説明

電離放射線検出装置

【課題】入射電離放射線の二つの特性の監視、記録、解析を一つの装置で行う電離放射線監視用アセンブリを提供する。
【解決手段】電離放射線監視用のアセンブリは、入射放射線に応じて電荷を生成する検出基板であって、電離放射線検出ボリュームのアレイを形成するように構成される検出基板と、前記検出ボリュームに対応する読出し回路のアレイを支持する回路基板とを備え、前記第一の読出し回路は、第一のエネルギー範囲における電離放射線の、対応する第一の放射線検出ボリューム内での検出に対応する電流パルスに応答して第一の計数値を増分する光子計数回路構成を含み、前記第二の読出し回路は、第二のエネルギー範囲における電離放射線の、対応する二の放射線検出ボリューム内での検出に対応する電流パルスに応答して第二の計数値を増分する光子計数回路構成を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電離放射線検出装置に関し、特に、電離放射線の監視および解析のための装置、方法、システム、およびネットワークに関するが、これらに限定されない。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電離放射線は5 KeVないし6 MeVのエネルギー範囲の放射と考えられており、ガンマ線、X線、ベータ線、アルファ線、および中性子ビームを含む。電離放射線検出装置は、保健または核物理をはじめ国家/国土安全およびテロリスト対策への応用など、放射線保護および計測学に関して周知である。装置は、2つのタイプ、受動的検出装置か電子工学を基礎とする能動的検出装置のいずれか1つである。
【0003】
受動的検出システムは、検出装置材料として、フィルム(フィルムバッジ)、熱発光検出(TLD) 技術または光発色(PC)技術を用いる。これら検出装置技術では、状態の変化によって電離放射線の存在を記録することが共通点である。例えば、フィルムを電離放射線に曝露してから現像すると黒くなり、TLD材料は電離放射線に曝露してから加熱すると発光し、PC材料は電離放射線に曝露すると変色する。しかし、これらの材料の状態の変化の確定には、例えばフィルムの現像とかTLD材料の加熱のような、特別な処理が必要である。従って、得られるのは、放射への曝露の事後の監視と評価のみである。これでは、リアルタイムでの監視と評価はできない。直接リアルタイムでの監視と解析とを行うことができないので、どのタイプの放射線曝露が状態変化を生じたかを推測する必要がある。そのような推測は経験に基づいて引き出すことが可能であるが、検出された放射線(スペクトル情報)のタイプの確定も、そのような情報を考慮する放射線量の見積もりもできない。更に、既知の受動的検出システムは一般的に電離放射線に対する感度が鈍い。
【0004】
能動的検出装置は、シリコン技術に基礎をおくことができ、一般的に1個、2個、または3個のPINダイオードを含み、各PINダイオードは予め閾値を持ち、入射する放射のミニマムエネルギーレベルに関する警報を発する。2個以上のPINダイオードを用いる場合、異なる放射線レベルとエネルギーレベルとに対応して、予め異なる閾値レベルを設定し、入射する放射線の大まかなスペクトル分析を提供することができる。しかし、シリコンは、原子番号(Z)が低いため、電離放射線に対する感度が鈍く、入射放射の電流への変換効率が低く、そのような技術を用いる装置のSN比(信号対ノイズ比)は低い。
【0005】
ヨウ化水銀(MgI)またはヨウ化鉛(PbI)など、放射線変換効率のよい、高Z(高原子番号)の材料を、ダイオードに用いることができる。通常は単一の大結晶で形成された、ヨウ化ナトリウム(NaI)またはヨウ化セシウム(CsI)など、高Zシンチレータ材料を、オプションとして用いることができる。低感度を克服するため、多くの電離放射線検出装置は大面積(しばしば単一の検出結晶)を用いるが、これは、高放射フラックスに照射されると、検出材料の飽和をもたらす。
【0006】
シンチレータ材料を用いた検出装置は一般的に、かさ張る。この原因は、そのような材料内の媒体エネルギー光子の平均自由行程(光子が相互作用を起こすまでに移動する平均距離)が、数立方ミリメータでなく、数立方センチメータの結晶を用いる結果になることである。更に、光パルスを後続の処理回路にとって適当な電気信号に変換する、光電子増倍管またはフォトダイオードのためのスペースを確保しなければならない。シンチレータ材料を用いた検出装置の使用に伴うもう一つの欠点は、光があらゆる方向へ放射されるので、入射放射線が結晶中で光に変換された結果のエネルギーの大部分は、光電子増倍管および検出回路に届かず、従って最終信号のSN比が低下することである。
【0007】
シリコンより高Zの半導体を、例えばテルル化カドミウム(CdTe)およびテルル化カドミウム亜鉛(CdZnTe)を、電離放射線の検出に用いることは、Amptek社の検出装置XR-100T-CdTeのように、既に公知である。一般的に、そのような検出装置は、極めて高速の読出しの大型スラブ(例えば約3 mm × 3 mm × 1 mm)の検出装置材料を用いている。しかし、そのような大面積は、感度は高いが、大面積検出装置が高フラックス強度で飽和する傾向があるので、検出可能な放射線フラックス強度に限界がある。そのような単結晶スラブ大面積検出装置は、例えば多チャンネル解析装置を用いる高速読出しに依存し、確実に単一の光電子相互作用から単一の被計数イベントに変換される信号が得られるようにしている。
【0008】
検出基板の検出装置電子回路への電気的接続には、ワイヤーボンディングを用いるのが普通である。そのようなワイヤは、接続の機械的要件のため、静電容量値が大きいのが一般的な特徴であり、これが高速読出しを緩和し、またアンテナとしても作用し、電気的疑似信号を拾い、結果的にSN比を低下させる。更に、ワイヤ接続は本質的に損失を招き、これが検出装置の感度を制約する。
【0009】
公知の能動的検出装置のもう一つの欠点は、電子信号が検出基板から遠い所で生成されることであり、その結果、接続ワイヤおよび回路構成のインピーダンスによって信号損失や信号の変形が発生することである。
この発明は上記事項を考慮して考案された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
第一の局面から見ると、本発明は、入射電離放射線に応答して電荷を生成する検出基板と、複数の検出ボリュームからなるの一つのアレイに対応する読出し回路のアレイを支持する回路基板とを備える、電離放射線を監視するためのアセンブリを提供し、前記検出基板は前記電離放射線検出ボリュームのアレイを形成するように構成されている。前記各読出し回路は、対応する検出ボリュームから電荷を受取るため、第一と第二の電荷集積モード間で切替え可能である。電荷集積回路は、第一の電荷集積モードにおいて対応する検出ボリュームにおける単一の電離放射線検出イベントの検出に対応する電荷を集積するとともに、前記第二の電荷集積モードにおいて前記対応する検出ボリュームにおける複数の電離放射線検出イベントに対応する電荷を集積するように構成されている。
【0011】
第二の局面から見ると、この発明は、第一の局面に従って構成されたアセンブリの、下記ステップからなる作動方法を提供する:
a) 単一の電離放射線イベントの検出に対応する電荷の集積ステップ、および
b) ステップa)と同時発生ではない、複数の電離放射線イベントの検出に対応する電荷の集積ステップ。
【0012】
上記第一および第二の局面による本発明の実施例は、入射電離放射線の二つの特性の監視、記録、および解析を一つの装置で行うことを提供する。第一に、単一の電離放射線検出イベントを観測することができ、入射する放射線のエネルギーが検出イベントの測定を可能にし、従ってスペクトル情報の決定が可能になり、これがアイソトープによる同定を可能にする。測定可能な入射放射線の第二の特性は、電荷集積が比較的長時間継続するので、放射線量率である。従って、単一の装置によって、放射線量の判定のみならず、放射線源の性質またはアイソトープの同定も可能である。これにより、放射線監視、評価、および解析が改良される。
【0013】
第三の局面から見ると、本発明は、入射電離放射線に応じて電荷を生成するとともに電離放射線検出ボリュームのアレイを形成するように構成される検出基板と、前記検出ボリュームに対応する読出し回路のアレイを支持する回路基板とを備える、放射線監視用アセンブリを提供する。読出し回路は、第一のエネルギー範囲において電離放射の検出基板における検出に対応する電流パルスに応答し、第一の計数値を増分する、または、第二のエネルギー範囲において電離放射の検出基板における検出に対応する電流パルスに応答し、第二の計数値を増分するように電子的に構成可能である光子計数回路構成を備える。そのようなアセンブリは、放射線エネルギーレベル、すなわちスペクトル情報および従ってアイソトープによる同定、および同じ計数回路を用いた線量率の監視を提供する。これは上記第一の面に従ったアセンブリに関連付け可能な同じ利点を有するのみならず、放射線エネルギーの同定が光子計数回路自体によって行われ、それによってオフチップ処理の必要性が低くなる。更に、光子計数回路は、第一と第二の放射線範囲において入射電離放射線に応答するように電子的に構成可能であるので、単一のアセンブリを用いて二つ以上の放射線エネルギーレベルまたはアイソトープを監視することができる。
【0014】
例えば、一つのアセンブリの全表面積を、まず第一のタイプの放射線の第一の検出または監視用に使用し、次に第二またはそれ以上のタイプの入射電離放射線を監視するように、電子的に構成することができる。
【0015】
当然、一つのアセンブリをサイクル的なやり方で駆動し、広範囲のエネルギーレベルまたはアイソトープを監視することができる。
【0016】
更に、個々のアイソトープの検出と解析を、まずアセンブリを作動させて広範囲のエネルギーレベルを監視し、徐々にエネルギー範囲を狭めて入射放射線の正体を「探る」、すなわち絞り込むことができる。
【0017】
第四の局面から見ると、本発明は、入射放射線に応答して電荷を生成するとともに電離放射線検出ボリュームからなるアレイを形成するように構成される検出基板と、前記検出ボリュームに対応する読出し回路のアレイを支持する回路基板とを備える放射線監視用のアセンブリを提供する。第一の読出し回路は、第一のエネルギー範囲における電離放射線の検出装置における検出に対応した電流パルスに応答して第一の値を増分する光子計数回路構成を含み、第二の読出し回路は、第二のエネルギー範囲における電離放射線の検出基板における検出に対応した電流パルスに応答して第二の値を増分する光子計数回路構成を含む。このように、単一のアセンブリ内において二つ以上の放射線エネルギーレベルの監視が可能であり、従って二つ以上のアイソトープを同時に同定することができる。
【0018】
疑問を避けるため、この発明の第三と第四の面に関連して言及した電流パルスは、検出基板における放射線検出イベントによって生成された電荷の、検出基板から読出し回路への、流れである。
【0019】
第五の局面から見ると、本発明は、複数の電離放射線検出ボリュームによって構成される半導体検出基板結晶を備える電離放射線線量計を提供する。前記検出基板結晶は、その第一面全体で導電材料を、その第二面全体で導電パッドのアレイを支持する。前記導電パッドのアレイは、複数の検出ボリュームを画成する。この複数の検出ボリュームは、アセンブリのキャリブレーションの際、個々の検出ボリュームの特性の個々の補正を可能にする。これにより、結晶の一部分が損傷しても、損傷領域内の検出ボリュームに対応する信号は、当該損傷の影響を反映するように適切に修正され、従って損傷領域へ入射する放射線の性質を正しく同定し測定することができる。このことは、損傷領域への入射放射線は弱い信号を生じるのみであると思われるので、別々の検出ボリュームに分割されない大きなスラブの結晶を用いる線量計に比べて大幅な改良である。上記線量計ではその損傷領域における入射放射線のキャリブレーションは不可能であろう。
【0020】
第六の局面からみて、本発明は、上記のような、電離放射線検出基板からの電荷を受けるように構成された、線量計用の回路基板を提供する。この回路基板は読出し回路のアレイを備え、各読出し回路は、第一と第二の電荷集積モード間で切替え可能である。第一の電荷集積モードは単一の検出イベントに応じて電荷を集積するように作動可能であり、第二の電荷集積モードは、複数の検出イベントに応じて電荷を集積するように作動可能である。
【0021】
本発明の第七の局面は、電離放射線検出基板からの電荷を受けるように構成された線量計用の回路基板を提供し、この回路基板は、光子計数回路を含む読出し回路のアレイからなる。光子計数回路は、第一のエネルギー範囲における電離放射の検出基板における検出に対応する電流パルスに応答して第一の計数値を増分するように、または、第二のエネルギー範囲における電離放射線の検出基板における検出に対応する電流パルスに応答して第二の計数値を増分するように、プリセットまたは電子的に構成可能である。
【0022】
第八の局面は、通信ネットワーク全体にわたる装置によって検出される放射線に対応する少なくとも放射線データ通信用の通信ユニットを含む少なくとも一つの電離放射線監視装置を備える電離放射線監視用ネットワークを提供する。前記射線監視用ネットワークは、前記装置から放射線データを受取るための制御ステーションも備える。そのようなネットワークは、何らかの放射線イベントに伴う「核実験痕跡」解析の提供または異常放射線発生の監視を行うために、都市環境などにおける放射線の広域監視を提供する。
【0023】
放射線ネットワークにおける当該装置が、検出された放射線に関するスペクトルデータを含む放射線データを提供でき、スペクトルデータを制御ステーションへ伝達できれば極めて有用である。そのような構成は、放射線環境の監視を更に改良する。特に、放射線の正確な性質が判定できるので、誤報を低減し、放射線が危険をはらむか否か、判定することができる。
【0024】
無線通信モジュールを含む装置は、移動可能なネットワークを備えるので特に有用である。そのようなネットワークは、例えば検出装置を身に着けた緊急サービス人員によって構成することができる。そのような移動可能なネットワークにおいては、装置と制御センタとの双方向通信用の双方向通信モジュールは、警報が例えば自動的に電離放射線検出装置へ発信され、センサの使用者に危険な放射線の存在を警告するので、特に有利である。
【0025】
本発明の第九の局面によれば、上記ネットワークは電離放射線の位置の監視に用いることができ、位置とデータとを表示して放射線によって汚染された環境の「核実験痕跡」解析を行うことができる。
【0026】
以下、具体的実施例を、以下に列挙し概略説明した添付図面に基づいて、単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、この発明の一実施例による検出基板を示す。
【図2】図2は、この発明の一実施例による回路基板に接続された、図1に示す検出基板を有する検出装置の断面を示す。
【図3】図3は、この発明の一実施例による回路基板用の読出し回路の略図である。
【図4】図4は、この発明の一実施例による検出装置の作動を示すタイミング図である。
【図5a】図5aは、この発明の一実施例による検出装置のブロック図である。
【図5b】図5bは、この発明の一実施例による検出装置用センサーモジュールの略図である。
【図6】図6は、この発明の第二の実施例による読出し回路の略図である。
【図7a】図7aは、種々のエネルギーレベルの電離放射線に対して感度を有する回路の種々の配列の略図である。
【図7b】図7bは、種々のエネルギーレベルの電離放射線に対して感度を有する回路の種々の配列の略図である。
【図7c】図7cは、種々のエネルギーレベルの電離放射線に対して感度を有する回路の種々の配列の略図である。
【図8a】図8aは、この発明の一実施例によるアイソトープ個人線量計を示す。
【図8b】図8bは、この発明の一実施例によるアイソトープ個人線量計を示す。
【図9】図9は、この発明の別の実施例によるアイソトープ個人線量計を示す。
【図10】図10は、この発明の一実施例による、着用可能なアイソトープ個人線量計を示す。
【図11】図11は、都市環境における放射線監視ネットワークの略図である。
【図12】図12は、無線作動可能な放射線監視ネットワーク展開の略図である。
【図13】図13は、図11と図12とに示す放射線監視ネットワーク用ディスプレイを示す。
【図14】図14は、この発明の一実施例による、検出装置および記録セル構造の略図である。
【図15】図15は、この発明の一実施例による、単一のエネルギー解像度のモザイク状領域を示す。
【図16】図16は、この発明の一実施例による、マルチエネルギー作動を可能にする種々のエネルギー閾値を用いた単線関数の複数の画素を示す。
【図17】図17は、この発明の一実施例による、スーパーピクセルを作成する大きなモザイク状領域を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の一実施例による検出基板2は、その第一面上に、導電材料6によって被覆された半導体結晶4を有する。導電性被覆6は、半導体結晶4上にあり、この検出基板2の使用中は、この半導体結晶4に電離放射線が入射する。図示の例において、半導体結晶4はCdTeであるが、他の適切な半導体材料、例えばCZT, Si, GaAs, CdMgTeを用いてもよい。
【0029】
検出用結晶4の、導電被覆6の反対側の表面には、複数の導電性接触パッド10のアレイが載置されている。各導電性パッド10は、他の接触パッドから電気的に絶縁されている。パッド10のアレイと導電層6とで電離放射線検出ボリューム12のアレイを形成している。図示の例において、50x50の検出ボリューム12のアレイは、複数の導電性接触パッドのアレイからなり、各パッドの寸法は100ミクロン × 100ミクロンである。普通、接触パッドは正方形であるが、例えば三角形、六角形、その他の多角形または円形など、任意の形状でもよい。
【0030】
導電性被覆および導電性接触パッドの両方の導電性材料は、半導体上、特に高Z半導体上へ載置するための任意の適切な材料でよく、例えばアルミニウム(Al)、金(Au)、または白金(Pt)で構成してもよい。
【0031】
図1に示した検出基板2と半導体回路基板14とを備える検出装置13の断面を図2に示す。使用の際、例えば300ボルト(使用する検出基板材料に適切な他のバイアスレベルも使用可)のバイアス電圧を、検出ボリューム12を形成する導電層6と導電パッド10とにわたって印加する。本出願人は、ヴォクサー(voxor)(ボリュームセンサー)という新語を作成し、検出装置およびASICコレクション回路内における3次元エネルギーコレクションセルを備える検出ボリュームの言及に用いることとした。
【0032】
検出装置13に入射する電離放射線8は、検出ボリューム12内に電子正孔対18を形成し(ここでは検出イベントと呼ぶ)、バイアス電圧は正負の電荷をそれぞれ接触パッド10と導電層6へと移動させる。
【0033】
図示の実施例においては、接触パッド10どうし間の絶縁スペースは、例えば窒化アルミニウムなどの非活性化材料で充填されて、接触パッド10どうし間の電気的分離と絶縁とを高める。
【0034】
回路基板14は、読出し回路16のアレイを支持し、検出ボリューム12の数に対応する数の読出し回路16がある。各読出し回路16は、読み出し回路16を検出基板2に電気的に接続するための回路接点22を有する。導体ボンド24が検出基板2を回路基板14に結合して、ハイブリッド検出装置13を形成する。
【0035】
図示の実施例においては、検出基板2の回路基板14への結合は、バンプボンディング(突起結合)によって行う。バンプボンド24は、検出装置と回路基板とを、機械的および電気的に接続する。バンプボンドの機械的強度はしばしば、「下充填」の実施によって、すなわちバンプ間の空隙に低粘度の絶縁エポキシ樹脂を導入することによって高めることができる。バンプボンド24は、例えばスズ-ビスマス混合物のような低温半田からなり、これはCdTe検出装置材料とともに用いることが、この実施例では特に適しており、その理由は、CdTe(およびCdZnTe)は加熱に敏感であって、例えば200℃の高温にさらされた場合、損傷の可能性があるからである。この低温基準を充たすとともにバンプを成長させるのに適した化学物質は、一般産業界から入手可能である。
【0036】
この実施例における読出し基板は、CMOS回路を支持し、ASICとして形成されている。ただし、この発明の実施例は、CMOS ASICに限らず、印刷回路基板(PCB)技術を含む他の基板技術を用いることができる。
【0037】
比較的小さな断面の検出ボリュームのアレイを有することの利点は、「正孔トラップ」の減少である。「正孔トラップ」という言葉は、半導体の禁制帯内における深いレベルに正孔が閉じ込められる現象の記述に用いられる。これは半導体において観察される共通の問題である。その結果、電荷の収集が部分的になると、ガンマエネルギーの解像度が低下する。小ピクセル理論(Barret他[1]およびEskin他[2]の論文参照)によれば、電子に関する信号寄与度は、ピクセル化検出装置など、検出ボリュームの断面の小さい検出装置における正孔の寄与度に対して優勢である。その結果、厚さに対する検出ボリューム側長のアスペクト比が減少し、エネルギー解像度が向上する。これは以下の理論的根拠による。正孔トラップと電界効果とにより、誘発された電荷は、読出し回路入力(すなわち検出基板の導電パッド)に比較的近いところでの相互作用からの電子流に関連する。しかし、正孔は共通のマイナス接点に向かって流れる。その結果、それら正孔の累積寄与は多数の検出ボリュームにわたって分配され、それによって正孔の寄与を単一の検出ボリューム信号から効果的に排除する。正味の効果として、検出ボリュームのアレイからなる検出装置(「ピクセル化された」)のエネルギー解像度は、スラブベースの方法よりも一般的に良好である。
【0038】
ここで図3を参照すると、この発明の一実施例による読出し回路16用の概略回路図が示されている。この実施例において、読出し回路16は、直接、線量検出放射線検出基板2から受けた電荷パルスを集積するためのコンデンサ回路を含むCMOS集積回路である。
【0039】
この電荷集積回路30は、3個のコンデンサ、すなわち、可変コンデンサCd 32および他の二つのコンデンサCpA 34, CpB 36を含む。また、この電荷集積回路は、コンデンサCd, CpAおよびCpBをそれぞれ放電するためのリセットスイッチ38, 40 および42も含む。スイッチ44および46が操作されて、コンデンサCpAおよびCpBをそれぞれコンデンサCdに接続することができる。各コンデンサはコンデンサ要素回路を含み、これは例えば、個別コンデンサ要素であってもよいし、または他の回路要素の寄生コンデンサを含んでもよいし、または個別コンデンサおよび寄生コンデンサの組合せでもよい。これらコンデンサはまた、抵抗回路要素を含み、これらも個別コンポーネント、寄生コンポーネント、または両タイプの組合せでもよい。
【0040】
コンデンサCdは、バンプボンド24によってCdTe検出基板2に接続された回路接点22と、この実施例ではアースである基準電位との間に接続されている。回路の実施状態次第で、アース以外の基準電圧が使用可能であることは、当業者には明白であろう。
【0041】
この電荷集積回路は二つのモードで作動されてもよい。第一のモードにおいては、スイッチ44を閉じてCdとCpAとを共に接続し、単一検出イベントによる電荷の捕捉に適したコンデンサを形成する。この実施例においては、第一のモードにおける総静電容量は150 fFである。
【0042】
第二の作動モードにおいては、スイッチ44を開いて、Cdの値を増やし、スイッチ46を閉じてCdをCpBに接続することにより、大静電容量を形成する。この実施例においては、スイッチ46を開放のままとしてCdのみに充電し、それ以前にCpBに蓄えられた電荷の読出しを可能にする。CpBの読出しが完了すると、スイッチ46を閉じ、CdとCpBとによって全第二モード静電容量を形成する。CdとCpBとによって形成された第二モード静電容量は、対応する検出ボリュームにおける数回の検出イベントに対応する電荷を集積するのに十分な大きさである。この実施例においては、CdとCpBとによる組合せ静電容量は300 fFである。
【0043】
この実施例においては、CdとCpBの容量は同じである。これによる利点は、結果的にコンデンサと読出し線抵抗からなる時定数が同じになり、コンデンサ放電時間そしてここに読出し時間のバランスが容易になることである。
【0044】
説明的な例を示すのみの目的で、読出し回路16の作動は、クロック率を1 MHzとし、読出し回路16のアレイを50×50(2500)として説明する。かかる作動パラメータにより、読出し回路当たりの理論的最大総電荷集積時間は2.5ミリセカンドとなるが、実際にはこの程度の時間は種々のコンデンサのリセット作業など、「ハウスキーピング」回路に用いられる。読出し回路16の作動は、4 Gy/hrまでの電離放射線フラックス密度曝露率に関して説明する。ここで説明するフラックス密度範囲に関しては、可変コンデンサCdは50 fFから200 fFまで調節可能とする。その他のフラックス範囲に関して、Cdの容量の可変範囲が相応に修正可能であることは明らかである。光と電子の相互作用に起因する電荷を収集するのに十分な静電容量が必要である。これは、入射光子のエネルギーと、この与えられたエネルギーにおける検出装置材料の質量輸送係数と、当該材料の電子正孔ペアの生成に必要なエネルギーと、に依存する。
【0045】
コンデンサCdの50ないし200 fFの範囲は、検出基板寄生コンデンサを含み、このうちCdTe基準の検出基板2に関しては、寄生コンデンサは約30ないし50 fFである。スイッチtrA, trB, rstAおよびrstBは、MOSFETトランジスタスイッチであるが、他のスイッチ手段、例えば他の形式のトランジスタスイッチを用いてもよい。図示のように、スイッチtrAおよびtrBは、コンデンサCpAおよびCpBをそれぞれCdにスイッチ接続し、スイッチrstAおよびrstBは、コンデンサCpAおよびCpBをそれぞれ放電するために、アナログ基準接地電圧などの基準電圧にスイッチ接続する。
【0046】
出力バッファ48および50は、電荷集積回路30の「A」アームと「B」アームとにそれぞれ接続されている。各バッファ48および50は、アームAまたはアームBのコンデンサから得られる信号を出力バス「ラインアウト」52へ出力するように制御可能である。出力バス52は、それぞれCpAおよびCpBの出力からの線に関して二線バスである。
【0047】
出力バッファ48および50は、単純な3状態バッファ回路でよいが、オプションとして前置増幅回路を追加してもよい。
【0048】
一実施例において、出力バッファ48および50は、二段増幅器として構成され、ラインアウト52に接続された第一段電荷増幅器と第二段差動増幅器とを含み、当該増幅器用の基準を、基準ダミー読出し回路、すなわち非接続読出し回路から取っている。これにより、温度変化のようなASIC関連オフセット条件に関して相対的な増幅が可能になる。コンデンサCpAおよびCpBからの出力は、二段増幅器48及び50の電荷増幅器にそれぞれ供給され、バス52への入力に適したパルスが生成される。次にこの出力は、検出基板に接続されていない読出し回路構造からの基準インプットとともに、二段増幅器48および50の各ライン基準差動演算増幅器への入力を形成する。これらライン増幅器からの出力は次にアナログ・ディジタル変換インターフェイス回路に受信される。増幅器48および50は、各コンデンサCpAおよびCpBに集積された電荷の量に比例した大きさまたは高さをもつパルスを生成するように構成されている。増幅器は、コンデンサからの鋭いピークのあるパルスを処理するため高周波応答性を有するとともに、パルスに対する高い入力インピーダンスとリニア応答性とを有する。
【0049】
ここで読出し回路16の動作を、図4のタイミング図および図3の回路略図を参照して、説明する。
【0050】
読出し回路16を作動させて、対応する検出ボリューム12における単一の検出イベントによって生じる電荷を捕捉するための、アームA用の電荷捕捉ウィンドウを提供する。同じく読出し回路16を作動させて、対応する検出ボリューム12における複数の検出イベントによって生じる電荷を捕捉するための、アームB用の電荷捕捉ウィンドウを提供し、複数の検出イベントに対応する電荷を読み出す。
【0051】
図4のタイミング図において、一番上の軌跡Cdは、長い電荷集積時間66と短かい電荷集積時間64とにそれぞれ対応する大きい値の静電容量と小さい値の静電容量との間での、コンデンサCdの切替えを表わす。
【0052】
時刻60において、Cdは50fFに同調され、スイッチtrAのスイッチ制御信号67は高となってスイッチtrAが閉じ、リセット信号rstA 68とrstB 70とをパルス化してコンデンサCdとCpAとをリセットする。リセットパルス68と70とに続いて、短い集積ウィンドウ64が約10ないし700ミリセカンド開く。
【0053】
短い集積期間中、スイッチ信号72は低となり、スイッチtrBをオープンに保持することによって、コンデンサCpBを検出基板から絶縁する。短い集積期間64が終ると、74でスイッチ信号67が低になり、スイッチtrAを開き、コンデンサCpAを絶縁する。次に、図4に80で示すように、CpAからバスライン52(A)への読出しが開始される。
【0054】
Cdを大静電容量値200 fFに同調し、リセットパルス76をリセットスイッチrstDに送ってCdを放電すると、長い集積ウィンドウが開始される。次に78で長い集積ウィンドウが開始され、複数の放射線検出イベントに対応する電荷がCdに蓄積される。短い集積期間が終った時点で、先行するCpBの読出し82がまだ続いているので、電荷は当初Cdのみに蓄積され、先行するCpBの読出しが終るまで待機するデッドタイムを避ける。先行するCpBの読出しが終ると、84で、リセットパルス86をリセットスイッチrstBに送り、信号72を高にしてスイッチtrBを開き、CpBをCdに接続する。CpBとCdとの組合せコンデンサは、次いで、現在の集積サイクルが終るまで電荷の集積を続ける。
【0055】
Cdの大静電容量値200 fFとCpBの固定値100 fFに関して、Cdは、CdとCpBとで構成される総静電容量の3分の2である。従って、Cdの飽和を避けるため、長い集積ウィンドウの最後の3分の1の開始前にCpBをリセットしなければならない。
【0056】
スイッチ信号72が低になってスイッチtrBを開き、長い集積電荷ウィンドウ66を閉じ、CpBの読出しを再開する。2.5ミリセカンドの充電サイクルが終ると、88で、可変コンデンサが小さい値に切替えられ、充電サイクルが繰返される。
【0057】
上記のように、電荷集積がインターリーブされ、コンデンサアームAおよびBに関して蓄積された電荷値のための十分な読出し時間が与えられる。同じ理由により、短い集積ウィンドウは700ミリセカンド未満としなければならない。このアプローチによって、回路の合計「デッドタイム」は極小となる。
【0058】
電離放射線検出装置100の例に必要なシステムモジュールを図5(a)に示す。入射放射線をディジタル信号に変換する役割を果たすシステムモジュールを、「センサモジュール」101として示す。このセンサモジュールは、放射線検出装置13(検出基板2に結合されたASIC回路基板14)と、制御インターフェイスを提供するために必要なロジックを有する多数の支持チップ104とを含む。センサモジュール内に含まれる種々のコンポーネントの展開図を図5(b)に示す。
【0059】
ASIC回路14から受信したアナログデータは、図5(b)に示すA/Dコンバータ272によってディジタル形式に変換される。このA/Dコンバータは2チャンネルを有する。変換結果は、シリアルモードのコネクタとデータバス106を介してインターフェイスモジュール107上のプログラマブルロジック108へ転送される。プログラマブルロジック108は、放射線データをメモリ112に保存し、インターフェイスでマイクロコントローラ110に接続する。マイクロコントローラ110は、電離放射線検出装置100の全ての要素、例えばメモリ管理(102)、ディスプレイ(116)、通信(118)、ユーザーインターフェイス(120)などを制御する。マイクロコントローラ110は更に、EEP-ROM 114内に保存されたプログラムによって構成されている。通常、プログラムロジック108はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FGPA)として構成されている。ASICを制御するためのインターフェイスロジックを含むことに加えて、FPGA 108は通常、デバイスキャリブレーションアルゴリズムの実行を含み、これによって、短い変換値と長い変換値とが直接、入射光子エネルギーと累積曝露線量とにそれぞれ確実に関連付けられる。マイクロプロセッサ制御110のもとで、短い集積キャリブレーションされた値は、累積正規化スペクトルの形成に用いられ、最近の過去からの情報を取入れる。キャリブレーションされた長い集積値は、線量率の見積りと、履歴期間にわたって受信した放射線の累積量との形成に用いられる。累積線量計算の開始点は、プログラムによる。線量率情報は、単一イベントの捕捉可能性を維持するため、短い集積期間の長さの調節に用いられる。スペクトル情報はアイソトープによる同定の根拠として用いられる。これは、マイクロプロセッサを制御することによって、または外部の処理パワーを用いて、装置外で行うことができる。
【0060】
マイクロコントローラ110からのデータは、通信モジュール118を用いて遠隔地へ送信することができる。この通信モジュール118は、有線通信モジュールでも無線通信モジュールでもよく、普通はBluetoothなど、低出力無線通信が適しているローカルエリアネットワークである。オプションとして、より広い地域には有線通信でもよく、通信モジュール118は、携帯電話トランシーバなど、高出力無線ユニットで構成するか、またはローカル短距離無線リンクを介してそのような装置に接続する。
【0061】
電離放射線検出装置100はまた、ユーザーインターフェイス120を含み、これはユーザーに対して、オンオフ機能等の、装置への入力制御と、種々の情報を表示するためのオプションを提供する。
【0062】
センサモジュールの構成要素は低電力が普通であり、このことは携帯用検出装置にとって特に重要であり、放射線が存在しないとき電力消費を極小にするため省電力技術を用いる場合、特に有利である。
【0063】
検出基板4に生じる電荷の記録と測定のため、図3と図4とを用いて上記に説明した技術と異なる技術を用いることができる。この技術においては、図3に示した電荷集積回路16を、図6に示すように、光子計数回路140と入れ替えている。一実施例において、接触パッド22を介して、対応する検出ボリューム12から受信した電荷に対応する電流パルスは、前置増幅器142へ入力される。この電流パルスは、前置増幅器142によって増幅され、この前置増幅器142は、検出ボリューム12が生成する短くてピークの高い電流パルスを処理するため、高速応答特性を有する。
【0064】
増幅された電流パルスは次に、パルス整形増幅器144に入力される。図示のように、この増幅器は、増幅器の特性を変化させたかも知れないミスマッチエラーを補償するための入力を含む。ミスマッチエラーは、シリコンチップを構成する種々の層の小さな不整合によって取込まれる。整形された電流パルスは次に閾値ユニット146に入力される。
【0065】
この閾値ユニット146は、高と低の二つの閾値レベルを有し、これらは予め設定またはプログラムし、または回路の使用中に変化させることができる。これら閾値レベルを用いて、最低と最高の電流レベルを設定し、閾値レベルによって設定された範囲に入る任意のパルスが、閾値ユニット146から計数回路150への出力パルス148を誘発する。
【0066】
計数回路150は、任意の適切な回路構成でよい。そのような回路が提供する最大計数は、検出装置が意図する具体的な用途次第であるが、カウンタが読み終わる前にカウンタが飽和することを避けるため、普通は8ビットないし10ビットのカウンタで十分である。光子計数に関する回路構成の例は、次のURL−http://medipex.web.cern.ch/MEDIPEX/、およびCERN(the European Organisation for Nuclear Research: 欧州核研究機構)R&D、(住所:1211 Geneva, Switzerland,この組織では、医療用映像に光子計数回路を用いている。)によって行われているMEDIPEXプロジェクトから見出せる。
【0067】
この発明の一実施例において、図1に示したように、光子計数回路140のアレイが検出基板2に接続され、各光子計数回路140は検出ボリュームのアレイの各検出ボリューム12に結合されている。光子計数回路140の閾値ユニット146は、入射放射線に関するスペクトル情報またはアイソトープ情報を提供するように構成することができる。
【0068】
閾値レベルの設定は、閾値ユニット146が、特定のタイプの放射線に、例えばU235源またはCs137源からの放射線に、対応する入力電流パルスのみに関してパルス148を誘発するように設定することができる。このようにして、入射電離放射線の性質又はアイソトープ源を判定することができる。
【0069】
光子計数回路を有するASIC 14を備える検出装置モジュール2を、多くの異なる方法で駆動し、入射放射線に関するスペクトルデータを生じることができる。
センサ動作の一般的な三つの例を次に説明する。
【0070】
1)順次フレームスキャニング
a. 漸進的
b. 最適化サーチ
2)領域チューニング
a. ダイナミック
b. 固定
3)ダイナミックピークサーチ
【0071】
1)a. 順次フレームスキャニングにおいては、二つの閾値パラメータを、ASIC 14の各連続フレーム読出しに関して調節する。これにより、各フレームは電離放射線スペクトルの異なる部分にウィンドウを設定することができる。ウィンドウ設定は漸進的とすることができ、連続する各ウィンドウは、前のウィンドウのエネルギースペクトルを増分したものである。このようにして、多くの公知のアイソトープ同定アルゴリズムの一つを用いた従来の方法で、特性ピークから、エネルギースペクトルが導出され、アイソトープが同定される。
1)b. 代替的に、順次フレームを同調して、スペクトルの最も識別的な部分を分離することができる(最適化サーチ)。そのような領域において見出されるピークおよび相対的ピーク高さは、多数のポテンシャル/アイソトープを除外し、最適化サーチアルゴリズムにより、電離放射線源としての正しいアイソトープの迅速な同定を可能にする。
【0072】
2)a. 逐次フレームスキャニングの一バリエーションは、ASICの異なる部分をスペクトルの異なる部分に同調させることである。領域チューニングと呼ばれるこの方法には、明らかにスペクトルの複数領域の併行サーチという利点がある。これは複数のフレームスキャニング装置を同時に用いることに等しい。もちろん、併行サーチは感度を犠牲にして得られる。その理由は、スペクトルの異なる部分をサーチしている面積は、検出装置全体から、当該検出装置の同調領域に縮小されるからである。これを推奨すべきか否かは、入射フルエンスレベルと検出装置の総面積とに依存する。
2)b. 領域チューニングの可能バリエーションの一つは、同調領域を特定のASICに固定すること、すなわち、ASICを特定の単数または複数のアイソトープ専用にすることである(領域チューニング固定)。そのような装置からの多重の出力を同時に用いて、最も確率の高い入射放射線源の判定に用いることができる。
【0073】
3) ダイナミックピークアプローチは、大まかな精製から細かな精製へのアプローチを採用して、結果的スペクトルを導出する。当初は、ウィンドウレベルを、エネルギースペクトルの比較的大まかで広い領域に設定する。これをダイナミックに精製するため、エネルギー幅を縮小し、追加の詳細スペクトルを出現させる。
明らかに、以上に略記したサーチ手順は、互いに排他的でもなく、すべてを網羅するものでもない。むしろ、種々のアプローチがアルゴリズム的ツールボックスを提供し、これを適当に混合し適合させて、特定の用途に関して最も効率的なアイソトープ同定メカニズムを提供することができる。
【0074】
図7は、センサーアレイと回路基板アレイとが、異なるエリアをもち、それらがスペクトルの異なる部分に接続されている様子を示す。各番号「1」,「2」, 「3」および「4」は、それぞれスペクトルの各部分に設定された光子計数回路を表わす。図7(a)では、異なる閾値の計数回路が、個別回路基準で並べられている。図7(b)ではクラスタごとに、図7(c)では線形アレイとして並べられている。エネルギー領域は、固定または同調可能である。
【0075】
図3と図4とを参照して説明した電荷集積回路、または図6を参照して説明した光子計数回路を用いる検出装置100の一つの用途は、個人的線量計である。個人的線量計の製品の一例を図8に示す。図示の個人的線量計180は、アイソトピック・パーソナル線量計[登録商標](IPD)と呼ばれているが、それは異なる電離放射線エネルギーどうし間の区別ができるという事実に依拠する。この線量計の電源は電池であり、従来の乾電池または充電式電池のいずれでもよい。
【0076】
そのようなIPDは、テロリストの襲撃または核事故をこうむった危険な状況に最初に対処し入る可能性のある緊急業務人員または他の人々によって用いられる可能性があり、従って上記製品は国土安全保障または英国レジリアンス機構(UK Resilience organizations)にとって特別に有用である。その他の人々によっても用いられる。
IPDの特別な長所は、小型軽量で手持ちまたは着用が可能なことである。
IPDを設計する放射線監視および検出基準は、ANSI n40台の;警報(n42.32)、型式2(n42.33)、およびアイソトープの同定(n42.34)を含む。
【0077】
側面から見ると、装置180をコントロールするための起動ボタン182が見える。一実施例において最初のタッチで装置180が起動し、周囲の放射線を検出し、表示し、出力を読み出すのに十分な5秒間、ディスプレイ(LEDまたはLCD)が点灯し、装置は「省電力」モードになる。5秒以内にボタン182へ二回目のタッチを行うと、表示情報のフォーマットが変化する。
【0078】
ディスプレイ184を、装置180の正面図に示す。図示の配列では、明るいグレイ領域186からダークグレイ領域188が、カラーLEDが、グリーンから黄色、オレンジ色を経て最後に赤になることを表わす。グリーンのディスプレイは放射線の安全レベルを表わす一方、赤は放射線の危険レベルを表わす。第二のディスプレイ190が電池充電レベル192と装置識別番号194とを示す。
【0079】
検出モデル13へ放射線を進入させる放射線ウィンドウを符号196で示す。ディスプレイと放射線窓の一つのオプションとしての配列を図8(b)に示す。
【0080】
この発明の実施例の他の適用例として、保健および核物理環境における人員および領域放射線監視がある。そのような用途のために設計された製品の例を図9に示す。
【0081】
この装置200は、小型軽量に設計され、約50ないし60グラムで、不快感なく携帯または着用でき、また、容易に壁または入り口に取り付け可能である。ケーシング202は耐久性で高抵抗のABS樹脂製で、軽量かつ丈夫である。コントロールスイッチ204は装置の上側にディスプレイ206に沿って取付けられている。このコントロールスイッチは、図8を参照して上記に説明したコントロールスイッチと同じ機能を持つものでよい。
【0082】
図示の例において、この装置はIDカード208としても機能するという二重の機能を有し、ID機能を監視機能にロックする。保健および核物理においては、リアルタイムの線量および線量率の監視は、履歴線量の記録とともに重要である。従って、この装置は、装置が安全レベルを超える線量または線量率を検出した場合の聴覚および視覚アラームを備えるのみならず、ある期間にわたって検出された線量の履歴記録を維持するための内部メモリも備えている。例えば、線量記録は、ヒストグラムの各コラムを一日または一週間あたりの線量として、ヒストグラムの形で保存することができる。線量の記録は、装置200の追加のID機能によって特定の個人に結びつけることができる。
【0083】
この監視装置200は普通、作動範囲が5 KeVないし6 MeV、電池寿命が約5年、例えば10000作動時間である。この装置は、放射線量および放射線量率、例えばHp10相当の深部線量の測定、記憶、および表示を行い、毎時400レントゲンまでの線量に関して線形応答を示す。Hp10はIEC 61526(国際電子技術委員会61526)によって定義され、胴体に着用する線量計を含む最初の国際基準である。この基準は、Hp(10)とHp(0.07)の使用を導入した(深部組織および浅部組織同等線量)。
【0084】
この装置はまた、充電レベルを判定するための自己テスト電池を備え、検出装置および他の動作パラメータを自己テストし、装置がその正しい動作パラメータから外れて作動している場合、ユーザーに警告するようになっている。
【0085】
この装置の特に有用な特徴として、テレメータユニットまたはインターフェイスユニットがあり、これにより、装置内に記憶されている線量データを線量計リーダへダウンロードができ、この線量計リーダは、装置によって記録された放射線量の集中的な記録保持と監視を行うために中央コンピュータシステムへ接続される。集中コンピュータシステムの遠隔アップデート用の無線通信ユニットを備えることも可能である。
【0086】
着用可能な製品の一例を図10に示す。図10に示す装置は、図8に示した線量計180の着用可能版であるが、図9に示した検出装置を着用可能に構成してもよい。一実施例において、この装置はリストストラップ210を用いて着用するように構成し、保持部材212と214とで所定位置に保持する。故障した装置の交換または電池交換などのサービスを容易にするため、保持部材212と214とが、装置180を着脱可能に保持すれば極めて有利である。装置180は、装置200に関して説明した特徴の多くを備えている。しかし、着用可能な装置における特に有用な改善は、位置検出装置である。例えば、全地球測位システム。これにより、装置のユーザーはその位置を監視させ、装置位置の記録を、放射線量記録に関連付けさせることができる。遠隔線量計ユニット、特に無線遠隔線量計ユニット、を備えた装置においては、放射線量情報と位置情報とを中央制御ステーションへ送信し、放射線レベルと位置監視とをリアルタイムで提供することが可能であろう。このことは、いわゆる「核実験痕跡追跡」解析において特に有用である。
【0087】
図8ないし図10を参照して説明した線量計と放射線検出装置とは、個人または人員放射線監視に限る必要はなく、広域に配置して広域環境放射線監視および検出を提供することができる。
【0088】
例えば、国土安全保障用途または対テロリストシステムの一部として、図11の略図に示すような都市環境220全体に、線量計を配置することができる。この都市環境には、多数の建物222、その他、街灯224、交通信号226など、都市に典型的な構造物がある。検出装置100は、種々の都市構造物に取付け、接続は例えば、電話システム228を介して、または例えば携帯電話システムを介して無線で、または他の無線通信システムを介して、制御監視センタ230に行うことができる。そのような配置が、広域放射線検出および監視ネットワークを形成する。このネットワークは、制御監視センタ230に無線接続された検出装置100を着用した警備員または警察人員232によって強化される。
【0089】
放射線レベル、線量、および線量率は、各検出装置100から制御監視センタに送信し、センタは都市環境220全体の放射線レベルのマップを作製することができる。静止装置は、特定の場所に関連づけられた固有識別によって自己を証明し、それによって制御監視センタは各装置の位置を知ることができる。実際に、各装置に位置検出回路を取付けて、その位置を制御監視センタへ送信することができる。
【0090】
警備または警察人員が着用している装置100は例えば位置検出回路を備え、これら人員が都市環境内を移動する際、着用している装置の位置が制御監視センタ220へ送信されるようになっている。
【0091】
装置を着用している警備または警察人員の特別な利点は、特に規制されている、または危険な物質から発生する、特定のタイプのエネルギーに装置が応答するように構成されている場合、街路における犯人の臨機発見が可能なことである。例えば、核事故を起こさせようとしている、またはU235チップ弾を所持している可能性のある犯人またはテロリストは、対応する放射線を発するであろうから、これを検出装置でピックアップすることができる。適当な警報装置によって、そのような放射線の存在を警備人員に警告し、警備人員は放射線を発している人物を識別し、拘留することができる。
【0092】
図12は、この発明の別の用途を示す略図である。この用途では、着用可能な線量計と検出装置100を、緊急サービス隊員240が用いることを想定している。すべての検出装置100は、制御監視センタ230に接続された無線通信ユニットを備えている。普通は、制御監視センタは、緊急事態が発生した地域に近いまたは隣接する移動可能ユニットであり、例えばbluetoothネットワークを介した、比較的低電力の無線通信を用いることができる。
【0093】
図示の例においては、危険な放射線源242が放出される核事故が起こっている。例えば、事故によって放射線源242が曝露され、その結果発生した火災に対処する緊急対策隊員240が動き回ると、彼らが曝露される放射線は監視され、そのレベルは制御監視センタ230に中継される。この例においては、着用者の位置が監視されるとともに、放射線レベルの読取りに付随する位置情報が記録されるように、各検出装置100に位置検出回路を備えることが望ましい。
【0094】
装置100に双方向データチャネルを設け、指示や命令が制御監視センタ230から着用可能な装置のユーザーへ送信でき、例えば危険なレベルの放射線が存在する領域から立ち退くようにそれらユーザーに指示できれば、極めて有益である。
【0095】
図11と図12とに示した両ネットワークに関して、制御監視センタ230は、ネットワーク全体で監視される位置と放射線レベルとを自動的に表示するシステムを備えている。そのようなディスプレイの一例を図13に示す。このディスプレイは、陰極線管またはLCDフラットパネルモニタ上の画像表示でよい。装置のIDと線量との表示枠(indicia)252が監視装置250に表示されている。表示には種々のモードがある。例えば、線量と位置との連続アップデートを表示枠252に提供し、各装置と現在の放射線レベルとの動的追跡を行うようにすることができる。オプションとして、前に表示された表示枠を続けて表示し、個別ユニットの動きと放射線量とを監視してもよい。これは「核実験痕跡解析」をアシストするであろう。更に、制御システムの使用者は、特定の検出装置の着用者が危険領域に向かって移動しているか否か判断し、着用者たちと音声チャネルを介して交信し、彼らに方向を変えるように指示することができる。
【0096】
他のディスプレイ構成と解析とが採用可能であることは、当業者には明らかであろう。
【0097】
この発明の特定の実施例の上記説明に関して、上記に対する種々の追加、修正、および変更が想定可能であることは、当業者には理解できるであろう。
【0098】
この開示の範囲は、明示または暗示またはその任意の一般化であっても、それがクレームに記載される発明に関するか、またはこの発明の対象である任意またはすべての問題を軽減するか否かにかかわらず、ここに開示された任意の新規特徴または特徴の組合せを含む。当出願人は、この出願書類またはそこから派生する追加の出願書類の手続き中に、そのような特徴に対して新しいクレームを公式化することがあることをここに通告する。特に追加のクレームに関して、従属クレームからの特徴を独立クレームからの特徴と組合せることがあり、各独立クレームからの特徴を任意の適当な手法で、各クレームに列挙した特定の組合せに限らず、組合せることがある。
【0099】
文献
1. H.H. Barrett, J.D. Eskin and H.B. Barber, Phys. Rev. Lett. 75 156(1995)
2. J.D. Eskin, H.H. Barrett and H.B. Barber, J. Appl. Phys. 85 647(1999)
【0100】
この発明の更に別の実施例も以下に説明する。以下に開示する特徴を前記実施例の特徴に組合せ、または後者を前者に組合わせて、この発明の更に別の実施例を形成することができる。
【0101】
キャリブレーションされた半導体ベースの高エネルギー放射線監視および測定装置および関連するリアルタイム監視システム。直接結合方法を用いて結合された検出基板/層および半導体記録層からなるハイブリッドシステムを用いた半導体検出装置に基づく装置。半導体ハイブリッドは、六角形または長方形のピクセル検出セルのアレイを放射線を感知する基板上に置いたもので、各セルは入射放射線に応答して電子正孔ペアによって電荷を発生し、電荷は電極を用いてバイアスを印加して収集される。半導体基板は、ピクセル化された検出層基板に合致するピクセル化されたアレイからなる。検出基板と半導体基板との組合せまたはハイブリッド化は測定目的の一つのピクセルセルに相当し、各ピクセルは既知の放射エネルギーのフラックスと光子カウントに対してキャリブレーションされる。
【0102】
各ピクセルセルは、入射電離放射線に直接起因する電化蓄積回路または光子計数回路からなる。各ピクセルセルは、測定された入射放射線量または入射に関するキャリブレーションされた既知の出力を可能にするための、関連する読出し回路とキャリブレーション回路とを有する。
【0103】
光子計数回路の場合、各ピクセル、ピクセルの線、またはピクセルの特定領域に、独立に複数のエネルギー閾値限度を定義することができる。各ピクセル、線またはエリアを、ピクセル基準、線基準、またはエリア基準で独立的に画成可能である。関連する回路は、入射放射線をリアルタイムで測定し監視できるようにリセット可能である。各ピクセルセルは入射光子の属するエネルギーレベルを判定し、必要に応じてカウンタを増分することができる。
【0104】
電荷集積回路の場合、各ピクセルは、高フラックスバーストの測定と監視を可能にするため、十分な電荷搬送能力を有する。集積用回路は、単一光子の相互作用の結果が電荷収集となるように構成される。その場合、結果的に各ピクセルに保持される電荷は、多スペクトル読出しへ変換可能である。
【0105】
画成された各検出セルは、このようにして、リアルタイムのマルチエネルギースペクトル読出しが可能である。装置に取付けられるものは、メモリおよび/またはディスプレイ用インターフェイス、監視および記録システムへの固定された接続または無線接続、および関連ソフトウェアであり、監視および測定装置への放射線の入射のリアルタイム記録および履歴記録を可能にする。
【0106】
以下の番号付きパラグラフに、この発明の実施例のその他の局面と実施の形態とを列挙する。
【0107】
1) 画成した記録セルのアレイを用い、監視または測定すべき電離放射線に応じて1個または複数の検出基板を備える、放射線監視および測定用ハイブリッド半導体装置。検出基板は電荷生成によって電離放射線を直接記録する六角形、八角形、または長方形の複数の検出領域または複数のセルの一つのアレイに分割された。検出基板は、対応するセルタイプ構造を有する、半導体記録または読出し回路に直接接続されている。このようにして、検出層と記録層との組合せが電離放射線と装置の上/中のエリアとの相互作用のユニークな記録を形成する。
【0108】
読出し/記録セルは、画成された「検出装置セル」内の電離放射線の相互作用の直接的結果である累積電荷または光子活動をそれぞれ測定する一つの回路を有する。これは更に、閾値レベル検出回路を用いた相互作用のエネルギーによって、および前記回路をストライプ、ブロック、またはセルグループに結合し、層を上る又は下るステップを有することによって、記録可能である。
【0109】
この記録回路は更に、監視および測定に関する計数または蓄積電荷を、外部回路に対する読出しを制御および管理するための電子回路を備える。検出構造と関連電子回路との構成は、一時的な高エネルギーピークを、飽和することなく十分に記録できるような回路設計であるように行う。
【0110】
2) パラグラフ1の半導体ハイブリッドは、各セルがイベント記録能力においてユニークと見なされるように、絶縁材料を含むことによって、各セルが画成され分離されるような特性を有するであろう。これは、セルを電気的に他のセルから絶縁することも含む。
【0111】
3) 画成された記録用セルのアレイを用いたパラグラフ1のハイブリッドの構造、そのような装置は、監視または測定すべき電離放射線に従って1個または複数の検出基板からなる。検出基板は電荷生成によって電離放射線を直接記録する六角形、八角形、または長方形の複数の検出領域または複数のセルの一つのアレイに分割された。検出基板は直接、対応するセルタイプ構造を有する、半導体記録または読出し回路に接続されている。このようにして、検出層と記録層との組合せが電離放射線と装置の上/中のエリアとの相互作用のユニークな記録を形成する。
【0112】
読出し/記録セルは、定義された「検出装置セル」内の電離放射線の相互作用の直接的結果である累積電荷または光子活動をそれぞれ測定する一つの回路を有する。これは更に、閾値レベル検出回路を用いた相互作用のエネルギーによって、および前記回路をストライプ、ブロック、またはセルグループに結合し、層を上る又は下るステップを有することによって、記録可能である。
【0113】
この記録回路は更に、監視および測定に関する計数または蓄積電荷を、外部回路に対する読出しを制御および管理するための電子回路を備える。検出構造と関連電子回路との構成は、一時的な高エネルギーピークを、飽和することなく十分に記録できるような回路設計であるように行う。
【0114】
4) パラグラフ1ないし3のピクセルセル記録構造は、一つのグループにまとめてモザイク状の記録領域にすることができ - これはピクセル記録セルの線または領域(スーパーピクセル)とすることができ - 1個または複数のモザイク状の領域が任意の時点においてエネルギーを登録中である一方、他の領域が読出しモードであるように、時間基準のシーケンスで作動させることができる。
【0115】
5) パラグラフ1ないし4のピクセル記録セル構造、またはモザイク化、またはグループは、それに関連する複数のエネルギーレベルで定義される、複数のエネルギー閾値をもつことができる。
【0116】
6) パラグラフ5で定義した閾値は、ハイブリッドエレクトロニクスの回路内で固定しても、動的に変化させてもよい。
【0117】
7) パラグラフ1ないし4のピクセルセル記録構造、またはモザイク化、またはグループは、電荷収集が単一の光子相互作用に対応するように構成してもよい。
【0118】
8) パラグラフ7で定義した記録セルは、蓄積された電荷を入射光子エネルギーに関連付ける回路を含んで構成することができ、このプロセスの機能をパラメータ化することができる。
【0119】
9) パラグラフ7で定義した記録セルは、蓄積された電荷を入射光子エネルギーに関連付けるプロセスが、記録セルの外部で行われるように構成することができる。
【0120】
10) パラグラフ4で定義したスーパーピクセルは、複数の閾値のセットを持つこともでき、あるいは、異なる閾値の複数の領域に細分してもよく、究極の領域は単一のピクセル記録セルである。これにより、感度のために空間解像度を犠牲にしてもよい。
【0121】
11) 半導体は、他の電子部品とともに装置に内蔵され、ブルートゥースまたは無線ネットワーク能力または他の通信方法を用いて検出基板上の入射放射線の記録をリアルタイムで送信する能力を有する。更にこの装置は、時間と強度に関して情報をメモリに記憶し、便利な時間にベースステーションまたはクレードルアセンブリにおいてダウンロードすることができる。前記クレードルはまた、バッテリ充電プラットフォームの基礎ともなる。
【0122】
12) 記録装置または装置パッケージは、電源から遠隔作動可能であり、電池を電源とすることができる。
【0123】
13) パラグラフ10のパッケージ化された装置は、コンピュータシステムの一部を構成し、これがリアルタイム基準の記録に用いられるとともに、ある期間にわたる放射線の線量と強度との履歴的記録をも提供する。パラグラフ4の各装置は、固有の自己証明を有する。
【0124】
なお、以下の態様が可能である。
態様1:
入射電離放射線に応じて電荷を生成する検出基板であって、電離放射線検出ボリュームのアレイを形成するように構成される検出基板と、
前記検出ボリュームのアレイに対応する読出し回路のアレイを支持する回路基板とを備え、
前記各読出し回路は、対応する検出ボリュームから電荷を受取るための第一と第二の電荷集積モード間で切替え可能であり、前記第一の電荷集積モードにおいて対応する検出ボリューム内での単一の電離放射線検出イベントの検出に対応して電荷を集積するように構成されるとともに、前記第二の電荷集積モードにおいて前記対応する検出ボリューム内での複数の電離放射線検出イベントの検出に対応して電荷を集積するように構成される電荷集積回路を含む、
電離放射線監視用アセンブリ。
態様2:
前記各読出し回路が第一と第二の容量を備え、前記各読出し回路が、それぞれ第一と第二の容量に電荷を集積するための第一と第二のモード間で切替え可能である、
態様1に記載のアセンブリ。
態様3:
前記第一の容量が、前記対応する検出ボリューム内での単一の検出イベントに対応する電荷の集積の統計的可能性を提供するのに十分なように構成されている、
態様2に記載のアセンブリ。
態様4:
前記第二の容量が、前記対応する検出ボリューム内での複数の検出イベントに対応する電荷の集積の統計的可能性を提供するのに十分なように構成されている、
態様3に記載のアセンブリ。
態様5:
前記第二のモードにおける前記容量が、第一のコンデンサと第二のコンデンサとを備え、前記アセンブリは前記第一のコンデンサのみに電荷を蓄積するように作動し、また、前記第一のコンデンサの飽和に近いより大きな容量を提供するため、前記第二のコンデンサを前記第一のコンデンサに切替え可能に接続するように作動する、
態様2ないし態様4のいずれかに記載のアセンブリ。
態様6:
前記読出し回路が、前記第一と第二のモード間の切り替え手段を備える、
態様1ないし態様5のいずれかに記載のアセンブリ。
態様7:
前記読出し回路が、それぞれ前記第一と第二の容量に蓄積された電荷を読み出す回路構成を備える、
態様1ないし態様6のいずれかに記載のアセンブリ。
態様8:
前記回路が、前記容量の電荷の読出しに続いて、前記容量を放電させるためのリセット回路構成を備える、
態様1ないし態様7のいずれかに記載のアセンブリ。
態様9:
電離放射線監視用のアセンブリであって、
入射放射線に応じて電荷を生成する検出基板であって、電離放射線検出ボリュームのアレイを形成するように構成される検出基板と、
前記検出ボリュームに対応する読出し回路のアレイを支持する回路基板とを備え、
前記第一の読出し回路は、第一のエネルギー範囲における電離放射線の、対応する第一の放射線検出ボリューム内での検出に対応する電流パルスに応答して第一の計数値を増分する光子計数回路構成を含み、前記第二の読出し回路は、第二のエネルギー範囲における電離放射線の、対応する二の放射線検出ボリューム内での検出に対応する電流パルスに応答して第二の計数値を増分する光子計数回路構成を含む、
アセンブリ。
態様10:
電離放射線監視用のアセンブリであって、
入射放射線に応答して電荷を生成する検出基板であって、電離放射線検出ボリュームのアレイを形成するように構成される検出基板と、
前記検出ボリュームに対応する読出し回路のアレイを支持する回路基板とを備え、
前記読出し回路は、第一のエネルギー範囲において電離放射線の前記検出基板における検出に対応する電流パルスに応答して第一の計数値を増分し、または第二のエネルギー範囲において電離放射線の前記検出基板における検出に対応する電流パルスに応答して第二の計数値を増分するように電子的に構成可能な光子計数回路構成を備える、
アセンブリ。
態様11:
前記光子計数回路構成が、前記第一のエネルギー範囲に対応する電流パルスに応答するように電子的に構成可能であるように第一の検出期間にわたって作動するとともに、前記第二のエネルギー範囲に対応する電流パルスに応答するように電子的に構成可能であるように第二の検出期間にわたって作動する、
態様10に記載のアセンブリ。
態様12:
前記第一と第二の検出期間が、前記読出し回路のアレイの第一と第二のフレーム読出しサイクルに対応する、
態様11に記載のアセンブリ。
態様13:
前記光子計数回路構成が、前記第一と第二のエネルギー範囲の一方または他方を定義するための下側と上側の電流閾値レベルを含む閾値回路構成を備え、前記閾値回路構成は、前記上側と下側の閾値レベルによって定義される範囲内の振幅を有する電流パルスに応答して、計数パルスをカウンタへ出力するように構成される、
態様9ないし態様12のいずれかに記載のアセンブリ。
態様14:
前記電流閾値レベルが電子的にプログラム可能である、
態様13に記載のアセンブリ。
態様15:
前記検出基板が半導体材料を含む、
態様1ないし態様14のいずれかに記載のアセンブリ。
態様16:
更に、前記検出基板の第一の面に配置された導電材料と、前記検出ボリュームの前記アレイを形成するため前記第一の面と反対側の前記検出基板の第二の面に形成された導電パッドのアレイとを備え、前記導電パッドのアレイの各導電パッドが、前記回路基板の前記電荷蓄積回路のアレイの対応する1つの回路に電気的に接続されている、
態様1ないし態様15のいずれかに記載のアセンブリ。
態様17:
前記導電材料と前記導電パッドとの間に、使用中にバイアス信号を印加するように構成可能である、
態様16に記載のアセンブリ。
態様18:
前記導電材料が、カドミウムテルライド(CdTe)、カドミウム亜鉛テルライド(CdZnTe)、シリコン(Si)、非晶質シリコン、またはガリウム砒素(GaAs)の一つを備える、
態様16または17に記載のアセンブリ。
態様19:
前記回路基板が半導体材料を備える、
態様1ないし態様18のいずれかに記載のアセンブリ。
態様20:
前記回路基板がCMOS回路を支持する、
態様19に記載のアセンブリ。
態様21:
前記検出ボリュームが、20μm ×20μm×0.25 mmないし2mm×2mm×5mmの範囲の断面領域を備える、
態様1ないし態様20のいずれかに記載のアセンブリ。
態様22:
前記検出基板の第一の面に配置された導電材料と、前記検出ボリュームの前記アレイを形成するため前記第一の面と反対側の前記検出基板の第二の面に形成された導電パッドのアレイとを備え、前記導電パッドのアレイの各導電パッドが、前記回路基板の前記電荷蓄積回路のアレイの対応する1つの回路に電気的に接続されているアセンブリであって、
前記各導電パッドの断面の表面積が、15 μm×15 μm ないし1.95 mm×1.95 mmである、
態様21に記載のアセンブリ。
態様23:
複数の電離放射線検出ボリュームによって構成された半導体検出基板結晶を備え、前記検出基板結晶は第一の表面全体にわたって導電材料を支持し、前記第一の表面と反対側の第二の表面全体にわたって配置された導電パッドのアレイを支持することによって、前記複数の検出ボリュームを画成し、
更に、態様1ないし態様22のいずれかに記載のアセンブリを備える、
電離放射線量計。
態様24:
複数の電離放射線検出ボリュームによって構成された半導体検出基板結晶を備える電離放射線量計であって、
前記検出基板結晶は第一の表面全体にわたって導電材料を支持し、前記第一の表面と反対側の第二の面全体にわたって配置された導電パッドのアレイを支持することによって、前記複数の検出ボリュームを画成する、
前記電離放射線量計は、更に、前記電離放射線検出基板から電荷を受取るように構成される回路基板を備え、前記回路基板は読出し回路のアレイを備え、前記各読出し回路は第一と第二の電荷蓄積モード間で切替え可能であり、前記第一の電荷蓄積モードは単一の検出イベントに対応する電荷を蓄積するように作動可能であり、前記第二の電荷蓄積モードは複数の検出イベントに対応する電荷を蓄積するように作動可能である、
電離放射線量計。
態様25:
前記電離放射線検出基板から電荷を受取るように構成され、第一のエネルギー範囲における電離放射線の検出基板における検出に対応する電流パルスに応答して第一の計数値を増分するか、または第二のエネルギー範囲における電離放射線の検出基板における検出に対応する電流パルスに応答して第二の計数値を増分するように電子的に構成可能である光子計数回路構成を含む読出し回路のアレイを備える、
態様23に記載の線量計用の回路基板。
態様26:
単一の電離放射線イベントの検出に対応する電荷を集積する第一の電荷集積ステップと、
前記第一の電荷集積ステップと非同時に複数の電離放射線イベントの検出に対応する電荷を集積する第二の電荷集積ステップとを有する、
態様1ないし態様7のいずれかに記載のアセンブリの操作方法。
態様27:
前記第一の電荷集積ステップが前記単一の検出イベントに対応する電荷の集積に適した第一の容量における電荷を集積するステップを含み、前記第二の電荷集積ステップが前記複数の検出イベントに対応する電荷の集積に適した第二の容量における電荷を集積するステップを含む、
態様26に記載のアセンブリの操作方法。
態様28:
前記第二の静電容量が第一と第二のコンデンサを備え、前記第一のコンデンサが前記第二のコンデンサと検出基板との間に配置され、前記第二のコンデンサが前記第一のコンデンサと読出し線との間に配置され、前記アセンブリの操作方法は、前記第一のコンデンサへ電荷を蓄積するステップと、電荷をフルに蓄積するために、前記第二のコンデンサを飽和に近い前記第一のコンデンサへ電気的に切替え接続するステップを含む、
態様27に記載のアセンブリの操作方法。
態様29:
単一の電離放射線検出イベントに対応する電荷の読出しと複数の電離放射線検出イベントに対応する電荷の読出しとをインターリーブすることを含む、
態様26ないし態様28のいずれか1項により作動しているアセンブリから蓄積電荷を読み取る方法。
態様30:
態様9ないし態様11のいずれかに記載のアセンブリを操作するアセンブリの操作方法であって、
光子計数回路構成を、第一のエネルギー範囲における電離放射線の検出に対応する電流パルスに応答して第一の計数値を増分するように構成するステップと、
前記第一のエネルギー範囲用に構成された前記各光子計数回路構成から第一の計数値を読み出すステップと、
前記光子計数回路構成を、前記第二のエネルギー範囲における電離放射線の検出に対応する電流パルスに応答して第二の計数値を増分するように構成するステップと、
前記光子計数回路構成から前記第二の計数値を読み出すステップを備える、
アセンブリの操作方法。
態様31:
態様1ないし態様22のいずれかに記載のアセンブリを含む又は態様23もしくは態様24に記載の電離放射線量計を含む少なくとも一つの電離放射線監視装置と、
少なくとも前記電離放射線監視装置によって通信ネットワーク全体にわたって検出された放射線に対応する放射線データを通信するための通信ユニットと、
前記電離放射線監視装置から前記放射線データを受信するように構成された制御ステーションとを備える、
電離放射線監視ネットワーク。
態様32:
少なくとも一つの前記電離放射線監視装置が、前記検出された放射線のエネルギーを表わすスペクトルデータを含む放射線データを提供するとともに、前記スペクトルデータを前記制御ステーションへ送信するように構成されている、
態様31に記載の電離放射線監視ネットワーク。
態様33:
少なくとも一つの前記電離放射線監視装置が、少なくとも前記制御ステーションから音声データを受信するための双方向通信ユニットを含む、
態様31または態様32に記載の電離放射線監視ネットワーク。
態様34:
前記電離放射線監視装置が更に位置データを前記制御ステーションへ送信するように操作可能な位置検出回路構成を備え、前記制御ステーションは、前記電離放射線監視装置、放射線データ、および位置データを互いに関連付けて前記制御ステーションのユーザーに提示するように構成されている、
態様31ないし態様33に記載の電離放射線監視ネットワーク。
態様35:
前記位置回路構成が、衛星測位システムまたは他の無線位置情報プロバイダから位置データを受信するための回路構成を備える、
態様34に記載の電離放射線監視ネットワーク。
態様36:
前記電離放射線監視装置が前記位置データと放射線データとを周期的に前記制御ステーションへ通信する、
態様34または態様35に記載の電離放射線監視ネットワーク。
態様37:
前記電離放射線監視装置が携帯可能な装置である、
態様31ないし態様36に記載の電離放射線監視ネットワーク。
態様38:
前記電離放射線監視装置が無線通信ユニットを備える、
態様31ないし態様37のいずれかに記載の電離放射線監視ネットワーク。
態様39:
更に複数の電離放射線監視装置を備える、
態様31ないし態様38のいずれかに記載の電離放射線監視ネットワーク。
態様40:
前記制御ステーションが、一つまたは複数の前記電離放射線監視装置から受信した少なくとも放射データと位置とをプロットするように構成される電離放射線監視ネットワークであって、
態様1ないし態様22のいずれかに記載のアセンブリを含む又は態様23もしくは態様24に記載の電離放射線量計を含む少なくとも一つの電離放射線監視装置と、
少なくとも前記装置によって通信ネットワーク全体にわたって検出された放射線に対応する放射線データを通信するための通信ユニットと、
前記電離放射線監視装置から前記放射線データを受信するように構成された制御ステーションとを備え、
少なくとも一つの前記装置が、前記検出された放射線のエネルギを表わすスペクトルデータを含む放射線データを提供するとともに、前記スペクトルデータを前記制御ステーションへ送信するように構成されている、 又は/及び、
少なくとも一つの前記電離放射線監視装置が、少なくとも前記制御ステーションから音声データを受信するための双方向通信ユニットを含む、
態様34又は態様36ないし39のいずれかに記載の電離放射線監視ネットワーク。
態様41:
前記制御ステーションが、前記放射線データと位置データとの地理表示を、前記ネットワーク領域を表わす地図上で、前記制御ステーションのユーザーに提供するように構成される、
態様39に記載の電離放射線監視ネットワーク。
態様42:
前記制御ステーションが、各位置放射線データに関する電離放射線監視装置の同定事項をプロットする、
態様38ないし態様40のいずれかに記載の電離放射線監視ネットワーク。
態様43:
電離放射線を遠隔監視するアセンブリの操作方法であって、
態様26ないし態様28又は態様30のいずれかに記載のアセンブリの操作方法を備え、
更に、検出された放射線のエネルギを表わすスペクトルデータを、通信ネットワークを介して遠隔電離放射線センサから受信するステップと、
前記スペクトルデータから、前記放射線が危険か否かを自動的に判定し、前記放射線が危険である場合、警告信号を発するステップを備える、
電離放射線を遠隔監視する方法。
態様44:
更に前記センサのユーザーに危険な放射線の存在を警告するため、前記電離放射線センサへ警告を送信するステップを備える、
態様43に記載の電離放射線を遠隔監視する方法。
態様45:
更に前記放射線センサのユーザーに音声指示を発するステップを備える、
態様44に記載の電離放射線を遠隔監視する方法。
態様46:
更に放射線センサのユーザーへの音声指令に応答するステップを備える、
態様45に記載の電離放射線を遠隔監視する方法。
態様47:
更に前記電離放射線センサの位置を監視するステップことと、放射線汚染環境の「核実験痕跡」解析を提供するために、前記位置に対応する前記検出された放射線を表わす前記位置とデータを表示するステップを備える、
態様43ないし態様45のいずれかに記載の電離放射線を遠隔監視する方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電離放射線監視用のアセンブリであって;
入射放射線に応じて電荷を生成する検出基板であって、電離放射線検出ボリュームのアレイを形成するように構成される検出基板と;
前記検出ボリュームに対応する読出し回路のアレイを支持する回路基板とを備え;
前記第一の読出し回路は、第一のエネルギー範囲における電離放射線の、対応する第一の放射線検出ボリューム内での検出に対応する電流パルスに応答して第一の計数値を増分する光子計数回路構成を含み、前記第二の読出し回路は、第二のエネルギー範囲における電離放射線の、対応する二の放射線検出ボリューム内での検出に対応する電流パルスに応答して第二の計数値を増分する光子計数回路構成を含む;
アセンブリ。
【請求項2】
電離放射線監視用のアセンブリであって;
入射放射線に応答して電荷を生成する検出基板であって、電離放射線検出ボリュームのアレイを形成するように構成される検出基板と;
前記検出ボリュームに対応する読出し回路のアレイを支持する回路基板とを備え;
前記読出し回路は、第一のエネルギー範囲において電離放射線の前記検出基板における検出に対応する電流パルスに応答して第一の計数値を増分し、または第二のエネルギー範囲において電離放射線の前記検出基板における検出に対応する電流パルスに応答して第二の計数値を増分するように電子的に構成可能な光子計数回路構成を備える;
アセンブリ。
【請求項3】
前記光子計数回路構成が、前記第一のエネルギー範囲に対応する電流パルスに応答するように電子的に構成可能であるように第一の検出期間にわたって作動するとともに、前記第二のエネルギー範囲に対応する電流パルスに応答するように電子的に構成可能であるように第二の検出期間にわたって作動する;
請求項2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第一と第二の検出期間が、前記読出し回路のアレイの第一と第二のフレーム読出しサイクルに対応する;
請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記光子計数回路構成が、前記第一と第二のエネルギー範囲の一方または他方を定義するための下側と上側の電流閾値レベルを含む閾値回路構成を備え、前記閾値回路構成は、前記上側と下側の閾値レベルによって定義される範囲内の振幅を有する電流パルスに応答して、計数パルスをカウンタへ出力するように構成される;
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記電流閾値レベルが電子的にプログラム可能である;
請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のアセンブリを操作するアセンブリの操作方法であって;
光子計数回路構成を、第一のエネルギー範囲における電離放射線の検出に対応する電流パルスに応答して第一の計数値を増分するように構成するステップと;
前記第一のエネルギー範囲用に構成された前記各光子計数回路構成から第一の計数値を読み出すステップと;
前記光子計数回路構成を、前記第二のエネルギー範囲における電離放射線の検出に対応する電流パルスに応答して第二の計数値を増分するように構成するステップと;
前記光子計数回路構成から前記第二の計数値を読み出すステップを備える;
アセンブリの操作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−117969(P2011−117969A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283408(P2010−283408)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【分割の表示】特願2006−518365(P2006−518365)の分割
【原出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(506010585)ラジエーション・ウォッチ・リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】RADIATION WATCH LIMITED
【Fターム(参考)】