説明

電動倍力装置

【課題】回生協調を行う場合でも運転者に違和感を与えることがない電動倍力装置を提供する。
【解決手段】ブレーキペダル15と連動するプッシュロッド18の入力と電動モータ33を駆動源とする電動アクチュエータ12により進退動するブースタピストン19の推力とによりマスタシリンダ1のピストン2を駆動し、マスタシリンダ1の圧力室4にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置10において、ブレーキペダル15の踏力に対抗する反力を発生するシミュレータ16を設け、ブレーキペダル15の操作時に、前記ブースタピストン19がプッシュロッド18よりも大きく移動する制御を行って、プッシュロッド18とピストン2との間に間隙を形成し、ブースタピストン19を後退させる回生協調時に、前記間隙によりピストン2からプッシュロッド18に伝わる戻し方向の力を解消して、運転者に違和感を与えないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動アクチュエータを倍力源として利用する電動倍力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電動倍力装置としては、例えば、特許文献1に記載されるものがあった。このものは、ブレーキペダルの操作により進退移動する入力部材(軸部材)と、該入力部材に相対移動可能に外装された外筒(筒状部材)と、該筒状部材を進退移動させる電動アクチュエータと、前記軸部材の移動に応じて前記電動アクチュエータを制御するコントロールユニット(制御手段)とを備え、ブレーキペダルから前記軸部材に付与される操作力(入力)と電動アクチュエータから前記筒状部材に付与される推力とによりマスタシリンダのピストンを駆動し、該マスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させる構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−301461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電力を駆動源とする電気自動車やハイブリット車においては、制動時の運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収する回生ブレーキ装置が装備されるのが一般である。そして、上記した電動倍力装置をこのような回転ブレーキ装置と併用する場合は、運転者に違和感を与えないように、回生ブレーキ装置で得られる制動力の分だけマスタシリンダ内のブレーキ液圧を減じる制御、いわゆる回生協調が行われる。この場合、電動アクチュエータによって前記筒状部材が後退方向へ駆動されることになり、この筒状部材の後退にマスタシリンダ内のピストンが追従する。
【0005】
しかるに、上記特許文献1に記載された電動倍力装置においては、ブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材(入力部材)がマスタシリンダのピストンに連結されているため、回生協調を行うと前記ピストンと一体に軸部材も後退してしまい、ブレーキペダルに戻し方向の力が働いて運転者に違和感を与えるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、回生協調を行う場合でも運転者に違和感を与えることがない電動倍力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、ブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材と、該軸部材に相対移動可能に外装された筒状部材と、該筒状部材を進退移動させる電動アクチュエータと、前記軸部材の移動に応じて前記電動アクチュエータを制御する制御手段とを備え、前記ブレーキペダルから前記軸部材に付与される入力と前記電動アクチュエータから前記筒状部材に付与される推力とによりマスタシリンダのピストンを駆動し、該マスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置において、前記ブレーキペダルの踏力に対抗する反力を発生するシミュレータを設け、前記軸部材は、ブレーキ非作動状態で、前記マスタシリンダのピストンに当接する状態を維持し、前記制御手段は、前記ブレーキペダルの操作時に、前記筒状部材が前記軸部材よりも大きく移動するように前記電動アクチュエータを制御することを特徴とする。
【0008】
上記のように構成した電動倍力装置においては、ブレーキペダルの操作時に、これと連動する軸部材よりも筒状部材が大きく前進するので、マスタシリンダのピストンから軸部材が切り離される。したがって、その後の回生協調時に筒状部材と一体的にマスタシリンダのピストンが後退しても、該ピストンから軸部材に戻し方向の力が働くことはなく、運転者に違和感を与えることはない。また、ブレーキペダルの操作に応じて、その踏力に対抗する反力がシミュレータに発生するので、マスタシリンダのピストンから軸部材が切り離されても、所望のペダルフィーリングが確保される。しかも、ブレーキ非作動状態では、軸部材がマスタシリンダのピストンに当接する状態を維持するので、万一電動アクチュエータが失陥した場合には、該軸部材が空走することなくピストンを押圧し、マスタシリンダ内に速やかにブレーキ液圧を発生させることができる。
【0009】
本発明において、前記ブレーキペダルの操作時に、前記筒状部材を前記軸部材よりも大きく移動させる制御は、マスタシリンダ内に発生するブレーキ液圧が所定液圧となるまで継続されるのが望ましい。マスタシリンダは、ブレーキ液圧が所定液圧になるまでは、ブレーキ液の吐出によって大きなピストンストロークが生じるので、少なくとも所定液圧となるまで前記制御を継続することで、ピストンと軸部材との間に、回生協調時に生じるピストンの戻り量よりも大きな間隙を確保することができ、回生協調時にピストンから軸部材に働く戻し方向の力を確実に解消することができる。
【0010】
本発明は、前記軸部材とマスタシリンダのピストンとの間に弾性体が設けられている構成とすることができる。この場合は、軸部材の動き始めに弾性体がたわむことで、ピストンを直接押すときの重さを運転者に感じさせることがなくなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る電動倍力装置によれば、回生協調時にマスタシリンダのピストンから軸部材に戻し方向の力が働くことがないので、運転者に違和感を与えることはなく、回生ブレーキ装置を搭載した自動車に適用して好適となる。また、フェイルセーフ時にはブレーキペダルの操作で速やかブレーキ液圧を発生させることができるので、装置に対する信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一つの実施形態である電動倍力装置を含むブレーキシステムを示す系統図である。
【図2】本電動倍力装置の全体構造を示す断面図である。
【図3】マスタシリンダの一般的なブレーキ液特性を示すグラフである。
【図4】本電動倍力装置における制御の内容を示すグラフである。
【図5】本電動倍力装置の変形構造を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の一つの実施形態である電動倍力装置を含むブレーキシステムを示したものである。同図中、10は、本発明に係る電動倍力装置であり、マスタシリンダ1と結合された装置本体11を主体として構成されている。マスタシリンダ1は、ここでは、タンデム型として構成されており、二つのピストン2(図では、プライマリ側のみ示す)を内装するシリンダ本体3とこのシリンダ本体3内の二つの圧力室4(図では、プライマリ側のみ示す)にブレーキ液を給排するリザーバ5とからなっている。シリンダ本体3には、前記二つの圧力室4にそれぞれ連通する吐出ポート6a、6bが設けられており、各圧力室4に発生したブレーキ液圧は、各吐出ポート6a、6bからブレーキ配管7a、7bを介してリア側ホイールシリンダ8a、フロント側ホイールシリンダ8bへ供給されるようになっている。なお、図示例では、ブレーキ配管7a、7bの途中に、ホイールシリンダ8a、8bに供給される液圧を制御可能な液圧ユニット9が設けられているが、これは、必要に応じて設置される。
【0015】
本電動倍力装置10は、上記マスタシリンダ1に結合された装置本体11のほか、該装置本体11に設けられた電動アクチュエータ12を制御するコントローラ(制御手段)13および車室14内のブレーキペダル15の踏力に対抗する反力を発生するシミュレータ16とを備えている。装置本体11は、図2によく示されるように、後端が車室壁14aに固定されたハウジング17内に、前記ブレーキペダル15と連動するプッシュロッド(軸部材)18と、前記電動アクチュエータ12によって駆動される筒状のブースタピストン(筒状部材)19と、前記電動アクチュエータ12を構成するボールねじ機構(回転−直動変換機構)20とを配設してなっている。ハウジング17の前端には前記マスタシリンダ3が固結されるようになっており、この固結状態で、ハウジング17内の前部側には、前記マスタシリンダ1のピストン(プライマリピストン)2が導入される。
【0016】
上記プッシュロッド18は、その後端部がブレーキペダル15にピン21により軸着されると共に、その先端がハウジング17内に導入されたピントン2の後端部に形成した凹部2aの底面に突き当てられている。一方、ブースタピストン19は、その前端側がハウジング17に摺動可能に嵌合されると共に、その後端側がプッシュロッド18を囲む態様で車室14内まで延ばされている。ブースタピストン19の前端側内周には、その軸方向に延ばして環状ボス部22が形成されており、ブースタピストン19は、その環状ボス部22を前記マスタシリンダ1のピストン2の後端外周縁部に当接させている。ブースピストン19はまた、その前端外周に突設した突起23をハウジング17の内周面に形成した軸方向溝24に係合させることによりその回転が規制されている。
【0017】
電動アクチュエータ12を構成するボールねじ機構20は、前記ブースタピストン19の外周面に形成されたオネジ部25と、ハウジング17の内面に軸受26を介して回動自在に支持されたナット部材27と、前記オネジ部25とナット部材27のメネジ部との間に介装されたボール28とからなっている。オネジ部25を有するブースタピストン19は、前記したように摺動可能にかつ回動不能にハウジング17に支持されており、これによりナット部材27の回転に応じてブースタピストン19が直動するようになる。
【0018】
なお、車室14内に延出されたブースタピストン19の周りは、ハウジング17に開口端部が固定されたダストブーツ29により覆われている。また、ブースタピストン19とマスタシリンダ1のシリンダ本体3との間には、ブースタピストン19を常時後方へ付勢する戻しばね(付勢手段)30が介装されている。また、軸受26およびナット部材27はハウジング17の内面に嵌着したスナップリング31により位置固定されており、ブースタピストン19は、その突起23をナット部材27に当接させる位置が後退端となっている。
【0019】
電動アクチュエータ12は、ハウジング17に固定した取付板32に取付けられた電動モータ33を駆動源とし、その電動モータ33の回転を回転伝達機構34を介して前記ボールねじ機構20のナット部材28に伝える構成となっている。回転伝達機構34(図1)は、電動モータ33の出力軸33aに取付けられた第1プーリ35と、前記ナット部材27に嵌着された第2プーリ36と、前記2つのプーリ35、36間に掛け回されたベルト(タイミングベルト)37とからなっている。第2プーリ36は第1プーリ35に比べて大径となっており、これにより電動モータ33の回転は減速してボールねじ機構20のナット部材27に伝達される。
【0020】
一方、ブレーキペダル15の踏力に対抗する反力を発生するシミュレータ16は、車室壁14aに取付けられている。このシミュレータ16は、ここではばね付勢された作動ロッド16aを有する機械式構成となっており、車室14内に延ばされた作動ロッド16aの先端部がレーキペダル15の先端部にピン38により軸着されている。ブレーキペダル15は、このシミュレータ16の作動ロッド16aの軸着点(ピン38)と前記プッシュロッド18の軸着点(ピン21)とを結ぶ中間部位が、車室壁4aに固定したブラケット39に回動可能に支持されており、ブレーキ非作動状態では、図示のようにプッシュロッド18の先端をマスタシリンダ1のピストン2に当接させた状態を維持するようになっている。
【0021】
上記シミュレータ16にはストロークセンサ40が内蔵され、一方、電動アクチュエータ12を構成する電動モータ33にはレゾルバ41が内蔵されている。前記ストロークセンサ40は、シミュレータ16の作動ロッド16aおよびブレーキペダル15を介してプッシュロッド18の絶対変位を検出する絶対変位検出手段としての機能を有し、一方、前記レゾルバ41は、電動モータ33の回転変位からブースタピストン19の絶対変位を検出する絶対変位検出手段としての機能を有している。さらに、マスタシリンダ1の圧力室4に通じる一方のブレーキ配管7aには、前記圧力室4内のブレーキ液圧を検出する圧力センサ42(図1)が設けられている。
【0022】
本電動倍力装置10において、上記ストロークセンサ40、レゾルバ41および圧力センサ42の検出信号は、前記コントローラ13に送出されるようになっている。コントローラ13は、ブレーキペダル15の操作すなわちプッシュロッド18の移動に応じて電動アクチュエータ12を制御する機能を有している。より詳しくは、コントローラ13は、前記ブレーキペダル15の操作時に、マスタシリンダ1内の圧力室4に所定のブレーキ液圧が発生するまでは、前記ブースタピストン19をプッシュロッド18よりも大きく移動させる制御を行う機能を有している。
【0023】
以下、上記のように構成した電動倍力装置10の作用を説明する。
【0024】
(通常ブレーキ時)
通常ブレーキ時には、ブレーキペダル15が操作されると、プッシュロッド18が移動し、その動きがシミュレータ16内のストロークセンサ40により検出される。すると、このストロークセンサ40からの信号を受けてコントローラ13が電動アクチュエータ12内の電動モータ33に起動指令を出力し、これにより電動モータ33が回転して、その回転が回転伝達機構34を介してボールねじ機構20に伝達され、ブースタピストン19が前進する。すると、このブースタピストン19に押されてマスタシリンダ1のピストン2が前進し、圧力室4内のブレーキ液がブレーキ配管7a、7bから液圧ユニット9を経てホイールシリンダ8a、8bに供給(吐出)され、さらに圧力室4内の液圧が高まって制動力が発生する。
【0025】
このとき、コントローラ13は、ブースタピストン19をプッシュロッド18よりも大きく移動させるように電動アクチュエータ12の電動モータ33を制御しており、これによりマスタシリンダ1の圧力室4内に発生するブレーキ液圧はブースタピストン19の推力に応じた大きさとなる。一方、ブースタピストン19がプッシュロッド18よりも大きく移動することで、マスタシリンダ1のピストン2とプッシュロッド18との間に間隙が形成され、したがってブレーキペダル15には、ブレーキ液圧の反力が伝達されない状態となる。しかし、ブレーキペダル15には、シミュレータ16から踏力に応じた反力が伝達されるので、マスタシリンダ1のピストン2からプッシュロッド18が切り離されても、所望のペダルフィーリングが確保される。
【0026】
(回生協調時)
上記したブレーキペダル15の操作時に回生ブレーキが作動すると、回生ブレーキで得られる制動分だけブレーキ液圧を減じる制御すなわち回生協調が行われる。すなわち、コントローラ13は、前記電動モータ33内のレゾルバ41からの信号に基づいて、前記減圧に必要とする分だけブースタピストン19を後退させるように電動アクチュエータ12の電動モータ33を制御し、これに応じてマスタシリンダ1のピストン2が所定ストロークだけ後退する。このとき、ピストン2とプッシュロッド18との間には所定の間隙が形成されているので、ピストン2からプッシュロッド18に戻し方向の力が働くことはなく、したがって運転者に違和感を与えることはない。
【0027】
ここで、マスタシリンダ1のブレーキ液特性は、一般に図3に示されるように、所定のブレーキ液圧Pxが発生するまでは、圧力室4内のブレーキ液がホイールシリンダ8a、8b側への吐出に消費されるため、ブレーキ液圧があまり上昇しない。換言すれば、所定のブレーキ液圧Pxが発生するまでは、大きなピストン2のストローク(ピストンストローク)が得られる。
【0028】
本実施形態においては、上記したマスタシリンダ1のブレーキ液特性に着目し、図4に実線Aにて示すように、上記した所定のブレーキ液圧Pxが発生するまでに、プッシュロッド18のストローク(ロッドストローク)に対してピストンストロークを大きくする制御を行う。なお、この場合の制御は、圧力センサ42の検出信号に基いて行う。因みに、プッシュロッド18と一体にピストン2を前進させた場合は、同図に点線Bにて示すように、ロッドストロークとピストンストロークとは、1:1の関係となる。前記した制御を行うことで、ピストン2とプッシュロッド18との間に十分に大きなストローク差ΔSを発生させることができ、これによって上記した回生協調時の間、ピストン2からプッシュロッド18に働く戻し方向の力を確実に解消することができる。また、ABS作動時のポンプ還流により液圧変動が発生したときでも、ピストン2の振動がプッシュロッド18に伝わることがなく、運転者に違和感を与えることはない。
【0029】
(フェイルセーフ時)
電動アクチュエータ12やセンサ類40〜42が失陥した場合は、ブレーキペダル15の操作によりプッシュロッド18が移動し、このプッシュロッド18に押されてマスタシリンダ1のピストン2が前進する。これにより圧力室4内のブレーキ液がブレーキ配管7a、7bから液圧ユニット9を経てホイールシリンダ8a、8bに供給され、さらに圧力室4内の液圧が高まって制動力が発生する。しかして、ブレーキ非作動状態では、プッシュロッド18の先端がマスタシリンダ1のピストン2の後端に当接する状態を維持しているので、該プッシュロッド18は空走することなくピストン2を押圧し、これによりマスタシリンダ1の圧力室4内に速やかにブレーキ液圧を発生させることができる。なお、このようにブレーキ非作動状態で、プッシュロッド18の先端をマスタシリンダ1のピストン2の後端に当接させない場合は、空走を防止するための特別の機器が必要になる。
【0030】
なお、上記実施形態においては、電動モータ33の回転をブースタピストン19の直動に変換する回転−直動変換機構としてボールねじ機構20を用いたが、この回転−直動変換機構の種類は任意であり、例えば、ねじ送り機構や歯車機構を用いることができる。また、上記実施形態においては、プッシュロッド(軸部材)18の絶対変位を検出するストロークセンサ40をシミュレータ16に内蔵させたが、このストロークセンサの設置箇所は任意であり、ブレーキペダル15やプッシュロッド18の周辺に配置してもよい。また、このストロークセンサ40はポテンショメータであってもよい。さらに、ブースタピストン19の絶対変位を検出する手段として電動モータ33の回転変位を検出するレゾルバ41を用いたが、このレゾルバは、回転型のポテンショメータであっても、あるいは他のストロークセンサであってもよい。
【0031】
また、図5に示すように、ピストン2の凹部2aの底面に、ゴム製の弾性体50を設けるようにしてもよい。この弾性体50を設けることで、プッシュロッド18の動き始めに弾性体50がたわむため、ピストン2を直接押すときの重さを運転者に感じさせることがなくなる。なお、弾性体50は、可撓性を有するものであれば、樹脂や金属ばね等で構成してもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 マスタシリンダ
2 マスタシリンダのピストン
4 マスタシリンダの圧力室
8a リア側ホイールシリンダ
8b フロント側ホイールシリンダ
10 電動倍力装置
11 装置本体
12 電動アクチュエータ
13 コントローラ(制御手段)
15 ブレーキペダル
16 シミュレータ
18 プッシュロッド(軸部材)
19 ブースタピストン(筒状部材)
33 電動モータ
40 ストロークセンサ
41 レゾルバ
42 圧力センサ
50 弾性体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキペダルの操作により進退移動する軸部材と、該軸部材に相対移動可能に外装された筒状部材と、該筒状部材を進退移動させる電動アクチュエータと、前記軸部材の移動に応じて前記電動アクチュエータを制御する制御手段とを備え、前記ブレーキペダルから前記軸部材に付与される入力と前記電動アクチュエータから前記筒状部材に付与される推力とによりマスタシリンダのピストンを駆動し、該マスタシリンダ内にブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置において、前記ブレーキペダルの踏力に対抗する反力を発生するシミュレータを設け、前記軸部材は、ブレーキ非作動状態で、前記マスタシリンダのピストンに当接する状態を維持し、前記制御手段は、前記ブレーキペダルの操作時に、前記筒状部材が前記軸部材よりも大きく移動するように前記電動アクチュエータを制御することを特徴とする電動倍力装置。
【請求項2】
前記ブレーキペダルの操作時に、前記筒状部材を前記軸部材よりも大きく移動させる制御は、マスタシリンダ内に発生するブレーキ液圧が所定液圧となるまで継続されることを特徴とする請求項1に記載の電動倍力装置。
【請求項3】
前記軸部材とマスタシリンダのピストンとの間に弾性体が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電動倍力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−131886(P2011−131886A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82784(P2011−82784)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【分割の表示】特願2006−206161(P2006−206161)の分割
【原出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】