説明

電気的導電接続の接触不良を検出する試験装置およびその方法

【課題】本発明は請求項1、2および23の前提部に従った、電気的導電接続の接触不良を検出する試験装置およびその方法に関する。
【解決方法】本発明により、例えば、航空機などにおける予防的な試験に対して、正確で高品質なものとして製造する必要がある、作製された電気ケーブル接続を主題とすることができる。本試験装置は、導電的に接続された接続部の複数のシステム構成部材が配置された測定チャンバと、エネルギを有し、測定チャンバに発せられてシステム構成部材の領域に向けられる伝達された熱放射を有する熱放射器であって、加熱後に、これらの接続されたシステム構成部材の絶縁性および金属性のシステム構成部材の温度場を生成する熱放射器と、生成された温度場を光学的に捕捉し、接続されたシステム構成部材の熱画像への信号変換処理を行う熱(画像)収集ユニットと、変換処理された熱画像の視覚的再生のための熱(画像)再生ユニットとを備え、熱(画像)収集ユニットおよび熱(画像)再生ユニットは情報通信処理手段に関連して接続される。電気的導体接続に存在する接触不良は、複数の工程を含み、この試験装置を利用する方法を用いて検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1、2および請求項23の前提部に従った、電気的導電接続の接触不良を検出する試験装置およびその方法に関する。
例えば、航空機において、電力を消費する乗客に対するエネルギ供給のための電気的導電接続、および/または制御ユニットまたは他の装置への情報の送信について、一定の有用性および信頼性を確保するために、そのような導電接続部を正確で高品質なものとして製造する必要があり、本発明はそのような用途を意図するものである。
本発明は、通信処理的に考慮すべき事項により作製された電気ケーブル接続部に対する予防的な試験を実現し、技術的に著しい費用を掛けずに、不正確に(欠陥を有して)作製されたケーブル接続に対する信頼性の高い、目視による検出を可能にする。
【背景技術】
【0002】
一般的に、陸用の輸送機器、水上輸送機器、または航空機などの輸送手段は、前述した理由のために、正確で高品質なものとして作製されるべき複数の電気接続部を搭載する。
従来のケーブル接続は、その取り付けは銅ケーブルにより実現され、しばしば銅ケーブルを用いて作製され、その導体は、適切な手段を用いて、表面が露になった導体領域上に、金属製の圧着型ソケットを圧着することによって個々に接続され、ここで、ソケットに収容される、表面が露になった導体の両端部間の電気接続が、導体間を接触させるソケットによって確保される。
この接触は、上記圧着接続によって主に実現され、ここで、従来のシステムはこの取付け技術を含んでもよい。
信頼性のある電気接続を構成することを確保するために、例えば航空機の製造において、2つの銅ケーブルの銅製の導体が圧着手段によって互いに正確に接続されているかどうかを判別するために、検査穴としての凹部を備える圧着型接触ソケットを用いる。
この場合、圧着工程が適切に行われたことを確認するために、その圧着工程後、目視による検査を行う場合がある。ここで、圧着された導体は、接触ソケットが適切に圧着されたかどうかを確認するために、検査穴の領域内において視認可能なようにする必要がある。
とりわけ、個々人の検査官の目測の誤り、接触ソケットの物質的な欠損、または、所定の位置から外れた検査穴の位置(接触ソケットの欠陥のある製造物のために)を除外することは無論できないが、この試験技術が十分に足りるものであるかどうかの問題をここで詳細に検討することはない。その理由は、本発明は著しく異なる目的を追求するからである。
上述のケーブル接続部に対応する例を添付の図1および図2に示し、観察者に、妥当な設計の実際の概説を提供する。
【0003】
航空機に関して、本発明はまた、ケーブルの設置を熟慮する。その結果、ケーブルの導体材料により軽量化が可能になる。特に、航空機の製造においては、例えば、エネルギの節約(石油消費量)や航空機の飛行距離の延長などの理由から、あらゆる軽量化が所望されるからである。
【0004】
航空機におけるこのような軽量化ケーブルの設置を考慮する技術を利用する場合、検査穴を含まない圧着可能な接触ソケットを利用することが必要とされる場合がある。
検査穴を必要としない理由は、圧着接続部の任意の腐食および/または接続位置における電気接触の抵抗の増加を確実に排除するために、接触位置の接触領域を密閉する必要があることに見出すことができる。
腐食は様々な材料(銀Ag、銅Cu、ニッケルNi、アルミニウムAl)によって引き起こされる。腐食が生じる理由は、その接続部(複数の接続部)が、ケーブル(複数のケーブル)および異なる導電材料の接触ソケットを用いて作製され、電解質が例えば大気湿度との関係で局所的に影響を受けることに見出すことができる。
この点において、従来のシステムでは、腐食した接続部(複数の接続部)(の表面)によって、接続された装置またはシステム全体に不具合をもたらす場合がある。(所望されない)最悪の場合、航空機における(関連する)システム全体の不具合という結果を生じさせる恐れがある。
増加する(高まる)電気接触抵抗によって生じる腐食した通電接触部の消耗が致命的な結果を招く恐れがある。
それゆえ、問題となっている電気接続の接触位置における接触抵抗の増加は、接続される導体領域上における接触ソケットの不適切な圧着に影響される恐れがある。
接触表面が極端に少ない寸法を有する場合、電流密度が増し、消耗が接触表面に生じる恐れがある。
接触ソケットが不適切に圧着され、その接触部材(複数の接触部材)(の表面)が不十分に接触される場合、例えば航空機において生じる振動が、この圧着接続を用いて接続された装置またはシステム全体の不具合となる恐れがある。
導体圧着型接続部における上述の粗悪な接続は、接続部材の接触部(複数の接触部)表面の不適切な圧着によって、および/または接触ソケットへのケーブルの不十分な挿入によって決定的に影響を受ける恐れがある。従来のシステムにおいては、これらの欠点は電気的導電接続の「接触不良」という用語で呼ばれている。
図3A、図3B、図3C、および図4に添付された図例は、正確にまたは不正確に作製された接続部の例であり、正確に作製された接続部(正確に露出された)は図3Aに示される。
図3B(過度に露出された)、図3Cおよび図4(不正確に切られ挿入されたケーブル)に示す不正確に作製されたケーブル接続が、下記に規定された問題を解決する(解消する)ための現行の必要性(認識)を説明する。
【0005】
とりわけ、電気的導体接続の接触不良を検出するための試験装置および方法の効果的な解決法を利用可能にすることが本発明の目的であり、その解決法によって、作製されたケーブル接続または作製されるケーブル接続が修理または適応可能な修正の間に必要とされる場合に、それらが正確で高品質に作製されるかどうかを検証することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、不正確(欠陥を有して)作製されたケーブル接続に対する信頼性の高い、目視による検出を可能にすることを目的とし、ここで、試験装置の使用およびその方法の実施は、著しい技術的費用を掛けることなく実現可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は請求項1、2、および請求項23に開示する特徴を用いて達成される。これらの測定についての実施形態は他の残りの請求項に開示される。
【0008】
例示的な実施形態によれば、電気的導電接続の接触不良を検知する試験装置が提供され、この試験装置は、信号またはエネルギを伝達するために複数の電気的導電システム構成部材を用いて実現され、ここで、電気的に導電するように互いに接続された、接続部のシステム構成部材が測定チャンバ内に配置され、放熱器が提供され、この放射器は、これらの接続されたシステム構成部材の絶縁性および金属性のシステム構成部材の温度場が生成されるように、エネルギを供給され、且つ測定チャンバ内に発生され、システム構成部材の領域に向けられる伝達された熱放射を有し、熱(画像)収集ユニットが提供され、これらの接続されたシステム構成部材の加熱された絶縁性および金属性のシステム構成部材によって発生されて生成された温度場を光学的に捕捉し、接続されたシステム構成部材の熱画像への信号変換処理を行い、熱(画像)再生ユニットが提供され、変換処理された熱画像の視覚的再生を実現し、熱(画像)収集ユニットおよび熱(画像)再生ユニットは情報通信処理手段において接続される。
【0009】
例示的な実施形態によれば、電気的導電接続の接触不良を検知する試験装置が提供され、この試験装置は、信号またはエネルギを伝達するために複数の電気的導電システム構成部材を用いて実現され、測定チャンバが提供され、この測定チャンバ内に、電気的導電接続のシステム構成部材が配置され、システム構成部材は電気的に導電するように互いに接続し、赤外光のための放熱器が提供され、この放熱器は、ジェネレータによって定電流(IG)を供給され、放熱器の赤外光による熱放射は、偏向して、横方向または水平方向、あるいは垂直方向に伝達され、電気的導電接続の領域に向けられ、これらの接続されたシステム構成部材の絶縁性および金属性のシステム構成部材の温度場が赤外光による熱放射によって生成され、赤外光のための熱(画像)収集ユニットが提供され、このユニットは生成された温度場を光学的に捕捉するように構成され、且つ、これらの接続されたシステム構成部材の加熱された絶縁性および金属性のシステム構成部材によって発せられた、導電的に接続されたシステム構成部材の赤外光による熱画像への信号変換処理を行うように構成され、赤外光のための熱(画像)再生ユニットが提供され、このユニットは、デジタル変換処理された熱画像を視認可能に再生するように構成され、熱(画像)収集ユニットおよび熱(画像)再生ユニットは、情報通信処理手段で接続される。
【0010】
例示的な実施形態によれば、導電体の接触不良を検出するための方法が提供され、信号またはエネルギを伝達するために用いられる電気的導体システム構成部材を試験する。ここで、複数の逐次接続されたシステム構成部材は、接続されたシステム構成部材の接続点において、圧着による接続によって電気的に導電するように接続され、方法は試験装置を利用し、試験装置の機能的範囲は、測定チャンバ、エネルギが供給され、後者(測定チャンバ)内に配置される放熱器、および情報通信処理手段において接続される熱(画像)収集ユニットおよび熱(画像)再生ユニットを備え、以下の工程が実行される。
(a)測定チャンバ内に、圧着による接続によって逐次接続されるシステム構成部材を配置する工程と、
(b)放熱器によって測定チャンバ内において、システム構成部材の領域に伝達された熱放射を向ける工程と、
(c)接続されたシステム構成部材の絶縁性および金属性のシステム構成部材は温度場に変換処理された熱放射の伝達された熱エネルギを吸収する工程と、
(d)熱(画像)収集ユニットを光学的に捕捉して、信号変換処理により、生成された温度場を熱画像に変換する工程と、
(e)熱(画像)再生ユニットによって、変換処理された熱画像の視覚的再生を表示する工程。
【0011】
ここで、記載されている試験装置が更なる実施形態によって実現されることもできると述べる必要がある。
このことにより、これらの更なる実施形態に関して記載されている特徴が上記の実施形態の特徴および電気的導電接続の接触不良を検出する方法のための実施形態と組み合わせることもできることは、当業者には明白である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下で、更なる説明のために、そして、本発明のより良い理解のために、例示的実施形態を、添付した図面を参照して更に詳細に記載する。
図1および図2における接触ソケット71は個々に、従来、ソケット内の電気的導体接続部5を目視による検査(確認)をする役割を担う調査穴75を備えることに留意されたい。
他の点において、図1から図4に従ったこれらの導体接続部は、一般に(従来実装されている)先行技術に関連し、他方で、以下に記載し、図5から図8に従った試験装置1によって実行されるこれらの導体接続部の試験は(そのような導体接続部を試験するために)図1から図4に従った従来利用していた(改良の必要性がある)試験技術に(明らかに)固有の欠点を解消することを目的とする。
当業者に対して、この先行技術に固有の課題を説明するために、本発明の以下の例示的実施形態のより良好な理解のために必要であると考えられるさらに2、3の説明を、図1から図4を参照して以下に記載する。
【0013】
従来のシステムにおいて、図1による従来の導体接続は、公知である。
この接続は、接触ソケット71を有することを特徴とし、ソケットキャビティ72は、左側(明瞭に強調される)において、ソケットのおよそ中央部位において分割されている。
その結果、分割されたソケット領域(ソケットキャビティ72)は、ソケットの中央において閉じられ、(左側に示す)接触ソケット71が(ソケットの外周上のおよそソケット突縁部76上のあたりで)終端するソケット出口部74に対比することができ、図1に係るソケットの、右側にある袖型のソケット領域は別の電気的導電接続を作製する別の接触ソケット71Aを具現する。
【0014】
ソケット突縁部76の左右両側またはソケット入口部78および78Aのそれぞれ両側にあるソケットの袖型ソケット領域において、第1のシステム構成部材6と呼ばれる導電体61の、表面が露になった導体領域および/または第3のシステム要素8と呼ばれる導体81を個々のソケットキャビティ72、72Aに挿入し、(ソケット全体の)ソケット軸に沿って、ソケットの中央における閉じた接触ソケット71まで、または(導体の端部と接触するように)ソケット出口部74まで導く。
図1に示す例によれば、ニッケル加工した銅製の導体で実現され、第1のシステム構成部材6と呼ばれる導電体61のみが、第2のシステム構成部材7と呼ばれる接触ソケット75の片側に接続されるべきである
【0015】
銅製の導体の導体絶縁部は通常、ソケットキャビティに挿入されなくてもよい。ケーブル取り付けにおける他の特徴的な性質についてのさらなる詳細を以下に記載する。
【0016】
適切な圧着手段用いてソケットに収容された導体の端領域上に接触ソケット71を圧着することによって作製される、図1に係る電気的導電接続は、正しく作製された「導体―ソケット接続」、または不備なく作製された「電気的導電接続部5」として当業者が容認できるものである。
接触ソケット71に設けられている検査穴75への一瞥で、検査官は視覚的に各銅製の導体を検査することができ、したがってその接続が正しく作製されたことを確かめることができる。
【0017】
図2に示す例によれば、銅および/またはニッケル・コーティングされた、束になったワイヤのアルミニウム導体を接触ソケット71に接続することは公知であり得る。
上述に係るアルミニウム導体とは著しく異なるソケット材料は、「起電列(electrochemical series)」として公知である。
異なる材料のシステム構成部材6、7で作製されるケーブル接続部は、最終的に破棄してもよい。
その理由は、材料が(まず最初に生じる)電気的導電接続部5の必然的に発生する(不可避の)電食のために分解するからである。
しかしながら、ケーブル接続の実施形態は(理由のいかんにかかわらず)公知であってもよい。すなわち、接続されたシステム構成部材6、7は、さらに別の異なる導体材料を加える、第4のシステム構成部材14と呼ばれる銀ソケット141を用いて実現される。
後者は接触ソケットのソケット軸に沿って配置され、円錐状のソケットヘッド部は、接触ソケット71の中央に配置され、円錐形状に適宜構成された、閉じたソケット端部71(ソケット出口部74)の円錐の頂点と接触する。
【0018】
さらに、興味深いことであるが、例えば、アルミニウム導体の、露出された導体領域は銀製のソケット141のソケット軸に沿って配置され、上述で実現された構成の電気的導体接続部5は銀製のソケット141上の接触ソケット71と周囲で圧着するように作製され、その圧着によってアルミニウム導体の露出された導体領域に伝達される。
本記載のより広い範囲に亘るいくつかの問題が、未だ検討されていないため、残されている。例えば、システム構成部材の、本明細書において提示された構成に係る銀製のソケットは十分に長い時間、電食の進行を妨げることができるかどうか、または、例えば手動の圧着器具を用いて、接触ソケット71にかけられた圧着による圧力が十分な強度をもって、導電体61として使用されるアルミニウム導体に伝達されることができるかどうか、などである。
いずれの場合にしても、図2は1つのことを明らかにする。すなわち、以下の問題への周到な回答を提供することはできない。その問題とは、「どの程度深く、銅製の導体は銀製のソケット内に配置されるか」および「アルミニウム導体の端部は、(接触ソケット71のおよそ中央に配置された)閉じたソケット出口部74からどの程度の距離を維持可能であるか」である。
銀製のソケット141の追加の構成によって遮断されるので、接触ソケット71の検査穴75によるアルミニウム導体への視野を妨害されてしまう事実が残ったままである。
【0019】
上述の銀製のソケット141と同様に、接触ソケット71のソケット軸上に配置された別の同様の銀製のソケット141Aを有することを特色とする更なる実施形態を検討しないからといって、読者には気落ちしないことを望みたい。
【0020】
その理由は、例えば他のデバイス、装置などを用いて、導体に嵌合する接触ソケット71の電気ケーブル接続を生成するために、追加の銅製の導体がソケットに接続される場合に予測可能に生じ得るような、図2に係るシステム構成部材の圧着可能な構成(左側に示される)と同種の、繰り返し上述してきた不利な点に関連するからである。
【0021】
上述のケーブル構成の不利な点はまた、図3A、図3B、および図3Cに示す例に係る公知の電気的導体接続部5にも当てはまる。
しかしながら、第1のシステム構成部材6と呼ばれる導電体61の導体絶縁部62の明確に限定された絶縁領域は、接触ソケット71がソケットに挿入される導体絶縁部62上に(十分に)圧着された後に水分または他の液体あるいはガス状流体のさらなる流入を防ぐか、または少なくとも制限するように、接触ソケット71の所定のソケット(圧着)表面Bの下に配置されることで、(図1および図2に係る実施形態の記載と比較して)所定の違いが存在する場合がある。
この測定が十分であるかどうかの問題については、さらには検討しない。
【0022】
例えば双方ともアルミニウム材料でできた導電体61および接触ソケット72を用いて実現された上述の圧着接続部5においては、しかしながら、ソケットに収容された導電体61の端部が実際に、閉じたソケットの端部(ソケット出口部74)まで延在していること、あるいは導電体61が隣接するか、またはこのソケットの端部から許容可能な距離Δ1に配置されるように構成されていることを視覚的に確かめることは不可能である。
ソケットの出口部74(すなわち、ソケットの端部)の閉部は接触ソケット71の周囲に環状に配置された例示的なソケット突縁部76に下に配置される。
接触ソケット71は規定された位置において検査穴75(視覚的な検査のための接触穴)を有することを特徴としているが、この検査穴は、導電体61が許容可能な範囲内のソケットに少なくとも配置されているかどうかを決定するための視覚的調査が実行できないように、銀製のソケットで実現されて使用される補助ソケット141に覆われている。
これが、導体絶縁62および導電体61の必要とされる長さの測定を確実にするために、導体絶縁62の規定された位置において(はっきりと目に見える仕方で)(周囲に、または点別に)配置される、対応する位置に配置されたマーキング63を利用する理由である。
しかしながら、図3Bおよび図3Cにおける構成に従って実現されたケーブル接続部5が作製されるとは限らない。その理由は、個々の設置のエラーまたは機械的設置のエラーが生じる可能性があるからである。
アルミニウムシステム構成部材6および7の圧着による導体−ソケット接続の正確に作製された実施形態を図3Aに示す。
関連する図3Cと比較して、図4は、観察者に、不正確に作製された接続部5のさらなる詳細な概観を提供する。
【0023】
先行技術に関する先行する(一般的な)見解は、以下(図6から図8)で記載する試験装置1、および(この試験装置に実装される)電気的導電接続部5(すでに圧着されている)の接触不良を検出(識別)する方法をより良く理解するために提供される。
【0024】
図6によれば、この試験装置1は、測定チャンバ2、放熱器9および9R、位置決めおよび固定装置18、熱(画像)収集ユニット11および11R、熱(画像)再生ユニット13および13R、熱(画像)評価ユニット15、および、可能であれば、回路によって互いに接続された、および/または互いに関連付けられた、外部の読み出しディスプレイスクリーン21を含む。
【0025】
図6に係る前述の機能部材および試験装置1の他の手段において、参照符号として「R」の文字が提供され、個々に、赤外光からなる熱放射91Rを伝達する赤外光のための放熱器9R、赤外光からなり、赤外光のための熱放射91Rに由来する、圧着された電気的導電接続部5の温度場12Rによって発生される熱放射29R、赤外線放射のための熱(画像)収集ユニット11R、および赤外光のための熱(画像)再生ユニット13Rを示す。
【0026】
また、この補助的な参照符号の記号「R」は以下の図7および図8、ならびにそれらについての記載において使用する。
【0027】
上述の試験装置1の1つの物理的な実施形態を図5に示し、ここで、試験装置1の機能部材は、測定チャンバ2のためのチャンバ壁4内、すなわち後者と境を接するハウジング17のハウジング領域16内に配置される。
試験装置1の上述の一体化されたハウジング17は、カメラに対応する外観または少なくともそれに類似する外観を有する。
この場合、測定チャンバ2は、測定チャンバの片側にあるチャンバ壁4によって構成され、隣接するハウジング領域16の壁と繋がっている開口領域2Aを有することを特徴とする。
【0028】
側面図において回路部材のおよその位置を含むブロック図6を参照すると、配置変更可能な位置決めおよび固定装置18が測定チャンバ2の底部に配置されており、ここで、電気的接続部材(システム構成部材6、7および/または8)を圧着させることによって実現され、現行の接続不良(複数の不良)を試験する必要がある電気的導電接続部5が、そのチャンバの底部からの垂直の距離が可変であるように、位置決めおよび固定装置上に固定されていることが確認できる。
放熱器9および9Rは、上述のように配置された試験構成(接続された電気的導体接続)から所定の垂直の距離にて測定チャンバ2のチャンバの天井付近に配置され、ここで、その試験構成は、そこに向けられる熱放射9、91、および91Rの熱にさらされる。
【0029】
これにより、放熱器9および9Rに、例えば、エネルギ源からのエネルギ、例えば、DCジェネレータまたは蓄電池の直流IGを供給する必要が生じ、ここで、エネルギ源は、第1の電気スイッチAを用いて選択的に遮られる。
温度場収集パネル20は、測定チャンバ2の開口領域2A付近のハウジング領域16の壁内に配置され、ここで、温度場収集パネル20は試験構成(接続された電気的導電接続部5)のほうに向けられる。
温度場収集パネル20(後者:the latter)は、例えば、システム構成部材6および/または8の導体絶縁62、ならびに加熱蓄積のために、導電(金属)システム構成部材6、7、および/または8の導電構成部材によって発生される、温度場12および12Rの熱放射29および29Rを光学的に捕捉(記録)することができ、パネル表面にわたって分布する熱センサ19および19Rを用いて実現でき、ここで、温度場12および12Rの伝達された熱放射29および29Rは、プレナムチャンバ2の開口領域2Aを通過し、理想的には、パネル表面にわたって分布する温度場収集パネル20または熱センサ19および19R上に直に向けられ、直接記録し得る。
【0030】
感知された温度場12および12Rの単一の変換処理のための適切な下方のユニットは、温度場収集パネル20または熱センサ19の部材にそれぞれ接続され、熱(画像)収集ユニット11および11Rと一体となった部材を形成する。
【0031】
センサで収集され、例えばデジタル信号に変換処理された試験構成の温度場12および12Rは、さらなるデータ線Kを介して熱(画像)再生ユニット13および13Rに転送される。
この熱(画像)再生ユニット13および13Rは、一体に形成された熱画像再生パネル21Bを用いて、試験構成(圧着された電気的導体接続部5)の、現行の接触不良と共に試験装置のデジタル図形処理された熱画像を再生する。
熱(画像)再生ユニット13および13Rは試験装置1のハウジング17の縁および上側(カバー表面上)に水平方向に配置され、ここで、熱画像再生パネル21Bは、ハウジング17のカバー表面におけるハウジング凹部21Aに嵌合するか、または凹部21Aの下に配置される。
この熱(画像)再生ユニット13および13R、または熱画像再生パネル21Bはそれぞれ、ハウジングの任意の他の位置、例えば、ハウジング17と水平な位置において配置してもよい。
とりわけ、試験中の測定チャンバ2内の温度状態についての情報を提供する、温度場12および12Rの伝達された熱放射の測定された値を、上述の熱画像再生パネル21Bに表示することができる。
【0032】
接触不良の種類だけでなくその程度をも視覚化するために、(正確に、または不正確に生成された)電気的導電接続部5の視覚的な検出に加え、熱画像再生パネル21Bに他の情報を表示させることができるように、熱(画像)評価ユニット15を、データ線HおよびM(出力線および入力線)を介して熱(画像)収集ユニット11および11Rに選択的に接続してもよい。
熱(画像)収集ユニット11Rは、保存ユニット(図示せず)を備えてもよく、接触不良に関連する熱画像のデジタル処理されたノミナルデータが検索できるように保存される。
【0033】
このノミナルデータは、センサを用いて収集された試験構成の温度場12および12Rの実際のデータとコンピュータを用いて分析され、熱(画像)評価ユニット15の一部を形成する比較装置によってデジタル化され、ここで、熱(画像)再生ユニット13および13Rに対して比較の結果を利用するために、比較装置(図示せず)は、図6に係る例に示すように、データ線のうちの1つを介した比較から得られた結果を熱(画像)収集ユニット11および11Rに転送する。
別の方法において、熱(画像)評価ユニット15の比較装置はまた、ノミナルデータと実際のデータとの間の比較の結果を熱(画像)再生ユニット13および13Rに直接転送してもよい。
これにより、熱画像再生パネル21Bまたは熱(画像)再生ユニット13および13Rに接続された外部の読み出しディスプレイスクリーン21において、接触不良、あるいは、許容範囲内の長さの差異または許容範囲外(non−existent)の長さの差異として分析(決定)された、決定された長さの差異Δlを視覚的に出力することが可能となる。
ここで、決定された長さの差異は、
(a)ソケットキャビティ72内に、ソケット軸Fに沿って配置された導体の端部64とソケット出口部74における閉じたソケット端部との間、またはソケットキャビティ72内の2つの反対側の導体端部間において選択され、および/または
(b)絶縁部62で覆われたソケットに収容され、ソケット軸Fに沿って接触ソケット71内に配置された絶縁部と圧着するためのソケット(圧着)表面Bに割り当てられた、絶縁導体部領域の検出を参照する。
【0034】
図7および図8はそれぞれ、図6に係る測定チャンバ2を有する試験装置1の実施形態、および壁によって保護され、測定チャンバとともに完全なハウジング17を形成する、図示されない隣接するハウジング領域16を示す。
図7から、図6に示す例に従って作動する放熱器9および9Rが試験装置(導電体61、導体絶縁部62、図示されたソケットキャビティ72を有する接触ソケット71、および後者(接触ソケット71の右側)に取り付けられたソケット軸Fに沿ったソケットおよび(プラグ型の)ソケット延伸部77の中央に配置されたソケット突縁部76)の方向に熱放射9および9Rを発することが確認でき、ここで、この熱放射は試験構成を加熱し、レンズ状の光学素子23によって光学的に補足されて平らなプレート22上に向けられる温度場12および12Rを形成する。平らなプレート22の表面は、試験構成の測定段階の間は開放され加熱段階の間は閉じている、開いた光学的なシャッタ装置28を用いた、2次元的に広がった熱センサ27によって形成されている。
シャッタ装置28の開閉機能が観察されない場合、センサが取り付けられたプレート22の機能は無駄になる。その理由は、このプレートは、測定感度が個々に下落してしまうかまたは損なわれるようになるまで(温度の安定性が計画的になされているにもかかわらず)加熱されてしまう事態を排除できないからであり、そこに含まれる画像データを変換処理して、誤った画像を生成してしまう恐れがある。
温度安定性のために対応するパネル部材25は、プレート22の下に2次元的に広がっているので、「温度安定性を有する焦点面IRパネル(Focal Panel IR Panel−with temperature stabilization)」が形成される。
【0035】
熱センサ27の下方に配置された電子機器24はまた「カメラ電子機器」と呼ばれ、図6の記載から既知である熱(画像)収集ユニット11および11Rの機能を達成する。
さらに、レンズとプレート22との間の想定される距離aを示す。
これらの図はまた、図表を用いる読み出しディスプレイスクリーン21を、図3Cおよび図4に示す例に従った、不正確に生成された電気的導電接続部5に関連して再生する、熱画像再生パネル21上において、上述の電子機器24と熱(画像)再生ユニット13および13Rとの間の接続を示す。
【0036】
図7に係る実施形態とは対照的に、図8に示す実施形態は、放熱器9および9Rの取り付けを必要としないように、エネルギ源(DC/AC)を用い、図7を参照して記載した試験構成を電気的に加熱するように設計されたものである。
図7を参照して記載した試験構成の他の全ての機能は等しく実現される。
【0037】
本試験装置1および電気的導体接続部5の接触不良を検出するための、本試験装置1に関連する方法は以下のように簡略化して纏めることができる。
【0038】
接触ソケット71に不正確に挿入された導電体61は、結果として、ソケットキャビティ72内に配置された導体端部と接触ソケットとの間に空隙Δlを生じる。この空隙Δlは、圧着によって接続される電気的導体接続部5(導電体61、接触ソケット71)の金属性の構成部材と比較して、熱伝導率において劣った率を生じる。
圧着による接続の加熱のために、サーモグラフィは、接続部5における粗悪な接続を生じさせる許容できない空隙Δlが存在するかどうかを視覚化することができる。
さらに、図6乃至図8に従った、変換処理された欠陥のある画像を用いると、例えば図3Bに従って実現される導体絶縁部(絶縁圧着部)の圧着が、不十分な圧着表面を有し、さらに、例えば、空気中の湿気または他の腐食性のガス状汚染物質がソケットキャビティ72内に進入することを許してしまうため、所望されない腐食の危険性に関連する電気的導電接続部5の上述の漏出を発展させてしまう傾向があることを推測することが可能となる。
【0039】
図7に示す例によれば、ケーブル接続の接触不良を検出する簡略化された方法についての以下の試験工程が以下に記載される順に実行できる。
(a)圧着による接続部5(導電体61と接触ソケット71)が測定チャンバ2内に固定される。
(b)次いで、ケーブル接続部5は放熱器9によって所定の温度まで加熱される。
(c)次に、電気的導電接続部5の金属性の構成部材が温度tに達した後、接続部5の加熱は遮断される。
(d)光学シャッタ装置28が次いで開かれる。
(e)熱画像がいわゆるIRアレイによって記録される。
(f)IRアレイの信号情報が次いで電子機器24において変換処理される。
(g)熱画像は最後に熱画像再生パネル21B(スクリーン)に表示される。
【0040】
ケーブル接続の接触不良を検出するための上述の方法に関して、上述の工程(b)の代わりに以下に記載する試験工程を代用してもよい(図8に示す図を参照)。
(h)ケーブル接続部5に接続されるジェネレータから供給されるエネルギ源10を有するケーブル接続部5は、次いで電流を供給され所定の温度にまで過熱される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】銅製の導体および接触ソケットのケーブル接続を示す。
【図2】銀製のソケット内に収容された(銅および/またはニッケル・コーティングされた、束になったワイヤのアルミニウム導体を有する)アルミニウム導体を用いた図1に係るケーブル接続を示す。
【図3A】ソケットの入口部に収容された導電体の導体絶縁部を有する図1に係る、正確に作製されたケーブル接続を示す。
【図3B】複数の接触不良を有する、図3Aに係るケーブル接続を示す。
【図3C】図3Bに係るケーブル接続の異なる図例を示す。
【図4】図3Cに係るケーブル接続の詳細な図例を示す。
【図5】ケーブル接続を試験するための試験装置の物理的図例を示す。
【図6】図5に係る試験装置のブロック図を示す。
【図7】図5に係る試験装置の一実施形態を示す。
【図8】図5に係る試験装置の変形された実施形態を示す。
【符号の説明】
【0042】
1 試験装置
2 測定チャンバ
2A 側面開口領域
3 開口領域(測定チャンバ2の)
4 チャンバ壁(測定チャンバ2の)
5 電気的導電接続部
6 第1のシステム構成部材
61 導電体
62 導体絶縁部
63 マーキング部(導体絶縁62の)
7 第2のシステム構成部材
71 接触ソケット
71A 接触ソケット
72 ソケットキャビティ
72A ソケットキャビティ
73 ソケット壁
74 閉じたソケット出口部(ソケット端部)
75 検査穴(接触ソケット71の)
76 ソケット突縁部
77 ソケット延在部、プラグ型
78 ソケット入口部
78A ソケット入口部
8 第3のシステム構成部材
81 導電体
9 放熱器
9R 赤外線熱の放熱器
91 転送された熱放射
91R 転送された赤外線からなる転送された熱放射
10 エネルギ源;ジェネレータ;DCジェネレータ
11 熱(画像)収集ユニット
11R 赤外線用熱画像収集ユニット
12 温度場
12R 赤外線用熱放射に由来する温度場
13 熱(画像)再生ユニット
13R 赤外線用熱(画像)再生ユニット
14 第4のシステム構成部材
141 補助ソケット;銀製のソケット
14A 第4のシステム構成部材14の複製
141A 補助ソケット141の複製;銀製のソケット
15 熱(画像)評価ユニット
16 壁によって保護されているハウジング領域(ハウジング17の)
17 ハウジング(試験装置1の)
18 位置決めおよび固定装置
19 熱センサ
20 温度場収集パネル
21 読み出しディスプレイスクリーン
21A ハウジング凹部
21B 熱画像再生パネル
22 プレート、平面状
23 光学素子;レンズ
24 エレクトロニクス・ユニット
25 パネル部材(温度を安定させる)
26 熱センサアレイ
27 熱センサ
28 光シャッタ装置
29 熱放射
29R 熱放射
A、D スイッチ
B 絶縁圧着のためのソケット(圧着)表面
C 導体端部領域(導体61、81の)
F ソケット軸
G インデックス:ジェネレータ
H、M データ線
I 電流、一定
K データ線
S 空気ギャップ
a 距離(プレート22と光学素子23との間の)
b 前もって決められている長さ(ソケット(圧着)表面Bの)
l 延伸部材の長さ(測定チャンバ2のシステム構成部材6から8の)
ISO 必要とされる絶縁部の長さ(導体絶縁部62)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性および金属性の構成部材を有する複数の電気的導電性のシステム構成部材(6、7、8)を用いて構成され、信号またはエネルギを伝達する電気的導電接続部(5)の接触不良を検知する試験装置(1)であって、
測定チャンバ(2)と、
放熱器(9、9R)と、
熱(画像)収集ユニット(11、11R)と、
熱(画像)再生ユニット(13、13R)とを備え、
前記測定チャンバ(2)内に、前記電気的導電接続部(5)の前記システム構成部材(6、7、8)が配置され、
前記システム構成部材(6、7、8)は、電気的に導電するように互いに接続し、
前記放熱器(9、9R)は、エネルギを供給され、
前記放熱器の伝達された熱放射(91、91R)は前記測定チャンバ(2)に放射され、前記熱放射(91、91R)は前記システム構成部材(6、7、8)の領域に向けられ、これらの接続されたシステム構成部材(6、7、8)の前記絶縁性および金属性のシステム構成部材の温度場(12、12R)が生成され、
前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)は、被接続のシステム構成部材(6、7、8)の、加熱された絶縁性および金属性のシステム構成部材によって放射された、前記生成された温度場(12,12R)を光学的に捕捉し、前記接続されたシステム構成部材(6,7,8)の熱画像への信号変換処理を行うように構成され、
前記熱(画像)再生ユニット(13、13R)は、前記信号変換処理された熱画像を視認可能に再生するように構成され、
前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)および前記熱(画像)再生ユニット(13、13R)は、情報通信処理手段で接続される、ことを特徴とする試験装置(1)。
【請求項2】
絶縁性および金属性の構成部材を有する複数の電気的導電性のシステム構成部材(6、7、8)を用いて構成され、信号またはエネルギを伝達する電気的導電接続部(5)の接触不良を検知する試験装置(1)であって、
測定チャンバ(2)と、
放熱器(9R)と、
熱(画像)収集ユニット(11R)と、
熱(画像)再生ユニット(13R)とを備え、
前記測定チャンバ(2)内に、前記電気的導電接続部(5)の前記システム構成部材(6、7、8)が配置され、
前記システム構成部材(6、7、8)は、電気的に導電するように互いに接続し、
赤外光のための前記放熱器(9R)は、ジェネレータによって定電流(IG)を供給され、
前記放熱器(9R)の赤外光による熱放射(91R)は、偏向して、横方向または水平方向、あるいは垂直方向に伝達され、前記電気的導電接続部(5)の領域に向けられ、これらの接続されたシステム構成部材(6,7,8)の前記絶縁性および金属性のシステム構成部材の温度場(12R)が前記赤外光による熱放射(91R)によって生成され、
前記赤外光のための熱(画像)収集ユニット(11R)は、前記生成された温度場(12R)を光学的に捕捉するように構成され、
前記熱(画像)収集ユニット(11R)は、これらの接続されたシステム構成部材(6,7,8)の加熱された絶縁性および金属性のシステム構成部材によって放射された、前記電気的に導電するように接続されたシステム構成部材(6,7,8)の赤外光による熱画像への信号変換処理を行うように構成され、
赤外光のための前記熱(画像)再生ユニット(13R)は、デジタル変換処理された熱画像を視認可能に再生するように構成され、
前記熱(画像)収集ユニット(11R)および前記熱(画像)再生ユニット(13R)は、情報通信処理手段で接続される、ことを特徴とする試験装置(1)。
【請求項3】
前記測定チャンバ(2)内に配置された少なくとも2つの電気的導電性のシステム構成部材(6,7)を用いて、航空機に設置される作製されたケーブル接続の試験に用いる、試験装置(1)であって、
第1のシステム構成部材(6)は、アルミニウム導体として用いられる設置ケーブルの絶縁性の導電体(61)を用いて構成され、
第2のシステム構成部材(7)は、アルミニウム材料またはアルミニウム合金の剛性の金属性の接触ソケット(71)を用いて構成され、
ソケット壁(73)は、ソケットキャビティ(72)の出口部側におけるソケット出口部74において閉じられているソケットキャビティ(72)を囲み、
接触ソケットの周囲に配置され、接触ソケットが挿入されている場合には、ソケット入口部(78)付近に限定されているソケット(圧着)表面(B)の下の前記ソケットキャビティ(72)の入口部側に配置された前記導電体(61)の導体絶縁部(62)は、前記導体絶縁部(62)の延伸部を形成する、露出した導体端部領域(C)を有する前記ソケットキャビティ(72)内に配置され、
前記接触ソケット(71)は、前記ソケット壁(73)の前記ソケット(圧着)表面(B)を圧着させることによって、前記導体絶縁部(62)上に機械的に固定され、
前記露出した導体端部領域(C)は、前記ソケット壁(73)の圧着のために、電気的に導電するように前記接触ソケット(71)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の試験装置(1)。
【請求項4】
前記測定チャンバ(2)内に配置された少なくとも3つの電気的導電性のシステム構成部材(6、7、8)を用いて構成され、航空機に設置される作製されたケーブル接続の試験に用いる、試験装置(1)であって、
前記ケーブル接続は、アルミニウム導体として用いられる設置ケーブルの絶縁性の個々の導電体(61、81)を用いて構成される第1および/または第3のシステム構成部材、およびアルミニウム材料またはアルミニウム合金の剛性の金属性の接触ソケット(71)を用いて構成される第2のシステム構成部材(7)で作製され、
前記接触ソケットの周囲に配置され、前記接触ソケットが挿入されている場合にはソケット入口部(78)付近に限定されているソケット(圧着)表面(B)の下のソケットキャビティ(72)の入口部側に配置される前記個々の導電体(61、81)の導体絶縁部(62)は、前記導体絶縁部(62)の延伸部を形成する、露出した導体端部領域(C)を有する前記ソケットキャビティ(72)内に配置され、
前記接触ソケット(71)は、ソケット壁(73)の前記ソケット(圧着)表面(B)を圧着させることによって、前記導体絶縁部(62)上に機械的に固定され、
前記露出した導体端部領域(C)は、前記ソケット壁(73)の圧着のために、電気的に導電するように前記接触ソケット(71)に接続されることを特徴とする、請求項2に記載の試験装置(1)。
【請求項5】
不正確に作製された導体接続部(5)を示す接触不良を検出するための前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)は、情報通信処理手段に関連する熱(画像)評価ユニット(15)に接続され、
前記熱(画像)収集ユニット11Rは、前記導体接続部(5)のノミナルデータと実際のデータとの間の偏差を決定するために、および、ソケットキャビティ(72)内にソケット軸(E)に沿って配置された導電体(61、81)の導体端部とソケット出口部(74)の閉じたソケット端部との間の長さの差異(Δl)、および前記ソケットキャビティ(72)内の2つの反対側の導体端部(64)との間の長さの差異(Δl)を決定すること、および/または、導体絶縁部(62)で覆われ、前記ソケット軸(F)に沿って接触ソケット(71)内に配置され、且つソケット入口部(78)付近に配置された絶縁圧着部のためにソケット(圧着)表面(B)に割り当てられ、ソケット内に収容された絶縁性の導体領域を検出することによって、主に検出された接触不良に関連するこれらの偏差の変換処理を行うために、前記熱(画像)収集ユニット(15)に選択的に接続可能である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項6】
漏れ放射に対して確実に密封できる開口領域(3)は前記測定チャンバ(2)のチャンバ壁(4)内に配置され、
前記電気的に接続されたシステム構成部材(6、7、8)は、この開口領域を介して挿入可能である、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の試験装置。
【請求項7】
前記チャンバ壁(4)は、少なくとも1つの開口領域(3)を含むことを特徴とする、請求項6に記載の試験装置。
【請求項8】
前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)、前記熱(画像)再生ユニット(13、13R)、前記熱(画像)評価ユニット(15)、および前記放熱器(9、9R)は、複数の壁に保護され、前記測定チャンバ(2)の前記チャンバ壁(4)まで延在するハウジング領域(16)内に配置されることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載の試験装置。
【請求項9】
前記チャンバ壁(4)および複数の壁によって保護されたハウジング領域(16)は、漏れ放射に対して保護される試験装置(1)のハウジング(17)を一体的な構成部材として形成することを特徴とする、請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項10】
前記測定チャンバ(2)は前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)の上方に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の試験装置。
【請求項11】
位置決めおよび固定装置(18)は、横方向または水平方向、あるいは垂直方向に移動可能なように測定チャンバ(2)内に配置され、前記位置決めおよび固定装置によって、電気的に接続されたシステム構成部材(6、7、8)の空間における位置を固定可能および移動可能であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の試験装置。
【請求項12】
前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)は、前記伝達された熱放射(91、91R)を機能的に捕捉できる、複数の2次元に広がった光学的熱センサ(19)または温度場収集パネル(20)を備え、
前記温度場(12、12R)の信号変換処理のための下方のユニットに接続される、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の試験装置。
【請求項13】
前記熱(画像)再生ユニット(13、13R)および前記熱(画像)評価ユニット(15)は個々に、前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)に接続された追加のデータ線に接続された、情報通信処理手段に関連するデータ線に接続されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の試験装置。
【請求項14】
前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)および前記熱(画像)再生ユニット(13、13R)、または前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)、前記熱(画像)評価ユニット(15)、および前記熱(画像)再生ユニット(13、13R)は、情報通信処理手段に関連して接続されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の試験装置。
【請求項15】
前記放熱器(9)は、赤外光放射器(9R)でからなり、前記赤外光放射器によって伝達される赤外光放射(9、9R)によって、前記接続されたシステム構成部材(6、7、8)の放射された赤外光による加熱を行うことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の試験装置。
【請求項16】
前記放熱器(9)は、ハロゲンによる放熱器からなるハロゲン放熱器によって伝達される前記熱放射(91)によって、前記接続されたシステム構成部材(6、7、8)の放射された加熱を行うことを可能にすることを特徴とする、請求項1に記載の試験装置。
【請求項17】
前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)、前記熱(画像)再生ユニット(13、13R)、前記熱(画像)評価ユニット(15)の少なくとも1つは、周辺機器からなることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項5のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項18】
前記熱(画像)再生ユニット(13、13R)、前記熱(画像)再生ユニット(13、13R)、前記熱(画像)評価ユニット(15)の少なくとも1つは、周辺機器からなることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項17のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項19】
前記熱(画像)再生ユニット(13、13R)は、前記試験装置(1)のハウジング(7)内の凹部(21A)の下方向またはその中に配置される熱画像再生パネル(21B)を備えることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項9のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項20】
第2のスイッチ(D)によって、前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)および前記熱(画像)再生ユニット(13、13R)に接続されるデータ線(K)は、少なくとも1つの周辺機器、好ましくは、前記熱画像を図示するための読み出しディスプレイスクリーン(21)に接続することを特徴とする、請求項19に記載の試験装置。
【請求項21】
前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)は、光学素子(23)、電子機器(24)のために焦点面として用いられる平らなプレート(22)を用いて構成され、
温度安定化パネル部材(25)は、前記焦点面の下方向に平らな形状で前記プレート(22)上に固定され、
複数の熱センサ(27)、好ましくは赤外光センサからなる熱センサアレイ(26)、好ましくは赤外光センサアレイは、前記光学素子(23)からの距離(a)に配置され、
前記測定チャンバ(2)に向けられるプレート表面が、後者である熱放射器によって伝達された熱放射(91)、好ましくは赤外光からなる前記熱放射(91)によって生成された前記温度場(12)の表面に広がった細かな記録を生成するのに適しており、
前記プレート(22)の前記熱センサ(27)は、細かく収集された熱放射(91)の信号変換処理を行った後に、情報通信処理手段に関連する熱画像供給ユニット(13、13R)を提供する電子機器(23)に接続されることを特徴とする、請求項1、請求項2、請求項12のいずれか一項に記載の試験装置。
【請求項22】
光学的シャッタ装置(28)は、前記伝達された熱放射(91)の放熱経路を遮断するために、前記光学素子(23)と前記平らなプレート(22)との間に配置されることを特徴とする、請求項21に記載の試験装置。
【請求項23】
信号またはエネルギを伝達するために用いられる電気導体性のシステム構成部材(6、7、8)の試験のために構成された導電体(5)の接触不良を検出するための方法であって、
複数の逐次接続されたシステム構成部材(6、7、8)は、接続されたシステム構成部材(6、7、8)の接続点において、圧着による接続によって電気的に導電するように接続され、
前記方法は試験装置(1)を利用し、
前記試験装置(1)の機能的範囲は、測定チャンバ(2)、エネルギが供給されて、後者である測定チャンバ内に配置される放熱器(9、9R)、および情報通信処理手段において接続される熱(画像)収集ユニット(11、11R)および熱(画像)再生ユニット(13、13R)を備え、
前記方法は、
(a)前記測定チャンバ(2)内に、圧着による接続によって逐次接続される前記システム構成部材(6、7、8)を配置する工程と、
(b)前記放熱器(9、9R)によって前記測定チャンバ(2)内の前記システム構成部材(6、7、8)の領域に熱放射(91、91R)を伝達する工程と、
(c)前記熱放射(91、91R)の熱エネルギを前記接続されたシステム構成部材(6、8)の絶縁性および金属性のシステム構成部材に伝達して温度場(12)を生成する工程と、
(d)前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)を光学的に捕捉して、信号変換処理により前記生成された温度場(12)を熱画像に変換する工程と、
(e)前記熱(画像)再生ユニット(13、13R)により前記信号変換処理された熱画像の視覚的再生を表示する工程とを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記接続されたシステム構成部材(6、7、8)の前記金属性のシステム構成部材は、工程(b)を除いて、電流による加熱によって加熱され、
前記接続されたシステム構成部材(6、7、8)の前記電流による加熱は、これらの逐次接続されたシステム構成部材に接続されて回路を形成する、制御可能なエネルギ源である制御可能な電流ジェネレータ(10)を用いて構成されることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)は、
工程(c)に続き、工程(f)に含まれる工程(d)の後に、熱(画像)評価ユニット(15)に接続され、
当該熱(画像)評価ユニット(15)は、前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)に選択的に接続でき、不正確に作製された電気的導体接続部(5)を示す全ての接触不良を検出し、必要に応じて全ての接触不良を、熱画像への信号変換処理を行う前に、前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)に送信することを特徴とする、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記工程(f)に従い、前記接触不良は、前記熱(画像)評価ユニット(15)の内部保存ユニットに保存された正確に作製された接続に基づいたノミナル値と、逐次接続されたシステム構成部材(6、7、8)の熱画像信号変換データを有する前記熱(画像)収集ユニット(11、11R)によって取得され、前記熱(画像)評価ユニットに検索可能なように送信される不正確に作製された接続に基づいた実際の値との間の比較を行うことで、前記作製された電気的導体接続部(5)のノミナルデータと実際のデータとの間の偏差を決定することで検出されることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
不正確に作製された電気的導体接続部(5)の保存されたノミナル値および取得された実際の値は、
(g)ソケットキャビティ(72)内に置かれ、ソケット軸(F)に沿って配置された導体(6、8)の導体端部(64)と、(ソケット出口部(74)における)閉じられたソケット端部との間の長さの差(Δl)、または前記ソケットキャビティ(72)内の2つの反対側の導体端部(64)の間の長さの差(Δl)の許容偏差に関連し、
(h)前記ソケット軸(F)に沿って接触ソケット(71)の前記ソケットキャビティ(72)内に置かれ、ソケット入口部の周辺まで延在している絶縁部を含むソケット領域に関連付けられたソケット内に収容された絶縁性の導体領域に割り当てられ、ソケット(圧着)表面(B)として用いられる導体絶縁部(62)の一部の、必要とされる絶縁部の長さ(lISO)に関連することを特徴とする、請求項26に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−539072(P2009−539072A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512419(P2009−512419)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/005282
【国際公開番号】WO2007/140795
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(504467484)エアバス・オペレーションズ・ゲーエムベーハー (268)
【Fターム(参考)】