説明

電力変換装置

【課題】 水冷式電力変換装置において、パワー半導体モジュールと冷却液との間の熱抵抗Rth(j−w)を低減する。
【解決手段】 電力変換装置50は、電気絶縁性を備える下面が放熱面として露出するパワー半導体モジュール30と、冷却液の入口11、冷却液の出口12、及び開口部13を備えた水路カバー10とを有し、前記開口部13が前記パワー半導体モジュール30の下面を覆い、前記水路カバー10と前記パワー半導体モジュール30の下面とが封止され、 入口11から出口12に流れる冷却液が前記放熱面に接触することを特徴とする

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水冷式電力変換装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷却液を利用する冷却装置を備える電力変換装置において、IGBTチップのジャンクション温度の上昇を低減してインバータの信頼性や寿命を向上するためには、IGBTチップジャンクションから冷却液への熱抵抗Rth(j−w)を低減しなければならない。
【0003】
特許文献1には、アルミニウム板に絶縁樹脂層を介して銅箔パターンを圧着した、いわゆるメタルコアプリント回路基板(以下、メタルコア基板と記す。)に、主電流駆動素子であるIGBT、FWDを封止したFWD内蔵IGBTパッケージ(以下、パッケージと記す。)を複数実装し、このメタルコア基板でインバータケース底面全体を覆って筐体の底板とし、メタルコア基板裏面を水路カバーで覆って冷却用水路を形成する発明が記載されている。
【0004】
特許文献1に記載されている電力変換装置は、パッケージをメタルコア基板に実装している。そうすると、パッケージとメタルコア基板を接合する共晶はんだ、及びメタルコア基板(特に絶縁樹脂層)が、パッケージと冷却液の間に介在することになる。そのために、共晶はんだとメタルコア基板が熱抵抗部材となって熱抵抗Rth(j−w)の低減を阻害してしまうという問題点がある。
【0005】
なお、特許文献2、特許文献3及び特許文献4には、放熱面にセラミックまたは電気的に絶縁された金属を露出させた樹脂封止型のパワー半導体モジュールが記載されている。
【特許文献1】特開2004−128099公報
【特許文献2】特開2001−156253公報
【特許文献3】特開2002−076204公報
【特許文献4】特開2004−165281公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、冷却液を利用する冷却装置を備えた電力変換装置において、IGBTチップジャンクションから冷却液への熱抵抗Rth(j−w)を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するためになされたものである。本発明に係る電力変換装置は、下面の一部又は全部に内部と電気的に絶縁された放熱面が露出するパワー半導体モジュールと、
冷却液の入口、冷却液の出口、及び開口部を備えた水路カバーとを有する電力変換装置である。そのような電力変換装置において、
前記開口部が前記パワー半導体モジュールの下面を覆い、前記水路カバーと前記パワー半導体モジュールの下面とが封止され、入口から出口に流れる冷却液が前記放熱面に接触することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る水冷式電力変換装置ではパワー半導体モジュールと冷却液の間に直接介在するものがないため、熱抵抗Rth(j−w)がより低減され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置50の断面図である。電力変換装置50は、パワー半導体モジュール30と水路カバー10とから構成される。
【0010】
図10に、パワー半導体モジュール30の断面図を示す。パワー半導体モジュール30は、リードフレーム1A、1B、パワー半導体チップ2、はんだ層3、アルミワイヤ4、モールド樹脂5、絶縁樹脂層6、金属層7及び金属板8から構成されている。
【0011】
本発明で利用されるパワー半導体モジュール30は、例えば、特許文献2、特許文献3若しくは特許文献4に記載されているような、放熱層の部材としてセラミック若しくは金属を利用しそれらセラミック層の下面若しくは金属層の下面を放熱面として露出させた樹脂封止型のパワー半導体モジュールである。
【0012】
図10に示されるパワー半導体モジュール30では、金属板8にはんだ層3を介してパワー半導体チップ2が接合されている。リードフレーム1A、1Bは、直接パワー半導体チップ2及び金属板8に接合されるか、アルミワイヤ4を介してパワー半導体チップ2に接続される。金属板8の下面には絶縁樹脂層6及び金属層7が接し、金属板8の下面を覆っている。電気的に絶縁性の樹脂材料からなるモールド樹脂5は、リードフレーム1A、1Bを突出させた状態で、パワー半導体チップ2及び金属板8の上部と、金属板8、絶縁樹脂層6及び金属層7の周囲に成型されている。金属層7には電気絶縁性の備わるセラミック層が用いられてもよい。
【0013】
パワー半導体モジュール30に含まれるパワー半導体チップ2で発生する熱は、はんだ層3を介して金属板8、絶縁樹脂層6及び金属層7へと伝わり、金属層7の下面からパワー半導体モジュール30の外部へと放熱される。以下でも説明するように、金属層7下面に冷却液が直接当たるのであるが、特許文献1に記載されている電力変換装置と比較すると、本発明で利用されるパワー半導体モジュールは、メタルコア基板が備わらずそれが熱抵抗部材となることがない。
【0014】
図2は、本発明の実施の形態1に係る電力変換装置50を構成する水路カバー10の斜視図である。図2に示す水路カバー10が、パワー半導体モジュール30の下面及び側面下方を封止して覆う。水路カバー10には冷却液の入口11および出口12と開口部13が設けられており、この開口部13をパワー半導体モジュール30の下面で塞ぐことで水路カバー10内部に水路が形成される。冷却液は、入口11から流入し、パワー半導体モジュール30の放熱面たる金属層7の下面に直接当たって熱を奪い、そして出口12から流出する。冷却液としては、通常、水が用いられ、凍結防止剤や腐食防止剤を含む水が好ましく用いられる。なお、冷却液として、水以外の冷媒を用いてもよい。従って、本明細書における「水冷式」、「水路」という用語は、水を用いるものに限定されず、水以外の冷媒を用いるものも含むものである。
【0015】
パワー半導体モジュール30の下面の外周部と水路カバー10の開口部13の縁の全周との間には、Oリングやパッキン、液状ガスケットなどの、柔軟性のある合成樹脂部材からなるシール材9が配置されている。パワー半導体モジュール30と水路カバー10とでシール材9が挟み込まれ、更に加圧されることで冷却液の漏れが防止される(加圧構造については図示しない。)。
【0016】
図1に示すように、実施の形態1に係る電力変換装置50においては、シール材9が、パワー半導体モジュール30の下面のうち、モールド樹脂5の露出する周縁部から金属層7の絶縁性ある下面の領域内までを密閉することが必要である。以下にその理由を示す。
【0017】
図3は、図10に示されるパワー半導体モジュール30の底面図である。図3に示すように、金属層7は周囲をモールド樹脂5で囲われている。このようなパワー半導体モジュール30に対して、シール材9がモールド樹脂5の領域しか密閉しないのであれば、冷却液が金属層7とモールド樹脂5との境界部分からパワー半導体モジュール30の内部に侵入するおそれが生じる。冷却液が内部に侵入すると、金属板8と金属層7との間の電気的な絶縁性が低下して、パワー半導体モジュール30内部の電気絶縁性が低下してしまう。また、モールド樹脂5の材料として一般的にエポキシ樹脂が利用されることが多いが、エポキシ樹脂は吸湿性が高い。モールド樹脂5が冷却液に浸りモールド樹脂5の材料であるエポキシ樹脂の吸湿量が多くなると、モールド樹脂5全体の電気絶縁性が低下するおそれがある。
【0018】
したがって、実施の形態1に係る電力変換装置50においては、金属層7とモールド樹脂5の境界部分、及びモールド樹脂5が、冷却液に接触しないように構成する必要がある。このため、シール材9が、パワー半導体モジュール30の下面のうち、モールド樹脂5の露出する周縁部から金属層7の電気絶縁性のある下面の領域内までを密閉することが必要となる。
【0019】
実施の形態1に係る電力変換装置50では、図1に示すように、シール材9が、パワー半導体モジュール30の下面のうち、モールド樹脂5で形成される周縁部から金属層7の下面の相当部分までを密閉している。このようにすることにより、冷却液は金属層7の下面の吸湿性のない部分にのみ接触し、吸湿のおそれのある金属層7とモールド樹脂5との境界部分、及びモールド樹脂5に接触しない。従って、パワー半導体モジュール30全体の電気絶縁性が低下するおそれを排除することができ、装置全体の信頼性を向上させることができる。
【0020】
また、実施の形態1に係る電力変換装置50では、パワー半導体チップ2で発生した熱が金属板8に伝わるが、そのときに伝熱面積が拡大する。熱抵抗Rth(j−w)は伝熱面積に反比例するので、このような構成は熱抵抗低減に効果がある。更に、実施の形態1に係る電力変換装置50では、この伝熱面積の拡大効果をより良く活かすため、金属層7の平面寸法を金属板8の下面よりも大きくし、金属板8の直下にはシール材9を設けないようにしている。
【0021】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係る電力変換装置50の断面図である。実施の形態2に係る電力変換装置は、実施の形態1に係る電力変換装置と略同一のものである。従って、同一部位には同一符号を付して説明を省略し、両者の差異を中心に説明する。
【0022】
実施の形態2に係る電力変換装置50では、
(1)シール材9として接着剤を用いる点、
(2)パワー半導体モジュール30と水路カバー10を(図5に示すような)水路カバー10の開口部13の縁に設けた3箇所の突起14で接触させている点、及び、
(3)水路カバー10の開口部13の縁の内側全周に突出部15を設けた点で、
実施の形態1に係る電力変換装置と異なる。
【0023】
まず、シール材9として接着剤を用いる点について説明する。例えばシール材9としてOリングやゴムパッキンを使用する場合、これらの成形品はその柔軟性のため形状を一定に維持することが難しい。電力変換装置50の組み立ての自動化を想定すると、組み立てロボットがこれらの柔らかい成型品を適切にハンドリングすることは困難である。特に、Oリングを取り付け溝に組み込む作業を自動化することは非常に困難である。また、Oリングやゴムパッキンは接着性がなく、シール性を確保するためにはこれらの成型品を挟み込んで加圧する機構が不可欠である。そのため、部品点数が増加することや組み立てが煩雑になることが避けられない。
【0024】
これに対し、実施の形態2に係る電力変換装置50のようにシール材9として接着剤を用いるならば、液状である接着剤が所望の部分に塗布され硬化することでシール性及び接着性が確保される。更に、液状物を自動的に塗布するための塗布ロボットは商業的に入手可能であり、接着剤の塗布作業の自動化は容易である。
【0025】
次に、パワー半導体モジュール30と水路カバー10を、開口部13の縁に設けた3箇所の突起14で接触させている点について説明する。本発明に用いる樹脂封止型のパワー半導体モジュール30では、モールド樹脂5には例えばエポキシ樹脂が使用される。エポキシ樹脂による封止には、一般的にトランスファーモールドと呼ばれる加工方法が用いられる。この方法は、架橋反応前のエポキシ樹脂を加熱・溶融させて金型内に高圧で流し込み、さらに加熱してエポキシ樹脂の架橋反応を促進して硬化させる加工方法である。ところで、エポキシ樹脂は硬化時に収縮する性質がある。このためモールド樹脂5としてエポキシ樹脂を用いた樹脂封止型のパワー半導体モジュールでは、モールド樹脂5の収縮により図6に示すような僅かな反りが発生することは不可避ともいえる。
【0026】
反りが発生したパワー半導体モジュール30を使用し、シール材9に接着剤を用いて実施の形態1のような電力変換装置50を構成した場合、図7に示すように、パワー半導体モジュール30自体の反りによってパワー半導体モジュール30が傾き、シール材9の厚さがばらつきやすくなる。シール材9に接着剤を用いる場合、シール材9の厚さが厚いほど水圧を受けるシール材表面の面積が大きくなる。そうすると、接着面に作用する剪断力が増加し接着面の剥離が起こりやすくなるため、密着性が低下していく。したがって、安定した密着性を確保するためには、反りによるパワー半導体モジュール30の傾きを抑制する必要がある。
【0027】
そこで実施の形態2に係る電力変換装置50では、パワー半導体モジュール30と水路カバー10を、開口部13の縁に設けた3箇所の突起14で接触させる構成としている。このようにすることにより、パワー半導体モジュール30に反りが生じたとしても、パワー半導体モジュール30の傾きを抑制することができ、シール材9の厚さのばらつきを抑制して安定したシール性を確保することができる。これらの3つの突起14は略同一の形状であることが好ましい。
【0028】
なお、図4及び図5に示される電力変換装置50では、突起14を水路カバー10の開口部13の縁側に設けているが、パワー半導体モジュール30の底面に設けても略同一の効果を実現できる。要するに、パワー半導体モジュール30の底面と水路カバー10の開口部13の縁とが、少なくとも3点における支持を生じさせる支持体を介して接するようにすれば、略同一の効果を実現できる。
【0029】
次に、水路カバー10の開口部13の縁の内側全周に突出部15を設けた点について説明する。シール材9として接着剤を用いる場合、液状の接着剤を開口部13の縁の平坦部分に塗布し、パワー半導体モジュール30を開口部13に搭載して、液状の接着剤を押し広げて薄い接着剤層を形成し、接着剤を硬化させてシール材9とする。しかし、図7のように開口部13の縁の平坦部分がそのまま内側垂直面に続くのであれば、液状の接着剤が押し広げられる際に接着剤が水路側にはみ出てしまい、結局、接着剤のはみ出し部9Aが形成されてしまう。このはみ出し部9Aは、パワー半導体モジュール30の放熱面の面積を減少させ結局熱抵抗Rth(j−w)を増加させてしまう。
【0030】
これに対し、実施の形態2に係る電力変換装置50では、図4及び図5に示すように水路カバー10の開口部13の縁の内側全周に、パワー半導体モジュール30方向への突出部15を設ける。この突出部15の外周に接着剤が塗布されると、パワー半導体モジュール30の搭載時に押し広げられる接着剤は突出部15で堰き止められ、水路側へのはみ出しが抑制される。したがって、接着剤の水路へのはみ出しによる放熱面の面積の減少、及び熱抵抗Rth(j−w)の増加を抑制することができる。
【0031】
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3に係る電力変換装置50の断面図である。実施の形態3に係る電力変換装置50は、実施の形態2に係る電力変換装置50と略同一のものである。従って、同一部位には同一符号を付して説明を省略し、両者の差異を中心に説明する。
【0032】
実施の形態1および実施の形態2に係る電力変換装置50では、シール材9によって冷却液の漏れを防止している。しかし、長期の使用期間や過酷な使用環境によりシール材9の劣化が生じ、冷却液の漏れが生じやすくなることは否定できない。そこで、実施の形態3に係る電力変換装置50では、冷却液が漏れた場合にこれを検出できるようにしている。
【0033】
実施の形態3に係る電力変換装置50では、
(1)水路カバー10を電気絶縁物としている点、
(2)冷却液が導電性の物質を含んでいる点、
(3)水路カバー10の開口部13の縁の接着剤(シール材)の塗布部位に、パワー半導体モジュール30を制御する制御回路20に接続している2つの電極16、17を設けている点、及び、
(4)接着剤(シール材9)として、パワー半導体モジュール30(特に金属層7)に対する接着力が、水路カバー10に対する接着力よりも強い接着剤を用いている点が、
実施の形態2に係る電力変換装置と異なる。
【0034】
シール材9として接着剤を用いる場合、冷却液漏れの原因となるのは、主として接着界面の剥離である。当然のことながら、接着界面の剥離は、接着力の弱い部分で発生する。実施の形態3に係る電力変換装置50において、パワー半導体モジュール30(特に金属層7)に対する接着力が、水路カバー10に対する接着力よりも強い接着剤を用いるようにすれば、剥離(つまり冷却液漏れ)が発生する個所を、シール材9と水路カバー10の接着界面に限定することができる。ここでの接着剤として、シリコーン系の接着剤が利用されるのが好ましい。
【0035】
更に、水路カバー10の開口部13の縁のシール材9との接着部(塗布部位)には、水路カバー10の開口部13の内側垂直面を取り巻くように、パワー半導体モジュール30を制御する制御回路20に接続している2つの電極16、17を設けている。水路カバー10は、電気絶縁物である(例えば)PPS(ポリフェニレンサルファド)の射出成形品であり、2つの電極16、17は互いに電気的に絶縁されている。また、電極17の方が電極16よりも水路カバー10の開口部13の内側垂直面から遠い位置に配置されている。加えて、パワー半導体モジュール30を制御する制御回路20が、電極16と電極17との間の絶縁抵抗をモニターしている。
【0036】
ここで、水路カバー10とシール材9の接着界面に剥離が発生すると、電極16と電極17の位置関係から先ず電極16に冷却液が接触する。この時点では両電極間の絶縁抵抗に未だ変化はない。更に剥離が進み電極17にまで冷却液が接触すると、導電性の物質を含む冷却液が電極16と電極17の両方に接触することになり両電極間の絶縁抵抗が低下する。このように、両電極間の絶縁抵抗の低下を、パワー半導体モジュール30を制御する制御回路20が検出することによって、冷却液が金属層7とモールド樹脂5の境界部分にまで浸透する前に冷却液の漏れを検出することができる。なお、電極16と電極17との間の絶縁抵抗を専らモニターするために専用の電気抵抗モニター回路が別途設けられてもよい。
【0037】
なお、図9に示すように、水路カバー10のシール材9との接着部(塗布部位)に設けられる電極が1つ(電極16)であっても、金属板18(金属部材)が水路の底に設けられ電極16と金属板18との絶縁抵抗が適切な回路によりモニターされるのであれば、図8の構成と同様に、電極16と金属板18との間の絶縁抵抗の低下によって冷却液漏れを検出できる。また金属板18は、水路の底だけでなく、水路カバー10の内側の冷却液に常時接触する位置に設けられればよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置に使用される水路カバーを示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る電力変換装置に使用されるパワー半導体モジュールを示す下面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置に使用される水路カバーを示す上面図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る電力変換装置に使用されるパワー半導体モジュールを示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態2を利用しない場合の電力変換装置の問題点を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態3に係る電力変換装置の一例を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る電力変換装置の他の例を示す断面図である。
【図10】本発明で利用するパワー半導体モジュールの断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1A・1B リードフレーム、 2 パワー半導体チップ、 3 はんだ層、 4 アルミワイヤ、 5 モールド樹脂、 6 絶縁樹脂層、 7 金属層、 8 金属板、 9 シール材、 10 水路カバー、 11 冷却液入口、 12 冷却液出口、 13 開口部、 14 突起、 15 突出部、 16・17 電極、 18 金属板。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面の一部又は全部に内部と電気的に絶縁された放熱面が露出するパワー半導体モジュールと、
冷却液の入口、冷却液の出口、及び開口部を備えた水路カバーとを有する電力変換装置において、
前記開口部が前記パワー半導体モジュールの下面を覆い、前記水路カバーと前記パワー半導体モジュールの下面とが封止され、
入口から出口に流れる冷却液が前記放熱面に接触することを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記パワー半導体モジュールの下面と前記水路カバーが前記開口部の縁の全周でシール材によりシールされ、
前記シール材が、前記パワー半導体モジュールの下面の周縁部から放熱面の領域までを密閉していることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記シール材が液状の接着剤を硬化させたものであることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記水路カバーの開口部の縁と前記パワー半導体モジュールの下面の一方または両方に、少なくとも3点で支持する突起が備わり、
前記パワー半導体モジュールと前記水路カバーの開口部の縁が前記突起を介して接することを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記水路カバーの開口部の縁の内側全周に、前記パワー半導体モジュールの方向への突出部を設けたこと特徴とする請求項3または4に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記水路カバーが電気絶縁物で形成され、
前記接着剤は前記パワー半導体モジュールに対する接着力が、前記水路カバーに対する接着力よりも強いものであり、
前記水路カバーの開口部の縁の前記接着剤との接着部に、第1の電極と、前記水路カバーの開口部の縁の前記接着剤との接着界面に剥離が生じるときに前記第1の電極よりも後の時期に冷却液と接触をする第2の電極とが、設けられ、
前記第1の電極と前記第2の電極との間の電気抵抗がモニターされることを特徴とする請求項3〜5のうちのいずれか一つに記載の電力変換装置。
【請求項7】
前記水路カバーが電気絶縁物で形成され、
前記接着剤は前記パワー半導体モジュールに対する接着力が、前記水路カバーに対する接着力よりも強いものであり、
前記水路カバーの内側の冷却液に常時接触する位置に金属部材が設けられ、
前記水路カバーの開口部の縁の前記接着剤との接着部に電極が設けられ、
前記金属部材と前記電極との間の電気抵抗がモニターされることを特徴とする請求項3〜5のうちのいずれか一つに記載の電力変換装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−166604(P2006−166604A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−354824(P2004−354824)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】