電気光学装置および表示装置
【課題】静電破壊が起こりにくく、しかも、静電破壊が起こったときにショートが起こりにくい静電保護回路を有する電気光学装置およびそれを備えた表示装置を提供する。
【解決手段】電気光学装置は、絶縁基板上に、複数の画素を有する画素領域と、画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを備えている。フレーム領域は、画素を駆動する駆動回路と、制御信号線と、共通電位と同一電位の共通電位電極と、駆動回路を保護する静電保護回路とを有している。静電保護回路は、制御信号線と共通電位電極との間に互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有している。本技術の表示装置は、上記の電気光学装置を表示パネルとして備えている。
【解決手段】電気光学装置は、絶縁基板上に、複数の画素を有する画素領域と、画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを備えている。フレーム領域は、画素を駆動する駆動回路と、制御信号線と、共通電位と同一電位の共通電位電極と、駆動回路を保護する静電保護回路とを有している。静電保護回路は、制御信号線と共通電位電極との間に互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有している。本技術の表示装置は、上記の電気光学装置を表示パネルとして備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、ガラス基板などの絶縁性基板上に画素を駆動する駆動回路が設けられた電気光学装置およびそれを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス型の液晶パネルでは、画素回路内のスイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が用いられる。TFTは、ガラス基板などの絶縁性基板上に、画素電極や、信号線、走査線などと共に作り込まれている。近年では、画素回路の製造工程と同一工程で、画素を駆動するゲートドライバを絶縁性基板上に形成し、製造コストの低減化を図ることが行われている。
【0003】
ところで、絶縁性基板上にTFTを製造する際、絶縁性基板上にTFTを製造した後の工程、または、製品出荷後において、局所的に帯電した電荷によってTFTの静電破壊が生じることがある。そこで、画素回路内のTFTに接続された走査線と、大面積の共通電極との間に静電保護回路を設けることが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4039446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の静電破壊は、ゲートドライバ内のTFTにおいても起こりうる。そこで、例えば、ゲートドライバ内のTFTに接続された制御信号線と、大面積の共通電極との間に静電保護回路を設けることが考えられる。このとき、制御信号線と共通電極との間に設ける静電保護回路として、走査線と共通電極との間に設ける静電保護回路と同様の構成とすることが考えられる。しかし、そのようにした場合、走査線と共通電極との間に設けた静電保護回路が、制御信号線と共通電極との間に設けた静電保護回路よりも静電破壊が起こりやすいという問題があった。なお、静電破壊が起こったとしても、破壊モードがオープンであれば事実上の問題はない。しかし、上記の静電保護回路における破壊モードは、ショートであることが多い。そのため、静電破壊が起こったときに、ショートが起こりにくくなっていることも必要である。
【0006】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電破壊が起こりにくく、しかも、静電破壊が起こったときにショートが起こりにくい静電保護回路を有する電気光学装置およびそれを備えた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の電気光学装置は、絶縁基板上に、複数の画素を有する画素領域と、画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを備えている。フレーム領域は、画素を駆動する駆動回路と、駆動回路を制御する制御信号が印加される制御信号線と、各画素に共通に印加される共通電位と同一電位の共通電位電極と、駆動回路を保護する静電保護回路とを有している。静電保護回路は、制御信号線と共通電位電極との間に互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有している。本技術の表示装置は、上記の電気光学装置を表示パネルとして備えている。
【0008】
本技術の電気光学装置および表示装置では、駆動回路を制御する制御信号が印加される制御信号線と、共通電位電極との間に、互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有する静電保護回路が設けられている。これにより、例えば、1つのダイオードが絶縁破壊によりショートしたとしても、残りのダイオードによって、制御信号線と、共通電位電極との間の絶縁が確保される。
【発明の効果】
【0009】
本技術の電気光学装置および表示装置によれば、1つのダイオードが絶縁破壊によりショートしたとしても、残りのダイオードによって、制御信号線と、共通電位電極との間の絶縁を確保することができるようにしたので、静電保護回路全体で静電破壊が起こりにくくなり、しかも、静電破壊が起こったときに静電保護回路全体としてショートが起こりにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本技術の一実施の形態に係る表示装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1の表示パネルの断面構成を示す図である。
【図3】図1の静電保護回路およびその周辺の構成の一例を示す図である。
【図4】図3のシフトレジスタの入出力端子の一例を示す図である。
【図5】図3のシフトレジスタの構成の一例を示す図である。
【図6】図3の静電保護回路の構成の一例を示す図である。
【図7】図1の静電保護回路およびその周辺の構成の他の例を示す図である。
【図8】図1の静電保護回路およびその周辺の構成のその他の例を示す図である。
【図9】上記の表示装置の第1適用例の外観を表す斜視図である。
【図10】(A)は第2適用例の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図11】第3適用例の外観を表す斜視図である。
【図12】第4適用例の外観を表す斜視図である。
【図13】(A)は第5適用例の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
3.適用例
【0012】
<1.実施の形態>
[構成]
図1は、本技術の一実施の形態に係る表示装置1の全体構成の一例を表したものである。表示装置1は、例えば、表示パネル10と、表示パネル10を制御するコントローラ20とを備えている。なお、表示パネル10が「電気光学装置」の一具体例に相当する。
【0013】
表示パネル10は、複数の画素11がマトリクス状に形成された画素領域10Aと、画素領域10Aの周縁に形成されたフレーム領域10Bとを有している。フレーム領域10Bは、画素11を駆動する駆動回路として、データドライバ12およびゲートドライバ12を有している。表示パネル10は、各画素11がデータドライバ32およびゲートドライバ33によってアクティブ駆動されることにより、外部から入力された映像信号Dinに基づく画像を表示するようになっている。
【0014】
ここで、画素11は、表示パネル10上の画面を構成する最小単位の点に対応するものである。表示パネル10がカラー表示パネルである場合には、画素11は、例えば赤、緑または青などの単色の光を発する副画素に相当し、表示パネル10がモノクロ表示パネルである場合には、画素11は、白色光を発する画素に相当する。上記の映像信号Dinは、1フィールドごとに表示パネル10に表示する映像のデジタル信号であり、画素11ごとのデジタル信号を含んでいる。
【0015】
各画素11は、例えば、電気光学素子の一種である液晶層と、液晶層に電圧を印加する画素電極および対向電極と、画素電極に接続されたスイッチング素子とを有している。スイッチング素子としては、例えば、TFTが挙げられる。対向電極は、画素領域10A全体に形成されたシート状の電極であり、各画素11で共通に用いられる共通電極COMとしての役割を有している。
【0016】
表示パネル10は、行方向に延在する複数のゲート線GTLと、列方向に延在する複数のデータ線DTLとを有している。データ線DTLとゲート線GTLとの交差部分に対応して、画素11が設けられている。各データ線DTLは、データドライバ12の出力端(図示せず)に接続されており、さらに、例えば、画素11内のTFTのソースまたはドレインに接続されている。各ゲート線GTLは、ゲートドライバ13の出力端(図示せず)に接続されており、さらに、例えば、画素11内のTFTのゲートに接続されている。前述の共通電極COMは、例えば、基準電位(例えばグラウンド電位)が印加される基準電位線(図示せず)に電気的に接続されている。なお、基準電位線は、後述の制御信号線14に含まれる配線の1つである。
【0017】
フレーム領域10Bは、さらに、制御信号線14と、共通電位電極16と、これらの間に設けられた静電保護回路15とを有している。制御信号線14は、選択走査に必要な各種制御信号が印加される複数の配線で構成されている。制御信号線14は、コントローラ20とデータドライバ12およびゲートドライバ12とを電気的に接続するものであり、データドライバ12およびゲートドライバ12とを制御する制御信号が印加されるものである。共通電位電極16は、各画素11に共通に印加される共通電位と同一の電位となっている電極であり、具体的には、共通電極COMの電位と同一の電位となっている電極である。共通電位電極16は、共通電極COMとは別体で形成されたものであり、例えば、共通電極COMとは何らかの導電性部材を介して電気的に接続されている。共通電位電極16は、フレーム領域10Bの多くの領域に形成されており、大面積の電極となっている。なお、静電保護回路15については、後に詳述する。
【0018】
コントローラ20は、例えば、供給される映像信号Dinを1画面ごと(1フレームの表示ごと)にフレームメモリに格納して保持するものである。コントローラ20は、また、例えば、表示パネル10を駆動するデータドライバ12およびゲートドライバ13が連動して動作するように制御する機能を有している。コントローラ20は、例えば、ゲートドライバ13に対して、制御信号線14を介して走査タイミング制御信号を供給するようになっている。さらに、コントローラ20は、例えば、データドライバ12に対して、制御信号線14を介して、フレームメモリに保持されている画像信号に基づいた1水平ライン分の画像信号と表示タイミング制御信号を供給するようになっている。
【0019】
データドライバ12は、例えば、コントローラ20から供給される1水平ライン分の映像信号Dinまたはそれに対応する信号を各画素11に供給するものである。具体的には、データドライバ12は、例えば、映像信号Dinまたはそれに対応する信号を、ゲートドライバ13により選択された1水平ラインを構成する各画素11に、データ線DTLを介してそれぞれ供給するものである。
【0020】
ゲートドライバ13は、各画素11を画素行ごとに選択走査するものである。ゲートドライバ13は、例えば、コントローラ20から供給される走査タイミング制御信号に応じて、表示駆動の対象となる画素11を選択する機能を有している。ゲートドライバ13は、例えば、ゲート線GTLを介して、選択パルスを画素11に印加することにより、画素領域10A内の複数の画素11のうちの1行を表示駆動の対象として選択するようになっている。そして、これらの画素11では、データドライバ12から供給される信号に応じて、1水平ラインの表示がなされる。このようにして、ゲートドライバ13は、例えば、時分割的に1水平ラインずつ順次走査を行い、画素領域10A全体にわたった表示を行わせるようになっている。
【0021】
次に、表示パネル10の断面構成について説明する。図2は、表示パネル10の断面構成例を表したものである。表示パネル10は、TFT基板30と、対向基板40と、これらの基板に挟まれた液晶層50と、これらの基板を所定の間隙を介して固定するとともに液晶層50を封止するシール剤60とを含んで構成されている。液晶層50は、例えば、ネマティック液晶からなり、液晶層50のうち画素電極と対向する部位が上述の電気光学素子に対応している。
【0022】
TFT基板40は、ガラス基板などの絶縁基板上に、画素領域と、画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを備えている。TFT基板40は、ガラス基板などの絶縁基板上に、複数の画素11、データドライバ12、ゲートドライバ13および静電保護回路15などが形成されたものである。TFT基板40は、さらに、データ線DTL、ゲート線GTL、制御信号線14、共通電位電極16、液晶層50を配向させる配向膜等も形成されたものである。ここで、画素領域は、複数の画素11と、データ線DTLおよびゲート線GTLの一部とを有している。一方、フレーム領域は、データドライバ12と、ゲートドライバ13と、制御信号線14と、静電保護回路15と、データ線DTLおよびゲート線GTLの一部とを有している。対向基板40は、TFT基板40のうち少なくとも画素領域10Aと対向する領域に、所定の間隙を介して配置されたものである。対向基板40は、例えば、ガラス基板などの絶縁性基板上に、前述の共通電極COM、液晶層50を配向させる配向膜等が形成されたものである。なお、対向基板40は、表示パネル10においてカラー表示を可能にするカラーフィルタを有している場合もある。
【0023】
次に、静電保護回路15について説明する。図3は、静電保護回路15およびその周辺の構成の一例を表したものである。静電保護回路15の周辺には、例えば、ゲートドライバ13、制御信号線14および共通電位電極16が配置されている。ここで、ゲートドライバ13が、例えば図4、図5に示したような一般的なシフトレジスタSRを画素行ごとに1つずつ設けた構成となっており、制御信号線14が、シフトレジスタSRのCLK,XCLK,VGLG,SETごとに1本ずつ割り当てられた4本の配線で構成されているとする。
【0024】
静電保護回路15は、ゲートドライバ13を静電破壊から保護するものであり、制御信号線14と共通電位電極16との間に設けられている。静電保護回路15は、制御信号線14と共通電位電極16との間に互いに直列に接続されるとともに、TFTで構成された複数の(2つの)ダイオード15A,15Bを有している。ここで、ダイオード15A,15Bは、それぞれ、双方向タイプとなっている。ダイオード15A,15Bは、それぞれ、例えば、図6に示したように、2つのTFTが並列接続され、さらに、ソースおよびドレインのうちゲートドライバ13側の端子と、一方のTFTのゲートとが互いに電気的に接続されるとともに、ソースおよびドレインのうち共通電位電極16側の端子と、他方のTFTのゲートとが互いに電気的に接続された構成となっている。これにより、静電保護回路15は、制御信号線14に大きな電荷が蓄積し、所定の電位となったときに、その蓄積した電荷を、大面積の共通電位電極16に放電することが可能となっている。ダイオード15A,15BのTFTチャネル長は、互いに等しくなっていてもよいが、共通電位電極16側のダイオード15BのTFTチャネル長が、制御信号線14側のダイオード15AのTFTチャネル長よりも長くなっていることが好ましい。このようにした場合には、ダイオード15Bの方が、ダイオード15Aよりも耐圧が高くなり、静電破壊が起こりにくくなるので、ダイオード15A、ダイオード15Bが同時に静電破壊される可能性を低くすることができる。
【0025】
なお、静電保護回路15は、形式的には、ゲートドライバ13や制御信号線14の構成に応じた構成となる。静電保護回路15は、例えば、制御信号線14に含まれる配線の数に応じた構成となっており、互いに直列に接続された一組のダイオード(例えば、互いに直列に接続されたダイオード15A,15B)は、制御信号線14に含まれる配線ごとに別個に設けられている。しかし、機能的に本質的な部分(要部)については、上述の具体的な構成に依拠するものではない。例えば、制御信号線14に含まれる配線の数が4本の場合と、そうでない場合とで、ダイオード15A,15Bの、制御信号線14および共通電位電極16との位置関係は変化しない。
【0026】
[効果]
次に、表示装置1の効果について説明する。表示装置1では、制御信号線14と、共通電位電極16との間に、互いに直列に接続されるとともに、TFTで構成された複数のダイオード15A,15Bを有する静電保護回路15が設けられている。これにより、例えば、一方のダイオード(例えばダイオード15A)が絶縁破壊によりショートしたとしても、残りのダイオード(例えばダイオード15B)によって、制御信号線14と、共通電位電極16との間の絶縁が確保される。その結果、静電保護回路15全体で静電破壊が起こりにくくなり、しかも、静電破壊が起こったときに静電保護回路15全体としてショートが起こりにくくなる。
【0027】
<2.変形例>
上記実施の形態では、静電保護回路15が、2つのダイオード15A,15Bで構成されている場合が例示されていたが、3つ以上のダイオードで構成されていてもよい。例えば、図7に示したように、静電保護回路15が、2つのダイオード15A,15Aと、1つのダイオード15Bとで構成されていてもよい。このとき、2つのダイオード15A,15Aは、ダイオード15Bとの関係で、制御信号線14側に配置されていることが好ましい。また、図示しないが、静電保護回路15に含まれる複数のダイオードが、TFTチャネル長の互いに異なるTFTで構成された3つ以上のダイオードとなっていてもよい。ただし、この場合にも、共通電位電極16側のダイオードのTFTチャネル長が、制御信号線14側のダイオードのTFTチャネル長よりも長くなっていることが好ましい。
【0028】
また、上記実施の形態では、2つのダイオード15A,15Bは、制御信号線14に含まれる配線ごとに別個に設けられていたが、ダイオード15Bが、制御信号線14に含まれる少なくとも2つの配線において共用されていてもよい。例えば、図8に示したように、ダイオード15Bが、制御信号線14に含まれる全ての配線において共用されていてもよい。このとき、ダイオード15Bは、制御信号線14に含まれる配線ごとに別個に設けられた各ダイオード15Aに対して直列接続されている。なお、ダイオード15Bが、制御信号線14に含まれる配線ごとに別個に設けられた各ダイオード15Aに対して直列接続されている場合に、ダイオード15Aは、制御信号線14に含まれる配線ごとに1つずつ設けられていてもよいし、複数個ずつ設けられていてもよい。つまり、静電保護回路15に含まれる複数のダイオードは、制御信号線14に含まれる配線ごとに1つずつもしくは複数個ずつ設けられた複数のダイオード15Aと、各ダイオード15Aに対して直列接続されたダイオード15Bとを含んで構成されていてもよい。
【0029】
<3.適用例>
以下、上記実施の形態およびその変形例で説明した表示装置1の適用例について説明する。上記実施の形態等の表示装置1は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0030】
(第1適用例)
図9は、上記実施の形態等の表示装置1が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0031】
(第2適用例)
図10は、上記実施の形態等の表示装置1が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0032】
(第3適用例)
図11は、上記実施の形態等の表示装置1が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0033】
(第4適用例)
図12は、上記実施の形態等の表示装置1が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0034】
(第5適用例)
図13は、上記実施の形態等の表示装置1が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0035】
また、例えば、本技術は以下のような構成を取ることができる。
(1)
絶縁基板上に、複数の画素を有する画素領域と、前記画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを備え、
前記フレーム領域は、
前記画素を駆動する駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御信号が印加される制御信号線と、
各画素に共通に印加される共通電位と同一電位の共通電位電極と、
前記駆動回路を保護する静電保護回路と
を有し、
前記静電保護回路は、前記制御信号線と前記共通電位電極との間に互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有する
電気光学装置。
(2)
前記複数のダイオードは、前記共通電位電極側のダイオードのTFTチャネル長が前記制御信号線側のダイオードのTFTチャネル長よりも長くなるように構成されている
(1)に記載の電気光学装置。
(3)
前記駆動回路は、各画素を画素行ごとに選択走査する走査回路であり、
前記制御信号線は、前記選択走査に必要な各種制御信号が印加される複数の配線で構成されている
(1)または(2)に記載の電気光学装置。
(4)
前記複数のダイオードは、前記配線ごとに別個に設けられている
(3)に記載の電気光学装置。
(5)
前記複数のダイオードは、前記配線ごとに1つずつもしくは複数個ずつ設けられた複数の第1ダイオードと、各第1ダイオードに対して直列接続された第2ダイオードとを含んで構成されている
(3)に記載の電気光学装置。
(6)
電気光学装置を表示パネルとして備え、
前記電気光学装置は、
絶縁基板上に、複数の画素を有する画素領域と、前記画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを有し、
前記フレーム領域は、
前記画素を駆動する駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御信号が印加される制御信号線と、
各画素に共通に印加される共通電位と同一電位の共通電位電極と、
前記駆動回路を保護する静電保護回路と
を有し、
前記静電保護回路は、前記制御信号線と前記共通電位電極との間に互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有する
表示装置。
【符号の説明】
【0036】
1…表示装置、10…表示パネル、10A…画素領域、10B…フレーム領域、11…画素、12…データドライバ、13…ゲートドライバ、14…制御信号線、15…静電保護回路、15A,15B,15C…ダイオード、16…共通電位電極、20…コントローラ、30…TFT基板、40…対向基板、50…液晶層、60…シール剤、COM…共通電極、Din…映像信号、DTL…データ線、GTL…ゲート線、SR…シフトレジスタ。
【技術分野】
【0001】
本技術は、ガラス基板などの絶縁性基板上に画素を駆動する駆動回路が設けられた電気光学装置およびそれを備えた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブマトリクス型の液晶パネルでは、画素回路内のスイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が用いられる。TFTは、ガラス基板などの絶縁性基板上に、画素電極や、信号線、走査線などと共に作り込まれている。近年では、画素回路の製造工程と同一工程で、画素を駆動するゲートドライバを絶縁性基板上に形成し、製造コストの低減化を図ることが行われている。
【0003】
ところで、絶縁性基板上にTFTを製造する際、絶縁性基板上にTFTを製造した後の工程、または、製品出荷後において、局所的に帯電した電荷によってTFTの静電破壊が生じることがある。そこで、画素回路内のTFTに接続された走査線と、大面積の共通電極との間に静電保護回路を設けることが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4039446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の静電破壊は、ゲートドライバ内のTFTにおいても起こりうる。そこで、例えば、ゲートドライバ内のTFTに接続された制御信号線と、大面積の共通電極との間に静電保護回路を設けることが考えられる。このとき、制御信号線と共通電極との間に設ける静電保護回路として、走査線と共通電極との間に設ける静電保護回路と同様の構成とすることが考えられる。しかし、そのようにした場合、走査線と共通電極との間に設けた静電保護回路が、制御信号線と共通電極との間に設けた静電保護回路よりも静電破壊が起こりやすいという問題があった。なお、静電破壊が起こったとしても、破壊モードがオープンであれば事実上の問題はない。しかし、上記の静電保護回路における破壊モードは、ショートであることが多い。そのため、静電破壊が起こったときに、ショートが起こりにくくなっていることも必要である。
【0006】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電破壊が起こりにくく、しかも、静電破壊が起こったときにショートが起こりにくい静電保護回路を有する電気光学装置およびそれを備えた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術の電気光学装置は、絶縁基板上に、複数の画素を有する画素領域と、画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを備えている。フレーム領域は、画素を駆動する駆動回路と、駆動回路を制御する制御信号が印加される制御信号線と、各画素に共通に印加される共通電位と同一電位の共通電位電極と、駆動回路を保護する静電保護回路とを有している。静電保護回路は、制御信号線と共通電位電極との間に互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有している。本技術の表示装置は、上記の電気光学装置を表示パネルとして備えている。
【0008】
本技術の電気光学装置および表示装置では、駆動回路を制御する制御信号が印加される制御信号線と、共通電位電極との間に、互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有する静電保護回路が設けられている。これにより、例えば、1つのダイオードが絶縁破壊によりショートしたとしても、残りのダイオードによって、制御信号線と、共通電位電極との間の絶縁が確保される。
【発明の効果】
【0009】
本技術の電気光学装置および表示装置によれば、1つのダイオードが絶縁破壊によりショートしたとしても、残りのダイオードによって、制御信号線と、共通電位電極との間の絶縁を確保することができるようにしたので、静電保護回路全体で静電破壊が起こりにくくなり、しかも、静電破壊が起こったときに静電保護回路全体としてショートが起こりにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本技術の一実施の形態に係る表示装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1の表示パネルの断面構成を示す図である。
【図3】図1の静電保護回路およびその周辺の構成の一例を示す図である。
【図4】図3のシフトレジスタの入出力端子の一例を示す図である。
【図5】図3のシフトレジスタの構成の一例を示す図である。
【図6】図3の静電保護回路の構成の一例を示す図である。
【図7】図1の静電保護回路およびその周辺の構成の他の例を示す図である。
【図8】図1の静電保護回路およびその周辺の構成のその他の例を示す図である。
【図9】上記の表示装置の第1適用例の外観を表す斜視図である。
【図10】(A)は第2適用例の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図11】第3適用例の外観を表す斜視図である。
【図12】第4適用例の外観を表す斜視図である。
【図13】(A)は第5適用例の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
3.適用例
【0012】
<1.実施の形態>
[構成]
図1は、本技術の一実施の形態に係る表示装置1の全体構成の一例を表したものである。表示装置1は、例えば、表示パネル10と、表示パネル10を制御するコントローラ20とを備えている。なお、表示パネル10が「電気光学装置」の一具体例に相当する。
【0013】
表示パネル10は、複数の画素11がマトリクス状に形成された画素領域10Aと、画素領域10Aの周縁に形成されたフレーム領域10Bとを有している。フレーム領域10Bは、画素11を駆動する駆動回路として、データドライバ12およびゲートドライバ12を有している。表示パネル10は、各画素11がデータドライバ32およびゲートドライバ33によってアクティブ駆動されることにより、外部から入力された映像信号Dinに基づく画像を表示するようになっている。
【0014】
ここで、画素11は、表示パネル10上の画面を構成する最小単位の点に対応するものである。表示パネル10がカラー表示パネルである場合には、画素11は、例えば赤、緑または青などの単色の光を発する副画素に相当し、表示パネル10がモノクロ表示パネルである場合には、画素11は、白色光を発する画素に相当する。上記の映像信号Dinは、1フィールドごとに表示パネル10に表示する映像のデジタル信号であり、画素11ごとのデジタル信号を含んでいる。
【0015】
各画素11は、例えば、電気光学素子の一種である液晶層と、液晶層に電圧を印加する画素電極および対向電極と、画素電極に接続されたスイッチング素子とを有している。スイッチング素子としては、例えば、TFTが挙げられる。対向電極は、画素領域10A全体に形成されたシート状の電極であり、各画素11で共通に用いられる共通電極COMとしての役割を有している。
【0016】
表示パネル10は、行方向に延在する複数のゲート線GTLと、列方向に延在する複数のデータ線DTLとを有している。データ線DTLとゲート線GTLとの交差部分に対応して、画素11が設けられている。各データ線DTLは、データドライバ12の出力端(図示せず)に接続されており、さらに、例えば、画素11内のTFTのソースまたはドレインに接続されている。各ゲート線GTLは、ゲートドライバ13の出力端(図示せず)に接続されており、さらに、例えば、画素11内のTFTのゲートに接続されている。前述の共通電極COMは、例えば、基準電位(例えばグラウンド電位)が印加される基準電位線(図示せず)に電気的に接続されている。なお、基準電位線は、後述の制御信号線14に含まれる配線の1つである。
【0017】
フレーム領域10Bは、さらに、制御信号線14と、共通電位電極16と、これらの間に設けられた静電保護回路15とを有している。制御信号線14は、選択走査に必要な各種制御信号が印加される複数の配線で構成されている。制御信号線14は、コントローラ20とデータドライバ12およびゲートドライバ12とを電気的に接続するものであり、データドライバ12およびゲートドライバ12とを制御する制御信号が印加されるものである。共通電位電極16は、各画素11に共通に印加される共通電位と同一の電位となっている電極であり、具体的には、共通電極COMの電位と同一の電位となっている電極である。共通電位電極16は、共通電極COMとは別体で形成されたものであり、例えば、共通電極COMとは何らかの導電性部材を介して電気的に接続されている。共通電位電極16は、フレーム領域10Bの多くの領域に形成されており、大面積の電極となっている。なお、静電保護回路15については、後に詳述する。
【0018】
コントローラ20は、例えば、供給される映像信号Dinを1画面ごと(1フレームの表示ごと)にフレームメモリに格納して保持するものである。コントローラ20は、また、例えば、表示パネル10を駆動するデータドライバ12およびゲートドライバ13が連動して動作するように制御する機能を有している。コントローラ20は、例えば、ゲートドライバ13に対して、制御信号線14を介して走査タイミング制御信号を供給するようになっている。さらに、コントローラ20は、例えば、データドライバ12に対して、制御信号線14を介して、フレームメモリに保持されている画像信号に基づいた1水平ライン分の画像信号と表示タイミング制御信号を供給するようになっている。
【0019】
データドライバ12は、例えば、コントローラ20から供給される1水平ライン分の映像信号Dinまたはそれに対応する信号を各画素11に供給するものである。具体的には、データドライバ12は、例えば、映像信号Dinまたはそれに対応する信号を、ゲートドライバ13により選択された1水平ラインを構成する各画素11に、データ線DTLを介してそれぞれ供給するものである。
【0020】
ゲートドライバ13は、各画素11を画素行ごとに選択走査するものである。ゲートドライバ13は、例えば、コントローラ20から供給される走査タイミング制御信号に応じて、表示駆動の対象となる画素11を選択する機能を有している。ゲートドライバ13は、例えば、ゲート線GTLを介して、選択パルスを画素11に印加することにより、画素領域10A内の複数の画素11のうちの1行を表示駆動の対象として選択するようになっている。そして、これらの画素11では、データドライバ12から供給される信号に応じて、1水平ラインの表示がなされる。このようにして、ゲートドライバ13は、例えば、時分割的に1水平ラインずつ順次走査を行い、画素領域10A全体にわたった表示を行わせるようになっている。
【0021】
次に、表示パネル10の断面構成について説明する。図2は、表示パネル10の断面構成例を表したものである。表示パネル10は、TFT基板30と、対向基板40と、これらの基板に挟まれた液晶層50と、これらの基板を所定の間隙を介して固定するとともに液晶層50を封止するシール剤60とを含んで構成されている。液晶層50は、例えば、ネマティック液晶からなり、液晶層50のうち画素電極と対向する部位が上述の電気光学素子に対応している。
【0022】
TFT基板40は、ガラス基板などの絶縁基板上に、画素領域と、画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを備えている。TFT基板40は、ガラス基板などの絶縁基板上に、複数の画素11、データドライバ12、ゲートドライバ13および静電保護回路15などが形成されたものである。TFT基板40は、さらに、データ線DTL、ゲート線GTL、制御信号線14、共通電位電極16、液晶層50を配向させる配向膜等も形成されたものである。ここで、画素領域は、複数の画素11と、データ線DTLおよびゲート線GTLの一部とを有している。一方、フレーム領域は、データドライバ12と、ゲートドライバ13と、制御信号線14と、静電保護回路15と、データ線DTLおよびゲート線GTLの一部とを有している。対向基板40は、TFT基板40のうち少なくとも画素領域10Aと対向する領域に、所定の間隙を介して配置されたものである。対向基板40は、例えば、ガラス基板などの絶縁性基板上に、前述の共通電極COM、液晶層50を配向させる配向膜等が形成されたものである。なお、対向基板40は、表示パネル10においてカラー表示を可能にするカラーフィルタを有している場合もある。
【0023】
次に、静電保護回路15について説明する。図3は、静電保護回路15およびその周辺の構成の一例を表したものである。静電保護回路15の周辺には、例えば、ゲートドライバ13、制御信号線14および共通電位電極16が配置されている。ここで、ゲートドライバ13が、例えば図4、図5に示したような一般的なシフトレジスタSRを画素行ごとに1つずつ設けた構成となっており、制御信号線14が、シフトレジスタSRのCLK,XCLK,VGLG,SETごとに1本ずつ割り当てられた4本の配線で構成されているとする。
【0024】
静電保護回路15は、ゲートドライバ13を静電破壊から保護するものであり、制御信号線14と共通電位電極16との間に設けられている。静電保護回路15は、制御信号線14と共通電位電極16との間に互いに直列に接続されるとともに、TFTで構成された複数の(2つの)ダイオード15A,15Bを有している。ここで、ダイオード15A,15Bは、それぞれ、双方向タイプとなっている。ダイオード15A,15Bは、それぞれ、例えば、図6に示したように、2つのTFTが並列接続され、さらに、ソースおよびドレインのうちゲートドライバ13側の端子と、一方のTFTのゲートとが互いに電気的に接続されるとともに、ソースおよびドレインのうち共通電位電極16側の端子と、他方のTFTのゲートとが互いに電気的に接続された構成となっている。これにより、静電保護回路15は、制御信号線14に大きな電荷が蓄積し、所定の電位となったときに、その蓄積した電荷を、大面積の共通電位電極16に放電することが可能となっている。ダイオード15A,15BのTFTチャネル長は、互いに等しくなっていてもよいが、共通電位電極16側のダイオード15BのTFTチャネル長が、制御信号線14側のダイオード15AのTFTチャネル長よりも長くなっていることが好ましい。このようにした場合には、ダイオード15Bの方が、ダイオード15Aよりも耐圧が高くなり、静電破壊が起こりにくくなるので、ダイオード15A、ダイオード15Bが同時に静電破壊される可能性を低くすることができる。
【0025】
なお、静電保護回路15は、形式的には、ゲートドライバ13や制御信号線14の構成に応じた構成となる。静電保護回路15は、例えば、制御信号線14に含まれる配線の数に応じた構成となっており、互いに直列に接続された一組のダイオード(例えば、互いに直列に接続されたダイオード15A,15B)は、制御信号線14に含まれる配線ごとに別個に設けられている。しかし、機能的に本質的な部分(要部)については、上述の具体的な構成に依拠するものではない。例えば、制御信号線14に含まれる配線の数が4本の場合と、そうでない場合とで、ダイオード15A,15Bの、制御信号線14および共通電位電極16との位置関係は変化しない。
【0026】
[効果]
次に、表示装置1の効果について説明する。表示装置1では、制御信号線14と、共通電位電極16との間に、互いに直列に接続されるとともに、TFTで構成された複数のダイオード15A,15Bを有する静電保護回路15が設けられている。これにより、例えば、一方のダイオード(例えばダイオード15A)が絶縁破壊によりショートしたとしても、残りのダイオード(例えばダイオード15B)によって、制御信号線14と、共通電位電極16との間の絶縁が確保される。その結果、静電保護回路15全体で静電破壊が起こりにくくなり、しかも、静電破壊が起こったときに静電保護回路15全体としてショートが起こりにくくなる。
【0027】
<2.変形例>
上記実施の形態では、静電保護回路15が、2つのダイオード15A,15Bで構成されている場合が例示されていたが、3つ以上のダイオードで構成されていてもよい。例えば、図7に示したように、静電保護回路15が、2つのダイオード15A,15Aと、1つのダイオード15Bとで構成されていてもよい。このとき、2つのダイオード15A,15Aは、ダイオード15Bとの関係で、制御信号線14側に配置されていることが好ましい。また、図示しないが、静電保護回路15に含まれる複数のダイオードが、TFTチャネル長の互いに異なるTFTで構成された3つ以上のダイオードとなっていてもよい。ただし、この場合にも、共通電位電極16側のダイオードのTFTチャネル長が、制御信号線14側のダイオードのTFTチャネル長よりも長くなっていることが好ましい。
【0028】
また、上記実施の形態では、2つのダイオード15A,15Bは、制御信号線14に含まれる配線ごとに別個に設けられていたが、ダイオード15Bが、制御信号線14に含まれる少なくとも2つの配線において共用されていてもよい。例えば、図8に示したように、ダイオード15Bが、制御信号線14に含まれる全ての配線において共用されていてもよい。このとき、ダイオード15Bは、制御信号線14に含まれる配線ごとに別個に設けられた各ダイオード15Aに対して直列接続されている。なお、ダイオード15Bが、制御信号線14に含まれる配線ごとに別個に設けられた各ダイオード15Aに対して直列接続されている場合に、ダイオード15Aは、制御信号線14に含まれる配線ごとに1つずつ設けられていてもよいし、複数個ずつ設けられていてもよい。つまり、静電保護回路15に含まれる複数のダイオードは、制御信号線14に含まれる配線ごとに1つずつもしくは複数個ずつ設けられた複数のダイオード15Aと、各ダイオード15Aに対して直列接続されたダイオード15Bとを含んで構成されていてもよい。
【0029】
<3.適用例>
以下、上記実施の形態およびその変形例で説明した表示装置1の適用例について説明する。上記実施の形態等の表示装置1は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0030】
(第1適用例)
図9は、上記実施の形態等の表示装置1が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0031】
(第2適用例)
図10は、上記実施の形態等の表示装置1が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0032】
(第3適用例)
図11は、上記実施の形態等の表示装置1が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0033】
(第4適用例)
図12は、上記実施の形態等の表示装置1が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0034】
(第5適用例)
図13は、上記実施の形態等の表示装置1が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記実施の形態等の表示装置1により構成されている。
【0035】
また、例えば、本技術は以下のような構成を取ることができる。
(1)
絶縁基板上に、複数の画素を有する画素領域と、前記画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを備え、
前記フレーム領域は、
前記画素を駆動する駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御信号が印加される制御信号線と、
各画素に共通に印加される共通電位と同一電位の共通電位電極と、
前記駆動回路を保護する静電保護回路と
を有し、
前記静電保護回路は、前記制御信号線と前記共通電位電極との間に互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有する
電気光学装置。
(2)
前記複数のダイオードは、前記共通電位電極側のダイオードのTFTチャネル長が前記制御信号線側のダイオードのTFTチャネル長よりも長くなるように構成されている
(1)に記載の電気光学装置。
(3)
前記駆動回路は、各画素を画素行ごとに選択走査する走査回路であり、
前記制御信号線は、前記選択走査に必要な各種制御信号が印加される複数の配線で構成されている
(1)または(2)に記載の電気光学装置。
(4)
前記複数のダイオードは、前記配線ごとに別個に設けられている
(3)に記載の電気光学装置。
(5)
前記複数のダイオードは、前記配線ごとに1つずつもしくは複数個ずつ設けられた複数の第1ダイオードと、各第1ダイオードに対して直列接続された第2ダイオードとを含んで構成されている
(3)に記載の電気光学装置。
(6)
電気光学装置を表示パネルとして備え、
前記電気光学装置は、
絶縁基板上に、複数の画素を有する画素領域と、前記画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを有し、
前記フレーム領域は、
前記画素を駆動する駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御信号が印加される制御信号線と、
各画素に共通に印加される共通電位と同一電位の共通電位電極と、
前記駆動回路を保護する静電保護回路と
を有し、
前記静電保護回路は、前記制御信号線と前記共通電位電極との間に互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有する
表示装置。
【符号の説明】
【0036】
1…表示装置、10…表示パネル、10A…画素領域、10B…フレーム領域、11…画素、12…データドライバ、13…ゲートドライバ、14…制御信号線、15…静電保護回路、15A,15B,15C…ダイオード、16…共通電位電極、20…コントローラ、30…TFT基板、40…対向基板、50…液晶層、60…シール剤、COM…共通電極、Din…映像信号、DTL…データ線、GTL…ゲート線、SR…シフトレジスタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板上に、複数の画素を有する画素領域と、前記画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを備え、
前記フレーム領域は、
前記画素を駆動する駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御信号が印加される制御信号線と、
各画素に共通に印加される共通電位と同一電位の共通電位電極と、
前記駆動回路を保護する静電保護回路と
を有し、
前記静電保護回路は、前記制御信号線と前記共通電位電極との間に互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有する
電気光学装置。
【請求項2】
前記複数のダイオードは、前記共通電位電極側のダイオードのTFTチャネル長が前記制御信号線側のダイオードのTFTチャネル長よりも長くなるように構成されている
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記駆動回路は、各画素を画素行ごとに選択走査する走査回路であり、
前記制御信号線は、前記選択走査に必要な各種制御信号が印加される複数の配線で構成されている
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記複数のダイオードは、前記配線ごとに別個に設けられている
請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記複数のダイオードは、前記配線ごとに1つずつもしくは複数個ずつ設けられた複数の第1ダイオードと、各第1ダイオードに対して直列接続された第2ダイオードとを含んで構成されている
請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項6】
電気光学装置を表示パネルとして備え、
前記電気光学装置は、
絶縁基板上に、複数の画素を有する画素領域と、前記画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを有し、
前記フレーム領域は、
前記画素を駆動する駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御信号が印加される制御信号線と、
各画素に共通に印加される共通電位と同一電位の共通電位電極と、
前記駆動回路を保護する静電保護回路と
を有し、
前記静電保護回路は、前記制御信号線と前記共通電位電極との間に互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有する
表示装置。
【請求項1】
絶縁基板上に、複数の画素を有する画素領域と、前記画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを備え、
前記フレーム領域は、
前記画素を駆動する駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御信号が印加される制御信号線と、
各画素に共通に印加される共通電位と同一電位の共通電位電極と、
前記駆動回路を保護する静電保護回路と
を有し、
前記静電保護回路は、前記制御信号線と前記共通電位電極との間に互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有する
電気光学装置。
【請求項2】
前記複数のダイオードは、前記共通電位電極側のダイオードのTFTチャネル長が前記制御信号線側のダイオードのTFTチャネル長よりも長くなるように構成されている
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記駆動回路は、各画素を画素行ごとに選択走査する走査回路であり、
前記制御信号線は、前記選択走査に必要な各種制御信号が印加される複数の配線で構成されている
請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記複数のダイオードは、前記配線ごとに別個に設けられている
請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記複数のダイオードは、前記配線ごとに1つずつもしくは複数個ずつ設けられた複数の第1ダイオードと、各第1ダイオードに対して直列接続された第2ダイオードとを含んで構成されている
請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項6】
電気光学装置を表示パネルとして備え、
前記電気光学装置は、
絶縁基板上に、複数の画素を有する画素領域と、前記画素領域の周縁に形成されたフレーム領域とを有し、
前記フレーム領域は、
前記画素を駆動する駆動回路と、
前記駆動回路を制御する制御信号が印加される制御信号線と、
各画素に共通に印加される共通電位と同一電位の共通電位電極と、
前記駆動回路を保護する静電保護回路と
を有し、
前記静電保護回路は、前記制御信号線と前記共通電位電極との間に互いに直列に接続されるとともに、薄膜トランジスタで構成された複数のダイオードを有する
表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−97052(P2013−97052A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237489(P2011−237489)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(598172398)株式会社ジャパンディスプレイウェスト (90)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(598172398)株式会社ジャパンディスプレイウェスト (90)
【Fターム(参考)】
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