電子装置及び電子システム
【課題】通信ラインを追加することなく、携帯装置に情報を提供する情報提供部の再起動を行うこと。
【解決手段】本発明は、携帯装置10を着脱可能で、携帯装置10に情報を提供する情報提供部200を備えた電子装置100において、第1通信ラインL1を介して携帯装置10と制御情報を送受信するとともに、第1通信ラインL1を介して携帯装置10から情報提供部200の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、情報提供部200を再起動させる制御をする制御部140を備えて構成される電子装置及び電子システムである。
【解決手段】本発明は、携帯装置10を着脱可能で、携帯装置10に情報を提供する情報提供部200を備えた電子装置100において、第1通信ラインL1を介して携帯装置10と制御情報を送受信するとともに、第1通信ラインL1を介して携帯装置10から情報提供部200の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、情報提供部200を再起動させる制御をする制御部140を備えて構成される電子装置及び電子システムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及び電子システムに関し、特に携帯装置を装着可能な電子装置及び電子システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置として、パーソナルナビゲーションデバイスと呼ばれる、簡易的ではあるが可搬性を持った小型のポータブルナビゲーション装置(以下、ポータブルナビと呼ぶ)と、車両のダッシュボードに形成された凹部(DIN開口)内に収容し固定される車載用のナビゲーション装置とが広く一般的に知られている。車載用のナビゲーション装置は、車両からの車速等の情報により高精度な案内が可能であり、さらにはオーディオ装置を備えたものも提案されている。
【0003】
近年、ポータブルナビの可搬性と、車載用ナビゲーション装置の高精度な案内性能とを兼ね備えたナビゲーション装置が検討されている。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、車載機器からCDユニットを着脱可能とする構成が開示されている。特許文献3及び特許文献4には、車両に搭載された車載機器からナビゲーション部を着脱可能とする構成が開示されている。車載機器からナビゲーション部を取り外すことで、ナビゲーション部をポータブルナビとして単体で使用することが可能となる。また、特許文献5は、ナビゲーション装置を車両から取り外して、歩行時にもナビゲーション装置を使用することが可能となっている。また、車両搭載時には、カーナビモードとなり、車両から取り外した時にはマンナビモードを実行することが開示されている。
【0005】
ナビゲーション部の車載機器への脱着は、例えば、車載機器の前面に設けられた凹部に嵌め込むように挿入され嵌合される。
【特許文献1】特開平8−318792号公報
【特許文献2】特開2002−328026号公報
【特許文献3】特表2005−524570号公報
【特許文献4】特開2001−239895号公報
【特許文献5】特開2003−166848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ナビゲーション部と車載機器との電気的な接続は、コネクタを介して行う。このため、ナビゲーション部と車載機器との通信ラインの本数には制限があり、多くの通信ラインを用いることはできない。例えば、RDS−TMC(Radio Data System − Traffic Message Channel)部のように、ナビゲーション部に交通情報を提供するユニットが用いられることがある。RDS−TMC部が車載機器に設けられていると、コネクタを経由した通信ラインを介してナビゲーション部の制御部に情報を提供する。また、例えばRDS−TMC部の機能が停止(以下、フリーズと称す)した場合等、RDS−TMC部の電源を再起動することが行なわれる。しかしながら、RDS−TMC部がフリーズしたかを判断するのはナビゲーション部の制御部であり、ナビゲーション部の制御部がRDS−TMC部を再起動するためには、通信ラインを別に設けることとなる。このように、ポータブル機器10等の携帯装置に情報を提供する情報提供部(例えばRDS−TMC部)がフリーズした場合、情報提供部の再起動を行うためには、通信ラインを追加しなければならないという課題がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、通信ラインを追加することなく、携帯装置に情報を提供する情報提供部の再起動を行うことを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に情報を提供する情報提供部を備えた電子装置において、第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子装置である。本発明によれば、制御情報を送受信する第1通信ラインを用い情報提供部の再起動を行うことができる。これにより、通信ラインの本数を削減することができる。また、通信ラインの本数を削減し情報提供部の再起動を行うことができるので、部品点数の低減及びコストの低減が可能となる。
【0009】
本発明は、携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に第2通信ラインを介して情報を提供する情報提供部を備えた電子装置において、前記第2通信ラインとは別の第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子装置である。本発明によれば、情報提供部から情報が提供される第2通信ラインとは別の第1通信ラインを用い情報提供部の再起動を行うことができる。これにより、通信ラインの本数を削減することができる。また、通信ラインの本数を削減し情報提供部の再起動を行うことができるので、部品点数の低減及びコストの低減が可能となる。
【0010】
上記構成において、前記制御部は、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、電源供給部から前記情報提供部に供給される電源を遮断して、再度供給する制御を行うことで前記情報提供部を再起動させる制御を行う構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記電源供給部から前記情報提供部に供給される電源を遮断して、投入する電源スイッチを備えており、前記制御部は、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記電源スイッチを制御し、前記電源スイッチは、前記制御部からの制御に基づいて電源供給部から前記情報提供部に供給される電源を遮断して、再度供給する構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記携帯装置はナビゲージョン機器であり、前記情報提供部は、前記携帯装置に交通情報を提供する構成とすることができる。
【0013】
本発明は、携帯装置と、前記携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に情報を提供する情報提供部を備えた電子装置と、を有する電子システムであって、前記電子装置は、第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子システムである。
【0014】
本発明は、携帯装置と、前記携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に第2通信ラインを介して情報を提供する情報提供部を備えた電子装置と、を有する電子システムにおいて、前記電子装置は、前記第2通信ラインとは別の第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子システムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、制御情報を送受信する第1通信ラインを用い情報提供部の再起動を行うことができる。これにより、通信ラインの本数を削減することができる。また、通信ラインの本数を削減し情報提供部の再起動を行うことができるので、部品点数の低減及びコストの低減が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を用い実施例について説明する。
【実施例1】
【0017】
図1(A)、(B)に電子装置の一例である車載システム1(携帯装置と電子装置とを有する電子システム)の外観を示す。図1(A)、(B)に示すように車載システム1は、車両に搭載される車載機器100(電子装置)と、ナビゲーション機能を備えたポータブル機器10(携帯装置)とから構成される。ポータブル機器10は、図1(A)に示すように車載機器100の前面部120に取り付けて使用したり、図1(B)に示すように車載機器100から取り外して使用することができる。このように、ポータブル機器10は車載機器100から着脱自在であり、車載機器100にはポータブル機器10を装着可能である。
【0018】
車載機器100は、ラジオ放送の再生機能や、CD(Compact Disc)等の記録媒体に書き込まれた音楽データを再生可能な機器であり、CD再生部やCD挿排口を有する車載機器本体部110(本体部)と、表示部131や操作部132を有する前面部120とを備えている。ポータブル機器10は、目的地までの誘導経路を検索し、地図上に検索した誘導経路を重ねて表示するナビゲーションの機能を備えている。
【0019】
図2は、ポータブル機器10を車載機器100(前面部120)から取り外した状態を示す。車載機器100の前面部120には、ポータブル機器10を装着するための凹部が形成された着脱部170が設けられている。着脱部170の上面は開放されている。この着脱部170には、車載機器100とポータブル機器10とを電気的に接続するためのコネクタ150と、ポータブル機器10を前面部120に固定するためのロック機構(不図示)が設けられている。前面部120に設けた取り外しボタン160を操作すると、不図示のロック機構が解除され、車載機器100からポータブル機器10が取り外し可能となる。
【0020】
図3には、前面部120を車載機器本体部110に対して傾斜させ、CD挿排口180を露出させた状態を示す。不図示の駆動機構によって図3に示すスライダー181を駆動させることで、前面部120を車載機器本体部110に対してチルト(変位)させることができる。チルト動作によって、車載機器本体部110に設けられたCD挿排口180を露出させ、CDの挿排を行うことができる。車載機器の前面部120には、操作ボタン(図6に示すチルト/イジェクトボタン132a)が設けられており、このボタンの操作に応じたチルト角度に設定することができる。
【0021】
図4は、電子システムとしての車載システム1の車両への搭載例を示す。車載システム1は、例えば図4に示すように、運転席52と助手席51とのほぼ中央のダッシュボード部分に配置される。なお、図示していないが、後述するGPS情報受信部133のGPSアンテナは、ダッシュボード上に配置、またはフロントガラスの車室内側に貼り付けられている。
【0022】
図5は、車載システム1の概略構成を示すブロック図である。車載機器100とポータブル機器10とは、コネクタで電気的に接続される。車載機器100側には、コネクタ150が設けられており、ポータブル機器10には、コネクタ30が設けられている。これらのコネクタ150、30を接続することで、車載機器100とポータブル機器10との間で各種信号が送受信されて車載システム1として機能する。また、コネクタ150、30には、車両のバッテリ300(電源供給部)からの電力をポータブル機器10に供給するための電力供給端子が設けられており、ポータブル機器10が車載機器100に接続された状態で、車載機器100に電力が供給されていると、電力供給端子を介してポータブル機器10にも電力が供給される。
【0023】
車載機器100は、表示部131、操作部132、GPS情報受信部133、CD再生部135、音声調整部136、メモリ137、マイク138、外部音声/映像入力部139、制御部140、コネクタ150、チューナ部201を備えている。車載機器100は、エンジンキーがAcc又はONの位置にあるときに、車両側の車両バッテリ300から電力を供給されて動作する。
【0024】
以下、各部の機能の詳細について説明する。表示部131は、液晶パネルやバックライトを備え、13セグメント表示によって受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、再生楽曲名等を表示する。操作部132は、車載機器100の動作モードを切り替えるための操作や、切り替えた各種モードでの操作を行うためのものである。操作部132には、図6に示すようにチルト/イジェクトボタン132a、ファンクション(以下、FUNCと表記する)/AFボタン132b、TEXTボタン132c、SCREENボタン132d、SOURCE/PWRボタン132e、MODEボタン132f、MUTEボタン132g、BAND切換ボタン132h、ロータリーボタン132i、十字キー/エンターキーボタン132jとからなるボタン群を備える。
【0025】
ここで、ボタン群の操作による制御について説明する。まず、SOURCE/PWRボタン132eの操作によるポータブル機器10と車載機器100の表示の切り替えについて説明する。車載機器100のSOURCE/PWRボタン132eを押下することで、車載機器100がオンされる。また車載機器100がオンしているときに、SOURCE/PWRボタン132eを短押しすることでCD再生やラジオ等のソースの移行が行われる。このとき、車載機器100の表示部131には、選択されたソースにおける情報が表示され、ポータブル機器10の表示部11には、ソースに関係なくナビゲーション画像が表示される。次に、SCREENボタン132dを押下すると、ポータブル機器10の表示部11の表示をナビゲーション画像から車載機器100で選択されたソースに対応する画像に切替えることができる。
【0026】
図7(A)は車載機器100でCDを再生中にポータブル機器10を装着し、ポータブル機器10でナビゲーション画像を表示している状態を示している。図7(A)の状態から、SOURCE/PWRボタン132eを押下して、CD再生からラジオのソースに切換操作を行うと、図7(B)に示すように、表示部131にラジオソースにおける情報が表示される。また、ポータブル機器10の表示部11には、ナビゲーション画像が表示されたままである。次に、ユーザがSCREENボタン132dを押下すると、図7(C)に示すようにポータブル機器10の表示部11に、車載機器100で処理中のソースに対応する画面が表示される(図7(C)ではラジオ画像)。ポータブル機器10の表示部11には、後述するタッチパネルが設けられており、ユーザはタッチパネルを介して表示部11に表示される操作ボタンを選択することで、現在処理中のソースに対する操作をすることができる。
【0027】
また、表示部11にラジオ画像が表示された状態で、SCREENボタン132dを押下すると、図7(D)に示すようにラジオ画像からナビゲーション画像に戻ることができる。ポータブル機器10が車載機器100から取り外されている状態では、SCREENボタン132dの操作は無効となる。また、ポータブル機器10が車載機器100から取り外されている状態で、外部音声/映像入力部139にUSB(Universal Serial Bus)等が接続された場合には、SOURCE/PWRボタン132eを押下しても、USBのソースには切り替わらないようにすることもできる。
【0028】
次に、チルト/イジェクトボタン132aの操作による前面部120のチルト動作について説明する。チルト/イジェクトボタン132aが第1の態様(例えば、短押し)で操作されると、前面部120は、CD挿排口180が露出する角度(例えば、60°)まで、前面部120がチルトされ、第2の態様(例えば、長押し)で操作されると、所定角度(例えば、5°)ずつ前面部120がチルトする。
【0029】
図5に戻って、GPS情報受信部133は、GPSアンテナとチューナ部とを有し、衛星からのGPS信号を受信する。GPS情報受信部133で受信したGPS信号は、制御部140、コネクタ150、コネクタ30及び制御部20を介してポータブル機器10のナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置が割り出される。なお、GPS情報受信部133で受信したGPS信号を制御部140を介さずに、制御部20を介してポータブル機器10のナビゲーション部19に出力するようにしてもよい。また、GPS情報受信部133をGPSアンテナのみで構成し、GPSアンテナで受信したGPS信号を、制御部140、制御部20を介さず、後述するGPS情報受信部13のチューナに出力するようにしてもよい。さらに、制御部20は介するが、制御部140を介さずGPS情報受信部13のチューナに出力するようにしてもよい。このように、適宜変更可能である。
【0030】
チューナ部201は、分配器203、ラジオ受信部134及びRDS−TMC部200を有している。分配器203は、アンテナが受信した多重情報の中から、ラジオ情報をラジオ受信部134に、TMC情報をRDS−TMC部200に分配する。ラジオ受信部134は、AM放送、FM放送、多重放送等の放送波を受信して、音声信号の出力、多重データの受信、復調を行い、復調信号を制御部140に出力する。CD再生部135は、CDに記録されたデータを再生し、再生信号を制御部140に出力する。なお、ラジオ受信部134から出力される復調信号を制御部140を介さずに、後述する音声調整部136に出力するようにしてもよい。RDS−TMC部200は、交通情報をポータブル機器10の制御部20に提供する。電源スイッチ202は、RDS−TMC部200と車両バッテリとの間に設けられている。
【0031】
音声調整部136は、ラジオ受信部134で受信、復調された音声信号や、CD再生部135で再生された音声信号に、音量調整や音質調整等の信号処理をしてスピーカ145に出力する。メモリ137は、データの読み出しと書き込みとが可能なRAM(Random Access Memory)で構成することができ、制御のために必要な情報(例えば、前面部120の現在のチルト角度に関する情報等)を一時的に記憶しておく。マイク138は、ハンズフリー通話を行うためのものであって、車室内のユーザの音声を取り込む。外部音声/映像入力部139(装着部)は、USBメモリや、携帯型オーディオ装置等の外部機器との接続端子を備え、外部機器からの音声信号やデータを入力して制御部140に送り、制御部140からの制御信号、音声信号やデータ等を接続した外部機器に出力する。
【0032】
制御部140は、操作部132の操作に従って、ラジオ受信部134、CD再生部135、音声調整部136などを制御する。また、制御部140は、コネクタ150を介してポータブル機器10に各種信号を出力し、ポータブル機器10から入力した各種信号に基づいて車載機器100を制御する。例えば、制御部140は、GPS情報受信部133で受信したGPS信号や、マイク138で入力された音声信号を、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力する。なお、マイク138で入力された音声信号を、制御部140を介さずに、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力してもよい。また、制御部140は、ポータブル機器10と接続された携帯電話からの通話音声をコネクタ150を介して入力し、音声調整部136を介してスピーカ145に出力する。さらに、制御部140は、ポータブル機器10の表示部11に表示される各種モードのメニュー画像に対する操作信号をポータブル機器10の制御部20から取得し、ラジオ受信部134やCD再生部135の制御を行う。
【0033】
また、制御部140には、車両に搭載された車両バッテリ300からの電源が入力されている。制御部140は、ポータブル機器10が接続されている場合に、車両バッテリ300の電源をポータブル機器10に出力する。また、制御部140には、車両から車速パルスとイルミ電源信号が入力される。制御部140は、入力した車速パルスをポータブル機器10の制御部20に転送する。なお、車速パルスが入力されない構成でもよい。
【0034】
次に、ポータブル機器10について説明する。ポータブル機器10は、表示部11、操作部12、GPS情報受信部13、スピーカ14、蓄電池15、充電回路16、無線通信送受信部17、メモリ18、ナビゲーション部19、制御部20、コネクタ30を備えている。
【0035】
以下、各部の機能の詳細について説明する。表示部11は、液晶パネルとバックライトとを備え、ナビゲーション部19で生成された地図情報や目的地までの誘導経路情報、また車載機器100から転送された受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、再生楽曲名等を表示することができる。表示部11、131には、液晶パネル以外のフラットパネルディスプレイ、例えば、有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等を用いることができる。
【0036】
操作部12は、タッチパネルや、ポータブル機器10の電源をオン、オフするための電源ボタン55を含む。タッチパネルは、例えば、表示部11の表示画面の上に配置されるものであり、指や専用のペンによりタッチパネルが接触されると、その接触された位置が検知されて、入力操作の有無が判別できるようになっている。電源ボタン55については後述する。
【0037】
GPS情報受信部13は、アンテナとチューナ部とを有しており、衛星からのGPS信号を受信する。受信したGPS信号はナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいて自機位置が割り出される。なお、車載機器100にもGPS情報受信部133が設けられているが、車載機器100にポータブル機器10が取り付けられているときには、GPS情報受信部133で受信したGPS信号(及び車速パルス)を用いてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置を特定し、ポータブル機器10単独で使用する場合には、GPS情報受信部13で受信したGPS信号を用いて自機位置を特定する。
【0038】
スピーカ14は、ナビゲーション部19からの音声情報を出力するためのものであり、ポータブル機器10が車載機器100から取り外された状態、つまり単体で使用されるときに、音声情報を出力する。
【0039】
蓄電池15は、ポータブル機器10の各部に電力を供給する。またポータブル機器10を車載機器100に装着すると、コネクタ30の電力供給端子を介して車両バッテリ300から電力が供給され、充電回路16によって蓄電池15を充電する。また、充電回路16はUSBスロット(図8(A)参照)を介して接続端末から電力の供給を受けて、蓄電池15を充電することができる。
【0040】
無線通信送受信部17は、携帯電話との間で通話音声の送受信を行ったり、携帯電話を介してナビゲーションに利用する情報を取得する。無線通信送受信部17には、例えば、2.4GHz帯域の無線伝送方式である、Bluetoothが用いられる。
【0041】
メモリ18は、例えば読み出しと書き込みとが可能なRAMであり、各制御のために読み出された情報を一時的に記憶しておく。
【0042】
ナビゲーション部19は、ナビゲーションのために利用される地図情報を記憶した後述するSDカードやUSBメモリから取得し、記憶する地図情報記憶部を備え、GPS情報受信部133、又は13からのGPS信号によって現在位置情報を割り出し、ナビゲーション動作のための画像を作成する。作成した地図は、表示部11で表示させることができる。また、車載機器100とポータブル機器10とが接続されている場合には、車両から車速パルスを取得して、ポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置検出の精度を高めることができる。なお、地図情報はポータブル機器10内に保持してもよい。
【0043】
制御部20は、ポータブル機器10の各部を制御する。また、制御部20は、コネクタ30を介して車載機器100に各種信号を出力し、車載機器100から入力した各種信号に基づいてポータブル機器10を制御する。例えば、制御部20は、車載機器100のGPS情報受信部133で受信したGPS信号、及び車速パルスを車載機器100の制御部140から取得し、ナビゲーション部19に出力する。また、制御部20は、車載機器100のマイク138で入力した音声信号を車載機器100の制御部140から取得し、音声信号に応じてナビゲーション部19を制御する。すなわち、ナビゲーション部19をハンズフリーで操作することができる。また、無線通信送受信部17にて接続された携帯電話からの通話音声を、コネクタ30を介して車載機器側に出力し、車載機器100のスピーカ145から出力させる。また、表示部11に表示されたメニュー画面やコンテンツ画面に対する操作信号をコネクタ30を介して車載機器100の制御部140に出力する。制御部140は、ポータブル機器10の制御部20から送られた操作信号に応じて、ラジオ受信部134やCD再生部135を制御する。
【0044】
図8(A)に、ポータブル機器10の正面図、上面図、下面図、左側面図、右側面図を示し、図8(B)にポータブル機器10の背面図を示す。ポータブル機器10の上面には、ポータブル機器の電源をオン、オフさせる電源ボタン55が設けられており、下面には、SD(Secure Digital)メモリカードスロット56、USBスロット57が設けられている。地図情報が記憶されたSDカードやUSBメモリをこれらのスロットに差し込むことで、制御部20はSDカードやUSBメモリから地図情報を読み出し、ナビゲーション部19に地図情報を出力する。
【0045】
ポータブル機器10の電源は、ポータブル機器を車載機器100に装着したときには、車載機器100からの制御によって電源がオン、オフされる。また、車載機器100から取り外してポータブル機器10を単体で使用する場合には、電源ボタン55のオン、オフ操作に基づいて電源が操作される。
【0046】
さらに、ポータブル機器10の背面側には、車載機器100との電気的な接続をとるためのコネクタ30と、車載機器100側に設けたロック機構(不図示)と係合する係合部58とが設けられている。
【0047】
図9はRDS−TMC部200を図示したポータブル機器10と車載機器100のブロック図であり、図9は図5と共通の構成は記載していない。図9を参照に、ポータブル機器10の制御部20と車載機器100の制御部140とは第1通信ラインL1を介し制御情報を送受信している。制御情報とは、ポータブル機器10及び車載機器100内の各ユニットを制御するための信号である。図5のように、車載機器100からポータブル機器10内の各ユニット(例えばナビゲーション部19、操作部12など)を制御する場合は、制御部20を介して行う。同様に、ポータブル機器10から車載機器100内の各ユニット(例えば操作部132やラジオ受信部134)を制御する場合は制御部140を介して行なう。
【0048】
図9を参照に、RDS−TMC部200(情報提供部)は、FMラジオの電波を媒体として受信された交通情報を第2通信ラインL2を介し制御部20に提供する。第2通信ラインL2は、第1通信ラインL1とは別に、コネクタ150及びコネクタ30を介しポータブル機器10と車載機器100とを接続している。RDS−TMC部200の電源ラインL3には電源スイッチ202が設けられている。電源スイッチ202は、制御部140からの制御に基づいて、車両バッテリ300からRDS−TMC部200に供給される電源を遮断して、再度投入する。なお、RDS−TMC部200は、ICモジュールから構成されている。また、RDS−TMC部200は、制御部140内に設けられていてもよい。
【0049】
図10、図11及び図12(A)及び図12(B)を用い、車載システム1の制御について説明する。図10はポータブル機器10の制御部20の制御を示すフローチャート、図11は車載機器100の制御部140の制御を示すフローチャートである。図12(A)及び図12(B)は、各ユニットの信号の送受信を示す図である。
【0050】
図12(A)を参照に、電源スイッチ202はオンされており、RDS−TMC部200には電源ラインL3が接続されている。RDS−TMC部200はポータブル機器10の制御部20からの情報要求信号に基づき、第2通信ラインL2を介し、TMC情報を制御部20に供給している。TMC情報はRDS−TMC部200が受信した交通情報である。交通情報には、渋滞情報等が含まれる。図10に示すように、ポータブル機器10の制御部20は、RDS−TMC部200がフリーズしているかを判断する(ステップS10)。
【0051】
例えば、制御部20は、RDS−TMC部200に通常通りに動作しているかを確認する確認信号を、第2通信ラインを介してRDS−TMC部200に送信する。RDS−TMC部200が通常通りに動作している場合は、RD−TMC部200から制御部20に動作していることを示す動作信号を、第2通信ラインL2を介して送信する。一方、RDS−TMC部200がフリーズ(機能停止)した場合、RDS−TMC部200は動作信号を制御部20に送信できない。したがって、制御部20は、確認信号をRDS−TMC部200に送信してから、所定時間経過しても動作信号を受信できない場合は、RDS−TMC部200がフリーズしていると判断する。
【0052】
ステップS10において、Noの場合、終了し、さらに、RDS−TMC部200との送受信を継続する。ステップS10において、Yesの場合、図12(B)を参照に、制御部20は第1通信ラインL1を介し、車載機器100の制御部140に電源信号を送信する(ステップS12)。電源信号とは、RDS−TMC部200を再起動するための信号であり、実施例1では、RDS−TMC部200の電源を遮断し、その後再供給させる情報である。
【0053】
図11を参照に、車載機器100の制御部140は、ポータブル機器10の制御部20からの電源信号を受信したか判断する(ステップS20)。ステップS20において、Noの場合、終了し再度ステップS20に戻る。ステップS20において、Yesの場合、図12(B)に示すように、制御部140は電源スイッチ202をオフし、再びオンする(ステップS22)。これにより、RDS−TMC部200が再起動される。
【0054】
実施例1によれば、RDS−TMC部200は、車載機器100に設けられているが、RDS−TMC部200に入出力される情報は第2通信ラインL2を介しポータブル機器10の制御部20に送受信されている。したがって、RDS−TMC部200がフリーズしたと判断できるのはポータブル機器10の制御部20である。そこで、制御部20はRDS−TMC部200の再起動を行う場合、第2通信ラインL2とは別の通信ラインを用い、RDS−TMC部200の再起動を制御することとなる。しかしながら、コスト削減のためにはコネクタ30及び150のピン数は少ないことが好ましい。そこで、制御部20と制御部140との間の制御信号を送受信する第1通信ラインL1を用い、図10のステップS12のように、制御部20は制御部140に電源信号を送信する。制御部140は、電源信号に基づきRDS−TMC部200を再起動する。つまり、制御部140は、第1通信ラインL1を介してポータブル機器10からRDS−TMC部200の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、RDS−TMC部200を再起動させる制御をする。これにより、第1通信ラインL1及び第2通信ラインL2以外に通信ラインを追加することなく、RDS−TMC部200の再起動を行うことができる。
【0055】
また、車両バッテリ300等の電源供給部からRDS−TMC部200に供給される電源を遮断して、再度供給する制御を行うことで、RDS−TMC部200の再起動を行うことができる。これにより、簡単にRDS−TMC部200の再起動を行うことができる。なお、再起動とは、機能が停止しているRDS−TMC部200を再度起動することである。
【0056】
情報提供部としてはRDS−TMC部200以外にも、VICS情報をポータブル機器10に提供するVICS部であってもよく、衛星ラジオの情報を受信する受信部であってもよい。このように、情報提供部は、ナビゲーション機器であるポータブル機器10に交通情報を提供するユニットとすることができる。また、情報提供部が提供するポータブル機器10に提供する情報は、その他の情報であってもよい。このように、情報提供部は、車載機器100に設けられ、第1通信ラインL1とは別の通信ラインを用い、ポータブル機器10に情報を提供するユニットであればよい。
【0057】
さらに、図9のように、車載機器100は、車両バッテリ300からRDS−TMC部200に供給される電源を遮断して、投入する電源スイッチ202を備えている。制御部140は、電源信号を受信した場合に、電源スイッチ202を制御する。電源スイッチ202は、制御部140からの制御に基づいて車両バッテリからRDS−TMC部200に供給される電源を遮断して、再度供給することができる。これにより、簡単に、RDS−TMC部200の電源の遮断と投入とを行うことができる。なお、電源供給部は、車載機器100に設けられたバッテリでもよい。
【0058】
実施例1において、携帯装置としてナビゲーション機器であるポータブル部10を例に説明したが、携帯装置はナビゲーション機器以外の電子機器でもよい。なお、ナビゲーション機器とは、地図情報上に自車両の位置を表示して、使用者によって、目的地が設定された場合には目的地までの経路案内を行う電子機器である。また、電子装置が車載機器である例を説明したが、電子装置は例えば家庭用電子装置等の車載機器以外の電子装置であってもよい。
【0059】
図5では、車載機器100にCD再生部135が設けられているが、光ディスク記憶媒体再生部として、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、ブルーレイプレーヤまたはHD−DVDを設けた構成でもよい、車載機器100がDVDプレーヤを設けている場合には、DVDの動画情報をポータブル機器10に再生する構成としてもよい。
【0060】
ポータブル機器10はワンセグTVチューナを有し、車載機器100はフルセグTVCチューナを有してもよい。この場合、ポータブル機器10装着時には、ワンセグTVチューナを使用するか、フルセグTVCチューナを使用するかを選択することができる。あるいは、自動的にフルセグTVCチューナに切り換わる構成でもよい。
【0061】
また、実施例1の図5の車載機器100では、VICS情報等の道路情報を路車間通信により受信する道路情報受信部を省略して記載したが、実際は車載機器100は、道路情報受信部を有している。
【0062】
ポータブル機器10は、地図データ記憶部を有してもよく、地図データ記憶部は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、1.8インチ等の小型ハードディスク等で構成されていてもよい。また、これらは、脱着可能なICメモリカード(SDカード、ミニSD、メモリスティックまたはコンパクトフラッシュ等)、カード型のHDD(マイクロドライブ)で構成されていてもよい。
【0063】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1(A)、(B)は実施例1に用いる車載システムの外観を示す模式図である。
【図2】図2はポータブル機器を車載機器から取り外した状態を示す模式図である。
【図3】図3は前面部を車載機器本体に対して傾斜させ、CD挿排口を露出させた状態を示す模式図である。
【図4】図4は、車載システムの車両への搭載例を示す模式図である。
【図5】図5は、車載システムの概略を示すブロック図である。
【図6】図6は本体部の正面模式図である。
【図7】図7(A)から(D)は本体部に装着されたポータブル機器の表示を示す模式図である。
【図8】図8(A)は、ポータブル機器の正面模式図、上面模式図、下面模式図、左側面模式図、右側面模式図であり、図8(B)はポータブル機器の背面模式図である。
【図9】図9は車載システムのRDS−TMC部を中心としたブロック図である。
【図10】図10はポータブル機器の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は車載機器の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図12】図12(A)及び図12(B)は情報の送受信を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
10 ポータブル機器
20 制御部
30 コネクタ
100 車載機器
140 制御部
150 コネクタ
200 RDS−TMC部
202 電源スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及び電子システムに関し、特に携帯装置を装着可能な電子装置及び電子システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置として、パーソナルナビゲーションデバイスと呼ばれる、簡易的ではあるが可搬性を持った小型のポータブルナビゲーション装置(以下、ポータブルナビと呼ぶ)と、車両のダッシュボードに形成された凹部(DIN開口)内に収容し固定される車載用のナビゲーション装置とが広く一般的に知られている。車載用のナビゲーション装置は、車両からの車速等の情報により高精度な案内が可能であり、さらにはオーディオ装置を備えたものも提案されている。
【0003】
近年、ポータブルナビの可搬性と、車載用ナビゲーション装置の高精度な案内性能とを兼ね備えたナビゲーション装置が検討されている。
【0004】
特許文献1及び特許文献2には、車載機器からCDユニットを着脱可能とする構成が開示されている。特許文献3及び特許文献4には、車両に搭載された車載機器からナビゲーション部を着脱可能とする構成が開示されている。車載機器からナビゲーション部を取り外すことで、ナビゲーション部をポータブルナビとして単体で使用することが可能となる。また、特許文献5は、ナビゲーション装置を車両から取り外して、歩行時にもナビゲーション装置を使用することが可能となっている。また、車両搭載時には、カーナビモードとなり、車両から取り外した時にはマンナビモードを実行することが開示されている。
【0005】
ナビゲーション部の車載機器への脱着は、例えば、車載機器の前面に設けられた凹部に嵌め込むように挿入され嵌合される。
【特許文献1】特開平8−318792号公報
【特許文献2】特開2002−328026号公報
【特許文献3】特表2005−524570号公報
【特許文献4】特開2001−239895号公報
【特許文献5】特開2003−166848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ナビゲーション部と車載機器との電気的な接続は、コネクタを介して行う。このため、ナビゲーション部と車載機器との通信ラインの本数には制限があり、多くの通信ラインを用いることはできない。例えば、RDS−TMC(Radio Data System − Traffic Message Channel)部のように、ナビゲーション部に交通情報を提供するユニットが用いられることがある。RDS−TMC部が車載機器に設けられていると、コネクタを経由した通信ラインを介してナビゲーション部の制御部に情報を提供する。また、例えばRDS−TMC部の機能が停止(以下、フリーズと称す)した場合等、RDS−TMC部の電源を再起動することが行なわれる。しかしながら、RDS−TMC部がフリーズしたかを判断するのはナビゲーション部の制御部であり、ナビゲーション部の制御部がRDS−TMC部を再起動するためには、通信ラインを別に設けることとなる。このように、ポータブル機器10等の携帯装置に情報を提供する情報提供部(例えばRDS−TMC部)がフリーズした場合、情報提供部の再起動を行うためには、通信ラインを追加しなければならないという課題がある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、通信ラインを追加することなく、携帯装置に情報を提供する情報提供部の再起動を行うことを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に情報を提供する情報提供部を備えた電子装置において、第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子装置である。本発明によれば、制御情報を送受信する第1通信ラインを用い情報提供部の再起動を行うことができる。これにより、通信ラインの本数を削減することができる。また、通信ラインの本数を削減し情報提供部の再起動を行うことができるので、部品点数の低減及びコストの低減が可能となる。
【0009】
本発明は、携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に第2通信ラインを介して情報を提供する情報提供部を備えた電子装置において、前記第2通信ラインとは別の第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子装置である。本発明によれば、情報提供部から情報が提供される第2通信ラインとは別の第1通信ラインを用い情報提供部の再起動を行うことができる。これにより、通信ラインの本数を削減することができる。また、通信ラインの本数を削減し情報提供部の再起動を行うことができるので、部品点数の低減及びコストの低減が可能となる。
【0010】
上記構成において、前記制御部は、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、電源供給部から前記情報提供部に供給される電源を遮断して、再度供給する制御を行うことで前記情報提供部を再起動させる制御を行う構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記電源供給部から前記情報提供部に供給される電源を遮断して、投入する電源スイッチを備えており、前記制御部は、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記電源スイッチを制御し、前記電源スイッチは、前記制御部からの制御に基づいて電源供給部から前記情報提供部に供給される電源を遮断して、再度供給する構成とすることができる。
【0012】
上記構成において、前記携帯装置はナビゲージョン機器であり、前記情報提供部は、前記携帯装置に交通情報を提供する構成とすることができる。
【0013】
本発明は、携帯装置と、前記携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に情報を提供する情報提供部を備えた電子装置と、を有する電子システムであって、前記電子装置は、第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子システムである。
【0014】
本発明は、携帯装置と、前記携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に第2通信ラインを介して情報を提供する情報提供部を備えた電子装置と、を有する電子システムにおいて、前記電子装置は、前記第2通信ラインとは別の第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子システムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、制御情報を送受信する第1通信ラインを用い情報提供部の再起動を行うことができる。これにより、通信ラインの本数を削減することができる。また、通信ラインの本数を削減し情報提供部の再起動を行うことができるので、部品点数の低減及びコストの低減が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、図面を用い実施例について説明する。
【実施例1】
【0017】
図1(A)、(B)に電子装置の一例である車載システム1(携帯装置と電子装置とを有する電子システム)の外観を示す。図1(A)、(B)に示すように車載システム1は、車両に搭載される車載機器100(電子装置)と、ナビゲーション機能を備えたポータブル機器10(携帯装置)とから構成される。ポータブル機器10は、図1(A)に示すように車載機器100の前面部120に取り付けて使用したり、図1(B)に示すように車載機器100から取り外して使用することができる。このように、ポータブル機器10は車載機器100から着脱自在であり、車載機器100にはポータブル機器10を装着可能である。
【0018】
車載機器100は、ラジオ放送の再生機能や、CD(Compact Disc)等の記録媒体に書き込まれた音楽データを再生可能な機器であり、CD再生部やCD挿排口を有する車載機器本体部110(本体部)と、表示部131や操作部132を有する前面部120とを備えている。ポータブル機器10は、目的地までの誘導経路を検索し、地図上に検索した誘導経路を重ねて表示するナビゲーションの機能を備えている。
【0019】
図2は、ポータブル機器10を車載機器100(前面部120)から取り外した状態を示す。車載機器100の前面部120には、ポータブル機器10を装着するための凹部が形成された着脱部170が設けられている。着脱部170の上面は開放されている。この着脱部170には、車載機器100とポータブル機器10とを電気的に接続するためのコネクタ150と、ポータブル機器10を前面部120に固定するためのロック機構(不図示)が設けられている。前面部120に設けた取り外しボタン160を操作すると、不図示のロック機構が解除され、車載機器100からポータブル機器10が取り外し可能となる。
【0020】
図3には、前面部120を車載機器本体部110に対して傾斜させ、CD挿排口180を露出させた状態を示す。不図示の駆動機構によって図3に示すスライダー181を駆動させることで、前面部120を車載機器本体部110に対してチルト(変位)させることができる。チルト動作によって、車載機器本体部110に設けられたCD挿排口180を露出させ、CDの挿排を行うことができる。車載機器の前面部120には、操作ボタン(図6に示すチルト/イジェクトボタン132a)が設けられており、このボタンの操作に応じたチルト角度に設定することができる。
【0021】
図4は、電子システムとしての車載システム1の車両への搭載例を示す。車載システム1は、例えば図4に示すように、運転席52と助手席51とのほぼ中央のダッシュボード部分に配置される。なお、図示していないが、後述するGPS情報受信部133のGPSアンテナは、ダッシュボード上に配置、またはフロントガラスの車室内側に貼り付けられている。
【0022】
図5は、車載システム1の概略構成を示すブロック図である。車載機器100とポータブル機器10とは、コネクタで電気的に接続される。車載機器100側には、コネクタ150が設けられており、ポータブル機器10には、コネクタ30が設けられている。これらのコネクタ150、30を接続することで、車載機器100とポータブル機器10との間で各種信号が送受信されて車載システム1として機能する。また、コネクタ150、30には、車両のバッテリ300(電源供給部)からの電力をポータブル機器10に供給するための電力供給端子が設けられており、ポータブル機器10が車載機器100に接続された状態で、車載機器100に電力が供給されていると、電力供給端子を介してポータブル機器10にも電力が供給される。
【0023】
車載機器100は、表示部131、操作部132、GPS情報受信部133、CD再生部135、音声調整部136、メモリ137、マイク138、外部音声/映像入力部139、制御部140、コネクタ150、チューナ部201を備えている。車載機器100は、エンジンキーがAcc又はONの位置にあるときに、車両側の車両バッテリ300から電力を供給されて動作する。
【0024】
以下、各部の機能の詳細について説明する。表示部131は、液晶パネルやバックライトを備え、13セグメント表示によって受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、再生楽曲名等を表示する。操作部132は、車載機器100の動作モードを切り替えるための操作や、切り替えた各種モードでの操作を行うためのものである。操作部132には、図6に示すようにチルト/イジェクトボタン132a、ファンクション(以下、FUNCと表記する)/AFボタン132b、TEXTボタン132c、SCREENボタン132d、SOURCE/PWRボタン132e、MODEボタン132f、MUTEボタン132g、BAND切換ボタン132h、ロータリーボタン132i、十字キー/エンターキーボタン132jとからなるボタン群を備える。
【0025】
ここで、ボタン群の操作による制御について説明する。まず、SOURCE/PWRボタン132eの操作によるポータブル機器10と車載機器100の表示の切り替えについて説明する。車載機器100のSOURCE/PWRボタン132eを押下することで、車載機器100がオンされる。また車載機器100がオンしているときに、SOURCE/PWRボタン132eを短押しすることでCD再生やラジオ等のソースの移行が行われる。このとき、車載機器100の表示部131には、選択されたソースにおける情報が表示され、ポータブル機器10の表示部11には、ソースに関係なくナビゲーション画像が表示される。次に、SCREENボタン132dを押下すると、ポータブル機器10の表示部11の表示をナビゲーション画像から車載機器100で選択されたソースに対応する画像に切替えることができる。
【0026】
図7(A)は車載機器100でCDを再生中にポータブル機器10を装着し、ポータブル機器10でナビゲーション画像を表示している状態を示している。図7(A)の状態から、SOURCE/PWRボタン132eを押下して、CD再生からラジオのソースに切換操作を行うと、図7(B)に示すように、表示部131にラジオソースにおける情報が表示される。また、ポータブル機器10の表示部11には、ナビゲーション画像が表示されたままである。次に、ユーザがSCREENボタン132dを押下すると、図7(C)に示すようにポータブル機器10の表示部11に、車載機器100で処理中のソースに対応する画面が表示される(図7(C)ではラジオ画像)。ポータブル機器10の表示部11には、後述するタッチパネルが設けられており、ユーザはタッチパネルを介して表示部11に表示される操作ボタンを選択することで、現在処理中のソースに対する操作をすることができる。
【0027】
また、表示部11にラジオ画像が表示された状態で、SCREENボタン132dを押下すると、図7(D)に示すようにラジオ画像からナビゲーション画像に戻ることができる。ポータブル機器10が車載機器100から取り外されている状態では、SCREENボタン132dの操作は無効となる。また、ポータブル機器10が車載機器100から取り外されている状態で、外部音声/映像入力部139にUSB(Universal Serial Bus)等が接続された場合には、SOURCE/PWRボタン132eを押下しても、USBのソースには切り替わらないようにすることもできる。
【0028】
次に、チルト/イジェクトボタン132aの操作による前面部120のチルト動作について説明する。チルト/イジェクトボタン132aが第1の態様(例えば、短押し)で操作されると、前面部120は、CD挿排口180が露出する角度(例えば、60°)まで、前面部120がチルトされ、第2の態様(例えば、長押し)で操作されると、所定角度(例えば、5°)ずつ前面部120がチルトする。
【0029】
図5に戻って、GPS情報受信部133は、GPSアンテナとチューナ部とを有し、衛星からのGPS信号を受信する。GPS情報受信部133で受信したGPS信号は、制御部140、コネクタ150、コネクタ30及び制御部20を介してポータブル機器10のナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置が割り出される。なお、GPS情報受信部133で受信したGPS信号を制御部140を介さずに、制御部20を介してポータブル機器10のナビゲーション部19に出力するようにしてもよい。また、GPS情報受信部133をGPSアンテナのみで構成し、GPSアンテナで受信したGPS信号を、制御部140、制御部20を介さず、後述するGPS情報受信部13のチューナに出力するようにしてもよい。さらに、制御部20は介するが、制御部140を介さずGPS情報受信部13のチューナに出力するようにしてもよい。このように、適宜変更可能である。
【0030】
チューナ部201は、分配器203、ラジオ受信部134及びRDS−TMC部200を有している。分配器203は、アンテナが受信した多重情報の中から、ラジオ情報をラジオ受信部134に、TMC情報をRDS−TMC部200に分配する。ラジオ受信部134は、AM放送、FM放送、多重放送等の放送波を受信して、音声信号の出力、多重データの受信、復調を行い、復調信号を制御部140に出力する。CD再生部135は、CDに記録されたデータを再生し、再生信号を制御部140に出力する。なお、ラジオ受信部134から出力される復調信号を制御部140を介さずに、後述する音声調整部136に出力するようにしてもよい。RDS−TMC部200は、交通情報をポータブル機器10の制御部20に提供する。電源スイッチ202は、RDS−TMC部200と車両バッテリとの間に設けられている。
【0031】
音声調整部136は、ラジオ受信部134で受信、復調された音声信号や、CD再生部135で再生された音声信号に、音量調整や音質調整等の信号処理をしてスピーカ145に出力する。メモリ137は、データの読み出しと書き込みとが可能なRAM(Random Access Memory)で構成することができ、制御のために必要な情報(例えば、前面部120の現在のチルト角度に関する情報等)を一時的に記憶しておく。マイク138は、ハンズフリー通話を行うためのものであって、車室内のユーザの音声を取り込む。外部音声/映像入力部139(装着部)は、USBメモリや、携帯型オーディオ装置等の外部機器との接続端子を備え、外部機器からの音声信号やデータを入力して制御部140に送り、制御部140からの制御信号、音声信号やデータ等を接続した外部機器に出力する。
【0032】
制御部140は、操作部132の操作に従って、ラジオ受信部134、CD再生部135、音声調整部136などを制御する。また、制御部140は、コネクタ150を介してポータブル機器10に各種信号を出力し、ポータブル機器10から入力した各種信号に基づいて車載機器100を制御する。例えば、制御部140は、GPS情報受信部133で受信したGPS信号や、マイク138で入力された音声信号を、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力する。なお、マイク138で入力された音声信号を、制御部140を介さずに、コネクタ150を介してポータブル機器10に出力してもよい。また、制御部140は、ポータブル機器10と接続された携帯電話からの通話音声をコネクタ150を介して入力し、音声調整部136を介してスピーカ145に出力する。さらに、制御部140は、ポータブル機器10の表示部11に表示される各種モードのメニュー画像に対する操作信号をポータブル機器10の制御部20から取得し、ラジオ受信部134やCD再生部135の制御を行う。
【0033】
また、制御部140には、車両に搭載された車両バッテリ300からの電源が入力されている。制御部140は、ポータブル機器10が接続されている場合に、車両バッテリ300の電源をポータブル機器10に出力する。また、制御部140には、車両から車速パルスとイルミ電源信号が入力される。制御部140は、入力した車速パルスをポータブル機器10の制御部20に転送する。なお、車速パルスが入力されない構成でもよい。
【0034】
次に、ポータブル機器10について説明する。ポータブル機器10は、表示部11、操作部12、GPS情報受信部13、スピーカ14、蓄電池15、充電回路16、無線通信送受信部17、メモリ18、ナビゲーション部19、制御部20、コネクタ30を備えている。
【0035】
以下、各部の機能の詳細について説明する。表示部11は、液晶パネルとバックライトとを備え、ナビゲーション部19で生成された地図情報や目的地までの誘導経路情報、また車載機器100から転送された受信放送周波数、再生楽曲トラックNo、再生楽曲名等を表示することができる。表示部11、131には、液晶パネル以外のフラットパネルディスプレイ、例えば、有機ELディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネル、冷陰極フラットパネルディスプレイ等を用いることができる。
【0036】
操作部12は、タッチパネルや、ポータブル機器10の電源をオン、オフするための電源ボタン55を含む。タッチパネルは、例えば、表示部11の表示画面の上に配置されるものであり、指や専用のペンによりタッチパネルが接触されると、その接触された位置が検知されて、入力操作の有無が判別できるようになっている。電源ボタン55については後述する。
【0037】
GPS情報受信部13は、アンテナとチューナ部とを有しており、衛星からのGPS信号を受信する。受信したGPS信号はナビゲーション部19に出力され、GPS信号に基づいて自機位置が割り出される。なお、車載機器100にもGPS情報受信部133が設けられているが、車載機器100にポータブル機器10が取り付けられているときには、GPS情報受信部133で受信したGPS信号(及び車速パルス)を用いてポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置を特定し、ポータブル機器10単独で使用する場合には、GPS情報受信部13で受信したGPS信号を用いて自機位置を特定する。
【0038】
スピーカ14は、ナビゲーション部19からの音声情報を出力するためのものであり、ポータブル機器10が車載機器100から取り外された状態、つまり単体で使用されるときに、音声情報を出力する。
【0039】
蓄電池15は、ポータブル機器10の各部に電力を供給する。またポータブル機器10を車載機器100に装着すると、コネクタ30の電力供給端子を介して車両バッテリ300から電力が供給され、充電回路16によって蓄電池15を充電する。また、充電回路16はUSBスロット(図8(A)参照)を介して接続端末から電力の供給を受けて、蓄電池15を充電することができる。
【0040】
無線通信送受信部17は、携帯電話との間で通話音声の送受信を行ったり、携帯電話を介してナビゲーションに利用する情報を取得する。無線通信送受信部17には、例えば、2.4GHz帯域の無線伝送方式である、Bluetoothが用いられる。
【0041】
メモリ18は、例えば読み出しと書き込みとが可能なRAMであり、各制御のために読み出された情報を一時的に記憶しておく。
【0042】
ナビゲーション部19は、ナビゲーションのために利用される地図情報を記憶した後述するSDカードやUSBメモリから取得し、記憶する地図情報記憶部を備え、GPS情報受信部133、又は13からのGPS信号によって現在位置情報を割り出し、ナビゲーション動作のための画像を作成する。作成した地図は、表示部11で表示させることができる。また、車載機器100とポータブル機器10とが接続されている場合には、車両から車速パルスを取得して、ポータブル機器10が収納された車載機器100が搭載される車両の位置検出の精度を高めることができる。なお、地図情報はポータブル機器10内に保持してもよい。
【0043】
制御部20は、ポータブル機器10の各部を制御する。また、制御部20は、コネクタ30を介して車載機器100に各種信号を出力し、車載機器100から入力した各種信号に基づいてポータブル機器10を制御する。例えば、制御部20は、車載機器100のGPS情報受信部133で受信したGPS信号、及び車速パルスを車載機器100の制御部140から取得し、ナビゲーション部19に出力する。また、制御部20は、車載機器100のマイク138で入力した音声信号を車載機器100の制御部140から取得し、音声信号に応じてナビゲーション部19を制御する。すなわち、ナビゲーション部19をハンズフリーで操作することができる。また、無線通信送受信部17にて接続された携帯電話からの通話音声を、コネクタ30を介して車載機器側に出力し、車載機器100のスピーカ145から出力させる。また、表示部11に表示されたメニュー画面やコンテンツ画面に対する操作信号をコネクタ30を介して車載機器100の制御部140に出力する。制御部140は、ポータブル機器10の制御部20から送られた操作信号に応じて、ラジオ受信部134やCD再生部135を制御する。
【0044】
図8(A)に、ポータブル機器10の正面図、上面図、下面図、左側面図、右側面図を示し、図8(B)にポータブル機器10の背面図を示す。ポータブル機器10の上面には、ポータブル機器の電源をオン、オフさせる電源ボタン55が設けられており、下面には、SD(Secure Digital)メモリカードスロット56、USBスロット57が設けられている。地図情報が記憶されたSDカードやUSBメモリをこれらのスロットに差し込むことで、制御部20はSDカードやUSBメモリから地図情報を読み出し、ナビゲーション部19に地図情報を出力する。
【0045】
ポータブル機器10の電源は、ポータブル機器を車載機器100に装着したときには、車載機器100からの制御によって電源がオン、オフされる。また、車載機器100から取り外してポータブル機器10を単体で使用する場合には、電源ボタン55のオン、オフ操作に基づいて電源が操作される。
【0046】
さらに、ポータブル機器10の背面側には、車載機器100との電気的な接続をとるためのコネクタ30と、車載機器100側に設けたロック機構(不図示)と係合する係合部58とが設けられている。
【0047】
図9はRDS−TMC部200を図示したポータブル機器10と車載機器100のブロック図であり、図9は図5と共通の構成は記載していない。図9を参照に、ポータブル機器10の制御部20と車載機器100の制御部140とは第1通信ラインL1を介し制御情報を送受信している。制御情報とは、ポータブル機器10及び車載機器100内の各ユニットを制御するための信号である。図5のように、車載機器100からポータブル機器10内の各ユニット(例えばナビゲーション部19、操作部12など)を制御する場合は、制御部20を介して行う。同様に、ポータブル機器10から車載機器100内の各ユニット(例えば操作部132やラジオ受信部134)を制御する場合は制御部140を介して行なう。
【0048】
図9を参照に、RDS−TMC部200(情報提供部)は、FMラジオの電波を媒体として受信された交通情報を第2通信ラインL2を介し制御部20に提供する。第2通信ラインL2は、第1通信ラインL1とは別に、コネクタ150及びコネクタ30を介しポータブル機器10と車載機器100とを接続している。RDS−TMC部200の電源ラインL3には電源スイッチ202が設けられている。電源スイッチ202は、制御部140からの制御に基づいて、車両バッテリ300からRDS−TMC部200に供給される電源を遮断して、再度投入する。なお、RDS−TMC部200は、ICモジュールから構成されている。また、RDS−TMC部200は、制御部140内に設けられていてもよい。
【0049】
図10、図11及び図12(A)及び図12(B)を用い、車載システム1の制御について説明する。図10はポータブル機器10の制御部20の制御を示すフローチャート、図11は車載機器100の制御部140の制御を示すフローチャートである。図12(A)及び図12(B)は、各ユニットの信号の送受信を示す図である。
【0050】
図12(A)を参照に、電源スイッチ202はオンされており、RDS−TMC部200には電源ラインL3が接続されている。RDS−TMC部200はポータブル機器10の制御部20からの情報要求信号に基づき、第2通信ラインL2を介し、TMC情報を制御部20に供給している。TMC情報はRDS−TMC部200が受信した交通情報である。交通情報には、渋滞情報等が含まれる。図10に示すように、ポータブル機器10の制御部20は、RDS−TMC部200がフリーズしているかを判断する(ステップS10)。
【0051】
例えば、制御部20は、RDS−TMC部200に通常通りに動作しているかを確認する確認信号を、第2通信ラインを介してRDS−TMC部200に送信する。RDS−TMC部200が通常通りに動作している場合は、RD−TMC部200から制御部20に動作していることを示す動作信号を、第2通信ラインL2を介して送信する。一方、RDS−TMC部200がフリーズ(機能停止)した場合、RDS−TMC部200は動作信号を制御部20に送信できない。したがって、制御部20は、確認信号をRDS−TMC部200に送信してから、所定時間経過しても動作信号を受信できない場合は、RDS−TMC部200がフリーズしていると判断する。
【0052】
ステップS10において、Noの場合、終了し、さらに、RDS−TMC部200との送受信を継続する。ステップS10において、Yesの場合、図12(B)を参照に、制御部20は第1通信ラインL1を介し、車載機器100の制御部140に電源信号を送信する(ステップS12)。電源信号とは、RDS−TMC部200を再起動するための信号であり、実施例1では、RDS−TMC部200の電源を遮断し、その後再供給させる情報である。
【0053】
図11を参照に、車載機器100の制御部140は、ポータブル機器10の制御部20からの電源信号を受信したか判断する(ステップS20)。ステップS20において、Noの場合、終了し再度ステップS20に戻る。ステップS20において、Yesの場合、図12(B)に示すように、制御部140は電源スイッチ202をオフし、再びオンする(ステップS22)。これにより、RDS−TMC部200が再起動される。
【0054】
実施例1によれば、RDS−TMC部200は、車載機器100に設けられているが、RDS−TMC部200に入出力される情報は第2通信ラインL2を介しポータブル機器10の制御部20に送受信されている。したがって、RDS−TMC部200がフリーズしたと判断できるのはポータブル機器10の制御部20である。そこで、制御部20はRDS−TMC部200の再起動を行う場合、第2通信ラインL2とは別の通信ラインを用い、RDS−TMC部200の再起動を制御することとなる。しかしながら、コスト削減のためにはコネクタ30及び150のピン数は少ないことが好ましい。そこで、制御部20と制御部140との間の制御信号を送受信する第1通信ラインL1を用い、図10のステップS12のように、制御部20は制御部140に電源信号を送信する。制御部140は、電源信号に基づきRDS−TMC部200を再起動する。つまり、制御部140は、第1通信ラインL1を介してポータブル機器10からRDS−TMC部200の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、RDS−TMC部200を再起動させる制御をする。これにより、第1通信ラインL1及び第2通信ラインL2以外に通信ラインを追加することなく、RDS−TMC部200の再起動を行うことができる。
【0055】
また、車両バッテリ300等の電源供給部からRDS−TMC部200に供給される電源を遮断して、再度供給する制御を行うことで、RDS−TMC部200の再起動を行うことができる。これにより、簡単にRDS−TMC部200の再起動を行うことができる。なお、再起動とは、機能が停止しているRDS−TMC部200を再度起動することである。
【0056】
情報提供部としてはRDS−TMC部200以外にも、VICS情報をポータブル機器10に提供するVICS部であってもよく、衛星ラジオの情報を受信する受信部であってもよい。このように、情報提供部は、ナビゲーション機器であるポータブル機器10に交通情報を提供するユニットとすることができる。また、情報提供部が提供するポータブル機器10に提供する情報は、その他の情報であってもよい。このように、情報提供部は、車載機器100に設けられ、第1通信ラインL1とは別の通信ラインを用い、ポータブル機器10に情報を提供するユニットであればよい。
【0057】
さらに、図9のように、車載機器100は、車両バッテリ300からRDS−TMC部200に供給される電源を遮断して、投入する電源スイッチ202を備えている。制御部140は、電源信号を受信した場合に、電源スイッチ202を制御する。電源スイッチ202は、制御部140からの制御に基づいて車両バッテリからRDS−TMC部200に供給される電源を遮断して、再度供給することができる。これにより、簡単に、RDS−TMC部200の電源の遮断と投入とを行うことができる。なお、電源供給部は、車載機器100に設けられたバッテリでもよい。
【0058】
実施例1において、携帯装置としてナビゲーション機器であるポータブル部10を例に説明したが、携帯装置はナビゲーション機器以外の電子機器でもよい。なお、ナビゲーション機器とは、地図情報上に自車両の位置を表示して、使用者によって、目的地が設定された場合には目的地までの経路案内を行う電子機器である。また、電子装置が車載機器である例を説明したが、電子装置は例えば家庭用電子装置等の車載機器以外の電子装置であってもよい。
【0059】
図5では、車載機器100にCD再生部135が設けられているが、光ディスク記憶媒体再生部として、CDプレーヤ、DVDプレーヤ、ブルーレイプレーヤまたはHD−DVDを設けた構成でもよい、車載機器100がDVDプレーヤを設けている場合には、DVDの動画情報をポータブル機器10に再生する構成としてもよい。
【0060】
ポータブル機器10はワンセグTVチューナを有し、車載機器100はフルセグTVCチューナを有してもよい。この場合、ポータブル機器10装着時には、ワンセグTVチューナを使用するか、フルセグTVCチューナを使用するかを選択することができる。あるいは、自動的にフルセグTVCチューナに切り換わる構成でもよい。
【0061】
また、実施例1の図5の車載機器100では、VICS情報等の道路情報を路車間通信により受信する道路情報受信部を省略して記載したが、実際は車載機器100は、道路情報受信部を有している。
【0062】
ポータブル機器10は、地図データ記憶部を有してもよく、地図データ記憶部は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、1.8インチ等の小型ハードディスク等で構成されていてもよい。また、これらは、脱着可能なICメモリカード(SDカード、ミニSD、メモリスティックまたはコンパクトフラッシュ等)、カード型のHDD(マイクロドライブ)で構成されていてもよい。
【0063】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1(A)、(B)は実施例1に用いる車載システムの外観を示す模式図である。
【図2】図2はポータブル機器を車載機器から取り外した状態を示す模式図である。
【図3】図3は前面部を車載機器本体に対して傾斜させ、CD挿排口を露出させた状態を示す模式図である。
【図4】図4は、車載システムの車両への搭載例を示す模式図である。
【図5】図5は、車載システムの概略を示すブロック図である。
【図6】図6は本体部の正面模式図である。
【図7】図7(A)から(D)は本体部に装着されたポータブル機器の表示を示す模式図である。
【図8】図8(A)は、ポータブル機器の正面模式図、上面模式図、下面模式図、左側面模式図、右側面模式図であり、図8(B)はポータブル機器の背面模式図である。
【図9】図9は車載システムのRDS−TMC部を中心としたブロック図である。
【図10】図10はポータブル機器の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は車載機器の制御部の動作を示すフローチャートである。
【図12】図12(A)及び図12(B)は情報の送受信を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
10 ポータブル機器
20 制御部
30 コネクタ
100 車載機器
140 制御部
150 コネクタ
200 RDS−TMC部
202 電源スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に情報を提供する情報提供部を備えた電子装置において、
第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に第2通信ラインを介して情報を提供する情報提供部を備えた電子装置において、
前記第2通信ラインとは別の第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、電源供給部から前記情報提供部に供給される電源を遮断して、再度供給する制御を行うことで前記情報提供部を再起動させる制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の電子装置。
【請求項4】
前記電源供給部から前記情報提供部に供給される電源を遮断して、投入する電源スイッチを備えており、
前記制御部は、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記電源スイッチを制御し、
前記電源スイッチは、前記制御部からの制御に基づいて電源供給部から前記情報提供部に供給される電源を遮断して、再度供給することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子装置。
【請求項5】
前記携帯装置はナビゲージョン機器であり、前記情報提供部は、前記携帯装置に交通情報を提供することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子装置。
【請求項6】
前記電子装置は車載用電子装置であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電子装置。
【請求項7】
携帯装置と、前記携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に情報を提供する情報提供部を備えた電子装置と、を有する電子システムであって、
前記電子装置は、第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子システム。
【請求項8】
携帯装置と、前記携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に第2通信ラインを介して情報を提供する情報提供部を備えた電子装置と、を有する電子システムにおいて、
前記電子装置は、前記第2通信ラインとは別の第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子システム。
【請求項1】
携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に情報を提供する情報提供部を備えた電子装置において、
第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に第2通信ラインを介して情報を提供する情報提供部を備えた電子装置において、
前記第2通信ラインとは別の第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、電源供給部から前記情報提供部に供給される電源を遮断して、再度供給する制御を行うことで前記情報提供部を再起動させる制御を行うことを特徴とする請求項1または2記載の電子装置。
【請求項4】
前記電源供給部から前記情報提供部に供給される電源を遮断して、投入する電源スイッチを備えており、
前記制御部は、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記電源スイッチを制御し、
前記電源スイッチは、前記制御部からの制御に基づいて電源供給部から前記情報提供部に供給される電源を遮断して、再度供給することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の電子装置。
【請求項5】
前記携帯装置はナビゲージョン機器であり、前記情報提供部は、前記携帯装置に交通情報を提供することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の電子装置。
【請求項6】
前記電子装置は車載用電子装置であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電子装置。
【請求項7】
携帯装置と、前記携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に情報を提供する情報提供部を備えた電子装置と、を有する電子システムであって、
前記電子装置は、第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子システム。
【請求項8】
携帯装置と、前記携帯装置を着脱可能で、前記携帯装置に第2通信ラインを介して情報を提供する情報提供部を備えた電子装置と、を有する電子システムにおいて、
前記電子装置は、前記第2通信ラインとは別の第1通信ラインを介して前記携帯装置と制御情報を送受信するとともに、前記第1通信ラインを介して前記携帯装置から前記情報提供部の機能が停止したことを示す信号を受信した場合に、前記情報提供部を再起動させる制御をする制御部を備えて構成されることを特徴とする電子システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−299679(P2008−299679A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146296(P2007−146296)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.VICS
3.コンパクトフラッシュ
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.VICS
3.コンパクトフラッシュ
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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