説明

頭髪用化粧品におけるアミン含有アクリレート類およびN−ビニルイミダゾリウム塩からなるカチオン性コポリマーの使用

本発明は、a)60〜99モル%の少なくとも1種の1-ビニルイミダゾールモノマー、b)1〜40モル%の少なくとも1種のラジカル重合可能な4級化可能なモノマーb1)、もしくはメタクリル酸b2)、およびc)0〜30モル%の、a)およびb)とは異なる少なくとも1種の追加のラジカル共重合可能なモノマーの、ラジカル共重合によって得られるカチオン性ポリマーの頭髪用化粧品における使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、a) 60〜99モル%の少なくとも1つの1-ビニルイミダゾールモノマー、b) 1〜40モル%の少なくとも1つのフリーラジカル重合可能な4級化しうるモノマー b1)、またはメタクリル酸 b2)、ならびにc) 0〜30モル%の、a)およびb)とは異なる、少なくとももう1つのフリーラジカル共重合可能なモノマーの、フリーラジカル共重合によって得られるカチオン性ポリマーの頭髪用化粧品における使用、特にシャンプー中のコンディショナーとしての使用に関する。さらに、本発明は、カチオン性ポリマーを含有するシャンプーおよび他のヘアケア組成物に関する。したがって、本発明は頭髪の洗浄および/または手入れのための組成物に関する。具体的には、本発明は、シャンプーの他に、プレトリートメント組成物、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアバーム、リーブオンヘアトリートメント、リンスオフヘアトリートメント、ヘアトニック、ポマード、スタイリングクリーム、スタイリングローション、スタイリングジェル、エンドフルーイド(end fluid)、ホットオイルトリートメント、およびフォームトリートメントからなる群から選択される、他のヘアケア組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアケア組成物は、主として、乾いた髪および濡れた髪の櫛通り、手触り、髪のつやおよび外観を改善する役割を果たし、加えて、髪に静電気防止特性を与える役割も果たす。シャンプーは、よく泡立って髪を洗浄すべきであり、マイルドで適合性があり、しかも実用的で、手で触れて心地よくなければならず、また、頭髪のケア、もしくは頭髪および頭皮の問題解消に役立つものでなければならない。こうした追加的な効果、および洗浄効果は、自明のこととなっているが、現代のシャンプーの特徴である。シャンプーの個々の成分の洗浄力および起泡力、皮膚との適合性、濃厚化できること、ならびに加水分解安定性は、pHによるところが大きい。シャンプーに使用される成分は、好ましくは、中性および弱酸性のpH範囲(pH 5〜7)でこうした特性を発揮すべきであるが、このpH範囲の外でも、性能の有意な低下を示すべきではない。選ばれたシャンプー成分は、たとえば、効果の減少、もしくは分離が起こらないように、化学的に安定で、かつ他の製剤成分のすべてと適合しなければならない。シャンプーは、強すぎない脱脂効果、および同時に妥当なマイルドさに加えて、十分な洗浄力を有することが期待される。軟水中でも硬水中でも、洗浄力および他の望ましい界面活性剤特性があることが重要である。シャンプーは、皮膚および粘膜が十分耐えられなければならないので、通常の使用条件下で刺激的な影響を及ぼしてはならない。すぐれた洗浄能力は、多量の発泡に結びつけられる必要はない。それでもやはり、洗浄時のシャンプーの泡の量と質は、シャンプーによって満足させられるべき消費者にとって、重要な判断基準となる。
【0003】
シャンプーは、洗浄効果の他にコンディショニング作用も有しているが、この作用はシャンプー中のコンディショナーの成分によって保証される。コンディショナーは、髪に付けて、洗い流した後も髪に残る助剤である。コンディショナーは、髪の櫛通り、手触り、およびつやの改善をもたらす。しかしながら、特定の髪質(細い毛)の場合、または付けすぎの場合には、コンディショナーが、髪の重くつぶれた望ましくない状態をもたらすこともある。製剤の観点から、このことは、コンディショナーを使用するとき、毛髪のコンディショニング能力と押しつぶしてしまうこととの間の巧みなバランスを保証することが常に必要であることを意味する。さらに、コンディショナーを使用するとき、製品の定期的な使用が毛髪上でのコンディショナー量の継続的な増加(蓄積効果)につながらないことも、保証すべきである。複雑な特性プロフィールを有する製品の供給は、困難を伴うことが多い。こうした複雑な特性プロフィールは、多くの場合、1つの製品において多数の異なる成分の使用を必要とするが、言い換えると、消費者の側で、こうした成分のうち1つもしくは複数に対して適合しないというリスクを包含する。シャンプー中のコンディショナーは主としてシリコーンおよびカチオン性ポリマーである。シリコーンは、たいてい水に不溶性であるので、シャンプー製剤を分散剤によって安定化しなければならないという欠点を有する。このような添加物は望ましくないことが多い。それに加えて、シリコーンはかなりの蓄積効果を示す場合もあり、繰り返し使用した後、毛髪は不快に重くつぶれた感じがする。
【0004】
たとえばカチオン性セルロース誘導体のような、シャンプー中でコンディショナーとして使用される多くのカチオン性ポリマーは、シャンプー製剤中でアニオン性界面活性剤とともに界面活性剤-ポリマー複合体を形成する;こうした複合体は、ポリマーの電荷密度が高ければ、水に不溶性である。このため、複合体が製剤中で可溶性となるように、電荷密度の低いカチオン性ポリマーが通常使用されている。
【0005】
しかしながら、電荷密度の高いカチオン性ポリマーの方が毛髪への親和性が高く、こうした理由で、シャンプー中では高電荷ポリマーを使用することが望ましい。しかしながら、そのとき製剤中の界面活性剤-ポリマー複合体は不溶性である。分散助剤の添加によって、製剤を安定化しなければならない。
【0006】
特許文献1は、特に、高い電荷密度を有する、N-ビニルピロリジンと3-メチル-1-ビニルイミダゾリウム塩とのコポリマーを、シャンプー製剤中で他の水不溶性コンディショナーと組み合わせて使用することを記載している。したがって、製剤を安定化させるために分散剤が使用される。
【0007】
特許文献2および特許文献3は、洗浄剤としてのα-オレフィンスルホン酸塩、ならびにコンディショナーとしての高電荷密度を有するカチオン性ポリマー、たとえば、N-ビニルピロリドンと3-メチル-1-ビニルイミダゾリウム塩とのコポリマーを基本とするシャンプー組成物を記載する。分散助剤は、ここでも、製剤の安定化のために添加の必要がある。
【0008】
特許文献4は、4級化ビニルイミダゾールとさまざまな他のモノマーとのコポリマーをヘアコンディショナーとして使用することを記載する。そこに記載されたポリマーは、アニオン性界面活性剤の存在下で、4級化ビニルイミダゾールモノマーの割合が低い場合には効果が低く、4級化ビニルイミダゾールモノマーの割合が高い場合には安定した分散状態にならないという欠点を有する。
【0009】
特許文献5は、
(a) 60〜99モル%、好ましくは65〜95モル%、さらに特に好ましくは70〜90モル%の、置換されていてもよい1-ビニルイミダゾールまたは4級化1-ビニルイミダゾール;
(b) 1〜40モル%、好ましくは5〜35モル%、特に好ましくは10〜30モル%の、重合可能な二重結合を含有する酸もしくはその塩;および
(c) 0〜30モル%、好ましくは0〜20モル%、特に好ましくは0〜10モル%の更なるフリーラジカル共重合可能なモノマー
をフリーラジカル共重合すること、ならびに、4級化されていない1-ビニルイミダゾールをモノマー(a)として使用する場合には、後からポリマーを4級化すること、によって得られるカチオン性コポリマーを、頭髪用化粧品の活性成分として、特にシャンプー中のコンディショナーとして使用することを記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第94/06403号
【特許文献2】国際公開第94/06409号
【特許文献3】米国特許第5580494号
【特許文献4】欧州特許出願公開弟246580号
【特許文献5】欧州特許出願公開弟911018号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、シャンプーおよびヘアケア組成物で処理した頭髪の脂っぽい、および/またはベタつく、不満足な外観がすぐれたコンディショニングおよび洗浄効果に付随することなく、良好な耐容性を示し、同時に、弾力性、心地よい手触り、およびボリュームなどの感覚的に検知できる良好な特性を毛髪に付与するシャンプーおよびヘアケア組成物が必要である。先行技術から得られた組成物の場合は、多数の必要成分が、皮膚刺激、アレルギー反応および他の不適合をもたらすことがあるので、できるだけ少数の供給材料を基に、上記の特性を有するシャンプーおよびヘアケア組成物を開発することを目的とした。特に、小児および乳児用のシャンプーおよびヘアケア組成物の分野では、できるだけ少数の種々の成分を有する組成物が必要とされている。追加の分散助剤なしに、アニオン性界面活性剤を含有する安定したシャンプー組成物の調製を可能にする、高い電荷密度を有するカチオン性ポリマーを見出すことを本発明の目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、
a) 60〜99モル%の、少なくとも60モル%まで4級化された一般式Iの少なくとも1種の1-ビニルイミダゾールモノマー:
【化1】

【0013】
[式中、R1〜R3は相互に独立して、水素、C1-C4-アルキル、もしくはフェニルである];
b) 1〜40モル%の、少なくとも1種のフリーラジカル重合可能なモノマーであって、
b1) 必要に応じて4級化された一般式IIの化合物:
【化2】

【0014】
[式中、
R14およびR15は互いに独立して、水素、C1-C8直鎖もしくは分岐鎖アルキル、メトキシ、エトキシ、2-ヒドロキシエトキシ、2-メトキシエトキシ、および2-エトキシエチルからなる群から選択され、
R17は、水素もしくはメチルであり、
R18は、アルキルで置換されていてもよい1〜24個の炭素原子を有するアルキレンもしくはヒドロキシアルキレン、好ましくはC2H4、C3H6、C4H8、CH2-CH(OH)-CH2であり、
gは、0または1であり、
Zはg = 1のとき窒素であり、g = 0のとき酸素であり、
R25およびR26は、いずれの場合にも互いに独立して、水素、C1-C40直鎖もしくは分岐鎖アルキル、ホルミル、C1-C10直鎖もしくは分岐鎖アシル、N,N-ジメチルアミノエチル、2-ヒドロキシエチル、2-メトキシエチル、2-エトキシエチル、ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、またはベンジルからなる群から選択される]
b2) メタクリル酸、
b3) b1)およびb2)の混合物、
から選択される、前記モノマー;
c) 0〜30モル%の、a)およびb)とは異なる少なくとももう1種のフリーラジカル共重合可能なモノマー(ただし、b)がb2)のメタクリル酸である場合には、c)の量は0モル%より大であり、この場合、モノマーa)からc)までの総量は100モル%となる)、
のフリーラジカル共重合によって得られるカチオン性ポリマーを頭髪用化粧品に使用することによって達成された。
【発明を実施するための形態】
【0015】
a) 1-ビニルイミダゾールモノマー
R1〜R3が水素、C1-C4-アルキル、もしくはフェニルである、一般式(I)のN-ビニルイミダゾールが好ましい。
【化3】

【0016】
一般式(I)の化合物の例を下記の表に見出すことができる:
【表1】

【0017】
モノマーa)として特に好ましいのは、N-ビニルイミダゾール、すなわち、式IにおいてR1〜R3のすべての基が水素である、式Iの化合物である。モノマーa)は、モノマーa)からc)までの総量に基づき、4級化されていないモノマーとして計算して、多くても99モル%、好ましくは多くても90モル%、特に好ましくは多くても85モル%の量、少なくとも60モル%、好ましくは少なくとも65モル%、特に好ましくは少なくとも70モル%の量で共重合する。
【0018】
1-ビニルイミダゾールモノマーa)は、少なくとも60モル%まで4級化された形で重合に使用される。その結果得られたポリマーは、必要に応じて、重合が終了した時点でさらに4級化される。ちなみに、重合は、使用されたモノマーa)、b)およびc)の、少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも95重量%、特に99重量%が重合した時に、終了したとみなされる。4級化の程度(すべての4級化可能な基のうち4級化された基のモル%)は、少なくとも60%、好ましくは少なくとも70%、特に好ましくは少なくとも80%であり、特に少なくとも90%である。すべての4級化可能な基が4級化されること、すなわち、4級化可能な基を基準として100モル%の4級化度が、特にきわめて好ましい。4級化試薬は当然、過剰に加えることができる。モノマーa)、もしくは結果として得られたポリマーを4級化するために適しているのは、たとえば、アルキル基に1〜24個の炭素原子を有するハロゲン化アルキル、その例としては、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル、塩化エチル、臭化エチル、塩化プロピル、塩化ヘキシル、塩化ドデシル、塩化ラウリル、臭化プロピル、臭化ヘキシル、臭化ドデシル、臭化ラウリル、ならびにハロゲン化ベンジル、特に塩化ベンジルおよび臭化ベンジルである。長鎖アルキル基による4級化のためには、対応する臭化アルキル、たとえば臭化ヘキシル、臭化ドデシルもしくは臭化ラウリルが好ましい。他の好適な4級化試薬は、硫酸ジアルキル、特に硫酸ジメチルもしくは硫酸ジエチルである。モノマーa)の4級化は、酸の存在下で、酸化エチレンまたは酸化プロピレンなどの酸化アルキレンによっても、行うことができる。好ましい4級化試薬は、塩化メチル、硫酸ジメチル、または硫酸ジエチルであり、塩化メチルおよび硫酸ジメチルが特に好ましい。上記4級化試薬の1つを用いたモノマーまたはポリマーの4級化は、当業者に公知の従来法にしたがって行われる。
【0019】
b) モノマーb)
好ましいモノマーb1)は、窒素原子上でモノ-もしくはジ-C1-C24-アルキル置換されたアミノアルコールと、(メタ)アクリル酸のエステルである。特に好ましいのは、(メタ)アクリル酸N-メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N-エチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N-(n-プロピル)アミノエチル、(メタ)アクリル酸N-(n-ブチル)アミノエチル、(メタ)アクリル酸N-(tert-ブチル)アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N-ジエチルアミノプロピル、および(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノシクロヘキシルからなる群から選択されるものである。特に好ましいのは、メタクリル酸N,N-ジメチルアミノエチルである。
【0020】
アミドは、非置換型、N-アルキルもしくはN-アルキルアミノ-モノ置換型、またはN,N-ジアルキル-置換もしくはN,N-ジアルキルアミノ-ジ置換型として存在することができるが、このアルキルもしくはアルキルアミノ基は、C1-C40直鎖、C3-C40分岐鎖、またはC3-C40炭素環ユニットから誘導される。
【0021】
他に好ましいモノマーb1)は、窒素原子上でモノ-もしくはジ-C1-C24-アルキル-置換されたジアミンと、(メタ)アクリル酸のアミドである。特に好ましいのは、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N-[2-(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]メタクリルアミド、N-[8-(ジメチルアミノ)オクチル]メタクリルアミド、N-[12-(ジメチルアミノ)ドデシル]メタクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、およびN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミドからなる群から選択されるものである。特に好ましいのは、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドである。
【0022】
モノマーb)として、b2)メタクリル酸を使用することもできるが、この場合、モノマーc)の量は0モル%より大であることが必須であり、好ましくは、少なくとも1つのモノマーc)は、モノエチレン性不飽和のフリーラジカル重合可能な化合物である。
【0023】
b1)およびb2)の混合物も、モノマーb)として使用することができる。
【0024】
モノマーb)は、モノマーa)からc)までの総量を基準として、多くても40モル%、好ましくは多くても35モル%、特に好ましくは多くても30モル%の量で、かつ少なくとも1モル%、好ましくは少なくとも5モル%、特に好ましくは少なくとも10モル%、そして特に少なくとも12モル%の量で共重合する。
【0025】
モノマーb1)を4級化された形で重合に使用することができるが、モノマーb1)は、基本的に4級化されない形で使用することが好ましい。「基本的に4級化されない」とは、多くても20モル%、好ましくは多くても10モル%、特に好ましくは多くても5モル%、そして特に多くても1モル%のモノマーb1)が、4級化された状態で存在することを意味する。モノマーb1)が4級化されていないならば、それがもっとも好ましい。
【0026】
モノマーc)
適当なモノマー(c)は、モノマー(a)および(b)とともに共重合することができる、(a)および(b)とは異なる、あらゆるフリーラジカル共重合可能なモノマーである。例を挙げると、N-ビニルラクタム、たとえばN-ビニルピペリドン、N-ビニルピロリドン、もしくはN-ビニルカプロラクタム、およびN-ビニルアセトアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、N-ビニルオキサゾリドン、N-ビニルトリアゾール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、たとえば(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、または分子内に1〜50個のエチレングリコールユニットを有するアルキルエチレングリコール-(メタ)アクリレートが適している。アクリル酸もしくはメタクリル酸のC1-からC24-、特にC1-からC10-アルキルエステル、たとえば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸tert-ブチル、メタクリル酸tert-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-ブチル、およびアクリルアミド類、たとえば、N-tert-ブチルアクリルアミドもしくはN-tert-オクチルアクリルアミドも挙げられる。さらに、カルボン酸ビニルエステル、たとえば酢酸ビニルもしくはプロピオン酸ビニルを使用することができる。
【0027】
モノマーc)は、好ましくは一般式IIIの化合物から選択される:
【化4】

【0028】
[式中、
R1は、式CH2=CR4-の基であって、式中R4はHもしくはC1-C4-アルキルであり、R2およびR3は互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘタリールであり、またはR2およびR3は、それらが結合している窒素原子とともに、5員から8員までの窒素ヘテロ環となっていか、あるいは
R2が、式CH2=CR4-の基であって、R1およびR3は互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはヘタリールであり、またはR1およびR3は、それらが結合しているアミド基とともに、5から8個までの環員原子を有するラクタムとなっている]。
【0029】
好ましくは、本発明にしたがって使用されるポリマーは、モノマーc)として、少なくとも1つのN-ビニルラクタムを、共重合された形で追加して含有する。N-ビニルラクタムc)として適当なのは、非置換N-ビニルラクタムおよびN-ビニルラクタム誘導体であるが、これらはたとえば、1つもしくは複数のC1-C6-アルキル置換基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなどを有することができる。上記には、たとえば、N-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタム、およびそれらの混合物が含まれる。
【0030】
好ましくは、本発明にしたがって使用するのに適したポリマーは、組み込まれた形でモノマーc)を含有するが、この場合、式IIIにおいて、R2はCH2=CH-であり、R1およびR3は、それらが結合しているアミド基とともに、5つの環員原子を有するラクタムとなっている。
【0031】
特に好ましく使用されるのは、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルホルムアミド、(メタ)アクリルアミドまたはそれらの混合物であるが、N-ビニルピロリドンおよびメタクリルアミドがもっとも好ましい。
【0032】
モノマーa)、b)およびc)として、当然、それぞれのモノマーの混合物を使用すること、すなわち、たとえばモノマーc)としてN-ビニルピロリドンおよびN-ビニルカプロラクタムの混合物を使用することも可能である。
【0033】
モノマーb)がメタクリル酸でない限り、本発明にしたがって使用するのに適したポリマーを調製するためにモノマーc)が自動的に使用されるわけではない。モノマーc)を共重合させるならば、モノマーc)の量は、モノマーa)からc)までの総量を基準として、多くても30モル%、好ましくは多くても20モル%、特に好ましくは多くても15モル%、特に多くても10モル%であり、かつ好ましくは少なくとも0.1モル%、特に好ましくは少なくとも1モル%、特に少なくとも3モル%であるが、もっとも好ましくは5モル%である。
【0034】
重合
ポリマーを調製するために、重合させるべき成分a)からc)の混合物を、フリーラジカルを形成する重合開始剤の助けを借りて重合させることができ、また、高エネルギー放射線の作用によっても重合させることができるが、こうした作用は当然高エネルギー電子の作用とみなされるべきである。使用することができるフリーラジカル重合のための重合開始剤は、この目的に通常使用されるペルオキソ化合物および/またはアゾ化合物、たとえば、ペルオキソ二硫酸アルカリ金属塩もしくはペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化ジアセチル、過酸化ジベンゾイル、過酸化スクシニル、過酸化ジ-tert-ブチル、過安息香酸tert-ブチル、過ピバル酸tert-ブチル、ペルオキシ-2-エチルヘキサン酸tert-ブチル、過マレイン酸tert-ブチル、クメンヒドロペルオキシド、ペルオキシジカルバミン酸ジイソプロピル、過酸化ビス(o-トルオイル)、過酸化ジデカノイル、過酸化ジオクタノイル、過酸化ジラウロイル、過イソ酪酸tert-ブチル、過酢酸tert-ブチル、過酸化ジ-tert-アミル、tert-ブチルヒドロペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2-アミドノプロパン)二塩酸塩または2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)である。開始剤混合物、またはレドックス開始剤系、たとえば、アスコルビン酸/硫酸鉄(II)/ペルオキソ二硫酸ナトリウム、tert-ブチルヒドロペルオキシド/二亜硫酸ナトリウム、tert-ブチルヒドロペルオキシド/ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウムも適している。有機過酸化物を使用することが好ましい。重合は、必要に応じてUV開始剤の存在下で、紫外線の作用によっても行わせることができる。紫外線の作用で重合させるために、通例この目的に適した、光開始剤または増感剤が使用される。これは、たとえばベンゾインおよびベンゾインエーテル、α-メチルベンゾインまたはα-フェニルベンゾインといった化合物である。いわゆる三重項増感剤、たとえばベンジルジケタールも使用することができる。紫外線源として機能するのは、たとえば、カーボンアーク灯、水銀灯もしくはキセノンランプといった高エネルギー紫外線ランプのほかに、高周波数の青色光を伴う蛍光灯のような低紫外線光源もある。
【0035】
使用される開始剤もしくは開始剤混合物の量は、使用されるモノマーの量を基準として、0.01から10重量%までの間であり、好ましくは0.1から8重量%までである。
【0036】
重合は、30から200℃までの温度範囲で起こるが、好ましくは40から140℃までの範囲、特に好ましくは50から110℃までの範囲である。重合は通常、常圧で行われるが、減圧もしくは加圧下で、好ましくは1から5バールの間で行うこともできる。
【0037】
重合は、たとえば、溶液重合、バルク重合、乳化重合、逆相乳化重合、懸濁重合、逆相懸濁重合または沈澱重合として行うことができるが、使用できる方法はそれに限定されない。
【0038】
重合は、まず、重合させる混合物の一部、たとえば約10%、および開始剤を導入し、混合物を重合温度まで加熱し、そして重合反応が始まった後、重合させる混合物の残りを、重合の進行に応じて添加することによって、半連続的に行うこともできる。
【0039】
上記の重合はまた、好ましくは溶媒中で行われる。適当な溶媒は、たとえば、水、アルコール類、たとえば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-ヘキサノールおよびシクロヘキサノール、およびグリコール類、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコール、ならびに二価アルコールのメチルもしくはエチルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、ジオキサン、酢酸ブチル、酢酸エチルおよびトルエンであるが、水、アルコール類、およびそれらの混合物が特に好ましい。特に、使用される溶媒は、水または水-エタノール混合物である。
【0040】
調節剤
モノマー混合物のフリーラジカル重合は、少なくとも1つの分子量調節剤の存在下で行うことができる。調節剤は、好ましくは、モノマーa)からc)までの総重量を基準として、0.0005から5重量%、特に好ましくは0.001から2.5重量%、そして特に0.01から1.5重量%までの使用量で用いられる。
【0041】
調節剤は、高い移動定数を有する化合物を指すために一般に使用される用語である。調節剤は、連鎖移動反応の速度を高めることにより、全体の反応速度に影響を及ぼすことなく、結果として得られるポリマーの重合度の低下をもたらす。
【0042】
調節剤については、1つもしくは複数の連鎖移動反応をもたらすことができる分子内の官能基数に応じて、単官能、二官能、もしくは多官能性調節剤に区別することができる。適当な調節剤は、たとえば、K.C. BergerおよびG. BrandrupによってJ. Brandrup, E.H. Immergut, Polymer Handbook, 3rd Edition, John Wiley & Sons, New York, 1989, pp. II/81 - II/141に詳細に記載されている。
【0043】
適当な調節剤はたとえば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n-ブチルアルデヒドまたはイソブチルアルデヒドなどのアルデヒド類である。
【0044】
また、同様に使用することができる調節剤は、ギ酸、その塩もしくはエステル、たとえば、ギ酸アンモニウム、2.5-ジフェニル-1-ヘキセン、硫酸ヒドロキシルアンモニウム、およびリン酸ヒドロキシルアンモニウムである。
【0045】
その他の適当な調節剤は、ハロゲン化合物であって、例を挙げると、ハロゲン化アルキル、たとえば、テトラクロロメタン、クロロホルム、ブロモトリクロロメタン、ブロモホルム、臭化アリル、およびベンジル化合物、たとえば、塩化ベンジルもしくは臭化ベンジルである。
【0046】
ほかに適当な調節剤は、アリル化合物であって、例を挙げると、アリルアルコール、官能性を有するアリルエーテル類、アリルエトキシレート、アルキルアリルエーテル、またはグリセリルモノアリルエーテルである。
【0047】
好ましくは、使用される調節剤は、結合した形でイオウを含む化合物である。
【0048】
こうしたタイプの化合物は、たとえば、無機亜硫酸水素塩、二亜硫酸塩、および亜ジチオン酸塩、または有機硫化物、二硫化物、多硫化物、スルホキシドおよびスルホンである。これらには、硫化ジ-n-ブチル、硫化ジ-n-オクチル、硫化ジフェニル、チオジグリコール、エチルチオエタノール、二硫化ジイソプロピル、二硫化ジ-n-ブチル、二硫化ジ-n-ヘキシル、二硫化ジアセチル、ジエタノールスルフィド、三硫化ジ-t-ブチル、ジメチルスルホキシド、硫化ジアルキル、二硫化ジアルキルおよび/または硫化ジアリールが含まれる。
【0049】
特に好ましいのは、結合した形でイオウを含む有機化合物である。
【0050】
好ましくは、重合調節剤として使用される化合物は、チオール類(イオウをSH基の形で有する化合物であって、メルカプタンとも称される)である。調節剤として好ましいのは、単官能、二官能および多官能のメルカプタン、メルカプトアルコール、および/またはメルカプトカルボン酸である。
【0051】
こうした化合物の例は、チオグリコール酸アリル、チオグリコール酸エチル、システイン、2-メルカプトエタノール、1,3-メルカプトプロパノール、3-メルカプトプロパン-1,2-ジオール、1,4-メルカプトブタノール、メルカプト酢酸、3-メルカプトプロピオン酸、メルカプトコハク酸、チオグリセロール、チオ酢酸、チオ尿素、およびアルキルメルカプタン、たとえば、n-ブチルメルカプタン、n-ヘキシルメルカプタンまたはn-ドデシルメルカプタンである。
【0052】
特に好ましいチオールは、システイン、2-メルカプトエタノール、1,3-メルカプトプロパノール、3-メルカプトプロパン-1,2-ジオール、チオグリセロール、チオ尿素である。
【0053】
結合した形で2つのイオウ原子を含む二官能性調節剤の例は、二官能性チオール、たとえば、ジメルカプトプロパンスルホン酸(ナトリウム塩)、ジメルカプトコハク酸、ジメルカプト-1-プロパノール、ジメルカプトエタン、ジメルカプトプロパン、ジメルカプトブタン、ジメルカプトペンタン、ジメルカプトヘキサン、エチレングリコールビスチオグリコレートおよびブタンジオールビスチオグリコレートである。
【0054】
多官能性調節剤の例は、結合した形で2つよりも多くののイオウ原子を含む化合物である。その例は、三官能および/または四官能性メルカプタンである。
【0055】
好ましい三官能性調節剤は、三官能性メルカプタンであって、たとえば、トリメチルプロパン トリス(2-メルカプトエタネート)、トリメチロールプロパン トリス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパン トリス(4-メルカプトブタネート)、トリメチロールプロパン トリス(5-メルカプトペンタネート)、トリメチロールプロパン トリス(6-メルカプトヘキサネート)、トリメチロールプロパン トリス(2-メルカプトアセテート)、チオグリコール酸グリセリル、チオプロピオン酸グリセリル、チオエチル酸グリセリル、チオブタン酸グリセリル、トリス(メルカプト酢酸) 1,1,1-プロパントリイル、トリス(メルカプトエタン酸) 1,1,1-プロパントリイル、トリス(メルカプトプロピオン酸) 1,1,1-プロパントリイル、トリス(メルカプトブタン酸) 1,1,1-プロパントリイル、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール トリス(メルカプトアセテート)、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール トリス(メルカプトエタネート)、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール トリス(メルカプトプロピオネート)、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール トリス(メルカプトブタネート)である。
【0056】
特に好ましい三官能性調節剤は、チオグリコール酸グリセリル、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、2-ヒドロキシメチル-2-メチル-1,3-プロパンジオールトリス(メルカプトアセテート)である。
【0057】
好ましい四官能性メルカプタンは、ペンタエリトリトール テトラキス(2-メルカプトアセテート)、ペンタエリトリトール テトラキス(2-メルカプトエタネート)、ペンタエリトリトール テトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリトリトール テトラキス(4-メルカプトブタネート)、ペンタエリトリトール テトラキス(5-メルカプトペンタネート)、ペンタエリトリトール テトラキス(6-メルカプトヘキサネート)である。
【0058】
他の適当な多官能性調節剤は、下記の式の多官能性調節剤Si化合物である:
【化5】

【0059】
[式中、
nは0から2までの数値であり、
R1はC1-C16-アルキル基もしくはフェニル基であり、
R2はC1-C18-アルキル基、シクロヘキシル基、もしくはフェニル基であり、
ZはC1-C18-アルキル基、C2-C18-アルキレン基、もしくはC2-C18-アルキニル基であって、その炭素原子は非隣接酸素原子もしくはハロゲン原子で置き換えられていてもよく、または
Zは下記の基のうちの1つである
【化6】

【0060】
(式中
R3/R3はC1-C12-アルキル基であり、
R4 はC1-C18-アルキル基である)]。
【0061】
上記の調節剤はいずれも、単独で、または互いに組み合わせて使用することができる。
【0062】
架橋剤
本発明のある実施形態において、本発明に使用するのに適したポリマーを調製するために、架橋剤が使用される。「架橋剤」という用語の意味は当業者には明らかである。架橋剤は、好ましくは、フリーラジカル共重合に適したエチレン性不飽和の非共役二重結合を、分子当たり少なくとも2つ有する化合物から選択される。
【0063】
適当な架橋剤c)は、たとえば、少なくとも二価のアルコールの、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アリルエーテルもしくはビニルエーテルである。ここで親アルコールのOH基は、完全に、または部分的に、エーテル化もしくはエステル化されていてもよい;しかしながら、架橋剤は少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有する。
【0064】
親アルコールの例は、二価アルコール、たとえば1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ブタ-2-エン-1,4-ジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタン-1,5-ジオール、2,5-ジメチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバル酸 ネオペンチルグリコール モノエステル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシプロピル)フェニル]プロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、3-チオペンタン-1,5-ジオール、ならびにいずれの場合にも200から10,000までの分子量を有するポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラヒドロフランである。
【0065】
酸化エチレンおよび酸化プロピレンのホモポリマーの他に、酸化エチレンもしくは酸化プロピレンのブロックコポリマー、または組み込まれた形で酸化エチレンおよび酸化プロピレン基を含有するコポリマーを使用することも可能である。
【0066】
2つより多くのOH基を有する親アルコールの例は、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、1,2,5-ペンタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、トリエトキシシアヌル酸、ソルビタン、糖類、たとえばショ糖、グルコース、マンノースである。これに関連して、好ましい多価アルコールは二糖類および三糖類である。
【0067】
多価アルコールは、当然、それぞれ対応するエトキシレートもしくはプロポキシレートとして、酸化エチレンもしくは酸化プロピレンとの反応後に、使用することもできる。多価アルコールをまず、エピクロロヒドリンとの反応によって、対応するグリシジルエーテルに変換することもできる。
【0068】
さらに適当な架橋剤は、エチレン性不飽和C3-C6-カルボン酸、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸もしくはフマル酸との、ビニルエステルもしくは一価不飽和アルコールのエステルである。こうしたアルコールの例は、アリルアルコール、1-ブテン-3-オール、5-ヘキセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、9-デセン-1-オール、ジシクロペンテニルアルコール、10-ウンデセン-1-オール、シンナミルアルコール、シトロネロール、クロチルアルコールまたはcis-9-オクタデセン-1-オールである。しかしながら、一価不飽和アルコールを多塩基カルボン酸、たとえば、マロン酸、酒石酸、トリメリト酸、フタル酸、テレフタル酸、クエン酸もしくはコハク酸とエステル化することもできる。
【0069】
さらに適当な架橋剤は、不飽和カルボン酸、たとえば、オレイン酸、クロトン酸、桂皮酸もしくは10-ウンデセン酸の、上記多価アルコールとのエステルである。
【0070】
それに加えて、適当な架橋剤は、少なくとも2つの二重結合(脂肪族炭化水素の場合、共役は不可)を有する、直鎖もしくは分岐鎖で、直鎖状もしくは環状の、脂肪族または芳香族炭化水素、たとえば、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、4-ビニル-1-シクロヘキセン、トリビニルシクロヘキサン、または分子量200から20,000までのポリブタジエンである。
【0071】
架橋剤として適しているのは、(メタ)アクリル酸、イタコン酸およびマレイン酸と、少なくとも二官能性のアミンであるN-アリルアミンとのアミドである。こうしたアミンはたとえば、1,2-ジアミノメタン、1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,12-ドデカンジアミン、ピペラジン、ジエチレントリアミンまたはイソホロンジアミンである。不飽和カルボン酸、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、もしくは上記のような、少なくとも二塩基性のカルボン酸と、アリルアミンとのアミドも同様に適している。
【0072】
トリアリルアミンおよびトリアリルモノアルキルアンモニウム塩、たとえば、塩化トリアリルメチルアンモニウム、または硫酸メチルも、架橋剤として適している。
【0073】
尿素誘導体、少なくとも二官能性のアミド、シアヌル酸もしくはウレタンのN-ビニル化合物、たとえば、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素もしくはタルタルジアミドのN-ビニル化合物、一例としてN,N'-ジビニルエチレン尿素またはN,N'-ジビニルプロピレン尿素も適している。
【0074】
アルキレンビスアクリルアミド、たとえばメチレンビスアクリルアミド、ならびにN,N'-(2,2)ブタン、および1,1'-ビス(3,3'-ビニルベンゾイミダゾリス(vinylbenzimidazolith)-2-オン)-1,4-ブタンも適当である。
【0075】
他の適当な架橋剤としては、たとえば、アルキレングリコール-ジ(メタ)アクリレート、たとえば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、アクリル酸ビニル、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、ジビニルジオキサン、ペンタエリトリトールアリルエーテル、およびこれらの架橋剤の混合物がある。
【0076】
さらに好ましい架橋剤は、ジビニルジオキサン、テトラアリルシラン、またはテトラビニルシランである。
【0077】
特に好ましく使用される架橋剤は、メチレンビスアクリルアミド、トリアリルアミン、トリアリルアルキルアンモニウム塩、ジビニルイミダゾール、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、N,N’-ジビニルエチレン尿素、多価アルコールとアクリル酸もしくはメタクリル酸との反応産物、ポリアルキレンオキシドもしくは多価アルコールのメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステル(これらは酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンおよび/またはエピクロロヒドリンと反応させている)である。
【0078】
特に好ましい架橋剤は、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、N,N’-ジビニルエチレン尿素、トリアリルアミンおよびトリアリルモノアルキルアンモニウム塩、ならびにエチレングリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパンもしくはグリセロールのアクリル酸エステル、または酸化エチレンおよび/またはエピクロロヒドリンと反応させたグリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパンもしくはグリセロールのアクリル酸エステルである。ペンタエリトリトールトリアリルエーテルがもっとも好ましい。
【0079】
上記化合物の混合物も当然使用することができる。架橋剤は反応媒体に溶解することが好ましい。反応媒体中の架橋剤の溶解性が低い場合には、モノマー中、もしくはモノマー混合物中に溶解することができるが、そうでなければ、反応媒体と混合する溶媒中に溶解して供給することができる。特に好ましいのは、モノマー混合物中に溶解した架橋剤である。
【0080】
重合のために架橋剤を使用するならば、架橋剤は、重合させるべきモノマーa)からc)までの総量を基準として、少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくとも0.05重量%、特に好ましくは少なくとも0.1重量%の量で、かつ多くても5重量%、好ましくは多くても2重量%、そして特に好ましくは多くても1重量%の量で使用される。
【0081】
本発明の特に好ましい実施形態において、ペンタエリトリトールトリアリルエーテルが、0.1重量%から0.7重量%までの量で、もっとも好ましくは0.3重量%から0.6重量%までの量で使用される。
【0082】
架橋剤の量の重量%は、ポリマーの調製に使用されるa)からc)までのモノマーの総量に関するものである。
【0083】
しかしながら、ある好ましい実施形態において、ポリマーを調製するために架橋剤は使用されない。
【0084】
K値
本発明にしたがって使用するのに適したポリマーのK値は、好ましくは20から60まで、特に好ましくは30から55まで、そして特に40から50までの範囲にある。重合に使用されるモノマーb)が、少なくとも70モル%まで、好ましくは少なくとも80モル%まで、そして特に少なくとも90モル%までのメタクリル酸からなる場合、本発明にしたがって使用するのに適したポリマーのK値は、特に好ましくは20から30までの範囲にある。K値を測定する方法は、下記に述べる。
【0085】
頭髪用化粧品
本発明にしたがって使用するのに適したポリマーは、化粧品組成物中に、組成物の重量に基づいて、0.01から10重量%まで、好ましくは0.05から1重量%まで、特に好ましくは0.1から0.8重量%までの量が含まれる。本発明の好ましい実施形態において、本発明のシャンプーおよびヘアケア組成物は、カチオン性ポリマーに加えて、少なくとも1つの界面活性剤をさらに含有する。本発明のさらに好ましい実施形態において、本発明のシャンプーおよびヘアケア組成物は、カチオン性ポリマーの他に、少なくとも1つの油相および/または脂肪相、および界面活性剤も含有する。
【0086】
界面活性剤
使用することができる界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、および/または両性界面活性剤である。
【0087】
本発明の目的のために有利な洗浄活性のあるアニオン性界面活性剤は、
-アシルアミノ酸およびその塩、たとえば、アシルグルタミン酸塩、具体的にはアシルグルタミン酸ナトリウム
-サルコシネート、たとえばミリストイルサルコシン、TEA-ラウロイルサルコシン、ラウロイルサルコシンナトリウムおよびココイルサルコシンナトリウム、
スルホン酸およびその塩、たとえば、
-アシルイセチオネート、たとえばココイルイセチオン酸ナトリウムもしくはアンモニウム
-スルホスクシネート、たとえばスルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウムおよびスルホコハク酸ウンデシレンアミドMEA二ナトリウム、REG-5ラウリルクエン酸スルホコハク酸二ナトリウム、および誘導体、
-アルキルエーテル硫酸塩、たとえば、ラウレス硫酸ナトリウム、アンモニウム、マグネシウム、MIPA、TIPA;ミレス硫酸ナトリウム、およびC12-13パレス硫酸ナトリウム、
-アルキル硫酸塩、たとえば、ラウリル硫酸ナトリウム、アンモニウムおよびTEAである。
【0088】
他に有利なアニオン性界面活性剤は、
-タウリン塩、たとえば、ラウロイルタウリンナトリウムおよびココイルメチルタウリンナトリウム、
-エーテルカルボン酸、たとえば、ラウレス-13カルボン酸ナトリウム、およびPEG-6コカミドカルボン酸ナトリウム、オリーブ油PEG-7カルボン酸ナトリウム、
-リン酸エステルおよび塩、たとえば、オレス-10リン酸DEAおよびジラウレス-4リン酸、
-アルキルスルホン酸塩、たとえば、ココモノグリセリド硫酸ナトリウム、オレフィン(C12-14)スルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、およびPEG-3コカミド硫酸マグネシウム、
-アシルグルタミン酸塩、たとえば、パルミトイルアスパラギン酸ジ-TEA、およびカプリル/カプリングルタミン酸ナトリウム(sodium caprylic/capric glutamate)、
-アシルペプチド、たとえば、パルミトイル加水分解乳タンパク、ココイル加水分解豆タンパクナトリウムおよびココイル加水分解コラーゲンナトリウム/カリウム、ならびにカルボン酸および誘導体、たとえば、ラウリン酸、ステアリン酸アルミニウム、アルカノール酸マグネシウムおよびウンデシレン酸亜鉛、カルボン酸エステル、たとえば、ラクチル酸ステアロイルカルシウム、ラウレス-6クエン酸塩、およびPEG-4ラウラミドカルボン酸ナトリウム、
-アルキルアリールスルホン酸塩
である。
【0089】
本発明の目的に有利な洗浄活性のあるカチオン性界面活性剤は、4級界面活性剤である。4級界面活性剤は、4つのアルキルもしくはアリール基と共有結合した、少なくとも1つのN原子を有する。たとえば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、およびアルキルアミドプロピルヒドロキシスルタインが好都合である。
【0090】
本発明の目的に有利な他のカチオン性界面活性剤には次のものもある:
-アルキルアミン、
-アルキルイミダゾール、および
-エトキシル化アミン
ならびに、特にその塩。
【0091】
本発明の目的に有利な洗浄活性のある両性界面活性剤は、アシル/ジアルキルエチレンジアミン、たとえば、アシルアンホ酢酸ナトリウム、アシルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、アルキルアンホジ酢酸二ナトリウム、アシルアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、アシルアンホジ酢酸二ナトリウム、アシルアンホプロピオン酸ナトリウム、およびN-ヤシ脂肪酸-アミドエチル-N-ヒドロキシエチルグリシン酸ナトリウム塩である。
【0092】
他の有利な両性界面活性剤は、N-アルキルアミノ酸、たとえば、アミノプロピルアルキルグルタミド、アルキルアミノプロピオン酸、アルキルイミドジプロピオン酸ナトリウム、およびラウロアンホカルボキシグリシン酸塩である。
【0093】
本発明の目的に有利な洗浄活性のある非イオン性界面活性剤は、
-アルカノールアミド、たとえば、コカミドMEA/DEA/MIPA、
-カルボン酸と、酸化エチレン、グリセロール、ソルビタンもしくは他のアルコールとのエステル化によって生成するエステル類、
-エーテル類、たとえば、エトキシル化アルコール、エトキシル化ラノリン、エトキシル化ポリシロキサン、プロポキシル化POEエーテル、アルキルポリグリコシド、たとえば、ラウリルグルコシド、デシルグリコシドおよびココグリコシド、HLB値が少なくとも20のグリコシド(例、Belsil(登録商標)SPG 128V (Wacker))、
である。
【0094】
他に有利な非イオン性界面活性剤は、アルコール類およびアミン酸化物、たとえば、ココアミドプロピルアミンオキシドである。
【0095】
好ましいアニオン性、両性および非イオン性のシャンプー界面活性剤は、たとえば、“Kosmetik und Hygiene von Kopf bis Fuβ“ [Cosmetics and hygiene from head to toe], Ed. W. Umbach, 3rd Edition, Wiley-VCH, 2004, pp. 131-134に記載されており、これについては、ここで全体をそのまま引用する。
【0096】
アルキルエーテル硫酸塩のなかで、ジ-もしくはトリ-エトキシル化ラウリルおよびミリスチルアルコールを基本とするアルキルエーテル硫酸ナトリウムが特に好ましい。これらは、水の硬度に対して感受性でないこと、濃厚にすることができること、低温で溶解性であること、ならびに特に皮膚および粘膜への適合性に関して、アルキル硫酸より相当程度すぐれている。これらは、シャンプー用の単独の洗浄原料として使用することもできる。ラウリルエーテル硫酸塩は、ミリスチルエーテル硫酸塩よりすぐれた起泡性を有するが、マイルドさの点でこれに劣る。
【0097】
平均的、および特に比較的高い分子量を有するアルキルエーテルカルボン酸塩は、全体的に見ると、もっともマイルドな界面活性剤に属するが、起泡および粘度挙動に乏しい。これらは、しばしば、洗髪組成物中で、アルキルエーテル硫酸塩および両性界面活性剤と組み合わせて使用される。
【0098】
スルホコハク酸エステルは、マイルドで、泡立ちやすい界面活性剤であるが、濃厚化させにくいため、他のアニオン性および両性界面活性剤とともに使用されて初めて好ましく、加えて、加水分解安定性が低いため、中性製品もしくは十分緩衝化された製品にのみ使用されることが好ましい。
【0099】
アミドプロピルベタインは、起泡挙動および濃厚化される能力がやや目立つだけなので、単独の洗浄原料としてはほとんど重要性がない。これに対して、こうした界面活性剤は、皮膚および眼の粘膜へのすぐれた適合性を有する。アニオン性界面活性剤と組み合わせると、そのマイルドさを相乗的に向上させることができる。コカミドプロピルベタインを使用することが好ましい。
【0100】
アンホ酢酸塩/アンホジ酢酸塩は、両性界面活性剤として、非常にすぐれた皮膚および粘膜適合性を有しており、ヘアーコンディショニング効果を及ぼすこと、および/または添加物のケア効果を高めることができる。これらは、アルキルエーテル硫酸塩製剤を最適化するためにベタイン類と同様に使用される。ココアンホ酢酸ナトリウムおよびココアンホジ酢酸二ナトリウムがもっとも好ましい。
【0101】
アルキルポリグリコシドは、非イオン性洗浄原料である。これはマイルドで、良好な一般的性質を有するが、起泡性が弱い。こうした理由から、これはアニオン性界面活性剤と組み合わせて使用することが好ましい。
【0102】
ソルビタンエステルも同様に非イオン性洗浄原料に属する。そのすぐれたマイルドさのため、ベビーシャンプーに使用することが好ましい。起泡性が低いので、アニオン性界面活性剤と組み合わせて使用することが好ましい。
【0103】
25を越えるHLB値を有する界面活性剤の一群から洗浄活性のある界面活性剤を選択することは好都合であるが、35を越えるHLB値を有するものから選択するのは特に有効である。
【0104】
本発明にしたがって、1つもしくは複数のこうした界面活性剤を、いずれの場合にも組成物の総重量を基準として、1から30重量%までの濃度で、好ましくは5から25重量%までの濃度で、そして特に非常に好ましくは10から20重量%までの濃度で使用するならば、好都合である。
【0105】
ポリソルベート
本発明の組成物に有効に組み入れることができる洗浄活性剤はポリソルベートである。
【0106】
本発明の目的のために有利なポリソルベートは、たとえば、
- モノラウリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン (Tween(登録商標)20, CAS No. 9005-64-5)
- モノラウリン酸ポリオキシエチレン(4)ソルビタン(Tween(登録商標)21, CAS No. 9005-64-5)
- モノステアリン酸ポリオキシエチレン(4)ソルビタン(Tween(登録商標)61, CAS No. 9005-67-8)
- トリステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン (Tween(登録商標)65, CAS No. 9005-71-4)
- モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(Tween(登録商標)80, CAS No. 9005-65-6)
- モノオレイン酸ポリオキシエチレン(5)ソルビタン (Tween(登録商標)81, CAS No. 9005-65-5)
- トリオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン (Tween(登録商標)85, CAS No. 9005-70-3)
- モノパルミチン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン (Tween(登録商標)40, CAS No. 9005-66-7) および
- モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン (Tween(登録商標)60, CAS No. 9005-67-8)
が特に好都合である。
【0107】
ポリソルベートは、単独で、または2つもしくはそれ以上のポリソルベートの混合物として、組成物の総重量に基づいて、0.1から5重量%までの濃度で、特に1.5から2.5重量%までの濃度で有利に使用される。
【0108】
コンディショニング剤
好ましい実施形態において、本発明のヘアケア組成物およびシャンプーは、さらにコンディショニング剤(コンディショナー)を含有する。
【0109】
本発明の好ましいコンディショニング剤は、たとえば、国際化粧品成分事典[International Cosmetic lngredient Dictionary and Handbook] (第4巻:R. C. Pepe、J.A. Wenninger、G. N. McEwen編、米国化粧品工業会(The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association)、第9版、2002)のセクション4のキーワード、ヘアコンディショニング剤(Hair Conditioning Agents)、保湿剤(Humectants)、スキンコンディショニング剤(Skin-Conditioning Agents)、スキンコンディショニング剤-エモリエント(皮膚軟化剤)(Skin-Conditioning Agents-Emollient)、スキンコンディショニング剤-保湿剤(Skin-Conditioning Agents-Humectant)、スキンコンディショニング剤-その他(Skin-Conditioning Agents-Miscellaneous)、スキンコンディショニング剤-密閉(Skin-Conditioning Agents-Occlusive)、および皮膚保護剤(Skin Protectants)の項目に記載された化合物、さらにまた、欧州特許公開(EP-A 934 956)(11-13ページ)の「水溶性コンディショニング剤」("water soluble conditioning agent")および「油溶性コンディショニング剤」("oil soluble conditioning agent")の項目に記載の化合物である。こうした参考文献はその全体を引用する。他の有利なコンディショニング剤は、たとえば、INCIにしたがってPolyquaternium(ポリクオタニウム)と呼ばれる化合物である(特に、Polyquaternium-1からPolyquaternium-74まで、下記の表1を参照されたい)。
【0110】
適当なコンディショニング剤には、たとえば、高分子4級アンモニウム化合物、カチオン性セルロース誘導体、キトサン誘導体、デンプン誘導体、マルトデキストリン誘導体および多糖誘導体、ならびに4級タンパク質加水分解物および4級シリコーン誘導体も含まれる。
【0111】
本発明に有利なコンディショニング剤は、下記の表1に示す化合物の中からここで選択することができる。
【表2】


【0112】
本発明に有利な他のコンディショニング剤は、セルロース誘導体、特にPolyquaternium-10およびPolyquaternium-67 (たとえば、Ucare(登録商標)ポリマーグレード、SoftCAT(登録商標) ポリマーグレード(Dow Chemical)) および4級化グアーガム誘導体、特に、グアーヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド( たとえば、Jaguar(登録商標) Excel、Jaguar(登録商標)C 162、Jaguar(登録商標)C-14SまたはC-13S (Rhodia)、CAS 65497-29-2、CAS 39421-75-5)である。
【0113】
非イオン性ポリ-N-ビニルピロリドン/ポリ酢酸ビニルコポリマー(たとえば、Luviskol(登録商標)VA 64 (BASF))、アニオン性アクリレートコポリマー(たとえば、Luviflex(登録商標)Soft (BASF))および/または両性アミド/アクリレート/メタクリレートコポリマー(たとえば、Amphomer(登録商標) (National Starch))も、コンディショニング剤として有利に使用することができる。
【0114】
レオロジー調整剤
適当なレオロジー調整剤は、おもに増粘剤である。
【0115】
シャンプーおよびヘアケア組成物に適した増粘剤は、“Kosmetik und Hygiene von Kopf bis Fuβ“ [Cosmetics and hygiene from head to toe], Ed. W. Umbach, 3rd Edition, Wiley-VCH, 2004, pp. 235-236に記載されており、これについては全体をそのまま引用する。
【0116】
界面活性剤ミセルの拡大の結果、または水相の膨潤の結果として粘度増加効果をもたらす増粘剤は、化学的に、きわめて異なるさまざまな種類の物質に由来する。
【0117】
本発明の組成物に適した増粘剤は、架橋ポリアクリル酸およびその誘導体;多糖類、たとえば、キサンタンガム、グアールグアール、寒天、アルギン酸塩もしくはチロース;セルロース誘導体、たとえば、カルボキシメチルセルロース、もしくはヒドロキシカルボキシメチルセルロースであり、加えて、比較的高分子量の、脂肪酸のポリエチレングリコール モノ-およびジエステル、脂肪アルコール、モノグリセリドおよび脂肪酸、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンも適当である。
【0118】
ポリアクリル酸、たとえば、Carbopol(登録商標)(Noveon)、Ultrez(登録商標) (Noveon)、Luvigel(登録商標) EM (BASF)、Capigel(登録商標)98 (Seppic)、Synthalene(登録商標) (Sigma)、Rohm and Haas 製Aculyn(登録商標) グレード、たとえば、Aculyn(登録商標) 22 (アクリレート、およびステアリル基を有するメタクリル酸エトキシレートのコポリマー(20酸化エチレン(EO)ユニット)) および Aculyn(登録商標) 28 (アクリレート、およびベヘニル基を有するメタクリル酸エトキシレートのコポリマー (25 EOユニット))もまた、適当な増粘剤である。
【0119】
それに加えて、適当な増粘剤は、たとえば、エアロゾルグレード(親水性シリカ)、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤、たとえば、エトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸のポリオールとのエステル、たとえば、ペンタエリトリトールもしくはトリメチロールプロパン、同族体分布の狭い脂肪アルコールエトキシレート、またはアルキルオリゴグルコシドであり、また、電解質、たとえば塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムも適当である。
【0120】
ゲルを生成するのに特に好ましい増粘剤は、Ultrez(登録商標)21, Aculyn(登録商標)28, Luvigel(登録商標) EMおよびCapigel(登録商標)98である。
【0121】
特に、比較的高濃度のシャンプー製剤の場合には、粘稠度を調節するために、製剤の粘度を下げる物質、たとえば、プロピレングリコールまたはグリセロールを添加することも可能である。こうした物質は、製品の特性にごくわずかしか影響を与えない。
【0122】
防腐剤
本発明の組成物は、有利に1つもしくは複数の防腐剤を含むことができる。水分含量の高い製品、たとえば、シャンプーは、微生物の増殖から確実に保護されなければならない。この目的で使用される最も重要な防腐剤は、尿素縮合物、p-ヒドロキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノールとメチルジブロモグルタロニトリルとの組み合わせ、ならびに、安息香酸、サリチル酸およびソルビン酸を含有する酸性防腐剤である。
【0123】
界面活性剤もしくはポリオール類の割合が高く水分含量の低いシャンプー濃縮物は、防腐剤なしで調合することもできる。
【0124】
本発明に関して有利な防腐剤は、たとえば、ホルムアルデヒドドナー(たとえば、DMDMヒダントイン、これはたとえば、Glydant(登録商標) (Lonza)という商標名で市販されている)、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピル(たとえば、Glycacil-L(登録商標)、Glycacil-S(登録商標) (Lonza)、Dekaben(登録商標)LMB (Jan Dekker))、パラベン(p-ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、たとえば、メチル、エチル、プロピルおよび/またはブチルパラベン)、デヒドロ酢酸(Euxyl(登録商標) K 702 (Schulke & Mayr))、フェノキシエタノール、エタノール、安息香酸である。いわゆる防腐助剤、たとえば、オクトキシグリセリン、グリシン、大豆なども有利に使用される。
【0125】
下記の表は、通常の防腐剤の概要を示す。
【表3】

【0126】
化粧品に通常含まれる防腐剤もしくは防腐助剤、たとえば、ジブロモジシアノブタン(2-ブロモ-2-ブロモメチルグルタロジニトリル)、フェノキシエタノール、ブチルカルバミン酸3-ヨード-2-プロピニル、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、イミダゾリジニル尿素、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-クロロアセトアミド、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、サリチル酸およびサリチル酸塩も有利である。
【0127】
使用される防腐剤がブチルカルバミン酸ヨウ化プロピル、パラベン(メチル、エチル、プロピルおよび/またはブチルパラベン)および/またはフェノキシエタノールであれば、特に好ましい。
【0128】
錯化剤:原材料およびシャンプーそれ自体も、おもに鋼鉄製の装置で調製されるので、最終生成物は微量の鉄(イオン)を含有する可能性がある。こうした不純物が、色素および香油成分との反応を通じて、製品の品質に悪影響を及ぼさないように、錯化剤、たとえば、エチレンジアミン四酢酸塩、ニトリロ三酢酸塩、イミノジコハク酸塩またはリン酸塩が添加される。
【0129】
紫外線防護フィルター:本発明の組成物中に存在する成分、たとえば、色素および香油などを、紫外線のもたらす変化に抗して安定化するために、紫外線防護フィルター、たとえば、ベンゾフェノン誘導体を組み入れることができる。化粧品として許容される紫外線防護フィルターはいずれも、この目的に適している。
【0130】
酸化防止剤:酸化防止剤の含有は一般に好ましい。本発明にしたがって使用することができる酸化防止剤は、化粧品用途に通常使用され、または適している酸化防止剤のすべてである。酸化防止剤は、アミノ酸(たとえば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(たとえば、ウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、たとえば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンおよびその誘導体(たとえば、アンセリン)、カロチノイド、カロテン(たとえば、α-カロチン、β-カロチン、γ-リコピン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポン酸およびその誘導体(たとえば、ジヒドロリポン酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール類(たとえば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、およびそれらのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル、ならびにそのグリセリルエステル)およびそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、ならびきわめて低い許容量(たとえば、pmolからμmol/kg)のスルホキシイミン化合物(たとえば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタチオニンスルホキシイミン)、またそれに加えて、(金属)キレート剤(たとえば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(たとえば、クエン酸、乳酸、マレイン酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(たとえば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、フルフリリデンソルビトールおよびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールならびにその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(たとえば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(たとえば、ビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)、ならびにベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤシン酸(nordihydroguaiacic acid)、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸および誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(たとえば、ZnO, ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(たとえば、セレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(たとえば、スチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)、ならびに上記活性成分の本発明に適した誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)からなる群から有利に選択される。
【0131】
組成物中の上記酸化防止剤(1つもしくは複数の化合物)の量は、組成物の総重量を基準として、好ましくは0.001から30重量%まで、特に好ましくは0.05から20重量%まで、とりわけ0.1から10重量%までである。
【0132】
ビタミンEおよび/またはその誘導体が1つもしくは複数の酸化防止剤となる場合、これらを、組成物の総重量を基準として、0.001から10重量%までの濃度で与えることが有利である。
【0133】
ビタミンAもしくはビタミンA誘導体、またはカロテンもしくはその誘導体が1つもしくは複数の酸化防止剤となる場合、これらを、組成物の総重量を基準として、0.001から10重量%までの濃度で与えることが有利である。
【0134】
緩衝剤:緩衝剤は組成物のpH安定性を保証する。概して、クエン酸、乳酸、リン酸緩衝液が用いられる。
【0135】
溶解促進剤:これはケアオイルまたは香油を溶解して透明な溶液を与えるために、また、低温で透明な溶液を維持するためにも使用される。もっとも一般的な溶解促進剤は、エトキシル化された非イオン性界面活性剤、たとえば、水素添加およびエトキシル化ヒマシ油である。
【0136】
抗菌剤:さらに、抗菌剤も使用することができる。これには、グラム陽性細菌に対して明確な効果を有する、すべての適当な防腐剤、たとえばトリクロサン(2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル)、クロルヘキシジン(1,1'-ヘキサメチレンビス[5-(4-クロロフェニル)ビグアニド])、およびTTC(3,4,4'-トリクロロカルバニリド)が含まれる。4級アンモニウム化合物は、基本的には同様に適しており、好ましくは消毒用石鹸および洗浄ローションに使用される。多くの香料も抗菌性を有する。また、多数の精油もしくはそうした特徴を有する成分、たとえば、チョウジ油(オイゲノール)、ハッカ油(メントール)、またはタイム油(チモール)も、顕著な抗菌効果を示す。
【0137】
抗菌効果のある物質は、一般に、約0.1から0.3重量%までの濃度で使用される。
【0138】
分散剤:不溶性活性成分、たとえば、ふけ防止活性成分もしくはシリコーン油、を本発明の組成物中に分散させる、またはいつまでも懸濁状態を保たせる場合、分散剤および増粘剤、たとえば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、脂肪酸アシル誘導体、ポリビニルピロリドン、または親水コロイド、たとえば、キサンタンガムもしくはカルボマーを使用しなければならない。
【0139】
本発明によれば、防腐剤は、組成物の全重量を基準として、防腐剤全体の濃度として、多くても2重量%、好ましくは多くても1.5重量%、そして特に好ましくは多くても1重量%の濃度で存在する。
【0140】
油、脂肪およびワックス
本発明の組成物は、油、脂肪、および/またはワックスを含有することが好ましい。
【0141】
本発明の組成物の油相および/または脂肪相の構成成分は、有利には、レシチンおよび脂肪酸トリグリセリド、すなわち鎖長8〜24、とりわけ12〜18炭素原子の、飽和および/または不飽和、分岐鎖および/または非分岐鎖アルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルの群から選択される。たとえば、脂肪酸トリグリセリドは、有利には、合成油、半合成油、および天然油、たとえば、オリーブ油、ひまわり油、大豆油、ピーナッツ油、菜種油、アーモンド油、パーム油、ココナッツ油、ヒマシ油、小麦胚芽油、グレープシード油、サフラワー油、月見草油、マカダミアナッツ油などの一群から選択することができる。さらに極性の油成分は、鎖長3〜30炭素原子の飽和および/または不飽和、分岐鎖および/または非分岐鎖アルカンカルボン酸と、鎖長3〜30炭素原子の飽和および/または不飽和、分岐鎖および/または非分岐鎖アルコールとのエステルの一群から、加えて、芳香族カルボン酸と、鎖長3〜30炭素原子の飽和および/または不飽和、分岐鎖および/または非分岐鎖アルコールとのエステルの一群から選択することができる。こうしたエステル油は、また、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、オレイン酸n-デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、炭酸ジカプリリル(Cetiol CC)およびココグリセリド(Myritol 331)、ジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコール、およびアジピン酸ジブチル、ならびにホホバ油などのような上記エステルの合成、半合成および天然混合物の一群から有利に選択することができる。
【0142】
さらに、1つもしくは複数の油成分は、一群の分岐鎖および非分岐鎖の炭化水素および炭化水素ワックス、シリコーン油、ジアルキルエーテル、一群の飽和もしくは不飽和、分岐鎖もしくは非分岐鎖アルコールから有利に選択することができる。
【0143】
こうした油およびワックス成分の望ましい混合物はいずれも、本発明に関連して有利に使用することができる。必要に応じて、ワックス、たとえば、パルミチン酸セチルを油相の単独の脂質成分として使用することも好都合である場合がある。
【0144】
本発明にしたがって、油成分は、有利には、イソステアリン酸2-エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、イソエイコサン、ヤシ油脂肪酸2-エチルヘキシル、安息香酸C12-15-アルキル、カプリル-カプリン酸トリグリセリド、ジカプリリルエーテルの一群から選択される。
【0145】
安息香酸C12-15-アルキルとイソステアリン酸2-エチルヘキシルとの混合物、安息香酸C12-15-アルキルとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物、ならびに安息香酸C12-15-アルキル、イソステアリン酸2-エチルヘキシルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物も本発明にしたがって有利である。
【0146】
本発明にしたがって、使用される5〜50 mN/mの極性を有する油は、特に好ましくは、脂肪酸トリグリセリドであり、中でも大豆油および/またはアーモンド油である。
【0147】
炭化水素のうち、パラフィン油、スクアラン、スクアレン、および特に(必要に応じて水素化された)ポリイソブテンは、本発明に関連して有利に使用することができる。
【0148】
それに加えて、油相は、Guerbetアルコールの一群から有利に選択することができる。Guerbetアルコールは、反応式:
【化7】

【0149】
にしたがって、アルデヒドを生じるアルコールの酸化、そのアルデヒドのアルドール縮合、アルドールからの水の除去、およびアリルアルデヒドの水素付加によって形成される。Guerbetアルコールは、低温でも液体であり、肌への刺激をほとんど引き起こさない。これは、化粧品組成物において、ファッティング(fatting)、スーパーファッティング(superfatting)およびリファッティング(refatting)成分としても有利に使用することができる。
【0150】
化粧品にGuerbetアルコールを使用することそれ自体は知られている。こうした分子種は、ほとんどの場合下記の構造によって特徴付けられる。
【化8】

【0151】
ここで、R1およびR2は一般に非分岐アルキル基である。
【0152】
本発明によれば、Guerbetアルコール(1つまたは複数)は、
R1 = プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチル、ならびに
R2 = ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシルまたはテトラデシル
である一群から有利に選択される。
【0153】
本発明に好ましいGuerbetアルコールは、2-ブチルオクタノール(たとえばlsofol(登録商標)12 (Condea)として市販されている)および2-ヘキシルデカノール(たとえばlsofol(登録商標)16 (Condea)として市販されている)である。
【0154】
本発明によるGuerbetアルコールの混合物を、本発明にしたがって有利に使用することもでき、これはたとえば、2-ブチルオクタノールおよび2-ヘキシルデカノールの混合物(たとえばlsofol(登録商標)14 (Condea)として市販されている)である。
【0155】
こうした油およびワックス成分の望ましい混合物はいずれも、本発明に関連して有利に使用することができる。
【0156】
ポリオレフィンの中で、ポリデセンが好ましい物質である。
【0157】
1つもしくは複数のシリコーン油を除いて、他の油相の追加成分を使用することが好ましいが、有利には、油成分は、環状もしくは直鎖状シリコーン油成分を含有していてもよく、完全にシリコーン油から構成されていてもよい。
【0158】
低分子量シリコーンまたはシリコーン油は、一般に、下記の一般式で定義される。
【化9】

【0159】
高分子量シリコーンまたはシリコーン油は、一般に、下記の一般式で定義される。
【化10】

【0160】
式中、ケイ素原子は同一または異なるアルキル基および/またはアリール基で置換されていてもよく、これらの基はここでは一般的な表現としてR1からR4の基で示される。しかしながら、異なる基の番号は必ずしも4までに限定されない。mはここでは2から200,000までの数値を想定することができる。
【0161】
本発明にしたがって有利に使用することができる環状シリコーンは、一般に、下記の一般式で定義される。
【化11】

【0162】
式中、ケイ素原子は同一のまたは異なるアルキル基および/またはアリール基で置換されていてもよく、これらの基はここでは一般的な表現としてR1からR4の基で示される。しかしながら、異なる基の番号は必ずしも4までに限定されない。nはここでは3/2から20までの数値を想定することができる。nに対する分数の値は、奇数個のシロキシル基が環内に存在しうることを考慮するものである。
【0163】
フェニルトリメチコンをシリコーン油として選択するのは有利である。他のシリコーン油、たとえば、ジメチコン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、フェニルジメチコン、シクロメチコン(たとえば、デカメチルシクロペンタシロキサン)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、セチルジメチコン、ベヘノキシジメチコンも本発明に関連して有利に使用することができる。シクロメチコンおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物、ならびにシクロメチコンおよびイソステアリン酸2-エチルヘキシルの混合物も有利である。
【0164】
しかしながら、有機側鎖が誘導体化、たとえば、ポリエトキシル化および/またはポリプロポキシル化された、上記化合物と構造の類似したシリコーン油を選択するのも有利である。これらには、たとえば、ポリシロキサンポリアルキル-ポリエーテル コポリマー、その例としてセチル-ジメチコンコポリオールがある。
【0165】
シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)は、本発明にしたがって使用されるシリコーン油として、有利に使用される。
【0166】
本発明にしたがって有利に使用される脂肪および/またはワックス成分は、植物蝋、動物蝋、鉱蝋、および石油化学系ワックスからなる一群から選択することができる。たとえば、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、モクロウ、アフリカハネガヤ蝋、コルク蝋、グアルマ(guaruma)蝋、米胚芽油蝋、甘蔗蝋、ベリー蝋、オーリキュリー(ouricury)蝋、モンタンロウ、ホホバワックス、シアバター、ミツロウ、セラックロウ、鯨蝋、ラノリン(羊毛脂)、尾脂、セレシン、オゾケライト(地蝋)、パラフィンワックス、およびマイクロワックスが有利である。
【0167】
他に有利な脂肪および/またはワックス成分には、化学的に修飾された蝋および合成ワックスがあり、たとえば、Syncrowax(登録商標)HRC(トリベヘン酸グリセリル)およびSyncrowax(登録商標)AW 1 C(C18-36-脂肪酸);ならびに、モンタンエステルワックス;サゾールワックス(sasol wax);水添ホホバワックス;合成もしくは修飾ミツロウ(たとえば、ジメチコンコポリオールミツロウ、および/またはC30-50-アルキルミツロウ);リシノレイン酸セチル、たとえばTegosoft(登録商標)CR;ポリアルキレンワックス;ポリエチレングリコールワックスであるが、また、化学的に修飾された脂肪、たとえば水添植物油(例として、水添ヒマシ油および/または水添ココヤシ脂肪グリセリド);トリグリセリド、たとえば、水添大豆グリセリド;トリヒドロキシステアリン;脂肪酸;脂肪酸エステルおよびグリコールエステル、たとえば、ステアリン酸C20-40-アルキル、ヒドロキシステアロイルステアリン酸C20-40-アルキルおよび/またはモンタン酸グリコールも挙げられる。さらに、上記の脂肪および/またはワックス成分と同様の物理的特性を有する一定の有機ケイ素化合物、たとえば、ステアロキシメチルシランも有利である。
【0168】
本発明にしたがって、脂肪および/またはワックス成分は組成物中で、単独でも、あるいは混合物としても使用することができる。
【0169】
こうした油およびワックス成分の望ましい混合物も、本発明に関連して有利に使用することができる。
【0170】
油相は、有利には、イソステアリン酸2-エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、ジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコール、ヤシ油脂肪酸2-エチルヘキシル、安息香酸C12-15-アルキル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ジカプリリルエーテルからなる一群から選択される。
【0171】
オクチルドデカノール、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、ジカプリリルエーテル、炭酸ジカプリリル、ココグリセリドの混合物、または安息香酸C12-15-アルキルおよびイソステアリン酸2-エチルヘキシルの混合物、安息香酸C12-15-アルキルおよびジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコールの混合物、ならびに安息香酸C12-15-アルキル、イソステアリン酸2-エチルヘキシルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物が特に有利である。
【0172】
炭化水素のうち、パラフィン油、シクロパラフィン、スクアラン、スクアレン、水素化ポリイソブテンおよびポリデセンもまた、本発明に関連して有利に使用することができる。
【0173】
油成分はまた、リン脂質群からも有利に選択される。リン脂質は、アシル化グリセロールのリン酸エステルである。ホスファチジルコリンのうち最も重要なのは、たとえばレシチンであって、これは下記の一般式によって特徴付けられる。
【化12】

【0174】
式中、R'およびR"は、典型的には、15〜17個の炭素原子および最大で4個のシス二重結合を有する非分岐脂肪族基である。
【0175】
本発明にしたがって使用することができる本発明に有利なパラフィン油は、Merkur Vaseline社製 Merkur White Oil Pharma 40、Shell & DEA Oil社製Shell Ondina(登録商標)917、Shell Ondina(登録商標)927、Shell Oil 4222、Shell Ondina(登録商標)933、Hansen & Rosenthal社製Pionier(登録商標)6301 S、Pionier(登録商標)2071である。
【0176】
適切な、化粧品に適合する油脂成分は、Karl-Heinz Schrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and Formulations of Cosmetics], 2nd edition, Verlag Huthig, Heidelberg, pp. 319-355に記載され、これについては、ここでその全体を引用するものとする。
【0177】
さらに油脂およびワックスの含量は、組成物の全重量を基準として、多くても50重量%、好ましくは30重量%、さらに好ましくは多くても20重量%である。
【0178】
上記物質の他に、組成物は、必要に応じて、化粧品に通常使用される添加剤、たとえば、香料、色素、再脂肪化物質、錯化剤および金属イオン封鎖剤、パール光沢剤、植物エキス、ビタミン類、活性成分、着色効果のある顔料、柔軟剤、湿潤化および/または保湿物質、または化粧品もしくは皮膚用製剤に通常使用される他の成分、たとえば、アルコール類、ポリオール類、ポリマー類、pH調製のための有機酸、泡安定剤、電解質、有機溶媒、もしくはシリコーン誘導体を含有することができる。
【0179】
当業者に知られている、記載された他の組成物成分に関しては、“Kosmetik und Hygiene von Kopf bis Fuβ“ [Cosmetics and hygiene from head to toe], Ed. W. Umbach, 3rd Edition, Wiley-VCH, 2004, pp. 123-128を参照することができ、これについては、ここでその全体を引用するものとする。
【0180】
エトキシル化グリセロール脂肪酸エステル
シャンプーおよびヘアケア組成物のような本発明の組成物は、必要に応じて、エトキシル化された油を含有するが、これは、エトキシル化されたグリセロール脂肪酸エステル、特に好ましくはオリーブ油PEG-10グリセリド、アボカド油PEG-11グリセリド、カカオ脂PEG-11グリセリド、ヒマワリ油PEG-13グリセリド、イソステアリン酸PEG-15グリセリル、ヤシ油脂肪酸PEG-9グリセリド、PEG-54水添ヒマシ油、PEG-7水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、ホホバ油エトキシレート(ホホバ脂肪酸PEG-26、PEG-26ホホバアルコール)、ヤシ油脂肪酸グリセレス-5、ヤシ油脂肪酸PEG-9グリセリド、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、パーム核油PEG-45グリセリド、PEG-35ヒマシ油、オリーブ油PEG-7エステル、カプリル酸/カプリン酸PEG-6グリセリド、オリーブ油PEG-10グリセリド、ヒマワリ油PEG-13グリセリド、PEG-7水添ヒマシ油、水添パーム核油グリセリドPEG-6エステル、コーン油PEG-20グリセリド、オレイン酸ヤシ脂肪酸PEG-18グリセリル、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、コーン油PEG-60グリセリド、PEG-54水添ヒマシ油、パーム核油PEG-45グリセリド、ヤシ油脂肪酸PEG-80グリセリル、アーモンド油脂肪酸PEG-60グリセリド、月見草油PEG-60グリセリド、水添パーム油脂肪酸PEG-200グリセリル、イソステアリン酸PEG-90グリセリルからなる一群から選択される。
【0181】
好ましいエトキシル化油は、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、ヤシ油PEG-9グリセリド、PEG-40水添ヒマシ油、水添パーム油脂肪酸PEG-200グリセリルである。
【0182】
エトキシル化グリセロール脂肪酸エステルは、さまざまな目的で、水性の洗浄剤に使用される。エトキシル化の度合いが30〜50のグリセロールの脂肪酸エステルは、香油などの非極性物質に対して溶解促進剤として働く。高度にエトキシル化されたグリセロールの脂肪酸エステルは増粘剤として使用される。
【0183】
活性成分
シャンプーおよびヘアケア組成物のような本発明の組成物中に、さまざまな溶解度の活性成分を均一に組み入れることができることが明らかになった。毛髪上での活性成分の持続性は、従来の界面活性剤含有洗浄剤よりも、本明細書に記載の組成物の方が高い。
【0184】
本発明にしたがって、活性成分(1つもしくは複数の化合物)は、アセチルサリチル酸;アトロピン;アズレン;ヒドロコルチゾンおよびその誘導体、たとえば、ヒドロコルチゾン17-吉草酸エステル;ビタミンB群およびD群、なかでもビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンD;ビタミンAおよびその誘導体、たとえば、パルミチン酸レチニル;ビタミンEおよびその誘導体、たとえば、酢酸トコフェロール;ビタミンCおよびその誘導体;たとえば、アスコルビン酸グルコシド;ならびにナイアシンアミド;パンテノール;ビサボロール;ポリドカノール;不飽和脂肪酸、たとえば、必須脂肪酸(通常ビタミンFと称される)、具体的にはγ-リノレン酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸およびその誘導体;クロラムフェニコール;カフェイン;プロスタグランジン;チモール;ショウノウ;スクアレン;動植物起源の抽出物および他の製品、たとえば、月見草油、ルリヂサ油もしくはクロフサスグリ種子油、魚油、肝油、またさらに、セラミドおよびセラミド様化合物、香木エキス、緑茶エキス、ハスエキス、甘草エキス、ハマメリス;ふけ防止活性成分(たとえば、二硫化セレン、ジンクピリチオン、ピロクトン、オラミン、クリンバゾール、オクトピロックス、ポリドカノールおよびそれらの組み合わせ);複合活性成分、たとえば、γ-オリザノール由来成分、ならびにカルシウム塩、たとえば、パントテン酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウムからなる一群から有利に選択することができる。
【0185】
リファッティング物質、たとえば、ピュアセリンオイル、Eucerit(登録商標)およびNeocerit(登録商標)の一群から活性成分を選択するもの有利である。
【0186】
特に本発明の組成物が、内因性および/または外因性の老化の兆候を治療および予防するために、加えて、紫外線の毛髪に対する有害な影響を治療および予防するために、役立つものであるならば、1つもしくは複数の活性成分はNOシンターゼインヒビターの一群から特に有利に選択される。好ましいNOシンターゼインヒビターはニトロアルギニンである。
【0187】
さらに、1つもしくは複数の活性成分は、カテキンおよびカテキンの胆汁酸エステル、ならびに、たとえばツバキ科(Theaceae)植物の葉、特にチャノキ(緑茶)(Camellia sinensis)の葉のように、カテキンおよびカテキンの胆汁酸エステルを含有する植物体もしくは植物体の一部に由来する、水性もしくは有機抽出物からなる一群から有利に選択される。これらの典型的な成分(たとえば、ポリフェノールもしくはカテキン、カフェイン、ビタミン、糖、ミネラル、アミノ酸、脂質)は特に有利である。
【0188】
カテキンは、水素化されたフラボンもしくはアントシアニジンとみなされる化合物群であり、また「カテキン」の誘導体(カテコール、3,3',4',5,7-フラバンペンタオール、2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール)でもある。エピカテキン((2R,3R)-3,3',4',5,7-フラバンペンタオール)も、本発明に関して有利な活性成分である。
【0189】
カテキンを含有する植物抽出物、特に、緑茶の抽出物、たとえば、カメリア(Camellia)属の植物、具体的にはチャノキの品種、Camellia sinenis、C. assamica、C. taliensisおよびC. inawadiensis、ならびにこれらと、たとえばツバキ(Camellia japonica)との交配種の葉の抽出物も有利である。
【0190】
(-)-カテキン、(+)-カテキン、(-)-没食子酸カテキン、(-)-没食子酸ガロカテキン、(+)-エピカテキン、(-)-エピカテキン、(-)-没食子酸エピカテキン、(-)-エピガロカテキン、(-)-没食子酸エピガロカテキンの一群に属するポリフェノールおよびカテキンも好ましい活性成分である。
【0191】
フラボンおよびその誘導体(集合的に「フラボン類」と呼ぶことも多い)も、本発明に関して有利な活性成分である。これらは、下記の基本構造(置換位置が与えられる)を特徴とする:
【化13】

【0192】
本発明の組成物において好ましく使用することができる、より重要なフラボン類の一部を下記の表2に示す。
【表4】

【0193】
事実上、フラボン類はおおむねグリコシル化された形で存在する。
【0194】
本発明によれば、フラボノイドは次の一般式の物質群から選択されるのが好ましい:
【化14】

【0195】
[式中、Z1〜Z7は、互いに独立して、H、OH、アルコキシおよびヒドロキシアルコキシの一群から選択されるが、このアルコキシおよび/またはヒドロキシアルコキシ基は、分岐していても、分岐していなくてもよく、1〜18個の炭素原子を有することができる;また、Glyは、モノ-およびオリゴグリコシド基の一群から選択される]。
【0196】
しかしながら、本発明によると、フラボノイドは次の一般式の物質群から選択することができる:
【化15】

【0197】
[式中、Z1〜Z6は、相互に独立して、H、OH、アルコキシおよびヒドロキシアルコキシの一群から選択されるが、このアルコキシおよび/またはヒドロキシアルコキシ基は、分岐していても、分岐していなくてもよく、1-18個の炭素原子を有することができる;また、Glyは、モノ-およびオリゴグリコシド基の一群から選択される]。
【0198】
好ましくは、こうした構造は、次の一般式の物質群から選択することができる:
【化16】

【0199】
[式中、Z1〜Z6は、相互に独立して、上記の通りであり、Gly1、Gly2およびGly3は相互に独立して、モノグリコシド基もしくはオリゴグリコシド基である]。
【0200】
Gly2およびGly3はまた、個別に、もしくは共に、水素原子により飽和状態とすることができる。
【0201】
好ましくは、Gly1、Gly2およびGly3は相互に独立して、ヘキソシル基、特にラムノシル基およびグルコシル基の一群から選択される。しかしながら、他のヘキソシル基、たとえば、アロシル、アルトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシルおよびタロシルも、適切な場合、有利に使用することができる。本発明にしたがって、ペントシル基を使用することも、有利となることがある。
【0202】
有利には、Z1〜Z5は、相互に独立して、H、OH、メトキシ、エトキシおよび2-ヒドロキシエトキシの一群から選択され、フラボングリコシドは下記の一般構造式に相当する。
【化17】

【0203】
フラボングリコシドは、下記の構造により与えられる一群から特に有利に選択される:
【化18】

【0204】
[式中、Gly1、Gly2およびGly3は、相互に独立して、モノグリコシド基もしくはオリゴグリコシド基である]。
【0205】
Gly2およびGly3は、個別に、もしくは共に、水素原子により飽和状態としてもよい。
【0206】
好ましくは、Gly1、Gly2およびGly3は、相互に独立して、ヘキソシル基の一群から、特にラムノシル基およびグルコシル基の一群から選択される。しかしながら、他のヘキソシル基、たとえば、アロシル、アルトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシルおよびタロシルも、適切な場合には、有利に使用することができる。本発明にしたがって、ペントシル基を使用することも、有利となることがある。
【0207】
本発明に関連して、α-グルコシルルチン、α-グルコシルミリセチン、α-グルコシルイソクェルシトリン、α-グルコシルイソクェルセチンおよびα-グルコシルクェルシトリンの一群から、1つもしくは複数のフラボングリコシドを選択することが、特に有利である。
【0208】
その他の有利な活性成分は、セリコシド(sericoside)、ピリドキソール、ビタミンK、ビオチン、および芳香物質である。
【0209】
さらに、活性成分(1つもしくは複数の化合物)は、非常に有利なことに、親水性活性成分の一群から、特に下記の一群から選択することもできる:
α-ヒドロキシ酸、たとえば、乳酸もしくはサリチル酸、およびそれらの塩、たとえば、乳酸Na、乳酸Ca、乳酸TEA;尿素;アラントイン;セリン;ソルビトール;グリセロール;乳タンパク質;パンテノール;キトサン。
【0210】
記載の活性成分および活性成分の組み合わせの一覧は、本発明の組成物中で使用することができるものであるが、もちろん限定するものでははない。活性成分は、単独でも、相互にいかなる組み合わせでも、使用することができる。
【0211】
本発明の組成物中の、上記活性成分(1つもしくは複数の化合物)の量は、組成物の総重量に基づいて、好ましくは0.001から30重量%まで、特に好ましくは0.05から20重量%まで、とりわけ1から10重量%までである。
【0212】
本発明の組成物に使用することができる、上記およびその他の活性成分は、ドイツ特許DE 103 18 526 A1の12-17ページに記載され、これについては、ここでその全体を引用する。
【0213】
パール光沢ワックス
適当なパール光沢ワックスは、たとえば:アルキレングリコールエステル、具体的にはジステアリン酸エチレングリコール;脂肪酸アルカノールアミド、具体的にはヤシ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、具体的にはステアリン酸モノグリセリド;ヒドロキシ置換されていてもよい多塩基カルボン酸と、6〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエステル、具体的には、酒石酸の長鎖エステル;脂肪性物質、たとえば、全体で少なくとも24個の炭素原子を有する、脂肪アルコール、脂肪族ケトン、脂肪族アルデヒド、脂肪族エーテル、および脂肪族炭酸エステル、具体的にはラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、たとえば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、またはベヘン酸;12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコール、および/または、2〜15個の炭素原子および2〜10個のヒドロキシル基を有するポリオールによる開環生成物;ならびにこれらの混合物である。
【0214】
本発明の組成物はさらに、グリッター物質および/または他の色彩物質(たとえば、カラーストリーク(color streaks))を含有することができる。
【0215】
乳化剤
ある好ましい実施形態において、本発明のシャンプーおよびヘアケア組成物は、乳化剤を追加して含有する。適当な乳化剤はたとえば、下記の少なくとも一群に属する非イオン性界面活性剤である:
(1)2〜30 mol酸化エチレン、および/または0〜5 mol酸化プロピレンの、8〜22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコールへの、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸への、ならびにアルキル基に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの付加生成物;
(2)1〜30 molの酸化エチレンをグリセロールに付加した生成物の、C12/18脂肪酸モノ-およびジエステル;
(3)6〜22個の炭素原子を有する飽和および不飽和脂肪酸の、グリセロール モノ-およびジエステル、ならびにソルビタン モノ-およびジエステル、さらに、それらの酸化エチレン付加生成物;
(4)アルキル基に8〜22個の炭素原子を有するアルキルモノ-およびオリゴグリコシド、ならびにそれらのエトキシル化類似体;
(5)15〜60 molの酸化エチレンの、油への、たとえばヒマシ油および/または水添ヒマシ油への付加生成物;
(6)ポリオール、特にポリグリセロールのエステル類、たとえばポリリシノール酸ポリグリセロール、ポリ-12-ヒドロキシステアリン酸ポリグリセロール、またはダイマー酸ポリグリセロール。2つ以上のこれらの類の物質からの化合物の混合物も同様に適している;
(7)2〜15 molの酸化エチレンの、ヒマシ油および/または水添ヒマシ油への付加生成物;
(8)直鎖、分岐鎖、不飽和、もしくは飽和のC6/22-脂肪酸、リシノール酸、および12-ヒドロキシステアリン酸、ならびにグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、糖アルコール(たとえば、ソルビトール)、アルキルグルコシド(たとえば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、およびポリグルコシド(たとえば、セルロース)に基づく部分エステル;
(9)リン酸 モノ-、ジ-、およびトリアルキル、ならびにリン酸 モノ-、ジ-、およびトリ-PEG、さらにそれらの塩;
(10)羊毛脂アルコール;
(11)ポリシロキサン-ポリアルキル-ポリエーテルコポリマー、および対応する誘導体;
(12)ドイツ特許DE-PS 1165574によるペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸、および脂肪アルコールの混合エステル、ならびに/または6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコース、およびポリオール、好ましくはグリセロールもしくはポリグリセロールの混合エステル、さらに
(13)ポリアルキレングリコール。
【0216】
酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンの、脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセロールモノ-およびジエステル、ならびにソルビタンモノ-およびジエステルへの付加生成物、またはヒマシ油への付加生成物はよく知られた市販品である。これらは同族体混合物であって、その平均アルキル化度は、酸化エチレンおよび/または酸化プロピレンと、付加反応を受ける基質の、量的な比率に対応する。酸化エチレンのグリセロールへの付加生成物の、C12からC18-脂肪酸モノ-およびジエステルは、ドイツ特許DE-C 2024051から、化粧品のリファッティング剤として知られている。C8からC18-アルキルモノ-およびオリゴグリコシド、それらの調製およびそれらの使用は、先行技術から明らかである。それらの調製は、特に、グルコールもしくはオリゴ糖と、8〜18個の炭素原子を有する一級アルコールとを反応させることによって行われる。グリコシドエステルについては、環状の糖基が脂肪アルコールにグリコシド結合したモノグリコシド、またはオリゴマー化の程度が好ましくは約8までのオリゴマーグリコシドが適している。ここでオリゴマー化の程度は、こうした技術製品に通常用いられる同族体分布に基づいた統計学的な平均値である。
【0217】
さらに、双性イオン界面活性剤を乳化剤として使用することができる。双性イオン界面活性剤とは、分子内に、少なくとも1つの4級アンモニウム基、ならびに少なくとも1つのカルボン酸基および/または1つのスルホン酸基を保有する界面活性化合物を指すために使用される用語である。特に適当な双性イオン界面活性剤は、いわゆるベタイン、例を挙げると、アルキル基もしくはアシル基に、いずれの場合も8〜18個の炭素原子を有する、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム グリシナート、たとえばココアルキルジメチルアンモニウムグリシナート;N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウム グリシナート、たとえばココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウム グリシナート;および、2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、ならびに、ココアシルアミノエチル ヒドロキシエチルカルボキシ-メチルグリシナートである。
【0218】
特に好ましいのは、CTFA名称コカミドプロピルベタインとして知られている脂肪酸アミド誘導体である。同様に適切な乳化剤は、両性界面活性剤である。両性界面活性剤は、分子内に、C8からC12-アルキルもしくは-アシル基の他に、少なくとも1つの遊離アミノ基、ならびに少なくとも1つの-COOHおよび/または-SO3H基を有する界面活性化合物を意味すると理解され、内部で塩を形成することができる。適当な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミドジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸、およびアルキルアミノ酢酸であって、これらはいずれもアルキル基に約8〜18個の炭素原子を有するものである。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオン酸、ココアシルアミノエチルアミノプロピオン酸、およびC12からC18-アシルサルコシンである。
【0219】
両性乳化剤に加えて、4級乳化剤も適しており、特に好ましいのは、4級化されたエステル型、好ましくはメチル-4級化ジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩である。
【0220】
香油
必要に応じて、シャンプーおよびヘアケア組成物といった本発明の組成物は、香油を含有することができる。記載できる香油は、たとえば、天然および合成香料の混合物である。天然香料は、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、オレンジ、イランイランノキ)、茎および葉(ゼラニウム、パチュリー、プチグレーン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェイ、ジュニパー)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(メース、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス(costus)、アイリス、カルムス(calmus))、木(松材、白檀材、ユソウボク(グアヤク)材、シーダー材、紫檀材)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、ハイマツ(dwarf-pine))、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポポナックス)からの抽出物である。動物性原料、たとえば、シベットおよびカストリウムも適している。典型的な合成香料化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型の香料化合物は、たとえば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸4-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、フェニルグリシン エチルメチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スチラリル、およびサリチル酸ベンジルである。エーテル類には、たとえば、ベンジルエチルエーテルがあり、アルデヒド類には、たとえば、8〜18個の炭素原子を有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアル(lilial)およびbourgeonalがあり、ケトン類には、たとえば、イオノン類、α-イソメチルイオノン類およびメチルセドリルケトンがあり、アルコール類には、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、およびテルピネオールがあり、炭化水素は、主にテルペン類およびバルサムである。しかしながら、合わさって心地よい芳香を作り出す、異なる香料の混合物を用いることが好ましい。揮発度の低い精油は、アロマ成分として主に使用されるものであるが、香油としても適しており、たとえば、セージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ミント油、桂皮油、リンデンブロッサムオイル、ジュニパーベリーオイル、ベチベル油、オリバナム油、ガルバナム油、ラブダナム油およびラバンジン油がある。ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアル(lilial)、リラール(lyral)、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、Boisambrene(登録商標)Forte、アンブロキサン、インドール、へディオン、sandelice、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、グリコール酸アリルアミル、シクロベルタール、ラバンジン油、クラリセージ油、β-ダマスコン、ゼラニウム油(ゼラニウムバーボン)、サリチル酸シクロヘキシル、Vertofix(登録商標)Coeur、iso-E-Super(登録商標)、Fixolide(登録商標)NP、エバニール、iraldein gamma、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキサイド、romillat、irotylおよびfloramatを単独で、または混合物として使用することが好ましい。
【0221】
顔料
適切な場合には、シャンプーおよびヘアケア組成物といった本発明の組成物は、色素も含有する。
【0222】
顔料は、製品中に溶解しない状態で存在し、0.01〜25重量%、特に好ましくは5〜15重量%の量で存在することができる。好ましい粒径は、1〜200μm、特に3〜150μm、特に好ましくは10〜100μmである。顔料は、使用溶媒にほとんど不溶性であって、無機または有機とすることができる着色剤である。無機-有機混合顔料も考えられる。好ましいのは無機顔料である。無機顔料の利点は、日光、気候、および温度に対するそのすぐれた堅牢度である。無機顔料は天然起源のもの、たとえば、白亜、黄土(オーカー)、焦げ茶色(アンバー)、緑土(グリーンアース)、赤土(バーントシェンナ)、または黒鉛とすることができる。顔料は、白色顔料、たとえば、二酸化チタンもしくは酸化亜鉛;黒色顔料、たとえば、酸化鉄黒;有色顔料、たとえば、ウルトラマリンもしくは酸化鉄赤;光輝顔料;金属色顔料、真珠光沢顔料、ならびに蛍光および燐光顔料とすることができるが、好ましくは少なくとも1つの顔料は、有色の、白色でない顔料である。
【0223】
金属酸化物、水酸化物、および酸化物水和物、混合相顔料、含硫ケイ酸塩、金属硫化物、金属シアン化物錯体、金属硫酸塩、クロム酸塩およびモリブデン酸塩、ならびに金属それ自体(ブロンズ顔料)も適当である。特に適しているのは、二酸化チタン(CI 77891)、酸化鉄黒(CI 77499)、酸化鉄黄(CI 77492)、酸化鉄赤および茶(CI 77491 )、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸ナトリウムアルミニウム、CI 77007、pigment blue 29)、クロム水和酸化物(C177289)、アイアンブルー(フェロシアン化第二鉄、CI77510)、カーマイン(コチニール)である。
【0224】
特に好ましいのは、金属酸化物もしくは金属オキシ塩化物、たとえば、二酸化チタンもしくはオキシ塩化ビスマス、ならびに、適切ならば、他の色を与える物質、たとえば、酸化鉄、アイアンブルー、ウルトラマリン、カーマインなどでコーティングされた、マイカをベースとした真珠光沢の有色顔料であって、この場合、色は、層の厚さを変えることによって決まってくる。このタイプの顔料は、たとえば、Rona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Dichrona(登録商標)およびTimiron(登録商標)(Merck)の商標名で販売されている。
【0225】
有機顔料は、たとえば、天然顔料セピア(イカ墨)、ガンボージ、チャコール(炭)、カッセルブラウン、インディゴ(藍)、クロロフィルおよび他の植物顔料である。合成有機顔料は、たとえば、アゾ顔料、アントラキノイド、インディゴイド、ジオキサジン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリノン、ペリレンおよびペリノン、錯塩、アルカリブルー、ならびにジケトピロロピロール顔料である。
【0226】
ある実施形態において、本発明の組成物は、0.01〜10重量%の、特に好ましくは0.05〜5重量%の、少なくとも1つの粒子状物質を含有する。適当な物質は、たとえば、室温(25℃)で固体であって、粒子の形で存在する物質である。たとえば、シリカ、ケイ酸塩、アルミン酸塩、粘土、マイカ、塩類、特に無機金属塩、金属酸化物、たとえば、二酸化チタン、鉱物およびポリマー粒子が適当である。
【0227】
粒子は、溶解しない状態で、好ましくは安定して分散した状態で、組成物中に存在し、適用表面に塗布して溶媒が蒸発した後、沈降して固体の状態となることができる。
【0228】
好ましい粒子状物質は、シリカ(シリカゲル、二酸化ケイ素)および金属塩、特に無機金属塩であるが、特に好ましいのはシリカである。金属塩は、たとえば、アルカリ金属、もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物、たとえば、塩化ナトリウムもしくは塩化カリウム;アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の硫酸塩、たとえば、硫酸ナトリウムもしくは硫酸マグネシウムである。
【0229】
ポリマー
本発明の組成物は、追加のポリマーを含有することができる。
【0230】
適当なポリマーは、たとえば、INCI名称Polyquaternium(ポリクオタニウム)を有する他の陽イオン性ポリマー、例を挙げると、ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(登録商標)FC、Luviquat(登録商標)HM、Luviquat(登録商標)MS、Luviquat(登録商標)Care、Luviquat(登録商標)UltraCare)、硫酸ジエチルで4級化されたN-ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルのコポリマー(Luviquat(登録商標)PQ 11)、N-ビニルカプロラクタム/N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat(登録商標)Hold);陽イオン性セルロース誘導体(Polyquaternium-4, -10, -67)、アクリルアミドコポリマー(Polyquaternium-7)およびキトサンである。
【0231】
Merquat(登録商標)(塩化ジメチルジアリルアンモニウムを基本とするポリマー)、Gafquat(登録商標)(ポリビニルピロリドンと4級アンモニウム化合物とを反応させることによって形成される4級ポリマー)、ポリマーJR(カチオン基を有するヒドロキシエチルセルロール)および植物に基づく陽イオン性ポリマー、たとえば、Rhodia社製 Jaguar(登録商標)グレードなどのグアールポリマーも、適当な陽イオン性(4級化された)ポリマーである。
【0232】
他の適当なポリマーには、中性ポリマー、たとえば、ポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドンと、酢酸ビニルおよび/またはプロピオン酸ビニルおよび/または(メタ)アクリル酸ステアリルとのコポリマー、ポリシロキサン、ポリビニルカプロラクタム、および他のN-ビニルピロリドンとのコポリマー、N-ビニルホルムアミドとのコポリマー、ならびにそれらの(部分)加水分解物、ポリエチレンイミンおよびその塩、ポリビニルアミンおよびその塩、セルロース誘導体、多糖誘導体、ポリアスパラギン酸塩および誘導体もある。上記には、たとえば、Luviflex(登録商標)Swing(ポリ酢酸ビニルおよびポリエチレングリコールの部分鹸化コポリマー、BASF)またはKollicoat(登録商標)IRが含まれる。
【0233】
WO 03/092640に記載のアクリルアミド(またはメタクリルアミド)コポリマー、とりわけ、実施例1-50(表1、40ページ以下参照)および実施例51-65(表2、ページ43)に記載の同コポリマーも、適当なポリマーであり、それについてはこれによりその全体を引用する。
【0234】
非イオン性で水溶性もしくは水分散性のポリマーまたはオリゴマーも適当なポリマーであって、これにはたとえば、ポリビニルカプロラクタム、一例としてLuviskol(登録商標)Plus (BASF)、またはポリビニルピロリドンおよびそのコポリマー、特に、酢酸ビニルなどのビニルエステルとのコポリマー、一例としてLuviskol(登録商標)VA 64 (BASF);ポリアミド類、たとえば、ドイツ特許DE-A-43 33 238に記載のような、イタコン酸および脂肪族ジアミンを基本とするものがある。
【0235】
両性または双性イオンポリマーも適当なポリマーであって、これにはたとえば、Amphomer(登録商標)(National Starch)という名称で入手可能なオクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/メタクリル酸tert-ブチルアミノエチル/メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル コポリマー、ならびに、たとえばドイツ特許DE 39 29 973, DE 21 50 557, DE 28 17 369およびDE 37 08 451に記載の、双性イオンポリマーも挙げられる。
【0236】
塩化アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム/アクリル酸もしくはメタクリル酸 コポリマー、ならびにそれらのアルカリ金属およびアンモニウム塩が、好ましい双性イオンポリマーである。
【0237】
加えて、適当な双性イオンポリマーは、メタクロイルエチルベタイン/メタクリレートコポリマー(これはAmersette(登録商標)(AMERCHOL)という名称で市販されている)、ならびにメタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、およびアクリル酸のコポリマー(Jordapon(登録商標))である。
【0238】
非イオン性で、シロキサンを含有する、水溶性もしくは水分散性のポリマー、たとえば、Tegopren(登録商標)(Goldschmidt)またはBelsil(登録商標)(Wacker)などのポリエーテルシロキサンも適当なポリマーである。
【0239】
さらに、バイオポリマーも適しているが、これはすなわち自然に再生可能な原材料から得られるポリマーであって、天然モノマーの構成単位、たとえば、セルロース誘導体、キチン、キトサン、DNA、ヒアルロン酸およびRNA誘導体からなる。
【0240】
本発明の他の製剤は、少なくとももう1つの水溶性ポリマー、特に、さまざまな分子量のキトサン(ポリ(D-グルコサミン))、および/またはキトサン誘導体を含有する。
【0241】
陰イオン性ポリマー
本発明の製剤に適した他のポリマーは、カルボン酸基を含有するコポリマーである。これらは、主鎖および/または側鎖に比較的多数の陰イオン性解離基を有する高分子電解質である。これらは陽イオン性ポリマーと高分子電解質複合体を形成することができる。
【0242】
ある実施形態において、本発明の組成物に使用される高分子電解質複合体は、陰イオン生成基/陰イオン性基を過剰に有する。
【0243】
本発明にしたがって使用するのに適した少なくとも1つの陽イオン性ポリマーの他に、高分子電解質複合体は、酸基を含有する少なくとも1つのポリマーを含む。
【0244】
高分子電解質複合体は、たとえば、陽イオン性ポリマーおよび酸基を有するポリマーを、約50:1から1:20まで、特に好ましくは20:1から1:5までの重量比で含有する。
【0245】
カルボン酸基を有する適当なポリマーは、たとえば、α,β-エチレン性不飽和モノマーのフリーラジカル重合によって得ることができる。その製法は、分子当たり少なくとも1つのフリーラジカル重合可能なα,β-エチレン性不飽和二重結合、ならびに少なくとも1つの陰イオン生成および/または陰イオン性基を含む、モノマーm1)を使用する。
【0246】
カルボン酸基を含有する適当なポリマーとしては、カルボン酸基を含有するポリウレタンもある。好ましくは、モノマーは、モノエチレン性不飽和カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸およびそれらの混合物から選択される。
【0247】
モノマーm1)としては、3〜25、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノ-およびジカルボン酸が挙げられるが、これらは塩もしくは無水物の形でも使用することができる。その例としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸およびフマル酸がある。モノマーとしては、4〜10、好ましくは4〜6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和ジカルボン酸、たとえばマレイン酸、の半エステル(たとえば、マレイン酸モノメチル)も挙げられる。モノマーとしては、モノエチレン性不飽和スルホン酸およびホスホン酸、たとえばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、アクリル酸スルホエチル、メタクリル酸スルホエチル、アクリル酸スルホプロピル、メタクリル酸スルホプロピル、2-ヒドロキシ-3-アクリルオキシプロピルスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸およびアリルホスホン酸も挙げられる。モノマーには、上記の酸の塩、特にナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩、ならびに上記のアミンとの塩も含まれる。モノマーは、そのまま、または他のモノマーとの混合物として使用することができる。記載の重量比はすべて、酸型を指している。
【0248】
好ましくは、モノマーm1)は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸およびそれらの混合物から選択されるが、特に好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの混合物から選択される。
【0249】
上記モノマーm1)は、いずれの場合にも、単独で、または何らかの望ましい混合物の形で、使用することができる。
【0250】
基本的に、カルボン酸基を含有するポリマーの調製に適したコモノマーは、陽イオン性ポリマーの成分として上記に示されたa)からc)までの化合物であるが、ただし、カルボン酸基を含有するポリマーが共重合した形で含んでいる、陰イオン生成性および陰イオン性基のモル分率は、陽イオン生成性および陽イオン性基のモル分率よりも高い。
【0251】
ある好ましい実施形態において、カルボン酸基を含有するポリマーは、上記架橋剤から選択される、少なくとも1つの共重合したモノマーを含んでいる。
【0252】
さらに、カルボン酸基を含有するポリマーは、好ましくは、下記の一般式VIの化合物から選択される、少なくとも1つの共重合したモノマーm2)を含有する:
【化19】

【0253】
[式中、
R1は水素もしくはC1-C8-アルキルであり、
Y1はO、NHもしくはNR3であり、ならびに
R2およびR3は、互いに独立して、C1-C30-アルキルもしくはC5-C8-シクロアルキルであり、このアルキル基はO、SおよびNHから選択される4個以下の隣接しないヘテロ原子またはヘテロ原子含有基が間に入っていてもよい]。
【0254】
好ましくは、式VIのR1は水素もしくはC1-C4-アルキルであるが、特に水素、メチル、またはエチルである。好ましくは式VIのR2はC1-C8-アルキルであるが、メチル、エチル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、または式-CH2-CH2-NH-C(CH3)3の基が好ましい。R3がアルキルであるならば、そのときR3は、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、およびtert-ブチルなどのC1-C4-アルキルである。
【0255】
適当なモノマーm2)は、たとえば、(メタ)アクリル酸メチル、エタクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、エタクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、エタクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸1,1,3,3-テトラメチルブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸アラキニル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸リグノセレニル、(メタ)アクリル酸セロチニル、(メタ)アクリル酸メリシニル、(メタ)アクリル酸パルミトレイニル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸リノリル、(メタ)アクリル酸リノレニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、およびそれらの混合物である。
【0256】
適当なモノマーm2)には他に、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ブチル) (メタ)アクリルアミド、N-(tert-ブチル) (メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、ピペリジニル(メタ)アクリルアミドおよびモルホリニル(メタ)アクリルアミド、N-(n-オクチル) (メタ)アクリルアミド、N-(1,1,3,3-テトラメチルブチル) (メタ)アクリルアミド、N-エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ノニル) (メタ)アクリルアミド、N-(n-デシル) (メタ)アクリルアミド、N-(n-ウンデシル) (メタ)アクリルアミド、N-トリデシル(メタ)アクリルアミド、N-ミリスチル(メタ)アクリルアミド、N-ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、N-パルミチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、N-ノナデシル(メタ)アクリルアミド、N-アラキニル(メタ)アクリルアミド、N-ベヘニル(メタ)アクリルアミド、N-リグノセレニル(メタ)アクリルアミド、N-セロチニル(メタ)アクリルアミド、N-メリシニル(メタ)アクリルアミド、N-パルミトレイニル(メタ)アクリルアミド、N-オレイル(メタ)アクリルアミド、N-リノリル(メタ)アクリルアミド、N-リノレニル(メタ)アクリルアミド、N-ステアリル(メタ)アクリルアミド、およびN-ラウリル(メタ)アクリルアミドがある。
【0257】
さらに、カルボン酸基を含有するポリマーは、一般式VIIの化合物から選択される、少なくとも1つの共重合したモノマーm3)を含んでいることが好ましい:
【化20】

【0258】
[式中、
酸化アルキレンユニットの順序は任意であり、
kおよびlは、互いに独立して、0から1000までの整数であり、kおよびlの和は少なくとも5であり、
R4は水素、C1-C30-アルキルもしくはC5-C8-シクロアルキルであり、
R5は水素もしくはC1-C8-アルキルであり、
Y2はOもしくはNR6であり、このR6は水素、C1-C30-アルキルもしくはC5-C8-シクロアルキルである]。
【0259】
好ましくは、式VIIにおいて、kは1から500までの整数、特に3から250までの整数である。好ましくは、lは0から100までの整数である。好ましくはR5は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチルもしくはn-ヘキシルであり、特に水素、メチルもしくはエチルである。好ましくは、式VIIのR4は、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、オクチル、2-エチルヘキシル、デシル、ラウリル、パルミチルもしくはステアリルである。好ましくは、式VIIのY2は、OもしくはNHである。
【0260】
適当なポリエーテルアクリレートVII)は、たとえば、上記のα,β-エチレン性不飽和モノ-および/またはジカルボン酸、ならびにその酸塩化物、酸アミドおよび酸無水物と、ポリエーテルオール(polyetherol)との重縮合生成物である。適当なポリエーテルオールは、酸化エチレン、1,2-酸化プロピレンおよび/またはエピクロロヒドリンと、スターター分子、たとえば、水もしくは短鎖アルコールR4-OHとを反応させることにより、容易に調製することができる。酸化アルキレンは、単独で使用することができるが、交互に相次いで、または混合物として使用してもよい。ポリエーテルアクリレートVII)は、本発明にしたがって使用されるポリマーを調製するために、単独で、または混合物として、使用することができる。酸化アルキレン基を有するウレタン(メタ)アクリレートも、適当なポリエーテルアクリレートII)である。こうしたタイプの化合物は、ドイツ特許DE 198 38 851 (component e2)に記載されており、これについては、ここでその全体を引用する。
【0261】
カルボン酸を含有するポリマーとして好ましい陰イオン性ポリマーは、たとえば、アクリル酸およびメタクリル酸、ならびにそれらの塩の、ホモポリマーおよびコポリマーである。これらには、INCI名カルボマー(Carbomer)として入手可能なアクリル酸の架橋ポリマーも含まれる。このようなアクリル酸の架橋ホモポリマーは、たとえば、NoveonからCarbopol(登録商標)という名称で市販されている。Noveon製Carbopol(登録商標)Ultrez 21などの、疎水性修飾された架橋ポリアクリレートポリマーも好ましい。
【0262】
適当な陰イオン性ポリマーの他の例としては、アクリル酸およびアクリルアミド、ならびにそれらの塩のコポリマー;ポリヒドロキシカルボン酸のナトリウム塩、水溶性もしくは水分散性のポリエステル、ポリウレタンおよびポリ尿素がある。特に適したポリマーは、(メタ)アクリル酸およびポリエーテルアクリレートのコポリマーであって、このポリエーテル鎖はC8-C30-アルキル基が末端となっている。こうしたポリマーにはたとえば、アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマーがあるが、これは、Rohm and Haasより、Aculyn(登録商標)という名称で市販されている。特に適したポリマーにはまた、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸からなるコポリマー(たとえば、Luvimer(登録商標)100P、Luvimer(登録商標)Pro55)、アクリル酸エチルおよびメタクリル酸からなるコポリマー(たとえば、Luviumer(登録商標)MAE)、N-tert-ブチルアクリルアミド、アクリル酸エチル、アクリル酸からなるコポリマー(Ultrahold(登録商標)8、Ultrahold(登録商標)Strong)、酢酸ビニル、クロトン酸、および、適切な場合には、他のビニルエステルからなるコポリマー(たとえば、Luviset(登録商標)グレード)、適切な場合にはアルコールと反応させた無水マレイン酸コポリマー、陰イオン性ポリシロキサン、たとえば、カルボキシ官能性、アクリル酸t-ブチル、メタクリル酸(たとえば、Luviskol(登録商標)VBM)、アクリル酸およびメタクリル酸と、たとえば、(メタ)アクリル酸のC4-C30-アルキルエステル、C4-C30-アルキルビニルエステル、C4-C30-アルキルビニルエーテルなどの疎水性モノマーとのコポリマー、ならびにヒアルロン酸もある。陰イオン性ポリマーの例としては、たとえばResyn(登録商標)(National Starch) およびGafset(登録商標)(GAF)という名称で市販されている、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ならびに、たとえばLuviflex(登録商標)(BASF)という商標名で入手可能なビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーもある。他に適当なポリマーには、Luviflex(登録商標)VBM-35 (BASF)という名称で入手可能なビニルピロリドン/アクリレート ターポリマー、およびスルホン酸ナトリウム含有ポリアミドまたはスルホン酸ナトリウム含有ポリエステルがある。
【0263】
他に、適当な陰イオン性ポリマーの一群に含まれるのは、たとえば、Balance(登録商標)CR (National Starch; アクリレートコポリマー)、Balance(登録商標)0/55 (National Starch; アクリレートコポリマー)、Balance(登録商標)47 (National Starch; オクチルアクリルアミド/アクリレート/メタクリル酸ブチルアミノエチル コポリマー)、Aquaflex(登録商標)FX 64 (ISP; イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミド コポリマー)、Aquaflex(登録商標)SF-40 (ISP/National Starch; VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレート コポリマー)、Allianz(登録商標)LT-120 (ISP/Rohm & Haas; アクリレート/C1-2スクシネート/ヒドロキシアクリレートコポリマー)、Aquarez(登録商標)HS (Eastman; ポリエステル-1), Diaformer(登録商標)Z-400 (Clariant; メタクリロイルエチルベタイン/メタクリレートコポリマー)、Diaformer(登録商標)Z-711 (Clariant; メタクリロイルエチルN-オキシド/メタクリレートコポリマー)、Diaformer(登録商標)Z-712 (Clariant; メタクリロイルエチルN-オキシド/メタクリレート コポリマー)、Omnirez(登録商標)2000 (ISP;ビニルメチルエーテル/マレイン酸エチル コポリマー(エタノール中))、Amphomer(登録商標)HC (National Starch; アクリレート/オクチルアクリルアミド コポリマー)、Amphomer(登録商標)28-4910 (National Starch; オクチルアクリルアミド/アクリレート/メタクリル酸ブチルアミノエチル コポリマー)、Advantage(登録商標)HC 37 (ISP; ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルのターポリマー)、Advantage(登録商標)LC55 およびLC80、またはLC A およびLC E、Advantage(登録商標)Plus (ISP; VA/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニル コポリマー)、Aculyne(登録商標)258 (Rohm & Haas; アクリレート/アクリル酸ヒドロキシエステル コポリマー)、Luviset(登録商標)P.U.R. (BASF、ポリウレタン-1), Luviflex(登録商標)Silk (BASF)、Eastman(登録商標)AQ 48 (Eastman), Styleze(登録商標)CC-10 (ISP; VP/DMAPAアクリレート コポリマー)、Styleze(登録商標)2000 (ISP; VP/アクリレート/メタクリル酸ラウリル コポリマー)、DynamX(登録商標)(National Starch; ポリウレタン-14 AMP-アクリレート コポリマー)、Resyn XP(登録商標)(National Starch; アクリレート/オクチルアクリルアミド コポリマー)、Fixomer(登録商標)A-30 (Ondeo Nalco; ポリメタクリル酸(および)アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)、Fixate(登録商標)G-100 (Noveon; AMP-アクリレート/メタクリル酸アリルコポリマー)である。
【0264】
カルボン酸基を含有する適当なポリマーとして、米国特許第3,405,084号に記載の、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸C1-C10-アルキル、シクロアルキルおよびアリール、ならびにアクリル酸からなるターポリマーも挙げられる。カルボン酸基を含有する適当なポリマーには、EP-A-0 257 444およびEP-A-0 480 280に記載の、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、および(メタ)アクリル酸からなるターポリマーもある。カルボン酸基を含有する適当なポリマーとして、ドイツ特許DE-A-42 23 066に記載の、少なくとも1つの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、ならびにN-ビニルピロリドンおよび/またはN-ビニルカプロラクタムを共重合した形で含むコポリマーも挙げられる。上記文書の明細についてその全体をここで引用する。
【0265】
カルボン酸基を含有する上記ポリマーは、陽イオン性ポリマーについて上記で示したような、たとえば、溶液重合、沈澱重合、懸濁重合もしくは乳化重合といった、既知の方法によって調製される。カルボン酸基を含有する適当なポリマーには、カルボン酸基を含有するポリウレタンも挙げられる。
【0266】
EP-A-636361は、カルボン酸および/またはスルホン酸基を有する、ポリシロキサンブロックおよびポリウレタン/ポリ尿素ブロックによる適切なブロックコポリマーを記載する。適当なシリコーン-含有ポリウレタンは、WO 97/25021およびEP-A-751 162にも記載されている。
【0267】
適当なポリウレタンは、ドイツ特許DE-A-42 25 045に記載されており、これについてはその全体を引用する。
【0268】
カルボン酸基を含有するポリマーの酸基は、部分的に、または完全に、中和されていてもよい。そこで、酸基の少なくとも一部は、脱プロトン化された状態で存在しており、対イオンは好ましくは、Na+、K+などのアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、およびそれらの有機誘導体などから選択される。
【0269】
ポリマーa)およびポリマーb)を含有する本発明の組成物は、本発明のこうした組成物中に、適切ならば同様に存在している、たとえば、シリコーンもしくは紫外線防護フィルターといった他の活性成分の、皮膚および/または毛髪への沈着量および沈着率、さらにまた残留時間を高め、又は増加させるのに適している。このような効果のある物質もしくは組成物は、沈着助剤とも呼ばれる。
【0270】
米国特許第6,998,113号は、その製品で処理した皮膚が紫外線から効果的に保護されるようにするリンスオフ製品を記載する。そこに記載された製品の一部は、陽イオン性ポリマーを含有する。本発明との関連において、少なくとも1つの陽イオン性ポリマーa)および少なくとも1つの水溶性b)からなる本発明の混合物は、米国特許第6,998,113号の製品にも使用することができる。特に、本発明の混合物は、サンスクリーン、洗浄および入浴製品において、米国特許第6,998,113号に記載の目的で使用することができる。米国特許第6,998,113号の記載についてはその全体をここで引用する。
【0271】
適当なシリコーンは、たとえば、米国特許第5,935,561号、第13欄、64行から第18欄、61行までに与えられるが、それについては、ここにその全体を引用する。
【0272】
説明する目的で、下記に言及する:
・ジメチコン
・ポリアルキル-もしくはポリアリールシロキサン(米国特許第5,935,561号、第13欄、式I)
・アルキルアミノ置換シリコーン(米国特許第5,935,561号、第14欄、式II (アモジメチコン))
・陽イオン性シリコーン(米国特許第5,935,561号、第14および15欄、式III)
・トリメチルシリルアモジメチコン(米国特許第5,935,561、第15欄、式IV)
・米国特許第5,935,561号、第15欄、式Vによるシリコーン
・米国特許第5,935,561号、第16欄、式VIによる環状ポリシロキサン。
【0273】
シャンプーの種類
髪質または頭皮の問題により、シャンプーには必要に応じて追加の要求が課される。最も重要な付加的効果、または最も重要な具体的目的を有する、好ましいシャンプーの作用様式を以下に記載する。
【0274】
本発明によれば、好ましいのは、たとえば、ノーマルヘアもしくは脂っぽい髪もしくはダメージヘア用のシャンプー、ふけ防止シャンプー、ベビーシャンプーおよび2-イン-1シャンプー(シャンプーおよびリンスが1つになっている)である。
【0275】
ノーマルヘア用シャンプー:洗髪は、脂腺で作られた皮脂、汗腺から水分とともに出てくる無機塩、アミノ酸、尿素および乳酸、剥落した皮膚片、周囲の埃、臭い、ならびに必要に応じて頭髪美容法の残留物を取り除いて、毛髪および頭皮をきれいにすべきものである。ノーマルヘアとは、ほんのわずかしか傷んでいない、ショートヘアから肩までの長さの髪を意味する。したがって、コンディショニング助剤の割合は、この毛髪のタイプに最適となるようにすべきである。
【0276】
脂っぽい髪用のシャンプー:頭皮の脂腺の皮脂生成の増加のために、洗髪のわずか1〜2日後には、不格好に広がった魅力のないヘアスタイルとなる。油およびワックスのような皮脂成分は、毛髪を重みで押し下げ、毛髪同士の摩擦を低下させ、したがってヘアスタイルの保持を損なう。したがって、脂っぽい髪の場合、実際の頭髪美容上の問題は、ボリュームのあるヘアスタイルがあまりに早く壊れることである。これを避けるために、髪の表面が重くなって、つるつるして滑らかになりすぎないようにすることが必要である。これは、好ましくは、洗浄にすぐれ、かつ持続性の特に低い、洗浄原料の界面活性剤主成分によって達成される。リファッティング物質もしくはコンディショニング助剤などの、皮脂に追加されることになる余分のケア物質は、仮に加えられるとしても、脂っぽい髪用のシャンプーには、細心の注意を払ってはじめて使用される。細い毛髪用のボリュームアップシャンプーは、同じように製剤することができる。
【0277】
乾燥し、ストレスを受けた(傷んだ)髪用のシャンプー:毛髪の構造は、毛髪の成長過程で、櫛で梳いたり、ブラシをかけたり、特に逆毛をたてる(伸びる方向と逆に梳く)といった機械的な影響の結果として、紫外線もしくは可視光の影響の結果として、加えて、たとえば、パーマ、脱色もしくは毛染めといった美容術の結果として、変化する。毛髪の鱗状の層は、根元から毛先に向かってより多くのストレスを受けた外観を呈する;極端な場合には、先端で完全に摩耗して、毛先が割れる(枝毛)。傷んだ毛髪は基本的に、もはや健康な毛髪再生の状態には回復しない。しかしながら、手触り、つや、および櫛通りに関しては、必要に応じてケア物質(コンディショナー)を高い割合で有する本発明のシャンプーを使用することによって、この理想的な状態にかなり近づけることが可能である。
【0278】
シャンプーを用いるよりはるかに優れた効果が、たとえば洗髪後のリンスもしくはキュアトリートメントの形態をとる本発明のヘアケア組成物を用いて達成される。
【0279】
本発明の2-イン-1シャンプーは特に強力にケアするシャンプーであって、こうしたシャンプーには「シャンプーおよびリンスを一つにする」という構想を通じて、洗浄という基本的な利益と並行して同等に追加的なケアの利益がある。本発明の2-イン-1組成物はコンディショナーを増量して含有する。
【0280】
ふけ防止シャンプー:ふけ防止ヘアトニックと比べて、本発明のふけ防止シャンプーは、ふけの発生に対抗する対応活性成分により新たな目に見える剥片の生成を減らし、しかも長期間使用した場合そうした生成を予防するだけでなく、洗髪によりすでに剥落した薄片を取り除く利点を有する。しかしながら、洗浄液を洗い流した後に、ほんの少しであるが十分な量の活性成分が頭皮および毛髪に残存する。本発明のシャンプー組成物に組み入れることができる様々なふけ防止活性物質があるが、それはたとえば、ジンクピリチオン、ケトコナゾール、クロトリマゾール、クリンバゾールまたはピロクトンオラミンなどである。その上、これらの物質は剥落を正常化する効果を有する。
【0281】
ふけ防止シャンプーの主成分は、おおむね、すぐれた洗浄効果を有するノーマルヘア用シャンプーの製剤と一致する。
【0282】
ベビーシャンプー:本発明の好ましい実施形態において、本発明のシャンプー製品はベビーシャンプーである。これは、皮膚および粘膜に最適である。非常にすぐれた皮膚適合性を有する洗浄原料の組み合わせがこうしたシャンプーの主成分となる。皮膚および粘膜への適合性、ならびにケア特性をさらに改善するための追加物質、たとえば、非イオン性界面活性剤、タンパク質加水分解物およびパンテノールもしくはビサボロール、を加えることは有益である。すべての必要な原料および助剤、たとえば、防腐剤、香油、色素などは、高い適合性およびマイルドさの側面に基づいて選択される。
【0283】
乾燥頭皮用シャンプー:本発明のさらに好ましい実施形態において、本発明のシャンプー製品は、乾燥頭皮用シャンプーである。乾燥した頭皮は刺激、発赤および炎症をもたらす可能性があるので、このシャンプーの主目的は、頭皮が乾燥しないようにすることである。ベビーシャンプーの場合と同様に、非常にすぐれた皮膚適合性を有する洗浄原料の組み合わせがこうしたシャンプーの主成分となる。さらに、必要に応じて、リファッティング剤および保湿剤、たとえば、グリセロールもしくは尿素を使用することができる。
【0284】
本発明のシャンプー組成物は、20〜30%という界面活性剤含量の高いシャンプー濃縮物として存在することもできる。こうした組成物は、特別な洗浄原料の組み合わせ、ならびに、少ない使用量でもすぐれた分散性と自然に泡立つ能力を保証する粘稠度調節剤に基づいている。たとえば、100 mlのボトルで200 mlのシャンプーの生産性を達成できることは特に有利である。
【0285】
供給形態
本発明の化粧品組成物が、ボトルもしくはスクイーズボトル中で保存され、この容器から適用されるならば、それは好都合である。したがって、本発明の組成物を含むボトルもしくはスクイーズボトルも、本発明に従うものである。
【実施例】
【0286】
次の略語を以下に使用する:
脱塩水:完全に脱塩された水
Q: 4級化、QV1*DMSは、VIがDMSにより4級化されたことを意味する
N-ビニルピロリドン: VP
ビニルイミダゾール: VI
塩化メチルで4級化されたビニルイミダゾール: VI*MeCl
硫酸ジメチルで4級化されたビニルイミダゾール: VI*DMS
メタクリル酸ジメチルアミノエチル: DMAEMA
【0287】
実施例1
VP/VI*MeCl/DMAEMA 5/75/20 (重量比)
量 供給材料 含有量 割合(重量%)
初回投入
87.52 g 脱塩水 100.00% 58.35
17.25 g QVI*MeCl 60.00% 6.90
1.05 g VP 100.00% 0.70
0.06 g メルカプトエタノール 100.00% 0.04
4.20 g DMAEMA 100.00% 2.80
フィード1
42.00 g 脱塩水 100.00% 28.00
170.25 g QVI*MeCl 60.00% 68.10
6.45 g VP 100.00% 4.30
0.39 g メルカプトエタノール 100.00% 0.26
25.80 g DMAEMA 100.00% 17.20
フィード2
26.25 g 脱塩水 100.00% 17.50
1.50 g Wako(登録商標)V 50 100.00% 1.00
追加3
1.90 g Euxyl(登録商標)K 100 100.00% 1.27(0.5%)
【0288】
初回投入量を計量し、窒素ガスを流して覆い、57℃に加熱した。フィード2の6.8重量%を添加した。15分間の最初の重合の後、フィード2の62.7重量%およびフィード1を5時間にわたって添加した。次に残りのフィード2をただちに、45分にわたって添加した。溶液を70℃に加熱し、重合をさらに1時間継続した。その後混合物を40℃より低い温度まで冷却し、追加3を添加した。
【0289】
実施例2
VP/QVI*DMS/DMAEMA 5/75/20 (重量比)
量 供給材料 含有量 割合
初回投入
72.72 g 脱塩水 100.00% 40.40
27.60 g QVI*DMS 45.00% 6.90
1.26 g VP 100.00% 0.70
0.72 g メルカプトエタノール 10.00% 0.04
5.04 g DMAEMA 100.00% 2.80
フィード1
2.85 g 脱塩水 100.00% 1.58
272.40 g QVI*DMS 45.00% 68.10
7.74 g VP 100.00% 4.30
4.68 g メルカプトエタノール 10.00% 0.26
30.96 g DMAEMA 100.00% 17.20
フィード2
31.50 g 脱塩水 100.00% 17.50
1.80 g Wako(登録商標)V 50 100.00% 1.00
追加3
2.28 g Euxyl(登録商標)K 100 100.00% 1.27(0.5%)
【0290】
初回投入量(pH = 9.7)を計量し、窒素ガスを流して覆い、57℃に加熱した。フィード2の6.8重量%を添加した。15分間の最初の重合の後、フィード2の62.7重量%およびフィード1を5時間にわたって添加した。次に残りのフィード2をただちに、45分にわたって添加した。溶液を70℃に加熱し、重合をさらに1時間継続した。その後混合物を40℃より低い温度まで冷却し、追加3を添加した。
【0291】
実施例3
VP/QVI*DMS/DMAEMA 3.6/82/14.4 (重量比)
量 供給材料 含有量 割合
初回投入
61.68 g 脱塩水 100.00% 34.27
30.16 g QVI*DMS 45.00% 7.54
0.90 g VP 100.00% 0.50
0.72 g メルカプトエタノール 10.00% 0.04
3.64 g DMAEMA 100.00% 2.02
フィード1
297.84 g QVI*DMS 45.00% 74.46
5.58 g VP 100.00% 3.10
4.68 g メルカプトエタノール 10.00% 0.26
22.28 g DMAEMA 100.00% 12.38
フィード2
30.00 g 脱塩水 100.00% 16.67
1.80 g Wako(登録商標)V 50 100.00% 1.00
追加3
2.29 g Euxyl(登録商標)K 100 100.00% 1.27(0.5%)
【0292】
初回投入量(pH = 9.5)を計量し、窒素ガスを流して覆い、57℃に加熱した。フィード2の6.8重量%を添加した。15分間の最初の重合の後、フィード2の62.7重量%およびフィード1を5時間にわたって添加した。次に残りのフィード2をただちに、45分にわたって添加した。溶液を70℃に加熱し、重合をさらに1時間継続した。その後混合物を40℃より低い温度まで冷却し、追加3を添加した。
【0293】
比較例
V1:VP/QVI*DMS 25/75 (重量比)
量 供給材料 含有量 割合
初回投入
72.72 g 脱塩水 100.00% 40.40
27.60 g QVI*DMS 45.00% 6.90
6.3 g VP 100.00% 3.50
0.72 g メルカプトエタノール 10.00% 0.04
フィード1
272.40 g QVI*DMS 45.00% 68.10
38.7 g VP 100.00% 21.50
4.68 g メルカプトエタノール 10.00% 0.26
0.39 g NaOH 25.00% 0.06
フィード2
31.50 g 脱塩水 100.00% 17.50
1.80 g Wako(登録商標)V 50 100.00% 1.00
追加3
2.28 g Euxyl(登録商標)K 100 100.00% 1.27(0.5%)
【0294】
比較例2
VP/QVI*MeCl 25/75 (重量比)
量 供給材料 含有量 割合
初回投入
87.52 g 脱塩水 100.00% 58.35
17.25 g QVI*MeCl 60.00% 6.90
5.20 g VP 100.00% 3.50
0.06 g メルカプトエタノール 10.00% 0.04
フィード1
42.00 g 脱塩水 100.00% 28
170.25 g QVI*MeCl 60.00% 68.10
32.30 g VP 100.00% 21.50
0.39 g メルカプトエタノール 10.00% 0.26
0.42 g NaOH 10.00% 0.033
フィード2
26.25 g 脱塩水 100.00% 17.50
1.50 g Wako(登録商標)V 50 100.00% 1.00
追加3
1.90 g Euxyl(登録商標)K 100 100.00% 1.27(0.5%)
【0295】
K値の測定
K値は、Fikentscher, Cellulosechemie, Vol. 13, pp. 58〜64 (1932)にしたがって、3重量%の濃度のNaCl水溶液中で25℃にて測定したが、この値は分子量の指標となるものである。ポリマー溶液は、100 mlの溶液中に1 gのポリマーを含有する。K値はSchott製micro-Ubbelohdeキャピラリー M Ic型で測定した。
【表5】

【0296】
濡れた髪の櫛通り(ヨーロッパ系の脱色された毛髪):
ブランク値の測定
測定前に、一定の湿り気と膨潤を達成するために、脱色毛髪(長さ約24 cm/重さ2.7-3.3 g)を、はじめに2回、計1分間、Texapon(登録商標)NSOでシャンプーし、1分間すすいだ。
【0297】
その後、髪のもつれがなくなるように、その髪の房をあらかじめくしで梳いた。
【0298】
次に、髪の房をホルダーに固定して、テスト用くしの目の細かい側を用いて、そのくしの目の細かい側に髪の房を梳き入れた。毛髪は、各測定ごとに均一に、引っ張らずに、テスト用くしに入れた。EGRANUDO(登録商標)ソフトウェア(Frank)を用いて測定を開始し評価した。測定は5〜10回繰り返した。測定は、気候をコントロールした室内で、相対湿度約65%、21℃にて実施した。
【0299】
算出された平均を、標準偏差とともに書き留めた。
【0300】
シャンプーの保存安定性:
シャンプー(0.5% 活性成分)を、40℃にて3ヶ月間保存した。2週間後、6週間後、および3か月後のそれぞれの場合について、シャンプーを評価し、起こりうる沈澱について調べた。
【0301】
評価は、堆積(sediment)、沈澱(precipitate)、わずかに沈澱(slight predipitate)、およびコーティング(coating)に分類する。
【0302】
シャンプー製剤
35.70 g Texapon(登録商標)NSO
12.50 g Tego Betain L 7
1 g ポリマー溶液(20重量%の濃度の固体ポリマー溶液)
0.10 g Euxyl(登録商標)K 100
ad 100 g 水
1.00 g NaCl
【0303】
5 gのシャンプー試料を塗布し、1分間シャンプーし、1分間すすぎ、濾紙上で絞ってからくしを通し、測定値を測定した。
【0304】
評価:
濡れた髪を梳く力の減少 = 100-(測定値×100/ブランク値);データは%として与えられる
使用機器:応力/歪みテスター、Frank製
デジタル秤(上皿秤)
【表6】

【0305】
シャンプーの安定性は次のように評価する:
安定:室温、および40℃にて、3か月間保存した後、シャンプーが安定した状態を保っている。
【0306】
化粧品組成物の例:
頭髪用化粧品組成(概略)
a) 0.01〜5重量%の本発明の好適なポリマー
b) 25〜99.99重量%の水および/またはアルコール
c) 0〜95.99重量%の他の成分
【0307】
アルコールは、化粧品に通常使用されるすべてのアルコール、たとえばエタノール、イソプロパノール、n-プロパノールを意味する。
【0308】
他の成分は、化粧品に通例用いられる添加物、たとえば、噴射剤、消泡剤、界面活性化合物、すなわち界面活性剤、乳化剤、発泡剤および安定剤を意味する。使用される界面活性化合物は、アニオン性、カチオン性、両性もしくは中性とすることができる。他の通常使用される成分はまた、たとえば、防腐剤、香油、乳白剤、活性成分、UVフィルター、ケア物質、たとえば、パンテノール、コラーゲン、ビタミン類、タンパク質加水分解物、α-およびβ-ヒドロキシカルボン酸、キトサン、タンパク質加水分解物、化粧品用ポリマー、安定化剤、pH調整剤、色素、粘度調整剤、ゲル形成剤、色素、塩類、湿潤剤、リファッティング剤、錯化剤、および他の通常使用される添加物とすることができる。
【0309】
シャンプー製剤/シャワージェル製剤
好ましいシャンプー製剤またはシャワージェル製剤は下記を含有する。
【0310】
a) 0.01〜5重量%の本発明の好適なポリマー
b) 25〜99.99重量%の水
c) 0〜5重量%の他のコンディショニング剤
d) 0〜30重量%の他の化粧品成分
【0311】
さらに、シャンプーにおいて通常使用される、すべてのアニオン性、中性、両性、もしくはカチオン性界面活性剤を、上記条件のシャンプー製剤に使用することができる。
【0312】
実施例1:PQ-10を含有するコンディショナーシャンプー
35.70 g ラウレス硫酸ナトリウム
6.50 g コカミドプロピルベタイン
0.20 g 実施例1のポリマー
0.40 g ポリクオタニウム-10
0.10 g 防腐剤
0.10 g 香油/精油
ad 100 g 脱塩水
【0313】
良好なコンディショナーシャンプーは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2もしくは3のポリマーを用いても得られる。
【0314】
実施例2:GHTCを含有するコンディショナーシャンプー
35.70 g ラウレス硫酸ナトリウム
6.50 g コカミドプロピルベタイン
0.50 g 実施例1のポリマー
0.20 g グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド
0.10 g 防腐剤
0.10 g 香油/精油
ad 100 g 脱塩水
【0315】
良好なコンディショナーシャンプーは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2もしくは3のポリマーを用いても得られる。
【0316】
実施例3:ポリクオタニウムを含有するコンディショナーシャンプー
35.70 g ラウレス硫酸ナトリウム
6.50 g コカミドプロピルベタイン
0.20 g 実施例1のポリマー
0.30 g ポリクオタニウム-44またはPQ-67
0.10 g 防腐剤
0.10 g 香油/精油
ad 100 g 脱塩水
【0317】
良好なコンディショナーシャンプーは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2もしくは3のポリマーを用いても得られる。
【0318】
実施例4:シャンプー
フェーズA
15.00 g コカミドプロピルベタイン
10.00 g ココアンホジ酢酸二ナトリウム
5.00 g ポリソルベート20
5.00 g デシルグルコシド
0.20 g 実施例1のポリマー
0.10 g 香油/精油
適量 防腐剤
2.00 g ラウレス-3
ad 100 g 脱塩水
適量 クエン酸
フェーズB
3.00 g ジステアリン酸PEG-150
【0319】
調製
フェーズAの成分を計量し溶解する;pHを6〜7に調整する。フェーズBを加え50℃に加熱する。撹拌しながら室温に冷却する。
【0320】
良好なシャンプーは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2もしくは3のポリマーを用いても得られる。
【0321】
実施例5:シャンプー
30.00 g ラウレス硫酸ナトリウム
6.00 g ココアンホ酢酸ナトリウム
0.50 g 実施例1のポリマー
3.00 g ラウレス硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリコール、コカミドMEA、
ラウレス-10
2.00 g ジメチコン
適量 香料
適量 防腐剤
適量 クエン酸
1.00 g 塩化ナトリウム
ad 100 g 脱塩水
【0322】
良好なシャンプーは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2もしくは3のポリマーを用いても得られる。
【0323】
実施例6:シャワージェル
20.00 g ラウレス硫酸アンモニウム
15.00 g ラウリル硫酸アンモニウム
0.50 g 実施例1のポリマー
0.50 g ポリクオタニウム-7
2.50 g ラウレス硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリコール、コカミドMEA、
ラウレス-10
0.10 g 香油/精油
適量 防腐剤
0.50 g 塩化ナトリウム
ad 100 g 脱塩水
【0324】
良好なシャワージェルは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2もしくは3のポリマーを用いても得られる。
【0325】
実施例7:シャワージェル
40.00 g ラウレス硫酸ナトリウム
5.00 g デシルグルコシド
5.00 g 実施例1のポリマー
1.00 g パンテノール
0.10 g 香油/精油
適量 防腐剤
適量 クエン酸
2.00 g 塩化ナトリウム
ad 100 g 脱塩水
【0326】
良好なシャワージェルは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2もしくは3のポリマーを用いても得られる。
【0327】
実施例8:シャンプー
12.00 g ラウレス硫酸ナトリウム
1.50 g デシルグルコシド
0.50 g 実施例1のポリマー
5.00 g ココグルコシドオレイン酸グリセリル(cocoglucoside glyceryl oleate)
2.00 g ラウレス硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリコール、コカミドMEA、
ラウレス-10
適量 防腐剤
適量 Sunset Yellow C. I. 15 985
0.10 g 香油/精油
1.00 g 塩化ナトリウム
ad 100 g 脱塩水
【0328】
良好なシャンプーは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2もしくは3のポリマーを用いても得られる。
【0329】
本発明の使用に適したポリマーは、ヘアスタイリング製品、特にヘアフォーム(噴射用ガスを含有するエアロゾルフォーム、ならびに噴射用ガスを含まないポンプフォーム)、ヘアスプレー(噴射用ガスを含まないポンプスプレー)、およびヘアジェルへの使用にも適している。
【0330】
噴射剤は、通常使用される噴射剤である。好ましいのは、プロパン/ブタン混合物、ペンタン、ジメチルエーテル、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152 a)、二酸化炭素、窒素、または圧縮空気である。
【0331】
エアロゾルヘアフォーム
a)0.1〜10重量%の化粧品用ポリマー
b)55〜99.8重量%の水および/またはアルコール
c)5〜20重量%の噴射剤
d)0.1〜5重量%の本発明の好適なポリマー
e)0〜10重量%の他の成分
【0332】
使用することができる他の成分は、特に、ヘアフォームに通常使用されるあらゆる乳化剤である。適当な乳化剤は、非イオン性、カチオン性もしくはアニオン性、または両性とすることができる。
【0333】
非イオン性乳化剤(INCI名)の例としては、ラウレス、たとえば、ラウレス-4; セテス、たとえば、セテス-1、ポリエチレングリコールセチルエーテル; セテアレス、たとえば、セテアレス-25、ポリグリコール脂肪酸グリセリド、水酸化レシチン、脂肪酸のラクチルエステル、アルキルポリグリコシドがある。
【0334】
カチオン性乳化剤の例には、リン酸二水素セチルジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウム、塩化セチルトリモニウム、臭化セチルトリモニウム、メチル硫酸ココトリモニウム、クオタニウム-1から-xまで (INCI)がある。
【0335】
アニオン性乳化剤は、たとえば、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、N-アルコイルサルコシン酸塩、アシルタウレート、アシルイセチオン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、特にアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、たとえば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ならびにアンモニウムおよびトリエタノールアミン塩からなる一群から選択することができる。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩およびアルキルエーテルカルボン酸塩は分子内に、1から10個までの酸化エチレンまたは酸化プロピレンユニットを有することができるが、好ましくは1から3個までの酸化エチレンユニットである。
【0336】
スタイリングジェルに適した本発明の製品は、たとえば、次のような組成を有する:
実施例9:エアロゾルヘアフォーム
2.00 g ココトリモニウムメト硫酸
0.10 g 香油/精油
3.50 g セット用ポリマー、たとえば、ポリクオタニウム-46、PQ-44、VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールコポリマーなど
0.80 g 実施例1のポリマー
適量 防腐剤
75.00 g 脱塩水
10.00 g プロパン/ブタン (3.5 bar)
【0337】
良好なエアロゾルヘアフォームは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0338】
スタイリングジェル
a)0.1〜10重量%の化粧品用ポリマー
b)60〜99.85重量%の水および/またはアルコール
c)0.05〜10重量%のゲル形成剤
d)0.1〜5重量%の本発明の好適なポリマー
e)0〜20重量%の他の成分
【0339】
使用することができるゲル形成剤は、化粧品に通常使用されるあらゆるゲル形成剤である。これには、わずかに架橋されたポリアクリル酸、たとえばカルボマー(INCI)、セルロース誘導体、たとえばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン性修飾セルロース、多糖類、たとえばキサンタンガム、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、アクリル酸ナトリウムコポリマー、ポリクオタニウム-32(および)鉱物油(INCI)、アクリル酸ナトリウムコポリマー(および)鉱物油(および)PPG-1トリデセス-6、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミドコポリマー、ステアレス-10アリルエーテルアクリレートコポリマー、ポリクオタニウム-37(および)鉱物油(および)PPG-1トリデセス-6、ポリクオタニウム-37(および)ジカプリン酸ジカプリル酸プロピレングリコール(および)PPG-1トリデセス-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-44、ポリクオタニウム-67が含まれる。
【0340】
良好なスタイリングジェルは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0341】
実施例10:ヘアスタイリングジェル
フェーズA
0.50 g カルボマー、またはアクリレート/アクリル酸C10-30アルキルクロスポリマー
86.40 g 脱塩水
フェーズB
0.70 g トリエタノールアミン
フェーズC
6.00 g セット用ポリマー、たとえば、VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールコポリマー
5.00 g PVP
0.20 g PEG-25 PABA
0.50 g 実施例1のポリマー
0.10 g 香油/精油
適量 PEG-14ジメチコン
適量 防腐剤
0.10 g 酢酸トコフェロール
【0342】
良好なスタイリングジェルは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0343】
実施例11:ヘアスタイリングジェル
フェーズA
0.50 g カルボマー、またはアクリレート/アクリル酸C10-30アルキルクロスポリマー
91.20 g 脱塩水
フェーズB
0.90 g テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン
フェーズC
7.00 g VP/VAコポリマー
0.40 g 実施例1のポリマー
0.20 g 香油/精油
適量 防腐剤
0.10 g プロピレングリコール
【0344】
良好なスタイリングジェルは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0345】
実施例12:ヘアワックスクリーム
6.00 g カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
3.00 g ステアリン酸グリセリル
2.00 g セチルアルコール
3.50 g 実施例1のポリマー
0.50 g Cremophor A6
0.70 g Cremophor A25
0.50 g ジメチコン
0.50 g 酢酸ビタミンE
2.00 g カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドおよびアクリル酸ナトリウムコポリマー
1.00 g D-パンテノールUSP
0.10 g EDTA
10.00 g セット用ポリマー
適量 防腐剤
ad 100 g 脱塩水
【0346】
良好なヘアワックスクリームは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0347】
実施例13:ヘアプディング
3.00 g Kollicoat IR (BASF)
適量 防腐剤
2.00 g セット用ポリマー
4.00 g アクリレート/メタクリル酸ベヘネス-25コポリマー
0.70 g 実施例1のポリマー
0.50 g ジメチコンコポリオール
0.10 g EDTA
0.20 g ベンゾフェノン-4
ad 100 g 脱塩水
【0348】
良好なヘアプディングは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0349】
実施例14:スプレージェル
フェーズA
1.25 g セット用ポリマー
96.15 g 脱塩水
フェーズB
0.70 g アクリレート/イタコン酸ステアレス-20コポリマー
0.10 g プロピレングリコール
0.50 g 実施例1のポリマー
0.10 g グリセロール
0.10 g 香油/精油
適量 防腐剤
フェーズC
0.70 g トリエタノールアミン
【0350】
良好なスプレージェルは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0351】
スタイリングスプレーに適した本発明の製品は、たとえば、次のような組成を有する:
実施例15:ポンプヘアスプレー
11.20 g PEG/PPG-25/25ジメチコン/アクリレートコポリマー
2.80 g VP/VAコポリマー
1.34 g アミノメチルプロパノール
0.30 g 実施例1のポリマー
0.10 g 香油/精油
11.26 g 脱塩水
73.00 g アルコール
【0352】
良好なポンプヘアスプレーは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0353】
実施例16:ポンプヘアスプレーVOC 55
2.00 g VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールコポリマー
1.90 g ポリクオタニウム-46
2.00 g 実施例1のポリマー
0.10 g 香油/精油
55.00 g アルコール
39.00 g 脱塩水
【0354】
良好なポンプヘアスプレーVOC 55は、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0355】
皮膚用化粧品組成物
実施例17:リキッドメイクアップ
フェーズA
1.70 g ステアリン酸グリセリル
1.70 g セチルアルコール
1.70 g セテアレス-6
1.70 g セテアレス-25
5.20 g カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
5.20 g 鉱油またはLuvitol(登録商標)Lite (INCI 水添ポリイソブテン)
フェーズB
適量 防腐剤
4.30 g プロピレングリコール
2.50 g 実施例1のポリマー
59.50 g 脱塩水
フェーズC
0.10 g 香油/精油
フェーズD
2.00 g 酸化鉄
12.00 g 二酸化チタン
【0356】
良好なリキッドメイクアップは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0357】
実施例18:アイライナー
フェーズA
40.60 g 蒸留水
0.20 g EDTA-2Na
適量 防腐剤
フェーズB
0.60 g キサンタンガム
0.40 g Veegum
3.00 g ブチレングリコール
0.20 g ポリソルベート-20
フェーズC
15.00 g 酸化鉄/Al粉末/シリカ(たとえば、BASF製 Sicopearl(登録商標)Fantastico Gold)
フェーズD
10.00 g 脱塩水
25.00 g セット用ポリマー(たとえば、ポリウレタン-1または(VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾール)コポリマーなど)
5.00 g 実施例1のポリマー
【0358】
良好なアイライナーは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0359】
実施例19:サンスクリーンジェル
フェーズA
0.90 g 実施例1のポリマー
8.00 g メトキシケイヒ酸オクチル
5.00 g オクトクリレン
0.80 g オクチルトリアゾン
2.00 g ブチルメトキシジベンゾイルメタン
2.00 g 酢酸トコフェロール
0.10 g 香油/精油
フェーズB
0.30 g アクリレート/アクリル酸C10-30アルキルクロスポリマー
0.20 g カルボマー
5.00 g グリセロール
0.20 g EDTA-2Na
適量 防腐剤
75.30 g 脱塩水
フェーズC
0.20 g 水酸化ナトリウム
【0360】
良好なサンスクリーンジェルは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0361】
実施例20:TiO2 及び ZnO2を含有するサンスクリーン乳液
フェーズA
1.00 g PEG-7水添ヒマシ油
5.00 g 実施例1のポリマー
2.00 g PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー
3.00 g ミリスチン酸イソプロピル
7.90 g ホホバ(Buxus Chinensis)油
4.00 g メトキシケイヒ酸オクチル
2.00 g 4-メチルベンジリデンカンファー
3.00 g 二酸化チタン、ジメチコン
1.00 g ジメチコン
5.00 g 酸化亜鉛、ジメチコン
フェーズB
0.20 g EDTA-2Na
5.00 g グリセロール
適量 防腐剤
60.80 g 脱塩水
フェーズC
0.10 g 香油/精油
【0362】
良好なサンスクリーン乳液は、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0363】
実施例21:フェイストニック
フェーズA
3.00 g 実施例1のポリマー
0.10 g 香油/精油
0.30 g ビサボロール
フェーズB
3.00 g グリセロール
1.00 g ヒドロキシエチルセチルジモニウムリン酸
5.00 g ハマメリス水(Witch Hazel (Hamamelis Virginiana) distillate)
0.50 g パンテノール
適量 防腐剤
87.60 g 脱塩水
【0364】
良好なフェイストニックは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0365】
実施例22:ピーリング効果のある洗顔ペースト
フェーズA
73.00 g 脱塩水
1.50 g カルボマー
適量 防腐剤
フェーズB
適量 香油
7.00 g ココイル加水分解タンパク質カリウム
4.00 g 実施例1のポリマー
フェーズC
1.50 g トリエタノールアミン
フェーズD
13.00 g ポリエチレン(Luwax A(登録商標)、BASF製)
【0366】
良好な洗顔ペーストは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0367】
実施例23:石鹸
フェーズA
25.00 g ヤシ脂肪酸カリウム
20.00 g ココアンホジ酢酸二ナトリウム
2.00 g ラウラミドDEA
1.0 g ステアリン酸グリコール
2.00 g 実施例1のポリマー
50.00 g 脱塩水
適量 クエン酸
フェーズB
適量 防腐剤
0.10 g 香油/精油
【0368】
良好な石鹸は、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0369】
実施例24:フェイスクレンジングミルクO/W型
フェーズA
1.50 g セテアレス-6
1.50 g セテアレス-25
2.00 g ステアリン酸グリセリル
2.00 g セチルアルコール
10.00 g ミネラルオイル
フェーズB
5.00 g プロピレングリコール
適量 防腐剤
1.00 g 実施例1のポリマー
66.30 g 脱塩水
フェーズC
0.20 g カルボマー
10.00 g オクタン酸セテアリル
フェーズD
0.40 g テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン
フェーズE
0.10 g 香油/精油
0.10 g ビサボロール
【0370】
良好なフェイスクレンジングミルクは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0371】
実施例25:透明石鹸
4.20 g 水酸化ナトリウム
3.60 g 蒸留水
10.00 g 実施例1のポリマー
22.60 g プロピレングリコール
18.70 g グリセロール
5.20 g コカミドDEA
2.40 g ココアミンオキシド
4.20 g ラウリル硫酸ナトリウム
7.30 g ミリスチン酸
16.60 g ステアリン酸
5.20 g トコフェロール
【0372】
良好な透明石鹸は、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0373】
実施例26:シェービングフォーム
6.00 g セテアレス-25
5.00 g ポロキサマー407
52.00 g 脱塩水
1.00 g トリエタノールアミン
5.00 g プロピレングリコール
1.00 g PEG-75ラノリンオイル
5.00 g 実施例1のポリマー
適量 防腐剤
0.10 g 香油/精油
25.00 g ラウレス硫酸ナトリウム
【0374】
ボトル詰め:90部の活性物質、および10部の25:75プロパン/ブタン混合物。
【0375】
良好なシェービングフォームは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0376】
実施例27:アフターシェーブバーム
フェーズA
0.25 g アクリレート/アクリル酸C10-30アルキルクロスポリマー
1.50 g 酢酸トコフェロール
0.20 g ビサボロール
10.00 g カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
適量 香料
1.00 g 実施例1のポリマー
フェーズB
1.00 g パンテノール
15.00 g アルコール
5.00 g グリセロール
0.05 g ヒドロキシエチルセルロース
1.90 g 実施例1のポリマー
64.02 g 蒸留水
フェーズC
0.08 g 水酸化ナトリウム
【0377】
良好なアフターシェーブバームは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0378】
実施例28:ケアクリーム
フェーズA
2.00 g セテアレス-6
2.00 g セテアレス-25
2.00 g セテアリルアルコール
3.00 g ステアリン酸グリセリル(SE)
5.00 g ミネラルオイル
4.00 g ホホバ(Buxus Chinensis)油
3.00 g オクタン酸セテアリル
1.00 g ジメチコン
3.00 g ミネラルオイル、ラノリンアルコール
フェーズB
5.00 g プロピレングリコール
0.50 g Veegum
1.00 g パンテノール
1.70 g 実施例1のポリマー
6.00 g ポリクオタニウム-44
適量 防腐剤
60.80 g 脱塩水
フェーズC
適量 香料
【0379】
良好なケアクリームは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0380】
オーラルケアおよびデンタルケア製品
実施例29:練り歯磨き
フェーズA
34.79 g 脱塩水
3.00 g 実施例1のポリマー
20.00 g グリセロール
0.76 g モノフルオロリン酸ナトリウム
フェーズB
1.20 g カルボキシメチルセルロースナトリウム
フェーズC
0.80 g アロマオイル
0.06 g サッカリン
適量 防腐剤
0.05 g ビサボロール
1.00 g パンテノール
0.50 g 酢酸トコフェロール
2.80 g シリカ
1.00 g ラウリル硫酸ナトリウム
7.90 g 無水リン酸二カルシウム
25.29 g リン酸二カルシウム二水和物
0.45 g 酸化チタン
【0381】
良好な練り歯磨きは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0382】
実施例30:マウスウォッシュ
フェーズA
2.00 g アロマオイル
4.50 g 実施例1のポリマー
1.00 g ビサボロール
30.00 g アルコール
フェーズB
0.20 g サッカリン
5.00 g グリセロール
適量 防腐剤
5.00 g ポロキサマー407
52.30 g 脱塩水
【0383】
良好なマウスウォッシュは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0384】
実施例37:義歯粘着剤
フェーズA
0.20 g ビサボロール
1.00 g β-カロチン
適量 アロマオイル
20.00 g オクタン酸セテアリル
5.00 g シリカ
33.80 g ミネラルオイル
フェーズB
5.00 g 実施例1のポリマー
35.00 g PVP (20%濃度の水溶液)
【0385】
良好な義歯粘着剤は、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0386】
実施例38:液体石鹸
15.0 g ヤシ脂肪酸、カリウム塩
3.0 g オレイン酸カリウム
5.0 g Luvitol(登録商標)Lite (BASF)
2.0 g ビニルピロリドン/メタクリル酸ステアリル70/30重量%のポリマー
(K値 47; イソプロパノール中1%)
1.0 g ステアリン酸グリセロール
0.5 g 実施例1のポリマー
2.0 g ジステアリン酸エチレングリコール
ad 100 特定の添加物、錯化剤、香料、水
【0387】
良好な液体石鹸は、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0388】
実施例39〜41:パール光沢のあるコンディショニングシャンプー
データは重量%として示す。
【表7】

【0389】
良好な真珠光沢のあるコンディショニングシャンプーは、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。
【0390】
実施例42〜46:シャワー、洗浄、入浴用の製剤
データは重量%として示す。
【表8】

【0391】
良好なシャワー、洗浄、入浴用の製剤は、実施例1のポリマーの代わりに実施例2または3のポリマーを用いても得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 60〜99モル%の、少なくとも60モル%まで4級化された一般式Iの少なくとも1種の1-ビニルイミダゾールモノマー:
【化1】

[式中、R1〜R3は相互に独立して、水素、C1-C4-アルキル、もしくはフェニルである];
b) 1〜40モル%の、少なくとも1種のフリーラジカル重合可能なモノマーであって、
b1) 必要に応じて4級化された一般式IIの化合物:
【化2】

[式中、
R14およびR15は互いに独立して、水素、C1-C8直鎖もしくは分岐鎖アルキル、メトキシ、エトキシ、2-ヒドロキシエトキシ、2-メトキシエトキシ、および2-エトキシエチルからなる群から選択され、
R17は、水素もしくはメチルであり、
R18は、アルキルで置換されていてもよい1〜24個の炭素原子を有するアルキレンもしくはヒドロキシアルキレン、好ましくはC2H4、C3H6、C4H8、CH2-CH(OH)-CH2であり、
gは、0または1であり、
Zはg = 1のとき窒素であり、g = 0のとき酸素であり、
R25およびR26は、いずれの場合にも互いに独立して、水素、C1-C40直鎖もしくは分岐鎖アルキル、ホルミル、C1-C10直鎖もしくは分岐鎖アシル、N,N-ジメチルアミノエチル、2-ヒドロキシエチル、2-メトキシエチル、2-エトキシエチル、ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル、エトキシプロピル、またはベンジルからなる群から選択される]
b2) メタクリル酸、
b3) b1)およびb2)の混合物、
から選択される、前記モノマー;
c) 0〜30モル%の、a)およびb)とは異なる少なくとももう1種のフリーラジカル共重合可能なモノマー(ただし、b)がb2)のメタクリル酸である場合には、c)の量は0モル%より大であり、この場合、モノマーa)からc)までの総量は100モル%となる)、
のフリーラジカル共重合によって得られるカチオン性ポリマーの頭髪用化粧品における使用。
【請求項2】
カチオン性ポリマーが、
a) 65〜90モル%のモノマーa)
b) 5〜35モル%のモノマーb)
c) 0〜20モル%のモノマーc)、
のフリーラジカル重合によって得られ、モノマーa)からc)までの総量が100モル%である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
カチオン性ポリマーが、
a) 70〜85モル%のモノマーa)
b) 10〜30モル%のモノマーb)
c) 3〜10モル%のモノマーc)、
のフリーラジカル重合によって得られ、モノマーa)からc)までの総量が100モル%である、請求項1または2のいずれか1項に記載の使用。
【請求項4】
モノマーa)がN-ビニルイミダゾールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
a)が少なくとも70モル%まで4級化されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
一般式(II)のZが酸素である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
モノマーb)がメタクリル酸ジメチルアミノエチルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
モノマーc)がN-ビニルラクタムである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
コンディショナーとしての請求項1〜8のいずれか1項に記載のカチオン性ポリマーの使用。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載のカチオン性ポリマーを含有する、頭髪用または皮膚用の化粧品。
【請求項11】
ヘアケア組成物、シャンプーまたはシャワージェルの形態である、請求項10に記載の頭髪用化粧品。

【公表番号】特表2010−500322(P2010−500322A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523265(P2009−523265)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058121
【国際公開番号】WO2008/017653
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】