説明

非接触IC媒体通信装置、指向方向切替アンテナ装置、および非接触IC媒体存在方向判別方法

【課題】RFIDタグ50の存在方向を高速に検知する。
【解決手段】アンテナ部30bと、指向方向制御部30aと、デジタル制御回路11を備えた非接触通信装置1について、前記指向方向制御部30aは、RFIDタグ50からの信号を受信開始してから受信終了するまでの間にアンテナ部の指向方向を切り替える指向方向切替処理(ステップS2〜S8,S31〜S39,S42〜S49)を実行する構成であり、前記デジタル制御回路11は、各指向方向での受信レベルに基づいて前記RFIDタグ50の存在方向を判別する存在方向判別処理(ステップS16〜S20)と、前記アンテナ部30bの指向方向を切り替えつつRFIDタグ50から受信した一連の信号から前記RFIDタグ50の応答データを取得する応答データ取得処理(ステップS21)とを実行する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば非接触IC媒体の存在方向を検知する、あるいは特定範囲の非接触IC媒体と通信するような非接触IC媒体通信装置、指向方向切替アンテナ装置、および非接触IC媒体存在方向判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非接触IC媒体と非接触で通信する非接触IC媒体通信装置が提供されている。そして、この非接触IC媒体通信装置により、非接触IC媒体(無線タグ)の方向を検出する方向検出装置も提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
この方向検出装置は、複数組のアレイアンテナを有して送信指向性および受信指向性を切り替えできるものであり、非接触IC媒体との送受信処理を実行して指向方向を切り替え、再度非接触IC媒体との送受信処理を実行して指向方向を切り替えるという処理を繰り返す。そして、方向検出装置は、全ての指向方向での受信信号強度を比較し、最大値をとる指向方向が非接触IC媒体の存在方向であると検知する。
【0004】
しかし、この方向検出装置による方法は、非接触IC媒体との送受信処理に複数回成功しなければならず、方向検知に時間がかかるという問題点があった。このため、例えば非接触IC媒体が移動している場合に、正しく検知できないという問題点があった。
【0005】
詳述すると、送受信処理にはある程度の時間が必要であるため、複数回の送受信処理のうち1回でも、その途中で通信可能領域から非接触IC媒体が出てしまうと、最終的に送受信処理が完了せずにエラーになるという問題点があった。また、非接触IC媒体が移動している場合に、ある指向方向での送受信処理のときの非接触IC媒体の存在方向と、他の指向方向での送受信処理のときの非接触IC媒体の存在方向が異なる場合があるという問題点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−45954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上述の問題に鑑み、非接触IC媒体の存在方向を高速に検知することができる非接触IC媒体通信装置、指向方向切替アンテナ装置、および非接触IC媒体存在方向判別方法を提供し、利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、非接触IC媒体と通信を行うアンテナ部と、該アンテナ部の指向方向を制御する指向方向制御部とを備え、前記指向方向制御部は、非接触IC媒体からの信号を受信開始してから受信終了するまでの間にアンテナ部の指向方向を切り替える指向方向切替処理を実行する構成である非接触IC媒体通信装置であることを特徴とする。
【0009】
前記非接触IC媒体は、RFIDタグなど、情報を記憶でき非接触で通信できる媒体をいう。この非接触IC媒体は、電源を備えず外部からの誘導起電力を得て信号を発信するパッシブタイプと、電源を備えて外部からの問合せを受けて信号を発信するセミパッシブタイプと、電源を備えて自ら信号を発信するアクティブタイプとが含まれる。
この発明により、非接触IC媒体の存在方向を高速に検知することができる。
【0010】
この発明の態様として、前記非接触IC媒体と通信する信号を処理する信号処理部を備え、該信号処理部は、各指向方向での受信レベルに基づいて前記非接触IC媒体の存在方向を判別する存在方向判別処理を実行する構成とすることができる。
【0011】
前記非接触IC媒体と通信する信号は、非接触IC媒体へ向けて送信する送信信号、非接触IC媒体から受信する受信信号、またはこの両方とすることができる。
この態様により、非接触IC媒体の存在方向を検知することができる。
【0012】
またこの発明の態様として、前記信号処理部は、前記アンテナ部の指向方向を切り替えつつ前記非接触IC媒体から受信した一連の信号から前記非接触IC媒体の応答データを取得する応答データ取得処理を実行する構成とすることができる。
これにより、非接触IC媒体の応答データを取得することができる。
【0013】
この発明の態様として、前記信号を検波する検波部を備え、前記指向方向切替処理は、前記検波部から前記信号を検波した検波信号を受け取り、該検波信号に基づいて指向方向の切替タイミングを決定する構成とすることができる。
【0014】
前記切替タイミングは、適宜の記憶手段に切替時間を記憶しておき、この切替時間を読み出すことで決定する構成にする、あるいは切替制御を行うプログラム中に予め定めておいてこのプログラム制御によって決定する構成にすることができる。
この態様により、信号を受けてから指向方向の制御を開始することができ、切替タイミングの制御開始に適した時期を容易に得ることができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記指向方向切替処理は、前記検波信号を受け取ってから所定時間後に所定方向へ指向方向を切り替える構成とすることができる。
【0016】
前記所定時間は、応答要求信号を送信してから非接触IC媒体の信号が帰ってくるまでの既知の時間よりも後の時間とすることができる。
この態様により、応答要求信号を検波して指向方向の切替タイミングを決定でき、安定したタイミングでの指向方向の切り替えを実現することができる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記指向方向切替処理は、前記非接触IC媒体へ送信する信号を処理する送信信号処理部から前記指向方向制御部が方向切替指示信号を受け取り、該方向切替指示信号に従って実行する構成とすることができる。
この態様により、指向性可変アンテナに検波部を設けずとも適切なタイミングで指向方向を切り替えることができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記アンテナ部とは別に、前記非接触IC媒体に対して応答要求する応答要求信号を送信する送信用アンテナを備え、該送信用アンテナを、前記アンテナ部による各指向方向での受信領域よりも広い領域に前記応答要求信号を送信する構成とすることができる。
【0019】
これにより、非接触IC媒体がバッテリを搭載せずに誘導起電力を得て動作するパッシブタイプであっても、安定して電力供給した上で存在方向を検知することができる。従って、非接触IC媒体との通信の安定性が向上し、指向方向の切り替えによって非接触IC媒体が通信可能領域の外に出ることを防止することができる。
【0020】
またこの発明は、複数のアンテナ素子と、各アンテナ素子に対して信号の位相を任意に変化させる位相器と、非接触IC媒体との通信に用いる信号を検波する検波回路と、前記検波回路による検波信号に基づいて前記位相器による位相変化を制御する制御回路とを備えた指向方向切替アンテナ装置とすることができる。
【0021】
これにより、既存のリーダライタ装置に指向方向切替アンテナ装置を接続して非接触IC媒体通信装置とすることができる。
【0022】
またこの発明は、非接触IC媒体からの信号を受信開始してから受信終了するまでの間にアンテナ部の指向方向を切り替え、各指向方向での受信レベルに基づいて前記非接触IC媒体の存在方向を判別する非接触IC媒体存在方向判別方法することができる。
これにより、非接触IC媒体の存在方向を判別することができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明により、非接触IC媒体の存在方向を高速に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】主にリーダライタの構成を示すブロック図。
【図2】主に指向性可変アンテナの構成を示すブロック図。
【図3】指向方向切り替えのフローチャート。
【図4】指向方向切り替えを説明する説明図。
【図5】RFIDタグの存在方向を検知する動作のフローチャート。
【図6】レスポンス信号から存在方向を検知する方法を説明する説明図。
【図7】実施例2の指向性可変アンテナの構成を示すブロック図。
【図8】実施例2の指向方向切り替えのフローチャート。
【図9】実施例2の指向方向切り替えを説明する説明図。
【図10】実施例3の指向性可変アンテナの構成を示すブロック図である。
【図11】実施例3の指向方向切り替えのフローチャート。
【図12】実施例3の指向方向切り替えを説明する説明図。
【図13】実施例4のリーダライタの構成を示すブロック図。
【図14】実施例4の指向性可変アンテナの構成を示すブロック図。
【図15】実施例4の送信用と受信用の各通信領域を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
この発明は、指向方向を切り替え可能な指向性可変アンテナを利用し、非接触IC媒体が1つのレスポンス信号を送信している間に指向方向を切り替えて各指向方向での信号レベルを取得するものである。
【0026】
これにより、非接触IC媒体の存在方向を短時間で精度よく検知することを実現したものである。
【0027】
また、レスポンス信号の受信は1回で済むため、移動中の非接触IC媒体が処理途中で通信可能領域の外に出てレスポンス信号を受信しきれずエラーになる可能性を低減することができるものである。
【0028】
他にも、指向性可変アンテナで通信可能な全領域のうちの所望の領域の非接触IC媒体のみ通信したい場合に、各指向方向での受信レベルを高速に取得して、これを演算処理して擬似的にペンシルビームアンテナの如く絞り込んだ領域に存在する非接触IC媒体のみの通信データを得ることも可能である。
【0029】
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
【実施例1】
【0030】
まず、リーダライタ10からRFIDタグ50(非接触IC媒体)に送信する情報(ID読取コマンド)を指向性可変アンテナ30が検波し、これをトリガとして指向性可変アンテナ30が自己制御によって電波の指向方向を切り替える実施例1について説明する。
【0031】
図1は、リーダライタ10と指向性可変アンテナ30で構成される非接触通信装置1(非接触IC媒体通信装置)の主にリーダライタ10の構成を示すブロック図である。
リーダライタ10は、送信側に、信号処理部としてのデジタル制御回路11、変調器12(MOD:Modulator)、送信側増幅器13(AMP:Amplifier)、およびサーキュレータ14がこの順に接続されており、さらに後段にRFケーブル42が接続されている。リーダライタ10の受信側には、サーキュレータ14の後段に、復調器17(DEM:Demodulator)、および受信側増幅器16がこの順に接続され、受信側増幅器16の後段にデジタル制御回路11が接続されている。
【0032】
この構成により、デジタル制御回路11は、RFIDタグ50へ向けて送信するID読取コマンドなどの各種コマンドデータを送信し、変調器12がこれを変調し、送信側増幅器13が増幅し、この増幅された信号をサーキュレータ14からRFケーブル42を通じて指向性可変アンテナ30(指向方向切替アンテナ装置)へ送信する。
【0033】
指向性可変アンテナ30からのレスポンス信号は、サーキュレータ14を通じて受信側増幅器16に伝送され、この受信側増幅器16で増幅された信号が復調器17で変調されてデジタル信号となり、デジタル制御回路11に伝送される。
デジタル制御回路11は、このデジタル信号を受信し、演算やメモリへの記憶など各種処理を実行する。
【0034】
図2は、非接触通信装置1の主に指向性可変アンテナ30の構成を示すブロック図である。
指向性可変アンテナ30は、指向性を有するアンテナ装置である。この指向性可変アンテナ30は、制御ケーブル41の後段に、制御系として、制御回路としてのCPU32(中央演算処理装置)、複数のD/Aコンバータ36(DAC:Digital Analog Converter)、および複数の位相器37がこの順で接続されている。CPU32には、メモリ31が接続されている。
【0035】
また、この指向性可変アンテナ30は、RFケーブル42の後段に、通信信号系として、複数の位相器37および複数のアンテナ素子38がこの順で接続されている。また、位相器37と並列に、RFライン44で伝送される通信信号を検波する検波部としての検波回路33(DEM:Demodulator)が接続されている。この検波回路33は、後段にCPU32が接続されている。
【0036】
ここで、複数のアンテナ素子38により、アンテナ部30bが構成されている。このアンテナ素子38は、ループアンテナやUHFアンテナ等、非接触の通信が可能な適宜のアンテナとすることがきる。また、メモリ31、CPU32、検波回路33、複数のD/Aコンバータ36、及び複数の位相器37により指向方向制御部30aが構成されている。
【0037】
リーダライタ10からRFケーブル42を介して伝送される送信信号は、RFライン44により、アンテナ素子38毎に設けられた各位相器37を介してアンテナ素子38に伝送される。RFIDタグ50から受信する受信信号は、この逆の順で伝送される。
【0038】
ここで、位相器37は、信号の位相を任意に変化させる移相器として機能する。詳述すると、各アンテナ素子38による送信信号や受信信号は、位相器37にて所望の値に移相される。このとき、移相後の各信号がすべて同相となるような方向の電波のみが高感度に送信・受信され、別方向の電波は各アンテナ素子38の放射時・到達時に互いに位相差を持つことから打ち消し合って角度に応じて強度が弱くなる。このような各位相器37の設定により、指向性可変アンテナ30は、電波の送信・受信の指向方向を切り替えることができる。
【0039】
また、リーダライタ10からRFケーブル42を介して伝送される送信信号は、検波回路33にも伝送される。検波回路33は、この送信信号を検波し、検波信号をCPU32に信号を伝送する。
【0040】
CPU32は、制御ケーブル41を介してリーダライタ10から受信する制御信号に従って、各種演算動作や制御動作を実行する。また、CPU32は、メモリ31を記憶領域として使用し、指向方向を切り替えるための位相制御信号を、制御ライン43により複数のD/Aコンバータ36を介して各位相器37に伝送する。これにより、各位相器37の位相を制御し、指向性可変アンテナ30の指向方向を切り替えることを実現する。なお、CPU32による指向性可変アンテナ30の指向方向の切り替えは、様々な方法によって開始トリガを得て実行することができるが、この実施例1では検波回路33からの信号伝送を受けたときを開始トリガとしている。
【0041】
メモリ31は、指向方向を切り替えるための切替タイミングデータや、RFIDタグ50に対してID読取コマンドを送信してからレスポンス信号を受け始めるまでの応答待ち時間データ等の各種データ、検波回路33から伝送される信号に従って指向方向の切り替えを実行する指向方向切替プログラム等の各種プログラムが記憶されている。
【0042】
図3は、指向性可変アンテナ30がリーダライタ10から受信したID読取コマンドをRFIDタグ50へ送信してRFIDタグ50からレスポンス信号を受信する際の動作を示すフローチャートであり、図4(A)は、各指向方向パターンA,B,Cでの通信領域(S4),(S6),(S8)を説明する説明図であり、図4(B)は、この動作中のリーダライタ10、指向性可変アンテナ30、およびRFIDタグ50の関係をタイムチャートにより説明する説明図である。
【0043】
リーダライタ10のデジタル制御回路11は、RFIDタグ50へ向けて応答要求信号としてのID読取コマンドの送信を開始する(ステップS1)。このとき送信するID読取コマンドは、例えば図4(B)の(S1)に示すように、RFIDタグ50に自己のIDをレスポンス信号(応答データ)として送信させるコマンドにするとよいが、これに限らず、RFIDタグ50に対して処理を要求する適宜のコマンドにより構成してもよい。
【0044】
指向性可変アンテナ30は、リーダライタ10からRFケーブル42を通じて伝送されたID読取コマンドを検波回路33により検波し、この検波された信号を受けたCPU32が、RFIDタグ50からのレスポンスタイミングを認識する(ステップS2)。
【0045】
詳述すると、このID読取コマンドがアンテナ素子38から送信され、RFIDタグ50がレスポンス信号を応答し、このレスポンス信号を指向性可変アンテナ30で受信するまでの応答待ち時間は、既知である。このため、この応答待ち時間データをメモリ31から読み出す。
【0046】
また、RFIDタグ50がレスポンス信号を送信開始してから送信終了するまでのレスポンス信号送信時間も既知であるため、このレスポンス信号送信時間内で指向性可変アンテナ30の指向方向を切り替える切替タイミングデータもメモリ31から読み出す。
【0047】
CPU32は、内部タイマをスタートし(ステップS3)、図4(A),(B)の(S4)に示すように、指向性可変アンテナ30の指向方向を第1パターンである指向方向パターンAにセットする(ステップS4)。この後、RFIDタグ50から受信するレスポンス信号をいつでも受け付けることができ、レスポンス信号を受け始めるとこれをリーダライタ10へRFケーブル42を介して伝送する状態となる。
【0048】
CPU32は、切替タイミングデータの第1切替時間が経過してタイムアップとなるまで待機する(ステップS5:No)。第1切替時間が経過すれば(ステップS5:Yes)、CPU32は、図4(A),(B)の(S6)に示すように、指向性可変アンテナ30の指向方向を第2パターンである指向方向パターンBにセットする(ステップS6)。
【0049】
CPU32は、切替タイミングデータの第2切替時間が経過してタイムアップとなるまで待機する(ステップS7:No)。第2切替時間が経過すれば(ステップS7:Yes)、CPU32は、図4(A),(B)の(S8)に示すように、指向性可変アンテナ30の指向方向を第3パターンである指向方向パターンCにセットし(ステップS8)、指向方向切替処理(ステップS2〜S8)を完了させる。
【0050】
指向性可変アンテナ30は、この指向方向パターンCで、レスポンス信号の受信が完了する終了時間となるまで、RFIDタグ50から受信しているレスポンス信号をリーダライタ10に送信した後、処理を終了する。
【0051】
図5は、リーダライタ10がID読取コマンドを送信してレスポンス信号を受信し、RFIDタグ50の存在方向を検知するまでの動作を示すフローチャートであり、図6は、レスポンス信号から存在方向を検知する方法を説明する説明図である。
【0052】
リーダライタ10のデジタル制御回路11は、ID読取コマンドを送信した後(ステップS11)、レスポンス信号を待つためのレスポンス待ちタイマを開始する(ステップS12)。
【0053】
レスポンスがなければ(ステップS13:No)、デジタル制御回路11は、タイムアウト(レスポンス待ち時間が経過)するまで待機し(ステップS14:No)、タイムアウトすれば(ステップS14:Yes)、RFIDタグ50が存在しない(タグ無し)として処理を終了する。
【0054】
レスポンスがあった場合(ステップS13:Yes)、デジタル制御回路11は、レスポンス信号を受信して復調し(ステップS15)、復調したレスポンス波形を3分割する(ステップS16)。この3分割は、上述した指向性可変アンテナ30の指向方向切り替えタイミングに合わせた分割とする。すなわち、図6に示すように、指向方向パターンA,B,Cのそれぞれに分割する。
【0055】
なお、図示では指向方向パターンA,B,Cの切り替えタイミングで正確に区切っているが、切り替えタイミングと分割位置の多少の誤差を許容してもよい。また、切り替えタイミングの前後少しを排除し、各指向パターンの中心部分の所定範囲を切り出してもよい。この場合、指向方向パターンの切り替えタイミングと分割位置がずれることや切り替え時のノイズ等の影響を防止して精度よく切り出すことができる。
また、指向方向をA,B,Cの3パターンとし、分割数も3分割としているが、これに限らず複数の指向方向に対して対応する数(同数)の分割数にするとよい。
【0056】
デジタル制御回路11は、分割した最初の波形(指向方向パターンAの波形)に対してFFT処理を実施し、受信レベル(図6のA信号レベル)を算出する(ステップS17)。
【0057】
デジタル制御回路11は、分割した2番目の波形(指向方向パターンBの波形)に対してFFT処理を実施し、受信レベル(図6のB信号レベル)を算出する(ステップS18)。
【0058】
デジタル制御回路11は、分割した3番目の波形(指向方向パターンCの波形)に対してFFT処理を実施し、受信レベル(図6のC信号レベル)を算出する(ステップS19)。
【0059】
このようにして、全ての指向方向パターンについてFFT処理を実施して受信レベルを取得したのち、デジタル制御回路11は、方向判別処理(存在方向判別処理)を実行する(ステップS20)。
【0060】
この方向判別処理では、種々の方法により、レスポンス信号を送信したRFIDタグ50の存在方向を判別することができる。具体的には、受信レベルの最も高い指向方向をRFIDタグ50の存在方向とすることができる。また、受信レベルの最も高い指向方向の範囲内で、他の受信レベルの大小関係から中心か右よりか左寄りかといった判別もなし得る。
【0061】
他にも、擬似的にペンシルビームアンテナとして使用し、設定した狭い領域内にRFIDタグ50が入っているか否かを判別することもできる。この場合、各指向方向での受信レベルの比である受信レベル比を算出し、この受信レベル比が所望の閾値範囲内にあるRFIDタグ50のみを求める領域内のRFIDタグ50とするとよい。これにより、通常であれば通信可能領域の境目が曖昧であるのに対し、演算式によって明瞭に区切った閾値範囲内に存在するRFIDタグ50を検知できる。
【0062】
デジタル制御回路11は、RFIDタグ50のデータを取得する応答データ取得処理(ステップS21)を実行し(タグ有り)、処理を終了する。このとき、取得するデータとして、レスポンス信号から読取ったRFIDタグ50のIDや、ステップS20で判別した存在方向などを取得するとよい。また、取得したIDや存在方向等のデータは、適宜の記憶部に記憶する、または別途接続されたコンピュータなどの他の装置に送信出力するなど、適宜の出力手段によって出力する構成にするとよい。
【0063】
以上の構成および動作により、RFIDタグ50の存在方向を高速に検知することができる。また、所望の方向のRFIDタグ50との通信を高速に実現ことができる。
【0064】
詳述すると、RFIDタグ50がレスポンス信号を1つ送信している間に、指向方向を切り替えて各指向方向での受信レベルを取得できる。このため、RFIDタグ50に対して複数回の通信を行う必要がない。従って、通信回数を削減して処理全体に要する時間を大幅に削減することができる。
【0065】
また、指向性可変アンテナ30を用いてレスポンス信号の受信中に指向方向を切り替えるため、この指向方向の切り替え中であってもレスポンス信号そのものを途切れることなく受信できる。従って、レスポンス信号に含まれているIDなどのデータを問題なく読取ることができ、通信を成立させて正常処理を行うことができる。
【0066】
また、レスポンス信号を1つ受信している間に複数の指向方向での受信レベルを得て、必要な受信処理を完了できるため、RFIDタグ50が指向性可変アンテナ30に対して相対的に移動している場合であっても、通信完了前にRFIDタグ50が通信可能領域から出てエラーとなる可能性を低減することができる。
【0067】
また、指向性可変アンテナ30自身が、検波回路33で検波して指向方向の切り替えタイミングの決定や切り替えの実行を行える。このため、リーダライタ10やRFIDタグ50に構成要素を追加する必要なく利用することができる。
【0068】
また、RFIDタグ50が、電源を備えて自ら信号を発信するアクティブタイプであっても、存在位置の検知が必要のない場合にまでRFIDタグ50から送られるRF信号に反応して指向方向を切り替えるといったことを防止できる。すなわち、RFIDタグ50へ向けて応答要求を送信したときに初めて指向方向の切り替え等の動作が開始するため、それ以外のタイミングでRFIDタグ50から信号を受けても動作しないことができる。
【実施例2】
【0069】
次に、RFIDタグ50からのレスポンス信号を検波し、これをトリガとして指向性可変アンテナ30が自己制御によって電波の指向方向を切り替える実施例2について説明する。
【0070】
図7は、実施例2の指向性可変アンテナ30の構成を示すブロック図である。
実施例1ではリーダライタ10から送信される送信信号を検波するのに対し、実施例2の検波回路33は、RFIDタグ50から受信する受信信号を検波する。
【0071】
また、メモリ31には、レスポンス信号を受信しはじめてから指向方向パターンをAからBへ切り替えるまでの第1切替時間、および指向方向パターンをBからCへ切り替えるまでの第2切替時間を記憶している。
その他の構成は、実施例1と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【0072】
図8は、実施例2の指向性可変アンテナ30がRFIDタグ50から受信したレスポンス信号を処理する際の動作を示すフローチャートであり、図9は、この動作中のリーダライタ10、指向性可変アンテナ30、およびRFIDタグ50の関係をタイムチャートにより説明する説明図である。
【0073】
指向性可変アンテナ30のCPU32は、図9の(S31)に示すように、指向性可変アンテナ30の指向方向を第1パターンである指向方向パターンAにセットする(ステップS31)。この後、RFIDタグ50から受信するレスポンス信号をいつでも受け付けることができ、レスポンス信号を受け始めるとこれをリーダライタ10へRFケーブル42を介して伝送する状態となる。
【0074】
リーダライタ10のデジタル制御回路11は、RFIDタグ50へ向けてID読取コマンドの送信を開始する(ステップS32)。このとき送信するID読取コマンドは、例えば図9に示すように、RFIDタグ50に自己のIDをレスポンス信号として送信させるコマンドにするとよいが、これに限らず、RFIDタグ50に対して処理を要求する適宜のコマンドにより構成してもよい。
【0075】
指向性可変アンテナ30のCPU32は、RFIDタグ50からのレスポンス信号の受信を開始し(ステップS33)、このレスポンス信号を検波回路33により検波する(ステップS34)。このとき、検波回路33により検波された信号を受けたCPU32は、RFIDタグ50からのレスポンス開始のタイミングを認識する。
【0076】
詳述すると、このレスポンス信号を検波した時点がレスポンス開始であるため、ここから指向方向パターンをAからBへ切り替えるまでの第1切替時間、およびBからCへ切り替えるまでの第2切替時間をメモリ31から読み出す。
【0077】
CPU32は、内部タイマをスタートし(ステップS35)、切替タイミングデータの第1切替時間が経過してタイムアップとなるまで待機する(ステップS36:No)。第1切替時間が経過すれば(ステップS36:Yes)、CPU32は、図9の(S37)に示すように、指向性可変アンテナ30の指向方向を第2パターンである指向方向パターンBにセットする(ステップS37)。
【0078】
CPU32は、切替タイミングデータの第2切替時間が経過してタイムアップとなるまで待機する(ステップS38:No)。第2切替時間が経過すれば(ステップS38:Yes)、CPU32は、図9の(S39)に示すように、指向性可変アンテナ30の指向方向を第3パターンである指向方向パターンCにセットし(ステップS39)、指向方向切替処理(ステップS31〜S39)を完了させる。
【0079】
指向性可変アンテナ30は、この指向方向パターンCで、レスポンス信号の受信が完了する終了時間となるまで、RFIDタグ50から受信しているレスポンス信号をリーダライタ10に送信した後、処理を終了する。
【0080】
リーダライタ10がID読取コマンドを送信してレスポンス信号を受信し、RFIDタグ50の存在方向を検知するまでの動作は、実施例1で図5と共に説明した動作と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【0081】
以上の構成および動作により、実施例1と同一の効果を得ることができる。また、RFIDタグ50のレスポンス信号を受信開始して検波したときが指向方向の切り替えタイミングの計時開始のときとなり、正確な切り替えタイミングを容易に得ることができる。
【0082】
また、RFIDタグ50のレスポンスを受けてから切り替えタイミングを定めるため、RFIDタグ50がアクティブタイプで自ら信号を発信する場合であっても、適切な切り替えタイミングで指向方向を切り替えることができる。従って、リーダライタ10から応答要求を送信していなくても、アクティブタイプのRFIDタグ50からRF信号を受け取れば、これに反応して指向方向を切り替え、方向検知することができる。
【実施例3】
【0083】
次に、リーダライタ10からの指向方向制御コマンドによって指向性可変アンテナ30が電波の指向方向を切り替える実施例3について説明する。
図10は、実施例3の指向性可変アンテナ30の構成を示すブロック図である。この指向性可変アンテナ30は、実施例1から検波回路33を除いた構成である。検波回路33が無い点を除けば、実施例1の指向性可変アンテナ30と同一の構成であるから、その詳細な説明を省略する。
【0084】
図11は、リーダライタ10から受信した指向方向制御コマンドによって指向性可変アンテナ30が指向方向を切り替えつつRFIDタグ50からレスポンス信号を受信する際の動作を示すフローチャートであり、図12は、この動作中のリーダライタ10、指向性可変アンテナ30、およびRFIDタグ50の関係をタイムチャートにより説明する説明図である。
【0085】
リーダライタ10のデジタル制御回路11(送信信号処理部)は、制御ケーブル41により、指向性可変アンテナ30のCPU32に、方向切替指示信号として指向方向の切替タイミングと切替パターンを送信する(ステップS41)。
【0086】
指向性可変アンテナ30のCPU32は、受信した切替タイミングと切替パターンをメモリ31に記憶し(ステップS42)、この切替タイミングに含まれているタイマ値で内部タイマをスタートする(ステップS43)。
【0087】
リーダライタ10のデジタル制御回路11は、RFIDタグ50へ向けてID読取コマンドの送信を開始する(ステップS44)。このとき送信するID読取コマンドは、例えば図12の(S44)に示すように、RFIDタグ50に自己のIDをレスポンス信号として送信させるコマンドにするとよいが、これに限らず、RFIDタグ50に対して処理を要求する適宜のコマンドにより構成してもよい。
【0088】
指向性可変アンテナ30のCPU32は、図12の(S45)に示すように、指向性可変アンテナ30の指向方向を第1パターンである指向方向パターンAにセットする(ステップS45)。この後、RFIDタグ50から受信するレスポンス信号をいつでも受け付けることができ、レスポンス信号を受け始めるとこれをリーダライタ10へRFケーブル42を介して伝送する状態となる。
【0089】
CPU32は、切替タイミングデータの第1切替時間が経過してタイムアップとなるまで待機する(ステップS46:No)。第1切替時間が経過すれば(ステップS46:Yes)、CPU32は、図12の(S47)に示すように、指向性可変アンテナ30の指向方向を第2パターンである指向方向パターンBにセットする(ステップS47)。
【0090】
CPU32は、切替タイミングデータの第2切替時間が経過してタイムアップとなるまで待機する(ステップS48:No)。第2切替時間が経過すれば(ステップS48:Yes)、CPU32は、図12の(S49)に示すように、指向性可変アンテナ30の指向方向を第3パターンである指向方向パターンCにセットし(ステップS49)、指向方向切替処理(ステップS42〜S49)を完了させる。
【0091】
指向性可変アンテナ30は、この指向方向パターンCで、レスポンス信号の受信が完了する終了時間となるまで、RFIDタグ50から受信しているレスポンス信号をリーダライタ10に送信した後、処理を終了する。
【0092】
以上の構成および動作により、実施例1と同一の効果を奏することができる。
また、指向性可変アンテナ30の指向方向の切替タイミングや切替パターンをリーダライタ10が指示するため、指向性可変アンテナ30に検波回路33を設ける必要がなく、従来の指向性可変アンテナ30を用いることができる。
【0093】
また、リーダライタ10から指示する指向方向の切替タイミングや切替パターンを、ID読取コマンドの送信前に実行するため、指向性可変アンテナ30は、レスポンス信号の受信開始前に指向方向の切り替え準備を行うことができる。従って、レスポンス信号を受信している短い時間中に指向方向を確実に切り替えることができる。
【実施例4】
【0094】
次に、指向性可変アンテナ30をRFIDタグ50からの信号の受信用に用い、リーダライタ10に送信用アンテナとしての広域送信用アンテナ40を設けた実施例4について説明する。
【0095】
図13は、主にリーダライタ10の構成を示すブロック図である。
このリーダライタ10は、実施例1と異なりサーキュレータ14が設けられておらず、広域送信用アンテナ40と受信用の指向性可変アンテナ30の2種のアンテナが接続されている。
【0096】
デジタル制御回路11には、送信経路として、変調器12および送信側増幅器13が設けられ、その下流に広域送信用アンテナ40が接続されている。
また、デジタル制御回路11には、受信経路として、受信側増幅器16および復調器17が設けられ、その上流に指向性可変アンテナ30が設けられている。
【0097】
図14は、主に指向性可変アンテナ30の構成を示すブロック図である。
指向性可変アンテナ30は、実施例3と同一の構成であり、検波回路33を有さずに指向方向制御コマンドをリーダライタ10から受け取ってCPU32が指向方向を切り替える。なお、指向性可変アンテナ30は、実施例1、2と同一の構成にしてもよい。
【0098】
図15は、指向性可変アンテナ30と広域送信用アンテナ40の各通信領域を説明する説明図である。
指向性可変アンテナ30は、実施例1〜3と同様に、指向方向をパターンA〜Cへ切り替え可能であり、それぞれの指向方向でRFIDタグ50と通信できる。
【0099】
広域送信用アンテナ40は、指向性可変アンテナ30が通信可能な領域よりも十分広い領域に対して電波を送信する。具体的には、例えば、指向性可変アンテナ30がいずれかの指向方向で通信可能な領域にRFIDタグ50が存在していれば、該RFIDタグ50に電波を供給できるように構成されている。
【0100】
その他の構成及び動作については、実施例1〜3と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
【0101】
以上の構成により、実施例3と同一の効果を得ることができる。
また、広域送信用アンテナ40により、広い領域でRFIDタグ50に送信信号を送ることができる。このため、RFIDタグ50が電源を有さずに誘導起電力によって起動するタイプのものであっても、十分に電力供給を行うことができる。
【0102】
詳述すると、例えば指向方向パターンAの領域にRFIDタグ50が存在した場合に、指向方向パターンCの方向へ実施例1〜3の指向性可変アンテナ30から送信信号を送信しても、RFIDタグ50に届く電波が弱く、RFIDタグ50が十分な誘導起電力を得られないケースが考えられる。このような場合でも、広域送信用アンテナ40により十分な電力を供給できれば、これによってRFIDタグ50は誘導起電力を得て動作でき、指向方向パターンCの指向性可変アンテナ30に対して十分な電波強度のレスポンス信号を送信することができる。
【0103】
なお、この実施例4は、実施例3の構成に対して広域送信用アンテナ40を設けることに限らず、実施例1や実施例2に対して広域送信用アンテナ40を設けて実現してもよい。
【0104】
また、上記各実施例は、指向方向の切り替えパターンを3方向としたが、これに限らず複数方向への切り替えとすることができる。
【0105】
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0106】
この発明は、非接触で通信する技術に用いることができる。具体的には、UHFアンテナやHFアンテナを用いた適宜の通信技術に用いることができる。
【符号の説明】
【0107】
1…非接触通信装置、11…デジタル制御回路、30…指向性可変アンテナ、30a…指向方向制御部、30b…アンテナ部、32…CPU、33…検波回路、37…位相器、38…アンテナ素子、40…広域送信用アンテナ、50…RFIDタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触IC媒体と通信を行うアンテナ部と、
該アンテナ部の指向方向を制御する指向方向制御部とを備え、
前記指向方向制御部は、非接触IC媒体からの信号を受信開始してから受信終了するまでの間にアンテナ部の指向方向を切り替える指向方向切替処理を実行する構成である
非接触IC媒体通信装置。
【請求項2】
前記非接触IC媒体と通信する信号を処理する信号処理部を備え、
該信号処理部は、
各指向方向での受信レベルに基づいて前記非接触IC媒体の存在方向を判別する存在方向判別処理を実行する構成である
請求項1記載の非接触IC媒体通信装置。
【請求項3】
前記信号処理部は、前記アンテナ部の指向方向を切り替えつつ前記非接触IC媒体から受信した一連の信号から前記非接触IC媒体の応答データを取得する応答データ取得処理を実行する構成である
請求項2記載の非接触IC媒体通信装置。
【請求項4】
前記信号を検波する検波部を備え、
前記指向方向切替処理は、前記検波部から前記信号を検波した検波信号を受け取り、該検波信号に基づいて指向方向の切替タイミングを決定する構成である
請求項1、2または3記載の非接触IC媒体通信装置。
【請求項5】
前記指向方向切替処理は、
前記検波信号を受け取ってから所定時間後に所定方向へ指向方向を切り替える構成である
請求項4記載の非接触IC媒体通信装置。
【請求項6】
前記指向方向切替処理は、
前記非接触IC媒体へ送信する信号を処理する送信信号処理部から前記指向方向制御部が方向切替指示信号を受け取り、該方向切替指示信号に従って実行する構成である
請求項1、2または3記載の非接触IC媒体通信装置。
【請求項7】
前記アンテナ部とは別に、前記非接触IC媒体に対して応答要求する応答要求信号を送信する送信用アンテナを備え、
該送信用アンテナを、前記アンテナ部による各指向方向での受信領域よりも広い領域に前記応答要求信号を送信する構成とした
請求項1から6のいずれか1つに記載の非接触IC媒体通信装置。
【請求項8】
複数のアンテナ素子と、
各アンテナ素子に対して信号の位相を任意に変化させる位相器と、
非接触IC媒体との通信に用いる信号を検波する検波回路と、
前記検波回路による検波信号に基づいて前記位相器による位相変化を制御する制御回路とを備えた
指向方向切替アンテナ装置。
【請求項9】
非接触IC媒体からの信号を受信開始してから受信終了するまでの間にアンテナ部の指向方向を切り替え、
各指向方向での受信レベルに基づいて前記非接触IC媒体の存在方向を判別する
非接触IC媒体存在方向判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−213035(P2010−213035A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−57561(P2009−57561)
【出願日】平成21年3月11日(2009.3.11)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】