説明

電気化学バッテリの積層構成

積層バッテリ(20)は、積層で構成される少なくとも2つの電池セグメント(2)を有する。各電池セグメント(2)は、第1の活性材料電極を有する第1の電極ユニット、第2の活性材料電極を有する第2の電極ユニット、および活性材料電極の間の電解質層(10)を含む。1つ以上のガスケット(60)は、電解質(10)を電池セグメント内に密封するように各電池セグメント(2)に含まれ得る。一実施形態において、第1の電極ユニットは、第1の側面および第2の側面を有する第1の電極層と、第1の電極層の第1の側面上の第1の活性材料とを備え、第1の電極ユニットの第1の部分は、第1の活性材料の少なくとも一部分を冷却するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国仮特許出願第60/901,046号(2007年2月12日出願)に基づく優先権を主張する。この仮出願の全体は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、バッテリに関し、より具体的には、電気化学バッテリの積層構造を向上させるための装置および方法に関し得る。
【背景技術】
【0003】
従来のバッテリは、電極を2つしか持たない巻型電池バッテリ、または多くのプレートセットを並列して有する標準的角柱電池バッテリのいずれかとして製造されてきた。これらの種類の両方において、バッテリ内のあらゆる場所で電解質を共有することができる。巻型電池および角柱電池構造には、電気経路が複数の接続を交差し、有意に長い距離にまたがって、直列構成における1つの電池から次の電池まで完全な回路を網羅しなければならないことによる、高電気抵抗の問題がある。
【0004】
近年、標準的な巻型または角柱バッテリよりも、高い放電率および外部コネクタ間の高い電位差を提供することが可能であり、したがって、ある用途で需要が高い、積層構成の密封電池を伴う種々の種類のバッテリが開発されている。積層構成の密封電池を伴う、ある種類のこれらのバッテリは、単極電極ユニット(MPU)の独立して密封されたペアの積層を概して含むように、開発されている。これらのMPUのそれぞれには、電流コレクタの第1の側面上で被覆される、正の活性材料電極層または負の活性材料電極層のいずれかが提供され得る(例えば、その全体として参照することにより本明細書に組み込まれる、1995年2月28日に発行された、Kleinの特許文献1を参照)。正の活性材料電極層を伴うMPU(すなわち、正のMPU)および負の活性材料電極層を伴うMPU(すなわち、負のMPU)は、これら2つのMPUの電流コレクタを電気的に絶縁するために、その間に電解質層を有し得る。この一対の正および負のMPUの電流コレクタは、その間の活性材料電極層および電解質層とともに、単一の電池または電池セグメントとして密封され得る。正のMPUおよび負のMPUをそれぞれ有する、そのような電池の積層を含むバッテリは、本明細書では、「積層単極」バッテリと呼ばれるものとする。
【0005】
第1および第2の電池が積層構成であるように、第1の電池における電解質層で被覆されていない正のMPUの電流コレクタの側面は、第2の電池における電解質層で被覆されていない負のMPUの電流コレクタの側面に電気的に連結され得る。積層中のこれらの電池セグメントの直列構成により、電位差が電流コレクタ間で異なり得る。しかしながら、特定の電池の電流コレクタが互いに接触した場合、または特定の電池における2つのMPUの共通電解質が積層中の任意の付加的なMPUと共有される場合、バッテリの電圧およびエネルギーは、急速にゼロまで弱まる(すなわち、放電する)。したがって、積層単極バッテリは、そのうちの他の電池のそれぞれから、その電池のそれぞれの電解質を独立して密封することが望ましい。したがって、隣接する電池の間の電解質の向上した密封を伴う、積層単極バッテリを提供できることが有利となるであろう。
【0006】
積層構成の密封電池を伴う、他の種類のこれらのバッテリは、一連の積層双極電極ユニット(BPU)を概して含むように、開発されている。これらのBPUのそれぞれには、電流コレクタの両側面上で被覆される、正の活性材料電極層および負の活性材料電極層が提供され得る(例えば、その全体として参照することにより本明細書に組み込まれる、2004年8月19日に発行された、Fukuzawaらの特許文献2を参照)。2つのBPUの電流コレクタを電気的に絶縁するために、BPUのうちの1つの正の活性材料電極層とBPUのうちのもう1つの負の活性材料電極層との間に提供される、電解質層を伴って、任意の2つのBPUが、互いの上に積層され得る。任意の2つの隣接するBPUの電流コレクタはまた、活性材料電極層およびその間の電解質層とともに、密封された単一の電池または電池セグメントであり得る。第1のBPUの一部分および第2のBPUの一部分をそれぞれ有する、そのような電池の積層を含むバッテリは、本明細書では、「積層双極」バッテリと呼ばれるものとする。
【0007】
第1のBPUの正の側面および第2のBPUの負の側面が第1の電池を形成し得る一方で、例えば、第3のBPUの負の側面または負のMPUの負の側面を伴う、第2の電池を同様に形成し得る。したがって、個々のBPUは、積層双極バッテリの2つの異なる電池に含まれ得る。層中のこれらの電池セグメントの直列構成により、電位差が電流コレクタ間で異なり得る。しかしながら、特定の電池の電流コレクタが互いに接触した場合、または第1の電池における2つのBPUの共通電解質が積層中の任意の他のBPUと共有される場合、バッテリの電圧およびエネルギーは、急速にゼロまで弱まる(すなわち、放電する)。したがって、積層双極バッテリは、そのうちの他の電池のそれぞれから、その電池のそれぞれの電解質を独立して密封することが望ましい。したがって、隣接する電池の間の電解質の向上した密封を伴う、積層双極バッテリを提供できることもまた、有利となるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,393,617号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0161667号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、隣接する電池間の電解質の向上した密封を伴う、積層バッテリを提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、積層方向における複数の電極ユニットの積層を含む、バッテリが提供される。積層は、第1の電極ユニットと、積層方向で第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、第1の電極ユニットと第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層とを含む。バッテリは、内面および外面を有する第1のガスケットをさらに含み、第1のガスケットは、第1の電解質層の周囲に位置付けられ、第1の電解質層は、第1のガスケットの内面ならびに第1および第2の電極ユニットによって密封され、第1の電極ユニットの少なくとも第1の部分は、第1のガスケットの外面の一部分に沿って延在する。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、バッテリは、積層方向における複数の電極ユニットの積層を含む。積層は、第1の電極ユニットと、積層方向で第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、第1の電極ユニットと第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層とを含む。第1の電極ユニットは、第1の電極基板と、第1の電極基板の第1の側面上の第1の活性層とを含む。第1の活性層は、少なくとも、第1の側面の第1の部分上の第1の活性部分と、第1の側面の第2の部分上の第2の活性部分とを含み、第1の活性層の第1の活性部分は、第1の電極基板の第1の側面より上の第1の高さまで延在し、第1の活性層の第2の活性部分は、第1の電極基板の第1の側面より上の第2の高さまで延在し、第1の高さは、第2の高さとは異なる。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、バッテリは、積層方向における複数の電極ユニットの積層を含む。積層は、第1の電極ユニットと、積層方向で第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、第1の電極ユニットと第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層と、積層方向で第2の電極ユニットの上部に積層される第3の電極ユニットと、第2の電極ユニットと第3の電極ユニットとの間に提供される第2の電解質層とを含む。第1の電極ユニットは、積層方向で第1の距離だけ、第2の電極ユニットから分離され、第2の電極ユニットは、積層方向で第2の距離だけ、第3の電極ユニットから分離され、第1の距離は、第2の距離とは異なる。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、バッテリは、積層方向における複数の電極ユニットの積層を含む。積層は、第1の電極ユニットと、積層方向で第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、第1の電極ユニットと第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層とを含む。バッテリはまた、第1の電解質層の周囲に位置付けられる第1のガスケットも含む。第1の電解質層は、第1のガスケットならびに第1および第2の電極ユニットによって密封される。第1のガスケットは、第1のガスケット部材と、第2のガスケット部材とを含み、第2のガスケット部材は、圧縮性である。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、バッテリは、積層方向における複数の電極ユニットの積層を含む。積層は、第1の電極ユニットと、積層方向で第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、第1の電極ユニットと第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層とを含む。バッテリはまた、第1の電極ユニットの周囲に位置付けられる第1のガスケットと、第2の電極ユニットの周囲に位置付けられる第2のガスケットとを含む。第1のガスケット部分は、電解質層の周囲で第2のガスケット部分に連結され、第1の電解質層は、第1のガスケット、第2のガスケット、第1の電極ユニット、および第2の電極ユニットによって密封される。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、バッテリは、積層方向における複数の電極ユニットの積層を含む。積層は、第1の電極ユニットと、積層方向で第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、第1の電極ユニットと第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層とを含む。バッテリはまた、第1の電解質層の周囲に位置付けられる第1のガスケットも含む。第1のガスケットは、第1の電極ユニットに熱的に融合される、および超音波で溶接される、のうちの少なくとも一方である。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、バッテリは、積層方向における複数の電極ユニットの積層を含む。積層は、第1の電極ユニットと、積層方向で第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、第1の電極ユニットと第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層とを含む。バッテリはまた、第1の電解質層の周囲に位置付けられる第1のガスケットも含む。第1の電解質層は、第1のガスケットならびに第1および第2の電極ユニットによって密封される。第1の電極ユニットは、単極電極ユニットであり、第2の電極ユニットは、単極電極ユニットである。
【0017】
本発明の上記および他の利点は、添付図面と併せて理解される、以下の発明を実施するための形態を考慮することによって、より明白となるであろう。図中、類似参照文字は、全体を通して類似部品を指す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明による双極電極ユニット(BPU)の基本構造の概略断面図である。
【図2】図2は、本発明による図1のBPUの積層の基本構造の概略断面図である。
【図3】図3は、本発明による図2のBPUの積層を実装する、積層双極バッテリの基本構造の概略断面図である。
【図3A】図3Aは、図3の双極バッテリの基本構造の回路図である。
【図4】図4は、図3の線IV−IVから得られた、図3の双極バッテリの概略上面図である。
【図4A】図4Aは、図3の線IVA−IVAから得られた、図3および4の双極バッテリの概略上面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aの線IVB−IVBから得られた、図3−4Aの双極バッテリの概略断面図である。
【図5】図5は、図3−4Bの双極バッテリの特定部分の詳細概略断面図である。
【図5A】図5Aは、図5の線VA−VAから得られた、図3−5の双極バッテリの概略底面図である。
【図5B】図5Bは、図5の線VB−VBから得られた、図3−5Aの双極バッテリの概略上面図である。
【図5C】図5Cは、図5の線VC−VCから得られた、図3−5Bの双極バッテリの概略上面図である。
【図6】図6は、図3−5Cの双極バッテリの特定部分の詳細概略断面図である。
【図7】図7は、図6の線VII−VIIから得られた、図3−6の双極バッテリの概略上面図である。
【図8】図8は、図6の線VIII−VIIIから得られた、図3−7の双極バッテリの概略上面図である。
【図9】図9は、図6の線IX−IXから得られた、図3−8の双極バッテリの概略上面図である。
【図10】図10は、本発明の一実施形態による、積層双極バッテリを形成するための方法の第1段階における、ある要素の概略断面図である。
【図11】図11は、図10の線XI−XIから得られた、図10のバッテリの概略上面図である。
【図12】図12は、本発明の一実施形態による、図10および11の積層双極バッテリを形成するための方法の第2段階における、ある要素の概略断面図である。
【図13】図13は、図12の線XIII−XIIIから得られた、図10−12のバッテリの概略上面図である。
【図14】図14は、本発明の一実施形態による、図10−13の積層双極バッテリを形成するための方法の第3段階における、ある要素の概略断面図である。
【図15】図15は、図14の線XV−XVから得られた、図10−14のバッテリの概略上面図である。
【図16】図16は、本発明の一実施形態による、図10−15の積層双極バッテリを形成するための方法の第4段階における、ある要素の概略断面図である。
【図17】図17は、図16の線XVII−XVIIから得られた、図10−16のバッテリの概略上面図である。
【図18】図18は、本発明の一実施形態による、図10−17の積層双極バッテリを形成するための方法の第5段階における、ある要素の概略断面図である。
【図19】図19は、本発明の一実施形態による、図10−18の積層双極バッテリを形成するための方法の第6段階における、ある要素の概略断面図である。
【図20】図20は、図19の線XX−XXから得られた、図10−19のバッテリの概略上面図である。
【図21】図21は、本発明の代替的実施形態による、積層双極バッテリを形成するための方法の図19と同様な第6段階における、ある要素の概略断面図である。
【図22】図22は、図21の線XXII−XXIIから得られた、図21のバッテリの概略上面図である。
【図23】図23は、本発明のさらに別の代替的実施形態による、積層双極バッテリを形成するための方法の図14と同様な第3段階における、ある要素の概略断面図である。
【図24】図24は、本発明のさらに別の代替的実施形態による、図23の積層双極バッテリを形成するための方法の図16と同様な第4段階における、ある要素の概略断面図である。
【図25】図25は、本発明のさらに別の代替的実施形態による、図23および24の積層双極バッテリを形成するための方法の図19と同様な第6段階における、ある要素の概略断面図である。
【図26】図26は、本発明のさらに別の代替的実施形態による、積層双極バッテリを形成するための方法の図16および24と同様な第4段階における、ある要素の概略断面図である。
【図27】図27は、本発明のさらに別の代替的実施形態による、図26の積層双極バッテリを形成するための方法の図19および25と同様な第6段階における、ある要素の概略断面図である。
【図28】図28は、本発明のさらに別の代替的実施形態による、積層双極バッテリを形成するための方法の図16、24および26と同様な第4段階における、ある要素の概略断面図である。
【図29】図29は、本発明の代替的実施形態による積層双極バッテリの概略上面図である。
【図30】図30は、図29の線XXX−XXXから得られた、図29の双極バッテリの概略断面図である。
【図31】図31は、本発明の別の代替的実施形態による積層双極バッテリの概略上面図である。
【図32】図32は、図31の線XXXII−XXXIIから得られた、図31の双極バッテリの概略断面図である。
【図33】図33は、本発明による積層単極バッテリの基本構造の概略断面図である。
【図34A】図34Aは、本発明の一実施形態によって連係された、単一化学バッテリ電池の基本構造の概略図である。
【図34B】図34Bは、本発明の一実施形態によって連係された、単一化学バッテリ電池の基本構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
隣接する電池間の電解質の向上した密封を伴う積層バッテリのために、装置および方法を提供し、図1−34Bを参照して下記に記載する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による、例証的な双極ユニットまたはBPU2を示す。BPU2は、不透過性導電基板または電流コレクタ6の第1の側面上に提供され得る、正の活性材料電極層4と、不透過性導電基板6の他方の側面上に提供され得る、負の活性材料電極層8とを含むことができる。
【0021】
例えば、図2に示されるように、複数のBPU2は、2つの隣接するBPU2の間に提供され得る電解質層10を伴って、積層20に実質的に垂直に積層され得るため、BPU2の正の電極層4は、電解質層10を介して、隣接するBPU2の負の電極層8と対向し得る。各電解質層10は、電解質11(例えば、図6参照)を保持し得る、分離帯9を含むことができる。分離帯9は、正の電極層4およびそれに隣接する負の電極層8を電気的に分離することができる一方で、以下でより詳細に記載されるように、電極ユニット間のイオン移動を可能にする。
【0022】
例えば、図2のBPU2の積層状態を引き続き参照すると、第1のBPU2の正の電極層4および基板6、第1のBPU2に隣接する第2のBPU2の負の電極層8および基板6、ならびに第1および第2のBPU2の間の電解質層10に含まれる構成要素は、本明細書では、単一の「電池」または「電池セグメント」22と呼ばれるものとする。各電池セグメント22の各不透過性基板6は、適用可能な隣接する電池セグメント22によって共有することができる。
【0023】
例えば、図3および4に示されるように、本発明の一実施形態による積層双極バッテリ50を構成するように、1つ以上のBPU2の積層20とともに、正および負の端子が提供され得る。不透過性導電基板16の一側面上に提供される正の活性材料電極層14を含むことができる、正の単極電極ユニットまたはMPU12は、その間に提供される電解質層(すなわち、電解質層10e)を伴って、積層20の第1の端に位置付けられ得、正のMPU12の正の電極層14は、電解質層10eを介して、積層20のその第1の端において、BPU(すなわち、BPU2d)の負の電極層(すなわち、層8d)と対向し得る。不透過性導電基板36の一側面上に提供される負の活性材料電極層38を含むことができる、負の単極電極ユニットまたはMPU32は、その間に提供される電解質層(すなわち、電解質層10a)を伴って、積層20の第2の端に位置付けられ得、負のMPU32の負の電極層38は、電解質層10aを介して、積層20のその第2の端において、BPU(すなわち、BPU2a)の正の電極層(すなわち、層4a)と対向し得る。MPU12および32には、それぞれ、対応する正および負の電極リード13および33が提供され得る。
【0024】
各MPUの基板および電極層は、例えば、図3に示されるように、その隣接するBPU2の基板および電極層、およびその間の電解質層10を伴って、電池セグメント22を形成し得ることに留意されたい(例えば、セグメント22aおよび22eを参照)。積層20中の積層BPU2の数は、1以上となり得て、バッテリ50に対する所望の電圧に対応するために、適切に決定され得る。各BPU2は、任意の所望の電位を提供することができ、バッテリ50に対する所望の電圧は、各構成要素BPU2によって提供される電位を効果的に追加することによって達成され得る。各BPU2は、同一電位を提供する必要がないことが理解されるであろう。
【0025】
1つの好適な実施形態では、双極バッテリ50は、BPU積層20ならびにそのそれぞれの正および負のMPU12および32が、減圧下でバッテリケースまたは包装材40に少なくとも部分的に封入(例えば、密閉)され得るように、構造化することができる。MPU導電基板16および36(または、少なくともそれらの各電極リード13および33)は、例えば、使用時に外部からの衝撃を軽減するよう、および環境悪化を防止するように、バッテリケース40から引き出され得る。薄型ケーシングおよび平坦な表面のために、くぼみ42がMPU12および32に提供され得る。
【0026】
第1の電池セグメントの電解質(例えば、図6の電池セグメント22aの電解質11a)が別の電池セグメントの電解質(例えば、図6Aの電池セグメント22bの電解質11b)と結合することを防止するために、隣接する電極ユニットの間の電解質層とともに、ガスケットまたは密封手段を積層して、その特定の電池セグメント内に電解質を密封することができる。ガスケット手段または密封手段は、例えば、特定の電池の隣接する電極ユニットと相互作用して、その間の電解質を密封することができる、任意の好適な圧縮性または非圧縮性の固体または粘性材料、あるいはそれらの組み合わせとなり得る。例えば、図3−4Bに示されるような、1つの好適な構成では、本発明の双極バッテリは、各電池セグメント22の電解質層10ならびに活性材料電極層4/14および8/38の周囲に障壁として位置付けられ得る、ガスケットまたはシール60を含むことができる。ガスケットまたは密封手段は、連続的で閉鎖され得、その電池のガスケットと隣接する電極ユニット(すなわち、そのガスケットまたはシールに隣接する、複数のBPUまたはBPUおよびMPU)との間で電解質を密封し得る。ガスケットまたは密封手段は、例えば、その電池の隣接する電極ユニット間に適切な間隔を提供することができる。
【0027】
以下でより詳細に記載されるように、1つの好適なアプローチでは、例えば、図3−4Bに示された密封構成で電池セグメント22およびガスケット60を圧縮して保持するために、矢印P1およびP2の方向に、ケース40の上部および底部に圧力を加えることができる。別の好適なアプローチでは、例えば、図3−4Bに示された密封構成で電池セグメント22およびガスケット60を圧縮して保持するために、矢印P3およびP4の方向に、ケース40の側面に圧力を加えることができる。さらに別の好適なアプローチでは、例えば、図3−4Bに示された密封構成で電池セグメント22およびガスケット60を圧縮して保持するために、ケース40の上部および底部に圧力を加えることができ、ケース40の側面に圧力を加えることができる。そのような双極バッテリ50は、所望の電圧を提供するように、図3Aに示されるように積層および直列接続される、複数の電池セグメント22を含み得る。
【0028】
ここで図6を参照すると、本発明の一実施形態による、バッテリ50の2つの特定の電池セグメント22の分解図が示されている。電池セグメント22aは、MPU32の基板36および負の電極層38、電解質層10a、ならびにBPU2aの正の電極層4aおよび基板6aを含むことができる。電池セグメント22bは、BPU2aの基板6aおよび負の電極層8a、電解質層10b、ならびにBPU2bの正の電極層4bおよび基板6bを含むことができる。上記のように、各電解質層10は、分離帯9および電解質11を含むことができる。各電池セグメントの分離帯9および電解質11が、ガスケット60およびその特定の電池セグメントの隣接する電極ユニットによって画定される空間内で密封され得るように、密封手段またはガスケット60が、そのセグメント22の電解質層10の周囲に提供されることができる。
【0029】
例えば、図6−8に示されるように、ガスケット60aは、その分離帯9aおよび電解質11aが、電池セグメント22aのガスケット60a、MPU32、およびBPU2aによって画定される空間内で完全に密封され得るように、電解質層10aを包囲することができる。同様に、例えば、図6、8、および9に示されるように、ガスケット60bは、その分離帯9bおよび電解質11bが、電池セグメント22bのガスケット60b、BPU2a、およびBPU2bによって画定される空間内で完全に密封され得るように、電解質層10bを包囲することができる。
【0030】
各電池セグメントの密封またはガスケット手段は、その電解質を密封するために、電池の電極ユニットの種々の部分とともにシールを形成する。例えば、図6−9に示されるように、ガスケットは、基板の最上部および底部の一部分とともにシールを形成し得る(例えば、基板36の底側および基板6aの上部側に接触するガスケット60aを参照)。加えて、ガスケットは、基板の外面または縁の一部分とともにシールを形成し得る(例えば、基板6aの外縁に接触するガスケット60aの部分60aaを参照)。同様に、ガスケットの外面または縁は、基板の一部分とともにシールを形成し得る(例えば、基板6bの部分6bbに接触するガスケット60bの外縁、および基板6bの部分6bcに接触するガスケット60cの外縁を参照)。さらに、ガスケットは、活性材料電極層の一部分とともにシールを形成し得る(例えば、電極層38の一部分および電極層4aの一部分に接触するガスケット60aを参照)。
【0031】
基板の一部分が、ガスケットおよび基板によって画定される電池セグメントのうちの少なくとも1つの密封部分を越えて延在する実施形態では(例えば、電池セグメント22bおよび22cの基板部分6bbおよび6bc、ならびに電池セグメント22aのガスケット60aの外縁を越えて延在する基板36の部分)、基板のその部分は、その1つ以上の隣接する電池セグメントのための冷却フィンであり得る。例えば、その1つ以上の隣接する電池セグメントの密封部分の外部にある、そのような基板部分は、電池積層の周囲の環境に暴露され得、または電池積層の包装材またはケースに接触し得る(例えば、図6に示されるように)。周囲環境および/または包装材は、電池セグメントの密封部分よりも大幅に冷たいことがある。この冷たさは、基板を通って、隣接する電池セグメントの密封部分の外部にあるその部分から、これらの密封部分自体へと伝達され得る。
【0032】
本発明のある実施形態では、より良好なシールを生成するために、互いに接触し得る、ガスケットの表面域および隣接する電極ユニットの表面域の1つ以上の部分は、それぞれ、相互に、または対応して、溝を付けられ、面取りされ、または形作られ得る。ガスケットの表面の少なくとも一部分は、電極ユニットの表面の少なくとも一部分に対応して形作られ得るため、2つの表面は、ともに嵌合して、2つの表面の間のある種類の相対運動を制限し、かつ、例えば、バッテリの製造中に、ガスケットおよび電極ユニットを自己整列させることができる。例えば、図6−9に示されるように、戻り止め手段または溝手段70は、互いとの嵌合接触の各領域において、ガスケットおよび基板の、対応して、または相互に形作られた部分に沿って、形成することができる。例えば、ガスケットおよび隣接基板の相互に形作られた部分の嵌合によって形成される、この溝または戻り止め手段は、それにより、嵌合接触域のサイズを増加させることができ、かつ、それにより、ガスケットおよび基板の嵌合接触域の間に生成されるシールを破ろうとする任意の流体(例えば、電解質)に対するより大きい抵抗経路を提供することができる。
【0033】
ガスケットおよび隣接する基板の、対応して形作られた部分の間の溝の縦断面形状(例えば、垂直積層20の方向と実質的に沿う、嵌合したガスケットおよび基板表面部分の形状)は、任意の適切な形状であり得る。例えば、溝の縦断面形状は、例えば、正弦曲線(例えば、図6の基板36とガスケット60aとの間の溝70aを参照)、V字形(例えば、図6のガスケット60aと基板6aとの間の溝70bを参照)、長方形(例えば、図6のガスケット60bと基板6bとの間の溝70c)、またはそれらの組み合わせであり得るが、それらに限定されない。垂直積層の方向に実質的に沿う、溝のこれらの縦断面形状は、シールに対するより大きな表面域を提供し得る。さらに、電池セグメントの内部の圧力が増加し、ガスケットに対して力を及ぼすにつれて、ガスケットおよび隣接する電極の溝形状部分の間の密封力もまた、増加し得るように、溝のこれらの縦断面形状は、シールに垂直な面を提供し得る。
【0034】
さらに、それが関連する基板の1つまたは複数の電極層の周囲にある、ガスケットおよび隣接する基板の、対応して形作られた表面部分の間の溝の水平断面の形状または経路(例えば、垂直積層20の方向に実質的に垂直である、嵌合したガスケットおよび基板表面部分の形状または経路)は、任意の適切な設計であり得る。例えば、溝の水平断面経路は、それが関連する基板の1つまたは複数の電極層の周囲で連続的であり、かつそこから等距離にあり得る(例えば、図6および7に示されるような、ガスケット60aおよび基板36の嵌合表面部分の全ての点において、電極層38の周囲で連続的であり、かつそこから均一に離間し得る、溝70aを参照)。代替として、溝の水平断面経路は、それが関連する基板の1つまたは複数の電極層の周囲で連続的であり得るが、そこから等距離になくてもよい(例えば、図6および8に示されるような、ガスケット60aおよび基板6aの嵌合表面部分の全ての点において、電極層4aおよび8aの周囲で連続的であり得るが、そこから均一に離間しなくてもよい、溝70bを参照)。さらに別の実施形態では、溝の水平断面経路は、例えば、それが関連する基板の1つまたは複数の電極層の周囲で非連続的であるか、または分節され得る(例えば、図6および9に示されるような、ガスケット60bおよび基板6bの嵌合表面部分において、電極層4aおよび8aの一部分の周囲で延在するのみであり得る、溝70cを参照)。
【0035】
本明細書に記載の隣接するガスケットおよび電極ユニットの、対応して形作られた表面部分によって提供される、溝の形状、サイズ、および経路は、例示的にすぎず、そのような溝を生成するために、任意の種々の好適なサイズ、形状、および経路設計を使用できることを理解されたい。さらに、本発明のある実施形態によれば、互いに接触する、ガスケットの表面域および隣接する電極ユニットの表面域は、両方とも実質的に平坦または平面であり得るように、ガスケットと電極ユニットとの間には溝が生成されないことがある。
【0036】
本発明の電極ユニットを形成するために使用される基板(例えば、基板6、16、および36)は、例えば、非有孔金属箔、アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、ニッケルおよびアルミニウムを含むクラッド材料、銅およびアルミニウムを含むクラッド材料、ニッケルめっきを施した鋼、ニッケルめっきを施した銅、ニッケルめっきを施したアルミニウム、金、銀、またはそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、任意の適切な導電性および不透過性材料で形成され得る。各基板は、ある実施形態では、互いに接着される2枚以上の金属箔で作られ得る。各BPUの基板は、典型的には1〜5ミリメートルの間の厚さであり得る一方で、各MPUの基板は、5〜10ミリメートルの間の厚さであり、例えば、バッテリに対する端子の役割を果たし得る。例えば、電池セグメントの活性材料の間の抵抗は、電極の全体を通して導電性マトリクスを拡張することによって低減することができるように、例えば、金属発泡体を、平坦な金属膜または箔において任意の適切な基板材料と結合し得る。
【0037】
本発明の電極ユニットを形成するように、これらの基板上に提供される正の電極層(例えば、正の電極層4および14)は、例えば、水酸化ニッケル(Ni(OH))、亜鉛(Zn)、およびそれらの組み合わせを含む、任意の好適な活性材料で形成され得る。正の活性材料は、焼結し含浸され、水性バインダーで被覆されて押圧され、有機バインダーで被覆されて押圧され、または、導電性マトリクス中で他の支持化学物質とともに正の活性材料を含有する任意の他の好適な方法によって、含有され得る。電極ユニットの正の電極層は、例えば、膨張を低減するようにそのマトリクスに注入される、金属水素化物(MH)、Pd、Ag、またはそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、粒子を有し得る。このことは、例えば、サイクル寿命を増加させ、再結合を向上させ、電池セグメント内の圧力を低減することができる。MH等の、これらの粒子はまた、電極内の電気伝導度を増加させるように、および再結合を支持するように、Ni(OH)等の活性材料ペーストの結合の中に存在し得る。
【0038】
本発明の電極ユニットを形成するように、これらの基板上に提供される負の電極層(例えば、負の電極層8および38)は、例えば、MH、Cd、Mn、Ag、またはそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、任意の好適な活性材料で形成され得る。負の活性材料は、例えば、焼結され、水性バインダーで被覆されて押圧され、有機バインダーで被覆されて押圧され、または、導電性マトリクス中で他の支持化学物質とともに負の活性材料を含有する任意の他の好適な方法によって、含有され得る。負の電極側面は、例えば、構造を安定化させ、酸化を低減し、サイクル寿命を延長するように、負の電極材料のマトリクス内に注入される、Ni、Zn、Al、またはそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、化学物質を有し得る。
【0039】
例えば、有機CMCバインダー、Creytonゴム、PTFE(Teflon)、またはそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、種々の適切なバインダーは、それらの基板に層を保持するように、活性材料層と混合され得る。200ppiニッケル発泡体等の超静止(ultra−still)バインダーもまた、本発明の積層バッテリ構造とともに使用され得る。
【0040】
本発明のバッテリの各電解質層の分離帯(例えば、各電解質層10の分離帯9)は、2つの隣接する電極ユニットを電気的に絶縁する一方で、これらの電極ユニット間のイオン移動を可能にする、任意の好適な材料で形成され得る。分離帯は、セルロース超吸収体を含有して充填を向上させ、電解質容器の役割を果たしてサイクル寿命を増加させ得、分離帯は、例えば、ポリ吸収ダイアパー材料で作られ得る。それにより、分離帯は、電荷がバッテリに印加されると、以前に吸収された電解質を放出し得る。ある実施形態では、電極間の間隔(Inter−Electrode−Spacing;IES)が通常よりも高く開始し、継続的に低減されて、その寿命にわたってバッテリのC率および容量を維持し、ならびにバッテリの寿命を延長することができるように、分離帯は、通常の電池よりも低い密度で、より厚くてもよい。
【0041】
分離帯は、短絡を低減し、および再結合を向上させるように、電極ユニット上の活性材料の表面に結合される、通常の材料よりも薄いものであり得る。この分離帯材料は、例えば、噴射、被覆、または押圧され得る。分離帯は、ある実施形態では、それに付着される再結合作用物質を有し得る。この作用物質は、分離帯の構造内に注入することができ(例えば、このことは、作用物質を分離帯繊維に結合するためにPVAを使用する湿潤工程において、作用物質を物理的に捕捉することによって行うことができ、または、作用物質は、電気メッキによってその中に入れることができる)、または、例えば、蒸着によって、表面上で層状にすることができる。分離帯は、例えば、Pb、Ag、またはそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、再結合を効果的に支持する任意の材料または作用物質で作られ得る。電池の基板が互いに向かって移動する場合には、分離帯が抵抗を提示し得るが、たわまないように十分に堅い基板を利用し得る本発明のある実施形態では、分離帯が提供されなくてもよい。
【0042】
本発明のバッテリの各電解質層の電解質(例えば、各電解質層10の電解質11)は、導電性媒体を生産するように溶解または融解されるときイオン化することができる、任意の好適な化合物で形成され得る。電解質は、例えば、NiMH等であるが、それに限定されない、任意の適切な化学物質の標準的な電解質であり得る。電解質は、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カルシウム(CaOH)、水酸化カリウム(KOH)、またはそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、付加的な化学物質を含有し得る。電解質は、例えば、再結合を向上させるように、Ag(OH)等であるが、それに限定されない、添加剤を含有し得る。電解質はまた、例えば、低温性能を向上させるように、RbOHを含有し得る。本発明のいくつかの実施形態では、電解質(例えば、電解質11)は、分離帯(例えば、分離帯9)内で凍結され、次いで、バッテリが完全に組み立てられた後に解凍され得る。このことは、特に粘性の電解質が、ガスケットがそれに隣接する電極ユニットとともに実質的に流体密封のシールを形成する前に、バッテリの電極ユニット積層に挿入されることを可能する。
【0043】
本発明のバッテリのシールまたはガスケット(例えば、ガスケット60)は、ガスケットおよびそれに隣接する電極ユニットによって画定される空間内で電解質を効果的に密封し得る、任意の好適な材料または材料の組み合わせで形成され得る。ある実施形態では、ガスケットは、例えば、ナイロン、ポリプロピレン、セルガード、ゴム、PVOH、またはそれらの組み合わせを含むが、任意の好適な非導電材料で作られ得る、固体シール障壁または固体シールループ、あるいは固体シールループを形成することが可能な複数のループ部分から形成することができる。固体シール障壁から形成されるガスケットは、隣接する電極の一部分に接触して、その間にシールを生成し得る。
【0044】
代替として、ガスケットは、例えば、エポキシ、ブレアタール、電解質(例えば、KOH)不浸透性糊、圧縮性接着剤(例えば、シリコン、アクリル、および/または繊維強化プラスチック(FRP)から形成され得、電解質に対して不浸透性であり得る、Henkel Corporationで入手可能なLoctite(登録商標)ブランド接着剤等の、2部ポリマー)、またはそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、任意の好適な粘性材料またはペーストから形成され得る。粘性材料から形成されるガスケットは、隣接する電極の一部分に接触して、その間にシールを生成し得る。さらに他の実施形態では、ガスケットは、粘性材料は、固体シールループと隣接する電極ユニットとの間の密封を向上させ得るように、固体シールループおよび粘性材料の組み合わせによって形成することができる。代替として、または加えて、例えば、固体シールループ、付加的な粘性材料で処理された固体シールループ、または付加的な粘性材料で処理された隣接する電極ユニットがそれに密封される前に、電極ユニット自体は、粘性材料で処理されることができる。
【0045】
ある実施形態では、以下でより詳細に記載されるように、固体シールループおよび/または粘性ペーストによって形成されるガスケットは、密封を向上させるように圧縮性であり得る。圧縮は、ある実施形態では約5%であり得るが、良好なシールを保証するために必要とされるどのような弾性ででもあり得る。
【0046】
さらに、ある実施形態では、隣接する電極ユニット間のガスケットまたは密封手段には、ある種類の流体(すなわち、ある液体または気体)がそれを通って逃げることを可能にできる(例えば、そのガスケットによって画定される電池セグメント中の内圧が、ある閾値を過ぎて増加する場合)、1つ以上の弱点が提供され得る。いったん、ある量の流体が逃げるか、または内圧が減少すると、弱点は再密封し得る。ブライ(brai)等のある種類の好適な粘性材料またはペーストによって少なくとも部分的に形成される、ガスケットは、ある流体がそれを通過することを可能にするように構成または調製され、かつ、他のある流体がそれを通過することを防止するように構成または調製され得る。そのようなガスケットは、バッテリの電圧エネルギーを急速にゼロまで弱め(すなわち、放電)させ得る、任意の電解質が2つの電池セグメント間で共有されることを防止し得る。
【0047】
上記のように、積層構成の密封電池を用い設計されたバッテリ(例えば、双極バッテリ50)を利用することの1つの有益性は、バッテリの増加した放電率であり得る。この増加した放電率は、そうでなければ角柱または巻型バッテリ設計で実現可能ではないかもしれない、ある低腐食性電解質の使用を可能にすることができる(例えば、刺激性(whetting)、伝導度の増大、および/または電解質の1つまたは複数の化学反応性成分を除去または低減することによって)。低腐食性電解質を使用するために積層バッテリ設計によって提供され得る、この余地は、そうでなければ高腐食性電解質によって腐食され得るあるガスケットを用いたシールを形成する時に、あるエポキシ(例えば、J-B Weldエポキシ)が利用されることを可能にする。
【0048】
本発明のバッテリのケースまたは包装材(例えば、ケース40)は、それらの導電基板(例えば、基板16および36)またはそれらの関連リード(すなわち、リード13および33)を露出するために、末端電極ユニット(例えば、MPU12および32)に対して密封することができる、任意の好適な非導電材料で形成することができる。包装材はまた、各電池セグメント内で電解質を隔離するために、ガスケットとそれに隣接する電極ユニットとの間でシールを生成、支持、および/または維持するように形成することもできる。電池セグメント中の内圧が増加するにつれて、シールがバッテリの拡張に抵抗することができるように、包装材は、これらのシールに必要とされる支持を生成および/または維持することができる。包装材は、ナイロン、任意の他のポリマーまたは、例えば、強化複合材料または収縮包装材料を含む弾性材料、または、エナメル被覆鋼あるいは任意の他の金属を含む、任意の硬質材料、またはそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、任意の好適な材料で作られ得る。ある実施形態では、包装材は、例えば、積層電池のシール上で継続的な圧力を維持し得る、張力クリップの外骨格によって形成され得る。バッテリが短絡することを防止するように、積層と包装材との間に非導電性障壁が提供され得る。
【0049】
例えば、図3を引き続き参照すると、本発明の双極バッテリ50は、MPU12および32、ならびにその間の1つ以上のBPU2(例えば、BPU2a−2d)の積層によって形成される、複数の電池セグメント(例えば、電池セグメント22a−22e)を含むことができる。本発明のある実施形態によれば、基板(例えば、基板6a−6d、16、および36)、電極層(例えば、正の層4a−dおよび14、ならびに負の層8a−8dおよび38)、電解質層(例えば、層10a−10e)、およびガスケット(例えば、ガスケット60a−60e)のそれぞれの厚さおよび材料は、電池セグメントによるだけでなく、電池セグメント内でも、互いと異なり得る。積層レベルだけでなく、個別電池レベルでも、この形状および化学的性質の変動は、多量の異なる有益性および性能特性を伴うバッテリを生成することができる。
【0050】
例えば、特定の電極ユニットの特定の基板の特定の側面は、正の活性材料電極層を形成するために、その異なる部分に沿って、種々の活性材料で被覆され得る。例えば、図4Aおよび4Bに示されるように、BPU2aの基板6aの一側面は、正の活性材料電極層4aを形成するために、最外部分4a’、中央部分4a’’、および最内部分4a’’’を含み得る。部分4a’−4a’’’のそれぞれ1つは、例えば、異なる活性材料によって被覆され得、異なる厚さ(例えば、厚さ4at’、4at’’、および4at’’’)であり得、および/または異なる高さ(例えば、高さ4ah’、4ah’’、および4ah’’’)であり得る。
【0051】
種々の動作パラメータに関して最適な性能を提供するバッテリシステムの必要性が存在する時には、それぞれ独自の強さおよび弱さを有する、2つの独立したバッテリの使用を同時に動作および制御することが有益であり得る。例えば、電気自動車(EV)およびハイブリッド電気自動車(HEV)の場合、長距離移動のために特に適正なエネルギー貯蔵能力を提供するだけでなく、一般道で安全に加速および減速するために特に適正な充電および放電率も提供する、バッテリシステムの必要性がある。そのロバストなエネルギー貯蔵能力で知られている、亜鉛マンガンバッテリは、例えば、任意の電気自動車のための適正なバッテリシステムを提供するように、その高い充電/放電率能力で知られている、ニッケル水素バッテリと連携して制御され得る。本発明のある実施形態によれば、例えば、電池セグメント22bおよび図5−5Cに関してこれから記載されるように、エネルギー貯蔵、長期保存のための自己放電の調節、および高充電/放電率等の、複数の機能についてそのバッテリを最適化するために、種々の化学的性質および形状が、バッテリの特定の電池セグメント内で使用され得る。
【0052】
図示されるように、BPU2aの基板6aの一側面は、負の活性材料電極層8aを形成するために、最外部分8a’および最内部分8a’’を含み得る。例えば、最外部分8a’は、負の最外材料で作られてもよく、最外厚さ(例えば、最外厚さ8at’)を有し得、最外高さ(例えば、最外高さ8ah’)を有し得る一方で、最内部分8a’’は、負の最内材料で作られてもよく、最内厚さ(例えば、最内厚さ8at’’)を有し得、最内高さ(例えば、最内高さ8ah’’)を有し得る。例えば、最外部分8a’の形状(例えば、高さ8ah’および厚さ8at’)は、負の電極層8aの負の活性材料の80%を構成し得る一方で、最内部分8a’’の形状(例えば、高さ8ah’’および厚さ8at’’)は、負の電極層8aの負の活性材料の20%を構成し得る。
【0053】
同様に、BPU2bの基板6bの一側面は、正の活性材料電極層4bを形成するために、最外部分4b’および最内部分4b’’を含み得る。例えば、最外部分4b’は、正の最外材料で作られてもよく、最外厚さ(例えば、最外厚さ4bt’)を有し得、最外高さ(例えば、最外高さ4bh’)を有し得る一方で、最内部分4b’’は、正の最内材料で作られてもよく、最内厚さ(例えば、最内厚さ4bt’’)を有し得、最内高さ(例えば、最内高さ4bh’’)を有し得る。例えば、最外部分4b’の形状(例えば、高さ4bh’および厚さ4bt’)は、正の電極層4bの負の活性材料の80%を構成し得る一方で、最内部分4b’’の形状(例えば、高さ4bh’’および厚さ4bt’’)の形状は、正の電極層4bの負の活性材料の20%を構成し得る。
【0054】
さらに、電極2aおよび電極2bは、種々の形状によって、およびその種々の部分に沿った種々の分離帯材料によって、分離され得る。例えば、最外部分8a’および最外部分4b’は、それらの形状(例えば、高さ8ah’および高さ4bh’)のため、最外距離odによって分離され得るが、最内部分8a’’および最内部分4b’’は、例えば、いったんバッテリが積層され、密封され、包装材40によって保持されると、最内距離idによって分離されるのみであり得る。
【0055】
分離帯9bの2つの分離帯部分(例えば、最外分離帯部分9b’および最内分離帯部分9b’’)が、電池セグメント22bの電解質層10bに提供され得る。これらの最外および最内分離帯部分は、異なる高さ(例えば、最外分離帯高さ9bh’および最内分離帯高さ9bh’’)を有し得る。これらの高さは、本発明の異なる実施形態によれば、それぞれ、最外電極部分8a’および4b’(例えば、最外距離od)、ならびに最内電極部分8a’’および4b’’(例えば、最内距離id)の間の異なる距離に対応してもしなくてもよい。例えば、ある実施形態では、電極層のある部分の間の距離は、電極層のある他の部分の間の距離より大きくてもよい。例えば、最外電極部分8a’および4b’の間の最外距離odは、約5ミリメートルであり得る一方で、最内電極部分8a’’および4b’’の間の最内距離idは、約1ミリメートルであり得る。
【0056】
さらに、それら自体が異なる化学的性質を有し得る、その各電極部分(例えば、最外部分8a’/4b’および最内部分8a’’/4b’’)上に生成することができる、特定のデンドライトを制御するように、各分離帯部分が設計され得るように、最外および最内分離帯部分9b’および9b’’のそれぞれ1つは、異なる分離帯材料で作られ得る。電池の種々の部分のそれぞれの活性材料は、異なる密度を有し得る。電池の種々の分離帯部分のそれぞれは、異なる材料で作られてもよく、および/または、それぞれ、例えば、独自の独特な表面処理、多孔率、引張特性、および/または圧縮特性が提供され得る。また、ある実施形態では、電池セグメントは、例えば、分離帯上で異なる刺激剤(whetting agent)または処理を使用することによって、電解質の分散および集中を区別することができる。したがって、それを通るより良好なイオン移動のために(例えば、より良好な電力または熱移動、またはより良好な電気化学効率、または電池内のより良好な気体再結合のために)、1つ以上の集中域が分離帯(例えば、部分9b’または9b’’)のある部分に生成され得る。同様に、例えば、電力の平衡、エネルギー密度、および/または電池のサイクル寿命を達成するために、複数の化学電池セグメントの基板に種々の活性材料電極部分のそれぞれを塗布するために、例えば、CMC、Crayton、金属発泡体、PTFE、およびPVOH等の種々のバインダーシステムが使用され得る。
【0057】
電気自動車の分野に関して上記のように、特に適正なエネルギー貯蔵能力ならびに特に適正な充電および放電率を提供することができる、バッテリの必要性がある時に、例えば、負の活性材料電極層8aおよび正の活性材料電極層4bのそれぞれの形状および化学的性質は、電池セグメント22b内で変動され得る。例えば、その形状のそれぞれが、その各電極層の活性材料の80%を構成し得る、最外部分4b’および最外部分8a’は、亜鉛マンガン(ZnMn)で実質的に作られてもよく、主にエネルギー貯蔵を対象とする、電池22bの第1の構成要素として機能し得る。一方で、その形状のそれぞれが、その各電極層の活性材料の20%を構成し得る、最内部分4b’’および最内部分8a’’は、例えば、ニッケル水素(NiMH)で実質的に作られてもよく、主に急速充電/放電率を対象とする、電池22bの第2の構成要素として機能し得る。
【0058】
これらの複合化学的性質の挙動により、これらは、単一電池セグメント中で互いを補完し得る。例えば、電池のNiMH部分は、パルス放電下でZnMn部分の過放電を制限し得、したがって、ZnMn部分がデンドライトを形成する低電圧に駆動されなくてもよいため、ZnMn部分のサイクル寿命を延長し得る。同様に、電池のZnMn部分は、保存期間を延長し得、NiMh部分を高荷電状態で保持することによって、電池のNiMh部分の自己放電を低減し得る。これは、NiMH電池が自己放電する自然な傾向により、MH電極が低荷電状態で腐食し、NiMhの寿命を短縮することとは対照的である。したがって、電池セグメント内で提供される、2つ以上の異なる化学的性質は、種々の化学的性質の機能の間で、コントローラの役割を果たすことができる。
【0059】
別の実施例として、同じ電池における複数の電気化学的性質の組み合わせは、加熱および冷却の種々の電気化学的特性を活用して、電池温度を調節し得る。一実施形態では、例えば、電池セグメントの活性材料の第1の部分は、ニッケルカドミウム(NiCad)で作られ、第2の部分は、亜鉛マンガンで作られ得る。そのような電池の放電時に、NiCad部分は、発熱性であり得、低温状態の電池の他の部分(例えば、ZnMn部分)を暖め得る。再充電時に、電池のNiCad部分は、吸熱性であり得、熱を吸収することによって他の電池部分を冷却し得る。したがって、NiCad化学性質部分は、放電の終了時に典型的には熱い、電池の他の1つまたは複数の化学性質部分を冷却するのに役立ち、それにより、再充電率を増加させ、熱応力を低減することによって電池のサイクル寿命を延長する。1つまたは複数の冷却化学的性質部分を、より熱を除去し易い電池の縁に配置することとは対照的に、1つまたは複数の冷却化学的性質(例えばNiCad)が、電池の中心に、または冷却を必要とする電池の他の化学的性質の少なくとも内側にあり得るように、電池の種々の化学的性質は、位置付けられ得る。
【0060】
加えて、上記のような(例えば、図4−5C参照)、特定の電池セグメント内での基板、電極層、電解質層、またはガスケットの様々な材料および形状の変動のほかに、基板、電極層、電解質層、およびガスケットの材料および形状は、電池セグメントによって、積層の高さに沿って変動することができる。例えば、図3をさらに参照すると、バッテリ50の電解質層10のそれぞれで使用される電解質11は、その各電池セグメント22が電池セグメントの積層の中央にどれだけ近いかに基づいて変動し得る。例えば、最内電池セグメント22c(すなわち、バッテリ50の5つのセグメント22の中央電池セグメント)が、第1の電解質で形成される電解質層(すなわち、電解質層10c)を含み得る一方で、中央電池セグメント22bおよび22d(すなわち、バッテリ50の末端電池セグメントに隣接する電池セグメント)は、それぞれ第2の電解質で形成される電解質層(すなわち、それぞれ電解質層10bおよび10d)を含んでもよく、一方で、最外電池セグメント22aおよび22e(すなわち、バッテリ50の最外電池セグメント)は、それぞれ第3の電解質で形成される電解質層(すなわち、それぞれ電解質層10aおよび10e)を含み得る。内部積層においてより高い伝導度の電解質を使用することによって、生成される熱がより少なくなり得るように、抵抗は、より低くなり得る。このことは、外部冷却方法による代わりに、設計によって、バッテリに熱制御を提供し得る。
【0061】
別の実施例として、バッテリ50の電池セグメントのそれぞれで電極層として使用される活性材料もまた、その各電池セグメント22が電池セグメントの積層の中央にどれだけ近いかに基づいて変動し得る。例えば、最内電池セグメント22cが、第1の温度および/または速度性能を有する第1の種類の活性材料で形成される、電極層(すなわち、層8bおよび4c)を含み得る一方で、中央電池セグメント22bおよび22dは、第2の温度および/または速度性能を有する第2の種類の活性材料で形成される、電極層(すなわち、層8a/4bおよび層8c/4d)を含んでもよく、一方で、最外電池セグメント22aおよび22eは、第3の温度および/または速度性能を有する第3の種類の活性材料で形成される、電極層(すなわち、層38/4aおよび層8d/14)を含み得る。一例として、バッテリ積層は、より良好に熱を帯びることができる、ニッケルカドミウムの電極で最内電池セグメントを構築することによって、熱的に管理され得る一方で、最外電池セグメントには、例えば、より低温である必要があり得る、ニッケル水素の電極が提供され得る。代替として、バッテリの化学的性質または形状は、非対称であり得、その場合、積層の一端における電池セグメントは、第1の活性材料および第1の高さで作ることができる一方で、積層の他方の端における電池セグメントは、第2の活性材料および第2の高さで作ることができる。
【0062】
さらに、バッテリ50の電池セグメントのそれぞれの形状もまた、電池セグメントの積層に沿って変動し得る。特定の電池セグメント内の活性材料の間の様々な距離(例えば、図5の距離idおよびodを参照)のほかに、ある電池セグメント22は、これらのセグメントの活性材料の間に第1の距離(例えば、図5の距離idおよびodを参照)を有し得る一方で、他の電池セグメントは、これらのセグメントの活性材料の間に第2の距離を有し得る。いずれにしても、活性材料電極層の間により小さい距離を有する、電池セグメントまたはそれらの部分は、例えば、より高い電力を有し得る一方で、活性材料電極層の間により大きい距離を有する、電池セグメントまたはそれらの部分は、例えば、デンドライト成長のためのさらなる余地、より長いサイクル寿命、および/またはさらに多くの電解質貯蔵量を有し得る。活性材料電極層の間により大きい距離を伴う、これらの部分は、バッテリの電荷受容性を調節し、例えば、活性材料電極層の間により小さい距離を伴う部分が最初に帯電できることを確実にし得る。
【0063】
ある実施形態では、第1および第2の化学的性質が、共通電解質を共有する特定の電池セグメント中で結合され、平衡を保たれるものであると、第1の化学性質の電圧範囲は、第2の化学性質の電圧範囲内で電気的に動作することができる。例えば、NiMHは、約1.50VDC〜約0.80VDCの間の電圧範囲を有し得る一方で、ZnMnは、約1.75VDC〜約0.60VDCの間の電圧範囲を有し得る。したがって、単一電池内の複数の電気化学的性質は、容量を一致させることによって平衡を保たれ得る。混合化学的性質はまた、例えば、電池平衡が単一バッテリ化学パック内で一般的に行われる方法と同様に、制御電子機器で電気化学的平衡を行うことによって、電子的に一致させられ得る。2つ以上の電気化学的性質の間の電圧差は、例えば、それらの放電および再充電プロファイル全体にわたって、連続的に、またはパルスによって、調整され得る。
【0064】
しかしながら、電池によって異なる設計が使用される時には、抵抗は、電池の間で異なり得、電圧平衡もまた、必要とされ得る。異なる設計の種々の電池の平衡を保つ時に、ある数の単一の電池を並列に配置することによって、外部容量平衡が行われ得る一方で、ある数の単一の電池を直列に配置することによって、外部電圧平衡が行われ得る。例えば、混合電気化学バッテリパックを形成するように、任意の種類のバッテリ電池が、異なる電気化学性質の任意の他の種類のバッテリ電池と結合され得る。例えば、図34Aおよび34Bに図示されるように、第1の電気化学性質の多数の第1のバッテリ電池850は、混合電気化学バッテリパックを形成するように、第2の電気化学性質の多数の第2のバッテリ電池950と、種々の方法で連係され得る。バッテリ電池850および950はそれぞれ、角柱バッテリ電池、巻型バッテリ電池、MPUバッテリ電池、またはBPUバッテリ電池を含むが、それらに限定されない、種々の種類のバッテリ電池のうちのいずれかであり得る。例えば、図34Aでは、バッテリパック900は、リンク875を介して、3個の1.2V NiMH単3(double−A)バッテリ電池850を2個の1.5V ZnMn単3バッテリ電池950と直列に外部連係することによって、形成され、平衡を保たれ得る。一方で、例えば、図34Bでは、バッテリパック900’は、リンク875を介して、3個の1.2V NiMH単3バッテリ電池850を2個の1.5V ZnMn単3バッテリ電池950と並列に外部連係することによって、形成され、平衡を保たれ得る。
【0065】
複数の電気化学的性質をバッテリに結合することの多くの利点のうちの1つは、単一の電池内の複数の化学的性質に関する上記のように(例えば、図1−9参照)、または他の複数の単一化学性質電池に連係される複数の単一化学性質電池に関する上記のように(例えば、図34Aおよび34B参照)、バッテリの形成または充電ステップが省略され得ることである。例えば、活性材料電極の第1の部分がZnMnであり得、別の部分がNiMHであり得る、図5−5Cの電池セグメント22bに関して、その自然な状態でのZnMn部分は、電池セグメントの基板上に提供されるときに、すでに充電されている一方で、NiMH部分は、いったん基板上に提供されると、形成または充電される必要があり得る。そのような電池の混合化学的性質のため、電池セグメントのZnMn部分は、自然な充電器の役割を果たし得、従来の充電ステップを必要とすることなく、標準的な充電/放電使用の準備ができた状態となり得るように、その電池のNiMH部分を形成し得る。したがって、電池内またはバッテリ中の異なる電池の間のいずれかで、ある電気化学的性質を他の電気的化学的性質とともに提供および混合することによって、バッテリを製造するステップの従来の複雑な電池形成/充電ステップが省略され得るように、複数の電気化学的性質のうちの1つ以上は、バッテリ中の他の電気化学的性質のうちの1つ以上を自然に充電することが可能であり得る。
【0066】
上記のように、本発明の双極バッテリを生産する方法は、MPUを提供するステップと、反対の極性の別のMPUを伴う積層を最終的に完成させる前に、その間に電解質層およびガスケットを伴って、その上に1つ以上のBPUを積層するステップとを、概して含み得る。例えば、本発明による積層双極バッテリ1050を生産する方法を、図10−20に関して記載する。例えば、図10および11に関して、負のMPU1032には、最初に、不透過性導電基板1036、およびその上に被覆される負の活性材料電極層1038が提供され得る。基板1036には、負の層1038の少なくとも周囲で、溝形状部分1071が提供され得る。
【0067】
次に、ガスケット1060を、電極層1038の周囲で基板1036上に積層することができる(例えば、図12および13参照)。溝形状部分1061が、溝形状部分1061および1071が整列して、ガスケットと基板との間に溝付き接触表面域または溝1070を生成し得るように、基板1036に接触するガスケット1060の側面に面取りされ得る。これらの相互溝形状部分は、その上に積層される際にMPUに対するガスケットの自己整列を補助し得、それにより、この生産ステップを単純化する。ガスケットおよびMPUの表面における、これらの相互溝形状部分はまた、ともに嵌合して、2つの表面の間のある種類の相対運動を制限し得る。例えば、溝形状部分1061および1071の嵌合相互作用、したがって、得られる溝付き接触表面域または溝1070は、ガスケット1060およびMPU1032が、垂直積層の方向と実質的に垂直な方向に、互いに対して移動することを制限し得る(すなわち、溝1070は、ガスケット1060およびMPU1032が、垂直に積層された時に、互いからずれて水平に移動することを防止し得る)。
【0068】
いったんガスケット1060がMPU1032の上部に積層されると、実質的に流体密封のカップ状レセプタクル(例えば、空間1080を参照)が、ガスケット1060の内部側壁およびその間のMPU1032の部分によって、画定され得る。ガスケットの内部側壁およびその間の電極ユニットの部分との間に形成される角度(例えば、図13のガスケット1060の内部側壁およびその間のMPU1032の部分との間の角度1078)は、直角、鈍角、または鋭角を含む、任意の好適な角度であり得る。
【0069】
次に、空間1080内で電解質層1010を画定するように、分離帯1009および電解質1011が、負の電極層1038の上部でガスケット1060の内壁の内側に堆積され得る(例えば、図14および15参照)。使用される電解質がかなり粘性である時に、ガスケットとMPUとの間に生成されるシールは、漏出の機会なしで、電解質が空間1080に容易に注入されることを可能にし得る。積層への挿入時に、電解質が粘性ではない場合(例えば、電解質が分離帯内で凍結される実施形態では)、電解質層は、ガスケットがその上に嵌入される前にMPU上に積層され得ることを理解されたい。
【0070】
いったん電解質層1010の分離帯1009および電解質1011が、ガスケット1060およびMPU1032によって画定される空間1080内に堆積されると、第1のBPU1102が、その上に積層され得る(図16および17参照)。図16に示されるように、BPU1102は、正の電極層1104、およびその反対側で被覆される負の電極層1108を有する、不透過性導電基板1106を含むことができる。基板1106には、BPU1102の正の電極層1104および/または電極層1108の部分的に周囲で、その側面のうちの一方に溝形状部分1171を提供することができる。ガスケット1060の上部に提供される溝形状部分1161、および基板1106の溝形状部分1171が、整列して、ガスケットと基板との間に溝付き接触表面域または溝1170を生成し得るように、BPU1102が、BPU1102の正の電極層1104を、MPU1032の負の電極層1038に向かって下向きにして、ガスケット1060上に積層され得る。これらの相互溝形状部分は、BPUがガスケット上に積層されるにつれて、ガスケット、したがってMPUに対するBPUの自己整列を補助し得、それにより、この生産ステップを単純化する。いったんBPU1102がガスケット1060、したがってMPU1032の上部に積層されると、第1の電池セグメント1022が存在し得る。さらに、それにより、実質的に流体密封のシールが、電解質層1010(したがって、電解質1011)の周囲で基板1106、基板1036、およびガスケット1060によって画定され得る。
【0071】
ガスケット1060の上部の溝形状部分1161(したがって、基板1106の底部の溝形状部分1171)は、ガスケット1060の底部の溝形状部分1061と同じサイズ、形状、および形態であり得る(例えば、水平断面および縦断面の両方で)一方で、ガスケットの上部および底部の溝形状部分は、例えば、図16に示されるように、互いに異なり得ることを留意されたい。同様に、電極ユニットの各基板の上部および底部に提供される溝形状部分は、互いに対して異なり得る(例えば、図16のBPU1102の溝形状部分1171および1271を参照)。
【0072】
図10−17に関して上記のように、MPU1032の上部にガスケット1060、電解質層1010、およびBPU1102を積層することによって、いったんこの第1の電池セグメント1022が生成されると、所望であれば、同様の様式で、付加的なBPUがその上に積層され得る。いったん所望量のBPUが双極バッテリのために積層されると、第2のMPUをその上に積層することができる。図18に関して、正のMPU1012は、最上BPUの上部に積層され得る(この実施形態では、1つのBPUしか提供されていないため、BPU1102がその最上BPUである)。しかしながら、MPU1012がBPU1102上に積層される前に、ガスケット1060および電解質層1010に関して上記のように、付加的なガスケット(すなわち、底部溝形状部分1261および上部溝形状部分1361を伴うガスケット1160)、および電解質層(すなわち、分離帯1109および電解質1111を伴う電解質層1110)が提供され得る。例えば、溝形状部分1261および1271は、整列して、ガスケット1160と基板1106との間に溝付き接触表面域または溝1270を生成し得る。これらの相互溝形状部分は、その上に積層される際にBPU1102に対するガスケット1160の自己整列を補助し得、それにより、この生産ステップを単純化する。
【0073】
正のMPU1012には、不透過性導電基板1016、およびその上に被覆される正の活性材料電極層1014を提供することができる。基板1016には、正の層1014の少なくとも部分的に周囲で、溝形状部分1371を提供することができる。ガスケット1160の上部に提供される溝形状部分1361、および基板1016の溝形状部分1371が、整列して、ガスケットと基板との間に溝付き接触表面域または溝1370を生成し得るように、MPU1012の正の電極層1014を、BPU1102の負の電極層1108に向かって下向きにして、MPU1012をガスケット1160上に積層することができる。これらの相互溝形状部分は、その上に積層されるにつれて、ガスケット1160、したがって、BPU1102、ガスケット1060、および負のMPU1032に対する正のMPU1012の自己整列を補助し得る。この本発明の双極バッテリの自己整列特徴は、この生産ステップを有意に単純化し得る。いったんMPU1012がガスケット1160、したがってBPU1102の上部に堅固に積層されると、第2の電池セグメント(すなわち、セグメント1122)が存在し得る。さらに、それにより、流体密封のシールが、電解質層1110(したがって電解質1111)の周囲で基板1016、基板1106、およびガスケット1160によって画定され得る。
【0074】
正のMPU、負のMPU、およびその間の少なくとも1つのBPUを含むように、いったん積層が製造され、それにより、図10−18に関する上記のように、電位セグメントの積層を形成すると、例えば、本発明の機能的な積層双極バッテリを形成するために積層の内容物を密封するように、ケースまたは包装材が提供され得る。図19および20に示されるような、第1の実施形態では、末端電極層(すなわち、正の電極層1014および負の電極層1038)が、露出され(例えば、それぞれ導電基板1016および1036の少なくとも一部分を介して)、積層双極バッテリ1050を提供するように、積層の内容物の周囲の包装材によってC字形締め付け構成が提供され得るように、包装材1040が、電池セグメント(すなわち、電池セグメント1022および1122)の積層の周囲に提供されることができる。
【0075】
例えば、矢印Pの方向でMPU1012の基板1016上へ下向き、ならびに矢印Pの方向でMPU1032の基板1036上へ上向きの両方で、包装材によって圧力を及ぼすことができる。本発明のある実施形態では、矢印PおよびPのそれぞれの方向で包装材によって及ぼされる圧力は、バッテリの電池セグメントの垂直積層方向に実質的に沿う、または並列となり得る。さらに、包装材によって及ぼされる締め付け圧力は、矢印PおよびPの方向における締め付け圧力が、電池セグメントの負および正の活性材料電極層を互いに向かって強制的に押し進めること(それは、バッテリを潜在的に短絡し得る)がないように、活性材料のいずれかと一直線であるよりもむしろ、積層の電極ユニット(例えば、電極層1014、1104、1108、および1038)の活性材料のそれぞれの実質的に周辺または外部であり得る。
【0076】
さらに、包装材によって及ぼされる締め付け圧力は、例えば、積層中のガスケットのうちの少なくとも1つの少なくとも一部分と実質的に一直線であり得る(例えば、図19に示されるように)。この圧力は、各電解質層の周囲で実質的に流体密封の障壁を生成するために、各ガスケットとそれに隣接する電極ユニットとの間の密封関係を維持することができる。本発明のある実施形態にしたがって上記のように、ガスケットおよびそれらの各隣接する電極ユニットに形成される溝形状部分の嵌合が、実質的に流体密封のシールを生成するように矢印PおよびPのそれぞれの方向で及ぼされる必要のある締め付け圧力の量を減少できることに留意されたい。そのような溝形状部分がないと、ガスケットと隣接する電極ユニットとの間の密封部分は、平坦となり、例えば、内部電池圧力による滑り(例えば、水平に、または垂直積層の方向と垂直に)の影響を受け易くなり、それにより、任意の滑り傾向を無効にするために増加した締め付け圧力を必要とする。
【0077】
別の実施形態では、図21および22に示されるように、シール包装、収縮包装、シールテープ、または任意の他の好適な変形可能材料で作られ得る、包装材1040’を、電池セグメント(すなわち、電池セグメント1022および1122)の積層の周囲に提供することができる。包装材1040’は、末端電極層(すなわち、正の電極層1014および負の電極層1038)は、露出され得(例えば、それぞれ導電基板1016および1036の少なくとも一部分を介して)、かつ、積層双極バッテリ1050’を提供するように、積層の内容物を包装材で包装することによって単独の外縁締め付け構成が提供され得るように、積層の周囲に提供され得る。
【0078】
電池セグメントの積層は、包装材1040’によって包装されると、その断面積が形状は同様であるが、包装された積層よりも多少大きくてもよい、コンテナ1060’の内側に配置することができる。いったん包装された積層がコンテナ1060’の内側に配置されると、例えば、空気、水、または発泡体等の、圧力下にあると拡張することができる任意の好適な流体1070’が、包装材1040’の周囲のコンテナ1060’の中へ充填され得る。次いで、コンテナは、密封され得、その封鎖流体1070’は、電池セグメントの積層の周囲で包装材1040’を引き締めるために、拡張して、電池セグメントの積層の垂直方向と実質的に垂直であり得る、矢印Pの方向に、包装材1040’の表面域の周囲で内側に向けて圧力を提供することができるように、加圧され得る。
【0079】
この圧力は、後にコンテナ1060’から実質的に除去され得る、バッテリ1050’の各電解質層の周囲で実質的に流体密封の障壁を生成するために、各ガスケットとそれに隣接する電極ユニットとの間の密封関係を維持することができる。本発明のある実施形態にしたがって上記のように、ガスケットおよびそれらの各隣接する電極ユニットに形成される溝形状部分の嵌合が、実質的に流体密封のシールを生成するために矢印Pの方向に及ぼされる必要のある、横の圧力の量を減少できることに留意されたい。横の圧力は、矢印Pの方向で、各第2の溝形状部分の少なくとも一部分に対して第1の溝形状部分の少なくとも一部分を強制的に押し進め、これらの溝形状部分の間に生成される、溝付き接触表面域または溝(例えば、溝1070、1170、1270、または1370)におけるシールの緊密性をさらに増加させ得る。
【0080】
例えば、ガスケットが矢印Pの方向に横の圧力によって、横方向または水平に押されると(例えば、包装材または電池の内部の圧力のいずれかによって)、ガスケットの溝形状部分の形状は、ガスケットの上部の電極ユニットの相互溝形状部分の形状と相互作用し、横の圧力の少なくとも一部を垂直方向の圧力に転換し得、それにより、ガスケットを電極ユニット内へ強制的に押し進め、それにより、より大きな表面域にわたって横の圧力を消散させる。他の実施形態では、積層の最上部および底部上に締め付け圧力を提供するように(例えば、図19および20の矢印PおよびPの方向で)、ならびに、積層の側面上に横からの力を提供するように(例えば、図21および22の矢印Pの方向で)、積層の周囲に包装材が提供され得る。
【0081】
電解質が非常に粘性である、非常に薄い、または分離帯内で凍結されるかどうかにかかわらず、特定の電池内に堆積され得る電解質の量は、ガスケットの高さ、およびその間の1つまたは複数の電極ユニットの寸法によって画定される空間によって、制限され得る。例えば、図12−16に関して上記のように、例えば、負の電極層1038の上部のガスケット1060の内壁の内側に堆積させることができる電解質1011の量は、空間1080、したがって、ガスケット1060の高さによって制限され得ることを留意することができる。電解質の一部が電池セグメントの電極ユニットの活性材料(例えば、活性材料電極層1038および1104)によって吸収されると、電極層の間の空間中で分離帯とともに存在する電解質が少なくなり得る。電解質が充電されてバッテリが形成されると、各電池セグメントが電解質で実質的に充填され得るように、その製造中にバッテリの電池セグメント内に堆積され得る電解質の量を増やすことが望ましいことがある。
【0082】
例えば、その形成中に、より多量の電解質が電池セグメント内に堆積され得るように、図10−20のバッテリ1050と同様なバッテリを生産する方法の別の実施形態を、ここで図23−26に関して記載する。例えば、図23に示されるように、負のMPU2032には、最初に、不透過性導電基板2036、およびその上に被覆される負の活性材料電極層2038が提供され得る。基板2036には、負の層2038の少なくとも周囲で、溝形状部分2071が提供され得る。実質的に非圧縮性のガスケット2060は、電極層2038の周囲で基板2036上に積層されることができる。溝形状部分2061は、溝形状部分2061および2071が整列して、ガスケットと基板との間に溝付き接触表面域または溝2070を生成し得るように、ガスケット2060の、基板2036に接触する側面に面取りされ得る。これらの相互溝形状部分は、その上に積層される際にMPUに対するガスケットの自己整列を補助し得、それにより、この生産ステップを単純化する。ガスケットおよびMPUの表面における、これらの相互溝形状部分はまた、ともに嵌合して、2つの表面の間のある種類の相対運動を制限し得る。
【0083】
加えて、高さHを有する実質的に非圧縮性のガスケット2060とともに、高さH’を有する圧縮性ガスケット2060’もまた、ガスケット2060の内部または外部のいずれかで、電極層2038の周囲で基板2036上に積層することができる。いったん圧縮性ガスケット2060’がMPU2032の上部に積層されると、実質的に流体密封のカップ状レセプタクル(例えば、空間2080’を参照)が、圧縮性ガスケット2060’の内部側壁とその間のMPU2032の部分とによって画定され得る。電極ユニット2032の溝形状部分2071およびガスケット2060の溝形状部分2061と同様な、溝形状部分が、溝形状部分は、整列して、圧縮性ガスケット2060’と基板2036との間に溝付き接触表面域または溝2070’を生成し得るように、基板2036および圧縮性ガスケット2060’に面取りされ得る。これらの相互溝形状部分は、その上に積層される際にMPU2032に対する圧縮性ガスケット2060’の自己整列を補助し得る。
【0084】
次に、空間2080’内で電解質層2010を画定するように、分離帯2009および電解質2011が、負の電極層2038の上部でガスケット2060’の内壁の内側に堆積され得る。使用される電解質がかなり粘性であるときには、ガスケットとMPUとの間に生成されるシールは、漏出の機会なしで、電解質が空間2080に容易に注入されることを可能にし得る。積層への挿入時に、電解質が粘性ではない場合(例えば、電解質が分離帯内で凍結される実施形態で)、電解質層は、ガスケットがその上に嵌入される前にMPU上に積層され得ることを理解されたい。
【0085】
圧縮性ガスケット2060’は、例えば、図23の元の非圧縮構成で、高さH’を有し得る。圧縮性ガスケット2060’およびMPU2032によって画定される空間2080’(例えば、図23を参照)が、非圧縮性ガスケット2060およびMPU2032によって画定される空間2080(例えば、図25を参照)よりも大きいものであり得るように、圧縮性ガスケット2060’のこの非圧縮高さH’は、非圧縮性ガスケット2060の高さHよりも大きなものであり得る。空間2080よりも大きい電解質のための空間2080’を提供することによって、圧縮性ガスケット2060’は、その製造中に、増加した量の電解質2011が電池セグメント(例えば、図24の電池セグメント2022)内に堆積されることを可能にし得る。
【0086】
電解質層2010の分離帯2009および電解質2011が、圧縮性ガスケット2060’およびMPU2032によって画定される空間2080’内に堆積されると、第1のBPU2102が、その上に積層され得る(図24参照)。例えば、図24に示されるように、BPU2102は、正の電極層2104、およびその反対側で被覆される負の電極層2108を有する、不透過性導電基板2106を含むことができる。BPU2102の正の電極層2104を、MPU2032の負の電極層2038に向かって下向きにして、BPU2102を圧縮性ガスケット2060’上に積層することができる。相互溝形状部分が、溝形状部分が整列して、圧縮性ガスケット2060’と基板2106との間に溝付き接触表面域または溝2170’を生成し得るように、基板2106および圧縮性ガスケット2060’に形成され得る。これらの相互溝形状部分は、BPUがガスケット上に積層されるにつれて、圧縮性ガスケット2060’、したがってMPU2032に対するBPU2102の自己整列を補助し得、それにより、この生産ステップを単純化する。
【0087】
BPU2102が圧縮性ガスケット2060’、したがって、MPU2032の上部に積層されると、第1の電池セグメント2022が存在し得る。さらに、それにより、実質的に流体密封のシールが、電解質層2010(したがって、電解質2011)の周囲で基板2106、基板2036、およびガスケット2060’によって画定され得る。電極層2038および2104の活性材料、ならびに電池セグメント2022の分離帯2009は、電解質2011を吸上または吸収することが可能であり得、電池セグメントは、充電され得る。しかしながら、上記のように、ある実施形態では、電池セグメントは、充電される必要がなくてもよい(例えば、電池セグメントのZnMn部分は、電池セグメントのNiMH部分に対する自然の充電器の役割を果たし得る)。
【0088】
電極層および分離帯が任意の電解質を吸収し、電池セグメント2022が充電されると、当然に、または別の方法で、電池セグメントの積層を完成するように付加的な電池セグメントが形成され得、次いで、バッテリ1050に関して上記のように、本発明の機能的な積層双極バッテリを形成するために積層の内容物を密封するように、ケースまたは包装材が提供され得る。例えば、図19の包装材1040と同様な包装材(図示せず)が、矢印PおよびP(例えば、図25を参照)の方向に、電池セグメント2022を含む電池セグメントの積層の最上部および底部に締め付け圧力を及ぼして、バッテリ2050を形成し得る。
【0089】
圧縮性ガスケット2060’が、圧縮性ガスケット2060の高さHと実質的に平等な高さH’’を有する圧縮構成まで縮小されるように、矢印PおよびPの方向における包装材またはケースの締め付け圧力が、電池セグメント2022の圧縮性ガスケット2060’を圧縮し得る。したがって、圧縮性ガスケット2060の高さHは、電池セグメント2022の高さ、したがって、電池セグメントの活性材料電極層(すなわち、層2038および2104)の間の密封距離Dを画定し得る。したがって、ガスケット2060および2060’ならびに電極ユニット2032および2102による、電池セグメント2022内の電解質2011の密封は、バッテリ2050の最終形態で実質的に非圧縮性であり得る。
【0090】
例えば、図25に示されるように、基板2106にはまた、その側面のうちの一方で、BPU2102の正の電極層2104および/または電極層2108の少なくとも部分的に周囲に溝形状部分2171を提供することができる。矢印PおよびPの方向における包装材の締め付け圧力が圧縮性ガスケット2060’を圧縮し得るので、ガスケット2060の最上部に提供される溝形状部分2161、および基板2106の溝形状部分2171が整列して、ガスケット2060と基板2106との間に溝付き接触表面域または溝2170を生成し得るように、実質的に非圧縮性ガスケット2060に対してBPU2102を強制的に押し進めることができる。これらの相互溝形状部分は、包装材がバッテリ2050の電池セグメント2022の内容物を圧縮し、密封するにつれて、ガスケット2060、したがってMPU2032に対するBPU2102の自己整列を補助し得、それにより、この生産ステップを単純化する。
【0091】
図23および24の元の非圧縮高さH’から図25の圧縮高さH’’までの圧縮性ガスケット2060’の圧縮は、図23および24の非圧縮空間2080’の非圧縮サイズから図25の圧縮空間2080の圧縮サイズまで、電池セグメント2022内の電解質2011のための空間を同様に縮小し得る。したがって、電極ユニット2032および2102の活性材料および分離帯2009によって吸収されている電解質2011の一部によって空きができて得る、非圧縮空間2080’の任意の部分は、非圧縮空間2080’の圧縮空間2080への縮小によって排除され得るため、圧縮空間2080の全ては、電解質2011または分離帯2009で充填され得る。したがって、バッテリが完全に圧縮および密封されたとき、充電された電池セグメントが形成後に電解質で完全に充填され得るように、本発明のバッテリの電池セグメントには、電池セグメントの形成中に増加した量の電解質が提供され得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、圧縮性ガスケット2060’は、電解質2011を堰き止めるかまたは吸収することができる材料で、少なくとも部分的に作られ得る。いくつかの実施形態では、圧縮性ガスケット2060’は、電池セグメントの電極ユニットの一方または両方の活性材料を保護し得る材料で、少なくとも部分的に作られ得る。圧縮性ガスケットは、例えば、経時的にポリマーから電解質内へ浸出して(例えば、電気または熱サイクリングによって)、電池中の正または負の活性材料のいずれかの上に微小被覆を提供し、および/または電池の活性材料の酸化を減速し得る材料(例えば、金属および/または酸化物)を含む、ポリマーで作ることができる。浸出材料は、活性材料よりも低い反応状態で酸化して、例えば、電池が酸化し、その容量を喪失することから保護し得る。浸出材料を伴う、この種類の圧縮性ガスケットは、過充電および過放電等の極端な状態に合わせて調整され得、デンドライト成長を可能にし、したがって、バッテリを短絡させる、経路を遮断するために使用され得る。さらに他の実施形態では、圧縮性ガスケット2060’は、基板2036の一部分によって形成され、その延長部として基板2036と一体であり得、その間には流体通路が全く存在しない。そのような圧縮性ガスケットは、例えば、圧縮性金属によって形成され得る。さらに、基板には、それと一体であるそのような延長部が提供され得るが、それらは圧縮性ではない。その代わり、そのような基板延長部は、基板の延長部が、ガスケットが提供される前に堆積される電解質のために、本質的に密封された空間を生成し得るように、電池セグメントのガスケットと等しいか、またはより短いものであり得る。
【0093】
代替的実施形態では、バッテリ2050の電池セグメント2022に関して上記のように、圧縮性ガスケットおよび非圧縮性ガスケットを並んで提供することとは対照的に、電池の形成中に電解質で過剰充填され得る電池セグメントを製造するために、少なくとも1つの圧縮性部分を有する1つのガスケットが提供され得る。図26および27に示されるように、例えば、電池セグメント3022に電解質3011を密封するために、ガスケット3060が、BPU3102とMPU3032との間に提供され得る。ガスケット3060は、元の非圧縮高さH’を有する圧縮性ガスケット部分3060’’、および高さHを有する実質的に非圧縮性のガスケット部分3060’’を含み得る。
【0094】
電解質3011が電池セグメント3022の非圧縮空間3080’に堆積された後、圧縮性ガスケット部分3060’が、高さH’よりも小さい高さH’’を有する圧縮構成まで縮小されるように、矢印PおよびPの方向における包装材またはケース(図示せず)の締め付け圧力が、電池セグメント3022の圧縮性ガスケット3060’を圧縮し得る。したがって、圧縮高さH’’とともに、圧縮性ガスケット部分3060’’の高さHは、電池セグメント3022の高さH’’’、したがって電池セグメントの活性材料電極層(すなわち、層3038および3104)の間の密封距離Dを画定し得る。したがって、ガスケット3060のガスケット部分3060’および3060’’ならびに電極ユニット3032および3102による、電池セグメント3022内の電解質3011の密封は、バッテリ3050の最終形態で実質的に非圧縮性であり得る。
【0095】
図26の元の非圧縮高さH’から図27の圧縮高さH’’までの圧縮性ガスケット部分3060’の圧縮は、図26の非圧縮空間3080’の非圧縮サイズから図27の圧縮空間3080の圧縮サイズまで、電池セグメント3022内の電解質3011のための空間を同様に縮小し得る。したがって、電極ユニット3032および3102の活性材料によって吸収されている電解質3011の一部によって空きができ得る、非圧縮空間3080’の任意の部分は、非圧縮空間3080’の圧縮空間3080への縮小によって排除され得るため、圧縮空間3080の全ては、電解質3011または分離帯3009で充填され得る。
【0096】
ガスケット3060は、例えば、図26および27に示されるように、1つ以上の別個の圧縮性および非圧縮性部分を含み得る。代替として、ガスケット3060は、非圧縮高さ(例えば、高さHを加えたH’)を有する元の非圧縮構成から圧縮高さ(例えば、高さH’’’)を有する圧縮構成まで、その全体を通して実質的に圧縮性であり得る。実質的に圧縮性のガスケット3060の圧縮高さは、バッテリの包装材によって及ぼされる力の大きさ、および/またはガスケット3060の組成によって決定され得る。バッテリ3050がその包装材によって完全に密封され、圧縮されると、ガスケット3060の圧縮高さは、電池セグメントの活性材料電極層間の密封距離Dを画定し得る。
【0097】
上記のように、より良好なシールを生成するために、互いに接触する、ガスケットの表面域および隣接する電極ユニットの表面域の1つ以上の部分は、それぞれ、相互に、または対応して、溝を付けられ、面取りされ、または形作られ得る(例えば、溝を形成するように(例えば、図6の溝70を参照))。これらの溝は、例えば、固体シールループおよび粘性材料の相互に形作られた部分、固体シールループおよび電極層の相互に形作られた部分、第1の粘性材料および第2の粘性材料の相互に形作られた部分、第1の固体シールループおよび第2の固体シールループの相互に形作られた部分、およびそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない、電池セグメントにシールを生成する種々の要素の、対応して、または相互に形作られた部分によって、またはそれらに沿って、形成され得る。
【0098】
積層バッテリの上記および図示した実施形態のそれぞれは、その中に電解質を密封するために第1および第2の電極ユニットのそれぞれに密封されるガスケットを含む、電池セグメントを示すが、電池セグメントの各電極ユニットは、独自のガスケットに密封され得、次いで、2つの隣接する電極のガスケットは、密封電池セグメントを生成するために互いに密封され得ることを留意されたい。例えば、図28に示されるように、例えば、バッテリ4050の電池セグメント4022は、MPU4032およびBPU4102を含み得る。
【0099】
その負の活性材料電極層4038の周囲でMPU4032の基板4036の外縁を完全に包囲するように、第1のガスケット4060が提供され得る。基板およびガスケットの接触面を密封するのを補助するように、電極層4038の周囲の基板4036の上部とガスケット4060の一部分との間に、溝4070が提供され得る。同様に、その正の活性材料電極層4104およびその負の活性材料電極層4108の周囲でBPU4102の基板4106の外縁を完全に包囲するように、第2のガスケット4160が提供され得る。電極層4104の周囲の基板4106の底部とガスケット4160の第1の部分との間に、第1の溝4170が提供され得る一方で、電極層4108の周囲の基板4106の上部とガスケット4160の第2の部分との間に、第2の溝4270が提供され得る。溝4170および4270のそれぞれは、基板4106およびガスケット4160の接触面を密封するのを補助し得る。さらに、ガスケット4060およびガスケット4160の接触面を密封するのを補助するように、電極層4038および4104の周囲で、ガスケット4060の上部とガスケット4160の底部との間に、溝4370が提供され得る。この種類の密封は、各電池内の密封面の数を2から1に削減し得、電池の各基板の縁においてシールを形成するのにガスケットの材料に依存し得ることを留意されたい。
【0100】
ある実施形態では、ガスケットは、ともに融合されてシールを生成し得るように、電極ユニットまたは別のガスケットに射出成形され得る。ある実施形態では、ガスケットは、ともにシールを生成し得るように、電極ユニットまたは別のガスケットに超音波で溶接され得る。他の実施形態では、ガスケットは、電極ユニットまたは別のガスケットに熱的に融合され得、または熱流を通して、それにより、ガスケットまたは電極ユニットは、他のガスケットまたは電極ユニットに融解するように加熱され得る。さらに、ある実施形態では、ガスケットおよび/または電極ユニットの表面に溝形状部分を生成してシールを生成する代わりに、またはそれに加えて、ガスケットおよび/または電極ユニットは、穿孔されるか、またはその1つ以上の部分を通り抜ける1つ以上の穴を有し得る。例えば、図21に示されるように、ガスケット1060および/またはガスケット1160の一部分が基板1106へと、およびそれを通って成形し得るように、BPU1102の基板1106の一部分を通って、穴または通路または穿孔1175が提供され得る。このことは、ガスケットの材料が、基板を通って流れ、高圧力のより良好な対処のために基板をより良好に把持することを可能にし得る。代替として、電極ユニットの一部分(例えば、基板)がガスケットへと、およびそれを通って成形し得るように、ガスケットの一部分を通って、穴または通路または穿孔が提供され得る。さらに他の実施形態では、ガスケットおよび電極ユニットの両方を通って穴が作られ得るため、ガスケットおよび電極ユニットのそれぞれは、例えば、ガスケットおよび電極ユニットの他方へと、およびそれを通って成形し得る。
【0101】
積層バッテリの上記および図示した実施形態のそれぞれは、円筒形バッテリへの丸い基板を積層することによって形成されるバッテリを示すが、本発明の積層バッテリの基板を形成するために、多種多様な形状のいずれかが利用され得ることを留意されたい。例えば、本発明の積層バッテリは、長方形(例えば、携帯型ラップトップコンピュータのディスプレイ画面の背後に配置されるために適し得る、図29および30の包装材5040’、BPU5102、ならびにMPU5012および5032を有する、例えば、長方形バッテリ5050を参照)、三角形、六角形、または任意の他の考え得る形状、またはそれらの組み合わせである断面領域を伴う、基板を有する電極ユニットを積層することによって、形成され得る。さらに、そのような形状は、「8の字形」等の、平面内で1つ以上の空隙を伴う形状を含み得る(例えば、図31および32の包装材6040’、BPU6102、ならびにMPU6012および6032を有するバッテリ6050を参照)。例えば、2つの別個の円形部分を有する、そのような「8の字形」設計は、異なる活性材料化学的性質が別個の領域に所望される、二重化学性質電池に好適であり得るため、デンドライトからの交差汚染を防止するように、領域の間になんらかの物理的分離があり得るが、それは共通基板をまたがって接続され得る。また、それを通る中空部分を有する、そのような「8の字形」バッテリ設計は、例えば、電子モータ等の他のデバイスが、バッテリ構造の空洞内に配置されることを可能にし得る。
【0102】
さらに、積層バッテリの上記および図示した実施形態のそれぞれは、2つの隣接するBPUまたは1つのBPUおよび隣接するMPUでできている電池セグメントを積層することによって形成される、積層双極バッテリを示すが、積層単極バッテリ等の、他の種類の積層バッテリが任意の方法によって形成され得、または本発明の任意の装置を含み得ることを留意されたい。例えば、図33に示されるように、本発明の積層単極バッテリ750は、任意の方法によって形成され得、または、図1−32に関して上記のように、本発明の任意の装置を含み得る。
【0103】
例えば、図33は、積層構成の複数の電池セグメント722を示す。各電池セグメント722は、正の単極電極ユニットまたはMPU712、負の単極電極ユニットまたはMPU732、およびその間の電解質層710を含み得る。各電池セグメント722の正のMPU712の正の電極層714は、その電池セグメントの電解質層710を介して、その電池セグメントの負のMPU732の負の電極層738に対向し得る。その第1の表面上に形成される正の活性材料電極層712を有する代わりに、第1の電池セグメント722の正のMPU712の基板716はまた、隣接する電池セグメント722の隣接する負のMPU732の基板736の第2の表面に電気的に連結され得る、第2の表面を有し得る。
【0104】
例えば、図33を引き続き参照すると、本発明による積層単極バッテリ750を構成するように、負および正の端子(例えば、負のMPU732aおよび正のMPU712e)が、2つ以上の電池セグメント722の積層の各端において含まれ得る。MPU712eおよび732aには、それぞれ、対応する正および負の電極リード713および733が提供され得る。
【0105】
積層電池セグメント722の数は、2つ以上となり得、バッテリ750の所望の電圧に対応するために、適切に決定され得る。各電池セグメント722は、バッテリ750の所望の電圧が、各電池セグメント722によって提供される電位を効果的に追加することによって達成され得るように、任意の所望の電位を提供し得る。各電池722が同一の電位を提供する必要はないことが理解されるであろう。
【0106】
1つの好適な実施形態では、積層単極バッテリ750は、電池セグメント722の積層が、減圧下でバッテリケースまたは包装材740に少なくとも部分的に封入(例えば、密閉)され得るように、構造化することができる。MPU導電基板716eおよび736a(または、少なくともそれらの各電極リード713および733)は、例えば、使用時に外部からの衝撃を軽減するよう、および環境悪化を防止するように、バッテリケース740から引き出されてもよい。薄型ケーシングおよび平面のために、くぼみ742がMPU712eおよび732aに提供され得る。
【0107】
第1の電池セグメントの電解質が別の電池セグメントの電解質と結合することを防止するために、隣接する電極ユニットの間の電解質層とともに、ガスケットまたは密封手段を積層して、その特定の電池セグメント内に電解質を密封することができる。例えば、図33に示されるように、本発明の積層単極バッテリは、各電池セグメント722の電解質層710ならびに活性材料電極層714および738の周囲に障壁として位置付けられ得る、ガスケットまたはシール760を含むことができる。ガスケットまたは密封手段は、例えば、図1−32に関して上記に記載されるガスケットまたは密封手段のいずれかと同様であり得、その電池のガスケットと隣接する電極ユニットとの間で電解質を密封することができる。ガスケットまたは密封手段はまた、例えば、その電池の隣接する電極ユニット間に適切な間隔を提供することもできる。
【0108】
例えば、図1−32に関する上記のように、1つの好適なアプローチでは、例えば、図33に示された密封構成で電池セグメント722およびガスケット760を圧縮および密封するために、矢印P1およびP2の方向にケース740の最上部および底部に圧力を加えることができる。別の好適なアプローチでは、例えば、図33に示された密封構成で電池セグメント722およびガスケット760を圧縮および密封するために、矢印P3およびP4の方向にケース740の側面に圧力を加えることができる。さらに別の好適なアプローチでは、例えば、図33に示された密封構成で電池セグメント722およびガスケット760を圧縮および密封するために、ケース740の最上部および底部に圧力を加えることができ、ケース740の側面に圧力を加えることもできる。
【0109】
例えば、隣接する電池の間の電解質の向上した密封を伴う、積層バッテリを説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに変更を行ってもよいことを理解されたい。また、「水平」および「垂直」、「上部」および「底部」および「側面」、「長さ」および「幅」および「高さ」および「厚さ」、「内側」および「外側」、「内部」および「外部」、および同等物等の、種々の方向性および配向性用語は、本明細書では便宜上使用されるのみであり、これらの言葉の使用によって、固定した、または絶対的な方向性または配向性限定が意図されないことも理解されるであろう。例えば、本発明のデバイス、ならびにそれらの個々の構成要素は、任意の所望の配向を有することができる。再配向された場合、異なる方向性または配向性用語が、説明において使用される必要があり得るが、それは、本発明の範囲および精神内の基本的性質を改変しない。当業者であれば、本発明は、限定よりもむしろ例証の目的で提示される、記載された実施形態以外によって、実践することができ、本発明は、以下の請求項によってのみ限定されることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層方向における複数の電極ユニットの積層であって、
第1の電極ユニットと、
該積層方向において、該第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、
該第1の電極ユニットと該第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層と
を備える、積層方向における複数の電極ユニットの積層
を備え、
内面および外面を有する第1のガスケットであって、
該第1のガスケットは、該第1の電解質層の周囲に位置付けられ、該第1の電解質層は、該第1のガスケットの該内面ならびに該第1および第2の電極ユニットによって密封され、該第1の電極ユニットの少なくとも第1の部分は、該第1のガスケットの該外面の一部分に沿って延在する、第1のガスケット
をさらに備える、
バッテリ。
【請求項2】
前記第1の電極ユニットの前記第1の部分は、該第1の電極ユニットの第2の部分を冷却するように構成される、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項3】
前記第2の部分は、前記第1の電解質層に晒される、請求項2に記載のバッテリ。
【請求項4】
前記第1の電極ユニットは、
第1の側面および第2の側面を有する第1の電極層と、
該第1の電極層の該第1の側面上の第1の活性材料と
を備え、該第1の電極ユニットの前記第1の部分は、該第1の活性材料の少なくとも一部分を冷却するように構成される、請求項2に記載のバッテリ。
【請求項5】
前記第1の電極ユニットは、単極電極ユニットであり、前記第2の電極ユニットは、単極電極ユニットである、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項6】
積層方向における複数の電極ユニットの積層であって、
第1の電極ユニットと、
該積層方向において、該第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、
該第1の電極ユニットと該第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層と
を備える、積層方向における複数の電極ユニットの積層
を備え、
該第1の電極ユニットは、第1の電極基板と、該第1の電極基板の第1の側面上の第1の活性層とを備え、
該第1の活性層は、少なくとも、該第1の側面の第1の部分上の第1の活性部分と、該第1の側面の第2の部分上の第2の活性部分とを含み、
該第1の活性層の該第1の活性部分は、該第1の電極基板の該第1の側面より上の第1の高さまで延在し、該第1の活性層の該第2の活性部分は、該第1の電極基板の該第1の側面より上の第2の高さまで延在し、該第1の高さは、該第2の高さとは異なる、
バッテリ。
【請求項7】
前記第2の電極ユニットは、
第2の電極基板と、
該第2の電極基板の第2の側面上の第2の活性層と、
を備え、
該第2の活性層は、少なくとも、該第2の側面の第1の部分上の第3の活性部分と、該第2の側面の第2の部分上の第4の活性部分とを含む、請求項6に記載のバッテリ。
【請求項8】
前記第2の活性層の前記第3の活性部分は、前記第2の電極基板の前記第2の側面より下の第3の高さまで延在し、該第2の活性層の前記第4の活性部分は、該第2の電極基板の該第2の側面より下の第4の高さまで延在し、該第3の高さは、該第4の高さとは異なる、請求項7に記載のバッテリ。
【請求項9】
前記第1の高さは、前記第3の高さと同じである、請求項8に記載のバッテリ。
【請求項10】
前記第2の高さは、前記第4の高さと同じである、請求項9に記載のバッテリ。
【請求項11】
前記第2の高さは、前記第4の高さとは異なる、請求項9に記載のバッテリ。
【請求項12】
前記第1の活性層の前記第1の活性部分は、前記積層方向において、第1の距離だけ、前記第2の活性層の前記第3の活性部分から離れ、該第1の活性層の前記第2の活性部分は、該積層方向において、第2の距離だけ、該第2の活性層の前記第4の活性部分から離れている、請求項8に記載のバッテリ。
【請求項13】
前記第1の距離は、前記第2の距離と同じである、請求項12に記載のバッテリ。
【請求項14】
前記第1の距離は、前記第2の距離とは異なる、請求項12に記載のバッテリ。
【請求項15】
前記第1の電解質層は、
電解質材料と、
前記第1の電極ユニットの前記第1の活性層と前記第2の電極ユニットの前記第2の活性層との間に位置付けられる障壁と
を備える、請求項12に記載のバッテリ。
【請求項16】
前記障壁は、第1の障壁高さを有する第1の障壁部分と、第2の障壁高さを有する第2の障壁部分とを含み、該第1の障壁の高さは、該第2の障壁の高さとは異なる、請求項15に記載のバッテリ。
【請求項17】
前記第1の活性層の前記第1の活性部分は、少なくとも第1の活性材料を備え、該第1の活性層の前記第2の活性部分は、少なくとも第2の活性材料を備え、該第1の活性材料は、該第2の活性材料とは異なる、請求項6に記載のバッテリ。
【請求項18】
前記第1の活性材料は、第1の電圧範囲を有し、前記第2の活性材料は、第2の電圧範囲を有し、該第1の電圧範囲は、該第2の電圧範囲内で電気的に動作する、請求項17に記載のバッテリ。
【請求項19】
前記第1の活性層の前記第1の活性部分は、前記第1の電極基板の前記第1の側面に沿って第1の厚さを有し、該第1の活性層の前記第2の活性部分は、該第1の電極基板の該第1の側面に沿って第2の厚さを有し、該第1の厚さは、該第2の厚さとは異なる、請求項6に記載のバッテリ。
【請求項20】
前記第1の電解質層の周囲に位置付けられる、第1のガスケットをさらに備え、該第1の電解質層は、該第1のガスケットならびに前記第1および第2の電極ユニットによって密封される、請求項6に記載のバッテリ。
【請求項21】
前記第1の電極ユニットは、単極電極ユニットであり、前記第2の電極ユニットは、単極電極ユニットである、請求項6に記載のバッテリ。
【請求項22】
積層方向における複数の電極ユニットの積層であって、
第1の電極ユニットと、
該積層方向において、該第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、
該第1の電極ユニットと該第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層と、
該積層方向において、該第2の電極ユニットの上部に積層される第3の電極ユニットと、
該第2の電極ユニットと該第3の電極ユニットとの間に提供される第2の電解質層と
を備える、積層方向における複数の電極ユニットの積層
を備え、
該第1の電極ユニットは、該積層方向において、第1の距離だけ、該第2の電極ユニットから離れ、該第2の電極ユニットは、該積層方向において、第2の距離だけ、該第3の電極ユニットから分離され、該第1の距離は、該第2の距離とは異なる、
バッテリ。
【請求項23】
前記第1の電極ユニットは、単極電極ユニットであり、前記第2の電極ユニットは、単極電極ユニットである、請求項22に記載のバッテリ。
【請求項24】
前記第3の電極ユニットは、単極電極ユニットである、請求項23に記載のバッテリ。
【請求項25】
前記第3の電極ユニットは、双極電極ユニットである、請求項23に記載のバッテリ。
【請求項26】
積層方向における複数の電極ユニットの積層であって、
第1の電極ユニットと、
該積層方向において、該第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、
該第1の電極ユニットと該第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層と
を備える、積層方向における複数の電極ユニットの積層と
を備え、
該第1の電解質層の周囲に位置付けられる第1のガスケットであって、
該第1の電解質層は、該第1のガスケットならびに該第1および第2の電極ユニットによって密封され、該第1のガスケットは、第1のガスケット部材と、第2のガスケット部材とを含み、該第2のガスケット部材は、圧縮性である、第1のガスケット
をさらに備える、
バッテリ。
【請求項27】
前記第2のガスケット部材は、前記積層方向において、前記第1のガスケット部材の上部に積層される、請求項26に記載のバッテリ。
【請求項28】
前記第2のガスケット部材は、前記第1の電解質層の周囲に位置付けられ、前記第1のガスケット部材は、該第2のガスケット部材の周囲に位置付けられる、請求項26に記載のバッテリ。
【請求項29】
前記第2のガスケット部材の前記高さは、前記電解質層が前記第1のガスケットならびに前記第1および第2の電極ユニットによって密封されたとき、第1の長さから第2の長さまで減少するように構成される、請求項26に記載のバッテリ。
【請求項30】
前記第1のガスケットならびに前記第1および第2の電極ユニットによって画定される空間は、前記電解質層が前記第1のガスケットならびに該第1および第2の電極ユニットによって密封されたとき、第1の体積から第2の体積まで減少するように構成される、請求項26に記載のバッテリ。
【請求項31】
前記第1の電解質層は、前記第1の体積に等しい体積を有する電解質材料を備える、請求項30に記載のバッテリ。
【請求項32】
前記第1の電解質層は、前記第2の体積よりも大きい体積を有する電解質材料を備える、請求項30に記載のバッテリ。
【請求項33】
前記第1の電極ユニットは、単極電極ユニットであり、前記第2の電極ユニットは、単極電極ユニットである、請求項26に記載のバッテリ。
【請求項34】
積層方向における複数の電極ユニットの積層であって、
第1の電極ユニットと、
該積層方向において、該第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、
該第1の電極ユニットと該第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層と
を備える、積層方向における複数の電極ユニットの積層と
を備え、
該第1の電極ユニットの周囲に位置付けられる第1のガスケットと、
該第2の電極ユニットの周囲に位置付けられる第2のガスケットと
をさらに備え、
該第1のガスケット部分は、該電解質層の周囲で該第2のガスケット部分に連結され、該第1の電解質層は、該第1のガスケット、該第2のガスケット、該第1の電極ユニット、および該第2の電極ユニットによって密封される、
バッテリ。
【請求項35】
前記第1のガスケットは、頂面を有する第1の本体部分を備え、前記第2のガスケットは、底面を有する第2の本体部分を備え、該第1の本体部分は、該頂面上に上部溝を有し、該第2の本体部分は、該底面上に底部溝を有し、該底部溝は、該上部溝と嵌合して前記第1の電解質層を密封する、請求項34に記載のバッテリ。
【請求項36】
前記第1のガスケットは、前記第2のガスケットに熱的に融合される、請求項34に記載のバッテリ。
【請求項37】
前記第1のガスケットは、前記第2のガスケットに超音波で溶接される、請求項34に記載のバッテリ。
【請求項38】
前記第1の電極ユニットは、単極電極ユニットであり、前記第2の電極ユニットは、単極電極ユニットである、請求項34に記載のバッテリ。
【請求項39】
積層方向における複数の電極ユニットの積層であって、
第1の電極ユニットと、
該積層方向で該第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、
該第1の電極ユニットと該第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層と
を備える、積層方向における複数の電極ユニットの積層
を備え、
該第1の電解質層の周囲に位置付けられる第1のガスケットであって、
該第1のガスケットは、該第1の電極ユニットに、熱的に融合される、および超音波で溶接される、のうちの少なくとも一方である、第1のガスケット
をさらに備える、
バッテリ。
【請求項40】
前記第1の電解質層は、前記第1のガスケットならびに前記第1の電極ユニットおよび第2の電極ユニットによって密封される、請求項39に記載のバッテリ。
【請求項41】
前記第1の電極ユニットは、単極電極ユニットであり、前記第2の電極ユニットは、単極電極ユニットである、請求項39に記載のバッテリ。
【請求項42】
積層方向における複数の電極ユニットの積層であって、
第1の電極ユニットと、
該積層方向において、該第1の電極ユニットの上部に積層される第2の電極ユニットと、
該第1の電極ユニットと該第2の電極ユニットとの間に提供される第1の電解質層と
を備える、積層方向における複数の電極ユニットの積層
を備え、
該第1の電解質層の周囲に位置付けられる第1のガスケットであって、
該第1の電解質層は、該第1のガスケットならびに該第1の電極ユニットおよび第2の電極ユニットによって密封され、該第1の電極ユニットは、単極電極ユニットであり、該第2の電極ユニットは、単極電極ユニットである、第1のガスケット
をさらに備える、
バッテリ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34A】
image rotate

【図34B】
image rotate


【公表番号】特表2010−518580(P2010−518580A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−549147(P2009−549147)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【国際出願番号】PCT/US2008/001888
【国際公開番号】WO2008/100533
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(507364078)
【出願人】(509227311)
【Fターム(参考)】