説明

顔色計測装置

【課題】継続的な健康状況の把握のため、顔色の変化値を簡素に且つ正確に計測する装置及び方法を提供する。
【解決手段】画面の真上に設定されるCCDカメラにより、画面には恰も鏡像であるかのように顔が表示される。画面上に示されている両眼基点に両目の像を合わせることで、顔領域の特定、更には顔色計測点の決定が可能になる。更に、三角測量の原理によりカメラと顔との距離が一定に保たれる。また、カメラの撮影範囲内に色サンプルを設定して画面内にその色サンプルを表示し、その色と計測された顔色との差分を利用することで、服装、時刻、ホワイトバランスなどの変化による顔色への影響を除去できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、概略、顔色計測装置に関し、特に、健康管理などの目安にするため顔色の変化値を計測する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
人の顔に関して様々な計測を行い、様々なデータ、例えば、色、明るさ、器官の配置位置、器官の大きさ、及びそれらの変化などのデータを採取して、利用する技術開発・研究はこれまでも数多く行われている。例をあげると、顔画像からその人が誰であるかを認識しよってセキュリティ対策に利用するもの、テレビ放送の画面から人を認識しテレビ番組検索(等)に利用するものなどである。
【0003】
論文「顔画像照合による解錠制御システム」(土居、他、電子情報通信学会論文誌、D−II Vol.J80−D−II No.8 pp.2203〜2208(1997,8))は、顔画像照合の結果により入口の解錠を決定する解錠制御システムの試作を示している。また、特開2000−235640号は、目、唇などの顔器官検出を行う装置を開示するが、その検出の過程において計測データから顔の肌の色を一つ推定する。
【0004】
人の顔に関して様々な計測を行い様々なデータを採取して利用する数多くの技術開発・研究のうちで、顔色を計測する技術開発・研究も多く発表されている。ただし、顔色そのものを健康状態の目安とする装置は殆ど見当たらない。
【0005】
それらの中で、特開平10−165375号に記載の「診断システム」は、ディスプレイ画像色再現に左右されず、顔色などの皮膚色から得られる客観的生体情報の定量化を図ることで、より的確な診断を目指すものである。該診断システムは、デジタルカメラによって数値化して取り込んだ顔の色データを用いて生体状況などを的確に示す各パラメータを各種演算処理して求める。その際、撮影対象(人)物には基準色を示す色部材が設けられ、撮影手段には該色部材を色基準として色補正をする色補正手段が設けられている。このことにより、光源の分光特性の経時変化や周辺光の影響の補正が可能となり画像色の精度がより高められる、としている。
【0006】
ただし、上記の色補正手段がいかにして補正を行うか、についての具体的開示はなされていない。
【0007】
ところで、顔色を機械により自動計測するためには、その前処理として顔領域の特定及び切り出しが行われなければならない。従来技術では、この顔領域の特定及び切り出しの処理を、自動的に計算機により行わせることを目標としているが、その実現のために要求される画像処理技術は高度であり処理達成を完全なものにすることは困難である。
【0008】
また更に、実際に数日間や数ヶ月間、顔色の計測を行うとなると、カメラと顔との距離の不安定さ、撮影時刻の変動、服装の変化、カメラのホワイトバランスの変動など、採取される顔色データへ影響を与える外部の因子が多く発生する。これらの外部の因子は、顔色そのものの変動とは無関係な因子であるため、これら外部の因子による顔色データの変化への影響が極力低く抑えられなければならない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、継続的な健康状況の把握のため、顔色の変化値を簡素に且つ正確に計測する装置及び方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するために為されたものである。本発明に係る請求項1に記載の顔色計測装置は、
第1の制御部と、
第1の表示部と、
第2の制御部と、
第2の表示部とを含み、
第1制御部と第2の制御部とは、ネットワーク部を経由して接続され、
第1の制御部は、撮像部とエンコード部とを有し、撮像部にて採取されエンコード部にてエンコード化される画像データを適宜処理し、
第1の表示部は第1の制御部に接続し、第1の制御部からのデータを表示し、
第2の制御部は、ネットワーク部から入力されるデータを適宜処理し、
第2の表示部は第2の制御部に接続し、第2の制御部からのデータを表示する、
撮像対象者の顔色の計測を行う顔色計測装置である。その顔色計測装置において、
撮像部と第1の表示部とは、撮像部の撮像方向と第1の表示部の表示面の法線方向とが略一致するように且つ極近接して、設置され、
第1の制御部は、撮像部にて採取される画像データを第1の表示部で表示する際に、該画像データの左右を反転させて表示し、
更に第1の表示部の略中央に所定の距離を置いて2つの第1の基点を表示し、
よって、撮像対象者の顔が撮像部及び第1の表示部に正対し、第1の表示部において撮像対象者の両眼の画像2つの中心点が、上記の2つの第1の基点に夫々重なっているときには、その撮像対象者と撮像部との距離が固定される。
【0011】
本発明に係る請求項2に記載の顔色計測装置は、
第1の制御部から第1の表示部に、2つの第1の基点と固有の位置関係を備える第2の基点が表示され、
その第2の基点と重なる撮像対象者の画像上の点の、画像データ、若しくはその点を含むその点の近傍の画像データが、顔色計測データとされる、
請求項1に記載の顔色計測装置である。
【0012】
本発明に係る請求項3に記載の顔色計測装置は、
撮像部の撮像範囲内に、基準色部材が設定され、
第1の制御部から第1の表示部に、基準色基点が設定され、
上記基準色基点と上記基準色部材の画像の表示位置とが重なるとき、基準色基点と重なる基準色部材の画像上の点の画像データが、計測基準データとされ、
上記顔色計測データと上記計測基準データとの差値データが、第1の表示部若しくは第2の表示部に表示され、又は、第1の制御部付随の記憶部若しくは第2の制御部付随の記憶部に記憶される、
請求項1又は請求項2に記載の顔色計測装置である。
【0013】
本発明に係る請求項4に記載の顔色計測装置は、
上記顔色計測データ及び上記計測基準データとして、画像データから赤色成分のみが抽出されて利用される、
請求項3に記載の顔色計測装置である。
【0014】
本発明に係る請求項5に記載の顔色計測装置は、
上記の差値データの平均値が計算され、異なる時点での上記差値データの各々とその平均値との更なる差異データが、第1の表示部若しくは第2の表示部に表示され、又は、第1の制御部付随の記憶部若しくは第2の制御部付随の記憶部に記憶される、
請求項3又は請求項4に記載の顔色計測装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下において、図面を参照しつつ本発明に係る好適な実施の形態を説明する。
【0016】
≪第1の実施の形態≫
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る顔色計測装置2のブロック図である。該顔色計測装置2は、顔色計測対象者の起臥寝食に係る場所である対象者住居4と、顔色計測の観察者の所属する管理センタ6とに、機能を分けて設定される。
【0017】
対象者住居4には、CCDカメラ部10が設定される。CCDカメラ部10で対象者の画像が採取され、その画像はカラーエンコード部12により所定のエンコード処理を受けて、画像データとして顔色計測処理部14に送られる。ここでのカラーエンコード部12は、例えば、NTSCエンコーダであり、顔色計測処理部14は、適切なソフトウエアを搭載した計算機(のCPU)である。
【0018】
更に対象者住居4には、表示操作部16が備わる。表示操作部16は画像データを含む様々なデータを表示するが、その中には、顔色計測処理部14から送られる画像信号が含まれる。その顔色計測処理部14から送られる画像信号には、上記のCCDカメラ部10から送られる画像データが含まれる。従って、CCDカメラ部10で採取された対象者の画像などは、表示操作部16に即座に表示されるよう設定されている。
【0019】
但し、後で詳しく説明するが、本発明の第1の実施の形態では、対象者にとって表示操作部16の表示画面が所謂「鏡」として機能するように、CCDカメラ部10による対象者の画像は、表示操作部16の表示画面で左右が逆に表示される。
【0020】
また、表示操作部16と顔色計測処理部14とは、種々の制御信号を相互に送受信する。
【0021】
対象者住居4の顔色計測処理部14と、管理センタ6に設定されている集中制御処理部18とは、インターネット8により接続されており、各種のデジタルデータが該インターネット8を介して送信・受信される。顔色計測処理部14と集中制御処理部18とは、電話回線(等)により接続されていてもよい。
【0022】
上でも述べたように、管理センタ6には、集中制御処理部18が設定される。図1では、管理センタ6に接続する対象者住居4(の顔色計測処理部14)は、一つのみ描かれているが、管理センタ6に接続する対象者住居4は複数であってもよい。管理センタ6の集中制御処理部18には、表示部20が備わる。ここでの集中制御処理部18は適切なソフトウエアを搭載した計算機であり、表示部20は適切なディスプレイ装置である。
【0023】
従って、管理センタ6には、複数の対象者住居4からの画像データが集中して送信され、それら画像データが、集中制御処理部18で集中して処理され表示部20で集中して表示されることになる。
【0024】
図2は、図1の対象者住居4に設定されるCCDカメラ部10及び表示操作部16の、正面図である。図3は、図1の対象者住居4での、対象者28がCCDカメラ部10及び表示操作部16を使用する様子を示す斜視図である。図2に示すように、筐体たる表示操作部16の一面に、画面22が備わる。画面22においては、CCDカメラ部10によって採取された画像が表示される。そのCCDカメラ部10は、図2に示す如く、例えば表示操作部16の上端面に設置される。
【0025】
更にCCDカメラ部10は、画面22の法線方向と同一方向を向いて設置されている。従って、CCDカメラ部10により採取された画像が、画面22上で左右逆に表示されるように顔色計測処理部14で制御される場合、画面22の法線方向即ちCCDカメラ部10の方向に、対象者28が正対して位置する(例えば、座る)と、対象者28にとって画面22上の像は「鏡像」として機能することになる。即ち、対象者28は、画面22を「鏡」として利用できる。
【0026】
このように、CCDカメラ部10により採取された画像が画面22上で左右逆に表示されるならば、対象者28は、画面22を自らを映す鏡として利用でき、対象者28は気軽に顔色計測装置2を利用できる。
【0027】
図3に示すように、対象者28は、CCDカメラ部10及び画面22に向かうことで、自らの画像データを採取させる。図3の下部筐体24には、カラーエンコーダ部12、顔色計測処理部14、及び(例えば、キーボード等の)操作部(但し、図示せず。)などが含まれる。ところで、対象者28の近傍には基準色を纏う色部材30(以下、基準色部材と言う。)が設定されている。後で詳しく説明するように、この基準色部材30は、画面22上にて所定の位置(図4、図5の基準色基点36)に表示されるべきものであるから、そのために移動可能且つ固定可能であることが求められる。
【0028】
さらに、図4は、表示操作部16の画面22の例を示す。図4(1)の画面22は幾つかの基点のみを表示する。それらの基点とは、両眼基点32、採色基点34、及び基準色基点36である。図4(1)で、両眼基点32は2つの白抜き十字により、採色基点34は片方の両眼基点32の直下の十字により、基準色基点36はもう一つの十字により、夫々表されている。
【0029】
両眼基点32は、画面22の略中央に適切な距離を置いて2つ設定される。対象者28は自らの顔を画面に表示させる際、自らの両眼の「瞳」部分が2つの両眼基点32に重なるように自分の顔を前後左右に微移動させる。ここで、CCDカメラ部10の倍率や2つの両眼基点32の距離などが、継続して固定されているならば、対象者28が両眼の像を2つの両眼基点32に重ねることにより、継続して対象者28とCCDカメラ部10との距離が一定に保持される。即ち、三角測量の原理の応用により、両者の距離が一定に保持されることになる。
【0030】
この両者の距離が一定になることで、顔色に対する(カメラとの)距離による影響の変動が取り除かれる。しかも、後で説明する採色領域(採色基点34)の顔上の位置が不動のものとなる。
【0031】
なお、画面22上の両眼基点32は、CCDカメラ部10と対象者28との距離を変動・調整するために、操作部(図示せず。)により位置を変えられ得る。
【0032】
採色基点34は、両眼基点32の片方の直下に設定される。両眼基点32と採色基点34との位置関係が一定であれば、上記の対象者28とCCDカメラ部10との距離が一定であることから、採色基点34は顔面の画像データの同じ点上に常に重なる。従って、顔色計測装置2においてこの採色基点34の画像データを、顔色の画像データの計測データとすればよい。更に、例えば採色基点34の上下左右各5ピクセルの画像データを平均して顔色の画像データの計測データとしてもよく、そうすれば計測の信頼度を向上できる。
【0033】
画面22上の採色基点34も、採色対象の位置を変更・調整するために、操作部(図示せず。)により位置を変えられ得る。
【0034】
基準色基点36は、操作部(図示せず。)の操作により位置を変えられて、画面22に表示される基準色部材30の画像に重ねられなければならない。重ねられたならば、基準色基点36における画像データが(後で説明する)基準色の画像データとなる。基準色部材30は、画面22に表示され得る範囲内の位置に設定されていればよいが、基準色に対する距離による影響の変動が極力発生しないように、CCDカメラ部10との位置関係を固定して保つのが望ましい。
【0035】
ところで、第1の実施の形態においては採色基点34の顔色の画像データのうち、カメラ出力の赤色成分(R成分)のみを計測データとする。同時に、基準色基点36の画像データの赤色成分を計測データの基準(計測基準データ)とする。よって、基準色部材30は、概ね赤色であるのが好ましい。
【0036】
もちろん、計測データは、R成分以外のものでもよく、例えば、G成分、B成分、それら3原色がNTSCエンコーダによりコード化されたもの、モノクローム信号、若しくは赤外線であってもよい。
【0037】
対象者28は、計測データを採取すべき瞬間(タイミング)であると判断すると、採取すべきタイミングであることを下部筐体24に備わる操作部(図示せず。)への所定の操作により顔色計測処理部14に通知する。顔色計測処理部14は計測データを採取すべきタイミングであることを示す上記トリガ(通知)データを受け取り、その瞬間の顔色の画像データから、採色基点34における顔色計測データ(I)と基準色基点36における計測基準データ(M)とを抽出する。
【0038】
抽出されたデータ(I、M)は、抽出時の瞬間の画像データと共に、インターネット8を介して管理センタ6の集中制御処理部18に伝送され、該集中制御処理部18に備わる記憶部(図示せず。)に記憶される。それと同時に、抽出されたデータ(I、M)及び抽出時の瞬間の画像データは、各対象者住居4の顔色計測処理部14に備わる記憶部(図示せず。)に記憶されてもよい。
【0039】
集中制御処理部18での処理では、顔色計測データ(I)がそのまま利用されてもよいが、天候、時刻、照明などによる外光の変動の影響を抑止するために、計測基準データ(M)と顔色計測データ(I)との差値(M−I)が利用される。
【0040】
対象者28各人に関して、差値(M−I)の(適切な期間の)平均値av(M−I)と、例えば日々の差値(M−I)とを、グラフにより表示した例が、図5である。図5において、平均値av(M−I)は、符号50の付された直線により示されており、日々の差値(M−I)は、符号52の付された折線により示されている。
【0041】
例えば、日々の差値(M−I)と平均値av(M−I)との、更なる差を、顔色変化による健康状態判断の目安となる「健康目安値(K)」として、定義することができる。この健康目安値(K)を、毎日、集中制御処理部18に接続する表示部20に表示してもよい。また、その健康目安値(K)データを対象者28に係る顔色計測処理部14に送信し表示操作部16に表示して、対象者28の注意を喚起してもよい。
【0042】
この際、対象者28各人に関する健康目安値(K)に対して、値の大小により例えば「平常」「変化」「注意」などのカテゴリを設定し、日々の変動する健康目安値に関して上記のカテゴリを集中制御処理部18で判別して、顔色計測処理部14に送信し表示操作部16に表示してもよい。
【0043】
以上の第1の実施形態に係る顔色計測装置を利用すると、簡素な仕組み及び手続により、健康変化の目安としての顔色計測を行うことができる。例えば、独居老人が健康管理の一貫として顔色計測装置による顔色計測を継続して行うことは、独居老人にとって容易なことである。然も、遠隔地にいる介護者(等)が独居老人の顔色の変動を端的に把握できる。
【0044】
≪その他の実施形態≫
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではない。上記の第1の実施の形態では、顔色の採色領域を固定するため、及び、CCDカメラ部10と対象者28との距離を一定にするため、画面22上に両眼基点32が設定される。同じ目的のために、画面22上に顔の「輪郭線」が設定されてもよい。
【0045】
また、第1の実施の形態では、表示操作部16の画面22にて、画像が左右逆に表示されるが、逆にされず左右がそのまま表示されてもよい。
【0046】
顔色計測値や健康目安値、及び画像データは、対象者と管理センタだけでなく、介護担当者や医療関係者、更には対象者の家族にも、ネットワークを介して夫々の所有の計算機により参照されることが可能であってもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明を利用することにより、以下のような効果を得ることができる。
【0048】
簡素な仕組みと手続とによって、健康変化の目安としての顔色計測を行うことができる。基準色により数値の基準化がなされるため、変動要素の影響が除去され得る。
【0049】
例えば、独居老人の健康管理の一貫として本発明の顔色計測装置による顔色計測を継続して行うことは、独居老人にとって容易なことである。また、遠隔地にいる介護者(等)が顔色の変動を容易に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る顔色計測装置のブロック図である。
【図2】図1の対象者住居に設定されるCCDカメラ部及び表示操作部の正面図である。
【図3】図1の対象者住居に設定されるCCDカメラ部及び表示操作部とそれらに向かう対象者の斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る顔色計測装置の表示操作部の画面例である。
【図5】ある対象者関して、差値(M−I)の平均値av(M−I)と、日々の差値(M−I)とを表示するグラフである。
【符号の説明】
2・・・顔色計測装置、4・・・対象者住居、6・・・管理センタ、8・・・インターネット、10・・・CCDカメラ部、12・・・カラーエンコーダ部、14・・・顔色計測処理部、16・・・表示操作部、18・・・集中制御処理部、20・・・表示部、22・・・画面、28・・・対象者、30・・・基準色部材、32・・・両眼基点、34・・・採色基点、36・・・基準色基点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の制御部と、
第1の表示部と、
第2の制御部と、
第2の表示部とを含み、
第1制御部と第2の制御部とは、ネットワーク部を経由して接続され、
第1の制御部は、撮像部とエンコード部とを有し、撮像部にて採取されエンコード部にてエンコード化される画像データを適宜処理し、
第1の表示部は第1の制御部に接続し、第1の制御部からのデータを表示し、
第2の制御部は、ネットワーク部から入力されるデータを適宜処理し、
第2の表示部は第2の制御部に接続し、第2の制御部からのデータを表示する、
撮像対象者の顔色の計測を行う顔色計測装置において、
撮像部と第1の表示部とは、撮像部の撮像方向と第1の表示部の表示面の法線方向とが略一致するように且つ極近接して、設置され、
第1の制御部は、撮像部にて採取される画像データを第1の表示部で表示する際に、該画像データの左右を反転させて表示し、
更に第1の表示部の略中央に所定の距離を置いて2つの第1の基点を表示し、
よって、撮像対象者の顔が撮像部及び第1の表示部に正対し、第1の表示部において撮像対象者の両眼の画像2つの中心点が、上記の2つの第1の基点に夫々重なっているときには、その撮像対象者と撮像部との距離が固定される、
顔色計測装置。
【請求項2】
第1の制御部から第1の表示部に、2つの第1の基点と固有の位置関係を備える第2の基点が表示され、
その第2の基点と重なる撮像対象者の画像上の点の、画像データ、若しくはその点を含むその点の近傍の画像データが、顔色計測データとされる、
請求項1に記載の顔色計測装置。
【請求項3】
撮像部の撮像範囲内に、基準色部材が設定され、
第1の制御部から第1の表示部に、基準色基点が設定され、
上記基準色基点と上記基準色部材の画像の表示位置とが重なるとき、基準色基点と重なる基準色部材の画像上の点の画像データが、計測基準データとされ、
上記顔色計測データと上記計測基準データとの差値データが、第1の表示部若しくは第2の表示部に表示され、又は、第1の制御部付随の記憶部若しくは第2の制御部付随の記憶部に記憶される、
請求項1又は請求項2に記載の顔色計測装置。
【請求項4】
上記顔色計測データ及び上記計測基準データとして、画像データから赤色成分のみが抽出されて利用される、
請求項3に記載の顔色計測装置。
【請求項5】
上記の差値データの平均値が計算され、異なる時点での上記差値データの各々とその平均値との更なる差異データが、第1の表示部若しくは第2の表示部に表示され、又は、第1の制御部付随の記憶部若しくは第2の制御部付随の記憶部に記憶される、
請求項3又は請求項4に記載の顔色計測装置。

【公開番号】特開2004−8632(P2004−8632A)
【公開日】平成16年1月15日(2004.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−168566(P2002−168566)
【出願日】平成14年6月10日(2002.6.10)
【出願人】(500466739)財団法人奈良先端科学技術大学院大学支援財団 (1)
【Fターム(参考)】