説明

電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置

【課題】電気自動車の現在のバッテリの残存電力量に応じた充電施設を選択するに際して、できる限り行楽施設で遊んでいる間に充電が完了するような電気自動車充電スタンドを選択できるようにした「電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置」とする。
【解決手段】利用者が入力した目的地と経由地に基づいてドライブプランを作成する時、
電気自動車の現在のバッテリの残存電力量で得られる走行可能範囲内で、経由地に併設した電気自動車充電スタンド(EVST)を検出する。走行可能範囲にEVST併設経由地が存在する時には、そこを充電予定地とする。存在しない時には、経由地から800m等の容易に歩いて行ける範囲にEVSTを検出する。存在した時にはそのEVSTを当該経由地に替えて新たな経由地に設定し、その経由地を含む誘導経路を提示する。存在しない時には誘導経路からできるだけ近いEVSTを少なくとも1つ検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータを駆動源として走行する電気自動車(EV)において、目的地及び経由地を設定して走行する時、その電源となるバッテリの充電設備を備えた経由地等を検索して案内することができるようにした電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の環境問題、脱石油の課題等のために、モータを駆動源として走行する電気自動車(EV)が普及しようとしている。しかしながら、このような電気自動車は、従来から用いられているガソリン車やディーゼル車用のガソリンスタンドと比較して、電気自動車のバッテリを充電するEVスタンド(EVST)は極めて少なく、この点が電気自動車の普及を妨げる大きな要因となっている。
【0003】
そのためこのような電気自動車は、最初は比較的狭い範囲に電気自動車用の充電スタンドをできる限り高密度で設置し、その範囲で特に電気自動車を普及させ、次第にその範囲を広げると共に、そのような拠点を全国に展開することが検討されている。また、電気自動車は1回の充電で100km程度は走行できるため、比較的長距離のドライブにも用いられるようになる。そのため、主要道路のガソリンスタンド等にも充電設備を設置すると共に、大型商業施設等にも設置し、電気自動車の全国的な普及を目指している。
【0004】
一方、従来より広く普及しているナビゲーション装置においては、利用者が任意に設定した経由地を通り、目的地に至る誘導経路を演算し、その誘導経路に従って安全に且つ確実に目的地まで走行ができるように案内を行っている。
【0005】
このようなナビゲーション装置においては、例えば家族の行楽等のために、目的地までの経路にある程度沿った種々の行楽施設を訪れてから目的地に至るために、それらの種々の行楽地を経由地として設定し、それらの各経由地を効率良く経由して目的地に至る誘導経路を演算して、走行計画を設定することも行われている。このような機能はドライブプラン作成機能とも呼ばれ、ナビゲーション装置の便利な機能の一つとなっている。
【0006】
上記のようなドライブプランの作成に際しては、車両に搭載しているナビゲーション装置を、タッチパネルやリモコン操作等によって、作成することができる。その一方で近年のナビゲーション装置には例えばメモリカードスロットやUSBスロット等を備え、メモリカードスロットにメモリカードを直接挿入し、或いはUSBスロットにはメモリを内蔵したUSBメモリを挿入して、それらのメモリに記録した各種データを読み込んでナビゲーション装置の各種機能に用いることが普及している。
【0007】
また、このようなナビゲーション装置における外部データの取り込みに際しては、広く普及している携帯電話とのデータ通信機能によって、携帯電話の各種データを自由に取り込むことができるようにもなっている。
【0008】
そのため、前記のようなドライブプランの作成に際しても、最初は例えば図13(a)に示すように、ナビゲーション装置と共通して作動可能なドライブプラン作成機能を行うソフトウエアを備えたパソコンによって、例えば好みの種々の行楽地や目的地を選択して設定する。
【0009】
その後、例えば図13(b)のように携帯電話に対してパソコンから、両者の通信機能によって前記のようなドライブプランを送信する。このようにしてドライブプランを取り込んだ携帯電話を車内に持ち込み、前記のようなナビゲーション装置と携帯電話との通信機能によって、携帯電話に取り込んだドライブプランを、図13(c)に示すようにナビゲーション装置に送信し、ナビゲーション装置ではこのデータを用いて、現在地から各経由地を経て目的地に至る誘導経路を演算して、誘導経路に従った順序で経由地をリスト表示したドライブプランリストを作成する。
【0010】
なお、このようなパソコンによって作成したドライブプランを車内のナビゲーション装置に取り込むには、図13に示すような携帯電話を介した取り込むほか、パソコンで作成したドライブプランをメモリカードに取り込み、或いはUSBメモリに取り込んでナビゲーション装置の各スロットに挿入してデータを転送することもできる。また、その際にパソコンで作成するドライブプランは、少なくとも目的地と経由地の位置を特定するデータであるならば良く、その後このデータを取り込んだナビゲーション装置が現在地から目的地まで各経由地を経た最適の誘導経路を演算し、経由地を適切に並べたドライブプランリストを作成することができる。
【0011】
上記のようにナビゲーション装置本体で作成し、或いはパソコンで作成したデータを各種手法によって取り込んだナビゲーション装置においては、前記のように誘導経路演算機能によって、例えば一般道路優先、高速道路優先等の各種条件で最適な誘導経路を演算して提示し、利用者が選択した経路を誘導経路として設定することが行われるが、この時ナビゲーション装置を搭載している車両が電気自動車であるときには、電気自動車のバッテリへの充電を考慮しドライブプランを作らなければならない。
【0012】
即ち、電気自動車においては駆動源のモータに対する電力供給源であるバッテリの容量がそれぞれ異なり、また最大充電容量が変化し、更に利用者にとって充分な時間がない時には、充電を完全に行わずに走行を開始せざるを得ないことがある。しかも電気自動車の充電スタンド(EVST)は従来のガソリンスタンドのように多くない状態から普及することとなるため、現在のバッテリの残存電力量に対応した、充電を行う地点の案内を行うことは極めて重要なことである。
【0013】
また、電気自動車の前記のような充電に際しては、現在各種の手法が検討されているが、最も一般的な手法としては、各家庭で充電するほか、充電設備を各種施設に設置して充電を行うこととなる。その時に充電に要する時間はおよそ2時間程度が必要になることが予想されている。
【0014】
そのため、電気自動車の利用者はその間待っていなければならず、したがって、充電設備の存在する施設で前記のような充電を行いながら、その施設、或いはその近辺で時間をつぶさざるを得ない。しかしながら、そのような充電設備を併設した施設が前記のようなドライブプランの経由地である時には、その施設で本来の行楽を行っている間に充電が終了するため、大きな負担とはならず、便利である。
【0015】
なお電気自動車において、充電施設で充電を行うためにかかる時間を潰すため、近くの食事場所や観光スポット、レジャー施設等を案内し、充電時間を考慮した目的地までの到達時間を演算する技術は特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2006−112932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
前記のように電気自動車においては、充電のために多くの時間がかかるため、その時間を有効に利用することは重要である。しかいながら、前記のようなドライブプランを作成して走行する時には、走行を開始してからどの位置で充電しなければならなくなるのかわからない。
【0018】
また、例えば出発時のバッテリの残存電力量が、車のメーターからわかり、最初に充電しなければならなくなる走行距離がわかって、充電場所を検索することができても、その場所での充電が満充電できずに走行しなければならないこともある。また、出発時の残存電力量がメータによってわかり、走行可能距離がわかって走行可能経由地等がわかったとしても、途中渋滞により予定していた距離だけ走行することができなくなる時もある。そのため、単に走行開始時のバッテリの残存電力量や、充電場所で満充電を行ったことを前提としたドライブプランでは適切なものは得られず、充電時間中の時間を有効に利用することができない場合が多発する。
【0019】
したがって本発明は、電気自動車の現在のバッテリの残存電力量を考慮して充電施設を選択する時、充電時間を有効に利用できる充電施設を併設した経由地を選択することができるようにしたドライブプランを容易に作成することができ、バッテリの充電施設で無駄な時間を消費することがないようにした電気自動車用充電施設案内ナビゲーション装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置は、前記課題を解決するため、利用者が入力した目的地と経由地を通る誘導経路を演算する誘導経路演算手段と、電気自動車の駆動源用バッテリの残存電力量を検出する残存電力量検出手段と、前記残存電力量検出手段で検出した残存電力量で走行可能な距離を演算する走行可能距離演算手段と、前記走行可能距離演算手段で演算した走行距離の範囲内に存在する経由地について、電気自動車充電スタンドを併設しているか否かを検出する経由地併設電気自動車充電スタンド検出手段と、前記経由地併設電気自動車充電スタンド検出手段で、前記走行可能距離範囲に電気自動車充電スタンドを併設する経由地を検出しない時、経由地の所定距離内に存在する電気自動車充電スタンドを検出する経由地近接電気自動車充電スタンド検出手段と、前記経由地近接電気自動車充電スタンド検出手段で、前記走行可能距離範囲内の経由地で所定距離内に電気自動車充電スタンドを検出した時、当該検出した電気自動車充電スタンドを当該経由地に替えて経由地に設定する電気自動車利用経由地設定手段とを備え、前記誘導経路演算手段では、前記経由地近接電気自動車充電スタンドを経由する誘導経路を演算することを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る他の電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置は、前記電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置において、前記経由地及び目的地を誘導経路に沿って順に表示するリストを作成するドライブプランリスト作成手段と、前記ドライブプランリスト作成手段で作成したリストの経由地毎に、電気自動車充電スタンドに関連するアイコンを表示する電気自動車充電スタンド関連アイコン表示手段とを備え、前記電気自動車充電スタンド関連アイコン表示手段では、各経由地が前記走行可能距離演算手段で演算した走行可能距離の範囲内に存在するか否か、当該経由地に電気自動車用充電スタンドを併設しているか否かを表示するアイコン、及び前記経由地近接電気自動車充電スタンド検出手段で当該経由地に近接して電気自動車用充電スタンドが存在することを示すアイコンを表示することを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る他の電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置は、前記電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置において、前記経由地近接電気自動車充電スタンド検出手段で当該経由地に近接して電気自動車用充電スタンドが存在することを示すアイコン表示を、利用者が指示したことを検出し、当該電気自動車充電スタンドを前記経由地に替えて経由地に変更して誘導経路を演算する指示を行うドライブプラン変更指示手段を備え、前記誘導経路演算手段では、前記ドライブプラン変更指示手段で前記指示をした時、前記経由地近接電気自動車充電スタンドを経由する誘導経路を演算することを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る他の電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置は、前記電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置において、前記ドライブプランリスト作成手段では、前記経由地近接電気自動車充電スタンド検出手段で検出した電気自動車充電スタンドを経由地として表示し、前記電気自動車充電スタンド関連アイコン表示手段では、前記経由地近接電気自動車充電スタンドの経由地に対して、経由地近接電気自動車充電スタンドのアイコンを表示することを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る他の電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置は、前記電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置において、前記誘導経路演算手段で演算した誘導経路から所定距離以内に存在する電気自動車充電スタンドを検出する誘導経路近接電気自動車充電スタンド検出手段を備え、前記経由地近接電気自動車充電スタンド検出手段で、前記走行可能距離内の経由地から所定距離以内に電気自動車充電スタンドを検出しない時、前記誘導経路近接電気自動車充電スタンド検出手段で検出した電気自動車充電スタンドを新たな経由地に設定し、前記誘導経路演算手段で前記新たな経由地を経由する誘導経路を演算することを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係る他の電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置は、前記電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置において、充電を行う予定の電気自動車充電スタンドに所定距離以内に接近したことを検出する充電予定電気自動車充電スタンド接近検出手段と、前記電気自動車充電スタンド接近検出手段で充電を行う予定の電気自動車充電スタンドに所定距離以内に接近したことを検出した時その旨の案内を出力する充電予定電気自動車充電スタンド接近案内出力手段を備えたことを特徴とする。
【0026】
また、本発明に係る他の電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置は、前記電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置において、前記電気自動車充電スタンド関連アイコン表示手段では、電気自動車充電スタンドで充電を終了したことを検出した時、前記ドライブプランリストの電気自動車充電スタンド関連アイコンの表示を、前記残存電力量検出手段で検出した残存電力量に応じて変更して表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明は上記のように構成したので、電気自動車の現在のバッテリの残存電力量を考慮した充電施設を選択する時、経由地の行楽施設等で時間を過ごしている間に充電が終了できる電気自動車充電スタンドを充電施設として選択することができ、バッテリの充電のために時間を浪費しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施例の機能ブロック図である。
【図2】同実施例の作動フロー図である。
【図3】図2のステップS1の処理を行う作動フロー図である。
【図4】図2のステップS7の処理を行う作動フロー図である。
【図5】図2のステップS9の処理を行う作動フロー図である。
【図6】ドライブプランリスト表示充電施設関連アイコンの例を示す図である。
【図7】充電施設を考慮しない簡易ドライブプラン作成例を示す図である。
【図8】(a)はパソコン等によるドライブプラン作成例を示す図であり、(b)は走行可能範囲及び充電スタンドの有無を検出して経由地にアイコン表示する時の例を示す図であり、(c)はその時のドライブプランリスト表示例を示す図である。
【図9】(a)は走行途中の経由地で充電した後のドライブプラン作成例を示す図であり、(b)は経由地近接EVST検出例を示し、(c)はその時のドライブプランリスト表示例を示す図である。
【図10】(a)は経由地近接EVSTを経由地に設定した時の誘導経路の変更例を示し、(b)はその時のドライブプランリスト表示例を示す図である。
【図11】(a)は誘導経路近接EVSTの検出例を示し、経由地Cで充電した後のドライブプランリスと表示変更例を示す図である。
【図12】(a)は誘導経路近接EVSTを新たな経由地に設定した時の誘導経路例を示し、(b)はその時のドライブプランリスト表示例を示す図である。
【図13】パソコンで簡易ドライブプランを作成し、携帯電話を介して車両搭載ナビゲーション装置にそのデータを転送する手法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0029】
本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1は本発明の実施例の機能ブロック図であり、本発明を各種の態様で実施することができるようにした機能ブロック図を示している。なお、同図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
【0030】
図1に示す実施例においては、従来から広く用いられているナビゲーション装置に対して、電気自動車充電スタンド(EVST)を利用するドライブプランを作成する処理を行うための電気自動車充電スタンド(EVST)利用ドライブプラン作成処理部31を備えた例を示している。
【0031】
したがって、図1に示すナビゲーション装置においては、従来のナビゲーション装置と同様に、各種機能部を総合的に制御を行うソフトウエアをROMに記録し、CPUが適宜RAMを用いて演算を行って所望の作動を行うシステム制御部10を備え、このシステム制御部10に接続した各機能部によって、ナビゲーション装置としての所定の機能を行うことができるようにしている。
【0032】
このシステム制御部10に対して車両位置検出部13を接続し、GPS受信器11の位置データを入力するとともに、更に必要に応じて車速センサや角度センサによる走行距離・方位検出部12からの車両の移動データを入力することによって、車両の現在位置を正確に検出している。また、VICS情報入力部14では、FM電波やビーコン等を受信して交通情報を取り込み、特に渋滞情報を入力することができる。
【0033】
指示信号入力部17では、リモコン15により、或いは音声を認識して利用者の指示信号とし、更にはモニタ20のタッチパネル操作等によって各種の指示信号を入力可能としている。データ入出力部19においては、DVD−ROM、或いはハードディスク、メモリカード等の地図・情報データ記録媒体18から必要な地図データ、施設情報等を取り込み、更にそのデータ記録媒体がハードディスクやメモリカードのように容易にデータの書き込みができるような場合には、メモリカードやUSBメモリ、或いは携帯電話のデータ送受信機能で送信されたドライブプラン等を記録し、これを読み取って利用することができるように、この地図・情報データ記録媒体18に記録も可能としている。
【0034】
画像出力部21ではナビゲーション装置が利用者に対して案内する各種の画像をモニタ20に出力する。音声出力部23においては、ナビゲーション装置の音声出力として、誘導経路の重要な案内をスピーカ22から出力し、必要に応じて警告出力も行う。
【0035】
電気自動車充電スタンド(EVST)利用ドライブプラン作成処理部31においては、本発明において電気自動車充電スタンドをできる限り有効に利用したドライブプランを作成する処理を行うものであり、その中のドライブプラン作成部32においては、従来のドライブプラン作成時と同様に、目的地・経由地設定部33において、利用者が従来から用いられている各種の手法によって利用者の好みに合った最終目的地迄の、各種施設を経由地として入力する。
【0036】
この時の目的地・経由地の入力に際しては、前記のようにこのナビゲーション装置本体で、タッチパネル、リモコン等を利用した利用者の選択指示信号によって設定することができるが、そのほか図13に示すように、家のパソコンを利用して作成した、少なくとも目的地及び経由地の位置データに関連したデータを含むドライブプランのデータを、例えばメモリカード、USBメモリ、或いは図13に示すような携帯電話のデータ送受信機能、等によって車両搭載のナビゲーション装置に取り込むこともできる。
【0037】
誘導経路演算部34では、目的地・経由地設定部33で設定した目的地及び経由地について、現在位置から効率良くそれらの経由地を通って目的地に至る誘導経路を演算する。その際には従来と同様に一般道路優先、高速道路優先等の各種の条件において最適な誘導経路を演算して利用者に提示可能としている。なお、図13に示すようなパソコンにおいてもここで入力した目的地と経由地に基づき、内部のソフトウェアによって誘導経路を演算し、そのデータをドライブプランとしてナビゲーション装置に転送することもできる。
【0038】
この誘導経路演算部34においては、前記のような利用者の好みによって設定した最初のドライブプランについて、誘導経路を演算するほか、後述するように、車両の現在のバッテリの残存電力量と電気自動車充電スタンドの検出によって新たな経由地が得られたときも、車両の現在位置から目的地までの新たな誘導経路を演算する。
【0039】
ドライブプランリスト作成部35においては、前記のような誘導経路演算部34で演算した誘導経路に従って、現在地から目的地まで、走行する順に経由地を並べたリストを作成する。その時には、前記のように今回のドライブで行きたいところを列挙した簡易のドライブプランリストを作成する他、それらの行楽施設を効率良く行くために誘導経路を演算した後に、行く順序に従ったドライブプランリストが作成される。更に、本発明において経由地にEVSTを併設していない時に、EVSTを利用するために検索したEVSTを経由地に変更し、或いは新たな経由地として追加して新たに誘導経路を演算した時、その新たな誘導経路に従ったドライブプランリストの作成も行うこととなる。
【0040】
EVST(電気自動車充電スタンド)利用経由地設定部36においては、後述するように電気自動車充電スタンドにおいて充電を行うに際して、最初に設定した経由地にはEVSTを併設していないことにより、経由地に近接したEVSTを利用することになった時、また、経由地に近接したEVSTが存在しない時に、誘導経路に近接したEVSTを利用することになった時、ドライブプラン変更指示部37の指示によって、電気自動車充電スタンドを利用するための経由地を変更して、或いは設定する。その新たな経由地の設定により、誘導経路演算部34は新たな誘導経路を演算することとなる。
【0041】
ドライブプラン変更指示部37においては、前記のように最初に電気自動車充電スタンドを考慮することなく作成した簡易ドライブプランについて、走行可能な範囲の経由地にEVSTを併設していなかった時、またEVSTを利用する誘導経路に従って走行している時でも、渋滞等により予定通りの走行を行うことができず、利用する電気自動車充電スタンドを変更する必要があることを検出した時、ドライブプラン記憶部38に記憶している現在のドライブプランを変更するか否かを判別して、変更する必要があると判別した時には変更すべきことを指示する。
【0042】
ドライブプラン記憶部38においては、誘導経路演算部34で演算した誘導経路について利用者が確定した時、その誘導経路に従ったドライブプランを、前記のように誘導経路を変更する毎に更新して記憶する。EVST検出部39においては、残存電力量等の所定の条件に適合した電気自動車充電スタンドを検出するものであり、その中の経由地併設EVST検出部40においては、前記のように最初に作成された電気自動車充電スタンドを考慮しない簡易のドライブプランについて、最初は現在位置から現在のドライブプランに於ける、残存電力量で走行可能な範囲に、電気自動車充電スタンドを併設した経由地が存在するか否かを検出する。また、その後変更したドライブプランが作成される時にも、その時点で新たに同様の検出を行う。
【0043】
経由地近接EVST検出部41においては、前記のような経由地併設EVST検出部40で、最初に設定した簡易のドライブプランにおける経由地において、充電するのに適切と思われる位置に存在する経由地に電気自動車充電スタンを併設していないことを検出した時、経由地から例えば800m等の利用者が容易に歩ける範囲に存在する電気自動車充電スタンドを検出する。この時検出する電気自動車充電スタンドは、例えば従来の路側のガソリンスタンドに電気自動車充電スタンドを備えているような施設であって、その電気自動車充電スタンドが併設されている施設自体では、例えば2時間等の時間を潰すことができる施設ではなくても、その充電時間中にそこから歩いて行ける当初の経由地で行楽することができる。そのため、そのような電気自動車充電スタンドを検出したときには、これを有効に利用することができる。
【0044】
誘導経路近接EVST検出部42では、前記のように経由地併設EVST検出部40、及び経由地近接EVST検出部41のいずれでも適切な電気自動車充電スタンドを検出できなかった時には、このドライブプランにおいて必ず充電する場所を設定する必要があるので、検出範囲を徐々に広げて、現在の誘導経路に近い所に電気自動車充電スタンドを検出する。その際には、走行可能範囲内において誘導経路から例えば3km等の所定距離の範囲内にある電気自動車充電スタンドを検出し、その中から、誘導経路からの距離が近く、且つ走行可能範囲内での現在地から遠い電気自動車充電スタンドを、適宜それらの重みづけにより自動的に、或いは利用者の選択によって適切と思われる電気自動車充電スタンドを検出する。この検出に際しては、最初に前記のような誘導経路から3kmの範囲に存在する電気自動車充電スタンドを検索して、1つも見つからなかった時には、少なくとも1つ見つかるまで順に範囲を広げて検索を行う。
【0045】
走行範囲内外検出部43においては、前記のように走行可能距離演算部47で演算した、現在のバッテリの残存電力量で走行可能な範囲の距離データを取り込むことにより、前記各検出部で検出する電気自動車充電スタンドの範囲を設定し、各EVST検出部40〜42で走行可能範囲内であるか範囲外であるかの検出を行う。
【0046】
利用者選択指示検出部44では、前記指示信号入力部17で指示した、電気自動車充電スタンド利用ドライブプラン作成処理部31における各種の処理に対する指示信号を検出する。EV(電気自動車)充電終了検出部45では、この電気自動車が充電スタンドで充電を行う時、その充電が終了したことを検出する。ここで充電終了を検出した時、即ち充電中の信号から充電終了の信号に変化したこと検出し、或いは充電スタンドを出たことを検出する。
【0047】
残存電力量検出部46では常時この電気自動車のバッテリの残存電力量を検出しており、特に電気自動車充電終了検出部45で充電終了を検出した時には、残存電力量が大きく変化するとともに、バッテリに対して満充電を行わずに充電を終了して出発することもあるので、残存電力量を計測してその後行われる次の充電を考慮したドライブプランの作成に反映させる。
【0048】
走行可能距離演算部47では、前記のように残存電力量検出部46で残存電力量を検出した時、そのデータによってこの電気自動車が平均的に走行できる距離を演算する。したがって、この電気自動車においては走行中は定期的にバッテリの残存電力量を検出し、そのデータをドライブプラン作成部32、及びEVST検出部39に出力して、出発当初、或いはその後充電した後において作成した充電予定を変更する必要がないかをチェックし、予定以上に電力を消費していることにより充電場所を変更する必要があると判別された時には、EVST併設施設の検出、及び検出したEVSTを利用する誘導経路の変更処理等を行うこととなる。
【0049】
EVST関連アイコン表示部48においては、本発明において電気自動車充電スタンドの検索処理の結果得られた、電気自動車充電スタンドについての各種情報を、ドライブプランリストに例えば図6に示すようなアイコンとして表示する。EVST併設有無経由地アイコン49については、ドライブプランで最初に設定した経由地及び必要に応じて目的地等について、その経由地等の施設に電気自動車充電スタンドを併設しているか否かの表示を行う。その中の現在走行可能範囲内外50においては、それらの経由地が現在のバッテリ残存電力量で走行可能の範囲内か否かで表示態様を変えるものとする。それらのアイコンの表示に際しては、EVST検出部39での検出データを用いる。
【0050】
その結果図6(a)に示すように、矩形太枠の濃いEVSTアイコンは、現在の残存電力量によって走行可能範囲内で、EVSTを併設する経由地であることを表示する。その際には、同図(b)に示すように、特に充電を行うことにしたEVST併設経由地については、フラッシュ表示等の他と明瞭に識別できる表示を行うようにしても良い。同図(c)に示すような矩形の細枠で薄いEVSTアイコンは、現在の残存電力量によっては走行可能範囲外であり、EVSTを併設する経由地であることを表示する。
【0051】
また、図6(d)に示すように、矩形の細枠で濃いEVSTアイコンに「X」印の付いたEVSTアイコンは、現在の残存電力量によっては走行可能範囲内であるが、EVSTを併設しない経由地であることを表示する。更に図6(e)に示すように、矩形の細枠で薄いEVSTアイコンに「X」印の付いたEVSTアイコンは、現在の残存電力量によっては走行可能範囲外であり、EVSTを併設していない経由地であることを表示する。
【0052】
現在走行可能範囲内経由地近接EVSTアイコン51では、例えば図6(f)に示すように、円形の太枠で濃いEVSTアイコンにより、現在の残存電力量によって走行可能範囲内で、経由地から例えば800m等の所定距離以内の充電利用予定のEVSTアイコンを表示する。また、現在走行可能範囲内誘導経路所定距離内EVSTアイコン52では、例えば図6(g)に示すように、円形の太い破線枠で濃いEVSTアイコンによって、現在の残存電力量によって走行可能範囲内に存在するEVSTの中で、誘導経路に比較的近く そこで充電を行うことにしたEVSTであることを示すアイコンを表示する。
【0053】
更に走行可能範囲内経由地近接EVST存在表示アイコン53においては、図6(h)に示すように、白抜き矢印のアイコンによって、前記図6(c)に示すように現在の残存電力量によって走行可能範囲内の経由地であって、EVSTを併設していない経由地であることを示している時、そのアイコンに隣接してこのアイコンを表示することにより、この経由地から例えば800m等の所定の距離以内にEVSTが存在することを示す。
【0054】
充電予定EVST接近検出部54では、前記のように充電予定の電気自動車充電スタンド併設経由地、或いは前記のような各種の充電スタンドを予め設定して走行する時、現在位置がその充電予定地に、例えば3km等の所定距離以内に接近したことを検出する。その信号は充電予定EVST接近案内出力部55に出力し、運転者に対して充電予定EVSTが近付いたことを画面表示、更には音声によって出力する。
【0055】
図1に示すナビゲーション装置においては、前記のように電気自動車充電スタンド(EVST)利用ドライブプラン作成処理部31の誘導経路演算部34で、充電スタンドを考慮して誘導経路を演算した時、それを誘導経路記憶部56に記憶する。したがって、誘導経路が充電予定地の変更等によって変更する時、誘導経路記憶部56の記憶内容も変更する。誘導経路案内部57では誘導経路記憶部56に記憶している最も新しい誘導経路について、前記のような充電の案内を含め、車両を目的地まで安全に走行できるように案内出力を行う。
【0056】
図1に示すような機能ブロックからなる本発明においては、例えば図2に示すような作動フローによって実施することができる。図2に示すEV(電気自動車)のドライブプラン作成・案内処理においては、最初に図3に示すような簡易ドライブプラン作成処理を行う。
【0057】
即ち、図3に示す簡易ドライブプラン作成処理の例においては、最初目的地と経由地を設定する(ステップS21)。この目的地と経由地の設定に際しては、図13に示すように、家のパソコンにおいて、家族の希望を取り入れながら、各種の行楽施設を選択して経由地として設定し、これをリスト化したドライブプランを作成する。これを同図(b)(c)に示すように、携帯電話を介して車両搭載のナビゲーション装置に取り込むことにより、ステップS21における目的地と経由地の設定を行うこともできる。ただし、このようにして目的地及び経由地を設定する以外に、車両搭載ナビゲーション装置で直接設定することもできる。
【0058】
次いで現在地から目的地まで経由地を適切に順に通る誘導経路を演算し(ステップS22)、次いで経由地を現在地から目的地まで順にリスト表示する(ステップS23)。ここで作成されるドライブプラン、及びその目的地及び経由地を順に表示したドライブプランリストは、電気自動車において利用すべき充電スタンドを考慮していないドライブプランであって、「簡易ドライブプラン」ということができる。この時には例えば図3(b)に示すような簡易ドライブプランリストが作成され表示される。その後ステップS24において、図2のステップ2へ進む。
【0059】
図2のステップS2においては、この電気自動車(EV)の残存電力量を検出する。次いでステップS2で検出した現在の残存電力量によって走行可能な範囲の、経由地及び目的地を検出する(ステップS3)。その後図2の例においては目的地まで走行可能か否かを判別している(ステップS4)。
【0060】
ステップS4において目的地まで走行可能であると判別した時には、ステップS11においてEVST併設施設を検索して、ドライブプランリストにEVSTアイコンを表示し、ドライブプランを確定する。このEVSTアイコンの表示に際しては、全ての経由地及び目的地が走行可能範囲内のアイコン表示であり、その中でEVSTを併設しているか否かの表示分けを行う。従ってここには、図6の(a)と(c)のいずれかのアイコンがリスト中に各経由地に表示されることとなる。
【0061】
その後ステップS12において、作成したドライブプランに従って誘導経路を案内し、次いでステップS10に進み、目的地に到着したか否かを判別して、未だ到着していない時には再びステップS2に戻ってこの電気自動車の残存電力量の検出を行い、予定外の渋滞に巻き込まれた時等には所定のEVST利用案内を行うことができるようにしている。
【0062】
ステップS4において、現在の残存電力量では目的地までは走行できないと判別した時には、走行可能な経由地の中でEVST併設経由地を検索する。この作動は図1のEVST検出部39における経由地併設EVST検出部40において、前記のようにして行っている。
【0063】
その後走行可能範囲の経由地でEVST併設経由地は存在したか否かを判別する(ステップS6)。ここでそのようなEVST併設経由地が存在すると判別した時にはステップS8に進み、ドライブプランリストにおいて走行可能EVST併設経由地に走行可能EVSTアイコンを表示してこのドライブプランを確定する。その際にはドライブプランリストに、前記EVST併設経由地には図6(b)のアイコンが表示され、そのほか、各経由地のEVST利用性に関するそれぞれのアイコンが表示されることとなる。
【0064】
また、ステップS6 において走行可能範囲の経由地でEVSTを併設している経由地が存在しないと判別した時には、図4に示すような、走行可能経由地にEVSTが存在しない時のEVST利用ドライブプラン作成処理を行う(ステップS7)。
【0065】
即ち、図4に示す走行可能経由地にEVSTが存在しない時のEVST利用ドライブプラン作成処理においては、最初走行可能範囲の経由地から例えば800m等の、利用者が容易に歩ける所定距離の範囲内にEVSTは存在するか検索を行う(ステップS31)。その後EVSTが所定距離以内に存在する経由地はあったか否かを判別し、存在したと判別した時にはステップS33に進んで、簡易ドライブプランリスト表示中のEVST近接経由地にEVST近接アイコンを付与する。この時には図6(h)に示すアイコンを、該当する経由地に表示する。
【0066】
その後利用者が前記EVST近接アイコンにタッチしたか否かを判別し(すてっぷS34)、タッチした時にはステップS35に進んで、選択したEVSTをEVST近接経由地に替えて経由地に設定し、次いで新しい誘導経路を演算する(ステップS42)。前記ステップS34で利用者がEVST近接アイコンにタッチしないと判別した時、即ち、前記のようなEVST近接アイコンを表示してから適宜そのアイコンの利用案内を行って所定の時間が経過した時のような場合には、後述するようなステップS36に進む。
【0067】
前記ステップS32において、EVSTが所定距離以内にある経由地が存在しないと判別した時、及び前記のようにステップS34において利用者がEVST近接アイコンにタッチしなかったと判別し、例えば雨が降っている、或いは雨が降る予定のためそのようなEVSTの利用は適切ではないと判断した時にはステップS36に進む。
【0068】
このステップS36では、誘導経路から例えば3km等の所定距離以内のEVSTを検索する。この時には、最初に前記のような3km以内の所定距離で検索を行い、ステップS37でその範囲内にEVSTは存在したか否かを判別し、存在しなかった時にはステップS41において、検索する範囲を例えば1km広げて同様の検索を行い、少なくとも1つが検索されるまで繰り返す。この検索結果については誘導経路表示中の地図に、検出したEVSTを表しても良い(ステップS34)。
【0069】
この処理により誘導経路に近接したEVSTを一つ、或いは複数検出し適宜表示た後、利用するEVSTを利用者が選択する(ステップS39)。電気自動車にとっては目的地まで現在の残存電力量では目的地まで走行できないことがわかっている時には、必ずEVSTを利用しなければならないため、前記のようにしていずれかのEVSTを選択することとなる。
【0070】
その選択によって、選択したEVSTを充電利用EVSTとして新しい経由地に追加する(ステップS40)。その後ステップS42に進み、前記のように新しい誘導経路を演算し、新しい誘導経路に従ってドライブプランリストに経由地を順に表示し(ステップS43)、新しいドライブプランリストの経由地に所定のEVSTアイコンを表示して(ステップS44)、ステップS45において図2のステップS9に進む。
【0071】
図2のステップS9においては、図5に示すような車両走行開始後の充電対応誘導経路案内処理を行う。即ち図5の車両走行開始後の誘電対応誘導経路案内処理においては、最初車両の走行からこの処理を開始する(ステップS51)。次いで走行可能範囲で最も遠いEVSTを選択する。この時には、例えば最初に設定された複数の経由地の内、EVSTを併設している経由地が複数存在する時には、最も遠いEVSTを利用した方が効率的であるので、利用者が特に指示を行わない限り最も遠いEVSTを選択することとする。但し、EVST併設経由地が存在しない時には、前記のようにして得られた経由地近接EVST、及び誘導経路近接EVSTについては、既に1つだけに絞られている。
【0072】
次いで検出したEVSTと現在地との距離を演算し(ステップS53)、選択したEVSTは所定距離内になったか否かを判別する(ステップS54)。ここで所定距離以内になっていないと判別した時には車両の走行を確認して、前記作動を繰り返す。ステップS54で選択したEVSTが例えば3km等の所定距離内になったと判別した時には、ステップS55に進んで充電予定EVSTに近付いたことを案内出力する。この時にもモニタにその旨表示する以外に、音声でその旨の案内を行っても良い。
【0073】
次いでEVSTに到着したか否かを判別し(ステップS56)、未だ到着していないと判別した時には前記ステップS55に戻って画面表示等の案内出力を継続し、前記作動を繰り返す。ステップS56でEVSTに到着したと判別した時には、充電は終了したか否かを判別し(ステップS57)、未だ充電が終了していない時には充電が終了するまでこの作動を繰り返して待機する。充電が終了したと判別した時にはステップS58において図2のステップS10に進む。
【0074】
図2のステップS10においては、前記ステップS9で充電を終了した地点が目的地であるか否かを判別し、また、前記のようにステップS12において、残存電力量で目的地まで走行可能と判別された状態で、作成したドライブプランに従って誘導経路を案内している時、目的地に到着したか否かを判別する。ここで未だ目的地ではないと判別した時には、ステップS2に戻って、前記と同様にこの電気自動車の残存電力量を検出し、残存電力量に対応したその後のドライブプランを前記と同様の処理により作成する。また、ステップS10において目的地に到着したと判別した時には、この一連の処理を終了する(ステップS13)。
【0075】
本発明は前記のような作動を行う結果、例えば図7〜12に示すようなドライブプランの作成及びドライブプランリストの表示処理がなされる。即ち、図7には本発明において最初に行われる簡易ドライブプランの作成と、そのリスト表示例を示しており、同図(a)には実際の地図表示と、その中で目的地を「小田原城」に設定し、そこまで行く間に
この電気自動車の出発地から、「くりはま花の国」「神奈川県立フラワーセンター大船植物園」「珊瑚本店」「江ノ島水族館」の各行楽施設を経由したいと思った時、それらを経由地として設定指示する時の状態を示している。
【0076】
図7(b)には前記のような現在地から各行楽施設を経て目的地の「小田原城」に至る誘導経路を演算した結果、図示する順序で走行することが適切であることがわかり、これをリスト表示した状態を示している。したがってこのドライブプランは、未だ電気自動車充電スタンドの利用を考慮していないドライブプランであり、「簡易ドライブプラン」ということができる。
【0077】
図8(a)には例えば図13に示すようにパソコンで作成されたドライブプランの例を示し、前記のようにして作成された誘導経路と経由地を説明の都合上適地位置を異ならせて示している。ここでは未だ電気自動車の充電スタンドを考慮していない状態を示している。同図(b)には前記のようにパソコン等で作成された簡易ドライブプランを車両搭載ナビゲーション装置が取り込んで、それらの経由地が走行開始時における残存電力量で走行可能な範囲を演算し、各経由地がその走行可能範囲内か範囲外か、また、各経由地には充電スタンドが併設されているかいないかによって、EVSTアイコンを区別して表示する例を示しており、その時のアイコン表示は前記図6に示すとおりである。
【0078】
それにより、経由地D迄は出発時の残存電力量で走行可能な範囲と予測され、また、経由地Dと経由地EについてはEVSTを併設していない経由地であることが示される。その結果、ドライブプランリスト表示に際しては同図(c)に示すような、前記図7(b)に示した簡易ドライブプランリストの各経由地に、前記のようなEVSTアイコンを表示することとなる。
【0079】
但し、この表示において、更に、実際に充電を行うEVSTを選択し、例えば経由地Cの「神奈川県立フラワーセンター大船植物園」で充電を行うこととした時には、図6(b)に示すような、利用可能EVSTアイコンをフラッシュ表示したアイコン表示とすることができる。したがって、この電気自動車の走行開始時には同図(c)に示すドライブプランリストが表示されて、走行開始となる。なお、このようなEVSTアイコン表示を含むドライブプランリスト表示は、図2のステップS8において行われる。
【0080】
図9には前記のようなドライブプランで走行し、予定どおり経由地Cに併設しているEVSTで充電を行ったことにより、EVST利用ドライブプランを作成し直す状態を示している。同図(b)には同図(a)の経由地Cから目的地F迄を拡大して示しており、前記のように経由地D及び経由地Eの施設にはEVSTを併設していないことにより、経由地から例えば800m等の、利用者が容易に歩ける範囲内の所定距離内に、EVSTが存在するか否かを検索した結果、経由地EにそのようなEVSTが検出された状態を示している。この状態は図4のステップS32で、EVSTが所定距離以内に存在する経由地があったと判別した状態に対応する。
【0081】
その結果、ドライブプランリストの表示に際しては図9(c)に示すようなEVSTアイコン表示に加えて、図6(h)で示すようなEVT近接アイコンとしての矢印のアイコンを表示する。このアイコン部分は、タッチパネルによってこの部分に指等をタッチした時にはこのEVSTを利用するという利用者の意思表示入力部分となる。
【0082】
ここでEVST近接アイコンをタッチした時には、車両が走行する場所は経由地Eではなく、EVSTが存在する充電利用予定EVSTの位置を新たな経由地として設定し、新しく誘導経路の演算を行う。その結果例えば図10(a)のように、充電利用予定EVST(Ea)を経由する誘導経路となり、ドライブプランリストは同図(b)のように、「珊瑚本店」の経由地の次に「江ノ島水族館近接EVST」を表示し、ここに図6(f)に示すようなアイコンを表示する。このような円形枠の表示は、現在の残存電力量で走行した時の、次の充電利用EVSTを示すため、EVST充電案内に際しては、このEVSTに対する案内を行うこととなる。
【0083】
なお、図10(b)のリスト表示例では、実際には走行することが無くなった「江ノ島水族館」についても、最初に設定した行楽施設であるので、念のため同様のリスト表示し、充電中に徒歩で行くことを表示する例を示しているが、別途別の態様で表示することもできる。また、前記EVST近接経由地の検索に際して、例えば経由地Dにおいてもそのような条件に適合するEVSTが検出された時でも、走行開始時点である経由地Cからは短距離であるので好ましくなく、前記のような経由地Eの方を、自動的に、或いは利用者の選択により設定することとなる。
【0084】
図11には前記図4のステップS36以降の処理を行う例を示しており、前記と同様に経由地Cの併設EVSTで充電を行った後で、その後経由地に近接するEVDTが存在せず、或いは存在していても、例えば経由地Dに近接していて、現在地から近過ぎるので適切ではないと利用者が判断したような時等には、現在地から残存電力量で走行可能な範囲で、誘導経路からできるだけ離れない場所に存在するEVSTを検出して設定する時の例を示している。
【0085】
図11(a)の例においては、誘導経路から3kmの範囲内に存在するEVSTを検索した結果、DaとDbのEVSTが検出され、経由地Eに比較的近い位置にEbのEVSTが検出された例を示している。このような誘導経路近接EVSTの検索結果は、同図のような表示を行う以外に、検索結果リストに現在位置からの距離、及び誘導経路からの距離等を示すことによって、利用者に選択してもらうようにすることもできる。
【0086】
また、誘導経路からの距離範囲の設定に際しては、前記のような検索の結果適切なEVSTが存在しない時には、図4のステップS41で行っているように、誘導経路からの距離を徐々に広げて同様の検索を行うようにしても良い。更に、前記のような条件に適合するEVSTが複数存在する時には、前記のように現在地からの距離と誘導経路からの距離等によって、自動的に特定のEVSTを選択して提示するようにしても良い。
【0087】
図11(a)の例ではEbのEVSTを選択し、その結果図12(a)に示すようにEbのEVSTが新しい経由地に設定され、新しい誘導経路を演算した状態を示している。同図(b)にはこの時のドライブプランリスト表示例を示しており、「江ノ島水族館」の後、「充電のための立ち寄り地点」を経由地として加えており、この経由地に図6(g)に示すような誘導経路近接EVSTアイコンを表示している。
【0088】
本発明においては前記のような種々の態様で実施することができるものであるが、そのほか例えばEVST併設経由地が検出されたものの、現在地から近すぎるため、そこでは充電を行わずに経由地近接EVST或いは誘導経路近接EVSTの検出を行う、或いはそれらを全て表示して利用者に選択を促す、等の作動を行う等、種々の態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0089】
10 システム制御部
11 GPS受信器
12 走行距離・方位検出部
13 車両位置検出部
14 VICS情報入力部
15 リモコン
16 音声認識部
17 指示信号入力部
18 地図・情報データ記録媒体
19 データ入出力部
20 モニタ
21 画像出力部
22 スピーカ
23 音声出力部
31 電気自動車充電スタンド(EVST)利用ドライブプラン作成処理部
32 ドライブプラン作成部
33 目的地・経由地設定部
34 誘導経路演算部
35 ドライブプランリスト作成部
36 EVST利用経由地設定部
37 ドライブプラン変更指示部
38 ドライブプラン記憶部
39 EVST検出部
40 経由地併設EVST
41 経由地近接EVST
42 誘導経路近接EVST
43 走行範囲内外検出部
44 利用者選択指示検出部
45 EV充電終了検出部
46 残存電力量検出部
47 走行可能距離演算部
48 EVST関連アイコン表示部
49 経由地併設EVST有無アイコン
50 走行可能範囲内外
51 走行可能範囲内経由地近接EVSTアイコン
52 走行可能範囲内誘導経路近接EVSTアイコン
53 走行可能範囲内経由地近接EVST存在表示アイコン
54 充電予定EVST接近検出部
55 充電予定EVST接近案内出力部
56 誘導経路記憶部
57 誘導経路案内部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が入力した目的地と経由地を通る誘導経路を演算する誘導経路演算手段と、
電気自動車の駆動源用バッテリの残存電力量を検出する残存電力量検出手段と、
前記残存電力量検出手段で検出した残存電力量で走行可能な距離を演算する走行可能距離演算手段と、
前記走行可能距離演算手段で演算した走行距離の範囲内に存在する経由地について、電気自動車充電スタンドを併設しているか否かを検出する経由地併設電気自動車充電スタンド検出手段と、
前記経由地併設電気自動車充電スタンド検出手段で、前記走行可能距離範囲に電気自動車充電スタンドを併設する経由地を検出しない時、経由地の所定距離内に存在する電気自動車充電スタンドを検出する経由地近接電気自動車充電スタンド検出手段と、
前記経由地近接電気自動車充電スタンド検出手段で、前記走行可能距離範囲内の経由地で所定距離内に電気自動車充電スタンドを検出した時、当該検出した電気自動車充電スタンドを当該経由地に替えて経由地に設定する電気自動車利用経由地設定手段とを備え、
前記誘導経路演算手段では、前記経由地近接電気自動車充電スタンドを経由する誘導経路を演算することを特徴とする電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記経由地及び目的地を誘導経路に沿って順に表示するリストを作成するドライブプランリスト作成手段と、
前記ドライブプランリスト作成手段で作成したリストの経由地毎に、電気自動車充電スタンドに関連するアイコンを表示する電気自動車充電スタンド関連アイコン表示手段とを備え、
前記電気自動車充電スタンド関連アイコン表示手段では、各経由地が前記走行可能距離演算手段で演算した走行可能距離の範囲内に存在するか否か、当該経由地に電気自動車用充電スタンドを併設しているか否かを示すアイコン、及び前記経由地近接電気自動車充電スタンド検出手段で当該経由地に近接して電気自動車用充電スタンドが存在することを示すアイコンを表示することを特徴とする請求項1記載の電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記経由地近接電気自動車充電スタンド検出手段で当該経由地に近接して電気自動車用充電スタンドが存在することを示すアイコン表示を、利用者が指示したことを検出し、当該電気自動車充電スタンドを前記経由地に替えて経由地に変更して誘導経路を演算する指示を行うドライブプラン変更指示手段を備え、
前記誘導経路演算手段では、前記ドライブプラン変更指示手段で前記指示をした時、前記経由地近接電気自動車充電スタンドを経由する誘導経路を演算することを特徴とする請求項2に記載の電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ドライブプランリスト作成手段では、前記経由地近接電気自動車充電スタンド検出手段で検出した電気自動車充電スタンドを経由地として表示し、
前記電気自動車充電スタンド関連アイコン表示手段では、前記経由地近接電気自動車充電スタンドの経由地に対して、経由地近接電気自動車充電スタンドのアイコンを表示することを特徴とする請求項3に記載の電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記誘導経路演算手段で演算した誘導経路から所定距離以内に存在する電気自動車充電スタンドを検出する誘導経路近接電気自動車充電スタンド検出手段を備え、
前記経由地近接電気自動車充電スタンド検出手段で、前記走行可能距離内の経由地から所定距離以内に電気自動車充電スタンドを検出しない時、前記誘導経路近接電気自動車充電スタンド検出手段で検出した電気自動車充電スタンドを新たな経由地に設定し、前記誘導経路演算手段で前記新たな経由地を経由する誘導経路を演算することを特徴とする請求項1記載の電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置。
【請求項6】
充電を行う予定の電気自動車充電スタンドに所定距離以内に接近したことを検出する充電予定電気自動車充電スタンド接近検出手段と、
前記電気自動車充電スタンド接近検出手段で充電を行う予定の電気自動車充電スタンドに所定距離以内に接近したことを検出した時その旨の案内を出力する充電予定電気自動車充電スタンド接近案内出力手段を備えたことを特徴とする請求項1または5に記載の電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記電気自動車充電スタンド関連アイコン表示手段では、電気自動車充電スタンドで充電を終了したことを検出した時、前記ドライブプランリストの電気自動車充電スタンド関連アイコンの表示を、前記残存電力量検出手段で検出した残存電力量に応じて変更して表示することを特徴とする請求項1記載の電気自動車充電施設案内ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−93096(P2012−93096A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237894(P2010−237894)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】