説明

非水系二次電池パックおよびその製造方法

【課題】充填される樹脂材料の流動性を向上させ樹脂材料の未充填およびヒケ、反りなどの収納ケースの外観不良を抑止し収納ケースの品質を向上することを目的とするものである。
【解決手段】少なくとも円筒形の非水系二次電池11を内蔵した上ケース1c、または下ケース1aを溶着してなる非水系二次電池用収納ケースであって、収納ケースのリブ部に樹脂を流入させる位置合せ部3aとなる樹脂流動部を設け、かつ位置合せ部3aとなる樹脂流動部の肉厚が溶着リブ部2aの肉厚よりも厚い構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池に代表される非水系二次電池を収納するための非水系二次電池パックおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯用電子機器の電源として利用が広がっているリチウム二次電池を電子機器に組み込んで使用するための非水系二次電池パックは、熱可塑性樹脂を射出成型金型のキャビティ内に充填させて固化した樹脂成形品で構成するのが一般的であるが、樹脂流入口が狭いことで、キャビティ全体に樹脂が行き渡らないことが原因でショートショットを起こすことに加え、例えば充填された場合でも樹脂流入口の部分が先に固化することで圧力不足となり、ウエルド、フローマーク、ヒケなどの成形不良を引き起こすという課題があった。
【0003】
上記課題に対して、図8に示すように金型構造としてスプルー20に連なる一次ランナー21から一次ゲート22を介して二次ランナー23に連結し、一次ランナー21はコールドスラグウェル24を備えており、二次ランナー23はエジェクタピンの内部をトンネル状に加工して形成され、二次ランナー23は二次ゲートとしてのサブマリンゲート25を介して型キャビティ26に連結され、サブマリンゲート25は金型面29から下に沈ませて、製品27の下面に接して形成されている。
【0004】
このサブマリンゲート25の近傍に製品27の表面部に対応する型キャビティ26の面に向かって伸びる突状部28を立設した構造とすることで、サブマリンゲート25に対向する製品27の表面直下に滞留する不均質な不良樹脂部分や樹脂カスが押し流されて製品27全体に拡散して、サブマリンゲート25部付近に成形不良であるフラッシュ状のフローマークを目立たなくするとともに、不良樹脂部分や樹脂カスが肉厚の内部に潜り込んで製品27の表面へ現われなくすることで外観を向上させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実開平06−64831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に示される従来技術の製品27の表面部に対応する型キャビティ26の面に向かって伸びる突状部28を設立した構造を用いた場合には、製品27としての面の表面に突状部28ができるため、この突状部28と製品27の中に収納される部品が干渉する可能性があるという課題を有していた。
【0006】
本発明は上記従来の課題を鑑みてなされたもので、ケースの溶着リブ部にこの溶着リブ部の肉厚よりも厚い位置合せ部となる樹脂流動部を設け、この樹脂流動部の一部を溶着リブ部に残存させて片側のケースを嵌め合せて溶着する際の位置合せ部としたことにより、キャビティ内に充填される樹脂材料の流動性を向上させ樹脂材料の未充填およびヒケなど、非水系二次電池パックの外観不良を抑止するとともに、品質を向上することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来の課題を解決するために本発明の非水系二次電池パックは、少なくとも非水系二次電池を内蔵する上ケースと下ケースの溶着リブ部を嵌め合わせ溶着して構成する非水系二次電池パックであって、溶着リブ部にこの溶着リブ部の肉厚よりも厚い位置合せ部と
なる樹脂流動部を設け、この樹脂流動部の一部を溶着リブ部に残存させて片側のケースを嵌め合せて溶着する際の位置合せ部としたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の非水系二次電池収納ケースによると、溶着リブ部にこの溶着リブ部の肉厚よりも厚い樹脂流動部を設け、この樹脂流動部の一部を溶着リブ部に残存させて片側のケースを嵌め合せて溶着する際の位置合せ部としたことにより、樹脂材料の流動性が向上しショートショットやヒケなどの成形不良が無く、しかも位置合せ部での確実な固定により内部に収納された非水系二次電池が外に出て電子機器と接触することがない信頼性の高い非水系二次電池収納ケースを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の第1の発明においては、少なくとも非水系二次電池を内蔵する上ケースと下ケースの溶着リブ部を嵌め合わせ溶着して構成する非水系二次電池パックであって、溶着リブ部にこの溶着リブ部の肉厚よりも厚い樹脂流動部を設け、この樹脂流動部の一部を溶着リブ部に残存させて片側のケースを嵌め合せて溶着する際の位置合せ部としたことにより、上ケースと下ケースの溶着リブ部が外れて脱落しない水系二次電池パックを得ることが可能となる。
【0010】
本発明の第2の発明においては、少なくとも非水系二次電池を内蔵する上ケースと下ケースの嵌合リブ部を嵌め合わせ嵌合して構成する非水系二次電池パックであって、嵌合リブ部にこの嵌合リブ部の肉厚よりも厚い樹脂流動部を設け、この樹脂流動部の一部を嵌合リブ部に残存させて片側のケースを嵌め合せて嵌合する際の位置合せ部としたことにより、上ケースおよび/または下ケース全体への樹脂の充填性が上がり、上ケースおよび/または下ケースの機械的強度が高まり、更に密着性が高くなることで上ケースと下ケースの嵌合リブ部が外れて脱落しない水系二次電池パックを得ることが可能となる。
【0011】
本発明の第3の発明においては、少なくとも非水系二次電池を内蔵する上ケースと下ケースを溶着リブ部にて溶着する非水系二次電池パックの製造方法であって、上ケースおよび/または下ケースに設けた溶着リブ部の肉厚よりも厚い位置合せ部となる樹脂流動部の樹脂流入口から樹脂を流入させて成形することにより、上ケースおよび/または下ケース全体への樹脂の充填性を上げることができ、かつ溶着リブ部の強度を上げることが可能で、外観に樹脂流入口の跡を残すことの無い上ケースおよび/または下ケースの溶着部の形状を形成することが可能となる。
【0012】
本発明の第4の発明においては、上ケースおよび/または下ケースの溶着リブ部に設けた樹脂流動部の一部を成型金型からケースを取り出す際に溶着リブ部に残存させるように切断することにより、この残存した樹脂流動部の一部を上ケースおよび/または下ケースと溶着する際の位置合せ部として用いることが可能となる。
【0013】
本発明の第5の発明においては、上ケースおよび/または下ケースの溶着リブ部に設けた位置合せ部となる樹脂流動部の樹脂流入口と対向する面を円弧形状とすることで、この位置合せ部となる樹脂流動部の厚みを厚肉にしたことにより、樹脂の流動経路を妨げることを抑制でき、さらに樹脂の流動性が上がることで上ケースおよび/または下ケース全体に樹脂が充填しやすくなると共に、溶着リブ部の強度を上げることができ、上ケースおよびまたは下ケース本体に樹脂流入口を直接設けていないことで、外観に樹脂流入口の跡を残すことの無い上ケースおよび/または下ケースの溶着部の形状を形成することが可能となる。
【0014】
本発明の第6の発明においては、上ケースおよび/または下ケースの溶着リブ部に設け
た位置合せ部となる樹脂流動部の樹脂流入口と対向する面を円弧形状としたこの位置合せ部となる樹脂流動部の一部を、ケースを成型金型から取り出す際に溶着リブ部に残存させるように切断することにより、この残存した樹脂流動部の一部を上ケースおよび/または下ケースと溶着する際の位置合せ部として用いることが可能となり、樹脂の流動経路を妨げることを抑制されることで樹脂の流動性が上がる。さらに、上ケースおよび/または下ケース全体に樹脂が充填しやすくなり、溶着リブ部の強度を上げることができ、上ケースおよび/または下ケース本体に樹脂流入口を直接設けていないため外観に樹脂流入口の跡を残すことの無いケースの溶着部の形状を形成することが可能となる。
【0015】
本発明の第7の発明においては、少なくとも非水系二次電池を内蔵する上ケースと下ケースを嵌合リブ部にて嵌合してなる非水系二次電池パックの製造方法であって、上ケースおよび/または下ケースに設けた嵌合リブ部の肉厚よりも厚い位置合せ部となる樹脂流動部の樹脂流入口から樹脂を流入させて成形することにより、上ケースおよび/または下ケース全体への樹脂の充填性を上げることができ、嵌合リブ部の強度を上げることができ、外観に樹脂流入口の跡を残すことの無いケースの嵌合部の形状を形成することが可能となる。
【0016】
本発明の第8の発明においては、上ケースおよび/または下ケースの嵌合リブ部に設けた位置合せ部となる樹脂流動部の一部を成型金型からケースを取り出す際に嵌合リブ部に残存させるように切断することにより、この残存した樹脂流動部の一部を上ケースおよび/または下ケースと嵌合する際の位置合せ部として用いることが可能となる。
【0017】
本発明の第9の発明においては、上ケースおよび/または下ケースの嵌合リブ部に設けた位置合せ部となる樹脂流動部の樹脂流入口と対向する面を円弧形状とすることで、この位置合せ部となる樹脂流動部の厚みを厚肉にしたことにより、樹脂の流動経路を妨げることを抑制でき、さらに樹脂の流動性が上がることで上ケースおよび/または下ケース全体に樹脂が充填しやすくなると共に、嵌合リブ部の強度を上げることができ、上ケースおよび/または下ケース本体に樹脂流入口を直接設けていないことで、外観に樹脂流入口の跡を残すことの無いケースの嵌合部の形状を形成することが可能となる。
【0018】
本発明の第10の発明においては、上ケースおよび/または下ケースの嵌合リブ部に設けた位置合せ部となる樹脂流動部の樹脂流入口と対向する面を円弧形状としたこの位置合せ部となる樹脂流動部の一部を、ケースを成型金型から取り出す際に嵌合リブ部に残存させるように切断することにより、この残存した樹脂流動部の一部を上ケースおよび/または下ケースと嵌合する際の位置合せ部として用いることが可能となり、樹脂の流動経路を妨げることを抑制でき、さらに樹脂の流動性が上がることでケース全体に樹脂が充填しやすくなると共に、嵌合リブ部の強度を高めることができる。さらに、上ケースおよび/または下ケース本体に樹脂流入口を直接設けていないことで、外観に樹脂流入口の跡を残すことの無い下ケースの嵌合部の形状を形成することが可能となる。
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。例えば、図1(a)に示したように、本発明における非水系二次電池パックでは、下ケース1aの成形材料である熱可塑性樹脂の流動性を向上させるために、図3(a)に示される溶着リブ部2aにこの溶着リブ部2aの厚みよりも厚い図3(b)に示される位置合せ部3aとなる樹脂流動部4aを設けており、射出成形した後に下ケース1aを取り出す際に図3(a)に示すように樹脂流動部4aの一部を位置合せ部3aとして残存させるように切断部12aで切断した構成となっている。
【0020】
図3(b)に示される下ケース1aの図3(a)に示される樹脂流動部4aの一部の位置合せ部3aは、下ケース1aに円筒形の非水系二次電池11を収納した後に、図1(a
)に示される下ケース1aと上ケース1cを溶着により接合させる際に、図1(b)に示される下ケース側と上ケース側を嵌め合わせるための位置合せ部3a,3cとしての機能を果たすものである。
【0021】
さらに詳しくは、溶着リブ部2aに設ける位置合せ部3aとなる樹脂流動部4aとしては図3(b)に示したように樹脂流入口5と対向する溶着リブ部2aの内側を肉厚として溶着リブ部2aを有する下ケース1aの肉厚よりも厚い構成としたものである。また、別の位置合せ部3aとなる樹脂流動部4bとしては図3(c)に示したように樹脂流入口5と対向する面を円弧形状として溶着リブ部2aを有する下ケース1aの肉厚よりも厚い構成とすることも可能である。
【0022】
上述のような位置合せ部3aとなる樹脂流動部4aを溶着リブ部2aに設けることで、図6(a)に示したように樹脂流入口5から流入した熱可塑性樹脂は位置合せ部3aとなる樹脂流動部4aにおいて矢印で示したように一部は上部に向かって対流するものの、大部分は下部に向かって熱可塑性樹脂が流動することにより図3(a)に示す下ケース1a内に効率よく熱可塑性樹脂を流動させることができる。また、図6(b)に示したように樹脂流入口5から流入した熱可塑性樹脂は位置合せ部3aとなる円弧形状の樹脂流動部4bにおいて矢印で示したように上部に向かっての対流はほとんど発生することなく、下部に向かって熱可塑性樹脂が流動することにより下ケース1a内にさらに効率よく熱可塑性樹脂を流動させることができる。
【0023】
次いで、図2(a)に示されるように他の本発明における非水系二次電池パックの実施の形態では、下ケース1bの成形材料である熱可塑性樹脂の流動性を向上させるために、図4(b)に示される嵌合リブ部2bにこの嵌合リブ部2bの厚みよりも厚い位置合せ部3bとなる樹脂流動部4cを設けており、射出成形した後に図4(a)に示される下ケース1bを取り出す際に樹脂流動部4cの一部を位置合せ部3bとして残存させるように切断部12bで切断する構成となっている。この下ケース1bの樹脂流動部4cの一部からなる位置合せ部3bは、下ケース1bに非水系二次電池11を収納した後に、この下ケース1bと図2(a)に示される上ケース1dを嵌合により接合させる際に、図2(b)に示される下ケース側と上ケース側を嵌め合わせるための位置合せ部3b,3dとしての機能を果たすものである。
【0024】
さらに詳しくは、嵌合リブ部2bに設ける位置合せ部3bとなる樹脂流動部4cとしては図4(b)に示したように樹脂流入口5と対向する嵌合リブ部2bの内側を肉厚として嵌合リブ部2bを有する図4(a)に示した下ケース1bの肉厚よりも厚い構成としたものである。また、図4(c)に示した別の位置合せ部3bとなる樹脂流動部4dとしては樹脂流入口5と対向する面を円弧形状として嵌合リブ部2bを有する図4(a)に示した下ケース1bの肉厚よりも厚い構成とすることも可能である。また、図2(b)に示したように下ケース1bの位置合せ部3bには嵌合させるための凸部を有し、上ケース1dの位置合せ部3dには嵌合させるための凹部を有した構造としている。これらの凸部および凹部の形状はこれらに限定されるものではなく、例えばより確実に固定させるために爪形状であってもかまわない。
【0025】
上述のような位置合せ部3bとなる樹脂流動部4c,4dを嵌合リブ部2bに設けることで、図7(a)に示したように樹脂流入口5から流入した熱可塑性樹脂は位置合せ部3bとなる樹脂流動部4cにおいて矢印で示したように一部は上部に向かって対流するものの、大部分は下部に向かって熱可塑性樹脂が流動することにより下ケース1b内に効率よく熱可塑性樹脂を流動させることができる。また、図7(b)に示したように樹脂流入口5から流入した熱可塑性樹脂は位置合せ部3bとなる樹脂流動部4dにおいて矢印で示したように上部に向かっての対流はほとんど発生することなく、下部に向かって熱可塑性樹
脂が流動することにより下ケース1b内にさらに効率よく熱可塑性樹脂を流動させることができる。
【0026】
以下、本発明の具体的な実施例について図面を参照しながら、さらに詳しく説明する。なお、以下の実施例においては主に下ケースの実施例について説明するが、下ケースの実施例と同様にして上ケースを実施しても同様な効果が得られることは言うまでもない。
【実施例1】
【0027】
図3(a)に示したように下ケース1aを射出成形する際に図3(b)の位置合せ部3aとなる樹脂流動部4aを溶着リブ部2aに設けた実施例1について説明する。
【0028】
まず、図5(a)に示したように非水系二次電池パックを射出成形するに当たり可動型7aを固定型6aに閉じた状態で、樹脂流入口(図示せず)よりキャビティ10a内に熱可塑性樹脂を流入させた。
【0029】
ここで、図6(a)に示したように位置合せ部3aとなる樹脂流動部4aを溶着リブ部2aに設けたことで、まず、樹脂流入口5から流入した熱可塑性樹脂は樹脂流動部4aにおいて矢印で示したように一部は上部に向かって対流するものの、大部分は下部に向かって流動し、次いで、図5(a)に示したように二箇所の溶着リブ部2aに設けた樹脂流動部4aから熱可塑性樹脂がそれぞれキャビティ10a内に流れ込み、キャビティ10aの中央で溶融樹脂が合流することで完全に熱可塑性樹脂が充填されることになる。
【0030】
次いで、可動型7aを開いた状態で傾斜ピン9aが突き出しと同時に可動型7aに向かって内側にスライドして移動し、スライドブロック8aが外側に向かって左右に開き下ケース1aを取り出し、取り出した後に切断部12aの位置で自動切断し溶着リブ部2aに樹脂流動部4aの一部を残存させて位置合せ部3aを形成させるように切断したことで得られた非水系二次電池パックを実施例1の非水系二次電池パックとした。
【実施例2】
【0031】
図3(a)に示したように下ケース1aを射出成形する際に図3(c)に示した円弧形状を有する位置合せ部3aとなる樹脂流動部4bを溶着リブ部2aに設けた実施例2について説明する。
【0032】
まず、溶着リブ部2aに設けた位置合せ部3aとなる樹脂流動部4bの形状が円弧形状である以外は実施例1と同様にして、図5(a)に示したように非水系二次電池パックを射出成形するに当たり可動型7aを固定型6aに閉じた状態で、樹脂流入口(図示せず)よりキャビティ10a内に熱可塑性樹脂を流入させた。
【0033】
ここで、図6(b)に示したように位置合せ部3aとなる樹脂流動部4bを溶着リブ部2aに設けたことで、まず、樹脂流入口5から流入した熱可塑性樹脂は樹脂流動部4bにおいて矢印で示したように上部に向かっての対流はほとんど発生することなく、下部に向かって熱可塑性樹脂が流動し、次いで、図5(a)に示したように二箇所の溶着リブ部2aに設けた樹脂流動部4aから熱可塑性樹脂がそれぞれキャビティ10a内に流れ込み、キャビティ10aの中央で溶融樹脂が合流することで完全に熱可塑性樹脂が充填されることになる。
【0034】
次いで、可動型7aを開いた状態で傾斜ピン9aが突き出しと同時に可動型7aに向かって内側にスライドして移動し、スライドブロック8aが外側に向かって左右に開き下ケース10aを取り出し、取り出した後に切断部12aの位置で自動切断し溶着リブ部2aに樹脂流動部4bの一部を残存させて位置合せ部3aを形成させるように切断したことで
得られた非水系二次電池パックを実施例2の非水系二次電池パックとした。
【0035】
(比較例1)
比較のために下ケースを射出成形する際に溶着リブ部の厚みと同等である樹脂流動部を溶着リブ部に設けた比較例1について説明する。まず、溶着リブ部に設けた樹脂流動部の厚みが溶着リブ部の厚みと同等である金型(図示せず)を用いて射出成形して得られた非水系二次電池パックを比較例1の非水系二次電池パックとした。
【0036】
比較例1においては、樹脂流入口から樹脂が流入されると、樹脂流入口と対向する面に樹脂がぶつかり、ぶつかった樹脂が樹脂流入口の方向へ戻る。樹脂流入口が収納ケースに直接設けられており、樹脂流入口と対向する面が狭いため、この樹脂流入口と対向する面との間で樹脂が滞留した後に、二箇所の樹脂流動部それぞれからキャビティの中央まで溶融樹脂が流れ込んで合流することで完全に熱可塑性樹脂が充填されることになる。
【0037】
以上のようにして得られた実施例1と実施例2および比較例1の下ケース1aをそれぞれ1000ショット成形して、その成形品について成形不良であるショートショットとヒケとソリ量についてそれぞれを測定した結果を(表1)に示した。
【0038】
【表1】

【0039】
(表1)の結果より明らかなように、溶着リブ部に樹脂流動部が無い比較例の収納ケースに比べ、樹脂流動部4a,4bを設けた実施例1〜2の下ケース1aは成形不良であるショートショットとヒケとソリ量を抑止できることがわかる。
【0040】
ショートショットの結果から比較例1の場合にはキャビティの中央まで樹脂が流れ込んで合流することが無い状態であったが、実施例1〜2ではキャビティの中央まで溶融樹脂が流れ込んで合流し、完全に充填された。
【0041】
また、ヒケの結果では、比較例1の場合、キャビティの中央に溶融樹脂が流れ込んで合流した位置で凹部が目視で明確に判断できたが、実施例1では凹部の深さが浅くなり凹部が和らいだ状態にまで抑止され、さらに、実施例2では凹部がほとんど目視で判断できない位にまで抑止することができた。
【0042】
また、ソリ量の結果から比較例1の場合には可動型の方向へのソリに加え、固定型方向へのソリが加わり、ねじれた状態で変形していたが、実施例1ではソリ方向が可動型の方向のみに抑止され、さらに、実施例2ではソリ方向が可動型の方向ではあるが、実施例1よりも抑止することができた。
【0043】
溶着リブ部2aの厚みよりも厚肉の樹脂流動部4aを設けることで、樹脂の流動性が上がり、実施例1では成形不良の数値が下がり、更に実施例2では樹脂流動部4bを円弧形状にしたことでキャビティ全体に樹脂が行き渡りやすくなり、実施例1よりも成形不良の数値が下がった。
【0044】
溶着リブ部2aの厚みの延長に樹脂流動部4aが設けられていることで、キャビティに流れ込む樹脂の量が少なくなり、キャビティ全体に樹脂が行き渡る時間も長くなることで、ショートショットやヒケなどの成形不良が発生しやすくなっていた。
【実施例3】
【0045】
図1(a)に示したように射出成形した下ケース1aと上ケース1cを溶着する際に、図1(a)の下ケース1aの位置合せ部3aと上ケース1cの位置合せ部3cで位置合せを行った後に下ケース1aと上ケース1cを溶着し固定させた実施例3について説明する。
【0046】
まず、実施例1と同様にして図5(a)に示したように非水系二次電池パックを射出成形するに当たり可動型7aを固定型6aに閉じた状態で、樹脂流入口(図示せず)よりキャビティ10a内に熱可塑性樹脂を流入させた。
【0047】
次いで、可動型7aを開いた状態で傾斜ピン9aが突き出しと同時に可動型7aに向かって内側にスライドして移動し、スライドブロック8aが外側に向かって左右に開き下ケース1aを取り出し、取り出した後に切断部12aの位置で自動切断し溶着リブ部2aに位置合せ部となる樹脂流動部4aの一部を残存させるように切断することで、図1(a)に示したように位置合せ部3aを有する下ケース1aを得た。
【0048】
ここで、図3(a)に示したように射出成形する際に位置合せ部となる樹脂流動部4aの一部を溶着リブ部2aに残存させたことで、溶着リブ部2aの厚みに加えて残存させた位置合せ部3aとなる樹脂流動部4aの一部の厚みが加わり上記下ケース1aの溶着リブ部2aの強度が増すことになる。
【0049】
また、下ケース1aと同様にして射出成型金型(図示せず)を用いて熱可塑性樹脂を射出成形することで、図1(a)に示したように位置合せ部3cを有する上ケース1cを得た。
【0050】
さらに、図1(b)に下ケース1aと上ケース1cの位置合せ部3a,3cの部分拡大図を示したように下ケース1aの位置合せ部3aと上ケース1cの位置合せ部3cで位置合せを行った後に下ケース1aと上ケース1cを溶着することで、実施例3の非水系二次電池パックを得た。
【0051】
この実施例3の非水系二次電池パックは、下ケース1aの位置合せ部3aと上ケース1cの位置合せ部3cが固定されることで、下ケース1aと上ケース1cの強度が増すことに加えて、更に下ケース1aと上ケース1cの溶着部がはずれて脱落して収納している円筒形の非水系二次電池11が電子機器に接することのない非水系二次電池パックを得ることができた。
【0052】
なお、実施例3においては図1(a)に示したように下ケース1aの位置合せ部3aと上ケース1cの位置合せ部3cを下ケース1aおよび上ケース1cの長辺における内側面の二箇所に設けたが、これに限定されるものではなく、短辺における内側面も合せて合計四箇所、あるいは一長辺または一短辺における内側面に複数箇所設置することも可能であり、設置箇所を増やすことで、下ケース1aと上ケース1cをより確実に固定することが可能となる。
【実施例4】
【0053】
図4(a)に示したように下ケース1bを射出成形する際に図4(b)に示した位置合せ部3bとなる樹脂流動部4cを嵌合リブ部2bに設けた実施例4について説明する。
【0054】
まず、図5(b)に示したように非水系二次電池パックを射出成形するに当たり、可動型7b,7cを固定型6bに閉じた状態で、樹脂流入口(図示せず)よりキャビティ10
b内に樹脂を流入させた。
【0055】
ここで、図7(a)に示したように位置合せ部3bとなる樹脂流動部4cを嵌合リブ部2bに設けたことで、まず、樹脂流入口5から流入した熱可塑性樹脂は樹脂流動部4cにおいて矢印で示したように一部は上部に向かって対流するものの、大部分は下部に向かって流動し、次いで、図5(b)に示したように二箇所の嵌合リブ部2bに設けた樹脂流動部4cから熱可塑性樹脂がそれぞれキャビティ10b内に流れ込み、流れ込んだ樹脂は二方向に分岐されて、一方はキャビティ10bの最終端および他方はキャビティ10bの中央で溶融樹脂が合流することで完全に熱可塑性樹脂が充填されることになる。
【0056】
次いで、可動型7b,7cを開いた状態で傾斜ピン9bが突き出しと同時に可動型7cに向かって内側にスライドして移動し、下ケース1bを取り出し、嵌合リブ部2bに樹脂流動部4cの一部を残存させるように切断したことで得られた位置合せ部3b,3dを有する非水系二次電池パックを実施例4の非水系二次電池パックとした。
【実施例5】
【0057】
図4(a)に示したように下ケース1bを射出成形する際に円弧形状を有する図4(c)に示した位置合せ部3bとなる樹脂流動部4dを嵌合リブ部2bに設けた実施例5について説明する。
【0058】
まず、嵌合リブ部2bに設けた位置合せ部3bとなる樹脂流動部4dの形状が円弧形状である以外は実施例3と同様にして、図5(b)に示したように非水系二次電池パックを射出成形するに当たり、可動型7b,7cを固定型6bに閉じた状態で、樹脂流入口(図示せず)よりキャビティ10b内に樹脂を流入させた。
【0059】
ここで、図7(b)に示したように位置合せ部3bとなる樹脂流動部4dを嵌合リブ部2bに設けたことで、まず、樹脂流入口5から流入した熱可塑性樹脂は樹脂流動部4dにおいて矢印で示したように上部に向かっての対流はほとんど発生することなく、下部に向かって熱可塑性樹脂が流動し、次いで、図5(b)に示したように二箇所の嵌合リブ部2bに設けた樹脂流動部4cから熱可塑性樹脂がそれぞれキャビティ10b内に流れ込み、流れ込んだ樹脂は二方向に分岐される。
【0060】
一方はキャビティ10bの最終端で、他方はキャビティ10bの中央で溶融樹脂が合流することで完全に熱可塑性樹脂が充填されることになる。
【0061】
次いで、可動型7b,7cを開いた状態で傾斜ピン9bが突き出しと同時に可動型7cに向かって内側にスライドして移動し、下ケース10bを取り出し、嵌合リブ部2bに樹脂流動部4cの一部を残存させるように切断したことで得られた位置合せ部3b,3dを有する非水系二次電池パックを実施例5の非水系二次電池パックとした。
【0062】
(比較例2)
比較のために下ケースを射出成形する際に嵌合リブ部の厚みと同等である樹脂流動部を嵌合リブ部に設けた比較例2について説明する。
【0063】
まず、嵌合リブ部に設けた樹脂流動部の厚みが嵌合リブ部の厚みと同等である金型(図示せず)を用いて射出成形して得られた非水系二次電池パックを比較例2の非水系二次電池パックとした。
【0064】
比較例2においては、樹脂流入口から樹脂が流入されると、樹脂流入口と対向する面に樹脂がぶつかり、ぶつかった樹脂が樹脂流入口の方法へ戻る。樹脂流入口が収納ケースに
直接設けられており、樹脂流入口と対向する面が狭いため、この樹脂流入口と対向する面との間で樹脂が滞留した後に、二箇所の樹脂流動部それぞれからキャビティに樹脂が流れ込み、流れ込んだ樹脂は二方向に分岐され、キャビティの最終端までと、キャビティの中央まで溶融樹脂が流れ込んで合流することで、完全に熱可塑性樹脂が充填されることになる。
【0065】
以上のようにして得られた実施例4と実施例5および比較例2の下ケース1bそれぞれを1000ショット成形して、その成形品について成形不良であるショートショットとヒケとソリ量についてそれぞれを測定した結果を(表2)に示した。
【0066】
【表2】

【0067】
(表2)の結果より明らかなように、嵌合リブ部に樹脂流動部が無い比較例の収納ケースに比べ、樹脂流動部4c,4dを設けた実施例4〜5の下ケース1bは成形不良であるショートショットとヒケとソリ量を抑止できることがわかる。
【0068】
ショートショットの結果から比較例2の場合にはキャビティの最終端までと、キャビティの中央まで溶融樹脂が流れ込んで合流することが無い状態であったが、実施例4〜5ではキャビティの最終端までと、キャビティの中央まで溶融樹脂が流れ込んで合流され、完全に充填された。
【0069】
また、ヒケの結果では、比較例2の場合、キャビティの中央に溶融樹脂が流れ込んで合流した位置で凹部が目視で明確に判断できたが、実施例4では凹部の深さが浅くなり凹部が和らいだ状態にまで抑止され、さらに、実施例5では凹部がほとんど目視で判断できない位にまで抑止することができた。
【0070】
また、ソリ量の結果から比較例2の場合には、可動型の方向へのソリに加え、固定型方向へのソリが加わり、ねじれた状態で変形していたが、実施例4ではソリ方向が可動型の方向のみ抑止され、さらに、実施例5ではソリ方向が可動型の方向ではあるが、実施例3よりも抑止することができた。
【0071】
嵌合リブ部2bに、この嵌合リブ部2bの厚みよりも厚肉の位置合せ部3bとなる樹脂流動部4cを設けることで、樹脂の流動性が上がり、実施例4では成形不良の数値が下がり、更に実施例5では位置合せ部3bとなる樹脂流動部4dを円弧形状にしたことでキャビティ全体に樹脂が行き渡りやすくなり、実施例4よりも成形不良の数値が下がった。
【0072】
嵌合リブ部2bの厚みの延長に、この嵌合リブ部2bと同じ厚みの位置合せ部3bとなる樹脂流動部4cが設けられていることで、キャビティに流れ込む溶融樹脂の量が少なくなり、キャビティ全体に溶融樹脂が行き渡る時間も長くなる。特に最終端のショートショットやヒケなどの成形不良が発生しやすくなっていた。
【実施例6】
【0073】
図2(a)に示したように射出成形した下ケース1bと上ケース1dを嵌合する際に、図2(a)の下ケース1bの位置合せ部3bと上ケース1dの位置合せ部3dで位置合せを行った後に下ケース1bと上ケース1dを嵌合し固定させた実施例6について説明する。
【0074】
まず、実施例4と同様にして図5(b)に示したように非水系二次電池パックを射出成形するに当たり可動型7b,7cを固定型6bに閉じた状態で、樹脂流入口(図示せず)よりキャビティ10b内に熱可塑性樹脂を流入させた。
【0075】
次いで、可動型7b,7cを開いた状態で傾斜ピン9bが突き出しと同時に可動型7cに向かって内側にスライドして移動し、下ケース1bを取り出し、取り出した後に切断部12bの位置で自動切断し嵌合リブ部2bに樹脂流動部4cの一部を残存させるように切断することで、図2(a)に示したように位置合せ部3bを有する下ケース1bを得た。
【0076】
ここで、図4(a)に示したように位置合せ部3bとなる樹脂流動部4cの一部を嵌合リブ部2bに残存させたことで、嵌合リブ部2bの厚みに加えて位置合せ部3bとなる樹脂流動部4c厚みが加わり前記下ケース1bの嵌合リブ部2bの強度が増すことになる。
【0077】
また、下ケース1bと同様にして射出成型金型(図示せず)を用いて熱可塑性樹脂を射出成形することで、図2(a)に示したように位置合せ部3dを有する上ケース1dを得た。
【0078】
さらに、図2(b)に下ケース1bと上ケース1dの位置合せ部3b,3dの部分拡大図を示したように下ケース1bの位置合せ部3bと上ケース1dの位置合せ部3dで嵌合を行った後に下ケース1bと上ケース1dを固定することで、実施例6の非水系二次電池パックを得た。
【0079】
この実施例6の非水系二次電池パックは、下ケース1bの位置合せ部3bと上ケース1dの位置合せ部3dが嵌合することで、下ケース1bと上ケース1dの強度が増すことに加えて、更に下ケース1bと上ケース1dが脱落しても収納している円筒形の非水系二次電池11が電子機器に接することのない非水系二次電池パックを得ることができた。
【0080】
なお、実施例6においては図2(a)に示したように下ケース1bの位置合せ部3bと上ケース1dの位置合せ部3dを下ケース1bおよび上ケース1dの長辺における内側面の二箇所に設けたが、これに限定されるものではなく、短辺における内側面も合せて合計四箇所、あるいは一長辺または一短辺における内側面に複数箇所設置することも可能であり、設置箇所を増やすことで、下ケース1bと上ケース1dをより確実に固定することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明に係る非水系二次電池パックは、充填される樹脂材料の流動性が向上し、樹脂材料の未充填およびヒケなどの製品外観不良を抑止することができ高品質な収納ケースが得られるため、外観を重視した電子機器および通信機器に組み込まれる電源などの収納ケースとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】(a)本発明の一実施例における溶着リブタイプの非水系二次電池パックの全体構成を示す分解斜視図、(b)本発明の一実施例における溶着リブタイプの非水系二次電池パックにおける位置合せ部の斜視図
【図2】(a)本発明の一実施例における嵌合リブタイプの非水系二次電池パックの全体構成を示す分解斜視図、(b)本発明の一実施例における嵌合リブタイプの非水系二次電池パックにおける位置合せ部の斜視図
【図3】(a)本発明の一実施例における溶着リブタイプの非水系二次電池パックの金型内部を切断した断面図、(b)本発明の一実施例における非水系二次電池パックの溶着リブ部を示す金型内部を切断した断面の部分拡大図、(c)本発明の一実施例における非水系二次電池パックの溶着リブ部を示す金型内部を切断した断面の部分拡大図で、溶着リブ部に設けた位置合せ部となる樹脂流動部が円弧形状であることを示す部分拡大図
【図4】(a)本発明の一実施例における嵌合リブタイプ非水系二次電池パックの金型内部を切断した断面図、(b)本発明の一実施例における非水系二次電池パックの嵌合リブ部を示す金型内部を切断した断面の部分拡大図、(c)本発明の一実施例における非水系二次電池パックの嵌合リブ部を示す金型内部を切断した断面の部分拡大図で、嵌合リブ部に設けた位置合せ部となる樹脂流動部が円弧形状であることを示す部分拡大図
【図5】(a)本発明の一実施例における溶着リブタイプの非水系二次電池パックを成形するための金型の内部を切断した断面図、(b)本発明の一実施例における嵌合リブタイプの非水系二次電池パックを成形するための金型の内部を切断した断面図
【図6】(a)本発明の一実施例における溶着リブタイプの非水系二次電池パックの位置合せ部となる樹脂流動部における樹脂の流れを示した金型内部を切断した断面の部分拡大図、(b)本発明の一実施例における位置合せ部となる樹脂流動部が円弧形状である溶着リブタイプで非水系二次電池パックの樹脂の流れを示した金型内部を切断した断面の部分拡大図
【図7】(a)本発明の一実施例における嵌合リブタイプの非水系二次電池パックの位置合せ部となる樹脂流動部における樹脂の流れを示した金型内部を切断した断面の部分拡大図、(b)本発明の一実施例における位置合せ部となる樹脂流動部が円弧形状である嵌合リブタイプの非水系二次電池パックの位置合せ部となる樹脂流動部における樹脂の流れを示した金型内部を切断した断面の部分拡大図
【図8】従来例の金型における樹脂流入部の部分断面図
【符号の説明】
【0083】
1a,1b 下ケース
1c,1d 上ケース
2a 溶着リブ部
2b 嵌合リブ部
3a,3b,3c,3d 位置合せ部
4a,4b,4c,4d 樹脂流動部
5 樹脂流入口
6a,6b 固定型
7a,7b,7c 可動型
8a スライドブロック
9a,9b 傾斜ピン
10a,10b キャビティ
11 円筒形の非水形二次電池
12a,12b 切断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも非水系二次電池を内蔵する上ケースと下ケースの溶着リブ部を嵌め合わせ溶着して構成する非水系二次電池パックであって、前記溶着リブ部にこの溶着リブ部の肉厚よりも厚い樹脂流動部を設け、この樹脂流動部の一部を前記溶着リブ部に残存させて片側のケースを嵌め合せて溶着する際の位置合せ部としたことを特徴とする非水系二次電池パック。
【請求項2】
少なくとも非水系二次電池を内蔵する上ケースと下ケースの嵌合リブ部を嵌め合わせ嵌合して構成する非水系二次電池パックであって、前記嵌合リブ部にこの嵌合リブ部の肉厚よりも厚い樹脂流動部を設け、この樹脂流動部の一部を前記嵌合リブ部に残存させて片側のケースを嵌め合せて嵌合する際の位置合せ部としたことを特徴とする非水系二次電池パック。
【請求項3】
少なくとも非水系二次電池を内蔵する上ケースと下ケースを溶着リブ部にて溶着する非水系二次電池パックの製造方法であって、前記上ケースおよび/または下ケースに設けた溶着リブ部の肉厚よりも厚い位置合せ部となる樹脂流動部の樹脂流入口から樹脂を流入させて成形することを特徴とする非水系二次電池パックの製造方法。
【請求項4】
前記上ケースおよび/または下ケースの溶着リブ部に設けた位置合せ部となる樹脂流動部の一部を成型金型から前記ケースを取り出す際に前記溶着リブ部に残存させるように切断することを特徴とする請求項3に記載の非水系二次電池パックの製造方法。
【請求項5】
前記上ケースおよび/または下ケースの溶着リブ部に設けた位置合せ部となる樹脂流動部の樹脂流入口と対向する面を円弧形状とすることで、前記位置合せ部となる樹脂流動部の厚みを厚肉にしたことを特徴とする請求項3に記載の非水系二次電池パックの製造方法。
【請求項6】
前記上ケースおよび/または下ケースの溶着リブ部に設けた位置合せ部となる樹脂流動部の樹脂流入口と対向する面を円弧形状とした位置合せ部となる樹脂流動部の一部を、前記ケースを成型金型から取り出す際に前記溶着リブ部に残存させるように切断することを特徴とする請求項5に記載の非水系二次電池パックの製造方法。
【請求項7】
少なくとも非水系二次電池を内蔵する上ケースと下ケースを嵌合リブ部にて嵌合してなる非水系二次電池パックの製造方法であって、前記上ケースおよび/または下ケースに設けた嵌合リブ部の肉厚よりも厚い位置合せ部となる樹脂流動部の樹脂流入口から樹脂を流入させて成形することを特徴とする非水系二次電池パックの製造方法。
【請求項8】
前記上ケースおよび/または下ケースの嵌合リブ部に設けた位置合せ部となる樹脂流動部の一部を成型金型から前記ケースを取り出す際に前記嵌合リブ部に残存させるように切断すること特徴とする請求項7に記載の非水系二次電池パックの製造方法。
【請求項9】
前記上ケースおよび/または下ケースの嵌合リブ部に設けた位置合せ部となる樹脂流動部の樹脂流入口と対向する面を円弧形状とすることで、前記位置合せ部となる樹脂流動部の厚みを厚肉にしたことを特徴とする請求項7に記載の非水系二次電池パックの製造方法。
【請求項10】
前記上ケースおよび/または下ケースの嵌合リブ部に設けた位置合せ部となる樹脂流動部の樹脂流入口と対向する面を円弧形状とした位置合せ部となる樹脂流動部の一部を、前記ケースを成型金型から取り出す際に前記嵌合リブ部に残存させるように切断することを
特徴とする請求項9に記載の非水系二次電池パックの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−172844(P2009−172844A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13307(P2008−13307)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】