説明

電子写真画像形成装置

【課題】 前露光手段を利用して交換が必要なプロセスカートリッジを確認することができ、さらに、プロセスカートリッジを装置本体から取り外した後に、新しいプロセスカートリッジを装着したことを、前露光手段を利用して開閉ドアを閉じた状態で確認することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 プロセスカートリッジ7は、画像形成装置100に装着された際に、前露光手段50、51が発する発光光が透過部55に達するまでの光路を遮断する遮光部31を有する構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を利用した多色電子写真画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置においては、安定した印字品質を維持するために、その消耗品である像担持体やトナーなどの消耗品をその消耗品の使用状態に応じて交換する必要がある。複数の現像手段を有する多色現像式カラー画像形成装置においては、複数の像担持体やトナーなどの消耗品があり、その消耗品である複数の像担持体やトナーなどから交換の必要な消耗品を選択して交換する必要がある。そこで従来から消耗品の交換をユーザに知らせる手段として、装置本体の外観に設けられた表示部に交換を必要とする旨の表示手段が設けられている。また、特開2004−170866に書かれているように、複数の像担持体それぞれに対応し近傍に配置された露光手段を利用し、交換の必要な像担持体近傍の露光手段を点灯または点滅させることにより、ユーザに対して交換の必要な消耗品を選択し交換する操作を指示する画像形成装置が知られている。
【特許文献1】特開2004−170866
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術では、ユーザに対して交換の必要な消耗品を指示することはできるが、ユーザが消耗品を装置から取り外した後に、新しい消耗品を装着せず装置の開閉カバーを閉じた際は、装置内の消耗品の有無までは確認できない。その対応として、装置本体に表示部を備えている画像形成装置であれば、ユーザに対して表示部で消耗品が装着されていないことを報知することができる。しかし、表示部が無い安価な装置の場合、ユーザに装置内の消耗品の有無を知らせることは困難であった。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザが装置内の消耗品の有無を、センサ等の検知手段等を新たに追加すること無く、容易に認知する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明に係る代表的な構成は、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
(i)感光体と、前記感光体に作用するプロセス手段と、を有する複数のプロセスカートリッジと、
(ii)前記複数のプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着手段と、
(iii)前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、
(iv)前記帯電手段により帯電された感光体の表面に静電潜像を形成するために露光する露光手段と、
(v)前記静電潜像を形成する前に前記感光体の表面を前露光する、前記複数のプロセスカートリッジに対してそれぞれに設けられた前露光手段と、
(vi)前記電子写真画像形成装置の装置本体に前記複数のプロセスカートリッジを装着するための開口を開放または閉鎖する開閉ドアであって、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されていない際に、前記前露光手段が発光する発光光を前記装置本体の外側から視認できるように、前記発光光を透過する透過部を有する開閉ドアと、
を有し、
前記プロセスカートリッジは、前記装置本体に装着された際に、前記発光光が前記透過部に達するまでの光路を遮断する遮光部を有することを特徴とするものである。
【0006】
また、上記目的を達成するための本発明に係る他の構成は、記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
(i)感光体と、前記感光体に作用するプロセス手段と、を有する複数のプロセスカートリッジと、
(ii)前記複数のプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着手段と、
(iii)前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、
(iv)前記帯電手段により帯電された感光体の表面に静電潜像を形成するために露光する露光手段と、
(v)前記静電潜像を形成する前に前記感光体の表面を前露光する、前記複数のプロセスカートリッジに対してそれぞれに設けられた前露光手段と、
(vi)前記電子写真画像形成装置の装置本体に前記複数のプロセスカートリッジを装着するための開口を開放または閉鎖する開閉ドアであって、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されていない際に、前記前露光手段が発光する発光光を前記装置本体の外側から視認できるように、前記発光光を透過する透過部を有する開閉ドアと、
(vii)前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記発光光が前記透過部に達するまでの光路を遮断する遮光位置と、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されていない際に、前記光路を開放する開放位置をとり得る遮光部材と、
を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前露光手段を利用して交換が必要なプロセスカートリッジを確認することができる。さらに、そのプロセスカートリッジを装置本体から取り外した後に、新しいプロセスカートリッジを装着したことを、前露光手段を利用して開閉ドアを閉じた状態で確認することができる。即ち、前露光手段を利用して、交換が必要なプロセスカートリッジの確認、及び、新しいプロセスカートリッジを装着し忘れを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(実施例1)
以下に、本発明に係る画像形成装置の実施形態について図面により詳しく説明する。
【0009】
[電子写真画像形成装置の全体構成]
まず、電子写真画像形成装置の全体構成について、図1を参照して概要説明する。なお、図1は電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置という。)100の全体構成を示す縦断面図である。
【0010】
図1に示す画像形成装置100には、4個(複数個)のプロセスカートリッジ(以下カートリッジという。)7a,7b,7c,7dが、画像形成装置100の装置本体に設けられた装着手段101、102(図3参照)によって、取り外し可能に装着されている
ここで、各カートリッジ7a,7b,7c,7dは、同一構造であるが、異なる色のトナー(すなわち、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),ブラック(Bk))による画像を形成する点で相違している。カートリッジ7a,7b,7c,7dは、現像ユニット4a,4b,4c,4dと、クリーナユニット5a,5b,5c,5dによって構成されている。このうち現像ユニット4a,4b,4c,4dは、現像ローラ24a,24b,24c,24dと、現像剤塗布ローラ25a,25b,25c,25d、及びトナー容器を有している。一方、クリーナユニット5a,5b,5c,5dは、電子写真感光体である感光ドラム1a,1b,1c,1dと、帯電ローラ2a,2b,2c,2dと、ドラムクリーニングブレード8a,8b,8c,8dと、廃トナー容器とを有している。感光体ドラム1a,1b,1c,1dは、アルミニウム製シリンダの外周面に有機光導伝体層(OPC)を塗布して構成したものである。そして、その両端部をフランジによって回転自在に支持されており、一方の端部に駆動モータ(不図示)から駆動力を伝達することにより、図1の矢印に示す時計回り方向に回転駆動される。また、帯電手段2a,2b,2c,2dは、ローラ状に形成された導電性ローラで、感光体ドラム1a,1b,1c,1d表面に当接し作用する。そして、帯電手段2a,2b,2c,2dを、電源(不図示)によって帯電バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム1の表面を一様に帯電している。
【0011】
また、露光手段であるスキャナユニット3は、カートリッジ7a,7b,7c,7dの鉛直下方に配置され、画像信号に基づく露光を感光ドラム1a,1b,1c,1dに対して行う。現像ローラ24a,24b,24c,24dは、駆動部(不図示)により回転駆動されると共に、現像バイアス電源(不図示)により現像バイアス電圧を印加される。
【0012】
上述の構成により,感光ドラム1a,1b,1c,1dは、帯電ローラ2a,2b,2c,2dによって所定の負極性の電位に帯電された後、スキャナユニット3によってそれぞれ静電潜像が形成される。この静電潜像は現像ユニット4a,4b,4c,4dによって反転現像されて負極性のトナーが付着され、それぞれY、M、C、Bk色のトナー像が形成される。
【0013】
また、中間転写ベルトユニット12は、中間転写ベルト12eが駆動ローラ12f、テンションローラ12gに張架されている。そして、テンションローラ12gが矢印E方向に張力をかけている。また、各感光ドラム1a,1b,1c,1dに対向して、中間転写ベルト12eの内側に一次転写ローラ12a,12b,12c,12dが配設されており、バイアス印加手段(不図示)により転写バイアスを印加する構成となっている。
【0014】
感光ドラム1a,1b,1c,1d上に形成されたトナー像は、各感光ドラムが矢印方向に回転し、中間転写ベルト12eが矢印F方向に回転させ、さらに一次転写ローラ12a,12b,12c,12dに正極性のバイアスを印加する。それにより、感光ドラム1a上のトナー像から順次、中間転写ベルト12e上に一次転写され、4色のトナー像が重なった状態で二次転写部15まで搬送される。
【0015】
給送装置13は、シートSを収納する給送カセット11内から記録媒体であるシートSを給紙する給紙ローラ9と、給紙されたシートSを搬送する搬送ローラ対10とを有している。
【0016】
給送カセット11は図1において本体手前方向へ引き抜くことができるよう構成になっている。そして、ユーザは給送カセット11を引き抜き、画像形成装置100の装置本体から取り外した後、シートSをセットし画像形成装置100の装置本体へ挿入することでシート補給が完了する。給送カセット11に収納されたシートSは、給紙ローラ9に圧接され、分離パッド23によって一枚ずつ分離され搬送される。そして、給送装置13から搬送されたシートSはレジストローラ対17によって二次転写部15に搬送される。
【0017】
二次転写部15において、二次転写ローラ16に正極性のバイアスを印加することにより、搬送されたシートSに、中間転写ベルト12e上の4色のトナー像を二次転写する。
【0018】
定着手段である定着部14は、転写材上に形成した画像に熱及び圧力を加えて定着させるものである。
【0019】
14aは円筒状の定着ベルトであり、ヒータ等の発熱手段を接着したベルトガイド部材14cにガイドされている。14bは弾性加圧ローラであり、定着ベルト14aを挟みベルトガイド部材14cと所定の圧接力をもって所定幅の定着ニップ部Nを形成している。加圧ローラ14bが不図示の駆動手段により回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト14aが回転し、内部ヒータ(不図示)により定着ベルト14aは加熱される。定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がった状態において、画像形成部から搬送された未定着トナー画像が形成されたシートSが定着ニップ部Nの定着ベルト14aと加圧ローラ14bとの間に画像面が上向き、即ち定着ベルト面に対向して導入される。そして、定着ニップ部Nにおいて画像面が定着ベルト14aの外面に密着して定着ベルト14aと一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この定着ニップ部Nを定着ベルト14aと一緒にシートSが挟持搬送されていく過程において定着ベルト14a内のヒータ熱で加熱され転写材S上の未定着トナー画像が加熱定着される。定着されたシートSは排紙ローラ対20によって排紙トレイ21に排出される。
【0020】
一方、トナー像転写後に、感光ドラム1a,1b,1c,1d表面に残ったトナーは、クリーニングブレード8a,8b,8c,8dによって除去され、除去されたトナーはクリーナユニット5a,5b,5c,5d内の廃トナー容器に回収される。
【0021】
また、シートSへの二次転写後に中間転写ベルト12e上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置22によって除去される。そして、除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、画像形成装置100の奥面部に配置された廃トナー回収容器(不図示)へと回収される。
【0022】
ところで、画像形成終了時の感光ドラム1a,1b,1c,1d表面のドラム感光層には形成画像に応じて電荷が残留している。通常の使用状況においては、次回の帯電で残留電荷の履歴が消去されつつ均一に帯電される。しかし、画像形成を繰り返し行うとドラム表面の残留電荷が徐々に蓄積し、次回の帯電では前回の画像形成時における残留電荷の履歴を消去仕切れない場合があった。画像としてはコントラストの強いパターンを形成した後にハーフトーン画像を形成した場合に、ハーフトーン中に前回の画像パターンが浮き出てしまう、いわゆるゴースト画像となる。
【0023】
そこで従来から、LED等の光源を有する前露光手段によりドラム上を一様に照射し、残留電荷の履歴部分と非画像部分の電荷を等しくすることで次回の帯電で均一に帯電できるようにし、ゴースト画像の発生を無くしている。
【0024】
図2で示すように、本実施例では、前側に前露光手段前50(50a,50b,50c,50d)、前露光手段後51(51a,51b,51c,51d)それぞれが、感光ドラム1a,1b,1c,1dに近接して設けられている。前露光手段前50は、カートリッジ7の装着方向において画像形成装置100の上流側に設けられている。また、前露光手段前51は、カートリッジ7の装着方向において画像形成装置100の下流側に設けられている。また、近年多色画像形成装置は小型低コスト化が進んでいるために前露光手段50、51を設置するスペースが非常に限られている。そこで、本実施例では、従来のようなライトガイドをカートリッジに設けずに、前露光手段前50、前露光手段後51それぞれが、感光ドラム1に光を直接照射している。
【0025】
[プロセスカートリッジの着脱構成]
次にカートリッジ7の画像形成装置100への着脱構成について説明する。図3は、本発明に係る画像形成装置における、カートリッジ7の着脱方法を示した斜視図である。
【0026】
画像形成装置100においては、給送カセット11へのシートの補給及び、カートリッジ7a,7b,7c,7dの着脱及び、プリントされた用紙の回収は、画像形成装置100の正面側から操作可能である。また、カートリッジ7の着脱は、感光ドラム1のドラム軸線方向に着脱可能な構成となっている。この構成は、カラー画像形成装置で主流であるサイドオリエンテッド構成である。
【0027】
この構成でユーザがカートリッジ7を着脱する際、図3のように画像形成装置100の正面の開閉ドア40を開ける。開閉ドア40は、フレーム部材42に設けられたカートリッジ7を装着するための開口部Bを開放する開放位置と、開口部Bを閉鎖する閉鎖位置とをとり得る。開閉ドア40を開放位置まで開けるとカートリッジ7が露出し、ユーザは画像形成装置100の正面側に着脱可能である。次に、図4はカートリッジ7と前露光手段50、51と開閉ドア40との位置関係を示す図である。図4(a)で示すように、カートリッジ7が画像形成装置100に装着された際、前露光手段50、51は、フレーム部材42、後側フレーム部材(不図示)、支持板金44、内外装45、カートリッジ外装面30、及び、中間転写ベルトユニット(不図示)によって周囲を囲まれている。またカートリッジ7は、装着された際に、開口部Bと画像形成装置100の装置本体とカートリッジ7の間の隙間Aを塞ぐ遮光部31が設けられている。従って、前露光手段50が発光した後に反射部46で反射する発光光L1と、前露光手段51が発光した後に画像形成装置100の内側の部品とカートリッジ7の隙間を通過した発光光L2 (2点破線)は、画像形成装置100の外側には到達しない。反射部46は、カートリッジ7の挿入軌跡を避けた位置に配置され、画像形成装置100の装置本体内部に固定されている。反射部46は反射部材を取り付けていた形態であっても、画像形成装置100の部品の一部を反射しやすい表面性にした形態であっても良い。
【0028】
図4(b)で示すように、画像形成装置100からカートリジ7を外すと前側フレーム部材42は開口部Bより奥は空洞となる。(隙間Aは開口部Bに含まれる)。このとき、発光光L1、L2を遮る遮光部31が無くなくなったため、発光光L1、L2は開閉ドア40に到達する構成になっている。開閉ドア40は前露光手段20、21が発光する光を画像形成装置100の外側へと透過する透過部55が設けられている。透過部55は、画像形成装置100の外側から発光光L1、L2を視認可能なように材質、色および厚みが設定されている。
【0029】
[プロセスカートリッジの未装着の報知]
次に、カートリッジ7を交換した際、画像形成装置100の内側にカートリッジ7を装着せずに開閉ドア40を閉めた場合に、前露光手段50、51を発光させて、画像形成装置100にカートリッジ7が未装着であることを報知させる手順について説明する。
【0030】
カートリッジ7が寿命に達し、ユーザが交換をする際、ユーザはカートリッジ7に設けられた把持部37を持ち、画像形成装置100の前側に引き抜くことによって画像形成装置100からカートリッジ7を取り外すことが出来る。ユーザが開閉ドア40を閉じると、画像形成装置100に設けられた制御手段であるコントローラ42(不図示)が前露光手段50、51を点灯または点滅させるように設定されている。そのとき、カートリッジ7が画像形成装置100に装着されていないと、発光光L1、L2は開閉ドア40を透過して画像形成装置100の外側に達し、ユーザにカートリッジ7が無いことを視認できる。
【0031】
開閉ドア40を発光光L1、L2が透過する形態の実例を挙げる。開閉ドア40の肉厚の一部が他の部分よりも薄肉になっていることで、発光光L1、L2が透過しやすくなる。さらに発光光L1、L2を透過させたい部分だけ、二色成型等の成型方法を用いて白色もしくは淡色もしくは透明にすれば、より明確に光を透過させることができる。また光を透過させる部分に、ユーザに視覚的に情報を与える文字や図柄を刻印を施す、光を透過するラベルを貼り付けるといった手段を用いることで、より効果的にユーザにカートリッジが無いことを視認させることができる。
【0032】
以上説明したように、カートリッジ7に前露光の発光光L1、L2が開閉ドア40内面への到達するまでの光路を遮光する遮光部分31を配置する。そして、開閉ドア40を閉める毎に前露光手段50、51が発光光L1、L2を発光させ、且つ開閉ドア40に発光光L1、L2を透過する透過部を設ける。これによって、カートリッジ7が画像形成装置100に未装着時は発光光L1、L2が、画像形成装置100の外側から視認することができる。これによって、カートリッジ7の装着忘れを防止するという課題に対して、ユーザが画像形成装置100の外側からカートリッジ7の有無を視覚的に認知させることが可能となった。結果として、ユーザビリティ性が高く且つ信頼性の高い画像形成装置を提供することが可能となった。
【0033】
また、本実施例では開閉ドアの材質、色および厚みが前露光手段の発光する光を画像形成装置100の外側へと透過可能なように設定されている透過部の場合について説明した。しかし、開閉ドア近傍にライトガイド等の前露光手段の発光する光を画像形成装置100の外側へと導光する透過部を設けても同様の効果を得ることが出来る。
【0034】
また、本実施例では開閉ドアを閉じる毎に前露光手段が発光するように設定されている場合について説明したが、画像形成装置100に電力が供給される毎に前露光手段が発光するように設定されていても同様の効果を得ることができる。
【0035】
また、本実施例では前露光50、51が発光する発光光L1、L2両方が用いられているが、前露光50、51のどちらか一方の発光光であっても構わない。
【0036】
(実施例2)
図5および図6を用いて本発明の第2の実施形態について説明する。上述した実施の形態1と同様の機能を有する部材には同一符号を付し、その説明は省略する。尚、画像形成装置の構成及び画像形成動作は、上述した実施の形態1と同様であり、本実施の形態ではその説明は省略する。
【0037】
図5に示すように画像形成装置100の装置前面のフレーム部材42より画像形成装置100の前側には、遮光部材43が設けられている。前記遮光部材43は、フレーム部材22とカートリッジ7の間の隙間Aを塞ぐ位置に在る遮光部43a、回動中心43b、及レバー部43cとで構成されている。
【0038】
図6(a)で示すように、カートリッジ7が画像形成装置100に装着されている時には、カートリッジ7に設けられている係合部33の平面部が前記遮光部材レバー部43cを押圧し、前記遮光部43aが隙間Aを塞ぐ位置(遮光位置)に位置するように保持している。遮光部材43が遮光位置に位置することで、発光光L1、L2の光路を遮断し、画像形成装置100の外側から発光光L1、L2を視認できないようにする。
【0039】
一方、図6(b)で示すようにカートリッジ7が画像形成装置100に装着されていない時には、前記遮光部材43は、回動中心43bを中心に付勢部材44によって図の時計方向に付勢され、図のように開口部B上方の位置(開放位置)で保持されている。カートリッジ7が画像形成装置100にドラムの軸線方向に沿って装着される際は、カートリッジ7に設けられた突出部である係合部33の斜面と、遮光部材レバー部43cとが係合して、遮光部材43を閉じる方向に回転移動させる。そして、カートリッジ7が画像形成装置100に装着された際は、図6(a)の状態になる。
【0040】
次に、ユーザが新しいカートリッジ7bを装着させずに開閉ドア40を閉じた場合について説明する。画像形成装置100にカートリッジ7bが存在しない場合、図6(b)で示すように開口部Bには開閉ドア40内面と前露光手段50、51との間を遮る物体はない。また、開閉ドア40には前露光手段の発光する光(2点破線)を画像形成装置100の外側へと透過する透過部であるライトガイド55が設けられている。
【0041】
従って、開閉ドア40が閉じられて前露光手段50、51が発光する発光光L1、L2(2点破線)は、開閉ドア40内側に達した後にライトガイド55を透過して画像形成装置100の外側へと映し出される。
【0042】
以上説明したように、前露光の光が開閉ドア内面へ到達することを遮光する遮光部材を配設し、開閉ドアを閉める毎に前露光手段を発光させ、且つ開閉ドアを前露光手段が発光する光を透過する透過部を設けた。それによって、カートリッ7が画像形成装置100に装着されていない時は前露光の光が画像形成装置100の外側へと透光する。これによって、カートリッジの装着忘れを防止するという課題に対して、ユーザが画像形成装置100に触れること無く、画像形成装置100内側のカートリッジ7の有無を視認することが可能となった。結果として、ユーザビリティ性が高く且つ信頼性の高い画像形成装置を提供することが可能となった。
【0043】
また、本実施例では開閉ドアに前露光手段が発光する光を画像形成装置100の外側へと案内するライトガイドを設けた場合について説明した。しかし、開閉ドアは前露光手段が発光する光を画像形成装置100の外側へと透過可能なように材質、色および厚みが設定されていても同様の効果を得ることができる。
【0044】
また、本実施例では開閉ドアを閉じる毎に前露光手段が発光するように設定されている場合について説明したが、装置に電力が供給される毎に前露光手段が発光するように設定されていても同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る多色画像形成装置の実施例を示す断面図
【図2】本発明に係る実施例のカートリッジ近傍を示す斜視図
【図3】本発明に係る多色画像形成装置の実施例1の斜視図
【図4】本発明に係る多色画像形成装置の実施例1の断面図
【図5】本発明に係る多色画像形成装置の実施例2の斜視図
【図6】本発明に係る多色画像形成装置の実施例2の断面図
【符号の説明】
【0046】
1a、1b、1c、1d 感光ドラム
3 露光装置
7a、7b、7c、7d プロセスカートリッジ
11 給送カセット
12 中間転写ベルトユニット
12a、12b、12c、12d 転写ローラ
12e 中間転写ベルト
14 定着装置
16 二次転写ローラ
50 前露光手段前
51 前露光手段後
31 遮光部
40 開閉ドア
43 遮光部材
100 カラーレーザープリンタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
(i)感光体と、前記感光体に作用するプロセス手段と、を有する複数のプロセスカートリッジと、
(ii)前記複数のプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着手段と、
(iii)前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、
(iv)前記帯電手段により帯電された感光体の表面に静電潜像を形成するために露光する露光手段と、
(v)前記静電潜像を形成する前に前記感光体の表面を前露光する、前記複数のプロセスカートリッジに対してそれぞれに設けられた前露光手段と、
(vi)前記電子写真画像形成装置の装置本体に前記複数のプロセスカートリッジを装着するための開口を開放または閉鎖する開閉ドアであって、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されていない際に、前記前露光手段が発光する発光光を前記装置本体の外側から視認できるように、前記発光光を透過する透過部を有する開閉ドアと、
を有し、
前記プロセスカートリッジは、前記装置本体に装着された際に、前記発光光が前記透過部に達するまでの光路を遮断する遮光部を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項2】
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
(i)感光体と、前記感光体に作用するプロセス手段と、を有する複数のプロセスカートリッジと、
(ii)前記複数のプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着手段と、
(iii)前記感光体の表面を帯電する帯電手段と、
(iv)前記帯電手段により帯電された感光体の表面に静電潜像を形成するために露光する露光手段と、
(v)前記静電潜像を形成する前に前記感光体の表面を前露光する、前記複数のプロセスカートリッジに対してそれぞれに設けられた前露光手段と、
(vi)前記電子写真画像形成装置の装置本体に前記複数のプロセスカートリッジを装着するための開口を開放または閉鎖する開閉ドアであって、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されていない際に、前記前露光手段が発光する発光光を前記装置本体の外側から視認できるように、前記発光光を透過する透過部を有する開閉ドアと、
(vii)前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着された際に、前記発光光が前記透過部に達するまでの光路を遮断する遮光位置と、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着されていない際に、前記光路を開放する開放位置をとり得る遮光部材と、
を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
【請求項3】
前記電子写真画像形成装置は、前記開閉ドアが前記開口を閉鎖した際に、前記前露光手段を点灯または点滅させる制御手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項4】
前記電子写真画像形成装置は、前記装置本体に電力が供給される際に、前記前露光手段を点灯または点滅させる制御手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項5】
前記電子写真画像形成装置は、前記前露光手段から発光される前記発光光を、前記遮光部に向かって反射する反射部材を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真画像形成装置。
【請求項6】
前記装着手段は、前記感光体である感光体ドラムの軸線方向に沿って、前記プロセスカートリッジを前記装置本体に装着することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真画像形成装置。
【請求項7】
前記電子写真画像形成装置は、前記遮光部材を前記開放位置に付勢する付勢部材を有することを特徴とする請求項2に記載の電子写真画像形成装置。
【請求項8】
前記遮光部材は、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着する際に、前記プロセスカートリッジと係合して前記遮光部材を前記開放位置から前記遮光位置に移動させ、前記プロセスカートリッジが前記装置本体に装着した際には、前記プロセスカートリッジと係合して前記遮光部材を前記遮光位置に保持する係合部を有することを特徴とする請求項2に記載の電子写真画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−209619(P2008−209619A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45646(P2007−45646)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】