説明

雨天補償方式の車両用挟み込み防止システム

モータがパネルを開放位置と閉鎖位置との間で駆動しているときに容量センサを用いて開口を貫通しているフィールドのキャパシタンスを測定し、測定したキャパシタンスをパネル位置と相関させて閉鎖中データを生じさせ、閉鎖中データを基準マップと比較して比較値を生じさせ、比較値がセンサの相対湿り度に依存したしきい値を超えた場合、クロージャパネルが閉鎖位置に向かって移動しているときにパネルの経路中に存在する物体を検出することによって車両ドア又は窓パネルが車両の開口を通って延びる障害物を挟むのを阻止する方法。しきい値は、所定のパネル位置におけるセンサのキャパシタンスを較正湿り度プロフィールと比較することによって求められるセンサの相対湿り度で決まる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば窓又はスライディングドアなどのクロージャパネルがその閉鎖位置に動いているときにこのようなクロージャパネルが、例えば人の手のような物体を挟むのを阻止する非接触型挟み込み防止システムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
電動付属装置の制御を自動化するために近接センサが自動車業界において広く用いられている。例えば、近接センサは、窓パネルが閉鎖位置に向かって動かされているときに窓フレーム内における障害物の存在を検出するためにパワーウィンド(電動開閉式窓)に用いられる場合が多い。このようなセンサは、他形式の自動車用クロージャ、例えばサンルーフ、サイドドア、スライディングドア、リフトゲート及びデッキリッド内における障害物の存在を検出するのにも使用できる。
【0003】
種々のキャパシタ(コンデンサ)利用型近接センサが当該技術分野において知られている。例えば、米国特許第6,377,009号明細書は、検出電極又はプレートの使用により閉鎖中のパネル(例えば、窓)による異物の挟み込み又は捕捉を阻止するシステムを開示している。この電極は、計器盤(フェーシア)又は他の内装部品の後に配置されたプラスチック又はゴム成形ストリップ内に埋め込まれている金属ストリップ又はワイヤである。これら2つの電極相互間に位置した異物は、誘電率を変え、所与の期間にわたり検出キャパシタにより蓄えられた電荷の量を変化させる。センサ型キャパシタにより蓄えられた電荷は、異物の存在を検出するために基準キャパシタに送られる。同様な容量型検出用途が独国特許出願公開第4036465(A)号明細書、同第4416803(A)号明細書、同第3513051(A1)号明細書、同第4004353(A)号明細書から知られている。
【0004】
容量型挟み込み防止システムが実際に良好に働くようにするためには解決しなければならない2つの大きな問題が存在する。
【0005】
第1の問題は、クロージャ開口を包囲している板金及びプラスチックの比較的広い領域により提供される大きなバックグラウンドキャパシタンスに関する。例えば、パワースライディングドア用途では、スライディングドアと車両フレームとの間には大きな隙間が存在する。小さな物体、例えば子供の指が存在していても、これは、全体的キャパシタンスに対してそれほど違いを生じさせず、ノイズとして捨てられる場合がある。変形例として、比較的高い抵抗がこのような小さな変化を検出するために用いられた場合、発生するフォールスポジティブが多すぎる場合がある(なお、システムに完全なものはなく、多くの幾つかの許容可能な程度のフォールスポジティブが存在することは言うまでもない)。
【0006】
第2の問題は、湿度又は水分レベルを変化させることにより生じる可変キャパシタンスに関する。高い湿度又は水分が存在していると、システムの誘電率が増大し、小さな物体、例えば子供の指の存在が覆い隠され又は多すぎるほどのフォールスポジティブが生じることになる。
【0007】
このような問題に取り組むため、容量型遮蔽体及び板金に起因して生じる寄生キャパシタンスの効果を減少させる微分キャパシタンス検出システムを利用することが知られている。また、クロージャパネルが開いているときにバックグラウンドキャパシタンスをマップし、このマップをクロージャパネルが閉じているときに基準として用いて差を検出することが知られている。さらに、クロージャパネルがその最終閉鎖位置に近づいているときにシステムの感度を変化させることが知られている。これについては、例えば、本出願人の国際公開第2002/101929号パンフレット、同第2002/012699号パンフレット、同第2003/038220号パンフレット及び同第2005/059285号パンフレットを参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,377,009号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4036465(A)号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第4416803(A)号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第3513051(A1)号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第4004353(A)号明細書
【特許文献6】国際公開第2002/101929号パンフレット
【特許文献7】国際公開第2002/012699号パンフレット
【特許文献8】国際公開第2003/038220号パンフレット
【特許文献9】国際公開第2005/059285号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、水分の存在により、特にセンサそれ自体が濡れている場合、生じるフォールスポジティブは依然として多すぎる。さらに、人体の誘電率が水の誘電率とほぼ同じなので、センサに付着している水により多すぎるほどのフォールスポジティブが生じる状況が生じる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、クロージャパネルを開放位置と閉鎖位置との間で駆動するモータと位置センサと容量センサとを有する自動車の開口を通って延びる障害物をクロージャパネルが挟むのを阻止する方法であって、モータがクロージャパネルを開放位置と閉鎖位置との間で駆動しているときに容量センサを用いて開口を貫通しているフィールドのキャパシタンスを測定するステップと、モータがクロージャパネルを開放位置と閉鎖位置との間で駆動しているときに位置センサを用いてモータの位置を特定するステップと、測定したキャパシタンスを突き止められた位置と相関させて閉鎖中データを生じさせるステップと、閉鎖中データを基準マップと比較して比較値を生じさせるステップと、比較値がセンサの相対湿り度に依存したしきい値を超えた場合、クロージャパネルが閉鎖位置に向かって移動しているときにクロージャパネルの経路中に存在する物体を検出するステップとを有することを特徴とする方法が提供される。
【0011】
しきい値は、好ましくは、所定のクロージャパネル位置におけるセンサのキャパシタンスを較正湿り度プロフィールと比較して容量センサの相対湿り度を決定すると共に容量センサの相対湿り度に基づいてしきい調整値を求めることによってパネルの各クロージャについて調整される。
【0012】
基準マップは、好ましくは、モータがクロージャパネルを駆動しているときに容量センサを用いて開口を貫通するフィールドのキャパシタンスを測定し、モータがクロージャパネルを駆動しているときに位置センサを用いてモータの位置を突き止め、測定したキャパシタンスを突き止めた位置と相関させることによりクロージャパネルが閉鎖位置から開放位置に動くたびに作成される。
【0013】
好ましくは、この方法は、比較値がしきい値を超えている期間を測定して物体の検出をノイズから区別するステップを更に有する。
【0014】
キャパシタンスは、容量センサを周期的に帯電させ、容量センサから電荷を基準キャパシタに移送し、そして所定回数の帯電サイクル後に基準キャパシタの電圧を測定するか所定電圧まで基準キャパシタを帯電させるのに必要なサイクルカウントを測定するかのいずれかを行うことにより間接的に測定されるのが良い。
【0015】
容量センサは、好ましくは、非導電性ケーシングと、ケーシング内に埋め込まれた第1の少なくとも部分的に導電性の本体と、ケーシング内に埋め込まれた第2の少なくとも部分的に導電性の本体と、第1の少なくとも部分的に導電性本体と第2の少なくとも部分的に導電性の本体との間に存在する空隙と、第1の誘電性本体内に埋め込まれた第1の導電性ストリップ電極と、第2の誘電性本体内に埋め込まれた第2の導電性ストリップ電極とを有し、ケーシング、少なくとも部分的に導電性の本体及びストリップ電極は、第1の少なくとも部分的に導電性の本体と第2の少なくとも部分的に導電性の本体が所定の挟み力の印加時に互いに接触することができるほど十分に可撓性である。
【0016】
このような容量センサを利用することにより、この方法は、好ましくは、第1の電極と第2の電極との間の電気抵抗値が所定の抵抗値を下回った場合、クロージャパネルが閉鎖位置に向かって動いているときにクロージャパネルの経路中に存在する物体を検出するステップを更に有する。
【0017】
この方法は、位置センサを位置センサ内に変化がないかどうかをモニタし又はモータに流れている電流をモニタすることによって、クロージャパネルが閉鎖位置に動いているときにクロージャパネルの経路中に存在する物体を検出するステップを更に有するのが良い。
物体がいったん検出されると、クロージャパネルは、引き続き閉鎖位置に向かって動くのが阻止され、好ましくは、逆転される。
【0018】
コントローラ及び制御回路は、上述の機能を実行するようイネーブルにされる。
【0019】
本発明の上記観点及び他の観点は、図面と関連して本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を読むと良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】障害物センサが取り付けられた自動車ドアの概略図である。
【図2】細長い障害物センサの一部分の破断図である。
【図3】挟み込み防止システムのシステムブロック図である。
【図4】容量検出方式を利用して物体を検出する方法を示す概略グラフ図である。
【図5】様々な湿り度条件に対するセンサのキャパシタンスのグラフ図である。
【図6】センサ湿り度に基づく調整要因のグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願は、次の国際公開を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部としている。
・国際公開第2002/101929号パンフレット
・国際公開第2002/012699号パンフレット
・国際公開第2003/038220号パンフレット
・国際公開第2005/059285号パンフレット
【0022】
図1は、板金で構成された典型的な自動車ドア12を示しており、この自動車ドアは、窓フレーム40として構造化されていて、窓ガラス又はガラスパネル16により閉鎖可能な開口14を有している。ガラスパネル16は、窓調節器(図示せず)により昇降され、この窓調節器は、それ自体当該技術分野において周知である原動力駆動源として電気モータを有する。モータは、一部が非接触型障害物センサ又は挟み込み防止組立体10によって制御され、このような非接触型障害物センサ又は挟み込み防止組立体の細部について以下に詳細に説明する。挟み込み防止組立体10は、ガラスパネル16がその閉鎖位置に近づいているときにガラスパネル16が開口14を通って延びる場合のある異物、例えば指(図示せず)を挟み又は押し潰すのを阻止する細長いセンサ18を含む。当業者であれば理解されるように、挟み込み防止組立体10を開放位置と閉鎖位置との間で動く電動式又は自動化クロージャパネル構造体に利用できる。例えば、クロージャパネルの非限定的なリストとしては、窓ガラス、スライディングドア、リフトゲート、サンルーフ等が挙げられる。例えば窓ガラス又はサンルーフのような用途の場合、細長いセンサ18は、車両のフレームに取り付けられるのが良く、例えば電動スライディングドアのような用途の場合、細長いセンサ18は、クロージャパネルそれ自体に、例えば、スライディングドアの前縁に取り付けられるのが良い。説明を分かりやすくするために、本明細書の以下の残りの部分は、窓ガラスと窓フレームの組み合わせに焦点を当てるが、本明細書において説明する装置及び方法は、他形式の車両クロージャシステムに利用できることは言うまでもない。
【0023】
加えて図2を参照すると、細長いセンサ18は、図1に示されているように窓フレーム40の上方部分の近く又はこれに取り付けられた非導電性ケーシング20を有する。例えばワイヤのような2つの導電性ストリップ電極24a,24bが好ましくはケーシング20内に収められる。電極24aは、第1の部分的に導電性の本体26a内に埋め込まれ、電極24bは、第2の部分的に導電性の本体26b内に埋め込まれている。これら部分的に導電性の本体26a,26bは、炭化又は導電性ゴムで作られるのが良く、これら本体の表面28a,28bは、好ましくは、炭素又は導電性材料の高い集中部分を有し、本体の内側部分よりも大きな電流を流すことができる。空隙22が2つの部分的に導電性の本体26a,26bを隔てており、粘着テープ30がケーシング20を窓フレーム40に締結する手段となっている。
【0024】
ケーシング20は、好ましくは、同時押し出しされた上側及び下側の部分的に導電性の本体26a,26bを備えた、押し出された細長いエラストマー内装部品として形成され、電極24a,24bは、本体26a,26b中に直接成形されている。内装部品は、窓封水システムの一部であっても良く、即ち、シールの一部を形成し、又は車両の装飾計器盤の一部であっても良い。
【0025】
空隙22は、2つの電極24a,24bを互いに電気的に絶縁しており、従って、これら電極相互間には従来型キャパシタ(コンデンサ)のように電荷を蓄えることができる。しかしながら、従来型キャパシタとは異なり、細長いセンサ18は、第1及び第2の部分的に導電性の本体26a,26bの表面28a,28bが挟み込み時に互いに当たるのに十分可撓性である(即ち、挟み込み条件の結果として)が、クロージャパネルが通常通り閉じているときには相互の接触を生じるようにするほど可撓性ではない。細長いセンサ18の可撓性は、その断面形態により調節されるのが良く、このような調節としては、ケーシング壁の厚さの調節及び部分的に導電性の本体26a,26bの厚さの調節が挙げられる。
【0026】
加えて図3を参照すると、挟み込み防止組立体10は、2つの電極24a,24bに接続されていて、電極相互間の抵抗Rを測定するコントローラ50を含む。抵抗Rは、部分的に導電性の本体26a,26bが空隙22により互いに隔てられているときは極めて高く、部分的に導電性の本体26a,26bの一部分が互いに接触した場合には大きさは実質的に減少する。この結果、細長いセンサ18及び挟み込み防止組立体10は、フェールセーフ接触ピンチストリップとして機能することができる。
【0027】
接触ピンチストリップとしての機能に加えて、細長いセンサ18は又、非接触容量センサとしても機能し、この細長いセンサ18は、開口14を貫通するフィールドのキャパシタンスを測定するようコントローラ50によって利用される。図示の実施形態では、電極24bは、遮蔽電極として機能する。というのは、この電極は、板金の近くに位置し、それにより、電極24aにより検出される電界は、車両の板金よりも、近くに位置する電極24bによって影響を一層受けやすいからである。最適信号品質を得るため、ドアが車両の残部から電気的に絶縁されていれば最も好ましい。例えば、電動スライディングドアは、非導電性ローラの使用により絶縁されるのが良い。
【0028】
細長いセンサ18のキャパシタンスは、次のようにして測定され、即ち、コントローラ50により所定のパルス列を用いて好ましくは電極24a,24bを同一電位まで帯電させる。各サイクルに関し、コントローラ50は、電極24a,24b相互間に蓄積した電荷を大きな基準キャパシタ52に移し、システムのキャパシタンスを表す電気特性を記録する。電気特性は、一定の数のサイクルが電極24a,24bを帯電させるために利用された場合の基準キャパシタ52の結果としての電圧又は様々な数のパルスが基準キャパシタ52を所定電圧まで帯電させるために利用されたサイクルカウント(又は時間)であるのが良い。これらサイクル全体に関するセンサ18の平均キャパシタンスも又直接コンピュータ計算するのが良い。これについては、例えば、引用のために参照し、このような機能を実行する種々の回路を記載している上述の特許文献を参照されたい。障害物が存在している場合、電極24a,24b相互間の誘電率が変化し、代表的には、細長いセンサ18のキャパシタンスを増大させ、記録された電気特性に影響を及ぼす。
【0029】
好ましい実施形態では、ガラスパネル16が開かれている場合にはいつでも、コントローラ50が、記録された電気特性をガラスパネル16の位置(位置センサ、例えばホール効果センサ54により提供される)に対してプロットすることにより開放中容量基準マップ60を作成する。図4では、開放中基準マップ60が相関サイクルカウントとガラスパネル位置の関係を表すグラフとして示されている。コントローラ50は又、ガラスパネル16が閉じているときに第2のキャパシタンスマップ62(「閉鎖中データ」)を測定し、第2のキャパシタンスマップを開放中基準マップ60と比較する。比較結果が所与の期間tの間、例えば、一時的減少部64のところでしきい値Xよりも大きい場合にはいつでも、障害物が検出される。(センサ18のキャパシタンスが増大している場合にはサイクルカウントが減少する。)
【0030】
センサ18に付着している可能性のある水の存在に対処するため、コントローラ50は、図6のプロット80に示されているようにセンサ18の相対湿り度に基づいてしきい値を調整する。このプロフィールでは、“0”は、乾燥状態のシール18を表し、“3”は、びしょ濡れになったシール18を表している。乾燥状態のシールの場合、初期しきい値X0に対して変更が行われないが、濡れた状態のシールの場合、しきい値Xは、湿り度に従って変化する。
【0031】
コントローラ50は、例えば図5に示されている較正湿り度プロフィール70に基づいて湿り度を求め、この較正湿り度プロフィールは、不揮発性メモリに記憶されている。較正プロフィール70は、細長いシール18の既知の条件により得られた実験データに基づいている。例えば、プロット72は、乾燥状態のシールに基づき、プロット74,75は、その長さの1/3分及び2/3分に沿ってそれぞれ濡れているシールに基づき、プロット76は、その長さ全体に沿って完全に濡れたシールから得られている。理解されるように、各プロットの形状は、互いに極めて似ているが、サイクルカウントは、シール18のキャパシタンスが各場合において異なっているので互いに異なっている。所望ならば、湿潤条件を更に変化させることにより細分性の高いデータを得ることができる。
【0032】
障害物の存否の判定を行う際、コントローラ50は、開放中基準マップ60を較正湿り度プロフィール70と比較して湿り度を特定するために開放中基準マップ60に最も良く合致するプロット72,74,75又は76を見出す。シール18の状況がガラスパネルを開いた後にのみ濡れた状態になるのを阻止するため(これは、電動スライディングドアシステムの場合に生じる可能性のある状況である)、細長いシール18のキャパシタンスは、より好ましくは、或る特定の箇所、例えば完全開放時(又は、或る特定の範囲の位置にわたり)測定され、そして同一位置においてこれらプロット72,74,75又は76のキャパシタンス値と比較され、それにより湿り度が決定される。ガラスパネル16の閉鎖時、コントローラ50は、閉鎖中データ62と開放中マップ60との差(共通位置における)が所与の期間tにわたりしきい値X=X0+D(湿り度の関数として)を超えた場合に障害物があることを信号で知らせる。障害物のあることが信号で知らされると、コントローラ50は、好ましくは、モータ56を逆転させてガラスパネル16を動かして開く。
【0033】
この動作モードの際、コントローラ50は又、位置センサ54をモニタすると共に/或いはモータ56に流れる電流をモニタする。障害物が存在している場合、位置センサは、インクリメントせず、モータに流れる電流は、スパイクを示し、挟み込み条件が生じているらしいことが分かる。
【0034】
好ましくは、コントローラ50は、3つ全ての障害物検出モード、即ち、センサインピーダンス、容量検出及び位置/電流モニタを利用して挟み込み条件を検出する。コントローラ50は又、2つ又は3つの連続障害物検出後に容量検出モードを検討事項からなくし、容量検出モードがフォールスポジティブをトリガした場合に他の2つのモードだけを利用するのが良い。
【0035】
上記内容は、本発明の特定の実施形態を説明しているが、本発明の精神から逸脱することなく本明細書において説明した詳細な実施形態の改造例及び変形例を想到できることは理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロージャパネルを開放位置と閉鎖位置との間で駆動するモータ、位置センサ及び容量センサを有する自動車の開口を通って延びる障害物を前記クロージャパネルが挟むのを阻止する方法であって、前記方法は、
前記モータが前記クロージャパネルを前記開放位置と前記閉鎖位置との間で駆動しているときに前記容量センサを用いて前記開口を貫通しているフィールドのキャパシタンスを測定するステップと、
前記モータが前記クロージャパネルを前記開放位置と前記閉鎖位置との間で駆動しているときに前記位置センサを用いて前記モータの位置を特定するステップと、
前記測定したキャパシタンスを前記突き止められた位置と相関させて閉鎖中データを生じさせるステップと、
前記閉鎖中データを基準マップと比較して比較値を生じさせるステップと、
前記比較値が前記センサの相対湿り度に依存したしきい値を超えた場合、前記クロージャパネルが前記閉鎖位置に向かって移動しているときに前記クロージャパネルの経路中に存在する物体を検出するステップと、を備えている、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記しきい値は、所定のクロージャパネル位置における前記センサのキャパシタンスを較正湿り度プロフィールと比較して前記容量センサの前記相対湿り度を決定すると共に前記容量センサの前記相対湿り度に基づいてしきい調整値を求めることによって前記パネルの各クロージャについて調整される、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記基準マップは、前記モータが前記クロージャパネルを駆動しているときに前記容量センサを用いて前記開口を貫通する前記フィールドのキャパシタンスを測定し、前記モータが前記クロージャパネルを駆動しているときに前記位置センサを用いて前記モータの位置を突き止め、前記測定したキャパシタンスを前記突き止めた位置と相関させることにより前記クロージャパネルが前記閉鎖位置から前記開放位置に動くたびに作成される、
請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記比較値が前記しきい値を超えている期間を測定して前記物体の検出をノイズから区別するステップを有する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記キャパシタンスは、前記容量センサを周期的に帯電させ、前記容量センサから電荷を基準キャパシタに移送し、そして所定回数の帯電サイクル後に前記基準キャパシタの電圧を測定するか所定電圧まで前記基準キャパシタを帯電させるのに必要なサイクルカウントを測定するかのいずれかを行うことにより間接的に測定される、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記容量センサは、非導電性ケーシングと、前記ケーシング内に埋め込まれた第1の少なくとも部分的に導電性の本体と、前記ケーシング内に埋め込まれた第2の少なくとも部分的に導電性の本体と、前記第1の少なくとも部分的に導電性本体と前記第2の少なくとも部分的に導電性の本体との間に存在する空隙と、前記第1の誘電性本体内に埋め込まれた第1の導電性ストリップ電極と、前記第2の誘電性本体内に埋め込まれた第2の導電性ストリップ電極とを有し、前記ケーシング、前記少なくとも部分的に導電性の本体及び前記ストリップ電極は、前記第1の少なくとも部分的に導電性の本体と前記第2の少なくとも部分的に導電性の本体が所定の挟み力の印加時に互いに接触することができ、前記方法は、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気抵抗値が所定の抵抗値を下回った場合、前記クロージャパネルが前記閉鎖位置に向かって動いているときに前記クロージャパネルの前記経路中に存在する物体を検出するステップを更に有する、
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記位置センサを前記位置センサ内に変化がないかどうかをモニタし又は前記モータに流れている電流をモニタすることによって、前記クロージャパネルが前記閉鎖位置に動いているときに前記クロージャパネルの前記経路中に存在する物体を検出するステップを更に有する、
請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記物体の検出時に前記クロージャパネルが引き続き前記閉鎖位置に向かって動くのを阻止するステップを有する、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
クロージャパネルを開放位置と閉鎖位置との間で駆動するモータを有する自動車の開口を通って延びる障害物を前記クロージャパネルが挟むのを阻止する挟み込み防止組立体であって、
前記クロージャパネルの位置を測定する位置センサと、
前記開口の周囲に沿って配置された細長い容量センサと、
前記位置センサ及び前記容量センサに接続されていて、前記モータが前記クロージャパネルを前記開放位置と前記閉鎖位置との間で駆動しているときに前記容量センサを用いて前記開口を貫通しているフィールドのキャパシタンスを測定するコントローラとを有し、前記コントローラは、前記モータが前記クロージャパネルを前記開放位置と前記閉鎖位置との間で駆動しているときに前記位置センサを用いて前記モータの位置を突き止め、前記測定したキャパシタンスを前記突き止められた位置と相関させて閉鎖中データを生じさせ、前記閉鎖中データを基準マップと比較して比較値を生じさせ、前記比較値が前記センサの相対湿り度に依存したしきい値を超えた場合、前記クロージャパネルが前記閉鎖位置に向かって移動しているときに前記クロージャパネルの経路中に存在する、
ことを特徴とする組立体
【請求項10】
前記しきい値は、所定のクロージャパネル位置における前記センサのキャパシタンスを較正湿り度プロフィールと比較して前記容量センサの前記相対湿り度を決定すると共に前記容量センサの前記相対湿り度に基づいてしきい調整値を求めることによって前記パネルの各クロージャについて調整される、
請求項9記載の組立体。
【請求項11】
前記コントローラは、前記比較値が前記しきい値を超えている期間を測定して前記物体の検出をノイズから区別する、
請求項9又は10記載の組立体。
【請求項12】
前記キャパシタンスは、前記容量センサを周期的に帯電させ、前記容量センサから電荷を基準キャパシタに移送し、そして所定回数の帯電サイクル後に前記基準キャパシタの電圧を測定するか所定電圧まで前記基準キャパシタを帯電させるのに必要なサイクルカウントを測定するかのいずれかを行うことにより間接的に測定される、
請求項9〜11のいずれか1項に記載の組立体。
【請求項13】
前記容量センサは、非導電性ケーシングと、前記ケーシング内に埋め込まれた第1の少なくとも部分的に導電性の本体と、前記ケーシング内に埋め込まれた第2の少なくとも部分的に導電性の本体と、前記第1の少なくとも部分的に導電性本体と前記第2の少なくとも部分的に導電性の本体との間に存在する空隙と、前記第1の誘電性本体内に埋め込まれた第1の導電性ストリップ電極と、前記第2の誘電性本体内に埋め込まれた第2の導電性ストリップ電極とを有し、前記ケーシング、前記少なくとも部分的に導電性の本体及び前記ストリップ電極は、前記第1の少なくとも部分的に導電性の本体と前記第2の少なくとも部分的に導電性の本体が所定の挟み力の印加時に互いに接触することができ、前記コントローラは、更に、前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気抵抗値が所定の抵抗値を下回った場合、前記クロージャパネルが前記閉鎖位置に向かって動いているときに前記クロージャパネルの前記経路中に存在する物体を検出する、
請求項9〜12のいずれか1項に記載の組立体。
【請求項14】
前記コントローラは、更に、前記位置センサを前記位置センサ内に変化がないかどうかをモニタし又は前記モータに流れている電流をモニタすることによって、前記クロージャパネルが前記閉鎖位置に動いているときに前記クロージャパネルの前記経路中に存在する物体を検出する、
請求項13記載の組立体。
【請求項15】
前記コントローラは、更に、前記物体の検出時に前記クロージャパネルが引き続き前記閉鎖位置に向かって動くのを阻止する、
請求項9〜13のいずれか1項に記載の組立体。
【請求項16】
挟み込み防止センサであって、
非導電性ケーシングと、
前記ケーシング内に埋め込まれた第1の少なくとも部分的に導電性の本体と、
前記ケーシング内に埋め込まれた第2の少なくとも部分的に導電性の本体と、
前記第1の少なくとも部分的に導電性本体と前記第2の少なくとも部分的に導電性の本体との間に存在する空隙と、
前記第1の誘電性本体内に埋め込まれた第1の導電性ストリップ電極と、
前記第2の誘電性本体内に埋め込まれた第2の導電性ストリップ電極とを有し、
前記ケーシング、前記少なくとも部分的に導電性の本体、前記第1のストリップ電極及び前記第2のストリップ電極は、前記第1の少なくとも部分的に導電性の本体と前記第2の少なくとも部分的に導電性の本体が所定の挟み力の印加時に互いに接触することができるほど十分に可撓性である、
ことを特徴とする挟み込み防止センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−506071(P2013−506071A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531199(P2012−531199)
【出願日】平成22年10月4日(2010.10.4)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001599
【国際公開番号】WO2011/038514
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(503103707)マグナ クロージャーズ インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】