駆動装置及び画像形成装置
【課題】 入力歯車と欠歯歯車の噛み合い時の歯当たりによる騒音
【解決手段】 磁力によって回転駆動される円筒部材を介して欠歯歯車を回転させることによって、入力歯車と欠歯歯車との速度を略等しくさせて噛合る。
【解決手段】 磁力によって回転駆動される円筒部材を介して欠歯歯車を回転させることによって、入力歯車と欠歯歯車との速度を略等しくさせて噛合る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び、画像形成装置で用いられる駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置で用いられる駆動装置としては、たとえば、特許文献1に記載のようなものが知られている。
【0003】
すなわち駆動装置は、入力歯車に対して噛み合わない欠歯部が設けられた欠歯歯車と、欠歯歯車を一方向に回転付勢するバネと、欠歯歯車が入力歯車と噛み合わない位置で停止させる為に、欠歯歯車に係合するソレノイドと、で構成されている。
【0004】
そして、ソレノイドの係合が解除されることによって、バネの付勢力によって欠歯歯車を回転させる。すると欠歯歯車が入力歯車と噛み合い、駆動力が欠歯歯車に伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−141022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、バネで回転付勢されて回転する欠歯歯車の回転速度と、入力歯車の回転速度が合致しない場合がある。その結果、欠歯歯車の歯部の噛み合い第1歯と入力歯車の歯が衝突し、噛合い時の衝撃によってクラッチをつなげるたびに大きな衝撃騒音を生じてしまう問題があった。
【0007】
本発明の目的は、駆動力伝達時における欠歯歯車と入力歯車の噛合い時の衝撃を軽減し得る回転制御クラッチ及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、画像形成装置で用いられる駆動装置であって、入力歯車と、前記入力歯車と噛み合うことが可能な歯部と、前記歯部が無い欠け歯部とを有する欠歯歯車と、前記欠歯歯車を、前記欠け歯部が前記入力歯車と対向して前記入力歯車と噛み合わない状態で保持する保持状態と、前記保持状態を解除する解除状態にすることが可能な保持部材と、回転力を受けて回転可能な円筒部材と、前記欠歯歯車と一体で回転する、前記円筒部材の内側に侵入する侵入部であって、前記円筒部材との摩擦力によって前記円筒部材から前記回転力を受けることが可能な侵入部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入力歯車と欠歯歯車との回転速度を略合わさせることができるので、入力歯車と欠歯歯車との噛み合う際の歯当たりによる衝撃音が軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1である画像形成装置の任意断面図。
【図2】実施例1であるロータリー回転制御クラッチの部分拡大図。
【図3】実施例1であるロータリー回転制御クラッチの部分拡大図。
【図4】実施例8に係る駆動制御装置を用いたシート給送装置の概略構成図
【図5】実施例1であるロータリー回転制御クラッチの斜視図。
【図6】実施例1であるロータリー回転制御クラッチの部分拡大図。
【図7】実施例1であるロータリー回転制御クラッチの断面図。
【図8】実施例2であるロータリー回転制御クラッチの斜視図。
【図9】実施例2であるロータリー回転制御クラッチの部分拡大図。
【図10】実施例2であるロータリー回転制御クラッチの部分拡大図。
【図11】実施例2であるロータリー回転制御クラッチの動作特性図。
【図12】実施例3の複数の回転制御クラッチを備えた画像形成装置を示す任意断面図。
【図13】図1の回転制御クラッチを含む駆動伝達系の分解斜視図。
【図14】(A)は図2の一つの回転制御クラッチの拡大斜視図、(B)は当接離間機構の部分拡大図。
【図15】(A)は回転制御クラッチの歯車列の噛合状態の図、(B)は制御機構の拡大図。
【図16】(A)は回転制御クラッチの駆動力伝達状態、(B)は遮断状態を示す図。
【図17】(A)、(B)は当接離間機構の当接カムの動作状態の説明図。
【図18】実施例4の回転制御クラッチを示し、(A)は分解斜視図、(B)は側面図。
【図19】(A)は実施例5の画像形成装置断面図、(B)は回転制御クラッチ分解斜視図。
【図20】(A)は駆動力遮断時の欠歯歯車近傍の図、(B)は制御機構の正面部分拡大図。
【図21】(A)は回転制御クラッチの駆動力遮断状態、(B)は伝達状態を示す図。
【図22】(A)は実施例6の回転制御クラッチの分解斜視図、(B)は正面部分拡大図。
【図23】(A)は実施例7の回転制御クラッチの分解斜視図、(B)は正面部分拡大図。
【図24】(A)は従来の回転制御クラッチの分解斜視図、(B)は欠歯歯車近傍の図。
【図25】実施例8に係る駆動制御装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
実施例1では、画像形成装置29の現像ロータリー1の駆動装置である回転制御クラッチに、本発明を実施した例を示す。画像形成装置29は以下のように動作する。
【0012】
〔画像形成装置〕
図1に、本発明を実施した画像形成装置29の断面図を示す。
【0013】
感光体ドラム2にスキャナユニット4により静電潜像が形成される。そして、現像ロータリー1に装着された現像器であるカートリッジ5が当接して、静電潜像をトナー像に現像する。そして感光体ドラム2に形成されたトナー像は、駆動ローラー20に回転駆動される中間転写ベルト7に1次転写される。
【0014】
そしてカラー画像を形成する場合は、画像形成装置20の駆動部(不図示)から回転駆動力が、回転制御クラッチ30(図8参照)を介して、ロータリー1の端部に設けられたロータリー駆動歯車17に伝達され、ロータリー1が回転する。ロータリー1は、イエロー色のトナーを有するカートリッジ5a、マゼンタ色のトナーを有するカートリッジ5b、シアン色のトナーを有するカートリッジ5c、ブラック色のトナーを有するカートリッジ5dを着脱可能に保持している。ロータリー1が回転することで複数カートリッジ5a〜5dが、それぞれ感光体ドラム2に対して対向する現像位置に移動し、現像位置で静電潜像をトナー像に現像する。そして、感光体ドラム2に形成されたトナー像は、順次中間転写ベルト7に一次転写ローラー8によって形成される1次転写ポイントT1で転写され、トナー像を重ね合わせることでカラー画像が形成される。
【0015】
その後、中間転写ベルト7に形成されたトナー像は、駆動ローラー20の回転により、駆動ローラー21と2次転写ローラー10とで形成される2次転写ポイントT2に移動する。
【0016】
また、給紙ローラー12により分離給紙された記録媒体であるシート材Pは、レジストローラー対13で先端の位置が調整された後、2次転写ポイントT2に搬送される。そして、中間転写ベルト7に形成されたカラー画像が2次転写ローラー10にバイアスが印加されることによって、シート材Pに転写される。
【0017】
そして、シート材Pに転写されたトナー像は定着器14で、加熱及び加圧されることでシート材Pに定着され、上カバー15に排出される。
【0018】
〔回転制御クラッチ〕
次に回転制御クラッチ30の構成について述べる。
【0019】
図5に、ロータリー回転制御クラッチの斜視図を示す。
【0020】
ロータリー1(図1参照)が停止している際は、本体側板19に設けられたクラッチ軸19bに回転可能に設けられたクラッチ制御環31は、その係止ラッチ31aが保持部材であるソレノイド32のフラッパー先端32aに係止されている(保持状態)。即ち、クラッチ制御環31は回転が止まっている。クラッチ制御環31には、図7に記載の外径がDiなる円周部31bに内径Drなるフランジリング51が同軸で回転自在に設けられている。即ち、円筒部材であるリング51の内側に侵入部である円周部31bが侵入していることになる。そして、クラッチ側欠歯歯車35とロータリー出力ギア36も同軸でクラッチ制御環31に固定されている。このとき、Dr>Diである。
【0021】
また、クラッチ側欠歯歯車35に噛み合うように入力歯車18が本体側板19上の入力歯車軸19aに回転可能に支持され、入力歯車18には駆動部材34が同軸で固定されている。
【0022】
図2には、回転制御クラッチ30が切断時における、入力歯車18と欠歯歯車35の位置を示す。即ち、欠歯歯車35の欠歯部35aが入力歯車18に対向して、入力歯車18が欠歯歯車35と噛み合わずに矢印r1回転するので画像形成装置の駆動部からの回転駆動力は遮断されている。
【0023】
次に図6において、駆動部材34と円筒部材であるリング33の配置について説明する。
【0024】
駆動部材34には第二の磁石である円筒形状の駆動側磁石50が固定され、駆動側磁石50に所定の隙間Gを隔ててその円周面が対向する様に、第一の磁石である円筒形状の被駆動側磁石51がリング33に固定されている。駆動側磁石50の円周面には、ねじれ角度Hで傾いた第1円筒磁石のN極50aと、N極50aと同形状のS極50bが円周方向において交互に形成されている。
【0025】
被駆動側磁石51の円周面には、駆動側磁石50とは反対方向にねじれ角度hで傾いた被駆動側磁石51のN極51aと、N極50aと同形状のS極51bが交互に形成されている。
【0026】
駆動側磁石50と被駆動側磁石51の磁気極数は同じで、互いに異なる極同士が吸引力H(図7参照)を生じながら対向している。この異極が対向する位置関係は静止時、回転時を問わず保持される。吸引力Hは、被駆動側磁石51の軸線方向と交差する方向に働く。
【0027】
図7に示すように、駆動部材34が矢印r1方向に回転し始める。そのとき、図6に示すように、駆動側磁石50と被駆動側磁石51は、隙間Gを隔てた位置において、N極50aとS極51bが、磁石の幅WのL側で対向する。N極50aとS極51bとの吸引力Hによって、リング33は1磁極ぶんだけ矢印r2方向に回転する。そして、ここでN極50aとS極51bが斜めに配置されているので、N極50aとS極51bが、磁石の幅WのR側で対向した時に、磁石の幅WのL側では、円筒駆動側磁石50のS極50bと被駆動側磁石51のN極51aが対向する位置に移動する。そして同様に、リング33は1磁極ぶんだけ矢印r2方向に回転させる。これが繰り返されることによって、駆動部材34が矢印r1方向に回転することで、リング33は矢印r2方向に回転する。
【0028】
次に図7おいて、駆動部材34とリング33とクラッチ制御環31の配置を示す。駆動部材34とクラッチ制御環31の軸間距離は固定されている。そして所定の隙間Gを設定するために、入力歯車軸19aとクラッチ軸19bとの軸間距離を適宜調整して設定することができる。
【0029】
次にリング33とクラッチ制御環31との摩擦について説明する。
【0030】
入力歯車18に同軸で固定され駆動部材34と駆動側磁石50は、クラッチ制御環円周部31bに回転自在に設けられ被駆動側磁石51を具備するリング33を、隙間Gを保ちながら略等速回転させている。この時、駆動部材の円周部材34bとリング外周33aとの磁力による抵抗係数をμ1、リング内周33bと制御環円周部31bとの摩擦係数をμ2、とすると、μ1≧μ2であれば、リング33の安定的回転は持続する。また、同時に吸引力Hは、リング内周33bの制御環円周部31bへの当接力Nを発生させる。当接力Nでクラッチ制御環円周部31bに押圧されているリング33は、回転している間クラッチ制御環31を同方向に回転させようとする接線の力である摩擦力F1を発生させる。リング内周33bと制御環円周部31bとの摩擦係数がμ2であるから、F1=μ2*Nである。また、制御環円周部31bの直径をDiとすると、同方向に回転させようとするトルクT1は、T1=F1*(Di/2)で表せる。このトルクを、連れ回りトルクと称する。
【0031】
次に、カートリッジ5を現像位置に移動させる方法について述べる。
【0032】
図3(A)及び図5において、ソレノイド32が通電されると、ソレノイド32のフラッパー先端32aが移動して、クラッチ制御環31との係止が解除される(解除状態)。連れ回りトルクT1が作用しているクラッチ制御環31と、それに固定されている欠歯歯車35とロータリー出力ギア36もクラッチ下流側のロータリー1の回転負荷に抗して、入力歯車18と略等速で入力歯車18と噛み合う方向である矢印r2へ回転し始める。
【0033】
そして、図3(B)に示すように、欠歯歯車35と入力歯車18とが、略等速で回転しているため、欠歯歯車の歯部35bの第1歯35b1に入力歯車18の歯が略等速で噛合い始める。
【0034】
そして順次、入力歯車18と欠歯歯車35が噛合って、画像形成装置の駆動部(不図示)より供給される回転駆動力がロータリー出力ギア36を介して、ロータリー入力ギア17に伝達される。そしてロータリー出力ギア36の1回転分だけロータリー1が回転する。そして、ロータリー1内の所望のカートリッジ5が現像位置に移動し、感光体ドラム2に形成された潜像をトナー像に現像する。
【0035】
クラッチ制御環31が1回転すると、回転係止位置に再び復帰していたソレノイド32のフラッパー先端32aがクラッチ制御環31に設けられた係止ラッチ31aに接触する。そして、クラッチ制御環3を停止させ、欠歯歯車35の欠歯部35aが、再び入力歯車18に対向して、入力歯車18が欠歯歯車35と噛み合うことなく回転して、駆動部からの回転駆動力が切断される。
【0036】
このようにして、クラッチ制御環31は再び、回転駆動接続待ちの状態になるが、以下は前述のとおり感光体ドラム2上のトナー像は、中間転写ベルト7に担持され駆動ローラー20の回転により第1転写ポイントT1に至る。
【0037】
尚、本実施例において、駆動出力側にロータリー入力ギアの例を挙げているが、この例に限らず、例えば駆動出力側は、給紙ローラーであっても良い。
【0038】
(実施例2)
図8乃至図11に、第2実施例であるロータリー回転制御クラッチの斜視図を示す。本斜視図に示した構成と作用は実施例2と同様であるが、円筒形磁石の円周に設けられた磁極形状が異なる点が実施例1と相違する。尚、その他の画像形成装置の構成については実施例1と同様である。
【0039】
まず図9において、駆動部材34とリング33の配置を示す。
【0040】
駆動部材34には駆動側磁石50が固定され、駆動側磁石50に隙間Gを隔ててその円周面が対向する様に、被駆動側磁石51がリング33に固定されている。本実施例では、駆動側磁石50と被駆動側磁石51は同一形状で同一磁極形状である。また、本実施例では同じ円筒磁石を2個用いる。駆動側磁石50には、磁石の幅Wの中心Cに対して対称で、磁石の幅Wの中心Cに角度Kとなる屈曲部(または、角Kと称する)を有する駆動側磁石50のN極50aと、N極50aと同形状の駆動側磁石50のS極50bが円周方向において交互に形成されている。同様に、被駆動側磁石51には、磁石の幅Wの中心Cに対して対称で、磁石の幅Wの中心Cに角度Kなる屈曲部(または、角Kと称する)を有する被駆動側磁石51のN極51aと、N極51aと同形状の被駆動側磁石51のS極51bが交互に形成されている。
【0041】
駆動側磁石50と被駆動側磁石51の二つの円筒磁石は、最短距離でもある隙間Gの位置で互いに異なる極同士が、吸引力Hを生じながら対向している。この異極が対向する位置関係は、静止時、回転時を問わず保持される。
【0042】
駆動側磁石50が駆動部材34の回転に伴い、図9に示すように矢印r1方向に回転し始める。すると、磁気ギャップGを隔てた被駆動側磁石51は、図中磁石の幅Wの中央の屈曲部において異極同士から対向し始め被駆動側磁石51を回転させ始める。全幅が対向した後、両端の2点で対向して、リング33は1磁極ぶんだけ左回転し、次の異極同士が対向することになる。
【0043】
なお、詳しく隙間Gの位置で駆動側磁石50のi番目のN極Niが、被駆動側磁石51のj番目のS極Sjに対向する過程を具体的に図10と表1、図11にて述べる。
【0044】
図10において、隙間Gの位置で駆動側磁石50のi番目のN極Niが被駆動側磁石51のj番目のS極Sjと対向しながら通過してゆく過程を示す。図16において、視点は被駆動側磁石51側から駆動側磁石50を見ており、駆動側磁石50は右回転している。被駆動側磁石51は省略している。
【0045】
図10のN極Niが通過してゆく過程は以下の表1にまとめられる。
【0046】
【表1】
【0047】
表1.において、主対向とは駆動側磁石 50のi番目のN極 Niの対向状態であり、副対向とは、Niの前後のS極であるS(i−1)とS(i+1)の対向状態である。
【0048】
(1)Startとは、Niの角Kが磁気ギャップGの位置に達した時点のことで、1つ磁極対向の始点である。
(2)W−Startとは、Niの幅Wが磁気ギャップGの位置に達した時点のことである。
(3)W−Endとは、Niの幅Wが磁気ギャップGから外れる時点のことである。
(4)Endとは、Niの両端部磁気ギャップ Gから外れる時点のことで、1つ磁極対向の終点である。
【0049】
図10と表1から駆動側磁石50のi番目のN極Niは、前の磁極対S(i−1)と被駆動側磁石51のN極N(j−1)が対向しているなか中央の一点Kから対向し始める。そして漸次、対向幅を増加させつつ円筒磁石の幅Wの対向に至り、最後は、次の磁極対S(i+1)と被駆動側磁石51のN極N(j+1)が中央で対向し始めるなか、両後端2点で対向を完了することがわかる。駆動側磁石50のi番目のN極Niと被駆動側磁石51のS極Sjは対向して吸着力Pを発生しているので、前述のとおりリング33は1磁極ぶんだけ駆動部材34と反対方向に回転する。
【0050】
図11に、駆動側磁石50のi番目のN極Niの被駆動側磁石51のS極Sjとの対向幅の変化をグラフで示したものである。図9のBB方向からの断面図は図7と同様である。その他は実施例1と同様の構成と作用である。
【0051】
以上、本実施例においては、入力歯車と欠歯歯車との回転速度を略合わさせることができるので、入力歯車と欠歯歯車との噛み合う際の歯当たりによる衝撃、騒音が軽減できる。
【0052】
また、当接力を発生する駆動部材が入力歯車と同軸上に配置されているため、従来例のようにバネを設ける構成と比べて、簡単な構造で信頼性の高い回転制御クラッチを提供する事が出来る。
【0053】
また、リングを磁力でもって回転させるため、リングと駆動部材間に摺動摩擦による発熱、リングと駆動部材の磨耗、リングと駆動部材間の摺動摩擦による騒音は発生しない。
【0054】
また、リングと駆動部材間は磁力によって結合しているので、万が一、リングの回転が阻害されたり、急停止された場合でも、トルクリミッターの様に上記の磁力結合が解除され、駆動部材や駆動部材の駆動系を破損することがなくなる。
【0055】
さらに、本実施例2においては、最大の吸引力がかかる部分(磁気ギャップ通過部)がリングの中心部から漸次、円筒磁石幅まで移動することからリングのラジアルガタ内で傾きが防止され、クラッチ制御環円周の偏磨耗、騒音も軽減される。
【0056】
(実施例3)
図12は、本発明の実施例3に係る駆動装置である回転制御クラッチが適用される画像形成装置を示している。画像形成装置229は、感光体ドラム202と、この感光体ドラム202の近傍に配置され感光体ドラム2上の潜像を現像する複数個の現像器205(205y、205m、205c、205k)を備えた現像器当接離間ユニット201と、を備えている。現像器当接離間ユニット201は、感光体ドラム202に対して、各現像器205を当接位置と離間位置とに移動させる当接離間機構260(260y、260m、260c、260k)を備えている(図12(B))。当接離間機構260は当接離間カム253を備え、この当接離間カム253に駆動力を伝達する駆動力伝達機構261に、本発明の回転制御クラッチ230(230y、230m、230c、230k)が設けられている(図12(A))。回転制御クラッチ230を介して伝達される回転駆動力によって、各当接離間機構260の当接離間カムが選択的に駆動される。
【0057】
以下の説明では、個々の当接離間機構260及び回転制御クラッチ230を区別して説明する必要がある場合に、符号に、現像器205と同じ添字(y,m,c,k)を付し、区別する必要が無い場合には、特に、添字(y,m,c,k)は付さずに説明する。
【0058】
まず、画像形成動作について説明する。図12(B)に示すように、ドラムクリーナ206で清掃された感光体ドラム202の表面が帯電ローラ203で帯電され、スキャナユニット204により潜像が書き込まれる。この潜像が担持された感光体ドラム202に、現像器当接離間ユニット201の所望の現像器205y,205m,205c,205kのいずれかが当接され、潜像がトナー像として現像される。各色のトナーは、トナー貯蔵タンク208y,208m,208c,208kに貯蔵されており、不図示のトナー供給経路を経て各現像器に供給されている。
【0059】
感光体ドラム202上のトナー像は、駆動ローラ220によって回転駆動される中間転写ベルト207に転写されて1次転写が行われる。中間転写ベルト207に転写されなかったトナーは、再びドラムクリーナ206で清掃回収される。次の異なる色トナーを転写したい場合は、不図示の画像形成装置駆動部からの回転駆動力が、対応する回転制御クラッチ230を介して、所定の色の現像器205に対応する当接離間機構260の当接離間カム253に伝達される。
【0060】
当接離間カム253が回転することにより、異なる色の現像器205が感光体ドラム202に当接し、異なる色のトナー像が現像され、順次中間転写ベルト207上にて、トナー像を重ね合わせることで、カラー画像が形成される。このように、回転制御クラッチ230によって伝達される回転駆動力によって、当接離間カム253を回転させて、感光体ドラム202に対する現像器205の当接位置と離間位置との間の駆動を行う。
【0061】
その後、中間転写ベルト207に担持された所望の色のトナー像は、駆動ローラ220の回転により、2次転写ローラ210に至る。一方、給紙ローラ212により、給紙部211から分離給紙された紙等のシート材Pは、レジストローラ対213で整列された後、2次転写ローラ210に至る。2次転写ローラ210と中間転写ベルト207と張架ローラ221に挟み込まれた紙等のシート材Pに、トナー像が転写され、シート材Pに担持された所望の色のトナー像は定着器214で、加圧、融解定着され、上カバー215か排紙トレイ216に排出される。中間転写ベルト207上の残留トナーは、ベルトクリーナ209で清掃回収される。なお、図中、223は中間転写ベルト207に張力を付与するテンションローラである。
【0062】
次に、このように動作する画像形成装置229における現像当接離間ユニット201の当接離間機構260と回転制御クラッチ230の構成と動作について述べる。
【0063】
初期または次の異なる色の現像器205を感光体ドラム202に当接させる前の段階では、すべての当接離間カム253は回転を停止している(すべての回転制御クラッチ230は切断されている)。図2に、本発明の実施例3に係る現像器当接離間ユニット201及び駆動伝達系の分解斜視図を示す。本図は、部品構成を示しており、当接離間カム253は任意の位置である。図13において、多段歯車は表示の便宜上、その噛み合う相手歯車の段数の部分で切断分割して図示している。例えば、クラッチ歯車250、欠歯歯車235及び制御環231は、一体の部品であるか、または、同一軸に固定されている。同様に、ドラム歯車247、入力歯車218、リング駆動ローラ234は一体の部品であるか、または、同一軸に固定されている。
【0064】
現像当接離間ユニット201は、大きく分けて側板219に対して装置内部側に収納される当接離間機構260と、側板219に対して装置外部側に位置する駆動伝達機構261で構成されている。当接離間機構260においては、第一の現像器205yと第三の現像器205kは、感光体ドラム2の中心を通る線分に対して略対称、第二の現像器205mと第四の現像器205cも略左右対称に配置されている。回転制御クラッチ230も、感光体ドラム202の中心を通る線分に対して左右略対称に配置されている。
【0065】
また、現像器205の図示せぬ他端は、図示する一端と左右対称の形状と左右同じ部品構成である。駆動伝達機構261は現像器205と同数の回転制御クラッチ230を含み、以下の様に構成されている。
【0066】
以下、図13乃至図15を参照し、一つの回転制御クラッチ230yを例にとって説明する。
【0067】
回転制御クラッチ230yは、側板219に設けられた軸受部材190の軸孔190aを貫通して回転自在に設けられるクラッチ軸222の片端に設けられている。回転制御クラッチ230yは、入力歯車218と、欠歯歯車235と、欠歯歯車235と入力歯車218との噛み合い状態を制御する制御機構100を備えている。
【0068】
入力歯車218は、軸受191を介して側板219を貫通して回転自在に設けられるドラム軸246に固定されている。入力歯車218は、各回転制御クラッチ230(230y、230m、230c、230k)の欠歯歯車235に対して共通で利用される。
【0069】
欠歯歯車235は、入力歯車218と噛み合う歯部領域235bと入力歯車218と噛み合わない欠歯領域235aとを有する(図15(A))。
【0070】
制御機構100は、駆動力遮断時には、欠歯歯車235の欠歯領域235aを入力歯車218との対向位置に位置させて入力歯車218から欠歯歯車235への駆動力の伝達を遮断する。一方、駆動力伝達時には、欠歯歯車235の歯部領域235bを入力歯車218と対向する対向位置に移動させて歯部領域235bとの噛合い分だけ入力歯車218から欠歯歯車235に駆動力を伝達する構成となっている。欠歯歯車235には、駆動下流への出力手段としてのクラッチ歯車250が同軸的に固定されている。
【0071】
制御機構100は、欠歯歯車235に同軸的に固定される制御環231と、制御環231に所定の接触圧で回転摺動自在に接触する円筒部材であるリング233と、を備えている。更に、制御機構100は、リンク駆動手段としてのリング駆動ローラ234と、制御環231の回転、停止を制御する保持部材であるソレノイド232と、を備えている。
【0072】
制御環231は、図14(A)に示すように、外周面が外径Diなる円筒形状の制御環本体231bと、制御環本体231bから張り出すフランジ部231cとを備えたフランジ付き円筒形状で、フランジ部231cに係止ラッチ231aが設けられている。係止ラッチ231aは、フック状のフラッパ先端部232bが係止される段差形状となっている。なお、フランジ部231cは軸方向に見て制御環本体231bの欠歯歯車235側の端部に設けられている。
【0073】
リング233は金属製の円筒状部材であり、制御環本体231bの外周部に回転摺動自在に嵌合されている(図14(A)、図15(B)参照)。リング233の内径をDrとすると、制御環本体235bの外径Diとの関係が、Dr>Diとなるように設定されている。即ち、円筒部材であるリング233の内側に、侵入部材である制御環本体231bが侵入している状態になる。なお、図中、245は、リング233が制御環本体231bから抜けるのを防止するための抜け止め用のワッシャである。
【0074】
リング駆動ローラ234は、ドラム軸246に対して、入力歯車218と同軸的に固定され、入力歯車218と一体的に回転駆動される。リング駆動ローラ234の外径は入力歯車218とピッチ径と同一径となっている。そして、リング駆動ローラ234の周速度は入力歯車218と等速度で回転され、各回転制御クラッチ230(230y、230m、230c、230k)の制御機構100のリング233に対して共通で利用される。リング駆動ローラ234の外周はリング33外周に所定の押圧力でもって当接し、リング233外周との接触摩擦力によってリング233を回転駆動させる。リング233が回転駆動すると、リング233内周と制御環231間の接触摩擦力によって制御環231に回転トルクが伝達される。このリング駆動ローラ234は、ローラ本体234aと、ローラ本体234aの外周に設けられる弾性体のローラ円周部234bとを備え、このローラ円周部234bが金属製のリング233に対して圧縮された状態で当接する。
【0075】
ソレノイド232は、制御環231に係止して制御環231の回転を阻止し、制御環231との係止を解除して制御環231の回転を許容するものである。ソレノイド232は、図14(A)、図15(B)に示すように、フラッパ232aと、フラッパ232aを駆動するソレノイド本体232dとを備えている。フラッパ232aはソレノイド本体232dに対して揺動自在に支持され、図示例では、スプリング232cのばね力によって、フラッパ先端部232bが、常時、制御環231の係止ラッチ231aに対して係止する方向に付勢されている。フラッパ先端部232bは、フック状の折曲されている。そして、ソレノイド本体232dを励磁することによって、スプリング232cのばね力に抗して、フラッパ先端部232bが係止ラッチ231aから離脱する構成となっている。
【0076】
このソレノイド232のフラッパ232aのフラッパ先端部232bを制御環231に係止させることにより、欠歯領域235aを入力歯車218との対向位置に位置する状態で制御環231を停止させる(図15(A))。同時に、制御環231に対してリング233を空回転噛合力の伝達を遮断する遮断状態とする。一方、制御環231との係止を解除することにより、リング233との接触摩擦力によって制御環231を回転させて制御環231と同軸的に固定される欠歯歯車235を回転させる。そして、歯部領域235bの歯を入力歯車218と噛合て駆動力を伝達する伝達状態とする。
【0077】
図14(A)(B)において、当接離間機構260には、現像器205に対応する当接離間カム253が設けられている。各現像器205の現像ローラ257を支持するスライダ254は、側板219に設けられた軸受部材190に設けられた長穴190bに摺動自在に係合する。そして、このスライダ254と長穴2190bによって、感光体ドラム202に当接する当接位置と、感光体ドラム202から離間する離間位置との間を往復移動可能に支持されている。各現像器205は感光体ドラム202から離間する方向に引っ張りバネ256によって常時付勢されており、当接離間カム253のカム面がスライダ254に当接している。当接離間カム253が180°回転することで、スライダ254が当接位置と離間位置とに移動するようになっている。当接離間カム253は、カム軸252によって駆動される。側板219には現像器205yを支持する受け部219yが設けられている。
【0078】
カム軸252は、後述する欠歯歯車235と一体的に固定されるクラッチ歯車250に噛み合うカム歯車251に固定され、軸受部材190に設けられた軸孔190cに支持されている(図15参照)。
【0079】
図15(A)は、現像器205yが離間状態である時の入力歯車218と、欠歯歯車235の回転位置を示す。この配置関係は、図14(A)のB矢視方向から見た図である。同図において、欠歯歯車235の欠歯領域235aが入力歯車218に対向しているので、入力歯車218が空回りしている。そして、図示せぬ画像形成装置駆動部より駆動歯車248(図13に記載)を介して伝達される回転駆動力は、クラッチ軸222に対して遮断されている。
【0080】
図15(B)は、現像器205yが離間状態である時のリング駆動ローラ234とリング233と制御環231の配置を示している。この配置も、図14(A)のB矢視方向から見た図である。本図において、制御環231は断面を示しており、リング駆動ローラ234と制御環231の軸間距離は固定されている。
【0081】
リング駆動ローラ234とリング233との接触部に所望の侵入量Sを設定するために、ドラム軸246とクラッチ軸222との軸間距離を適宜調整して設定することもできる。侵入量Sは接触部の隙間がゼロの状態から、互いに干渉する方向に入り込んだ重なり代である。また、軸間距離固定の場合は、リング外径部233aかリング駆動ローラ234のローラ円周部234bの外径の少なくとも一方の寸法調整により任意に設定できる。これにより、円筒部材であるリング233をリング233の軸線と交差する方向に付勢して、制御環231に押圧する当接圧力Mを調整できる。
【0082】
図15(B)において、当接圧力Mが制御環231に回転駆動トルクT1を発生させる過程を述べる。図15(A)において、図示の入力歯車218と同軸で固定されたリング駆動ローラ234の弾性的であるローラ円周部234bは、制御環本体231b外周に回転自在に嵌合されたリング233を、侵入量Sを保ちながら回転させている。
【0083】
この時、リング駆動ローラ234のローラ円周部234bとリング外径部233aとの接触面間の摩擦係数をμ1、リング内径部233bと制御環本体231bとの接触面間の摩擦係数をμ2とする。摩擦係数の関係が、μ1≧μ2であれば、リング233の外周側の摩擦トルクが大きくなるので、リング233がリング駆動ローラ234に同期して安定的に回転する。
【0084】
一方、侵入量Sはリング内径部233bと制御環本体231bへの当接圧力M
を生じさせている。当接圧力Mは、侵入部である制御環本体231bの軸線と交差する方向に働く。当接圧力Mで制御環本体231bに押圧されているリング233は、回転している間、静止している制御環231を同方向に回転させようとする接線力F1を発生している。
【0085】
リング内径部233bと制御環本体231bとの摩擦係数がμ2であるから、F1=μ2*Mである。また、制御環本体231bの直径をDiとすると、同方向に連れ回りさせようとする回転駆動トルクT1は、T1=F1*(Di/2)で表せる。
【0086】
以下に、現像器205yを感光体ドラム202に当接させる方法について説明する。
【0087】
図15(B)において、ソレノイド232に通電する。すると、ソレノイド本体232dが励磁されてフラッパ232aがソレノイド本体232dに磁気吸引され、フラッパ先端部232bが制御環231の係止ラッチ231aから離脱して、制御環231の回転係止が解除される。上記リング233の回転駆動トルクT1が作用している制御環231と、それに固定されている図16(A)の欠歯歯車235は、駆動力伝達方向下流側に接続される回転負荷に抗して、入力歯車218と噛み合う方向へ回転し始める。
【0088】
図16(A)において、制御環231に回転駆動トルクT1が発生しているため、制御環231に固定されている欠歯歯車235も回転し、欠歯歯車235の歯部領域235bの第1歯に入力歯車218の歯が飛び込みながら噛み合う。そして、順次、上記の2つの歯車の歯同士が噛み合って、図示せぬ画像形成装置駆動部より入力歯車218に供給される回転駆動力が、欠歯歯車235に伝達される。そして、欠歯歯車235に固定されるクラッチ歯車250を欠歯領域235aが再び対向する1回転分だけ回転させる(図16(B))。クラッチ歯車250に噛み合うカム歯車251は、クラッチ歯車250の2倍の歯数を有する歯車となっており、カム軸252に固定された当接離間カム253は、図15(A)に記載の初期離間位置より180度回転する。
【0089】
また、図15(B)において、制御環231が1回転すると、ソレノイド232のフラッパ先端部232bが、制御環231に設けられた係止ラッチ231aに係止し、制御環231を停止させる。この状態で、欠歯歯車235の欠歯領域235aが、再び入力歯車218との対向位置に位置し、入力歯車218が空回りし、図示せぬ画像形成装置駆動部より供給される回転駆動力が切断される(図16(B))。
【0090】
一方、図17(A)に示すように、初期位置より180度回転した当接離間カム253は、引っ張りバネ256のばね力に抗して、現像ローラ257を回転支持するスライダ254を側板の長穴219bに沿って感光体ドラム202側に移動させる。そして、現像ローラ257は、感光体ドラム202に当接する。以上をもって、現像器205yの当接動作は完了する。
【0091】
次に、現像器205yの離間動作について説明する。図16(B)と図17(A)において、単色トナー像の一次転写後、回転駆動力が切断されていた回転制御クラッチ230のソレノイド本体232dに再び通電すると、以下のように、当接動作と同様に動作する。
【0092】
すなわち、図15(B)において、ソレノイド232のフラッパ先端部232bが移動し、制御環231の係止状態が解除される。また、リング233の回転駆動トルクT1が作用している制御環231と、それに固定されている欠歯歯車235は下流に接続される回転負荷に抗して、入力歯車218と噛み合う方向へ回転し始める。制御環231に回転駆動トルクT1が発生しているため、制御環231に固定されている欠歯歯車235も回転し、欠歯歯車235の歯部領域235bの第1歯に入力歯車218の歯が飛び込みながら噛み合う(図17(B))。その後、順次、入力歯車218と欠歯歯車235の歯部領域235bの歯同士が噛み合う。そして、図示せぬ画像形成装置駆動部より供給される回転駆動力によって、クラッチ側の欠歯歯車235とクラッチ歯車250が、欠歯領域35aが再び対向する1回転分だけ回転する。
【0093】
クラッチ歯車250に噛み合うカム歯車251は、クラッチ歯車250の2倍の歯数を有する歯車である。そのため、カム軸252に固定された当接離間カム253は、図15(A)に記載の初期の位置よりさらに180度、計360度回転し、図14(B)の離間状態に戻る。
【0094】
また、図15(B)において、制御環231が1回転すると、再びソレノイド232のフラッパ先端部232bが制御環231に設けられた係止ラッチ231aに係止し、制御環231を停止させる。欠歯歯車235の欠歯領域235aが、再び入力歯車218に対向し、入力歯車218が空回りし、画像形成装置駆動部より供給される回転駆動力が切断される。以上を以って現像器205yの離間動作は完了する。さらに、所望の現像器205を上記と同じ方法で、順次、感光体ドラム202に当接、離間させて潜像を現像し、単色トナー像を中間転写ベルト7上に重ね合わせて一次転写は終了する。
【0095】
本実施例3によれば、複数の現像器205(205y、205m、205c、205k)を片側に積み重ねるのではなく、感光体ドラム202の左右対称位置に配置したので、片側に積み重ねた場合に比べて小径の感光体ドラム202を使用することができる。したがって、現像当接離間ユニット201の高さと装置本体の高さを抑える事が可能になり、場所を選ばず設置できるコンパクトで視覚的に圧迫感のない画像形成装置を提供することができる。
【0096】
また、現像器205(205y、205m、205c、205k)の当接離間動作において、以下の様にする。即ち、ドラム軸246に固定される一つの入力歯車218によって、感光体ドラム202の周囲に配置された回転制御クラッチ230(230y、230m、230c、230k)の欠歯歯車235を回転駆動するようになっている。したがって、動力伝達経路が短い効率的な動力伝達と部品削減が可能となる。同時に信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
【0097】
さらに、欠歯歯車235の歯部領域235bの第1歯に入力歯車218が噛合う際の衝撃は、制御環231とリング233との摩擦によって吸収され、衝撃が緩和される。特に、欠歯歯車235が入力歯車218に対してほぼ等速で飛び込むため、歯当たりの衝撃騒音をより軽減することができる。さらに、図24に示したような制御環131の回転付勢用である制御環バネを省略することができる。さらに、装置の駆動力伝達系の中で慣性の大きな金属製のリング233が回転しているため、駆動力の切断と接続にともなうショックを軽減することができる。また、リング233に対して当接圧力を発生するリング駆動ローラ234が、入力歯車218と同軸上に配置されているため、簡便で安価な構造で信頼性の高い回転制御クラッチを提供することができる。
【0098】
(実施例4)
次に、本発明の他の複数の実施例について説明する。以下の実施例の説明では、実施例3と異なる点についてのみ説明するものとし、同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略するものとする。
【0099】
図18(A)、(B)は、本発明の実施例2に係る回転制御クラッチが適用される画像形成装置の現像当接離間ユニット201を示している。
【0100】
この実施例4では、リング233を回転駆動させるリング駆動手段が、リング233に架けられた駆動ベルト239である点で実施例1と相違する。すなわち、本図において、4つの回転制御クラッチ230(230y、230m、230c、230k)の各リング233外周に対して、駆動ベルト239が巻き掛けられている。各リング233は、駆動ベルト239によって駆動力が伝達される。駆動ベルト239には、前記4つのリング233の他に、駆動ベルト239を回転駆動させるための駆動プーリ237と、駆動ベルト39の張力を調整する張力プーリ236が巻き掛けられている。駆動プーリ237は左右2組の回転制御クラッチ230の中央下方に配置されている。一方、張力プーリ236は、左右の回転制御クラッチ230y、230m;230k、230cの中央部上方に配置されている。
【0101】
以下、実施例3と同様に、一つの現像器205yの回転制御クラッチ230yに着目し、リング233から制御環231に対する当接圧力Mが、制御環231に回転駆動トルクT1を発生させる過程について説明する。
【0102】
駆動プーリ237は、不図示の画像形成装置駆動部に設けられる駆動側歯車と同軸的に固定される駆動歯車248に同軸的に固定されている。駆動ベルト239が張架される張力プーリ236は、図示せぬ付勢手段により付勢力P1が付与され、駆動ベルト239に張力を発生させている。
【0103】
駆動ベルト239とリング外径部233aとの摩擦係数をμ1、リング内径部233bと制御環本体231b外周面との摩擦係数をμ2、とすると、μ1≧μ2であれば、リング233の安定的回転は持続する。また、同時に駆動ベルト239の張力P1は、リング内径部233bの制御環本体231bへの当接圧力Mを生じさせている。
【0104】
当接圧力Mで制御環本体231bに押圧されているリング233は、回転している間、静止している制御環231を同方向に回転させようとする接線力:F1を発生している。リング内径部233bと制御環本体231bとの摩擦係数がμ2であるから、F1=μ2*M である。また、制御環本体231bの直径をDiとすると、実施例1と同様に、同方向に回転させようとする回転駆動トルクT1は、T1=F1*(Di/2)で表せる。
【0105】
現像器205yを感光体ドラム202に当接、離間させる方法は実施例3と同様である。
【0106】
また、本実施例4において、駆動ベルト239は平ベルト形状であるが、丸ベルト、角ベルト、歯付ベルトであってもかまわない。
【0107】
(実施例5)
図19(A)は、本発明の実施例5に係る回転制御クラッチが適用された画像形成装置を示している。この画像形成装置329は、実施例3,3のように、感光体ドラムの周囲に複数の現像器を配置するのではなく、複数の現像カートリッジ(305a,305b,305c,305d)を備えた現像ロータリユニット301を適用した例である。
【0108】
現像ロータリユニット301は、回転軸316を中心に複数の現像カートリッジ(305a,305b,305c,305d)を放射状に配置したものである。回転軸を中心に回転することにより、一つの現像カートリッジ305を、選択的に感光体ドラム302に当接させる構成となっている。この現像ロータリユニット301を回転させるために、本発明の回転制御クラッチ300が適用される。
【0109】
画像形成装置329は、帯電ローラ303によって感光体ドラム302表面が一様に帯電され、スキャナユニット304から所定の色の画像信号に応じてレーザ光が照射され静電潜像が形成される。このスキャナユニット304により書き込まれた潜像を担持する感光体ドラム302に対して、現像ロータリユニット301内の一つの現像カートリッジ305が対向、当接し、潜像をトナー像として現像する。所望の色のトナー像が、ベルト駆動ローラ320によって回転駆動される中間転写ベルト307に転写され、1次転写が行われる。感光体ドラム302上の残留トナーはドラムクリーナ306によって除去され、再度帯電ローラ303によって一様に帯電される。
【0110】
また、次の異なる色トナーを転写したい場合は、図示せぬ画像形成装置駆動部からの回転駆動力が、回転制御クラッチ300及び出力歯車336を介して、現像ロータリユニット301の端部に設けられたロータリ駆動歯車317に伝達される。そして、現像ロータリユニット301を所定量回転させ、異なる色のカートリッジ305を感光体ドラム302に対して対向させ、順次、中間転写ベルト307上にて、トナー像を重ね合わせることでカラー画像が形成される。その後、中間転写ベルト307に担持された所望の色のトナー像が、ベルト駆動ローラ320の回転により2次転写ローラ310に至る。
【0111】
一方、給紙ローラ312により、給紙部311から分離給送された紙等のシート材Pは、レジストローラ対313で整列された後、2次転写ローラ310に至る。2次転写ローラ310、中間転写ベルト307及び張架ローラ321に挟み込まれたシート材にトナー像が転写され、シート材Pに担持された所望の色のトナー像は、定着器314で加圧、融解定着され、上カバー315上に排出される。なお、図19中、符号309はベルトクリーナであり、322は電源基板である。
【0112】
次に、回転制御クラッチ300の構成について説明する。
【0113】
図19(B)に、本実施例3に係る回転制御クラッチ300の斜視図を示す。実施例1,2では、感光体ドラム302の周囲に配置した複数の現像器の当接離間機構を駆動するために複数の回転制御クラッチ300が設けられているが、この実施例5では、現像ロータリ301を回転するために回転制御クラッチ300は一つである。
【0114】
回転制御クラッチ300の構成は、入力歯車318と、入力歯車318と噛み合う歯部領域335bと入力歯車318と噛み合わない欠歯領域335aとを有する欠歯歯車335とを備えている(図20(A)参照)。入力歯車318は、側板319に設けられた支持軸319aに回転自在に支持される。欠歯歯車335には、駆動下流側に駆動力を伝達する出力歯車336が同軸的に固定されている。入力歯車318の大きさが、実施例1,2に対して小径で、欠歯歯車335とほぼ同一径である点で相違する。また、欠歯歯車335と入力歯車318との噛み合い状態を制御する制御機構330は、入力歯車318から欠歯歯車335への駆動力の伝達遮断時には、欠歯歯車335の欠歯領域335aが入力歯車318との対向位置にある状態に停止保持する。
【0115】
制御機構330は、欠歯歯車335の欠歯領域335aと歯部領域335bのいずれかを入力歯車318と対向する位置に位置させるかを制御する。欠歯歯車335の欠歯領域335aを入力歯車318との対向位置に位置させることにより、欠歯歯車335への駆動力の伝達を遮断する。一方、欠歯歯車335の歯部領域335bを入力歯車318との対向位置に位置させることにより、入力歯車318から欠歯歯車335へ駆動力を伝達させる構成となっている。
【0116】
制御機構330の構成は、欠歯歯車335に同軸的に固定される制御環331と、制御環331に所定の接触圧で回転摺動自在に接触するリング333と、リング駆動手段としてのリング駆動ローラ334とを備えている。また、制御環331に係止して制御環331の回転を阻止し、制御環331との係止を解除して制御環331の回転を許容する回転係止機構としてのフラッパ332aを有するソレノイド332を備えている。
【0117】
このうち、制御環331、リング333及びソレノイド332の構成は、実施例1、2と基本的に同一であるが、欠歯歯車335に対して出力歯車336が同軸的に一体的に回転する構成となっている。制御環331、欠歯歯車335及び出力歯車336は、側板319に突設された支持軸319bに回転自在に支持され、欠歯歯車335に突設された連結軸335dによって連結され一体的に回転する構成となっている。
【0118】
一方、リング駆動ローラ334の構成は、ローラ本体334aの外径部に弾性的なローラ円周部334bを有している点で実施例1,2と同一であるが、入力歯車318と同様に、実施例1、2と比較して小径に構成されている。このリング駆動ローラ334と入力歯車318は、同一の支持軸319aに回転自在に支持され、入力歯車318と一体的に回転駆動される。リング駆動ローラ334と入力歯車318のピッチ円は同一径で、リング駆動ローラ334は入力歯車318と等速度で回転する。
【0119】
制御環331は、外径Diなる制御環本体331bと、係止ラッチ331aを備えたフランジ部331cとを有している。この例では、フランジ部331cの幅が実施例3に比較して大きく、また、実施例3と異なり、フランジ部331cの位置が、欠歯歯車335に対して反対側に位置している。制御環本体331bには、内径Drなるリング333が同軸で回転自在に嵌合されている(図9(B)参照)。
【0120】
ソレノイド332は、実施例3と同様に、フラッパ332aと、フラッパ332aを駆動するソレノイド本体332dとを備えている。フラッパ332aはソレノイド本体332dに対して揺動自在に支持され、スプリング332cのばね力によって、フック状に折曲されたフラッパ先端部332bが、常時、制御環331の係止ラッチ331aに対して係止する構成となっている。この例では、制御環331のフランジ部331の幅に対応して、実施例3に比較して幅が大きい構成となっている。
【0121】
図20(B)に、リング駆動ローラ334とリング333と制御環331の配置を示す。本図において、制御環331は断面を示しており、リング駆動ローラ334と制御環331の軸間距離は固定されている。このリング駆動ローラ334とリング333との接触部に所望の侵入量Sを設定するために、支持軸319aと支持軸319bとの軸間距離を適宜調整して設定する点は実施例3と同様である。
【0122】
図20(B)において、侵入量Sはリング内径部333bと制御環本体331bへの当接圧力Mを生じさせている。当接圧力Mで制御環本体331bに押圧されているリング333は、回転している間、静止している制御環331を同方向に回転させようとする接線力F1を発生している。
【0123】
リング内径部333bと制御環本体331bとの摩擦係数がμ2であるから、F1=μ2*Mである。また、制御環本体331bの直径をDiとすると、同方向に回転させようとする回転駆動トルクT1は、T1=F1*(Di/2)で表せる。
【0124】
図20(A)(B)において、図示の入力歯車318と同軸で固定されたリング駆動ローラ334の弾性的であるローラ円周部334bは、制御環本体331bに回転自在に設けられたリング333を、侵入量Sを保ちながら回転させている。
【0125】
この時、リング駆動ローラ334のローラ円周部334bとリング外径部333aとの接触面間の摩擦係数をμ1、リング内径部333bと制御環本体331bとの接触面間の摩擦係数をμ2とする。摩擦係数の関係が、μ1≧μ2であれば、リング333の外周側の摩擦トルクが大きくなるので、リング333がリング駆動ローラ334に同期して安定的に回転する。
【0126】
以下に、本実施例の特有な作用である異なる色の現像カートリッジ305を感光体ドラム302に対向させる方法について述べる。
【0127】
図19(B)と図20(B)において、ソレノイド332が通電されると、フラッパ332aがソレノイド本体332dに磁気吸引され、フラッパ先端部332bが係止ラッチ331aから外れ、制御環331の回転係止が解除される。上記リング333の回転駆動トルクT1が作用している制御環331が回転する。そして、制御環331に固定されている欠歯歯車335とロータリ出力歯車336もクラッチ下流側の現像ロータリユニット301の回転負荷に抗して、入力歯車318と略等速で入力歯車318と噛み合う方向へ回転し始める(図21(A))。
【0128】
図21(B)において、クラッチ側の欠歯歯車335と入力歯車318とが、略等速で回転しているため、クラッチ側の欠歯歯車335の歯部領域335bの噛み合い第1歯に入力歯車318の歯が略等速で飛び込みながら噛み合う。
【0129】
その後、欠歯歯車335の歯部領域335bの歯と入力歯車318の歯同士が噛み合って、図示せぬ画像形成装置駆動部より供給される回転駆動力が、入力歯車318から欠歯歯車335に伝達される。そして、欠歯歯車335と一体的に回転するロータリ出力歯車336を介して、ロータリ入力ギア317が、ロータリ出力歯車36の1回転分だけ回転する。所定回転後、現像ロータリユニット301内の所望の現像カートリッジ305が感光体ドラム302と対向する位置に至り、感光体ドラム302上の潜像をトナー像として現像する。
【0130】
現像完了後、制御環331が1回転すると、回転係止位置に再び復帰していたソレノイド332のフラッパ先端部332bが、制御環331に設けられた係止ラッチ331aに接触し、制御環331を回転係止させる。そして、欠歯歯車335の欠歯領域335aが、再び入力歯車18に対向して入力歯車18が空回りし、図示せぬ画像形成装置駆動部より供給される回転駆動力が切断される。
【0131】
このようにして、制御環331は、再び回転駆動接続待ちの状態になるが、以下は前述のとおり、感光体ドラム302上のトナー像が、中間転写ベルト307に担持されベルト駆動ローラ320の回転により転写ローラ310に至る。
【0132】
給紙ローラ312により分離給紙されたシート材へのトナー像の転写、定着、排紙については実施例3と同様である。
【0133】
(実施例6)
図22は、本発明の実施例6に係る回転制御クラッチを示している。
【0134】
この実施例6は、基本的な構成は実施例5と同一であり、リング333を回転駆動させる回転駆動手段がリング333に架けられた駆動ベルト339となっている点で相違するのみで、画像形成装置329における印字の過程は実施例3と同様である。
【0135】
すなわち、駆動プーリ歯車340に同軸で固定された駆動プーリ337と、リング333の間には駆動ベルト339が張架され、制御環本体331bに回転自在に設けられたリング333を、張力を保ちながら略等速回転させている。
【0136】
また、駆動プーリ歯車340は、入力歯車318に噛み合うように、側板319に設けられた円弧状長穴319cに沿って、移動可能に支持されている。すなわち、円弧状長穴319cは、入力歯車318を支持する支持軸319aを中心として、半径Rで描いた円周に沿って延びている。
【0137】
図22(B)は、入力歯車318と駆動プーリ337とリング333と制御環331の配置を示す。駆動プーリ337と図示せぬ駆動プーリ歯車340は、入力歯車318を中心として、入力歯車318と噛み合いながら中心半径Rなる円弧状長穴319cに沿って移動可能であるため、制御環331との軸間距離を、図中L1からL2まで任意に設定可能である。所望の張力を得られた位置で、駆動プーリ軸338を固定する。
【0138】
なお、駆動ベルト339は、平ベルトに限らず、角ベルト、丸ベルト、歯付ベルトなどの各種伝動ベルトを利用することができる。
【0139】
駆動プーリ歯車340と駆動プーリ337は、入力歯車318に対して反対方向に略等速回転し、駆動プーリ337に張架された駆動ベルト339は、張力をリング333に作用させつつ、リング333を入力歯車318に対して反対方向に略等速回転させる。
【0140】
(実施例7)
図23は、本発明の実施例7が示されている。
【0141】
この実施例7においても、実施例6と同様に、リングを回転駆動させる回転駆動手段がリングに架けられた駆動ベルト339である。この実施例7では、リングとして、慣性モーメントを増加させるための円筒状のリング333の一端にフランジ333cを設けたフランジ付きのリングとした。また、リング333を制御環331に当接させる当接力発生手段として駆動プーリばね442を設けた。フランジ333cは、リング333と別体構成でもよく、また、フランジ333cではなく、ワッシャ状の円盤をリング333に取り付けてもよい。慣性モーメントを増加させるためのフランジあるいは円盤を、上記した実施例3〜6についても適用可能である。
【0142】
駆動プーリ歯車340に同軸で固定された駆動プーリ337とリング333の間には、駆動ベルト339が張架され、制御環本体331bに回転自在に設けられたリング333を、張力を保ちながら略等速回転させている。
【0143】
本実施例7では、当接力発生手段が、フランジ333c付きのリング333の回転駆動手段とは別個である。駆動プーリ337と駆動プーリ歯車340は、入力歯車318を中心として、入力歯車318と噛み合いながら中心半径Rなる円弧状長穴319cに沿って移動可能であるため、制御環331との軸間距離を、図中L1からL2まで任意に設定可能である。そして、所望の張力を得られように、駆動プーリ337と駆動プーリ歯車340を回転支持する駆動プーリ軸338を駆動プーリバネ442で付勢し、張力を発生させている。駆動プーリバネ442は、一端が駆動プーリ軸338の先端に固定される支持突部443に掛止され、他端が側板319に固定される支持金具444に掛止されている。
【0144】
尚、上記各実施例では、回転制御クラッチを、画像形成装置の現像器205の当接離間機構の駆動制御、現像ロータリユニット301への駆動制御に適用した場合について説明したが、これらの駆動伝達系に限定されるものではない。例えば駆動出力側は、給紙ローラでも良いし、種々の駆動力伝達系について適用することができる。また、画像形成装置に限定されず、たとえば、印刷機等の各種駆動伝達系に適用可能である。
【0145】
(実施例8)
次に本発明における実施例8について説明する。図25(A)、(B)に、それぞれ実施例8であるシート給送装置の概略斜視図とシート給送装置の回転制御クラッチの概略断面図を示す。
【0146】
本実施例は、接触摩擦力の発生手段の付勢方向がラジアル方向(円周方向)である、いわゆる、『ラジアル型駆動制御装置』である。
【0147】
本実施例は、図1の画像形成装置29に設けられた、カセット11に積載された記録媒体であるシート材Pを1枚づつ分離給紙する給紙ローラ(給送ローラ)12の回転制御に用いられる駆動制御装置500について説明する。
【0148】
図4において、シート給送装置の出力軸566の端部に給紙ローラ12に駆動を伝達制御するための駆動制御装置200が設けられている。そして、図示しないモータ等の駆動源に接続された入力歯車518と、入力歯車518と噛合する位置に設けられた欠歯歯車535を備えている。
【0149】
給紙ローラ12が取り付けられている出力軸566が停止している際は、出力軸566に一体的に設けられたクラッチ制御環531は、その係止ラッチ531aがソレノイド532のフラッパー先端532aに係止され、回転が止まっている。クラッチ制御環531には、クラッチ制御環531と一体的に回転、停止する欠歯歯車535が設けられている。そして欠歯歯車535には図25(A)に記載の外径がDiなる円周部535bに内径がDrなるクラッチシンクロ歯車562の内周部562cが同軸的に回転自在設けられ、給紙ローラ12、カム570と共に出力軸566に一体的に取り付けられている。このとき、Dr>Diである。
【0150】
また、欠歯歯車535に噛み合うように入力歯車518が本体側板519上の入力歯車軸519aに回転可能に支持されている。そして、入力歯車518には駆動部材であるクラッチ入力歯車563が同軸上に一体的に固定されており、入力歯車518とクラッチ入力歯車563は、5共に同じ歯数で28歯に構成されている。クラッチ入力歯車563は、その円周に第二のギア歯を有している。
【0151】
一方、欠歯歯車535とシンクロ歯車562もまた、欠歯歯車535の欠歯部535aも含めた歯数と、シンクロ歯車562の歯数も同一の歯数である28歯となるように構成されている。シンクロ歯車562は、円筒部材の周面に第二のギア歯と噛合う第一のギア歯562aが設けられた形状になっている。
【0152】
すなわち、本実施例においては、入力歯車518対欠歯歯車535の減速比とクラッチ入力歯車563対シンクロ歯車562の減速比が同じとなるように設定されている。
【0153】
次に、欠歯歯車535と入力歯車518との駆動の伝達、解除のメカニズムについて説明する。
【0154】
図4、図25(A)が示すように、r1方向に回転する入力歯車518に固定されるクラッチ入力歯車563もr1方向に同じ速度で回転しており、同時に、クラッチ入力歯車563と噛合っているシンクロ歯車562はr2方向に回転している。そのとき、スプリング564の張力によって、シンクロ歯車562の内周部562cと欠歯歯車535の外周部535bとの間に押圧力L1を発生させている。押圧力L1で欠歯歯車外周部535bに当接しているシンクロ歯車562は回転している間、欠歯歯車535を同方向に回転させようとする接線の力である摩擦力F1を発生させた状態で空転している。
【0155】
そして、ソレノイド532が通電され、ソレノイド532のフラッパー先端532aがクラッチ制御環531の係止ラッチ531aから外れると、接触摩擦力によってクラッチ制御環531はシンクロ歯車562と同じ速度で回転し始める。
【0156】
このとき、本実施例は、入力歯車518とクラッチ入力歯車563は同速度で一体的に回転している。そして、入力歯車518対、入力歯車518と噛合う欠歯歯車535の減速比と、クラッチ入力歯車563対、クラッチ入力歯車563と噛合うシンクロ歯車562の減速比が同じとなるように設定されている。したがって、入力歯車518と欠歯歯車535は同速度で噛合う事ができ、結果、噛合い開始時の入力歯車518と欠歯歯車535の歯当たり音を軽減することができるのである。
【0157】
まず、ソレノイド532のフラッパー先端532aがクラッチ制御環531の係止ラッチ531aから外れると、入力歯車518と欠歯歯車535が噛み合う。そして所定回転後、入力歯車518と欠歯歯車35の歯部領域の噛合いが終了し、連れ回りトルクT1とカム570が中板568によって発生する回転力とによって更に欠歯歯車535は回転し、入力歯車518と欠歯歯車535が噛み合わない状態に戻る。
【0158】
この接触摩擦力F1によって欠歯歯車535とクラッチ制御環531が回転するメカニズムについて、図25(B)を用いて更に詳しく説明する。
【0159】
スプリング564の押圧力をL1、欠歯歯車535の外周部535bとシンクロ歯車内周部562cとの摩擦係数をμとし、出力軸566にかかる負荷トルクをTとすると、欠歯歯車535とシンクロ歯車562との摩擦力F1は
F1=μL1
となるので、シンクロ歯車562の欠歯歯車535を回転させようとするトルクである連れ回りトルクT1は、
T1=F1×(Di/2) =μL1×(Di/2)
であらわすことができる。連れ回りトルクT1と出力軸566にかかる負荷トルクをTの関係が、
T1>T
であれば、回転制御クラッチ530は安定的に駆動を伝達することができる。
【0160】
また、本実施例では、シンクロ歯車562とクラッチ入力歯車563の平行度が崩れて歯同士が片当たりすることを防止する。そのために、スプリング64がシンクロ歯車562の歯幅の略中央に付勢力を発生できるように、シンクロ歯車562の歯を歯562a(第一のギア歯)と歯562bとに分割している。そして、歯562aと歯562bの間にスプリングガイド574を配置して付勢部材であるスプリング564をかける構成とした。
【0161】
そのため、クラッチ入力歯車563とシンクロ歯車562の562aと562bの間で噛合いの干渉が発生しないように、562aに対して、562bが回転方向に若干の遊びを設けつつも一体的に回転できるような構成とした。
【0162】
しかしながら、シンクロ歯車562とクラッチ入力歯車563の歯同士が片当たりすることを防止するためにスプリング564を歯幅方向の両端に2箇所設けている。シンクロ歯車562を歯幅方向の略中央に配置するなどの構成が実現できれば、シンクロ歯車562の歯を歯562aと歯562bとに分割せず、一体的な歯車であっても問題ない。
【0163】
或いは仮に、シンクロ歯車562の歯を本実施例と同様に歯562aと歯562bとに分割した構成であったとしても、次のような構成であれば問題ない。即ち、シンクロ歯車562の2つの歯562aと歯562bの位相差を限りなく0にする。そして、シンクロ歯車562とクラッチ入力歯車63との噛合いのバックラッシュによってクラッチ入力歯車563とシンクロ歯車562の562aと562bの間で噛合いの干渉が発生しないように構成しても問題である。
【0164】
また、本実施例では、シンクロ歯車562aと内周部562cをスプリング564の押圧力によって、接触摩擦力Fを発生させた。しかし、図25(B)に示すように、シンクロ歯車662aの材質を金属にして、シンクロ歯車562aの自重によってシンクロ歯車662aと内周部562cとの間に接触摩擦力F2、連れ回りトルクT2を発生させても良い。それによって、スプリング564を削除することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、及び、画像形成装置で用いられる駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置で用いられる駆動装置としては、たとえば、特許文献1に記載のようなものが知られている。
【0003】
すなわち駆動装置は、入力歯車に対して噛み合わない欠歯部が設けられた欠歯歯車と、欠歯歯車を一方向に回転付勢するバネと、欠歯歯車が入力歯車と噛み合わない位置で停止させる為に、欠歯歯車に係合するソレノイドと、で構成されている。
【0004】
そして、ソレノイドの係合が解除されることによって、バネの付勢力によって欠歯歯車を回転させる。すると欠歯歯車が入力歯車と噛み合い、駆動力が欠歯歯車に伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−141022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、バネで回転付勢されて回転する欠歯歯車の回転速度と、入力歯車の回転速度が合致しない場合がある。その結果、欠歯歯車の歯部の噛み合い第1歯と入力歯車の歯が衝突し、噛合い時の衝撃によってクラッチをつなげるたびに大きな衝撃騒音を生じてしまう問題があった。
【0007】
本発明の目的は、駆動力伝達時における欠歯歯車と入力歯車の噛合い時の衝撃を軽減し得る回転制御クラッチ及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、画像形成装置で用いられる駆動装置であって、入力歯車と、前記入力歯車と噛み合うことが可能な歯部と、前記歯部が無い欠け歯部とを有する欠歯歯車と、前記欠歯歯車を、前記欠け歯部が前記入力歯車と対向して前記入力歯車と噛み合わない状態で保持する保持状態と、前記保持状態を解除する解除状態にすることが可能な保持部材と、回転力を受けて回転可能な円筒部材と、前記欠歯歯車と一体で回転する、前記円筒部材の内側に侵入する侵入部であって、前記円筒部材との摩擦力によって前記円筒部材から前記回転力を受けることが可能な侵入部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入力歯車と欠歯歯車との回転速度を略合わさせることができるので、入力歯車と欠歯歯車との噛み合う際の歯当たりによる衝撃音が軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1である画像形成装置の任意断面図。
【図2】実施例1であるロータリー回転制御クラッチの部分拡大図。
【図3】実施例1であるロータリー回転制御クラッチの部分拡大図。
【図4】実施例8に係る駆動制御装置を用いたシート給送装置の概略構成図
【図5】実施例1であるロータリー回転制御クラッチの斜視図。
【図6】実施例1であるロータリー回転制御クラッチの部分拡大図。
【図7】実施例1であるロータリー回転制御クラッチの断面図。
【図8】実施例2であるロータリー回転制御クラッチの斜視図。
【図9】実施例2であるロータリー回転制御クラッチの部分拡大図。
【図10】実施例2であるロータリー回転制御クラッチの部分拡大図。
【図11】実施例2であるロータリー回転制御クラッチの動作特性図。
【図12】実施例3の複数の回転制御クラッチを備えた画像形成装置を示す任意断面図。
【図13】図1の回転制御クラッチを含む駆動伝達系の分解斜視図。
【図14】(A)は図2の一つの回転制御クラッチの拡大斜視図、(B)は当接離間機構の部分拡大図。
【図15】(A)は回転制御クラッチの歯車列の噛合状態の図、(B)は制御機構の拡大図。
【図16】(A)は回転制御クラッチの駆動力伝達状態、(B)は遮断状態を示す図。
【図17】(A)、(B)は当接離間機構の当接カムの動作状態の説明図。
【図18】実施例4の回転制御クラッチを示し、(A)は分解斜視図、(B)は側面図。
【図19】(A)は実施例5の画像形成装置断面図、(B)は回転制御クラッチ分解斜視図。
【図20】(A)は駆動力遮断時の欠歯歯車近傍の図、(B)は制御機構の正面部分拡大図。
【図21】(A)は回転制御クラッチの駆動力遮断状態、(B)は伝達状態を示す図。
【図22】(A)は実施例6の回転制御クラッチの分解斜視図、(B)は正面部分拡大図。
【図23】(A)は実施例7の回転制御クラッチの分解斜視図、(B)は正面部分拡大図。
【図24】(A)は従来の回転制御クラッチの分解斜視図、(B)は欠歯歯車近傍の図。
【図25】実施例8に係る駆動制御装置の概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施例1)
実施例1では、画像形成装置29の現像ロータリー1の駆動装置である回転制御クラッチに、本発明を実施した例を示す。画像形成装置29は以下のように動作する。
【0012】
〔画像形成装置〕
図1に、本発明を実施した画像形成装置29の断面図を示す。
【0013】
感光体ドラム2にスキャナユニット4により静電潜像が形成される。そして、現像ロータリー1に装着された現像器であるカートリッジ5が当接して、静電潜像をトナー像に現像する。そして感光体ドラム2に形成されたトナー像は、駆動ローラー20に回転駆動される中間転写ベルト7に1次転写される。
【0014】
そしてカラー画像を形成する場合は、画像形成装置20の駆動部(不図示)から回転駆動力が、回転制御クラッチ30(図8参照)を介して、ロータリー1の端部に設けられたロータリー駆動歯車17に伝達され、ロータリー1が回転する。ロータリー1は、イエロー色のトナーを有するカートリッジ5a、マゼンタ色のトナーを有するカートリッジ5b、シアン色のトナーを有するカートリッジ5c、ブラック色のトナーを有するカートリッジ5dを着脱可能に保持している。ロータリー1が回転することで複数カートリッジ5a〜5dが、それぞれ感光体ドラム2に対して対向する現像位置に移動し、現像位置で静電潜像をトナー像に現像する。そして、感光体ドラム2に形成されたトナー像は、順次中間転写ベルト7に一次転写ローラー8によって形成される1次転写ポイントT1で転写され、トナー像を重ね合わせることでカラー画像が形成される。
【0015】
その後、中間転写ベルト7に形成されたトナー像は、駆動ローラー20の回転により、駆動ローラー21と2次転写ローラー10とで形成される2次転写ポイントT2に移動する。
【0016】
また、給紙ローラー12により分離給紙された記録媒体であるシート材Pは、レジストローラー対13で先端の位置が調整された後、2次転写ポイントT2に搬送される。そして、中間転写ベルト7に形成されたカラー画像が2次転写ローラー10にバイアスが印加されることによって、シート材Pに転写される。
【0017】
そして、シート材Pに転写されたトナー像は定着器14で、加熱及び加圧されることでシート材Pに定着され、上カバー15に排出される。
【0018】
〔回転制御クラッチ〕
次に回転制御クラッチ30の構成について述べる。
【0019】
図5に、ロータリー回転制御クラッチの斜視図を示す。
【0020】
ロータリー1(図1参照)が停止している際は、本体側板19に設けられたクラッチ軸19bに回転可能に設けられたクラッチ制御環31は、その係止ラッチ31aが保持部材であるソレノイド32のフラッパー先端32aに係止されている(保持状態)。即ち、クラッチ制御環31は回転が止まっている。クラッチ制御環31には、図7に記載の外径がDiなる円周部31bに内径Drなるフランジリング51が同軸で回転自在に設けられている。即ち、円筒部材であるリング51の内側に侵入部である円周部31bが侵入していることになる。そして、クラッチ側欠歯歯車35とロータリー出力ギア36も同軸でクラッチ制御環31に固定されている。このとき、Dr>Diである。
【0021】
また、クラッチ側欠歯歯車35に噛み合うように入力歯車18が本体側板19上の入力歯車軸19aに回転可能に支持され、入力歯車18には駆動部材34が同軸で固定されている。
【0022】
図2には、回転制御クラッチ30が切断時における、入力歯車18と欠歯歯車35の位置を示す。即ち、欠歯歯車35の欠歯部35aが入力歯車18に対向して、入力歯車18が欠歯歯車35と噛み合わずに矢印r1回転するので画像形成装置の駆動部からの回転駆動力は遮断されている。
【0023】
次に図6において、駆動部材34と円筒部材であるリング33の配置について説明する。
【0024】
駆動部材34には第二の磁石である円筒形状の駆動側磁石50が固定され、駆動側磁石50に所定の隙間Gを隔ててその円周面が対向する様に、第一の磁石である円筒形状の被駆動側磁石51がリング33に固定されている。駆動側磁石50の円周面には、ねじれ角度Hで傾いた第1円筒磁石のN極50aと、N極50aと同形状のS極50bが円周方向において交互に形成されている。
【0025】
被駆動側磁石51の円周面には、駆動側磁石50とは反対方向にねじれ角度hで傾いた被駆動側磁石51のN極51aと、N極50aと同形状のS極51bが交互に形成されている。
【0026】
駆動側磁石50と被駆動側磁石51の磁気極数は同じで、互いに異なる極同士が吸引力H(図7参照)を生じながら対向している。この異極が対向する位置関係は静止時、回転時を問わず保持される。吸引力Hは、被駆動側磁石51の軸線方向と交差する方向に働く。
【0027】
図7に示すように、駆動部材34が矢印r1方向に回転し始める。そのとき、図6に示すように、駆動側磁石50と被駆動側磁石51は、隙間Gを隔てた位置において、N極50aとS極51bが、磁石の幅WのL側で対向する。N極50aとS極51bとの吸引力Hによって、リング33は1磁極ぶんだけ矢印r2方向に回転する。そして、ここでN極50aとS極51bが斜めに配置されているので、N極50aとS極51bが、磁石の幅WのR側で対向した時に、磁石の幅WのL側では、円筒駆動側磁石50のS極50bと被駆動側磁石51のN極51aが対向する位置に移動する。そして同様に、リング33は1磁極ぶんだけ矢印r2方向に回転させる。これが繰り返されることによって、駆動部材34が矢印r1方向に回転することで、リング33は矢印r2方向に回転する。
【0028】
次に図7おいて、駆動部材34とリング33とクラッチ制御環31の配置を示す。駆動部材34とクラッチ制御環31の軸間距離は固定されている。そして所定の隙間Gを設定するために、入力歯車軸19aとクラッチ軸19bとの軸間距離を適宜調整して設定することができる。
【0029】
次にリング33とクラッチ制御環31との摩擦について説明する。
【0030】
入力歯車18に同軸で固定され駆動部材34と駆動側磁石50は、クラッチ制御環円周部31bに回転自在に設けられ被駆動側磁石51を具備するリング33を、隙間Gを保ちながら略等速回転させている。この時、駆動部材の円周部材34bとリング外周33aとの磁力による抵抗係数をμ1、リング内周33bと制御環円周部31bとの摩擦係数をμ2、とすると、μ1≧μ2であれば、リング33の安定的回転は持続する。また、同時に吸引力Hは、リング内周33bの制御環円周部31bへの当接力Nを発生させる。当接力Nでクラッチ制御環円周部31bに押圧されているリング33は、回転している間クラッチ制御環31を同方向に回転させようとする接線の力である摩擦力F1を発生させる。リング内周33bと制御環円周部31bとの摩擦係数がμ2であるから、F1=μ2*Nである。また、制御環円周部31bの直径をDiとすると、同方向に回転させようとするトルクT1は、T1=F1*(Di/2)で表せる。このトルクを、連れ回りトルクと称する。
【0031】
次に、カートリッジ5を現像位置に移動させる方法について述べる。
【0032】
図3(A)及び図5において、ソレノイド32が通電されると、ソレノイド32のフラッパー先端32aが移動して、クラッチ制御環31との係止が解除される(解除状態)。連れ回りトルクT1が作用しているクラッチ制御環31と、それに固定されている欠歯歯車35とロータリー出力ギア36もクラッチ下流側のロータリー1の回転負荷に抗して、入力歯車18と略等速で入力歯車18と噛み合う方向である矢印r2へ回転し始める。
【0033】
そして、図3(B)に示すように、欠歯歯車35と入力歯車18とが、略等速で回転しているため、欠歯歯車の歯部35bの第1歯35b1に入力歯車18の歯が略等速で噛合い始める。
【0034】
そして順次、入力歯車18と欠歯歯車35が噛合って、画像形成装置の駆動部(不図示)より供給される回転駆動力がロータリー出力ギア36を介して、ロータリー入力ギア17に伝達される。そしてロータリー出力ギア36の1回転分だけロータリー1が回転する。そして、ロータリー1内の所望のカートリッジ5が現像位置に移動し、感光体ドラム2に形成された潜像をトナー像に現像する。
【0035】
クラッチ制御環31が1回転すると、回転係止位置に再び復帰していたソレノイド32のフラッパー先端32aがクラッチ制御環31に設けられた係止ラッチ31aに接触する。そして、クラッチ制御環3を停止させ、欠歯歯車35の欠歯部35aが、再び入力歯車18に対向して、入力歯車18が欠歯歯車35と噛み合うことなく回転して、駆動部からの回転駆動力が切断される。
【0036】
このようにして、クラッチ制御環31は再び、回転駆動接続待ちの状態になるが、以下は前述のとおり感光体ドラム2上のトナー像は、中間転写ベルト7に担持され駆動ローラー20の回転により第1転写ポイントT1に至る。
【0037】
尚、本実施例において、駆動出力側にロータリー入力ギアの例を挙げているが、この例に限らず、例えば駆動出力側は、給紙ローラーであっても良い。
【0038】
(実施例2)
図8乃至図11に、第2実施例であるロータリー回転制御クラッチの斜視図を示す。本斜視図に示した構成と作用は実施例2と同様であるが、円筒形磁石の円周に設けられた磁極形状が異なる点が実施例1と相違する。尚、その他の画像形成装置の構成については実施例1と同様である。
【0039】
まず図9において、駆動部材34とリング33の配置を示す。
【0040】
駆動部材34には駆動側磁石50が固定され、駆動側磁石50に隙間Gを隔ててその円周面が対向する様に、被駆動側磁石51がリング33に固定されている。本実施例では、駆動側磁石50と被駆動側磁石51は同一形状で同一磁極形状である。また、本実施例では同じ円筒磁石を2個用いる。駆動側磁石50には、磁石の幅Wの中心Cに対して対称で、磁石の幅Wの中心Cに角度Kとなる屈曲部(または、角Kと称する)を有する駆動側磁石50のN極50aと、N極50aと同形状の駆動側磁石50のS極50bが円周方向において交互に形成されている。同様に、被駆動側磁石51には、磁石の幅Wの中心Cに対して対称で、磁石の幅Wの中心Cに角度Kなる屈曲部(または、角Kと称する)を有する被駆動側磁石51のN極51aと、N極51aと同形状の被駆動側磁石51のS極51bが交互に形成されている。
【0041】
駆動側磁石50と被駆動側磁石51の二つの円筒磁石は、最短距離でもある隙間Gの位置で互いに異なる極同士が、吸引力Hを生じながら対向している。この異極が対向する位置関係は、静止時、回転時を問わず保持される。
【0042】
駆動側磁石50が駆動部材34の回転に伴い、図9に示すように矢印r1方向に回転し始める。すると、磁気ギャップGを隔てた被駆動側磁石51は、図中磁石の幅Wの中央の屈曲部において異極同士から対向し始め被駆動側磁石51を回転させ始める。全幅が対向した後、両端の2点で対向して、リング33は1磁極ぶんだけ左回転し、次の異極同士が対向することになる。
【0043】
なお、詳しく隙間Gの位置で駆動側磁石50のi番目のN極Niが、被駆動側磁石51のj番目のS極Sjに対向する過程を具体的に図10と表1、図11にて述べる。
【0044】
図10において、隙間Gの位置で駆動側磁石50のi番目のN極Niが被駆動側磁石51のj番目のS極Sjと対向しながら通過してゆく過程を示す。図16において、視点は被駆動側磁石51側から駆動側磁石50を見ており、駆動側磁石50は右回転している。被駆動側磁石51は省略している。
【0045】
図10のN極Niが通過してゆく過程は以下の表1にまとめられる。
【0046】
【表1】
【0047】
表1.において、主対向とは駆動側磁石 50のi番目のN極 Niの対向状態であり、副対向とは、Niの前後のS極であるS(i−1)とS(i+1)の対向状態である。
【0048】
(1)Startとは、Niの角Kが磁気ギャップGの位置に達した時点のことで、1つ磁極対向の始点である。
(2)W−Startとは、Niの幅Wが磁気ギャップGの位置に達した時点のことである。
(3)W−Endとは、Niの幅Wが磁気ギャップGから外れる時点のことである。
(4)Endとは、Niの両端部磁気ギャップ Gから外れる時点のことで、1つ磁極対向の終点である。
【0049】
図10と表1から駆動側磁石50のi番目のN極Niは、前の磁極対S(i−1)と被駆動側磁石51のN極N(j−1)が対向しているなか中央の一点Kから対向し始める。そして漸次、対向幅を増加させつつ円筒磁石の幅Wの対向に至り、最後は、次の磁極対S(i+1)と被駆動側磁石51のN極N(j+1)が中央で対向し始めるなか、両後端2点で対向を完了することがわかる。駆動側磁石50のi番目のN極Niと被駆動側磁石51のS極Sjは対向して吸着力Pを発生しているので、前述のとおりリング33は1磁極ぶんだけ駆動部材34と反対方向に回転する。
【0050】
図11に、駆動側磁石50のi番目のN極Niの被駆動側磁石51のS極Sjとの対向幅の変化をグラフで示したものである。図9のBB方向からの断面図は図7と同様である。その他は実施例1と同様の構成と作用である。
【0051】
以上、本実施例においては、入力歯車と欠歯歯車との回転速度を略合わさせることができるので、入力歯車と欠歯歯車との噛み合う際の歯当たりによる衝撃、騒音が軽減できる。
【0052】
また、当接力を発生する駆動部材が入力歯車と同軸上に配置されているため、従来例のようにバネを設ける構成と比べて、簡単な構造で信頼性の高い回転制御クラッチを提供する事が出来る。
【0053】
また、リングを磁力でもって回転させるため、リングと駆動部材間に摺動摩擦による発熱、リングと駆動部材の磨耗、リングと駆動部材間の摺動摩擦による騒音は発生しない。
【0054】
また、リングと駆動部材間は磁力によって結合しているので、万が一、リングの回転が阻害されたり、急停止された場合でも、トルクリミッターの様に上記の磁力結合が解除され、駆動部材や駆動部材の駆動系を破損することがなくなる。
【0055】
さらに、本実施例2においては、最大の吸引力がかかる部分(磁気ギャップ通過部)がリングの中心部から漸次、円筒磁石幅まで移動することからリングのラジアルガタ内で傾きが防止され、クラッチ制御環円周の偏磨耗、騒音も軽減される。
【0056】
(実施例3)
図12は、本発明の実施例3に係る駆動装置である回転制御クラッチが適用される画像形成装置を示している。画像形成装置229は、感光体ドラム202と、この感光体ドラム202の近傍に配置され感光体ドラム2上の潜像を現像する複数個の現像器205(205y、205m、205c、205k)を備えた現像器当接離間ユニット201と、を備えている。現像器当接離間ユニット201は、感光体ドラム202に対して、各現像器205を当接位置と離間位置とに移動させる当接離間機構260(260y、260m、260c、260k)を備えている(図12(B))。当接離間機構260は当接離間カム253を備え、この当接離間カム253に駆動力を伝達する駆動力伝達機構261に、本発明の回転制御クラッチ230(230y、230m、230c、230k)が設けられている(図12(A))。回転制御クラッチ230を介して伝達される回転駆動力によって、各当接離間機構260の当接離間カムが選択的に駆動される。
【0057】
以下の説明では、個々の当接離間機構260及び回転制御クラッチ230を区別して説明する必要がある場合に、符号に、現像器205と同じ添字(y,m,c,k)を付し、区別する必要が無い場合には、特に、添字(y,m,c,k)は付さずに説明する。
【0058】
まず、画像形成動作について説明する。図12(B)に示すように、ドラムクリーナ206で清掃された感光体ドラム202の表面が帯電ローラ203で帯電され、スキャナユニット204により潜像が書き込まれる。この潜像が担持された感光体ドラム202に、現像器当接離間ユニット201の所望の現像器205y,205m,205c,205kのいずれかが当接され、潜像がトナー像として現像される。各色のトナーは、トナー貯蔵タンク208y,208m,208c,208kに貯蔵されており、不図示のトナー供給経路を経て各現像器に供給されている。
【0059】
感光体ドラム202上のトナー像は、駆動ローラ220によって回転駆動される中間転写ベルト207に転写されて1次転写が行われる。中間転写ベルト207に転写されなかったトナーは、再びドラムクリーナ206で清掃回収される。次の異なる色トナーを転写したい場合は、不図示の画像形成装置駆動部からの回転駆動力が、対応する回転制御クラッチ230を介して、所定の色の現像器205に対応する当接離間機構260の当接離間カム253に伝達される。
【0060】
当接離間カム253が回転することにより、異なる色の現像器205が感光体ドラム202に当接し、異なる色のトナー像が現像され、順次中間転写ベルト207上にて、トナー像を重ね合わせることで、カラー画像が形成される。このように、回転制御クラッチ230によって伝達される回転駆動力によって、当接離間カム253を回転させて、感光体ドラム202に対する現像器205の当接位置と離間位置との間の駆動を行う。
【0061】
その後、中間転写ベルト207に担持された所望の色のトナー像は、駆動ローラ220の回転により、2次転写ローラ210に至る。一方、給紙ローラ212により、給紙部211から分離給紙された紙等のシート材Pは、レジストローラ対213で整列された後、2次転写ローラ210に至る。2次転写ローラ210と中間転写ベルト207と張架ローラ221に挟み込まれた紙等のシート材Pに、トナー像が転写され、シート材Pに担持された所望の色のトナー像は定着器214で、加圧、融解定着され、上カバー215か排紙トレイ216に排出される。中間転写ベルト207上の残留トナーは、ベルトクリーナ209で清掃回収される。なお、図中、223は中間転写ベルト207に張力を付与するテンションローラである。
【0062】
次に、このように動作する画像形成装置229における現像当接離間ユニット201の当接離間機構260と回転制御クラッチ230の構成と動作について述べる。
【0063】
初期または次の異なる色の現像器205を感光体ドラム202に当接させる前の段階では、すべての当接離間カム253は回転を停止している(すべての回転制御クラッチ230は切断されている)。図2に、本発明の実施例3に係る現像器当接離間ユニット201及び駆動伝達系の分解斜視図を示す。本図は、部品構成を示しており、当接離間カム253は任意の位置である。図13において、多段歯車は表示の便宜上、その噛み合う相手歯車の段数の部分で切断分割して図示している。例えば、クラッチ歯車250、欠歯歯車235及び制御環231は、一体の部品であるか、または、同一軸に固定されている。同様に、ドラム歯車247、入力歯車218、リング駆動ローラ234は一体の部品であるか、または、同一軸に固定されている。
【0064】
現像当接離間ユニット201は、大きく分けて側板219に対して装置内部側に収納される当接離間機構260と、側板219に対して装置外部側に位置する駆動伝達機構261で構成されている。当接離間機構260においては、第一の現像器205yと第三の現像器205kは、感光体ドラム2の中心を通る線分に対して略対称、第二の現像器205mと第四の現像器205cも略左右対称に配置されている。回転制御クラッチ230も、感光体ドラム202の中心を通る線分に対して左右略対称に配置されている。
【0065】
また、現像器205の図示せぬ他端は、図示する一端と左右対称の形状と左右同じ部品構成である。駆動伝達機構261は現像器205と同数の回転制御クラッチ230を含み、以下の様に構成されている。
【0066】
以下、図13乃至図15を参照し、一つの回転制御クラッチ230yを例にとって説明する。
【0067】
回転制御クラッチ230yは、側板219に設けられた軸受部材190の軸孔190aを貫通して回転自在に設けられるクラッチ軸222の片端に設けられている。回転制御クラッチ230yは、入力歯車218と、欠歯歯車235と、欠歯歯車235と入力歯車218との噛み合い状態を制御する制御機構100を備えている。
【0068】
入力歯車218は、軸受191を介して側板219を貫通して回転自在に設けられるドラム軸246に固定されている。入力歯車218は、各回転制御クラッチ230(230y、230m、230c、230k)の欠歯歯車235に対して共通で利用される。
【0069】
欠歯歯車235は、入力歯車218と噛み合う歯部領域235bと入力歯車218と噛み合わない欠歯領域235aとを有する(図15(A))。
【0070】
制御機構100は、駆動力遮断時には、欠歯歯車235の欠歯領域235aを入力歯車218との対向位置に位置させて入力歯車218から欠歯歯車235への駆動力の伝達を遮断する。一方、駆動力伝達時には、欠歯歯車235の歯部領域235bを入力歯車218と対向する対向位置に移動させて歯部領域235bとの噛合い分だけ入力歯車218から欠歯歯車235に駆動力を伝達する構成となっている。欠歯歯車235には、駆動下流への出力手段としてのクラッチ歯車250が同軸的に固定されている。
【0071】
制御機構100は、欠歯歯車235に同軸的に固定される制御環231と、制御環231に所定の接触圧で回転摺動自在に接触する円筒部材であるリング233と、を備えている。更に、制御機構100は、リンク駆動手段としてのリング駆動ローラ234と、制御環231の回転、停止を制御する保持部材であるソレノイド232と、を備えている。
【0072】
制御環231は、図14(A)に示すように、外周面が外径Diなる円筒形状の制御環本体231bと、制御環本体231bから張り出すフランジ部231cとを備えたフランジ付き円筒形状で、フランジ部231cに係止ラッチ231aが設けられている。係止ラッチ231aは、フック状のフラッパ先端部232bが係止される段差形状となっている。なお、フランジ部231cは軸方向に見て制御環本体231bの欠歯歯車235側の端部に設けられている。
【0073】
リング233は金属製の円筒状部材であり、制御環本体231bの外周部に回転摺動自在に嵌合されている(図14(A)、図15(B)参照)。リング233の内径をDrとすると、制御環本体235bの外径Diとの関係が、Dr>Diとなるように設定されている。即ち、円筒部材であるリング233の内側に、侵入部材である制御環本体231bが侵入している状態になる。なお、図中、245は、リング233が制御環本体231bから抜けるのを防止するための抜け止め用のワッシャである。
【0074】
リング駆動ローラ234は、ドラム軸246に対して、入力歯車218と同軸的に固定され、入力歯車218と一体的に回転駆動される。リング駆動ローラ234の外径は入力歯車218とピッチ径と同一径となっている。そして、リング駆動ローラ234の周速度は入力歯車218と等速度で回転され、各回転制御クラッチ230(230y、230m、230c、230k)の制御機構100のリング233に対して共通で利用される。リング駆動ローラ234の外周はリング33外周に所定の押圧力でもって当接し、リング233外周との接触摩擦力によってリング233を回転駆動させる。リング233が回転駆動すると、リング233内周と制御環231間の接触摩擦力によって制御環231に回転トルクが伝達される。このリング駆動ローラ234は、ローラ本体234aと、ローラ本体234aの外周に設けられる弾性体のローラ円周部234bとを備え、このローラ円周部234bが金属製のリング233に対して圧縮された状態で当接する。
【0075】
ソレノイド232は、制御環231に係止して制御環231の回転を阻止し、制御環231との係止を解除して制御環231の回転を許容するものである。ソレノイド232は、図14(A)、図15(B)に示すように、フラッパ232aと、フラッパ232aを駆動するソレノイド本体232dとを備えている。フラッパ232aはソレノイド本体232dに対して揺動自在に支持され、図示例では、スプリング232cのばね力によって、フラッパ先端部232bが、常時、制御環231の係止ラッチ231aに対して係止する方向に付勢されている。フラッパ先端部232bは、フック状の折曲されている。そして、ソレノイド本体232dを励磁することによって、スプリング232cのばね力に抗して、フラッパ先端部232bが係止ラッチ231aから離脱する構成となっている。
【0076】
このソレノイド232のフラッパ232aのフラッパ先端部232bを制御環231に係止させることにより、欠歯領域235aを入力歯車218との対向位置に位置する状態で制御環231を停止させる(図15(A))。同時に、制御環231に対してリング233を空回転噛合力の伝達を遮断する遮断状態とする。一方、制御環231との係止を解除することにより、リング233との接触摩擦力によって制御環231を回転させて制御環231と同軸的に固定される欠歯歯車235を回転させる。そして、歯部領域235bの歯を入力歯車218と噛合て駆動力を伝達する伝達状態とする。
【0077】
図14(A)(B)において、当接離間機構260には、現像器205に対応する当接離間カム253が設けられている。各現像器205の現像ローラ257を支持するスライダ254は、側板219に設けられた軸受部材190に設けられた長穴190bに摺動自在に係合する。そして、このスライダ254と長穴2190bによって、感光体ドラム202に当接する当接位置と、感光体ドラム202から離間する離間位置との間を往復移動可能に支持されている。各現像器205は感光体ドラム202から離間する方向に引っ張りバネ256によって常時付勢されており、当接離間カム253のカム面がスライダ254に当接している。当接離間カム253が180°回転することで、スライダ254が当接位置と離間位置とに移動するようになっている。当接離間カム253は、カム軸252によって駆動される。側板219には現像器205yを支持する受け部219yが設けられている。
【0078】
カム軸252は、後述する欠歯歯車235と一体的に固定されるクラッチ歯車250に噛み合うカム歯車251に固定され、軸受部材190に設けられた軸孔190cに支持されている(図15参照)。
【0079】
図15(A)は、現像器205yが離間状態である時の入力歯車218と、欠歯歯車235の回転位置を示す。この配置関係は、図14(A)のB矢視方向から見た図である。同図において、欠歯歯車235の欠歯領域235aが入力歯車218に対向しているので、入力歯車218が空回りしている。そして、図示せぬ画像形成装置駆動部より駆動歯車248(図13に記載)を介して伝達される回転駆動力は、クラッチ軸222に対して遮断されている。
【0080】
図15(B)は、現像器205yが離間状態である時のリング駆動ローラ234とリング233と制御環231の配置を示している。この配置も、図14(A)のB矢視方向から見た図である。本図において、制御環231は断面を示しており、リング駆動ローラ234と制御環231の軸間距離は固定されている。
【0081】
リング駆動ローラ234とリング233との接触部に所望の侵入量Sを設定するために、ドラム軸246とクラッチ軸222との軸間距離を適宜調整して設定することもできる。侵入量Sは接触部の隙間がゼロの状態から、互いに干渉する方向に入り込んだ重なり代である。また、軸間距離固定の場合は、リング外径部233aかリング駆動ローラ234のローラ円周部234bの外径の少なくとも一方の寸法調整により任意に設定できる。これにより、円筒部材であるリング233をリング233の軸線と交差する方向に付勢して、制御環231に押圧する当接圧力Mを調整できる。
【0082】
図15(B)において、当接圧力Mが制御環231に回転駆動トルクT1を発生させる過程を述べる。図15(A)において、図示の入力歯車218と同軸で固定されたリング駆動ローラ234の弾性的であるローラ円周部234bは、制御環本体231b外周に回転自在に嵌合されたリング233を、侵入量Sを保ちながら回転させている。
【0083】
この時、リング駆動ローラ234のローラ円周部234bとリング外径部233aとの接触面間の摩擦係数をμ1、リング内径部233bと制御環本体231bとの接触面間の摩擦係数をμ2とする。摩擦係数の関係が、μ1≧μ2であれば、リング233の外周側の摩擦トルクが大きくなるので、リング233がリング駆動ローラ234に同期して安定的に回転する。
【0084】
一方、侵入量Sはリング内径部233bと制御環本体231bへの当接圧力M
を生じさせている。当接圧力Mは、侵入部である制御環本体231bの軸線と交差する方向に働く。当接圧力Mで制御環本体231bに押圧されているリング233は、回転している間、静止している制御環231を同方向に回転させようとする接線力F1を発生している。
【0085】
リング内径部233bと制御環本体231bとの摩擦係数がμ2であるから、F1=μ2*Mである。また、制御環本体231bの直径をDiとすると、同方向に連れ回りさせようとする回転駆動トルクT1は、T1=F1*(Di/2)で表せる。
【0086】
以下に、現像器205yを感光体ドラム202に当接させる方法について説明する。
【0087】
図15(B)において、ソレノイド232に通電する。すると、ソレノイド本体232dが励磁されてフラッパ232aがソレノイド本体232dに磁気吸引され、フラッパ先端部232bが制御環231の係止ラッチ231aから離脱して、制御環231の回転係止が解除される。上記リング233の回転駆動トルクT1が作用している制御環231と、それに固定されている図16(A)の欠歯歯車235は、駆動力伝達方向下流側に接続される回転負荷に抗して、入力歯車218と噛み合う方向へ回転し始める。
【0088】
図16(A)において、制御環231に回転駆動トルクT1が発生しているため、制御環231に固定されている欠歯歯車235も回転し、欠歯歯車235の歯部領域235bの第1歯に入力歯車218の歯が飛び込みながら噛み合う。そして、順次、上記の2つの歯車の歯同士が噛み合って、図示せぬ画像形成装置駆動部より入力歯車218に供給される回転駆動力が、欠歯歯車235に伝達される。そして、欠歯歯車235に固定されるクラッチ歯車250を欠歯領域235aが再び対向する1回転分だけ回転させる(図16(B))。クラッチ歯車250に噛み合うカム歯車251は、クラッチ歯車250の2倍の歯数を有する歯車となっており、カム軸252に固定された当接離間カム253は、図15(A)に記載の初期離間位置より180度回転する。
【0089】
また、図15(B)において、制御環231が1回転すると、ソレノイド232のフラッパ先端部232bが、制御環231に設けられた係止ラッチ231aに係止し、制御環231を停止させる。この状態で、欠歯歯車235の欠歯領域235aが、再び入力歯車218との対向位置に位置し、入力歯車218が空回りし、図示せぬ画像形成装置駆動部より供給される回転駆動力が切断される(図16(B))。
【0090】
一方、図17(A)に示すように、初期位置より180度回転した当接離間カム253は、引っ張りバネ256のばね力に抗して、現像ローラ257を回転支持するスライダ254を側板の長穴219bに沿って感光体ドラム202側に移動させる。そして、現像ローラ257は、感光体ドラム202に当接する。以上をもって、現像器205yの当接動作は完了する。
【0091】
次に、現像器205yの離間動作について説明する。図16(B)と図17(A)において、単色トナー像の一次転写後、回転駆動力が切断されていた回転制御クラッチ230のソレノイド本体232dに再び通電すると、以下のように、当接動作と同様に動作する。
【0092】
すなわち、図15(B)において、ソレノイド232のフラッパ先端部232bが移動し、制御環231の係止状態が解除される。また、リング233の回転駆動トルクT1が作用している制御環231と、それに固定されている欠歯歯車235は下流に接続される回転負荷に抗して、入力歯車218と噛み合う方向へ回転し始める。制御環231に回転駆動トルクT1が発生しているため、制御環231に固定されている欠歯歯車235も回転し、欠歯歯車235の歯部領域235bの第1歯に入力歯車218の歯が飛び込みながら噛み合う(図17(B))。その後、順次、入力歯車218と欠歯歯車235の歯部領域235bの歯同士が噛み合う。そして、図示せぬ画像形成装置駆動部より供給される回転駆動力によって、クラッチ側の欠歯歯車235とクラッチ歯車250が、欠歯領域35aが再び対向する1回転分だけ回転する。
【0093】
クラッチ歯車250に噛み合うカム歯車251は、クラッチ歯車250の2倍の歯数を有する歯車である。そのため、カム軸252に固定された当接離間カム253は、図15(A)に記載の初期の位置よりさらに180度、計360度回転し、図14(B)の離間状態に戻る。
【0094】
また、図15(B)において、制御環231が1回転すると、再びソレノイド232のフラッパ先端部232bが制御環231に設けられた係止ラッチ231aに係止し、制御環231を停止させる。欠歯歯車235の欠歯領域235aが、再び入力歯車218に対向し、入力歯車218が空回りし、画像形成装置駆動部より供給される回転駆動力が切断される。以上を以って現像器205yの離間動作は完了する。さらに、所望の現像器205を上記と同じ方法で、順次、感光体ドラム202に当接、離間させて潜像を現像し、単色トナー像を中間転写ベルト7上に重ね合わせて一次転写は終了する。
【0095】
本実施例3によれば、複数の現像器205(205y、205m、205c、205k)を片側に積み重ねるのではなく、感光体ドラム202の左右対称位置に配置したので、片側に積み重ねた場合に比べて小径の感光体ドラム202を使用することができる。したがって、現像当接離間ユニット201の高さと装置本体の高さを抑える事が可能になり、場所を選ばず設置できるコンパクトで視覚的に圧迫感のない画像形成装置を提供することができる。
【0096】
また、現像器205(205y、205m、205c、205k)の当接離間動作において、以下の様にする。即ち、ドラム軸246に固定される一つの入力歯車218によって、感光体ドラム202の周囲に配置された回転制御クラッチ230(230y、230m、230c、230k)の欠歯歯車235を回転駆動するようになっている。したがって、動力伝達経路が短い効率的な動力伝達と部品削減が可能となる。同時に信頼性の高い画像形成装置を提供することができる。
【0097】
さらに、欠歯歯車235の歯部領域235bの第1歯に入力歯車218が噛合う際の衝撃は、制御環231とリング233との摩擦によって吸収され、衝撃が緩和される。特に、欠歯歯車235が入力歯車218に対してほぼ等速で飛び込むため、歯当たりの衝撃騒音をより軽減することができる。さらに、図24に示したような制御環131の回転付勢用である制御環バネを省略することができる。さらに、装置の駆動力伝達系の中で慣性の大きな金属製のリング233が回転しているため、駆動力の切断と接続にともなうショックを軽減することができる。また、リング233に対して当接圧力を発生するリング駆動ローラ234が、入力歯車218と同軸上に配置されているため、簡便で安価な構造で信頼性の高い回転制御クラッチを提供することができる。
【0098】
(実施例4)
次に、本発明の他の複数の実施例について説明する。以下の実施例の説明では、実施例3と異なる点についてのみ説明するものとし、同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略するものとする。
【0099】
図18(A)、(B)は、本発明の実施例2に係る回転制御クラッチが適用される画像形成装置の現像当接離間ユニット201を示している。
【0100】
この実施例4では、リング233を回転駆動させるリング駆動手段が、リング233に架けられた駆動ベルト239である点で実施例1と相違する。すなわち、本図において、4つの回転制御クラッチ230(230y、230m、230c、230k)の各リング233外周に対して、駆動ベルト239が巻き掛けられている。各リング233は、駆動ベルト239によって駆動力が伝達される。駆動ベルト239には、前記4つのリング233の他に、駆動ベルト239を回転駆動させるための駆動プーリ237と、駆動ベルト39の張力を調整する張力プーリ236が巻き掛けられている。駆動プーリ237は左右2組の回転制御クラッチ230の中央下方に配置されている。一方、張力プーリ236は、左右の回転制御クラッチ230y、230m;230k、230cの中央部上方に配置されている。
【0101】
以下、実施例3と同様に、一つの現像器205yの回転制御クラッチ230yに着目し、リング233から制御環231に対する当接圧力Mが、制御環231に回転駆動トルクT1を発生させる過程について説明する。
【0102】
駆動プーリ237は、不図示の画像形成装置駆動部に設けられる駆動側歯車と同軸的に固定される駆動歯車248に同軸的に固定されている。駆動ベルト239が張架される張力プーリ236は、図示せぬ付勢手段により付勢力P1が付与され、駆動ベルト239に張力を発生させている。
【0103】
駆動ベルト239とリング外径部233aとの摩擦係数をμ1、リング内径部233bと制御環本体231b外周面との摩擦係数をμ2、とすると、μ1≧μ2であれば、リング233の安定的回転は持続する。また、同時に駆動ベルト239の張力P1は、リング内径部233bの制御環本体231bへの当接圧力Mを生じさせている。
【0104】
当接圧力Mで制御環本体231bに押圧されているリング233は、回転している間、静止している制御環231を同方向に回転させようとする接線力:F1を発生している。リング内径部233bと制御環本体231bとの摩擦係数がμ2であるから、F1=μ2*M である。また、制御環本体231bの直径をDiとすると、実施例1と同様に、同方向に回転させようとする回転駆動トルクT1は、T1=F1*(Di/2)で表せる。
【0105】
現像器205yを感光体ドラム202に当接、離間させる方法は実施例3と同様である。
【0106】
また、本実施例4において、駆動ベルト239は平ベルト形状であるが、丸ベルト、角ベルト、歯付ベルトであってもかまわない。
【0107】
(実施例5)
図19(A)は、本発明の実施例5に係る回転制御クラッチが適用された画像形成装置を示している。この画像形成装置329は、実施例3,3のように、感光体ドラムの周囲に複数の現像器を配置するのではなく、複数の現像カートリッジ(305a,305b,305c,305d)を備えた現像ロータリユニット301を適用した例である。
【0108】
現像ロータリユニット301は、回転軸316を中心に複数の現像カートリッジ(305a,305b,305c,305d)を放射状に配置したものである。回転軸を中心に回転することにより、一つの現像カートリッジ305を、選択的に感光体ドラム302に当接させる構成となっている。この現像ロータリユニット301を回転させるために、本発明の回転制御クラッチ300が適用される。
【0109】
画像形成装置329は、帯電ローラ303によって感光体ドラム302表面が一様に帯電され、スキャナユニット304から所定の色の画像信号に応じてレーザ光が照射され静電潜像が形成される。このスキャナユニット304により書き込まれた潜像を担持する感光体ドラム302に対して、現像ロータリユニット301内の一つの現像カートリッジ305が対向、当接し、潜像をトナー像として現像する。所望の色のトナー像が、ベルト駆動ローラ320によって回転駆動される中間転写ベルト307に転写され、1次転写が行われる。感光体ドラム302上の残留トナーはドラムクリーナ306によって除去され、再度帯電ローラ303によって一様に帯電される。
【0110】
また、次の異なる色トナーを転写したい場合は、図示せぬ画像形成装置駆動部からの回転駆動力が、回転制御クラッチ300及び出力歯車336を介して、現像ロータリユニット301の端部に設けられたロータリ駆動歯車317に伝達される。そして、現像ロータリユニット301を所定量回転させ、異なる色のカートリッジ305を感光体ドラム302に対して対向させ、順次、中間転写ベルト307上にて、トナー像を重ね合わせることでカラー画像が形成される。その後、中間転写ベルト307に担持された所望の色のトナー像が、ベルト駆動ローラ320の回転により2次転写ローラ310に至る。
【0111】
一方、給紙ローラ312により、給紙部311から分離給送された紙等のシート材Pは、レジストローラ対313で整列された後、2次転写ローラ310に至る。2次転写ローラ310、中間転写ベルト307及び張架ローラ321に挟み込まれたシート材にトナー像が転写され、シート材Pに担持された所望の色のトナー像は、定着器314で加圧、融解定着され、上カバー315上に排出される。なお、図19中、符号309はベルトクリーナであり、322は電源基板である。
【0112】
次に、回転制御クラッチ300の構成について説明する。
【0113】
図19(B)に、本実施例3に係る回転制御クラッチ300の斜視図を示す。実施例1,2では、感光体ドラム302の周囲に配置した複数の現像器の当接離間機構を駆動するために複数の回転制御クラッチ300が設けられているが、この実施例5では、現像ロータリ301を回転するために回転制御クラッチ300は一つである。
【0114】
回転制御クラッチ300の構成は、入力歯車318と、入力歯車318と噛み合う歯部領域335bと入力歯車318と噛み合わない欠歯領域335aとを有する欠歯歯車335とを備えている(図20(A)参照)。入力歯車318は、側板319に設けられた支持軸319aに回転自在に支持される。欠歯歯車335には、駆動下流側に駆動力を伝達する出力歯車336が同軸的に固定されている。入力歯車318の大きさが、実施例1,2に対して小径で、欠歯歯車335とほぼ同一径である点で相違する。また、欠歯歯車335と入力歯車318との噛み合い状態を制御する制御機構330は、入力歯車318から欠歯歯車335への駆動力の伝達遮断時には、欠歯歯車335の欠歯領域335aが入力歯車318との対向位置にある状態に停止保持する。
【0115】
制御機構330は、欠歯歯車335の欠歯領域335aと歯部領域335bのいずれかを入力歯車318と対向する位置に位置させるかを制御する。欠歯歯車335の欠歯領域335aを入力歯車318との対向位置に位置させることにより、欠歯歯車335への駆動力の伝達を遮断する。一方、欠歯歯車335の歯部領域335bを入力歯車318との対向位置に位置させることにより、入力歯車318から欠歯歯車335へ駆動力を伝達させる構成となっている。
【0116】
制御機構330の構成は、欠歯歯車335に同軸的に固定される制御環331と、制御環331に所定の接触圧で回転摺動自在に接触するリング333と、リング駆動手段としてのリング駆動ローラ334とを備えている。また、制御環331に係止して制御環331の回転を阻止し、制御環331との係止を解除して制御環331の回転を許容する回転係止機構としてのフラッパ332aを有するソレノイド332を備えている。
【0117】
このうち、制御環331、リング333及びソレノイド332の構成は、実施例1、2と基本的に同一であるが、欠歯歯車335に対して出力歯車336が同軸的に一体的に回転する構成となっている。制御環331、欠歯歯車335及び出力歯車336は、側板319に突設された支持軸319bに回転自在に支持され、欠歯歯車335に突設された連結軸335dによって連結され一体的に回転する構成となっている。
【0118】
一方、リング駆動ローラ334の構成は、ローラ本体334aの外径部に弾性的なローラ円周部334bを有している点で実施例1,2と同一であるが、入力歯車318と同様に、実施例1、2と比較して小径に構成されている。このリング駆動ローラ334と入力歯車318は、同一の支持軸319aに回転自在に支持され、入力歯車318と一体的に回転駆動される。リング駆動ローラ334と入力歯車318のピッチ円は同一径で、リング駆動ローラ334は入力歯車318と等速度で回転する。
【0119】
制御環331は、外径Diなる制御環本体331bと、係止ラッチ331aを備えたフランジ部331cとを有している。この例では、フランジ部331cの幅が実施例3に比較して大きく、また、実施例3と異なり、フランジ部331cの位置が、欠歯歯車335に対して反対側に位置している。制御環本体331bには、内径Drなるリング333が同軸で回転自在に嵌合されている(図9(B)参照)。
【0120】
ソレノイド332は、実施例3と同様に、フラッパ332aと、フラッパ332aを駆動するソレノイド本体332dとを備えている。フラッパ332aはソレノイド本体332dに対して揺動自在に支持され、スプリング332cのばね力によって、フック状に折曲されたフラッパ先端部332bが、常時、制御環331の係止ラッチ331aに対して係止する構成となっている。この例では、制御環331のフランジ部331の幅に対応して、実施例3に比較して幅が大きい構成となっている。
【0121】
図20(B)に、リング駆動ローラ334とリング333と制御環331の配置を示す。本図において、制御環331は断面を示しており、リング駆動ローラ334と制御環331の軸間距離は固定されている。このリング駆動ローラ334とリング333との接触部に所望の侵入量Sを設定するために、支持軸319aと支持軸319bとの軸間距離を適宜調整して設定する点は実施例3と同様である。
【0122】
図20(B)において、侵入量Sはリング内径部333bと制御環本体331bへの当接圧力Mを生じさせている。当接圧力Mで制御環本体331bに押圧されているリング333は、回転している間、静止している制御環331を同方向に回転させようとする接線力F1を発生している。
【0123】
リング内径部333bと制御環本体331bとの摩擦係数がμ2であるから、F1=μ2*Mである。また、制御環本体331bの直径をDiとすると、同方向に回転させようとする回転駆動トルクT1は、T1=F1*(Di/2)で表せる。
【0124】
図20(A)(B)において、図示の入力歯車318と同軸で固定されたリング駆動ローラ334の弾性的であるローラ円周部334bは、制御環本体331bに回転自在に設けられたリング333を、侵入量Sを保ちながら回転させている。
【0125】
この時、リング駆動ローラ334のローラ円周部334bとリング外径部333aとの接触面間の摩擦係数をμ1、リング内径部333bと制御環本体331bとの接触面間の摩擦係数をμ2とする。摩擦係数の関係が、μ1≧μ2であれば、リング333の外周側の摩擦トルクが大きくなるので、リング333がリング駆動ローラ334に同期して安定的に回転する。
【0126】
以下に、本実施例の特有な作用である異なる色の現像カートリッジ305を感光体ドラム302に対向させる方法について述べる。
【0127】
図19(B)と図20(B)において、ソレノイド332が通電されると、フラッパ332aがソレノイド本体332dに磁気吸引され、フラッパ先端部332bが係止ラッチ331aから外れ、制御環331の回転係止が解除される。上記リング333の回転駆動トルクT1が作用している制御環331が回転する。そして、制御環331に固定されている欠歯歯車335とロータリ出力歯車336もクラッチ下流側の現像ロータリユニット301の回転負荷に抗して、入力歯車318と略等速で入力歯車318と噛み合う方向へ回転し始める(図21(A))。
【0128】
図21(B)において、クラッチ側の欠歯歯車335と入力歯車318とが、略等速で回転しているため、クラッチ側の欠歯歯車335の歯部領域335bの噛み合い第1歯に入力歯車318の歯が略等速で飛び込みながら噛み合う。
【0129】
その後、欠歯歯車335の歯部領域335bの歯と入力歯車318の歯同士が噛み合って、図示せぬ画像形成装置駆動部より供給される回転駆動力が、入力歯車318から欠歯歯車335に伝達される。そして、欠歯歯車335と一体的に回転するロータリ出力歯車336を介して、ロータリ入力ギア317が、ロータリ出力歯車36の1回転分だけ回転する。所定回転後、現像ロータリユニット301内の所望の現像カートリッジ305が感光体ドラム302と対向する位置に至り、感光体ドラム302上の潜像をトナー像として現像する。
【0130】
現像完了後、制御環331が1回転すると、回転係止位置に再び復帰していたソレノイド332のフラッパ先端部332bが、制御環331に設けられた係止ラッチ331aに接触し、制御環331を回転係止させる。そして、欠歯歯車335の欠歯領域335aが、再び入力歯車18に対向して入力歯車18が空回りし、図示せぬ画像形成装置駆動部より供給される回転駆動力が切断される。
【0131】
このようにして、制御環331は、再び回転駆動接続待ちの状態になるが、以下は前述のとおり、感光体ドラム302上のトナー像が、中間転写ベルト307に担持されベルト駆動ローラ320の回転により転写ローラ310に至る。
【0132】
給紙ローラ312により分離給紙されたシート材へのトナー像の転写、定着、排紙については実施例3と同様である。
【0133】
(実施例6)
図22は、本発明の実施例6に係る回転制御クラッチを示している。
【0134】
この実施例6は、基本的な構成は実施例5と同一であり、リング333を回転駆動させる回転駆動手段がリング333に架けられた駆動ベルト339となっている点で相違するのみで、画像形成装置329における印字の過程は実施例3と同様である。
【0135】
すなわち、駆動プーリ歯車340に同軸で固定された駆動プーリ337と、リング333の間には駆動ベルト339が張架され、制御環本体331bに回転自在に設けられたリング333を、張力を保ちながら略等速回転させている。
【0136】
また、駆動プーリ歯車340は、入力歯車318に噛み合うように、側板319に設けられた円弧状長穴319cに沿って、移動可能に支持されている。すなわち、円弧状長穴319cは、入力歯車318を支持する支持軸319aを中心として、半径Rで描いた円周に沿って延びている。
【0137】
図22(B)は、入力歯車318と駆動プーリ337とリング333と制御環331の配置を示す。駆動プーリ337と図示せぬ駆動プーリ歯車340は、入力歯車318を中心として、入力歯車318と噛み合いながら中心半径Rなる円弧状長穴319cに沿って移動可能であるため、制御環331との軸間距離を、図中L1からL2まで任意に設定可能である。所望の張力を得られた位置で、駆動プーリ軸338を固定する。
【0138】
なお、駆動ベルト339は、平ベルトに限らず、角ベルト、丸ベルト、歯付ベルトなどの各種伝動ベルトを利用することができる。
【0139】
駆動プーリ歯車340と駆動プーリ337は、入力歯車318に対して反対方向に略等速回転し、駆動プーリ337に張架された駆動ベルト339は、張力をリング333に作用させつつ、リング333を入力歯車318に対して反対方向に略等速回転させる。
【0140】
(実施例7)
図23は、本発明の実施例7が示されている。
【0141】
この実施例7においても、実施例6と同様に、リングを回転駆動させる回転駆動手段がリングに架けられた駆動ベルト339である。この実施例7では、リングとして、慣性モーメントを増加させるための円筒状のリング333の一端にフランジ333cを設けたフランジ付きのリングとした。また、リング333を制御環331に当接させる当接力発生手段として駆動プーリばね442を設けた。フランジ333cは、リング333と別体構成でもよく、また、フランジ333cではなく、ワッシャ状の円盤をリング333に取り付けてもよい。慣性モーメントを増加させるためのフランジあるいは円盤を、上記した実施例3〜6についても適用可能である。
【0142】
駆動プーリ歯車340に同軸で固定された駆動プーリ337とリング333の間には、駆動ベルト339が張架され、制御環本体331bに回転自在に設けられたリング333を、張力を保ちながら略等速回転させている。
【0143】
本実施例7では、当接力発生手段が、フランジ333c付きのリング333の回転駆動手段とは別個である。駆動プーリ337と駆動プーリ歯車340は、入力歯車318を中心として、入力歯車318と噛み合いながら中心半径Rなる円弧状長穴319cに沿って移動可能であるため、制御環331との軸間距離を、図中L1からL2まで任意に設定可能である。そして、所望の張力を得られように、駆動プーリ337と駆動プーリ歯車340を回転支持する駆動プーリ軸338を駆動プーリバネ442で付勢し、張力を発生させている。駆動プーリバネ442は、一端が駆動プーリ軸338の先端に固定される支持突部443に掛止され、他端が側板319に固定される支持金具444に掛止されている。
【0144】
尚、上記各実施例では、回転制御クラッチを、画像形成装置の現像器205の当接離間機構の駆動制御、現像ロータリユニット301への駆動制御に適用した場合について説明したが、これらの駆動伝達系に限定されるものではない。例えば駆動出力側は、給紙ローラでも良いし、種々の駆動力伝達系について適用することができる。また、画像形成装置に限定されず、たとえば、印刷機等の各種駆動伝達系に適用可能である。
【0145】
(実施例8)
次に本発明における実施例8について説明する。図25(A)、(B)に、それぞれ実施例8であるシート給送装置の概略斜視図とシート給送装置の回転制御クラッチの概略断面図を示す。
【0146】
本実施例は、接触摩擦力の発生手段の付勢方向がラジアル方向(円周方向)である、いわゆる、『ラジアル型駆動制御装置』である。
【0147】
本実施例は、図1の画像形成装置29に設けられた、カセット11に積載された記録媒体であるシート材Pを1枚づつ分離給紙する給紙ローラ(給送ローラ)12の回転制御に用いられる駆動制御装置500について説明する。
【0148】
図4において、シート給送装置の出力軸566の端部に給紙ローラ12に駆動を伝達制御するための駆動制御装置200が設けられている。そして、図示しないモータ等の駆動源に接続された入力歯車518と、入力歯車518と噛合する位置に設けられた欠歯歯車535を備えている。
【0149】
給紙ローラ12が取り付けられている出力軸566が停止している際は、出力軸566に一体的に設けられたクラッチ制御環531は、その係止ラッチ531aがソレノイド532のフラッパー先端532aに係止され、回転が止まっている。クラッチ制御環531には、クラッチ制御環531と一体的に回転、停止する欠歯歯車535が設けられている。そして欠歯歯車535には図25(A)に記載の外径がDiなる円周部535bに内径がDrなるクラッチシンクロ歯車562の内周部562cが同軸的に回転自在設けられ、給紙ローラ12、カム570と共に出力軸566に一体的に取り付けられている。このとき、Dr>Diである。
【0150】
また、欠歯歯車535に噛み合うように入力歯車518が本体側板519上の入力歯車軸519aに回転可能に支持されている。そして、入力歯車518には駆動部材であるクラッチ入力歯車563が同軸上に一体的に固定されており、入力歯車518とクラッチ入力歯車563は、5共に同じ歯数で28歯に構成されている。クラッチ入力歯車563は、その円周に第二のギア歯を有している。
【0151】
一方、欠歯歯車535とシンクロ歯車562もまた、欠歯歯車535の欠歯部535aも含めた歯数と、シンクロ歯車562の歯数も同一の歯数である28歯となるように構成されている。シンクロ歯車562は、円筒部材の周面に第二のギア歯と噛合う第一のギア歯562aが設けられた形状になっている。
【0152】
すなわち、本実施例においては、入力歯車518対欠歯歯車535の減速比とクラッチ入力歯車563対シンクロ歯車562の減速比が同じとなるように設定されている。
【0153】
次に、欠歯歯車535と入力歯車518との駆動の伝達、解除のメカニズムについて説明する。
【0154】
図4、図25(A)が示すように、r1方向に回転する入力歯車518に固定されるクラッチ入力歯車563もr1方向に同じ速度で回転しており、同時に、クラッチ入力歯車563と噛合っているシンクロ歯車562はr2方向に回転している。そのとき、スプリング564の張力によって、シンクロ歯車562の内周部562cと欠歯歯車535の外周部535bとの間に押圧力L1を発生させている。押圧力L1で欠歯歯車外周部535bに当接しているシンクロ歯車562は回転している間、欠歯歯車535を同方向に回転させようとする接線の力である摩擦力F1を発生させた状態で空転している。
【0155】
そして、ソレノイド532が通電され、ソレノイド532のフラッパー先端532aがクラッチ制御環531の係止ラッチ531aから外れると、接触摩擦力によってクラッチ制御環531はシンクロ歯車562と同じ速度で回転し始める。
【0156】
このとき、本実施例は、入力歯車518とクラッチ入力歯車563は同速度で一体的に回転している。そして、入力歯車518対、入力歯車518と噛合う欠歯歯車535の減速比と、クラッチ入力歯車563対、クラッチ入力歯車563と噛合うシンクロ歯車562の減速比が同じとなるように設定されている。したがって、入力歯車518と欠歯歯車535は同速度で噛合う事ができ、結果、噛合い開始時の入力歯車518と欠歯歯車535の歯当たり音を軽減することができるのである。
【0157】
まず、ソレノイド532のフラッパー先端532aがクラッチ制御環531の係止ラッチ531aから外れると、入力歯車518と欠歯歯車535が噛み合う。そして所定回転後、入力歯車518と欠歯歯車35の歯部領域の噛合いが終了し、連れ回りトルクT1とカム570が中板568によって発生する回転力とによって更に欠歯歯車535は回転し、入力歯車518と欠歯歯車535が噛み合わない状態に戻る。
【0158】
この接触摩擦力F1によって欠歯歯車535とクラッチ制御環531が回転するメカニズムについて、図25(B)を用いて更に詳しく説明する。
【0159】
スプリング564の押圧力をL1、欠歯歯車535の外周部535bとシンクロ歯車内周部562cとの摩擦係数をμとし、出力軸566にかかる負荷トルクをTとすると、欠歯歯車535とシンクロ歯車562との摩擦力F1は
F1=μL1
となるので、シンクロ歯車562の欠歯歯車535を回転させようとするトルクである連れ回りトルクT1は、
T1=F1×(Di/2) =μL1×(Di/2)
であらわすことができる。連れ回りトルクT1と出力軸566にかかる負荷トルクをTの関係が、
T1>T
であれば、回転制御クラッチ530は安定的に駆動を伝達することができる。
【0160】
また、本実施例では、シンクロ歯車562とクラッチ入力歯車563の平行度が崩れて歯同士が片当たりすることを防止する。そのために、スプリング64がシンクロ歯車562の歯幅の略中央に付勢力を発生できるように、シンクロ歯車562の歯を歯562a(第一のギア歯)と歯562bとに分割している。そして、歯562aと歯562bの間にスプリングガイド574を配置して付勢部材であるスプリング564をかける構成とした。
【0161】
そのため、クラッチ入力歯車563とシンクロ歯車562の562aと562bの間で噛合いの干渉が発生しないように、562aに対して、562bが回転方向に若干の遊びを設けつつも一体的に回転できるような構成とした。
【0162】
しかしながら、シンクロ歯車562とクラッチ入力歯車563の歯同士が片当たりすることを防止するためにスプリング564を歯幅方向の両端に2箇所設けている。シンクロ歯車562を歯幅方向の略中央に配置するなどの構成が実現できれば、シンクロ歯車562の歯を歯562aと歯562bとに分割せず、一体的な歯車であっても問題ない。
【0163】
或いは仮に、シンクロ歯車562の歯を本実施例と同様に歯562aと歯562bとに分割した構成であったとしても、次のような構成であれば問題ない。即ち、シンクロ歯車562の2つの歯562aと歯562bの位相差を限りなく0にする。そして、シンクロ歯車562とクラッチ入力歯車63との噛合いのバックラッシュによってクラッチ入力歯車563とシンクロ歯車562の562aと562bの間で噛合いの干渉が発生しないように構成しても問題である。
【0164】
また、本実施例では、シンクロ歯車562aと内周部562cをスプリング564の押圧力によって、接触摩擦力Fを発生させた。しかし、図25(B)に示すように、シンクロ歯車662aの材質を金属にして、シンクロ歯車562aの自重によってシンクロ歯車662aと内周部562cとの間に接触摩擦力F2、連れ回りトルクT2を発生させても良い。それによって、スプリング564を削除することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置で用いられる駆動装置であって、
入力歯車と、
前記入力歯車と噛み合うことが可能な歯部と、前記歯部が無い欠け歯部とを有する欠歯歯車と、
前記欠歯歯車を、前記欠け歯部が前記入力歯車と対向して前記入力歯車と噛み合わない状態で保持する保持状態と、前記保持状態を解除する解除状態にすることが可能な保持部材と、
回転力を受けて回転可能な円筒部材と、
前記欠歯歯車と一体で回転する、前記円筒部材の内側に侵入する侵入部であって、前記円筒部材との摩擦力によって前記円筒部材から前記回転力を受けることが可能な侵入部と、
を有することを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
更に前記駆動装置は、前記円筒部材に前記回転力を与える駆動部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記円筒部材は、円周面に第一の磁石を備え、
前記駆動部材は、前記円筒部材と所定の隙間をあけて設けられ、円周面に第二の磁石を備えたことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第一の磁石は、前記円筒部材の前記円周面の円周方向に沿って、N極とS極とが交互に配置されていることを特徴する請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記第二の磁石は、前記駆動部材の前記円周面の円周方向に沿って、N極とS極とが交互に配置されていることを特徴する請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第一の磁石及び前記第二の磁石において、N極とS極の形状が前記磁石の幅の中心に対して対称であり、かつ、前記磁石の幅の中心に屈曲部を有することを特徴する請求項3乃至5のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記駆動部材は弾性体のローラであって、前記円筒部材に対して前記円筒部材の軸線と交差する方向の付勢力を与えて、前記侵入部に前記円筒部材を押圧することを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記駆動部材はプーリと前記プーリと前記円筒部材に張架された駆動ベルトであって、前記駆動ベルトは前記円筒部材に対して前記円筒部材の軸線と交差する方向の付勢力を与えて、前記侵入部に前記円筒部材を押圧することを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記円筒部材は、自重によって前記摩擦力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記円筒部材は、円周面に第一のギア歯を備え、
前記駆動部材は、円周面に前記第一のギア歯と噛み合う第二のギア歯を備えたことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項11】
更に前記駆動装置は、前記円筒部材に対して前記円筒部材の軸線と交差する方向の付勢力を与える付勢部材を備えたことをことを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
感光体と、前記感光体に形成された潜像を現像する現像器と、複数の前記現像器を着脱可能に保持した現像ロータリーとを備え、該現像ロータリーを回転させることにより、各前記現像器を前記潜像を現像するための現像位置に移動させる構成の画像形成装置において、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の前記駆動装置によって前記現像ロータリーに回転駆動力を伝達することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
複数の記録媒体が積載されたカセットと、前記カセットに積載された複数の記録媒体から記録媒体を分離して給送する給送ローラと、を備えた、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の前記駆動装置によって前記給送ローラに回転駆動力を伝達することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
画像形成装置で用いられる駆動装置であって、
入力歯車と、
前記入力歯車と噛み合うことが可能な歯部と、前記歯部が無い欠け歯部とを有する欠歯歯車と、
前記欠歯歯車を、前記欠け歯部が前記入力歯車と対向して前記入力歯車と噛み合わない状態で保持する保持状態と、前記保持状態を解除する解除状態にすることが可能な保持部材と、
回転力を受けて回転可能な円筒部材と、
前記欠歯歯車と一体で回転する、前記円筒部材の内側に侵入する侵入部であって、前記円筒部材との摩擦力によって前記円筒部材から前記回転力を受けることが可能な侵入部と、
を有することを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
更に前記駆動装置は、前記円筒部材に前記回転力を与える駆動部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記円筒部材は、円周面に第一の磁石を備え、
前記駆動部材は、前記円筒部材と所定の隙間をあけて設けられ、円周面に第二の磁石を備えたことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記第一の磁石は、前記円筒部材の前記円周面の円周方向に沿って、N極とS極とが交互に配置されていることを特徴する請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記第二の磁石は、前記駆動部材の前記円周面の円周方向に沿って、N極とS極とが交互に配置されていることを特徴する請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記第一の磁石及び前記第二の磁石において、N極とS極の形状が前記磁石の幅の中心に対して対称であり、かつ、前記磁石の幅の中心に屈曲部を有することを特徴する請求項3乃至5のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記駆動部材は弾性体のローラであって、前記円筒部材に対して前記円筒部材の軸線と交差する方向の付勢力を与えて、前記侵入部に前記円筒部材を押圧することを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記駆動部材はプーリと前記プーリと前記円筒部材に張架された駆動ベルトであって、前記駆動ベルトは前記円筒部材に対して前記円筒部材の軸線と交差する方向の付勢力を与えて、前記侵入部に前記円筒部材を押圧することを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記円筒部材は、自重によって前記摩擦力を発生させることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記円筒部材は、円周面に第一のギア歯を備え、
前記駆動部材は、円周面に前記第一のギア歯と噛み合う第二のギア歯を備えたことを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項11】
更に前記駆動装置は、前記円筒部材に対して前記円筒部材の軸線と交差する方向の付勢力を与える付勢部材を備えたことをことを特徴とする請求項10に記載の駆動装置。
【請求項12】
感光体と、前記感光体に形成された潜像を現像する現像器と、複数の前記現像器を着脱可能に保持した現像ロータリーとを備え、該現像ロータリーを回転させることにより、各前記現像器を前記潜像を現像するための現像位置に移動させる構成の画像形成装置において、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の前記駆動装置によって前記現像ロータリーに回転駆動力を伝達することを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
複数の記録媒体が積載されたカセットと、前記カセットに積載された複数の記録媒体から記録媒体を分離して給送する給送ローラと、を備えた、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の前記駆動装置によって前記給送ローラに回転駆動力を伝達することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2011−99554(P2011−99554A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−156010(P2010−156010)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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