説明

電子ビーム装置

【課題】原盤作製用ディスクに対するピット形成に必要な情報の記録を高精度に行うことができる電子ビーム装置を提供する。
【解決手段】原盤作製用ディスク2の1ピット形成部分を照射する情報記録用電子ビーム鏡筒の数が内周部から外周部にかけて多くなるように情報記録用電子ビーム鏡筒(46−1〜55−1、46−2〜55−2、46−3〜55−3、46−4〜55−4)を配置し、原盤作製用ディスク2を一定角速度で回転させる場合においても、原盤作製用ディスク2の半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を均等化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクを作製するために必要な原盤を作製する場合に使用される電子ビーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子情報処理装置において、情報記録媒体として使用されるディスクのうち、CD−ROMや光磁気ディスク(MO)等の光ディスクは、可搬型の大容量記録媒体であることを特徴とし、広く使用されている。
【0003】
これらの光ディスクは、ピット(凹部)を有することから、たとえば、ガラス基板にレジスト層を形成してなる原盤作製用ディスクを用意し、この原盤作製用ディスクのレジスト層を加工して原盤を作製し、更に、この原盤を使用してスタンパと呼ばれる金型を作製した後、この金型を使用して作製される。
【0004】
従来、原盤は、光ディスクに記憶すべきデジタル情報に応じたレーザビームを原盤作製用ディスクのレジスト層に照射し、原盤作製用ディスクに必要なピットを形成することにより作製されていた。
【0005】
しかし、レーザビームを使用する原盤の作製では、更なる高記録密度化が困難であると考えられることから、電子ビームを使用する原盤の作製が検討されており、原盤作製に使用される種々の電子ビーム装置が提案されている(特許文献1、特許文献2、非特許文献1)。
【0006】
特に、特許文献1及び特許文献2においては、原盤作製用ディスクの電子ビーム照射箇所を一括照射できないことに起因する電子ビーム装置の欠点である低スループットを改善することを目的として、小型の電子ビーム鏡筒を2次元に配列し、原盤作製用ディスクに対して同時に複数の電子ビームを照射することができるようにした電子ビーム装置が記載されている。
【特許文献1】特開平2−214046号公報
【特許文献2】特開平4−335226号公報
【非特許文献1】第44回春季応用物理学会予稿集(1997)31a−NF−9
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載されている電子ビーム装置や、特許文献2に記載されている電子ビーム装置においては、動作不良の電子ビーム鏡筒を検出することができず、動作不良の電子ビーム鏡筒が発生した場合、直ちに、これに対応することができず、作業効率の大幅な低下を招いてしまうという問題点があった。
【0008】
また、従来の電子ビーム装置においては、原盤作製用ディスクと電子ビーム鏡筒群との位置合わせは、原盤作製用ディスクを保持するステージ機構系の精度に依存したものであり、原盤作製用ディスクと電子ビーム鏡筒群とを積極的に整合させる手段を有していなかったので、ピットの形成を高精度に行うことができない場合があるという問題点があった。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑み、複数の電子ビームを配置してなる電子ビーム鏡筒群を備え、スループットの向上を図ることができると共に、不良の電子ビーム鏡筒が発生した場合においても、作業効率の低下を最小限に抑えることができるようにした電子ビーム装置を提供することを第1の目的とする。
【0010】
また、本発明は、複数の電子ビームを配置してなる電子ビーム鏡筒群を備え、スループットの向上を図ることができると共に、不良の電子ビーム鏡筒が発生した場合においても、作業効率の低下を最小限に抑えることができ、しかも、原盤作製用ディスクと電子ビーム鏡筒群との整合を図ることができ、原盤作製用ディスクに対するピット形成に必要な情報の記録を高精度に行うことができるようにした電子ビーム装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明中、第1の発明の電子ビーム装置は、原盤作製用ディスクを保持させて回転させるための原盤作製用ディスク保持手段と、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクの回転中心から異なる半径方向距離ごとに複数の情報記録用電子ビーム鏡筒を回転対称に配置してなる情報記録用電子ビーム鏡筒群と、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出する不良情報記録用電子ビーム鏡筒検出手段とを備えているというものである。
【0012】
本発明中、第1の発明の電子ビーム装置によれば、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクの回転中心から異なる半径方向距離ごとに複数の情報記録用電子ビーム鏡筒を回転対称に配置してなる情報記録用電子ビーム鏡筒群を備えているので、原盤作製用ディスクの電子ビーム照射箇所に対する電子ビームの照射を回転対称にある複数の情報記録用電子ビーム鏡筒で分担し、並行して行うことができる。
【0013】
また、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出する不良情報記録用電子ビーム鏡筒検出手段を備えているので、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を自動的に検出することができ、しかも、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクの異なる半径方向距離ごとに複数の情報記録用電子ビーム鏡筒を回転対称に配置してなる情報記録用電子ビーム鏡筒群を備えているので、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出したときは、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が分担する電子ビーム照射箇所に対する電子ビーム照射を回転対称にある他の情報記録用電子ビーム鏡筒を使用して行うことができる。
【0014】
本発明中、第2の発明の電子ビーム装置は、第1の発明において、複数の情報記録用電子ビーム鏡筒の各々に対応させて予備の情報記録用電子ビーム鏡筒を備えているというものである。
【0015】
本発明中、第2の発明の電子ビーム装置によれば、第1の発明の電子ビーム装置と同様に、原盤作製用ディスクの電子ビーム照射箇所に対する電子ビームの照射を回転対称にある複数の情報記録用電子ビーム鏡筒で分担し、並行して行うことができると共に、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出したときは、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が分担する電子ビーム照射箇所に対する電子ビーム照射を予備の情報記録用電子ビーム鏡筒を使用して行うことができる。
【0016】
本発明中、第3の発明の電子ビーム装置は、第1又は第2の発明において、不良情報記録用電子ビーム鏡筒検出手段は、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクからの反射電子又は2次電子の検出量により、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出するように構成されているというものである。
【0017】
本発明中、第3の発明の電子ビーム装置によれば、第1又は第2の発明の電子ビーム装置と同様の作用を得ることができると共に、簡単な構成で、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出することができる。
【0018】
本発明中、第4の発明の電子ビーム装置は、第1又は第2の発明において、不良情報記録用電子ビーム鏡筒検出手段は、電子ビーム電流の漏れ量を検出することにより、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出するように構成されているというものである。
【0019】
本発明中、第4の発明の電子ビーム装置によれば、第1又は第2の発明の電子ビーム装置と同様の作用を得ることができると共に、簡単な構成で、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出することができる。
【0020】
本発明中、第5の発明の電子ビーム装置は、第1、第2、第3又は第4の発明において、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクを一定角速度で回転させた場合における原盤作製用ディスクの半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を出来る限り均等化する電子ビーム照射量均等化手段を備えているというものである。
【0021】
本発明中、第5の発明の電子ビーム装置によれば、第1、第2、第3又は第4の発明と同様の作用を得ることができると共に、原盤作製用ディスクを一定角速度で回転させる場合においても、原盤作製用ディスクに対するピット形成に必要な情報の記録を高精度に行うことができる。
【0022】
本発明中、第6の発明の電子ビーム装置は、第5の発明において、電子ビーム照射量均等化手段は、原盤作製用ディスクの1ピット形成部分を1個以上の情報記録用電子ビーム鏡筒で電子ビーム照射するものとし、原盤作製用ディスクの1ピット形成部分を照射する情報記録用電子ビーム鏡筒の数が原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクの内周部から外周部にかけて多くなるように情報記録用電子ビーム鏡筒を配置させることを含めて構成されているというものである。
【0023】
本発明中、第6の発明の電子ビーム装置によれば、第5の発明と同様の作用を得ることができると共に、電子ビーム照射量均等化手段を簡単な構成とすることができる。
【0024】
本発明中、第7の発明の電子ビーム装置は、第5の発明において、電子ビーム照射量均等化手段は、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクに照射される電子ビームの電流量を制御することにより、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクを一定角速度で回転させた場合における原盤作製用ディスクの半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を出来る限り均等化するように構成されているというものである。
【0025】
本発明中、第7の発明の電子ビーム装置によれば、第5の発明と同様の作用を得ることができると共に、電子ビーム照射量均等化手段を簡単な構成とすることができる。
【0026】
本発明中、第8の発明の電子ビーム装置は、第5の発明において、電子ビーム照射量均等化手段は、原盤作製用ディスクの1ピット形成部分に照射する電子ビームの照射回数を制御することにより、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクを一定角速度で回転させた場合における原盤作製用ディスクの半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を出来る限り均等化するように構成されているというものである。
【0027】
本発明中、第8の発明の電子ビーム装置によれば、第5の発明と同様の作用を得ることができると共に、電子ビーム照射量均等化手段を簡単な構成とすることができる。
【0028】
本発明中、第9の発明の電子ビーム装置は、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7又は第8の発明において、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクの回転中心を検出する原盤作製用ディスク回転中心検出手段と、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクの回転中心と複数の情報記録用電子ビーム鏡筒の回転対称中心とを整合させる整合手段とを備えているというものである。
【0029】
本発明中、第9の発明の電子ビーム装置によれば、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7又は第8の発明と同様の作用を得ることができると共に、原盤作製用ディスクに対するピット形成に必要な情報の記録を高精度に行うことができる。
【0030】
本発明中、第10の発明の電子ビーム装置は、第9の発明において、原盤作製用ディスク回転中心検出手段は、原盤作製用ディスク保持手段の原盤作製用ディスク搭載面の原盤作製用ディスク搭載箇所の外側に原盤作製用ディスクの回転中心を回転対称中心として回転対称に形成され、かつ、原盤作製用ディスクの回転方向に沿った幅が原盤作製用ディスクの回転中心からの距離によって異なる同一形状の複数の原盤作製用ディスク回転中心検出用マークと、複数の原盤作製用ディスク回転中心検出用マークに電子ビームを照射して複数の原盤作製用ディスク回転中心検出用マークからの反射電子又は2次電子を検出する手段を有する原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒とを含めて構成されているというものである。
【0031】
本発明中、第10の発明の電子ビーム装置によれば、第9の発明と同様の作用を得ることができると共に、原盤作製用ディスクの回転中心位置を簡単な構成で、かつ、高精度に検出することができる。
【0032】
本発明中、第11の発明の電子ビーム装置は、第9の発明において、原盤作製用ディスク回転中心検出手段は、原盤作製用ディスクに原盤作製用ディスクの回転中心を回転対称中心として回転対称に形成され、かつ、原盤作製用ディスクの回転方向に沿った幅が原盤作製用ディスクの回転中心からの距離によって異なる同一形状の複数の原盤作製用ディスク回転中心検出用マークに電子ビームを照射して原盤作製用ディスク回転中心検出用マークからの反射電子又は2次電子を検出する手段を有する原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒とを含めて構成されているというものである。
【0033】
本発明中、第11の発明の電子ビーム装置によれば、第9の発明と同様の作用を得ることができると共に、原盤作製用ディスクの回転中心を簡単な構成で、かつ、高精度に検出することができる。
【0034】
本発明中、第12の発明の電子ビーム装置は、第10又は第11の発明において、原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒として、原盤作製用ディスク回転中心検出用マークと同一数の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒が複数の情報記録用電子ビーム鏡筒の回転対称中心を回転対称中心として回転対称に配置されているというものである。
【0035】
本発明中、第12の発明の電子ビーム装置によれば、第10又は第11の発明と同様の作用を得ることができると共に、複数の原盤作製用ディスク回転中心検出用マークの検出信号を同時に得ることができるので、原盤作製用ディスクの回転中心を効率的に検出することができる。
【0036】
本発明中、第13の発明の電子ビーム装置は、第10、第11又は第12の発明において、原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒に対応させて予備の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒が配置されているというものである。
【0037】
本発明中、第13の発明の電子ビーム装置によれば、不良の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒が発生した場合には、予備の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒を使用することができる。
【0038】
本発明中、第14の発明の電子ビーム装置は、第9、第10、第11、第12又は第13の発明において、整合手段は、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクの回転中心と、複数の情報記録用電子ビーム鏡筒の回転対称中心とが一致するように、原盤作製用ディスク保持手段又は情報記録用電子ビーム鏡筒群を移動する移動手段を含めて構成されているというものである。
【0039】
本発明中、第14の発明の電子ビーム装置によれば、第9、第10、第11、第12又は第13の発明と同様の作用を得ることができると共に、簡単な構成で、原盤作製用ディスクと電子ビーム鏡筒群との整合を図ることができる。
【0040】
本発明中、第15の発明の電子ビーム装置は、第9、第10、第11、第12又は第13の発明において、整合手段は、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクの回転中心と、情報記録用電子ビーム鏡筒の回転対称中心とが一致している場合と同様の電子ビーム照射を行うことができるように、複数の情報記録用電子ビーム鏡筒内の偏向器に供給する偏向信号を補正する補正手段を含めて構成されているというものである。
【0041】
本発明中、第15の発明の電子ビーム装置によれば、第9、第10、第11、第12又は第13の発明と同様の作用を得ることができると共に、簡単な構成で、原盤作製用ディスクと電子ビーム鏡筒群との整合を図ることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明中、第1の発明の電子ビーム装置によれば、原盤作製用ディスクの電子ビーム照射箇所に対する電子ビームの照射を回転対称にある複数の情報記録用電子ビーム鏡筒で分担し、並行して行うことができるので、スループットの向上を図ることができると共に、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出したときは、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が分担する電子ビーム照射箇所に対する電子ビーム照射を回転対称にある他の情報記録用電子ビーム鏡筒を使用して行うことができるので、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が発生した場合においても、作業効率の低下を最小限に抑えることができる。
【0043】
また、本発明中、第2の発明の電子ビーム装置によれば、第1の発明の電子ビーム装置と同様に、原盤作製用ディスクの電子ビーム照射箇所に対する電子ビームの照射を回転対称にある複数の情報記録用電子ビーム鏡筒で分担し、並行して行うことができるので、スループットの向上を図ることができると共に、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出したときは、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が分担する電子ビーム照射箇所に対する電子ビーム照射を予備の情報記録用電子ビーム鏡筒を使用して行うことができるので、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が発生した場合においても、作業効率の低下を最小限に抑えることができる。
【0044】
また、本発明中、第3の発明の電子ビーム装置によれば、第1又は第2の発明の電子ビーム装置と同様の効果を得ることができると共に、不良情報記録用電子ビーム鏡筒検出手段は、原盤作製用ディスクからの反射電子又は2次電子の検出量により、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出するように構成するとしているので、簡単な構成で、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出することができるという格別の効果を得ることができる。
【0045】
また、本発明中、第4の発明の電子ビーム装置によれば、第1又は第2の発明の電子ビーム装置と同様の効果を得ることができると共に、不良情報記録用電子ビーム鏡筒検出手段は、電子ビーム電流の漏れ量を検出することにより、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出するように構成するとしているので、簡単な構成で、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出することができるという格別の効果を得ることができる。
【0046】
また、本発明中、第5の発明の電子ビーム装置によれば、第1、第2、第3又は第4の発明の電子ビーム装置と同様の効果を得ることができると共に、原盤作製用ディスクを一定角速度で回転させた場合における原盤作製用ディスクの半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を出来る限り均等化する電子ビーム照射量均等化手段を備えるとしているので、原盤作製用ディスクを一定角速度で回転させる場合においても、原盤作製用ディスクに対するピット形成に必要な情報の記録を高精度に行うことができるという格別の効果を得ることができる。
【0047】
また、本発明中、第6の発明の電子ビーム装置によれば、第5の発明の電子ビーム装置と同様の効果を得ることができると共に、電子ビーム照射量均等化手段は、原盤作製用ディスクの1ピット形成部分を1個以上の情報記録用電子ビーム鏡筒で電子ビーム照射するものとし、原盤作製用ディスクの1ピット形成部分を照射する情報記録用電子ビーム鏡筒の数が原盤作製用ディスクの内周部から外周部にかけて多くなるように情報記録用電子ビーム鏡筒を配置させることを含めて構成するとしているので、電子ビーム照射量均等化手段を簡単な構成とすることができるという格別の効果を得ることができる。
【0048】
また、本発明中、第7の発明の電子ビーム装置によれば、第5の発明の電子ビーム装置と同様の効果を得ることができると共に、電子ビーム照射量均等化手段は、原盤作製用ディスクに照射される電子ビームの電流量を制御することにより、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクを一定角速度で回転させた場合における原盤作製用ディスクの半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を出来る限り均等化するように構成するとしているので、電子ビーム照射量均等化手段を簡単な構成とすることができるという格別の効果を得ることができる。
【0049】
また、本発明中、第8の発明の電子ビーム装置によれば、第5の発明の電子ビーム装置と同様の効果を得ることができると共に、電子ビーム照射量均等化手段は、原盤作製用ディスクの1ピット形成部分に照射する電子ビームの照射回数を制御することにより、原盤作製用ディスク保持手段に保持させた原盤作製用ディスクを一定角速度で回転させた場合における原盤作製用ディスクの半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を出来る限り均等化するように構成するとしているので、電子ビーム照射量均等化手段を簡単な構成とすることができるという格別の効果を得ることができる。
【0050】
また、本発明中、第9の発明の電子ビーム装置によれば、第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7又は第8の発明と同様の効果を得ることができると共に、原盤作製用ディスクの回転中心と複数の情報記録用電子ビーム鏡筒の回転対称中心とを整合させる整合手段とを備えているので、原盤作製用ディスクに対するピット形成に必要な情報の記録を高精度に行うことができるという格別の効果を得ることができる。
【0051】
また、本発明中、第10の発明の電子ビーム装置によれば、第9の発明と同様の効果を得ることができると共に、原盤作製用ディスク回転中心検出手段は、原盤作製用ディスク保持手段の原盤作製用ディスク搭載面に形成された複数の原盤作製用ディスク回転中心検出用マークと、複数の原盤作製用ディスク回転中心検出用マークに電子ビームを照射して反射電子又は2次電子を検出する手段を有する原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒とを含めて構成するとしているので、原盤作製用ディスクの回転中心位置を簡単な構成で、かつ、高精度に検出することができるという格別の効果を得ることができる。
【0052】
また、本発明中、第11の発明の電子ビーム装置によれば、第9の発明と同様の効果を得ることができると共に、原盤作製用ディスク回転中心検出手段は、原盤作製用ディスクに形成された複数の原盤作製用ディスク回転中心検出用マークに電子ビームを照射して反射電子又は2次電子を検出する手段を有する原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒を含めて構成するとしているので、原盤作製用ディスクの回転中心位置を簡単な構成で、かつ、高精度に検出することができるという格別の効果を得ることができる。
【0053】
また、本発明中、第12の発明の電子ビーム装置によれば、第10又は第11の発明と同様の作用を得ることができると共に、原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒として、原盤作製用ディスク回転中心検出用マークと同一数の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒が複数の情報記録用電子ビーム鏡筒の回転対称中心を回転対称中心として回転対称に配置するとしているので、複数の原盤作製用ディスク回転中心検出用マークの検出信号を同時に得ることができ、原盤作製用ディスクの回転中心を効率的に検出することができる。
【0054】
また、本発明中、第13の発明の電子ビーム装置によれば、第10、第11又は第12の発明の電子ビーム装置と同様の効果を得ることができると共に、原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒に対応させて予備の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒を配置するとしているので、不良の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒が発生した場合には、予備の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒を使用することができ、この点からも、スループットの向上を図ることができるという格別の効果を得ることができる。
【0055】
また、本発明中、第14の発明の電子ビーム装置によれば、第9、第10、第11、第12又は第13の発明と同様の効果を得ることができると共に、整合手段は、原盤作製用ディスクの回転中心と、複数の情報記録用電子ビーム鏡筒の回転対称中心とが一致するように、原盤作製用ディスク保持手段又は情報記録用電子ビーム鏡筒群を移動する移動手段を含めて構成するとしているので、簡単な構成で、原盤作製用ディスクと電子ビーム鏡筒群との整合を図ることができるという格別の効果を得ることができる。
【0056】
また、本発明中、第15の発明の電子ビーム装置によれば、第9、第10、第11、第12又は第13の発明と同様の効果を得ることができると共に、整合手段は、原盤作製用ディスクの回転中心と、情報記録用電子ビーム鏡筒の回転対称中心とが一致している場合と同様の電子ビーム照射を行うことができるように、複数の情報記録用電子ビーム鏡筒内の偏向器に供給する偏向信号を補正する補正手段を含めて構成するとしているので、簡単な構成で、原盤作製用ディスクと電子ビーム鏡筒群との整合を図ることができるという格別の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
以下、図1〜図11を参照して、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について説明する。
【0058】
(第1実施形態・・図1〜図10)
図1は本発明の第1実施形態の概念図である。図1中、1は真空室、2は光ディスクを作製するために必要な原盤を作製するための原盤作製用ディスクであり、原盤作製用ディスク2は、たとえば、ガラス基板に電子ビームレジストを塗布して構成される。
【0059】
また、3は原盤作製用ディスク2を水平に保持させて回転させるための原盤作製用ディスク保持手段、4は原盤作製用ディスク保持手段3の回転、移動を行うステージ、5はステージ4の回転、移動を制御するステージ制御部である。
【0060】
なお、原盤作製用ディスク保持手段3が原盤作製用ディスク2を回転させる機構を備えるようにし、ステージ4は、原盤作製用ディスク保持手段3の移動のみを行うように構成しても良い。
【0061】
また、6は原盤作製用ディスク2に対してピットを形成するために必要な情報の記録を行う複数の情報記録用電子ビーム鏡筒と、原盤作製用ディスク2の回転中心を検出するための複数の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒とが配置されている電子ビーム鏡筒群である。
【0062】
また、7は電子ビーム鏡筒群6を構成する情報記録用電子ビーム鏡筒及び原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒による原盤作製用ディスク2に対する電子ビーム照射を制御する電子ビーム照射制御部である。
【0063】
また、8は情報記録用電子ビーム鏡筒及び原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒が備える反射電子検出器を介して得られる反射電子検出量から不良の電子ビーム鏡筒を検出する不良電子ビーム鏡筒検出部である。
【0064】
また、9は原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒が備える反射電子検出器を介して得られる反射電子検出信号から原盤作製用ディスクの回転中心を検出する原盤作製用ディスク回転中心検出部である。
【0065】
また、10はステージ制御部5及び電子ビーム照射制御部7の制御など、装置の全体的な制御を行うシステムコントローラである。
【0066】
図2は原盤作製用ディスク保持手段3の概略的平面図である。図2中、12は原盤作製用ディスク搭載面、13は原盤作製用ディスク搭載箇所、14は原盤作製用ディスク搭載面12の回転中心、即ち、原盤作製用ディスク2の回転中心であり、矢印Aは、原盤作製用ディスク保持手段3の回転方向、即ち、原盤作製用ディスク2の回転方向を示している。
【0067】
また、15−1〜15−4は原盤作製用ディスク搭載面12の原盤作製用ディスク搭載箇所13の外周部に原盤作製用ディスク2の回転中心14に対して90°の間隔をもって回転対称に形成された同一形状の原盤作製用ディスク回転中心検出用マークである。
【0068】
図3は図2のB−B線に沿った概略的断面図であり、原盤作製用ディスク回転中心検出用マーク15−1〜15−4は、高さを一定とする凸状とし、かつ、平面形状を二等辺三角形とし、二等辺三角形の高さ方向が原盤作製用ディスク搭載面12に搭載された原盤作製用ディスク2の半径方向と一致するように形成されている。
【0069】
図4は電子ビーム鏡筒群6の平面構成を示す模式図である。図4中、17は電子ビーム鏡筒配置円板、18は原盤作製用ディスク2の回転中心14を一致させるべき電子ビーム鏡筒群6の中心である。
【0070】
また、19−1〜19−4は情報記録用電子ビーム鏡筒が配置されている情報記録用電子ビーム鏡筒配置ブロックであり、これら情報記録用電子ビーム鏡筒配置ブロック19−1〜19−4は、原盤作製用ディスク2の電子ビーム照射面に対応する部分であり、電子ビーム鏡筒群6の中心18を回転対称中心として回転対称に設定されたものである。
【0071】
また、20−1〜20−4は原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒が配置されている原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒配置ブロックであり、これら原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒配置ブロック20−1〜20−4も、電子ビーム鏡筒群6の中心18を回転対称中心として回転対称に設定されたものである。
【0072】
また、21−1〜24−1は情報記録用電子ビーム鏡筒配置ブロック19−1に配置された情報記録用電子ビーム鏡筒、25−1は原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒配置ブロック20−1に配置された原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒である。
【0073】
また、21−2〜24−2は情報記録用電子ビーム鏡筒配置ブロック19−2に配置された情報記録用電子ビーム鏡筒、25−2は原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒配置ブロック20−2に配置された原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒である。
【0074】
また、21−3〜24−3は情報記録用電子ビーム鏡筒配置ブロック19−3に配置された情報記録用電子ビーム鏡筒、25−3は原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒配置ブロック20−3に配置された原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒である。
【0075】
また、21−4〜24−4は情報記録用電子ビーム鏡筒配置ブロック19−4に配置された情報記録用電子ビーム鏡筒、25−4は原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒配置ブロック20−4に配置された原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒である。
【0076】
なお、情報記録用電子ビーム鏡筒21−1〜21−4は、同一トラック群の電子ビーム照射を分担できるようにし、電子ビーム鏡筒群6の中心18を回転対称中心として90°の間隔をもって回転対称に配置されている。
【0077】
また、情報記録用電子ビーム鏡筒22−1〜22−4は、同一トラック群の電子ビーム照射を分担できるようにし、電子ビーム鏡筒群6の中心18を回転対称中心として90°の間隔をもって回転対称に配置されている。
【0078】
また、情報記録用電子ビーム鏡筒23−1〜23−4は、同一トラック群の電子ビーム照射を分担できるようにし、電子ビーム鏡筒群6の中心18を回転対称中心として90°の間隔をもって回転対称に配置されている。
【0079】
また、情報記録用電子ビーム鏡筒24−1〜24−4は、同一トラック群の電子ビーム照射を分担できるようにし、電子ビーム鏡筒群6の中心18を回転対称中心として90°の間隔をもって回転対称に配置されている。
【0080】
また、原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒25−1〜25−4は、原盤作製用ディスク回転中心検出用マーク15−1〜15−4に対応させて、電子ビーム鏡筒群6の中心18を回転対称中心として90°の間隔をもって回転対称に配置されている。
【0081】
即ち、本発明の第1実施形態においては、電子ビーム鏡筒配置円板17に、原盤作製用ディスク保持手段3に保持させた原盤作製用ディスク2の回転中心14から異なる4個の半径方向距離ごとに4個の情報記録用電子ビーム鏡筒21−1〜21−4、22−1〜22−4、23−1〜23−4、24−1〜24−4を回転対称に配置するとしている。
【0082】
なお、たとえば、図5に示すように、情報記録用電子ビーム鏡筒21−1〜21−4、22−1〜22−4、23−1〜23−4、24−1〜24−4に対応させて、予備の情報記録用電子ビーム鏡筒26−1〜26−4、27−1〜27−4、28−1〜28−4、29−1〜29−4を設けるようにしても良い。
【0083】
また、たとえば、図6に示すように、原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒25−1〜25−4に対応させて、予備の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒30−1〜30−4を配置させるようにしても良い。
【0084】
なお、原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒は、作業効率を考慮しなければ、1個あれば足りるものである。
【0085】
また、図示は省略するが、予備の電子ビーム鏡筒として、たとえば、図5に示す予備の情報記録用電子ビーム鏡筒26−1〜26−4、27−1〜27−4、28−1〜28−4、29−1〜29−4と、たとえば、図6に示す予備の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒30−1〜30−4との両方を設けるようにしても良い。
【0086】
図7は情報記録用電子ビーム鏡筒21−1の概念図であり、他の情報記録用電子ビーム鏡筒21−2〜21−4、22−1〜22−4、23−1〜23−4、24−1〜24−4及び原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒25−1〜25−4も同一構造とされている。
【0087】
なお、予備の情報記録用電子ビーム鏡筒26−1〜26−4、27−1〜27−4、28−1〜28−4、29−1〜29−4及び予備の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒30−1〜30−4を設ける場合には、これらも同一構造とされる。
【0088】
図7中、32は電子源であり、33は電子源32から電子ビーム形成のための電子を引き出すゲート電極、34は電子源33から引き出した電子を加速して電子ビーム35とするアノード電極である。
【0089】
また、36は電子ビーム35の径を制御して後述する電子ビーム径制限絞りと相まって原盤作製用ディスク2に照射する電子ビームの電流量を制御する電子ビーム径制御レンズ、37は電子ビーム35の原盤作製用ディスク2への照射、非照射を制御するブランカであり、38はブランキング電極、39は開口板である。
【0090】
また、40は電子ビーム35の径を制限する電子ビーム径制限絞り、41は電子ビーム35を原盤作製用ディスク2の電子ビームレジスト面に集束させる集束レンズである。
【0091】
また、42は電子ビーム35を偏向して原盤作製用ディスク2に対する照射位置を制御する偏向器、43は電子ビーム35を原盤作製用ディスク2に照射した場合の原盤作製用ディスク2からの反射電子を検出する反射電子検出器である。
【0092】
このように構成された本発明の第1実施形態においては、原盤作製用ディスク2に対するピット形成に必要な情報の記録のための電子ビーム照射を行う前に、原盤作製用ディスク保持手段3の原盤作製用ディスク搭載面12の原盤作製用ディスク搭載箇所13に搭載した原盤作製用ディスク2の回転中心14を検出し、原盤作製用ディスク2の回転中心14と電子ビーム鏡筒群6の中心18との整合を行うことができる。
【0093】
ここに、原盤作製用ディスク2の回転中心14の検出を行う場合には、原盤作製用ディスク保持手段3を1/4回転させながら、原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒25−1〜25−4を使用して電子ビームを同時に原盤作製用ディスク保持手段3の原盤作製用ディスク搭載面12に照射する。
【0094】
このようにすると、原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒25−1〜25−4においては、それぞれ、反射電子検出器を介して、原盤作製用ディスク回転中心検出用マーク15−1〜15−4からの反射電子を検出してなる反射電子検出信号S1〜S4を得ることができる。
【0095】
このようにした場合において、原盤作製用ディスク2の回転中心14と、電子ビーム鏡筒群6の中心18とが一致している場合には、反射電子検出信号S1〜S4は、図8に示すように、Hレベル幅T1〜T4を同一とする信号となる。
【0096】
これに対して、たとえば、図9に示すように、原盤作製用ディスク2の回転中心14が電子ビーム鏡筒群6の中心18に対して矢印Cの方向に位置ずれしている場合には、反射電子検出信号S1〜S4は、図10に示すように、Hレベル幅T1〜T4を、T1<T2<T3>T4とする信号となる。
【0097】
そこで、この場合には、原盤作製用ディスク回転中心検出部9は、反射電子検出信号S1〜S4の幅T1〜T4から原盤作製用ディスク2の回転中心14の位置を算出して、これをシステムコントローラ10に転送する。
【0098】
そこで、システムコントローラ10は、原盤作製用ディスク回転中心検出部9から転送された原盤作製用ディスク2の回転中心14の位置の算出値に基づいて反射電子検出信号S1〜S4のHレベル幅T1〜T4が同一となるであろう位置、即ち、原盤作製用ディスク2の回転中心14と電子ビーム鏡筒群の中心18とが一致するように、原盤作製用ディスク保持手段3を移動させるようにステージ制御部5を制御し、ステージ制御部5は、原盤作製用ディスク2の回転中心14と電子ビーム鏡筒群の中心18とが一致するようにステージ4を移動することになる。
【0099】
そして、当初から原盤作製用ディスク2の回転中心14と電子ビーム鏡筒群6の中心18とが一致している場合、あるいは、原盤作製用ディスク2の回転中心14と電子ビーム鏡筒群6の中心18とを一致させた後には、原盤作製用ディスク2にピットを形成のために必要な情報の記録を行うための電子ビーム照射が行われる。
【0100】
原盤作製用ディスク2にピットを形成のために必要な情報の記録を行うための電子ビーム照射は、情報記録用電子ビーム鏡筒21−1〜21−4、22−1〜22−4、23−1〜23−4、24−1〜24−4を同時に使用して原盤作製用ディスク2の電子ビーム照射箇所を分担し、並行して行われる。
【0101】
ここに、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が発生した場合には、不良電子ビーム鏡筒検出部8により、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が検出され、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒がシステムコントローラ10に通知されることになる。
【0102】
この場合、システムコントローラ10は、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が分担する電子ビーム照射箇所と回転対称にある他の情報記録用電子ビーム鏡筒を使用して電子ビームで照射するようにステージ制御部5及び電子ビーム照射制御部7を制御することになる。
【0103】
たとえば、システムコントローラ10は、情報記録用電子ビーム鏡筒22−1が不良となった場合には、たとえば、情報記録用電子ビーム鏡筒22−2を使用して、情報記録用電子ビーム鏡筒22−1が電子ビーム照射を分担する箇所を電子ビーム照射するように制御する。
【0104】
このように、本発明の第1実施形態によれば、情報記録用電子ビーム鏡筒21−1〜21−4、22−1〜22−4、23−1〜23−4、24−1〜24−4を同時に使用して原盤作製用ディスク2の電子ビーム照射箇所を分担し、並行して照射することができるので、スループットの向上を図ることができる。
【0105】
また、本発明の第1実施形態によれば、原盤作製用ディスク2に電子ビーム照射を行う前に、原盤作製用ディスク2の回転中心を検出し、ステージ4を移動させることにより、原盤作製用ディスク2の回転中心14と電子ビーム鏡筒群6の中心18とを整合させることができるので、原盤作製用ディスク2に対するピット形成に必要な情報の記録を高精度に行うことができる。なお、原盤作製用ディスク保持手段3を移動させる構成とする代わりに、電子ビーム鏡筒群6を移動させる構成としても良い。
【0106】
なお、原盤作製用ディスク2の回転中心14と電子ビーム鏡筒群6の中心18とが一致していない場合には、原盤作製用ディスク2の回転中心14と電子ビーム鏡筒群6の中心18とが一致している場合と同様の電子ビーム照射を行うことができるように、情報記録用電子ビーム鏡筒21−1〜21−4、22−1〜22−4、23−1〜23−4、24−1〜24−4内の偏向器に供給する偏向信号を補正する補正手段を設けることにより、原盤作製用ディスク2の回転中心14と電子ビーム鏡筒群6の中心18との整合を行うように構成しても良い。
【0107】
また、本発明の第1実施形態によれば、原盤作製用ディスク保持手段3の原盤作製用ディスク搭載面12に原盤作製用ディスク回転中心検出用マーク15−1〜15−4を設けると共に、原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒25−1〜25−4を設けるようにしているので、原盤作製用ディスク2の回転中心14を簡単な構成で、かつ、高精度に検出することができる。
【0108】
また、本発明の第1実施形態によれば、不良電子ビーム鏡筒検出部8を備えているので、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒及び不良の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒を自動的に検出することができる。
【0109】
そして、電子ビーム鏡筒配置円板17に、原盤作製用ディスク保持手段3の原盤作製用ディスク搭載面12の原盤作製用ディスク搭載箇所13に搭載した原盤作製用ディスク2の回転中心14から異なる4個の半径方向距離ごとに4個の情報記録用電子ビーム鏡筒21−1〜21−4、22−1〜22−4、23−1〜23−4、24−1〜24−4を回転対称に配置すると共に、4個の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒25−1、25−2、25−3、25−4を回転対称に配置するとしている。
【0110】
したがって、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出したときは、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が分担する電子ビーム照射箇所の電子ビーム照射を回転対称にある他の情報記録用電子ビーム鏡筒を使用して行うことができるので、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が発生した場合においても、作業効率の低下を最小限に抑えることができる。
【0111】
また、不良の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒を検出したときは、不良の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒が分担する電子ビーム照射箇所の電子ビーム照射を回転対称にある他の情報記録用電子ビーム鏡筒を使用して行うことができるので、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が発生した場合においても、作業効率の低下を最小限に抑えることができる。
【0112】
また、本発明の第1実施形態によれば、情報記録用電子ビーム鏡筒21−1〜21−4、22−1〜22−4、23−1〜23−4、24−1〜24−4及び原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒25−1〜25−4に原盤作製用ディスク2からの反射電子を検出する反射電子検出器を備えると共に、反射電子の検出量から不良の電子ビーム鏡筒の検出を行う不良電子ビーム鏡筒検出部8を備えているので、簡単な構成で、不良の電子ビーム鏡筒を検出することができる。
【0113】
なお、情報記録用電子ビーム鏡筒21−1〜21−4、22−1〜22−4、23−1〜23−4、24−1〜24−4及び原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒25−1〜25−4に原盤作製用ディスク2からの2次電子を検出する2次電子検出器を備えると共に、2次電子検出量から不良の電子ビーム鏡筒の検出を行う不良電子ビーム鏡筒検出部を備えて、不良の電子ビーム鏡筒を検出するように構成しても良い。
【0114】
また、たとえば、電子ビーム鏡筒内に設けられるゲート電極33や、アノード電極34や、電子ビーム径制限絞り40等に漏れる電子ビーム電流を検出する漏れ電子ビーム電流検出器を設けて、電子ビーム電流の漏れ量を検出することにより、不良の電子ビーム鏡筒を検出するようにしても良い。
【0115】
(第2実施形態・・図11)
図11は本発明の第2実施形態の要部を示す図であり、本発明の第2実施形態が備える電子ビーム鏡筒群45の平面構成を示す模式図である。なお、図11において、図4に対応する部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。
【0116】
本発明の第2実施形態は、原盤作製用ディスク2を一定角速度で回転させる場合に適用して好適な電子ビーム装置であり、図11に示す電子ビーム鏡筒群45を備え、その他については、概ね、図1に示す本発明の第1実施形態と同様に構成したものである。
【0117】
図11中、46−1〜55−1は情報記録用電子ビーム鏡筒配置ブロック19−1に配置された情報記録用電子ビーム鏡筒、46−2〜55−2は情報記録用電子ビーム鏡筒配置ブロック19−2に配置された情報記録用電子ビーム鏡筒、46−3〜55−3は情報記録用電子ビーム鏡筒配置ブロック19−3に配置された情報記録用電子ビーム鏡筒、46−4〜55−4は情報記録用電子ビーム鏡筒配置ブロック19−4に配置された情報記録用電子ビーム鏡筒である。
【0118】
これら情報記録用電子ビーム鏡筒46−1〜55−1、46−2〜55−2、46−3〜55−3、46−4〜55−4は、本発明の第1実施形態が備える情報記録用電子ビーム鏡筒と同様に構成されている。
【0119】
ここに、情報記録用電子ビーム鏡筒46−P(但し、P=1、2、3、4)は、1個で原盤作製用ディスク2の1ピット形成部分に対する電子ビーム照射を行うものであるが、情報記録用電子ビーム鏡筒47−P、48−Pは、これら2個で原盤作製用ディスク2の1ピット形成部分に対する電子ビーム照射を行う情報記録用電子ビーム鏡筒小群を構成している。
【0120】
また、情報記録用電子ビーム鏡筒49−P、50−P、51−Pは、これら3個で原盤作製用ディスク2の1ピット形成部分に対する電子ビーム照射を行う情報記録用電子ビーム鏡筒小群を構成している。
【0121】
また、情報記録用電子ビーム鏡筒52−P、53−P、54−P、55−Pは、これら4個で原盤作製用ディスク2の1ピット形成部分に対する電子ビーム照射を行う情報記録用電子ビーム鏡筒小群を構成している。
【0122】
また、情報記録用電子ビーム鏡筒46−1〜46−4は、原盤作製用ディスク2の同一トラック群の電子ビーム照射箇所に対する電子ビーム照射を分担できるように、電子ビーム鏡筒群45の中心18を回転対称中心として90°の間隔をもって回転対称に配置されている。
【0123】
また、情報記録用電子ビーム鏡筒47−1、48−1からなる情報記録用電子ビーム鏡筒小群、情報記録用電子ビーム鏡筒47−2、48−2からなる情報記録用電子ビーム鏡筒小群、情報記録用電子ビーム鏡筒47−3、48−3からなる情報記録用電子ビーム鏡筒小群、及び、情報記録用電子ビーム鏡筒47−4、48−4からなる情報記録用電子ビーム鏡筒小群は、原盤作製用ディスク2の同一トラック群の電子ビーム照射箇所に対する電子ビーム照射を分担できるように、電子ビーム鏡筒群45の中心18を回転対称中心として90°の間隔をもって回転対称に配置されている。
【0124】
また、情報記録用電子ビーム鏡筒49−1、50−1、51−1からなる情報記録用電子ビーム鏡筒小群、情報記録用電子ビーム鏡筒49−2、50−2、51−2からなる情報記録用電子ビーム鏡筒小群、情報記録用電子ビーム鏡筒49−3、50−3、51−3からなる情報記録用電子ビーム鏡筒小群、及び、情報記録用電子ビーム鏡筒49−4、50−4、51−4からなる情報記録用電子ビーム鏡筒小群は、原盤作製用ディスク2の同一トラック群の電子ビーム照射箇所に対する電子ビーム照射を分担できるように、電子ビーム鏡筒群45の中心18を回転対称中心として90°の間隔をもって回転対称に配置されている。
【0125】
また、情報記録用電子ビーム鏡筒52−1、53−1、54−1、55−1からなる情報記録用電子ビーム鏡筒小群、情報記録用電子ビーム鏡筒52−2、53−2、54−2、55−2からなる情報記録用電子ビーム鏡筒小群、情報記録用電子ビーム鏡筒52−3、53−3、54−3、55−3からなる情報記録用電子ビーム鏡筒小群、及び、情報記録用電子ビーム鏡筒52−4、53−4、54−4、55−4からなる情報記録用電子ビーム鏡筒小群は、原盤作製用ディスク2の同一トラック群の電子ビーム照射箇所に対する電子ビーム照射を分担できるように、電子ビーム鏡筒群45の中心18を回転対称中心として90°の間隔をもって回転対称に配置されている。
【0126】
即ち、本発明の第2実施形態は、原盤作製用ディスク2の1ピット形成部分を1個以上の情報記録用電子ビーム鏡筒で電子ビーム照射するものとし、原盤作製用ディスク2の1ピット形成部分を照射する情報記録用電子ビーム鏡筒の数が原盤作製用ディスク2の内周部から外周部にかけて多くなるように情報記録用電子ビーム鏡筒を配置させるように構成するというものである。
【0127】
このように構成された本発明の第2実施形態によれば、情報記録用電子ビーム鏡筒46−1〜55−1、46−2〜55−2、46−3〜55−3、46−4〜55−4を同時に使用して原盤作製用ディスク2の電子ビーム照射箇所に対する電子ビーム照射を分担し、並行して行うことができるので、スループットの向上を図ることができる。
【0128】
また、原盤作製用ディスク2を一定角速度で回転させる場合、原盤作製用ディスク2においては、内周部よりも外周部の方が線速度は速くなってしまうが、本発明の第2実施形態によれば、原盤作製用ディスク2の1ピット形成部分を照射する情報記録用電子ビーム鏡筒の数が内周部から外周部にかけて多くなるように情報記録用電子ビーム鏡筒を配置させているので、原盤作製用ディスク2を一定角速度で回転させる場合においても、原盤作製用ディスク2の半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を出来る限り均等化することができ、この結果、原盤作製用ディスク2に対するピット形成に必要な情報の記録を高精度に行うことができる。
【0129】
なお、情報記録用電子ビーム鏡筒46−1〜55−1、46−2〜55−2、46−3〜55−3、46−4〜55−4の内部に設けられる電子ビーム径制御レンズを制御して、原盤作製用ディスク2に照射する電子ビームの電流量を制御することにより、原盤作製用ディスク2の半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を出来る限り均等化するように構成しても良い。
【0130】
また、情報記録用電子ビーム鏡筒46−1〜55−1、46−2〜55−2、46−3〜55−3、46−4〜55−4の内部に設けられるブランキング電極を制御し、1ピット形成部分に対する電子ビームの照射回数を制御することにより、原盤作製用ディスク2の半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を出来る限り均等化するように構成しても良い。
【0131】
また、本発明の第2実施形態によれば、本発明の第1実施形態と同様に、原盤作製用ディスク2に対する電子ビーム照射を行う前に、原盤作製用ディスク2の回転中心14を検出し、原盤作製用ディスク2の回転中心14と電子ビーム鏡筒群6の中心18との整合を行うことができるので、この点からしても、原盤作製用ディスク2に対するピット形成に必要な情報の記録を高精度に行うことができる。
【0132】
また、本発明の第2実施形態によれば、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出した場合において、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が情報記録用電子ビーム鏡筒小群を構成しない情報記録用電子ビーム鏡筒である場合には、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が分担する電子ビーム照射箇所に対する電子ビーム照射を、情報記録用電子ビーム鏡筒小群を構成しない回転対称にある他の情報記録用電子ビーム鏡筒を使用して行うことができ、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が情報記録用電子ビーム鏡筒小群を構成する情報記録用電子ビーム鏡筒である場合には、回転対称にある他の情報記録用電子ビーム鏡筒小群を使用して行うことができるので、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒が発生した場合においても、作業効率の低下を最小限に抑えることができる。
【0133】
なお、本発明の第2実施形態においても、情報記録用電子ビーム鏡筒小群を構成しない情報記録用電子ビーム鏡筒に対応させて予備の情報記録用電子ビーム鏡筒を設けると共に、情報記録用電子ビーム鏡筒小群に対応させて予備の情報記録用電子ビーム鏡筒小群を設けるようにしても良いし、予備の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒を設けるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の第1実施形態の概念図である。
【図2】本発明の第1実施形態が備える原盤作製用ディスク保持手段の概略的平面図である。
【図3】図2のB−B線に沿った概略的断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態が備える電子ビーム鏡筒群の平面構成を示す模式図である。
【図5】本発明の第1実施形態が備える電子ビーム鏡筒配置円板に予備の情報記録用電子ビーム鏡筒を配置する例を示す模式図である。
【図6】本発明の第1実施形態が備える電子ビーム鏡筒配置円板に予備の原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒を配置する例を示す模式図である。
【図7】本発明の第1実施形態が備える情報記録用電子ビーム鏡筒の概念図である。
【図8】本発明の第1実施形態が備える原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒の反射電子検出器を介して得られる反射電子検出信号の一例を示すタイミングチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態における原盤作製用ディスクの回転中心の検出方法を説明するための模式図である。
【図10】本発明の第1実施形態が備える原盤作製用ディスク回転中心検出用電子ビーム鏡筒の反射電子検出器を介して得られる反射電子検出信号の他の例を示すタイミングチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態の要部を示す模式図(本発明の第2実施形態が備える電子ビーム鏡筒群の平面構成を示す模式図)である。
【符号の説明】
【0135】
1 真空室
2 原盤作製用ディスク
3 原盤作製用ディスク保持手段
4 ステージ
5 ステージ制御部
6 電子ビーム鏡筒群
7 電子ビーム照射制御部
8 不良電子ビーム鏡筒検出部
9 原盤作製用ディスク回転中心検出部
10 システムコントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原盤作製用ディスクを保持させて回転させるための原盤作製用ディスク保持手段と、
前記原盤作製用ディスク保持手段に保持させた前記原盤作製用ディスクの回転中心から異なる半径方向距離ごとに複数の情報記録用電子ビーム鏡筒を回転対称に配置してなる情報記録用電子ビーム鏡筒群と、
前記原盤作製用ディスク保持手段に保持させた前記原盤作製用ディスクを一定角速度で回転させた場合における前記原盤作製用ディスクの半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を均等化する電子ビーム照射量均等化手段と、
前記複数の情報記録用電子ビーム鏡筒の各々に対応させた予備の情報記録用電子ビーム鏡筒と、
不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出する不良情報記録用電子ビーム鏡筒検出手段を備えていること
を特徴とする電子ビーム装置。
【請求項2】
前記電子ビーム照射量均等化手段は、前記原盤作製用ディスクの1ピット形成部分を1個以上の情報記録用電子ビーム鏡筒で電子ビーム照射するものとし、前記原盤作製用ディスクの1ピット形成部分を照射する情報記録用電子ビーム鏡筒の数が前記原盤作製用ディスク保持手段に保持させた前記原盤作製用ディスクの内周部から外周部にかけて多くなるように情報記録用電子ビーム鏡筒を配置させることを含めて構成されていること
を特徴とする請求項1記載の電子ビーム装置。
【請求項3】
前記電子ビーム照射量均等化手段は、前記原盤作製用ディスク保持手段に保持させた前記原盤作製用ディスクに照射される電子ビームの電流量を制御することにより、前記原盤作製用ディスク保持手段に保持させた前記原盤作製用ディスクを一定角速度で回転させた場合における前記原盤作製用ディスクの半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を均等化するように構成されていること
を特徴とする請求項1記載の電子ビーム装置。
【請求項4】
前記電子ビーム照射量均等化手段は、前記原盤作製用ディスクの1ピット形成部分に照射する電子ビームの照射回数を制御することにより、前記原盤作製用ディスク保持手段に保持させた前記原盤作製用ディスクを一定角速度で回転させた場合における前記原盤作製用ディスクの半径方向の各点での単位面積あたりの電子ビーム照射量を均等化するように構成されていること
を特徴とする請求項1記載の電子ビーム装置。
【請求項5】
前記不良情報記録用電子ビーム鏡筒検出手段は、前記原盤作製用ディスク保持手段に保持させた前記原盤作製用ディスクからの反射電子又は2次電子の検出量により、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出するように構成されていること
を特徴とする請求項1記載の電子ビーム装置。
【請求項6】
前記不良情報記録用電子ビーム鏡筒検出手段は、電子ビーム電流の漏れ量を検出することにより、不良の情報記録用電子ビーム鏡筒を検出するように構成されていること
を特徴とする請求項1記載の電子ビーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−304627(P2007−304627A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−203727(P2007−203727)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【分割の表示】特願平10−93796の分割
【原出願日】平成10年4月7日(1998.4.7)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】