説明

電気機械モジュール冷却装置及び冷却方法

【課題】
電気機械モジュールにおいて、導体44及びその周りの第1の絶縁部に生じる損傷を、絶縁バンド51を必要とすることなしに、少なくとも部分的に低減させる。
【解決手段】
本発明による電気機械モジュール(10)は、ハウジング(12)を有し、ハウジングは、機械キャビティ(22)と、冷却液ジャケット(62)と、冷却液開口(68)を含む。冷却液開口は、冷却液ジャケットを機械キャビティに流体連通させるようにハウジングの一部分を貫通する。電気機械は、機械キャビティ内に配置されるステータ組立体(26)を有する。ステータ組立体は、スロット(42)を有するステータコア(28)を含む。導体(44)が、スロット内に配置され、導体の一部分は、ステータコアの溶着側(52)及び挿入側(50)から軸線方向に延びる。導体は、ステータコアの溶着側において、導体と導体の間に半径方向に広がる開口(70)を定めるように構成され且つ配置される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
いくつかの在来の電気機械は、ロータ組立体の周囲に配置されたステータ組立体を含んでいる。いくつかのステータ組立体は、ステータコアの中に配置される複数の導体を含んでいる。いくつかの電気機械の作動中、電流が少なくともいくつかの導体の中を流れる。潜在的な短絡及び地絡の発生を防止するために、ステータ組立体のための在来の形態は、多数の絶縁層を導体の間に必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
絶縁部は、短絡及び/又は地絡のリスクを低減するように機能するけれども、絶縁部は、電気機械からの熱移送を少なくとも部分的にしか阻止することができない。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明のいくつかの実施形態は、ハウジングを含む電気機械モジュールを提供する。ハウジングは、機械キャビティ(内部空間)と、冷却液ジャケットと、少なくとも1つの冷却液開口を有し、冷却液開口は、冷却液ジャケットが機械キャビティに流体的に連通するように、ハウジングの一部分を貫通するように配置されるのがよい。いくつかの実施形態では、電気機械は、機械キャビティ内に少なくとも部分的に配置され、ステータ組立体を含むのがよい。ステータ組立体は、スロットを有するステータコアを含むのがよい。ステータコアには、溶着側と挿入側があるのがよい。いくつかの実施形態では、いくつかの導体が、スロット内に配置され、導体の一部分がステータコアの溶着側及び挿入側から軸線方向に延びるのがよい。いくつかの実施形態では、少なくともいくつかの導体は、実質的に半径方向に広がる開口を、溶着側において導体の一部分と一部分の間に定めるように構成され且つ配列されるのがよい。
【0004】
本発明のいくつかの実施形態は、ハウジングとハウジング内に実質的に配置される電気機械とを含む電気機械モジュールを提供する。いくつかの実施形態では、電気機械は、ステータコアを有し、ステータコアは、複数のスロットと、軸線方向に互いに反対側に位置する溶着側端部及び挿入側端部を含むのがよい。いくつかの実施形態では、複数の導体が、スロット内に配置され、導体は、少なくとも2つの脚部分の間に配置された折返し部分を含むのがよい。2つの脚部分は、スロット内部分と、連結部分を含むのがよい。いくつかの実施形態では、少なくともいくつかの折返し部分は、ステータコアの挿入側端部から延び、少なくともいくつかの連結部分は、溶着側端部のスロット内部分から軸線方向に延びるのがよい。いくつかの実施形態では、導体の少なくとも一部分は、少なくとも2つの絶縁層を有するのがよい。いくつかの実施形態では、半径方向広がる複数の開口の少なくとも一部が、隣接した導体の半径方向に配置された絶縁層と絶縁層の間に形成されるのがよい。いくつかの実施形態では、半径方向に広がる開口の寸法は、半径方向に少なくとも約0.7mmである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明の1つの実施形態による電気機械モジュールの斜視図である。
【図2】本発明の1つの実施形態によるステータ組立体の斜視図である。
【図3】本発明の1つの実施形態によるステータ積層体の正面図である。
【図4】本発明の1つの実施形態による導体の斜視図である。
【図5A】在来のステータ組立体の一部分の図である。
【図5B】図5Aの在来のステータ組立体の図である。
【図6A】本発明の1つの実施形態によるステータ組立体の一部分の図である。
【図6B】図6Aのステータ組立体の図である。
【図7A】第3の絶縁部の異なる実施形態の図である。
【図7B】第3の絶縁部の異なる実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の任意の実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その用途において、以下の詳細な説明に記載される又は以下の図面に例示される構成要素の詳細な構造及び配置に限定されないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態であってもよく、本発明を種々の方法で実施又は実行することができる。また、本明細書で使用する用語及び述語は説明を目的とするものであり、限定的ではないことを理解すべきである。本明細書で使用する用語「含む」、「備える」、及び「有する」及びそれらの変形は、以下に記載された事項及びその均等物、並びに追加的な事項を包含することを意味する、それ以外に特定又は限定されない限り、用語「取り付けられる」、「接続される」、「支持される」、及び「結合される」、並びにそれらの変形例は広く使用されており、直接的な取り付け、接続、支持、及び結合、並びに間接的な取り付け、接続、支持、及び結合の両方を含む。更に、用語「接続される」及び「結合される」は物理的な又は機械的な接続又は結合に限定されない。
【0007】
以下の記載は、当業者が本発明の実施形態を実施及び使用できるように提示される。例示された実施形態の種々の変形例は、当業者には容易に理解でき、本明細書の一般的な原理は、本発明の実施形態から逸脱することなく他の実施形態及び応用例に適用できる。従って、発明の実施形態は、図示された実施形態に限定されることを意図していないが、本明細書に開示された原理及び特徴と一致する最も広い範囲を与える。以下の詳細な説明は図面を参照して読むべきであり、図面において、異なる図面の同じ要素は同じ参照番号を有している。図面は、必ずしもスケール調整されておらず、選択された実施形態を描写しており、本発明の実施形態の範囲を限定することを意図していない。当業者であれば、本明細書に記載された実施形態は、本発明の実施形態の範囲に属する多数の有益な代替物を含むことを理解できるはずである。
【0008】
図1は、本発明の1つの実施形態による電気機械モジュール10を示す。電気機械モジュール10は、モジュールハウジング12を含み、モジュールハウジング12は、スリーブ部材14と、第1のエンドキャップ16と、第2のエンドキャップ18を有している。電気機械20が、スリーブ部材14及びエンドキャップ16、18によって少なくとも部分的に定められた機械キャビティ22内に収容されている。例えば、スリーブ部材14及びエンドキャップ16、18は、従来の締結手段(図示せず)又は他の適当な結合方法によって結合され、電気機械20の少なくとも一部分を機械キャビティ22内に収容する。いくつかの実施形態では、モジュールハウジング12は、実質的に円筒形状のキャニスタと、単一のエンドキャップ(図示せず)を有していてもよい。他のいくつかの実施形態では、スリーブ部材14及びエンドキャップ16、18を含むモジュールハウジング12は、限定するわけではないが、熱伝導特性を全体的に有する材料(例えば、アルミニウム又はその他の金属)及び電気機械の作動温度に実質的に耐えることを可能にする材料で製造されるのがよい。いくつかの実施形態では、モジュールハウジング12は、鋳造、成形、押出し及びその他の同様の製造方法を含む異なる方法を使用して製造されてもよい。
【0009】
電気機械20は、限定するわけではないが、電気モータであるのがよく、電気モータは、例えば、ハイブリッド電気モータ、発電機、又は車両オルタネータである。1つの実施形態では、電気機械20は、ハイブリッド自動車用の高電圧ヘアピン(HVH)電気モータ又は内部永久磁石電気モータである。
【0010】
電気機械20は、ロータ組立体24と、ステータ組立体26と、軸受30を含み、出力軸34の周りに配置されるのがよい。図1に示すように、ステータ組立体26は、ロータ組立体24を実質的に包囲するのがよい。いくつかの実施形態では、ロータ組立体24は、ロータハブ32を含んでいてもよいし、「ハブなし」デザイン(図示せず)であってもよい。
【0011】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、ステータ組立体26は、ステータコア28と、ステータコア28の一部分の中に少なくとも部分的に配置されたステータ巻線36を有するのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、ステータコア28は、複数の積層体38を有するのがよい。図3を参照すると、いくつかの実施形態では、積層体38は、実質的に半径方向に延びる複数の歯40を有するのがよい。いくつかの実施形態では、図2に示すように複数の積層体38の少なくとも一部分を実質的に組立てるとき、複数の歯40は、複数のスロット42を形成するように実質的に整列し、複数のスロット42は、ステータ巻線36の少なくとも一部分を支持するように構成され且つ配列されるのがよい。図3に示すように、いくつかの実施形態では、積層体38は、60個の歯40を含むのがよく、その結果、ステータコア28は、60個のスロット42を含むのがよい。他の実施形態では、積層体38は、60個よりも多い歯40を有していてもよいし、それよりも少ない歯40を有していてもよく、したがって、ステータコア28は、60個よりも多くのスロット42を有していてもよいし、それよりも少ないスロット42を有していてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、ステータ巻線36は、複数の導体44を含むのがよい。いくつかの実施形態では、導体44は、図4に示すように、実質的に区分化された形態(例えば、ヘアピン形態)を有するのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、導体44の少なくとも一部分は、折返し部分46と、少なくとも2つの脚部分48を有するのがよい。いくつかの実施形態では、折返し部分46は、2つの脚部分48の間に配置され、2つの脚部分48を実質的に連結するのがよい。いくつかの実施形態では、2つの脚部分48は、実質的に平行であるのがよい。別のいくつかの実施形態では、折返し部分46は、実質的にu字形態であるのがよいが、いくつかの実施形態では、折返し部分46は、v字形形態、波形形態、湾曲形態、及び他の形態を有していてもよい。更に、いくつかの実施形態では、図4に示すように、導体44の少なくとも一部分は、実質的に矩形の断面を有するのがよい。いくつかの実施形態では、導体44の少なくとも一部分は、その他の断面形状を有していてもよく、かかる断面形状は、例えば、実質的な円形、四角形、半球体、正多角形、又は不規則多角形である。
【0013】
いくつかの実施形態では、図2に示すように、導体44の少なくとも一部分は、スロット42内に実質的に配置されるのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、ステータコア28は、複数のスロット42が実質的に軸線方向に配列されるように構成されるのがよい。いくつかの実施形態では、脚部分48は、スロット42に挿入され、脚部分48の少なくともいくらかがステータコア28を軸線方向に貫いて延びるのがよい。いくつかの実施形態では、脚部分48は、互いに隣接したスロット42に挿入されるのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、導体44の脚部分48は、1つの磁極ピッチ(例えば、6スロット、8スロット)だけ距離をおいたスロット内に配置されるのがよい。いくつかの実施形態では、複数の導体44が、ステータコア28内に配置され、導体44の折返し部分46の少なくともいくらかがステータコア28の挿入側端部50のところでステータコア28から軸線方向に延び、脚部分48の少なくともいくらかがステータコア28の溶着側端部52のところでステータコア28から軸線方向に延びるのがよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、導体44は、実質的に線状の導体44で全体的に作られ、線状の導体は、図4の導体と実質的に同じ形状に構成され且つ配列されるのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、機械(図示せず)は、力(例えば、曲げ、押し、引き、その他の作動力)を導体44の少なくとも一部分に付与し、単一の導体44の折返し部分46及び2つの脚部分48を実質的に形成するのがよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、導体44の成形前、成形中、及び/又は成形後、第1の絶縁部54が、導体44の少なくとも一部分に付けられるのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の絶縁部54は、エポキシ又はエナメル等の樹脂材料を含むのがよく、樹脂材料は、導体44の少なくとも一部分に元に戻せるように(可逆的に)結合されてもよいし、元に戻せないように(非可逆的に)結合されてもよい。いくつかの実施形態では、電気機械20の作動中、電流が導体44の中を循環するので、第1の絶縁部54は、少なくとも部分的に、隣接した導体44と導体44の間、及び/又は、導体44とステータコア28との間の短絡及び/又は地絡を実質的に防止するように機能するのがよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、脚部分48の少なくともいくらかは、多数の領域を有するのがよい。いくつかの実施形態では、脚部分48は、スロット内部分56と、傾斜部分58と、連結部分60を有するのがよい。いくつかの実施形態では、前述したように、脚部分48は、スロット42内に配置され、挿入側端部50から溶着側端部52まで軸線方向に延びるのがよい。いくつかの実施形態では、挿入後、スロット42内に配置された脚部分48の少なくとも一部分は、スロット内部分56を有するのがよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、溶着側端部52のところでステータコア28から延びる脚部分48の少なくともいくらかの領域は、傾斜部分58及び連結部分60を有するのがよい。いくつかの実施形態では、導体44をステータコア38に挿入した後、溶着側端部52のところでステータコア28から延びる脚部分48に、捩り工程(図示せず)を施し、捩り工程により、傾斜部分58及び連結部分60が形成される。例えば、いくつかの実施形態では、図2及び図4に示すように、捩り工程は、傾斜部分58を軸線方向の比較的内部の位置に生じさせ、連結部分60を軸線方向の比較的外部の位置に生じさせる。いくつかの実施形態では、捩り工程後、導体44の少なくとも一部分の連結部分60は、他の導体44の連結部分60の直ぐ隣りに位置するのがよい。その結果、連結部分60は、1つ又は2つ以上のステータ巻線36を形成するように互いに結合されるのがよい。いくつかの実施形態では、連結部分60は、溶接、ろう付け、はんだ付け、溶着、接着、又はその他の結合方法によって結合される。更に、いくつかの実施形態では、第1の絶縁部54の少なくとも一部分は、結合工程を可能にするために、連結部分60において実質的に除去されるのがよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、第1の絶縁部54は、それが連結部分60を被覆したり覆ったりしないように、導体44に付けられるのがよい。
【0018】
図5A及び図5Bに示すように、いくつかの在来の電気機械は、絶縁バンドを有し、絶縁バンドは、ステータコア28の溶着側端部52において隣接する脚部分48と脚部分48の間に配置されるのがよい。例えば、図5A及び図5Bに示すように、1スロット当たり4つの導体脚部分を有する在来の電気機械において、少なくとも3つの絶縁バンド51が、直ぐ隣接して位置する脚部分と脚部分の間に配置される(例えば、各脚部分は、次の脚部分に半径方向に直ぐ隣接した層にされ、絶縁バンド51は、脚部分と脚部分の間に配置される)。絶縁バンド51は、ステータコア28の少なくとも一部分の周りにおいて脚部分と脚部分の間を周方向に延びるのがよい。
【0019】
絶縁バンド51は、結合工程を可能にするために、露出させた導体のいくらかの部分を保護するのに使用される。例えば、導体44と第1の絶縁部54は両方とも、結合工程(例えば、溶接、ろう付け、熱的結合)によって少なくとも部分的に損傷し得る。いくつかの在来の電気機械では、絶縁バンド51は、結合工程中の損傷を低減するのに使用され、その理由は、絶縁バンド51は、導体44の溶着側端部52及び第1の絶縁部44の少なくとも一部分を結合工程の悪影響から遮断し、防御し、及び/又は保護するからである。
【0020】
更に、いくつかの実施形態では、結合端部60の結合後、電気機械モジュールの少なくとも一部分は、第2の絶縁部(図示せず)内に実質的に被覆されるのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、ワニス、樹脂材料(例えばエポキシ)、他の絶縁材料、又はこれらの組合せが、電気機械20の少なくともいくらかの部分に付けられて追加の絶縁層を構成し、電気機械モジュール10の構成要素と構成要素の間の短絡及び/又は地絡の可能性を少なくとも部分的に低減するのがよい。いくつかの実施形態では、第2の絶縁部は、真空圧含浸、浸漬、又は他の同様の方法によって付けられるのがよい。更に、いくつかの在来の電気機械では、絶縁バンド51は、第2の絶縁部で被覆されるのがよく、それにより、以下に説明するように、絶縁バンド51が実質的により大きい剛性を有するようになり、エネルギの熱散逸に影響を与えるのがよい。
【0021】
電気機械20の構成要素は、作動中に熱を発生させることがあり、かかる構成要素は、限定するわけではないが、ロータ組立体24、ステータ組立体26、及びステータ巻線36等である。これらの構成要素は、電気機械20の性能を高め及び耐用年数を長くするために、冷却されるのがよい。
【0022】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、スリーブ部材14は、冷却液ジャケット62を有するのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、スリーブ部材14は、内壁64及び外壁66を有し、冷却液ジャケット62は、内壁64と外壁66の間に実質的に配置されるのがよい。いくつかの実施形態では、冷却液ジャケット62は、電気機械20の少なくとも一部分を実質的に包囲するのがよい。詳細には、いくつかの実施形態では、冷却液ジャケット62は、溶着側端部52及び挿入側端部50に延びる巻線36(例えば、ステータ端部巻線)を含んでいるステータ組立体26の外径の少なくとも一部分を実質的に包囲するのがよい。
【0023】
更に、いくつかの実施形態では、冷却液ジャケット62は、冷却液を収容し、冷却液は、変速機流体、エチレングリコール、エチレングリコール/水の混合物、水、オイル、モータオイル、ミスト、ガス、又は電気機械モジュール10が発生させる熱エネルギを受入れることが可能な他の物質を含む。冷却液ジャケット62は、冷却液供給源(図示せず)と流体連通し、冷却液供給源は、冷却液を冷却液ジャケット62内に分散させる前又は分散させるときに、冷却液を加圧し、加圧された冷却液は、冷却液ジャケット62の中を循環するのがよい。
【0024】
また、いくつかの実施形態では、内壁64は、冷却液ジャケット62と機械キャビティ22とを流体連通させる冷却液開口68を有するのがよい。いくつかの実施形態では、ステータ端部巻線36が溶着側端部52及び挿入側端部50の少なくとも一方のステータコア28から出るので、冷却液開口68は、ステータ端部巻線36に実質的に隣接して位置決めされるのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、加圧された冷却液が冷却液ジャケット62の中を循環するので、冷却液の少なくとも一部分は、冷却液開口68を通って冷却液ジャケット62から出て、機械キャビティ22に入る。また、いくつかの実施形態では、冷却液はステータ巻線36と接触するのがよく、ステータ巻線36は、少なくとも部分的に冷却されるのがよい。冷却液の少なくとも一部分は、冷却液開口68を出た後、機械キャビティ22の一部分の中を流れ、電気機械モジュール10の種々の構成要素と接触するのがよく、かかる構成要素は、いくつかの実施形態では、電気機械モジュール10は、少なくとも部分的に冷却されるのがよい。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態では、ステータ巻線36及び/又は導体44は、電気機械20の冷却を少なくとも部分的に強化することができる変形形態を有するのがよい。いくつかの実施形態では、脚部分48の少なくともいくつかは、溶着側端部52において半径方向に隣接した脚部分48と脚部分48の間に半径方向に広がる少なくとも1つの開口70を定めるのがよい。いくつかの実施形態では、ステータ組立体26の溶着側52において、空気開口70が、同じ及び/又は隣接したスロット42から延びる脚部分48と脚部分48の間に定められるのがよい。図6A及び図6Bに示すように、いくつかの実施形態では、ステータコア28にほぼ軸線方向に(例えば、傾斜部分58から軸線方向内部に)隣接した脚部分48の少なくともいくつかの箇所において、開口70が形成されるように、脚部分48は、傾斜がつけられてもよいし、曲げられてもよいし、脚部分の形状を変化させる力を受入れるその他のように変形されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、互いに結合される連結部分60を含む導体44の脚部分48は、ステータコア28にほぼ軸線方向に隣接した箇所において、互いに対して半径方向のほぼ反対方向に傾斜させられるのがよい。
【0026】
更に、いくつかの実施形態では、ステータコア28に対して実質的に軸線方向遠位側の箇所において(例えば、連結部分60において又はそれに直ぐ隣接して)、脚部分48はまた、曲げられてもよいし、傾斜がつけられてもよいし、開口70の他の部分を定めるように構成され且つ配列されてもよい。いくつかの実施形態では、脚部分48の少なくともいくつかの互いに結合される連結部分60は、互いに対して傾斜する複数の領域を有し、それにより、連結部分60は、開口70の寸法を実質的に変化させることなしに、互いに結合される。例えば、いくつかの実施形態では、半径方向に外方に配置された脚部分48の連結部分60は、実質的に半径方向内向きに傾斜され、半径方向内方に配置されて半径方向外方の連結部分60に結合されることになる脚部分48の連結部分60は、実質的に半径方向外向きに傾斜されるのがよい(例えば、結合工程を可能にするために互いに面するように傾斜される)。いくつかの実施形態では、互いに結合される対のうちの一方の連結部分60は、互いに結合される上記対の他方の連結部分60が実質的に線状であるように傾斜されるのがよい。溶着側52から軸線方向に延びる脚部分42の少なくともいくつかの傾斜領域及び/又は曲げ領域の結果として、多数の開口70が、導体44のいくつかの間に定められるのがよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、開口70は、少なくとも部分的に、いくつかの在来の電気機械に使用される絶縁バンド51に置換されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、開口70は、結合工程中に結合すべき2つの導体44の間の開口70が、結合された導体44への損傷が結合工程中実質的に低減されるのに十分に大きく寸法決めされるように寸法決めされるのがよい。更に、いくつかの実施形態では、開口70は、導体44と導体44の間の追加の絶縁層を構成し、その理由は、電流(例えば、電気機械20の作動中、ステータ巻線36の中を異なる位相で流れる電流)が開口70を横切るように容易に移動することができないからである。
【0028】
いくつかの実施形態では、開口70は、互いに結合すべき2つの導体44の間に、少なくとも約0.7mmの半径方向寸法を有し、その結果、冷却液が導体44の上及びその中を容易に流れる。例えば、いくつかの実施形態では、半径方向に隣接した導体44の間に開口70を含むことによって、導体44及び第1の絶縁部54に生じる損傷は、絶縁バンド51を必要とすることなしに、少なくとも部分的に低減される。いくつかの実施形態では、後で詳細に説明するように、少なくとも0.7mmの開口70は、隣接した導体44の間の領域の十分な絶縁耐力に導く。例えば、いくつかの電気機械の適用例では、半径方向に少なくとも約0.7mmの開口70を含むことによって、隣接した導体44の間の空気は、導体44の間の短絡のリスクを十分に低減させるのに十分な絶縁耐力を有する。更に、熱の問題が、半径方向に0.7mmの開口70を含むいくつかの実施形態によって対処されるのがよい。例えば、境界層の厚さは(例えば、対流熱移送特性の1つの測定値)、開口70が半径方向に少なくとも0.7mmであるときに実質的に最適なレベルにあり、その結果、熱エネルギが導体44から実質的に効率よく対流移動して、冷却を高める。
【0029】
いくつかの実施形態では、開口70は、電気機械モジュール10の冷却を少なくとも部分的に改善することができる。例えば、いくつかの実施形態では、少なくともいくつかの開口70を、溶着側52において導体44と導体44の間に組入れることにより、ステータ組立体26は、いくつかの電気機械に必要とされる絶縁バンドがなくても機能することができる。絶縁バンドなしで機能することで冷却性が改善される。例えば、絶縁バンドは、冷却液開口68から少なくとも部分的に流れる冷却液の少なくとも一部分を閉じ込める場合があるので、ステータ巻線36から冷却液への熱エネルギの移送効率が低下する可能性がある。いくつかの実施形態では、開口70により、少なくとも冷却液の一部分は、ステータ組立体26の溶着側52で、より容易にステータ巻線36上又はその周りを容易に流れることができる。溶着側52でより多くの冷却液がステータ巻線36上又はその周りを流れる結果、より多くの熱エネルギを冷却液に移送できるので、電気機械モジュール10の作動を少なくとも部分的に向上させることができる。いくつかの実施形態では、約0.7mmよりも大きいか又は等しい開口寸法により、約0.7mmよりも小さい開口寸法の機械に比べて、冷却液はステータ巻線36上又はその周りを流れることができ、短絡及び/又は地絡の発生が実質的に低減する。更に、絶縁バンド51を取除くことで、導体44はより露出された半径方向、軸線方向、及び/又は円周方向の表面領域を含むことができるので、実質的により多くの熱エネルギが強制対流により冷却液及び/又は周囲雰囲気に伝達される。結果的に、いくつかの実施形態では、冷却性が向上して、電気機械20の作動及び耐用年数が少なくとも部分的に改善される。
【0030】
更に、開口70は、ステータ組立体26の両側の間の熱的不均衡を少なくとも部分的に低減することができる。例えば、前述したように、絶縁バンドは、ステータ組立体26の溶着側52の導体44のステータ巻線36上又はその周りを流れる冷却液の能力を少なくとも部分的に低減する場合がある。その結果、ステータ組立体26の溶着側52の導体44は、挿入側50の導体44よりも高い温度で作動することになる。開口70を組入れたいくつかの実施形態では、冷却液は溶着側52の導体44のステータ巻線36上又はその周りを容易に流れることができ、これはステータ組立体26の挿入側50において折返し部分46上を流れる冷却液流と実質的に同じである。
【0031】
図7A及び図7Bに示すように、本発明のいくつかの実施形態では、第3の絶縁部72が、導体44の少なくとも一部分につけられるのがよい。いくつかの実施形態では、第3の絶縁部は、ステータコア28への挿入前に導体44を覆う他の被覆を有するのがよい。いくつかの実施形態では、第3の絶縁部72は、導体の少なくとも一部分(例えば、連結部分60の軸線方向外方領域を除く導体44の全て)を覆うのがよい。いくつかの実施形態では、第3の絶縁部72は、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアミドイミド、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、又は他の絶縁材料を含むのがよい。いくつかの実施形態では、第3の絶縁部72は、第1の絶縁部54及び/又は導体44に接着剤又は他の同様の結合方法によって結合されるのがよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、第3の絶縁部72は、第1の絶縁部54を少なくとも部分的に被覆するのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1の絶縁部54及び第3の絶縁部72は実質的に半径方向に配列されるのがよい(例えば、第3の絶縁部72は、第1の絶縁部54を実質的に覆い、その結果、第3の絶縁部72が第1の絶縁部54よりも実質的に半径方向外方にある)。いくつかの実施形態では、第3の絶縁部72は、チューブ及び/又はスリーブ形態であり、それにより、第3の絶縁部72が導体44の上に配置されるのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、導体44を曲げる前、導体44が第1の絶縁部54の少なくとも一部分の中に滑り込むこと、及び/又は、第3の絶縁部が導体44の少なくとも一部分の上に滑らせることがよい。いくつかの実施形態では、第3の絶縁部72であるチューブは、感熱性であるのがよく、それにより、導体44を第3の絶縁部72内に位置決めした後、熱を第3の絶縁部72に付与して、第3の絶縁部72が導体44に一層ぴったりと結合されるように第3の絶縁部を収縮させるのがよい。
【0033】
図7A及び図7Bに示すように、いくつかの実施形態では、第3の絶縁部72は、導体44の少なくとも一部分の周りに巻かれる第3の絶縁部のシートを含むのがよい。いくつかの実施形態では、第3の絶縁部72のシートは、導体44及び/又は第1の絶縁部54の一部分の周りに螺旋状に巻かれるのがよい。更に、いくつかの実施形態では、シートは、シートが、導体44及び/又は第1の絶縁部5は4が覆われるよりも多くシート自体に重ねられるのがよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、第3の絶縁部72は、開口70との連通により、絶縁及び冷却を少なくとも部分的に高めるのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、第3の絶縁部72は、絶縁バンドを含まないことによって失われた任意の絶縁値を少なくとも部分的に高めるのがよい。絶縁層56、72が比較的薄い厚さを有しているので(例えば、数千分の1インチ;1インチは約25.4mm)、第3の絶縁部72は、開口72の寸法を実質的に縮小しない。
【0035】
いくつかの実施形態では、第3の絶縁部72は、多数の電気機械適用例に使用されるのがよい。いくつかの実施形態では、第3の絶縁部72は、高電圧適用例に使用されるのがよい。例えば、いくつかの実施形態では、高電圧電流(例えば、300ボルトよりも高いボルト)が、電気機械20の導体44の中を流れるのがよい。いくつかの電気機械14について、高電圧電流は、隣接した導体と導体の間の短絡の可能性を増大させることがあり、そのため、絶縁バンド51が、短絡のリスクを最小にするのに使用されるのがよい。本発明のいくつかの実施形態では、第3の絶縁部72は、開口70と組合され、導体44のための電気的機械的絶縁を行い、短絡及び/又は地絡のリスクを少なくとも部分的に低減するのがよい。
【0036】
本発明を特定の実施形態及び実施例と関連させて上記のように説明したけれども、本発明は、必ずしもそのように限定されるものではなく、その他の多くの実施形態、実施例、使用方法、及びそれらの変形例及び変更例は、特許請求の範囲によって定められる範囲内にあると意図されていることを、当業者は理解すべきである。本明細書で引用された特許及び刊行物の各々の全体の開示を、かかる特許及び刊行物の各々が個々に援用される如くに援用する。本発明の種々の特徴及び利点は、従属請求項に記載される。
【符号の説明】
【0037】
10 電気機械モジュール
12 モジュールハウジング
14 スリーブ部材
16 第1のエンドキャップ
18 第2のエンドキャップ
20 電気機械
22 機械キャビティ
26 ステータ組立体
28 ステータコア
38 積層体
40 歯
42 スロット
44 導体
46 折返し部分
48 脚部分
50 挿入側
52 溶着側
54 第1の絶縁部
58 傾斜部分
60 連結部分
62 冷却液ジャケット
64 内壁
66 外壁
68 冷却液開口
70 開口
72 第3の絶縁部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械モジュールであって、
ハウジングを有し、前記ハウジングは、少なくとも1つのエンドキャップに結合されたスリーブ部材と、機械キャビティを少なくとも部分的に定める前記ハウジングの内壁と、前記ハウジングの内壁と外壁の間に定められる冷却液ジャケットと、前記冷却液ジャッケットを前記機械キャビティに流体連通させるように前記内壁の一部分を貫いて配置される少なくとも1つの冷却液開口と、を有し、
更に、前記機械キャビティ内に少なくとも部分的に配置され、前記ハウジングによって少なくとも部分的に包囲される電気機械を有し、
前記電気機械は、ステータコアを含むステータ組立体を有し、前記ステータコアは、複数のスロットを有し、前記ステータ組立体には、溶着側と挿入側があり、
前記電気機械は、更に、前記スロット内に配置された複数の導体を有し、前記導体の各々は、少なくとも2つの脚部分の間に延びる折返し部分を有し、前記2つの脚部分は、傾斜部分と連結部分を含み、前記複数の導体の折返し部分の少なくともいくらかは、前記挿入側に配置され、前記傾斜部分及び前記連結部分の少なくともいくらかは、前記溶着側に配置され、
前記導体の少なくとも一部分は、前記ステータコアの溶着側において、前記複数のスロットの少なくとも1つから延びる少なくともいくつかの脚部分の間に、実質的に半径方向に広がる開口を形成するように構成され且つ配列される、電気機械モジュール。
【請求項2】
前記開口は、前記ステータコアの溶着側で前記複数のスロットの1つから延びる隣接した導体の間において、半径方向に少なくとも0.7mmの空間を構成する、請求項1に記載の電気機械モジュール。
【請求項3】
前記複数の導体の少なくとも一部分は、第1の絶縁部を有する、請求項1に記載の電気機械モジュール。
【請求項4】
前記第1の絶縁部は、樹脂材料を含む、請求項3に記載の電気機械モジュール。
【請求項5】
前記複数の導体の少なくとも一部分は、前記第1の絶縁部の少なくとも一部分の外周の上に配置された第3の絶縁部を有する、請求項3に記載の電気機械モジュール。
【請求項6】
前記第2の絶縁部は、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアミドイミド、延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、及びこれらの組合せのうちの1つを含む、請求項5に記載の電気機械モジュール。
【請求項7】
前記開口は、前記隣接した複数の導体の少なくとも一部分が実質的に相互に接触するように、前記ステータコアの溶着側で前記複数のスロットの1つから延びる隣接した導体と導体の間で、半径方向に千分の1mmよりも小さい空間を有する、請求項6に記載の電気機械モジュール。
【請求項8】
4つの前記脚部分が、前記複数のスロットの少なくとも一部分に配置される、請求項1に記載の電気機械モジュール。
【請求項9】
前記4つの脚部分のうちの2つは、前記ステータコアに隣接した箇所で半径方向外向きに傾斜し、前記4つの脚部分のうちの2つは、前記ステータコアに隣接した箇所で半径方向内向きに傾斜する、請求項7に記載の電気機械モジュール。
【請求項10】
前記開口の少なくとも一部分は、半径方向外向きに傾斜した前記2つの脚部分の少なくとも一方と、半径方向内向きに傾斜した前記2つの脚部分の少なくとも一方との間に定められる、請求項8に記載の電気機械モジュール。
【請求項11】
半径方向外向きに傾斜した前記脚部分は、前記連結部分に実質的に隣接した箇所で半径方向内向きに傾斜する、請求項7に記載の電気機械モジュール。
【請求項12】
電気機械モジュールであって、
機械キャビティを含むハウジングと、
前記機械キャビティ内に少なくとも部分的に配置される電気機械と、を有し、
前記電気機械は、ステータ組立体を有し、前記ステータ組立体は、軸線方向に配列された複数のスロットを有し、前記ステータ組立体には、溶着側と挿入側があり、
前記電気機械は、更に、前記スロット内に配置された複数の導体を有し、前記導体の各々は、少なくとも2つの脚部分の間に延びる折返し部分を含み、前記2つの脚部分は、スロット内部分と、連結部分を含み、前記複数の導体の折返し部分の少なくともいくらかは、挿入側端部から軸線方向に延び、前記連結部分の少なくともいくらかは、溶着側端部において前記スロット内部分から延び、
前記電気機械は、前記複数の導体のいくつかの少なくとも1つの領域を有し、前記導体は、半径方向に配置された少なくとも2つの絶縁層を有し、
前記電気機械は、更に、半径方向に広がる複数の開口の少なくとも一部分を有し、前記一部分は、前記ステータコアの溶着側端部から軸線方向に延びる隣接した導体の半径方向に配置された絶縁層と絶縁層の間に形成され、半径方向に広がる前記複数の開口の少なくともいくつかの寸法は、半径方向に少なくとも約0.7mmである、電気機械モジュール。
【請求項13】
前記ハウジングは、前記ステータ組立体の一部分を少なくとも部分的に包囲する冷却液ジャケットを有する、請求項12に記載の電気機械モジュール。
【請求項14】
更に、前記冷却液ジャケットと前記機械キャビティとが流体連通するように前記ハウジングの一部分を貫いて配置された複数の冷却液開口を有する、請求項13に記載の電気機械モジュール。
【請求項15】
4つの前記導体の4つの脚部分が、前記複数のスロットの少なくとも一部分に配置される、請求項12に記載の電気機械モジュール。
【請求項16】
前記4つの脚部分のうちの2つは、前記ステータコアに隣接した箇所で半径方向外向きに傾斜し、前記4つの脚部分のうちの2つは、前記ステータコアに隣接した箇所で半径方向内向きに傾斜する、請求項15に記載の電気機械モジュール。
【請求項17】
半径方向に広がる開口の少なくとも一部分は、半径方向外向きに傾斜した前記2つの脚部分のうちの少なくとも一方における半径方向最も外方の絶縁層と、半径方向内向きに傾斜した前記2つの脚部分の少なくとも一方との間に定められる、請求項16に記載の電気機械モジュール。
【請求項18】
半径方向外向きに傾斜した前記脚部分は、前記連結部分に実質的に隣接した箇所で半径方向内向きに傾斜する、請求項17に記載の電気機械モジュール。
【請求項19】
ステータ組立体の組立て方法であって、
複数の歯を含む複数のステータ積層体を準備する工程と、
前記複数の歯が実質的に軸線方向に整列して複数のスロットを形成するように、且つ、前記積層体がステータコアを形成するように、前記複数のステータ積層体の少なくとも一部分を結合する工程と、を有し、前記ステータコアには、挿入側と溶着側があり、
更に、複数の導体を前記複数のスロット内に挿入して、前記複数の導体の少なくともいくつかの第1の部分を、それが前記ステータコアの挿入側から軸線方向外側に延びるように配置し、且つ、前記複数の導体の少なくともいくつかの第2の部分を、それが前記ステータコアの溶着側から軸線方向外側に延びるように配置する工程と、
前記ステータコアの溶着側から軸線方向に延びる前記複数の導体の前記いくらかの部分の少なくともいくらかを、前記複数の導体の少なくとも2つの間に半径方向に広がる開口を構成する工程と、を有し、半径方向に広がる前記開口の寸法は、半径方向に少なくとも約0.7mmであり、
更に、互いに実質的に隣接して配置された前記複数の導体のうちの少なくとも2つの軸線方向最外部分同士を互いに結合させて、半径方向に広がる前記開口の少なくとも一部分の寸法を、前記導体を結合させた後でも実質的に同じに維持する工程を有する、組立て方法。
【請求項20】
更に、半径方向に広がる前記開口が前記複数の導体における半径方向最も外方の絶縁層の間に定められるように、半径方向に向けられた少なくとも2つの絶縁層を、前記複数の導体の少なくとも一部分に結合させる工程を有する、請求項19に記載の組立て方法。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−17386(P2013−17386A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−159983(P2012−159983)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(512187354)レミー テクノロジーズ リミテッド ライアビリティー カンパニー (4)
【Fターム(参考)】