説明

非平面要素を製造する方法

【課題】非平面が堅いキャリア上に直接形作られることを可能にする非平面要素を製造するための方法を提供する。
【解決手段】この方法は、ハイブリダイゼイションカラムによりキャリア上に柔軟な要素を適合させる段階であって、各カラムは第1高さを有し、及び柔軟な要素及びキャリアのそれぞれに追加される半田材料に対してぬれ性の二つの表面の間に形成された半田材料の体積を含んでおり、ぬれ性の表面は半田材料に対して非ぬれ性の領域により囲まれており、ぬれ性の表面及び半田材料の体積はカラムが形成される位置でキャリアに対して柔軟な要素に求められる第2高さに応じて決定され、そのようにしてカラムは、材料の体積がその融点より高いか等しい温度に導かれるとき、第1高さから第2高さまで変化する段階と、カラムの半田材料の体積を、それを溶解するために前記材料の融点より高いか等しい温度まで加熱する段階と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非平面要素、特に、電子または光学要素の製造に関連している。それは特にイメージセンサーの分野で特に利用される。
【背景技術】
【0002】
エレクトロニックイメージデバイスは、CMOSまたはCCD技術を利用するシリコンよりなる平面半導体イメージセンサー、及び前記イメージセンサー上に観測された場面のイメージを形成するレンズを一般的に含んでいる。
【0003】
しかしながら、複雑でない集束レンズのレンズとしての利用は、前記レンズによって形成されたイメージが平面ではなく、球形、「場の屈曲」として知られる現象である限り、十分なものではない。実際に、集束レンズにより平面センサー上に投影されたイメージは、端部ではなく中心ではっきりしているか、またはその逆のどちらかである。これは特に、何故特定の表面処理を追加的に受けているレンズクラスターで構成された複雑なレンズが製造され、それによって、それらが作り出すイメージが前記センサーの平面特性に従うようになることを説明している。
【0004】
しかしながら、現在になっても、最も複雑なレンズは、制限された樽型及び糸巻型歪曲、球面収差(またはいわゆる「散光」収差)、コマ、非点収差、口径食、グレア、迷光(反射光)、または色フリンジとなりうるいくつかの幾何及び色収差の両方を導入している。
【0005】
そのような収差は、複雑で大きなレンズの使用を通して、及び/または前記事象の後で、多量の処理力を必要とするイメージ生成アルゴリズムの実装を通して、イメージ形成上で直接修正される必要がある。前記センサーの平面特性は、それ故収差の直接原因であり、及びそれに関する修正は、前記カメラ及びデジタル写真電子機器内に組み込まれる大きく及び高価なレンズを含んでいる。
【0006】
場の屈曲からもたらされる誤差を除去する効果的な方法は、前記レンズにより形成された前記イメージと実質的に同じ形状となるように前記イメージセンサーの形状を修正することである。前記センサーが曲げられることができるという事実は、前記収差が修正されうるだけでなく、前記カメラ及び写真の電子機器が小型に及び安く設計され、及び大量の処理力を必要とせず、「魚目」型のレンズに対して最大180°の増大された視覚的鮮明さにより全体として加えられる。
【0007】
イメージ形成場において湾曲されたセンサーを設計することの利点は、このように容易に想像できる。
【0008】
一般に、デジタルセンサー、いかなる技術(可視光のためのCCDまたはCMOS、赤外線のためのCdHgTeベース、など)、及びそれに関する構成(モノリシック、ハイブリッド、など)は、画素読出回路が形成される基板を含んでおり、前記基板は、数十マイクロメートルと数ミリメートルの間の厚さを有している。
【0009】
実際に、湾曲した基板を製造すること、より一般的には、例えばこれらの厚さに関して可塑性のある回路を製造することは困難なままである。
【0010】
実際には、(一般的に50マイクロメートルより上の)大きな厚さ、及びそれ故非常に堅い平面回路を曲げることは、例えば、パイピング、クラッキング、テアリング、または接続及び前記回路に含まれた電気的要素の破壊、のような回路の質に害を及ぼす欠陥を引き起こす。
【0011】
そのような欠点を避けるために、(一般的にシリコン回路に対して50マイクロメートルより下の)非常に低い厚さを有する回路を設計し、及びその結果良好な柔軟性をもたらし、及びそれから所望の曲面を有するより堅いキャリア上にそれを結合することが可能である。
【0012】
しかしながら、接着剤はしばしば、低い厚さの理由で薄化された回路に移される制御できない及び予測できない欠陥(気泡、均一性の欠陥、など)を有している。前記回路の最終的な質はそのようにして、非常に乱雑である。
【0013】
損傷させる危険を冒して前記回路上に過剰な圧力を置かないことが望まれるので、湾曲した曲面上での結合は難しく、及び前記表面は非常に多くの変動を有しているのでより一層難しい。一般的にそれ故、結合は平面かまたはわずかに湾曲した表面上に制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、非平面な表面、及び複雑な表面でさえ堅いキャリア上に直接形作られることを可能にする非平面要素を製造するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的のために、本発明の目的は非平面要素の製造であって、本発明によると、
・ハイブリダイゼイションカラムによりキャリア上に柔軟な要素を適合させる段階であって、各カラムは第1の高さを有し、及び半田材料に対してぬれ性の二つの表面の間に形成される半田材料の体積を含んでおり、及びそれに関して非ぬれ性の領域により囲まれており、前記ぬれ性の表面及び前記半田材料の体積は、前記カラムが形成される位置で前記キャリアに対して前記柔軟な要素に求められる第2の高さに応じて決定され、そのようにして前記カラムは、材料の体積がその融点より高いか等しい温度に導かれるとき、前記第1の高さから前記第2の高さまで変化する段階と、
・前記カラムの半田材料の体積を、それを溶解するために前記材料の融点より高いか等しい温度まで加熱する段階と、を含んでいる。
【0016】
言い換えると、いわゆる「フリップチップ」のハイブリダイゼイション技術は、二つの平面要素を互いに相互接続する段階を備えているその最初の利用からそれている。
【0017】
例えば薄化された検出回路のような柔軟な要素は残され、及びそれに関する高さ、すなわち前記ぬれ性の表面及び前記半田材料の体積を調節するための手段を含んでいるカラム上に固定される。
【0018】
前記柔軟な要素が上に残り、及び半田付けされるカラムの高さを変化させることにより、利用者により求められる表面プロファイルを担うために変形される。前記カラムを経て、剛性であり得るキャリアと直接関連する前記柔軟な要素だけでなく、追加的に、カラム高さの適切な選択を通して、率直に及び再現的に複雑な非平面の表面を作り出すことが可能である。
【0019】
「柔軟な」要素は、ここではカラム高さの変化の作用の下、変形されることができる要素を意味している。実際に、例えば、この柔軟性は前記要素の厚さからもたらされ、及びそれはシリコンである場合、この要素は50マイクロメートルの最大厚さを有している。
【0020】
本発明の第1の実施形態によると、前記方法は、薄化により柔軟な要素になることを目的とされた厚く及び堅い要素の形成を含んでおり、及び前記キャリア上に柔軟な要素を適合する段階は、
・前記キャリアの前記ぬれ性の表面を形成し、及び前記キャリアの前記ぬれ性の表面上に半田材料の体積を形成する段階と、
・前記厚く及び堅い要素上に、前記柔軟な要素に対して決定された前記ぬれ性の表面を形成する段階と、
・前記ハイブリダイゼイションカラムを形成するために前記キャリア上に前記厚い要素を移動させる段階と、
・半田材料の体積を前記体積の融点より高いか等しい温度まで加熱させ、及びそれからそれらを冷却する段階と、
・前記厚く及び堅い要素を薄化することにより前記柔軟な要素を製造する段階と、
を含んでいる。
【0021】
言い換えると、前記柔軟な要素は、そのままで処理されず、キャリアに常に固定される。前記要素は、それ故、損傷させる危険も無く容易に処理されうる。それ故、一般的に非常に高価な特定の処理装置のためにされる準備は必要ない。
【0022】
本発明の第2の実施形態において、前記キャリア上に柔軟な要素を適合させる段階は、
・前記キャリアの前記ぬれ性の表面を形成し、及び前記キャリアの前記ぬれ性の表面上に半田材料の体積を形成する段階と、
・前記柔軟な要素の前記ぬれ性の表面を形成する段階と、
・前記ハイブリダイゼイションカラムを形成するために、前記キャリア上に前記ぬれ性の表面を移動させる段階と、
を含んでいる。
【0023】
言い換えると、この実施形態は、従来の形態で前記「フリップチップ」のハイブリダイゼイション技術に対応している。
【0024】
本発明の一つの実施形態によると、前記キャリア上に形成された前記バンプまたはぬれ性の表面、及び前記バンプ上に形成された半田材料の体積はハイブリダイゼイション平面を形成するために実質的に同一の高さのカラム要素を形成する。
【0025】
これは特に、前記最初の平面を形作ることが要求される要素が利用されることができ、及び共通のマイクロ電子技術(薄化、表面処理等)がそのようにして利用されうる。
【0026】
本発明の一つの代替によると、前記半田材料の体積は、ウェーハの形態で前記キャリア上に形成された前記ぬれ性の表面上に少なくとも部分的に堆積される。
【0027】
特に、ハイブリダイゼイション面が求められるとき、前記ウェーハは、前記半田材料を溶融することなく直接堆積により実質的に同一の高さのカラム要素を形成すること、及び材料の体積が異なっているか、または前記キャリアの前記ぬれ性の表面が異なる高さ及び/または面積のバンプの形態で製造される場合でさえ形成することを可能にしている。
【0028】
本発明によると、前記半田材料の体積は前記キャリア上に形成された前記ぬれ性の表面上に堆積され、前記ぬれ性の表面上の半田ビーズを形成するためにそれに関する融点より高いか等しい温度まで加熱され、及びそれから冷却される。
【0029】
さらに具体的には、前記キャリアの前記ぬれ性の表面は、実質的に同一面積を有しており、及び実質的に同一の高さの要素上に形成され、及び前記半田材料の体積は実質的に同一である。
【0030】
優先的に、前記半田材料はインジウムである。
【0031】
本発明は同様に、先述の方法により製造された非平面検出器、及びミラーに関連している。
【0032】
本発明は、例としてのみ提示され、及び添付の図面に関して与えられた以下の詳細な説明を読むことによりさらに理解されるだろう。同一の参照番号は、同一のまたは機能的に類似の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施形態による方法の異なる段階での要素の断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による方法の異なる段階での要素の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態による方法の異なる段階での要素の断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による方法の異なる段階での要素の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による方法の異なる段階での要素の断面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による方法の異なる段階での要素の断面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態による方法の異なる段階での要素の断面図である。
【図8】本発明の第1の実施形態による方法の異なる段階での要素の断面図である。
【図9】本発明の基礎となる物理的原理を示しているハイブリッドカラムのより詳細な断面図である。
【図10】ぬれ性の領域の直径に応じたハイブリッドカラムの高さを示す描画線である。
【図11A】製造されたぬれ性の領域の第1の例を示すように順応された要素、及び前記ハイブリッドカラムの高さが調整された時点での前記要素の形態の底部面である。
【図11B】製造されたぬれ性の領域の第1の例を示すように順応された要素、及び前記ハイブリッドカラムの高さが調整された時点での前記要素の形態の底部面である。
【図12A】製造されたぬれ性の領域の第2の例を示すように順応された要素、及び前記ハイブリッドカラムの高さが調整された時点での前記要素の形態の底部面である。
【図12B】製造されたぬれ性の領域の第2の例を示すように順応された要素、及び前記ハイブリッドカラムの高さが調整された時点での前記要素の形態の底部面である。
【図13】本発明の第2の実施形態による方法の異なる段階での要素の断面図である。
【図14】本発明の第2の実施形態による方法の異なる段階での要素の断面図である。
【図15】本発明の第2の実施形態による方法の異なる段階での要素の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明による第1の実施形態に従って一つの方法が述べられる。
【0035】
この方法は、ピッチpで均等に分離された同一の円筒形バンプ12のマトリクスを備えている堅い平面キャリア10の形態から始まる(図1)。
【0036】
前記バンプ12は、後に堆積される半田材料に関してぬれ性の材料で形成される一方、それらが上に形成されているキャリア10の表面14は、前記半田材料に関して非ぬれ性である。
【0037】
前記方法は、前記バンプ12上に、半田材料の円筒形及び同一のウェーハ16の堆積が続く(図2)。
【0038】
前記アセンブリはそれから、前記ウェーハ16の材料を溶解させるために、前記ウェーハ16の材料の融点より高いか等しい温度まで至らせる。前記表面14の半田材料に対する非ぬれ性及び前記バンプ12の半田材料に対するぬれ性の理由で、前記半田材料は、一般的に「半田ビーズ」との表現で示される突出した球状18の形態をとりながら、バンプ12の面をぬらす。前記加熱はそれから止められ、及び前記半田ビーズ18は、前記バンプ12と融合するように固まる。
【0039】
前記バンプ12は同一であり、及び前記半田材料の体積Vは前記半田ビーズ18に対して同一であるから、それに関する頂部は「ハイブリダイゼイション平面」として知られている単一平面20内に配置される。
【0040】
次に、または前の段階と同時に、前記半田ビーズ18の材料に対して非ぬれ性の表面24上に、前記半田材料に対してぬれ性の材料の円筒形バンプ26を有した、厚く及び堅い平面要素22が提供される。前記バンプ26は、同一の高さhを有しており、及びキャリア10上のバンプ12と同一の分布パターンにより形成されている。それ故に、前記バンプ26は、示された例においてピッチpで均一に分離されている。各々のバンプ26の面積は、所望の高さに応じて選択されたその一部であり、以下でさらに詳細に説明される。
【0041】
前記要素22はそれから反転され、半田ビーズ18上に、それに関して配置されたバンプ26と共に配置される(図5)。ハイブリダイゼイションカラム28はこのようにして、それぞれ前記キャリア10のバンプ12と前記要素22のバンプ26の間にはさまれた半田ビーズ18を含んで得られる。示された例において、前記バンプ12、26の高さ、及び同一材料の体積Vの特定の選択に従って、前記ハイブリダイゼイションカラム28は、同一の高さHとなる。
【0042】
前記アセンブリはそれから、前記半田ビーズ18の材料を溶かすために前記半田ビーズ18の材料の融点より高い温度まで至らされ、前記要素22にさらなる圧力は適用されない。液相の半田材料はそれから要素22のバンプ26にぬれる。
【0043】
前記キャリア10及び前記要素22は堅いので、前記半田ビーズ18は広がるか、または前記バンプ12及び26の面積に応じて圧縮される。
【0044】
図9は、この現象及び本発明の基礎にある原理を示している。前記ビーズ40の材料に対してぬれ性の材料の二つの円筒形バンプ42、44の間にはさまれ、前記ビーズ40の材料に対して非ぬれ性の表面の要素46、48のそれぞれの上に形成された単一の半田ビーズ40がここでは考慮された。
【0045】
前記要素46と48の間の高さHが、前記ビーズの性質に応じて自由に変化する場合(例えば、前記要素48は固定され、及びさらなる外部からの制約を有さずに、前記要素46が前記ビーズ40上に置かれる)、前記ビーズ40の材料が液相にあるとき、それは、それに関する構成材料の性質、(最大の破砕強度での前記ビーズの最小高さを決定する)圧縮強度、(最小の引張り強度での前記ビーズ40の最小の高さを決定する)最大伸張強度、及び接触している表面により印加された圧力のような外部パラメータ(例に示したように、前記バンプ42の重さ及び前記要素46の重さが与えられた前記バンプ42により印加された表面圧力)に依存している固有の平衡形を仮定する。
【0046】
前記バンプ42、44に対して、最初に互いに反対に正確に位置されることはそれほど重要なことではないことが同様に知られるだろう。実際に、前記ビーズ40の融合の間に、それに関する材料を前記バンプ42、44のぬれ性の表面に付けることは、前記バンプ42、44及びそれ故前記要素46、48が整列される平衡状態に達するように、前記要素46、48の相対的な移動を必然的に引き起こす。
【0047】
実際の問題として、これは、図5で示した段階での前記ビーズ18上に粗く前記バンプ26を位置することを可能にしており、前記ビーズ18の後の融合は、前記要素22が前記キャリア10上に整列されることを引き起こすことを意味している。
【0048】
再び実際には、前記バンプ42及び前記要素46の重さに起因する圧力は無視してよい場合(多数のハイブリダイゼイションカラム上に置かれているマイクロ電子回路と同様に)、前記ビーズ40の平衡形は前記表面50、52を経て突出した球形によって近似される。この突出した球形は、前記ビーズ40の材料の体積、及び前記バンプ42、44の表面50、52の面積S、Sに応じた簡単な幾何計算によって容易に計算されうる平衡高さhを有している。特に、前記面積S、Sの合計がより大きいほど、前記平衡高さhはより小さいことが知られている。
【0049】
一方で、前記要素46と48の間の高さHが、如何なるどんなもので制限されている場合、この高さHが平衡高さhよりも大きい場合、前記ビーズ40は引き伸ばされ、この高さHが平衡高さhよりも小さい場合、前記ビーズ40は圧縮される。
【0050】
さらに図6を参照すると、大きなぬれ性の表面の前記バンプ12、26と接触している前記ビーズ18は、前記キャリア10の方へ前記要素22を引き付けていることを明確にさせている。この一体化は、しかしながら、これらのビーズは、それらの最大の圧縮強さに達しているので、小さなぬれ性の表面のバンプ12、26と接触している前記ビーズ18によって防がれている。前記要素22は堅く、及びそれ故変形可能でないので、前記ビーズ18の平衡高さを決定する前記バンプ12、26の表面に応じた伸張または圧縮形態を、液体形態の前記ビーズ18に課す。平衡状態はそれから前記アセンブリのために得られる。
【0051】
前記加熱は前記ビーズ18を固化させるために止められ、前記要素22はそのようにして、前記ハイブリダイゼイションカラム28を経て前記キャリア10に半田付けされる。この状態は中間にあり、及び伸張されまたは圧縮された前記半田ビーズの形状及び前記キャリア10から前記要素22を分ける高さは、前記方法においてこの段階では重要ではなく、本質的なことは、その分野、特に、薄化技術及び/または表面処理技術において従来技術に従うことのできる堅いアセンブリを得ることである。
【0052】
前記半田ビーズ18が固化されると、前記方法は、その表面に柔軟な性質を与えるために、すなわち、前記ビーズ18が液体状態になってしまえば平衡形と見なすことを可能にするほど十分に変形可能とするために、前記要素22を薄化させる段階が続く(図7)。例えば、機械的研削または研磨が利用される。柔軟な要素23がそのようにして得られる。例えば、50マイクロメートルより小さな厚さを与えるために薄化されたシリコン要素は、大きな劣化もなく20%以上変化する高さが見られる。
【0053】
薄化によって前記柔軟な要素23が形成されると、前記アセンブリは、前記半田ビーズ18(図8)の材料の融点より高いか等しい温度までもう一度加熱される。前記要素23は柔軟であるので、前記半田ビーズ18がその平衡形と見なすことを可能にする。前記要素23はそれから、前記ビーズ18の平衡高さhによって決定されるハイブリダイゼイションカラム28の高さに従って変形される。
【0054】
前記加熱はそれから、平衡形における半田ビーズ18を固化するために止められる。要素23はそのようにして得られ、異なる高さのハイブリダイゼイションカラム28により形作られ、及び堅いキャリアに半田付けすることにより固定された非平面を有している。
【0055】
図10のプロット線は、45.17マイクロメートル(すなわち、1.602.10μmの面積S)に等しい直径の前記キャリア10のバンプ13、及び86.023.10μmに等しい前記ビーズ18の材料の体積に関する前記半田ビーズ18の平衡高さを示している。x軸は前記要素23上に形成されたバンプ26の直径を示しており、y軸は対応する前記ビーズ18の平衡高さhを示している。
【0056】
以上のように、前記バンプ26の直径、及びそれ故、前記バンプ26により決定されたぬれ性の表面の面積の適切な選択を通して、前記ビーズ18の平衡高さに60%の変化をえることが可能であり、これは、劣化も無くその高さに20%の変動を維持することのできる50マイクロメートルより小さい厚さのシリコン要素22を形作るのに十分である。
【0057】
図11Aは、バンプ26の第1の例を有する要素23の底部図を示している。前記バンプ26、及びそれ故、前記ビーズ18に対してぬれ性の表面は、ここでは中心のバンプ50への距離に応じて成長する面積を有している。凸面はそれから、図11Bで示されたような柔軟な要素23に対して得られる。前記凸面、及び特に球形の面は、前に述べられたようなマトリクス検出器に対して特に適している。
【0058】
図12Aは、前記面積が軸Xに沿って減少するバンプ26の第2の例を有した要素23の底部図を示している。表面はそのようにして、図12Bで示されるような、柔軟な要素23に対して傾斜した部分を有して得られる。前記バンプ26の面積が軸Xに沿って一定に減少する場合、前記キャリア10に関して傾いた平面がそれから得られる。傾いた平面は例えばマイクロミラーに適しており、そのようなマイクロミラーは、制御された角度でレーザービームを反射することに対して特に有利である。
【0059】
前記半田ビーズ18の材料は、加熱操作の間に前記キャリア10及び前記要素23が損傷しないように、低融点を有する金属及び合金、特にスズ、インジウム、及び鉛及びそれらの合金から優先的に選択される。
【0060】
インジウムはその低い融点が156.6℃のために優先的に用いられる。前記バンプ12、26またはその表面層は、それから金によって構成され、及び前記バンプ12、26を囲む非ぬれ性の表面はシリカまたはポリマーのような絶縁材料により構成される。例えば、前記キャリアは、そのような材料で構成され、またはそのような材料で構成された表面層を含んでいる。
【0061】
一つの方法では、厚く及び堅い要素22はハイブリダイゼイションカラムにより、特に、柔軟な要素がそのままで処理されることがなく、及び特別な処理装置の準備も必要もない手段により、前記キャリア10上にハイブリッドされることが記載されている。
【0062】
別の方法として、前記柔軟な要素23は前記キャリア10上に直接ハイブリッドされる。そのような場合において、前記要素の表面を形作るのは、一つの加熱段階で十分である。この実施形態の利点は、必要であれば前記キャリアに対して異なるぬれ性の表面及び異なる材料の体積を選択することにより、最大の利用可能な変形がインジウムビーズで増大されることが可能である。そのようにして、前記半田ビーズの平衡高さを調整することに対して三つの自由度がある。
【0063】
一つの方法では同様に、前記キャリア10のバンプ12が同一のぬれ性の表面を有しており、前記ハイブリダイゼイションカラム18の高さが、前記要素23の前記バンプ26の表面の面積によって調整されることが示されている。これは特に、前記半田ビーズ18の体積が同一であるとき、従来的に使用される装置が平行面で動作する限りにおいて、前記方法を容易にするハイブリダイゼイション平面を得ることが可能である。しかしながら、これは前記半田ビーズ18、及びそれ故前記ハイブリダイゼイションカラム28の高さの変化を制限する。
【0064】
別の方法として、前記キャリア10のバンプ12は同様に、異なるぬれ性の表面を有している。前記半田ビーズ18に対して可能な高さの範囲がそのようにして延ばされる。同様に、前記半田ビーズ18に対する材料の体積は、前記範囲を増大させるために一つのビーズと他のビーズとでは異なっていてもよい。同様に、前記キャリア10の前記バンプ12の高さ及び/または前記要素23上の前記バンプ26の高さは、前記ハイブリダイゼイションカラム28に対して可能な高さの範囲を延ばすために異なるように選択される。同様に、前記ぬれ性の表面は前記キャリア10及び前記要素23の表面内に、例えば彫刻によって直接作り出されてもよい。
【0065】
前述の実施形態において前記ぬれ性の表面、及びそれ故前記バンプの形態は、いかなるタイプであってもよく、使用目的に応じて選択されてもよいことが知られている。この点において、前記突出した球形は、前記ぬれ性の表面がどのような形態であっても、前記平衡高さに対する第1の計算近似として有効なままであることが知られている。
【0066】
前記ハイブリダイゼイションカラムは同様に、前記要素22、例えば単一の検出要素のマトリクスを備えている検出回路と、前記キャリア10、例えば単一の検出要素のマトリクスの読み出し回路との間の電子相互接続の従来の機能を満たすことが知られている。
【0067】
前述の実施形態では、前記半田ビーズ18が最初に成型されると、図3に関連して説明されたように、前記厚く及び堅い要素22または前記柔軟な要素23が移動されることが示されている。第2の実施形態において、一つの代替は図13から15に示されており、前記厚く及び堅い要素22は、前記非ぬれ性のキャリア10のぬれ性の表面上に配置された融合材料のウェーハ上に直接移動される。この手段は特に、必要であれば、ハイブリダイゼイション面を作り出すと同時に、前記半田ビーズに対して異なる体積が容易に利用されうる。
【0068】
図13に関して、半田材料のウェーハ50は、ハイブリダイゼイション面52を得るために前記キャリア10上の前記バンプ12上に配置される。バンプ12の上に配置されたウェーハ50の半田材料の体積に応じて、前記ウェーハ50は全体的に前記バンプ12を被覆し、またはそれを浸すことが可能である。前記厚く及び堅い要素22はそれから、加熱により前記ウェーハ50を成型する前段階がなく、前記ウェーハ50上に位置される。
【0069】
前記アセンブリはそれから、前記ウェーハの半田材料を溶融するために加熱され、前記要素22が前記要素10に半田付けされるよう、それらを固めるために冷却される。前記要素22は、それを柔軟にさせるために薄化される(図14)。最後に、それらの平衡形とみなす前記アセンブリは、半田材料の異なる体積を溶解するために加熱され、その結果、前記柔化された柔軟な要素23(図15)を形作り、及びそれから前記アセンブリは冷却される。
【0070】
本発明によると、以下の利点がそのようにして得られる。
・平面の堅いキャリアに関連した表面の直接的な形作り
・材料堆積及び材料融合のような従来の技術を用いる方法を用いた複雑な表面の製造
・“フリップチップ”のハイブリダイゼイションによって作られたマイクロ電子部品の製造に対して従来の方法への容易な統合
・如何なる形態でも、一定の環境で同一の平衡体積を有するように、半田ビーズの本来の傾向が与えられる、特定の表面の増大された再現性
・一度冷却された前記要素のツインストリップ効果に対する補償。特に、不均一な要素(二つの平面要素のアセンブリ)がそのアセンブリの温度と異なる温度まで達するとき、二つの膨張係数の間に差異があり、その効果は前記要素を曲げることである。低温でのこの要素の屈曲が既知の場合、その反対の屈曲を有する要素を形作ることにより最小化されうる。
【符号の説明】
【0071】
10 キャリア
12 バンプ
14 非ぬれ性の表面
16 ウェーハ
20 平面
22 堅い要素
23 柔軟な要素
24 非ぬれ性の表面
26 バンプ
28 ハイブリダイゼイションカラム
40 ビーズ
42、44 円筒形バンプ
46、48 非ぬれ性の表面の要素
50、52 表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非平面要素を製造するための方法であって、
・ハイブリダイゼイションカラム(28)によりキャリア(10)上に柔軟な要素(23)を適合させる段階であって、各カラム(28)は第1の高さを有し、及び前記柔軟な要素(23)及び前記キャリア(10)のそれぞれに追加される半田材料に対してぬれ性の二つの表面(12、26)の間に形成される半田材料の体積(18、50)を含んでおり、前記ぬれ性の表面は前記半田材料に対して非ぬれ性の領域(14、24)により囲まれており、前記ぬれ性の表面(12、26)及び半田材料の体積(18、50)は、前記カラムが形成される位置で前記キャリア(10)に対して前記柔軟な要素(23)に求められる第2の高さに応じて決定され、そのようにして前記カラム(28)は、材料の体積(18、50)がその融点より高いか等しい温度に導かれるとき、前記第1の高さから前記第2の高さまで変化するところの段階と、
・前記カラム(28)の半田材料の体積(18、50)を、それを溶解するために前記材料の融点より高いか等しい温度まで加熱する段階と、
を含む方法。
【請求項2】
薄化により前記柔軟な要素になることを目的としている厚く及び堅い要素(22)の形成を含んでおり、
及び前記キャリア(10)上に前記柔軟な要素(23)を適合させる段階は、
・前記キャリア(10)の前記ぬれ性の表面(12)を形成し、及び前記キャリア(10)の前記ぬれ性の表面(12)上に半田材料の体積(18)を形成する段階と、
・前記厚い要素(22)上に前記柔軟な要素(23)に対して決定された前記ぬれ性の表面(26)を形成する段階と、
・前記厚く及び堅い要素(22)を前記キャリア(10)上に移動させ、その結果、前記ハイブリダイゼイションカラム(28)を形成するために、前記ぬれ性表面(26)及び前記半田材料の体積(18)を接触させる段階と、
・前記体積の融点より高いか等しい温度まで前記半田材料の体積を加熱させ、及びそれから同一のものを冷却させる段階と、
・前記厚く及び堅い要素(22)を薄化することにより前記柔軟な要素(23)を製造する段階と、
を含んでいる請求項1に記載の非平面要素を製造するための方法。
【請求項3】
前記キャリア(10)上に前記柔軟な要素(23)を適合させる段階は、
・前記キャリア(10)の前記ぬれ性の表面(12)を形成し、及び前記キャリア(10)の前記ぬれ性の表面(12)上に前記半田材料の体積(18;50)を形成する段階と、
・前記柔軟な要素(23)の前記ぬれ性の表面(26)を形成する段階と、
・前記キャリア(10)上に前記柔軟な要素(23)を移動させ、その結果、前記ハイブリダイゼイションカラムを形成するために、前記ぬれ性の表面(12)と半田材料の前記体積(18;50)を接触させる段階と、
を含んでいる請求項1に記載の非平面要素を製造するための方法。
【請求項4】
前記キャリア(10)上に形成された前記ぬれ性の表面(12)及び前記ぬれ性の表面(12)上に形成された前記半田材料の体積(18;50)は、ハイブリダイゼイション平面(20)を形成するために、実質的に同一の高さのカラム要素を形成している請求項2または3に記載の非平面要素を製造するための方法。
【請求項5】
前記半田材料の体積(18;50)は、前記ぬれ性の表面(12)上に少なくとも部分的に堆積され、前記ウェーハ(16;50)の形態で前記キャリア(10)上に形成された請求項2ないし4のいずれか一項に記載の非平面要素を製造するための方法。
【請求項6】
前記半田材料の体積は、前記キャリア(10)上に形成された前記ぬれ性の表面(12)上に堆積され、前記ぬれ性の表面(12)上の半田ビーズ(18)を形成するためにそれに関する融点より高いか等しい温度まで加熱され、及びそれから冷却される請求項2ないし5のいずれか一項に記載の非平面要素を製造するための方法。
【請求項7】
前記キャリア(10)の前記ぬれ性の表面(12)は、実質的に同一の面積を有しており、及び実質的に同一の高さの要素上に形成され、及び前記半田材料の体積(18)は実質的に同一である請求項4または6に記載の非平面要素を製造するための方法。
【請求項8】
前記半田材料はインジウムである請求項1ないし7のいずれか一項に記載の非平面要素を製造するための方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法により製造された非平面マトリクス検出器。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法により製造された非平面ミラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−151358(P2011−151358A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−240639(P2010−240639)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(502124444)コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ (383)
【Fターム(参考)】