飲料水用ポンプおよびこれを備えた飲料調理装置
【課題】水漏れが生じた場合でも、その漏れた水を、ポンプの動作に悪影響を与えることなく処理でき、その結果、ポンプの寿命を延ばすことができる飲料水用ポンプ、およびこれを備えた飲料調理装置を提供する。
【解決手段】モータ24によって回転駆動される駆動軸41と、駆動軸41の回転に伴って回転する駆動ギヤ22と、駆動ギヤ22を回転自在に収容するとともに吸入口36および吐出口34aに連なるギヤ収容部35と、駆動軸41を回転自在に収容するとともにギヤ収容部35に連なる駆動軸収容部44とを有するケーシング21と、駆動軸収容部44内に、ギヤ収容部35側から順に設けられ、駆動軸41と駆動軸収容部44の内壁との隙間を密封するXリング51およびVリング52と、を備え、駆動軸収容部44のXリング51およびVリング52の間には、Xリング51を介して漏れた水を外部に排出する排水口44bが設けられている。
【解決手段】モータ24によって回転駆動される駆動軸41と、駆動軸41の回転に伴って回転する駆動ギヤ22と、駆動ギヤ22を回転自在に収容するとともに吸入口36および吐出口34aに連なるギヤ収容部35と、駆動軸41を回転自在に収容するとともにギヤ収容部35に連なる駆動軸収容部44とを有するケーシング21と、駆動軸収容部44内に、ギヤ収容部35側から順に設けられ、駆動軸41と駆動軸収容部44の内壁との隙間を密封するXリング51およびVリング52と、を備え、駆動軸収容部44のXリング51およびVリング52の間には、Xリング51を介して漏れた水を外部に排出する排水口44bが設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばカップ式自動販売機や飲料ディスペンサなどに用いられ、水(湯を含む、以下同じ)を、吸入口を介して内部に吸い込み、吐出口を介して外部に送り出す飲料水用ポンプ、およびこれを備えた飲料調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料水用ポンプとして、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。このポンプは、いわゆる歯車ポンプであり、互いに噛み合う一対のポンプ歯車と、両ポンプ歯車を回転自在に収容するケーシングと、両ポンプ歯車を駆動するモータと、このモータとケーシングの間に設けられ、モータの動力を両ポンプ歯車に伝達するための複数のギヤを有するギヤボックスとを備えている。ケーシングは、両ポンプ歯車を収容するとともに、吸入口および吐出口に連なる歯車収容部を有している。また、各ポンプ歯車には、シャフトが固定されており、このシャフトがギヤボックス内に組み付けられた軸受に回転自在に支持されている。さらに、各シャフトのポンプ歯車と軸受との間には、シャフトを介して水漏れが生じるのを防止するために、ゴム製のXリングを有するシール機構が設けられている。
【0003】
このポンプでは、モータが作動し、ギヤボックスおよびシャフトを介して、両ポンプ歯車が回転すると、吸入口側の水が歯車収容部側に吸い込まれる。そして、その水は、両ポンプ歯車の各歯溝と、歯車収容部の周壁とで囲まれたスペースに入った状態で、その周壁に沿って搬送され、吐出口側に移動する。これにより、歯車収容部側に吸い込まれた水は、加圧され、吐出口を介してポンプの外部に送り出される。
【0004】
このポンプの作動時には、吐出口側の水が高圧になるため、その水がシール機構に作用した場合には、シール機構のXリングは、その内周面のシャフトに対する面圧が高くなるように変形する。この場合、Xリングの内周面がシャフトに強固に密着するため、Xリングの内周面とシャフトとの間から水漏れすることはない。しかし、上記のように、Xリングの内周面がシャフトに強固に密着した状態で、シャフトが回転するために、Xリングの内周面が次第に摩耗する。その結果、シャフトの回転の停止時、すなわちポンプの停止時に、Xリングの摩耗した内周面とシャフトとの隙間から水が漏れることがある。この漏れた水が、シャフトの表面を伝って、軸受に入り込むと、軸受内の潤滑用のグリースなどが流出したり、変質したりすることによって、軸受の機能が悪化する。それにより、シャフトが偏心して回転したり、それに伴い、Xリングの摩耗が大きくなったりすることなどによって、ポンプの適正な動作を確保できなくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、水漏れが生じた場合でも、その漏れた水を、ポンプの動作に悪影響を与えることなく処理でき、その結果、ポンプの寿命を延ばすことができる飲料水用ポンプ、およびこれを備えた飲料調理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】特開2004−68765号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、水を、吸入口を介して内部に吸い込むとともに、吐出口を介して外部に送り出す飲料水用ポンプであって、駆動源と、この駆動源によって回転駆動される駆動軸と、この駆動軸に固定され、駆動軸の回転に伴って回転するポンプ回転体と、このポンプ回転体を回転自在に収容するとともに吸入口および吐出口に連なるポンプ回転体収容部と、駆動軸を回転自在に収容するとともにポンプ回転体収容部に連なる駆動軸収容部とを有するケーシングと、駆動軸収容部内に、駆動軸の長さ方向に互いに間隔を隔ててポンプ回転体収容部側から順に設けられ、駆動軸と駆動軸収容部の内壁との隙間を密封する第1および第2シールと、を備え、駆動軸収容部の第1および第2シールの間には、駆動軸収容部内と外部とを連通し、第1シールを介して漏れた水を外部に排出する排水口が設けられていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、駆動源によって、駆動軸が回転駆動されることにより、駆動軸に固定されたポンプ回転体が回転する。このポンプ回転体の回転によるポンプの作動時には、吸入口側の水がケーシングのポンプ回転体収容部側に吸い込まれ、この吸い込まれた水は、加圧され、吐出口を介して外部に送り出される。
【0009】
また、この飲料水用ポンプのケーシングは、駆動軸を回転自在に収容するとともにポンプ回転体収容部に連なる駆動軸収容部を有しており、この駆動軸収容部内には、駆動軸と駆動軸収容部の内壁との隙間を密封する第1および第2シールが設けられている。これらの第1および第2シールは、駆動軸の長さ方向に互いに間隔を隔てて、ポンプ回転体収容部側から順に配置されている。また、駆動軸収容部の第1および第2シールの間には、駆動軸収容部内と外部とを連通する排水口が設けられている。したがって、駆動軸の回転に伴い、第1シールが摩耗し、その第1シールを介して、第2シール側に水が漏れた場合でも、その漏れた水を、排水口を介して外部に排出することによって、ポンプの動作に悪影響を与えることなく処理でき、その結果、ポンプの寿命を延ばすことができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の飲料水用ポンプであって、第1シールは、リング状の弾性材から成り、第2シールは、駆動軸の回転に伴って回転するとともに、駆動軸収容部の内壁に摺接することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、ポンプの作動時に、ポンプ回転体収容部側から高圧の水が駆動軸収容部に流れると、その水圧による外力が、リング状の弾性材から成る第1シールに作用し、それにより、第1シールは、その内周面の駆動軸に対する面圧、および外周面の駆動軸収容部の内壁に対する面圧が高くなるように変形する。この場合、第1シールによって、駆動軸と駆動軸収容部の内壁との隙間が強固に密封されるため、第1シールを介して、第2シール側に水漏れすることはない。しかし、第1シールは、その内周面が駆動軸に強固に密着しているため、駆動軸の回転に伴い、内周面が次第に摩耗し、その結果、駆動軸の回転の停止時、すなわちポンプの停止時に、第1シールの摩耗した内周面と駆動軸との隙間から、第2シール側に水が漏れることがある。
【0012】
一方、第2シールは、駆動軸の回転に伴って回転するとともに、駆動軸収容部の内壁に摺接した状態で、駆動軸と駆動軸収容部の内壁との隙間を密封しているので、駆動軸との間、および駆動軸収容部の内壁との間で、摩耗が生じにくく、耐久性が高い。また、第1シールを介して、第2シール側に漏れる水は、ポンプの停止時に漏れるものであり、ポンプの作動時に第1シールに作用する高圧の水に比べて非常に低圧である。したがって、第1シールを介して第2シール側に漏れた水が、駆動軸収容部内の第1および第2シールの間に残存した場合でも、その水を第2シールによって長期にわたって止めることができる。その結果、ポンプの寿命をより一層延ばすことができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の飲料水用ポンプを備えた飲料調理装置であって、飲料水用ポンプは、ポンプ回転体収容部内の圧力が所定値以上のときに開放することにより、ポンプ回転体収容部内の水を外部に逃がすリリーフ弁をさらに備えており、水を貯留する貯水タンクと、この貯水タンクと飲料水用ポンプの吸入口とを接続する第1搬送通路と、飲料水用ポンプのリリーフ弁と貯水タンクとを接続する第2搬送通路と、飲料水用ポンプの排水口と第2搬送通路とを接続する第3搬送通路と、を備えていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、第1搬送通路により、貯水タンクと飲料水用ポンプの吸入口とが接続されているので、ポンプの作動時に、貯水タンク内の水が第1搬送通路および吸入口を介して、ケーシングのポンプ回転体収容部側に吸い込まれる。また、ポンプは、ポンプ回転体収容部内の圧力(水圧)が所定値以上のときに開放するリリーフ弁を備えており、このリリーフ弁と貯水タンクとが、第2搬送通路によって接続されているので、リリーフ弁から逃がされた水を、第2搬送通路を介して貯水タンクに戻すことができる。なお、リリーフ弁から送出された水は、高圧であるので、第2搬送通路を介して貯水タンクに容易に戻る。さらに、第3搬送通路により、飲料水用ポンプの排水口と第2搬送通路とが接続されているので、排水口から排出され、第3搬送通路を介して第2搬送通路に流れた水を、リリーフ弁を介して送出された水とともに、貯水タンクに容易に戻すことができる。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の飲料調理装置において、飲料水用ポンプの排水口から排出された水をろ過するフィルタをさらに備えていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、飲料水用ポンプの排水口から排出された水は、フィルタによってろ過されるので、その水に第1シールの摩耗粉などが混入している場合でも、それを容易に取り除くことができる。それにより、排水口から排出された水を浄化することができ、上記請求項3と相まって、その浄化された水を貯水タンクに戻すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による飲料水用ポンプを、湯を送り出す湯ポンプに適用するとともに、これを備えた飲料調理装置としてのカップ式自動販売機の内部構造を模式的に示している。この自動販売機は、例えばエスプレッソコーヒーなど、各種のレギュラーコーヒーを販売可能であり、購入者にカップ入りのレギュラーコーヒーを提供するものである。なお、以下の説明ではまず、自動販売機1の内部構造について説明し、その後、湯ポンプについて詳述する。
【0018】
図1に示すように、自動販売機1は、抽出機2と、この抽出機2に、販売時に所定量の挽き豆原料および湯をそれぞれ供給する原料供給装置3および給湯装置4と、これらを制御するマイクロコンピュータから成る制御装置(図示せず)などを備えている。
【0019】
抽出機2は、原料供給装置3から供給された挽き豆原料に、給湯装置4から供給された高圧の湯を通すことによって、コーヒー液を抽出する。このコーヒー液は、直接、あるいは砂糖やクリームなどと混合された後、カップCに供給される。また、原料供給装置3は、コーヒー豆を粉砕するミル(図示せず)を有しており、このミルによって粉砕された所定量の挽き豆原料を、抽出機2に供給する。
【0020】
給湯装置4は、湯Wを貯留する湯タンク11(貯水タンク)と、この湯タンク11内の湯Wを抽出機2に送り出す湯ポンプ12とを備えており、これらが、湯Wを搬送するための搬送パイプPに接続されている。湯タンク11は、ヒータ11aを備えており、このヒータ11aで湯Wを加熱し、所定温度(例えば97℃)で保温するようになっている。
【0021】
搬送パイプPは、湯タンク11と湯ポンプ12の後述する吸入口36とを接続し、湯タンク11内の湯Wを湯ポンプ12に導くための導湯パイプP1(第1搬送通路)と、湯ポンプ12の後述する吐出口34aと抽出機2とを接続し、販売時に所定量の湯を抽出機2に供給するための給湯パイプP2と、湯ポンプ12の後述するリリーフ弁39と湯タンク11とを接続し、湯ポンプ12内の湯を湯タンク11に還流させるための還流パイプP3(第2搬送通路)と、湯ポンプ12の後述する排水口44bと還流パイプP3とを接続し、排水口44bから排出された水を還流パイプP3に送出するための排水パイプP4(第3搬送通路)とで構成されている。上記給湯パイプP2の途中には、流量計13が設けられており、この流量計13により、給湯パイプP2を介して抽出機2に供給された湯量が検出される。したがって、湯ポンプ12を作動させた後、流量計13の検出結果に応じて、湯ポンプ12を停止させることにより、所定量の湯を抽出機2に供給することができる。
【0022】
また、上記排水パイプP4の途中には、湯ポンプ12の排水口44bから排出された水をろ過するフィルタ14が設けられている。排水口44bからの排水は、フィルタ14を通ることによって浄化され、還流パイプP3に送出される。そして、この浄化された水は、リリーフ弁から還流パイプP3に送出された水とともに、還流パイプP3を介して、湯タンク11に戻される。
【0023】
次に、湯ポンプ12について詳述する。図2〜図5に示すように、湯ポンプ12は、ケーシング21と、このケーシング21内に回転自在に収容され、互いに噛み合う駆動ギヤ22および従動ギヤ23と、駆動ギヤ23を駆動するモータ24(駆動源)とを備えている。
【0024】
ケーシング21は、ケーシング本体31と、このケーシング本体31の前後にそれぞれ取り付けられたフロントカバー32およびリアカバー33と、ケーシング本体31の底部に取り付けられたボトムカバー34とで構成されている。ケーシング本体31は、駆動ギヤ22および従動ギヤ23を収容するギヤ収容部35を有している。このギヤ収容部35は、ケーシング本体31の前後方向に貫通するとともに、正面形状が瓢箪形に形成されている。また、ケーシング本体31の上部には、図4に示すように、上方に開口した吸入口36が設けられており、この吸入口36が、上下方向に延びる吸入通路31aを介して、ギヤ収容部35の上部中央に連通されている。そして、ケーシング21の上部にねじ止めされた導湯パイプ接続具37を介して、上記吸入口36に前記導湯パイプP1が接続されている。
【0025】
また、ケーシング本体31の下部には、図4に示すように、下方に開口した凹部31bが形成されており、この凹部31bが、ギヤ収容部35の下部中央に連なっている。そして、この凹部31bを閉鎖するように、ボトムカバー34がフロントカバー32およびリアカバー33にねじ止めされている。ボトムカバー34には、いずれも上下方向に貫通するとともに、上記凹部38に連なる吐出口34aおよび逃がし口34bが設けられている。吐出口34aには、ボトムカバー34に取り付けられた給湯パイプ接続具38を介して、前記給湯パイプP2が接続されている。一方、逃がし口34bには、ボトムカバー34に取り付けられたリリーフ弁39を介して、前記還流パイプP3が接続されている。リリーフ弁39は、常時は閉鎖しており、ギヤ収容部35内の水圧、より具体的には、湯ポンプ12の作動時に加圧された湯の水圧が、所定値(例えば0.5MPa)以上のときに、逃がし口34bを開放し、それにより、加圧された湯の一部が還流パイプP3に送出される。なお、ボトムカバー34の上部には、ケーシング本体31の前記凹部31bの横断面よりも一回り大きい楕円状のパッキン収容溝34cが設けられており、このパッキン収容溝34cに収容されたゴム製のOリングから成るパッキン40により、ボトムカバー34とケーシング本体31の隙間が密封されている。
【0026】
フロントカバー32は、ギヤ収容部35の前面を閉鎖するように、ケーシング本体31の前面にねじ止めされている。このフロントカバー32は、ギヤ収容部35側に開口し、駆動ギヤ22および従動ギヤ23にそれぞれ対応する2つの凹部32a、32bを有している。駆動ギヤ22側の凹部32aは、駆動ギヤ22の中央部を貫通した状態で、駆動ギヤ22に固定された駆動軸41の前端部を回転自在に収容する一方、従動ギヤ23側の凹部32bは、従動ギヤ23の中央部を貫通した状態で、従動ギヤ23に固定された従動軸42の前端部を回転自在に収容している。また、フロントカバー32のケーシング本体31側の面には、ギヤ収容部35の正面形状よりも一回り大きい楕円状のパッキン収容溝32cが設けられており、このパッキン収容溝32cに収容された、ゴム製のOリングから成るパッキン43により、フロントカバー32とケーシング本体31の隙間が密封されている。
【0027】
リアカバー33は、ギヤ収容部35の後面を閉鎖するように、ケーシング本体31の後面にねじ止めされている。このリアカバー33は、ギヤ収容部35側に開口し、従動ギヤ23に対応する凹部33aを有している。この凹部33aは、従動軸42の後端部を回転自在に収容している。また、リアカバー33のケーシング本体31側の面には、前記フロントカバー32と同様に、パッキン収容溝33bが設けられ、これに収容されたパッキン46により、リアカバー33とケーシング本体31の隙間が密封されている。また、リアカバー33は、駆動ギヤ22に対応するように、ケーシング本体31のギヤ収容部35に連なり、駆動軸41を回転自在に収容する円筒状の駆動軸収容部44を有している。
【0028】
図5(a)および(b)に示すように、駆動軸収容部44の内壁は、所定の段状に形成されており、駆動軸収容部44内の所定位置には、内方に突出したリング凸部44aが設けられている。この駆動軸収容部44内の後端部には、軸受45が組み付けられており、この軸受45により、駆動軸41の後端部が回転自在に支持されている。また、駆動軸収容部44内の軸受45よりもギヤ収容部35側には、駆動軸41と駆動軸収容部44の内壁とを密封するXリング51(第1シール)およびVリング52(第2シール)が、駆動軸41の長さ方向に互いに若干間隔を隔てて、ギヤ収容部35側から順に配置されている。
【0029】
Xリング51は、ゴムなどの弾性材から成り、断面形状がX形のリング状に形成されている。そして、このXリング51は、その内側に駆動軸41を嵌通した状態で、駆動軸収容部44内に嵌入されている。これにより、Xリング51は、その内周面が駆動軸41の外周面に密着するとともに、外周面が駆動軸収容部44の内壁に密着している。また、Xリング51の前後には、駆動軸41が挿通された円板状の一対の支持プレート53、53が配置されている。これらの支持プレート53、53により、Xリング51の駆動軸41の長さ方向の撓みが防止される。
【0030】
一方、Vリング52は、ゴムなどの弾性材から成り、リング状に形成されている。また、Vリング52のXリング51側の端部は、断面形状がV形に形成され、その外径が駆動軸収容部44のリング凸部44aの直径よりも大きくなっている。そして、このVリング52は、その内側に駆動軸41を嵌通した状態で、駆動軸収容部44内に遊挿されるとともに、駆動軸収容部44のリング凸部44aの側面に摺接している。これにより、Vリング52は、上記リング凸部44aの側面に摺接した状態に保たれながら、駆動軸41の回転に伴って回転する。
【0031】
また、駆動軸収容部44のリング凸部44aの下側の面には、駆動軸収容部44の内方に開口した排水口44bが設けられており、この排水口44bおよび排水口44bから下方に延びる排水通路44cを有する排水部44dを介して、リング凸部44a内と外部が連通されている。
【0032】
図3〜図5に示すように、ケーシング本体31のギヤ収容部35内には、駆動ギヤ22および従動ギヤ23の両側面側に、両ギヤ22、23の歯溝を側方から密封する一対のシールプレート54、54が配置されている。各シールプレート54は、正面形状がギヤ収容部35と同様の瓢箪形に形成されている。また、図6に示すように、各シールプレート54は、駆動軸41および従動軸42がそれぞれ挿通される2つの軸孔55a、55bを有し、シールプレート54の両ギヤ22、23の側面に対向する対向面54aには、両軸孔55a、55bを連通する溝56が形成されている。この溝56は、所定寸法の溝幅(上下方向の幅)を有するとともに、両軸孔55a、55bの中心を通る中心線よりも若干下側に位置し、両ギヤ22、23の噛合いによって形成される後述の噛合いスペースSに臨むように形成されている。より具体的には、溝56の上壁が上記中心線と同じ高さに位置するとともに、後述するように、噛合いスペースSの容積が小さくなったときに、その噛合いスペースSおよび溝56の中央部が互いにほぼ合致するように、溝56が形成されている。
【0033】
また、駆動ギヤ22および従動ギヤ23は、互いに同一の形状およびサイズの平歯車で構成されている。駆動ギヤ22の両側面の駆動軸41の周囲、および従動ギヤ23の両側面の従動軸42の周囲にはそれぞれ、若干凹んだリング凹部22a、23aが形成されている。
【0034】
また、図5および図6に示すように、駆動軸41の前端部、ならびに従動軸42の前端部および後端部にはいずれも、各シールプレート54の前記対向面54a側とその対向面54aの反対側とを連通する連通通路57が設けられている。各連通通路57は、各軸41、42の長さ方向と直交する方向に貫通した横孔57aと、各軸41、42内に、その長さ方向に沿って延びるように設けられ、横孔57aと各軸41、42の外部とを連通する連通孔57bとで構成されている。
【0035】
次に、図7〜図9を参照しながら、湯ポンプ12の動作について説明する。モータ24が作動し、駆動ギヤ22が駆動軸41を介して、図7の反時計方向に回転すると、駆動ギヤ22に噛み合う従動ギヤ23が時計方向に回転する。このように、両ギヤ22、23が回転することにより、吸入口36側の湯は、ケーシング本体31内のギヤ収容部35側に吸い込まれる。この吸い込まれた湯は、両ギヤ22、23の各歯溝と、両シールプレート54、54と、ギヤ収容部35の周壁とで囲まれたスペースに入った状態で、その周壁に沿って搬送され、ギヤ収容部35側からその下方の凹部31bに加圧されながら送り出される。そして、この凹部31b内の高圧の湯は、吐出口34aを介して、これに給湯パイプ接続具38を介して接続された給湯パイプP2に送り出される。また、凹部31b内の湯の水圧が所定値以上になったときには、その状態が継続している間、逃がし口34bがリリーフ弁39によって開放され、凹部31b内の高圧の湯の一部が、リリーフ弁39に接続された還流パイプP3に送り出される。
【0036】
また、上記のように、駆動ギヤ22および従動ギヤ23の回転による湯ポンプ12の作動時には、両ギヤ22、23の間に、後述する噛合いスペースSが形成される。図8は、両ギヤ22、23の1つのギヤ歯(同図の●を付したそれぞれのギヤ歯)同士の噛合い開始から終了までを順に示している。同図(a)に示すように、駆動ギヤ22のギヤ歯が従動ギヤ23のギヤ歯に噛合い始め、両ギヤ22、23がさらに若干回転すると、同図(b)に示すように、両ギヤ22、23のギヤ歯同士によって囲まれる噛合いスペースSが形成される。そして、両ギヤ22、23がさらに回転すると、同図(c)〜(e)に順に示すように、噛合いスペースSの容積が一旦小さくなってから大きくなり、両ギヤ22、23のギヤ歯同士の噛合いの終了に伴い、それらのギヤ歯の噛み合いによる噛合いスペースSが解消される。
【0037】
上記のように、容積が大から小、そして大へと変化する噛合いスペースSには、ギヤ収容部35から凹部31bに送り出されずに両ギヤ22、23の歯溝に残存した高圧の湯が封入される。そのため、噛合いスペースS内の湯は、噛合いスペースSの容積が小さくなるのに伴って圧縮され、それにより、より一層高圧になる。そして、この高圧の湯は、後述するように、フロントカバー32側のシールプレート54とそれに対向するフロントカバー32との隙間、およびリアカバー33側のシールプレート54とそれに対向するリアカバー33との隙間に送り出される。なお、以下の説明では、適宜、フロントカバー32側のシールプレート54、およびリアカバー33側のシールプレート54をそれぞれ、「フロントプレート54A」および「リアプレート54B」と称呼するものとする。
【0038】
図9は、噛合いスペースSから送り出される湯の流れを矢印で示している。前述したように、フロントプレート54Aおよびリアプレート54Bの溝56、56はいずれも、容積が小さくなったときの噛合いスペースSに合致するように形成されているため、駆動ギヤ22および従動ギヤ23の回転に伴い、噛合いスペースSから非常に高圧の湯が、フロントプレート54Aおよびリアプレート54Bの溝56、56に流れる。図9に示すように、フロントプレート54A側に送り出された噛合いスペースS内の高圧の湯は、まず、フロントプレート54Aの溝56を介して、駆動軸41および従動軸42側に流れる。駆動軸41側に流れた湯は、駆動ギヤ22のリング凹部22aに流れ込み、さらに、駆動軸41の横孔57aおよび連通孔57bを介して、駆動軸41内からフロントカバー32の凹部32aに流れる。そして、この凹部32aに流れた湯は、駆動軸41との隙間を通って、フロントプレート54Aとフロントカバー32の隙間に到達する。なお、フロントカバー32の凹部32aと駆動軸41との隙間を湯が流れることにより、その凹部32aは、駆動軸41の前端部を回転自在に支持する、潤滑性の高い軸受として機能する。一方、従動軸42側に流れた湯は、従動ギヤ23のリング凹部23aに流れ込み、さらに、従動軸42の横孔57aおよび連通孔57bを介して、従動軸42内からフロントカバー32の凹部32bに流れる。そして、この凹部32bに流れた湯は、従動軸42との隙間を通り、上述した駆動軸41側に流れた湯と同様に、フロントプレート54Aとフロントカバー32の隙間に到達する。なお、フロントカバー32の凹部32bは、上記凹部32aと同様に、従動軸42の前端部を回転自在に支持する、潤滑性の高い軸受として機能する。以上のようにして、フロントプレート54Aとフロントカバー32の隙間に到達した湯は、湯ポンプ12の作動中、高圧に保たれ、それにより、その湯の水圧による外力によって、フロントプレート54Aが、これに対向する駆動ギヤ22および従動ギヤ23の側面に押し付けられる。
【0039】
一方、リアプレート54B側に送り出された噛合いスペースS内の湯は、リアプレート54Bの溝56を介して、駆動軸41および従動軸42側に流れる。駆動軸41側に流れた湯は、駆動ギヤ22のリング凹部22aに流れ込み、上述したフロントプレート54A側に湯が送り出された場合と異なり、そのリング凹部22aに留まる。一方、従動軸42側に流れた湯は、上述したフロントプレート54A側に湯が送り出された場合と同様に、従動ギヤ23のリング凹部23a、従動軸42の横孔57a、および連通孔57bを順に通って、従動軸42内からリアカバー33の凹部33aに流れる。そして、この凹部33aに流れた湯は、従動軸42との隙間を通って、リアプレート54Bとリアカバー33の隙間に到達する。なお、リアカバー33の凹部33aは、前記フロントカバー32の凹部32bと同様に、従動軸42の後端部を回転自在に支持する、潤滑性の高い軸受として機能し、したがって、両凹部33aおよび32bによって支持された従動軸42を介して、従動ギヤ23が、非常に円滑に回転する。以上のようにして、リアプレート54Bとリアカバー33の隙間に到達した湯は、上述したフロントプレート54A側に湯が送り出された場合と同様に、高圧に保たれ、その湯の水圧による外力によって、リアプレート54Bが、これに対向する駆動ギヤ22および従動ギヤ23の側面に押し付けられる。
【0040】
また、リアプレート54Bとリアカバー33の隙間に到達した湯は、リアカバー33の駆動軸収容部44内に送られる。この湯も、湯ポンプ12の作動中、高圧に保たれるため、図9の白抜き矢印で示すように、その湯の水圧による外力がXリング51に作用する。それにより、Xリング51は、その内周面の駆動軸41に対する面圧、および外周面の駆動軸収容部44の内周壁に対する面圧が高くなるように変形する。この場合、Xリング51によって、駆動軸41と駆動軸収容部44の内周壁との隙間が強固に密封されるため、Xリング51を介して、Vリング52側に湯が漏れることはない。しかし、Xリング51は、その内周面が駆動軸41に強固に密着しているため、駆動軸41の回転に伴い、内周面が次第に摩耗し、その結果、駆動軸41の回転の停止時、すなわち湯ポンプ12の停止時に、Xリング51の摩耗した内周面と駆動軸41の隙間から、Vリング52側に湯が漏れることがある。
【0041】
上記Vリング52は、前述したように、駆動軸41の回転に伴って回転するとともに、駆動軸収容部44内のリング凸部44aの側面に摺接した状態で、駆動軸41と駆動軸収容部44の内周壁との隙間を密封しているので、駆動軸41との間、および上記リング凸部44aとの間で、摩耗が生じにくく、耐久性が高い。また、Xリング51の内周面と駆動軸41との隙間から漏れた湯は、湯ポンプ12の停止時に漏れるものであり、湯ポンプ12の作動時にXリング51に作用する高圧の湯に比べて、非常に低圧である。したがって、Xリング51を介してVリング52側に湯が漏れた場合でも、その湯をVリング52によって止めることにより、軸受45側への水漏れを長期にわたって防止することができる。
【0042】
加えて、上記のように、Xリング51を介して湯が漏れた場合でも、その漏れた湯は、Xリング51とVリング52の間のリング凸部44aに設けられた排水口44bおよびこれに連なる排水通路44cを介して、排水パイプP4に送られる。
【0043】
以上詳述したように、本実施形態によれば、ケーシング21の駆動軸収容部44内に、ギヤ収容部35側から順にXリング51およびVリング52を配置しているので、湯ポンプ12の作動時には、Xリング51によって、Vリング52側への水漏れを防止でき、湯ポンプ12の停止時には、Vリング52によって、軸受45側への水漏れを長期にわたって防止することができる。加えて、Xリング51を介して湯が漏れた場合でも、その湯を、排水部44dを介して、湯ポンプ12の外部に排出し、湯ポンプ12の動作に悪影響を与えることなく処理することができる。以上の結果、湯ポンプ12の寿命を従来に比べて、大幅に延ばすことができる。
【0044】
また、排水部44dを介して排出された湯を、フィルタ14でろ過することによって浄化し、湯タンク11に戻すので、その湯を、飲料水として再利用することができる。
【0045】
また、湯ポンプ12の作動時に、駆動ギヤ22および従動ギヤ23の歯溝に残存し、両ギヤ22、23間の噛合いスペースS内に封入された湯を、両シールプレート54、54の両ギヤ22、23の両側面への押し付けに利用するので、ポンプ効率を低下させることなく、両ギヤ22、23の歯溝を両シールプレート54、54で適切に密封することができる。また、このように、湯ポンプ12の作動時の湯の水圧を利用して、両シールプレート54、54を両ギヤ22、23の両側面に押し付けるので、両シールプレート54、54、両ギヤ22、23、およびケーシング21の加工寸法の精度を、それ程高くする必要がなくなり、その結果、湯ポンプ12の加工コストを低減することができる。
【0046】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。図10(a)は、シールプレートの変形例を示している。同図に示すシールプレート61は、前述したシールプレート54の対向面54aに形成された溝56に代えて、駆動ギヤ22および従動ギヤ23による噛合いスペースSに対向する位置に、貫通する孔62を有している。この孔62は、所定寸法の直径を有するとともに、上記溝56と同様に、両軸孔61a、61bの中心を通る中心線よりも若干下側に形成されている。このシールプレート61を、前記シールプレート54に代えて、湯ポンプ12に採用することにより、噛合いスペースS内の高圧の湯を、孔62を介して、シールプレート61と、フロントカバー32との隙間およびリアカバー33との隙間に直接送り出すことができる。なおこの場合、駆動軸41および従動軸42への連通通路57、すなわち横孔57aおよび連通孔57bの加工は不要であり、その分、湯ポンプ12の製造コストを低減することができる。また、図10(b)に示すように、シールプレート61の上下のくびれ部分63、63を、円弧状に形成してもよく、このことは、前記シールプレート54も同様である。
【0047】
図11は、シールプレートの他の変形例を示している。同図(a)に示すように、このシールプレート64は、その周縁部64aの駆動ギヤ22および従動ギヤ23と反対側の面が断面L字状に切り欠かれたパッキン収容部64aを有している。したがって、同図(b)に示すように、シールプレート64のパッキン収容部64aに、ゴム製のOリングから成るパッキン66を収容することにより、シールプレート64と、フロントカバー32、リアカバー33およびケーシング本体31との隙間が密封される。これにより、吐出口34bを介して吐出すべき加圧された湯、およびシールプレート64の両ギヤ22、23と反対側に送り出された高圧の湯が、低圧の吸入口36側に逆流するのを防止することができる。また、シールプレート64の2つの軸孔64b、64bの周縁部にはそれぞれ、両ギヤ22、23と反対側に突出する円筒状の凸部65、65を有している。したがって、この凸部65、65を、駆動軸41および従動軸42の軸受として利用することができる。
【0048】
また、実施形態では、排水部44dを介して排出された湯を、湯タンク11に戻すようにしたが、図1に示すように、一般にカップ式自動販売機内に設置され、廃液を貯留する排水バケツ5などに排出するようにしてもよい。
【0049】
また、実施形態では、本発明の飲料水用ポンプを、ギヤポンプである湯ポンプ12に適用した場合について説明したが、その他の回転ポンプ、例えばベーンポンプやねじポンプなどにも適用することができる。また、実施形態で示した湯ポンプ12の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態による飲料水用ポンプを湯ポンプに適用し、これを備えた飲料調理装置としてのカップ式自動販売機の内部構造を模式的に示す図である。
【図2】湯ポンプを斜め後ろから見たときの状態を示す斜視図である。
【図3】ケーシングを部分的に切断して、湯ポンプの内部構造を斜め後ろから見たときの状態を示す斜視図である。
【図4】ケーシングを部分的に切断して、湯ポンプの内部構造を斜め前から見たときの状態を示す斜視図である。
【図5】(a)はケーシングを水平に切断した状態の湯ポンプの内部構造を示す平面図であり、(b)は(a)のb−b線で切断した断面図、(c)は(a)のc−c線で切断した断面図である。
【図6】シールプレートならびに駆動軸および従動軸の構造を説明するための説明図である。
【図7】湯ポンプ作動時の湯の流れを説明するための説明図である。
【図8】駆動ギヤおよび従動ギヤの1つのギヤ歯同士の噛合い開始から終了までを順に示す図である。
【図9】湯ポンプの作動時に、噛合いスペースから送り出される湯の流れを説明するための説明図である。
【図10】シールプレートの変形例を示す正面図である。
【図11】(a)はシールプレートの他の変形例を示す正面図であり、(b)は(a)のb−b線で切断したシールプレートおよびその周囲のケーシングを部分的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 自動販売機(飲料調理装置)
11 湯タンク(貯水タンク)
12 湯ポンプ(飲料水用ポンプ)
14 フィルタ
21 ケーシング
22 駆動ギヤ(ポンプ回転体)
23 従動ギヤ(ポンプ回転体)
24 モータ(駆動源)
34a 吐出口
35 ギヤ収容部
36 吸入口
39 リリーフ弁
41 駆動軸
44 駆動軸収容部
44b 排水口
51 Xリング(第1シール)
52 Vリング(第2シール)
W 湯
P 搬送パイプ
P1 導湯パイプ(第1搬送通路)
P2 給湯パイプ
P3 還流パイプ(第2搬送通路)
P4 排水パイプ(第3搬送通路)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばカップ式自動販売機や飲料ディスペンサなどに用いられ、水(湯を含む、以下同じ)を、吸入口を介して内部に吸い込み、吐出口を介して外部に送り出す飲料水用ポンプ、およびこれを備えた飲料調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、飲料水用ポンプとして、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。このポンプは、いわゆる歯車ポンプであり、互いに噛み合う一対のポンプ歯車と、両ポンプ歯車を回転自在に収容するケーシングと、両ポンプ歯車を駆動するモータと、このモータとケーシングの間に設けられ、モータの動力を両ポンプ歯車に伝達するための複数のギヤを有するギヤボックスとを備えている。ケーシングは、両ポンプ歯車を収容するとともに、吸入口および吐出口に連なる歯車収容部を有している。また、各ポンプ歯車には、シャフトが固定されており、このシャフトがギヤボックス内に組み付けられた軸受に回転自在に支持されている。さらに、各シャフトのポンプ歯車と軸受との間には、シャフトを介して水漏れが生じるのを防止するために、ゴム製のXリングを有するシール機構が設けられている。
【0003】
このポンプでは、モータが作動し、ギヤボックスおよびシャフトを介して、両ポンプ歯車が回転すると、吸入口側の水が歯車収容部側に吸い込まれる。そして、その水は、両ポンプ歯車の各歯溝と、歯車収容部の周壁とで囲まれたスペースに入った状態で、その周壁に沿って搬送され、吐出口側に移動する。これにより、歯車収容部側に吸い込まれた水は、加圧され、吐出口を介してポンプの外部に送り出される。
【0004】
このポンプの作動時には、吐出口側の水が高圧になるため、その水がシール機構に作用した場合には、シール機構のXリングは、その内周面のシャフトに対する面圧が高くなるように変形する。この場合、Xリングの内周面がシャフトに強固に密着するため、Xリングの内周面とシャフトとの間から水漏れすることはない。しかし、上記のように、Xリングの内周面がシャフトに強固に密着した状態で、シャフトが回転するために、Xリングの内周面が次第に摩耗する。その結果、シャフトの回転の停止時、すなわちポンプの停止時に、Xリングの摩耗した内周面とシャフトとの隙間から水が漏れることがある。この漏れた水が、シャフトの表面を伝って、軸受に入り込むと、軸受内の潤滑用のグリースなどが流出したり、変質したりすることによって、軸受の機能が悪化する。それにより、シャフトが偏心して回転したり、それに伴い、Xリングの摩耗が大きくなったりすることなどによって、ポンプの適正な動作を確保できなくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、水漏れが生じた場合でも、その漏れた水を、ポンプの動作に悪影響を与えることなく処理でき、その結果、ポンプの寿命を延ばすことができる飲料水用ポンプ、およびこれを備えた飲料調理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【特許文献1】特開2004−68765号公報
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、水を、吸入口を介して内部に吸い込むとともに、吐出口を介して外部に送り出す飲料水用ポンプであって、駆動源と、この駆動源によって回転駆動される駆動軸と、この駆動軸に固定され、駆動軸の回転に伴って回転するポンプ回転体と、このポンプ回転体を回転自在に収容するとともに吸入口および吐出口に連なるポンプ回転体収容部と、駆動軸を回転自在に収容するとともにポンプ回転体収容部に連なる駆動軸収容部とを有するケーシングと、駆動軸収容部内に、駆動軸の長さ方向に互いに間隔を隔ててポンプ回転体収容部側から順に設けられ、駆動軸と駆動軸収容部の内壁との隙間を密封する第1および第2シールと、を備え、駆動軸収容部の第1および第2シールの間には、駆動軸収容部内と外部とを連通し、第1シールを介して漏れた水を外部に排出する排水口が設けられていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、駆動源によって、駆動軸が回転駆動されることにより、駆動軸に固定されたポンプ回転体が回転する。このポンプ回転体の回転によるポンプの作動時には、吸入口側の水がケーシングのポンプ回転体収容部側に吸い込まれ、この吸い込まれた水は、加圧され、吐出口を介して外部に送り出される。
【0009】
また、この飲料水用ポンプのケーシングは、駆動軸を回転自在に収容するとともにポンプ回転体収容部に連なる駆動軸収容部を有しており、この駆動軸収容部内には、駆動軸と駆動軸収容部の内壁との隙間を密封する第1および第2シールが設けられている。これらの第1および第2シールは、駆動軸の長さ方向に互いに間隔を隔てて、ポンプ回転体収容部側から順に配置されている。また、駆動軸収容部の第1および第2シールの間には、駆動軸収容部内と外部とを連通する排水口が設けられている。したがって、駆動軸の回転に伴い、第1シールが摩耗し、その第1シールを介して、第2シール側に水が漏れた場合でも、その漏れた水を、排水口を介して外部に排出することによって、ポンプの動作に悪影響を与えることなく処理でき、その結果、ポンプの寿命を延ばすことができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の飲料水用ポンプであって、第1シールは、リング状の弾性材から成り、第2シールは、駆動軸の回転に伴って回転するとともに、駆動軸収容部の内壁に摺接することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、ポンプの作動時に、ポンプ回転体収容部側から高圧の水が駆動軸収容部に流れると、その水圧による外力が、リング状の弾性材から成る第1シールに作用し、それにより、第1シールは、その内周面の駆動軸に対する面圧、および外周面の駆動軸収容部の内壁に対する面圧が高くなるように変形する。この場合、第1シールによって、駆動軸と駆動軸収容部の内壁との隙間が強固に密封されるため、第1シールを介して、第2シール側に水漏れすることはない。しかし、第1シールは、その内周面が駆動軸に強固に密着しているため、駆動軸の回転に伴い、内周面が次第に摩耗し、その結果、駆動軸の回転の停止時、すなわちポンプの停止時に、第1シールの摩耗した内周面と駆動軸との隙間から、第2シール側に水が漏れることがある。
【0012】
一方、第2シールは、駆動軸の回転に伴って回転するとともに、駆動軸収容部の内壁に摺接した状態で、駆動軸と駆動軸収容部の内壁との隙間を密封しているので、駆動軸との間、および駆動軸収容部の内壁との間で、摩耗が生じにくく、耐久性が高い。また、第1シールを介して、第2シール側に漏れる水は、ポンプの停止時に漏れるものであり、ポンプの作動時に第1シールに作用する高圧の水に比べて非常に低圧である。したがって、第1シールを介して第2シール側に漏れた水が、駆動軸収容部内の第1および第2シールの間に残存した場合でも、その水を第2シールによって長期にわたって止めることができる。その結果、ポンプの寿命をより一層延ばすことができる。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の飲料水用ポンプを備えた飲料調理装置であって、飲料水用ポンプは、ポンプ回転体収容部内の圧力が所定値以上のときに開放することにより、ポンプ回転体収容部内の水を外部に逃がすリリーフ弁をさらに備えており、水を貯留する貯水タンクと、この貯水タンクと飲料水用ポンプの吸入口とを接続する第1搬送通路と、飲料水用ポンプのリリーフ弁と貯水タンクとを接続する第2搬送通路と、飲料水用ポンプの排水口と第2搬送通路とを接続する第3搬送通路と、を備えていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、第1搬送通路により、貯水タンクと飲料水用ポンプの吸入口とが接続されているので、ポンプの作動時に、貯水タンク内の水が第1搬送通路および吸入口を介して、ケーシングのポンプ回転体収容部側に吸い込まれる。また、ポンプは、ポンプ回転体収容部内の圧力(水圧)が所定値以上のときに開放するリリーフ弁を備えており、このリリーフ弁と貯水タンクとが、第2搬送通路によって接続されているので、リリーフ弁から逃がされた水を、第2搬送通路を介して貯水タンクに戻すことができる。なお、リリーフ弁から送出された水は、高圧であるので、第2搬送通路を介して貯水タンクに容易に戻る。さらに、第3搬送通路により、飲料水用ポンプの排水口と第2搬送通路とが接続されているので、排水口から排出され、第3搬送通路を介して第2搬送通路に流れた水を、リリーフ弁を介して送出された水とともに、貯水タンクに容易に戻すことができる。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の飲料調理装置において、飲料水用ポンプの排水口から排出された水をろ過するフィルタをさらに備えていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、飲料水用ポンプの排水口から排出された水は、フィルタによってろ過されるので、その水に第1シールの摩耗粉などが混入している場合でも、それを容易に取り除くことができる。それにより、排水口から排出された水を浄化することができ、上記請求項3と相まって、その浄化された水を貯水タンクに戻すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による飲料水用ポンプを、湯を送り出す湯ポンプに適用するとともに、これを備えた飲料調理装置としてのカップ式自動販売機の内部構造を模式的に示している。この自動販売機は、例えばエスプレッソコーヒーなど、各種のレギュラーコーヒーを販売可能であり、購入者にカップ入りのレギュラーコーヒーを提供するものである。なお、以下の説明ではまず、自動販売機1の内部構造について説明し、その後、湯ポンプについて詳述する。
【0018】
図1に示すように、自動販売機1は、抽出機2と、この抽出機2に、販売時に所定量の挽き豆原料および湯をそれぞれ供給する原料供給装置3および給湯装置4と、これらを制御するマイクロコンピュータから成る制御装置(図示せず)などを備えている。
【0019】
抽出機2は、原料供給装置3から供給された挽き豆原料に、給湯装置4から供給された高圧の湯を通すことによって、コーヒー液を抽出する。このコーヒー液は、直接、あるいは砂糖やクリームなどと混合された後、カップCに供給される。また、原料供給装置3は、コーヒー豆を粉砕するミル(図示せず)を有しており、このミルによって粉砕された所定量の挽き豆原料を、抽出機2に供給する。
【0020】
給湯装置4は、湯Wを貯留する湯タンク11(貯水タンク)と、この湯タンク11内の湯Wを抽出機2に送り出す湯ポンプ12とを備えており、これらが、湯Wを搬送するための搬送パイプPに接続されている。湯タンク11は、ヒータ11aを備えており、このヒータ11aで湯Wを加熱し、所定温度(例えば97℃)で保温するようになっている。
【0021】
搬送パイプPは、湯タンク11と湯ポンプ12の後述する吸入口36とを接続し、湯タンク11内の湯Wを湯ポンプ12に導くための導湯パイプP1(第1搬送通路)と、湯ポンプ12の後述する吐出口34aと抽出機2とを接続し、販売時に所定量の湯を抽出機2に供給するための給湯パイプP2と、湯ポンプ12の後述するリリーフ弁39と湯タンク11とを接続し、湯ポンプ12内の湯を湯タンク11に還流させるための還流パイプP3(第2搬送通路)と、湯ポンプ12の後述する排水口44bと還流パイプP3とを接続し、排水口44bから排出された水を還流パイプP3に送出するための排水パイプP4(第3搬送通路)とで構成されている。上記給湯パイプP2の途中には、流量計13が設けられており、この流量計13により、給湯パイプP2を介して抽出機2に供給された湯量が検出される。したがって、湯ポンプ12を作動させた後、流量計13の検出結果に応じて、湯ポンプ12を停止させることにより、所定量の湯を抽出機2に供給することができる。
【0022】
また、上記排水パイプP4の途中には、湯ポンプ12の排水口44bから排出された水をろ過するフィルタ14が設けられている。排水口44bからの排水は、フィルタ14を通ることによって浄化され、還流パイプP3に送出される。そして、この浄化された水は、リリーフ弁から還流パイプP3に送出された水とともに、還流パイプP3を介して、湯タンク11に戻される。
【0023】
次に、湯ポンプ12について詳述する。図2〜図5に示すように、湯ポンプ12は、ケーシング21と、このケーシング21内に回転自在に収容され、互いに噛み合う駆動ギヤ22および従動ギヤ23と、駆動ギヤ23を駆動するモータ24(駆動源)とを備えている。
【0024】
ケーシング21は、ケーシング本体31と、このケーシング本体31の前後にそれぞれ取り付けられたフロントカバー32およびリアカバー33と、ケーシング本体31の底部に取り付けられたボトムカバー34とで構成されている。ケーシング本体31は、駆動ギヤ22および従動ギヤ23を収容するギヤ収容部35を有している。このギヤ収容部35は、ケーシング本体31の前後方向に貫通するとともに、正面形状が瓢箪形に形成されている。また、ケーシング本体31の上部には、図4に示すように、上方に開口した吸入口36が設けられており、この吸入口36が、上下方向に延びる吸入通路31aを介して、ギヤ収容部35の上部中央に連通されている。そして、ケーシング21の上部にねじ止めされた導湯パイプ接続具37を介して、上記吸入口36に前記導湯パイプP1が接続されている。
【0025】
また、ケーシング本体31の下部には、図4に示すように、下方に開口した凹部31bが形成されており、この凹部31bが、ギヤ収容部35の下部中央に連なっている。そして、この凹部31bを閉鎖するように、ボトムカバー34がフロントカバー32およびリアカバー33にねじ止めされている。ボトムカバー34には、いずれも上下方向に貫通するとともに、上記凹部38に連なる吐出口34aおよび逃がし口34bが設けられている。吐出口34aには、ボトムカバー34に取り付けられた給湯パイプ接続具38を介して、前記給湯パイプP2が接続されている。一方、逃がし口34bには、ボトムカバー34に取り付けられたリリーフ弁39を介して、前記還流パイプP3が接続されている。リリーフ弁39は、常時は閉鎖しており、ギヤ収容部35内の水圧、より具体的には、湯ポンプ12の作動時に加圧された湯の水圧が、所定値(例えば0.5MPa)以上のときに、逃がし口34bを開放し、それにより、加圧された湯の一部が還流パイプP3に送出される。なお、ボトムカバー34の上部には、ケーシング本体31の前記凹部31bの横断面よりも一回り大きい楕円状のパッキン収容溝34cが設けられており、このパッキン収容溝34cに収容されたゴム製のOリングから成るパッキン40により、ボトムカバー34とケーシング本体31の隙間が密封されている。
【0026】
フロントカバー32は、ギヤ収容部35の前面を閉鎖するように、ケーシング本体31の前面にねじ止めされている。このフロントカバー32は、ギヤ収容部35側に開口し、駆動ギヤ22および従動ギヤ23にそれぞれ対応する2つの凹部32a、32bを有している。駆動ギヤ22側の凹部32aは、駆動ギヤ22の中央部を貫通した状態で、駆動ギヤ22に固定された駆動軸41の前端部を回転自在に収容する一方、従動ギヤ23側の凹部32bは、従動ギヤ23の中央部を貫通した状態で、従動ギヤ23に固定された従動軸42の前端部を回転自在に収容している。また、フロントカバー32のケーシング本体31側の面には、ギヤ収容部35の正面形状よりも一回り大きい楕円状のパッキン収容溝32cが設けられており、このパッキン収容溝32cに収容された、ゴム製のOリングから成るパッキン43により、フロントカバー32とケーシング本体31の隙間が密封されている。
【0027】
リアカバー33は、ギヤ収容部35の後面を閉鎖するように、ケーシング本体31の後面にねじ止めされている。このリアカバー33は、ギヤ収容部35側に開口し、従動ギヤ23に対応する凹部33aを有している。この凹部33aは、従動軸42の後端部を回転自在に収容している。また、リアカバー33のケーシング本体31側の面には、前記フロントカバー32と同様に、パッキン収容溝33bが設けられ、これに収容されたパッキン46により、リアカバー33とケーシング本体31の隙間が密封されている。また、リアカバー33は、駆動ギヤ22に対応するように、ケーシング本体31のギヤ収容部35に連なり、駆動軸41を回転自在に収容する円筒状の駆動軸収容部44を有している。
【0028】
図5(a)および(b)に示すように、駆動軸収容部44の内壁は、所定の段状に形成されており、駆動軸収容部44内の所定位置には、内方に突出したリング凸部44aが設けられている。この駆動軸収容部44内の後端部には、軸受45が組み付けられており、この軸受45により、駆動軸41の後端部が回転自在に支持されている。また、駆動軸収容部44内の軸受45よりもギヤ収容部35側には、駆動軸41と駆動軸収容部44の内壁とを密封するXリング51(第1シール)およびVリング52(第2シール)が、駆動軸41の長さ方向に互いに若干間隔を隔てて、ギヤ収容部35側から順に配置されている。
【0029】
Xリング51は、ゴムなどの弾性材から成り、断面形状がX形のリング状に形成されている。そして、このXリング51は、その内側に駆動軸41を嵌通した状態で、駆動軸収容部44内に嵌入されている。これにより、Xリング51は、その内周面が駆動軸41の外周面に密着するとともに、外周面が駆動軸収容部44の内壁に密着している。また、Xリング51の前後には、駆動軸41が挿通された円板状の一対の支持プレート53、53が配置されている。これらの支持プレート53、53により、Xリング51の駆動軸41の長さ方向の撓みが防止される。
【0030】
一方、Vリング52は、ゴムなどの弾性材から成り、リング状に形成されている。また、Vリング52のXリング51側の端部は、断面形状がV形に形成され、その外径が駆動軸収容部44のリング凸部44aの直径よりも大きくなっている。そして、このVリング52は、その内側に駆動軸41を嵌通した状態で、駆動軸収容部44内に遊挿されるとともに、駆動軸収容部44のリング凸部44aの側面に摺接している。これにより、Vリング52は、上記リング凸部44aの側面に摺接した状態に保たれながら、駆動軸41の回転に伴って回転する。
【0031】
また、駆動軸収容部44のリング凸部44aの下側の面には、駆動軸収容部44の内方に開口した排水口44bが設けられており、この排水口44bおよび排水口44bから下方に延びる排水通路44cを有する排水部44dを介して、リング凸部44a内と外部が連通されている。
【0032】
図3〜図5に示すように、ケーシング本体31のギヤ収容部35内には、駆動ギヤ22および従動ギヤ23の両側面側に、両ギヤ22、23の歯溝を側方から密封する一対のシールプレート54、54が配置されている。各シールプレート54は、正面形状がギヤ収容部35と同様の瓢箪形に形成されている。また、図6に示すように、各シールプレート54は、駆動軸41および従動軸42がそれぞれ挿通される2つの軸孔55a、55bを有し、シールプレート54の両ギヤ22、23の側面に対向する対向面54aには、両軸孔55a、55bを連通する溝56が形成されている。この溝56は、所定寸法の溝幅(上下方向の幅)を有するとともに、両軸孔55a、55bの中心を通る中心線よりも若干下側に位置し、両ギヤ22、23の噛合いによって形成される後述の噛合いスペースSに臨むように形成されている。より具体的には、溝56の上壁が上記中心線と同じ高さに位置するとともに、後述するように、噛合いスペースSの容積が小さくなったときに、その噛合いスペースSおよび溝56の中央部が互いにほぼ合致するように、溝56が形成されている。
【0033】
また、駆動ギヤ22および従動ギヤ23は、互いに同一の形状およびサイズの平歯車で構成されている。駆動ギヤ22の両側面の駆動軸41の周囲、および従動ギヤ23の両側面の従動軸42の周囲にはそれぞれ、若干凹んだリング凹部22a、23aが形成されている。
【0034】
また、図5および図6に示すように、駆動軸41の前端部、ならびに従動軸42の前端部および後端部にはいずれも、各シールプレート54の前記対向面54a側とその対向面54aの反対側とを連通する連通通路57が設けられている。各連通通路57は、各軸41、42の長さ方向と直交する方向に貫通した横孔57aと、各軸41、42内に、その長さ方向に沿って延びるように設けられ、横孔57aと各軸41、42の外部とを連通する連通孔57bとで構成されている。
【0035】
次に、図7〜図9を参照しながら、湯ポンプ12の動作について説明する。モータ24が作動し、駆動ギヤ22が駆動軸41を介して、図7の反時計方向に回転すると、駆動ギヤ22に噛み合う従動ギヤ23が時計方向に回転する。このように、両ギヤ22、23が回転することにより、吸入口36側の湯は、ケーシング本体31内のギヤ収容部35側に吸い込まれる。この吸い込まれた湯は、両ギヤ22、23の各歯溝と、両シールプレート54、54と、ギヤ収容部35の周壁とで囲まれたスペースに入った状態で、その周壁に沿って搬送され、ギヤ収容部35側からその下方の凹部31bに加圧されながら送り出される。そして、この凹部31b内の高圧の湯は、吐出口34aを介して、これに給湯パイプ接続具38を介して接続された給湯パイプP2に送り出される。また、凹部31b内の湯の水圧が所定値以上になったときには、その状態が継続している間、逃がし口34bがリリーフ弁39によって開放され、凹部31b内の高圧の湯の一部が、リリーフ弁39に接続された還流パイプP3に送り出される。
【0036】
また、上記のように、駆動ギヤ22および従動ギヤ23の回転による湯ポンプ12の作動時には、両ギヤ22、23の間に、後述する噛合いスペースSが形成される。図8は、両ギヤ22、23の1つのギヤ歯(同図の●を付したそれぞれのギヤ歯)同士の噛合い開始から終了までを順に示している。同図(a)に示すように、駆動ギヤ22のギヤ歯が従動ギヤ23のギヤ歯に噛合い始め、両ギヤ22、23がさらに若干回転すると、同図(b)に示すように、両ギヤ22、23のギヤ歯同士によって囲まれる噛合いスペースSが形成される。そして、両ギヤ22、23がさらに回転すると、同図(c)〜(e)に順に示すように、噛合いスペースSの容積が一旦小さくなってから大きくなり、両ギヤ22、23のギヤ歯同士の噛合いの終了に伴い、それらのギヤ歯の噛み合いによる噛合いスペースSが解消される。
【0037】
上記のように、容積が大から小、そして大へと変化する噛合いスペースSには、ギヤ収容部35から凹部31bに送り出されずに両ギヤ22、23の歯溝に残存した高圧の湯が封入される。そのため、噛合いスペースS内の湯は、噛合いスペースSの容積が小さくなるのに伴って圧縮され、それにより、より一層高圧になる。そして、この高圧の湯は、後述するように、フロントカバー32側のシールプレート54とそれに対向するフロントカバー32との隙間、およびリアカバー33側のシールプレート54とそれに対向するリアカバー33との隙間に送り出される。なお、以下の説明では、適宜、フロントカバー32側のシールプレート54、およびリアカバー33側のシールプレート54をそれぞれ、「フロントプレート54A」および「リアプレート54B」と称呼するものとする。
【0038】
図9は、噛合いスペースSから送り出される湯の流れを矢印で示している。前述したように、フロントプレート54Aおよびリアプレート54Bの溝56、56はいずれも、容積が小さくなったときの噛合いスペースSに合致するように形成されているため、駆動ギヤ22および従動ギヤ23の回転に伴い、噛合いスペースSから非常に高圧の湯が、フロントプレート54Aおよびリアプレート54Bの溝56、56に流れる。図9に示すように、フロントプレート54A側に送り出された噛合いスペースS内の高圧の湯は、まず、フロントプレート54Aの溝56を介して、駆動軸41および従動軸42側に流れる。駆動軸41側に流れた湯は、駆動ギヤ22のリング凹部22aに流れ込み、さらに、駆動軸41の横孔57aおよび連通孔57bを介して、駆動軸41内からフロントカバー32の凹部32aに流れる。そして、この凹部32aに流れた湯は、駆動軸41との隙間を通って、フロントプレート54Aとフロントカバー32の隙間に到達する。なお、フロントカバー32の凹部32aと駆動軸41との隙間を湯が流れることにより、その凹部32aは、駆動軸41の前端部を回転自在に支持する、潤滑性の高い軸受として機能する。一方、従動軸42側に流れた湯は、従動ギヤ23のリング凹部23aに流れ込み、さらに、従動軸42の横孔57aおよび連通孔57bを介して、従動軸42内からフロントカバー32の凹部32bに流れる。そして、この凹部32bに流れた湯は、従動軸42との隙間を通り、上述した駆動軸41側に流れた湯と同様に、フロントプレート54Aとフロントカバー32の隙間に到達する。なお、フロントカバー32の凹部32bは、上記凹部32aと同様に、従動軸42の前端部を回転自在に支持する、潤滑性の高い軸受として機能する。以上のようにして、フロントプレート54Aとフロントカバー32の隙間に到達した湯は、湯ポンプ12の作動中、高圧に保たれ、それにより、その湯の水圧による外力によって、フロントプレート54Aが、これに対向する駆動ギヤ22および従動ギヤ23の側面に押し付けられる。
【0039】
一方、リアプレート54B側に送り出された噛合いスペースS内の湯は、リアプレート54Bの溝56を介して、駆動軸41および従動軸42側に流れる。駆動軸41側に流れた湯は、駆動ギヤ22のリング凹部22aに流れ込み、上述したフロントプレート54A側に湯が送り出された場合と異なり、そのリング凹部22aに留まる。一方、従動軸42側に流れた湯は、上述したフロントプレート54A側に湯が送り出された場合と同様に、従動ギヤ23のリング凹部23a、従動軸42の横孔57a、および連通孔57bを順に通って、従動軸42内からリアカバー33の凹部33aに流れる。そして、この凹部33aに流れた湯は、従動軸42との隙間を通って、リアプレート54Bとリアカバー33の隙間に到達する。なお、リアカバー33の凹部33aは、前記フロントカバー32の凹部32bと同様に、従動軸42の後端部を回転自在に支持する、潤滑性の高い軸受として機能し、したがって、両凹部33aおよび32bによって支持された従動軸42を介して、従動ギヤ23が、非常に円滑に回転する。以上のようにして、リアプレート54Bとリアカバー33の隙間に到達した湯は、上述したフロントプレート54A側に湯が送り出された場合と同様に、高圧に保たれ、その湯の水圧による外力によって、リアプレート54Bが、これに対向する駆動ギヤ22および従動ギヤ23の側面に押し付けられる。
【0040】
また、リアプレート54Bとリアカバー33の隙間に到達した湯は、リアカバー33の駆動軸収容部44内に送られる。この湯も、湯ポンプ12の作動中、高圧に保たれるため、図9の白抜き矢印で示すように、その湯の水圧による外力がXリング51に作用する。それにより、Xリング51は、その内周面の駆動軸41に対する面圧、および外周面の駆動軸収容部44の内周壁に対する面圧が高くなるように変形する。この場合、Xリング51によって、駆動軸41と駆動軸収容部44の内周壁との隙間が強固に密封されるため、Xリング51を介して、Vリング52側に湯が漏れることはない。しかし、Xリング51は、その内周面が駆動軸41に強固に密着しているため、駆動軸41の回転に伴い、内周面が次第に摩耗し、その結果、駆動軸41の回転の停止時、すなわち湯ポンプ12の停止時に、Xリング51の摩耗した内周面と駆動軸41の隙間から、Vリング52側に湯が漏れることがある。
【0041】
上記Vリング52は、前述したように、駆動軸41の回転に伴って回転するとともに、駆動軸収容部44内のリング凸部44aの側面に摺接した状態で、駆動軸41と駆動軸収容部44の内周壁との隙間を密封しているので、駆動軸41との間、および上記リング凸部44aとの間で、摩耗が生じにくく、耐久性が高い。また、Xリング51の内周面と駆動軸41との隙間から漏れた湯は、湯ポンプ12の停止時に漏れるものであり、湯ポンプ12の作動時にXリング51に作用する高圧の湯に比べて、非常に低圧である。したがって、Xリング51を介してVリング52側に湯が漏れた場合でも、その湯をVリング52によって止めることにより、軸受45側への水漏れを長期にわたって防止することができる。
【0042】
加えて、上記のように、Xリング51を介して湯が漏れた場合でも、その漏れた湯は、Xリング51とVリング52の間のリング凸部44aに設けられた排水口44bおよびこれに連なる排水通路44cを介して、排水パイプP4に送られる。
【0043】
以上詳述したように、本実施形態によれば、ケーシング21の駆動軸収容部44内に、ギヤ収容部35側から順にXリング51およびVリング52を配置しているので、湯ポンプ12の作動時には、Xリング51によって、Vリング52側への水漏れを防止でき、湯ポンプ12の停止時には、Vリング52によって、軸受45側への水漏れを長期にわたって防止することができる。加えて、Xリング51を介して湯が漏れた場合でも、その湯を、排水部44dを介して、湯ポンプ12の外部に排出し、湯ポンプ12の動作に悪影響を与えることなく処理することができる。以上の結果、湯ポンプ12の寿命を従来に比べて、大幅に延ばすことができる。
【0044】
また、排水部44dを介して排出された湯を、フィルタ14でろ過することによって浄化し、湯タンク11に戻すので、その湯を、飲料水として再利用することができる。
【0045】
また、湯ポンプ12の作動時に、駆動ギヤ22および従動ギヤ23の歯溝に残存し、両ギヤ22、23間の噛合いスペースS内に封入された湯を、両シールプレート54、54の両ギヤ22、23の両側面への押し付けに利用するので、ポンプ効率を低下させることなく、両ギヤ22、23の歯溝を両シールプレート54、54で適切に密封することができる。また、このように、湯ポンプ12の作動時の湯の水圧を利用して、両シールプレート54、54を両ギヤ22、23の両側面に押し付けるので、両シールプレート54、54、両ギヤ22、23、およびケーシング21の加工寸法の精度を、それ程高くする必要がなくなり、その結果、湯ポンプ12の加工コストを低減することができる。
【0046】
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。図10(a)は、シールプレートの変形例を示している。同図に示すシールプレート61は、前述したシールプレート54の対向面54aに形成された溝56に代えて、駆動ギヤ22および従動ギヤ23による噛合いスペースSに対向する位置に、貫通する孔62を有している。この孔62は、所定寸法の直径を有するとともに、上記溝56と同様に、両軸孔61a、61bの中心を通る中心線よりも若干下側に形成されている。このシールプレート61を、前記シールプレート54に代えて、湯ポンプ12に採用することにより、噛合いスペースS内の高圧の湯を、孔62を介して、シールプレート61と、フロントカバー32との隙間およびリアカバー33との隙間に直接送り出すことができる。なおこの場合、駆動軸41および従動軸42への連通通路57、すなわち横孔57aおよび連通孔57bの加工は不要であり、その分、湯ポンプ12の製造コストを低減することができる。また、図10(b)に示すように、シールプレート61の上下のくびれ部分63、63を、円弧状に形成してもよく、このことは、前記シールプレート54も同様である。
【0047】
図11は、シールプレートの他の変形例を示している。同図(a)に示すように、このシールプレート64は、その周縁部64aの駆動ギヤ22および従動ギヤ23と反対側の面が断面L字状に切り欠かれたパッキン収容部64aを有している。したがって、同図(b)に示すように、シールプレート64のパッキン収容部64aに、ゴム製のOリングから成るパッキン66を収容することにより、シールプレート64と、フロントカバー32、リアカバー33およびケーシング本体31との隙間が密封される。これにより、吐出口34bを介して吐出すべき加圧された湯、およびシールプレート64の両ギヤ22、23と反対側に送り出された高圧の湯が、低圧の吸入口36側に逆流するのを防止することができる。また、シールプレート64の2つの軸孔64b、64bの周縁部にはそれぞれ、両ギヤ22、23と反対側に突出する円筒状の凸部65、65を有している。したがって、この凸部65、65を、駆動軸41および従動軸42の軸受として利用することができる。
【0048】
また、実施形態では、排水部44dを介して排出された湯を、湯タンク11に戻すようにしたが、図1に示すように、一般にカップ式自動販売機内に設置され、廃液を貯留する排水バケツ5などに排出するようにしてもよい。
【0049】
また、実施形態では、本発明の飲料水用ポンプを、ギヤポンプである湯ポンプ12に適用した場合について説明したが、その他の回転ポンプ、例えばベーンポンプやねじポンプなどにも適用することができる。また、実施形態で示した湯ポンプ12の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態による飲料水用ポンプを湯ポンプに適用し、これを備えた飲料調理装置としてのカップ式自動販売機の内部構造を模式的に示す図である。
【図2】湯ポンプを斜め後ろから見たときの状態を示す斜視図である。
【図3】ケーシングを部分的に切断して、湯ポンプの内部構造を斜め後ろから見たときの状態を示す斜視図である。
【図4】ケーシングを部分的に切断して、湯ポンプの内部構造を斜め前から見たときの状態を示す斜視図である。
【図5】(a)はケーシングを水平に切断した状態の湯ポンプの内部構造を示す平面図であり、(b)は(a)のb−b線で切断した断面図、(c)は(a)のc−c線で切断した断面図である。
【図6】シールプレートならびに駆動軸および従動軸の構造を説明するための説明図である。
【図7】湯ポンプ作動時の湯の流れを説明するための説明図である。
【図8】駆動ギヤおよび従動ギヤの1つのギヤ歯同士の噛合い開始から終了までを順に示す図である。
【図9】湯ポンプの作動時に、噛合いスペースから送り出される湯の流れを説明するための説明図である。
【図10】シールプレートの変形例を示す正面図である。
【図11】(a)はシールプレートの他の変形例を示す正面図であり、(b)は(a)のb−b線で切断したシールプレートおよびその周囲のケーシングを部分的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0051】
1 自動販売機(飲料調理装置)
11 湯タンク(貯水タンク)
12 湯ポンプ(飲料水用ポンプ)
14 フィルタ
21 ケーシング
22 駆動ギヤ(ポンプ回転体)
23 従動ギヤ(ポンプ回転体)
24 モータ(駆動源)
34a 吐出口
35 ギヤ収容部
36 吸入口
39 リリーフ弁
41 駆動軸
44 駆動軸収容部
44b 排水口
51 Xリング(第1シール)
52 Vリング(第2シール)
W 湯
P 搬送パイプ
P1 導湯パイプ(第1搬送通路)
P2 給湯パイプ
P3 還流パイプ(第2搬送通路)
P4 排水パイプ(第3搬送通路)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を、吸入口を介して内部に吸い込むとともに、吐出口を介して外部に送り出す飲料水用ポンプであって、
駆動源と、
この駆動源によって回転駆動される駆動軸と、
この駆動軸に固定され、当該駆動軸の回転に伴って回転するポンプ回転体と、
このポンプ回転体を回転自在に収容するとともに前記吸入口および前記吐出口に連なるポンプ回転体収容部と、前記駆動軸を回転自在に収容するとともに当該ポンプ回転体収容部に連なる駆動軸収容部とを有するケーシングと、
前記駆動軸収容部内に、前記駆動軸の長さ方向に互いに間隔を隔てて前記ポンプ回転体収容部側から順に設けられ、前記駆動軸と前記駆動軸収容部の内壁との隙間を密封する第1および第2シールと、
を備え、
前記駆動軸収容部の前記第1および第2シールの間には、当該駆動軸収容部内と外部とを連通し、前記第1シールを介して漏れた水を外部に排出する排水口が設けられていることを特徴とする飲料水用ポンプ。
【請求項2】
前記第1シールは、リング状の弾性材から成り、
前記第2シールは、前記駆動軸の回転に伴って回転するとともに、前記駆動軸収容部の内壁に摺接することを特徴とする請求項1に記載の飲料水用ポンプ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の飲料水用ポンプを備えた飲料調理装置であって、
前記飲料水用ポンプは、前記ポンプ回転体収容部内の圧力が所定値以上のときに開放することにより、前記ポンプ回転体収容部内の水を外部に逃がすリリーフ弁をさらに備えており、
水を貯留する貯水タンクと、
この貯水タンクと前記飲料水用ポンプの前記吸入口とを接続する第1搬送通路と、
前記飲料水用ポンプの前記リリーフ弁と前記貯水タンクとを接続する第2搬送通路と、
前記飲料水用ポンプの前記排水口と前記第2搬送通路とを接続する第3搬送通路と、
を備えていることを特徴とする飲料調理装置。
【請求項4】
前記飲料水用ポンプの前記排水口から排出された水をろ過するフィルタをさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載の飲料調理装置。
【請求項1】
水を、吸入口を介して内部に吸い込むとともに、吐出口を介して外部に送り出す飲料水用ポンプであって、
駆動源と、
この駆動源によって回転駆動される駆動軸と、
この駆動軸に固定され、当該駆動軸の回転に伴って回転するポンプ回転体と、
このポンプ回転体を回転自在に収容するとともに前記吸入口および前記吐出口に連なるポンプ回転体収容部と、前記駆動軸を回転自在に収容するとともに当該ポンプ回転体収容部に連なる駆動軸収容部とを有するケーシングと、
前記駆動軸収容部内に、前記駆動軸の長さ方向に互いに間隔を隔てて前記ポンプ回転体収容部側から順に設けられ、前記駆動軸と前記駆動軸収容部の内壁との隙間を密封する第1および第2シールと、
を備え、
前記駆動軸収容部の前記第1および第2シールの間には、当該駆動軸収容部内と外部とを連通し、前記第1シールを介して漏れた水を外部に排出する排水口が設けられていることを特徴とする飲料水用ポンプ。
【請求項2】
前記第1シールは、リング状の弾性材から成り、
前記第2シールは、前記駆動軸の回転に伴って回転するとともに、前記駆動軸収容部の内壁に摺接することを特徴とする請求項1に記載の飲料水用ポンプ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の飲料水用ポンプを備えた飲料調理装置であって、
前記飲料水用ポンプは、前記ポンプ回転体収容部内の圧力が所定値以上のときに開放することにより、前記ポンプ回転体収容部内の水を外部に逃がすリリーフ弁をさらに備えており、
水を貯留する貯水タンクと、
この貯水タンクと前記飲料水用ポンプの前記吸入口とを接続する第1搬送通路と、
前記飲料水用ポンプの前記リリーフ弁と前記貯水タンクとを接続する第2搬送通路と、
前記飲料水用ポンプの前記排水口と前記第2搬送通路とを接続する第3搬送通路と、
を備えていることを特徴とする飲料調理装置。
【請求項4】
前記飲料水用ポンプの前記排水口から排出された水をろ過するフィルタをさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載の飲料調理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−162553(P2007−162553A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−358902(P2005−358902)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】
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