説明

難燃性EMI遮蔽ガスケット

難燃性の電磁障害(EMI)遮蔽ガスケット構造物。該構造物は発泡体エラストマー材料で形成された弾力性コア部材、コア部材の外面を囲む電気伝導性布地部材を包含する。布地部材の継ぎ目は硬化された、熱硬化性の、難燃性フィルム接着剤の層でコア部材に接着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広義には、電磁障害(EMI)遮蔽及び天候、塵又は他の環境のシールを提供するためのガスケット、そして特には、特に電気又は電子システム又は装置のためのキャビネット及び他の囲い内に使用されるようになっている、一体式の固体又は発泡体のエラストマーのウェザーシールストリップと金属メッシュストリップのガスケットを組み合わせる、組み合わせ又は複合ガスケット構造物及びその製法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、ラジオ、コンピューター、医学用機器、ビジネス機器、通信機器、等のような電子装置の操作は機器の電気回路内の電磁放射線の発生を伴う。特許文献1、2、3、4、5及び6に詳述されるように、このような放射線はしばしば電磁スペクトルの高周波帯内、すなわち約10KHz〜10GHz間にフィールド又はトランジエント(transient)として出現し、他の近位の電子装置の操作を妨害することが知られているので、「電磁障害」又は「EMI」と呼ばれる(特許文献1〜6参照)。
【0003】
EMI効果を弱めるために、EMIエネルギーを吸収しそして/又は反射する能力をもつ遮蔽物を使用して発生源装置内にEMIエネルギーを閉じ込め、そして他の発生源装置からその装置又は他の「標的」装置を絶縁する両方の役目を実施することができる。このような遮蔽物は発生源と他の装置間に挿入されるバリヤーとして提供され、典型的には装置を封入する、電気伝導性の接地されたハウジングとして構成される。装置の回路は一般的にアフターサービス等のためにアクセス可能に維持しなければならないので、大部分のハウジングはドア、ハッチ、パネル又はカバーのような開放可能又は取り外し可能なアクセスを提供されている。しかし、これらのアクセスの最も平坦なもの及びその対応する嵌合又は接合面の間ですら、放射(radiant)エネルギーが漏洩するかあるいは装置内に又は装置外に通過する可能性がある開口部を与えることにより、遮蔽物の効率を減退させるギャップが存在するかも知れない。更に、このようなギャップはハウジング又は他の遮蔽物の表面及び接地伝導性の不連続を表わし、スロットアンテナの形態として機能することによりEMI放射線の第2の発生源を形成する可能性すらある。これに関しては、ハウジング内に誘導されるバルク又は表面電流が遮蔽物におけるあらゆるインターフェイスギャップ上に電圧勾配を引き起こし、それによりそのギャップがEMIノイズを放射するアンテナとして働く。概括的にノイズの振幅はギャップの長さに比例し、ギャップの幅は目立つ効果をもたない。
【0004】
ハウジング及び他のEMI遮蔽構造物の嵌合面内のギャップを埋めるために、構造物上に電気的連続性を維持し、そして湿気及び塵のような汚染物を装置の内部から排除する両方のために、ガスケット及び他のシールが提唱されてきた。このようなシールは嵌合面の一方に接着又は機械的に結合あるいはプレス嵌めされ、そしてあらゆるインターフェイスギャップを閉鎖して、面の間の不整に対して適用圧力下で適合させることにより、その全体の連続的伝導経路を確立する働きをする。従って、EMI遮蔽の適用を意図されるシールは圧縮下ですら電気表面伝導性を提供するのみならずまた、シールに、ギャップのサイズに適合させる弾力性(resiliency)をもつ構造物であるような仕様をもつ。シールは更に、摩耗抵抗性で、製造コストが安価で、そして、反復圧縮及び弛緩周期に耐えることができなければならない。EMI遮蔽ガスケット及び他の電気伝導性材料、それらの製法及びそれらの使用法は更に、特許文献7〜69、非特許文献1並びにParker Hannifin Corporation, Woburn,MAのChomerics Divisionの以下の刊行物:“SOFT−SHIELD(R) 1000 Series;” “SOFT−SHIELD(R) 2000 Series;” “SOFT−SHIELD(R) 4000 Series;” “SOFT−SHIELD(R) 5000 Series;”及び“SOFT−SHIELD(R) 5500,予備製品データシート(1998) Series;“COMBO(R) STRIP Gaskets;” “SPRINGMESHTM Highly Resilient EMI Mesh Gasket(著しく弾力性のEMIメッシュガスケット),” Technical Bulletin(技術告示) 114;“METAL STRIP(R) All Metal Gaskets(すべて金属のガスケット);” “SHIELDMESHTM Compressed Mesh Gaskets(圧縮メッシュガスケット);”及び“METALKLIP(R) Clip−On EMI Gasket(クリップオンEMIガスケット)”に記載されている(特許文献7〜69及び非特許文献1参照)。
【0005】
EMI遮蔽ガスケットは典型的には弾力性要素あるいはギャップ充填能をもつ1種又は複数の弾力性要素の組み合わせ物として構成される。1種又は複数の要素は電気伝導性であるように充填された、シースに包まれた又はコートされたあるいは金属ワイヤバネのメッシュのような固有に伝導性の材料で形成された、管状の又は固形の発泡体又は非発泡体コア又はストリップとして提供することができる。1種又は複数の他の要素は、特に一体式のウエザーシールストリップ(「COMBO(R) STRIPガスケット」の商品名でParker−Hannifin Corporation(Woburn,MA)のChomerics Divisionにより市販されているような)と組み合わせた伝導性EMI遮蔽要素をもつ複合物又は「組み合わせガスケット」の場合には、高度な環境シール能を提供し、伝導性要素がそれに接着(adhesively−bonded)又は他の方法で接合される(joined)、固形、すなわち非発泡体又は発泡体のエラストマー材料のシート、ストリップ、「額縁状」あるいは開放又は閉鎖構造で形成することができる。伝導性要素の各コア又はストリップ、及び環境シール要素のエラストマー材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン又は塩化ポリビニルのようなエラストマーの熱可塑性材料、ブタジエン、スチレン−ブタジエン、ニトリル、クロロスルホネート、ネオプレン、ウレタン又はシリコーンのような熱可塑性又は熱硬化性ゴムあるいはポリプロピレン−EPDMのようなブレンド物で形成することができる。伝導性要素の充填物、シース又はコーティングのための伝導性材料は金属又は金属メッキ粒子、布地、メッシュ及び繊維を包含する。好ましい金属は銅、ニッケル、銀、アルミニウム、錫又は、Monelのような合金を包含し、ここで好ましい繊維及び布地は木綿、羊毛、絹、セルロース、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン、ポリイミドのような天然又は合成繊維を包含する。あるいはまた、炭素、黒鉛又は伝導性ポリマー材料のようなその他の伝導性粒子及び繊維を置き換えることができる。
【0006】
EMI遮蔽ガスケットの従来の製法は押し出し、成形、ダイカット及び型内形成(form−in−place;FIP)を包含する。これに関して、ダイカットは、所望の形態にダイ等を使用して切断又はスタンプされる、電気伝導性エラストマーの硬化シートからのガスケットの形成を伴う。成形は順次、所望の形態への未硬化又は熱可塑性エラストマーの圧縮又は射出成形を伴う。共同出願された特許文献8、11、17、43及び64並びに特許文献14及び16、59及び66中に記載のFIPは、ハウジング又は他の囲いのような基材の表面上に直接ノズルから流動状態で分配される粘性の、硬化性の、電気伝導性組成物のビードの適用を伴う(特許文献8、11、17、43、64、14、16、59及び66参照)。次いで、組成物、典型的には銀を充填された又は他の様式の電気伝導性シリコーン又はポリウレタンの発泡体又は非発泡体エラストマーを、熱の適用によりあるいは大気の湿度又は紫外線(UV)により開始又は触媒して、基材表面上にインシトウ(in situ)で電気伝導性のエラストマーのEMI遮蔽ガスケットの輪郭を形成することができる、化学的、熱による又は物理的反応により発泡体にしそして/又は型内硬化させる。
【0007】
典型的なEMI遮蔽応用物の必要条件はしばしば、通常のクロージャーの力荷重(closure force loods)でたわむことができる低いインピーダンスの、低プロファイルのガスケットを指令する。他の必要条件は低価格及び、商業連邦通信委員会(FCC)EMC条例をもつ米国内で、装置の適当な操作及び準拠の双方に対してEMI遮蔽効果を提供するデザインを包含する。
【0008】
更に、非常に低いクロージャー力、すなわち約1lb/インチ(0.175N/mm)未満を要求する特に経済的なガスケット構造物は商品名「Soft−Shield(R) 5000シリーズ]及び「Soft−Shield(R) 3500シリーズ」としてParker−Hannifin Corp., Woburn, MAのChomerics Divisionにより市販されている。このような構造物は、ポリウレタン又は他の発泡体のコア上に縦に「シガレット」状に包まれた電気伝導性ジャケット又はシースからなる。特許文献45に更に詳述されるように、ポリウレタン発泡体は概括的に発泡剤の存在下でポリイソシアネート及びヒドロキシル−官能性ポリオールの反応により生成される。発泡剤はポリマー構造物の膨張をもたらして多数の開放又は閉鎖セルを生成する。
【0009】
ジャケットは切断される時に自己終端処理する、高度に伝導性の、すなわち約1Ω−sq.のニッケルメッキ銀の織物のリップストップ(rip−stop)ナイロンとして提供される。ジャケットは有利には、そこで、ジャケットが膨張している発泡体の周囲に包まれる時に発泡体がジャケット内に吹きこまれ(blown)又は膨張され、発泡体とジャケットがダイを通って移動している成形物中に通過する連続的成形法で、コアに接着させることができる。同様なガスケット構造物は共同出願の特許文献37、47、35、3及び27中に示される(特許文献37、47、35、3及び27参照)。
【0010】
PC及び通信機器を包含する多数の電子装置は特定のFCC必要条件に準拠しなければならないのみならずまた、特定のアンダーライター実験室(UL)の難燃性基準下で認可されなければならない。これに関しては、電子装置内の個々の各構成部品がUL認可されれば、装置自体は別個の認可を必要としない。従って、各構成部品のUL認可を確保することは、製造会社の準拠の経費を節減し、そして最終的に、消費者に対しより安価な商品をもたらすことができる。しかしEMI遮蔽ガスケットについては、このようなガスケットは難燃性に製造しなければならず、すなわちEMI遮蔽条件を充たすのに要する電気伝導性を弱めることなく、UL基準第94項の「装置及び電気製品の部品のためのプラスチック材料の可燃性試験」下でV−0の評価を達成しなければならない。
【0011】
これに関しては、そして特に、前記の多種の発泡体上布地の製品のEMI遮蔽ガスケットに関しては、発泡ポリマー材料は可燃性で、特定の環境では火災の危険を与える可能性があることが以前から認識されてきた。それらのセルラー(cellular)構造、高い有機物含量及び表面積のために、火又は高温にさらされると、大部分の発泡体材料は比較的早急な分解にさらされる。
【0012】
発泡体上布地のガスケットに難燃性を与える1つのアプローチは発泡体に対する難燃性遮蔽層としてシースを使用することであった。実際、その称するところによれば、それに熱可塑性シートが熱ニップ(hot nipped)されるあるいは他の方法で融着させる電気伝導性Ni/Cu−メッキ布内に発泡体を包むことによりV−0評価の準拠が達成された。特許文献70、71、72及び73の1つ又は複数中に更に記載されている可能性があるこのような布は、商品名「Flectron(R)Ni/CuポリエステルタフタV0」としてMonsanto Co.,St. Louisにより市販されてきた(特許文献70〜73参照)。
【0013】
特許文献47に詳述されているようなその他の発泡体上布地のガスケットはシースの内面に適用された補助層又はコーティングを取り入れている(特許文献47参照)。このようなコーティングは発泡体へのシースの接着をも促進する難燃性ウレタン調合物であることができる。コーティングは更に、布を通る発泡体のにじみ(bleeding)を減少させるために働く可能性があり、それなくしてはシースの電気伝導性を弱める可能性がある。
【0014】
発泡体上布地のEMI遮蔽ガスケット中への使用のための電気伝導性の難燃性材料及びそれらの製法はまた、共同出願の特許文献74、75、76、77及び78に記載されている(特許文献74〜78参照)。電気伝導性の、一般に多孔質の布地、の片面に適用された難燃性コーティング層を有するこのような材料が発泡体上布地のガスケット構造物中の被覆物として使用される時にUL94 V−0遮蔽を与える。
【0015】
欧州及びその他の国における最近の規制の変更により、多数の臭素化合物を包含する特定の難燃性化合物が、電子装置内へのそれらの使用に関して引き上げられた規制に直面している。従って、シース材料のみならずまた、難燃性の発泡体上布地のEMI遮蔽ガスケットのデザインの更なる改良が電子機器産業により歓迎されるであろうと考えられる。特に所望されるものは、V−0のUL94評価を達成し、そして更に欧州連合指針2002/95/EC、「電気及び電子機器における特定の危険物質の使用上の規制(RoHS)」のような、より厳格な規制条件をも充たす難燃性ガスケット構造物であろう。
【特許文献1】米国特許第5,203,536号明細書
【特許文献2】米国特許第5,142,101号明細書
【特許文献3】米国特許第5,105,056号明細書
【特許文献4】米国特許第5,028,739号明細書
【特許文献5】米国特許第4,952,448号明細書
【特許文献6】米国特許第4,857,668号明細書
【特許文献7】米国特許第6,121,545号明細書
【特許文献8】米国特許第6,096,413号明細書
【特許文献9】米国特許第6,075,205号明細書
【特許文献10】米国特許第5,996,220号明細書
【特許文献11】米国特許第5,910,524号明細書
【特許文献12】米国特許第5,902,956号明細書
【特許文献13】米国特許第5,902,438号明細書
【特許文献14】米国特許第5,882,729号明細書
【特許文献15】米国特許第5,804,762号明細書
【特許文献16】米国特許第5,731,541号明細書
【特許文献17】米国特許第5,641,438号明細書
【特許文献18】米国特許第5,603,514号明細書
【特許文献19】米国特許第5,584,983号明細書
【特許文献20】米国特許第5,578,790号明細書
【特許文献21】米国特許第5,566,055号明細書
【特許文献22】米国特許第5,524,908号明細書
【特許文献23】米国特許第5,522,602号明細書
【特許文献24】米国特許第5,512,709号明細書
【特許文献25】米国特許第5,438,423号明細書
【特許文献26】米国特許第5,294,270号明細書
【特許文献27】米国特許第5,202,536号明細書
【特許文献28】米国特許第5,142,101号明細書
【特許文献29】米国特許第5,141,770号明細書
【特許文献30】米国特許第5,136,359号明細書
【特許文献31】米国特許第5,115,104号明細書
【特許文献32】米国特許第5,107,070号明細書
【特許文献33】米国特許第5,105,056号明細書
【特許文献34】米国特許第5,068,493号明細書
【特許文献35】米国特許第5,054,635号明細書
【特許文献36】米国特許第5,049,085号明細書
【特許文献37】米国特許第5,028,739号明細書
【特許文献38】米国特許第5,008,485号明細書
【特許文献39】米国特許第4,988,550号明細書
【特許文献40】米国特許第4,979,280号明細書
【特許文献41】米国特許第4,968,854号明細書
【特許文献42】米国特許第4,952,448号明細書
【特許文献43】米国特許第4,931,479号明細書
【特許文献44】米国特許第4,931,326号明細書
【特許文献45】米国特許第4,871,477号明細書
【特許文献46】米国特許第4,864,076号明細書
【特許文献47】米国特許第4,857,668号明細書
【特許文献48】米国特許第4,800,126号明細書
【特許文献49】米国特許第4,529,257号明細書
【特許文献50】米国特許第4,441,726号明細書
【特許文献51】米国特許第4,301,040号明細書
【特許文献52】米国特許第4,231,901号明細書
【特許文献53】米国特許第4,065,138号明細書
【特許文献54】米国特許第3,758,123号明細書
【特許文献55】米国特許第3,026,367号明細書
【特許文献56】米国特許第2,974,183号明細書
【特許文献57】米国特許第2,755,079号明細書
【特許文献58】米国特許出願公開第20020010223号明細書
【特許文献59】国際公開第01/71223号パンフレット
【特許文献60】国際公開第出願01/54467号パンフレット
【特許文献61】国際公開第出願00/23,513号パンフレット
【特許文献62】国際公開第出願99/44,406号パンフレット
【特許文献63】国際公開第出願98/54942号パンフレット
【特許文献64】国際公開第出願96/22672号パンフレット
【特許文献65】国際公開第出願93/23226号パンフレット
【特許文献66】特開平5−7177号公報
【特許文献67】欧州特許出願第1,094,257号明細書
【特許文献68】ドイツ特許第19728839号明細書
【特許文献69】カナダ特許第903,020号明細書
【特許文献70】米国特許第4,489,126号明細書
【特許文献71】米国特許第4,531,994号明細書
【特許文献72】米国特許第4,608,104号明細書
【特許文献73】米国特許第4,621,013号明細書
【特許文献74】米国特許第6,777,095号明細書
【特許文献75】米国特許第6,716,536号明細書
【特許文献76】米国特許第6,521,348号明細書
【特許文献77】米国特許第6,387,523号明細書
【特許文献78】米国特許第6,248,393号明細書
【非特許文献1】Severinsen,J.,”Gaskets That Block EMI,” Machine Design,Vol.47,No.19,pp.74−77(August 7,1975)
【発明の開示】
【0016】
本発明は電気伝導性の難燃性材料、そしてより具体的にはこのような材料で構成された発泡体上布地のEMI遮蔽ガスケットに関する。電気伝導性布地の片面に対してニップ又は適用することができる難燃性、熱硬化性ポリエステル又は他のこのようなフィルム接着剤の層を採用すると、本発明の材料は、発泡体上布地のガスケット構造物中にシース又はジャケットに使用すると、UL94のV−0遮蔽を与える。
【0017】
このようなフィルム接着剤層は布の他の面の電気表面伝導性を弱めることなく、布の片面に対して熱ニップ、又は他の方法で適用することができる。更に、このような層はRoHSに準拠し、布のドレープ性を維持し、複雑なプロファイル及び/又は狭い切断面をもつガスケットの構成を容易にする。
【0018】
発泡体上布地のガスケット構造物内に使用される本発明の材料は、発泡体の中心又はコアを包むシース又はジャケットとして巻かれ、包まれ又は他の方法で提供されることができ、ここでフィルム接着剤層が適用された面は、発泡体に隣接する内面として配置され、そしてコートされていない面は電気伝導性の外面として配置される。ジャケットの内面上の熱硬化性ポリエステルフィルム接着層は有利には、発泡体コアにジャケットを接着するために使用することができる。使用時に、このような層は発泡体コアに布の継ぎ目をより堅く維持して、それにより燃焼試験における一般的失敗モード、すなわちこれらの継ぎ目の開裂及び火炎に対する発泡体の直接の露出、に抵抗することが認められた。
【0019】
従って、本発明は以下の詳細な開示中に例示される構造、要素の組み合わせ物並びに/又は部品及び段階の配列を有する材料、ガスケット及び/又は方法を含んでなる。本発明の利点は、難燃性であるがドレープ性をもつEMI遮蔽布地を包含する。更なる利点は、最終ガスケット構造物にRoHS準拠及びUL94のV−0遮蔽双方を与える熱硬化性ポリエステル又はその他のそのようなフィルム接着剤の比較的薄い層が布地の他面の伝導性を弱めることなく、電気伝導性の織物又はその他のEMI遮蔽布地の片面に対して熱ニップ切断されるか又は他の方法で適用することができる、経済的な、難燃性EMI遮蔽ガスケット構造物を包含する。様々な利点は本明細書に含有される開示に基づいて当業者には容易に明白になるであろう。
【0020】
本発明の本質及び目的のより完全な理解のために、添付される図面に関連してなされる以下の詳細な説明を参照しなければならない。
【0021】
図面は以下の「発明の詳細な説明」に関連して更に説明されるであろう。
発明の詳細な説明
どんな限定的目的のためよりも便宜のために、以下の説明中に特定の用語を使用することができる。例えば、用語「前方に」、「後方に」、「右側」、「左側」、「上方」及び「下方」は言及される図面中の方向を表わし、「内部に(inward)」、「内側の(interior)」,[内部の(inner)」又は「内側の(inboard)」及び「外向きの(outward)」、「外側の(exterior)」、「外側の(outer)」又は「外向きの(outboard)」はそれぞれ、言及される要素の中心に向かうそしてそれから遠ざかる方向をあらわし、そして用語「半径方向」又は「水平方向」及び「軸方向」又は「垂直」はそれぞれ、言及される要素の中心の縦軸に対して垂直及び平行な方向、軸、面を表わす。前記に特記された用語以外の類似の意味の用語も同様に、どんな限定的意味でもなくむしろ便宜の目的のために使用されていると考えるべきである。更に、用語「EMI遮蔽」は電磁適合性(electromagnetic compatibility;EMC)、電気伝導性及び/又は接地、静電遮蔽、ラジオ周波妨害(RFI)遮蔽及び帯電防止の、すなわち静電放電(ESD)遮蔽を包含し、そしてそれらと互換性に使用されることを理解しなければならない。用語「難燃性(flame retardant)」及び「難燃性(fire retardant)」もまた互換性に使用することができる。
【0022】
図中で、英数字の表示を有する要素は本明細書では集合的に言及されるか、又は、別な方法では文脈から明白であるように、表示の数字部分のみにより言及されることができる。更に図面中の種々の要素の構成成分の部品は別の参照番号で表わされるかも知れず、それは要素のその構成部分を表わし、全体としての要素を表わすわけではないことを理解しなければならない。空間、表面、ディメンション及び広さの言及とともに概括的な言及は矢印で表わすころができる。
【0023】
以下の論文の例証としての目的のための、本明細書に関与する電磁障害(EMI)遮蔽材料は発泡体コアのための難燃性の電気伝導性ジャケットとしてのその使用に関連して説明され、ここでEMI遮蔽ガスケットは電磁障害(EMI)遮蔽構造物のドア、パネル、ハッチ、カバー又は他の分割ライン間のような境界面内に適合されるようになっている。EMI遮蔽構造物はEMI放射線を発生するか又はその効果に感受性のコンピューター、通信機器又はその他の電子装置又は機器の伝導性ハウジングであることができる。ガスケットはハウジング内の境界面を区画する1対の嵌合面の一方に接着、固定又はプレス嵌めされることができ、そしてあらゆる境界面のギャップ又はその他の不整をシールするために嵌合面の間で役目を果たす。すなわち、適用圧力下にある間に、ガスケットはあらゆるこのような不整に弾力的に順応して、境界面上に連続的な伝導性経路を確立し、塵、湿気又はその他の汚染物の侵入に対してハウジングの内部を環境からシールする両方の役目を果たす。
【0024】
しかし、以下の論文を考慮すると、本発明の局面はEMI遮蔽又はその他の目的のための弾力性の電気伝導性のシール、ガスケット、防護物又はその他の接合物、スクリーン又はシールドを必要とする他の応用に利用することができる。従って、このようなその他の応用内の使用は明白に本発明の範囲内にあることを考慮しなければならない。
【0025】
次いで、対応する参照文字が幾つかの図面を通して対応する要素を表わすために使用され、同様な要素がプライム(prime)又は連続した英数字表示で参照される図面において、本発明に従う難燃性EMI遮蔽材料は、概括的に50で言及される発泡体上布地のガスケット構造物内のジャケットとして使用される時に、図1において全体的に10で示される。ガスケット50に対して供給される、材料10はロール等の上に提供され、次に寸法に切断されることができる。基礎的構成において、そして図2の拡大図として表わされる11で参照される図1の部分の一時的参照により最もよく認めることができるように、材料10は外側の布地部材12及び硬化された熱硬化性の難燃性フィルム接着剤の内側層14を包含する。
【0026】
図2を継続して参照すると、布地部材12は電気伝導性外面16及び、それらの間が約2〜4mils(50.8〜101.6μm)だけ変動することができる、「d」で表わされる厚さのディメンションを区画する伝導性又は非伝導性の内面18を有する。「電気伝導性」により、それが電気伝導性のワイヤー、モノフィラメント、編み糸又はその他の繊維で構成されているために、あるいは、リングその上に電気伝導性層を提供するために非伝導性繊維に適用されるメッキ又はスパッタリングのような処理のために、布地を伝導性に、すなわち約0.1Ω/sq.以下の表面抵抗にさせることができることを意味する。好ましい電気伝導性繊維はMonelニッケル−銅合金、銀メッキ銅、ニッケルクラッド銅、Ferrex(R)錫メッキ銅クラッド鋼、アルミニウム、錫クラッド銅、リン青銅、炭素、黒鉛及び伝導性ポリマーを包含する。好ましい非伝導性繊維は、銅、ニッケル、銀、ニッケルメッキ銀、アルミニウム、錫又はそれらの合金の金属メッキにより電気伝導性にされる、木綿、羊毛、絹、セルロース、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン及びポリイミドのモノフィラメント又は織り糸を包含する。知られているように、金属メッキは個々の繊維糸又は織り込み、編み込み又はその他の加工後に布地の表面に適用することができる。
【0027】
ワイヤーのメッシュ、編み物及び不織布及びウエブのような布地が応用を見いだすことができるが、部材12に典型的な布地構造物は、総布地重量に基づいて約20〜40重量%、すなわち0.01〜0.10g/in間の銀、ニッケル−銀又は銅上銀−ニッケルメッキにより電気伝導性にされる織物ナイロン又はポリエステル布地である。タフタ、タビー又はリップストップのような平たい正方形の織物パターンが多数の応用に適するかも知れないが、サテン、ツイル等のような他の織物も本明細書に関与する本発明の範囲内に入ると考えなければならない。布地部材12に特に適する生地はSwift Textile Metalizing Corp., Bloomfield,CTにより商品名「31EN RIPSTOP」として市販されている4mil(0.10mm)の厚さの1.8oz/yd重量の銀メッキされた織物ナイロンである。しかし、特定の遮蔽用途の需要に応じて、伝導性及び非伝導性繊維の組み合わせ物又はブレンドで構成された布地をその代わりに使用することができる。電気伝導性繊維から又は伝導性及び非伝導性繊維のブレンドから織った、編んだ又は縦糸で編んだ布地の例はGladfelterの米国特許第4,684,762号及びBuonannoの米国特許第4,857,668号明細書に記載されている。
【0028】
層14は布地部材12の内面18に対して熱ニップ又は他の方法で適用することができる難燃性フィルム接着剤で形成することができる。接着剤層の硬化性フィルムが布地部材12に適用できる温度及び/又は圧力は好ましくは、布地部材12の厚さ寸法より薄い深度まで層14の浸透を限定するように制御される。これに関しては、その後に層が布地部材12の内面18上で硬化される時に、その外面16は電気伝導性のままに維持することができる。実例となる構造物において、約1〜10mils(25.4〜254μm)間の厚さをもつものとして提供することができる層14は約200〜250°F(93〜121℃)間の温度で布地部材12の内面18上に熱ニップすることができる。
【0029】
層14を形成する硬化性フィルム接着物は例えば、ポリエステル又はコポリエステル樹脂であることができる硬化性、熱硬化性樹脂、あるいはフェノキシウレタン又はニトリルフェノーリックのようなもう1種の熱硬化性樹脂を含んでなるものとして、調合することができる。難燃性は、有効量、典型的には約10〜90総重量%間(between about 10−90% by total weight)の、アルミニウム水和物又はその他のアルミニウム化合物、三酸化アンチモン又はその他のアンチモン化合物、リン酸エステル又は多臭素化ジフェニルオキシドのようなハロゲン化合物のような1種又は複数の従来の難燃性添加剤を樹脂に充填することにより付与することができる。使用中、ガスケット50が点火される場合、難燃性添加剤の分解が燃焼を支持するために十分な酸素を炎から化学的に奪う働きをする。樹脂相の分解は更に、遮蔽、すなわち断熱性又は耐熱性の外側の炭化物層の生成をもたらすことができる。RoHSに準拠する、適当なポリエステル基材の難燃性フィルム接着剤は「340 Film Series」接着剤の商品名でBostik,Ink.,Middleton,MAにより市販されている。
【0030】
前記のように、本発明のEMI遮蔽材料10は特に、EMI遮蔽ガスケット構造物中の発泡体コア上に提供される難燃性の電気伝導性のジャケットとして使用するようになっている。今度は代表的態様における図1に戻ると、ガスケット50は縦軸53に沿って無限の長さであることができる細長い、弾力性の発泡体コア部材52を包含する。コア部材52は例示の目的で、概括的に多角形、すなわち正方形又は長方形構造である、ガスケット50の横断面の輪郭を区画する外周表面54を有する。しかし、シールされる境界面の幾何学形態に応じて、円形、半円形又は楕円形又は複合輪郭のようなその他の平面輪郭を代用することができる。コア部材12は任意の半径又は直径範囲をもつことができるが、大部分の応用に対しては約0.25インチ(0.64cm)〜1インチ(2.54cm)の直径範囲又は幅をもつであろう。
【0031】
ギャップ充填能を与えるためには、反復循環運動又は長期の圧縮保圧後ですら、広範な温度範囲にわたって柔順で、良好な圧縮−弛緩ヒステレシスを示すコア部材52が提供されることが好ましい。従ってコア部材52はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン−EPDMブレンド、ブタジエン、スチレン−ブタジエン、ニトリル、クロロスルホネートのような発泡体のエラストマーの熱可塑性樹脂、あるいは発泡体のネオプレン、ウレタン又はシリコーンで形成することができる。構造物の好ましい材料は連続(open)又は独立(closed)セルのウレタンあるいはポリオレフィン樹脂/モノオレフィンコポリマーブレンド、あるいはネオプレン、シリコーン又はニトリルスポンジゴムのようなブレンドを包含する。
【0032】
コア部材52はその上に遮蔽材料10のテープ又はシートが「シガレット」状に巻かれるかあるいは他の方法でシースとして包まれる又は巻き付けられることができる押し出し又は成形発泡体プロファイルとして提供されることができ、ここで55a−bと参照される相対する縁は図のように接合されるかあるいは、材料10が包まれる方法に応じて、概括的に直線状、螺旋状又は他の状態でガスケット10の縦方向に沿って延伸することができる継ぎ目56を形成するように重ねられる。図2で最もよく見られるように、ガスケット50のこのような構造物において、材料10は硬化性フィルム接着剤層14が遮蔽部材10の内面62としてコア52の外面54に隣接して配置され、ここで布地12のコートされていない面16はガスケット50の電気伝導性の外面64としてそれに相対して配置される。材料10がコア52にそのように適用されている時に、材料10は約200〜250°F(93〜121℃)間の温度に数秒間加熱することができる。その後、層14は温度に応じて、1分以下又は約5分までの間、約300〜350°F(149〜177℃)の間の温度にガスケット50を加熱することにより架橋、すなわち可硫化又は硬化させることができる。そのように硬化されると層14は布地12そして特には縁55に接着して、コア52に対してその継ぎ目56を形成する。
【0033】
再度図1において、接着剤層70は基材へのガスケットの結合のために外面64の下側にガスケット50の縦方向に沿って適用することができる。このような層70は好ましくは、感圧性接着性(PSA)物質であるように調合される。米国特許第4,988,550号明細書に記載のように、EMI遮蔽用途に適したPSAはシリコーン、ネオプレン、スチレンブタジエンコポリマー、アクリル樹脂、アクリレート、ポリビニルエーテル、ポリビニルアセテートコポリマー、ポリイソブチレン並びにそれらの混合物、ブレンド及びコポリマーを基材にした調合物を包含する。しかし、一般的にアクリル基材の調合物が本発明に関与するタイプのEMI適用には好ましいと考えられる。PSAは接着層70に対して好ましいが、エポキシド及びウレタンのようなその他の接着剤を置き換えることができ、従って、本発明の範囲内に入ると考えられる。ホットメルト及び熱可塑性膜のような熱可融性接着剤も更に適用を見いだすことができる。
【0034】
ガスケット50のバルク伝導性は実質的に基材とのその表面の接触により決定されるので、最適なEMI遮蔽能を確保するためには、電気伝導性PSAが好ましいかも知れない。このような接着剤は好都合には約1〜25重量%の伝導性充填剤を含有するものとして調合されて、約0.01〜0.001Ω−cmの容量抵抗をもたらす。充填剤は粒子、繊維、フレーク、微細球又は微細バルーンの形態で取り入れることができ、約1〜100ミクロンのサイズ範囲をもつことができる。充填材料は典型的には、金属、炭素及び黒鉛のような固有に伝導性材料あるいは、貴金属等のような伝導性材料のメッキをもつプラスチック又はガラスのような非伝導性材料を包含する。これに関しては、接着剤が電気伝導性にされる方法は本発明の重大なアスペクトであるとは考えられないので、所望の伝導性及び接着性を達成するあらゆる方法が適当であると考えられる。
【0035】
ガスケットの外面上に露出されている接着性層70の外側部分を保護するために、露出された接着剤に、72に示される剥離シートを取り外し可能に接着されるものとして提供することができる。接着剤技術分野で一般的なように、剥離シート72には、外面64からの接着剤の明白な持ち上がりを伴わずに、取り外し可能であるように比較的低い表面エネルギーを有する、ワックス処理した、シリコーン処理(siliconized)した、又は他のコート紙又はプラスチックシート等のストリップとして提供することができる。
【0036】
ガスケット構造物50は有利には、非常に低いクロージャー力、すなわち約1lb/インチ(0.175N/mm)未満の応用で使用することができる構造物を提供する。使用時に、熱硬化性フィルム接着剤層14の使用によりもたらされる布地12の縁55への接着は、コア52に、材料10の継ぎ目56をより堅く維持して、それにより、燃焼試験における一般的失敗モード、すなわち継ぎ目の開裂及び火炎に対するコアの直接的露出、に対するガスケット50の抵抗性を増加させることが認められた。従ってこのような層14の使用は、RoHSに準拠し、UL94下でV−0の燃焼等級評価を示すEMI遮蔽の発泡体上布地のガスケット構造物の製造を容易にする。
【0037】
本発明に関与する教えから逸脱せずに、本発明において特定の変更を実行することができることが予期されるので、前記の説明に含有されるすべての事項は実例であり、限定する意味をもたないものと解釈するべきであることが意図される。本明細書に引用されたあらゆる優先権書類を包含するすべての参考文献が引用により明白に取り入れられている。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に従う代表的な発泡体上布地のEMI遮蔽ガスケット構造物の縦の末端透視図である。
【図2】図1のガスケットの末端の一部の拡大図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外表面を有し、コアがエラストマーのポリマー材料で形成されている弾力性コア部材、
コア部材の外表面を囲む電気伝導性布地部材、ここで布地部材はコア部材の外表面に面して配置された内表面及び反対側に面する外表面を有し、そして布地部材は第1の縁、及び、第1の縁と接合し、第1の縁との間に継ぎ目を形成する第2の縁を有し、継ぎ目はコア部材の少なくとも一部に沿って延伸する、並びに
布地部材の内表面とコア部材の外表面の間にはさまれた、硬化された、熱硬化性難燃性フィルム接着剤の層、ここで層はガスケットに「アンダーライター実験室(UL)基準第94項」下でV−0の燃焼等級評価を与えるために有効に、コア部材に対して継ぎ目の少なくとも一部に沿って布地部材の第1及び第2の縁を接着する、
を含んでなる難燃性の電磁障害(EMI)遮蔽ガスケット。
【請求項2】
フィルム接着剤層が約1〜10mils(25.4〜254μm)間の厚さを有する、請求項1のガスケット。
【請求項3】
フィルム接着剤層がポリエステル又はコポリエステル樹脂を含んでなる、請求項1のガスケット。
【請求項4】
布地部材が金属メッキ布である、請求項1のガスケット。
【請求項5】
布が木綿、羊毛、絹、セルロース、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン及びそれらの組み合わせ物からなる群から選択される繊維を含んでなり、そして金属が銅、ニッケル、銀、ニッケルメッキ銀、アルミニウム、錫及びそれらの組み合わせ物からなる群から選択される、請求項4のガスケット。
【請求項6】
エラストマーのポリマー材料がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン−EPDMブレンド、ブタジエン、スチレン−ブタジエン、ニトリル、クロロスルホネート、ネオプレン、ウレタン、シリコーン、ポリオレフィン樹脂/モノオレフィンコポリマーブレン並びにそれらのコポリマー、ブレンド及び組み合わせ物からなる群から選択される、請求項1のガスケット。
【請求項7】
エラストマーのポリマー材料が発泡体である、請求項6のガスケット。
【請求項8】
布地部材が約2〜4mils(50.8〜101.6μm)間の厚さを有する、請求項1のガスケット。
【請求項9】
フィルム接着剤層が欧州連合指針(European Union Directive)2002/95/EC、「電気及び電子機器中への特定の危険物質の使用上の制限(RoHS)」に準拠する、請求項1のガスケット。
【請求項10】
フィルム接着剤層が有効量の1種又は複数の難燃性添加剤を含んでなる、請求項1のガスケット。
【請求項11】
1種又は複数の難燃性添加剤がアルミニウム水和物、三酸化アンチモン、リン酸エステル及びハロゲン化合物からなる群から選択される、請求項10のガスケット。
【請求項12】
電磁障害(EMI)遮蔽ガスケット構造物に難燃性を付与する方法、ここでガスケットは、外表面を有し、そしてエラストマーのポリマー材料で形成されている弾力性コア部材を含んでなり、そして電気伝導性布地部材がコア部材の外表面を覆い、布地部材はコア部材の外表面に面するように配置された内表面及び相対して面する外表面を有し、そして布地部材は第1の縁及び、第1の縁に接合する第2の縁を有して、それらの間に継ぎ目を形成し、その継ぎ目はコア部材の少なくとも一部に沿って延伸する、であって、
布地部材の内表面とコア部材の外表面の間にはさまれた硬化された、熱硬化性難燃性フィルム接着剤の層で、継ぎ目の少なくとも一部に沿って、布地部材の第1及び第2の縁をコア部材に接着する、工程を含んでなる方法。
【請求項13】
ガスケットがアンダーライター実験室(UL)基準第94項下のV−0の燃焼等級評価を示す、請求項12の方法。
【請求項14】
フィルム接着剤層が約1〜10mils(25.4〜254μm)間の厚さを有する、請求項12の方法。
【請求項15】
フィルム接着剤層がポリエステル又はコポリエステル樹脂を含んでなる、請求項12の方法。
【請求項16】
布地部材が金属メッキ布である、請求項12の方法。
【請求項17】
布が木綿、羊毛、絹、セルロース、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン及びそれらの組み合わせ物からなる群から選択される繊維を含んでなり、そして金属が銅、ニッケル、銀、ニッケルメッキ銀、アルミニウム、錫及びそれらの組み合わせ物からなる群から選択される、請求項16の方法。
【請求項18】
エラストマーのポリマー材料がポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン−EPDMブレンド、ブタジエン、スチレン−ブタジエン、ニトリル、クロロスルホネート、ネオプレン、ウレタン、シリコーン、ポリオレフィン樹脂/モノオレフィンコポリマーブレンド並びにそれらのコポリマー、ブレンド及び組み合わせ物からなる群から選択される、請求項12の方法。
【請求項19】
エラストマーのポリマー材料が発泡体である、請求項18の方法。
【請求項20】
布地部材が約2〜4mils(50.8〜101.6μm)の間の厚さを有する、請求項12の方法。
【請求項21】
フィルム接着層が欧州連合指針(European Union Directive)2002/95/EC、「電気及び電子機器中の特定の危険物質の使用上の制限(RoHS)」に準拠する、請求項12の方法。
【請求項22】
フィルム接着剤層が有効量の1種又は複数の難燃性添加剤を含んでなる、請求項12の方法。
【請求項23】
1種又は複数の難燃性添加剤がアルミニウム水和物、三酸化アンチモン、リン酸エステル及びハロゲン化合物からなる群から選択される、請求項22の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−530818(P2008−530818A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556138(P2007−556138)
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2006/000252
【国際公開番号】WO2006/088565
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(500207958)パーカー−ハニフイン・コーポレーシヨン (10)
【Fターム(参考)】