説明

風力発電装置

【課題】主軸上に発電機回転子を支持しているため、主軸を長く設計しなければならず、重量が重くなり且つ組み立て性が悪いという不具合があった。風力発電装置は、風車や発電機等の重量物を所定の高さのタワー上に保持する構造であるため、できる限り風力発電装置の軽量化を図ることが本来的に要請される。
【解決手段】主軸10の一端部にハブ29を支持し、多端部に発電機回転子12を支持し、主軸ハウジング40と発電機ハウジング20を一体化し、前記主軸10後部に固設した発電機回転子12を後方に開放した形状にし、該後方開放部から主軸10と発電機回転子12を脱着可能に固設し、発電機ハウジング20の後方開放部に少なくともピッチ制御軸37の回転継手部33を配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力エネルギーを電気エネルギーに変換する風力発電装置に関し、特に可変のピッチ翼を具備する風力発電機の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、風力発電装置として、風力エネルギーを風車を介して回転動力に変換し、この回転動力を風車と連結される発電機に伝達して、伝達された回転動力を発電機により電気エネルギーに変換するものが知られている。
このような風力発電装置には、風車の回転を、例えば、歯車機構を用いた増速装置により増速して発電を行う増速タイプのものと、風車の回転を増速せずに、そのまま伝達して発電を行うダイレクトタイプのものとがある。後者は、前者と比べて、大型(大径)の発電機が必要ではあるものの、複雑な機構の増速装置が不要となる点で優れている。
【0003】
また、風力発電装置には、可変ピッチ機構を備えるタイプのものがあり、可変ピッチ機構により、風車を構成するブレードのピッチ角度を変更して、風速に合わせて風車の回転数を発電機にとって好適な回転数に調節するようにしたものが知られている。
このようなダイレクトタイプで、可変ピッチ機構を備える風力発電装置としては、主軸の先端にハブを支持し、該主軸上に発電機回転子を支持するもの等が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−31031号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されている発電機は、主軸上に発電機回転子を支持しているため、主軸を長く設計しなければならず、重量が重くなり且つ組み立て性が悪いという不具合があった。風力発電装置は、風車や発電機等の重量物を所定の高さのタワー上に保持する構造であるため、できる限り風力発電装置の軽量化を図ることが本来的に要請される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
即ち、請求項1においては、タワー上端に旋回台を設け、
該旋回台上に架台を設け、
該架台上にステーを設け、
該ステー上に主軸ハウジングと発電機ハウジングを設け、
該主軸ハウジングと主軸間に軸受けを設けた風力発電装置であって、
主軸の一端部にハブを支持し、他端部に発電機回転子を支持したものである。
【0007】
請求項2においては、前記主軸ハウジングと前記発電機ハウジングを一体化したものである。
【0008】
請求項3においては、前記発電機ハウジング内の発電機回転子を後方に開放した形状にし、該後方開放部から主軸と発電機回転子を脱着可能に固設したものである。
【0009】
請求項4においては、発電機ハウジングの後方開放部に少なくともピッチ制御軸の回転継手部を配置したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、発電機回転子を主軸のみで支持するため、全長を短縮することができる。その結果、ピッチ制御用油圧シリンダ等の配設が容易なものとなり、さらなる全長の短縮化を図ることができる。
【0012】
請求項2においては、主軸ハウジングと発電機ハウジングを一体化することにより相対回転不能となり、発電機ハウジングの据付足等が不要となり、部品点数を減らすことができ、取り付け作業の簡素化とコストダウンを実現できる。
【0013】
請求項3においては、取り付け板さえ外しておけば、主軸の後方から、発電機回転子を主軸に当接させ、そのように当接させた状態で、後方から発電機回転子の中に手を入れて、前記取り付け用フランジ部同士にボルトを嵌入して発電機回転子を主軸に固設することが可能となる。加えて、軽量化とコンパクト化も実現できる。
【0014】
請求項4においては、ピッチ制御機構の一部の発電機ハウジング内部への配設が容易なもとなり、ナセル全長の短縮化が可能となる。また、後方を開放した構造であるため、ピッチ制御用油圧シリンダの取り付けや関連機構などの配置が制約を受けず、取り付け作業の簡素化が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明を適用する風力発電装置1の一実施例を示す正面図、図2は風力発電装置1のナセル5内部の構造を示す側面断面図、図3は主軸10周辺を拡大して示した側面断面図である。
【0016】
風力発電装置1の概略構成について、図1、図2を用いて説明する。
本実施例の風力発電装置1は、風力エネルギーを風車2により回転動力に変換して、該回転動力を主軸10によって該風車2と直結する発電機11に伝達し、伝達された回転動力を該発電機11により電気エネルギーに変換する装置である。風力発電装置1は、風力エネルギーを回転動力に変換する風車2と、該風車2の回転軸である主軸10、風車2の回転動力を電気エネルギーに変換する発電機11、主軸10および発電機11を収容するナセル5、該ナセル5を所定の高さに保持するタワー7等により構成される。
【0017】
風車2は、複数枚(本実施例の図1では、3枚)のブレード3・3・3からなり、該ブレード3・3・3が主軸10に取り付けられて形成されている。ブレード3は、樹脂(例えば、繊維強化プラスチック)等の軽量な材質からなる。風力発電装置1には、ブレード3の取り付け基部に可変ピッチ装置30が連結され、該可変ピッチ装置30によりブレード3のピッチ角度を変更する。この可変ピッチ装置30については、後述する。
【0018】
また、風力発電装置1には旋回装置60が備えられ、該旋回装置60によりナセル5を旋回させて、風車2を風向きに対して向い合う方向へ向ける。旋回装置60は、タワー7上端に配設されるものであり、油圧モータ62によって旋回台52を旋回可能に支持するものである。旋回台52はその上面に架台6を配設している
架台6上には、主軸ハウジング40を支持するステー50や、可変ピッチ装置30の駆動手段となるアクチュエータとしての油圧シリンダー34や油圧モータ62を作動するための図示しない油圧ユニットや、ナセル5等が設置されている。なお、前記アクチュエータは油圧シリンダー34に限定するものではなく、電動シリンダーやエアシリンダーやソレノイド等であってもよく、直動型のアクチュエータであればよい。又、前記油圧モータ62は、電動モータであっても良い。
【0019】
次に、ナセル5内部の構造について、図2及び図3を用いて説明する。
ナセル5内部には、主軸10、発電機11に加えて、主軸ハウジング40や、発電機ハウジング20等が収容されている。そして、主軸10には、前方(図2上において左方向)に、可変ピッチ装置30を収容しているハウジング(後述するブレード3・3・3のハブとなるため、以下ハブとする。)29が、後方には、周囲に永久磁石14等を備えた発電機回転子12が、固設されている。可変ピッチ装置30にはブレード3が連結されており、後述するようにピッチ角を制御できるように構成されている。
ナセル5は、ブレード3・3・3と共に回転する前部ナセル5bと、ステー51等を介して旋回台52に固設されてブレード3とは一緒に回転しない後部ナセル5cとによって構成されている。
【0020】
主軸10後方の発電機回転子12は、図2に示すように、後方から発電機ハウジング20によって覆われており、該発電機ハウジング20の前方には前記主軸10を覆うように主軸ハウジング40が配設されている。
主軸10は、略円筒形に形成されており、前部にフランジ部を形成してハブ29の後面にボルト等によって、固設されている。そして、主軸ハウジング40には補強用のリブ24・24が取り付けられており、発電機ハウジング20には放熱用のフィン25が外周に多数突出されている。
【0021】
主軸ハウジング40の後部には、幅広のフランジ部40bが設けられており、該フランジ部40bの外周の径が、後方に配設される発電機ハウジング20の径と略同じになるように形成されている。そして、主軸ハウジング40の後部のフランジ部40bのさらに外周にボルト等を嵌入するための取り付け用フランジ部40cを形成し、発電機ハウジング20の前部にも取り付け用フランジ部20bを形成し、該フランジ部同士40c・20bをボルト等で固定することによって、主軸ハウジング40と発電機ハウジング20を一体化して固設している。
主軸ハウジング40は架台6上にボルトによって固設されたステー50・50によって、左右からはさまれて固設されている。主軸ハウジング40の支持構成は、左右から挟まれるような構成でも良いし、ステー50・50の上に載せるように固設する方法でも良い。あるいは、ステー50・50が主軸ハウジング40と一体となっていても良い。
発電機ハウジング20は後部にもフランジ部20cが形成されており、該フランジ部20cと取り付け板21の周囲に形成されたフランジ部21bとをボルト等で固定することによって、取り付け板21が発電機ハウジング20内の空間の後部を塞いでいる。取り付け板21は、略円盤形状に形成されており、後述する油圧シリンダー34を貫通できるように中央部にシリンダ貫通孔21cが形成されている。
【0022】
このように、前記主軸ハウジング40と前記発電機ハウジング20を一体化したので、
発電機ハウジング20の据付足等が不要となり、部品点数を減らすことができ、取り付け作業の簡素化とコストダウンを実現できる。
【0023】
発電機11は、主軸10後部にボルト等によって固定される発電機回転子12と、該発電機回転子12の外側に所定の間隔を隔てて対向配置される固定子13とによって構成されている。発電機回転子12の前部には、内周に幅広のフランジ部12bが設けられている。そして、該フランジ部12bのさらに内周にボルト55を貫通するための取り付け用フランジ部12cが形成され、主軸10の後部にも取り付け用フランジ部10bが形成され、該取り付け用フランジ部同士10b・12cをボルト55等で固定することによって、主軸10と発電機回転子12を一体化している。このように、発電機回転子12の形状は、後方を開放した短筒形状となっている。
そのため、取り付け板21を外していれば、主軸10の後方から、発電機回転子12を主軸に当接させ、そのように当接させた状態で、後方から発電機回転子12の中に手を入れて、前記取り付け用フランジ部同士10b・12cにボルトを嵌入して発電機回転子12を主軸10に固設することが可能となる。
【0024】
このように、前記発電機ハウジング20内の発電機回転子12を後方に開放した形状にし、該後方開放部から主軸10と発電機回転子12を脱着可能に固設したので、
取り付け板21さえ外していれば、主軸10の後方から、発電機回転子12を主軸に当接させ、そのように当接させた状態で、後方から発電機回転子12の中に手を入れて、前記取り付け用フランジ部同士10b・12cにボルトを嵌入して発電機回転子12を主軸10に固設することが可能となる。加えて、軽量化とコンパクト化も実現できる。
【0025】
発電機回転子12の周囲には永久磁石14が固設され、発電機ハウジング20の内周に固設された固定子13はコイルで構成されており、発電機11は永久磁石型の同期発電機の構成となっている。この他に、カゴ型や巻線型誘導発電体でも良い。
このように、発電機回転子12の径を大きくしたことにより、歯車機構等の複雑な機構を用いた増速装置によって増速して発電を行う必要がなくなり、風車2の回転をそのまま伝達して発電を行うことができる。なお、発電機回転子12に永久磁石14を固設する構成に替えて、発電機回転子12をコイルで構成してもよい。
【0026】
前記主軸ハウジング40は、主軸10の外周に主軸10と所定の間隔を隔てて、配設されており、主軸10が主軸ハウジング40に覆われているような構成となっている。そして前述のように、発電機回転子12は、主軸10に対して相対回転不能となっており、風車2の回転により主軸10とともに回転する。
一方、固定子13は、架台6に固定されたステー50によって固定されて支持されている主軸ハウジング40に固定された発電機ハウジング20内面に固定されているため、風車2や主軸10や発電機回転子12が回転しても、回転しないようになっている。
このように、発電機ハウジング20は主軸10に取り付けられる発電機回転子12を覆うように、主軸ハウジング40は主軸10を覆うように取り付けられており、主軸10と発電機回転子12が主軸ハウジング40と発電機ハウジング20に相対回転可能に構成されている。
【0027】
前述のように、発電機ハウジング20、固定子13、取り付け板21は、全体として発電機回転子12の回転軸(軸心)に関して対称的な形状となっている。ただし、発電機ハウジング20に取り付けられる固定子13が主軸10の軸心に関して対称的であればよく、発電機ハウジング20の形状自体は特に対称的である必要はない。
そして、取り付け板21の中央部には、可変ピッチ装置30を制御するための、油圧シリンダー34が貫通されており、該油圧シリンダー34は取り付け板21にボルト等で固設されている。油圧シリンダー34は取り付け板21に固設されているため、主軸10や発電機回転子12が回転しても回転しないようになっている。
【0028】
以上のような構成で、主軸10及び発電機回転子12は、主軸ハウジング40及び発電機ハウジング20を貫通するように取り付けられるとともに、該主軸ハウジング40の前後(軸心方向)両側で前部軸受け15と後部軸受け16を介して支持している。このように、軸受け15・16を介して、主軸10を支持しているため、主軸10と発電機回転子12は、主軸ハウジング40と発電機ハウジング20に対して、相対回転可能となっている。
このように構成したので、風力発電装置1において、風を受けると風車2が回転し、これに伴い主軸10が回転する。これにより、主軸10に固定された発電機回転子12が、発電機ハウジング20に固定された固定子13に対して回転し、発電機回転子12と固定子13との間にて発電が行われる。つまり、風車2により変換された風力エネルギーが回転動力として主軸10に伝達され、この回転動力が発電機11により電気エネルギーに変換される。
【0029】
次に、主軸10内部の構造について図3を参照しながら説明する。
本実施例では、風車2の回転を、歯車機構を用いた増速装置等により増速せずに、主軸10に伝えて発電するようにしている。このため、発電機11は低速タイプとなり、大径となるため、主軸10や発電機回転子12の径は、増速装置を備える場合に比べて大きなものとなっている。このように、主軸10や発電機回転子12を大径化することにより、主軸10や発電機回転子12の肉厚を薄くしても、その強度を保つことができる。この主軸10の薄肉化と、前述の主軸10の短縮化によって、主軸10の軽量化を図ることができる。そして、主軸10の短縮化により形成される、主軸10の後方であり且つ発電機ハウジング20内の空間を、以下のように有効的に活用することとしている。
【0030】
前述したように、ハブ29と主軸10と発電機回転子12は、内部に空間を有する段付き円筒状となっており、この空間内に、可変ピッチ装置30を構成する油圧シリンダー34、アーム31、リンク32、ロッド軸受け部33、ピッチ制御軸37等を収容して、形成された主軸10内部や主軸10後方の空間の有効活用を図ることとしている。なお、主軸10の前端面は、加工・組み立ておよびメンテナンスに開口できるように、円盤53をボルト等によって脱着自在に構成されている。
【0031】
主軸10の前方に固設されるハブ29には、複数枚のブレード3・3・3が取り付けられる。このため、ハブ29には、ブレード3・3・3を取り付けるための複数(ブレード3の枚数と同数)の開口部29b・29b・・・が形成されている。この開口部29bに、主軸10とブレード3とを接続するシャンク4が挿入され、該シャンク4が軸受41を介して主軸10に回動可能に支持されている。そして、シャンク4の一端側(主軸10から外方へ突出した側)にブレード3が連結されている。
このように、シャンク4が主軸10に回動可能に取り付けられているため、ブレード3が主軸10に対して回動可能となっている。これにより、シャンク4を回動させることで、ブレード3のピッチ角度を変更できる。
【0032】
このようなブレード3のピッチ角度の変更は、可変ピッチ装置30によって行われる。可変ピッチ装置30はブレード3のピッチ角度を変更して、風速に合わせて風車2の回転数を発電機11にとって好適な回転数に調節するために設けられており、該可変ピッチ装置30には、アーム31と、リンク32と、ロッド軸受け部33と、油圧シリンダー34と、ピッチ制御軸37等が備えられている。ここで、可変ピッチ装置30は油圧ユニットにより作動される。
【0033】
可変ピッチ装置30によるブレード3のピッチ角度の変更について説明する。
前記シャンク4の一端側(ハブ29側)にはアーム31の一端側がシャンク4の回転軸心から偏心した位置に連結固定されており、該アーム31の他端側はリンク32の一端側に枢結されている。さらに、リンク32の他端側はピッチ制御軸37の先端部37bに回動自在に枢支されている。なお、リンク32にターンバックル等を取り付けて長さ調節可能に構成としてもよい。
ピッチ制御軸37は、油圧シリンダー34のロッド34aの延長線上に、ロッド軸受け部33を介して、ロッド34aと同方向に伸びるように配設されている。ロッド軸受け部33はスラストベアリング等で構成されており、該ロッド軸受け部33がロッド34aの先端部に取り付けられている。このように、ピッチ制御軸37は、ロッド34aに対して相対回転可能に、ピッチ制御軸37の軸心方向に移動できるように取り付けられている。
【0034】
油圧シリンダー34は、該主軸10の軸心に沿って配設されている。つまり、固定子13、発電機回転子12、主軸10、油圧シリンダー34、ピッチ制御軸37を同一軸心上に配置している。
該油圧シリンダー34は、その後部が前述した取り付け板21に固定されており、該取り付け板21を介して発電機ハウジング20に取り付けられている。したがって、風車2が回転しても油圧シリンダー34およびロッド34aは回転しない。これに対して、ピッチ制御軸37、リンク32、アーム31は、風車2の回転とともに回転する。
【0035】
このような構成で、油圧シリンダー34が伸縮すると、これに伴ってロッド軸受け部33が、油圧シリンダー34の軸方向(主軸10の軸心方向)に沿って移動する。これにより、ピッチ制御軸37が移動し、ピッチ制御軸37の先端部37bに枢支されているリンク32とともに、アーム31が回動する。この結果、シャンク4とともにブレード3がシャンク4の軸心を軸として回動する。なお、主軸10の内面には制御軸ガイド36・38によって支持され、該制御軸ガイド36・38によりピッチ制御軸37の移動を案内するように設けられている。
以上のようなナセル5内部においては、主軸10、発電機回転子12、アーム31、リンク32、ピッチ制御軸37が、風車2の回転とともに回転する。一方、主軸ハウジング40、発電機ハウジング20、固定子13、取り付け板21、油圧シリンダー34およびロッド34aは、風車2が回転しても回転しない。
【0036】
このように、発電機ハウジング20の後方開放部に少なくともピッチ制御軸37の回転継手部33を配置したので、
ナセル5全長の短縮化が可能となる。また、後方を開放した構造であるため、ピッチ制御用油圧シリンダー34の取り付けや関連機構などの配置が制約を受けず、取り付け作業の簡素化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は本発明を適用する風力発電装置1の一実施例を示す正面図。
【図2】風力発電装置1のナセル5内部の構造を示す側面断面図。
【図3】主軸10周辺を拡大して示した側面断面図。
【符号の説明】
【0038】
10 主軸
12 発電機回転子
13 固定子
20 発電機ハウジング
29 ハブ
33 ロッド軸受け部(回転継手部)
37 ピッチ制御軸
40 主軸ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タワー上端に旋回台を設け、
該旋回台上に架台を設け、
該架台上にステーを設け、
該ステー上に主軸ハウジングと発電機ハウジングを設け、
該主軸ハウジングと主軸間に軸受けを設けた風力発電装置であって、
主軸の一端部にハブを支持し、他端部に発電機回転子を支持した、
ことを特徴とする風力発電装置。
【請求項2】
前記主軸ハウジングと前記発電機ハウジングを一体化した、
ことを特徴とする請求項1に記載の風力発電装置。
【請求項3】
前記主軸後部に固設した発電機回転子を後方に開放した形状にし、該後方開放部から主軸と発電機回転子を脱着可能に固設した、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の風力発電装置。
【請求項4】
発電機ハウジングの後方開放部に少なくともピッチ制御軸の回転継手部を配置した、ことを特徴とする請求項3に記載の風力発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−46107(P2006−46107A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−225604(P2004−225604)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】