説明

電動車両の駆動装置

【課題】車両を電動駆動するための機器から周囲空気への放熱が調整され、機器からの吸収した熱の車室内空気への放出を可変化できる電動車両の駆動装置の提供。
【解決手段】電動車両の駆動装置は、車両を電動駆動するための機器と、前記機器から吸収した熱を車室内空気へと放出する機器冷却装置と、を備えた電動車両の駆動装置であって、前記機器から周囲空気への放熱を調整する放熱調整手段を備えたことを特徴とする電動車両の駆動装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動車両の駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド電気自動車において、車両に搭載されるモータやインバータ等の発熱体から発生する熱を空調に利用するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。例えば、車室内の暖房を行う際に、発熱体で暖められた冷却水を車室内空調用熱交換器に流入させて、サブの暖房用熱交換器として機能させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4285292号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、モータやインバータ等の発熱体は金属の筐体で覆われていて、外気に対して放熱するような構成となっている。そのため、発熱体の熱が無駄に放熱されてしまって、車室内暖房に効率良く利用されていないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、車両を電動駆動するための機器と、前記機器から吸収した熱を車室内空気へ輸送する熱輸送手段とを備えた電動車両の駆動装置であって、前記機器から周囲空気への放熱量を調整する放熱調整手段を備える。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の電動車両の駆動装置において、前記放熱調整手段は、前記周囲空気の温度、または車室内空気の温度に応じて、周囲空気への放熱量を調整する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載の電動車両の駆動装置において、前記放熱調整手段は、前記機器から吸収した熱を車室内空気へ輸送し、前記車室内空気を暖房する場合に、周囲空気への放熱量を抑制するように前記放熱調整手段を制御する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1に記載の電動車両の駆動装置において、前記放熱調整手段は、前記機器の周辺に空気層を確保する筺体であり、前記筺体には、電気的に開口面積を調整可能な通風孔が備わる。
【0009】
請求項5の発明は、請求項4に記載の電動車両の駆動装置において、前記通風孔は、電気が通電されていない無通電状態では開口状態になる。
【0010】
請求項6の発明は、請求項5に記載の電動車両の駆動装置において、前記通風孔は、前記筺体内部へ空気が流入するための入口側通風孔と、空気が流出するための出口側通風孔とで構成され、前記入口側通風孔または前記出口側通風孔のいずれか一方に、電気的な制御によって通風量が調整可能な調整機構が備わり、他方の通風孔には、通風孔前後の圧力差に応じて開口面積が機械的に変化する調整機構が備わる。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1に記載の電動車両の駆動装置において、前記放熱調整手段は、前記筺体へ流入する空気を調整するためのファンを有する。
【0012】
請求項8の発明は、請求項4に記載の電動車両の駆動装置において、車両を電動駆動するための機器が、モータと、前記モータを駆動制御するインバータであり、前記インバータが前記電気モータに支持され、または電気モータが支持されている部材と同じ剛体に支持され、前記モータと前記インバータが同一の筺体によって覆われる。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1に記載の電動車両の駆動装置において、前記モータの駆動トルクを車輪に伝達するドライブシャフトが前記筺体を貫通し、前記ドライブシャフトが前記筺体を貫通する位置が、ドライブシャフト長手方向のモータ側である。
【0014】
請求項10の発明は、請求項1に記載の電動車両の駆動装置において、車体の一部が前記筺体の一部として構成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、車室内の空気を暖房する場合には、機器から周囲空気への放熱が抑制され、機器から吸収した熱の車室内空気への放出を効率的に行うことができ、車室内の空気を暖房しない場合には、機器から周囲空気への放熱が促進され、機器の冷却を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】放熱調整構造の第1の例を示す図である。
【図2】暖房運転時の動作を説明する図である。
【図3】冷房運転時の動作を説明する図である。
【図4】除霜運転時の動作を説明する図である。
【図5】放熱調整構造の第2の例を示す図である。
【図6】放熱調整構造の第3の例を示す図である。
【図7】放熱調整構造の第4の例を示す図である。
【図8】放熱調整構造の第5の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、本発明の電動車両の駆動装置を電気自動車に適用した一実施の形態を説明する。なお、本発明は電気自動車に限定されず、ハイブリッド自動車、あるいは電気鉄道や建設車両などの電動車両に対しても適用することができる。また、この一実施の形態ではインバータにより駆動される交流モータを例に挙げて説明するが、本発明は交流モータに限定されず、例えばサイリスタレオナード装置などのコンバータにより駆動される直流モータ、あるいはチョッパ電源により駆動されるパルスモータなど、あらゆる種類の回転電機(モータ・ジェネレータ)に適用することができる。
【0018】
図2は本発明による電動車両の駆動装置の概略構成を示す図である。図2に示す電動車両の駆動装置は、冷媒40が流れる冷凍サイクル回路90と、室内熱交換器7Aと冷凍サイクル回路90を空調用冷却媒体41Aで接続する空調用回路91Aと、室内熱交換器7Bと発熱体9と冷凍サイクル回路90とを機器冷却媒体41Bで接続する機器冷却回路91Bとを備えている。発熱体9は、例えばモータ,インバータ,DC/DCコンバータ,減速機,バッテリ,冷却装置であり、駆動損失が熱として放出される機器である。
【0019】
冷凍サイクル回路90には、冷媒40を圧縮する圧縮機1,冷媒40と外気との熱交換を行う室外熱交換器2,液配管12、および空調用回路91A内の空調用冷却媒体41Aと熱交換を行う空調用熱交換器4Aが環状に接続されている。圧縮機1の吸込配管11と吐出配管10との間には、四方弁20が設けられている。四方弁20を切り換えることにより、吸込配管11および吐出配管10のいずれか一方を室外熱交換器2に接続し、他方を空調用熱交換器4Aに接続することができる。図2は、暖房運転時を示しており、四方弁20は、吐出配管10を空調用熱交換器4Aに接続し、吸込配管11を室外熱交換器2に接続している。
【0020】
冷凍サイクル回路90の冷媒40と機器冷却媒体41Bとの間で熱交換を行う冷却用熱交換器4Bは、一端が液配管12に接続されており、他端が三方弁21を介して圧縮機1の吐出配管10および吸込配管11のいずれか一方に切り換え可能に接続されている。液配管12には、レシーバ24が設けられている。液配管12上のレシーバ24と室外熱交換器2との間、空調用熱交換器4Aとレシーバ24との間、および冷却用熱交換器4Bとレシーバ24との間には、流量制御手段として作用する膨張弁23,22A,22Bが設けられている。また、室外熱交換器2には外気送風用の室外ファン3が備えられている。
【0021】
空調用回路91Aには、室内ファン8により車室内へ吹き出される空気との熱交換を行う室内熱交換器7A,空調用冷却媒体41Aを循環させる循環ポンプ5A、および空調用熱交換器4Aが、順に環状に接続されている。
【0022】
機器冷却回路91Bは、室内熱交換器7Aから流出された空気と熱交換する室内熱交換器7B,リザーバタンク6,機器冷却媒体41Bを循環させる循環ポンプ5B,冷却用熱交換器4B、およびモータ,インバータ,バッテリ等の発熱体9が順に環状に接続されている。また、機器冷却回路91Bには、室内熱交換器7Bの両端をバイパスするバイパス回路30が設けられている。バイパス回路30には二方弁25が設けられ、室内熱交換器7Bを通る主回路31には二方弁26が設けられている。これらの二方弁25,26の開閉動作により、機器冷却媒体41Bの流路を任意に構成することが可能となっている。
【0023】
(暖房運転)
本実施の形態では、暖房運転時に発熱体9の排熱を回収し、車室内暖房に利用する。この場合、暖房負荷が小さい時には、冷凍サイクル回路90を利用せずに発熱体9の排熱により暖房を行い、発熱体9の排熱だけでは暖房負荷に満たない場合には、冷凍サイクル回路90を併用する。
【0024】
発熱体9の排熱のみにより暖房を行う場合には、循環ポンプ5Bと室内ファン8を起動し、かつ二方弁26を開いて室内熱交換器7Bに機器冷却媒体41Bを導入する。機器冷却媒体41Bは発熱体9によって加熱されているので、室内熱交換器7Bにおいて室内吹出し空気へ放熱することによって、機器冷却媒体41Bは冷却され、室内吹出し空気が加熱される。
【0025】
一方、発熱体9からの排熱だけでは暖房負荷に満たない場合には、冷凍サイクル回路90を併用する。この場合、四方弁20が実線で示すように切り換えられ、圧縮機1の吐出配管10は空調用熱交換器4Aに接続され、吸込配管11は室外熱交換器2に接続される。すなわち、空調用熱交換器4Aを凝縮器、室外熱交換器2を蒸発器とするサイクルが形成される。
【0026】
圧縮機1で圧縮された冷媒40は、空調用熱交換器4Aで空調用冷却媒体41Aへ放熱することによって凝縮液化する。その後、膨張弁23で減圧された後、室外熱交換器2において室外空気との熱交換によって蒸発・ガス化して圧縮機1へと戻る。なお、膨張弁22Aは全開、膨張弁22Bは全閉となっており、冷却用熱交換器4Bは利用しない。
【0027】
循環ポンプ5Aを起動することにより、空調用熱交換器4Aで冷媒40の凝縮熱をもらって昇温された空調用冷却媒体41Aは室内熱交換器7Aへ流入し、室内熱交換器7Aにおいて室内吹出し空気へ放熱する。室内熱交換器7Aで加熱された空気は、空気の流れの下流側に配置された室内熱交換器7Bにおいて、発熱体9によって加熱された機器冷却媒体41Bから熱をもらい、さらに昇温されてから室内空間へ吹き出される。
【0028】
このように、室内吹出し空気は、冷凍サイクル回路90によって加熱された後に、発熱体9の排熱でさらに加熱される構成となっている。そのため、室内熱交換器7Aからの吹出し空気温度を、室内熱交換器7Bからの室内吹出し空気温度に対して低く保つことができる。すなわち、発熱体9からの排熱を暖房に利用することによって、エネルギー消費の少ない空調装置を構成することができる。
【0029】
(除霜運転)
ところで、室外熱交換器2を蒸発器として用いる運転を継続すると、熱交換器の表面に霜が成長する場合があるので、霜を融かす除霜運転を行う必要がある。除霜運転時には、四方弁20および三方弁21を図4の実線で示すように切換える。そして、膨張弁22Aを全閉とし、室外熱交換器2を凝縮器、冷却用熱交換器4Bを蒸発器とするサイクルを形成する。一方、二方弁26を閉じて主回路31への流れを遮断し、バイパス回路30へ機器冷却媒体41Bを流す。
【0030】
空調用熱交換器4Aを蒸発器として利用すると、車室内に吹き出される空気の温度が低下しやすくなる。そこで、発熱体9からの排熱を熱源として利用することで、車室内の温度低下を防止するようにした。また、車室内へ吹き出される空気を熱源とする場合には、熱量が不足して除霜時間が長くなる可能性があるが、発熱体9が接続されて温度が高く保たれている機器冷却媒体41Bを除霜用の熱源として利用できるので、除霜用の熱源を確保することができ、除霜時間を短縮できるメリットが得られる。なお、除霜運転中は室内ファン8の風量を抑制もしくは停止することで、吹出し温度の低下を抑制することができる。
【0031】
(冷房運転)
図3は、冷房運転時の動作を説明する図である。ここで冷房運転とは、室外熱交換器2を凝縮器、空調用熱交換器4Aと冷却用熱交換器4Bを蒸発器として用いて、空調用回路91Aと機器冷却回路91Bを共に冷却可能とした運転モードであり、四方弁20を実線で示す状態とする。
【0032】
圧縮機1で圧縮された冷媒40は、室外熱交換器2で放熱することによって液化した後、レシーバ24によって空調用熱交換器4Aへ流れる冷媒と冷却用熱交換器4Bへ流れる冷媒とに分岐される。空調用熱交換器4Aに流れる冷媒は、減圧手段(膨張弁22A)で減圧されて低温・低圧となり、空調用熱交換器4Aにおいて空調用回路91Aの空調用冷却媒体41Aから吸熱することによって蒸発し、四方弁20を通って圧縮機1へ戻る。一方、冷却用熱交換器4Bへ流れる冷媒は、減圧手段(膨張弁22B)で減圧されて低温・低圧となり、冷却用熱交換器4Bにおいて機器冷却回路91Bの機器冷却媒体41Bから吸熱することによって蒸発し、三方弁21を通って圧縮機1へと戻る。
【0033】
空調用回路91Aに設けられた循環ポンプ5Aを駆動すると、空調用熱交換器4Aで冷却された空調用冷却媒体41Aが室内熱交換器7Aに供給される。そして、室内ファン8を駆動すると、室内熱交換器7Aで熱交換して冷却された空気が車室内へ吹き出される。また、機器冷却回路91Bに設けられた循環ポンプ5Bを駆動すると、発熱体9によって加熱された機器冷却媒体41Bが、冷却用熱交換器4Bにおける熱交換によって冷却される。なお、冷房運転時には主回路31の二方弁26は閉じられ、温度の高い機器冷却媒体41Bはバイパス回路30を流れる。
【0034】
このように、空調用熱交換器4Aおよび冷却用熱交換器4Bの両方を蒸発器として利用できるので、車室内の冷房と発熱体9の冷却とを同時に実現することができる。さらに、空調用熱交換器4Aと冷却用熱交換器4Bとを圧縮機1の吸込配管11に対して並列に接続し、それぞれの冷媒回路に膨張弁22A,22Bを設けているので、空調用熱交換器4Aおよび冷却用熱交換器4Bへ流れる冷媒流量を、それぞれ任意に変えることができる。その結果、機器冷却媒体41Bの温度と空調用冷却媒体41Aの温度とを、それぞれ任意の所望の温度に制御することができる。したがって、冷房を行うために空調用冷却媒体41Aの温度を十分下げた場合であっても、冷却用熱交換器4Bへ流れる冷媒流量を抑制することで、発熱体9が接続された機器冷却媒体41Bの温度を高く保つことができる。
【0035】
ところで、図1に示した機器冷却回路91Bにおいて、冬季のように外気温が低く、暖房運転する場合には、発熱体9の排熱を効率よく暖房に利用する。そのために、温度の高い発熱体9から周囲へ逃げる熱、および発熱体9から室内熱交換器7Bまでの冷媒用配管から周囲へ逃げる熱を極力抑える必要がある。一方、夏季のように外気温が高い場合には、発熱体9の温度が上がりすぎないように、発熱体9から周囲へ効率よく放熱させ、発熱体9を冷却することが必要となる。そこで、以下では、発熱体9および冷媒用配管から周囲への放熱を、外気温などの環境に応じて調整するための構造について説明する。
【0036】
[第1の放熱抑制構造]
図1は、放熱調整構造の第1の例を示す図であり、電気自動車に適用した場合を示す。図1は車体50のフロント部に駆動用のモータ53を搭載する場合の、各機器の配置を模式的に示したものである。車体50の空間51Aは、従来のエンジン自動車のエンジンルームに相当する空間である。以下では、この空間51Aのことをモータ収容室と称し、空間51Bを車室と称することにする。
【0037】
図1に示した各機器において、室内熱交換器7A,7Bおよび室内ファン8を除く他の機器は図2のモータ収容室51A内に配置される。図1では、それらの主要機器であるモータ53,モータ53を駆動制御するためのインバータ54,モータ53のトルクを増幅する減速機57,減速機からのトルクを車輪へ伝達するドライブシャフト58,冷却ユニット52,室外熱交換器2,室外ファン3を図示した。モータ53とインバータ54は減速機57に支持され、減速機57は図示しないマウント構造で、車体50に支持されている。このように、インバータ54が、モータ53が支持されている部材と同じ剛体(減速機57)に支持されることで、モータ53とインバータ54を近接配置でき、後述するように同一筺体で覆うことができる。このため、一括して、周囲空気への放熱を管理できるようになる。また、モータ53,インバータ54,減速機等の機器を、近接配置、または一体ケーシング構造することで、放熱面積を減らし、周囲空気への放熱を抑制できる。また、配管55の長さも短縮でき、周囲空気への放熱を抑制できる。
【0038】
冷却ユニット52には、図1に示した冷凍サイクル回路90に設けられた機器(圧縮機1,熱交換器4A,4B,弁20,21など)や、回路91A,91Bに設けられた循環ポンプ5A,5Bなども含まれる。図1に示した室内熱交換器7A,7Bおよび室内ファン8は車室51B内に配置される。なお、図1では、室内熱交換器7Aおよび室内ファン8の図示を省略した。図1では、モータ53,インバータ54,減速機57が図2の発熱体9に対応しており、機器冷却媒体41Bが流通する配管55で接続されている。
【0039】
図1に示すように、室外熱交換器2および室外ファン3は、外気との熱交換が効率良く行えるようにモータ収容室51Aの最前部(図示左側)に配置される。そして、冷却ユニット52やモータ53,インバータ54等は、室外熱交換器2および室外ファン3の後方に配置される。一般的に、モータ53やインバータ54は、金属製の機器筐体から周囲空気に放熱するような構造となっているため、機器筐体と周囲の空気との温度差や、機器筺体周辺の空気流速に応じて、熱が放出されている。
【0040】
冷却ユニット52,モータ53,インバータ54,配管55等が室外熱交換器2の後方に配置されれば、車両走行や室外ファン3による風71は、室外熱交換器2を通過した後、その後方に配置された冷却ユニット52,モータ53,インバータ54,配管55等に吹き付けられることになる。冷凍サイクル回路90を併用して冷却ユニット52が暖房運転を行う場合には、室外熱交換器2からの冷風がこれら機器類に吹き付けられ、機器から周囲空気への放熱が増加してしまう。すなわち、発熱体9から室内の暖房に利用できる熱量が減少してしまうことになる。一方、冷却ユニット52が冷房運転を行う場合には、室外熱交換器2からの温風がこれら機器類に吹き付けられる。冷房運転する場合は、外気温度が比較的高いため、発熱体9から周囲空気への放熱を促進すべきであるが、温風により発熱体9の冷却能力が低下する恐れがある。
【0041】
そこで、第1の放熱抑制構造においては、発熱体であるモータ53,インバータ54,減速機57,温度の高い機器冷却媒体41Bが流れる配管55を、周囲空気への放熱を調整可能な筐体56内に収納し、発熱体からモータ収容室51A内の空気への放熱量を調整できるようにした。筐体56には、周囲空気への放熱を調整するための通風孔61Aと通風孔61Bが備わっている。通風孔61Aは、筺体56の車両前方側に配置され、通風孔61Aを通して周囲空気の外気が導入される。通風孔61Bは、筺体56の車両後方側に配置され、通風孔61Bを通して筺体56から空気が放出される。
【0042】
通風孔61Aには、電気的な制御によって通風量を調整可能な調整機構が備わり、モータ53,インバータ54,配管55,減速機57から空気への放熱量が制御される。この通風量の調整機構は、例えば電気的に角度を制御可能な空気制御弁62であり、筺体56と周囲環境との空気の出入りを抑制したいときには空気制御弁62を閉じる方向に制御され、空気の出入りを促進したいときには空気制御弁62を開ける方向に制御される。空気制御弁62は、駆動電流が通電されない場合には開弁状態となるように、バネ等で回転支持される。空気制御弁62の具体的な構造例としては、エンジンのスロットルバルブや、建築物の換気扇に用いられる電気式シャッターなどの構造が応用される。
【0043】
通風孔61Aは、図1に示すようにダクト形状となっており、発熱体9から離れた車両前方から空気を導入する構成となっている。これにより、モータ収容室51Aの外部から比較的低温の空気を取り込むことができ、効率良く発熱体9を冷却することができる。
【0044】
通風孔61Bには、通風孔61Bの出入り口の圧力差に応じて開口面積が機械的に変化する開口調整機構が備わる。開口調整機構は例えば、風圧式シャッター63であり、筺体56内の空気圧力が、周囲空気の外気圧力よりも開口し、筺体56内の空気が放出される。このように、筺体56の通風孔の一方に、通風孔前後の圧力差によって、機械的に開閉する開口調整機構を採用することで、空気制御弁62を新たに設置する必要がなく、簡素な放熱調整手段を提供することができる。
【0045】
通風孔61Aには、さらに、筺体56への導入空気を圧送制御するための送風ファン64が備わる。送風ファン64は、モータ53,インバータ54から外気へ放熱すべき熱量、または暖房として回収すべき熱量に応じて回転数が制御される。
【0046】
制御装置65は、図示しない電線によって、冷却ユニット52,インバータ54,空気制御弁62,送風ファン64と電気的に接続されている。この制御装置65は、冷却ユニット52,モータ53,インバータ54の駆動状態や、車両の速度,周囲空気の温度,車室内空気の温度などの情報に基づいて、通風孔61Aと通風孔61Bに通すべき風量を演算し、空気制御弁62と送風ファン64の駆動状態を制御する。
【0047】
制御装置65は、周囲空気の温度が低く、車室内空気の温度を上昇させる必要がある場合、または運転者が暖房運転の操作を行った場合には、冷却ユニット52の暖房運転を開始する。暖房運転時には、上述のように発熱体9の排熱を回収し、車室内暖房に利用する。制御装置65は、発熱体9から周囲空気への放熱を抑制し、できる限り多くの発熱を室内暖房に利用するため、空気制御弁62を閉じ、送風ファン64の回転を停止、または低減する。これにより、筐体56内の空気からモータ収容室51A内の空気への熱移動は、筐体56を介した熱伝導に限られ、モータ53,インバータ54,配管55,減速機57は走行風71に常時さらされることが無く、周囲空気への放熱を抑制する効果を得ることができる。したがって、暖房運転時に、発熱体9から回収できる熱量を増加することができ、暖房に消費される電力を低減できる。
【0048】
制御装置65は、周囲空気の温度が高く、車室内空気の温度を低減させる必要がある場合、または運転者が冷房運転の操作を行った場合には、冷却ユニット52の冷房運転を開始する。冷房運転時には、発熱体9の排熱を暖房利用する必要はない。しかし、周囲空気が高温の場合、走行風71や周囲空気への放熱を利用して、効率良く冷却を行う必要がある。そこで、制御装置65は、発熱体9から周囲空気への放熱を促進し、機器冷却に消費される冷却ユニット52の電力を抑えるため、空気制御弁62を開き、送風ファン64を回転駆動させる。送風ファン64の回転速度は、周囲空気へ放熱すべき熱量に応じて変化させる。これにより、筐体56内に空気が流通し、モータ53,インバータ54,配管55,減速機57から周囲空気への放熱を促進する効果を得ることができる。したがって、冷房運転時に、発熱体9を効率良く冷却することができ、冷房と機器冷却に消費される電力を低減できる。
【0049】
制御装置65は、外気温度が運転者にとって適温であり、車室内空気の温度を調整する必要がない場合には、発熱体9の状態に応じて空気制御弁62と、送風ファン64を駆動制御する。発熱体9から空気への放熱を抑制する必要が特にない場合には、空気制御弁62を開弁状態とし、送風ファン64を停止し、空気制御弁62と送風ファン64の消費電力を抑えながら、自然空冷としての機器冷却能力を確保する。
【0050】
また、空気制御弁62は、無通電時に開弁する機構(ノーマルオープン)となっているため、制御装置65や空気制御弁62の電気的な故障が発生した場合においても、発熱体9から周囲空気への放熱は確保される。この状態では暖房利用できる発熱量は減少するが、発熱体9の過剰な温度上昇による走行性能低下を回避することができる。
【0051】
一方、車室内空気の温度を調整する必要がない場合でも、減速機57のギヤ損失を低減するために、減速機57の潤滑油の温度上昇を促進したい場合には、空気制御弁62を閉じ、送風ファン64を停止状態に制御する。これにより、減速機57から周囲空気への放熱量を抑えることができ、減速機57の潤滑油温度を短時間で上昇できる。
【0052】
このように内部の風量を調整可能な筐体56を設けることで、発熱体9および冷媒用配管から周囲への放熱を、外気温などの環境に応じて調整することが可能となる。
【0053】
筐体56の材料としては断熱性に優れた材料が好ましいが、金属であっても構わない。また、筐体56を二重壁とすることにより、金属材料であっても充分な断熱効果を得ることが可能となる。
【0054】
なお、図1では、車室内の暖房機能を実現するために、冷凍サイクル回路90を備える冷却ユニット52を構成要素としたが、暖房機能の手段として、従来のガソリンエンジン車等でも一般的に適用されてきた、ラジエータ,ウォータポンプ,室内熱交換器(ヒータコア)で構成される暖房手段でも良い。すなわち、筐体56の効果によって、暖房時にはヒータの水温上昇を促し、暖房が必要ない場合には、周囲空気への放熱を促進することができる。
【0055】
また、図1では、モータ53,インバータ54,配管55および減速機57の全体を一つの筐体56内に収納したが、個々の機器毎に断熱材の筐体で囲うようにしても良い。また、冷却ユニット52や、図示しないDC/DCコンバータ,充電器など発熱する機器を、筐体56と同じ機能を持つ筺体に収納しても良い。
【0056】
図5は、放熱調整構造の第2の例を示す図であり、図1の第1例と同様に電気自動車に適用した場合を示す。尚、図1の第1例と同様の構成や動作についての説明を省略する。
【0057】
図5では、筐体56の一部が、車体50の一部と共通化される。車体のボンネット50Bの下面に、筐体部材56Bが配置され、筐体56の一部材として構成される。また、モータ収容室51Aと車室51Bの隔壁50Cも筐体56の一部材56Cとして構成される。この筐体部材56Cは、隔壁50Cと、それに貼られた断熱材によって構成される。また、発熱体9の下面には、断熱特性に優れた筺体カバー56Dが設置される。これら筐体部材56B,56C,筺体カバー56Dによって、筺体56が構成される。このように、筺体56の一部を、車体50の一部と共通化することによって、筺体56の形状を発熱体の凹凸形状に合わせて複雑化することなく、比較的簡素な形状の筐体部材とカバーで構成することができ、低コストの駆動装置を実現することができる。また、筺体56の一部を、車体50の一部と共通化できれば、発熱体に取り付ける筺体部材の重量を軽くすることができる。また、車体50に取り付けられた筺体部材56B,56Cは、モータや減速機からの振動の影響を受けにくくなるため、信頼性の高い筺体56を構成することができる。
【0058】
図5の空気制御弁62は、多段のフラップが回転することによって、通風量を可変化する放熱調整手段を有している。これによって、通風孔61Aの開口面積を大きく確保することができ、より多くの風量によって発熱体9をより効率良く冷却することができる。また、空気制御弁62のフラップは、車両前方から圧力を受けると、フラップが開く方向に回転するような構造を有する。これにより、制御装置65や空気制御弁62の電気的な故障が発生した場合においても、走行中は発熱体9から周囲空気への放熱が確保できる。この状態では暖房利用できる発熱量は減少するが、発熱体9の過剰な温度上昇による走行性能低下を回避することができる。
【0059】
図6は、放熱調整構造の第3の例を示す図である。尚、前述の構造例と同様の構成や動作についての説明を省略する。
【0060】
図6の空気制御弁62は、通風孔61Aがスリット状に複数配置され、このスリットの開閉を制御するスライド弁82を有している。これによって、通風孔61Aの開口面積を大きく確保することができ、より多くの風量によって発熱体9をより効率良く冷却することができる。また、スライド弁82の動作方向(図6の上下方向)には通過する空気の圧力が作用しにくいため、比較的小さい動力でスライド弁82を駆動することできる。また、本例では、スライド弁82が並進するような構造を説明したが、スライド弁が回転するようなスライド弁82であっても良い。
【0061】
また、図6のモータ53,インバータ54,減速機57は、金属筺体が共有され、一体構造を成している。つまり、インバータ54がモータ53と減速機57に支持され、またはモータ53が支持されている部材と同じ剛体に支持され、モータとインバータが同一の筺体によって覆われている。これにより、断熱のための筺体56を小さくすることができ、小型な駆動装置を提供することができる。
【0062】
また、図6のドライブシャフト58は、ドライブシャフト長手方向に関して、車輪側ではなく、モータ側(減速機側)58Aにて筺体56を貫通する。ドライブシャフト58は車輪の振動や、車輪の転舵によってドライブシャフトの車輪側が大きく揺動する。すなわち、ドライブシャフト58の減速機側58Aの揺動する範囲は比較的小さい。従って、ドライブシャフト58の長手方向の中心位置よりも減速機側58Aにて筺体56を貫通することによって、ドライブシャフト貫通部の筺体56の穴を小さくでき、断熱性能の高い筺体56を提供することができる。すなわち、筺体56の貫通穴を小さくできることによって、空気が漏れる量を抑制することができ、筺体56からの放熱を抑えることができる。
【0063】
図7は、放熱調整構造の第4の例を示す図である。図7は、駆動装置を車両前方から見た図である。尚、前述の構造例と同様の構成や動作についての説明を省略する。
【0064】
図7のドライブシャフト58は、図6の第3例と同様に、ドライブシャフト長手方向に関して、車輪側ではなく、モータ側(減速機側)58Aにて筺体56を貫通する。ドライブシャフト58は車輪の振動や、車輪の転舵によって揺動するが、ドライブシャフト58の減速機側58Aの揺動は比較的小さい。従って、ドライブシャフト58の減速機側58Aにて筺体56を貫通することによって、ドライブシャフト貫通部の筺体56の穴を小さくでき、断熱性能の高い筺体56を提供することができる。すなわち、筺体56の貫通穴を小さくできることによって、空気が漏れる量を抑制することができ、筺体56からの放熱を抑えることができる。
【0065】
また、図7の筺体56は、インバータ54の全体を囲うのではなく、インバータ54の下部のみを囲っている。また、インバータ54の上部には、断熱性に優れた断熱カバー84によって覆われている。インバータ54の中でも放熱量が多い箇所が、インバータ54の下部である場合においては、上記のようにインバータ54の下部のみを筺体56にて囲えば、発熱体9からの熱量を十分回収でき、暖房に消費される電力を低減できる。また、インバータ54の上部には、断熱性に優れた断熱カバー84によって覆うことによって、比較的少ない熱量ながらも、インバータ54の上部からの放熱を抑制することができる。この場合、インバータ54の上部からの放熱は少ないとすれば、放熱調整手段によって、インバータ54上部の放熱を調整しなくとも、インバータ54全体を十分冷却することができる。
【0066】
図8は、放熱調整構造の第5の例を示す図である。
【0067】
図8の駆動装置は、車両の後輪軸に設置された例を示している。また、図8では、冷凍サイクル回路90を備える冷却ユニット52を構成要素として使わず、室外熱交換器(ラジエータ)2,室外ファン3,ウォータポンプ,室内熱交換器(ヒータコア)7Bで構成される暖房手段の例である。冷却ユニット52には、ウォータポンプと流路を切り替える制御弁が備わっている。
【0068】
冷却ユニット52は通常、発熱体9とラジエータ(室外熱交換器2,室外ファン3)へ冷却水を循環させている(図8のa方向とb方向)。暖房動作を行うときには、図8のcの流路も導通させ、発熱体9からの熱を室内熱交換器7Bを介して室内へ供給する。またこのとき、ラジエータ(室外熱交換器2,室外ファン3)による冷却が不要なほど冷却水の温度が低い場合には、ラジエータ(室外熱交換器2,室外ファン3)への循環を遮断し、発熱体9と室内熱交換器7Bとの間で冷却水を循環させる(図8のa方向とc方向)。
【0069】
図8の筐体でも、図5の筺体と同様に、筺体56の一部を、車体50の一部と共通化し、発熱体に取り付けられる筺体部材の重量を軽くできる。また、ラジエータファン3の駆動による風量を、筺体56の送風ファン64として併用している。これにより、ファンの数を減らすことができ、小型で低コストの駆動装置を実現することができる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態の電動車両の駆動装置は、車両を電動駆動するための機器であるモータ53,インバータ54等と室内熱交換器7Bとの間で機器冷却媒体41Bを循環させて、機器から吸収した熱を室内熱交換器7Bにおいて車室内空気へと放出する機器冷却回路91Bと、を備える。そして、機器から周囲空気への放熱を抑制する放熱調整手段として、機器を覆う断熱材で形成され、風量を調整可能な筐体56を設ける構成とした。
【0071】
このような放熱調整手段を設けたことにより、車室内の空気を暖房する場合には、機器から周囲空気への放熱が抑制され、機器から吸収した熱の車室内空気への放出を効率的に行うことができ、車室内の空気を暖房しない場合には、機器から周囲空気への放熱が促進され、機器の冷却を効率的に行うことができる。
【0072】
上述した各実施形態はそれぞれ単独に、あるいは組み合わせて用いても良い。それぞれの実施形態での効果を単独あるいは相乗して奏することができるからである。また、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0073】
1 圧縮機
2 室外熱交換器(ラジエータ)
3 室外ファン
4A 空調用熱交換器
4B 冷却用熱交換器
5A,5B 循環ポンプ
6 リザーバタンク
7A,7B 室内熱交換器(ヒータコア)
8 室内ファン
9 発熱体
10 吐出配管
11 吸込配管
12 液配管
20 四方弁
21 三方弁
22A,22B,23 膨張弁
24 レシーバ
25,26 二方弁
30 バイパス回路
31 主回路
40 冷媒
41A 空調用冷却媒体
41B 機器冷却媒体
50 車体
50B ボンネット
50C 隔壁
51A モータ収容室
51B 車室
52 冷却ユニット
53 モータ
54 インバータ
55 配管
56 筐体
56B,56C 筐体部材
56D 筺体カバー
57 減速機
58 ドライブシャフト
61A,61B 通風孔
62 空気制御弁
63 風圧式シャッター
64 送風ファン
65 制御装置
71 風
82 スライド弁
84 断熱カバー
90 冷凍サイクル回路
91A 空調用回路
91B 機器冷却回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を電動駆動するための機器と、前記機器から吸収した熱を車室内空気へ輸送する熱輸送手段とを備えた電動車両の駆動装置であって、
前記機器から周囲空気への放熱量を調整する放熱調整手段を備えたことを特徴とする電動車両の駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電動車両の駆動装置において、
前記放熱調整手段は、前記周囲空気の温度、または車室内空気の温度に応じて、周囲空気への放熱量を調整することを特徴とする電動車両の駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の電動車両の駆動装置において、
前記放熱調整手段は、前記機器から吸収した熱を車室内空気へ輸送し、前記車室内空気を暖房する場合に、周囲空気への放熱量を抑制するように前記放熱調整手段を制御することを特徴とする電動車両の駆動装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電動車両の駆動装置において、
前記放熱調整手段は、前記機器の周辺に空気層を確保する筺体であり、前記筺体には、電気的に開口面積を調整可能な通風孔が備わることを特徴とする電動車両の駆動装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電動車両の駆動装置において、
前記通風孔は、電気が通電されていない無通電状態では開口状態になることを特徴とする電動車両の駆動装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電動車両の駆動装置において、
前記通風孔は、前記筺体内部へ空気が流入するための入口側通風孔と、空気が流出するための出口側通風孔とで構成され、前記入口側通風孔または前記出口側通風孔のいずれか一方に、電気的な制御によって通風量が調整可能な調整機構が備わり、他方の通風孔には、通風孔前後の圧力差に応じて開口面積が機械的に変化する調整機構が備わることを特徴とする電動車両の駆動装置。
【請求項7】
請求項1に記載の電動車両の駆動装置において、
前記放熱調整手段は、前記筺体へ流入する空気を調整するためのファンを有することを特徴とする電動車両の駆動装置。
【請求項8】
請求項4に記載の電動車両の駆動装置において、
車両を電動駆動するための機器が、モータと、前記モータを駆動制御するインバータであり、前記インバータが前記電気モータに支持され、または電気モータが支持されている部材と同じ剛体に支持され、前記モータと前記インバータが同一の筺体によって覆われることを特徴とする電動車両の駆動装置。
【請求項9】
請求項1に記載の電動車両の駆動装置において、
前記モータの駆動トルクを車輪に伝達するドライブシャフトが前記筺体を貫通し、前記ドライブシャフトが前記筺体を貫通する位置が、ドライブシャフト長手方向のモータ側であることを特徴とする電動車両の駆動装置。
【請求項10】
請求項1に記載の電動車両の駆動装置において、
車体の一部が前記筺体の一部として構成されていることを特徴とする電動車両の駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−51386(P2012−51386A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193069(P2010−193069)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】