説明

駆動力伝達装置、および画像形成装置

【課題】歯車の回転発生する熱による歯車および歯車の保持機構の膨張を防止して、歯車の円滑な回転と、駆動力伝達装置の耐久性を確保する。
【解決手段】樹脂歯車31、32を大口径のすべり軸受34、35を介して金属板で形成した取付基板33に配置する。取付基板33のすべり軸受34の近傍には、ペルティエ素子36の冷却面を取り付け、放熱面に放熱板37を取り付ける。電源62に接続したペルティエ素子36を制御手段61で制御する。制御手段61は、ペルティエ素子36の電圧を測定しつつ、ペルティエ素子36に流す電流を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動力伝達装置、および画像形成装置に係り、特に合成樹脂製の歯車を備える駆動力伝達装置、およびこの駆動電動装置を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置には、用紙搬送ローラー、感光体ドラム、定着ローラーなど多数の回転駆動される部材が配置される。これらの回転駆動される部材にモーター等の駆動源の駆動力を伝達する駆動力伝達装置として、駆動力伝達用の歯車と、この歯車を回転可能に保持する保持機構と、この保持機構を配置し画像形成装置の本体に固定した取付基板と、を備えたものが使用される。
【0003】
このような駆動力伝達装置にあっては、金属製の歯車に代えて合成樹脂製の歯車(以下樹脂歯車という)を使用すると、重量やコストの面でメリットがある。しかし、樹脂歯車を高速回転させると、樹脂歯車と他の部材との接触面から発生する摩擦熱で歯車が熱膨張する。そのため、取付基板に立ち上がるように形成された軸部材で樹脂歯車を保持している駆動力伝達装置では、樹脂歯車が膨張し、その内径が軸部材の外径より大きくなり、そのためにガタつきが生じ、このガタつきに起因する回転むらが発生することがある。
【0004】
また、取付基板をバーリング加工して軸受部を形成し、この軸受部で樹脂歯車に形成したボス部を保持するようにした駆動力伝達装置では、ボス部が膨張し、軸受部の内径とボス部の外形とのクリアランスがなくなり、ボス部が削れて耐久性がなくなり、これが回転むらの発生につながり得る。
【0005】
特に、樹脂歯車を大口径のすべり軸受で保持したときには、すべり面の直径が大きいために両者の相対速度差が大きくなり、樹脂歯車の発熱、溶融によりすべり軸受と接合してしまうことがある。このため、樹脂歯車を高速回転させる駆動力伝達装置では、駆動力伝達装置を冷却することが必要になる。なお、電子写真式以外の画像形成装置にあっても、用紙の搬送ローラーなどに多数の回転駆動部材が配置されるので、同様の問題が発生することがある。
【0006】
上述の点を考慮して、従来の駆動力伝達装置においては、多くの場合、発生する摩擦熱を冷却ファン等で冷却している。しかし、それでは樹脂歯車などを十分に冷却しきれない。また、画像形成装置のように複数の駆動力伝達装置を備える場合には、それら複数の駆動力伝達装置のすべてに冷却ファンを設置することは販売される製品としては現実的ではない。そのため、発生する摩擦熱による熱膨張を前提として駆動力伝達装置設計を行う必要があるが、これは大変に面倒である。
【0007】
なお、機械的要素、部材等を冷却するために熱電半導体素子を使用することが知られている。例えば特許文献1は、必要に応じてワークを加熱および冷却するため、ペルティエ素子に直流電流を流してワークの温度を制御する構成を開示している。ただし、この特許文献1に記載の技術は、駆動力伝達装置の冷却に使用して樹脂歯車の回転により発生する熱を除去することができる技術ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述の点にかんがみてなしたものであり、樹脂製の歯車を用いた駆動力伝達装置において、歯車の回転発生する熱による障害にかかわらず、歯車の円滑な回転と駆動力伝達装置の耐久性とを確保できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る駆動力伝達装置は、合成樹脂製の歯車と、該歯車を回転可能に保持する保持機構と、該保持機構を配置した金属製の取付基板とを備えた駆動力伝達装置において、前記歯車および前記保持機構を冷却する熱電半導体変換素子と、前記熱電半導体素子に電流を供給する電源とを設けた、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、樹脂製の歯車および保持機構の温度上昇を抑えてそれらの膨張を防ぎ、歯車の円滑な動作を行え、かつ駆動力伝達装置として必要な耐久性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態1に係る画像形成装置を示す断面図である。
【図2】同じく実施形態1に係る駆動力伝達装置を示す斜視図である。
【図3】同じく駆動力伝達装置の制御系を示すブロック図である。
【図4】同じく駆動力伝達装置の制御状態を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態2に係る駆動力伝達装置を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態3に係る駆動力伝達装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る駆動力伝達装置およびこれを備えた画像形成装置について図面を参照して説明する。
【0013】
<実施形態1>
まず、本発明の実施対象となる画像形成装置の一例であるカラーレーザープリンターについて説明する。本実施形態に係るカラーレーザープリンターには、回転する多数の用紙搬送ローラー、感光体ドラム、定着ローラーを備えている。回転駆動部材は、駆動力伝達装置において、これらの回転する部材に駆動源からの回転駆動力を伝達する。
【0014】
図1は実施形態1に係る画像形成装置(カラーレーザープリンター)を示す断面図である。この画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4つの画像形成手段を横に並べて配置してタンデム画像形成部を構成する。タンデム画像形成部において、個々のトナー像形成手段である画像形成手段101Y、101C、101M、101Kを、図中左から順に配置する。
【0015】
ここで、各符号の添え字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック用の部材であることを示す。また、このタンデム画像形成部においては、画像形成手段101Y、101C、101M、101Kは、ドラム状の感光体ドラム21Y、21C、21M、21Kのまわりに、帯電装置、現像装置10Y、10C、10M、10K、感光体クリーニング装置等を備える。この感光体ドラム21Y、21C、21M、21Kをそれぞれ実施形態1に係る駆動力伝達装置を介して駆動源であるモーターで回転駆動する。
【0016】
このような構成の画像形成装置の上部に、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色トナーが充填されたトナーボトル2Y、2C、2M、2Kを配置してある。これらのトナーボトル2Y、2C、2M、2Kから図示しない搬送経路によって、所定の補給量だけ、各色の現像装置10Y、10C、10M、10Kに各色のトナーを補給する。
【0017】
また、タンデム画像形成部の下部に潜像形成手段としての光書込ユニット9を配置してある。この光書込ユニット9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム21Y、21C、21M、21Kの表面にレーザー光を走査しながら照射する。
【0018】
また、タンデム画像形成部の直上には、中間転写体として無端ベルト状の中間転写ベルト1を配置してある。中間転写ベルト1を、駆動ローラー1a、支持ローラー1bに掛け回し、駆動ローラー1aの回転軸に、本実施形態に係る駆動力伝達装置を介して駆動源としての図示しない駆動モーターを連結している。駆動モーターを回転駆動すると、中間転写ベルト1が図中反時計回りに回転移動するとともに、従動する支持ローラー1bが回転する。中間転写ベルト10の内側には、感光体ドラム21Y、21C、21M、21K上に形成したトナー像を中間転写ベルト1上に転写するための1次転写装置11Y、11C、11M、11Kが配置してある。
【0019】
また、1次転写装置11Y、11C、11M、11Kより中間転写ベルト1の駆動方向下流に2次転写装置としての2次転写ローラー4を配置してある。この2次転写ローラー4と中間転写ベルト1を挟んだ反対側には、支持ローラー1bを配置し、押部材としての機能を果たす。中間転写ベルト1は、中間転写ベルト1上の残トナーを回収する中間転写体クリーニング装置12を備える。
【0020】
また、図示の画像形成装置は、給紙装置として給紙カセット8、給紙コロ7、レジストローラー6等を備えている。2次転写ローラー4によりトナー像を転写された印刷用紙の進行方向に関して2次転写ローラー4の下流部には、印刷用紙上の画像を定着する定着装置5、排紙ローラー3が配置してある。
【0021】
次に、画像形成装置の動作を説明する。各画像形成手段において、各感光体ドラム21Y、21C、21M、21Kを回転させ、感光体ドラム21Y、21C、21M、21Kの回転とともに、まず図示していない帯電装置で感光体ドラム21Y、21C、21M、21Kの表面を一様に帯電する。ついで画像データを光書込ユニット9からのレーザーによる書込光を照射して感光体ドラム21Y、21C、21M、21K上に静電潜像を形成する。その後、現像装置10Y、10C、10M、10Kによりトナーを付着させ、静電潜像を可視像化することで各感光体ドラム21Y、21C、21M、21K上にそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの単色画像を形成する。
【0022】
また、図示しない駆動モーターで駆動力伝達装置を介して駆動ローラー1aを回転駆動し、他の支持ローラー1b、2次転写ローラー4を従動回転し、中間転写ベルト1を回転搬送する。そして、可視像を1次転写装置11Y、11C、11M、11Kで中間転写ベルト1上に順次転写する。これによって中間転写ベルト1上に合成カラー画像を形成する。画像転写後の感光体ドラム21Y、21C、21M、21Kの表面は感光体クリーニング装置で残留トナーを除去して清掃して再度の画像形成に備える。
【0023】
また、上述の画像形成のタイミングに合わせて、給紙カセット8から印刷用紙先端を給紙コロ7で繰り出し、レジストローラー6まで搬送し、一時停止する。そして、画像形成動作とタイミングを取りながら2次転写ローラー4と中間転写ベルト1の間に搬送する。ここで、中間転写ベルト1と2次転写ローラー4とは印刷用紙を挟んでいわゆる2次転写ニップを形成し、2次転写ローラー4にて中間転写ベルト10上のトナー像を印刷用紙上に2次転写する。
【0024】
ついで、画像転写後の印刷用紙を定着装置5へと送り込み、定着装置5で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して機外へ排出する。一方、画像転写後の中間転写ベルト1は、中間転写体クリーニング装置12で、画像転写後に中間転写ベルト1上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成部による再度の画像形成に備える。
【0025】
次に実施形態1に係る画像形成装置に使用する駆動力伝達装置について説明する。駆動力伝達装置は、駆動力伝達装置の冷却に熱電半導体素子として、ペルティエ素子を使用する。ペルティエ素子は、2種類の金属の接合部に電流を供給すると、片方の金属(冷却面)からもう片方(放熱面)へ熱が移動するというペルティエ効果(Peltier effect)を利用した板状の半導体素子である。このため、樹脂歯車とのすべり接触で摩擦熱をペルティエ素子の冷却面で冷却して放熱面から放出し、樹脂歯車の温度上昇を抑えることができる。
【0026】
以下詳細に説明する。図2は実施形態1に係る駆動力伝達装置を示す斜視図である。実施形態1に係る駆動力伝達装置30は、2つの樹脂歯車31、32を金属で形成した取付基板33に回転自在に保持している。そして、取付基板33を画像形成装置の箱体に固定し、樹脂歯車31、32に図示しない駆動源からの歯車をかみ合わせ、樹脂歯車31、32にかみ合わせた回転部材、例えば搬送ローラーの駆動歯車を駆動する。なお、図中樹脂歯車31、32の歯形は表示していない。
【0027】
この実施形態1の駆動力伝達装置では、取付基板33に保持機構である大口径のすべり軸受34、35を配置し、この軸受34、35に樹脂歯車31、32を取付基板33に回転自在に保持する。
【0028】
そして、取付基板33の軸受34の取付部付近に、ペルティエ素子36の冷却面を配置する。また、ペルティエ素子36の放熱面には、金属製の放熱板37を取り付ける。ペルティエ素子36は、ペルティエ素子36に直流電流を供給するリード線38、39を備える。このリード線38、39はペルティエ素子36が発生する電圧を測定するためにも用いる。
【0029】
このような大口径すべり軸受34、35は、樹脂歯車の内面とすべり接触する内面の半径が大きくなることから、すべり面における速度が大きくなり、発生する熱量も多くなる。このペルティエ素子36で取付基板33の温度を吸収して放熱板37から放出し、軸受34、35と樹脂歯車31、32との温度上昇を抑える。
【0030】
次に、駆動力伝達装置30の制御について説明する。図3は実施形態1に係る駆動力伝達装置の制御系を示すブロック図、図4は同じく駆動力伝達装置の制御状態を示すフローチャートである。図3に示すように、ペルティエ素子36のリード線38、39を制御手段61に接続し、制御手段61と電源62とを接続する。
【0031】
制御手段61は、ペルティエ素子36がゼーベック効果により発生する電圧を計測する計測手段を備えている。制御手段61は、この計測した電圧があらかじめ定められた閾値を超えたとき、温度差を打ち消す方向に電圧を一定時間かけるよう構成される。電圧の測定および電流の導通はリード線38、39により行う。制御手段61は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピューターとして構成することができる。CPUがROM等に格納したプログラムを実行し、ペルティエ素子36に流す電流を制御する。
【0032】
計測手段で計測されるペルティエ素子36の電圧は、ペルティエ素子36の冷却面と放熱面との温度差に依存する。そして、所定時間秒経過後再び温度測定を開始し、このとき駆動装置が運転中であればそのまま冷却を継続し、運転が終了していれば冷却を終了する。なお、各電圧、閾値は、適用する装置についての最適値を実験等により定めておく。
【0033】
すなわち、図4に示すように、制御手段61は、常時ペルティエ素子36の冷却面と放熱面との温度差から生じるペルティエ素子36の電圧V1を測定する(ステップS1)。そして、この電圧V1をあらかじめ定めた閾値V0と比較する(ステップS2)。電圧V1が閾値V0以下のとき(ステップS2のNo)、駆動力伝達装置30の温度が上昇しておらず、問題がないものとしてペルティエ素子36の電圧V1の測定を続ける(ステップS6)。
【0034】
一方、電圧V1が閾値V0より大きいとき(ステップS2のYes)、あらかじめ定めた時間T1の間、電圧V2をペルティエ素子36に印加する(ステップS3)。
【0035】
そして、電圧を再度ペルティエ素子36の電圧測定を再度始める(ステップS4)。この動作を画像形成装置が運転中続ける(ステップS5のYes)、画像形成装置が停止したら終了する(ステップS5のNo)
【0036】
実施形態1に係る駆動力伝達装置30は、摩擦熱によって温度が上昇した取付基板33を、ペルティエ素子で冷却する。このため、長時間連続運転に起因する樹脂歯車31、32の熱による膨張や、熱で合成樹脂が溶けることによる接合を防止し、安定した回転を持続させ、駆動力伝達装置30の耐久性を確保できる。また、ペルティエ素子を用いて冷却するので、ファンによる冷却と異なり全く騒音を発生させない。
【0037】
<実施形態2>
次に本発明の実施形態2に係る駆動力伝達装置について説明する。図5は実施形態2に係る駆動力伝達装置を示す斜視図である。この実施形態2に係る駆動力伝達装置40においては、樹脂歯車41は歯車部42に合成樹脂性の軸部材43を一体的に形成したものである。なお、歯車部42の歯の形状は図示していない。
【0038】
そして、この軸部材43を取付基板44に形成した保持機構としての軸受部45に回転可能に配置し、樹脂歯車41を金属製の取付基板44に取り付けている。実施形態2では、軸受部45は取付基板44をバーリング加工して形成した。バーリング加工は、板材に開設した穴の周囲を塑性変形して立ち上がり部を形成する処理である。
【0039】
そして、実施形態1と同様に、取付基板44にペルティエ素子36を配置するとともに、ペルティエ素子36に放熱板37を配置する。ペルティエ素子36の制御は、実施形態1のものと同じとする。
【0040】
この実施形態2によれば、ペルティエ素子36で樹脂歯車41の軸部材43の温度上昇を防ぎ、熱膨張による軸受部45での摩耗を防止し、耐久性を確保し、回転むらを防止する。
【0041】
<実施形態3>
次に実施形態2に係る駆動力伝達装置について説明する。図6は実施形態3に係る駆動力伝達装置を示す斜視図である。実施形態3に係る駆動力伝達装置50は、樹脂歯車51に軸部材52を備えるものとした。そして、この軸部材52を取付基板53に配置した、保持機構である小口径のすべり軸受54に配置し、樹脂歯車51を金属板製の取付基板53に取り付けている。なお、図中樹脂歯車51の歯は表示していない。
【0042】
そして、実施形態1と同様に、取付基板53にペルティエ素子36を配置するとともに、ペルティエ素子36に放熱板37を配置する。ペルティエ素子36の制御は、実施形態1のものと同じとする。
【0043】
実施形態3によれば、ペルティエ素子36で樹脂歯車51の軸部材52と、軸受54の温度上昇を防ぎ、熱膨張によるクリアランスの減少を起因する摩耗を防止し、耐久性を確保することができる。
【0044】
なお、前記各実施形態において、ペルティエ素子36を取付基板に取り付けるものとして説明したが、ペルティエ素子36は、軸受等に直接取り付け、ペルティエ素子36に接触する取付基板が、放熱板としての機能をなすようにしてもよい。
【0045】
また、前記各実施形態では放熱板37は平板としたが、フィンなどを備えて表面積を大きくした部材とすることができる。さらに、放熱板37は、自然の対流により冷却するものとして説明したが、放熱板37にファンからの冷却風をあて、放熱板37を強制的に冷却するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
30:駆動力伝達装置
31、32:樹脂歯車
33:取付基板
34、35:軸受(保持機構)
36:ペルティエ素子
37:放熱板
38、39:リード線
40:駆動力伝達装置
41:樹脂歯車
43:軸部材
44:取付基板
45:軸受部(保持機構)
50:駆動力伝達装置
51:樹脂歯車
52:軸部材
53:取付基板
54:軸受(保持機構)
61:制御手段
62:電源
【先行技術文献】
【特許文献】
【0047】
【特許文献1】特開2006−095618号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製の歯車と、該歯車を回転可能に保持する保持機構と、該保持機構を配置した金属製の取付基板とを備えた駆動力伝達装置において、
前記歯車および前記保持機構を冷却する熱電半導体変換素子と、
前記熱電半導体素子に電流を供給する電源とを設けた、
ことを特徴とする駆動力伝達装置。
【請求項2】
前記熱電半導体素子は、冷却面と放熱面とを備え、
前記冷却面を前記取付基板に接触させて配置するとともに、
前記放熱面に接触させて放熱部材を配置した、
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達装置。
【請求項3】
前記放熱部材の冷却を、冷却ファンでの強制冷却または対流での自然冷却で行うことを特徴とする請求項2に記載の駆動力伝達装置。
【請求項4】
前記保持機構は、前記取付基板とは別部材であるすべり軸受、または、前記取付基板をバーリング加工して形成した軸受部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の駆動力伝達装置。
【請求項5】
前記熱電半導体素子に印加する電圧を必要に応じて変更する制御手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の駆動力伝達装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記熱電半導体素子の電位差を計測する計測手段を備えることを特徴とする請求項5に記載の駆動力伝達装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれかに記載の駆動力伝達装置と、この駆動力伝達装置で回転駆動される回転部材を画像形成手段、用紙搬送手段、および画像読取手段の少なくとも1つの手段を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−83324(P2013−83324A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−224416(P2011−224416)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】