説明

静電記録式プリンタ用トナー除去装置

静電記録式プリンタ/複写機の移動するウェブから粒状物質を除去する清掃ステーションは、支持ブラケット/バックアップシューアセンブリ(152)と共にユーザが交換可能なウェブ清掃器デバイスを備える。ウェブ清掃器は、ウェブからの物質の除去を容易にする、清掃器サンプ中にスプリングによって固定された1つ以上のブレードを備える2つのワイパブレード(194)を有する。ワイパ清掃ブレードは、「T形」突出部を備え、その突出部がシューの変形を抑える剛性を有するシューを使用して、保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、たとえば静電記録式文書プリンタまたは複写機に使用して、残留トナー、キャリヤ、埃、けば、紙繊維などを、通常はエンドレスウェブの形態の移動面から除去するタイプの清掃装置を改良することに関する。より詳細には、本発明は、「T形」突出部を備えるシューを使用してその装置が連続的に清掃する移動ウェブに隣接して精密に繰り返し配置することができる、1つ以上のブレードを有する取外し可能なウェブ清掃装置に関し、その突出部はシューの変形を抑える剛性を有する。
【背景技術】
【0002】
多くの静電記録式プリンタ/複写機は、画像を記録および/または転写し、ならびに、機器内の画像転写ステーションと他の画像ステーションとの間で受像体シート(通常は紙のシート)を搬送するために、エンドレスウェブを使用する。高品質の結果を確保するために、そのようなウェブを、最終的には受像体シートに転写され、またはその他によって受像体シート上に生成される画像の品質を劣化し得る粒状異物(トナー、埃、けば、紙繊維など)のないように維持することが必要である。従来、様々なウェブ清掃デバイスが、この必要性を満たすために考案され使用されて来た。1つのそのようなデバイスは、一般に、「ブレード清掃器」と呼称され、その名が示す通り、その装置は、移動するウェブに接触して、ブレードとウェブ面との接触角度に応じてウェブから粒子を掻き取り、または拭い取るように配置された縁部を有する1つ以上の細長い可撓ブレードを備える。様々なタイプの清掃器、スクレーパおよびワイパが共に、たとえば米国特許第5,426,485号に開示されており、同特許では、清掃ブレードは、静電複写機中のコピーシートを搬送するために用いられるエンドレス弾性ベルトから粒状物質を除去するように働く。
【0003】
米国特許第4,866,483号では、卓上静電プリンタに使用するブレードタイプの清掃ステーションが開示されている。この場合、トナー画像をコピーシートに転写した後、拭い取りモードで作動するように設定された1対の離隔配置された平行な清掃ブレードが、エンドレス光導電性画像記録ベルトから残留トナーを除去し、または集めるように働く。画像記録ベルトがそのエンドレス経路に沿って移動するにつれて、集められたトナーはサンプに落下し、そこから、トナーは、回転式に駆動されるオーガによって連続的に除去される。サンプの底に配置された回転するオーガが、集められたトナーを遠隔容器に移送するように働き、その容器は、機械から容易に取り外すことができ、運用者によって空にされる。この開示では、清掃ステーションは、プリンタの基礎フレームに強固に取り付けられている。整備などのために清掃ステーションにアクセスするために、画像記録ベルトを含めてプリント機構全体を枢動フレームに取り付けて、清掃ステーションに向けて、またはそこから離すように移動させる。プリント機構が清掃ステーションの方へ移動すると、プリント機構の画像記録ベルトが、清掃ブレードのそれぞれの縁部に押圧的に係合し、ベルトがそのエンドレス経路に沿って前進するにつれて、プリント機構の画像記録ベルトはブレードによって清掃される。清掃ステーションから移動して離れると、その結果十分な空間がもたらされ、それによって、機械の運用者または整備員が、たとえばサンプの清掃ブレードの直下の部分から、集まったトナーを真空清掃し、または清掃ブレードそのものを交換するなど、清掃ステーションを整備することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,426,485号
【特許文献2】米国特許第4,866,483号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許に開示された清掃ステーションは、先行デバイスには見られないある程度の利点をもたらしたが、いくつかの点でまだ問題があると見てよい。たとえば、集めた粒子をブレード清掃器から遠隔容器に移送して片付けるのに使用する回転オーガシステムは、該機械の比較的複雑でコストの掛かる構成要素であり、最終的には故障してしまう。さらに、清掃ステーションは機械のフレーム内に固定されているので、比較的重いプリント機構を大きな円弧を描いて枢動して清掃ステーションから離すことは、整備アクセスの下でのみ行われ得る。これは、当然、プリント機構の比較的重い重量を取扱い、釣合いを取ることができる比較的厄介で複雑な取付け機構を必要とする。理想的には、プリント機構は静止したままにするべきであり、清掃ステーションが、大部分の他の画像処理ステーションのように、プリント機構に対して動き得るべきである。
【0006】
さらに、真空清掃、ブレード交換などの目的で、粒子が集められたサンプにアクセスするために、プリント機構が整備位置に枢動されると、サンプ全体が周囲空気に露出され、プリント機構の移動中に生じる開放サンプの近傍の空気流が、トナー、埃などを機器全体に吹き飛ばす結果を生じ得る。理想的には、粒子が集められたサンプは、集めた粒子が閉じ込められている間に、機械のフレームの近傍からすぐに移動するべきである。移動した後は、サンプは、廃棄して新しいサンプに交換してもよく、または、サンプは、機械から安全に離れた場所で清掃して、元に戻してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示される実施形態では、清掃すべきエンドレスウェブは、静電記録式プリンタの1つ以上の画像転写ステーションを通過させて受像体シートを移送するために使用するコンベヤシステムの一部分である。ウェブ清掃装置は、ウェブの表面から粒子を集めるために拭い取りモードで作動するように配置された単一の金属ブレード、またはそれらの1つまたは両方とも金属材料製である1対の清掃ブレードと、清掃ブレードを支持すると共に、ブレードによってウェブから拭い取られた粒子を捕集し貯留しておくように働くサンプハウジングとを備える。好ましくは、ブレードは、ブレードが接触する側とは反対の側のウェブ面に配置された固いバックアップ「シュー」と協働し、ウェブ幅全体に亘って一様な拭い取り圧力を生成し、同時に、ウェブを引き伸ばそうとするあらゆる傾向を最低限に抑えるように設計されている。清掃装置は、サンプハウジングが粒子で一杯になった後、清掃のために容易に取り外せるように製作され、化学的処理トナーからのトナー粒子など除去が難しいトナー粒子を除去することができ、または、2面印刷物から油分を吸収し、プリント機構の他の重要な部分への油汚れを防止するためのオーバーコートを有するウェブからトナーを除去することができるブレードを有することがまた好ましい。少なくとも1つのこれらブレードの別の機能は、ウェブに固着し、トナー粒子よりも除去が遥かに難しい紙性異物の除去である。ブレードは、必要に応じ、新しいブレードと容易に交換できる必要がある。この交換が可能であるためには、各新しいブレードが、所定の一様な圧力をウェブの幅全体に亘ってウェブに掛けながらウェブ面に接触するようにそれによって精密に配置され得る信頼性の高い機構を必要とする。
【0008】
静電記録式プリンタ/複写機の移動するウェブから粒状物質を清掃する新規のブレード清掃装置は、鋳造構成要素を有し、一体の鋳造バッフルによって空洞を画成するサンプ本体、および逆さにしても外れ落ちないように成された脱着式ワイパブレード有するサンプと、それぞれが識別特性を有し、それによって、識別特性が1つのワイパブレードを他のワイパブレードから識別する(1つのその種識別特性は、金属ブレードおよびポリウレタンブレードなどのブレード材料でもよく、また、金属ブレードは整形してもよい)1つ、2つ、またはそれより多い脱着式ワイパブレード(複数可)と、ワイパブレードを取り外すことなく屑材をサンプから除去することを容易にする取外し可能なカバーアセンブリとを備える。鋳造構成要素には、ストッパ、配置デバイス、ならびにスプリングおよび他の偏位デバイスと係合して協働することができる他の構成要素が含まれる。ウェブ清掃デバイスは、下側ブラケット、およびウェブ清掃デバイスをウェブ清掃位置に選択的に配置し、それによってウェブ清掃装置が前記表面に押圧的に係合するバックアップシューアセンブリに取り付けられる。
【0009】
本発明、ならびにその目的および利点が、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】静電記録式文書プリンタの概略図である。
【図2】図1のプリンタのシート移送ウェブの表面上で作動しているところを示す、本発明のウェブ清掃装置の好ましい実施形態の透視図である。
【図3A】ウェブ清掃装置の3つの主要構成要素の組立分解透視図である。
【図3B】装置の下側ブラケットとバックアップシューアセンブリとの枢動関係を示す透視図である。
【図4A】ユーザが交換可能なウェブ清掃カートリッジの透視図である。
【図4B】図4Aの一部分の詳細図である。
【図4C】清掃ブレードとウェブとの間の作用角度を示す図である。
【図5】ウェブ清掃カートリッジ、ならびに清掃ブレードおよび図4に示されたカバーアセンブリなどのユーザが交換可能なウェブ清掃カートリッジの構成要素の組立分解図である。
【図6】使用済みトナーを廃棄し、清掃ブレードを交換することができるように取り除かれているときのカバーアセンブリの透視図である。
【図7A】ウェブ清掃カートリッジ、および装置の他の2つの主要構成要素の相互作用構成要素の複数の重要な詳細を示す、図2の装置の複数の断面図である。
【図7B】ウェブ清掃カートリッジ、および装置の他の2つの主要構成要素の相互作用構成要素の複数の重要な詳細を示す、図2の装置の複数の断面図である。
【図7C】ウェブ清掃カートリッジ、および装置の他の2つの主要構成要素の相互作用構成要素の複数の重要な詳細を示す、図2の装置の複数の断面図である。
【図7D】ウェブ清掃カートリッジ、および装置の他の2つの主要構成要素の相互作用構成要素の複数の重要な詳細を示す、図2の装置の複数の断面図である。
【図8A】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図8B】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図9A】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図9B】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図9C】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図10A】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図10B】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図11】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図12A】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図12B】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図12C】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図12D】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図12E】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図12F】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図12G】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図12H】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【図12I】ポリウレタンまたは金属材料のいずれかを有し、金属材料では、様々なレベルの剛性/単位長さを達成するために形状が様々である、清掃ブレードの実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明が、その好ましい実施形態に即して以下に説明されるが、本発明をその実施形態に限定するものではないことは理解されよう。逆に、本発明は、添付特許請求の範囲に定義される本発明の主旨および範囲内に含むことができるすべての代替形態、変更形態、および同等物を包含するものである。
【0012】
ここで図1を参照すると、本発明が有用である従来の静電記録式文書プリンタ100が、1次画像形成部材102、たとえば光導電材の表面を有する回転駆動式導電ドラムを備えるところが示されている。1つ以上の転写可能なトナー画像が、先ず、コロナ帯電器106などによって生成される静電荷でドラム104の光導電面上を一様に帯電させることによって、該光導電面上に形成される。次いで、一様に帯電した面が、たとえばLED書込器108によって発射される照射に、画像に倣って露出され、それによって、帯電面が選択的に放電され、帯電潜像が残る。最後に、帯電潜像が、磁気ブラシ塗布器110などを用いて静電トナー粒子を塗布することによって可視化(現像)される。このタイプのある種のプリンタでは、一連の色調プロセス制御パッチ(画像)が画像記録要素の表面にさらに形成され、そのようなパッチは連続する画像フレームの間の中間フレーム領域に配置される。
【0013】
上記のトナー画像および色調プロセス制御パッチが、次いで、転写ニップ114で中間画像転写部材112に転写される。画像記録部材を画像形成プロセスに通して再処理する前に、清掃ブラシ115が、画像記録部材104上に残留するあらゆるトナーを除去する。画像転写部材は、たとえば、相対的に固いオーバーコート120をもつ順応ブランケット118を有する導電ドラム116を備え得る。導電ドラムは、電源122によって電気的にバイアスを掛けられている。中間画像転写部材に転写されたトナー画像は、次いで、相対的に小さな転写ローラ126とポリマー化合物などの誘電体材から製作されたエンドレスシート搬送ウェブ128とによって形成される転写ニップ124で受像体シートSに再転写される。清掃ブラシ130が、部材112上の残留トナーを除去する。
【0014】
画像受像体シートSが、静電記録式プリンタの面とも呼ばれ、2面印刷物から油分を吸収するオーバーコートを有し得るエンドレスシート搬送ウェブ128に、供給ステーション132で載せられる。ウェブ128は、1対のローラ134および136の周りに巡らされ、モータMが、ローラ134を矢印によって示される方向に駆動するように働く。モータMはまた、画像記録ドラムおよび画像転写ドラムを回転駆動するように働く。画像受像体シート(たとえば紙またはプラスチック)は、シートの上面を帯電させるように働き、それによってシートがウェブに静電気的に引き付けられるようになるコロナ帯電ステーション138で、ウェブ128に付着する。接地されているローラ134および136が、ウェブの裏面に帯電させるように働く。トナー画像が、電源140によって転写ローラ126に加えられた適切な電気的バイアスによって画像受像体シートに静電気的に引き付けられ、それによって、画像受像体シートに転写される。シート供給ステーション132のコロナ帯電器138と、画像受像体シートが搬送ロール136の周りに巻きつく時、それを取り外すように働き、それによってシートを解放してトナー溶融ステーション(図示せず)へさらに搬送させる剥離帯電器142と、ウェブを放電させ、ウェブ面上のトナー画像を中和して清掃作業を容易にするように働くウェブ調整帯電器144とを含む様々な帯電器がある。画像記録ドラム上の画像フレーム領域の外側に在って、画像転写部材112に転写されたあらゆる色調プロセス制御パッチは、搬送ウェブの連続する画像受像体シートの間の領域に直接再転写されることに留意されたい。これらの色調パッチは、新しい画像受像体シートを受け取る前に、ウェブから除去しなければならない。そうしなければ、これらのパッチからのトナーが、画像受像体シートの裏面に転写される。
【0015】
次に、本発明によれば、上記の印刷機を繰り返し使用する間に搬送ウェブ128の外面上に積もり得る偶発的なトナー粒子、埃、紙屑などを除去するだけでなく、前述の画像記録ドラム上のプロセス制御パッチの形成、紙詰まり、トナー画像の画像受像体シートとの位置合わせ不良などの結果としてウェブに転写され得るトナーの比較的大量の堆積も除去するために、ウェブ清掃装置150が設けられている。
【0016】
図2および3を参照すると、3つの主要構成要素、すなわち、バックアップシューアセンブリ152と、下側ブラケットアセンブリ154と、以後カートリッジ156と呼称するウェブ清掃デバイスとを、移動するシート搬送ウェブ128に関して作動位置に備える好ましいウェブ清掃装置150が示されている。このウェブ清掃デバイスは、全体として取外し可能で、交換可能であってもよく、または、このウェブ清掃デバイスは、取り外すことが困難で恒久的に装着されるようなデバイスであってもよいことは明白である。カートリッジと言う用語は、決してデバイスの機能を限定するものではない。バックアップシューアセンブリ152は、前部および後部のスクリューBを介してプリンタに恒久的に取り付けられている。下側ブラケットアセンブリ154は、後部で、ブラケットのノッチ付き円錐形ピン158をバックアップシューアセンブリの穴/スロットパターン160に対合させることによって、前部で、ラッチ162とラッチ留め具164とを介して、バックアップシューアセンブリに結合されている。ウェブ清掃カートリッジ156は、下側ブラケットアセンブリのプランジャ168に結合または対合する、カートリッジの両側にある1つ以上のスロット機構166を介して、下側ブラケットアセンブリに取り付けられ、これによって、運用者は、下側ブラケットアセンブリをウェブ清掃カートリッジと共に1つのユニットとして取り外すことができる(図3B)。ウェブは、矢印によって示される方向に移動し、ツィーゲルミューラ(Ziegelmuller)らの名前で2002年9月17日に発行された、相互参照される米国特許第6,453,134号にさらに記載されており、これにより、該特許の内容は本願に引用して援用される。
【0017】
図3Aを参照すると、バックアップシューアセンブリ152は、好ましくはアルミニウムまたは鋼から製作され、500mmなど大きな半径の湾曲、シューの剛性を高め、それによって清掃ブレードまたはストッパの荷重によって発生する曲がりまたは変形を減少させるT型形状、およびウェブ128に係合して巻き込みを発生させる、クロムを含むものなど導電性で耐摩耗性のコーティング部を有するシュー170と、ウェブとの適切な巻き込みを形成するためにシュー170を機械のフレームから離隔し、下側ブラケットアセンブリ154の前部位置の、対合傾斜機構177aをもつ案内アダプタ177を有する同様なタブ機構176と対合するために、側面に傾斜機構174aをやはりもつタブ機構174を有し、ラッチ留め具164の取付け部として働く前部ブラケット172、およびウェブ128とのシューの適切な巻き込みを設定するようにやはり働き、下側ブラケットアセンブリ154の後部位置のノッチ付き円錐形ピン158をシューに対して正しい位置に対合させるように案内する該ピン158に対合する穴およびスロット機構160を有する後部ブラケット178とを有する。ピンのノッチNは、図3Bに示すように、運用者がウェブ清掃カートリッジをウェブ128との接触状態から下げる必要があるときはいつでも、後部位置で、下側ブラケットアセンブリをウェブ清掃カートリッジとの所定位置に保持するように働く。これらノッチは、運用者がブラケットの前部を下げたときいつでも、下側ブラケットアセンブリが後部で折り曲げられる可能性を減少させる。ピン158は、図3Aに示すように、ボルトまたは溶接を介して下側ブラケットアセンブリに固定することができる。前部ブラケット172および後部ブラケット178は共に、ウェブの内側の面に対向して摩擦電荷の蓄積を抑える静電散逸放電ブラシを保持する側方タブ機構180を有する(ここでは図示せず)。さらに、運用者がピンを後部ブラケットと機械のフレーム(図示せず)との間の空間に差し込むのを防止するために、後部ブラケットのそれらより大きな寸法の対合穴/スロット機構を有するシールドおよびテープアセンブリ179を後部ブラケット178に付け加えることができ、鋼の薄いシートまたは他の適切な材料から製作されているシールドは、後部ブラケット178と機械のフレームとの間のあらゆる空間を遮断するために下方へ延在し、テープは、整備を行うときの傷害や切り傷を防止するためにシールドの下端に巻かれている。薄いシートは、ウェブの交換作業のためにウェブ搬送体を下ろす動きを邪魔するのを防ぐのに十分な柔軟性をもたらす。シールドおよびテープアセンブリ179は、2本のボルトを介して後部ブラケットに取り付けられている。
【0018】
下側ブラケットアセンブリ154は、ウェブ清掃カートリッジを収納する矩形開口182と、清掃カートリッジ156のスロット機構166に対合し、カートリッジを所定位置に固定するプランジャ168を有する両側面と、一方はカートリッジの前部に他方はその後部にある両端部スプリング188を介してウェブ清掃カートリッジ156を支持し、カートリッジが稼動状態にあるとき端部スプリングの荷重を担持する前部平坦面184および後部平坦面186と、ラッチブラケット190、ラッチ162、および前部ブラケットタブの傾斜機構174aに対合する傾斜機構177aを有する案内アダプタ177を保持する前部タブ機構176と、上記のノッチ付き円錐形ピン158とを有する。案内アダプタ177およびラッチブラケット190は共に、2本のボルトを介して保持されている。ラッチ162は、2本のボルトを介してラッチブラケット190に取り付けられている。
【0019】
ウェブ清掃カートリッジ156は、2つの端部スプリング188を、1つを前部、1つを後部に有し、それらスプリングは、要所に配置された4つのストッパ192がシュー170に接触するまでカートリッジをシューに対して載置する。各端部スプリング188は、好ましくは、サンプの側端の1つにあるリップLに近接して配置されている。この側端は、サンプの前方または後方領域の短い方の側にあり得る。1つの好ましい実施形態では、端部スプリング(複数可)は、サンプと下側ブラケットアセンブリ154の平坦面184、186との間に配置され、それによって、図2に示すように、この実施形態ではサンプ上に鋳造されて図示されている1つ以上のストッパ192がシュー170に当接するまで、端部スプリング188がサンプをシュー170に向けて偏位させる。端部スプリング188(複数可)およびストッパ192(複数可)は、ブレード角度を最適化し、ワイパブレードの支持を軽減するのに必要なより高精度なブレードの係合を可能にする。ストッパは、ウェブを磨耗させまたはそれに負荷を掛けることがないように、ウェブの外側に配置されている。図2に示す端部スプリング188は、2つの定着部と、下側ブラケットアセンブリ154をシューアセンブリ152に向けて閉じる動作によって圧縮されるとき、サンプ部分をシュー170に押し付けて、ストッパ192をシュー部分に整合させ、または接触させて、ウェブ128とのブレードの係合の精密な制御を確実に行う対称で強いリップとを有する強い板ばねである。
【0020】
ウェブ清掃カートリッジ156の別の実施形態では、清掃器サンプ198は、設定装置(図示せず)の適切なツールブレード(図示せず)と共に使用して、ブレードの係合を調整し、清掃ブレードを配置する鋳造サンプの配置機構の精度不足を排除するように、各サンプを設定することができるスクリューインサート230Dを有する鋳造溝230Aを有する。スクリューは、一旦設定されると、サンプの作動寿命中動くことなく、設定が変わることが全くないように恒久的に所定位置に糊着することができる。ツールブレードは、清掃ブレードの幾何学的形状を完全にシミュレートした固い金属部品である。鋳造サンプが、製造中十分に管理されていれば、上記の調整式機構および設定は、調節者による設定の変動と共に、無くすことができる。その種タイプのスクリューインサートは、エフ ツィーゲルミューラ(F.Ziegelmuller)らによる米国特許第6,901,227号および第7,031,634号に図示されているが、説明されていない。
【0021】
図4Aに示された別の実施形態が、端部スプリング188の詳細と併せて図4Bに示されている。端部スプリングは、サンプの側面に近い端部に配置されている。端部スプリング188は、図4Bに示すように、一端が鋳造サンプの側端Lに押し込まれた強い対称の板ばねである。
【0022】
以下に説明する実施形態に関し、カートリッジ156を下側ブラケットアセンブリ154に着座させ、締め込んで、この2つの構成要素を一体として装着して、端部スプリング188の損傷を防ぐことが大切である。そうしないと、これらスプリングは、後部のスプリングが下側ブラケットの平坦面186に干渉するように下側ブラケットに押し込まれた場合に損傷することがある。ウェブ清掃カートリッジ156を、下側ブラケットアセンブリ154の開口182に挿入し、このブラケットの両側にあるプランジャ168を引き出して、それらプランジャの軸STを引っ込め、軸STがサンプ198の両側にあるスロット166に対合するまで、下側ブラケットアセンブリとウェブ清掃カートリッジとを締め上げる。
【0023】
所定位置に固定されたウェブ清掃カートリッジ156を伴う下側ブラケットアセンブリ154が、図3A、Bに示されるように、シューアセンブリ後部ブラケットの穴およびスロット機構160に対合させてノッチ付き円錐形ピン158を挿入することによって、シューアセンブリ152に組み込まれ、ピン158は、整合すべき穴およびスロット機構160にピン158が不正確な対合をしないように、また組立が容易になるように円周ノッチをもつ円錐形状を有する。シールドおよびテープアセンブリ179を有する後部ブラケット178は、前述の通り、ピンが後部ブラケット178と機械フレームとの間の空間に差し込まれるのを防止する働きをする。図3Bに示されるように、所定位置に固定されたウェブ清掃カートリッジ156を伴う下側ブラケットアセンブリ154は、対合を容易にし、前部ブラケットアセンブリの部品への不用意な接触による清掃ブレード194aおよび194bの損傷を防止するために、シューアセンブリ152に対して20〜40度の角度で挿入されることが好ましい。下側ブラケットアセンブリ154およびシューアセンブリ152の前部の対合機構の適切な整合を容易にするために、下側ブラケットのピン158を後部ブラケット178の穴およびスロット機構160に対して完全に挿入することもまた重要である。円錐ピンのノッチNは、下側ブラケットに対して、その前部がウェブフレームから下げられたとき、確実な係止位置を提供する。後部でピン158が穴およびスロットパターン160に対合している状態で、下側ブラケットアセンブリの前部が、前部タブ機構174と176とが対合するまで持ち上げられる。前部タブ機構174と176とを互いに近付けるとき、ブレードの縁部を右から左へ移動させ、それによって、ウェブが移動するときと同じ方向である正しい撓み方向をブレードに取らせるように、清掃ブレード194aおよび194bのウェブ128および固いバックアップシュー170との接触を制御することが重要である。これを達成するために、下側ブラケットアセンブリ154を左側で後部ブラケットに枢支し、スプリング装填ピン(図示せず)によって下側ブラケットアセンブリを所定位置に固定することができるまで、右側をシューアセンブリ152に廻し込むなど、いくつかの手段がある。開示されたこの実施形態では、これは、前部タブ174に傾斜案内機構174aを、前部タブ176に案内アダプタ177を追加し、案内アダプタ177が対合傾斜案内機構177aを有することによって、清掃ブレードをシューに、常に先ず右方に係合させ、次いで、下側ブラケットアセンブリ154を前部でシューアセンブリ152にラッチ止めするときに、左方にずらすことによって、達成される。右から左への清掃ブレードのこの動きは、金属タイプのブレードの縁の損傷、ねじれ、または曲がりを生じ得る清掃ブレードの誤った屈曲の可能性を減少させ、金属ブレードなどの容易に損傷しまたは永久変形し得る材料によるワイパブレードを実装するために極めて重要であり、それを可能にする特徴である。次いで、ラッチ162が留め具164に締め込まれる。取外しプロセスは、逆のステップで行われる。この手順は、図3Bに示されている。ラッチを閉じるプロセスでは、端部スプリング188が圧縮されてストッパ192がシューに押し付けられ、それによって、ワイパブレード194a、bとシュー170によってバックアップされているウェブ128との高精度の係合が実現される。
【0024】
ユーザが交換可能な2つの構成要素、すなわち、カバーアセンブリ196と、金属製であり得、ポリウレタン製であり得、かつ/またはウェブ128に接する主として金属もしくはポリウレタン材の構成要素227を有し得る清掃またはワイパブレード194a、bとを有するウェブ清掃カートリッジ156が図4に示され、構成要素227は、ウェブとの接触または係合によって撓んで、図4Cに示すように、ウェブと40〜75度の範囲で作用角βを成し、この構成要素は、好ましい実施形態では、ウェブ128の幅にほぼ等しい長さを有するが、図5〜8に関連してさらに以下に説明するように、それらの識別を容易にするために、2つの異なる厚さ、自由長さ、および材料を有し得る。ブレード材構成要素227は、サンプ198の鋳造溝230a部分に係止されるワイパブレード補強材228に取り付けられ、これら補強材は異なる2つの長さ(L1およびL2)を有し、それらに対応する溝もそれぞれの長さだけ離れており、その結果、ワイパブレード194aは第1または上流位置のみに取り付けることができ、ワイパブレード194bは第2または下流位置にのみ取り付けることができる。清掃ブレードのより詳細な構造および特性が、図8〜12に示されている。
【0025】
ワイパブレード194aおよび194bは、ロッキングスプリング230bによって鋳造溝230aの中に保持され、ロッキングスプリングは、保持縁部で0.012〜0.018in.の範囲、好ましくは0.015in.の厚さを有し、この実施形態ではブレードの装着、取外し、およびカバーとの整合を容易にするように設計されている。これによって緊密な整合が行われ、それが、清掃中に剛なブレードによって発生する騒音も減少させる。
【0026】
ウェブ清掃カートリッジ156は、ブレード194aおよび194bによってウェブ128の外面から拭い取られ集められた粒子を受け取って収容し、集められた粒子がカートリッジの上部から逃げるのを防止するだけでなく、ウェブ128の両縁部を通過しながら清掃し、ウェブ128からそれた粒子を収容するようにも働く。カートリッジは、スロット166、ストッパ192、ウェブからのトナーを収集する空洞200、一体鋳造バッフル202、フックをその下流側に押し込むことによって端部スプリング188を取り付ける側端L、カバーアセンブリのタブ機構210bを受け入れてヒンジ210として働くスロット210a、カバーアセンブリの締結具218を、サンプに鋳込まれたねじインサート220に取り付けて、図6に最も良く示されている通り、カバーをサンプに固定することができるように、カバーアセンブリのノッチ機構216をサンプに対して整合させる上部ボス214、および図5により良く示されている他の鋳造機構などの複数の鋳造機構を有するサンプハウジング198を有する。カバーアセンブリ196は、矩形の開口O、ワイパブレード194の両端部でシールする側端シール222、カバーアセンブリのタブ機構226に取り付けられたマイラーブレードシール224、さらに他の上記の機構、および図5により良く示されている他の機構を有する。ブレードシール224は、作動中、ウェブからトナーを捕捉するのに十分に曲がることができる限り、多くの形状および材料が用いられる。
【0027】
ウェブ清掃カートリッジの構成要素の分解組立図が図5に示される。カートリッジは、一体の鋳造バッフル202、および1つ、2つ、またはそれ以上の脱着式ワイパブレード194a、bであって、それぞれがサンプの両端で鋳造溝230a内に着座する終端部分228a、bをもつ補強材を有し、各終端部分228a、bが、ワイパブレード194a、bが逆さになったとき外れ落ちないようにワイパブレードをサンプ内の最適位置に保持するロッキングスプリング230bによって、溝230a内に固定されている、ワイパブレード194a、bを有し、ほぼ矩形構造であり、リザーバとも呼ばれる空洞200を画成するサンプハウジング198と、ワイパブレード194a、bを取り外すことなくサンプハウジング198から屑材を取り出すことを容易にする取外し可能なカバーアセンブリ196とから構成される。ロッキングスプリング230bは、溝230aの隣に鋳造された切欠き230cに挿入されて、ワイパブレード194a、bを適切な向きに固定するヒンジ230を形成する。これらスプリングは、ワイパブレードが溝に不正確に装着されることを防止する上側リップを有する。サンプハウジング198は、その周縁に沿って、サンプハウジング198とカバーアセンブリ196との接触面周りをシールするガスケットシール234によって覆われる座機構232を有する。ガスケットシールの厚さは、僅かな圧縮およびそれによるシールを可能にするために、座の高さより僅かに厚くするべきである。
【0028】
好ましい一実施形態において上記に説明した鋳造サンプハウジング198および構成要素は、過度の電荷が蓄積するのを避けるために静電気を散逸することを目的として炭素ドーピングを有する射出成形プラスチックから製作される。好ましくは、その種のプラスチック材料の体積抵抗率は108〜1011オーム−cmである。
【0029】
好ましい実施形態では、シール222は、集めた粒子が、カートリッジの使用中にサンプの側端から漏れ出るのを最低限に抑えるように働き、蓋部材に対向する面には接着剤を有し、ウェブ128に対向する面には、たとえばナイロン(登録商標)など耐摩耗性繊維材を有する。これらシールは、集めた粒子が、清掃装置の使用中にサンプの両側端から漏れるのを最低限に抑える。シールの発泡部分は、良好なシール特性を維持し、搬送ウェブ128の抵抗トルクを低減するために、高弾性、低密度、低圧縮永久歪率である必要がある。好ましい発泡材料は、密度が1立方cm当たり2lb.のR200/Uポリエステルである。トリコット織布もまた、ウェブ面とシールとの摩擦を低減するように働き、また、ブレードが届かないウェブ面をある程度清掃することができる。
【0030】
別の好ましい実施形態では、これらのシール222は、アクリル繊維などのプラッシュ材料から製作され、裏打織布および側端でリップ面に対向する接着剤層を有し、プラッシュは、開口Oの両側端を巻くように設計されている。プラッシュシール設計は、ウェブの軌道修正中のウェブ軌道変更移動による損傷に対して違うレベルの堅牢性を発揮する。発泡シール設計は、ウェブの縁によって引き裂かれることがあり得るが、プラッシュ設計は、このタイプの損傷に対してより堅牢である。プラッシュシールはまた、ウェブに対する負荷を軽減することができる。
【0031】
図3Aに示される一鋳造サンプ構成要素は、サンプハウジング198の側面に鋳造されたリブ状の突起Rであり、それによって、サンプが運用者によって所定位置に配置されたとき、1つ以上のこれらリブが、下側ブラケット開口182と協働して、ウェブ清掃カートリッジが不正確に装着されるのを防止する。サンプハウジング198の上部に取外し可能に取り付けられるカバーアセンブリ196は、集められた粒子がサンプハウジングの上部を通って逃げるのを防止するように働くだけではなく、サンプハウジングへの容易な装着を可能にするいくつかの機構を備える。カバーアセンブリ196およびサンプハウジング198の両方は、それらを結合解除することができる簡易脱着機構を備える。カバーアセンブリ196は、ヒンジデバイス、すなわちタブ210bを、ヒンジ受け、すなわちサンプハウジングの鋳造スロット210aに対合させることによって形成されるヒンジ210を有し、そのヒンジデバイスは、装置を空にするとき屑片を容易に取り除くことができるように、サンプハウジング198から切り離すことができる。好ましい実施形態では、このデバイスは、ヒンジ受け、この場合にはサンプハウジング198の一部として鋳造されたスロット210aを有するヒンジ210を備え、ヒンジ受けが、カバーアセンブリ196のヒンジデバイス、すなわちタブ210bを取外し可能に受け入れて、カバーアセンブリ196とサンプハウジング198との枢動連結を形成する。カバーアセンブリ196は、1つ以上の締結具218を有する。ヒンジデバイスまたはタブ210bは、カバーをアセンブリから切り離せるようにするためにスロット210aから容易に取り外せるように構成されており、それによって、カバーアセンブリ196は、図6に示されるように、ユーザが交換可能である。
【0032】
図6、7は、ワイパブレード194a、b、具体的にはブレード補強材228の終端部分228a、bに関連する簡易脱着機構の好ましい実施形態を示す。ワイパブレード194a、bは、ロッキングスプリング230bによってサンプ溝230aに対してスプリング偏位されており、それによって、屑材を捨てるためにサンプを逆さにし、または他の方法で清掃し、もしくは処理するときに、ワイパブレードを取り外すことなく、またはワイパブレードが外れ落ちることなく、ウェブから除去した屑材を容易に捨てることができる。ワイパブレードの終端部分228a、bが、ワイパブレードを溝230aの片側に押し付けて位置決めしてワイパブレードの清掃角度およびウェブとの係合状態を定めるロッキングスプリング230bとして図示されている簡易脱着受け230と協働するが、ワイパブレード終端部分228と協働してユーザがワイパブレード194a、bを迅速に解放することを可能にするのは多数の脱着デバイスであり得る。他のタイプの脱着デバイスには、楔および締結具が含まれる。この簡易脱着受け230は、ワイパブレードを取り外すことなくサンプから屑材を除去することを容易にするだけでなく、ユーザが清掃装置内にブレードをウェブ128に対して正しく配置することができるようにし、磨耗に起因する配向の変化を補償することができる。
【0033】
清掃またはワイパブレード194a、b(図6に示す)は、移動しているウェブ128の外面に接触し、そこから粒子を拭い取るように構成され、サンプハウジング198は、清掃ブレードを支持し、清掃ブレードによってウェブ128の外面から拭い取られ、集められた粒子を受け入れ、格納するように構成されている。
【0034】
カバーアセンブリ196が、サンプハウジング198の上部に取外し可能に取り付けられているので、集めた粒子がサンプハウジングの上部を通って逃げるのを防止し、また清掃ブレードおよびカバーを容易に取り付けることを可能にする、1つ以上のシールなどの追加の機構が必要である。ガスケットシール234が、カバーアセンブリとサンプとの境界面のサンプ座232の周縁に恒久的に取り付けられ、それによって、集めた粒子がサンプハウジングの上部を通って逃げるのを防止する。ガスケットシール234は、サンプに対向する表面にある種の接着剤を有して、サンプに恒久的に付着することができる。ガスケットシール234は、プラッシュ材または発泡材で製作することができる。ガスケットシールの材料は、サンプとカバーとの間の良好なシールを維持するために、高弾性、低密度、および低圧縮永久歪率を有するべきである。好ましい発泡材料は、1立方cm当たり2lb.の密度を有するR200/Uポリエステルであり、抗静電添加剤を有し得るが、アクリル、ポリエステル、ナイロン(登録商標)繊維から作ったプラッシュを含めて、同様な特性を有する他の材料も適切である。カバーはまた、カバーに取り付けられ、ブレードの両端部がサンプに配置されるサンプハウジングの両端部でブレードと協働する、端部ダストシールと呼ばれることもある1対の側端シール222を備える。これら側端シール222は、集めた粒子が、清掃装置の使用中にサンプの両側端から漏れ出るのを最低限に抑えると共に、ウェブの両側端部から粒子を拭い取る働きをする。
【0035】
好ましい実施形態では、これら側端シール222は、粉塵や他の異物がサンプハウジング198から放出されるのを最も効果的に防止する材料から製作される。好ましい実施形態では、これには、高弾性、低圧縮永久歪率、および低密度を有する発泡、パイル、プラッシュ材の1つが含まれる。一実施形態では、側端シールは、密度が1立方cm当たり2 lb.のR200/Uポリエステル発泡材から製作され、ウェブとシールとの間の摩擦および負荷を減少させるために、ウェブ128に対向する表面にトリコット織布が付着されている。トリコット織布は、ブレードが届かないウェブ面をある程度清掃することができる。別の実施形態では、側端シール222は、アクリル、ポリエステル、ポリプロピレン、またはナイロン(登録商標)などのプラッシュ材から製作され、これらの織布は、電荷の蓄積を減少させるために抗静電添加剤を有し得る。これら側端シール222は、カバーに対向する面に接着剤を有することによって、カバーアセンブリに恒久的に付着させてもよい。これらシールが、ワイパブレードの両端と最小限の間隙を有することが重要である。理想的には間隙がない方がよいが、間隙をなくしてブレードの側端に負荷を掛けることはできず、したがって間隙を最低限に抑えて、好ましくは、側端シールとワイパブレードの両端との間隙は0.5mm未満にするべきである。
【0036】
ブレードから離隔配置されて、ブレードとカバーとの間の空間から粉塵が逃げるのを防止するブレードシール224が、やはり図6、7に示されている。好ましい実施形態では、このブレードシール224は、各ワイパブレード194に隣接したマイラーシールである。このブレードシール224は、カバーのタブ機構226に整合する接着剤細片を有することによって、カバーに恒久的に付着することができる。
【0037】
図5および図7C、7Dに示されるサンプハウジングは、ワイパブレード194a、bを容易に取り付けることができるいくつかの追加の機構を備える。好ましい実施形態の鋳造バッフル202は、サンプハウジングの側壁に対して共通の角度(約15〜45度)で配置された複数の離隔配置された壁を有し、ワイパブレードの誤配置を防止する1つ以上のノッチ236を備える。バッフルのノッチ236は、ワイパブレードの非対称な断面に合わせて切られており、その結果、運用者がワイパブレードを誤って装着することはできない。ワイパブレードが逆向きまたは斜めにされると、ブレード補強材の湾曲部がバッフルと干渉して、運用者がブレードを装着するのを妨げる。これによって、運用者が安心してブレードを交換することができ、ウェブを損傷し、またはブレードのウェブとの係合を阻害する虞がある取付け不良が防止される。サンプハウジング198はまた、空洞に隣接するサンプ外縁に切られた、ワイパブレードの終端部分228a、bに類似した形状の1つ以上の溝230aを有し、それによって、溝230aとワイパブレードの終端部分228a、bとが協働して、サンプ内でのワイパブレードの精密な取付けおよび配向を確実に行うことができる。好ましい実施形態では、簡易脱着受けは、溝230aおよび切欠き230cに嵌めこまれるスプリング230bであり得、その結果、ロッキングスプリングは、溝および切欠きと協働してそれらに対して拘止し、スプリングが偏位されることによってサンプ内でのワイパブレードの精密な取付けおよび望ましい配向を確保する方式で、ブレードを所定位置に保持する。このスプリングはまた、ブレードの誤った装着を防ぐように形成された上側リップを有する。これによって、利用者が安心してブレードを交換することができ、ウェブを損傷させ、または清掃不良を生じさせ得る取付け不良が防止される。ワイパブラケット終端部分228を受け入れる溝230aおよびロッキングスプリング230b、ならびにノッチ付きバッフル236の2重の防止策によって、精密で正しい装着が確保される。
【0038】
好ましい一実施形態では、ウェブ清掃デバイスは、ウェブ清掃デバイスを取り外すことができる整備位置にブラケットアセンブリを動かしたとき、集められた粒子材が突然移動しその結果こぼれるのを防止するために、サンプハウジング内に配置されたバッフル202を備える。
【0039】
ウェブ清掃カートリッジ156は、側部プランジャ168の軸を引っ込め、その軸がカートリッジの側面のスロット166に整合するまで下側ブラケットの開口にカートリッジを押し込むことによって、下側ブラケットアセンブリ154に取り付けられ、次いで、前記ウェブ清掃装置がウェブ面に押圧的に係合するウェブ清掃位置に前記ウェブ清掃装置150を選択的に配置するように、バックアップシューアセンブリ152に組み込まれる。下側ブラケットアセンブリ154およびバックアップシューアセンブリ152は、ワイパブレードが接触するウェブ面とは反対側のウェブ面に接触し、ワイパブレード、およびウェブ清掃デバイスを取外し可能に支持する下側ブラケットアセンブリ154によって加えられる力に抵抗するように適合された固い表面を有するシュー170を用いて、図2に示されるように、ウェブ清掃装置をウェブ清掃位置に選択的に配置する。下側ブラケットアセンブリ154は、ウェブ経路に沿った上記の固定位置でバックアップシューアセンブリ152に取り付けられる。好ましい実施形態では、バックアップシューアセンブリ152は、ウェブ搬送体に恒久的に取り付けられ、通常はユーザによって動かされることはない。あるいは、別の実施形態では、バックアップシューアセンブリ152は、装置が再配置されたとき、前記ウェブ清掃構成要素が実質的に一様な圧力をウェブに掛ける第1の作動位置と、前記ウェブ清掃構成要素が同様に実質的に一様な圧力をウェブ128に掛ける第2の作動位置との間を移動することができるように下側ブラケットアセンブリ154に対して取り付けられ得、サンプハウジング、ワイパブレード、および/またはカバーの機構と協働して、サンプ空洞内の前記ワイパブレードの所望の方向を確保する機構を有する。
【0040】
図7A〜Dは、バックアップシューアセンブリ152および下側ブラケットアセンブリ154とのウェブ清掃カートリッジ156の相互作用構成要素の様々な断面図である。
【0041】
図7Aは、ラッチブラケット190に取り付けられたラッチ162を有するウェブ清掃装置の前部を示す。ラッチブラケット190は、下側ブラケットアセンブリ154の前部タブ機構176に固定されている。この前部タブ機構176は、バックアップシューアセンブリ152の前部ブラケットの別の前部タブ機構174に整合する対合機構を有する。
【0042】
図7Bは、サンプハウジング198のストッパ機構192に沿った断面図であり、鋳造サンプの側端Lにそのループ式端部を押し込むことによって保持されている端部スプリング188を示す。端部スプリング188は、非圧縮状態で示されているが、作動状態では、このスプリングは、実際には、下側ブラケットの平坦面184の作用によって圧縮され、ストッパを確実にシュー170と接触させ、同様に、同じ状態が後部スプリングおよびストッパにも生じ、それによって、図7Cに示すように、ワイパブレード194a、bを、望ましい正確な係合状態でウェブ128と接触するように位置決めすることができることに留意されたい。
【0043】
好ましい実施形態では、端部スプリング188が、要所に配置された4個のサンプのストッパ192の接触を、シュー170と強く接触するように強勢することができ、ブレードが搬送ウェブ128とより高い精度で係合することができる。これは、端部スプリング188が下側ブラケットの平坦面184および186上に係止し、下側ブラケットが前部でバックアップアセンブリとラッチ止めされたとき、この操作が、スプリングを圧縮し、その結果、ストッパがそれ以上の動きを阻むまで、シューに向かってサンプを押し付けることによって達成される。ストッパに対するブレード溝の深さ、および溝に係止される終端部分からウェブに接触するブレード縁部までのブレード寸法を調節することによって、ワイパブレードの可撓性ブレード材構成要素227とシューとの干渉量を調節することができる。
【0044】
ウェブ清掃カートリッジ156の別の実施形態では、清掃器サンプ198は、設定装置(図示せず)の適切なツールブレード(図示せず)と共に使用して、ブレードの係合を調整し、清掃ブレードを配置する鋳造サンプの配置機構の精度不足を排除するように、各サンプを設定することができるスクリューインサート230dを有する鋳造溝230aを有する。スクリューは、一旦設定されると、サンプの作動寿命中動くことがなく、上記の設定が変わることが全くないように恒久的に所定位置に糊着することができる。
【0045】
図7Cは、ワイパブレード194a、bがカートリッジに不正確に組み込まれるのを防止するバッフル202のノッチ236を示す別の断面図であり、その図はまた、ロッキングスプリング230bによって溝230a中に保持されているワイパブレードを示し、ブレードの縁部は、シュー170の下側に沿うウェブ128と精密な係合状態にある。カバーのタブ機構226に取り付けられてシュー170の下でウェブ128に接触するマイラーシールブレード224もまた示されている。
【0046】
図7Dは、ワイパブレードの終端部分228a、bを溝230aの側端に偏位させて、ブレード縁部と図7Cに示される移動するウェブ128との間に望ましい角度を形成するロッキングスプリング230bなどのワイパブレードヒンジ230受けを示す別の断面図である。
【0047】
サンプハウジングの別の鋳造構成要素は、下側ブラケットアセンブリ154の側面のプランジャ168の軸STを拘止的に係合するスロット166を備える。好ましい実施形態では、サンプハウジング198は、そのすべての機構を含めて、静電気散逸材料によって鋳造されることが重要である。これは、印刷プロセス中に品質および効率を侵害し、また、装置を損傷し、運用者に不愉快な思いをさせる可能性のある静電荷の好ましくない蓄積を防止するために極めて重要である。
【0048】
サンプの好ましい一実施形態は、1つ以上のストッパ192、1つ以上の側端シール222、連続ガスケットシール234、各ワイパブレード194a、bに隣接するマイラーブレードシール224を含めて、上記機構の組合せを有する。サンプはまた、前部および後部で本体に取り付けられた端部スプリング188を有し、前記スプリングは下側ブラケットの上面およびサンプハウジングの下面に係止し、それによって、下側ブラケットアセンブリがバックアップシューアセンブリに前部でラッチ止めされ、後部でピンによって支持されて、ストッパをバックアップシューアセンブリに向けて偏位させるとき、上記で言及したストッパ192間で分担される垂直力が形成される。ウェブ清掃カートリッジはまた、ワイパブレードの取付け不良を防止する1つ以上のノッチ236をもつバッフル202と、廃材を捨てるために逆さにしたときブレードが外れ落ちないようにワイパブレードをサンプ内の最適な位置に拘止するスプリング230bをそれぞれが有する脱着機構を備える取外し可能な1つ以上のワイパブレードと、ワイパブレード(複数可)を取り外すことなくサンプから屑材を除去することを容易にする取外し可能なカバーとを有する。
【0049】
終端部分は、2つ以上の脱着式ワイパブレードを保持し、そのそれぞれが識別特性を有し、1つ以上の配置デバイスがその識別特性と協働して、一方のワイパブレードを他方のワイパブレードに近接して保持する。その識別特性が、図5に、ブレード補強材228または終端部分から終端部分への長さに関する2つの異なる長さ(L1およびL2)として示されており、第1のブレードのL1が第2のブレードのL2より長い。識別特性はまた、上記に説明したように、ポリウレタンブレードである第2のブレード194bに対して第1のブレード194aは金属ブレードであるとして示されるが、第2のブレードは金属ブレードでもよい。
【0050】
一般に、搬送ウェブの非コーティング版より大幅に磨耗作用の大きい油分吸収式および/またはコーティング式ウェブの清掃については、ポリウレタンブレードの清掃縁部が極めて急速に損壊され得、ポリウレタンブレードの剛性の増加が損傷を加速し、その結果、細い線条痕がウェブ面、特にウェブが紙と相互作用するのと同じ領域上に発生し得、これら細い線条痕は、ウェブ面に極めて強く付着しているので、通常のポリウレタンブレード材では拭い取ることができないことを本出願人は見出している。非コーティングウェブの利用についても、ウェブ面に付着する成分を有するいくつかの特定の基層または紙がやはりあり、それらの成分は、極めて強くウェブ面に固着するので、通常のポリウレタンブレード材では除去することができず、これら付着物もまた、ポリウレタンブレードの縁部を引き裂き、清掃作業に対してこれらブレードを役に立たなくする。上記の用途では、ブレード材構成要素は、より硬く、より耐磨耗性がなければならず、同時に、ポリウレタンに見られる断裂の代わりに、抑制可能な磨耗性を有する必要がある。ポリウレタンの遥かに硬い変種を使用することも可能であるが、より大幅に長い作動寿命のブレードを有するブレードおよびコーティング式ウェブ搬送体を達成しようとの願望が、金属材料のブレード構成要素227を使用する研究に至らせた。2009年2月26日公刊の米国公刊文書第2009/0052964号および2008年5月8日公刊の米国公刊文書第2008/0107463号に記載の、コーティング式搬送ウェブのコーティングの耐摩耗性配合組成は、金属ブレードの適用に対して十分に好適である。
【0051】
上流位置のワイパブレード194aのブレード材構成要素227として金属材を配置することは、このウェブの非コーティング版より著しく磨耗作用の大きい目の粗い油分吸収式および/またはコーティング式ウェブを清掃するとき、より効果的であることが示されている。コーティング式ウェブ用の、粒子サイズが0.5ミクロン以下のガンマ−アルミニウムのコーティング式ベルトなどのウェブの表面の山頂から谷までの高さ、および磨耗作用特性を表す粗さ測定値Rzは、非コーティングタイプに関する通常1μ未満に対して1〜4μである。整形金属ブレードは、ウェブ面に付着した紙性異物を除去するのに極めて有効であることが分かっており、その異物は、ポリウレタンブレードなどの通常のブレード材では効果的に除去されないことが分かっている。上流のワイパブレードが、清掃作用の大部分を行うことが分かっている。上記の実施形態は、小さ目のトナー粒子が使用されたとき、または油分のないもしくはほぼ油分のない環境中、またはウェブ搬送体に強固に付着する紙性異物の薄膜を残す可能性がより高い紙基層を扱うとき、より良好な清掃性能を発揮する。当業者は、これを、1つのブレードによって、または累積的に複数のブレードもしくはブレード部分によって達成することができることを理解している。
【0052】
成功裏に試験された第1の金属材料は、ASTM B103によるUNC C51000のような、弾性率が16kpsi、自由延出量Wが0.250インチ、および厚さtが0.005インチであり、ブレード補強材に両面テープによって接着され、係合量が0.015インチであるリン青銅であった。ウェブとのブレード角度は、非撓曲状態で約80度であった。ブレード材構成要素は、フォトエッチングを使用して、図6および8A、Bに示すような一様厚さの形状に製作された。リン青銅ブレードの両端部は、鋭利な角部を避けるために2mmの半径に丸められた。金属または金属性のブレードの角部に関しては、1〜5mmの半径が推奨される。このブレードは第1のブレードとして装着され、第2のブレードは、図6および8A、Bに示されるような一様厚さ形状の通常のポリウレタンブレード材のブレードであり、厚さが0.050インチ、自由延出量が0.250または0.050インチ、弾性率が約1000psi、係合量が約0.015インチであった。
【0053】
典型的な一様厚さ形状の清掃ブレードが図8A、Bに示されており、そこでは227aは、金属材料またはポリウレタン材料のいずれで製作されていてもよく、自由延出量がW、全幅がW’、厚さがtであり、終端部分228a、bを有する鋼製ブレード補強材228に接着されている。清掃ブレード194aと194bのこの組合せが、除去するのが困難な細い線条痕をコーティング上に生じ、細い線条痕を印刷物上に生じたコーティング式ウェブに対して試験され、ウェブの2回転以内で、ウェブおよび印刷物には汚れがなくなり、元来のポリウレタンブレードの組合せが1,000〜4,000回の印刷で不具合を生じるのに対し、この組合せでは、不具合なしに65000回を超す試験が行われた。0.500インチの自由延出量、ならびに同じ厚さおよび係合量を有するリン青銅ブレードと第2の位置の同様なポリウレタンブレードとの別の組合せが、ポリウレタンブレードでは除去することができない紙残留物によって汚れた後の非コーティング式ウェブを試験するのに使用され、金属ブレードとポリウレタンブレードとのこの組合せが、ウェブの数回以内の回転でウェブの堆積物を除去した。種々の金属ブレード材料製で、図9A〜C、図10、および図11に示されるような様々な厚さ形状を有する他の変形形態を、フォトエッチングプロセスによって生成することができる。このプロセスが、好ましくは磁化キャリヤ粒子の吸着を減少させる低残留磁気を有する様々な硬度のスプリング鋼、ステンレス鋼(AISI 301 1/4〜フルハード、および他の等級のステンレス鋼)について試験され、試された材料の中に、高残留磁気を有するスプリング鋼C1095およびステンレス鋼AISI 302があった。一方、他の金属材料も同じように有効であり得るが、様々な磨耗速度を有し得る。一例では、0.005インチ(t’)の金属細片が、図9に示される形状のような段付き形状に関して0.0025インチ〜0.003インチ(t)までにエッチングされた。
【0054】
別の例では、0.0025インチおよび0.003インチ(t)の細片が共に、図8に示されるように、自由延出量Wが0.200〜0.275インチで、Wの約2倍の全幅W’を有し、ウェブとの係合量が0.010インチ〜0.035インチの一様厚さの形状に分割される。これは、ポリウレタンブレードのみが使用されるとき、ウェブに堆積する除去の難しい汚れを清掃するのに極めて有効であることが判明した。段付き形状に関し、エッチング側の面は、エッチング幅Weを生成するように加工することができ、そのエッチング幅は、剛性の高いブレード構成に対しては自由延出量Wより短くすることができ、剛性の低い構成に対してはWより長くすることができる。実際に、コーティング式ウェブは、200,000回を超える印刷の間、金属ブレードによる磨耗に耐えることができ、金属ブレード構成要素は、材料成分がスプリング鋼またはステンレス鋼であったとき、いくつかの事例で、600,000回を超える印刷の間、良好な性能を維持した。さらに、金属ブレードは、プロセス制御パッチおよび位置決めマークがウェブ調整帯電器144によって放電されないときでも、それらを清掃することができ、これによって、必要なら、ウェブ清掃領域の後にこの帯電器を配置することを可能にし得る。これは、ウェブからのパッチの清掃が、それらパッチ位置でウェブ上に残留帯電パターンを通常残すので、重要な機構であり、ウェブ電圧の不均一性または電荷パターンは、パッチの破壊または他方で画像の不均一性に至り得、それは止着帯電器コロナ帯電ステーション138が対処しなければならない。このように、本発明は、ブレードの清掃縁部への磁化されたキャリヤ粒子の吸着を抑えるために残留磁気が低い金属ブレード材料を使用するとき、有用であり得る。試験結果に基づいて、ワイパブレード194a、bのいくつかの実施形態を提案することができる。一実施形態では、金属ブレードを1つだけ有し、これを下流位置に配置することができ、したがって、ウェブ清掃器カートリッジにそれ以上の変更の必要がない。
【0055】
製作され試験された整形金属ブレードの別の実施形態は、図10Bに示すようにリブを有していた。図示のブレードは、梁剛性を低下させるために両面にエッチングされた2重エッチング整形金属ブレードである。ブレードの幅、ならびに溝の数、形状および寸法は、所望の特定の剛性および性能特性を達成するように調節することができる。整形ブレードの図示された形は、整形ブレードが、前面および背面の両方で先細にされまたは凸凹にされるように両面からエッチングされ、所望の接触力で働くような寸法にされる。整形ブレードは、より詳細に上記に説明されているように、片面のみのエッチングによって製作することもできる。この片面のエッチングは、すべての清掃状況の要件を満足できない可能性があり、2面エッチングはそれに変わる実施形態である。
【0056】
別の実施形態は、第1のブレード194aとして金属ブレードを、第2のブレード194bとしてポリウレタンブレードを有し、第3の実施形態では、2つの金属ブレードを有し、それによって、両ブレードが同じ位置に縁部欠陥を有する可能性は低いので、1つのブレードの清掃縁部上の小さな欠陥が清掃性能を劣化させ得ないようにする。2つのブレードが使用される場合、それらは同じ剛性/単位長さを有してもよく、または、好ましくは、第1の位置に剛性の高い方のブレード、第2の位置に剛性の低い方のブレードを有してもよい。さらに、図8〜12に示されるように、金属ブレード構成要素は、一様な形状もしくは厚さ227a、または変化型もしくは段付き厚さ形状227bにすることができる。金属ブレード構成要素227は、ブレード保持具229を介し、精密位置決めピン228cおよび固定ボルト228eを使用して、ブレード補強材228に取り付けることができる。位置決めピン228cは、金属ブレードの取付けを容易にし、ブレード保持具229と協調して、自由延出量の決定に対し、かつ補強材終端部分228a、bの係合に対するブレードの取付け精度を決定する。
【0057】
図12に示すように、同じ機能を達成するために、ブレード構成要素227aまたは227bを取り付ける他の締結技法および構成を用いることができる。別の実施形態では、図11および12に示されるように、通常ポリウレタンブレードに行われる接着工程と同様に、金属ブレード構成要素をブレード補強材に接着することができ、この技法は、部品の数および組立時間を削減する。
【0058】
好ましい実施形態では、金属ブレード材構成要素227の端部または角部は、鋭利な角部を避けるために丸められ、通常、半径は1〜5mmにするとよい。機能上必要とされる整形金属ブレード構成要素の薄い特質および縁部の鋭利さにより、警告ラベルWLが、カバーアセンブリ上に配置され、また各金属ブレードアセンブリにも付記され得、それによって、このブレードおよびその縁部を注意深く取り扱うように運用者に警告する。金属ブレードはまた、永久変形、ねじれ、および損傷をより受け易く、そのため注意して取り扱わなければならない。
【0059】
剛性は、(E×L/4)(t/W)3によって評価され、Eはブレード材料の弾性率、L、t、およびWは、ウェブと接触するブレード材構成要素227の長さ、厚さ、および自由延出量であり、したがって厚さは剛なブレードを達成する複数の方策の1つであり、それら方策のいずれも使用することができる。自由延出量Wは、通常、清掃する表面に接触するブレードの端部からブレード保持具によって保持されているブレードの固定端までの距離である。段付き厚さブレードまたは変化型形状ブレードに関しては、厚さの変化型形状、および自由延出量または拘止状態に基づき、有限要素法解析によって等価剛性を計算することができる。この簡単な梁計算は、ブレードの両側での均等な拘止支持に関するものであることに留意されたい。ブレードの拘束が不均等に拘止されている場合、また、段付き梁のどちら側がブレードを保持する支持ブラケットに面しているかによって、それらが剛性に影響する。それらの場合には、それらの場合の境界条件の非線形拘止による実効剛性を計算するために、有限要素法解析を使用することができる。金属材料は、かなり高い弾性率を有するので、それら材料はポリウレタンブレードよりかなり薄くする必要がある。ポリウレタンブレードに関し、剛性/単位長さの範囲は、2〜5psiの範囲で選択され、金属ブレードの好ましい実施形態に関しては、剛性/単位長さは、2〜32psi、最適には2〜16psiであり得る。提案された実施形態の1つに関し、一様な厚さの形状は0.002〜0.0035インチの範囲、自由延出量は0.200インチ〜0.350インチ、係合量は0.010インチ〜0.035インチの範囲であり得る。剛性/単位長さは、移動するウェブ上に清掃器によって掛けられるトルク荷重、および許容可能で長続きのする清掃性能を達成するのに必要な負荷力または係合を制御するように選択される。ブレードの硬度もまた、トルク荷重およびブレードの磨耗の因子として働き、弾性率としての剛性も硬度から導くことができる。補強材板は、剛性を高めて湾曲および振動を低減するために下脚湾曲部を有するように選択される。剛性の高いブレードを採用すると、清掃器およびウェブの騒音および振動が起こることがあり、それがブレード縁部の損傷に繋がることがある。騒音および振動を低下させるために、補強材の厚さを増し、補強材の全長に亘って平坦部にエンボス加工を加え、下脚を延長し、中央支持点を追加し、また、以前に説明したロッキングスプリングの厚さを変更することができる。これらの技法の一部は、この清掃器に実装されているが、ここでは図示されていない。
【0060】
金属製の剛性の高いブレードを選択することにより、または高剛性のポリウレタンブレードを選択した場合にでも、ワイパブレード194a、bのシューアセンブリへの荷重は、ストッパ192による荷重と共に、ブレードから離れる方向へシューを湾曲させ、または変形させるのに十分な大きさになり得、その湾曲はある場合には0.005〜0.010インチに達することもあり、これにより、ブレード全長に亘ってブレードの係合効果が低下し、金属ブレードが磨耗するにつれて清掃不良が生じる可能性がある。この問題を解決するために、シュー170の好ましい実施形態は、上記の変形を0.003インチ未満のレベルに低下させるのに十分な高さの剛性を有する突起または機械加工部分の実施形態であり、この場合には、図2、3に示されるように、「T形」の突起が選択されている。
【0061】
好ましい実施形態では、ワイパブレードのポリウレタン材料は、以下の特性のポリエステルポリウレタンから製造することができる。すなわち、ツィーゲルミューラらの名義の2002年9月17日発行の前述の相互参照の米国特許第6,453,134号に記載されているように、60〜85ショアAの硬度、500〜1500psiの初期弾性率(ヤング率)、30%を超えるベイショアレジリエンシ、25%未満の圧縮永久歪率である。これにより、同特許の内容は本願に引用して援用される。2つの清掃器ブレードは、第1のブレードは金属ブレードであって、やはり金属ブレードである第2のブレードより高い剛性を有し、それらそれぞれのブレード保持具は、厚さが異なり、その結果、ブレードの配置を運用者が容易に区別できるというような他の識別特性を有することができる。
【0062】
静電記録式プリンタの移動している表面から粒状物質を清掃するトナー除去装置であって該表面から粒子を除去するために該表面に接触するように構成されているトナー除去装置の一実施形態は、2つ以上の脱着式ワイパブレードを有する。脱着式ワイパブレードの少なくとも1つは、整形金属ブレード、たとえば第1の清掃接触点に最も近い第1のブレードである。移動する表面から粒状物質を清掃するために、1つ以上の配置デバイスを有する保持具が、整形金属ブレードと協働して、40〜75度の作動角度で表面に近接した所定位置にブレードを保持する。好ましい一実施形態では、整形金属ブレードは、段付き厚さ形状を有する。段付き形状厚さは、上記のように、エッチングによる形状を有し得る。具体的には、エッチング形状は、接触縁部で0.002インチ〜0.003インチ、保持縁部で0.005インチの範囲にあり得、0.250インチのエッチング形状の自由延出量、および接触縁部から0.180インチ〜0.325インチの延出部からの厚さ減少範囲を有する。右側の形は、やはり両側からのエッチングによって製作することができ、したがって、前面および背面の両方で先細にされまたは凸凹にされ、所望の接触力を介して作用するような寸法になる。磨耗速度が最大6000,000紙面の別の実施形態では、係合量は0.015〜0.035インチである。梁長さは、自由延出量であり、Lがウェブを横断して清掃するのに必要な長さであるK/L中のLではないことに留意されたい。
【0063】
段付き形状は、ブレードの剛性/長さ比を変化させるために、ブレードの自由延出量より幅を狭くすることができる。剛性の変化量は、1ミクロン未満〜4ミクロンのRz粗さを有するコーティング式または非コーティング式の移動式ウェブ面、ならびに0.5ミクロン以下の磨耗性粒子サイズを有するコーティング式ガンマ−アルミニウムウェブを効果的に清掃するように設計することができる。整形金属ブレードは、ウェブを損傷することなく清掃機能を向上させるために、半径1〜5mmの1つ以上の丸められた角部を有し得る。装置は、2つ以上のブレード保持具を有し得、保持具は、0.200インチ〜0.350インチの自由延出量および0.010インチ〜0.035インチの範囲の係合量を可能にする。段付き厚さ形状は、ブレードの最も厚い部分で保持され、薄い方の形状が自由延出部の範囲を超えて延在することによって、ブレードの剛性を下げ、かつ/または、薄いほうの形状を自由延出部より短くしてブレードの剛性を増加させることができる。ブレードは、2〜5psiの剛性/単位長さを有する1つ以上の金属ブレードおよび/または1つ以上のポリウレタンブレード、ならびに、2〜16psiの剛性/単位長さ、および0.002〜0.0035インチの一様な厚さ形状を有する1つ以上の金属ブレードであり得る。たとえば、2つの清掃ブレードは、2〜32psiの剛性/単位長さ、K/Lなど、第2の金属ブレードより高い剛性を有する、第1の清掃接触点に最も近い第1の金属ブレードを備え得る。第2のブレードは、代替として、同じ剛性および/またはより低い剛性を有することができる。別の実施形態では、第2の位置に着座し、良好な清掃性能を維持するのに必要な特性を有する1つだけの金属ブレードを有し得る。
【0064】
他の実施形態では、第1のブレードは、相対的に長いブレードは短い方の位置には嵌め込めないので、識別特性および位置設定手段として働くことができる上記で説明した、より長い長さを有する。対合キーなどの他の変形形態を、ブレードの誤配置を防止するために使用することができる。金属構成要素またはポリウレタン構成要素のいずれも、永久接着剤によってブレード補強材に接着することができ、いずれの縁部に関しても、清掃縁部として使用することができることに留意されたい。
【0065】
第1のブレードがより剛なとき、第1のブレードの方が、より剛性の低い第2のブレードよりも、粘着性の強い物質をウェブから除去することができる。一様な厚さ227a、または整形厚さ227bのいずれの金属構成要素ブレードに関しても、剛性/単位長さ、K/Lは、2〜16psiの範囲が最適であることが判明しているが、最大32psiまで至り得る。整形金属ブレードでは、最大フルハードまでの高い硬度を有するスプリング鋼、ステンレス鋼、リン青銅、または他の材料から開始して、図8bに示されるような望ましい形状を生成するように材料をフォトエッチングすることができる。マスクが、材料のシートの両面に位置を合わせて使用され、次いで、その材料シートが、制御状態で酸浴槽に浸漬されて、図8〜11に示されるような、ほぼ矩形で、厚さが一様な構成要素227a、または段形状を有する構成要素227bのいずれかが生成され、それによって、上記で説明した望ましい範囲の剛性を生じる望ましい厚さおよび自由延出量を達成する。清掃縁部の品質は、縁部が鋭利で一様である必要があるので、極めて重要である。フォトエッチングプロセスから出て来たブラケット材構成要素は、縁部品質を向上させるためにさらに処理を必要とし得る。一様な厚さの形状を生成する両側からのフォトエッチングは、通常、厚さ方向の中央に尖頭を残すが(図12)、隣接する縁部は鋭利であり、または半径が小さく、金属ブレードの厚さは極めて良好に制御される。2段の厚さ形状を生成するプロセスは、金属シート上に異なるサイズのマスクを必要とし、それによって、尖頭は残らないが、エッチングされた面の側の縁部は、通常、隣接する縁部ほど鋭利でなくなり(図12)、プロセスは、一様な厚さおよび良好な縁部品質を維持するように十分に制御されなければならない。どちらの場合も、プロセスが十分に制御されれば、良好な清掃性能をもたらすことができる良好な縁部が得られる。角張った縁部を生成する剪断、研削、研磨、または角を丸くする電解研磨を含めて、金属ブレードを製造する他の製造方法が可能である。縁部は、10μ未満、好ましくは5μ未満の半径を有するべきであるが、コーティング式搬送ウェブに対する金属ブレードの磨耗をさらに制御すれば、縁部の半径は使用と共に鋭利になる。ポリウレタンブレード構成要素に関しては、K/Lは2〜6psiの範囲内であるべきだが、コーティング式ウェブのRz、すなわち表面の山頂から谷間までの高さを評価する粗さ測定項から見て粗さが大きければ、ポリウレタンの縁部品質は使用に伴って急速に劣化し、したがって、本開示の別の実施形態は、同じK/Lまたは異なるK/Lを有するように製作することができる2つの金属ブレードを使用して、コーティング式ウェブへの負荷作用およびその磨耗を減少させることである。
【0066】
角張った縁部を生成する剪断、研削、研磨、または角を丸くする電解研磨を含めて、金属ブレードを製造する他の製造方法が可能である。そこで、金属シムを剪断し、当業界では「エッジナンバ3」と呼称されているものを製造するそのような方法の1つによって、その種のブレード清掃装置にとって十分に良好な品質の丸い縁部および鋭利な縁部を製造することができる。縁部は、10μ未満、好ましくは5μ未満の半径を有するべきであるが、コーティング式搬送ウェブに対する金属ブレードの磨耗をさらに制御すれば、縁部の半径は使用と共に鋭利になる。剪断縁部のエッジ#3品質が、IC/BC導電ブラシに対して試験され、750−2.2Mの印刷物用の金属ディトーンローラを成功裏に清掃した。金属ブレードの縁部は、当業界でナンバ3と呼称される縁部品質を生成し、丸い縁部、角張った縁部の1つを生成する剪断によって製造することができ、どちらの縁部もウェブとの清掃接触機構として使用することができる。
【0067】
この装置では、運用者がサンプアセンブリを不適切に取外し、それによって端部スプリングおよび他の構成要素に損傷を生じさせ、またはサンプアセンブリを不適切に挿入することを装置が防ぐように、サンプ本体の下側部分を下側ブラケットアセンブリに係合させることができることが、当業者には理解されよう。サンプは、下側ブラケットの両側面のプランジャの軸を引き出すことによって取り外すことができる。好ましい一実施形態では、この安全装置は、廃物の廃棄、利用者の交換可能なワイパブレードもしくはカバーアセンブリの交換、またはカバー、特に端部シール周りの真空清掃などの整備を行うときには、運用者が、下側ブラケットアセンブリをサンプアセンブリと共に一式で取り外すことを必要とする。
【0068】
下側ブラケットアセンブリは、バックアップシューアセンブリの1つの端部に枢動的に取り付けられ、それによって、清掃装置が、その清掃構成要素がウェブと係合し、バックアップシューを押圧する作動位置(図2に示す)と、ウェブ清掃カートリッジと下側ブラケットアセンブリとを一式でウェブから十分に離隔して、整備および/または交換のためにその一式を取り外すことができるようにする整備位置(図3Bに示す)との間を移動することができる。
【0069】
清掃装置は、ユーザが、移動するウェブに接触しウェブから粒子を除去するように構成されたウェブ清掃装置を取り外すのを、極めて簡単化された簡易脱着デバイスによって補助する方法を可能にする。ユーザは、先ず、下側ブラケットの前部のラッチを、バックアップアセンブリの前部ブラケットのラッチ止め具から解放し、次いで、下側ブラケットアセンブリをウェブ清掃デバイスと共に取り外す。次いで、後者をテーブルの上に置いて、さらに整備することができる。ウェブ清掃デバイスを整備するために、ユーザは、先ず、カバーにある締結具を緩め、次いで、カバーを、カバーおよびサンプのヒンジ/スロット機構周りに回転させてサンプの上部ボスから外し、次いで、ヒンジをスロットから引き抜くことによって、脱着式カバー構成要素を取り外す。これによって、カバーをサンプおよび/または下側ブラケットから物理的に分離することができ、ワイパブレード(複数可)を取り外すことなく屑材をサンプから除去することが容易になる。運用者が、下側ブラケットからウェブ清掃装置を取り外すことを好む場合もあり、これは、下側ブラケットの側面のプランジャを引き抜いて軸を引っ込めて、軸をウェブ清掃カートリッジの両側面のスロット機構から係合解除することによって行うことができ、下側ブラケットアセンブリをサンプから物理的に分離することを可能にするこの操作が、それによって、組立、またはウェブ整備および/もしくは交換を容易にする。ここで、脱着式ブレード構成要素は、ワイパブレードをサンプ内の最適な位置に固定する終端部分および識別特性を備え、その結果、ブレードは、逆さにされても外れ落ちないが、一方サンプおよびカバーから取外し可能であり、それによって、ワイパブレード(複数可)を取り外した後サンプから屑材を除去することが容易になり、またはユーザの交換可能なワイパブレードの交換が容易になる。ワイパブレードは清掃器から取外し可能である一方、金属ブレードの薄い特性および鋭利さが、運用者による特別な注意を必要とし、ブレード縁部による切り傷や擦り傷を防ぐために、清掃器サンプのカバーおよび各金属ブレードに警告ラベルWLが配置されている。
【0070】
ユーザが、上記に説明した好ましい実施形態を使用している場合、ユーザは、下側ブラケットアセンブリをウェブ清掃デバイスと共に一式で取り外ししさえすればよい。これによって、運用者が装置を過剰に取り扱うことによる端部スプリングの損傷が回避され、ユーザに多数の付加的安全上の特徴がもたらされる。これらの安全上の特徴は、ウェブ清掃装置が容易に交換可能であれば、運用者が、スプリングを装填した清掃器を装着しようとするとき、後部のスプリングが下側ブラケットの後部の機構と干渉することがあり得、これが、スプリング、またはスプリングをサンプに取り付けることができるサンプ機構を損傷に至らせることがあり得ることに基づく。
【0071】
ユーザは、カバーアセンブリを取外し、次いで、サンプアセンブリを所定位置に有する下側ブラケットを逆さにして、ワイパブレードを取り外す必要なしに、帯電防止プラスチックバッグまたは同様に適合された容器中に廃材を放出することができるべきである。ユーザが、ワイパブレードを取り外すことによって廃材を放出して、サンプを真空または他の手段によって清掃することを望むこともある。ワイパブレードをウェブ面に取り付ける精度が本来的に高いので、ウェブ清掃装置は、ウェブ駆動に対するトルク負荷の変動を小さく抑え、それに加えて、ワイパブレードのウェブとの係合を軽くすることもでき、それによって、前記ウェブから粒子を清掃するのに必要なトルク負荷を低減する。ワイパブレードの係合が軽いことによって、移動するウェブとのブレードの作用角度を大きくすることができ、それは、清掃作業にとってより有効である。サンプの下側ブラケットアセンブリからの分離は、新しいウェブ清掃デバイスが必要である場合にのみ、必要になり得る。本出願人は、この操作は稀にしか必要ないと考える。
【符号の説明】
【0072】
100 静電記録方式文書プリンタ、102 1次画像形成部材、104 光導電体ドラム、画像記録部材、106 コロナ帯電器、108 LED書込器、110 磁気ブラシ塗布器、112 中間画像転写部材、114 転写ニップ、115 清掃ブラシ、116 導電ドラム、118 順応ブランケット、120 固いオーバーコート、122 電源、s 受像体シート、124 転写ニップ、126 小転写ローラ、128 エンドレスシート搬送ウェブ、130 清掃ブラシ、132 供給ステーション、134駆動ローラ、接地式、136 搬送ローラ、接地式、L サンプのリップ、前部および後部、M モータ、O カバーアセンブリの開口、138 コロナ帯電ステーション、140 搬送ローラ電源、142 剥離帯電器、144 ウェブ調整帯電器、150 ウェブ清掃装置、152 バックアップシューアセンブリ、154 下側ブラケットアセンブリ、156 ウェブ清掃カートリッジまたはデバイス、B 取付けスクリュー、158 ノッチ付き円錐形ピン、下側ブラケットアセンブリ、後部、160 穴/スロットパターン、バックアップシューアセンブリ、後部、161 シールドおよびテープアセンブリ、後部ブラケット 162 ラッチ、164 ラッチ留め具、166 スロット機構、ウェブ清掃カートリッジ、両側面、168 プランジャ、下側ブラケットアセンブリ、両側面、170 剛性を高めるためにT形突出部形態を有するシュー、172 前部ブラケット、バックアップシューアセンブリ、174 前部ブラケットのタブ機構、バックアップシューアセンブリ、174a 傾斜機構、前部ブラケットのタブ機構、バックアップシューアセンブリ、176 タブ機構、下側ブラケットアセンブリ、177 案内アダプタ、下側ブラケットアセンブリ 177a 傾斜機構、案内アダプタ、下側ブラケットアセンブリ、178 後部ブラケット、バックアップシューアセンブリ、179 シールドおよびテープアセンブリ、後部ブラケット、バックアップシューアセンブリ、N 後部ピン158のノッチ、180 側方タブ、バックアップシューアセンブリ(静電散逸ブラシ)、182 矩形開口、下側ブラケットアセンブリ、184 前部平坦面、下側ブラケットアセンブリ、 186 後部平坦面、下側ブラケットアセンブリ、188 端部スプリング、ウェブ清掃カートリッジ、190 ラッチブラケット、下側ブラケットアセンブリ、192 ストッパ、ウェブ清掃カートリッジサンプ、194a、194b 第1および第2の清掃ブレード、ワイパブレード、194a 第1のブレード、金属、自由延出量がW1、厚さがt1、剛性/単位長さが(K/L)1である、194b 第2のブレード、金属またはポリウレタン、自由延出量がW2、厚さがt2、剛性/単位長さが(K/L)2である、 β ブレードの接触点でのウェブとの作用角度、196 カバーアセンブリ、198 サンプ、サンプハウジング、200 空洞または容器、サンプ、202 ノッチを有する一体鋳造バッフル、サンプ、210 スロット210aおよびタブ210bによって形成されるヒンジ、210a スロットまたはヒンジ受け、サンプ、210b タブまたはヒンジデバイス、カバーアセンブリ、214 上部ボス、サンプ、216 カバーアセンブリのノッチ機構、218 締結具、カバーアセンブリ、220 サンプに鋳込まれたねじインサート、 222 側端シール、224 ブレードシール、226 タブ、227 ブレード材構成要素、227a 一様厚さ整形ブレード、金属またはポリウレタン、227b 厚さが段状に減る整形金属ブレード、228 ワイパブレード補強材、鋼、228a、b ワイパブレード終端部分、228c 位置決めピン、228d ねじ孔、228e 固定ボルト、229 ブレード保持具またはクランプ、230 ブレード保持具用ヒンジ、230a 鋳造溝、230b ワイパブレード用ロッキングスプリング、230c ロッキングスプリング用切欠き、230d スクリューインサート、清掃器サンプの鋳造溝、232 ガスケットシール用座機構、サンプ、 234 ガスケットシール、発泡ガスケット、発泡シール、236 バッフルのノッチ、R 鋳造リブ、サンプの前部および後部、ST 軸、プランジャ、WL 金属ブレードの取扱いにおける特別な注意のために警告ラベル、ウェブ清掃カートリッジのカバーアセンブリ、W’ ブレード材の全幅、W ブレード保持具からのブレード材の自由延出量、We エッチング面幅、t’ ブレード材の基底厚さ、t 段付き形状のエッチング後の厚さ、または一様厚さブレード形状のブレード厚さ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電記録式プリンタの移動している表面から粒状物質を清掃するトナー除去装置であって、前記表面から粒子を除去するために前記表面に接触するように構成されている装置において、
a.第1の清掃接触点に最も近い第1のブレード、および第1の清掃接触点からより遠い第2のブレードを備える2つ以上の脱着式ワイパブレードと、
b.1つ以上の配置デバイスを有する保持具であって、前記移動する表面から粒状物質を清掃するために、前記ブレードと協働して、前記表面に近接した所定位置に40〜75度の作動角度で前記ブレードを保持する保持具と、
c.前記ワイパブレードを取り外すことなくサンプから屑材を除去することを容易にするカバーアセンブリと、
を具備することを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、1つ以上のブレードが、「T形」突出部を備えるシューによって支持されたウェブに当接し、前記突出部が、前記ブレードの荷重による前記シューの変形を0.003インチ未満に抑える剛性を有することを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置であって、2つ以上のブレード保持具を有し、前記保持具が、0.200インチ〜0.350インチの自由延出量および0.010インチ〜0.035インチの範囲の係合量を可能にすることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の装置であって、前記ブレードの清掃縁部への磁化キャリヤ粒子の吸着を抑えるために残留磁気が低い金属ブレード材料を特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の装置であって、前記保持具の後部に取り付けられて、前記保持具を所定位置に案内し、前記保持具を、その前部がウェブから係合解除されているとき、後部で所定位置に保持する1つ以上のノッチ付き円錐形ピンを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の装置であって、前記ブレードが、2〜5psiの剛性/単位長さを有する1つ以上のポリウレタンブレード、および2〜16psiの剛性/単位長さを有し、0.002〜0.0035インチの一様な厚さ形状を有する1つ以上の金属ブレードを備えることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の装置であって、前記ポリウレタンワイパブレードが、60〜85ショアAの硬度、500〜1500psiの初期ヤング率、および30%を超えるベイショアレジリエンシを有することを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の装置であって、様々な厚さの前記ブレードに対するブレード保持具をさらに備え、それによって、配置では、前記第1の清掃接触点に最も近い第1の位置に着座し、良好な清掃性能を維持するのに必要な特性を有する金属ブレードを有する運用者に対して、容易な装着を可能にすることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の装置であって、ブレードが、剛性/単位長さ、K/Lが2〜32psiであるより剛性の高い第1のブレードをさらに備えることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の装置であって、配置デバイスが、損傷を防ぐためにブレードを適切に撓ませるための1つ以上の傾斜案内機構を備える1つ以上の案内機構、ならびに適切な装着のための案内およびシールド部を具備することを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の装置であって、簡易脱着構成要素をさらに備えることを特徴とする装置。
【請求項12】
静電記録式プリンタの移動している表面から粒状物質を清掃するトナー除去装置であって、前記表面から粒子を除去するために前記表面に接触するように構成されている装置において、
a.第1の清掃接触点に最も近い第1のブレード、および第1の清掃接触点からより遠い第2のブレードを備える2つ以上の脱着式ワイパブレードと、
b.1つ以上の配置デバイスを有する保持具であって、前記移動する表面から粒状物質を清掃するために、前記ブレードと協働して、前記表面に近接した所定位置に、ある作動角度で前記ブレードを保持する保持具であり、1つ以上のブレードが、「T形」突出部を備えるシューによって支持されたウェブに当接し、前記突出部が、前記ブレードの荷重による前記シューの変形を0.003インチ未満に抑える剛性を有する、保持具と、
c.前記ワイパブレードを取り外すことなくサンプから屑材を除去することを容易にするカバーアセンブリと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、2つ以上のブレード保持具を有し、前記保持具が、0.200インチ〜0.350インチの自由延出量および0.010インチ〜0.035インチの範囲の係合量を可能にすることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項12または13のいずれか一項に記載の装置であって、前記ブレードの清掃縁部への磁化キャリヤ粒子の吸着を抑えるために残留磁気が低い金属ブレード材料を特徴とする装置。
【請求項15】
請求項12から14のいずれか一項に記載の装置であって、前記保持具の後部に取り付けられて、前記保持具を所定位置に案内し、前記保持具を、その前部が前記ウェブから係合解除されているとき、後部で所定位置に保持する1つ以上のノッチ付き円錐形ピンを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項12から15のいずれか一項に記載の装置であって、前記ブレードが、2〜5psiの剛性/単位長さを有する1つ以上のポリウレタンブレード、および2〜16psiの剛性/単位長さを有し、0.002〜0.0035インチの一様な厚さ形状を有する1つ以上の金属ブレードを備えることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項12から16のいずれか一項に記載の装置であって、1つのブレードが、60〜85ショアAの硬度、500〜1500psiの初期ヤング率、および30%を超えるベイショアレジリエンシを有するポリウレタンワイパブレードであることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項12から17のいずれか一項に記載の装置であって、2つの前記清掃器ブレードが、第2の金属ブレードより高い剛性を有し、もしくはその逆である、第1の清掃接触点に最も近い第1の金属ブレードを備え、または両方のブレードが同じ剛性を有することを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項12から18のいずれか一項に記載の装置であって、様々な厚さの前記ブレードに対するブレード保持具を備え、それによって、配置では、前記第1の清掃接触点に最も近い第1の位置に着座し、良好な清掃性能を維持するのに必要な特性を有する金属ブレードを有する運用者に対して、容易な装着を可能にすることを特徴とする装置。
【請求項20】
請求項12から19のいずれか一項に記載の装置であって、ブレードが、剛性/単位長さ、K/Lが2〜32psiであるより剛性の高い第1のブレードをさらに備えることを特徴とする装置。
【請求項21】
請求項12から20のいずれか一項に記載の装置であって、配置デバイスが、損傷を防ぐためにブレードを適切に撓ませるための1つ以上の傾斜案内機構備える1つ以上の案内機構、ならびに適切な装着のための案内およびシールド部を具備することを特徴とする装置。
【請求項22】
段付き厚さ形状ブレードを製造する方法であって、
a.角張った縁部を生成するために剪断、研作、および研磨を行った後、10μ未満、好ましくは5μ未満の半径を生成するために前記縁部を丸める電解研磨を行うことを含む、第1の金属ブレードを製造するステップと、
b.角張った縁部を生成するために剪断、研作、および研磨を行った後、10μ未満、好ましくは5μ未満の半径を生成するために前記縁部を丸める電解研磨を行うことを含む、第2の金属ブレードを製造するステップと、
c.前記第1および第2の金属ブレードが、Rzで見て高い粗さ測定項を有するコーティング式ウェブ面上での荷重効果および磨耗を抑えるK/L比を有することを確認するために、各ブレードのK/Lを計算するステップであって、前記粗さ測定項が、前記コーティング式ウェブの表面の山頂から谷までの高さ、もしくはコーティングの大きな磨耗作用特性、またはこれらの面から除去することが困難な紙性異物の除去に関して評価する、ステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、所望の剛性および所望の磨耗特性に関して各ブレードの係合深さを計算するステップを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項22または23のいずれか一項に記載の方法であって、前記金属ブレードを保持具に取り付ける組立コストを削減し、取付け精度を向上させるために、金属ブレードを保持具に接着するステップを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項22から24のいずれか一項に記載の方法であって、前記ウェブとの清掃接触機構として使用される丸い縁部を生成するために、当業界でナンバ3と呼称される縁部品質を生成する剪断によって製造するステップを、第1の金属ブレードがさらに含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図12F】
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【図12G】
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【図12H】
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【図12I】
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【公表番号】特表2012−507745(P2012−507745A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−534501(P2011−534501)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2009/005817
【国際公開番号】WO2010/056273
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】