鞍乗り型車両の変速制御装置
【課題】変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダルと、該操作ペダルによる変速操作を検出する検出器とを備え、該検出器の検出結果に基づいて変速機を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置において、操作ペダルの操作によって生じるクリック感に変化が生じないようにする。
【解決手段】固定位置に配置されるケース109内に、操作ペダル107の操作に連動して作動する可動部材115と、操作ペダル107の操作にクリック感を付与するようにしてケース109および可動部材115間に設けられるクリック機構116とが収容される。
【解決手段】固定位置に配置されるケース109内に、操作ペダル107の操作に連動して作動する可動部材115と、操作ペダル107の操作にクリック感を付与するようにしてケース109および可動部材115間に設けられるクリック機構116とが収容される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダルと、該操作ペダルによる変速操作を検出する検出器とを備え、該検出器の検出結果に基づいて変速機を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車を模したシミュレータ装置において、シフトアップ操作およびシフトダウン操作を足で行う変速制御装置が特許文献1で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−88605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、操作ペダルの操作にクリック感を付与するクリック機構も開示されているが、自動二輪車等の鞍乗り型車両において、足で操作する操作ペダルおよび前記クリック機構を車体の下部にそのまま配設した場合、クリック機構に異物が付着したり、錆が発生してクリック感に変化が生じてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、操作ペダルの操作によって生じるクリック感に変化が生じないようにした鞍乗り型車両の変速制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダルと、該操作ペダルによる変速操作を検出する検出器とを備え、該検出器の検出結果に基づいて変速機を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置において、固定位置に配置されるケース内に、前記操作ペダルの操作に連動して作動する可動部材と、前記操作ペダルの操作にクリック感を付与するようにして前記ケースおよび前記可動部材間に設けられるクリック機構とが収容されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記可動部材が、前記ケースに回動可能に支持される回動軸に相対回転不能に支持されることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記ケースを気密に貫通する前記回動軸が、前記操作ペダルにリンク部材を介して連結され、前記ケースに、前記可動部材の回動範囲を規制するストッパが設けられることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明は、第2または第3の特徴の構成に加えて、前記可動部材が、前記操作ペダルに連動して回動するようにしてリング状に形成されるとともに前記ケースの一部を構成する壁部に対向して配置され、前記クリック機構が、前記可動部材の外周から前記壁部側に突出するように折り曲げられる爪部と、該爪部を受けるようにして前記壁部に設けられる受け入れ凹部と、前記可動部材を前記壁部側に向けて付勢する付勢部材とで構成されることを第4の特徴とする。
【0010】
本発明は、第4の特徴の構成に加えて、前記付勢部材が、前記可動部材の回動軸線と同軸に配置されるコイルばねであることを第5の特徴とする。
【0011】
本発明は、第1〜第5の特徴の構成のいずれかに加えて、前記回動軸を同軸に囲繞するコイル状の戻しばねを構成要素として前記操作ペダルに戻り方向のばね力を作用せしめるリターン機構が、前記ケース内に収容されることを第6の特徴とする。
【0012】
さらに本発明は、第1〜第6の特徴の構成のいずれかに加えて、前記操作ペダルを乗員の足の爪先で操作する際に足を載せるステップが設けられるとともに前記操作ペダルが回動可能に支持されるステップホルダが、前記ケースとは別に固定位置に配置されることを第7の特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の特徴によれば、固定位置にあるケース内に、操作ペダルの操作に連動して作動する可動部材およびクリック機構が収容されるので、異物の付着や、錆の発生を抑えて、安定したクリック感を得ることができる。
【0014】
また本発明の第2の特徴によれば、ケースに支持された回動軸に可動部材が相対回転不能に支持されるので可動部材の作動のためのスペースを小さくして、ケースのコンパクト化を図ることができる。
【0015】
本発明の第3の特徴によれば、回動軸が、操作ペダルに連動して回動するようにしてケースを気密に貫通するので、ケース内を気密に保持するためのシール構造を単純化することができ、回動軸および操作ペダル間に設けられるリンク部材によって可動部材の回動量を所望の値に調整しつつ、ケースに設けられることで構造を簡素化したストッパで可動部材の回動範囲を規制することができる。
【0016】
本発明の第4の特徴によれば、クリック機構を、可動部材の外周に設けられる爪部と、ケースの壁部に設けられる受け入れ凹部と、可動部材を付勢する付勢部材とで構成しており、爪部を可動部材の外周から折り曲げて形成するので、クリック機構を簡略化してコストダウンを図ることができる。
【0017】
本発明の第5の特徴によれば、クリック機構の一部を構成する付勢部材をコイルばねとし、回動軸を囲繞するようにコイルばねを配置することで、付勢部材の支持構造を簡略化することができる。
【0018】
本発明の第6の特徴によれば、操作ペダルに戻り方向のばね力を作用せしめるようにしてケース内に収容されるリターン機構が、回動軸を同軸に囲繞するコイル状の戻しばねを構成要素として構成されるので、戻しばねの支持構造を簡略化することができる。
【0019】
さらに本発明の第7の特徴によれば、乗員が足を載せるステップが設けられるとともに操作ペダルが回動可能に支持されるステップホルダが、ケースとは別に固定位置に配置されるので、ケース内に収容されるクリック機構に作用する外乱を低減し、クリック機構の作動を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施の形態の自動二輪車の側面図である。
【図2】エンジン付近の拡大側面図である。
【図3】歯車変速機構およびクラッチ装置の縦断面図である。
【図4】シフトドラムおよびシフトアクチュエータの縦断面図である。
【図5】図2の要部拡大図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】図5の7−7線断面図である。
【図8】図5の8−8線断面図である。
【図9】第2の実施の形態の操作ペダル付近の側面図である。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【図11】図10の11矢視図である。
【図12】第3の実施の形態のケースおよび可動部材の横断面図であって図13の12−12線に沿う断面図である。
【図13】図12の13ー13線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を、添付の図面を参照しながら説明する。なお以下の説明で前後、左右および上下は自動二輪車に搭乗した乗員から見た方向を言うものとする。
【0022】
本発明の第1の実施の形態について図1〜図8を参照しながら説明すると、先ず図1において、自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク21を操向可能に支承するヘッドパイプ22と、該ヘッドパイプ22から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム23…と、両メインフレーム23…の後部に連設されて下方に延びる左右一対のピボットフレーム24…と、該ピボットフレーム24…から後上がりに延びる左右一対のリヤフレーム25…とを有し、前記メインフレーム23…には、その中間部から下方に延びるエンジンハンガ26…が一体に連設される。またピボットフレーム24…に前端が揺動可能に支承されるスイングアーム27の後部に後輪WRが軸支される。
【0023】
前記メインフレーム23…の下方には、水冷式のエンジンEのエンジン本体28が配置されており、該エンジン本体28は、前記エンジンハンガ26…、前記メインフレーム23…および前記ピボットフレーム24…の下部に懸架、搭載され、エンジンEから出力される回転動力は、前後に延びて前記スイングアーム27内を通るドライブシャフト29を介して前記後輪WRに伝達される。
【0024】
前記メインフレーム23…上には燃料タンク30が搭載されており、該燃料タンク30の後方で前記リヤフレーム25…上には、乗車用シート31が設けられる。
【0025】
而して前記車体フレームFの一部および前記エンジンEの一部は、車体ケース32で覆われており、この車体ケース32は、前記燃料タンク30の大部分を側方から覆うタンクケース33を有する。
【0026】
図2を併せて参照して、前記エンジン本体28は、自動二輪車への搭載状態で前方に位置する前部バンクBFと、該前部バンクBFよりも後方に位置する後部バンクBRとを有してV型に構成されるものであり、両バンクBF,BRに共通なクランクケース35に、自動二輪車の左右方向に沿うクランクシャフト36が回転自在に支承される。
【0027】
前記エンジン本体28の前方にはラジエータ37が配置される。また前記クランクケース36の下部左側面には、前記クランクシャフト36で回転駆動されるウォータポンプ38が取付けられており、このウォータポンプ38の吐出口に連なる給水ホース39が前部および後部バンクBF,BR間の谷間に設けられたウォータジャケット給水部に接続され、このウォータジャケット給水部から両バンクBF、BRのウォータジャケットに冷却水が供給される。また前部および後部バンクBF,BR間の谷間にはサーモスタット40が配設されており、前記ウォータジャケットを通過した冷却水は、エンジンEの暖機状態ではサーモスタット40から戻しホース41を介して前記ラジエータ37に送られ、該ラジエータ37で冷却された冷却水はホース42を介してウォータポンプ38に戻される。またエンジンEが暖機されていない状態では、前記サーモスタット40からの冷却水の一部がバイパスホース43を介してウォータポンプ38に戻される。
【0028】
前記ラジエータ37の上部には給水管44が設けられており、その給水管44に連なって上方に延びる給水ホース45の上端にフィラーパイプ46が接続される。
【0029】
図3において、エンジン本体28の車体フレームFへの搭載状態でのクランクケース35の右側側面には、クランクケース35との間にクラッチ室47を形成するクラッチケース48が結合される。前記クランクシャフト36および後輪WR間の動力伝達経路は、クランクシャフト36側から順に一次減速装置51、クラッチ装置52、歯車変速機構53およびドライブシャフト29(図1および図2参照)を備えており、前記クラッチ装置52および前記歯車変速機構53で変速機50が構成される。而して一次減速装置51およびクラッチ装置52は前記クラッチ室47に収容され、歯車変速機構53はクランクケース35内に収容される。
【0030】
前記歯車変速機構53は、選択的に確立可能な複数変速段の歯車列たとえば第1〜第6速用歯車列G1,G2,G3,G4,G5,G6を備えてクランクケース35内に収納されており、第1メインシャフト54およびカウンタシャフト56間に第2、第4および第6速用歯車列G2,G4,G6が設けられるとともに、第1メインシャフト54を同軸にかつ相対回転自在に貫通する第2メインシャフト55および前記カウンタシャフト56間に第1、第3および第5速用歯車列G1,G3,G5が設けられて成る。
【0031】
前記クランクケース35は、クランクシャフト36の軸線方向に間隔をあけて相互に対向する右側壁35aおよび左側壁35bを備えており、クランクシャフト36と平行な軸線を有して円筒状に形成される第1メインシャフト54の中間部は、前記右側壁35aを回転自在に貫通し、右側壁35aおよび第1メインシャフト54間にはボールベアリング57が介装される。またクランクシャフト36と平行な軸線を有する第2メインシャフト55は、第1メインシャフト54との軸方向相対位置を一定としつつ第1メインシャフト54を相対回転可能に貫通するものであり、第1メインシャフト54および第2メインシャフト55間には複数のニードルベアリング58…が介装される。また第2メインシャフト55の他端部はクランクケース35の左側壁35bにボールベアリング59を介して回転自在に支承される。
【0032】
クランクシャフト36と平行な軸線を有するカウンタシャフト56の一端部はボールベアリング60を介して前記右側壁35aに回転自在に支承され、カウンタシャフト56の他端部は、ボールベアリング61および環状のシール部材62を前記左側壁35bとの間に介在させて左側壁35bを回転自在に貫通し、左側壁35bからのカウンタシャフト56の突出端部には駆動傘歯車63が固定される。この駆動傘歯車63には自動二輪車の前後方向に延びる回転軸線を有する被動傘歯車64が噛合される。
【0033】
ところで駆動傘歯車63および被動傘歯車64は、前記クランクケース35の前記左側壁35bの一部を覆って前記側壁35bに着脱可能に結合される歯車ケース65と、前記左側壁35bとで形成される歯車室66内で相互に噛合するものであり、被動傘歯車64が同軸に備える軸部64aは歯車ケース65を回転自在に貫通し、前記軸部64aおよび歯車ケース65間には、ボールベアリング67と、該ボールベアリング67の外方に位置する環状のシール部材68とが介装される。また被動傘歯車64には支持軸69の一端部が嵌合されており、該支持軸69の他端部は、ローラベアリング70を介して歯車ケース65に回転自在に支承される。而して前記軸部64aは前記ドライブシャフト29に連結される。
【0034】
前記歯車変速機構53とともに変速機50を構成する前記クラッチ装置52は、前記歯車変速機構53およびクランクシャフト36間に設けられる第1および第2クラッチ71,72を有してツイン式に構成され、前記クラッチ室47に収容される。第1クラッチ71は、前記クランクシャフト36および第1メインシャフト54の一端部間に設けられ、第2クラッチ72は、前記クランクシャフト36および第2メインシャフト55の一端部間に設けられる。而して前記クランクシャフト36からの動力は、第1および第2クラッチ71,72に共通であるクラッチアウタ73に、一次減速装置51およびダンパスプリング74を介して入力される。
【0035】
一次減速装置51は、前記クランクシャフト36に設けられる駆動歯車75と、第1メインシャフト54に相対回転可能に支承されて駆動歯車75に噛合する被動歯車76とから成り、被動歯車76が、前記クラッチアウタ73にダンパスプリング74を介して連結される。
【0036】
第1クラッチ71は、前記クラッチアウタ73と、該クラッチアウタ73で同軸に囲繞されるとともに第1メインシャフト54に相対回転不能に結合される第1クラッチインナ77との間の動力断・接を第1油圧室78の油圧制御に応じて切換えるように構成され、第2メインシャフト55内には第1油圧室78に通じる第1油路79が形成される。
【0037】
また第2クラッチ72は、前記第1クラッチ71を前記一次減速装置10との間に挟むようにして、第2メインシャフト55の軸線方向で第1クラッチ71と並ぶように配置されるものであり、前記クラッチアウタ73と、該クラッチアウタ73で同軸に囲繞されるとともに第2メインシャフト55に相対回転不能に結合される第2クラッチインナ82との間の動力断・接を第2油圧室83の油圧制御に応じて切換えるように構成され、第2メインシャフト55内には、第2油圧室83に通じる第2油路84が第1油路79とは隔絶して形成される。
【0038】
歯車変速機構53は、第1〜第6速用歯車列G1,G2,G3,G4,G5,G6の確立および非確立を切換えるようにして両メインシャフト54,55およびカウンタシャフト56の軸線方向に作動し得る第1、第2、第3および第4シフタ85,86,87,88を有しており、それらのシフタ85〜88は、第1〜第4シフトフォーク89,90,91,92で抱持される。
【0039】
図4において、クランクケース35の右および左側壁35a,35bには、両メインシャフト54,55およびカウンタシャフト56と平行な軸線を有するシフトドラム93が軸線まわりの回動自在に支承されており、第1〜第4シフトフォーク89〜92は、前記シフトドラム93の外周に係合され、シフトドラム93の回動に応じて第1〜第4シフトフォーク89〜92すなわち第1〜第4シフタ85〜88が両メインシャフト54,55およびカウンタシャフト56の軸線方向に作動することになる。
【0040】
而してシフトドラム93が回動することにより、歯車変速機構53における第1〜第6速用歯車列G1〜G6の確立および非確立が切換えられるものであり、シフトドラム93の回動位置を変化させるシフトアクチュエータ94が、クランクケース35の左側壁35bの外面に取付けられる。
【0041】
前記シフトアクチュエータ94は、回転動力を発揮する電動モータ96と、該電動モータ96の出力回転数を減速するようにして該電動モータ96の回転動力を伝達する歯車減速機構97と、該歯車減速機構97から伝達される動力で回転するとともにその回転運動を前記シフトドラム93の回動運動に変換するようにして歯車減速機構97に連動、連結されるバレルカム98と、バレルカム98の回転に応じて前記シフトドラム93に伝達するようにして前記シフトドラム93に同軸に固着される円板状の伝動回転部材99とを備える。
【0042】
クランクケース35の前記左側壁35bには、前記歯車減速機構97、バレルカム98および伝動回転部材99を収容するケース部材100が締結されており、そのケース部材100の開口端を塞ぐようにして該ケース部材100に蓋部材101が取付けられ、前記電動モータ96は前記蓋部材101と反対側からケース部材100に取付けられる。
【0043】
而して前記クラッチ装置52および前記歯車変速機構53で構成される前記変速機50は、前記シフトアクチュエータ94の作動と、クラッチ装置52における第1および第2油圧室78,83の油圧を制御する油圧制御弁(図示せず)の作動との組合わせで変速作動することになる。
【0044】
図1および図2に注目して、前記車体フレームFの一部を構成する左側のピボットフレーム24の下部には、乗員の左足を載せるステップ105が設けられるステップホルダ104が、たとえば一対のボルト106,106で取付けられる。このステップホルダ104には、前記ステップ105に載せた左足の爪先側で回動操作可能な操作ペダル107が回動可能に支承されるものであり、該操作ペダル107は、前後方向に延びるアーム部107aと、該アーム部107aの後端に設けられる円筒状の被支持部107bと、前記アーム部107aの先端寄りの中間部に設けられるペダル部107cとを有し、前記被支持部107bは、車幅方向に延びる軸線を有する支軸108を介して前記ステップホルダ104の前端部に回動可能に支承される
ところで、左側の前記ピボットフレーム24の下部には、車体フレームFの一部を構成するサイドスタンドブラケット110が固着されており、このサイドスタンドブラケット110には、自動二輪車を左側に傾斜した状態で駐車させるためのサイドスタンド111が回動可能に取付けられる。しかも前記操作ペダル107の先端部の車幅方向内方に配置されるケース109が、前記ステップホルダ104とは別の前記サイドスタンドブラケット110に固定される。
【0045】
図5および図6を併せて参照して、前記ケース109は、車幅方向外方に端壁112aを有して車幅方向内方に開放した箱状のケース主体112と、そのケース主体112の開放端を閉じる蓋板113とが、複数のボルト114,114…で締結されて成るものであり、このケース109内に、前記操作ペダル107の操作に連動して作動する可動部材115と、操作ペダル107の操作にクリック感を付与するようにして前記可動部材115および前記ケース109間に設けられるクリック機構116と、前記操作ペダル107に戻り方向の弾発力を作用せしめるリターン機構117とが収容され、前記ケース109に、前記操作ペダル107による変速操作を検出する検出器120が取付けられる。
【0046】
前記可動部材115は、車幅方向に延びる中心軸線を有して前記ケース109に回動可能に支承される回動軸121に、相対回転を不能として支持されるものであり、前記操作ペダル107に連動して回動するようにしてリング状に形成される。
【0047】
前記回動軸121は、前記蓋部材113の一部で構成される平坦な壁部122と、前記ケース主体112の端壁部112aを回動可能に貫通するようにして前記ケース109に回動可能に支承される。
【0048】
前記可動部材115は、前記ケース109の一部を構成する前記壁部122の内面に対向しつつ前記回動軸121にスプライン結合されており、回動軸121とともに回動するものの前記壁部122に対する近接・離反を可能として前記回動軸121に支持される。また前記検出器120は、たとえば抵抗式角度センサであり、前記回動軸121の車幅方向内端部を突入させるようにして前記壁部122の外面に取り付けられる。
【0049】
前記壁部122および前記可動部材115間には、前記回動軸121を囲繞して前記壁部122に固着される円筒状のスペーサ123と、該スペーサ123および前記可動部材115間に介装されるリング状のワッシャ124とが介装されており、それらのスペーサ123およびワッシャ124で前記可動部材115の前記壁部122への近接端が規制される。
【0050】
図7を併せて参照して、前記可動部材115の外周には、相互間に係合凹部125を形成するようにして半径方向外方に突出する一対の突部126,126が一体に突設されており、前記操作ペダル107の先端部に植設されて前記ケース109におけるケース主体112の端壁部112aを貫通するピン127が、前記両突部126,126間に配置される。
【0051】
前記ケース主体112の前記端壁部112aには、前記操作ペダル107が支軸108の軸線まわりに回動する際の前記ピン127の動きを許容すべく前記支軸108の中心軸線を中心とした円弧状の長孔128が、前記ピン127を貫通させるようにして設けられ、この長孔128の両端に前記ピン127が当接することで前記操作ペダル107の回動操作範囲が規制される。
【0052】
而して前記操作ペダル107をシフトアップ側もしくはシフトダウン側に回動操作することで、前記ピン127が前記両突部126…のいずれかに当接して可動部材115が回動軸121とともに回動し、その回動軸121の回動が前記検出器120で検出され、シフトアップもしくはシフトダウン操作が検出器120によって検出されるのに応じて前記変速機50の変速作動が制御される。
【0053】
図8を併せて参照して、前記クリック機構116は、前記可動部材115の外周の周方向に間隔をあけた複数箇所たとえば4箇所から前記壁部122側に突出するように折り曲げられる爪部129…と、それらの爪部129…を受けるようにして前記壁部122に設けられる受け入れ凹部130…と、前記可動部材115を前記壁部122側に向けて付勢する付勢部材であるコイルばね131とで構成される。
【0054】
前記受け入れ凹部130…は、この実施の形態では前記壁部122に貫通孔として設けられるのであるが、有底の凹部として形成されるものであってもよい。また前記爪部129…は、前記操作ペダル107を操作して前記可動部材115が中立位置からシフトアップ側もしくはシフトダウン側に回動したときに、前記可動部材115の周方向に沿う前記受け入れ凹部130…のいずれか一端に当接して前記壁部122から離反する側に前記可動部材115を移動させるように形成されており、前記可動部材115が中立位置にあるときには、前記可動部材115の周方向に沿う前記受け入れ凹部130…の両端との間に間隙が生じるように前記爪部129…および前記受け入れ凹部130…が形成される。
【0055】
前記ケース主体112の端壁部112aの内面には、前記回動軸121を同軸に囲繞する円筒状のカラー132の一端が当接されており、このカラー132の他端には、第1カラー132よりも外径を大きくした円板状のばね受け板133が固着され、さらにばね受け板133には、前記回動軸121を同軸に囲繞する円筒状の規制筒134の一端が固着される。前記規制筒134の他端は、前記可動部材115に前記壁部122とは反対側から対向するものであり、前記可動部材115の前記壁部122から離反する方向の移動は前記規制筒134の他端に当接することで規制される。
【0056】
前記コイルばね131は、前記回動軸121の一部および前記規制筒134を囲繞して前記ばね受け板133および前記可動部材115間に縮設されており、前記可動部材115はコイルばね131のばね力で前記壁部122側に向けて弾発付勢される。
【0057】
このようなクリック機構116によれば、前記操作ペダル107の操作によって前記可動部材115が、その中立位置からシフトアップ側もしくはシフトダウン側に回動する際には、前記爪部129…が前記可動部材115の周方向に沿う前記受け入れ凹部130…のいずれか一端に当接して前記可動部材115を前記コイルばね131のばね力に抗して前記壁部122から離反する側に移動させることで操作トルクが漸次大きくなり、爪部129…が前記受け入れ凹部130…から離脱すると操作トルクが小さくなるので、操作ペダル107を足で操作する乗員がクリック感を感じることができる。
【0058】
また前記リターン機構117は、操作ペダル107の先端に植設された前記ピン127および前記回動軸121間に配置されるようにして前記ケース主体112の端壁部112aに固定された固定ピン135と、前記ピン127および前記固定ピン135を両側から挟む挟み片136a,136bを両端部に有するコイル状の戻しばね136が、前記カラー132を囲繞するようにして前記ケース主体112の端壁部112aおよび前記ばね受け板133間に装着されて成り、操作ペダル107をシフトアップ側またはシフトダウン側に回動したときに、前記戻しばね136の両挟み片136a,136bの一方から前記ピン127に、操作ペダル107を非操作位置に戻す方向のばね力が作用することになる。
【0059】
次にこの第1の実施の形態の作用について説明すると、固定位置に配置されるケース内109に、操作ペダル107の操作に連動して作動する可動部材115と、前記操作ペダル107の操作にクリック感を付与するようにして前記ケース109および前記可動部材115間に設けられるクリック機構116とが収容されるので、クリック機構116への異物の付着や、錆の発生を抑えて、安定したクリック感を得ることができる。
【0060】
また可動部材115が、ケース109に回動可能に支持される回動軸121に相対回転不能に支持されるので、可動部材115の作動のためのスペースを小さくして、ケース109のコンパクト化を図ることができる。
【0061】
また前記可動部材115が、前記操作ペダル107に連動して回動するようにしてリング状に形成されるとともに前記ケース109の一部を構成する壁部122に対向して配置され、前記クリック機構116が、前記可動部材115の外周から前記壁部122側に突出するように折り曲げられる爪部129…と、それらの爪部129…を受けるようにして前記壁部122に設けられる受け入れ凹部130…と、前記可動部材115を前記壁部122側に向けて付勢するコイルばね131とで構成されるので、クリック機構116を簡略化してコストダウンを図ることができ、回動軸121を囲繞するようにコイルばね131を配置することで、コイルばね131の支持構造を簡略化することができる。
【0062】
また回動軸121を同軸に囲繞するコイル状の戻しばね136を構成要素として前記操作ペダル107に戻り方向のばね力を作用せしめるリターン機構117が、前記ケース109内に収容されるので、戻しばね136の支持構造を簡略化することができる。
【0063】
さらに乗員が足を載せるステップ105が設けられるとともに操作ペダル107が回動可能に支持されるステップホルダ104が、前記ケース109とは別に固定位置に配置されるので、ケース109内に収容されるクリック機構116に作用する外乱を低減し、クリック機構116の作動を安定化することができる。
【0064】
本発明の第2の実施の形態について図9〜図11を参照しながら説明するが、上記第1の実施の形態に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみで詳細な説明は省略する。
【0065】
先ず図9において、車体フレームFの一部を構成する左側のピボットフレーム24の後側下部に設けられたステップホルダ104には、操作ペダル137が回動可能に支承されるものであり、該操作ペダル137は、前後方向に延びるアーム部137aと、該アーム部137aの先端部に設けられるペダル部137bとから成り、前記アーム部137aの後端部が、車幅方向に延びる軸線を有する支軸138を介して前記ステップホルダ104の前端部に回動可能に支承される
前記操作ペダル137の車幅方向内方には、前記サイドスタンドブラケット110に固定されるようにしてケース139が配置される。
【0066】
図10および図11において、前記ケース139は、車幅方向外方に端壁部142aを有して車幅方向外方に開放した箱状のケース主体142と、そのケース主体142の開放端を閉じる蓋板143とが、複数のボルト144,144…で締結されて成るものであり、このケース139内に、前記操作ペダル137の操作に連動して作動する円板状の可動部材145と、操作ペダル137の操作にクリック感を付与するようにして前記可動部材145および前記ケース139間に設けられるクリック機構146と、前記操作ペダル137に戻り方向の弾発力を作用せしめるリターン機構147とが収容され、前記ケース139に、前記操作ペダル137による変速操作を検出する検出器140が取付けられる。
【0067】
前記可動部材145は、車幅方向に延びる中心軸線を有して前記ケース139に回動可能に支承される回動軸151に固定されるものであり、前記回動軸151は、前記ケース139の前記蓋部材143に軸方向位置を不変として回動可能に支承され、前記回動軸151の内端に連結される検出器140が、ケース主体142における端壁部142aの内面に取付けられる。
【0068】
前記回動軸151の車幅方向に沿う外端部には、図9で示すように、該回動軸151の半径方向外方に延びるアーム152の一端部がボルト153で締結されており、前記操作ペダル137におけるアーム部137aの中間部に、上下方向に延びるリンクロッド154の一端部が前記回動軸151と平行な軸線を有する第1連結ピン155を介して回動可能に連結され、前記アーム152の他端部および前記リンクロッド154の他端部は、第1連結ピン155と平行な軸線を有する第2連結ピン156を介して回動可能に連結される。したがって回動軸151は、第1のリンク部材である前記アーム152ならびに第2のリンク部材である前記リンクロッド154を介して前記操作ペダル137に連結されており、前記操作ペダル137が回動するのに応じて回動軸151が回動し、その回動軸151の回動を前記検出器140が検出するので、検出器140は前記操作ペダル137によるシフトアップおよびシフトダウンのいずれかの変速操作を検出することになる。
【0069】
図11に注目して、前記ケース139のケース主体142には、前記回動軸151の軸線と直交する軸線を有するとともに前記可動部材145の外周に対向して開放する有底円筒状の支持筒157がその軸線方向に進退可能に螺合されており、該支持筒157の外周には、前記可動部材145との間の前記支持筒157の相対位置を一定に保持するためのロックナット158が前記ケース主体142に当接、係合するようにして螺合される。
【0070】
前記クリック機構146は、前記可動部材145の外周に摺接する半球状の頭部159aを閉塞端に有して有底円筒状に形成されるとともに前記支持筒157に摺動可能に嵌合されるプランジャ159と、このプランジャ59を前記可動部材145側に向けて付勢するようにして前記支持筒157および前記プランジャ59間に縮設されるばね160と、前記プランジャ159の前記頭部159aを嵌合させ得るようにして前記可動部材145の外周に設けられる横断面三角形状の嵌合凹部161とで構成される。
【0071】
前記操作ペダル137の操作によって前記可動部材151が、その中立位置からシフトアップ側もしくはシフトダウン側に回動する際には、前記ばね160を圧縮しつつ前記嵌合凹部161を前記プランジャ159が登るので、操作トルクが漸次大きくなり、前記嵌合凹部161を前記プランジャ159が登り切ってしまうと操作トルクが小さくなるので、操作ペダル137を足で操作する乗員がクリック感を感じることができる。
【0072】
前記可動部材145には、その半径方向外方に延びるアーム部145aが一体に設けられており、前記アーム部145aの前記可動部材145からの延長方向とは反対側で前記可動部材145の側方に配置されるばね支持軸162が、前記ケース139の蓋部材143にナット163で取付けられる。
【0073】
前記リターン機構147は、前記回動軸151を前記ばね支持軸162との間に挟む位置で前記可動部材145のアーム部145aに植設されたピン164および前記回動軸151を両側から挟む挟み片165a,165bを両端部に有するコイル状の戻しばね165が、前記ばね支持軸162に装着されて成り、操作ペダル137をシフトアップ側またはシフトダウン側に回動したときに、前記戻しばね165の両挟み片165a,165bの一方から前記ピン164に、操作ペダル137を非操作位置に戻す方向のばね力が作用することになる。
【0074】
前記ケース139には、前記可動部材145の回動範囲を規制するストッパ166,167が設けられており、棒状である一対のストッパ166,167が、前記可動部材145のアーム部145aを両側から挟むようにして、ナット168,169で前記ケース139の蓋部材143に固定される。
【0075】
この第2の実施の形態によれば、固定位置に配置されるケース内139に、操作ペダル137の操作に連動して作動する可動部材145と、前記操作ペダル137の操作にクリック感を付与するようにして前記ケース139および前記可動部材145間に設けられるクリック機構146とが収容されるので、クリック機構146への異物の付着や、錆の発生を抑えて、安定したクリック感を得ることができる。
【0076】
また可動部材145が、ケース139に回動可能に支持される回動軸151に相対回転不能に支持されるので、可動部材145の作動のためのスペースを小さくして、ケース139のコンパクト化を図ることができる。
【0077】
また乗員が足を載せるステップ105が設けられるとともに操作ペダル137が回動可能に支持されるステップホルダ104が、前記ケース139とは別に固定位置に配置されるので、ケース139内に収容されるクリック機構146に作用する外乱を低減し、クリック機構146の作動を安定化することができる。
【0078】
さらにケース139で回動自在に支承される回動軸151が、操作ペダル137にアーム152およびリンクロッド154を介して連結され、前記ケース139に、前記可動部材145の回動範囲を規制するストッパ166,167が設けられるので、回動軸151および可動部材145の回動量を所望の値に調整しつつ、ケース139に設けられることで構造を簡素化したストッパ166,167で可動部材145の回動範囲を規制することができる。
【0079】
本発明の第3の実施の形態について図12および図13を参照しながら説明する。
【0080】
ケース171は、相互に対向する側に開放した一対の箱状のケース半体172,173が複数のボルト174…で相互に締結されて成るものであり、このケース171内に、第2の実施の形態の前記操作ペダル137に連動する可動部材175と、前記操作ペダル137の操作にクリック感を付与するようにして前記可動部材175および前記ケース171間に設けられるクリック機構176が収容され、前記ケース171に、前記操作ペダル137による変速操作を検出する一対の検出器178,178が取付けられる。
【0081】
前記可動部材175は、車幅方向に延びる中心軸線を有して前記ケース171に回動可能に支承される回動軸180に固定されるものであり、前記ケース171におけるケース半体172の中央部を気密にかつ回動自在に貫通する前記回動軸180の一端部は、前記ケース171のケース半体173の中央部に設けられた支持凹部181に回動可能に嵌合され、軸方向中間部が前記ケース半体172で回動自在に支承されて前記ケース171から外方に突出する前記回動軸180の他端部には、第2の実施の形態と同様にして、操作ペダル137がアーム152およびリンクロッド154を介して連結され、操作ペダル137の操作に応じて前記回動軸180および前記可動部材175が回動する。
【0082】
前記クリック機構176は、前記可動部材175の外周に180度の間隔をあけて設けられる一対の凹部182,182と、それらの凹部182…に嵌合することを可能とした一対のローラ183,183と、それらのローラ183…を前記可動部材175の外周に押しつけるばね力を発揮する一対のばね184…とを備え、前記ケース171の内周には、前記回動軸180の周方向に沿う前記ローラ183…の位置を一定に保持するようにして前記ローラ183…の一部が挿入される保持凹部185,185が設けられる。
【0083】
また前記ばね184は、コイル部184aと、そのコイル部184aの両端から直線状に延びる一対の腕部184b,184bとを有するものであり、前記両ローラ183…の中心軸線を結ぶ直線と直交する直線上に配置される一対のねじ支持軸189,189が、前記ケース171における両ケース半体172,173に振り分けて固定され、それらのねじ支持軸189…に前記ばね184…の前記コイル部184a…が装着される。
【0084】
而して両ばね184…が備える一対の腕部184b…の一方が一方の前記ローラ183に係合され、両ばね184…が備える一対の腕部184b…の他方が他方の前記ローラ183に係合される。
【0085】
而して前記回動軸180および前記可動部材175が変速操作に応じて、中立位置からシフトアップ側もしくはシフトダウン側に回動する際には、前記ばね138…のばね力に抗して前記ローラ183…が前記凹部182…から離脱し、前記凹部182…から前記ローラ183…が離脱してしまうと操作トルクが小さくなるので、乗員がその変速操作にクリック感を感じることができる。
【0086】
前記ケース171の内面には、前記可動部材175の回動範囲を規制するストッパ185,185が突設されており、前記可動部材175の外周には、前記ストッパ185…に当接する当接突部186,186が設けられる。
【0087】
また前記検出器178,178は、前記可動部材175の外周に弾発的に摺接する検出子178a,178aを有しており、前記可動部材175の外周には、前記検出子178a,178aを押圧可能な被検出突部187,187が設けられ、シフトアップ時に一方の被検出突部187で一方の検出器178の検出子178aが押圧され、シフトダウン時に他方の被検出突部187で他方の検出器178の検出子178aが押圧される。
【0088】
この第3の実施の形態によっても上記第2の実施の形態と同様の効果を奏することができ、さらに回動軸180が、操作ペダル137に連動して回動するようにしてケース171を気密に貫通するので、ケース171内を気密に保持するためのシール構造を単純化することができる。
【0089】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0090】
50・・・変速機
104・・・ステップホルダ
105・・・ステップ
107,137・・・操作ペダル
109,139,171・・・ケース
115,145,175・・・可動部材
116,136,176・・・クリック機構
117・・・リターン機構
120,140,178・・・検出器
121,151,180・・・回動軸
122・・・壁部
129・・・爪部
130・・・受け入れ凹部
131・・・付勢部材であるコイルばね
152・・・リンク部材であるアーム
154・・・リンク部材であるリンクロッド
185・・・ストッパ
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダルと、該操作ペダルによる変速操作を検出する検出器とを備え、該検出器の検出結果に基づいて変速機を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車を模したシミュレータ装置において、シフトアップ操作およびシフトダウン操作を足で行う変速制御装置が特許文献1で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−88605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1には、操作ペダルの操作にクリック感を付与するクリック機構も開示されているが、自動二輪車等の鞍乗り型車両において、足で操作する操作ペダルおよび前記クリック機構を車体の下部にそのまま配設した場合、クリック機構に異物が付着したり、錆が発生してクリック感に変化が生じてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、操作ペダルの操作によって生じるクリック感に変化が生じないようにした鞍乗り型車両の変速制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダルと、該操作ペダルによる変速操作を検出する検出器とを備え、該検出器の検出結果に基づいて変速機を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置において、固定位置に配置されるケース内に、前記操作ペダルの操作に連動して作動する可動部材と、前記操作ペダルの操作にクリック感を付与するようにして前記ケースおよび前記可動部材間に設けられるクリック機構とが収容されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記可動部材が、前記ケースに回動可能に支持される回動軸に相対回転不能に支持されることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記ケースを気密に貫通する前記回動軸が、前記操作ペダルにリンク部材を介して連結され、前記ケースに、前記可動部材の回動範囲を規制するストッパが設けられることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明は、第2または第3の特徴の構成に加えて、前記可動部材が、前記操作ペダルに連動して回動するようにしてリング状に形成されるとともに前記ケースの一部を構成する壁部に対向して配置され、前記クリック機構が、前記可動部材の外周から前記壁部側に突出するように折り曲げられる爪部と、該爪部を受けるようにして前記壁部に設けられる受け入れ凹部と、前記可動部材を前記壁部側に向けて付勢する付勢部材とで構成されることを第4の特徴とする。
【0010】
本発明は、第4の特徴の構成に加えて、前記付勢部材が、前記可動部材の回動軸線と同軸に配置されるコイルばねであることを第5の特徴とする。
【0011】
本発明は、第1〜第5の特徴の構成のいずれかに加えて、前記回動軸を同軸に囲繞するコイル状の戻しばねを構成要素として前記操作ペダルに戻り方向のばね力を作用せしめるリターン機構が、前記ケース内に収容されることを第6の特徴とする。
【0012】
さらに本発明は、第1〜第6の特徴の構成のいずれかに加えて、前記操作ペダルを乗員の足の爪先で操作する際に足を載せるステップが設けられるとともに前記操作ペダルが回動可能に支持されるステップホルダが、前記ケースとは別に固定位置に配置されることを第7の特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1の特徴によれば、固定位置にあるケース内に、操作ペダルの操作に連動して作動する可動部材およびクリック機構が収容されるので、異物の付着や、錆の発生を抑えて、安定したクリック感を得ることができる。
【0014】
また本発明の第2の特徴によれば、ケースに支持された回動軸に可動部材が相対回転不能に支持されるので可動部材の作動のためのスペースを小さくして、ケースのコンパクト化を図ることができる。
【0015】
本発明の第3の特徴によれば、回動軸が、操作ペダルに連動して回動するようにしてケースを気密に貫通するので、ケース内を気密に保持するためのシール構造を単純化することができ、回動軸および操作ペダル間に設けられるリンク部材によって可動部材の回動量を所望の値に調整しつつ、ケースに設けられることで構造を簡素化したストッパで可動部材の回動範囲を規制することができる。
【0016】
本発明の第4の特徴によれば、クリック機構を、可動部材の外周に設けられる爪部と、ケースの壁部に設けられる受け入れ凹部と、可動部材を付勢する付勢部材とで構成しており、爪部を可動部材の外周から折り曲げて形成するので、クリック機構を簡略化してコストダウンを図ることができる。
【0017】
本発明の第5の特徴によれば、クリック機構の一部を構成する付勢部材をコイルばねとし、回動軸を囲繞するようにコイルばねを配置することで、付勢部材の支持構造を簡略化することができる。
【0018】
本発明の第6の特徴によれば、操作ペダルに戻り方向のばね力を作用せしめるようにしてケース内に収容されるリターン機構が、回動軸を同軸に囲繞するコイル状の戻しばねを構成要素として構成されるので、戻しばねの支持構造を簡略化することができる。
【0019】
さらに本発明の第7の特徴によれば、乗員が足を載せるステップが設けられるとともに操作ペダルが回動可能に支持されるステップホルダが、ケースとは別に固定位置に配置されるので、ケース内に収容されるクリック機構に作用する外乱を低減し、クリック機構の作動を安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施の形態の自動二輪車の側面図である。
【図2】エンジン付近の拡大側面図である。
【図3】歯車変速機構およびクラッチ装置の縦断面図である。
【図4】シフトドラムおよびシフトアクチュエータの縦断面図である。
【図5】図2の要部拡大図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】図5の7−7線断面図である。
【図8】図5の8−8線断面図である。
【図9】第2の実施の形態の操作ペダル付近の側面図である。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【図11】図10の11矢視図である。
【図12】第3の実施の形態のケースおよび可動部材の横断面図であって図13の12−12線に沿う断面図である。
【図13】図12の13ー13線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を、添付の図面を参照しながら説明する。なお以下の説明で前後、左右および上下は自動二輪車に搭乗した乗員から見た方向を言うものとする。
【0022】
本発明の第1の実施の形態について図1〜図8を参照しながら説明すると、先ず図1において、自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク21を操向可能に支承するヘッドパイプ22と、該ヘッドパイプ22から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム23…と、両メインフレーム23…の後部に連設されて下方に延びる左右一対のピボットフレーム24…と、該ピボットフレーム24…から後上がりに延びる左右一対のリヤフレーム25…とを有し、前記メインフレーム23…には、その中間部から下方に延びるエンジンハンガ26…が一体に連設される。またピボットフレーム24…に前端が揺動可能に支承されるスイングアーム27の後部に後輪WRが軸支される。
【0023】
前記メインフレーム23…の下方には、水冷式のエンジンEのエンジン本体28が配置されており、該エンジン本体28は、前記エンジンハンガ26…、前記メインフレーム23…および前記ピボットフレーム24…の下部に懸架、搭載され、エンジンEから出力される回転動力は、前後に延びて前記スイングアーム27内を通るドライブシャフト29を介して前記後輪WRに伝達される。
【0024】
前記メインフレーム23…上には燃料タンク30が搭載されており、該燃料タンク30の後方で前記リヤフレーム25…上には、乗車用シート31が設けられる。
【0025】
而して前記車体フレームFの一部および前記エンジンEの一部は、車体ケース32で覆われており、この車体ケース32は、前記燃料タンク30の大部分を側方から覆うタンクケース33を有する。
【0026】
図2を併せて参照して、前記エンジン本体28は、自動二輪車への搭載状態で前方に位置する前部バンクBFと、該前部バンクBFよりも後方に位置する後部バンクBRとを有してV型に構成されるものであり、両バンクBF,BRに共通なクランクケース35に、自動二輪車の左右方向に沿うクランクシャフト36が回転自在に支承される。
【0027】
前記エンジン本体28の前方にはラジエータ37が配置される。また前記クランクケース36の下部左側面には、前記クランクシャフト36で回転駆動されるウォータポンプ38が取付けられており、このウォータポンプ38の吐出口に連なる給水ホース39が前部および後部バンクBF,BR間の谷間に設けられたウォータジャケット給水部に接続され、このウォータジャケット給水部から両バンクBF、BRのウォータジャケットに冷却水が供給される。また前部および後部バンクBF,BR間の谷間にはサーモスタット40が配設されており、前記ウォータジャケットを通過した冷却水は、エンジンEの暖機状態ではサーモスタット40から戻しホース41を介して前記ラジエータ37に送られ、該ラジエータ37で冷却された冷却水はホース42を介してウォータポンプ38に戻される。またエンジンEが暖機されていない状態では、前記サーモスタット40からの冷却水の一部がバイパスホース43を介してウォータポンプ38に戻される。
【0028】
前記ラジエータ37の上部には給水管44が設けられており、その給水管44に連なって上方に延びる給水ホース45の上端にフィラーパイプ46が接続される。
【0029】
図3において、エンジン本体28の車体フレームFへの搭載状態でのクランクケース35の右側側面には、クランクケース35との間にクラッチ室47を形成するクラッチケース48が結合される。前記クランクシャフト36および後輪WR間の動力伝達経路は、クランクシャフト36側から順に一次減速装置51、クラッチ装置52、歯車変速機構53およびドライブシャフト29(図1および図2参照)を備えており、前記クラッチ装置52および前記歯車変速機構53で変速機50が構成される。而して一次減速装置51およびクラッチ装置52は前記クラッチ室47に収容され、歯車変速機構53はクランクケース35内に収容される。
【0030】
前記歯車変速機構53は、選択的に確立可能な複数変速段の歯車列たとえば第1〜第6速用歯車列G1,G2,G3,G4,G5,G6を備えてクランクケース35内に収納されており、第1メインシャフト54およびカウンタシャフト56間に第2、第4および第6速用歯車列G2,G4,G6が設けられるとともに、第1メインシャフト54を同軸にかつ相対回転自在に貫通する第2メインシャフト55および前記カウンタシャフト56間に第1、第3および第5速用歯車列G1,G3,G5が設けられて成る。
【0031】
前記クランクケース35は、クランクシャフト36の軸線方向に間隔をあけて相互に対向する右側壁35aおよび左側壁35bを備えており、クランクシャフト36と平行な軸線を有して円筒状に形成される第1メインシャフト54の中間部は、前記右側壁35aを回転自在に貫通し、右側壁35aおよび第1メインシャフト54間にはボールベアリング57が介装される。またクランクシャフト36と平行な軸線を有する第2メインシャフト55は、第1メインシャフト54との軸方向相対位置を一定としつつ第1メインシャフト54を相対回転可能に貫通するものであり、第1メインシャフト54および第2メインシャフト55間には複数のニードルベアリング58…が介装される。また第2メインシャフト55の他端部はクランクケース35の左側壁35bにボールベアリング59を介して回転自在に支承される。
【0032】
クランクシャフト36と平行な軸線を有するカウンタシャフト56の一端部はボールベアリング60を介して前記右側壁35aに回転自在に支承され、カウンタシャフト56の他端部は、ボールベアリング61および環状のシール部材62を前記左側壁35bとの間に介在させて左側壁35bを回転自在に貫通し、左側壁35bからのカウンタシャフト56の突出端部には駆動傘歯車63が固定される。この駆動傘歯車63には自動二輪車の前後方向に延びる回転軸線を有する被動傘歯車64が噛合される。
【0033】
ところで駆動傘歯車63および被動傘歯車64は、前記クランクケース35の前記左側壁35bの一部を覆って前記側壁35bに着脱可能に結合される歯車ケース65と、前記左側壁35bとで形成される歯車室66内で相互に噛合するものであり、被動傘歯車64が同軸に備える軸部64aは歯車ケース65を回転自在に貫通し、前記軸部64aおよび歯車ケース65間には、ボールベアリング67と、該ボールベアリング67の外方に位置する環状のシール部材68とが介装される。また被動傘歯車64には支持軸69の一端部が嵌合されており、該支持軸69の他端部は、ローラベアリング70を介して歯車ケース65に回転自在に支承される。而して前記軸部64aは前記ドライブシャフト29に連結される。
【0034】
前記歯車変速機構53とともに変速機50を構成する前記クラッチ装置52は、前記歯車変速機構53およびクランクシャフト36間に設けられる第1および第2クラッチ71,72を有してツイン式に構成され、前記クラッチ室47に収容される。第1クラッチ71は、前記クランクシャフト36および第1メインシャフト54の一端部間に設けられ、第2クラッチ72は、前記クランクシャフト36および第2メインシャフト55の一端部間に設けられる。而して前記クランクシャフト36からの動力は、第1および第2クラッチ71,72に共通であるクラッチアウタ73に、一次減速装置51およびダンパスプリング74を介して入力される。
【0035】
一次減速装置51は、前記クランクシャフト36に設けられる駆動歯車75と、第1メインシャフト54に相対回転可能に支承されて駆動歯車75に噛合する被動歯車76とから成り、被動歯車76が、前記クラッチアウタ73にダンパスプリング74を介して連結される。
【0036】
第1クラッチ71は、前記クラッチアウタ73と、該クラッチアウタ73で同軸に囲繞されるとともに第1メインシャフト54に相対回転不能に結合される第1クラッチインナ77との間の動力断・接を第1油圧室78の油圧制御に応じて切換えるように構成され、第2メインシャフト55内には第1油圧室78に通じる第1油路79が形成される。
【0037】
また第2クラッチ72は、前記第1クラッチ71を前記一次減速装置10との間に挟むようにして、第2メインシャフト55の軸線方向で第1クラッチ71と並ぶように配置されるものであり、前記クラッチアウタ73と、該クラッチアウタ73で同軸に囲繞されるとともに第2メインシャフト55に相対回転不能に結合される第2クラッチインナ82との間の動力断・接を第2油圧室83の油圧制御に応じて切換えるように構成され、第2メインシャフト55内には、第2油圧室83に通じる第2油路84が第1油路79とは隔絶して形成される。
【0038】
歯車変速機構53は、第1〜第6速用歯車列G1,G2,G3,G4,G5,G6の確立および非確立を切換えるようにして両メインシャフト54,55およびカウンタシャフト56の軸線方向に作動し得る第1、第2、第3および第4シフタ85,86,87,88を有しており、それらのシフタ85〜88は、第1〜第4シフトフォーク89,90,91,92で抱持される。
【0039】
図4において、クランクケース35の右および左側壁35a,35bには、両メインシャフト54,55およびカウンタシャフト56と平行な軸線を有するシフトドラム93が軸線まわりの回動自在に支承されており、第1〜第4シフトフォーク89〜92は、前記シフトドラム93の外周に係合され、シフトドラム93の回動に応じて第1〜第4シフトフォーク89〜92すなわち第1〜第4シフタ85〜88が両メインシャフト54,55およびカウンタシャフト56の軸線方向に作動することになる。
【0040】
而してシフトドラム93が回動することにより、歯車変速機構53における第1〜第6速用歯車列G1〜G6の確立および非確立が切換えられるものであり、シフトドラム93の回動位置を変化させるシフトアクチュエータ94が、クランクケース35の左側壁35bの外面に取付けられる。
【0041】
前記シフトアクチュエータ94は、回転動力を発揮する電動モータ96と、該電動モータ96の出力回転数を減速するようにして該電動モータ96の回転動力を伝達する歯車減速機構97と、該歯車減速機構97から伝達される動力で回転するとともにその回転運動を前記シフトドラム93の回動運動に変換するようにして歯車減速機構97に連動、連結されるバレルカム98と、バレルカム98の回転に応じて前記シフトドラム93に伝達するようにして前記シフトドラム93に同軸に固着される円板状の伝動回転部材99とを備える。
【0042】
クランクケース35の前記左側壁35bには、前記歯車減速機構97、バレルカム98および伝動回転部材99を収容するケース部材100が締結されており、そのケース部材100の開口端を塞ぐようにして該ケース部材100に蓋部材101が取付けられ、前記電動モータ96は前記蓋部材101と反対側からケース部材100に取付けられる。
【0043】
而して前記クラッチ装置52および前記歯車変速機構53で構成される前記変速機50は、前記シフトアクチュエータ94の作動と、クラッチ装置52における第1および第2油圧室78,83の油圧を制御する油圧制御弁(図示せず)の作動との組合わせで変速作動することになる。
【0044】
図1および図2に注目して、前記車体フレームFの一部を構成する左側のピボットフレーム24の下部には、乗員の左足を載せるステップ105が設けられるステップホルダ104が、たとえば一対のボルト106,106で取付けられる。このステップホルダ104には、前記ステップ105に載せた左足の爪先側で回動操作可能な操作ペダル107が回動可能に支承されるものであり、該操作ペダル107は、前後方向に延びるアーム部107aと、該アーム部107aの後端に設けられる円筒状の被支持部107bと、前記アーム部107aの先端寄りの中間部に設けられるペダル部107cとを有し、前記被支持部107bは、車幅方向に延びる軸線を有する支軸108を介して前記ステップホルダ104の前端部に回動可能に支承される
ところで、左側の前記ピボットフレーム24の下部には、車体フレームFの一部を構成するサイドスタンドブラケット110が固着されており、このサイドスタンドブラケット110には、自動二輪車を左側に傾斜した状態で駐車させるためのサイドスタンド111が回動可能に取付けられる。しかも前記操作ペダル107の先端部の車幅方向内方に配置されるケース109が、前記ステップホルダ104とは別の前記サイドスタンドブラケット110に固定される。
【0045】
図5および図6を併せて参照して、前記ケース109は、車幅方向外方に端壁112aを有して車幅方向内方に開放した箱状のケース主体112と、そのケース主体112の開放端を閉じる蓋板113とが、複数のボルト114,114…で締結されて成るものであり、このケース109内に、前記操作ペダル107の操作に連動して作動する可動部材115と、操作ペダル107の操作にクリック感を付与するようにして前記可動部材115および前記ケース109間に設けられるクリック機構116と、前記操作ペダル107に戻り方向の弾発力を作用せしめるリターン機構117とが収容され、前記ケース109に、前記操作ペダル107による変速操作を検出する検出器120が取付けられる。
【0046】
前記可動部材115は、車幅方向に延びる中心軸線を有して前記ケース109に回動可能に支承される回動軸121に、相対回転を不能として支持されるものであり、前記操作ペダル107に連動して回動するようにしてリング状に形成される。
【0047】
前記回動軸121は、前記蓋部材113の一部で構成される平坦な壁部122と、前記ケース主体112の端壁部112aを回動可能に貫通するようにして前記ケース109に回動可能に支承される。
【0048】
前記可動部材115は、前記ケース109の一部を構成する前記壁部122の内面に対向しつつ前記回動軸121にスプライン結合されており、回動軸121とともに回動するものの前記壁部122に対する近接・離反を可能として前記回動軸121に支持される。また前記検出器120は、たとえば抵抗式角度センサであり、前記回動軸121の車幅方向内端部を突入させるようにして前記壁部122の外面に取り付けられる。
【0049】
前記壁部122および前記可動部材115間には、前記回動軸121を囲繞して前記壁部122に固着される円筒状のスペーサ123と、該スペーサ123および前記可動部材115間に介装されるリング状のワッシャ124とが介装されており、それらのスペーサ123およびワッシャ124で前記可動部材115の前記壁部122への近接端が規制される。
【0050】
図7を併せて参照して、前記可動部材115の外周には、相互間に係合凹部125を形成するようにして半径方向外方に突出する一対の突部126,126が一体に突設されており、前記操作ペダル107の先端部に植設されて前記ケース109におけるケース主体112の端壁部112aを貫通するピン127が、前記両突部126,126間に配置される。
【0051】
前記ケース主体112の前記端壁部112aには、前記操作ペダル107が支軸108の軸線まわりに回動する際の前記ピン127の動きを許容すべく前記支軸108の中心軸線を中心とした円弧状の長孔128が、前記ピン127を貫通させるようにして設けられ、この長孔128の両端に前記ピン127が当接することで前記操作ペダル107の回動操作範囲が規制される。
【0052】
而して前記操作ペダル107をシフトアップ側もしくはシフトダウン側に回動操作することで、前記ピン127が前記両突部126…のいずれかに当接して可動部材115が回動軸121とともに回動し、その回動軸121の回動が前記検出器120で検出され、シフトアップもしくはシフトダウン操作が検出器120によって検出されるのに応じて前記変速機50の変速作動が制御される。
【0053】
図8を併せて参照して、前記クリック機構116は、前記可動部材115の外周の周方向に間隔をあけた複数箇所たとえば4箇所から前記壁部122側に突出するように折り曲げられる爪部129…と、それらの爪部129…を受けるようにして前記壁部122に設けられる受け入れ凹部130…と、前記可動部材115を前記壁部122側に向けて付勢する付勢部材であるコイルばね131とで構成される。
【0054】
前記受け入れ凹部130…は、この実施の形態では前記壁部122に貫通孔として設けられるのであるが、有底の凹部として形成されるものであってもよい。また前記爪部129…は、前記操作ペダル107を操作して前記可動部材115が中立位置からシフトアップ側もしくはシフトダウン側に回動したときに、前記可動部材115の周方向に沿う前記受け入れ凹部130…のいずれか一端に当接して前記壁部122から離反する側に前記可動部材115を移動させるように形成されており、前記可動部材115が中立位置にあるときには、前記可動部材115の周方向に沿う前記受け入れ凹部130…の両端との間に間隙が生じるように前記爪部129…および前記受け入れ凹部130…が形成される。
【0055】
前記ケース主体112の端壁部112aの内面には、前記回動軸121を同軸に囲繞する円筒状のカラー132の一端が当接されており、このカラー132の他端には、第1カラー132よりも外径を大きくした円板状のばね受け板133が固着され、さらにばね受け板133には、前記回動軸121を同軸に囲繞する円筒状の規制筒134の一端が固着される。前記規制筒134の他端は、前記可動部材115に前記壁部122とは反対側から対向するものであり、前記可動部材115の前記壁部122から離反する方向の移動は前記規制筒134の他端に当接することで規制される。
【0056】
前記コイルばね131は、前記回動軸121の一部および前記規制筒134を囲繞して前記ばね受け板133および前記可動部材115間に縮設されており、前記可動部材115はコイルばね131のばね力で前記壁部122側に向けて弾発付勢される。
【0057】
このようなクリック機構116によれば、前記操作ペダル107の操作によって前記可動部材115が、その中立位置からシフトアップ側もしくはシフトダウン側に回動する際には、前記爪部129…が前記可動部材115の周方向に沿う前記受け入れ凹部130…のいずれか一端に当接して前記可動部材115を前記コイルばね131のばね力に抗して前記壁部122から離反する側に移動させることで操作トルクが漸次大きくなり、爪部129…が前記受け入れ凹部130…から離脱すると操作トルクが小さくなるので、操作ペダル107を足で操作する乗員がクリック感を感じることができる。
【0058】
また前記リターン機構117は、操作ペダル107の先端に植設された前記ピン127および前記回動軸121間に配置されるようにして前記ケース主体112の端壁部112aに固定された固定ピン135と、前記ピン127および前記固定ピン135を両側から挟む挟み片136a,136bを両端部に有するコイル状の戻しばね136が、前記カラー132を囲繞するようにして前記ケース主体112の端壁部112aおよび前記ばね受け板133間に装着されて成り、操作ペダル107をシフトアップ側またはシフトダウン側に回動したときに、前記戻しばね136の両挟み片136a,136bの一方から前記ピン127に、操作ペダル107を非操作位置に戻す方向のばね力が作用することになる。
【0059】
次にこの第1の実施の形態の作用について説明すると、固定位置に配置されるケース内109に、操作ペダル107の操作に連動して作動する可動部材115と、前記操作ペダル107の操作にクリック感を付与するようにして前記ケース109および前記可動部材115間に設けられるクリック機構116とが収容されるので、クリック機構116への異物の付着や、錆の発生を抑えて、安定したクリック感を得ることができる。
【0060】
また可動部材115が、ケース109に回動可能に支持される回動軸121に相対回転不能に支持されるので、可動部材115の作動のためのスペースを小さくして、ケース109のコンパクト化を図ることができる。
【0061】
また前記可動部材115が、前記操作ペダル107に連動して回動するようにしてリング状に形成されるとともに前記ケース109の一部を構成する壁部122に対向して配置され、前記クリック機構116が、前記可動部材115の外周から前記壁部122側に突出するように折り曲げられる爪部129…と、それらの爪部129…を受けるようにして前記壁部122に設けられる受け入れ凹部130…と、前記可動部材115を前記壁部122側に向けて付勢するコイルばね131とで構成されるので、クリック機構116を簡略化してコストダウンを図ることができ、回動軸121を囲繞するようにコイルばね131を配置することで、コイルばね131の支持構造を簡略化することができる。
【0062】
また回動軸121を同軸に囲繞するコイル状の戻しばね136を構成要素として前記操作ペダル107に戻り方向のばね力を作用せしめるリターン機構117が、前記ケース109内に収容されるので、戻しばね136の支持構造を簡略化することができる。
【0063】
さらに乗員が足を載せるステップ105が設けられるとともに操作ペダル107が回動可能に支持されるステップホルダ104が、前記ケース109とは別に固定位置に配置されるので、ケース109内に収容されるクリック機構116に作用する外乱を低減し、クリック機構116の作動を安定化することができる。
【0064】
本発明の第2の実施の形態について図9〜図11を参照しながら説明するが、上記第1の実施の形態に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみで詳細な説明は省略する。
【0065】
先ず図9において、車体フレームFの一部を構成する左側のピボットフレーム24の後側下部に設けられたステップホルダ104には、操作ペダル137が回動可能に支承されるものであり、該操作ペダル137は、前後方向に延びるアーム部137aと、該アーム部137aの先端部に設けられるペダル部137bとから成り、前記アーム部137aの後端部が、車幅方向に延びる軸線を有する支軸138を介して前記ステップホルダ104の前端部に回動可能に支承される
前記操作ペダル137の車幅方向内方には、前記サイドスタンドブラケット110に固定されるようにしてケース139が配置される。
【0066】
図10および図11において、前記ケース139は、車幅方向外方に端壁部142aを有して車幅方向外方に開放した箱状のケース主体142と、そのケース主体142の開放端を閉じる蓋板143とが、複数のボルト144,144…で締結されて成るものであり、このケース139内に、前記操作ペダル137の操作に連動して作動する円板状の可動部材145と、操作ペダル137の操作にクリック感を付与するようにして前記可動部材145および前記ケース139間に設けられるクリック機構146と、前記操作ペダル137に戻り方向の弾発力を作用せしめるリターン機構147とが収容され、前記ケース139に、前記操作ペダル137による変速操作を検出する検出器140が取付けられる。
【0067】
前記可動部材145は、車幅方向に延びる中心軸線を有して前記ケース139に回動可能に支承される回動軸151に固定されるものであり、前記回動軸151は、前記ケース139の前記蓋部材143に軸方向位置を不変として回動可能に支承され、前記回動軸151の内端に連結される検出器140が、ケース主体142における端壁部142aの内面に取付けられる。
【0068】
前記回動軸151の車幅方向に沿う外端部には、図9で示すように、該回動軸151の半径方向外方に延びるアーム152の一端部がボルト153で締結されており、前記操作ペダル137におけるアーム部137aの中間部に、上下方向に延びるリンクロッド154の一端部が前記回動軸151と平行な軸線を有する第1連結ピン155を介して回動可能に連結され、前記アーム152の他端部および前記リンクロッド154の他端部は、第1連結ピン155と平行な軸線を有する第2連結ピン156を介して回動可能に連結される。したがって回動軸151は、第1のリンク部材である前記アーム152ならびに第2のリンク部材である前記リンクロッド154を介して前記操作ペダル137に連結されており、前記操作ペダル137が回動するのに応じて回動軸151が回動し、その回動軸151の回動を前記検出器140が検出するので、検出器140は前記操作ペダル137によるシフトアップおよびシフトダウンのいずれかの変速操作を検出することになる。
【0069】
図11に注目して、前記ケース139のケース主体142には、前記回動軸151の軸線と直交する軸線を有するとともに前記可動部材145の外周に対向して開放する有底円筒状の支持筒157がその軸線方向に進退可能に螺合されており、該支持筒157の外周には、前記可動部材145との間の前記支持筒157の相対位置を一定に保持するためのロックナット158が前記ケース主体142に当接、係合するようにして螺合される。
【0070】
前記クリック機構146は、前記可動部材145の外周に摺接する半球状の頭部159aを閉塞端に有して有底円筒状に形成されるとともに前記支持筒157に摺動可能に嵌合されるプランジャ159と、このプランジャ59を前記可動部材145側に向けて付勢するようにして前記支持筒157および前記プランジャ59間に縮設されるばね160と、前記プランジャ159の前記頭部159aを嵌合させ得るようにして前記可動部材145の外周に設けられる横断面三角形状の嵌合凹部161とで構成される。
【0071】
前記操作ペダル137の操作によって前記可動部材151が、その中立位置からシフトアップ側もしくはシフトダウン側に回動する際には、前記ばね160を圧縮しつつ前記嵌合凹部161を前記プランジャ159が登るので、操作トルクが漸次大きくなり、前記嵌合凹部161を前記プランジャ159が登り切ってしまうと操作トルクが小さくなるので、操作ペダル137を足で操作する乗員がクリック感を感じることができる。
【0072】
前記可動部材145には、その半径方向外方に延びるアーム部145aが一体に設けられており、前記アーム部145aの前記可動部材145からの延長方向とは反対側で前記可動部材145の側方に配置されるばね支持軸162が、前記ケース139の蓋部材143にナット163で取付けられる。
【0073】
前記リターン機構147は、前記回動軸151を前記ばね支持軸162との間に挟む位置で前記可動部材145のアーム部145aに植設されたピン164および前記回動軸151を両側から挟む挟み片165a,165bを両端部に有するコイル状の戻しばね165が、前記ばね支持軸162に装着されて成り、操作ペダル137をシフトアップ側またはシフトダウン側に回動したときに、前記戻しばね165の両挟み片165a,165bの一方から前記ピン164に、操作ペダル137を非操作位置に戻す方向のばね力が作用することになる。
【0074】
前記ケース139には、前記可動部材145の回動範囲を規制するストッパ166,167が設けられており、棒状である一対のストッパ166,167が、前記可動部材145のアーム部145aを両側から挟むようにして、ナット168,169で前記ケース139の蓋部材143に固定される。
【0075】
この第2の実施の形態によれば、固定位置に配置されるケース内139に、操作ペダル137の操作に連動して作動する可動部材145と、前記操作ペダル137の操作にクリック感を付与するようにして前記ケース139および前記可動部材145間に設けられるクリック機構146とが収容されるので、クリック機構146への異物の付着や、錆の発生を抑えて、安定したクリック感を得ることができる。
【0076】
また可動部材145が、ケース139に回動可能に支持される回動軸151に相対回転不能に支持されるので、可動部材145の作動のためのスペースを小さくして、ケース139のコンパクト化を図ることができる。
【0077】
また乗員が足を載せるステップ105が設けられるとともに操作ペダル137が回動可能に支持されるステップホルダ104が、前記ケース139とは別に固定位置に配置されるので、ケース139内に収容されるクリック機構146に作用する外乱を低減し、クリック機構146の作動を安定化することができる。
【0078】
さらにケース139で回動自在に支承される回動軸151が、操作ペダル137にアーム152およびリンクロッド154を介して連結され、前記ケース139に、前記可動部材145の回動範囲を規制するストッパ166,167が設けられるので、回動軸151および可動部材145の回動量を所望の値に調整しつつ、ケース139に設けられることで構造を簡素化したストッパ166,167で可動部材145の回動範囲を規制することができる。
【0079】
本発明の第3の実施の形態について図12および図13を参照しながら説明する。
【0080】
ケース171は、相互に対向する側に開放した一対の箱状のケース半体172,173が複数のボルト174…で相互に締結されて成るものであり、このケース171内に、第2の実施の形態の前記操作ペダル137に連動する可動部材175と、前記操作ペダル137の操作にクリック感を付与するようにして前記可動部材175および前記ケース171間に設けられるクリック機構176が収容され、前記ケース171に、前記操作ペダル137による変速操作を検出する一対の検出器178,178が取付けられる。
【0081】
前記可動部材175は、車幅方向に延びる中心軸線を有して前記ケース171に回動可能に支承される回動軸180に固定されるものであり、前記ケース171におけるケース半体172の中央部を気密にかつ回動自在に貫通する前記回動軸180の一端部は、前記ケース171のケース半体173の中央部に設けられた支持凹部181に回動可能に嵌合され、軸方向中間部が前記ケース半体172で回動自在に支承されて前記ケース171から外方に突出する前記回動軸180の他端部には、第2の実施の形態と同様にして、操作ペダル137がアーム152およびリンクロッド154を介して連結され、操作ペダル137の操作に応じて前記回動軸180および前記可動部材175が回動する。
【0082】
前記クリック機構176は、前記可動部材175の外周に180度の間隔をあけて設けられる一対の凹部182,182と、それらの凹部182…に嵌合することを可能とした一対のローラ183,183と、それらのローラ183…を前記可動部材175の外周に押しつけるばね力を発揮する一対のばね184…とを備え、前記ケース171の内周には、前記回動軸180の周方向に沿う前記ローラ183…の位置を一定に保持するようにして前記ローラ183…の一部が挿入される保持凹部185,185が設けられる。
【0083】
また前記ばね184は、コイル部184aと、そのコイル部184aの両端から直線状に延びる一対の腕部184b,184bとを有するものであり、前記両ローラ183…の中心軸線を結ぶ直線と直交する直線上に配置される一対のねじ支持軸189,189が、前記ケース171における両ケース半体172,173に振り分けて固定され、それらのねじ支持軸189…に前記ばね184…の前記コイル部184a…が装着される。
【0084】
而して両ばね184…が備える一対の腕部184b…の一方が一方の前記ローラ183に係合され、両ばね184…が備える一対の腕部184b…の他方が他方の前記ローラ183に係合される。
【0085】
而して前記回動軸180および前記可動部材175が変速操作に応じて、中立位置からシフトアップ側もしくはシフトダウン側に回動する際には、前記ばね138…のばね力に抗して前記ローラ183…が前記凹部182…から離脱し、前記凹部182…から前記ローラ183…が離脱してしまうと操作トルクが小さくなるので、乗員がその変速操作にクリック感を感じることができる。
【0086】
前記ケース171の内面には、前記可動部材175の回動範囲を規制するストッパ185,185が突設されており、前記可動部材175の外周には、前記ストッパ185…に当接する当接突部186,186が設けられる。
【0087】
また前記検出器178,178は、前記可動部材175の外周に弾発的に摺接する検出子178a,178aを有しており、前記可動部材175の外周には、前記検出子178a,178aを押圧可能な被検出突部187,187が設けられ、シフトアップ時に一方の被検出突部187で一方の検出器178の検出子178aが押圧され、シフトダウン時に他方の被検出突部187で他方の検出器178の検出子178aが押圧される。
【0088】
この第3の実施の形態によっても上記第2の実施の形態と同様の効果を奏することができ、さらに回動軸180が、操作ペダル137に連動して回動するようにしてケース171を気密に貫通するので、ケース171内を気密に保持するためのシール構造を単純化することができる。
【0089】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0090】
50・・・変速機
104・・・ステップホルダ
105・・・ステップ
107,137・・・操作ペダル
109,139,171・・・ケース
115,145,175・・・可動部材
116,136,176・・・クリック機構
117・・・リターン機構
120,140,178・・・検出器
121,151,180・・・回動軸
122・・・壁部
129・・・爪部
130・・・受け入れ凹部
131・・・付勢部材であるコイルばね
152・・・リンク部材であるアーム
154・・・リンク部材であるリンクロッド
185・・・ストッパ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダル(107,137)と、該操作ペダル(107,137)による変速操作を検出する検出器(120,140,178)とを備え、該検出器(120,140,178)の検出結果に基づいて変速機(50)を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置において、固定位置に配置されるケース(109,139,171)内に、前記操作ペダル(107,137)の操作に連動して作動する可動部材(115,145,175)と、前記操作ペダル(107,137)の操作にクリック感を付与するようにして前記ケース(109,139,171)および前記可動部材(115,145,175)間に設けられるクリック機構(116,136,176)とが収容されることを特徴とする鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項2】
前記可動部材(115,145,175)が、前記ケース(109,139,171)に回動可能に支持される回動軸(121,151,180)に相対回転不能に支持されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項3】
前記ケース(171)を気密に貫通する前記回動軸(180)が、前記操作ペダル(107,137)にリンク部材(152,154)を介して連結され、前記ケース(171)に、前記可動部材(175)の回動範囲を規制するストッパ(185)が設けられる請求項2記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項4】
前記可動部材(115)が、前記操作ペダル(107)に連動して回動するようにしてリング状に形成されるとともに前記ケース(109)の一部を構成する壁部(122)に対向して配置され、前記クリック機構(116)が、前記可動部材(115)の外周から前記壁部(122)側に突出するように折り曲げられる爪部(129)と、該爪部(129)を受けるようにして前記壁部(129)に設けられる受け入れ凹部(130)と、前記可動部材(115)を前記壁部(122)側に向けて付勢する付勢部材(131)とで構成されることを特徴とする請求項2または3記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項5】
前記付勢部材(131)が、前記回動軸(121)を同軸に囲繞するコイルばねであることを特徴とする請求項4記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項6】
前記回動軸(121)を同軸に囲繞するコイル状の戻しばね(136)を構成要素として前記操作ペダル(107)に戻り方向のばね力を作用せしめるリターン機構(117)が、前記ケース(109)内に収容されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項7】
前記操作ペダル(107,137)を乗員の足の爪先で操作する際に足を載せるステップ(105)が設けられるとともに前記操作ペダル(107,137)が回動可能に支持されるステップホルダ(104)が、前記ケース(109,139,171)とは別に固定位置に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項1】
変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダル(107,137)と、該操作ペダル(107,137)による変速操作を検出する検出器(120,140,178)とを備え、該検出器(120,140,178)の検出結果に基づいて変速機(50)を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置において、固定位置に配置されるケース(109,139,171)内に、前記操作ペダル(107,137)の操作に連動して作動する可動部材(115,145,175)と、前記操作ペダル(107,137)の操作にクリック感を付与するようにして前記ケース(109,139,171)および前記可動部材(115,145,175)間に設けられるクリック機構(116,136,176)とが収容されることを特徴とする鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項2】
前記可動部材(115,145,175)が、前記ケース(109,139,171)に回動可能に支持される回動軸(121,151,180)に相対回転不能に支持されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項3】
前記ケース(171)を気密に貫通する前記回動軸(180)が、前記操作ペダル(107,137)にリンク部材(152,154)を介して連結され、前記ケース(171)に、前記可動部材(175)の回動範囲を規制するストッパ(185)が設けられる請求項2記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項4】
前記可動部材(115)が、前記操作ペダル(107)に連動して回動するようにしてリング状に形成されるとともに前記ケース(109)の一部を構成する壁部(122)に対向して配置され、前記クリック機構(116)が、前記可動部材(115)の外周から前記壁部(122)側に突出するように折り曲げられる爪部(129)と、該爪部(129)を受けるようにして前記壁部(129)に設けられる受け入れ凹部(130)と、前記可動部材(115)を前記壁部(122)側に向けて付勢する付勢部材(131)とで構成されることを特徴とする請求項2または3記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項5】
前記付勢部材(131)が、前記回動軸(121)を同軸に囲繞するコイルばねであることを特徴とする請求項4記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項6】
前記回動軸(121)を同軸に囲繞するコイル状の戻しばね(136)を構成要素として前記操作ペダル(107)に戻り方向のばね力を作用せしめるリターン機構(117)が、前記ケース(109)内に収容されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項7】
前記操作ペダル(107,137)を乗員の足の爪先で操作する際に足を載せるステップ(105)が設けられるとともに前記操作ペダル(107,137)が回動可能に支持されるステップホルダ(104)が、前記ケース(109,139,171)とは別に固定位置に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−71696(P2013−71696A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213792(P2011−213792)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]