説明

電子部品の実装装置及び実装方法

【課題】この発明は基板の一端部の一方の面と他端部の他方の面に可撓性配線シートを介して電子部品を確実に実装できる実装装置を提供することにある。
【解決手段】第1の実装用パレット13に載置された基板1の一端部の一方の面に可撓性配線シート3を介して第1の電子部品2を実装する第1の本圧着部22と、基板が載置された第1の実装用パレットの上面に第2の実装用パレット26を重合し、これらを重合状態で反転させて上側の第1の実装用パレットを取り除く反転部25と、反転した第2の実装用パレットに載置された基板の他端部の他方の面に可撓性配線シート6を介して第2の電子部品5を実装する第2の本圧着部38を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は基板の一端部の一方の面と他端部の他方の面のそれぞれに可撓性の接続部材を介して電子部品を実装する実装装置及び実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、電子機器としての携帯電話には電子回路が形成された基板が設けられる。この基板の一端部の一方の面には液晶式のディスプレイパネルなどの第1の電子部品が接続され、他端部の他方の面にはキーボードなどの第2の電子部品が接続(実装)される。
【0003】
基板に対して第1、第2の電子部品を接続する場合、従来は特許文献1に示されるようにコネクタが用いられていた。しかしながら、基板に電子部品をコネクタによって接続する構成はコネクタが高価であるため、大幅なコスト上昇を招くということがあった。
【0004】
そこで、上記基板の一方の面の一端部と、他方の面の他端部にそれぞれ第1、第2の電子部品を実装する場合、コネクタに代わって可撓性の接続部材としての可撓性配線シート(FPC:Flexible Printed Circuit)を用いて上記電子部品を上記基板に接続するということが行われている。
【0005】
上記FPCを用いて電子部品を基板に接続する場合、上記基板の一方の面の一端部に接着性を有する異方性導電テープ(ACF:Anisotropic Conductive Film)を貼着し、その異方性導電テープに一端部が第1の電子部品に接続されたFPCの他端部を接続する。
【0006】
基板の一端部の一方の面に第1の電子部品を接続したならば、その基板を上下方向に反転させ、この基板の他端部の他方の面に、一端部が第2の電子部品に接続されたFPCの他端部を接続するようにしている。
【特許文献1】特開平10−83873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、基板の一端部の一方の面にFPCを介して第1の電子部品を接続した後、その回路基板の他端部の他方の面にFPCを介して第2の電子部品を接続するため、基板の上下面を反転させる場合、第1の電子部品を基板に接続したFPCが第1の電子部品の重量によって大きく撓むことが避けられない。
【0008】
FPCが大きく撓むと、第1の電子部品が実装された基板の反転作業を自動化することが困難となる。そのため、従来は基板の反転作業を手作業で行うようにしていたので、生産性を十分に向上させることができないということがあった。
【0009】
この発明は、一方の面の一端部に可撓性配線シートを介して第1の電子部品が実装された基板の他方の面の他端部に第2の電子部品を実装するとき、その基板の反転作業を自動化することができるようにした電子部品の実装装置及び実装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、基板の一端部の一方の面と他端部の他方の面に第1の電子部品と第2の電子部品をそれぞれ可撓性の接続部材を介して実装する実装装置であって、
上記基板が上記一方の面を上にして載置される第1の実装用パレットと、
上記基板の一端部の一方の面に上記接続部材を介して上記第1の電子部品を実装する第1の実装手段と、
上記第1の電子部品が実装された基板が載置された上記第1の実装用パレットの上面に第2の実装用パレットを重合し、これら実装用パレットを重合状態で反転させて上側になった第1の実装用パレットを取り除く反転手段と、
この反転手段によって上記第2の実装用パレットに他方の面を上にして載置された上記基板の他端部の他方の面に上記接続部材を介して上記第2の電子部品を実装する第2の実装手段と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装装置にある。
【0011】
この発明は、基板の一端部の一方の面と他端部の他方の面に第1の電子部品と第2の電子部品をそれぞれ可撓性の接続部材を介して実装する実装装置であって、
上記基板が上記一方の面を上にして載置される第1の実装用パレットと、
この第1の実装用パレットに載置された上記基板の一端部の一方の面に上記接続部材を介して上記第1の電子部品を実装する第1の実装手段と、
上記第1の電子部品が実装された基板が載置された上記第1の実装用パレットの上面に第2の実装用パレットを重合し、これら実装用パレットを重合状態で反転させて上側になった第1の実装用パレットを取り除く反転手段と、
この反転手段によって上記第2の実装用パレットに他方の面を上にして載置された上記基板の他端部の他方の面に上記接続部材を介して上記第2の電子部品を実装する第2の実装手段と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装装置にある。
【0012】
上記反転手段は、重合された上記第1の実装用パレットと第2の実装用パレットを挟持して反転させる挟持反転機構と、
この挟持反転機構によって反転させられて上側となった上記第1の実装用パレットを取り除く除去機構とによって構成されていることが好ましい。
【0013】
上記第1の実装用パレットは搬送用パレットに載置されて搬送され、この搬送用パレット上で上記第1の実装用パレットに第2の実装用パレットが重合されてこれらパレットが反転させられてから、上記第1の実装用パレットが取り除かれて上記第2の実装用パレットが上記搬送用パレットによって搬送されることが好ましい。
【0014】
この発明は、基板の一端部の一方の面と他端部の他方の面に第1の電子部品と第2の電子部品をそれぞれ可撓性配線シートを介して実装する実装方法であって、
第1の実装用パレットに上記基板を上記一方の面を上にして載置する工程と、
上記第1の実装用パレットに載置された上記基板の一端部の一方の面に異方性導電テープを貼着する工程と、
上記基板の一端部の一方の面に貼着された異方性導電テープに上記可撓性配線シートを介して上記第1の電子部品を実装する工程と、
上記第1の電子部品が実装された基板が載置された上記第1の実装用パレットの上面に第2の実装用パレットを重合し、これら実装用パレットを重合状態で反転させて上側になった第1の実装用パレットを取り除く工程と、
反転させられた上記第2の実装用パレットに載置された上記基板の他端部の他方の面に異方性導電テープを貼着する工程と、
上記基板の他端部の他方の面に貼着された異方性導電テープに上記可撓性配線シートを介して上記第2の電子部品を実装する工程と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装方法にある。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、基板を第1の実装用パレットに載置し、この基板の一端部の一方の面に第1の電子部品を可撓性の接続部材を介して接続したならば、第1の実装用パレットに第2の実装用パレットを重合し、これら実装用パレットを重合させた状態で反転させてから、上側の第1の実装用パレットを取り除き、上下面が反転させられた上記基板の他端部の他方の面に第2の電子部品を可撓性の接続部材を介して接続する。
【0016】
そのため、基板を反転させるとき、第1、第2の実装用パレットによって基板とともに第1の電子部品が保持されるから、反転作業を自動化したときに可撓性の接続部材を撓ませることなく、第1の電子部品が接続された基板を反転させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の実装装置の概略的構成図である。この実装装置は、電子機器としての携帯電話に内蔵される基板1(図2に示す)の一端部の一方の面に、第1の液晶式のディスプレイパネルなどの第1の電子部品2を第1の可撓性接続部材としての第1の可撓性配線シート3を介して実装する第1の実装部B1と、上記基板1の他端部の他方の面にキーボードなどの第2の電子部品5を第2の可撓性接続部材としての第2の可撓性配線シート6を介して実装する第2の実装部B2を備えている。
【0018】
上記第1の実装部B1にはローダ部11から搬送用パレット12(図3と図4に示す)に載置された第1の実装用パレット13が供給される。上記搬送用パレット12の上面の四隅部には上記第1の実装用パレット13を所定の間隔を介して支持する支持ピン14が突設されている。
【0019】
さらに、上記搬送用パレット12の上面には上記第1の実装用パレット13に保持された複数の基板1の一端部の一方の面に後述するように第1の電子部品2を実装するときに、上記第1の実装用パレット13が下方へ撓むのを防止する複数のバックアップ15が設けられている。
なお、上記第1の実装用パレット13の下面には図示しないが、上記支持ピン14に係合する係合凹部が形成されている。
【0020】
上記第1の実装用パレット13には複数、この実施の形態では図3に示すように4つの載置用凹部17が所定間隔で並列に形成されている。各載置用凹部17の一端部は第1の実装用パレット13の厚さの約半分程度の深さであって、他端部は第1の実装用パレット13の厚さ方向に貫通した開口部分となっている。
【0021】
上記各載置用凹部17には、図4(a)に示すように上記基板1が下方を向いた一方の面を対向させ、長手方向の一端部と他端部を上記第1の実装用パレット13の上面に係合させて載置される。
【0022】
上記基板1の一方の面と他方の面にはICなどの実装部品Pが予め実装されている。そのため、基板1を第1の実装用パレット13の各載置用凹部17に対応する位置に載置したとき、上記実装部品Pが載置用凹部17内に逃げるから、基板1を上記第1の実装用パレット13の上面で確実に支持することができるようになっている。
【0023】
上記搬送用パレット12に支持された上記第1の実装用パレット13は、コンベアなどの図示しない搬送機構によって上記第1の実装部B1の第1のテープ貼着手段18に搬送される。第1のテープ貼着手段18では、上記第1の実装用パレット13に保持された複数の基板1の一端部の上を向いた一方の面に、図4(a)に示すように両面粘着性の第1の異方性導電テープ19が貼着される。
【0024】
ついで、上記搬送用パレット12に支持された上記第1の実装用パレット13は第1の仮圧着部21に搬送され、ここで図4(b)に示すように上記基板1に貼着された第1の接続手段としての第1の異方性導電テープ19に上記第1の電子部品2に一端部が接続された上記第1の可撓性配線シート3の他端部が仮圧着される。
【0025】
ついで、第1の実装用パレット13は第1の本圧着部22に搬送される。第1の実装用パレット13が第1の本圧着部22に搬送されると、第1の実装用パレット13に保持された基板1の一方の面の一端部に仮圧着された上記第1の可撓性配線シート3の他端部が本圧着される。なお、上記第1の仮圧着部21と第1の本圧着部22とで第1の実装手段を構成している。
【0026】
上記第1の可撓性配線シート3の本圧着は仮圧着に比べて高い温度で長い時間を掛けて行われる。そのため、第1の本圧着部22には第1の可撓性配線シート3の他端部を加圧加熱するための2つの圧着ヘッドが設けられている。
【0027】
それによって、第1の仮圧着部21で2枚の基板1に対して第1の可撓性配線シート3を1つずつ仮圧着する作業時間と、第1の本圧着部22で2つの圧着ヘッドで2つの基板1に対して第1の可撓性配線シート3を同時に本圧着する作業時間がほぼ同じになる。
【0028】
したがって、第1の仮圧着部21と第1の本圧着部22との処理能力(タクトタイム)がほぼ同じになる。つまり、第1の仮圧着部21で第1の可撓性配線シート3が仮圧着された基板1を、待ち時間が生じることなく、第1の本圧着部22に搬送することができる。
【0029】
第1の本圧着部22で、第1の実装用パレット13に保持された基板1に、第1の電子部品2を実装する第1の可撓性配線シート3が本圧着されると、その第1の実装用パレット13は第2の実装部B2に搬送される前に、第1の実装部B1と第2の実装部B2との間に設けられた反転手段としての反転部25に搬送される。この反転部25に搬入された第1の実装用パレット13には、図5(a)に示すように第1の実装用パレット13と同じ構造の第2の実装用パレット26が重合される。なお、第2の実装用パレット26に形成される載置用凹部17は開口部分だけとなっている。
【0030】
上記第1の実装用パレット13の上面の四隅部には係合ピン23が設けられ、第2の実装用パレット26の下面には上記係合ピン23が係合する係合凹部(図示せず)が形成されている。それによって、第2の実装用パレット26は第1の実装用パレット13に対して位置決めされて重合する。
【0031】
なお、図5(a)では第1の実装用パレット13の上面と第2の実装用パレット26の下面との間にかなりの隙間が生じているが、基板1や第1の電子部品2は厚さが薄いから、これらの間に大きな隙間が生じることなく、第1の実装用パレット13に第2の実装用パレット26が重合されることになる。
【0032】
重合された第1、第2の実装用パレット13,26は図5(a)に示す挟持反転機構27によって上下方向に180度反転させられる。上記挟持反転機構27は一対の挟持爪28を有する。一対の挟持爪28は開閉駆動部29によって開閉方向(接離方向)に駆動されるようになっている。
【0033】
上記開閉駆動部29は回転体31を介して回転駆動部32に連結されている。この回転駆動部32は上記回転体31を図5(a)に示す軸線Oを中心として回転方向に駆動する。上記回転駆動部32はロボットなどのアーム33に連結されている。このアーム33はX、Y及びZ方向に駆動されるようになっている。それによって、上記一対の挟持爪28は開閉方向、回転方向、X、Y方向及びZ方向に駆動可能となっている。
【0034】
上記第1の実装用パレット13に第2の実装用パレット26が重合されると、これらパレット13,26は図5(a)に示すように一対の挟持爪28によって挟持される。ついで、一対の挟持爪28は、図5(b)に示すように上昇方向に駆動されて一対の実装用パレット13,26を搬送用パレット12から上昇させたのち、一対の挟持爪28が回転駆動部32によって180度回転させられる。
【0035】
それによって、第1の実装用パレット13が上になり、第2の実装用パレット26が下になる。その状態で、一対の挟持爪28は下降方向に駆動され、重合された第1、第2の実装用パレット13、26が搬送用パレット12に載置される。
【0036】
反転させられた第1、第2の実装用パレット13、26が搬送用パレット12に載置されると、上側となった第1の実装用パレット13が除去機構としての図示しないロボットハンドによって除去される。ロボットハンドは上記第1の実装用パレット13の周辺部を保持し、上昇方向に駆動されて上記第1の実装用パレット13を除去する。図5(c)は第2の実装用パレット26から第1の実装用パレット13が除去された状態を示している。
【0037】
第1の実装用パレット13が除去されると、搬送用パレット12に残った第2の実装用パレット26の上面には、一端部の一方の面に第1の電子部品5が第1の可撓性配線シート3によって実装された複数の基板1が第1の実装用パレット13に保持された状態から上下面を逆にして保持された状態となる。
【0038】
第1の実装用パレット13が除去されて搬送用パレット12に載置された第2の実装用パレット26は、第2の実装部B2に搬送される。第2の実装部B2には第2のテープ貼着手段35が設けられている。この第2のテープ貼着手段35では基板1の他端部の上を向いた他方の面に第2の接続手段としての第2の異方性導電テープ36が貼着される。
【0039】
ついで、搬送用パレット12は第2の仮圧着部37に搬送され、ここで上記基板1に貼着された第2の異方性導電テープ36に図5(c)に示すように上記第2の電子部品5に一端部が接続された上記第2の可撓性配線シート6の他端部が仮圧着される。
【0040】
基板1に第2の可撓性配線シート6の他端部が仮圧着されると、第2の実装用パレット26は第2の本圧着部38に搬送される。第2の実装用パレット26が第2の本圧着部38に搬送されると、第2の実装用パレット26に保持された基板1の他方の面の他端部に仮圧着された上記第2の可撓性配線シート6の他端部が本圧着される。なお、上記第2の仮圧着部37と第2の本圧着部38とで第2の実装手段を構成している。
【0041】
上記第2の本圧着部38も上記第1の本圧着部22と同様、2つの圧着ヘッドを有する。それによって、第2の仮圧着部37で2つの基板1に第2の可撓性配線シート6を仮圧着する時間と、第2の本圧着部38で2つの圧着ヘッドによって2枚の基板1に対して第2の可撓性配線シート6を同時に本圧着する処理時間(タクトタイム)がほぼ同じになる。
【0042】
このようにして、第1、第2の可撓性配線シート3、6を介して第1、第2の異方性導電テープ19,36によって第1、第2の電子部品2,5がそれぞれ実装された基板1は、第2の実装用パレット26から取り出されてアンローダ部41に格納される。
【0043】
なお、反転部25で取り除かれた第1の実装用パレット13はローダ部11に戻され、ここで搬送用パレット12に載置されてから載置用凹部17に対応する箇所にそれぞれ基板1が載置される。
【0044】
一方、アンローダ部41に基板1が格納されることで空となった第2の実装用パレット13は上記反転部25に戻され、基板1に第1の電子部品5を実装した後、第1の実装用パレット13を反転させるときに、その第1の実装用パレット13に重合される。
【0045】
このような構成の実装装置によれば、第1の実装部B1で第1の実装用パレット13の上面に載置された基板1に第1の電子部品2が第1の可撓性配線シート3を介して実装されると、第1の実装部B1と第2の実装部B2の間に設けられた反転部25で、上記第1の実装用パレット13に第2の実装用パレット26が重合される。
【0046】
ついで、第1、第2の実装用パレット13、26は挟持反転機構27によって上下が逆向きになるよう180度反転させられた後、上側になった第1の実装用パレット13が除去される。
【0047】
それによって、一端部の一方の面に第1の電子部品2が第1の可撓性配線シート3によって実装された複数の基板1は、他方の面を上にして第2の実装用パレット26の上面に載置された状態になるから、上記基板1の他端部の他方の面に第2の電子部品5を第2の可撓性配線シート6によって実装することができる。
【0048】
すなわち、一端部の一方の面に第1の電子部品2が第1の可撓性配線シート3によって実装された基板1は、第1の実装用パレット13と第2の実装用パレット26によって挟持されて反転させられるから、第1の可撓性配線シート3を撓ませることなく、上記基板1の反転作業を挟持反転機構27によって確実かつ自動的に行なうことが可能となる。
【0049】
上記第1の実装用パレット13は搬送用パレット12に載置して搬送するようにしている。そのため、第1の実装用パレット13を搬送用パレット12に設けられた支持ピン14によって支持することで、第1の実装用パレット13の下面に挟持反転機構27の挟持爪28を差し込むことができるから、第1の実装用パレット13及びこの第1の実装用パレット13に重合された第2の実装用パレット26を一対の挟持爪28で挟持して反転させることができる。
【0050】
つまり、第1の実装用パレット13を搬送用パレット12に載置するようにしたことで、第1の実装用パレット13に第2の実装用パレット26を重合した後、これら一対の実装用パレット13,26を挟持反転機構27によって確実に反転させることができる。
【0051】
上記一実施の形態では、第1、第2の実装部において、基板に対して異方性導電テープに対して可撓性配線シートを仮圧着してから本圧着するようにしたが、仮圧着を行わず、直ちに本圧着するようにしてもよい。
【0052】
また、可撓性の接続部材である、第1、第2の可撓性配線シートを基板に接続する接続手段として異方性導電テープを用いるようにしたが、接続手段としては異方性導電テープに代わり半田、超音波振動によって溶融される金属バンプ、コネクタ或いは接着剤などを用いるなどしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の一実施の形態を示す実装装置の概略的構成図。
【図2】基板の一端部の一方の面と他端部の他方の面にそれぞれ可撓性配線シートを介して電子部品が実装された状態を示す側面図。
【図3】搬送用パレット、第1の実装用パレット、第1の電子部品が実装された基板及び第2の実装用パレットを分解して示す斜視図。
【図4】(a)は第1の実装用パレットに載置された基板に第1の異方性導電テープを圧着した状態を示す説明図、(b)は上記基板に第1の電子部品を実装した状態を示す説明図、(c)は第1の実装用パレットに第2の実装用パレットを重合した状態の説明図。
【図5】(a)は重合された第1、第2の実装用パレットを挟持反転機構の挟持爪で挟持した状態の説明図、(b)は挟持爪で挟持した第1、第2の実装用パレットを搬送用パレットから上昇させて反転させた状態の説明図、(c)は反転させて搬送用パレットに載置された第1、第2の実装用パレットから、上側に位置する第1の実装用パレットを除去した状態の説明図。
【符号の説明】
【0054】
1…基板、2…第1の電子部品、3…第1の可撓性配線シート、5…第2の電子部品、6…第2の可撓性配線シート、11…ローダ部、12…搬送用パレット、18…第1のテープ貼着手段、19…第1の異方性導電テープ、21…第1の仮圧着部、22…第1の本圧着部、25…反転部、26…第2の実装用パレット、27…挟持反転機構、28…挟持爪、29…開閉駆動部、35…第2のテープ貼着手段、36…第2の異方性導電テープ、38…第2の本圧着部、41…アンローダ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一端部の一方の面と他端部の他方の面に第1の電子部品と第2の電子部品をそれぞれ可撓性の接続部材を介して実装する実装装置であって、
上記基板が上記一方の面を上にして載置される第1の実装用パレットと、
上記基板の一端部の一方の面に上記接続部材を介して上記第1の電子部品を実装する第1の実装手段と、
上記第1の電子部品が実装された基板が載置された上記第1の実装用パレットの上面に第2の実装用パレットを重合し、これら実装用パレットを重合状態で反転させて上側になった第1の実装用パレットを取り除く反転手段と、
この反転手段によって上記第2の実装用パレットに他方の面を上にして載置された上記基板の他端部の他方の面に上記接続部材を介して上記第2の電子部品を実装する第2の実装手段と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装装置。
【請求項2】
基板の一端部の一方の面と他端部の他方の面に第1の電子部品と第2の電子部品をそれぞれ可撓性の接続部材を介して実装する実装装置であって、
上記基板が上記一方の面を上にして載置される第1の実装用パレットと、
この第1の実装用パレットに載置された上記基板の一端部の一方の面に上記接続部材を介して上記第1の電子部品を実装する第1の実装手段と、
上記第1の電子部品が実装された基板が載置された上記第1の実装用パレットの上面に第2の実装用パレットを重合し、これら実装用パレットを重合状態で反転させて上側になった第1の実装用パレットを取り除く反転手段と、
この反転手段によって上記第2の実装用パレットに他方の面を上にして載置された上記基板の他端部の他方の面に上記接続部材を介して上記第2の電子部品を実装する第2の実装手段と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装装置。
【請求項3】
上記反転手段は、重合された上記第1の実装用パレットと第2の実装用パレットを挟持して反転させる挟持反転機構と、
この挟持反転機構によって反転させられて上側となった上記第1の実装用パレットを取り除く除去機構とによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
【請求項4】
上記第1の実装用パレットは搬送用パレットに載置されて搬送され、この搬送用パレット上で上記第1の実装用パレットに第2の実装用パレットが重合されてこれらパレットが反転させられてから、上記第1の実装用パレットが取り除かれて上記第2の実装用パレットが上記搬送用パレットによって搬送されることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
【請求項5】
基板の一端部の一方の面と他端部の他方の面に第1の電子部品と第2の電子部品をそれぞれ可撓性の接続部材を介して実装する実装方法であって、
第1の実装用パレットに上記基板を上記一方の面を上にして載置する工程と、
上記第1の実装用パレットに載置された上記基板の一端部の一方の面に上記接続部材を介して上記第1の電子部品を実装する工程と、
上記第1の電子部品が実装された基板が載置された上記第1の実装用パレットの上面に第2の実装用パレットを重合し、これら実装用パレットを重合状態で反転させて上側になった第1の実装用パレットを取り除く工程と、
反転させられた上記第2の実装用パレットに載置された上記基板の他端部の他方の面に上記接続部材を介して上記第2の電子部品を実装する工程と
を具備したことを特徴とする電子部品の実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−272481(P2009−272481A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−122291(P2008−122291)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】