説明

音声案内装置

【課題】報知すべき内容を関係者の声で報知する。
【解決手段】音声案内装置1が、センターサーバ58からインターネット57やゲートウェイ50を介して電子メールを受信し、上記電子メールの内容に対応するテキストデータを音声内容データ記憶部に記憶させる。続いて、音声案内装置1の音声合成部において、解析部が上記テキストデータに対して言語データベースの情報を用いて言語解析を実行してテキスト合成データを作成するとともに、電子メールの送信者を認識する。その後、音声信号作成部が、解析部からのテキスト合成データ及びコンテキスト依存HMMからの声色データ及び口調データに基づいて音声信号データを作成する。最後に、報知部が上記音声信号データを再生し、電子メールの内容を送信者の声で報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声案内を報知する音声案内装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の音声案内装置は、さまざまなシステムに組み込まれて用いられるものである。このようなシステムとして、例えば特許文献1には、それぞれが火災感知器と接続する複数の端末装置と、各端末装置と接続するセンタ装置(音声案内装置)とを備える異常報知システムが開示されている。上記特許文献1の異常報知システムにおいて、センタ装置は、各端末装置からの制御信号に対応する音声案内データを記憶する記憶部を備える。上記特許文献1の異常報知システムの動作について説明すると、まず、端末装置が火災感知器の検知に基づいて火災発生と確定した場合、センタ装置に制御信号を送信する。続いて、センタ装置が制御信号を受信すると、上記制御信号に対応する音声内容データを記憶部から読み出し、上記音声内容データに基づいて音声メッセージを報知する。
【特許文献1】特開2004−185151号公報(第7頁及び第1〜3図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の音声案内装置は、報知すべき内容を、その内容の関係者の声で報知することができないという問題があった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、報知すべき内容を関係者の声で報知することができる音声案内装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、音声で報知すべき内容に対応する音声内容データを記憶する音声内容データ記憶手段と、それぞれが、予め決められた人の声色に対応する複数の声色データを記憶する声色データ記憶手段と、前記音声内容データ記憶手段から前記音声内容データを入力し、入力された音声内容データによって関係者を認識する関係者認識手段と、前記関係者の声色データを前記声色データ記憶手段から入力し、前記音声内容データ及び前記関係者の声色データに基づいて音声信号データを作成する音声信号作成手段と、前記音声信号データを再生して前記報知すべき内容を音声で報知する報知手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この構成では、報知すべき内容を関係者の声で報知することができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記音声内容データが、電子メールの内容に対応するテキストデータであり、前記関係者認識手段で認識された前記関係者が、前記電子メールの送信者であることを特徴とする。この構成では、電子メールの内容を送信者の声で読み上げることができる。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記音声内容データが、複数のメンバーのスケジュールのそれぞれに対応するテキストデータであり、前記関係者認識手段で認識された前記関係者が、前記スケジュールに対応するメンバーであることを特徴とする。この構成では、複数のメンバーのスケジュールからあるメンバーのスケジュールを、そのメンバーの声で読み上げることができる。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記報知すべき内容が記入される電子パネルを備え、前記音声内容データが、前記電子パネルに記入された内容に対応するテキストデータであり、前記関係者認識手段で認識された前記関係者が、前記電子パネルへの記入者であることを特徴とする。この構成では、他人に知らせたい内容がある場合、電子パネルを利用することによって、記入された内容を記入者の声で読み上げることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、報知すべき内容を関係者の声で報知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(実施形態1)
本発明の実施形態1について図1,2を用いて説明する。図1は、実施形態1のシステムの構成を示すブロック図である。図2は、実施形態1の音声案内装置の構成を示すブロック図である。
【0012】
まず、実施形態1の基本的な構成について説明する。実施形態1のシステムは、図1に示すように、音声案内装置(親機)1を中心として、インターホン機能、住宅設備の制御監視機能又は防犯若しくは防災などのセキュリティ機能を統合したものである。
【0013】
音声案内装置1は、接続部10〜17(図2参照)と、接点出力部18(図2参照)とを備えている。上記接続部10〜17及び接点出力部18を順に説明する。接続部10は、カメラ付きのドアホン子器20,20やカメラなしのドアホン子器21、付設している人感センサなどに連動して起動するセンサカメラ22,22、玄関ポーチなどに設けられる監視カメラ23などと信号線100を介して接続している。接続部11は、呼出用押釦装置24,24、火災センサ25、ガスセンサ26、防犯センサ(防犯スイッチ)27,27、非常用押釦装置28などのセキュリティセンサと接続している。接続部12は、日本電機工業会の規格(JEM−A)を満たす空調機器30や電気錠31と制御線120を介して接続している。接続部13は、警報報知用の増設ベル32、増設スピーカ33などと接続している。接続部14は、必要に応じて宅内に設けられる副親機34・・・,35・・・と伝送線140を介して接続している。なお、各副親機34には増設スピーカ341が接続されている。接続部15は、汎用通信系のRS485用である2線のバス150と接続している。接続部16は、10BASE−Tのケーブル160と接続している。接続部17は、一般の電話機36をインターホンのハンドセットとして使用可能とするドアホンアダプタ37と各ドアホン子器20,21との間の通話音声を通す通話線170と接続している。接点出力部18は、異常発生時などに通報出力を自動通報機38に送るためのものである。
【0014】
続いて、音声案内装置1の接続部15(図2参照)とバス150を介して接続している機器について説明する。上記機器として、ワイヤレスデータ出力受信機40、ワイヤレスデータ入力送信機41、照明マスタリモコン42、電気錠操作器43、計量情報盤44及びユニット45などがある。ワイヤレスデータ出力受信機40及びワイヤレスデータ入力送信機41は、セキュリティ機器の端末として小電力無線を利用するものである。ワイヤレスデータ出力受信機40は、窓の開閉を監視する防犯センサ400、門扉や塀からの侵入者の監視を行う防犯センサ401、家人が携行して非常時に操作する携帯用コール釦装置402、適所に配置されるコール釦装置403、及びシステム全体に設置される防犯・防災系のセンサ類の検知を有効とする警戒状態のセットとそのリセットの信号を無線電波で送信する警戒セット/リセット操作器404からの電波信号を受信し、受信された検知や操作の情報をバス150を通じて音声案内装置1に送信する。一方、ワイヤレスデータ入力送信機41は、警戒セット/リセット操作器404の操作に対するアンサーバック(確認)信号を、音声案内装置1による警戒セット/リセット設定機能の下で警戒セット/リセット操作器404に送信する。
【0015】
照明マスタリモコン42は、操作したい照明器具420の識別データ及び操作内容を示す制御情報を音声案内装置1から受信すると、無線電波によって制御情報を照明サテライトリモコン421に送信する。照明サテライトリモコン421は、照明マスタリモコン42からの制御情報を受信し、制御情報に含まれる識別データが予め登録されている識別データと一致したときに制御情報に対応する制御信号を赤外線によって照明器具420に送信するとともに、返信信号を無線電波によって照明マスタリモコン42に送信する。このとき、照明マスタリモコン42は、返信信号を受信すると、動作確認情報を所定形式の信号に変換して音声案内装置1に送信する。
【0016】
電気錠操作器43は、電波などを用いた非接触式のカードキー431に対応するもので、電気錠430の施錠/解錠の操作と開戸/閉戸の監視とを行う。また、計量情報盤44は、ガスメータ440、水道メータ441及び電力メータ442からの計量情報を受け取る。さらに、ユニット45は、バス150と電力線450との間に介在接続され、電力線搬送の信号によって監視/制御用の端末を内蔵した各種機器(例えば照明器具451、分電盤452、電気錠453、その他設備454など)を制御するために、バス150を通じて送受する信号と電力線搬送用信号との間のプロトコル変換を行う。
【0017】
次に、音声案内装置1の接点出力部18(図2参照)と接続している自動通報機38について説明する。自動通報機38は、接点出力部18の接点出力が入力されると、公衆回線56を介して、電話番号が予め登録されている電話機(一般電話機、携帯電話機のいずれでもよい)(図示せず)に対して、異常が発生したことを音声で自動通報する。また、自動通報機38は、ドアホン転送機能付きの電話機36を用いて各ドアホン子器20,21との間、又はドアトークターミナル380を介してワイヤレス子器381との間で通話を行う系を設けて、電話番号が予め登録されている電話機(図示せず)に来客の呼び出しを転送する機能を有する。
【0018】
続いて、音声案内装置1の接続部16(図2参照)とケーブル160を介して接続しているゲートウェイ50について説明する。ゲートウェイ50は、ファイヤーウォール機能、Webサーバ機能及びプロトコル変換機能を有する。Webサーバ機能は、宅内LAN及びインターネット関連機能の設定を音声案内装置1に搭載しているWebブラウザで行うためのWebページを音声案内装置1に提供する機能である。一方、ファイヤーウォール機能は、だれかがインターネット57を通じて不法に実施形態1のシステムに侵入するのを防止する機能である。上記ゲートウェイ50によって、実施形態1のシステムでは、宅内LANやインターネット57に接続することができる。また、ゲートウェイ50での宅内LAN及びインターネット57との間のデータの授受についての制御は、音声案内装置1からバス150を介して行われる。
【0019】
上記宅内LANには、パーソナルコンピュータ51や、カメラ機能を有するWebカメラ52,52がハブ53を通じて接続されている。また、宅内LANは、ルータ機能を有するADSLモデム54及びスプリッタ55を通じて公衆回線56からADSLによってインターネット57に接続されている。一方、インターネット57には、実施形態1のシステムに対するサービス提供者のセンターサーバ58が接続され、実施形態1のシステムは上記センターサーバ58を通じて各種サービスを受けることができる。ここで、各Webカメラ52は、画像及び音声のデータを宅内LANやインターネット57などのIPネットワークを通じて音声案内装置1やセンターサーバ58に伝送する。そして、音声案内装置1やセンターサーバ58では、各Webカメラ52から受け取った画像及び音声のデータをWebブラウザによってモニタ装置83などの画面に表示してユーザに提示する。なお、インターネット57への接続はCATV網やその他の通信網を通じて行うようにしてもよい。
【0020】
一方、音声案内装置1は、図2に示すように、接続部10〜17及び接点出力部18とともに、CPU部60と、RS485用のインターフェース部61と、10BASE−T用のインターフェース部62と、フラッシュROM63と、RAM64と、I/F回路65,65と、I/Oポート66,67とを備えている。CPU部60は、音声案内装置1の全体の信号処理・制御を担う。RS485用のインターフェース部61は、接続部15と内部バス68の間に設けられ、バス150(図1参照)に接続されている各種端末(図1参照)とCPU部60の間で制御・監視の情報の授受をRS485を用いて行っている。10BASE−T用のインターフェース部62は、ケーブル160(図1参照)に接続されているゲートウェイ50(図1参照)とCPU部60の間で情報の授受ができるように内部バス68と接続部16の間に設けられている。フラッシュROM63は、録画や録音、各種データを記憶する記憶手段である。RAM64は、ワークエリアやデータを一時格納するものである。I/F回路65は、接続部12に制御線120(図1参照)を通じて接続されている空調機器30や電気錠31(図1参照)に対して制御信号の送信又は動作モニタ信号の受信を行う。I/Oポート66は、内部バス68を通じてCPU部60から受け取った制御信号を各I/F回路65に送るとともに、各I/F回路65から受け取った動作モニタ信号を内部バス68を通じてCPU部60に送るためのものである。また、上記I/Oポート66は、CPU部60からの制御信号に基づいて接点出力部18をオンさせて接点出力を自動通報機38に送る。I/Oポート67は、接続部11に接続されている各種センサ及びスイッチ類(図1参照)とCPU部60の間で内部バス68を介して通信を行うためのものである。
【0021】
また、音声案内装置1は、ドアホン呼出検出回路70と、セレクタ回路71と、ビデオ復調回路72aと、ビデオコンバータ72bと、グラフィックス生成回路72cと、ビデオコンバータ72dと、ビデオ変調回路72eと、通話処理回路73と、制御コマンドI/F回路74と、結合部75と、音声処理回路76と、アンプ77と、マイク78とを備えている。ドアホン呼出検出回路70は、各接続部10を通じて各ドアホン子器20,21(図1参照)から送られてくる呼出信号を検出し、その検出信号をCPU部60に出力する。セレクタ回路71は、各接続部10を通じて各ドアホン子器20,21(図1参照)から周波数多重化によって送られてくる音声信号、映像信号、又はセンサカメラ22や監視カメラ23(図1参照)の映像信号をCPU部60の制御の下で選択する。
【0022】
ビデオ復調回路72aは、セレクタ回路71を通じて取り込まれたFM変調されている映像信号を復調する。ビデオコンバータ72bは、復調されたアナログの映像信号をデジタル画像データにコンバートする。グラフィックス生成回路72cは、ビデオコンバータ72bからの画像データの所定位置に付加して表示したり、単独で表示するためのグラフィックデータを生成し、ビデオコンバータ72bからの画像データと合成したり、ビデオコンバータ72bからの画像データの画質補正やエフェクト処理を行うなどして、液晶ディスプレイのモニタ装置83(図1参照)及び各副親機34のモニタ装置340(図1参照)で映し出すための画像データを生成する。ビデオコンバータ72dは、グラフィックス生成回路72cからの画像データをアナログの映像信号にコンバートする。ビデオ変調回路72eは、ビデオコンバータ72dの映像信号をFM変調して送出する。通話処理回路73は、セレクタ回路71を介して取り込んだ各ドアホン子器20,21(図1参照)からの音声信号を取り込んで、各副親機34,35(図1参照)に送出する処理及び各副親機34,35からの音声信号を取り込んで各ドアホン子器20,21に送出する処理をCPU部60の制御の下で行う。制御コマンドI/F回路74は、各副親機34,35から周波数多重化によって送出されるFSK信号によって構成された制御信号から操作情報である制御コマンドを抽出してCPU部60へ受け渡すとともに、CPU部60で生成された制御コマンド(制御情報)を各副親機34,35に制御信号として送出する。結合部75は、ビデオ変調回路72eからの映像信号と各ドアホン子器20,21の音声信号とを接続部14を通じて伝送線140(図1参照)に送出させ、また各副親機34からの音声信号を抽出するためのものである。音声処理回路76は、各ドアホン子器20,21との通話や各副親機34,35との通話が可能となるようにハンズフリーの通話制御を行う。
【0023】
さらに、音声案内装置1は、タッチパネル(電子パネル)80と、タッチパネルコントローラ81と、操作表示部82とを備えている。タッチパネル80は、各種操作を可能とするようにモニタ装置83(図1参照)の表示画面上に設けられ、ユーザによって、報知すべき内容が記入されるものである。上記タッチパネル80には、記入者を選択する選択ボタン(図示せず)が設けられている。タッチパネルコントローラ81は、操作座標情報の取り込みなどを行う。操作表示部82は、タッチパネル80以外に各種操作釦と表示素子とを備え、操作情報がCPU部60によって取り込まれる。
【0024】
このような音声案内装置1は、さらに、音声内容データ記憶部90と、音声合成部91と、報知部92とを備えている。上記音声案内装置1は、音声変換ソフトウェアであるテキスト音声合成ソフトウェアを用いて、HMM(Hidden Markov Model)音声合成方式で、報知すべき内容を音声で報知する。なお、音声案内装置1の音声合成方式は、HMM音声合成方式に限定されるものではなく、例えば波形接続方式など他の音声合成方式であってもよい。
【0025】
音声内容データ記憶部90は、音声で報知すべき内容に対応する音声内容データを記憶する。具体的には、音声内容データ記憶部90は、センターサーバ58(図1参照)からインターネット57や公衆回線56、ゲートウェイ50(図1参照)を介して電子メールを受信し、受信された電子メールの内容に対応するテキストデータ(電子メールデータ)を音声内容データとして記憶する。また、音声内容データ記憶部90は、タッチパネル80に記入されることによって作成される複数のメンバーのスケジュールのそれぞれに対応するテキストデータ(スケジュールデータ)を音声案内データとして記憶する。さらに、音声内容データ記憶部90は、上記スケジュールの他にも、タッチパネル80に記入された内容が文字認識によってテキスト化されたテキストデータ(電子パネルデータ)を音声内容データとして記憶する。
【0026】
音声合成部91は、言語データベース910と、解析部911と、コンテキスト依存HMM912と、音声信号作成部913とを備えている。
【0027】
言語データベース910は、例えば、報知すべき内容から、適した口調を判別する手段として、単語と口調の関係を辞書に予め登録している。例えば、予め「防犯:警告口調」、「異常:警告口調」というように単語と口調の関係を登録している。
【0028】
解析部911は、音声内容データ記憶部90からCPU部60を介してテキストデータを入力し、入力されたテキストデータによって関係者を認識する関係者認識手段である。解析部911で認識される関係者とは、電子メールの送信者、スケジュールに対応するメンバー、タッチパネル80への記入者などである。例えばタッチパネル80に記入された内容に対応するテキストデータを入力した場合、解析部911は、記入者の筆跡、タッチパネル80の選択ボタン(図示せず)、タッチパネル80に記入されたサイン(署名)などによって記入者を特定する。また、解析部911は、入力されたテキストデータに対して言語データベース910の情報を用いて言語解析を実行してテキスト合成データ(中間ファイル)を作成する。上記テキスト合成データは、読み、アクセント、品詞、ポーズなどの情報とともに口調の情報がテキスト化されている。
【0029】
コンテキスト依存HMM912は、それぞれが、予め決められた人の声色に対応する複数の声色データを記憶する声色データ記憶手段である。また、コンテキスト依存HMM912は、音声案内の口調に関する複数の口調データも記憶している。具体的には、コンテキスト依存HMM912は、例えば、「明るい」、「警告」、「優しい」などを表現する口調の特徴が圧縮されたパラメータ(HMMなど)である口調データを記憶している。各口調データは、アナウンサーが各方言に合わせて実際に発声して作成された音声データに基づいて作成されたものである。上記コンテキスト依存HMM912は、必要な声色データ及び口調データをCPU部60を介して音声信号作成部913に出力する。
【0030】
音声信号作成部913は、関係者の声色データ及び口調データをCPU部60を介してコンテキスト依存HMM912から入力し、解析部911からのテキスト合成データ及び関係者の声色データに基づいて音声信号データを作成する。
【0031】
一方、報知部92は、D/A変換部920と、アンプ921と、スピーカ922とを備えている。D/A変換部920は、音声信号作成部913で作成された音声信号データをアナログ音声信号に変換する。アンプ921は、上記アナログ音声信号を増幅する。スピーカ922は、増幅されたアナログ音声信号を再生して、報知すべき内容を音声で報知する。
【0032】
次に、実施形態1の音声案内装置1が電子メールの内容を報知する場合について図1,2を用いて説明する。まず、音声案内装置1が、図1に示すように、センターサーバ58からインターネット57やゲートウェイ50を介して電子メールを受信し、図2に示すように、上記電子メールの内容に対応するテキストデータを音声内容データ記憶部90に記憶させる。続いて、音声案内装置1の音声合成部91において、解析部911が上記テキストデータに対して言語データベース910の情報を用いて言語解析を実行してテキスト合成データを作成するとともに、電子メールの送信者を認識する。その後、音声信号作成部913が、解析部911からのテキスト合成データ及びコンテキスト依存HMM912からの声色データ及び口調データに基づいて音声信号データを作成する。最後に、報知部92が上記音声信号データを再生し、電子メールの内容を送信者の声で報知する。
【0033】
続いて、実施形態1の音声案内装置1がスケジュールの内容を報知する場合について図2を用いて説明する。例えば家族でスケジュールを作成しているとする。まず、家族のうちの一人(家人)がタッチパネル80によって自分のスケジュールを記入する。CPU部60が、タッチパネル80からのスケジュールの内容に対応するテキストデータを音声内容データ記憶部90に記憶させる。続いて、解析部911が、テキスト合成データを作成するとともに、スケジュールに対応する家人を認識する。その後、音声信号作成部913が音声信号データを作成する。最後に、報知部92が上記音声信号データを再生し、タッチパネル80への記入者である家人の声でスケジュールの内容を報知する。
【0034】
以上、実施形態1によれば、報知すべき内容を関係者の声で報知することができる。具体的には、電子メールの内容を送信者の声で読み上げる(報知する)ことができる。また、複数のメンバーのスケジュールからあるメンバーのスケジュールを、そのメンバーの声で読み上げる(報知する)ことができる。さらに、他人に知らせたい内容がある場合、タッチパネル80を利用することによって、記入された内容を記入者の声で読み上げる(報知する)ことができる。
【0035】
なお、実施形態1の変形例として、スケジュールの入力方法は、音声案内装置に備えられているタッチパネルから入力する方法に代えて、音声案内装置と接続する外部機器から入力する方法であってもよい。このような入力方法にしても、実施形態1と同様の効果を奏する。
【0036】
(実施形態2)
本発明の実施形態2について図3を用いて説明する。図3は、実施形態2のシステムの構成を示すブロック図である。
【0037】
実施形態2のシステムは、住宅設備を対象としたものであり、図3に示すように、インターホン室内機(音声案内装置)1aと、窓センサ29と、センターサーバ58aとを備え、インターホン室内機1a、窓センサ29及びセンターサーバ58a間の通信方式としてEMIT(Embedded Micro Internetworking Technology)技術を用いている。
【0038】
インターホン室内機1aは、報知部92と、テキスト音声合成ソフトウェア93と、EMIT通信ソフト94とを備えている。上記インターホン室内機1aは、複数の声色データ及び複数の口調データを記憶している。また、窓センサ29は、検知部290と、アプリケーション291と、EMIT通信ソフト292とを備えている。さらに、センターサーバ58aは、アプリケーション580と、EMIT通信ソフト581とを備えている。
【0039】
実施形態2のシステムにおいて、窓センサ29が新規に宅内に追加されると、センターサーバ58aは、EMIT技術を用いて、インターネット(宅外インターネット)57を介して上記窓センサ29のネットワーク293との接続をアプリケーション580によってEMIT通信ソフト581を介して自動的に検出する(コンフィギュレーションの自動検出)。これにより、窓センサ29は、インターホン室内機1a及びセンターサーバ58aとのPeer−to−peer通信を行う状態になる。
【0040】
次に、実施形態2の音声案内装置1aが電子メールの内容を報知する場合について図3を用いて説明する。まず、音声案内装置1aが、センターサーバ58aからインターネット57、EMIT通信ソフト94を介して電子メールを受信し、上記電子メールの内容に対応するテキストデータをアプリケーション291に記憶させる。続いて、インターホン室内機1aのテキスト音声合成ソフトウェア93が、EMIT通信ソフト94を介して受信された電子メール、声色データ及び口調データに基づいて音声信号データを作成する。最後に、報知部92が音声信号データを再生して、電子メールの内容を送信者の声で報知する。
【0041】
以上、実施形態2によれば、EMIT技術を用いて音声による報知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明による実施形態1のシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】同上の音声案内装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明による実施形態2のシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0043】
1 音声案内装置
50 ゲートウェイ
57 インターネット
58 センターサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声で報知すべき内容に対応する音声内容データを記憶する音声内容データ記憶手段と、
それぞれが、予め決められた人の声色に対応する複数の声色データを記憶する声色データ記憶手段と、
前記音声内容データ記憶手段から前記音声内容データを入力し、入力された音声内容データによって関係者を認識する関係者認識手段と、
前記関係者の声色データを前記声色データ記憶手段から入力し、前記音声内容データ及び前記関係者の声色データに基づいて音声信号データを作成する音声信号作成手段と、
前記音声信号データを再生して前記報知すべき内容を音声で報知する報知手段と
を備えることを特徴とする音声案内装置。
【請求項2】
前記音声内容データが、電子メールの内容に対応するテキストデータであり、
前記関係者認識手段で認識された前記関係者が、前記電子メールの送信者である
ことを特徴とする請求項1記載の音声案内装置。
【請求項3】
前記音声内容データが、複数のメンバーのスケジュールのそれぞれに対応するテキストデータであり、
前記関係者認識手段で認識された前記関係者が、前記スケジュールに対応するメンバーである
ことを特徴とする請求項1又は2記載の音声案内装置。
【請求項4】
前記報知すべき内容が記入される電子パネルを備え、
前記音声内容データが、前記電子パネルに記入された内容に対応するテキストデータであり、
前記関係者認識手段で認識された前記関係者が、前記電子パネルへの記入者である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の音声案内装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−171699(P2007−171699A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371110(P2005−371110)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】