に、外壁の外側のコンクリートの表面に細い筋を形成するために、押出成形する金型の表面に、細い筋を入れ、その金型を使って押出成形された樹脂仮枠1を平面図と正面図で示す。このように押出成形された樹脂仮枠1の表面に細い筋を入れる事により、生コンクリートの中に含まれる空気を生コンクリートの外に排出する事が可能となる。なお、図9の拡大図で示したように、樹脂仮枠の弓状部16と台形部15に成形する筋85のサイズは、表面の切り込み幅は0.2ミリメートル、深さは0.5ミリメートル位の三角形状の筋85が適切である。また、このような筋85を付ける事により、従来の無機質な平面形状の外壁コンクリート面に比べて、コンクリートの表面の意匠に変化を与える事が出来る。
【0049】
図10と図11は、複数個の樹脂仮枠1を横方向に並べて、1枚の仮枠として構成するため、複数個の樹脂仮枠1の上部と下部を固定するために取付ける上部固定部材86と下部固定部材95を斜視図で示す。上部固定部材86は薄板鋼板をL字形に成形すると共に、その下部に溝差込部89をコの字形に成形する。このようにコの字形に成形されたコの字部分の下部を、樹脂仮枠1に食い込ませて上部固定部材86と複数個の樹脂仮枠1を固定するため、樹脂仮枠1のパネル部6とパネル部9に、図10で示すような固定溝91を掘り、さらに、上部固定部材86を樹脂仮枠1に固定するために、上部固定部材86の下部にネジ穴(図示せず)が開けられたネジ固定部88、ネジ固定部98を取付け、ネジ固定部88とネジ固定部98を樹脂仮枠1の図1で説明したウェブ面7とウェブ面11にネジ87、ネジ90で固定する。さらに、下部固定部材95は、前記、上部固定部材86で説明したのと同様に、上部固定部材86を逆さにした状態で、複数個の樹脂仮枠1の下部に掘り込まれた固定溝97に溝差込部99が差し込まれ、ネジ穴(図示せず)が開けられたネジ固定部93、ネジ固定部94を樹脂仮枠1の図1で説明したウェブ面7とウェブ面11にネジ92とネジ96で固定する。このようにして上部固定部材86と下部固定部材95は樹脂仮枠1に固定され、図11に示すような斜視図の形状となる。
【0050】
図12は、図11のように構成された複数個の仮枠を、図7で説明したように固定金具40と仮枠外端太(角パイプ42、角パイプ43)で連結固定した状態を示すと共に、つづいて、クレーン等(図示せず)で連結固定した仮枠を吊り上げるための構造について説明する。
【0051】
角パイプ42の上面にワイヤー101、ワイヤー102を取付けるためのフック(図示せず)が構成された固定部材103、固定部材104を固定し、そのフック(図示せず)にワイヤー101、ワイヤー102を取付け、ワイヤー101、ワイヤー102の上端には、フック100、フック105を構成する。このように構成されたフック100、フック105にクレーン等のワイヤー等を取付け、クレーン等で巻き上げる事により、建築現場で仮枠を移動させたり、仮枠を直上階に移設させたりする事を自在に行う事が容易に可能となる。
【0052】
図13及至図15は、建物の外壁を構成する外壁外側仮枠のコーナー部分の仮枠について示す。
【0053】
図13は、コーナー用長さ調整金具110の各部材の分解図である。コーナー用長さ調整金具110は、ライド組込部111と取付取外部112、可動部113、コーナー部114、スライド組込部115で構成され、スライド組込部111は、図1で説明した弓状部16とII形形状リブ5、コの字形契合部3が切り取られた樹脂仮枠1の嵌め込み部109に、コの字形に成形され薄型鋼材の一端が曲げられた取付部材117が、嵌め込み部109に対してボルト118とナット116で固定される。さらに、取付部材117には取付取外部112の結合ピン122が挿入されるように構成された穴121が開けられた結合部材120が取付けられた、コの字形の受け鋼材119が取付けられる。
【0054】
取付取外部112は、棒状の先端が円錐形に構成された結合ピン122が固定された四角形状の結合部材125がL形に構成された契合部材124に取付けられると共に、契合部材124にはL形に成形された契合部材123が取付けられる。
【0055】
可動部113は平板鋼材のスライド鋼板130にL形の補強部材129が固定され、このように構成されたスライド鋼板130と補強部材129に対して、結合部材125の結合ピン122と、契合が出来るように構成された穴126と仮枠のコーナー部114の位置を調節するための穴132が開けられた結合部133に対して長さ自在に調整出来るように長穴128が開けられた長穴鋼材127が取付けられる。スライド鋼板131が、受け鋼材119とスライド鋼板130の間に挿入されて、コーナー部の長さが調節される。
【0056】
コーナー部114は、3面体に折り曲げられた薄板鋼板のコーナー鋼材134の一面に、可動部113の長穴128に対してスライド自在に動くように、可動部113とコーナー部114を固定するための穴132が開けられた四角形状の結合部133が取付けられると共に、他の一面には、L形に成形された薄板の補強部材137と補強部材135が取り付けられる。さらに、このように構成された補強部材137と補強部材135の間には、コーナー部の位置を調節するための長穴139が開けられた平板鋼材の長穴鋼材136が取付けられる。
【0057】
スライド組込部115は、樹脂仮枠1と固定するために、コの字形に成形され一端が図1の固定金具取付穴19と固定金具取付穴20に固定されるように折り曲げられた取付部材144と、その取付部材144に取付けられるL形形状の受け鋼板140と、さらに長穴鋼材136に開けられた長穴139と契合できるような穴141が開けられた、長方形の結合部材142が受け鋼板140に固定される。
【0058】
このように構成されたコーナー用長さ調整金具110は、取付取外部112の結合ピン122が、可動部113の穴126と、スライド組込部111の穴121に挿入され、スライド組込部111と取付取外部112と可動部113が一体となって組立てられると共に、可動部113の長穴128に、コーナー部114の穴132が長さ方向を調節可能にして重ね合わされた後、図14で示すようにボルト147とナット(図示せず)で固定される。さらに、コーナー部114の長穴139は、スライド組込部115の穴141に長さ方向を調整可能にして重ね合わされ、図14で示すようにボルト146とナット(図示せず)で固定される。このようにコーナー用長さ調整金具110が組立てられた状態を、図14で示す。このようにして、図14で説明したボルト146、ボルト147を緩めて長穴128、長穴139に対する、図13で説明した穴132、穴141の位置を移動させる事により、コーナー部の仮枠の位置を自在に移動する事が可能となる。図14aはコーナー部114を伸ばした状態を示す。図14bはコーナー部114を縮めた状態を示す。
【0059】
図15は、図14で説明したコーナー用長さ調整金具110に、横方向に複数個の樹脂仮枠1を噛合わせて固定金具40と角パイプ42で固定すると共に、建物の外壁を構成する一般的な鉄筋コンクリート住宅の仮枠で用いられている仮枠と同一形状の、せき板82に根太80を固定した仮枠を、単管81と一般的なフォームタイ83とセパレーター67と中空パイプ65で結合した状態を示す。なお、この場合、ナット77でフォームタイ83を締付けた場合、中空パイプ65がせき板82に喰い込むのを防ぐため、せき板82と中空パイプ65の間にワッシャー84を挿入する。このように構成された仮枠に、生コンクリートを打込み、コンクリートが固まった後に、仮枠をコンクリートから剥離する際は、コーナー内側仮枠148を固定しているセパレーター67の先端部の回動部71をスパナ等を使って回転させる事により、図5で説明したセパレーター67とネジ受け部材64との契合が解かれ、図15で説明したコーナー外側仮枠149と外壁コンクリートとが剥離状態となりコーナー外側仮枠149は自由に移動可能な状態となると共に、中空パイプ65は外壁コンクリートの中に取り残されるため、取り残された中空パイプ65の穴にはコーキング等の詰め物が詰め込まれて雨水の浸入を防止する。なお、コーナー内側仮枠148の仮枠は、従来の一般的な解体方法により解体される。
【0060】
以上、実施の形態に基づいて、本発明に係る隣地空無し仮枠RC‐0(ゼロ)について詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。
【0061】
図1において、II形形状リブ5が一箇所構成された樹脂仮枠1を説明したが、II形形状リブ5を複数個構成したり、III形形状にする事により、樹脂仮枠1を横方向に大きく構成する事ももちろん可能である。
【0062】
図1において、仮枠のデザインに関して弓形状の弓状部16を構成したが、この弓形状にこだわらず、〜形形状や、凹凸形状や、台形の形をした形状等で構成する事も、もちろん可能である。
【0063】
図9において、筋85の形状と大きさを当社が実際に用いているサイズで記入したが、必ずしも、このサイズに拘る事なく、デザインや外壁の意匠を考慮して変更する事も、もちろん可能である
【0064】
図13、図14において、コーナー用の長さ調節金具110を説明したが、必ずしもこの構造に拘ることなく、長穴を用いて微調整が可能な構造に変更する事も、もちろん可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】この発明の実施の形態に係る、樹脂製の鉄筋コンクリート仮枠を投影図で表す。
【図2】同実施の形態に係る、図1の斜視図である。
【図3】同実施の形態に係る、樹脂製の鉄筋コンクリート仮枠を複数個組立てる場合の組立図である。
【図4】同実施の形態に係る、樹脂製の鉄筋コンクリート仮枠を複数個組立てた状態の組立図である。
【図5】同実施の形態に係る、樹脂製の鉄筋コンクリート仮枠を外壁仮枠として構成する為に使用する固定金具の展開図である。
【図6】同実施の形態に係る、図5で説明した組込金具を、樹脂製の鉄筋コンクリート仮枠に組込む際の手順を表す。
【図7】同実施の形態に係る、図6で説明した組込金具に外端太材(角パイプ)を取付けた状態を表す。
【図8】同実施の形態に係る、樹脂製の鉄筋コンクリート仮枠と、外壁内側の、従来から存在する仮枠を組立てた状態を表す。
【図9】同実施の形態に係る、樹脂製の鉄筋コンクリート仮枠のコンクリート面の水を排水する為の筋を説明する拡大図である。
【図10】同実施の形態に係る、樹脂仮枠を複数個並べて固定する際に使用する、上下の固定部材を斜視図で表す。
【図11】同実施の形態に係る、図10で説明した固定部材を組付けた状態を表す。
【図12】同実施の形態に係る、図5で説明した固定金具に外端太材(角パイプ)を取付けた状態を斜視図で表す。
【図13】同実施の形態に係る、コーナー部分の仮枠を分解図で表す。
【図14】同実施の形態に係る、コーナー部分の仮枠の組立図である。
【図15】同実施の形態に係る、コーナー部分の仮枠と外壁内側の、従来から存在する仮枠を組立てた状態を表す。
【符号の説明】
【0066】
1 樹脂仮枠
2 契合先端部
3 コの字形契合部
4 嵌め込み先端部
5 II形形状リブ
6 パネル部
7 ウェブ面
8 ウェブ面
9 パネル部
10 T形形状リブ
11 ウェブ面
12 C字形契合部
13 嵌め込み部
14 契合受部
15 台形部
16 弓状部
17 欠き込み部
18 セパレーター取付穴
19 固定金具取付穴
20 固定金具取付穴
25 樹脂仮枠A
26 C字形の契合部C
27 コの字形の契合部D
28 樹脂仮枠B
29 C字形の契合部Cとの当接面
30 契合受面
31 C字形内側当接面
32 契合先端面
33 コの字形上部当接面
34 コの字形の契合部Dとの当接面
35 契合上面
36 契合下面
37 契合部
40 固定金具
41 L形固定棒
42 角パイプ
43 角パイプ
44 角パイプ固定部材
45 挿入部
46 挿入部
47 挿入部
48 挿入穴
49 挿入穴
50 挿入穴
51 固定部材
52 契合部
53 契合部
54 契合部
55 契合部
56 挿入穴
57 挿入穴
58 挿入穴
59 ボルト
60 ナット
61 穴
62 穴
63 ネジ穴
64 ネジ受部材
65 中空パイプ
66 ネジ部
67 セパレーター
68 ネジ部
69 角パイプ挿入部
70 角パイプ挿入部
71 回転部
78 外壁内側仮枠
79 外壁外側仮枠
80 根太
81 単管
82 せき板
83 フォームタイ
84 ワッシャー
85 筋
86 上部固定部材
87 ネジ
88 ネジ固定部
89 溝差込部
90 ネジ
91 固定溝
92 ネジ
93 ネジ固定部
94 ネジ固定部
95 下部固定部材
96 ネジ
97 固定溝
98 ネジ固定部
99 溝差込部
100 フック
101 ワイヤー
102 ワイヤー
103 固定部材
104 固定部材
105 フック
109 嵌め込み部
110 コーナー用長さ調整金具
111 スライド組込部
112 取付取外部
113 可動部
114 コーナー部
115 スライド組込部
116 ナット
117 取付部材
118 ボルト
119 受け鋼材
120 結合部材
121 穴
122 結合ピン
123 契合部材
124 契合部材
125 結合部材
126 穴
127 長穴鋼材
128 長穴
129 補強部材
130 スライド鋼板
131 スライド鋼板
132 穴
133 結合部
134 コーナー鋼材
135 補強部材
136 長穴鋼材
137 補強部材
138 スライド鋼材
139 長穴
140 受け鋼材
141 穴
142 結合部材
143 ナット
144 取付部材
145 ボルト
146 ボルト
147 ボルト
148 コーナー内側仮枠
149 コーナー外側仮枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋コンクリート建物の外壁を構築する際に用いる仮枠において、建物外側に用いる仮枠に、押出成形された樹脂仮枠を用い、その押出成形された樹脂仮枠の一端と、隣り合う押出成形された樹脂仮枠の他端を噛み合わせて横方向に複数個並べて固定し、鉄筋コンクリート建物の外壁仮枠を構成した事を特徴とする隣地空無し仮枠RC‐0(ゼロ)。
【請求項2】
押出成形された樹脂仮枠は、コンクートに接する面が弓状に成形されると共に、コンクリートに接する面の裏側には補強のためのII形形状のリブを形成し、弓状の両端は平らに構成し、一方の平らの部分には、概ねコの字形の契合部を構成し、他端の平らの部分の先端には台形部と、前記、概ねコの字形に構成された契合部と契合させるため、T形形状のリブのコンクリート側に、概ねC字形の契合部が構成された事を特徴とする請求項1に記載の隣地空無し仮枠RC‐0(ゼロ)。
【請求項3】
複数個の押出成形された樹脂仮枠を並べて、建物の外壁を構築する仮枠を作成するため、押出成形された樹脂仮枠の台形部にセパレーターを通す穴を開けると共に、T形形状のリブのウェブ面に複数の押出成形された樹脂仮枠を固定するための固定金具を取付けるための穴を開け、固定金具をT形形状のリブのウェブ面に固定し、その固定金具に隣り合う押出成形された樹脂仮枠の横方向を固定するための仮枠外端太を取付け、複数の押出成形された樹脂仮枠を横方向に複数個並べて固定した事を特徴とする請求項1又は2に記載の隣地空無し仮枠RC‐0(ゼロ)。
【請求項4】
外壁の、外側仮枠と内側仮枠とを固定するためのセパレーターを、室内側から取外し可能にするため、セパレーターを設置する際、外側仮枠と内側仮枠との間に中空状のパイプを配置し、その中空状のパイプの中にセパレーターを挿入した事を特徴とする請求項1及至3のいずれか1つに記載の隣地空無し仮枠RC‐0(ゼロ)。
【請求項5】
押出成形による樹脂仮枠を仮枠に用いた事により、樹脂仮枠を切断する位置により、仮枠の高さを自由に設定することが可能となった事を特徴とする請求項1及至4のいずれか1つに記載の隣地空無し仮枠RC‐0(ゼロ)。
【請求項6】
複数個の押出成形された樹脂仮枠を組合わせて構成した鉄筋コンクリート建物の外壁仮枠を吊り上げるために、外壁仮枠の上部にフックを取付けた事を特徴とする請求項1及至5のいずれか1つに記載の隣地空無し仮枠RC‐0(ゼロ)。
【請求項7】
押出成形された樹脂仮枠のコンクートに接する面に、気泡を除去するための細い筋を入れた事を特徴とする請求項1及至6のいずれか1つに記載の隣地空無し仮枠RC‐0(ゼロ)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−127361(P2011−127361A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−287824(P2009−287824)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フォームタイ
【出願人】(504196492)株式会社 ▲高▼▲橋▼監理 (33)
【Fターム(参考)】