説明

音声認識装置、音声認識方法、及びナビゲーション装置

【課題】音声認識装置の使い勝手を損なうことなく、利用者の不快感を低減する
【解決手段】入力した音声と、予め設定された語彙に対応した音声を示す複数の音声パターンとの類似度を算出し、類似度が最も高い音声パターンに対応する音声を、運転者が発した音声と認識し(S10)、認識した音声に対応する語彙に対応する認識結果を表示部15に表示する(S80)。その後に実行許可操作が運転者により行われると、認識結果に対応する処理を実行する(S120)。また、走行環境情報等を取得し(S20〜S40)、取得した情報に基づき、運転者に掛かる負荷レベルを算出する(S50)。そして、負荷レベルに対し負の相関を有するように設定された相関関係に基づき、表示判定値を設定し(S60)、認識した音声の類似度が表示判定値より小さいと、表示部15による認識結果の表示を禁止する(S70)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が発した音声を認識する音声認識装置、音声認識方法、及びナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者が発した音声を入力して、利用者の意図する語彙を認識する音声認識装置が広く知られている。このような音声認識装置を用いたユーザインターフェースは、利用者がハンズフリーで各種システムを操作することを可能にし、人間にとって利用し易いシステムとすることができる。
【0003】
音声認識装置は一般に、入力された音声信号から得られる特徴量の時系列と、予め登録された各語彙に対応する標準音声パターンとを比較することにより、両者の類似の度合いを示す類似度を算出し、類似度が最も高い標準音声パターンに対応する音声を、利用者が発した音声であると認識する。
【0004】
ところで、音声認識装置としては、発話を開始することを音声認識装置に知らせるための発話開始ボタンが利用者により操作されると、音声認識のための処理を開始するように設定されたものが知られている。この音声認識装置は、利用者が音声認識装置を利用しようとする毎に発話開始ボタンを操作する必要があるため、利用者に抵抗感を抱かせてしまうおそれがあった。また、この音声認識装置を用いたナビゲーション装置が搭載された車両内で、運転者が、自身が会話した内容に基づいて目的地設定を行う場合には、運転者は、目的地を示す語彙を再度発声する、或いはそれに相当する操作を行わなければならない。このため、煩わしいという思いを運転者に抱かせてしまうおそれがあった。
【0005】
このような問題を解決するために、利用者が発した音声を常時入力して音声認識を行い、その認識結果を表示し、その後に利用者が決定操作を行うと、認識結果に基づく処理を実行する音声認識装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0006】
このような音声認識装置は、常に音声認識を行うため、認識する必要のない発話に対しても認識結果が表示されて、利用者に不快感を与えてしまうという問題がある。従って、認識結果が誤りであるか否かを認識結果の表示前に判定し、誤りであると判定した場合には、当該認識結果を棄却して認識結果を表示しないようにする構成、いわゆるリジェクト機能を備えることが望ましい。
【0007】
このような認識結果の正誤判定は、上記の類似度が予め設定された正誤判定値以上であるか否かで行うことが多い。具体的には、類似度が正誤判定値以上である場合には認識結果が正しく、類似度が正誤判定値未満である場合には認識結果が誤っていると判定する。
【0008】
ここで、上記正誤判定値は必ずしも常に一定である必要はなく、周囲の状況に応じて変化させることで音声認識装置の使い勝手を向上できることが知られている。例えば、周囲に騒音がある状況下で音声認識を行いその認識結果の正誤を判定する場合に、認識結果が正しいと判定される割合を、周囲の騒音の大きさにかかわらず一定にするために、周囲の騒音の大きさに応じて正誤判定値を変化させる音声認識装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。具体的には、例えば図15に示すように、同じ音声を入力した場合であっても騒音が大きくなるほど類似度が小さくなるので(図中の複数の点SPを参照)、騒音が大きくなるほど正誤判定値を小さくする(図中の直線STを参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−14818号公報
【特許文献2】特開2001−34291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献2に記載の音声認識装置では、認識結果が表示される割合を周囲の騒音の大きさにかかわらず一定にすることができる。しかしながら、同じ騒音の大きさ或いは同じ表示割合であっても、利用者の状況によって利用者の不快感の度合いが変化する。
【0011】
例えば、音声認識装置が車両に搭載されており、この車両が停車している場合には、運転者は運転に注意を払う必要がないために、認識結果の表示に気付き易くなる。このため、認識する必要のない発話が認識結果として表示されていることに運転者が気付くことが多くなり、運転者の不快感が大きくなる。一方、雨天の市街地を走行している場合には、運転者は運転に集中する必要があるために、認識結果の表示に気付き難くなる。このため、認識する必要のない発話が認識結果として表示されていることに運転者が気付くことが少なく、運転者の不快感が小さくなる。
【0012】
したがって、上記特許文献2に記載の音声認識装置でも、認識する必要のない発話が認識結果として表示されることによって生じる利用者の不快感を必ずしも軽減できないという問題があった。
【0013】
なお、認識する必要のない発話が認識結果として表示される頻度を少なくするためには、正誤判定閾値を大きくすることが考えられる。しかし、このようにすると、認識結果が表示され難くなり、音声認識装置の使い勝手が損なわれてしまう。
【0014】
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、音声認識装置の使い勝手を損なうことなく、認識する必要のない発話が認識結果として表示されることによる利用者の不快感を低減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の音声認識装置では、まず音声入力手段が、利用者が発した音声を入力する。また音声パターン記憶手段が、予め設定された語彙に対応した音声を示す音声パターンを複数記憶する。そして音声認識手段が、音声入力手段に入力された音声と、音声パターン記憶手段に記憶された複数の音声パターンとの類似の度合いを示すパターン類似度を算出し、パターン類似度が最も高い音声パターンに対応する音声を、利用者が発した音声であると認識するとともに、表示手段が、音声認識手段が認識した音声に対応する認識結果を表示する。さらに実行判断手段が、表示手段が認識結果を表示した後に予め設定された第1外部操作が利用者により行われると、音声認識手段により認識された認識結果に基づく処理を実行する。また負荷量推定手段が、利用者に掛かる負荷の量である利用者負荷量を推定し、その後に表示制御手段が、負荷量推定手段により推定された利用者負荷量と、表示手段による認識結果の表示頻度との間で正の相関を有するように、表示手段を制御する。
【0016】
なお、「利用者負荷量と表示頻度との間で正の相関を有する」とは、利用者負荷量の増大に伴い連続的に表示頻度が増加することだけではなく、利用者負荷量の増大に伴い段階的に表示頻度が増加することも含む。
【0017】
このように構成された音声認識装置によれば、利用者に掛かる負荷の量が大きくなると、音声認識手段により認識された音声に対応する認識結果が表示される表示頻度が多くなるようにすることができる。すなわち、利用者の負荷が大きいとき(すなわち、利用者が、表示手段による表示を視認する頻度が少ないとき)には、認識結果が表示され易くなる。また、利用者の負荷が小さいとき(すなわち、利用者が、表示手段による表示を視認する頻度が多いとき)には、認識結果が表示され難くなる。
【0018】
つまり、利用者の負荷が大きいときには認識結果の表示が利用者の目に入り難いので、認識する必要のない発話が認識結果として表示される表示頻度が多くなっても、利用者に不快感を与え難くなる。さらに、認識結果の表示頻度が多くなるため、利用者が発した認識すべき発話が認識されずに表示されなくなる頻度が少ない。このため、利用者が発した音声を音声認識装置に認識させるために利用者が何度も発声を繰り返すという、利用者にとって不快な状況の発生を抑制することができる。
【0019】
一方、利用者の負荷が小さいときには認識結果の表示が利用者の目に入り易いが、認識する必要のない発話が認識結果として表示される表示頻度が少なくなることにより、利用者に不快感を与え難くなる。なお、認識結果の表示頻度が少なくなるため、利用者が発した認識すべき発話が認識されずに表示されなくなる頻度が多くなる。しかし、利用者の負荷が小さいため、利用者が発した音声を音声認識装置に認識させるために利用者が何度も発声を繰り返しても、利用者の抵抗感は比較的小さい。
【0020】
以上より、利用者による当該音声認識装置の使い勝手を損なうことなく、認識する必要のない発話が認識結果として表示されていることによる利用者の不快感を低減することができる。
【0021】
また請求項1に記載の音声認識装置において、利用者負荷量と認識結果の表示頻度との間で正の相関を有するように表示手段を制御するために、請求項2に記載のように、判定値設定手段が、負荷量推定手段により推定された利用者負荷量に対して負の相関を有するように予め設定された相関関係に基づいて、表示手段による認識結果の表示を許可するか否かを判定するための表示判定値を設定し、さらに表示禁止手段が、音声認識手段が認識した音声に対応するパターン類似度が、判定値設定手段により設定された表示判定値より小さい場合に、表示手段による認識結果の表示を禁止するようにしてもよい。
【0022】
また請求項2に記載の音声認識装置において、請求項3に記載のように、判定値調整手段が、予め設定された第2外部操作に基づいて、判定値設定手段が設定する表示判定値の大きさを調整するようにしてもよい。
【0023】
これにより、利用者が第2外部操作を行うことによって、利用者の希望に応じて認識結果の表示頻度を調整することができる。
また、請求項3に記載の音声認識装置において、請求項4に記載のように、表示頻度表示手段が、判定値調整手段により調整された表示判定値の大きさに基づいて決定される、表示頻度を示す情報を表示するようにしてもよい。
【0024】
これにより、利用者は、表示頻度表示手段により表示される、表示頻度を示す情報を確認しながら、第2外部操作を行うことによって認識結果の表示頻度を調整することができる。このため、利用者が希望する表示頻度と、実際の表示頻度との間に大きな差が生じるという状況の発生を抑制することができる。
【0025】
また、認識結果の表示の利用者の目への入り易さは、利用者が機器を操作している場合と、利用者が機器を操作していない場合とで異なると考えられる。
そこで請求項1〜請求項4の何れかに記載の音声認識装置において、請求項5に記載のように、負荷量推定手段は、利用者により操作可能な機器の利用状況に基づいて、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0026】
なお、「利用者により操作可能な機器の利用状況」として、現在、機器を操作しているか否かによって利用者負荷量を推定するようにしてもよい。しかし、現在、機器を操作していなくても、機器を操作してから暫くは、利用者は、操作した機器に意識を向けている場合があり、利用者負荷量が高くなっている状況が考えられる。
【0027】
そこで、請求項5に記載の音声認識装置に記載の音声認識装置において、請求項6に記載のように、利用状況は、利用者により操作可能な機器が操作された履歴を示す操作履歴情報に基づいて決定されるようにしてもよい。
【0028】
例えば、利用者が機器を操作してから予め設定された機器操作判定時間(例えば、10秒)が経過するまでは、利用者が機器を操作する前よりも、利用者負荷量が大きくなるように利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0029】
そして、利用者が通信機器を用いて通話している場合に、利用者は、通話する行為に意識を向けているので、通話をしていない場合と比較して、認識結果の表示が目に入り難くなる。
【0030】
そこで請求項5または請求項6に記載の音声認識装置において、請求項7に記載のように、負荷量推定手段は、利用者が通信機器を用いて通話している場合には、通話していない場合よりも利用者負荷量が大きくなるように、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0031】
また、表示手段の表示画面の周辺に設置された機器(以下、周辺機器ともいう)を利用者が利用している場合には、利用者は、表示画面の周辺に意識を向けているので、周辺機器を利用していない場合と比較して、認識結果の表示が目に入り易くなる。
【0032】
そこで請求項5または請求項6に記載の音声認識装置において、請求項8に記載のように、負荷量推定手段は、表示手段の表示画面の周辺に設置された機器である周辺機器を利用者が利用している場合には、周辺機器を利用していない場合よりも利用者負荷量が小さくなるように、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0033】
また、利用者が、車両を運転する運転者であり、例えば、「△時に○○で待ち合わせ」という行動予定で待ち合わせ場所に向かっている場合に、待ち合わせ場所へ予定時刻前に余裕で到着できそうなときと、待ち合わせ場所へ予定時刻までに到着できなさそうなときとでは、運転者の焦りの度合いが異なり、認識結果の表示の運転者の目への入り易さも異なると考えられる。
【0034】
そこで請求項1〜請求項4の何れかに記載の音声認識装置において、請求項9に記載のように、負荷量推定手段は、利用者の行動予定の時刻を示す予定時刻情報を取得する予定時刻情報取得手段を備え、予定時刻情報取得手段により取得された予定時刻情報に基づいて、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0035】
そして例えば、利用者の行動予定の時刻を示す予定時刻と現在時刻との差と、目的地となる場所の位置と現在位置との差と、運転者の移動速度とに基づいて、運転者が予定時刻までに目的地に到着できるか否かを判断し、目的地に到着できないと判断した場合に、利用者負荷量が大きくなるようにするとよい。
【0036】
また、利用者にかかる負荷が高い場合には、利用者に負荷がかかっていない場合と比較して、一般に利用者の心拍数が高くなると考えられる。このため、認識結果の表示の利用者の目への入り易さは、心拍数に応じて変化すると考えられる。また、利用者が眠気を有している場合と、眠気を有していない場合とでは、認識結果の表示の利用者の目への入り易さが異なると考えられる。すなわち、心拍数や眠気の度合いなどの生体情報に応じて、認識結果の表示の利用者の目への入り易さが異なると考えられる。
【0037】
そこで請求項1〜請求項4の何れかに記載の音声認識装置において、請求項10に記載のように、負荷量推定手段は、利用者の生体情報を取得する生体情報取得手段を備え、生体情報取得手段により取得された生体情報に基づいて、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0038】
また、利用者が、例えば車両を運転する運転者であり、利用者が移動中である場合に、その道路が、利用者が殆ど通行しない道路である場合には、利用者がよく通行する道路である場合よりも、高い負荷が利用者に掛かると考えられる。なぜならば、殆ど通行しない道路であれば、この先の道路がどのようになっているかよく覚えていないことが多く、運転者は通常よりも前方に注意して運転するからである。すなわち、現在通行している道路に慣れているか否かに応じて、認識結果の表示の運転者の目への入り易さが異なると考えられる。
【0039】
そこで請求項1〜請求項4の何れかに記載の音声認識装置において、請求項11に記載のように、負荷量推定手段は、利用者が通行した経路の履歴を示す経路履歴情報を記憶する経路履歴記憶手段を備え、経路履歴記憶手段により記憶された経路履歴情報に基づいて、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0040】
また、利用者が、例えば車両を運転する運転者であり、目的地周辺に到着した場合には、目的地を探すために周囲の状況を確認する必要がある。すなわち、目的地周辺であるか否かに応じて、認識結果の表示の運転者の目への入り易さが異なると考えられる。
【0041】
そこで請求項1〜請求項4の何れかに記載の音声認識装置において、請求項12に記載のように、負荷量推定手段は、利用者の現在位置を示す現在位置情報と、利用者の目的地の位置を示す目的地位置情報とを取得する位置取得手段を備え、位置取得手段により取得された現在位置情報が示す現在位置と、位置取得手段により取得された目的地位置情報が示す目的地位置との間の距離に基づいて、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0042】
また、利用者が周囲の人と会話をしており、その会話が盛り上がっている場合には、利用者は、その会話に意識を向けているので、会話が盛り上がっていない場合と比較して、認識結果の表示が目に入り難くなると考えられる。
【0043】
そこで請求項1〜請求項4の何れかに記載の音声認識装置において、請求項13に記載のように、負荷量推定手段は、利用者またはその周辺に存在する者の発話頻度を検出する発話頻度検出手段を備え、発話頻度検出手段により検出された前記発話頻度に基づいて、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0044】
また請求項14に記載の音声認識方法では、音声入力手順で、利用者が発した音声を入力し、音声認識手順で、音声入力手順より入力された音声と、予め設定された語彙に対応した音声を示す複数の音声パターンとの類似の度合いを示すパターン類似度を算出し、パターン類似度が最も高い音声パターンに対応する音声を、利用者が発した音声であると認識する。そして表示手順で、音声認識手順が認識した音声に対応する認識結果を表示するとともに、実行判断手順で、表示手順が認識結果を表示した後に予め設定された第1外部操作が利用者により行われると、音声認識手順により認識された認識結果に基づく処理を実行する。また負荷量推定手順で、利用者に掛かる負荷の量である利用者負荷量を推定し、その後に表示制御手順で、負荷量推定手順により推定された利用者負荷量と、表示手順による認識結果の表示頻度との間で正の相関を有するように、表示手順による認識結果の表示を制御する。
【0045】
この音声認識方法は、請求項1に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項1に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0046】
また請求項14に記載の音声認識方法では、請求項15に記載のように、判定値設定手順で、負荷量推定手順により推定された利用者負荷量に対して負の相関を有するように予め設定された相関関係に基づいて、表示手順による認識結果の表示を許可するか否かを判定するための表示判定値を設定し、さらに表示禁止手順で、音声認識手順が認識した音声に対応するパターン類似度が、判定値設定手順により設定された表示判定値より小さい場合に、表示手順による認識結果の表示を禁止するようにしてもよい。
【0047】
この音声認識方法は、請求項2に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項2に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0048】
また、請求項15に記載の音声認識装置に記載の音声認識方法では、請求項16に記載のように、判定値調整手順が、予め設定された第2外部操作に基づいて、判定値設定手順が設定する表示判定値の大きさを調整するようにしてもよい。
【0049】
この音声認識方法は、請求項3に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項3に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0050】
また、請求項16に記載の音声認識装置に記載の音声認識方法では、請求項17に記載のように、表示頻度表示手順が、判定値調整手順により調整された表示判定値の大きさに基づいて決定される、前記表示頻度を示す情報を表示するようにしてもよい。
【0051】
この音声認識方法は、請求項4に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項4に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、請求項14〜請求項17の何れかに記載の音声認識方法では、請求項18に記載のように、負荷量推定手順が、利用者により操作可能な機器の利用状況に基づいて、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0053】
この音声認識方法は、請求項5に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項5に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0054】
また、請求項18に記載の音声認識方法では、請求項19に記載のように、利用状況は、利用者により操作可能な機器が操作された履歴を示す操作履歴情報に基づいて決定されるようにしてもよい。
【0055】
この音声認識方法は、請求項6に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項6に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0056】
また請求項18または請求項19に記載の音声認識方法では、請求項20に記載のように、負荷量推定手順が、利用者が通信機器を用いて通話している場合には、通話していない場合よりも利用者負荷量が大きくなるように、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0057】
この音声認識方法は、請求項7に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項7に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0058】
また請求項18または請求項19に記載の音声認識方法では、請求項21に記載のように、負荷量推定手順は、認識結果が表示される表示画面の周辺に設置された機器である周辺機器を利用者が利用している場合には、周辺機器を利用していない場合よりも利用者負荷量が小さくなるように、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0059】
この音声認識方法は、請求項8に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項8に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0060】
また、請求項14〜請求項17の何れかに記載の音声認識方法では、請求項22に記載のように、負荷量推定手順が、利用者の行動予定の時刻を示す予定時刻情報を取得する予定時刻情報取得手順を備え、予定時刻情報取得手順により取得された予定時刻情報に基づいて、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0061】
この音声認識方法は、請求項9に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項9に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0062】
また、請求項14〜請求項17の何れかに記載の音声認識方法では、請求項23に記載のように、負荷量推定手順が、利用者の生体情報を取得する生体情報取得手順を備え、生体情報取得手順により取得された生体情報に基づいて、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0063】
この音声認識方法は、請求項10に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項10に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0064】
また、請求項14〜請求項17の何れかに記載の音声認識方法では、請求項24に記載のように、前記負荷量推定手順が、利用者が通行した経路の履歴を示す経路履歴情報を記憶する経路履歴記憶手順を備え、経路履歴記憶手順により記憶された経路履歴情報に基づいて、利用者負荷量を推定する。
【0065】
この音声認識方法は、請求項11に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項11に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0066】
また、請求項14〜請求項17の何れかに記載の音声認識方法では、請求項25に記載のように、負荷量推定手順が、利用者の現在位置を示す現在位置情報と、利用者の目的地の位置を示す目的地位置情報とを取得する位置取得手順を備え、位置取得手順により取得された現在位置情報が示す現在位置と、位置取得手順により取得された目的地位置情報が示す目的地位置との間の距離に基づいて、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0067】
この音声認識方法は、請求項12に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項12に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0068】
また、請求項14〜請求項17の何れかに記載の音声認識方法では、請求項26に記載のように、負荷量推定手順は、利用者またはその周辺に存在する者の発話頻度を検出する発話頻度検出手順を備え、発話頻度検出手順により検出された発話頻度に基づいて、利用者負荷量を推定するようにしてもよい。
【0069】
この音声認識方法は、請求項13に記載の音声認識装置にて実行される方法であり、当該方法を実行することで、請求項13に記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【0070】
また請求項27に記載のナビゲーション装置は、請求項1〜請求項7の何れかに記載の音声認識装置を備える。
このように構成されたナビゲーション装置によれば、請求項1〜請求項13の何れかに記載の音声認識装置と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】第1実施形態のナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の音声認識制御処理を示すフローチャートである。
【図3】第1実施形態の負荷レベル算出処理を示すフローチャートである。
【図4】負荷レベルと表示判定値THとの関係を示す図である。
【図5】表示部15の表示画面を示す図である。
【図6】第2実施形態のナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。
【図7】第2実施形態の音声認識制御処理を示すフローチャートである。
【図8】心拍数と負荷レベルとの関係、負荷レベルと表示判定値THとの関係を示す図である。
【図9】第3実施形態の表示頻度調整処理を示すフローチャートである。
【図10】第3実施形態の負荷レベル算出処理を示すフローチャートである。
【図11】調整指示値VLと基準閾値THbaseとの関係を示す図である。
【図12】第4実施形態のナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。
【図13】第4実施形態の音声認識制御処理を示すフローチャートである。
【図14】第4実施形態の負荷レベル算出処理を示すフローチャートである。
【図15】特許文献2が想定する騒音レベルと類似度との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
(第1実施形態)
以下に本発明の第1実施形態を図面とともに説明する。
図1は、本実施形態のナビゲーション装置10の構成、及びナビゲーション装置10が接続された車内LAN20の概略構成を示すブロック図である。
【0073】
ナビゲーション装置10は、車両に搭載され、図1に示すように、車内LAN20を介して、エンジンECU21、ステアリングECU22、及びメータECU23をはじめとする各種ECUや車載機器と接続されている。
【0074】
このうちエンジンECU21は、少なくとも、運転者のアクセルペダルの踏込量に応じたアクセル開度を検出するアクセル開度センサ21aからの検出信号に基づいて、エンジンの回転を制御するように構成されている。またステアリングECU22は、少なくとも、ドライバのステアリング操作時における前輪の操舵角を検出するステア角センサ22aからの検出信号に基づいて、操舵輪の舵角変更時のアシスト力を発生させるパワーステアリング制御を実行するように構成されている。またメータECU23は、少なくとも、車速センサ23aからの検出信号に基づいて、車速をメータ表示器(不図示)に表示させる制御を実行するように構成されている。
【0075】
そして、これらECU21〜23等にて検出される各種車両情報(アクセル開度、操舵角量、車速など)は、車内LAN20を介して相互に任意に送受信できるようにされている。
【0076】
またナビゲーション装置10は、車両の現在位置を検出する位置検出器11と、ユーザーからの各種指示を入力するための操作スイッチ群12と、操作スイッチ群12と同様に各種指示を入力可能であってナビゲーション装置10とは別体となったリモートコントロール端末(以下、「リモコン」という)13aと、リモコン13aからの信号を入力するリモコンセンサ13bと、地図データや各種の情報を記録した地図記憶媒体から地図データ等を入力する地図データ入力器14と、地図や各種情報の表示を行うための表示部15と、各種のガイド音声等を出力するための音声出力部16と、利用者が発話した音声に基づく電気信号を出力するマイクロフォン17と、車内LAN20を介して他の装置と各種車両情報等をやりとりする車内LAN通信部18と、上述した位置検出器11、操作スイッチ群12、リモコンセンサ13b、地図データ入力器14、マイクロフォン17、及び車内LAN通信部18からの入力に応じて各種処理を実行し、表示部15、音声出力部16、及び車内LAN通信部18を制御する制御部19とを備えている。
【0077】
このうち位置検出器11は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機11aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ11bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ11cと、地磁気から進行方位を検出するための地磁気センサ11dとを備えている。そして、これら各センサ等11a〜11dからの出力信号に基づいて制御部19が、車両の位置および方位等を算出する。
【0078】
なお、GPS受信機11aからの出力信号に基づいて現在位置を求める方式は様々な方式があるが、単独測位方式、相対測位方式(D−GPS方式,干渉測位方式)の何れであってもよい。特に干渉測位方式のうちのRTK−GPS(Real Time Kinematics Global Positioning System)方式を利用するようになっているとよい。
【0079】
操作スイッチ群12は、表示部15の表示面と一体に構成されたタッチパネル及び表示部15の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成される。尚、タッチパネルと表示部15とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式,電磁誘導方式,静電容量方式,あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0080】
地図データ入力器14は、図示しない地図記憶媒体に記憶された各種データを入力するための装置である。地図記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、道路データ、地形データ、マークデータ、交差点データ、一時停止地点データ、施設のデータ等)、対象用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。このようなデータを記憶する記憶媒体の種類としては、CD−ROMやDVD−ROMの他、ハードディスクやメモリカード等の記憶媒体を用いても良い。
【0081】
表示部15は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ,有機ELディスプレイ,CRTなどがあるが、その何れを用いてもよい。表示部15の表示画面には、地図データ入力器14より入力された地図データに基づく地図画像が表示され、この地図画像に重ねて位置検出器11にて検出した車両の現在位置を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データも表示される。
【0082】
音声出力部16は、地図データ入力器14より入力した施設のガイドや各種対象の音声を出力する。
マイクロフォン17は、利用者が音声を入力(発話)するとその入力した音声に基づく電気信号(音声信号)を制御部19に出力するものである。このマイクロフォン17を介して入力される音声コマンドによって、ナビゲーション装置10の操作が可能なように構成されている。
【0083】
車内LAN通信部18は、車内LAN20を介して車内LAN20に接続された様々な機器(エンジンECU21等)と通信を行う。
制御部19は、CPU,ROM,RAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROMに記憶されたプログラムに基づいて、地図表示機能、経路案内機能、及びスケジュール管理機能、携帯電話通話機能などを実行する。
【0084】
地図表示機能は、位置検出器11からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器14から読み込んだ現在位置付近の地図等を表示部15に表示する機能である。
【0085】
経路案内機能は、地図データ入力器14から読み込んだ地点データに基づき、操作スイッチ群12の操作や、マイクロフォン17を介した音声入力に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に求める経路計算(例えば、ダイクストラ法)を行って経路案内を行う機能である。
【0086】
スケジュール管理機能は、操作スイッチ群12の操作や、マイクロフォン17を介した音声入力に従って、目的地となる施設に到着する到着希望時刻を設定し、その後に、現在時刻が到着希望時刻に近付くと運転者にその旨を報知する機能である。
【0087】
携帯電話通話機能は、マイクロフォン17を介した音声入力と音声出力部16を介した音声出力とにより、ナビゲーション装置10に接続された携帯電話機PHを運転者が手で保持することなく通話すること、いわゆるハンズフリー通話を可能とする機能である。
【0088】
このように構成されたナビゲーション装置10において、制御部19は、音声認識の認識結果に基づいてナビゲーション装置10を制御する音声認識制御処理を実行する。
また、制御部19を構成するROMには、マイクロフォン17を介した入力した音声を音声認識する際に使用される標準音声パターンを格納する音声認識辞書19aが記憶されている。この標準音声パターンは、ナビゲーション装置10が実行可能な機能のうち、運転者がその機能の実行を所望するときに発声すると予想される語彙に対応した音声を示す音声パターンであり、発声される語彙毎に用意されている。
【0089】
次に、ナビゲーション装置10の制御部19が実行する音声認識制御処理の手順を、図2を用いて説明する。図2は音声認識制御処理を示すフローチャートである。この音声認識制御処理は、制御部19が起動(電源オン)している間に繰り返し実行される処理である。
【0090】
この音声認識制御処理が実行されると、制御部19は、まずS10にて、音声認識を行う。具体的には、まず、マイクロフォン17に入力した音声を分析して、音声認識辞書19aに格納された標準音声パターンと照合することにより、入力した音声と標準音声パターンとの類似度を算出する。そして、類似度が最も高い標準音声パターンに対応する語彙を、利用者が発した語彙であると特定する。
【0091】
そしてS20にて、車両の走行環境を示す走行環境情報を取得する。本実施形態では、メータECU23から車速の情報を取得する。
またS30にて、ナビゲーション装置10の周辺に設置された機器が操作されているか否かを示す周辺機器情報を取得する。本実施形態では、携帯電話機PHにより運転者が通話中であるか否かを示す運転者通話情報と、操作スイッチ群12またはリモコン13aが操作されているか否かを示すスイッチ操作情報を取得する。
【0092】
さらにS40にて、運転者の行動予定を示すスケジュール情報を取得する。本実施形態では、スケジュール管理機能において設定された到着希望時刻を示す到着希望時刻情報を取得する。
【0093】
そしてS50にて、S20〜S40で取得した情報に基づいて、運転者に掛かる負荷の大きさを示す負荷レベルを算出する負荷レベル算出処理を実行する。なお、この負荷レベルは、第1負荷レベルLV1、第2負荷レベルLV2、第3負荷レベルLV3、及び第4負荷レベルLV4の4段階設けられている。そして、第1負荷レベルLV1、第2負荷レベルLV2、第3負荷レベルLV3、第4負荷レベルLV4の順に負荷が大きくなるように設定されている。
【0094】
ここで、負荷レベル算出処理の手順を、図3を用いて説明する。図3は負荷レベル算出処理を示すフローチャートである。
この負荷レベル算出処理が実行されると、制御部19は、まずS210にて、S20で取得した情報が示す車速Vが予め設定されたレベル判定値JL(本実施形態では、80km/hに相当する値)以上であるか否かを判断する。ここで、車速Vがレベル判定値JL以上である場合には(S210:YES)、S220にて、負荷レベルを第4負荷レベルLV4に設定し、S240に移行する。一方、車速Vがレベル判定値JL未満である場合には(S210:NO)、S230にて、負荷レベルを第1負荷レベルLV1に設定し、S240に移行する。
【0095】
そしてS240に移行すると、S30で取得した運転者通話情報に基づいて、通話中であるか否かを判断する。ここで、通話中である場合には(S240:YES)、S250にて、負荷レベルを1段階上昇させ、S260に移行する。但し、負荷レベルが第4負荷レベルLV4に設定されている場合には第4負荷レベルLV4とする。したがって、例えば、第4負荷レベルLV4に設定されている場合には第4負荷レベルLV4のままであり、第1負荷レベルLV1に設定されている場合には第2負荷レベルLV2に設定される。一方、運転者が通話中でない場合には(S240:NO)、S260に移行する。
【0096】
またS260に移行すると、S30で取得したスイッチ操作情報に基づいて、操作スイッチ群12またはリモコン13aが操作されているか否かを判断する。ここで、操作スイッチ群12またはリモコン13aが操作されている場合には(S260:YES)、S270にて、負荷レベルを1段階下降させ、S280に移行する。但し、負荷レベルが第1負荷レベルLV1に設定されている場合には第1負荷レベルLV1とする。したがって、例えば、第4負荷レベルLV4に設定されている場合には第3負荷レベルLV3に設定され、第1負荷レベルLV1に設定されている場合には第1負荷レベルLV1のままである。一方、操作スイッチ群12またはリモコン13aが操作されていない場合には(S260:NO)、S280に移行する。
【0097】
そしてS280に移行すると、S40で取得した到着希望時刻情報に基づいて、現在時刻が到着希望時刻よりも遅い時刻であるか否かを判断する。ここで、現在時刻が到着希望時刻よりも遅い時刻である場合には(S280:YES)、S290にて、負荷レベルを1段階上昇させ、負荷レベル算出処理を終了する。但し、負荷レベルが第4負荷レベルLV4に設定されている場合には第4負荷レベルLV4とする。一方、現在時刻が到着希望時刻よりも早い時刻である場合には(S280:NO)、負荷レベルを変更せずに負荷レベル算出処理を終了する。
【0098】
そして負荷レベル算出処理が終了すると、図2に示すように、S60にて、S10で特定した語彙に対応する認識結果を表示部15に表示するか否かを判定するための表示判定値THを、S50で算出した負荷レベルに基づいて設定する。すなわち、図4に示すように、S50で算出した負荷レベルが第1負荷レベルLV1、第2負荷レベルLV2、第3負荷レベルLV3、及び第4負荷レベルLV4である場合にそれぞれ、第1表示判定値TH1、第2表示判定値TH2、第3表示判定値TH3、第4表示判定値TH4に表示判定値THを設定する。なお、第1表示判定値TH1、第2表示判定値TH2、第3表示判定値TH3、第4表示判定値TH4の大小関係は、TH1>TH2>TH3>TH4となるように設定されている。
【0099】
その後S70にて、S10で算出された最高の類似度が、S60で設定された表示判定値TH以上であるか否かを判断する。ここで、最高の類似度が表示判定値TH未満である場合には(S70:NO)、音声認識制御処理を一旦終了する。
【0100】
一方、最高の類似度が表示判定値TH以上である場合には(S70:YES)、S80にて、S10で特定した語彙に対応する認識結果を表示部15に表示させる。例えば、表示部15に車両周辺の地図が表示されている状態で(図5の表示画面SC1を参照)、「コンビニを表示」という語彙を利用者が発すると(図5の指示I1を参照)、「コンビニ表示」という文字が表示される(図5の表示画面SC2と指示I2を参照)。
【0101】
その後S90にて、S80で表示された認識結果に対応する処理の実行を許可するための操作(以下、実行許可操作という)が操作スイッチ群12を介して行われたか否かを判断する。ここで、実行許可操作が行われていない場合には(S90:NO)、S100にて、S80の処理が行われてから予め設定された操作待機時間(本実施形態では、例えば5秒)が経過したか否かを判断する。ここで、操作待機時間が経過していない場合には(S100:NO)、S90に移行し、上述の処理を繰り返す。一方、操作待機時間が経過した場合には(S100:YES)、S110にて、S80で実施した表示を終了させ、音声認識制御処理を一旦終了する。
【0102】
またS90にて、実行許可操作が行われた場合には(S90:YES)、S120にて、S80で表示した認識結果に対応する処理、すなわちS10での音声認識結果に基づく処理を実行し、音声認識制御処理を一旦終了する。
【0103】
例えば、表示部15に「コンビニ表示」という文字が表示されている状態で(図5の表示画面SC2を参照)、表示されてから操作待機時間が経過する前に実行許可操作が行われると(図5の指示I3を参照)、車両周辺のコンビニエンスストアの位置を表示し(図5の表示画面SC3を参照)、操作待機時間が経過する前に実行許可操作が行われないと(図5の指示I4を参照)、「コンビニ表示」という文字が消去される(図5の表示画面SC4を参照)。
【0104】
このように構成されたナビゲーション装置10では、まずマイクロフォン17により、運転者が発した音声を入力する。また音声認識辞書19aが、予め設定された語彙に対応した音声を示す標準音声パターンを複数記憶する。そして、マイクロフォン17に入力された音声と、音声認識辞書19aに記憶された複数の標準音声パターンとの類似度を算出し、類似度が最も高い標準音声パターンに対応する音声を、運転者が発した音声であると認識する(S10)とともに、S10で認識した音声に対応する語彙に対応する認識結果を表示部15に表示する(S80)。さらに、表示部15が認識結果を表示した後に実行許可操作が運転者により行われると(S90)、S10で認識した認識結果に対応する処理を実行する(S120)。
【0105】
また、走行環境情報(車速情報)、周辺機器情報(運転者通話情報およびスイッチ操作情報)、及びスケジュール情報(到着希望時刻情報)を取得して(S20,S30,S40)、取得した走行環境情報、周辺機器情報、及びスケジュール情報に基づいて、運転者に掛かる負荷の大きさを示す負荷レベルを算出する(S50,S210〜S290)。
【0106】
特に、携帯電話機PHにより運転者が通話中である場合には、通話していない場合よりも負荷レベルが大きくなるように負荷レベルを算出する(S240,S250)。また、操作スイッチ群12またはリモコン13aが操作されている場合には、操作されていない場合よりも負荷レベルが小さくなるように負荷レベルを算出する(S260,S270)。
【0107】
そして、S50で算出された負荷レベルに対して負の相関を有するように予め設定された相関関係に基づいて、表示判定値THを設定し(S60)、さらに、S10で認識した音声に対応する類似度が表示判定値THより小さい場合に、表示部15による認識結果の表示を禁止する(S70)。これにより、負荷レベルと、表示部15による認識結果の表示頻度との間で正の相関を有するように、表示部15を制御する。
【0108】
このように構成されたナビゲーション装置10によれば、運転者に掛かる負荷の量が大きくなると、認識結果が表示される表示頻度が多くなるようにすることができる。すなわち、運転者の負荷が大きいとき(すなわち、運転者が、表示部15による表示を視認する頻度が少ないとき)には、認識結果が表示され易くなる。また、運転者の負荷が小さいとき(すなわち、運転者が、表示部15による表示を視認する頻度が多いとき)には、認識結果が表示され難くなる。
【0109】
つまり、運転者の負荷が大きいときには認識結果の表示が運転者の目に入り難いので、認識する必要のない発話に対する認識結果が表示される表示頻度が多くなっても、運転者に不快感を与え難くなる。さらに、認識結果の表示頻度が多くなるため、運転者が発した音声が認識されずに表示されなくなる頻度が少ない。このため、運転者が発した音声をナビゲーション装置10に認識させるために運転者が何度も発声を繰り返すという、運転者にとって不快な状況の発生を抑制することができる。
【0110】
一方、運転者の負荷が小さいときには認識結果の表示が運転者の目に入り易いので、認識する必要のない発話に対する認識結果が表示される表示頻度が少なくなることにより、運転者に不快感を与え難くなる。なお、認識結果の表示頻度が少なくなるため、運転者が発した認識すべき発話が認識されずに表示されなくなる頻度が多くなるが、運転者の負荷が小さいため、運転者が発した音声をナビゲーション装置10に認識させるために運転者が何度も発声を繰り返しても、運転者の抵抗感は比較的小さい。
【0111】
以上より、運転者によるナビゲーション装置10の使い勝手を損なうことなく、認識する必要のない発話が認識結果として表示されていることによる運転者の不快感を低減することができる。
【0112】
以上説明した実施形態において、ナビゲーション装置10は本発明における音声認識装置、マイクロフォン17は本発明における音声入力手段および音声入力手順、音声認識辞書19aは本発明における音声パターン記憶手段、S10の処理は本発明における音声認識手段および音声認識手順、S80の処理は本発明における表示手段および表示手順、S90の処理は本発明における実行判断手段および実行判断手順、S50の処理は本発明における負荷量推定手段および負荷量推定手順、S60及びS70の処理は本発明における表示制御手段および表示制御手順、S60の処理は本発明における判定値設定手段および判定値設定手順、S70の処理は本発明における表示禁止手段および表示禁止手順、S40の処理は本発明における予定時刻情報取得手段および予定時刻情報取得手順である。
【0113】
また、標準音声パターンは本発明における音声パターン、類似度は本発明におけるパターン類似度、実行許可操作は本発明における第1外部操作、負荷レベルは本発明における利用者負荷量、到着希望時刻情報は本発明における予定時刻情報である。
【0114】
(第2実施形態)
以下に本発明の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0115】
第2実施形態のナビゲーション装置10は、ナビゲーション装置10の構成と音声認識制御処理が変更された点以外は第1実施形態と同じである。
図6は、第2実施形態のナビゲーション装置10の構成、及びナビゲーション装置10が接続された車内LAN20の概略構成を示すブロック図である。
【0116】
第2実施形態のナビゲーション装置10は、図6に示すように、運転者の心拍数を測定する心拍数測定装置31が追加された点以外は第1実施形態と同じである。
心拍数測定装置31は例えば、ステアリングホイール(不図示)のリング部に左右一対の電極部を備え、運転者がこれら各電極部を左右の手で把持した際に各電極間に生じる電位差を検出することで、運転者の心電波形を測定し、その心電波形から心拍数を測定するように構成されている。そして心拍数測定装置31は、測定した心拍数を示す心拍数情報をナビゲーション装置10の制御部19に送信する。
【0117】
次に、第2実施形態の音声認識制御処理の手順を図7を用いて説明する。図7は第2実施形態の音声認識制御処理を示すフローチャートである。
第2実施形態の音声認識制御処理は、S20〜S60の処理が省略されるとともに、S25,S55,S65の処理が追加された点以外は第1実施形態と同じである。
【0118】
すなわち、S10の処理が終了すると、S25にて、運転者の生体情報を取得する。本実施形態では、心拍数測定装置31から心拍数情報を取得する。
そしてS55にて、S25で取得した心拍数情報に基づいて、運転者に掛かる負荷の大きさを示す負荷レベルを算出する。例えば、心拍数と負荷レベルとの対応関係を示すレベル算出テーブルを用いて負荷レベルを算出する。本実施形態では、図8(a)に示すように、心拍数がHR1未満の時には負荷レベルがL1であり、心拍数がHR1より大きいHR2以上の時には負荷レベルがL1より大きいL2であり、心拍数がHR1以上HR2未満である場合には、負荷レベルが式(1)で算出される値になるように設定されたレベル算出テーブルを用いて算出する。なお、式(1)において負荷レベルをY、心拍数をXと表記する。
【0119】
Y ={(L2−L1)×(X−HR1)/(HR2−HR1)}+L1 …(1)
すなわち、心拍数が大きくなると負荷レベルが大きくなるように設定されている。
その後S65にて、表示判定値THを、S55で算出した負荷レベルに基づいて設定する。例えば、負荷レベルと表示判定値THとの対応関係を示す判定値算出テーブルを用いて表示判定値THを算出する。本実施形態では、図8(b)に示すように、表示判定値THが式(2)で算出される値になるように設定された判定値算出テーブルを用いて算出する。なお、式(2)において表示判定値THをY、負荷レベルをXと表記する。
【0120】
Y ={(R1−R2)×(X−L1)/(L2−L1)}+R2 …(2)
すなわち、負荷レベルが大きくなると表示判定値THが小さくなるように設定されている。
【0121】
そしてS65の処理が終了すると、S70に移行する。
このように構成されたナビゲーション装置10では、マイクロフォン17に入力された音声と、音声認識辞書19aに記憶された複数の標準音声パターンとの類似度を算出し、類似度が最も高い標準音声パターンに対応する音声を、運転者が発した音声であると認識する(S10)とともに、S10で認識した音声に対応する語彙に対応する認識結果を表示部15に表示する(S80)。さらに、表示部15が認識結果を表示した後に実行許可操作が運転者により行われると(S90)、S10で認識した認識結果に基づく処理を実行する(S120)。
【0122】
また、生体情報(心拍数情報)を取得して(S25)、取得した生体情報に基づいて、運転者に掛かる負荷の大きさを示す負荷レベルを算出する(S55)。
そして、S55で算出された負荷レベルに対して負の相関を有するように予め設定された相関関係に基づいて、表示判定値THを設定し(S65)、さらに、S10で認識した音声に対応する類似度が表示判定値THより小さい場合に、表示部15による認識結果の表示を禁止する(S70)。これにより、負荷レベルと、表示部15による認識結果の表示頻度との間で正の相関を有するように、表示部15を制御する。
【0123】
このように構成されたナビゲーション装置10によれば、第1実施形態と同様に、運転者によるナビゲーション装置10の使い勝手を損なうことなく、認識する必要のない発話に対応する認識結果が表示されていることによる運転者の不快感を低減することができる。
【0124】
以上説明した実施形態において、S55の処理は本発明における負荷量推定手段および負荷量推定手順、S65及びS70の処理は本発明における表示制御手段および表示制御手順、S65の処理は本発明における判定値設定手段および判定値設定手順、S25の処理は本発明における生体情報取得手段および生体情報取得手順である。
【0125】
(第3実施形態)
以下に本発明の第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0126】
第3実施形態のナビゲーション装置10は、認識結果の表示頻度を調整する表示頻度調整処理が追加された点と音声認識制御処理および負荷レベル算出処理が変更された点以外は第1実施形態と同じである。
【0127】
まず、表示頻度調整処理の手順を図9を用いて説明する。図9は表示頻度調整処理を示すフローチャートである。この表示頻度調整処理は、制御部19が起動(電源オン)している間に繰り返し実行される処理である。
【0128】
この表示頻度調整処理が実行されると、制御部19は、まずS410にて、表示頻度を調整するための操作(以下、表示頻度調整操作という)が操作スイッチ群12またはリモコン13aを介して行われたか否かを判断する。この表示頻度調整操作では、まず、操作スイッチ群12またはリモコン13aを操作することにより、表示頻度を調整するための画面(以下、表示頻度調整画面という)が表示部15に表示される。この表示頻度調整画面には、表示頻度を下げることを示すアイコン(以下、減少指示アイコンという)と、表示頻度を上げることを示すアイコン(以下、増加指示アイコンという)とが表示されている。そして、操作スイッチ群12またはリモコン13aを操作することにより、減少指示アイコンまたは増加指示アイコンを選択する。
【0129】
そしてS410にて、表示頻度調整操作が行われていない場合には(S410:NO)、S450に移行する。一方、表示頻度調整操作が行われた場合には(S410:YES)、S420にて、基準閾値THbaseを設定する。
【0130】
具体的には、減少指示アイコン及び増加指示アイコンを選択することにより、調整指示値VLを設定する。すなわち、減少指示アイコンが1回操作されると調整指示値VLが調整変動値ΔVLだけ減少し、増加指示アイコンが1回操作されると調整指示値VLが調整変動値ΔVLだけ増加し、減少指示アイコン及び増加指示アイコンを選択した回数に応じて、調整指示値VLを変動させることができる。
【0131】
そして、例えば図11に示すように、調整指示値VLと基準閾値THbaseとの間で負の相関を有するように予め設定された相関関係「THbase=F(VL)」に基づいて、基準閾値THbaseを設定する。
【0132】
次にS430にて、S420で設定された基準閾値THbaseを用いて、第1,2,3,4表示判定値TH1,2,3,4を設定する。具体的には、第1,2,3,4表示判定値TH1,2,3,4は、基準閾値THbaseと、第1,2,3,4表示判定初期値IN1,2,3,4とを用いて、式(3)〜(6)により設定される。なお、第1,2,3,4表示判定初期値IN1,2,3,4の大小関係は、IN1>IN2>IN3>IN4となるように設定されている。
【0133】
TH1 = IN1 + THbase ・・・(3)
TH2 = IN2 + THbase ・・・(4)
TH3 = IN3 + THbase ・・・(5)
TH4 = IN4 + THbase ・・・(6)
その後S440にて、表示頻度の調整結果を示す情報を表示部15に表示させ、S450に移行する。例えば、現在の調整指示値VLと調整指示値VLの最大値との比率(以下、調整指示値比率ともいう)を、数字で表示するかバー表示する。なお、調整指示値VLは第1,2,3,4表示判定値TH1,2,3,4と負の相関を有している。すなわち、調整指示値VLは認識結果の表示頻度と正の相関を有している。
【0134】
そしてS450に移行すると、表示頻度調整操作が行われていない状態が予め設定された表示終了判定時間(例えば、10秒)継続したか否かを判断する。ここで、表示頻度調整操作が行われていない状態が表示終了判定時間継続していない場合には(S450:NO)、表示頻度調整処理を一旦終了する。一方、表示頻度調整操作が行われていない状態が表示終了判定時間継続した場合には(S450:YES)、S460にて、S440で行われた、表示頻度の調整結果を示す情報の表示を終了し、表示頻度調整処理を一旦終了する。
【0135】
次に、第3実施形態の音声認識制御処理の手順を説明する。
第3実施形態の音声認識制御処理は、S20の処理が変更された点以外は第1実施形態と同じである。
【0136】
すなわち、S20の処理で、車両の走行環境を示す走行環境情報として、メータECU23から車速の情報を取得するとともに、車両の現在位置周辺の道路の道幅の情報を地図データ入力器14から取得する。
【0137】
次に、第3実施形態の負荷レベル算出処理の手順を図10を用いて説明する。図10は第3実施形態の負荷レベル算出処理を示すフローチャートである。
第3実施形態の負荷レベル算出処理が実行されると、制御部19は、まずS510にて、S20で取得した情報が示す車速Vが0であるか否かを判断する。ここで、車速Vが0である場合には(S510:YES)、S520にて、負荷レベルを第1負荷レベルLV1に設定し、S560に移行する。一方、車速Vが0でない場合には(S510:NO)、S530にて、S20で取得した情報が示す車速Vが予め設定された車速レベル判定値JL(本実施形態では、80km/hに相当する値)以下であるか否かを判断する。
【0138】
ここで、車速Vがレベル判定値JL以下である場合には(S530:YES)、S540にて、負荷レベルを第2負荷レベルLV2に設定し、S560に移行する。一方、車速Vが車速レベル判定値JLを超えている場合には(S530:NO)、S550にて、負荷レベルを第3負荷レベルLV3に設定し、S560に移行する。
【0139】
そしてS560に移行すると、S20で取得した情報が示す、車両の現在位置周辺の道路の道幅Wが予め設定された道幅レベル判定値Wth(本実施形態では、例えば3mに相当する値)未満であるか否かを判断する。ここで、道幅Wが道幅レベル判定値Wth未満である場合には(S560:YES)、負荷レベルを1段階上昇させ、S580に移行する。但し、負荷レベルが第4負荷レベルLV4に設定されている場合には第4負荷レベルLV4とする。一方、道幅Wが道幅レベル判定値Wthを超えている場合には(S560:NO)、S580に移行する。
【0140】
そしてS580に移行すると、S30で取得したスイッチ操作情報に基づいて、操作スイッチ群12またはリモコン13aが操作されていない状態(以下、スイッチ非操作状態という)が予め設定された非操作継続判定時間(例えば、10秒)以上継続しているか否かを判断する。ここで、スイッチ非操作状態が非操作継続判定時間以上継続している場合には(S580:YES)、負荷レベル算出処理を一旦終了する。一方、スイッチ非操作状態が非操作継続判定時間以上継続していない場合には(S580:NO)、S590にて、負荷レベルを1段階下降させ、負荷レベル算出処理を一旦終了する。但し、負荷レベルが第1負荷レベルLV1に設定されている場合には第1負荷レベルLV1とする。
【0141】
このように構成されたナビゲーション装置10では、操作スイッチ群12またはリモコン13aが操作されてから非操作継続判定時間が経過しているか否かに基づいて、負荷レベルを算出する(S50,S580,S590)。そして、算出された負荷レベルに対して負の相関を有するように予め設定された相関関係に基づいて、表示判定値THを設定し(S60)、さらに、S10で認識した音声に対応する類似度が表示判定値THより小さい場合に、表示部15による認識結果の表示を禁止する(S70)。これにより、負荷レベルと、表示部15による認識結果の表示頻度との間で正の相関を有するように、表示部15を制御する。
【0142】
このように構成されたナビゲーション装置10によれば、操作スイッチ群12またはリモコン13aが操作された場合において、第1実施形態と同様に、運転者によるナビゲーション装置10の使い勝手を損なうことなく、認識する必要のない発話に対応する認識結果が表示されていることによる運転者の不快感を低減することができる。
【0143】
また、操作スイッチ群12またはリモコン13aが操作されることにより、表示部15に表示される減少指示アイコンまたは増加指示アイコンが選択されることにより、基準閾値THbaseを設定し、第1,2,3,4表示判定値TH1,2,3,4を調整する(S410〜S430)。これにより、利用者が操作スイッチ群12またはリモコン13aを操作することで、利用者の希望に応じて認識結果の表示頻度を調整することができる。
【0144】
また、現在の調整指示値VLと調整指示値VLの最大値との比率(調整指示値比率)が表示される(S440)。これにより、利用者は、表示される調整指示値比率を確認しながら、操作スイッチ群12またはリモコン13aを操作することによって認識結果の表示頻度を調整することができる。なお、調整指示値比率と認識結果の表示頻度とは正の相関を有している。このため、利用者が希望する表示頻度と、実際の表示頻度との間に大きな差が生じるという状況の発生を抑制することができる。
【0145】
以上説明した実施形態において、S410〜S430の処理は本発明における判定値調整手段および判定値調整手順、S440の処理は本発明における表示頻度表示手段および表示頻度表示手順、減少指示アイコンまたは増加指示アイコンを選択する操作は本発明における第2外部操作、調整指示値比率は本発明における表示頻度を示す情報である。
【0146】
(第4実施形態)
以下に本発明の第4実施形態を説明する。なお、第4実施形態では、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
【0147】
第4実施形態のナビゲーション装置10は、ナビゲーション装置10の構成と音声認識制御処理および負荷レベル算出処理が変更された点以外は第1実施形態と同じである。
図12は、第4実施形態のナビゲーション装置10の構成、及びナビゲーション装置10が接続された車内LAN20の概略構成を示すブロック図である。
【0148】
第4実施形態のナビゲーション装置10は、図12に示すように、車両内の各座席の座部に装着され乗員が座ったことを検知する着座センサ41と、各種データを記憶可能なデータ記憶装置42が追加された点以外は第1実施形態と同じである。
【0149】
データ記憶装置42は、過去(例えば、3か月分)の当該車両の走行履歴を記憶する。なおデータ記憶装置42は、記憶する走行履歴のデータ量が多いため、ハードディスクなどの磁気記憶装置が用いられている。
【0150】
次に、第4実施形態の音声認識制御処理の手順を図13を用いて説明する。図13は第4実施形態の音声認識制御処理を示すフローチャートである。
第4実施形態の音声認識制御処理は、S30,S40の処理が省略されるとともに、S32,S34,S36の処理が追加された点以外は第1実施形態と同じである。
【0151】
すなわち、S20の処理が終了すると、S32にて、車両の現在地周辺の道路を車両が走行した履歴を示す情報(以下、周辺道路走行履歴情報という)をデータ記憶装置42から取得する。次にS34にて、経路案内機能において設定された目的地の位置を示す情報(以下、目的地位置情報という)を取得する。
【0152】
さらにS36にて、車両内の乗員の発話頻度を検出する。具体的には、まず、着座センサ41の検出結果に基づいて、車両内の乗員の数を検出する。そして、マイクロフォン17に入力した音声を分析して、入力した音声を、検出した乗員数分の話者に分類するとともに、分類された話者毎に、所定検出時間(例えば5分)当たりに発話した回数(以下、発話頻度という)を検出する。
【0153】
そしてS36の処理が終了すると、S50の負荷レベル算出処理に移行する。
次に、第4実施形態の負荷レベル算出処理の手順を図14を用いて説明する。図14は第4実施形態の負荷レベル算出処理を示すフローチャートである。
【0154】
第4実施形態の負荷レベル算出処理が実行されると、制御部19は、まず、S710〜S750の処理を実行し、S760に移行する。なお、S710〜S750の処理は、第3実施形態の負荷レベル算出処理におけるS510〜S550の処理と同一であるので説明を省略する。
【0155】
そしてS760に移行すると、現在走行中の道路が、当該車両が頻繁に通行する道路であるか否かを判断する。具体的には、S32で取得した周辺道路走行履歴情報に基づいて、現在から予め設定された履歴判定時間(本実施形態では例えば2か月)前までに、現在走行中の道路を通行した回数が、予め設定された負荷下降判定通行回数(本実施形態では例えば20回)以上であるか否かを判断する。
【0156】
ここで、現在走行中の道路を通行した回数が負荷下降判定通行回数以上である場合には、現在走行中の道路が頻繁に通行する道路であると判断し(S760:YES)、S770にて、負荷レベルを1段階下降させ、S800に移行する。但し、負荷レベルが第1負荷レベルLV1に設定されている場合には第1負荷レベルLV1とする。
【0157】
一方、現在走行中の道路を通行した回数が負荷下降判定通行回数未満である場合には、現在走行中の道路が頻繁に通行する道路でないと判断し(S760:NO)、S780にて、現在走行中の道路が、当該車両が殆ど通行しない道路であるか否かを判断する。具体的には、S32で取得した周辺道路走行履歴情報に基づいて、現在から予め設定された履歴判定時間(本実施形態では例えば2か月)前までに、現在走行中の道路を通行した回数が、予め設定された負荷上昇判定通行回数(本実施形態では例えば2回)以下であるか否かを判断する。
【0158】
ここで、現在走行中の道路を通行した回数が負荷上昇判定通行回数以下である場合には、現在走行中の道路が殆ど通行しない道路であると判断し(S780:YES)、S790にて、負荷レベルを1段階上昇させ、S800に移行する。但し、負荷レベルが第4負荷レベルLV4に設定されている場合には第4負荷レベルLV4とする。
【0159】
一方、現在走行中の道路を通行した回数が負荷上昇判定通行回数を超えている場合には、現在走行中の道路が殆ど通行しない道路ではないと判断し(S780:NO)、S800に移行する。
【0160】
そしてS800に移行すると、当該車両が目的地周辺に到達しているか否かを判断する。具体的には、S34で取得した目的地位置情報に基づいて、当該車両と目的地との間の距離(以下、車両・目的地間距離という)が予め設定された負荷上昇判定距離(本実施形態では例えば1km)以下であるか否かを判断する。
【0161】
ここで、車両・目的地間距離が負荷上昇判定距離以下である場合には、当該車両が目的地周辺に到達していると判断し(S800:YES)、S810にて、負荷レベルを1段階上昇させ、S820に移行する。但し、負荷レベルが第4負荷レベルLV4に設定されている場合には第4負荷レベルLV4とする。
【0162】
一方、車両・目的地間距離が負荷上昇判定距離を超えている場合には、当該車両が目的地周辺に到達していないと判断し(S800:NO)、S820に移行する。
そしてS820に移行すると、S36における発話頻度の検出で用いた着座センサ41の検出結果に基づいて、当該車両内に同乗者がいるか否かを判断する。具体的には、着座センサ41の検出結果から、車両内に複数の乗員が検出された場合に、同乗者がいると判断し、検出された乗員が一人のみである場合には、同乗者がいないと判断する。
【0163】
ここで、同乗者がいないと判断された場合には(S820:NO)、負荷レベル算出処理を一旦終了する。一方、同乗者がいると判断された場合には(S820:YES)、S830にて、車両内で会話が盛り上がっているか否かを判断する。具体的には、S36で検出した話者毎の発話頻度に基づいて、2人以上の話者の発話頻度が、予め設定された負荷上昇判定発話頻度(本実施形態では、例えば5分間に10回)以上であるか否かを判断する。すなわち、或る1人の話者の発話頻度が負荷上昇判定発話頻度以上であっても、残りの話者の発話頻度が負荷上昇判定発話頻度未満である場合には、会話が盛り上がっていないと判断される。
【0164】
ここで、2人以上の話者それぞれの発話頻度が負荷上昇判定発話頻度以上である場合には、車両内で会話が盛り上がっていると判断し(S830:YES)、S840にて、負荷レベルを1段階上昇させ、負荷レベル算出処理を一旦終了する。但し、負荷レベルが第4負荷レベルLV4に設定されている場合には第4負荷レベルLV4とする。一方、発話頻度が負荷上昇判定発話頻度以上である話者が2人未満である場合には、車両内で会話が盛り上がっていないと判断し(S830:NO)、負荷レベル算出処理を一旦終了する。
【0165】
このように構成されたナビゲーション装置10では、現在走行中の道路が頻繁に通行する道路であるか否か、現在走行中の道路が殆ど通行しない道路であるか否か、車両が目的地周辺に到達しているか否か、車両内で会話が盛り上がっているか否かに基づいて、運転者に掛かる負荷の大きさを示す負荷レベルを算出する(S50,S760〜S840)。そして、算出された負荷レベルに対して負の相関を有するように予め設定された相関関係に基づいて、表示判定値THを設定し(S60)、さらに、S10で認識した音声に対応する類似度が表示判定値THより小さい場合に、表示部15による認識結果の表示を禁止する(S70)。これにより、負荷レベルと、表示部15による認識結果の表示頻度との間で正の相関を有するように、表示部15を制御する。
【0166】
このように構成されたナビゲーション装置10によれば、第1実施形態と同様に、運転者によるナビゲーション装置10の使い勝手を損なうことなく、認識する必要のない発話に対応する認識結果が表示されていることによる運転者の不快感を低減することができる。
【0167】
以上説明した実施形態において、データ記憶装置42及びS32の処理は本発明における経路履歴記憶手段および経路履歴記憶手順、位置検出器11及びS34の処理は本発明における位置取得手段および位置取得手順、S36の処理は本発明における発話頻度検出手段および発話頻度検出手順である。
【0168】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば上記実施形態においては、走行環境情報として車速の情報および走行道路の道幅を取得して、負荷レベルを算出するものを示した。しかし走行環境情報として、加速度、スロットル開度、ステアリング角度、ワイパのオン/オフ、周辺の通行量、走行道路の勾配、走行道路の曲率、周辺の歩行者の有無、周囲の明るさ、及び周囲の天気を示す情報を用いて、負荷レベルを算出するようにしてもよい。
【0169】
また上記実施形態においては、生体情報として心拍数情報を取得して、負荷レベルを算出するものを示した。しかし生体情報として、運転者の眠気または覚醒度を用いて、負荷レベルを算出するようにしてもよい。
【0170】
また上記実施形態においては、現在時刻が到着希望時刻よりも遅いか否かにより負荷レベルを算出するものを示した。しかし、到着希望時刻になるまでの時間と、目的地までの距離とに基づいて、負荷レベルを算出するようにしてもよい。たとえば、到着希望時刻までX分以内で、且つ目的地までYkm以上離れている場合には、負荷レベルを高くするという算出方法が挙げられる。
【0171】
また上記実施形態においては、心拍数と負荷レベルとの対応関係および負荷レベルと表示判定値THとの対応関係が区分線形の関数により表されているものを示したが、ロジスティック関数により表されているようにしてもよい。
【0172】
また上記実施形態においては、表示部15に表示される減少指示アイコンまたは増加指示アイコンが選択されることにより、基準閾値THbaseを設定し、第1,2,3,4表示判定値TH1,2,3,4を調整するものを示した。しかし、ロータリ式ボリュームを用いて調整するようにしてもよい。この場合には、ロータリ式ボリュームの回転位置を確認することにより、利用者は調整指示値VLを把握することができるので、S440のように調整指示値比率を表示する必要がない。
【0173】
また上記実施形態においては、基準閾値THbaseを設定することにより、第1,2,3,4表示判定値TH1,2,3,4を調整するものを示したが、表示判定値THの調整方法としてはこれに限定されるものではなく、例えば、調整指示値VLと表示判定値TH1,2,3,4との対応関係を示すテーブルを予め設け、このテーブルを参照して、調整指示値VLに対応した表示判定値TH1,2,3,4を設定するようにしてもよい。
【0174】
また上記実施形態においては、表示部15に調整指示値比率を表示することにより、本発明における「表示頻度を示す情報」を示すものを示した。しかし、「表示頻度を示す情報」として調整指示値比率に限定されるものではなく、例えば、調整指示値VLと、表示頻度との対応関係を示すテーブルを予め設け、このテーブルを参照して、調整指示値VLに対応した表示頻度を表示するようにしてもよい。
【0175】
また上記実施形態においては、操作スイッチ群12またはリモコン13aが操作されてから非操作継続判定時間が経過しているか否かに基づいて、負荷レベルを算出するものを示した。しかし、本発明における操作履歴情報に基づいた負荷レベル算出はこれに限定されるものではなく、例えば、操作された機器に応じて、負荷レベルの上昇量および下降量を変化させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0176】
10…ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…操作スイッチ群、13a…リモコン、13b…リモコンセンサ、14…地図データ入力器、15…表示部、16…音声出力部、17…マイクロフォン、18…車内LAN通信部、19…制御部、19a…音声認識辞書、20…車内LAN、21…エンジンECU、21a…アクセル開度センサ、22…ステアリングECU、22a…ステア角センサ、23…メータECU、23a…車速センサ、31…心拍数測定装置、41…着座センサ、42…データ記憶装置、PH…携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が発した音声を入力する音声入力手段と、
予め設定された語彙に対応した音声を示す音声パターンを複数記憶する音声パターン記憶手段と、
前記音声入力手段に入力された音声と、前記音声パターン記憶手段に記憶された複数の前記音声パターンとの類似の度合いを示すパターン類似度を算出し、該パターン類似度が最も高い前記音声パターンに対応する音声を、利用者が発した音声であると認識する音声認識手段と、
前記音声認識手段が認識した音声に対応する認識結果を表示する表示手段と、
前記表示手段が前記認識結果を表示した後に予め設定された第1外部操作が前記利用者により行われると、前記音声認識手段により認識された音声に基づく処理を実行する実行判断手段と
を備えた音声認識装置であって、
前記利用者に掛かる負荷の量である利用者負荷量を推定する負荷量推定手段と、
前記負荷量推定手段により推定された前記利用者負荷量と、前記表示手段による前記認識結果の表示頻度との間で正の相関を有するように、前記表示手段を制御する表示制御手段と
を備えることを特徴とする音声認識装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、
前記負荷量推定手段により推定された前記利用者負荷量に対して負の相関を有するように予め設定された相関関係に基づいて、前記表示手段による前記認識結果の表示を許可するか否かを判定するための表示判定値を設定する判定値設定手段と、
前記音声認識手段が認識した音声に対応する前記パターン類似度が、前記判定値設定手段により設定された前記表示判定値より小さい場合に、前記表示手段による前記認識結果の表示を禁止する表示禁止手段とから構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の音声認識装置。
【請求項3】
予め設定された第2外部操作に基づいて、前記判定値設定手段が設定する前記表示判定値の大きさを調整する判定値調整手段を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の音声認識装置。
【請求項4】
前記判定値調整手段により調整された前記表示判定値の大きさに基づいて決定される、前記表示頻度を示す情報を表示する表示頻度表示手段を備える
ことを特徴とする請求項3に記載の音声認識装置。
【請求項5】
前記負荷量推定手段は、
前記利用者により操作可能な機器の利用状況に基づいて、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の音声認識装置。
【請求項6】
前記利用状況は、前記利用者により操作可能な機器が操作された履歴を示す操作履歴情報に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項5に記載の音声認識装置。
【請求項7】
前記負荷量推定手段は、
前記利用者が通信機器を用いて通話している場合には、通話していない場合よりも前記利用者負荷量が大きくなるように、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の音声認識装置。
【請求項8】
前記負荷量推定手段は、
前記表示手段の表示画面の周辺に設置された機器である周辺機器を前記利用者が利用している場合には、周辺機器を利用していない場合よりも前記利用者負荷量が小さくなるように、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の音声認識装置。
【請求項9】
前記負荷量推定手段は、
前記利用者の行動予定の時刻を示す予定時刻情報を取得する予定時刻情報取得手段を備え、
前記予定時刻情報取得手段により取得された前記予定時刻情報に基づいて、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の音声認識装置。
【請求項10】
前記負荷量推定手段は、
前記利用者の生体情報を取得する生体情報取得手段を備え、
前記生体情報取得手段により取得された前記生体情報に基づいて、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の音声認識装置。
【請求項11】
前記負荷量推定手段は、
前記利用者が通行した経路の履歴を示す経路履歴情報を記憶する経路履歴記憶手段を備え、
前記経路履歴記憶手段により記憶された前記経路履歴情報に基づいて、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の音声認識装置。
【請求項12】
前記負荷量推定手段は、
前記利用者の現在位置を示す現在位置情報と、前記利用者の目的地の位置を示す目的地位置情報とを取得する位置取得手段を備え、
前記位置取得手段により取得された前記現在位置情報が示す現在位置と、前記位置取得手段により取得された前記目的地位置情報が示す目的地位置との間の距離に基づいて、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の音声認識装置。
【請求項13】
前記負荷量推定手段は、
前記利用者またはその周辺に存在する者の発話頻度を検出する発話頻度検出手段を備え、
前記発話頻度検出手段により検出された前記発話頻度に基づいて、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の音声認識装置。
【請求項14】
利用者が発した音声を入力する音声入力手順と、
前記音声入力手順より入力された音声と、予め設定された語彙に対応した音声を示す複数の音声パターンとの類似の度合いを示すパターン類似度を算出し、該パターン類似度が最も高い前記音声パターンに対応する音声を、利用者が発した音声であると認識する音声認識手順と、
前記音声認識手順が認識した音声に対応する認識結果を表示する表示手順と、
前記表示手順が前記認識結果を表示した後に予め設定された第1外部操作が前記利用者により行われると、前記音声認識手順により認識された音声に基づく処理を実行する実行判断手順と
を備えた音声認識方法であって、
前記利用者に掛かる負荷の量である利用者負荷量を推定する負荷量推定手順と、
前記負荷量推定手順により推定された前記利用者負荷量と、前記表示手順による前記認識結果の表示頻度との間で正の相関を有するように、前記表示手順による前記認識結果の表示を制御する表示制御手順と
を備えることを特徴とする音声認識方法。
【請求項15】
前記表示制御手順は、
前記負荷量推定手順により推定された前記利用者負荷量に対して負の相関を有するように予め設定された相関関係に基づいて、前記表示手順による前記認識結果の表示を許可するか否かを判定するための表示判定値を設定する判定値設定手順と、
前記音声認識手順が認識した音声に対応する前記パターン類似度が、前記判定値設定手順により設定された前記表示判定値より小さい場合に、前記表示手順による前記認識結果の表示を禁止する表示禁止手順とから構成される
ことを特徴とする請求項14に記載の音声認識方法。
【請求項16】
予め設定された第2外部操作に基づいて、前記判定値設定手順が設定する前記表示判定値の大きさを調整する判定値調整手順を備える
ことを特徴とする請求項15に記載の音声認識装置。
【請求項17】
前記判定値調整手順により調整された前記表示判定値の大きさに基づいて決定される、前記表示頻度を示す情報を表示する表示頻度表示手順を備える
ことを特徴とする請求項16に記載の音声認識装置。
【請求項18】
前記負荷量推定手順は、
前記利用者により操作可能な機器の利用状況に基づいて、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項14〜請求項17の何れかに記載の音声認識方法。
【請求項19】
前記利用状況は、前記利用者により操作可能な機器が操作された履歴を示す操作履歴情報に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項18に記載の音声認識装置。
【請求項20】
前記負荷量推定手順は、
前記利用者が通信機器を用いて通話している場合には、通話していない場合よりも前記利用者負荷量が大きくなるように、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項18または請求項19に記載の音声認識方法。
【請求項21】
前記負荷量推定手順は、
前記認識結果が表示される表示画面の周辺に設置された機器である周辺機器を前記利用者が利用している場合には、周辺機器を利用していない場合よりも前記利用者負荷量が小さくなるように、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項18または請求項19に記載の音声認識方法。
【請求項22】
前記負荷量推定手順は、
前記利用者の行動予定の時刻を示す予定時刻情報を取得する予定時刻情報取得手順を備え、
前記予定時刻情報取得手順により取得された前記予定時刻情報に基づいて、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項14〜請求項17の何れかに記載の音声認識方法。
【請求項23】
前記負荷量推定手順は、
前記利用者の生体情報を取得する生体情報取得手順を備え、
前記生体情報取得手順により取得された前記生体情報に基づいて、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項14〜請求項17の何れかに記載の音声認識方法。
【請求項24】
前記負荷量推定手順は、
前記利用者が通行した経路の履歴を示す経路履歴情報を記憶する経路履歴記憶手順を備え、
前記経路履歴記憶手順により記憶された前記経路履歴情報に基づいて、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項14〜請求項17の何れかに記載の音声認識方法。
【請求項25】
前記負荷量推定手順は、
前記利用者の現在位置を示す現在位置情報と、前記利用者の目的地の位置を示す目的地位置情報とを取得する位置取得手順を備え、
前記位置取得手順により取得された前記現在位置情報が示す現在位置と、前記位置取得手順により取得された前記目的地位置情報が示す目的地位置との間の距離に基づいて、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項14〜請求項17の何れかに記載の音声認識装置。
【請求項26】
前記負荷量推定手順は、
前記利用者またはその周辺に存在する者の発話頻度を検出する発話頻度検出手順を備え、
前記発話頻度検出手順により検出された前記発話頻度に基づいて、前記利用者負荷量を推定する
ことを特徴とする請求項14〜請求項17の何れかに記載の音声認識装置。
【請求項27】
請求項1〜請求項13の何れかに記載の音声認識装置を備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図5】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−204637(P2010−204637A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289469(P2009−289469)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】