非常時案内表示機能付大型映像表示システム及び表示ユニット
【課題】地震や火災などの災害が発生した際に、損傷を免れた表示装置によって、避難誘導の情報を表示することで、人的被害を最小限に食い止める。
【解決手段】多数の表示ユニット2で表示画面が構成された大型映像表示装置1、この大型映像表示装置に付設され外部から入力される映像情報に基づいて上記各表示ユニットに映像情報を分配し上記大型映像表示装置に前記外部から入力される映像情報を表示させる表示制御装置3、および非常時に表示すべきイメージ情報を格納した記憶装置6、22を備え、非常時に上記大型映像表示装置の少なくとも1つの表示ユニットに、前記記憶装置に格納されている上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示する。
【解決手段】多数の表示ユニット2で表示画面が構成された大型映像表示装置1、この大型映像表示装置に付設され外部から入力される映像情報に基づいて上記各表示ユニットに映像情報を分配し上記大型映像表示装置に前記外部から入力される映像情報を表示させる表示制御装置3、および非常時に表示すべきイメージ情報を格納した記憶装置6、22を備え、非常時に上記大型映像表示装置の少なくとも1つの表示ユニットに、前記記憶装置に格納されている上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地震や火災などの非常時に誘導などの案内を表示する機能を持った非常時案内表示機能付大型映像表示システム及び表示ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の避難誘導システムにおいては、情報管理装置で操作を行うと、情報表示装置に避難誘導情報を表示をしていた。具体的には図13に示すように、案内情報の表示を管理する表示管理装置と、表示を行う情報表示装置が分かれており、どちらも構内回線によって接続されていた。また、この避難誘導システムは、表示管理装置を操作することによって、情報表示装置に避難誘導などを表示することができるものである。(例えば、特許文献1・特許文献2参照)
【0003】
【特許文献1】特開平4−255097号公報(図1及びその説明)
【特許文献2】特開平4−254888号公報(図1及びその説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図13で示すような避難誘導システムにおいては、案内情報の表示を管理する表示管理装置と、表示を行う情報表示装置とは構内回線によって接続されて、互いに離れた場所に設置されていた。
従って、もし、地震や火災などの災害が発生し、途中(表示管理装置の構内モデムから情報表示装置の構内モデムまでの間)の通信回線が切断された際には、図14に例示の表示ユニット2への信号線11への映像情報が、図15に示すように断たれてしまうことになり、表示管理装置で表示の操作を行っても、情報表示装置との通信が出来ないため、情報表示装置の通常表示時の表示を更新して非常時の誘導を行う表示をすることが出来ないといった問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、地震や火災などの非常時に途中の通信回線が切断された場合や、表示管理装置が故障した場合でも、表示装置単体で異常を検出し、自動的に表示装置に避難誘導などの案内を表示することで、地震や火災などの災害が発生した際に、損傷を免れた表示装置によって、避難誘導の情報を表示することで、人的被害を最小限に食い止めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る非常時案内表示機能付大型映像表示システムは、多数の表示ユニットで表示画面が構成された大型映像表示装置、この大型映像表示装置に付設され外部から入力される映像情報に基づいて上記各表示ユニットに映像情報を分配し上記大型映像表示装置に前記外部から入力される映像情報を表示させる表示制御装置、および非常時に表示すべきイメージ情報を格納した記憶装置を備え、非常時に上記大型映像表示装置の少なくとも1つの表示ユニットに、前記記憶装置に格納されている上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示するものである。
【0007】
また、この発明に係る表示ユニットは、大型映像表示装置の一部を構成し表示素子群で表示画面が構成されている表示ユニットであって、制御回路、電源、非常時に表示すべきイメージ情報を格納した内部メモリ、および異常状態を検出するセンサーを備え、上記センサーが異常状態を検出すると上記電源を電源として上記制御回路が上記内部メモリに格納のイメージ情報に基づいて非常時に表示すべきイメージを上記表示素子群に表示させる
ものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、多数の表示ユニットで表示画面が構成された大型映像表示装置、この大型映像表示装置に付設され外部から入力される映像情報に基づいて上記各表示ユニットに映像情報を分配し上記大型映像表示装置に前記外部から入力される映像情報を表示させる表示制御装置、および非常時に表示すべきイメージ情報を格納した記憶装置を備え、非常時に上記大型映像表示装置の少なくとも1つの表示ユニットに、前記記憶装置に格納されている上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示するので、従来のシステムのように、表示管理装置で表示の操作を行っても、情報表示装置との通信が出来ないため、情報表示装置の通常表示時の表示を更新して非常時の誘導を行う表示をすることが出来ないといった問題点が緩和される効果がある。
【0009】
また、この発明は、大型映像表示装置の一部を構成し表示素子群で表示画面が構成されている表示ユニットであって、制御回路、電源、非常時に表示すべきイメージ情報を格納した内部メモリ、および異常状態を検出するセンサーを備え、上記センサーが異常状態を検出すると上記電源を電源として上記制御回路が上記内部メモリに格納のイメージ情報に基づいて非常時に表示すべきイメージを上記表示素子群に表示させるので、大型映像表示装置の一部を構成し表示素子群で表示画面が構成されている表示ユニットだけで、異常時に表示すべきイメージ情報を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を図1〜図7により説明する。図1は大型映像表示装置及びその表示制御装置を備えた大型映像表示システムの事例の外観図、図2は非常検出および非常表示イメージの格納を行う機能のシステム構成の事例を示す図、図3大型映像表示装置内のブロック図の事例、図4は大型映像表示装置を構成する表示ユニットの事例の外観図、図5は大型映像表示装置が通常時に表示している例である。図6は大型映像表示装置が、停電などの非常時に誘導路を表示している例を示す図、図7は非常時案内表示機能付表示ユニットが、通常時に表示している例と停電などの非常時に表示している例とを比較して示す図である。
【0011】
図1において、大型映像表示装置1は、多数の表示ユニット2を図3の大型映像表示ブロック図で示すように組み合わせて各表示ユニット2を表示制御装置3と接続し、1画面の大きな映像表示スクリーンを構成している。表示制御装置3は大型映像表示装置1に近接して或いは一体をなすように付設されている。
【0012】
1画面の大きな映像表示スクリーンに表示される映像は、外部からの映像情報aが入力されて表示制御装置3にて処理を行い、表示制御装置3で表示ユニット2を点灯する信号に変換され、表示ユニット2の発光素子が点灯することにより表示している。なお、図3における太線は映像情報の信号線である。
【0013】
また、本実施の形態1では、図2に例示してあるように、表示制御装置3には、火災警報装置20からの異常信号bの入力や、非常表示ボタン21を設け、更に、非常時に表示するイメージを格納しているディスク等の非常表示イメージ格納記憶装置22を接続していいる。
【0014】
また、上記表示ユニット2は、図4に例示のように、その前面に発光素子4が縦横に多数並べられて発光素子群41が形成されている。
【0015】
次に、動作について説明する。
【0016】
通常は図5の通常時大型映像表示装置表示例で示すように、大型映像表示装置1は映像を表示している。
【0017】
火災などの異常が発生した際に、火災警報装置20からの異常信号bが入力され、非常表示ボタン21が押されると、図6の非常時大型映像表示装置表示例、および、図7の非常時表示ユニット表示例で示すように、予め非常表示イメージ格納記憶装置22に登録された避難誘導表示など非常時に必要な非常時表示イメージを大型映像表示装置1に表示することが出来る。
【0018】
なお、図6は非常時の表示事例として、大型映像表示装置1の左方へ避難できることを左端の2つの表示ユニット2で表示2ad1し、右方へも避難できることを右端の2つの表示ユニット2で表示2ad2してある。
【0019】
また、図7は、右端の1つの表示ユニット2で、通常時の表示2nと、非常時の表示2ad2とを比較して例示した図であり、図6における右から2つ目の表示ユニット2は、通常時は図5の表示映像の一部である表示2nを表示し、非常時には非常時に必要な表示イメージである表示2ad2を表示する。また、これらの表示イメージは、表示制御装置3から分配された映像情報に基づいて表示ユニット2内の表示回路(図8他における表示回路4c)により図4の発光素子群41上に表示され、通常時は外部からの映像情報aが、非常時には非常表示イメージ格納記憶装置22に格納の表示イメージ情報が、それぞれ表示される。
【0020】
これらの動作により、地震や火災などの災害が発生した際に、観客は大型映像表示装置1に表示されている避難誘導の案内を見て安全に避難することが出来る。
【0021】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を、図8および図9により説明する。図8は大型映像表示装置を構成する非常時案内表示機能付表示ユニットの内部構成の事例を示すブロック図、図9は非常時案内表示機能付表示ユニットが停電などの非常状態を検出して案内表示を行う際の処理の事例をフローチャートで示す図である。
【0022】
なお、上述の実施の形態1では、表示ユニット2は、表示制御装置3と大型映像表示装置とを接続する電源線や信号線を介した映像情報によって、常時・非常時を問わず表示を行っていた。
【0023】
しかしながら、地震や火災などの災害が発生した場合は、図15で示すように、表示ユニット2は電源線10や信号線11が切断されたり、電源の供給自体が断たれてしまうため、表示を行うことができなくなる。
【0024】
そこで、本実施の形態では、非常時案内表示機能付表示ユニット2psを用いることにより、電源線10が切断された場合や停電した場合でも案内表示を可能にしたものである。
【0025】
つまり、非常時案内表示機能付表示ユニット2psは、その内部に、図8に例示してあるように、停電時に電源を供給するためにバッテリー等の内部電源5、案内表示のイメージファイルを格納するために記憶装置であるメモリーカード等の内部メモリ6、及び、電源系統を切換える電源切替スイッチ7、表示するイメージファイルを設定する為の設定スイッチ8を備えている。
【0026】
また、非常時案内表示機能付表示ユニット2psは、非常時案内表示機能付表示ユニット
ではない通常の表示ユニット2に接続されている電源線10、信号線11に加えて、停電検出信号線12が接続されている。この停電検出信号線12は、電源供給源と直結されており、大型映像表示装置1のON/OFFに拘わらず信号が供給され、電源線10に電源断が発生した場合、電源断が大型映像表示装置1のOFFによる電源断か、停電による電源断か判断する。なお、内部電源5から電源が供給される電源監視部を制御回路2c内に設けて、この電源監視部によって停電を検出するようにしてもよい。
【0027】
図9のフローチャートで示すように、この非常時案内表示機能付表示ユニット2psは、ステップS1で停電検出信号線12(あるいは電源監視部)により停電と判断すると、ステップS2で電源切替スイッチ7が動作して電源をバッテリー等の内部電源5に切換える。
【0028】
次に、ステップS3で、非常状態に対応して表示するイメージを設定スイッチ8により選択し、メモリーカード等の内部メモリ6から読込む。
【0029】
最後にステップS4において、ステップS3で読込んだイメージに従って発光素子4を点灯させる、といった動作をする。
【0030】
これらの動作により、停電や図15のように非常状態により電源線10や信号線11が切断された場合でも、大型映像表示装置1には非常時に必要な最低限の表示を行うことが可能である。
実施の形態3.
【0031】
以下、この発明の実施の形態3を、非常時案内表示機能付表示ユニット内の電源として燃料電池を使用した場合の非常時案内表示機能付表示ユニットの内部構成の事例を示すブロック図で示す図10により説明する。
【0032】
実施の形態2では、内部電源5の事例としてバッテリーを例示したが、バッテリーでは駆動時間が限られる為、本実施の形態3は、図10に例示してあるように、非常時案内表示機能付表示ユニット2psの内部電源5を燃料電池としたもので、予め保管されている燃料電池の燃料を燃料補充口13より定期的に追加することにより長時間運用することが可能である。
【0033】
実施の形態4.
なお、上述の実施の形態2および3では、停電を自動的に検出して、案内表示を行うようになっていたが、図11で例示してあるように、振動、煙、温度などの異常状態を検出する検出センサー9を、上述の実施の形態2および3の更に追加設置して、非常時案内表示機能付表示ユニット2ps内に設けることで、停電以外の要因でも異常な状態の検出することが可能である。例えば、震災や火災などの災害により大型映像表示装置1が損傷を受けた場合でも、非常時案内表示機能付表示ユニット2psにより、異常時の案内表示が可能である。その意味では非常時案内表示機能付表示ユニット2psは大型映像表示装置1に複数個設けてある方が良い。
【0034】
実施の形態5.
上述の実施の形態1では、大型映像表示装置1に組み込まれている通常の状態で表示を行う事例であるが、非常時案内表示機能付表示ユニット2psであれば、バッテリー5が内蔵されているため、大型映像表示装置1より取り外して、電源線10および信号線11および停電検出信号線12が切り離された状態でも、表示することが可能である。
【0035】
図12は非常時案内表示機能付表示ユニット2psを単体で地面に置いた例であり、災害
などが発生した場合は、臨機応変に設置場所を変えることができるため、非常時案内表示機能付表示ユニット2psを有効に活用できる。
【0036】
なお、図1〜図15の各図中、同一符合は同一または相当部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、大型映像表示装置及びその表示制御装置を備えた大型映像表示システムの事例の外観図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、非常検出および非常表示イメージの格納を行う機能のシステム構成の事例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、大型映像表示装置内のブロック図の事例である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す図で、大型映像表示装置を構成する表示ユニットの事例の外観図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す図で、大型映像表示装置が通常時に表示している例である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す図で、大型映像表示装置が、停電などの非常時に誘導路を表示している例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1を示す図で、非常時案内表示機能付表示ユニットが、通常時に表示している例と停電などの非常時に表示している例とを比較して示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2を示す図で、大型映像表示装置を構成する非常時案内表示機能付表示ユニットの内部構成の事例を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態2を示す図で、非常時案内表示機能付表示ユニットが停電などの非常状態を検出して案内表示を行う際の処理の事例をフローチャートで示す図である。
【図10】この発明の実施の形態3を示す図で、非常時案内表示機能付表示ユニット内の電源として燃料電池を使用した場合の非常時案内表示機能付表示ユニットの内部構成の事例を示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態4を示す図で、非常状態を検出するセンサーを有する非常時案内表示機能付表示ユニットの内部構成の事例を示すブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態5を示す図で、内部電源を有する可搬式の非常時案内表示機能付表示ユニットの内部構成の事例を示すブロック図である。
【図13】従来技術である特許文献1の実施例をブロック図で示した図である。
【図14】従来の大型映像表示装置を構成する表示ユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図15】従来の大型映像表示装置や火災や地震等の非常状態によって、表示ユニットに入力される電源線及び信号線が切断された場合の例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 大型映像表示装置、
2 表示ユニット、
2ps 非常時案内表示機能付表示ユニット、
2ad1,2ad2 異常時の表示、
2n 通常時の表示、
2c 制御回路、
3 表示制御装置、
4 発光素子、
41 発光素子群、
5 バッテリや燃料電池など内部電源、
6 メモリーカード等の内部メモリ、
7 電源切替スイッチ、
8 設定スイッチ、
9 異常状態検出センサー、
10 電源線、
11 信号線、
12 停電検出信号線、
13 燃料補充口、
20 火災警報装置、
21 非常表示ボタン、
22 非常表示イメージ格納ディスクなどの記憶装置、
a 映像信号、
b 異常信号。
【技術分野】
【0001】
この発明は、地震や火災などの非常時に誘導などの案内を表示する機能を持った非常時案内表示機能付大型映像表示システム及び表示ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の避難誘導システムにおいては、情報管理装置で操作を行うと、情報表示装置に避難誘導情報を表示をしていた。具体的には図13に示すように、案内情報の表示を管理する表示管理装置と、表示を行う情報表示装置が分かれており、どちらも構内回線によって接続されていた。また、この避難誘導システムは、表示管理装置を操作することによって、情報表示装置に避難誘導などを表示することができるものである。(例えば、特許文献1・特許文献2参照)
【0003】
【特許文献1】特開平4−255097号公報(図1及びその説明)
【特許文献2】特開平4−254888号公報(図1及びその説明)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図13で示すような避難誘導システムにおいては、案内情報の表示を管理する表示管理装置と、表示を行う情報表示装置とは構内回線によって接続されて、互いに離れた場所に設置されていた。
従って、もし、地震や火災などの災害が発生し、途中(表示管理装置の構内モデムから情報表示装置の構内モデムまでの間)の通信回線が切断された際には、図14に例示の表示ユニット2への信号線11への映像情報が、図15に示すように断たれてしまうことになり、表示管理装置で表示の操作を行っても、情報表示装置との通信が出来ないため、情報表示装置の通常表示時の表示を更新して非常時の誘導を行う表示をすることが出来ないといった問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、地震や火災などの非常時に途中の通信回線が切断された場合や、表示管理装置が故障した場合でも、表示装置単体で異常を検出し、自動的に表示装置に避難誘導などの案内を表示することで、地震や火災などの災害が発生した際に、損傷を免れた表示装置によって、避難誘導の情報を表示することで、人的被害を最小限に食い止めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る非常時案内表示機能付大型映像表示システムは、多数の表示ユニットで表示画面が構成された大型映像表示装置、この大型映像表示装置に付設され外部から入力される映像情報に基づいて上記各表示ユニットに映像情報を分配し上記大型映像表示装置に前記外部から入力される映像情報を表示させる表示制御装置、および非常時に表示すべきイメージ情報を格納した記憶装置を備え、非常時に上記大型映像表示装置の少なくとも1つの表示ユニットに、前記記憶装置に格納されている上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示するものである。
【0007】
また、この発明に係る表示ユニットは、大型映像表示装置の一部を構成し表示素子群で表示画面が構成されている表示ユニットであって、制御回路、電源、非常時に表示すべきイメージ情報を格納した内部メモリ、および異常状態を検出するセンサーを備え、上記センサーが異常状態を検出すると上記電源を電源として上記制御回路が上記内部メモリに格納のイメージ情報に基づいて非常時に表示すべきイメージを上記表示素子群に表示させる
ものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明は、多数の表示ユニットで表示画面が構成された大型映像表示装置、この大型映像表示装置に付設され外部から入力される映像情報に基づいて上記各表示ユニットに映像情報を分配し上記大型映像表示装置に前記外部から入力される映像情報を表示させる表示制御装置、および非常時に表示すべきイメージ情報を格納した記憶装置を備え、非常時に上記大型映像表示装置の少なくとも1つの表示ユニットに、前記記憶装置に格納されている上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示するので、従来のシステムのように、表示管理装置で表示の操作を行っても、情報表示装置との通信が出来ないため、情報表示装置の通常表示時の表示を更新して非常時の誘導を行う表示をすることが出来ないといった問題点が緩和される効果がある。
【0009】
また、この発明は、大型映像表示装置の一部を構成し表示素子群で表示画面が構成されている表示ユニットであって、制御回路、電源、非常時に表示すべきイメージ情報を格納した内部メモリ、および異常状態を検出するセンサーを備え、上記センサーが異常状態を検出すると上記電源を電源として上記制御回路が上記内部メモリに格納のイメージ情報に基づいて非常時に表示すべきイメージを上記表示素子群に表示させるので、大型映像表示装置の一部を構成し表示素子群で表示画面が構成されている表示ユニットだけで、異常時に表示すべきイメージ情報を表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を図1〜図7により説明する。図1は大型映像表示装置及びその表示制御装置を備えた大型映像表示システムの事例の外観図、図2は非常検出および非常表示イメージの格納を行う機能のシステム構成の事例を示す図、図3大型映像表示装置内のブロック図の事例、図4は大型映像表示装置を構成する表示ユニットの事例の外観図、図5は大型映像表示装置が通常時に表示している例である。図6は大型映像表示装置が、停電などの非常時に誘導路を表示している例を示す図、図7は非常時案内表示機能付表示ユニットが、通常時に表示している例と停電などの非常時に表示している例とを比較して示す図である。
【0011】
図1において、大型映像表示装置1は、多数の表示ユニット2を図3の大型映像表示ブロック図で示すように組み合わせて各表示ユニット2を表示制御装置3と接続し、1画面の大きな映像表示スクリーンを構成している。表示制御装置3は大型映像表示装置1に近接して或いは一体をなすように付設されている。
【0012】
1画面の大きな映像表示スクリーンに表示される映像は、外部からの映像情報aが入力されて表示制御装置3にて処理を行い、表示制御装置3で表示ユニット2を点灯する信号に変換され、表示ユニット2の発光素子が点灯することにより表示している。なお、図3における太線は映像情報の信号線である。
【0013】
また、本実施の形態1では、図2に例示してあるように、表示制御装置3には、火災警報装置20からの異常信号bの入力や、非常表示ボタン21を設け、更に、非常時に表示するイメージを格納しているディスク等の非常表示イメージ格納記憶装置22を接続していいる。
【0014】
また、上記表示ユニット2は、図4に例示のように、その前面に発光素子4が縦横に多数並べられて発光素子群41が形成されている。
【0015】
次に、動作について説明する。
【0016】
通常は図5の通常時大型映像表示装置表示例で示すように、大型映像表示装置1は映像を表示している。
【0017】
火災などの異常が発生した際に、火災警報装置20からの異常信号bが入力され、非常表示ボタン21が押されると、図6の非常時大型映像表示装置表示例、および、図7の非常時表示ユニット表示例で示すように、予め非常表示イメージ格納記憶装置22に登録された避難誘導表示など非常時に必要な非常時表示イメージを大型映像表示装置1に表示することが出来る。
【0018】
なお、図6は非常時の表示事例として、大型映像表示装置1の左方へ避難できることを左端の2つの表示ユニット2で表示2ad1し、右方へも避難できることを右端の2つの表示ユニット2で表示2ad2してある。
【0019】
また、図7は、右端の1つの表示ユニット2で、通常時の表示2nと、非常時の表示2ad2とを比較して例示した図であり、図6における右から2つ目の表示ユニット2は、通常時は図5の表示映像の一部である表示2nを表示し、非常時には非常時に必要な表示イメージである表示2ad2を表示する。また、これらの表示イメージは、表示制御装置3から分配された映像情報に基づいて表示ユニット2内の表示回路(図8他における表示回路4c)により図4の発光素子群41上に表示され、通常時は外部からの映像情報aが、非常時には非常表示イメージ格納記憶装置22に格納の表示イメージ情報が、それぞれ表示される。
【0020】
これらの動作により、地震や火災などの災害が発生した際に、観客は大型映像表示装置1に表示されている避難誘導の案内を見て安全に避難することが出来る。
【0021】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を、図8および図9により説明する。図8は大型映像表示装置を構成する非常時案内表示機能付表示ユニットの内部構成の事例を示すブロック図、図9は非常時案内表示機能付表示ユニットが停電などの非常状態を検出して案内表示を行う際の処理の事例をフローチャートで示す図である。
【0022】
なお、上述の実施の形態1では、表示ユニット2は、表示制御装置3と大型映像表示装置とを接続する電源線や信号線を介した映像情報によって、常時・非常時を問わず表示を行っていた。
【0023】
しかしながら、地震や火災などの災害が発生した場合は、図15で示すように、表示ユニット2は電源線10や信号線11が切断されたり、電源の供給自体が断たれてしまうため、表示を行うことができなくなる。
【0024】
そこで、本実施の形態では、非常時案内表示機能付表示ユニット2psを用いることにより、電源線10が切断された場合や停電した場合でも案内表示を可能にしたものである。
【0025】
つまり、非常時案内表示機能付表示ユニット2psは、その内部に、図8に例示してあるように、停電時に電源を供給するためにバッテリー等の内部電源5、案内表示のイメージファイルを格納するために記憶装置であるメモリーカード等の内部メモリ6、及び、電源系統を切換える電源切替スイッチ7、表示するイメージファイルを設定する為の設定スイッチ8を備えている。
【0026】
また、非常時案内表示機能付表示ユニット2psは、非常時案内表示機能付表示ユニット
ではない通常の表示ユニット2に接続されている電源線10、信号線11に加えて、停電検出信号線12が接続されている。この停電検出信号線12は、電源供給源と直結されており、大型映像表示装置1のON/OFFに拘わらず信号が供給され、電源線10に電源断が発生した場合、電源断が大型映像表示装置1のOFFによる電源断か、停電による電源断か判断する。なお、内部電源5から電源が供給される電源監視部を制御回路2c内に設けて、この電源監視部によって停電を検出するようにしてもよい。
【0027】
図9のフローチャートで示すように、この非常時案内表示機能付表示ユニット2psは、ステップS1で停電検出信号線12(あるいは電源監視部)により停電と判断すると、ステップS2で電源切替スイッチ7が動作して電源をバッテリー等の内部電源5に切換える。
【0028】
次に、ステップS3で、非常状態に対応して表示するイメージを設定スイッチ8により選択し、メモリーカード等の内部メモリ6から読込む。
【0029】
最後にステップS4において、ステップS3で読込んだイメージに従って発光素子4を点灯させる、といった動作をする。
【0030】
これらの動作により、停電や図15のように非常状態により電源線10や信号線11が切断された場合でも、大型映像表示装置1には非常時に必要な最低限の表示を行うことが可能である。
実施の形態3.
【0031】
以下、この発明の実施の形態3を、非常時案内表示機能付表示ユニット内の電源として燃料電池を使用した場合の非常時案内表示機能付表示ユニットの内部構成の事例を示すブロック図で示す図10により説明する。
【0032】
実施の形態2では、内部電源5の事例としてバッテリーを例示したが、バッテリーでは駆動時間が限られる為、本実施の形態3は、図10に例示してあるように、非常時案内表示機能付表示ユニット2psの内部電源5を燃料電池としたもので、予め保管されている燃料電池の燃料を燃料補充口13より定期的に追加することにより長時間運用することが可能である。
【0033】
実施の形態4.
なお、上述の実施の形態2および3では、停電を自動的に検出して、案内表示を行うようになっていたが、図11で例示してあるように、振動、煙、温度などの異常状態を検出する検出センサー9を、上述の実施の形態2および3の更に追加設置して、非常時案内表示機能付表示ユニット2ps内に設けることで、停電以外の要因でも異常な状態の検出することが可能である。例えば、震災や火災などの災害により大型映像表示装置1が損傷を受けた場合でも、非常時案内表示機能付表示ユニット2psにより、異常時の案内表示が可能である。その意味では非常時案内表示機能付表示ユニット2psは大型映像表示装置1に複数個設けてある方が良い。
【0034】
実施の形態5.
上述の実施の形態1では、大型映像表示装置1に組み込まれている通常の状態で表示を行う事例であるが、非常時案内表示機能付表示ユニット2psであれば、バッテリー5が内蔵されているため、大型映像表示装置1より取り外して、電源線10および信号線11および停電検出信号線12が切り離された状態でも、表示することが可能である。
【0035】
図12は非常時案内表示機能付表示ユニット2psを単体で地面に置いた例であり、災害
などが発生した場合は、臨機応変に設置場所を変えることができるため、非常時案内表示機能付表示ユニット2psを有効に活用できる。
【0036】
なお、図1〜図15の各図中、同一符合は同一または相当部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明の実施の形態1を示す図で、大型映像表示装置及びその表示制御装置を備えた大型映像表示システムの事例の外観図である。
【図2】この発明の実施の形態1を示す図で、非常検出および非常表示イメージの格納を行う機能のシステム構成の事例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1を示す図で、大型映像表示装置内のブロック図の事例である。
【図4】この発明の実施の形態1を示す図で、大型映像表示装置を構成する表示ユニットの事例の外観図である。
【図5】この発明の実施の形態1を示す図で、大型映像表示装置が通常時に表示している例である。
【図6】この発明の実施の形態1を示す図で、大型映像表示装置が、停電などの非常時に誘導路を表示している例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1を示す図で、非常時案内表示機能付表示ユニットが、通常時に表示している例と停電などの非常時に表示している例とを比較して示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2を示す図で、大型映像表示装置を構成する非常時案内表示機能付表示ユニットの内部構成の事例を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態2を示す図で、非常時案内表示機能付表示ユニットが停電などの非常状態を検出して案内表示を行う際の処理の事例をフローチャートで示す図である。
【図10】この発明の実施の形態3を示す図で、非常時案内表示機能付表示ユニット内の電源として燃料電池を使用した場合の非常時案内表示機能付表示ユニットの内部構成の事例を示すブロック図である。
【図11】この発明の実施の形態4を示す図で、非常状態を検出するセンサーを有する非常時案内表示機能付表示ユニットの内部構成の事例を示すブロック図である。
【図12】この発明の実施の形態5を示す図で、内部電源を有する可搬式の非常時案内表示機能付表示ユニットの内部構成の事例を示すブロック図である。
【図13】従来技術である特許文献1の実施例をブロック図で示した図である。
【図14】従来の大型映像表示装置を構成する表示ユニットの内部構成を示すブロック図である。
【図15】従来の大型映像表示装置や火災や地震等の非常状態によって、表示ユニットに入力される電源線及び信号線が切断された場合の例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 大型映像表示装置、
2 表示ユニット、
2ps 非常時案内表示機能付表示ユニット、
2ad1,2ad2 異常時の表示、
2n 通常時の表示、
2c 制御回路、
3 表示制御装置、
4 発光素子、
41 発光素子群、
5 バッテリや燃料電池など内部電源、
6 メモリーカード等の内部メモリ、
7 電源切替スイッチ、
8 設定スイッチ、
9 異常状態検出センサー、
10 電源線、
11 信号線、
12 停電検出信号線、
13 燃料補充口、
20 火災警報装置、
21 非常表示ボタン、
22 非常表示イメージ格納ディスクなどの記憶装置、
a 映像信号、
b 異常信号。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の表示ユニットで表示画面が構成された大型映像表示装置、この大型映像表示装置に付設され外部から入力される映像情報に基づいて上記各表示ユニットに映像情報を分配し上記大型映像表示装置に前記外部から入力される映像情報を表示させる表示制御装置、および非常時に表示すべきイメージ情報を格納した記憶装置を備え、非常時に上記大型映像表示装置の少なくとも1つの表示ユニットに、前記記憶装置に格納されている上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示する非常時案内表示機能付大型映像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の非常時案内表示機能付大型映像表示システムにおいて、上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示する表示ユニットがその内部に電源を有し、この内部電源を電源として停電時に上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示することを特徴とする非常時案内表示機能付大型映像表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の非常時案内表示機能付大型映像表示システムにおいて、上記記憶装置が上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示する表示ユニットの内部に設けられていることを特徴とする非常時案内表示機能付大型映像表示システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の非常時案内表示機能付大型映像表示システムにおいて、異常状態を検出するセンサーが、上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示する表示ユニットの内部に設けられていることを特徴とする非常時案内表示機能付大型映像表示システム。
【請求項5】
請求項4に記載の非常時案内表示機能付大型映像表示システムにおいて、上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示する表示ユニットが、上記大型映像表示装置から取り外し可能であることを特徴とする非常時案内表示機能付大型映像表示システム。
【請求項6】
大型映像表示装置の一部を構成し表示素子群で表示画面が構成されている表示ユニットであって、制御回路、電源、非常時に表示すべきイメージ情報を格納した内部メモリ、および異常状態を検出するセンサーを備え、上記センサーが異常状態を検出すると上記電源を電源として上記制御回路が上記内部メモリに格納のイメージ情報に基づいて非常時に表示すべきイメージを上記表示素子群に表示させる表示ユニット。
【請求項1】
多数の表示ユニットで表示画面が構成された大型映像表示装置、この大型映像表示装置に付設され外部から入力される映像情報に基づいて上記各表示ユニットに映像情報を分配し上記大型映像表示装置に前記外部から入力される映像情報を表示させる表示制御装置、および非常時に表示すべきイメージ情報を格納した記憶装置を備え、非常時に上記大型映像表示装置の少なくとも1つの表示ユニットに、前記記憶装置に格納されている上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示する非常時案内表示機能付大型映像表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の非常時案内表示機能付大型映像表示システムにおいて、上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示する表示ユニットがその内部に電源を有し、この内部電源を電源として停電時に上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示することを特徴とする非常時案内表示機能付大型映像表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の非常時案内表示機能付大型映像表示システムにおいて、上記記憶装置が上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示する表示ユニットの内部に設けられていることを特徴とする非常時案内表示機能付大型映像表示システム。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の非常時案内表示機能付大型映像表示システムにおいて、異常状態を検出するセンサーが、上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示する表示ユニットの内部に設けられていることを特徴とする非常時案内表示機能付大型映像表示システム。
【請求項5】
請求項4に記載の非常時案内表示機能付大型映像表示システムにおいて、上記非常時に表示すべきイメージ情報を表示する表示ユニットが、上記大型映像表示装置から取り外し可能であることを特徴とする非常時案内表示機能付大型映像表示システム。
【請求項6】
大型映像表示装置の一部を構成し表示素子群で表示画面が構成されている表示ユニットであって、制御回路、電源、非常時に表示すべきイメージ情報を格納した内部メモリ、および異常状態を検出するセンサーを備え、上記センサーが異常状態を検出すると上記電源を電源として上記制御回路が上記内部メモリに格納のイメージ情報に基づいて非常時に表示すべきイメージを上記表示素子群に表示させる表示ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−286864(P2008−286864A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−129370(P2007−129370)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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