説明

駆動装置

【課題】 駆動制御のための電子回路とモータとを一体化した駆動装置において、その体格を可及的に小さくする。
【解決手段】 半導体モジュール501〜506及びコンデンサ701〜706を含む電子回路を、モータの軸方向に配置する。このとき、半導体モジュール501〜506を縦配置とし、ヒートシンク601に接触させる。具体的には、半導体モジュール501〜506の有する半導体チップの面の垂線が、モータの軸線に垂直となっている。これにより、モータの軸方向におけるコンデンサ701〜706の配置範囲の少なくとも一部が軸方向における半導体モジュール501〜506及びヒートシンク601の配置範囲に重なるように、コンデンサ701〜706を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータと電子回路とを一体にした駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両のステアリングの取り回しを補助する機構として、油圧式でトルクを発生させる油圧アシスト装置に代わり、電動式でトルクを発生させる電動アシスト装置が注目されている。電動アシスト装置では、油圧式と異なり、運転者のステアリング操作があったときにだけアシストが行われる。そのため、低燃費の実現などメリットが多い。
【0003】
電動アシスト装置の動力発生源としてのモータには、例えば三相交流を印加することで回転駆動されるブラシレスモータがある。このようなブラシレスモータを用いる場合、複数相(例えば三相)の巻線へ位相の異なる巻線電流を供給するため、所定電圧(例えば12V)の直流出力から位相がずれた交流出力を作り出す必要がある。したがって、巻線電流を切り換えるための電子回路が必要となってくる。ここで特に、電子回路には、スイッチング機能を実現する半導体モジュール及び、全体の制御を司るマイコン等が含まれる。
【0004】
従来、このような電子回路をモータの近傍に配置したものが開示されている。例えば、半導体モジュールをモータの軸方向に配置したもの(例えば、特許文献1、2参照)、あるいは、モータを構成するステータの周囲に配置したものが挙げられる(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−234158号公報
【特許文献2】特開平10−322973号公報
【特許文献3】特開2004−159454号公報
【特許文献4】特開2002−120739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電動アシスト装置では、十分なトルクを得るため、比較的大きなモータが使用される。このため、半導体モジュールの体格は大きなものとなる。また、スイッチングにより発生するサージ電圧によって半導体チップが破壊されることを防止する等の目的から、体格の大きなコンデンサ(例えばアルミ電解コンデンサ)を電子回路に設けるのが一般的である。
【0007】
ところが、電動アシスト装置以外にも車両に種々の装置が取り付けられる昨今においては、各種装置の取り付けに必要なスペースの確保が重要な課題となっている。結果として、電動アシスト装置のモータに対しても小型化の要請が益々強くなっている。
【0008】
この点、例えば特許文献1、2に記載されたモータでは、半導体モジュールとコンデンサとがモータの軸方向に並べて配置されている。結果として、モータの軸方向の体格が大きくなってしまうという問題がある。
【0009】
また例えば特許文献3に記載されたモータでは、半導体モジュールがステータの周囲に配置されており、モータの軸方向の体格は小さくなるものの、モータの径方向の体格が大きくなってしまうという問題がある。しかも、ここに用いられている平滑用コンデンサは平型のものであるが、例えば円筒状のコンデンサを使用しなければならない状況下では、径方向の体格が一層大きくなるものと思われる。
【0010】
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、その目的は、駆動制御のための電子回路とモータとを一体化した駆動装置において、その体格を可及的に小さくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決するためになされた請求項1に記載の駆動装置は、モータと、電子回路とを備えている。モータの外郭は筒状のモータケースにて形成されている。ここでいう「筒状」は円筒状には限定されない。このモータケースの径方向内側には、ステータが配置される。ステータは、複数相を構成するよう巻線が巻回されてなる。さらにステータの径方向内側に配置されるのがロータであり、このロータと共にシャフトは回転する。さらにまた、モータケースの端部からは、ヒートシンクが、シャフトの中心線方向と同方向へ延設されている。なお、以下では、必要に応じて適宜「シャフトの中心線」を単に「軸線」と記載し、「シャフトの中心線方向」を単に「軸方向」と記載する。
【0012】
電子回路は、モータケースに対しシャフトの中心線方向におけるヒートシンク側に配置される。つまり、モータの軸方向に配置されるのである。ただし、例えば円筒状のモータケースを考えた場合、軸方向へモータケースを仮想的に延長したモータシルエット内に完全に電子回路が収まることまで限定する趣旨ではない。
【0013】
ここで、電子回路は、複数相の巻線に流れる巻線電流を切り換えるための半導体チップを具備する半導体モジュールを有している。例えば、半導体チップには半導体スイッチ素子が構成されており、この半導体スイッチ素子のオン/オフによって、巻線電流が切り換えられるという具合である。
【0014】
また、電子回路は、半導体モジュールの給電側から電源までのラインと半導体モジュールの接地側からグランドまでのラインとの間に並列に接続されるコンデンサを有している。言い換えれば、コンデンサの一方の端子は、電源から半導体モジュールへ到るラインの途中に接続され、コンデンサの他方の端子は、半導体モジュールからグランドへ到るラインの途中に接続される。コンデンサは、半導体モジュールの電源ラインとグランドとの間に接続されることで、例えばサージ電圧などのノイズ成分を抑制したり、また例えば半導体スイッチ素子等への電力供給を補助したりする。
【0015】
従来は、2枚のプリント基板がモータの軸方向に間隔を空けて設けられており、半導体モジュールとコンデンサとは、プリント基板を隔てて軸方向に並べて配置されている(例えば、特許文献1、2参照)。したがって、モータの軸方向の体格が大きくなってしまっている。
【0016】
そこで、本発明では、半導体モジュールを縦配置とした。半導体モジュールが縦配置されるとは、半導体チップ面の垂線が軸線に対し非平行となっていることをいう。詳しくは、ヒートシンクの側壁に接触するようにして半導体モジュールを縦配置する。なお、「ヒートシンクの側壁に直接的に又は間接的に接触する」とあるのは、放熱を促進するための構成であり、直接的に接触することだけでなく、絶縁シートを挟み込んだ状態で接触することも含める趣旨である。これにより、軸方向において、半導体モジュール、ヒートシンク、及び、コンデンサのそれぞれの配置範囲の少なくとも一部が重なるよう構成した。例えば、径方向に並べて配置するという具合である。
【0017】
このように本発明では、その前提として電子回路をモータの軸方向に配置しているため、ステータの周りに半導体モジュールを配置する構成(例えば、特許文献3参照)と比べ、径方向の体格を小さくすることができる。しかも、半導体モジュールを縦配置とし確保されるスペースを利用して軸方向におけるヒートシンク、半導体モジュール及びコンデンサのそれぞれの配置範囲が重なるように配置したため、従来の構成と異なり(例えば、特許文献1、2参照)軸方向の体格をも小さくすることができる。その結果、駆動装置の体格を可及的に小さくすることができる。
【0018】
このように「半導体モジュールの縦配置によるスペースの確保」、及び「当該スペースの有効利用によるコンデンサ及びヒートシンクの配置」という思想は、機電一体型を超える「機電融合型」と言い得る。
【0019】
半導体モジュールの配置について言えば、請求項2に示すように、それぞれが異なる平面を規定する複数の側壁面をヒートシンクが有していることを前提として、半導体モジュールは、複数の側壁面のうちの2以上の側壁面に分散配置してもよい。つまり、半導体チップ面が同一平面上に位置しないよう半導体モジュールを配置するのである。例えば、軸方向に見て半導体モジュールを円周上に配置するという具合である。このとき、半導体チップ面が円の法線に垂直となるようにすれば、半導体チップ面が同一平面上に位置することはない。
【0020】
半導体モジュールに対するコンデンサ及びヒートシンクの配置は、請求項3に示すように、コンデンサを、半導体モジュールに対しヒートシンクと同じ側に配置することが考えられる。この場合、請求項4に示すごとく、ヒートシンクに形成された収容部にコンデンサを収容する構成が例示される。このようにヒートシンクに収容部を形成するとヒートシンクの熱容量が若干低下するものの、半導体モジュールの一側にヒートシンク及びコンデンサが配置されるため、他側にスペースが確保できるという点で有利である。
【0021】
一方、請求項5に示すように、コンデンサを、半導体モジュールに対しヒートシンクの反対側に配置することが考えられる。このようにすれば、全体としての配置スペースは例えば径方向に大きくなるものの、コンデンサ用の収容部をヒートシンクに形成する必要がなくなる。
【0022】
ヒートシンクは、例えば請求項6に示すように、シャフトの中心線周りに立設された側壁から構成することが考えられる。このような構成にあっては、請求項7に示すように、電子回路が半導体モジュールの電源ラインに介在するチョークコイルを有していることを前提に、チョークコイルを、側壁の径方向内側に配置することが考えられる。この場合、ヒートシンクを構成する側壁の内側にチョークコイルを収容するため、体格の比較的大きなチョークコイルを使用する場合でも、駆動装置の体格を可及的に小さくすることができる。このとき、請求項8に示すように、ヒートシンクは側壁の一部に不連続部分を形成するシャフトの中心線方向に切り欠かれた切り欠き部を有していることが望ましい。切り欠き部を利用することで、例えばチョークコイル等との配線の取り回し等が容易になるためである。
【0023】
また、請求項9に示すように、相互に離間する複数の側壁をヒートシンクが有する構成とし、半導体モジュールが、複数の駆動系統に対応するよう設けられ、一つの側壁に対し一つの駆動系統が対応するように側壁に配置されていることとしてもよい。このようにすれば、半導体モジュールで発生する熱をバランス良く分散させることができる。また、各駆動系統に属する半導体モジュールを異なる側壁に配置したため、同一箇所にまとめて配置する構成と異なり、各駆動系統が同時期に故障することを防止できる。
【0024】
ところで、上記側壁は、請求項10に示すように、径方向に所定の厚みを有する厚肉板状を呈していることとしてもよい。板状とすることにより、半導体モジュールを配置するスペースが確保されるためである。
【0025】
また、請求項11に示すように、側壁が、その端部に、軸方向に貫通するネジ穴が形成された接続部を有することとしてもよい。このようにすれば、モータケースなどに対して側壁、すなわちヒートシンクを簡単に固定することができる。なお、各側壁が別体となっていてヒートシンクを構成してもよいし、請求項12に示すように、各側壁が互いに連結されて単一のヒートシンクを構成してもよい。
【0026】
ヒートシンクは、例えば請求項13に示すように、第1駆動系統に対応する半導体モジュールが設けられる第1側壁及び、第2駆動系統に対応する半導体モジュールが設けられる第2側壁を有することが考えられる。このようにすれば、第1及び第2の2つの駆動系統に属する半導体モジュール同士が熱的に干渉することを防止でき、2つの駆動系統が同時期に故障することを防止できる。
【0027】
なお、2つの側壁は、例えば請求項14に示すように、シャフトの中心を基準にして対称となるよう設けることが考えられる。ここでいう「対称」は、厳密な意味での対称でなくてもよい。このように左右対称の側壁とすれば、半導体モジュールの配置設計や取り付け作業に要する時間が短縮される。
【0028】
ところで、半導体モジュールは、上述したように、複数相の巻線に流れる巻線電流を切り換えるための半導体チップを有している。そのため、電子回路は、半導体チップに構成された半導体スイッチ素子等のオン/オフを制御するための制御回路を有する。このような制御回路は、半導体モジュールとは配置上、独立させて構成することとしてもよい。次に示すごとくである。
【0029】
すなわち請求項15に示すように、制御回路が、モータケースに対しシャフトの中心線方向に配置されたプリント基板を用いて構成されていることが例示される。プリント基板の配置は、請求項16に示すように、基板面がシャフトの中心線に対し垂直となるよう配置することが例示される。コンデンサ及びチョークコイル等の大型部品をプリント基板に配置しないようにすれば、このような構成によっても、駆動装置の体格を比較的小さくすることができる。
【0030】
例えば、プリント基板は、請求項17に示すように、中心線方向において、半導体モジュールに対しモータケースの反対側に配置することが例示される。この場合、請求項18に示すように、モータケースのヒートシンク側に半導体モジュールを覆う有底筒状のカバーが取り付けられることを前提とし、ヒートシンクとカバーの底部との空間にプリント基板を配置するようにしてもよい。また例えば、請求項19に示すように、中心線方向において、半導体モジュールに対し、モータケースと同じ側に配置してもよい。
【0031】
このように半導体モジュールとプリント基板とを軸方向に並べて配置する場合、請求項20に示すように、半導体モジュールがシャフトの中心線方向における一端側に制御用端子を有することを前提として、当該制御用端子がプリント基板に接続されるように両者を配置することが例示される。このようにすれば、制御回路が半導体モジュールから配置上独立する構成であっても、電気的な接続は制御用端子によって行えるため、構成が複雑になることがない。
【0032】
また、半導体モジュールがモータケースに対し軸方向に配置される場合、請求項21に示すように、半導体モジュールがプリント基板とは反対側の他端側に巻線用端子を有することを前提として、当該巻線用端子がステータの巻線に電気的に接続されるように配置することが例示される。このようにすれば、ステータの巻線への電気的な接続を比較的容易に実現できる。
【0033】
具体的には、請求項22に示すように、巻線用端子を径方向へ折り曲げ、半導体モジュール近傍の径方向の空間を利用して、ステータの巻線に接続することが考えられる。例えば請求項23に示すように、半導体モジュール近傍の空間は、半導体モジュールの径方向外側の空間とすることが考えられる。例えば、カバーと半導体モジュールとの間にある空間を利用して、巻線用端子をステータの巻線に接続するという具合である。このように半導体モジュールの径方向でステータの巻線との接続を行えば、軸方向の体格を抑えることに寄与する。
【0034】
ところで、モータの回転位置を検出する場合、請求項24に示すように、駆動装置が、シャフトの回転位置を検出する回転位置検出手段を備えていることとしてもよい。このとき、請求項25に示すように、回転位置検出手段を、シャフトのプリント基板側の端部に設けられたマグネットと、プリント基板上に実装され、マグネットの回転位置を検出する検出部とを含むものとして構成することが例示される。このようにすれば、比較的簡単に回転位置検出手段を構成することができる。
【0035】
また、半導体モジュールについては、請求項26に示すように、特定の半導体モジュールが、予めバスバーで連結されてモジュールユニットを構成するようにしてもよい。例えば、U相、V相、W相に対応する3つの半導体モジュールをバスバーで連結して、モジュールユニットを構成するという具合である。このようにすれば、機能単位にモジュール化されるため、構成が簡単になる。
【0036】
半導体モジュールの放熱を促進するヒートシンクは、請求項27に示すように、モータケースと同一部材で一体成形することが考えられる。もちろん、ヒートシンクは、モータケースと別部材で構成してもよい。
【0037】
より具体的なヒートシンクの形状に言及すると、例えば、請求項28に示すように、シャフトの中心線周りに径外方向へ向く側壁面を有しているヒートシンクが考えられる。具体的には、円柱形状、多角柱形状のヒートシンクが一例として挙げられる。
【0038】
このとき、請求項29に示すように、モータケースの端部から離間するに連れてシャフトの中心線に近づくように側壁面が傾斜している構成が考えられる。例えば、底面がモータケース側に位置する円錐台や角錐台をイメージされたい。このようにすれば、ヒートシンクを鋳造加工により形成する場合、当該加工が比較的容易になる。
【0039】
また、請求項30に示すように、モータケースの端部から離間するに連れてシャフトの中心線から離れるように側壁面が傾斜している構成が考えられる。例えば、底面に対向する面である頂面がモータケース側に位置する円錐台や角錐台をイメージされたい。このようにすれば、モータケースの端部に比較的大きなスペースを確保でき、例えばステータ等への配線の取り回しが容易になるという点で有利である。
【0040】
ところで、半導体モジュール及びコンデンサの各配置範囲が軸方向に重なることが本発明の特徴であるが、具体的には、請求項31に示すように、半導体モジュールとコンデンサとを、シャフトの中心線に垂直な方向に並べて配置することが考えられる。このようにすれば、軸方向におけるコンデンサの配置範囲が半導体モジュールの配置範囲に重なるようにコンデンサが配置される。
【0041】
このとき、半導体モジュールは、一例として、請求項32に示すように、半導体チップ面の垂線がシャフトの中心線に垂直となるよう配置することが考えられる。半導体モジュールは、半導体チップ面の方向に広い板状であるのが一般的である。このようにすれば、軸方向に傾斜させて半導体モジュールを配置する場合と比べ、径方向のスペース確保に一層寄与する。なお、半導体チップ面の垂線が軸線に垂直とは、厳密な意味で垂直でなくてもよく、僅かに傾斜するものも含む趣旨である。また、軸方向の体格を極力小さくするという観点からは、ある程度軸方向に傾斜させて半導体モジュールを配置する構成が好ましい。
【0042】
また、コンデンサの機能面から、請求項33に示すように、コンデンサを、半導体モジュールの近傍に配置することが好ましい。コンデンサが半導体モジュールの近傍に配置されることで、配線経路が短縮されると、例えばサージ電圧などのノイズ成分を抑制したり、また例えば半導体スイッチ素子等への電力供給を補助したりといった機能面でも優れることになる。
【0043】
ここでステアリングの取り回しをアシストする電動アシスト装置への適用を考えた場合、モータには大電流が流れることになる。そのため、上記コンデンサとしては、容量の大きなアルミ電解コンデンサを用いることが考えられる。この場合、コンデンサが円柱形状を呈することになるが、請求項34に示すように、その軸がシャフトの中心線と平行になるようコンデンサを配置してもよいし、あるいは、請求項35に示すように、その軸がシャフトの中心線に垂直になるようコンデンサを配置してもよい。
【0044】
ところで、シャフトの中心線周りに径外方向へ向く側壁面を有しているヒートシンクについて上述したが、側壁面は、径外方向へ向くものに限定されない。この場合も、請求項36に示すように、シャフトの中心線に対し側壁面が傾斜するように、ヒートシンクを構成することが考えられる。
【0045】
ヒートシンクにて放熱を図る場合、請求項37に示すように、半導体モジュールの放熱面がヒートシンクの側壁面に接触するように半導体モジュールを配置することが例示される。半導体モジュールが半導体チップ面の方向に広い板状であることは既に述べたが、この半導体チップ面に対向する面の一方は、金属が露出する放熱面となっているのが一般的である。したがって、この放熱面がヒートシンクの側壁面に接触するように半導体モジュールを配置すれば、より一層、半導体モジュールからの放熱を促進させることができる。
【0046】
ところで、ヒートシンクの形状については既にいくつか述べたが、請求項38に示すように、ヒートシンクは、中心線に垂直な断面における形状が直線形状の側壁面を少なくとも一部に有していることが例示される。例えば、軸方向に柱状に延びるヒートシンクの場合、その断面が多角形状(例えば、六角形状)になっているという具合である。この場合、請求項39に示すように、半導体モジュールを、その放熱面がヒートシンクの側壁面を構成する平面に接触するよう配置することが考えられる。このときは、請求項40に示すように、半導体モジュールの放熱面を、ヒートシンクの側壁面に合わせ平面とすることが望ましい。このように半導体モジュールとヒートシンクとの接触面を平面とすれば、半導体モジュール側の平面加工の容易性という観点から有利となる。
【0047】
半導体モジュールが有する半導体チップは機能単位で構成するとよい。例えば請求項41に示すように、半導体モジュールが、複数相の巻線のうち特定相の巻線に対応する半導体スイッチ素子を構成する半導体チップを有していることが好ましい。三相交流モータでは、インバータと呼ばれる駆動回路が、U相、V相、W相にそれぞれ対応する2つの半導体スイッチ素子を具備し、少なくとも合計6つの半導体スイッチ素子を備えている。したがって、例えば、半導体モジュールは、U相、V相、W相の各相に対応する2つの半導体スイッチ素子を構成する半導体チップを有することとすれば、機能単位にモジュール化されるため、構成が簡単になる。
【0048】
ところで、通常のアルミ電解コンデンサは有極性であり、極性を逆に接続するとアルミ電解コンデンサを損傷してしまう虞がある。そこで、請求項42に示すように、特定の半導体モジュールが、逆接保護のための半導体スイッチ素子を構成する半導体チップを有することとしてもよい。このようにすれば、電源の誤接続があった場合も、アルミ電解コンデンサ等の損傷を防止することができる。
【0049】
なお、電子回路が有する制御回路を半導体モジュールとは配置上独立させて構成してもよいことは、既に述べた。一方で、請求項43に示すように、特定の半導体モジュールが、半導体チップを制御する制御回路の少なくとも一部を有している構成とすることも考えられる。
【0050】
コンデンサの数については、請求項44に示すように、各半導体モジュールに対し一つずつコンデンサを配置することとしてもよい。複数の半導体モジュールに対し一つずつコンデンサを対応させれば、各コンデンサの容量を比較的小さくすることができ、コンデンサ自体の体格を抑えることができる。もちろん、コンデンサの数が、半導体モジュールの数より大きくなっていてもよい。例えば、6つの半導体モジュールに対し、8つのコンデンサを配置するという具合である。反対に、コンデンサの数が、半導体モジュールの数より小さくなっていてもよい。例えば、6つの半導体モジュールに対し、1つ、あるいは、2つ、4つのコンデンサを配置するという具合である。
【0051】
ところで、コンデンサの機能面からは、コンデンサと半導体モジュールとの間の配線は短いことが好ましい。この点、請求項45では、半導体モジュールがコンデンサ用の専用端子を有しており、コンデンサは、その端子が専用端子に直接接続されて配置されている。コンデンサが半導体モジュールの電源ラインとグランドとの間に配置されることは既に述べたが、これら電源ライン及びグランドから半導体モジュールの外部へ専用端子を突出させる。このようにすれば、コンデンサと半導体モジュールとの間の配線を極力短くすることができ、コンデンサの機能を十分に発揮させることができる。
【0052】
また、ヒートシンクの側壁面の断面を直線形状とすることは既に述べたが、請求項46に示すように、ヒートシンクは中心線に垂直な断面における形状が曲線形状の側壁面を少なくとも一部に有するものとしてもよい。例えば、軸方向に柱状に延びるヒートシンクの場合、その横断面が円形状になっているという具合である。この場合、請求項47に示すように、半導体モジュールを、その放熱面がヒートシンクの側壁面を構成する曲面に当接するよう配置することが考えられる。このときは、請求項48に示すように、半導体モジュールの放熱面を、ヒートシンクの側壁面に合わせ曲面とすることが望ましい。このように半導体モジュールとヒートシンクとの接触面を曲面とすれば、例えばヒートシンクを円柱形状に形成する等、ヒートシンクの加工を容易にする場合があり得る。
【0053】
また、側壁面が径外方向を向く構成について言及したが、請求項49に示すように、シャフトの中心線周りに径内方向へ向く側壁面を有しているヒートシンクが考えられる。具体的には、筒形状のヒートシンクが一例として挙げられる。この例では、ヒートシンクの外壁面がモータケースと共に外郭を構成し、内壁面が「側壁面」になっているという具合である。
【0054】
このような構成では、請求項50に示すように、モータケースの端部から離間するに連れてシャフトの中心線から離れるように側壁面が傾斜している構成が考えられる。このようにすれば、ヒートシンクを例えば鋳造加工により形成する場合、当該加工が比較的容易になる。
【0055】
半導体モジュールについては、請求項51に示すように、半導体モジュールを、モータケースの端部のうちシャフトの出力側とは反対側の端部に配置することが考えられる。一方、請求項52に示すように、半導体モジュールを、モータケースの端部のうちシャフトの出力側の端部に配置することが考えられる。いずれの場合にも、モータケースの端部に取り付けられる有底筒状のカバーで半導体モジュールが覆われる構成とすることが考えられる。
【0056】
なお、請求項53に示すように、半導体モジュールは、半導体チップを樹脂でモールドして構成することが例示される。また、請求項54に示すように、半導体モジュールは、半導体チップを基板に実装して構成することが例示される。さらにまた、請求項55に示すように、半導体モジュールは、樹脂でモールドされた半導体チップを基板に実装して構成することが例示される。
【0057】
半導体モジュールが基板を備える構成である場合、請求項56に示すように、基板を金属基板とすることが考えられる。このようにすれば、金属基板を介して放熱を行う構成とすることができ、樹脂基板に比べ、放熱の促進という点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】電動パワーステアリングの概略構成を示す説明図である。
【図2】第1実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図3】第1実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】第1実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図6】第1実施形態の電子回路内蔵型モータの分解斜視図である。
【図7】電子回路一体化への開発の流れを示す説明図である。
【図8】第2実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図9】第2実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図10】第2実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図11】第3実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図12】第3実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図13】第3実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図14】第4実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図15】第4実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図16】第4実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図17】第5実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図18】第5実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図19】第5実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図20】第6実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図21】第6実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図22】第6実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図23】第7実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図24】第7実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図25】第7実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図26】第8実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図27】第8実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図28】第8実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図29】第9実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図30】第9実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図31】第9実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図32】第10実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図33】第10実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図34】第10実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図35】第11実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図36】第11実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図37】第11実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図38】第12実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図39】第12実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図40】第12実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図41】図38のA−A線概略断面図である。
【図42】第13実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図43】第13実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図44】第13実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図45】第14実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図46】第14実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図47】第14実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図48】第15実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図49】第15実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図50】第15実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図51】第16実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図52】第16実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図53】第16実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図54】第17実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図55】第17実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図56】第17実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図57】第18実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図58】第18実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図59】第18実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図60】第19実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図61】第19実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図62】第19実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図63】第20実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図64】第20実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図65】第20実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図66】第21実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図67】第21実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図68】第21実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図69】第22実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図70】第22実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図71】図70のB−B線概略断面図である。
【図72】第22実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図73】第23実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図74】第23実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図75】図74のC−C線概略断面図である。
【図76】第23実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図77】第24実施形態の電子回路内蔵型モータの平面図である。
【図78】第24実施形態の電子回路内蔵型モータの側面図である。
【図79】図78のD−D線概略断面図である。
【図80】第24実施形態の電子回路内蔵型モータの斜視図である。
【図81】第25実施形態のパワーステアリング装置の構成を説明する概略構成図である。
【図82】第25実施形態の駆動装置の断面図である。
【図83】第25実施形態の駆動装置の平面図である。
【図84】カバーを取り外した状態の図83のIV方向矢視図である。
【図85】第25実施形態の駆動装置の分解斜視図である。
【図86】第25実施形態の駆動装置の分解斜視図である。
【図87】第25実施形態のコントローラの平面図である。
【図88】図87のVIII方向矢視図である。
【図89】図87のIX方向矢視図である。
【図90】図87のX方向矢視図である。
【図91】第25実施形態のコントローラの斜視図である。
【図92】第25実施形態のヒートシンクにパワーモジュールを組み付けた状態の平面図である。
【図93】図92のXIII方向矢視図である。
【図94】図92のXIV方向矢視図である。
【図95】第25実施形態のヒートシンクにパワーモジュールを組み付けた状態の斜視図である。
【図96】第25実施形態のパワーユニットの平面図である。
【図97】図96のXVII方向矢視図である。
【図98】第25実施形態のパワーユニットの斜視図である。
【図99】第26実施形態の駆動装置の分解斜視図である。
【図100】第26実施形態のヒートシンクにパワーモジュールを組み付けた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0059】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
最初に、電動パワーステアリング(以下「EPS」という)の電気的構成を、図1に基づいて説明する。ここで示す電気的構成は、以下の実施形態にも共通する。
【0060】
電子回路内蔵型モータ1は、モータ30、パワー部50、及び、制御部70を備えている。図1に示すように、電子回路内蔵型モータ1は、車両のステアリング91の回転軸たるコラム軸92に取り付けられたギア93を介しコラム軸92に回転トルクを発生させ、ステアリング91による操舵をアシストする。具体的には、ステアリング91が運転者によって操作されると、当該操作によってコラム軸92に生じる操舵トルクをトルクセンサ94によって検出し、また、車速情報をCAN(Controller Area Network)から取得して(不図示)、運転者のステアリング91による操舵をアシストする。もちろん、このような機構を利用すれば、制御手法によっては、操舵のアシストのみでなく、高速道路における車線キープ、駐車場における駐車スペースへの誘導など、ステアリング91の操作を自動制御することも可能である。
【0061】
モータ30は、上記ギア93を正逆回転させるブラシレスモータである。このモータ30へ電力供給を行うのがパワー部50である。パワー部50は、電源51からの電源ラインに介在するチョークコイル52、シャント抵抗53、及び、二組のインバータ60,68を有している。
【0062】
一方のインバータ60は、電界効果トランジスタの一種である7つのMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor )61、62、63、64、65、66、67で構成されている。これらMOSFET61〜67は、スイッチング素子である。具体的には、ゲートの電位により、ソース−ドレイン間がON(導通)またはOFF(遮断)される。なお、他方のインバータ68も、一方のインバータ60と同様の構成となっているため、以下、インバータ60についてのみ説明する。
【0063】
以下、MOSFET61〜67を、単に、FET61〜67と記述する。なお、シャント抵抗53に最も近いFET67は、逆接保護のためのものである。すなわち、このFET67は、電源の誤接続がなされた場合に、逆向きの電流が流れないようにする。
【0064】
ここで、残りの6つのFET61〜66の接続について説明しておく。
3つのFET61〜63のドレインが、電源ライン側に接続されている。また、FET61〜63のソースがそれぞれ、残り3つのFET64〜66のドレインに接続されている。さらにまた、これらのFET64〜66のソースがグランドに接続されている。また、6つのFET61〜66のゲートは、後述するプリドライバ71の6つの出力端子に接続されている。そして、図1中で上下ペアとなるFET61〜66同士の接続点がそれぞれ、モータ30のU相コイル、V相コイル、W相コイルに接続されている。
【0065】
なお、FET61〜66を区別する必要があるときは、図1中の記号を用い、FET(Su+)61、FET(Sv+)62、FET(Sw+)63、FET(Su−)64、FET(Sv−)65、FET(Sw−)66と記述する。
【0066】
また、FET(Su+)61の電源ラインとFET(Su−)64のグランドとの間には、アルミ電解コンデンサ54が並列に接続されている。同様に、FET(Sv+)62の電源ラインとFET(Sv−)65のグランドとの間にはアルミ電解コンデンサ55が並列に接続されており、FET(Sw+)63の電源ラインとFET(Sw−)66のグランドとの間にはアルミ電解コンデンサ56が並列に接続されている。以下、「アルミ電解コンデンサ」を単に「コンデンサ」と記述する。
【0067】
制御部70は、上記プリドライバ71、カスタムIC72、位置センサ73、及び、マイコン74を備えている。カスタムIC72は、機能ブロックとして、レギュレータ部75、位置センサ信号増幅部76、及び、検出電圧増幅部77を含む。
【0068】
レギュレータ部75は、電源を安定化する安定化回路である。このレギュレータ部75は、各部へ供給される電源の安定化を行う。例えばマイコン74は、このレギュレータ部75により、安定した所定電源電圧(例えば5V)で動作することになる。
【0069】
位置センサ信号増幅部76には、位置センサ73からの信号が入力される。位置センサ73は、後述するように、モータ30の回転位置信号を出力する。位置センサ信号増幅部76は、この回転位置信号を増幅してマイコン74へ出力する。
検出電圧増幅部77は、パワー部50に設けられたシャント抵抗53の両端電圧を検出し、当該両端電圧を増幅してマイコン74へ出力する。
【0070】
したがって、マイコン74には、モータ30の回転位置信号、及び、シャント抵抗53の両端電圧が入力される。また、マイコン74には、コラム軸92に取り付けられたトルクセンサ94から操舵トルク信号が入力される。さらにまた、マイコン74には、CANを経由して車速情報が入力される。
【0071】
これにより、マイコン74は、操舵トルク信号及び車速情報が入力されるとステアリング91による操舵を車速に応じてアシストするように、回転位置信号に合わせ、プリドライバ71を介し、インバータ60を制御する。インバータ60の制御は、具体的には、プリドライバ71を介したFET61〜66のON/OFFによって行う。つまり、6つのFET61〜66のゲートはプリドライバ71の6つの出力端子に接続されているため、プリドライバ71により、ゲート電位が変化させられる。
【0072】
また、マイコン74は、検出電圧増幅部77から入力されるシャント抵抗53の両端電圧に基づき、モータ30へ供給する電流を正弦波に近づけるべくインバータ60を制御する。
【0073】
このようなインバータ60の制御に際し、チョークコイル52は、電源51によるノイズを低減する。また、コンデンサ54〜56は、電荷を蓄えることで、FET61〜66への電力供給を補助したり、サージ電圧などのノイズ成分を抑制したりする。なお、逆接保護用のFET67が設けられているため、電源の誤接続があっても、コンデンサ54〜56が損傷することはない。
【0074】
ところで、このようにモータ30の駆動制御のためにはパワー部50及び制御部70が必要となる。これらのパワー部50及び制御部70が、いわゆるコントロールユニット(ECU)として構成されるのであるが、電子回路内蔵型モータ1は、このECUの内蔵構成に特徴を有する。
【0075】
なお、EPSに用いられるモータ30の出力は200W〜500W程度であり、電子回路内蔵型モータ1全体に占めるパワー部50及び制御部70の領域は、20〜40%程度となる。また、モータ30の出力が大きいため、パワー部50が大型化する傾向にあり、パワー部50及び制御部70の占める領域のうちの70%以上がパワー部50の占める領域となる。
【0076】
パワー部50を構成する部品で大きなものは、チョークコイル52、コンデンサ54〜56、そして、FET61〜67である。FET61〜67は、半導体モジュールとして構成される。
【0077】
本形態では、FET(Su+)61、及び、FET(Su−)64が半導体チップとして構成されており、当該半導体チップが樹脂モールドされて一つの半導体モジュールとなっている。
【0078】
また、FET(Sv+)62、及び、FET(Sv−)65が半導体チップとして構成されており、当該半導体チップが樹脂モールドされて一つの半導体モジュールとなっている。
【0079】
さらにまた、FET(Sw+)63、及び、FET(Sw−)66が半導体チップとして構成されており、当該半導体チップが樹脂モールドされて一つの半導体モジュールとなっている。
【0080】
なお、逆接保護用のFET67については後述する。
つまり、図1のインバータ60は、3つの半導体モジュールで構成される。本形態では、図1に示すように、計二組のインバータ60,68を備えている。これにより、一つのインバータ60,68に流れる電流を半分に減らしている。このように二組のインバータ60,68を備えることから、本形態では、6つの半導体モジュール、及び、6つのコンデンサを有することとなる。
【0081】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ1の構造について説明する。図2は電子回路内蔵型モータ1の平面図であり、図3は図2の矢印K方向に見た側面図であり、図4は図3のIV−IV線断面図であり、図5は斜視図であり、図6は分解斜視図である。
【0082】
最初に、図4に基づいて、電子回路内蔵型モータ1の可動部分の構造を説明しておく。
電子回路内蔵型モータ1は、その外郭として、円筒状のモータケース101と、モータケース101に対し出力端側に螺着されるフレームエンド102と、電子回路部分を覆う有底円筒状のカバー103とを備えている。
【0083】
ここでモータ30は、モータケース101と、モータケース101の径方向内側に配置されたステータ201と、ステータ201の径方向内側に配置されたロータ301と、ロータ301と共に回転するシャフト401とを有している。
【0084】
ステータ201は、モータケース101の径内方向に突出する12個の突極202を有している。この突極202は、モータケース101の周方向に所定間隔で設けられている。突極202は、磁性材料の薄板を積層してなる積層鉄心203と、積層鉄心203の軸方向外側に嵌合するインシュレータ204とを有している。このインシュレータ204には、巻線205が巻回されている。巻線205へ電流を供給するための取出線206は、巻線205の6箇所から引き出されている。巻線205は、取出線206への電流供給の態様によって、U相、V相、及び、W相の三相巻線として機能する。この意味で、巻線205が、U相、V相、及び、W相の三相巻線を構成している。取出線206は、モータケース101の軸方向端部に設けられた6つの穴から電子回路側へ引き出されている。
【0085】
ロータ301は、例えば鉄等の磁性体から筒状に形成されている。ロータ301は、ロータコア302と、当該ロータコア302の径方向外側に設けられた永久磁石303とを有している。永久磁石303は、N極とS極とを周方向に交互に有している。
【0086】
シャフト401は、ロータコア302の軸中心に形成された軸穴304に固定されている。また、シャフト401は、モータケース101の軸受け104と、フレームエンド102に設けられた軸受け105とによって、回転可能に軸支されている。これにより、シャフト401は、ステータ201に対し、ロータ301と共に回転可能となっている。なお、軸受け104が設けられる部分は、電子回路(駆動制御部)とモータ(可動部)との境界であり、以下では、この境界壁部分を、モータケース101の端部106と称する。さらにまた、シャフト401は、端部106から電子回路側へ延び、電子回路側の先端に、回転位置を検出するためのマグネット402を有している。シャフト401の電子回路側の先端付近には、樹脂製のプリント基板801が配置される。このプリント基板801は、その中央に、位置センサ73(図4中には不図示、図1参照)を有している。これにより、マグネット402の回転位置、すなわちシャフト401の回転位置が、位置センサ73によって検出される。
【0087】
次に、図2〜図6を参照しつつ、電子回路の構造を説明する。なお、図2、図3及び図5では、カバー103及びプリント基板801を省略して示している。また、ここでは、最初にパワー部50の構成について説明し、次に、制御部70の構成について説明する。
【0088】
パワー部50のインバータ60を構成する7つのFET61〜67(図1参照)が3つの半導体モジュールとして構成されることは既に述べた。そして、本形態の電子回路内蔵型モータ1は、インバータ60を二組備えているため、6つの半導体モジュールを備えていることも既に述べた通りである。
【0089】
すなわち、図2に示すように、電子回路内蔵型モータ1は、6つの半導体モジュール501、502、503、504、505、506を備えている。これら半導体モジュール501〜506を区別する場合、図2中の記号を用い、U1半導体モジュール501、V1半導体モジュール502、W1半導体モジュール503、U2半導体モジュール504、V2半導体モジュール505、W2半導体モジュール506と記述することとする。
【0090】
図1との対応関係について言及すれば、U1半導体モジュール501が、U相に対応するFET61、64を有している。また、V1半導体モジュール502が、V相に対応するFET62、65を有している。さらにまた、W1半導体モジュールが、W相に対応するFET63、66及び逆接保護用のFET67を有している。同様に、U2半導体モジュール504がU相に対応するFET61、64及び逆接保護用のFET67を有し、V2半導体モジュール505がV相に対応するFET62、65を有し、W2半導体モジュール506がW相に対応するFET63、66を有している。すなわち、U1、V1、W1の3つの半導体モジュール501〜503によって一組のインバータ60が構成されており、U2、V2、W2の3つの半導体モジュール504〜506によってもう一組のインバータ60が構成されている。
【0091】
これらインバータ60を構成するU1〜W1の3つの半導体モジュール501〜503、及び、U2〜W2の3つの半導体モジュール504〜506は、バスバー507で連結されてモジュールユニットを形成している。バスバー507は、連結機能を有すると共に、モータケース101に対し遠い側のバスバー507aがグランドを兼ね、モータケース101に近い側のバスバー507bが電源ラインを兼ねる(図5参照)。すなわち、バスバー507を経由して半導体モジュール501〜506へ電力が供給される。
【0092】
なお、図2〜図6は、半導体モジュール501〜506等の組み付け構造を示すものであり、電力供給構造については図示していない。この点、実際には、カバー103にコネクタが取り付けられ、そのコネクタを経由してバスバー507へ電力が供給される。
【0093】
次に、半導体モジュール501〜506の配置について説明する。
半導体モジュール501〜506は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク601に対し取り付けられている。
【0094】
そこでヒートシンク601について説明しておく。
ヒートシンク601は、図2に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が略台形状の2つの柱状部材がシャフト401の中心線を挟むよう並べられ、さらに、中心に円柱形状の空間が形成されるように所定半径部分を切り欠いた形状となっている。言い換えれば、ヒートシンク601は、全体として見ると、厚肉の軸方向視八角形状の筒形状とも言える。もちろん、八角形状には限定されず、例えば軸方向視六角形状としてもよい。ヒートシンク601は軸方向断面視略台形状の柱状部材を構成する側壁602を有し、この側壁602には、不連続部分を構成する切り欠き部603、604が設けられている。ここで、ヒートシンク601は、モータケース101と一体成形されている。
【0095】
また、ヒートシンク601の側壁602は、径外方向へ向く側面のうち切り欠き部603、604に隣接する側面よりも幅広に形成された側壁面605を有している。側壁面605は、円周方向に計6つ形成されている。各側壁面605の径内方向には、中心の円柱形状の空間に開口する収容部606が形成されている。この収容部606は、コンデンサの外形に合わせた円弧面を有している。また、収容部606は、側壁面605に対応する位置に形成されている。ヒートシンク601において、収容部606が形成された部位は薄肉となっているが、収容部606からモータケース101の端部106までの間は、収容部606が設けられていない部分と同様に肉厚の厚肉部107となっている(図4参照)。
【0096】
以上のように形成されたヒートシンク601に対し、半導体モジュール501〜506は、径外方向を向く側壁面605に一つずつ配置されている。半導体モジュール501〜506は、モールドされた半導体チップの面の方向に広がる板状であり、相対的に面積の大きな面の一方が放熱面となっている(以下の形態でも同様)。例えば、放熱面には、銅などの金属が露出しているという具合である。半導体モジュール501〜506は、その放熱面が側壁面605に接触するように配置されている。このとき、側壁面605は平面で構成されており、これに合わせて、半導体モジュール501〜506の放熱面も平面となっている。なお、半導体モジュール501〜506の放熱面とヒートシンク601の側壁面605との間に絶縁シートを介在させる構成であってもよい。この点については、以下の形態でも同様である。
【0097】
半導体モジュール501〜506は、上述のごとくヒートシンク601の側壁面605に配置されることで、半導体チップ面の垂線がシャフト401の中心線に垂直となっている(図5参照)。すなわち、本形態において半導体モジュール501〜506は、縦配置されている。
【0098】
半導体モジュール501〜506は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している(図3等参照)。この巻線用端子508は、径方向外側へ折り曲げられて形成されている。巻線205へ電流を供給するための取出線206がモータケース101の端部106に設けられた6つの穴から電子回路側へ引き出されていることは上述したが、この取出線206は、半導体モジュール501〜506の径方向外側の空間に引き出されている。これにより、取出線206と巻線用端子508とは、半導体モジュール501〜506の径方向外側の空間において、取出線206が巻線用端子508に挟持されるようにして、電気的に接続されている。
【0099】
また、半導体モジュール501〜506は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している。制御用端子509は、プリント基板801(図4参照)のスルーホールに挿通した状態で半田付けされる。これにより、半導体モジュール501〜506が、制御部70(図1参照)に電気的に接続される。一方、コンデンサ用端子510はそれぞれ、半導体モジュール501〜506の内部で電源ライン及びグランドから分岐している。そして、いずれのコンデンサ用端子510も、径内方向へ折り曲げられている。このようにプリント基板801は、ヒートシンク601の先端部とカバー103との間にできる離間スペースに配置される。
【0100】
図2等に示すように、半導体モジュール501〜506に対し、ヒートシンク601と同じ側に、つまり径方向内側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。これらコンデンサ701〜706を区別するため、図2中の記号を用い、U1コンデンサ701、V1コンデンサ702、W1コンデンサ703、U2コンデンサ704、V2コンデンサ705、W2コンデンサ706と記述する。
【0101】
図1との対応関係について言及すれば、U1コンデンサ701がコンデンサ54に対応する。また、V1コンデンサ702がコンデンサ55に対応する。さらにまた、W1コンデンサ703がコンデンサ56に対応する。同様に、U2コンデンサ704がコンデンサ54に対応し、V2コンデンサ705がコンデンサ55に対応し、W2コンデンサ706がコンデンサ56に対応する。
【0102】
コンデンサ701〜706は、ヒートシンク601の収容部606に収容されて半導体モジュール501〜506に対して一つずつ、半導体モジュール501〜506の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている(図5参照)。また、半導体モジュール501〜506の有するコンデンサ用端子510が径内方向へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている。
【0103】
また、シャフト401が電子回路側へ延びていることは既に述べたが、図4等に示すように、このシャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている。チョークコイル52は、ヒートシンク601の中心に形成された円柱形状の空間に配置されている。チョークコイル52はドーナツ状の鉄心にコイル線が巻回されてなり、コイル端は、ヒートシンク601の一方の切り欠き部603を通って、径外方向へ引き出されている(図2参照)。
【0104】
なお、チョークコイル52のコイル端は電源ラインに介在するように接続されるが(図1参照)、図2〜図6は、チョークコイル52に対する電力供給構造については、図示していない。
【0105】
このように、径方向外側から径方向内側へ向かって、巻線用端子508と取出線206との接続部、半導体モジュール501〜506、ヒートシンク601、コンデンサ701〜706、チョークコイル52の順で配置され、径方向の空間が有効に活用されている。
次に、制御部70について説明する。制御部70は、図4等に示すプリント基板801上に形成される。すなわち、プリント基板801には、エッチング処理等により配線パターンが形成され、ここに制御部70を構成するICなどが実装される(IC等の部品は不図示)。
【0106】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ1が発揮する効果について説明する。なお、以下では種々の効果を羅列するため、項番をつけて記載する。
(1)本形態の電子回路内蔵型モータ1では、半導体モジュール501〜506がシャフト401の中心線方向に配置されている。これにより、径方向の体格を小さくすることができる。また、半導体モジュール501〜506を縦配置とし、ヒートシンク601の側壁面605に接触させて配置した。さらにまた、ヒートシンク601に収容部606を設け、径方向に6つのコンデンサ701〜706を配置した。すなわち、6つの半導体モジュール501〜506の径内方向にヒートシンク601及びコンデンサ701〜706を配置した。これによって、従来の構成と異なり、軸方向の体格をも小さくすることができる。その結果、電子回路内蔵型モータ1の体格を可及的に小さくすることができる。
【0107】
EPSに用いられるモータは、図7に示すように発展してきている。すなわち、モータとECUとが別体である「機電別体」の当初の構成から、配線等の取り回しをなくした「機電合体」が主流となっている。しかし、この「機電合体」は、ECUが直方体形状のケースに入れられており、モータケースの外側にECUを装着した形式であった。これをなるべくモータシルエット内に収めるという思想が「機電一体」の思想であるが、この場合、軸方向の体格が大きくなってしまうという問題があった。この点、本形態の電子回路内蔵型モータ1では、半導体モジュール501〜506を縦配置とするだけでなく、これによって確保されるスペースを利用することにより、コンデンサ701〜706との配置関係を工夫している。つまり、本形態の電子回路内蔵型モータ1は、各部品の配置関係の連関をその思想とする点において、「機電一体」を超える「機電融合」と言い得る。
【0108】
(2)また、本形態の電子回路内蔵型モータ1では、半導体モジュール501〜506の半導体チップ面の垂線がシャフト401の中心線に垂直となっている。これにより、径方向のスペース確保に一層寄与する。
【0109】
(3)さらにまた、本形態の電子回路内蔵型モータ1では、コンデンサ701〜706が半導体モジュール501〜506の近傍に配置されている。しかも、半導体モジュール501〜506がコンデンサ用の専用端子であるコンデンサ用端子510を有しており、コンデンサ701〜706は、その端子がコンデンサ用端子510に、基板を介することなく直接接続されている。これにより、基板を介して半導体モジュール501〜506とコンデンサ701〜706とを接続する場合と比較して、半導体モジュール501〜506とコンデンサ701〜706との配線を極力短くすることができ、コンデンサ701〜706の機能を十分に発揮させることができる。また、各半導体モジュール501〜506に対し一つずつコンデンサ701〜706を配置する構成であるため、各コンデンサ701〜706の容量を比較的小さくすることができ、コンデンサ701〜706自体の体格を抑えることができる。
【0110】
(4)また、本形態の電子回路内蔵型モータ1では、シャフト401の中心線方向と同方向へモータケース101の端部106から延設されたヒートシンク601を有している。半導体モジュール501〜506は、このヒートシンク601の側壁602に配置される。これにより、半導体モジュール501〜506からの放熱が促進され、モータ30に大電流が流れるような電動アシスト装置へも容易に適用することができる。
【0111】
(5)さらにまた、本形態の電子回路内蔵型モータ1では、半導体モジュール501〜506に対しヒートシンク601と同じ側にコンデンサ701〜706が配置されている。具体的には、ヒートシンク601に形成された収容部606にコンデンサ701〜706が収容されている。これにより、半導体モジュール501〜506の径外方向にスペースが確保できる。結果として、配線の取り回しなどが容易になる。
【0112】
(6)また、本形態の電子回路内蔵型モータ1では、半導体モジュール501〜506の放熱面がヒートシンク601の側壁面605に接触するように配置されている。これにより、半導体モジュール501〜506からの放熱を一層促進させることができる。
(7)また、側壁面605が平面であるため、半導体モジュール501〜506の放熱面も平面となっている。この点、半導体モジュール501〜506側の平面加工の容易性という観点から有利である。
【0113】
(8)さらにまた、本形態の電子回路内蔵型モータ1では、ヒートシンク601が、シャフト401の中心線の周りに側壁602を有している。そして、チョークコイル52が、側壁602の径方向内側に配置されている。これにより、体格の比較的大きなチョークコイル52を使用する場合でも、電子回路内蔵型モータ1の体格を可及的に小さくすることができる。
(9)また、側壁602には、不連続部分を構成する2つの切り欠き部603、604が設けられている。そして、一方の切り欠き部603を利用して、チョークコイル52のコイル端が径外方向へ取り出される。これにより、チョークコイル52の配線の取り回しが容易になっている。
【0114】
(10)また、本形態の電子回路内蔵型モータ1では、半導体モジュール501〜506とプリント基板801とが軸方向に並べて配置されている。半導体モジュール501〜506は制御用端子509を備えており、これらの制御用端子509がプリント基板801に半田付けされる。これにより、制御部70が半導体モジュール501〜506から配置上独立する構成であっても、電気的な接続は制御用端子509によって行えるため、構成が複雑になることがない。
【0115】
(11)さらにまた、本形態の電子回路内蔵型モータ1では、半導体モジュール501〜506がプリント基板801とは反対側の他端側に巻線用端子508を有している。そして、巻線用端子508が、取出線206に電気的に接続される。これにより、ステータ201の巻線205への電気的な接続を比較的容易に実現できる。
【0116】
(12)また、本形態の電子回路内蔵型モータ1では、シャフト401の先端にマグネット402が設けられており、このマグネット402の回転位置をプリント基板801上の位置センサ73が検出することでシャフト401の回転位置が検出される。これにより、比較的簡単にモータ30の回転位置検出を行うことができる。
【0117】
(13)また、本形態の電子回路内蔵型モータ1では、W1及びU2の半導体モジュール503、504が逆接保護用のFET67を有している。これにより、電源の誤接続があった場合でも、コンデンサ701〜706の損傷を防止することができる。
【0118】
(14)さらにまた、本形態の電子回路内蔵型モータ1では、U相、V相、W相の三相のそれぞれに半導体モジュール501〜506が対応している。具体的に、U相に対してはU1及びU2の半導体モジュール501、504が対応し、V相に対してはV1及びV2の半導体モジュール502、505が対応し、W相に対してはW1及びW2の半導体モジュール503、506が対応している。さらに、U1〜W1の半導体モジュール501〜503及びU2〜W2の半導体モジュール504〜506がそれぞれ、バスバー507で連結されてモジュールユニットを構成している。このように半導体モジュール501〜506が機能単位でモジュール化されているため、インバータ60の構成が簡単になる。
【0119】
なお、本形態の電子回路内蔵型モータ1が[特許請求の範囲]の「駆動装置」を構成すし、モータ30が「モータ」を構成し、パワー部50及び制御部70が「電子回路」を構成する。ここで制御部70が「制御回路」を構成する。また、モータケース101が「モータケース」を構成し、ステータ201が「ステータ」を構成し、ロータ301が「ロータ」を構成し、シャフト401が「シャフト」を構成し、カバー103が「カバー」を構成し、チョークコイル52が「チョークコイル」を構成する。さらにまた、コンデンサ用端子510が「コンデンサ用の専用端子」を構成し、制御用端子509が「制御用端子」を構成し、巻線用端子508が「巻線用端子」を構成する。また、マグネット402が「マグネット」を構成し、位置センサ73が「検出部」を構成し、マグネット402及び位置センサ73が「回転位置検出手段」を構成する。また、FET61〜67が「半導体スイッチ素子」を構成し、FET67が特に「逆接保護のための半導体スイッチ素子」を構成する。これらの対応関係は、以下の形態でも同様である。
【0120】
本形態では、特に、半導体モジュール501〜506が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク601が「ヒートシンク」を構成し、側壁602が「側壁」を構成し、側壁面605が「側壁面」を構成し、切り欠き部603、604が「切り欠き部」を構成し、収容部606が「収容部」を構成する。
【0121】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の電子回路内蔵型モータ2について説明する。なお、上述したように電気的な構成は、上記形態と同様である。また、図4を用いて説明したモータ30の構成も上記形態と同様である。したがって、以下では、パワー部50の構成を中心に説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0122】
図8は電子回路内蔵型モータ2の平面図であり、図9は図8の矢印K方向に見た側面図であり、図10は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0123】
図8に示すように、電子回路内蔵型モータ2は、6つの半導体モジュール501、502、503、504、505、506を備えている。これら半導体モジュール501〜506を区別する場合、図8中の記号を用い、U1半導体モジュール501、V1半導体モジュール502、W1半導体モジュール503、U2半導体モジュール504、V2半導体モジュール505、W2半導体モジュール506と記述することとする。
【0124】
ここで、U1〜W1の3つの半導体モジュール501〜503、及び、U2〜W2の3つの半導体モジュール504〜506は、バスバー507で連結されてモジュールユニットを形成している。バスバー507が連結機能を有すると共に電源ラインを兼ねることは、上記形態と同様である。
【0125】
次に、半導体モジュール501〜506の配置について説明する。
半導体モジュール501〜506は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク611に対し取り付けられている。
【0126】
そこでヒートシンク611について説明しておく。
ヒートシンク611は、図8に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が円筒形状であり、内部には、角柱形状の空間が形成されている。言い換えれば、ヒートシンク611は、シャフト401の中心線の周りに側壁612を有している。この場合、ヒートシンク611の外壁面が、電子回路内蔵型モータ2の外郭の一部を形成している(図9、図10参照)。すなわち、ステータ201が収容された部位のモータケース103の外径とヒートシンク611の外径とが同一になっている。
【0127】
また、ヒートシンク611の側壁612は、径内方向へ向く側壁面615を有している。側壁面615は、円周方向に計6つ形成されている。
【0128】
以上のように形成されたヒートシンク611に対し、半導体モジュール501〜506は、径内方向を向く側壁面615に一つずつ配置されている。ここで、半導体モジュール501〜506は、その放熱面が側壁面615に接触するように配置されている。このとき、側壁面615は平面で構成されており、これに合わせて、半導体モジュール501〜506の放熱面も平面となっている。
【0129】
半導体モジュール501〜506は、上述のごとくヒートシンク611の側壁面615に配置されることで、ちょうど半導体チップ面の垂線がシャフト401の中心線に垂直となっている(図10参照)。
【0130】
半導体モジュール501〜506は、モータケース101側の端部に、巻線用端子(不図示)を有している。また、半導体モジュール501〜506は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している(図9、図10参照)。これらの点については、上記形態と同様である。
【0131】
図8等に示すように、半導体モジュール501〜506に対し、ヒートシンク611の反対側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。
【0132】
コンデンサ701〜706は、半導体モジュール501〜506に対して一つずつ、半導体モジュール501〜506の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている。また、半導体モジュール501〜506の有するコンデンサ用端子510が径内方向へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている。
【0133】
また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている(図10参照)。チョークコイル52はドーナツ状の鉄心にコイル線が巻回されてなる。
【0134】
このように、径方向外側から径方向内側へ向かって、ヒートシンク611及び、半導体モジュール501〜506、コンデンサ701〜706、チョークコイル52が順に配置されている。これにより、径方向の空間が有効に活用されている。
【0135】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ2が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ2によっても、上記形態で説明した効果(1)〜(4)、(6)〜(8)、(10)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0136】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ2では、半導体モジュール501〜506に対しヒートシンク611の反対側にコンデンサ701〜706が配置されている。これにより、コンデンサ701〜706用のスペースをヒートシンク611に形成する必要がない。
【0137】
なお、本形態では特に、半導体モジュール501〜506が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク611が「ヒートシンク」を構成し、側壁612が「側壁」を構成し、側壁面615が「側壁面」を構成する。
【0138】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態の電子回路内蔵型モータ3について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心に説明する。また、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0139】
図11は電子回路内蔵型モータ3の平面図であり、図12は図11の矢印K方向に見た側面図であり、図13は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0140】
図11に示すように、電子回路内蔵型モータ3は、6つの半導体モジュール511、512、513、514、515、516を備えている。これら半導体モジュール511〜516を区別する場合、図11中の記号を用い、U1半導体モジュール511、V1半導体モジュール512、W1半導体モジュール513、U2半導体モジュール514、V2半導体モジュール515、W2半導体モジュール516と記述することとする。
【0141】
U1〜W1の3つの半導体モジュール511〜513、及び、U2〜W2の3つの半導体モジュール514〜516は、バスバー507で連結されてモジュールユニットを形成している。バスバー507が連結機能を有すると共に電源ラインを兼ねることは、上記形態と同様である。
【0142】
次に、半導体モジュール511〜516の配置について説明する。
半導体モジュール511〜516は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク621に対し取り付けられている。
【0143】
そこでヒートシンク621について説明しておく。
ヒートシンク621は、図11に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が略半円形状の2つの柱状部材がシャフト401の中心線を挟むよう並べられ、さらに、中心に円柱形状の空間が形成されるように所定半径部分を切り欠いた形状となっている。言い換えれば、ヒートシンク621は、全体として見ると、肉厚の円筒形状とも言え、シャフト401の中心線の周りに側壁622を有している。側壁622には、不連続部分を構成する2つの切り欠き部623、624が設けられている。
【0144】
また、ヒートシンク621の側壁622は、径外方向へ向く側壁面625を有している。側壁面625は、円柱外周面である。側壁面625の径内方向には、中心の円柱形状の空間に開口する収容部626が形成されている。
【0145】
以上のように形成されたヒートシンク621に対し、半導体モジュール511〜516は、径外方向を向く側壁面625に配置されている。ここで、半導体モジュール511〜516は、その放熱面が側壁面625に接触するように配置されている。このとき、側壁面625は円柱外周面であり、凸曲面で構成されている。これに合わせて、半導体モジュール511〜516の放熱面は凹曲面となっている。
【0146】
また、半導体モジュール511〜516は、上述のごとくヒートシンク621の側壁面625に配置されることで、ちょうど半導体チップ面の垂線がシャフト401の中心線に垂直となっている。
【0147】
さらにまた、半導体モジュール511〜516は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している。また、半導体モジュール511〜516は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している(図12、図13参照)。これらの点については、上記形態と同様である。
【0148】
図11等に示すように、半導体モジュール511〜516に対し、ヒートシンク621と同じ側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。具体的には、ヒートシンク621の収容部626に配置されている。
【0149】
コンデンサ701〜706は、半導体モジュール511〜516に対して一つずつ、半導体モジュール511〜516の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている。また、半導体モジュール511〜516の有するコンデンサ用端子510が径内方向へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている。
【0150】
また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている(図13参照)。チョークコイル52はドーナツ状の鉄心にコイル線が巻回されてなる。チョークコイル52のコイル端は、ヒートシンク621の一方の切り欠き部623から径外方向へ引き出されている(図11参照)。
【0151】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ3が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ3によっても、上記形態の効果(1)〜(6)、(8)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0152】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ3では、ヒートシンク621の側壁面625が円柱外周面となっており、ヒートシンク621自体が略円筒状となっている。これにより、ヒートシンク621の形成が容易になる。
【0153】
なお、本形態では、半導体モジュール511〜516が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク621が「ヒートシンク」を構成し、側壁622が「側壁」を構成し、側壁面625が「側壁面」を構成し、切り欠き部623、624が「切り欠き部」を構成し、収容部626が「収容部」を構成する。
【0154】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態の電子回路内蔵型モータ4について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心に説明する。また、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0155】
図14は電子回路内蔵型モータ4の平面図であり、図15は図14の矢印K方向に見た側面図であり、図16は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0156】
図14に示すように、電子回路内蔵型モータ4は、6つの半導体モジュール521、522、523、524、525、526を備えている。これら半導体モジュール521〜526を区別する場合、図14中の記号を用い、U1半導体モジュール521、V1半導体モジュール522、W1半導体モジュール523、U2半導体モジュール524、V2半導体モジュール525、W2半導体モジュール526と記述することとする。
【0157】
U1〜W1の3つの半導体モジュール521〜523、及び、U2〜W2の3つの半導体モジュール524〜526は、バスバー507で連結されてモジュールユニットを形成している。バスバー507が連結機能を有すると共に電源ラインを兼ねることは、上記形態と同様である。
【0158】
次に、半導体モジュール521〜526の配置について説明する。
半導体モジュール521〜526は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク631に対し取り付けられている。
【0159】
そこでヒートシンク631について説明しておく。
ヒートシンク631は、図14に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が円筒形状であり、内部には、円柱形状の空間が形成されている。言い換えれば、ヒートシンク631は、シャフト401の中心線の周りに側壁632を有している。この場合、ヒートシンク631の外壁面が、電子回路内蔵型モータ4の外郭の一部を形成している(図15、図16参照)。
【0160】
また、ヒートシンク631の側壁632は、径内方向へ向く側壁面635を有している。側壁面635は、円筒内周面である。
【0161】
以上のように形成されたヒートシンク631に対し、半導体モジュール521〜526は、径内方向を向く側壁面635に配置されている。半導体モジュール521〜526は、その放熱面が側壁面635に接触するように配置されている。このとき、側壁面635が凹曲面であるため、これに合わせて、半導体モジュール521〜526の放熱面は凸曲面となっている。
【0162】
半導体モジュール521〜526は、上述のごとくヒートシンク631の側壁面635に配置されることで、ちょうど半導体チップ面の垂線がシャフト401の中心線に垂直となっている。
【0163】
半導体モジュール521〜526は、モータケース101側の端部に、巻線用端子(不図示)を有している。また、半導体モジュール521〜526は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している(図15、図16参照)。これらの点については、上記形態と同様である。
【0164】
図14等に示すように、半導体モジュール521〜526に対し、ヒートシンク631の反対側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。
【0165】
コンデンサ701〜706は、半導体モジュール521〜526に対して一つずつ、半導体モジュール521〜526の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている。また、半導体モジュール521〜526の有するコンデンサ用端子510が径内方向へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている。
【0166】
また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている(図16参照)。チョークコイル52はドーナツ状の鉄心にコイル線が巻回されてなる。
【0167】
本形態の電子回路内蔵型モータ4によっても、上記形態の効果(1)〜(4)、(6)、(8)、(10)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0168】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ4では、半導体モジュール521〜526に対しヒートシンク631の反対側にコンデンサ701〜706が配置されている。これにより、コンデンサ701〜706用のスペースをヒートシンク631に形成する必要がない。
また、電子回路内蔵型モータ4では、ヒートシンク631の側壁面635が円筒内周面となっており、ヒートシンク631自体が円筒状となっている。これにより、ヒートシンク631の形成が容易になる。
【0169】
なお、本形態では特に、半導体モジュール521〜526が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク631が「ヒートシンク」を構成し、側壁632が「側壁」を構成し、側壁面635が「側壁面」を構成する。
【0170】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態の電子回路内蔵型モータ5について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。また、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0171】
図17は電子回路内蔵型モータ5の平面図であり、図18は図17の矢印K方向に見た側面図であり、図19は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0172】
図17に示すように、電子回路内蔵型モータ5は、6つの半導体モジュール531、532、533、534、535、536を備えている。
半導体モジュール531〜536は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク641に対し取り付けられている。
【0173】
そこでヒートシンク641について説明しておく。
ヒートシンク641は、図17に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が略台形状の2つの柱状部材がシャフト401の中心線を挟むよう並べられ、さらに、中心に円柱形状の空間が形成されるように所定半径部分を切り欠いた形状となっている。このとき、上記形態のヒートシンク601(図2参照)との違いは、径方向外側の壁面がモータケース101から離れるに従ってシャフト401の中心線へ近づくように傾斜していることである。言い換えれば、ヒートシンク641は、全体として見ると、底面がモータケース101側に位置する角錐台のような形状である。ヒートシンク641は、シャフト401の中心線の周りに側壁642を有している。側壁642には、不連続部分を構成する2つの切り欠き部643、644が設けられている。
【0174】
また、ヒートシンク641の側壁642は、径外方向へ向く6つの側壁面645を有している。側壁面645は、平面であって傾斜している。各側壁面645の径内方向には、中心の円柱形状の空間に開口する収容部646が形成されている。
【0175】
以上のように形成されたヒートシンク641に対し、半導体モジュール531〜536は、径外方向を向く側壁面645に配置されている。半導体モジュール531〜536は、その放熱面が側壁面645に接触するように配置されている。このとき、側壁面645は平面であり、これに合わせて、半導体モジュール531〜536の放熱面も平面となっている。
【0176】
また、半導体モジュール531〜536は、上述のごとくヒートシンク641の側壁面645に配置されることで、シャフト401の中心線に対し傾斜して配置されている。
【0177】
さらにまた、半導体モジュール531〜536は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している。また、半導体モジュール531〜536は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している(図18、図19参照)。これらの点については、上記形態と同様である。
【0178】
図17等に示すように、半導体モジュール531〜536に対し、ヒートシンク641と同じ側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。具体的には、ヒートシンク641の収容部646に配置されている。
【0179】
コンデンサ701〜706は、半導体モジュール531〜536に対して一つずつ、半導体モジュール531〜536の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている。また、半導体モジュール531〜536の有するコンデンサ用端子510が径内方向へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている(図19参照)。
【0180】
また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている(図19参照)。チョークコイル52はドーナツ状の鉄心にコイル線が巻回されてなる。チョークコイル52のコイル端は、ヒートシンク641の一方の切り欠き部643から径外方向へ引き出されている(図17参照)。
【0181】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ5が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ5によっても、上記形態で説明した効果(1)、(3)〜(13)と同様の効果が奏される。
【0182】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ5では、半導体モジュール531〜536が傾斜して配置されているため、軸方向の体格を一層小さくすることができる。
また、モータケース101の端部106から離間するに連れてシャフト401の中心線に近づくように側壁面645が傾斜しているため、ヒートシンク641を鋳造加工により形成する場合、当該加工が比較的容易になる。
【0183】
なお、本形態では、半導体モジュール531〜536が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク641が「ヒートシンク」を構成し、側壁642が「側壁」を構成し、側壁面645が「側壁面」を構成し、切り欠き部643、644が「切り欠き部」を構成し、収容部646が「収容部」を構成する。
【0184】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態の電子回路内蔵型モータ6について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0185】
図20は電子回路内蔵型モータ6の平面図であり、図21は図20の矢印K方向に見た側面図であり、図22は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0186】
図20に示すように、電子回路内蔵型モータ6は、6つの半導体モジュール531、532、533、534、535、536を備えている。
半導体モジュール531〜536は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク651に対し取り付けられている。
【0187】
そこでヒートシンク651について説明しておく。
ヒートシンク651は、図20に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が円筒形状であり、内部には、角錐台形状の空間が形成されている。ヒートシンク651は、シャフト401の中心線の周りに側壁652を有している。この場合、ヒートシンク651の外壁面が、電子回路内蔵型モータ6の外郭の一部を形成している(図21、図22参照)。
【0188】
また、ヒートシンク651の側壁652は、径内方向へ向く側壁面655を有している。側壁面655は、円周方向に計6つ形成されている。上記形態のヒートシンク611(図8参照)と違うのは、側壁面655が傾斜していることである。具体的に、側壁面655は、モータケース101の端部106から離間するほどシャフト401の中心線から離れるように傾斜している。
【0189】
以上のように形成されたヒートシンク651に対し、半導体モジュール531〜536は、径内方向を向く側壁面655に一つずつ配置されている。半導体モジュール531〜536は、その放熱面が側壁面655に接触するように配置されている。このとき、側壁面655は平面で構成されており、これに合わせて、半導体モジュール531〜536の放熱面も平面となっている。
【0190】
半導体モジュール531〜536は、上述のごとくヒートシンク651の側壁面655に配置されることで、シャフト401の中心線に対し傾斜して配置されている。
【0191】
また、半導体モジュール531〜536は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している(図20参照)。さらにまた、半導体モジュール531〜536は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している(図21、図22参照)。これらの点については、上記形態と同様である。
【0192】
図20等に示すように、半導体モジュール531〜536に対し、ヒートシンク651の反対側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。
【0193】
コンデンサ701〜706は、半導体モジュール531〜536に対して一つずつ、半導体モジュール531〜536の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、半導体モジュールに沿って傾斜している。また、半導体モジュール531〜536の有するコンデンサ用端子510が径内方向へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている。
【0194】
また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている(図22参照)。チョークコイル52はドーナツ状の鉄心にコイル線が巻回されてなる。
【0195】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ6が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ6によっても、上記形態の効果(1)、(3)、(4)、(6)〜(8)、(10)〜(13)の効果が奏される。
【0196】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ6では、半導体モジュール531〜536に対しヒートシンク651の反対側にコンデンサ701〜706が配置されている。これにより、コンデンサ701〜706用の収容部をヒートシンク651に形成する必要がない。
【0197】
また、本形態の電子回路内蔵型モータ6では、半導体モジュール531〜536が傾斜して配置されているため、軸方向の体格を一層小さくすることができる。
さらにまた、モータケース101の端部106から離間するに連れてシャフト401の中心線から遠ざかるように側壁面655が傾斜しているため、ヒートシンク651を鋳造加工により形成する場合、当該加工が比較的容易になる。
【0198】
なお、本形態では特に、半導体モジュール531〜536が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク651が「ヒートシンク」を構成し、側壁652が「側壁」を構成し、側壁面655が「側壁面」を構成する。
【0199】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態の電子回路内蔵型モータ7について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0200】
図23は電子回路内蔵型モータ7の平面図であり、図24は図23の矢印K方向に見た側面図であり、図25は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0201】
図23に示すように、電子回路内蔵型モータ7は、6つの半導体モジュール541、542、543、544、545、546を備えている。
半導体モジュール541〜546は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク661に対し取り付けられている。
【0202】
そこでヒートシンク661について説明しておく。
ヒートシンク661は、図23に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が略半円形状の2つの柱状部材がシャフト401の中心線を挟むよう並べられ、さらに、中心に円柱形状の空間が形成されるように所定半径部分を切り欠いた形状となっている。このとき、上記形態のヒートシンク621(図11)との違いは、径方向外側の壁面がモータケース101から離れるに従ってシャフト401の中心線へ近づくように傾斜していることである。言い換えれば、ヒートシンク661は、全体として見ると、底面がモータケース101側に位置する円錐台のような形状である。ヒートシンク661は、シャフト401の中心線の周りに側壁662を有している。側壁662には、不連続部分を構成する2つの切り欠き部663、664が設けられている。
【0203】
また、ヒートシンク661の側壁662は、径外方向へ向く側壁面665を有している。側壁面665は、円錐外周面であって傾斜している。側壁面665の径内方向には、中心の円柱形状の空間に開口する収容部666が形成されている。
【0204】
以上のように形成されたヒートシンク661に対し、半導体モジュール541〜546は、径外方向を向く側壁面665に配置されている。半導体モジュール541〜546は、その放熱面が側壁面665に接触するように配置されている。このとき、側壁面665は凸曲面であり、これに合わせて、半導体モジュール531〜536の放熱面は凹曲面となっている。
【0205】
また、半導体モジュール541〜546は、上述のごとくヒートシンク661の側壁面665に配置されることで、シャフト401の中心線に対し傾斜している。
【0206】
さらにまた、半導体モジュール541〜546は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している。また、半導体モジュール541〜546は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している(図24、図25参照)。これらの点については、上記形態と同様である。
【0207】
図23等に示すように、半導体モジュール541〜546に対し、ヒートシンク661と同じ側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。具体的には、ヒートシンク661の収容部666に配置されている。
【0208】
コンデンサ701〜706は、半導体モジュール541〜546に対して一つずつ、半導体モジュール541〜546の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている。また、半導体モジュール541〜546の有するコンデンサ用端子510が径内方向へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている(図25参照)。
【0209】
また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている(図25参照)。チョークコイル52はドーナツ状の鉄心にコイル線が巻回されてなる。チョークコイル52のコイル端は、ヒートシンク661の一方の切り欠き部663から径外方向へ引き出されている(図23参照)。
【0210】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ7が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ7によっても、上記形態で説明した効果(1)、(3)〜(6)、(8)〜(13)と同様の効果が奏される。
【0211】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ7では、半導体モジュール541〜546が傾斜して配置されているため、軸方向の体格を一層小さくすることができる。
また、ヒートシンク661が全体として見ると円錐台形状であり、また、モータケース101の端部106から離間するに連れてシャフト401の中心線に近づくように側壁面665が傾斜しているため、ヒートシンク661を鋳造加工により形成する場合、当該加工が比較的容易になる。
【0212】
なお、本形態では、半導体モジュール541〜546が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク661が「ヒートシンク」を構成し、側壁662が「側壁」を構成し、側壁面665が「側壁面」を構成し、切り欠き部663、664が「切り欠き部」を構成し、収容部666が「収容部」を構成する。
【0213】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態の電子回路内蔵型モータ8について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0214】
図26は電子回路内蔵型モータ8の平面図であり、図27は図26の矢印K方向に見た側面図であり、図28は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0215】
図26に示すように、電子回路内蔵型モータ8は、6つの半導体モジュール531、532、533、534、535、536を備えている。
半導体モジュール531〜536は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク671に対し取り付けられている。
【0216】
そこでヒートシンク671について説明しておく。
ヒートシンク671は、図26に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が略台形状の2つの柱状部材がシャフト401の中心線を挟むよう並べられ、さらに、中心に円柱形状の空間が形成されるように所定半径部分を切り欠いた形状となっている。このとき、上記形態のヒートシンク601(図2参照)との違いは、径方向外側の壁面がモータケース101から離れるに従ってシャフト401の中心線から遠ざかるように傾斜していることである。言い換えれば、ヒートシンク671は、全体として見ると、底面に平行な面である頂面がモータケース101側に位置する角錐台のような形状となっている。ヒートシンク671は、シャフト401の中心線の周りに側壁672を有している。側壁672には、不連続部分を構成する2つの切り欠き部673、674が設けられている。
【0217】
また、ヒートシンク671の側壁672は、径外方向へ向く6つの側壁面675を有している。側壁面675は、傾斜している。
【0218】
以上のように形成されたヒートシンク671に対し、半導体モジュール531〜536は、径外方向を向く側壁面675に配置されている。半導体モジュール531〜536は、その放熱面が側壁面675に接触するように配置されている。このとき、側壁面675は平面であり、これに合わせて、半導体モジュール531〜536の放熱面も平面となっている。
【0219】
また、半導体モジュール531〜536は、上述のごとくヒートシンク671の側壁面675に配置されることで、シャフト401の中心線に対し傾斜して配置されている。
【0220】
さらにまた、半導体モジュール531〜536は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している(図27、図28参照)。また、半導体モジュール531〜536は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している(図27、図28参照)。これらの点については、上記形態と同様である。
【0221】
図26等に示すように、半導体モジュール531〜536に対し、ヒートシンク671の反対側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。
【0222】
コンデンサ701〜706は、半導体モジュール531〜536に対して一つずつ、半導体モジュール531〜536の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、半導体モジュール531〜536に沿って傾斜している。また、半導体モジュール531〜536の有するコンデンサ用端子510が径外方向へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている(図28参照)。
【0223】
また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている(図28参照)。チョークコイル52はドーナツ状の鉄心にコイル線が巻回されてなる。チョークコイル52のコイル端は、ヒートシンク671の一方の切り欠き部673から径外方向へ引き出されている。
【0224】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ8が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ8によっても、上記形態で説明した効果(1)、(3)、(4)、(6)〜(13)と同様の効果が奏される。
【0225】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ8では、半導体モジュール531〜536が傾斜して配置されているため、軸方向の体格を一層小さくすることができる。
また、モータケース101の端部106から離間するに連れてシャフト401の中心線から遠ざかるようにヒートシンク671の側壁面675が傾斜しているため、モータケース101の端部106に、スペースを確保することができる。
さらにまた、本形態の電子回路内蔵型モータ8では、半導体モジュール531〜536に対しヒートシンク671の反対側にコンデンサ701〜706が配置されている。これにより、コンデンサ701〜706用の収容部をヒートシンク671に形成する必要がない。
【0226】
なお、本形態では、半導体モジュール531〜536が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク671が「ヒートシンク」を構成し、側壁672が「側壁」を構成し、側壁面675が「側壁面」を構成し、切り欠き部673、674が「切り欠き部」を構成する。
【0227】
(第9実施形態)
次に、第9実施形態の電子回路内蔵型モータ9について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0228】
図29は電子回路内蔵型モータ9の平面図であり、図30は図29の矢印K方向に見た側面図であり、図31は斜視図である。なお、図中では、カバーを省略し、また、図30及び図31ではモジュール部分を取り外して示している。
【0229】
図29に示すように、電子回路内蔵型モータ9は、6つの半導体モジュール501、502、503、504、505、506を備えている。これら半導体モジュール501〜506を区別する場合、図29中の記号を用い、U1半導体モジュール501、V1半導体モジュール502、W1半導体モジュール503、U2半導体モジュール504、V2半導体モジュール505、W2半導体モジュール506と記述することとする。
【0230】
ここで、U1〜W1の3つの半導体モジュール501〜503、及び、U2〜W2の3つの半導体モジュール504〜506は、バスバー507で連結されてモジュールユニットを形成している。バスバー507が連結機能を有すると共に電源ラインを兼ねることは、上記形態と同様である。
【0231】
次に、半導体モジュール501〜506の配置について説明する。
上記各形態と大きく異なる部分は、電子回路内蔵型モータ9がヒートシンクを有していない点である。
半導体モジュール501〜506は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している。また、半導体モジュール501〜506は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している(図30参照)。
【0232】
このとき、制御用端子509は、プリント基板801のスルーホールに通され、半田付けされている。半導体モジュール501〜506は、半導体チップ面の垂線がシャフト401の中心線に垂直となるように、また、当該垂線が径方向を向くように円周上に並べられている。プリント基板801は、図30及び図31に示すように、モータケース101からシャフト401の中心線に平行に立設された2つのスペーサ681、682の先端部に螺着される。これにより、半導体モジュール501〜506がモータケース101に対して位置決めされる。
【0233】
また、図29等に示すように、半導体モジュール501〜506に対し、径方向内側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。
【0234】
コンデンサ701〜706は、半導体モジュール501〜506に対して一つずつ、半導体モジュール501〜506の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている。また、半導体モジュール501〜506の有するコンデンサ用端子510が径内方向へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている。
【0235】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ9が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ9によっても、上記形態で説明した効果(1)〜(3)、(10)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0236】
特に本形態は、消費電力が小さく半導体モジュール501〜506の発熱が少ない場合に有効である。
【0237】
なお、本形態では、半導体モジュール501〜506が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成する。
【0238】
(第10実施形態)
次に、第10実施形態の電子回路内蔵型モータ10について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0239】
図32は電子回路内蔵型モータ10の平面図であり、図33は図32の矢印K方向に見た側面図であり、図34は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0240】
図32に示すように、電子回路内蔵型モータ10は、6つの半導体モジュール531、532、533、534、535、536を備えている。半導体モジュール531〜536は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク691に対し取り付けられている。
【0241】
そこでヒートシンク691について説明しておく。
ヒートシンク691は、図32に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が長方形状の2つの柱状部材がシャフト401の中心線を挟むよう並べられた形状となっている。ヒートシンク691は、シャフト401の中心線の周りに側壁692を有している。
【0242】
また、ヒートシンク691の側壁692は、シャフト401の中心線に垂直で、相互に平行な4つの側壁面695を有している。
このようなヒートシンク691の側壁面695に、上記6つの半導体モジュール531〜536が配置されている。具体的には、4つの側壁面695のうち、内側の2つの側壁面695にそれぞれ2つずつ計4つが配置され、外側の2つの側壁面695にそれぞれ1つずつ計2つが配置されている。
【0243】
半導体モジュール531〜536は、その放熱面が側壁面695に接触するように配置されている。このとき、側壁面695は平面であり、これに合わせて、半導体モジュール531〜536の放熱面も平面となっている。また、放熱面同士が側壁692を挟んで完全には対向しないように、半導体モジュール531〜536は、側壁692の外側と内側とでずらして配置されている。
【0244】
また、半導体モジュール531〜536は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している(図33、図34参照)。また、半導体モジュール531〜536は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している(図32参照)。これらの点については、上記形態と同様である。
【0245】
図32等に示すように、半導体モジュール531〜536に対し、ヒートシンク641の反対側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。
【0246】
コンデンサ701〜706は、半導体モジュール531〜536に対して一つずつ、半導体モジュール531〜536の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている。また、半導体モジュール531〜536の有するコンデンサ用端子510が側壁面695の反対側へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている。
【0247】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ10が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ10によっても、上記形態で説明した効果(1)〜(4)、(6)、(7)、(10)〜(13)と同様の効果が奏される。
【0248】
なお、本形態では、半導体モジュール531〜536が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク691が「ヒートシンク」を構成し、側壁692が「側壁」を構成し、側壁面695が「側壁面」を構成する。
【0249】
(第11実施形態)
次に、第11実施形態の電子回路内蔵型モータ11について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0250】
図35は電子回路内蔵型モータ11の平面図であり、図36は図35の矢印K方向に見た側面図であり、図37は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0251】
図35に示すように、電子回路内蔵型モータ11は、6つの半導体モジュール531、532、533、534、535、536を備えている。半導体モジュール531〜536は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク901に対し取り付けられている。
【0252】
そこでヒートシンク901について説明しておく。
ヒートシンク901は、図35に示すように、中心から120度の間隔で放射状に延びる側壁902を有している。放射状に延びる側壁902は、その両側に、2つの側壁面905を有している。これにより、計6つの側壁面905が形成されている。
【0253】
このようなヒートシンク901の側壁面905に、上記6つの半導体モジュール531〜536がそれぞれ配置されている。
半導体モジュール531〜536は、その放熱面が側壁面905に接触するように配置されている。このとき、側壁面905は平面であり、これに合わせて、半導体モジュール531〜536の放熱面も平面となっている。
【0254】
また、半導体モジュール531〜536は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している。また、半導体モジュール531〜536は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している(図37参照)。これらの点については、上記形態と同様である。
【0255】
図35等に示すように、半導体モジュール531〜536に対し、ヒートシンク641の反対側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。
【0256】
コンデンサ701〜706は、半導体モジュール531〜536に対して一つずつ、半導体モジュール531〜536の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている。また、半導体モジュール531〜536の有するコンデンサ用端子510が側壁面905の反対側へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている(図37参照)。
【0257】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ11が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ11によっても、上記形態で説明した効果(1)〜(4)、(6)、(7)、(10)〜(13)と同様の効果が奏される。
【0258】
なお、本形態では、半導体モジュール531〜536が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク901が「ヒートシンク」を構成し、側壁902が「側壁」を構成し、側壁面905が「側壁面」を構成する。
【0259】
(第12実施形態)
次に、第12実施形態の電子回路内蔵型モータ12について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0260】
図38は電子回路内蔵型モータ12の平面図であり、図39は図38の矢印K方向に見た側面図であり、図40は斜視図であり、図41は、図38のA−A線概略断面図である。なお、図中では、カバーを省略した。
【0261】
図38に示すように、電子回路内蔵型モータ12は、6つの半導体モジュール551、552、553、554、555、556を備えている。これら半導体モジュール551〜556を区別する場合、図38中の記号を用い、U1半導体モジュール551、V1半導体モジュール552、W1半導体モジュール553、U2半導体モジュール554、V2半導体モジュール555、W2半導体モジュール556と記述することとする。
【0262】
ここで、U1〜W1の3つの半導体モジュール551〜553、及び、U2〜W2の3つの半導体モジュール554〜556は、バスバー507で連結されてモジュールユニットを形成している。バスバー507が連結機能を有すると共に電源ラインを兼ねることは、上記形態と同様である。
【0263】
次に、半導体モジュール551〜556の配置について説明する。
半導体モジュール551〜556は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク911に対し取り付けられている。
【0264】
そこでヒートシンク911について説明しておく。
ヒートシンク911は、図38に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が円筒形状であり、内部には、角柱形状の空間が形成されている。言い換えれば、ヒートシンク911は、シャフト401の中心線の周りに側壁912を有している。この場合、ヒートシンク911の外壁面が、電子回路内蔵型モータ12の外郭の一部を形成している(図39、図40参照)。また、ヒートシンク911の側壁912は、径内方向へ向く側壁面915を有している。側壁面915は、円周方向に計6つ形成されている。
【0265】
以上のように形成されたヒートシンク911に対し、半導体モジュール551〜556は、径内方向を向く側壁面915に一つずつ配置されている。半導体モジュール551〜556は、その放熱面が側壁面915に接触するように配置されている。このとき、側壁面915は平面で構成されており、これに合わせて、半導体モジュール551〜556の放熱面も平面となっている。
【0266】
また、半導体モジュール551〜556は、上述のごとくヒートシンク911の側壁面915に配置されることで、ちょうど半導体チップ面の垂線がシャフト401の中心線に垂直となっている。
【0267】
そして、本形態では、半導体モジュール551〜556に対し、モータケース101に近い側に、プリント基板802が配置されている。したがって、上記形態と異なり、半導体モジュール501〜506は、モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している(図40参照)。また、半導体モジュール501〜506は、反モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している。したがって、巻線205からの取出線206は、ヒートシンク911の側壁912の内部を貫通し、ヒートシンク911の端部に引き出されている。
【0268】
図38等に示すように、半導体モジュール551〜556に対し、ヒートシンク911の反対側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。
【0269】
コンデンサ701〜706は、半導体モジュール551〜556に対して一つずつ、半導体モジュール551〜556の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている。また、半導体モジュール551〜556の有するコンデンサ用端子510が径内方向へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている。
【0270】
また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている。チョークコイル52はドーナツ状の鉄心にコイル線が巻回されてなる。
【0271】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ12が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ2によっても、上記形態で説明した効果(1)〜(4)、(6)〜(8)、(10)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0272】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ12では、半導体モジュール551〜556に対しヒートシンク911の反対側にコンデンサ701〜706が配置されている。これにより、コンデンサ701〜706用の収容部をヒートシンク911に形成する必要がない。
【0273】
なお、本形態では、半導体モジュール551〜556が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク911が「ヒートシンク」を構成し、側壁912が「側壁」を構成し、側壁面915が「側壁面」を構成する。
【0274】
(第13実施形態)
次に、第13実施形態の電子回路内蔵型モータ13について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0275】
図42は電子回路内蔵型モータ13の平面図であり、図43は図42の矢印K方向に見た側面図であり、図44は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0276】
図42に示すように、電子回路内蔵型モータ13は、上記形態の電子回路内蔵型モータ2(図8〜10参照)とほぼ同様の構成となっている。すなわち、6つの半導体モジュール501、502、503、504、505、506を備え、半導体モジュール501〜506は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク611に対し取り付けられている。また、半導体モジュール501〜506に対し、ヒートシンク611の反対側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている。
【0277】
上記形態の電子回路内蔵型モータ2と異なる部分は、パワー部50が、シャフト401の出力端403側に構成されているところである。
【0278】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ13が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ13によっても、上記形態で説明した効果(1)〜(4)、(6)〜(8)、(10)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0279】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ13では、半導体モジュール501〜506に対しヒートシンク611の反対側にコンデンサ701〜706が配置されている。これにより、コンデンサ701〜706用の収容部をヒートシンク611に形成する必要がない。
【0280】
なお、本形態では、半導体モジュール501〜506が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク611が「ヒートシンク」を構成する。
【0281】
(第14実施形態)
次に、第14実施形態の電子回路内蔵型モータ14について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0282】
図45は電子回路内蔵型モータ14の平面図であり、図46は図45の矢印K方向に見た側面図であり、図47は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0283】
図45に示すように、電子回路内蔵型モータ14は、上記形態の電子回路内蔵型モータ1(図2〜図6参照)とほぼ同様の構成となっている。すなわち、6つの半導体モジュール561、562、563、564、565、566を備え、半導体モジュール561〜566は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク601に対し取り付けられている。また、半導体モジュール561〜566に対し、ヒートシンク601と同じ側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている(図47参照)。
【0284】
上記形態の電子回路内蔵型モータ1と異なる部分は、半導体モジュール561〜566の構成である。本形態では、半導体モジュール561〜566は、図47に示すように、IC567等が金属基板568に実装されて構成されている。IC567は、半導体チップが樹脂でモールドされて形成されている。
ここでは、半導体モジュール561〜566が、モータケース101側に巻線用端子508を有し、反モータケース101側に6本の制御用端子509を有している(図45、図47参照)。
【0285】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ14が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ14によっても、上記形態で説明した効果(1)〜(13)と同様の効果が奏される。
【0286】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ14では、金属基板568を用いているため、放熱性に優れたものとなる。
【0287】
なお、本形態では、半導体モジュール561〜566が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク601が「ヒートシンク」を構成する。
【0288】
(第15実施形態)
次に、第15実施形態の電子回路内蔵型モータ15について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0289】
図48は電子回路内蔵型モータ15の平面図であり、図49は図48の矢印K方向に見た側面図であり、図50は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0290】
図48に示すように、電子回路内蔵型モータ15は、上記形態の電子回路内蔵型モータ1(図2〜図6参照)とほぼ同様の構成となっている。すなわち、6つの半導体モジュール501、502、503、504、505、506を備え、半導体モジュール501〜506は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク601に対し取り付けられている。また、半導体モジュール501〜506に対し、ヒートシンク601と同じ側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。
【0291】
上記形態の電子回路内蔵型モータ1と異なる部分は、シャフト401が電子回路部品側へ延びておらず、チョークコイル52を貫通していない点である。
【0292】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ15が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ15によっても、上記形態で説明した効果(1)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0293】
なお、本形態では、半導体モジュール501〜506が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク601が「ヒートシンク」を構成する。
【0294】
(第16実施形態)
次に、第16実施形態の電子回路内蔵型モータ16について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0295】
図51は電子回路内蔵型モータ16の平面図であり、図52は図51の矢印K方向に見た側面図であり、図53は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0296】
本形態は、図1に示したインバータ60を一組だけ備える構成である。したがって、図51に示すように、電子回路内蔵型モータ16は、3つの半導体モジュール571、572、573を備えている。これら3つの半導体モジュール571〜573は、バスバー507で連結されて、モジュールユニットを構成している。
【0297】
半導体モジュール571〜573は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク921に対し取り付けられている。
【0298】
そこでヒートシンク921について説明しておく。
ヒートシンク921は、図51に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が略台形状の1つの柱状部材がシャフト401の中心線の片側に形成されている。また、シャフト401の中心から所定半径部分を切り欠いた形状となっている。このヒートシンク921は、側壁922を有している。
【0299】
側壁922は、径外方向へ向く側壁面925を有している。側壁面925は、平面であり、周方向に径外向きに3つ形成されている。各側壁面925の径内方向には、収容部926が形成されている。
【0300】
以上のように形成されたヒートシンク921に対し、半導体モジュール571〜573は、径外方向を向く側壁面925に配置されている。半導体モジュール571〜573は、その放熱面が側壁面925に接触するように配置されている。このとき、側壁面925は平面であり、これに合わせて、半導体モジュール571〜573の放熱面も平面となっている。
【0301】
また、半導体モジュール571〜573は、上述のごとくヒートシンク921の側壁面925に配置されることで、その半導体チップ面がシャフト401の中心線に対し垂直となっている。
【0302】
さらにまた、半導体モジュール571〜573は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している。これらの巻線用端子508は、モータケース101の端部106の3箇所から取り出された取出線207を挟持するようにして当該取出線207に対し電気的に接続される(図51、図52参照)。また、半導体モジュール571〜573は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、2本のコンデンサ用端子510とを有している(図53参照)。
【0303】
図51等に示すように、半導体モジュール571〜573に対し、ヒートシンク921と同じ側に、3つのコンデンサ711、712、713が配置されている。具体的には、ヒートシンク921の収容部926に配置されている。
【0304】
コンデンサ711〜713は、半導体モジュール571〜573に対して一つずつ、半導体モジュール571〜573の近傍に配置されている。コンデンサ711〜713は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている。また、半導体モジュール571〜573の有するコンデンサ用端子510が径内方向へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ711〜713の端子が、直接的に接続されている。
【0305】
また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている(図53参照)。チョークコイル52はドーナツ状の鉄心にコイル線が巻回されてなる。
【0306】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ16が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ16によっても、上記形態で説明した効果(1)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0307】
なお、本形態では、半導体モジュール571〜573が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ711〜713が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク921が「ヒートシンク」を構成し、側壁922が「側壁」を構成し、側壁面925が「側壁面」を構成し、収容部926が「収容部」を構成する。
【0308】
(第17実施形態)
次に、第17実施形態の電子回路内蔵型モータ17について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0309】
図54は電子回路内蔵型モータ17の平面図であり、図55は図54の矢印K方向に見た側面図であり、図56は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0310】
図54に示すように、電子回路内蔵型モータ17は、上記形態の電子回路内蔵型モータ1(図2〜図6参照)とほぼ同様の構成となっている。すなわち、6つの半導体モジュール581、582、583、584、585、586を備え、半導体モジュール581〜586は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク931に対し取り付けられている。また、半導体モジュール581〜586に対し、ヒートシンク931と同じ側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。
【0311】
上記形態の電子回路内蔵型モータ1と異なる部分は、コンデンサ701〜706の軸が、シャフト401の中心線に垂直となっている点である。簡単に言えば、円筒形状のコンデンサ701〜706は「横置き」されている。したがって、ヒートシンク931は、軸方向の端部に、軸方向に垂直な断面における形状が長方形状の収容部936を備えている。この場合、コンデンサ701〜706の端子は、電源ラインを兼ねるバスバー507に直接接続されている。また、半導体モジュール581〜586の反モータケース側には、コンデンサ用端子が設けられておらず、6本の制御用端子509のみが設けられている(図56参照)。
【0312】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ17が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ17によっても、上記形態で説明した効果(1)、(2)、(4)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0313】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ17では、コンデンサ701〜706が半導体モジュール501〜506の近傍に「横置き」されている。これにより、ヒートシンク931には収容部936が形成されているが、収容部936の形成にあたっては、上記形態の収容部606と比べ(図2参照)、軸方向に深く掘り下げる必要がない。したがって、ヒートシンク931の放熱性能の低下を抑制することができる。また、コンデンサ701〜706は、その端子が半導体モジュール581〜586のバスバー507に直接接続されている。これにより、半導体モジュール581〜586とコンデンサ701〜706との配線を極力短くすることができ、コンデンサ701〜706の機能を十分に発揮させることができる。また、各半導体モジュール581〜586に対し一つずつコンデンサ701〜706を配置する構成であるため、各コンデンサ701〜706の容量を比較的小さくすることができ、コンデンサ701〜706自体の体格を抑えることができる。
【0314】
なお、本形態では、半導体モジュール581〜586が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク931が「ヒートシンク」を構成し、収容部936が「収容部」を構成する。
【0315】
(第18実施形態)
次に、第18実施形態の電子回路内蔵型モータ18について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0316】
図57は電子回路内蔵型モータ18の平面図であり、図58は図57の矢印K方向に見た側面図であり、図59は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0317】
図57に示すように、電子回路内蔵型モータ18は、上記形態の電子回路内蔵型モータ17(図54〜図56参照)とほぼ同様の構成となっている。すなわち、6つの半導体モジュール581、582、583、584、585、586を備え、半導体モジュール581〜586は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク941に対し取り付けられている。また、半導体モジュール581〜586に対し、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が「横置き」されている。
【0318】
上記形態の電子回路内蔵型モータ17と異なる部分は、コンデンサ701〜706がヒートシンク941の反対側に配置されている点である。すなわち、コンデンサ701〜706は、半導体モジュール581〜586の径方向外側に配置されている。この場合、コンデンサ701〜706の端子は、電源ラインを兼ねるバスバー507に直接接続されている。また、半導体モジュール581〜586の反モータケース側には、コンデンサ用端子が設けられておらず、6本の制御用端子509のみが設けられている(図59参照)。
【0319】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ18が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ18によっても、上記形態で説明した効果(1)、(2)、(4)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0320】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ18では、コンデンサ701〜706が半導体モジュール581〜586の近傍に「横置き」されている。また、半導体モジュール581〜586の径方向外側に配置されている。これにより、ヒートシンク941には収容部を形成する必要がない。また、コンデンサ701〜706は、その端子が半導体モジュール581〜586のバスバー507に直接接続されている。これにより、半導体モジュール581〜586とコンデンサ701〜706との配線を極力短くすることができ、コンデンサ701〜706の機能を十分に発揮させることができる。また、各半導体モジュール581〜586に対し一つずつコンデンサ701〜706を配置する構成であるため、コンデンサ701〜706の容量を比較的小さくすることができ、コンデンサ701〜706自体の体格を抑えることができる。
【0321】
なお、本形態では、半導体モジュール581〜586が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク941が「ヒートシンク」を構成する。
【0322】
(第19実施形態)
次に、第19実施形態の電子回路内蔵型モータ19について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0323】
図60は電子回路内蔵型モータ19の平面図であり、図61は図60の矢印K方向に見た側面図であり、図62は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0324】
図60に示すように、電子回路内蔵型モータ19は、6つの半導体モジュール591、592、593、594、595、596を備えている。これら半導体モジュール591〜596を区別する場合、図60中の記号を用い、U1半導体モジュール591、V1半導体モジュール592、W1半導体モジュール593、U2半導体モジュール594、V2半導体モジュール595、W2半導体モジュール596と記述することとする。
【0325】
ここで、U1〜W1の3つの半導体モジュール591〜593、及び、U2〜W2の3つの半導体モジュール594〜596は、バスバー507で連結されてモジュールユニットを形成している。バスバー507が連結機能を有すると共に電源ラインを兼ねることは、上記形態と同様である。
【0326】
次に、半導体モジュール591〜596の配置について説明する。
半導体モジュール591〜596は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク951に対し取り付けられている。
【0327】
そこでヒートシンク951について説明しておく。
ヒートシンク951は、図60に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が略六角柱形状であり、内部には、円柱形状の空間が形成されている。ヒートシンク951の側壁952には、不連続部分を形成する切り欠き部953が形成されている。また、側壁952は、軸方向に垂直な断面における形状が略六角柱形状であることから、径外方向へ向く側壁面955を、円周方向に計6つ有している。
【0328】
以上のように形成されたヒートシンク951に対し、半導体モジュール591〜596は、径外方向を向く側壁面955に一つずつ配置されている。ここで、半導体モジュール591〜596は、その放熱面が側壁面955に接触するように配置されている。このとき、側壁面955は平面で構成されており、これに合わせて、半導体モジュール591〜596の放熱面も平面となっている。
【0329】
半導体モジュール591〜596は、上述のごとくヒートシンク951の側壁面955に配置されることで、ちょうど半導体チップ面の垂線がシャフト401の中心線に垂直となっている。
【0330】
半導体モジュール591〜596は、モータケース101側の端部に、コンデンサ用端子510を有している。また、半導体モジュール591〜596は、反モータケース101側の端部に、9本の端子509を有している(図62参照)。
【0331】
図60等に示すように、半導体モジュール591〜596に対し、ヒートシンク951の反対側に、6つのコンデンサ701、702、703、704、705、706が配置されている。すなわち、コンデンサ701〜706は、半導体モジュール591〜596の径方向外側に配置されている。これらコンデンサ701〜706は、専用の取り付け金具721を用いて取り付けられている。
【0332】
コンデンサ701〜706は、半導体モジュール591〜596に対して一つずつ、半導体モジュール591〜596の近傍に配置されている。コンデンサ701〜706は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている。また、半導体モジュール591〜596の有するコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ701〜706の端子が、直接的に接続されている。
【0333】
また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている。チョークコイル52はドーナツ状の鉄心にコイル線が巻回されてなる。ここで、チョークコイル52のコイル端は、ヒートシンク951の一方の切り欠き部953から径外方向へ引き出されている(図60参照)。
【0334】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ19が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ19によっても、上記形態で説明した効果(1)〜(4)、(6)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0335】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ19では、半導体モジュール591〜596に対し半導体モジュール591〜596の径方向外側にコンデンサ701〜706が配置されている。これにより、コンデンサ701〜706用の収容部をヒートシンク951に形成する必要がない。
【0336】
なお、本形態では特に、半導体モジュール591〜596が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ701〜706が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク951が「ヒートシンク」を構成し、側壁952が「側壁」を構成し、側壁面955が「側壁面」を構成し、切り欠き部953が「切り欠き部」を構成する。
【0337】
(第20実施形態)
次に、第20実施形態の電子回路内蔵型モータ20について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。また、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0338】
図63は電子回路内蔵型モータ20の平面図であり、図64は図63の矢印K方向に見た側面図であり、図65は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0339】
本形態は、上記形態の電子回路内蔵型モータ16(図51〜図53)と同様に、図1に示したインバータ60を一組だけ備える構成である。したがって、図63に示すように、電子回路内蔵型モータ16は、3つの半導体モジュール1001、1002、1003を備えている。これら3つの半導体モジュール1001〜1003は、バスバー507で連結されて、モジュールユニットを構成している。
【0340】
上記形態の電子回路内蔵型モータ16と異なる部分は、コンデンサ711、712、713が半導体モジュール1001〜1003の径方向外側に「横置き」されている点である。したがって、ヒートシンク961の側壁962には、コンデンサ711〜713を収容するための収容部が形成されていない。また、コンデンサ711〜713の端子は、半導体モジュール1001〜1003を連結するバスバー507に直接接続されている。そのため、半導体モジュール1001〜1003は、コンデンサ用端子を有していない。
【0341】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ20が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ20によっても、上記形態で説明した効果(1)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0342】
なお、本形態では、半導体モジュール1001〜1003が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ711〜713が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク961が「ヒートシンク」を構成し、側壁962が「側壁」を構成する。
【0343】
(第21実施形態)
次に、第21実施形態の電子回路内蔵型モータ21について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。また、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0344】
図66は電子回路内蔵型モータ21の平面図であり、図67は図66の矢印K方向に見た側面図であり、図68は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0345】
図66に示すように、電子回路内蔵型モータ21は、6つの半導体モジュール1101、1102、1103、1104、1105、1106を備えている。これら半導体モジュール1101〜1106を区別する場合、図66中の記号を用い、U1半導体モジュール1101、V1半導体モジュール1102、W1半導体モジュール1103、U2半導体モジュール1104、V2半導体モジュール1105、W2半導体モジュール1106と記述することとする。
【0346】
次に、半導体モジュール1101〜1106の配置について説明する。
半導体モジュール1101〜1106は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク971に取り付けられている。
【0347】
そこでヒートシンク971について説明しておく。
ヒートシンク971は、図66に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が略台形状の2つの柱状部材がシャフト401の中心線を挟むよう並べられ、さらに、中心に円柱形状の空間が形成されるように所定半径部分を切り欠いた形状となっている。ヒートシンク971は、シャフト401の中心線の周りに側壁972を有している。側壁972には、不連続部分を構成する2つの切り欠き部973、974が設けられている。
【0348】
また、ヒートシンク971の側壁972は、径外方向へ向く側壁面975を有している。側壁面975は、平面である。また、側壁面975の径内方向には、中心の円柱形状の空間に開口する4つの収容部976、977、978、979が形成されている。具体的には、ヒートシンク971の側壁972は、軸方向に垂直な断面における形状が台形形状の2つの柱状部材である。ここで、一方の柱状部材に2つの収容部976、977が形成されており、他方の柱状部材に残り2つの収容部978、979が形成されている。収容部976〜979は、その円弧状の内側面が、隣り合う側壁面975の境界に対応する位置に形成されている。
【0349】
以上のように形成されたヒートシンク971に対し、半導体モジュール1101〜1106は、径外方向を向く側壁面975に配置されている。ここで、半導体モジュール1101〜1106は、その放熱面が側壁面975に接触するように配置されている。このとき、側壁面975は平面であり、これに合わせて、半導体モジュール1101〜1106の放熱面も平面となっている。
【0350】
また、半導体モジュール1101〜1106は、上述のごとくヒートシンク971の側壁面975に配置されることで、シャフト401の中心線に対しその半導体チップ面が垂直になっている。
【0351】
さらにまた、半導体モジュール1101〜1106は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している。また、半導体モジュール1101〜1106は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、コンデンサ用端子510とを有している(図68参照)。ここで、U1、U2、W1及びW2の半導体モジュール1101、1102、1105、1106は、コンデンサ用端子510を1本だけ有している。一方、V1及びV2の半導体モジュール1103、1104は、2本のコンデンサ用端子510を有している。
【0352】
図66等に示すように、半導体モジュール1101〜1106に対し、ヒートシンク971と同じ側に、4つのコンデンサ721、722、723、724が配置されている。具体的には、ヒートシンク971の収容部976〜979に配置されている。
【0353】
コンデンサ721〜724は、半導体モジュール1101〜1106の近傍に配置されている。コンデンサ721〜724は円柱形状を呈し、その軸がシャフト401の中心線に平行となるように配置されている。コンデンサ721〜724は、半導体モジュール1101〜1106のうち隣り合うものから等しい位置に配置されている。また、半導体モジュール1101〜1106の有するコンデンサ用端子510が径内方向へ折り曲げられていることで、この折り曲げられたコンデンサ用端子510に対し、コンデンサ721〜724の端子が、直接的に接続されている。具体的には、バスバーにて連結された3つの半導体モジュール1101〜1106のうちの真ん中の半導体モジュール1102、1105には、幅方向の両側に2本のコンデンサ用端子510が設けられており、コンデンサ用端子510の間に制御用端子509が設けられている。また、3つの半導体モジュール1101〜1106のうち両側に位置する半導体モジュール1101、1103、1104、1106には、幅方向の片側(隣のモジュールに近い側)に1本のコンデンサ用端子510が設けられている。
【0354】
本形態では、電気的な構成が他の実施形態と異なっている。具体的には、図1に示すインバータ60が、3つの半導体モジュールと2つのコンデンサで構成されている。コンデンサは、半導体モジュールの電源ラインとグランドとの間に並列に接続すればよいため、容量の調整は必要となるものの、2つのコンデンサで構成することも可能である。もちろん、1つのコンデンサで構成してもよい。
【0355】
また、シャフト401が貫通した状態で、チョークコイル52が配置されている(図68参照)。チョークコイル52はドーナツ状の鉄心にコイル線が巻回されてなる。チョークコイル52のコイル端は、ヒートシンク971の一方の切り欠き部973から径外方向へ引き出されている(図66参照)。
【0356】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ21が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ21によっても、上記形態で説明した効果(1)、(2)(4)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0357】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ21では、4つのコンデンサ721〜724で構成したため、ヒートシンク971に4つの収容部976を形成するだけで足り、ヒートシンク971の放熱性能の低下を抑制することができる。
【0358】
なお、本形態では、半導体モジュール1101〜1106が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ721〜724が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク971が「ヒートシンク」を構成し、側壁972が「側壁」を構成し、側壁面975が「側壁面」を構成し、切り欠き部973、974が「切り欠き部」を構成し、収容部976〜979が「収容部」を構成する。
【0359】
(第22実施形態)
次に、第22実施形態の電子回路内蔵型モータ22について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0360】
図69は電子回路内蔵型モータ22の平面図であり、図70は図69の矢印K1方向に見た側面図であり、図71は図70のB−B線概略断面図であり、図72は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0361】
図69に示すように、電子回路内蔵型モータ22は、6つの半導体モジュール1201、1202、1203、1204、1205、1206を備えている。半導体モジュール1201〜1206は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク941に対し取り付けられている。
【0362】
ヒートシンク941は、図69に示すように、軸方向に垂直な断面における形状が略台形状の2つの柱状部材がシャフト401の中心線を挟むよう並べられ、さらに、中心に円柱形状の空間が形成されるように所定半径部分を切り欠いた形状となっている。ヒートシンク941は、シャフト401の中心線の周りに側壁942を有している。側壁942には、不連続部分を構成する2つの切り欠き部943、944が設けられている。また、ヒートシンク941の側壁942は、径外方向へ向く側壁面945を有している。側壁面945は、平面である。
【0363】
以上のように形成されたヒートシンク941に対し、半導体モジュール1201〜1206は、径外方向を向く側壁面945に配置されている。ここで、半導体モジュール1201〜1206は、その放熱面が側壁面945に接触するように配置されている。このとき、側壁面945は平面であり、これに合わせて、半導体モジュール1201〜1206の放熱面も平面となっている。
【0364】
また、半導体モジュール1201〜1206は、上述のごとくヒートシンク941の側壁面945に配置されることで、シャフト401の中心線に対しその半導体チップ面が垂直になっている。
【0365】
さらにまた、半導体モジュール1201〜1206は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している。また、半導体モジュール1201〜1206は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、コンデンサ用端子510とを有している(図69参照)。コンデンサ用端子510は、径方向内側へ折り曲げられており、径方向内側に配置された導電部材811、812に接続されている。
【0366】
ここでは、ヒートシンク941の中央部に形成された円筒形状の空間に、8つのコンデンサ731、732、733、734、735、736、737、738が配置されている。具体的には、ヒートシンク941の側壁942の内側面に沿って、シャフト401の周囲に並べられている(図71参照)。このように、本形態では、6つの半導体モジュール1201〜1206に対し、8つのコンデンサ731〜738が設けられている。
【0367】
コンデンサ用端子510が導電部材811、812に接続されていることは上述したが、導電部材811、812は、薄板リング形状の円環部811a、812aと、円環部から径外方向へ延設された連結部811b、812bとからなる。連結部811b、812bは平行に延設されており、6つの半導体モジュール1201〜1206へ向かって延びている。導電部材811、812は、軸方向に絶縁された状態で配置されている。一方の導電部材811はモータケース101から遠い側に配置され、他方の導電部材812はモータケース101に近い側に配置されている。
【0368】
コンデンサ731〜738は、一方の端子が一方の導電部材811に接続されており、他方の端子が他方の導電部材812に接続されている(図69、図72参照)。導電部材811、812の連結部811b、812bは、上述した半導体モジュール1201〜1206のコンデンサ用端子510に接続されている。具体的には、一方のコンデンサ用端子510が一方の導電部材811の連結部811bに接続されており、他方のコンデンサ用端子510が他方の導電部材812の連結部812bに接続されている。これにより、一方の導電部材811を介して、6つの半導体モジュール1201〜1206の一方のコンデンサ用端子510が8つのコンデンサ731〜738の一方の端子に接続されることになる。また、他方の導電部材812を介して、6つの半導体モジュール1201〜1206の他方のコンデンサ用端子510が8つのコンデンサ731〜738の他方の端子に接続されることになる。
【0369】
本形態では、電気的な構成が他の実施形態と異なっている。具体的には、図1に示すインバータ60、68に対応する半導体モジュール1201〜1206と8個のコンデンサ731〜738が導電部材811、812を介して均等に配線される。これにより、半導体モジュールに直接コンデンサを接続する他の実施形態と異なり、コンデンサの数量や大きさに関わらずそれぞれの半導体モジュールに均等なコンデンサ性能を容易に提供できる。このため、容量の調整は必要となるものの、任意の数量のコンデンサで構成することも可能である。
【0370】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ22が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ22によっても、上記形態で説明した効果(1)、(2)(4)〜(7)、(10)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0371】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ22では、8つのコンデンサ731〜738で構成したため、各コンデンサ731〜738の体格を小さくすることができる。これにより、ヒートシンク941に収容部を形成することなく配置することができ、ヒートシンク941の放熱性能の低下を抑制することができる。
【0372】
なお、本形態では、半導体モジュール1201〜1206が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ731〜738が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク941が「ヒートシンク」を構成し、側壁942が「側壁」を構成し、側壁面945が「側壁面」を構成し、切り欠き部943、944が「切り欠き部」を構成する。
【0373】
(第23実施形態)
次に、第23実施形態の電子回路内蔵型モータ23について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0374】
図73は電子回路内蔵型モータ23の平面図であり、図74は図73の矢印K1方向に見た側面図であり、図75は図74のC−C線概略断面図であり、図76は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0375】
図73に示すように、電子回路内蔵型モータ23は、6つの半導体モジュール1201、1202、1203、1204、1205、1206を備えている。半導体モジュール1201〜1206は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク941に対し取り付けられている。
【0376】
なお、ヒートシンク941及び半導体モジュール1201〜1206の配置については、上記形態の電子回路内蔵型モータ22と同様であるため、説明を割愛する。
【0377】
半導体モジュール1201〜1206は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している。この巻線用端子508は、径方向外側へ折り曲げられ、ステータ201からの取出線206に接続されている。また、半導体モジュール1201〜1206は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、コンデンサ用端子510とを有している(図73参照)。コンデンサ用端子510は、径方向内側へ折り曲げられており、径方向内側に配置された導電部材811、812に接続されている。
【0378】
ここでは、ヒートシンク941の中央部に形成された円筒形状の空間に、2つのコンデンサ741、742が配置されている。具体的には、ヒートシンク941の側壁942の切り欠き部943、944の端に内側から当接するように、シャフト401の周囲に並べられている(図75参照)。このように、本形態では、6つの半導体モジュール1201〜1206に対し、2つのコンデンサ741、742が設けられている。
【0379】
コンデンサ用端子510が導電部材811、812に接続されていることは上述したが、導電部材811、812は、薄板リング形状の円環部811a、812aと、円環部から径外方向へ延設された連結部811b、812bとからなる。連結部811b、812bは平行に延設されており、6つの各半導体モジュール1201〜1206へ向かって延びている。導電部材811、812は、軸方向に絶縁された状態で配置されている。一方の導電部材811はモータケース101から遠い側に配置され、他方の導電部材812はモータケース101に近い側に配置されている。
【0380】
コンデンサ741、742は、一方の端子が一方の導電部材811に接続されており、他方の端子が他方の導電部材812に接続されている(図73参照)。導電部材811、812の連結部811b、812bは、上述した半導体モジュール1201〜1206のコンデンサ用端子510に接続されている。具体的には、一方のコンデンサ用端子510が一方の導電部材811の連結部811bに接続されており、他方のコンデンサ用端子510が他方の導電部材812の連結部812bに接続されている。これにより、一方の導電部材811を介して、6つの半導体モジュール1201〜1206の一方のコンデンサ用端子510が2つのコンデンサ741,742の一方の端子に接続されることになる。また、他方の導電部材812を介して、6つの半導体モジュール1201〜1206の他方のコンデンサ用端子510が2つのコンデンサ741、742の他方の端子に接続されることになる。
【0381】
本形態では、電気的な構成が他の実施形態と異なっている。具体的には、図1に示すインバータ60、68に対応する半導体モジュール1201〜1206と2個のコンデンサ741、742が導電部材811、812を介して均等に配線される。これにより、半導体モジュールに直接コンデンサを接続する他の実施形態と異なり、それぞれの半導体モジュールに均等なコンデンサ性能を容易に提供できる。
【0382】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ23が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ23によっても、上記形態で説明した効果(1)、(2)(4)〜(7)、(10)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0383】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ23では、2つのコンデンサ741、742で構成したため、1つあたりのコンデンサ体格は大きくなるものの、使用するコンデンサを少なくできる上に、ヒートシンク941に収容部を形成することなく配置することができ、ヒートシンク941の放熱性能の低下を抑制することができる。
【0384】
なお、本形態では、半導体モジュール1201〜1206が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ741、742が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク941が「ヒートシンク」を構成し、側壁942が「側壁」を構成し、側壁面945が「側壁面」を構成し、切り欠き部943、944が「切り欠き部」を構成する。
【0385】
(第24実施形態)
次に、第24実施形態の電子回路内蔵型モータ24について説明する。なお、上記形態と同様、パワー部50の構成を中心として説明する。さらにまた、煩雑になることを避けるため、流用できる符号は、上記形態のものを流用する。
【0386】
図77は電子回路内蔵型モータ24の平面図であり、図78は図77の矢印K1方向に見た側面図であり、図79は図78のD−D線概略断面図であり、図80は斜視図である。なお、図中では、カバー及びプリント基板を省略した。
【0387】
図77に示すように、電子回路内蔵型モータ24は、6つの半導体モジュール1201、1202、1203、1204、1205、1206を備えている。半導体モジュール1201〜1206は、モータケース101の端部106からシャフト401の中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンク941に対し取り付けられている。
【0388】
なお、ヒートシンク941及び半導体モジュール1201〜1206の配置については、上記形態の電子回路内蔵型モータ22、23と同様であるため、説明を割愛する。
【0389】
半導体モジュール1201〜1206は、モータケース101側の端部に、巻線用端子508を有している。この巻線用端子508は、径方向外側へ折り曲げられ、ステータ201からの取出線206に接続されている。また、半導体モジュール1201〜1206は、反モータケース101側の端部に、6本の制御用端子509と、コンデンサ用端子510とを有している(図77参照)。コンデンサ用端子510は、径方向内側へ折り曲げられており、径方向内側に配置された導電部821に接続されている。
【0390】
ここでは、ヒートシンク941の中央部に形成された円筒形状の空間の中心部に、1つのコンデンサ751が配置されている(図79参照)。このように、本形態では、6つの半導体モジュール1201〜1206に対して、1つのコンデンサ751が設けられている。
【0391】
コンデンサ用端子510が導電部材821に電気的に接続されていることは上述したが、導電部821は、円環形状に樹脂でモールドされており、対向するように径方向内側へ突出する電極821a、821bを有している。また、導電部821は、径方向外側の各半導体モジュール1201〜1206へ向かって突出する連結部821cを有している。連結部821cは、各半導体モジュール1201〜1206に対し、2本ずつ平行に突出している。ここで、平行に突出する一方の連結部821cは一方の電極821aと導通しており、平行に突出する他方の連結部821cは、他方の電極821bと導通している。
【0392】
図77に示すように、一方の電極821aは、コンデンサ751の一方の端子と電気的に接続されており、他方の電極821bは、コンデンサ751の他方の端子と電気的に接続されている。また、平行に突出する一方の連結部821cは、半導体モジュール1201〜1206の一方のコンデンサ用端子510に電気的に接続されている。さらにまた、平行に突出する他方の連結部821cは、半導体モジュール1201〜1206の他方のコンデンサ用端子510に電気的に接続されている。
【0393】
これにより、導電部821を介して、6つの半導体モジュール1201〜1206の一方のコンデンサ用端子510がコンデンサ751の一方の端子に接続されることになり、6つの半導体モジュール1201〜1206の他方のコンデンサ用端子510がコンデンサ751の他方の端子に接続されることになる。
【0394】
本形態では、電気的な構成が他の実施形態と異なっている。具体的には、図1に示す2つのインバータ60、68が、6つの半導体モジュールと1つのコンデンサで構成されている。コンデンサは、半導体モジュールの電源ラインとグランドとの間に並列に接続すればよいため、容量の調整は必要となるものの、2つのインバータ60、68に対し1つのコンデンサで構成することも可能である。
【0395】
次に、本形態の電子回路内蔵型モータ23が発揮する効果について説明する。
本形態の電子回路内蔵型モータ24によっても、上記形態で説明した効果(1)、(2)(4)〜(7)、(10)〜(14)と同様の効果が奏される。
【0396】
特に本形態の電子回路内蔵型モータ24では、1つのコンデンサ751で構成したため、コンデンサ体格は最も大きくなるが、使用数がたった1個で構成できる上に、ヒートシンク941に収容部を形成することなく配置することができ、ヒートシンク941の放熱性能の低下を抑制することができる。
【0397】
なお、本形態では、半導体モジュール1201〜1206が「半導体モジュール」を構成し、コンデンサ751が「コンデンサ」を構成し、ヒートシンク941が「ヒートシンク」を構成し、側壁942が「側壁」を構成し、側壁面945が「側壁面」を構成し、切り欠き部943、944が「切り欠き部」を構成する。
【0398】
(第25実施形態)
第25実施形態の駆動装置を図81〜図97に示す。駆動装置2001は、電動パワーステアリングシステム(以下、「EPS」という。)を構成し、モータ2002及びコントローラ2003を備える。コントローラ2003は、図82に示すように、制御基板2040、ヒートシンク2050、パワーモジュール2060、パワー基板2070等から構成されている。
【0399】
最初に、EPSの電気的構成を図81に基づいて説明する。ここで説明する電気的構成は、以下の実施形態にも共通する。
図81に示すように、駆動装置2001は、車両のステアリング2005の回転軸たるコラム軸2006に取り付けられたギア2007を介しコラム軸2006に回転トルクを発生させ、ステアリング2005による操舵をアシストする。具体的には、ステアリング2005が運転者によって操作されると、当該操作によってコラム軸2006に生じる操舵トルクをトルクセンサ2008によって検出し、また、車速情報を図示しないCAN(Controller Area Network)から取得して、運転者のステアリング2005による操舵をアシストする。もちろん、このような機構を利用すれば、制御手法によっては、操舵のアシストのみでなく、高速道路における車線キープ、駐車場における駐車スペースへの誘導など、ステアリング2005の操作を自動制御することも可能である。
【0400】
モータ2002は、ギア2007を正逆回転させるブラシレスモータである。モータ2002は、コントローラ2003の制御により、電流が供給されて駆動される。コントローラ2003は、駆動電流を切り換えるためのパワー部2100、及び、駆動電流の切り換えを制御する制御部2090から構成される。
【0401】
パワー部2100は、電源2075からの電源ラインに介在するチョークコイル2076、平滑コンデンサ2077、及び、二組のインバータ2080,2089を有している。インバータ2080とインバータ2089とは、同様の構成であるので、ここでは一方のインバータ2080について説明する。
【0402】
インバータ2080は、電界効果トランジスタの一種であるMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor、以下、「MOS」という。)2081〜2086を有している。MOS2081〜2086は、ゲート電位により、ソース−ドレイン間がON(導通)またはOFF(遮断)される。
【0403】
MOS2081は、ドレインが電源ライン側に接続され、ソースがMOS2084のドレインに接続されている。MOS2084のソースは、グランドに接続されている。MOS2081とMOS2084との接続点は、モータ2002のU相コイルに接続されている。
【0404】
MOS2082は、ドレインが電源ライン側に接続され、ソースがMOS2085のドレインに接続されている。MOS2085のソースは、グランドに接続されている。MOS2082とMOS2085との接続点は、モータ2002のV相コイルに接続されている。
【0405】
MOS2083は、ドレインが電源ラインに接続され、ソースがMOS2086のドレインに接続されている。MOS2086のソースは、グランドに接続されている。MOS2083とMOS2086との接続点は、モータ2002のW相コイルに、接続されている。
【0406】
また、インバータ2080は、電源リレー2087,2088を有している。電源リレー2087,2088は、MOS2081〜2086と同様のMOSFETにより構成される。電源リレー2087,2088は、MOS2081〜2083と電源2075との間に設けられ、異常時にMOS2081〜2086を経由してモータ2002側へ電流が流れるのを遮断可能である。
【0407】
シャント抵抗2099は、MOS2084〜2086とグランドとの間に電気的に接続される。シャント抵抗2099に印加される電圧または電流を検出することにより、U相コイル、V相コイル、W相コイルに通電される電流を検出する。
【0408】
チョークコイル2076は、電源2075と電源リレー2087との間に電気的に接続されている。また、平滑コンデンサ2077は、電源2075とグランドとの間に接続されている。チョークコイル2076及び平滑コンデンサ2077は、フィルタ回路を構成し、電源2075を共有する他の装置から伝わるノイズを低減する。また、電源2075を共有する他の装置へ駆動装置2001から伝わるノイズを低減する。
【0409】
電解コンデンサ2078は、電源ライン側に設けられるMOS2081〜2086の電源側と、グランド側に設けられるMOS2084〜2086のグランド側と、の間に電気的に接続されている。電解コンデンサ2078は、電荷を蓄えることで、MOS2081〜2086への電力供給を補助したり、サージ電圧などのノイズ成分を抑制したりする。
【0410】
制御部2090は、プリドライバ2091、カスタムIC2092、回転検出部としての位置センサ2093、及び、マイコン2094を備えている。カスタムIC2092は、レギュレータ部2095、位置センサ信号増幅部2096、及び、検出電圧増幅部2097として機能する。
【0411】
レギュレータ部2095は、電源を安定化する安定化回路である。レギュレータ部2095は、各部へ供給される電源の安定化を行う。例えばマイコン2094は、このレギュレータ部2095により、安定した所定電圧(例えば5V)で動作することになる。
【0412】
位置センサ信号増幅部2096には、位置センサ2093からの信号が入力される。位置センサ2093は、モータ2002の回転位置信号を検出し、検出された回転位置信号は、位置センサ信号増幅部2096に送られる。位置センサ信号増幅部2096は、回転位置信号を増幅してマイコン2094へ出力する。
検出電圧増幅部2097は、シャント抵抗2099の両端電圧を検出し、当該両端電圧を増幅してマイコン2094へ出力する。
【0413】
マイコン2094には、モータ2002の回転位置信号、及び、シャント抵抗2099の両端電圧が入力される。また、マイコン2094には、コラム軸2006に取り付けられたトルクセンサ2008から操舵トルク信号が入力される。さらにまた、マイコン2094には、CANを経由して車速情報が入力される。マイコン2094は、操舵トルク信号及び車速情報が入力されると、ステアリング2005による操舵を車速に応じてアシストするように、回転位置信号に合わせてプリドライバ2091を介してインバータ2080を制御する。具体的には、マイコン2094は、プリドライバ2091を介してMOS2081〜2086のON/OFFを切り替えることにより、インバータ2080を制御する。つまり、6つのMOS2081〜2086のゲートがプリドライバ2091の6つの出力端子に接続されているため、プリドライバ2091によりゲート電圧を変化させることにより、MOS2081〜2086のON/OFFを切り換える。
【0414】
また、マイコン2094は、検出電圧増幅部2097から入力されるシャント抵抗2099の両端電圧に基づき、モータ2002へ供給する電流を正弦波に近づけるべくインバータ2080を制御する。なお、マイコン2094は、他方のインバータ2089についても一方のインバータ2080と同様に制御する。
【0415】
次に、駆動装置2001の構造について、図82〜図97に基づいて説明する。図82〜図86は、駆動装置2001の全体を示した図であり、図87〜91は、コントローラ2003を示した図であり、図92〜95は、ヒートシンク2050及びパワーモジュール2060を示した図であり、図96〜図98は、パワーユニット2105を示した図である。
【0416】
本実施形態の駆動装置2001は、モータ2002の軸方向の一方の端部にコントローラ2003が設けられており、モータ2002とコントローラ2003とが積層構造になっている。
まず、モータ2002について説明する。モータ2002は、モータケース2010、ステータ2020、ロータ2030、シャフト2035等を備えている。
【0417】
モータケース2010は、鉄等により筒状に形成される。モータケース2010のコントローラ2003と反対側の端部には、アルミにより形成されるフレームエンド2014がねじ等により固定される。モータケース2010のコントローラ2003側の端部の軸中心には、開口2011が設けられている。開口2011には、シャフト2035が挿通される。
モータケース2010のコントローラ2003側の端部には、樹脂ガイド2016が設けられる。樹脂ガイド2016は、略環状に形成され、中央部が開口している。また、樹脂ガイド2016には、6つの孔が設けられる。
【0418】
モータケース2010の径方向内側には、ステータ2020が配置される。ステータ2020は、モータケース2010の径方向内側に突出する12個の突極を有している。突極は、モータケース2010の周方向に所定間隔で設けられている。突極は、磁性材料の薄板を積層してなる積層鉄心、及び積層鉄心の軸方向外側に嵌合するインシュレータを有している。インシュレータには、巻線2026が巻回されている。巻線2026は、U相、V相、及びW相の三層巻線を構成している。
【0419】
モータ線2027は、巻線2026の6箇所から引き出されている。モータ線2027は、樹脂ガイド2016に設けられる6つの孔に挿通される。これにより、モータ線2027は、樹脂ガイド2016により位置決めされるとともに、モータケース2010との絶縁が確保される。また、モータ線2027は、コントローラ2003側へ引き出され、制御基板2040、パワーモジュール2060の径方向外側を通ってパワー基板2070に接続される。すなわち、モータ2002の軸方向から見たとき、モータ線2027は、パワーモジュール2060よりも径方向外側に配置される。
【0420】
ステータ2020の径方向内側には、ロータ2030がステータ2020に対して相対回転可能に設けられる。ロータ2030は、例えば鉄等の磁性体から筒状に形成される。ロータ2030は、ロータコア2031と、ロータコア2031の径方向外側に設けられる永久磁石2032を有している。永久磁石2032は、N極とS極とが周方向に交互に配列されている。
【0421】
シャフト2035は、ロータコア2031の軸中心に形成された軸穴2033に固定されている。シャフト2035は、モータケース2010に設けられる軸受2012及びフレームエンドに設けられる軸受2015によって回転可能に支持される。これにより、シャフト2035は、ステータ2020に対し、ロータ2030とともに回転可能となっている。
【0422】
シャフト2035は、コントローラ2003側の端部にマグネット2036を有している。シャフト2035のコントローラ2003側は、モータケース2010の開口2011に挿通されているので、シャフト2035のコントローラ2003側の端部に設けられるマグネット2036は、コントローラ2003側に露出している。また、本実施形態では、シャフト2035は、制御基板2040を貫通しておらず、マグネット2036は、制御基板2040のモータ2002側の端面2041の近傍であって、端面2041と対向する位置に配置される。
また、シャフト2035は、コントローラ2003の反対側の端部に出力端2037を有している。
【0423】
次に、コントローラ2003について説明する。
コントローラ2003は、モータケース2010を軸方向に投影した領域であるモータケース領域に収まるように設けられている。コントローラ2003は、軸方向において、モータ2002側から、制御基板2040、ヒートシンク2050及びパワーモジュール2060、パワー基板2070がこの順で配列されている。
【0424】
制御基板2040は、例えばガラスエポキシ基板により形成される4層基板であって、モータケース領域に収まる略長方形の板状に形成される。制御基板2040の四隅は、ヒートシンク2050をモータケース2010に組み付けるための逃がしとして、切欠2042が形成されている。また、制御基板2040は、モータ2002側からねじ2047によってヒートシンク2050に螺着される。
【0425】
制御基板2040には、制御部2090を構成する各種電子部品が実装されている。制御基板2040のモータ2002側の端面には、図1に示したプリドライバ2091、カスタムIC2092、位置センサ2093、マイコン2094が実装されている。位置センサ2093は、制御基板2040の略中心に設けられ、シャフト2035のマグネット2036と対向している。これにより、シャフト2035とともに回転するマグネット2036による磁界の変化を検出することにより、シャフト2035の回転を検出する。また、制御基板2040には、長手側の外縁に沿って、パワーモジュール2060の制御端子2064と接続するためのスルーホール2043が形成されている。また、制御基板2040のモータ2002と反対側であって、短手側の一側に、制御コネクタ2045が接続されている。制御コネクタ2045は、モータ2002の径方向外側から配線を接続可能に設けられ、各種センサからのセンサ情報を入力する。
【0426】
図85等に示すように、ヒートシンク2050は、2つの放熱ブロック2051、及び、2つの放熱ブロック2051の間に設けられる連結部2052を有している。2つの放熱ブロック2051及び連結部2052は、熱伝導性のよい材料(例えばアルミニウム)により一体に形成されている。本実施形態では、放熱ブロック2051は、シャフト2035の軸線を延長した仮想線である中心線よりもモータ2002の径方向外側に設けられる。
【0427】
ヒートシンク2050は、図94に示すように、側面、すなわち図92のIXV方向からみたとき、全体として側面視H字状に形成されている。また、ヒートシンク2050は、モータ2002の軸方向から見たとき、図92に示すように、コ字状に形成されている。2つの放熱ブロック2051は、シャフト2035の中心を基準にして対称に配置されている。放熱ブロック2051の径方向内側の面と連結部2052とで形成される凹部2053には、図90等に示すように、制御コネクタ2045が嵌り込む。
【0428】
図85等に示すように、放熱ブロック2051は、幅広の柱状に形成される。放熱ブロック2051の両端には、接続部2054、2055を有している。接続部2054、2055には、モータ2002の軸方向に貫通する孔が形成される。一方の接続部2054には、ねじ2056が挿通され、モータケース2010に螺着される。また、他方の接続部2055には、ねじ2057が挿通され、後述するカバー2110とともにモータケース2010に螺着される。一方の放熱ブロック2051の接続部2054と他方の放熱ブロック2051の接続部2054とは、シャフト2035の中心線に対して対称となるように配置される。また同様に、一方の放熱ブロック2051の接続部2055と他方の放熱ブロック2051の接続部2055とは、シャフト2035の中心線に対し対称となるように配置される。
【0429】
また、放熱ブロック2051は、モータケース2010の径方向外側となる側の面であって、接続部2055の間に形成される幅広面である受熱面2059を有している。受熱面2059は、モータケース2010の軸方向の端面から立ち上がる方向に形成されている。本実施形態では、受熱面2059は、モータケース2010の軸方向における端面2013と略垂直に形成されている。
【0430】
ヒートシンク2050のモータ2002における径方向外側には、パワーモジュール2060が配置される。パワーモジュール2060は、2つの放熱ブロック2051に対して1つずつ配置される。
パワーモジュール2060は、スイッチング素子または電源リレーであるMOSを構成する図示しない半導体チップ、半導体チップをモールドするモールド部2061、モールド部2061から突出する制御端子2064及びパワー端子2065を有する(図88等参照)。
【0431】
図88に示すように、制御端子2064は、モールド部2061の幅広面に垂直な面である第1の面2062に形成される。また、パワー端子2065は、モールド部2061の幅広面に垂直な面であって、第1の面2062と対向する第2の面2063に形成される。本実施形態では、パワーモジュール2060は、制御端子2064が形成される第1の面2062が制御基板2040側、パワー端子2065が形成される第2の面2063がパワー基板2070側となるようにヒートシンク2050の受熱面2059に沿って配置される。すなわち、パワーモジュール2060は、モータ2002の径方向においてヒートシンク2050の外側に縦配置される。また、パワーモジュール2060の制御端子2064及びパワー端子2065は、軸方向に視ると、シャフト2035の中心を基準にして点対称となっている。
【0432】
制御端子2064は、制御基板2040のスルーホール2043に挿通され、はんだ等により制御基板2040と電気的に接続される。この制御端子2064を介して、制御基板2040からの制御信号がパワーモジュール2060へ出力される。また、パワー端子2065は、後述するパワー基板2070に形成されるスルーホール2073に挿通され、はんだ等によりパワー基板2070と電気的に接続される。このパワー端子2065を経由してモータ2002を駆動する駆動電流が通電される。本実施形態では、制御基板2040側には、モータ2002の駆動制御に係る程度の小さい電流(例えば、2A)しか通電されない。一方、パワー基板2070側には、モータ2002を駆動するための大電流(例えば、80A)が通電される。そのため、パワー端子2065は、制御端子2064よりも太く形成されている。グランド端子2066は、制御端子2064と同等の太さに形成される。グランド端子2066は、モールド部2061を貫通して設けられて制御基板2040及びパワー基板2070と接続し、制御基板2040側のグランドを構成している。
【0433】
パワーモジュール2060とヒートシンク2050との間には、放熱シートが設けられる。パワーモジュール2060は、放熱シートとともに、ねじ2069によりヒートシンク2050に螺着される。これにより、パワーモジュール2060は、放熱シートを挟んでヒートシンク2050に固定され、通電により発生する熱が放熱シートを介してヒートシンク2050に放熱される。なお、図示はしていないが、パワーモジュール2060のヒートシンク2050側の面には、配線パターンの一部が金属放熱部としてモールド部2061から一部露出しており、この金属放熱部が放熱シートを介してヒートシンク2050に接触することにより、効率よく放熱することができる。放熱シートは、パワーモジュール2060からの熱をヒートシンク2050に伝えるとともに、パワーモジュール2060とヒートシンク2050との絶縁を確保している。
【0434】
パワーモジュール2060は、銅で形成された配線パターンに半導体チップ及びシャント抵抗2099等が搭載され、樹脂で形成されるモールド部2061によりモールドされている。本実施形態では、2つのパワーモジュール2060を備えており、図1に示すインバータ2080,2089を構成している。
【0435】
ここでパワーモジュール2060と図81に示す電気回路との関係を言及しておくと、一方のパワーモジュール2060がインバータ2080に対応し、図81に示すMOS2081〜2086、電源リレー2087、2088、及びシャント抵抗2099を有している。本実施形態では、MOS2081〜2086、電源リレー2087,2088、及びシャント抵抗2099が1つのモジュールとして一体に樹脂モールドされている。また、他方のパワーモジュール2060がインバータ2089に対応し、インバータ2089を構成するMOS、電源リレー、及びシャント抵抗を有している。すなわち本実施形態では、1つのパワーモジュール2060が1系統のインバータ回路に対応している。すなわち本実施形態では、放熱ブロック2051に対して、パワーモジュール2060が系統毎に配置されている、といえる。
【0436】
パワー基板2070は、ガラスエポキシ基板により形成されるパターン銅箔の厚い4層基板であって、モータケース領域内に収まる略正方形の板状に形成される。パワー基板2070の四隅は、ヒートシンク2050の接続部2055のスペースを確保すべく、切欠2071が形成されている。また、パワー基板2070は、モータ2002の反対側からねじ2072によってヒートシンク2050に螺着されている。
【0437】
パワー基板2070には、モータ2002を駆動する駆動電流が通電されるパワー配線が形成される。本実施形態では、U相のMOS2081、V相のMOS2082、W相のMOS2083を電源ライン側で繋ぐ配線、U相のMOS2084、V相のMOS2085、W相のMOS2086をグランド側で繋ぐ配線、電源リレー2088とMOS2081〜2083とを繋ぐ配線、電源リレー2087とチョークコイル2076及び平滑コンデンサ2077とを繋ぐ配線等がパワー基板2070に形成されている。
【0438】
パワー基板2070には、パワーモジュール2060のパワー端子2065を挿通するスルーホール2073が形成される。また、パワー基板2070のスルーホール2073の外側には、モータ線2027が挿通されるスルーホール2074が形成される。モータ線2027は、スルーホール2074に挿通され、はんだ等により、パワー基板2070と電気的に接続される。これにより、モータ線2027は、パワー基板2070を介してパワーモジュール2060と接続される。
【0439】
パワー基板2070のモータ2002側の面には、チョークコイル2076、平滑コンデンサ2077、電解コンデンサ2078、及びパワーコネクタ2079が実装されており、パワーユニット2105を構成している。また、パワーユニット2105及びパワーモジュール2060が、パワー部2100を構成している。
【0440】
ここで、パワーユニット2105の配置を図96〜図98に基づいて説明する。
パワーユニット2105を構成するチョークコイル2076、平滑コンデンサ2077及び電解コンデンサ2078、パワーコネクタ2079は、ヒートシンク2050の連結部2052とパワー基板2070との間であって2つの放熱ブロック2051の間に形成される空間に配置される。また、これらの電子部品は、制御基板2040に接続される制御コネクタ2045側から、チョークコイル2076、平滑コンデンサ2077及び電解コンデンサ2078、パワーコネクタ2079がこの順で直線的に配列される。
【0441】
チョークコイル2076は、軸方向の長さが径方向の長さよりも短い円筒状に形成される。チョークコイル2076は、モータ2002の軸方向から見たとき、シャフト2035と重ならない位置に配置される。また、チョークコイル2076は、その軸線が、シャフト2035の中心線と垂直となるように縦配置される。
【0442】
平滑コンデンサ2077は、4つの電解コンデンサ2078の略中心に配置される。4つの電解コンデンサ2078は、平滑コンデンサ2077を取り囲むように近接して配置される。電解コンデンサ2078は、平滑コンデンサ2077よりも電気的な容量が大きいものが用いられる。
【0443】
パワーコネクタ2079は、制御基板2040と接続される制御コネクタ2045と反対側に設けられている。パワーコネクタ2079は、モータ2002の径方向外側から配線を接続可能に設けられ、電源2075と接続される。これにより、パワー基板2070には、パワーコネクタ2079を経由して電力が供給される。また、電源からの電力は、パワーコネクタ2079、パワー基板2070、パワーモジュール2060、及びモータ線2027を経由して、ステータ2020に巻回された巻線2026へ供給される。
【0444】
コントローラ2003は、カバー2110の内部に収容される。カバー2110は、鉄等の磁性材料によって形成され、コントローラ2003側から外部へ電界が漏れるのを防ぐとともに、コントローラ2003側へ埃等が入り込むのを防止する。カバー2110は、モータケース2010と略同等の径であって、モータ2002側に開口する有底円筒状に形成される。カバー2110は、ねじ2057によりヒートシンク2050とともにモータケース2010に螺着される。カバー2110には、制御コネクタ2045及び2079と対応する位置に切欠2111が設けられている。この切欠2111から制御コネクタ2045,2079が、径方向外側に向いて露出する。また、樹脂ガイド2016のパワーコネクタ2079側の切欠2111と対応する位置には、凸部2018が形成されている。なお、樹脂ガイド2016には、段差部2019が形成されており、カバー2110と嵌り合うようになっている。
【0445】
次に、駆動装置2001の作動を説明する。
制御基板2040上のマイコン2094は、位置センサ2093、トルクセンサ2008、シャント抵抗2099等からの信号に基づき、車速に応じてステアリング2005の操舵をアシストするように、プリドライバ2091を介してPWM制御により作出されたパルス信号を生成する。
【0446】
このパルス信号は、制御端子2064を経由して、パワーモジュール2060により構成される2系統のインバータ回路に出力され、パワーモジュール2060のMOSのオン/オフの切り替え動作を制御する。これにより、巻線2026の各相には、位相のずれた正弦波電流が通電され、回転磁界が生じる。この回転磁界を受けてロータ2030及びシャフト2035が一体となって回転する。そして、シャフト2035の回転により、出力端2037からコラム軸2006のギア2007に駆動力が出力され、運転者のステアリング2005による操舵をアシストする。
【0447】
パワーモジュール2060のMOSをスイッチングする際に発生する熱は、放熱シートを介してヒートシンク2050へ放熱され、パワーモジュール2060の温度上昇による故障や誤動作が防止される。
なお、ステータ2020、ロータ2030等のサイズは、要求される出力に応じて設定可能である。
【0448】
本実施形態においても、上記実施形態で説明した効果(1),(2),(5)〜(8),(10)〜(14)と同様の効果が奏される。
また、本実施形態では、ヒートシンク2050が2つの放熱ブロック2051を有する。そして、各放熱ブロック2051に、インバータ2080,2089を構成するパワーモジュール2060が1つずつ配置されている。これにより、パワーモジュール2060から、バランスよく放熱することができる。また、離間した2つの放熱ブロック2051にそれぞれ配置するため、1つのパワーモジュール2060が別のパワーモジュール2060から熱による影響を受けることがない。さらに、同様箇所にパワーモジュール2060を集めて配置する構成と比べ、別々の箇所にパワーモジュール2060を配置することで、2つの系統が同時期に故障するという事態を抑制できる。
【0449】
また、本実施形態では、放熱ブロック2051が、幅広の柱状に形成される。放熱ブロック2051は、その両端に、接続部2054、2055を有している。接続部2054、2055には、モータ2002の軸方向に貫通する孔が形成されている。一方の接続部2054には、ねじ2056が挿通され、モータケース2010に螺着される。また、他方の接続部2055には、ねじ2057が挿通され、カバー2110とともにモータケース2010に螺着される。これにより、モータケース2010に対してヒートシンク2050を簡単に固定することができる。
【0450】
さらにまた、本実施形態では、2つの放熱ブロック2051は、シャフト2035の中心を基準にして対称に配置されている。このような放熱ブロック2051としたことで、パワーモジュール2060の配置設計や取り付け作業に要する時間が短縮される。
【0451】
本実施形態におけるモータケース2010が特許請求の範囲に記載の「モータケース」に相当し、ステータ2020が「ステータ」に相当し、ロータ2030が「ロータ」に相当し、シャフト2035が「シャフト」に相当し、ヒートシンク2050が「ヒートシンク」に相当し、放熱ブロック2051が「側壁」に相当し、パワーモジュール2060が「半導体モジュール」に相当する。また、ヒートシンク2050の接続部2054,2055が「接続部」に相当する。
【0452】
(第26実施形態)
第26実施形態の駆動装置を図99及び図100に示す。図99は、駆動装置2200の分解斜視図であり、図100は、ヒートシンク2250にモジュールユニット2260,2270を組み付けた状態を示す斜視図である。
【0453】
ヒートシンク2250は、上記実施形態と同様、2つの放熱ブロック2251、及び、2つの放熱ブロック2251の間に設けられる連結部2252を有している。2つの放熱ブロック2251及び連結部2252は、熱伝導性のよい材料(例えばアルミニウム)により一体に形成されている。
【0454】
本実施形態では、1つの放熱ブロック2251に対して2つのモジュールユニット2260,2270が配置されている。一方のモジュールユニット2260は、パワー基板2070側の面に配置されている。すなわち、モジュールユニット2260は、モータケース2010の軸方向における端面2013に対して略水平に配置されている。もう一方のモジュールユニット2270は、放熱ブロック2251のモータケース2010の軸方向における端面2013から立ち上がる方向であって、モータ2002の径方向外側に配置されている。すなわち、モジュールユニット2270は、モータケース2010の軸方向における端面2013に対して縦配置されている。
【0455】
モジュールユニット2260は、4つの半導体モジュール2261〜2264及び配線基板2265を有している。半導体モジュール2261〜2264は、幅広面に垂直な1つの面にそれぞれ3本の端子2266が設けられ、この端子2266がモータ2002の径方向外側を向くように配置される。半導体モジュール2261〜2264の端子2266は、パワー基板2070側に略直角に折り曲げられる。
【0456】
また、モジュールユニット2270は、4つの半導体モジュール2271〜2274及び配線基板2275を有している。半導体モジュール2271〜2274は、幅広面に垂直な1つの面に3つの端子2276が設けられ、この端子2276がパワー基板2070側となるように配置される。
【0457】
半導体モジュール2261〜2264の端子2266及び半導体モジュール2271〜2274の端子2276は、パワー基板2070に設けられたスルーホール2277に挿通され、はんだ等によりパワー基板2070と電気的に接続される。
【0458】
モジュールユニット2260,2270は、ねじ2269によりヒートシンク2250に螺着されている。放熱シートは、上記実施形態と同様、モジュールユニット2260,2270とヒートシンク2250との絶縁を確保している。
【0459】
モジュールユニット2260、2270と、図81に示す回路構成との対応関係について言及しておく。一方の放熱ブロック2251に径方向外側に縦配置されるモジュールユニット2260,2270がインバータ2080と対応し、他方の放熱ブロック2251に配置されるモジュールユニット2260,2270がインバータ2080と対応している。上記実施形態と同様、インバータ2080とインバータ2089とは同様のものであるので、ここでは、インバータ2080に対応するモジュールユニット2260,2270について説明する。
【0460】
一方の放熱ブロック2251のパワー基板2070側の面に配置されるモジュールユニット2260においては、半導体モジュール2261が電源リレー2087を有し、半導体モジュール2262がMOS2081を有し、半導体モジュール2263がMOS2082を有し、半導体モジュール2264がMOS2083を有している。すなわち、モジュールユニット2260は、電源ライン側のMOS2081〜2083と1つの電源リレー2087を有している。モジュールユニット2260は、電源ライン側のMOS2081〜2083を有しており、「上流側ユニット」を構成している、ともいえる。
【0461】
また、放熱ブロック2251の径方向外側の面に縦配置されるモジュールユニット2270においては、半導体モジュール2271が電源リレー2088を有し、半導体モジュール2272がMOS2084を有し、半導体モジュール2273がMOS2085を有し、半導体モジュール2274がMOS2086を有している。すなわち、モジュールユニット2270は、グランド側のMOS2084〜2086と1つの電源リレー2088を有している。モジュールユニット2270は、グランド側のMOS2084〜2086を有しており、「下流側ユニット」を構成している、ともいえる。
【0462】
すなわち、U相コイルに接続されるMOS2081を有する半導体モジュール2262と、U相コイルに接続されるMOS2084を有する半導体モジュール2272とは、放熱ブロック2251のパワー基板2070側であって径方向外側の辺を挟んで隣り合うように配置されている。同様に、V相コイルに接続されるMOS2082を有する半導体モジュール2263と、V相コイルに接続されるMOS2085を有する半導体モジュール2273とは、放熱ブロック2251のパワー基板2070側であって径方向外側の辺を挟んで隣り合うように配置されている。また、W相コイルに接続されるMOS2083を有する半導体モジュール2264と、W相コイルに接続されるMOS2086を有する半導体モジュール2274とは、放熱ブロック2251のパワー基板2070側であって径方向外側の辺を挟んで隣り合うように配置される。さらに、電源リレー2087を有する半導体モジュール2261と、電源リレー2088を有する半導体モジュール2271とは、放熱ブロック2251のパワー基板2070側であって径方向外側の辺を挟んで隣り合うように配置される。このように配置することにより、配線ロスを少なくすることができる。
【0463】
本実施形態では、半導体モジュール2261〜2264、2271〜2274は、制御基板2040と直接接続するための端子を有していない。そのため、制御基板2040とパワー基板2070とは、基板接続ターミナル2278によって電気的に接続されている。また、制御基板2040と半導体モジュール2261〜2264、2271〜2274とは、基板接続ターミナル2278及びパワー基板2070を介して電気的に接続している。制御基板2040から出力される制御信号は、基板接続ターミナル2278及びパワー基板2070を経由して半導体モジュール2261〜2264、2271〜2274へ送られ、半導体モジュール2261〜2264、2271〜2274のMOSのオン/オフを制御している。これにより、上記第25実施形態と同様にモータ2002の駆動が制御される。
【0464】
本実施形態によれば、上記第25実施形態と同様の効果が奏される。
また、本実施形態では、上記第25実施形態と異なり、系統ごとに一体化されたモジュールではなく、MOSごとに樹脂モールドされた半導体モジュール2261〜2264、2271〜2274を用いている。半導体モジュール2261〜2264、2271〜2274は、ヒートシンク2250のパワー基板2070と対向する面に配置される。これにより、スペースを有効に利用することができ、装置全体の小型化に寄与する。
【0465】
なお、本実施形態におけるモータケース2010が「モータケース」に相当し、シャフト2035が「シャフト」に相当し、ヒートシンク2250が「ヒートシンク」に相当し、放熱ブロック2251が「側壁」に相当し、半導体モジュール2261〜2264,2271〜2274が「半導体モジュール」に相当する。
【0466】
以上、本発明は、上記形態に何等限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
(イ)上記形態はEPSに採用されるものとして説明したが、同様の構成の電子回路内蔵型モータを、他の分野へ適用することはもちろん可能である。
【0467】
(ロ)上記形態では、ヒートシンクの有する複数の側壁面に半導体モジュールを配置しているが、ヒートシンクの単一の側壁面に、半導体モジュールを配置するようにしてもよい。
【0468】
(ハ)上記形態では、ドーナツ状のチョークコイル52をシャフト401に挿通させるようにして配置しているが、チョークコイルはドーナツ状には限定されない。また、シャフト401に挿通させず、その周囲に配置してもよい。このとき、コイルを縦置きにしてもよいし、横置きにしてもよい。
【0469】
(ニ)上記形態ではプリント基板801、802の基板面がシャフト401の中心線に対し垂直となっているが、垂直に配置することには限定されない。また、プリント基板801、802を有する構成としたが、プリント基板を備えない構成であってもよい。
【0470】
(ホ)上記形態では、カバー103を備えるものとしたが、カバーを備えない構成であってもよい。
【0471】
(ヘ)上記形態では、半導体モジュールの軸方向における端部から、巻線用端子508及び、制御用端子509、コンデンサ用端子510が突出している。これに対し、半導体モジュールの軸方向以外の端部からこれらの端子508,509、510が突出する構成であってもよい。
【0472】
(ト)上記形態ではシャフト401に取り付けられたマグネット402とプリント基板801に取り付けられた位置センサ73によって回転位置を検出していたが、他の方法で回転位置を検出してもよい。
【0473】
(チ)上記形態ではヒートシンクがモータケースと一体成形されていたが、ヒートシンクを、モータケースとは別部材で形成してもよい。
【0474】
(リ)上記形態ではコンデンサを半導体モジュールの近傍に配置していたが、軸方向の配置範囲の一部が重なるような配置であればよい。また、円柱形状のアルミ電界コンデンサを採用しているが、それほどの容量を必要としないのであれば、別のタイプのコンデンサを採用してもよい。
【符号の説明】
【0475】
1〜24:電子回路内蔵型モータ
30:モータ
50:パワー部
52:チョークコイル
54、55、56:アルミ電解コンデンサ
60、68:インバータ
61〜67:MOSFET
70:制御部
73:位置センサ
101:モータケース
201:ステータ
301:ロータ
401:シャフト
402:マグネット
501〜506:半導体モジュール
507:バスバー
510:コンデンサ用端子
601:ヒートシンク
602:側壁
603、604:切り欠き部
605:側壁面
606:収容部
801、802:プリント基板
701〜706:コンデンサ
511〜516、521〜526、531〜536、541〜546、551〜556、561〜566、571〜576、581〜586、591〜596、1001〜1106、1201〜1206:半導体モジュール
567:IC
568:金属基板
611、621、631、641、651、661、671、691、901、911、921、931、941、951、961、971:ヒートシンク
614、624、643、644、663、664、673、674、953、954、973、974:切り欠き部
626、646、666、926、936、976:収容部
681、682:スペーサ
711、712、713、721、722、723、724、731〜738、741、742、751:コンデンサ
2001,2200:駆動装置
2002:モータ
2003:コントローラ
2005:ステアリング
2006:コラム軸
2007:ギア
2008:トルクセンサ
2010:モータケース
2020:ステータ
2030:ロータ
2035:シャフト
2040:制御基板
2045:制御コネクタ
2050,2250:ヒートシンク
2051,2251:放熱ブロック
2052,2252:連結部
2054,2055:接続部
2060:パワーモジュール
2064:制御端子
2065:パワー端子
2066:グランド端子
2070:パワー基板
2075:電源
2076:チョークコイル
2077:平滑コンデンサ
2078:電解コンデンサ
2079:パワーコネクタ
2080,2089:インバータ
2087,2088:電源リレー
2090:制御部
2100:パワー部
2260,2270:モジュールユニット
2261〜2264:半導体モジュール
2271〜2274:半導体モジュール
2265,2275:配線基板
2266,2276:端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外郭を形成する筒状のモータケース、当該モータケースの径方向内側に配置され複数相を構成するよう巻線が巻回されたステータ、当該ステータの径方向内側に配置されるロータ、当該ロータと共に回転するシャフト、及び、前記モータケースの端部から前記シャフトの中心線方向と同方向へ延設されたヒートシンクを有するモータと、
前記モータケースに対し前記中心線方向における前記ヒートシンク側に配置され、前記モータの駆動制御を司る電子回路と、
を備えた駆動装置であって、
前記電子回路は、
前記複数相の巻線に流れる巻線電流を切り換えるための半導体チップを有し、半導体チップ面の垂線が前記シャフトの中心線に対し非平行となるよう前記ヒートシンクの側壁面に直接的に又は間接的に接触するようにして縦配置された半導体モジュールと、
前記半導体モジュールの給電側から電源までのラインと前記半導体モジュールの接地側からグランドまでのラインとの間に並列に接続されたコンデンサと、
を備え、
前記中心線方向において、前記半導体モジュール、前記ヒートシンク、及び、前記コンデンサのそれぞれの配置範囲の少なくとも一部が重なっていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記ヒートシンクは、それぞれが異なる平面を規定する複数の側壁面を有しており、
前記半導体モジュールは、前記複数の側壁面のうちの2以上の側壁面に分散配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の駆動装置において、
前記コンデンサは、前記半導体モジュールに対し前記ヒートシンクと同じ側に配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項3に記載の駆動装置において、
前記コンデンサは、前記ヒートシンクに形成された収容部に収容されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の駆動装置において、
前記コンデンサは、前記半導体モジュールに対し前記ヒートシンクの反対側に配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記ヒートシンクは、前記シャフトの中心線周りに立設された側壁から構成されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項7】
請求項6に記載の駆動装置において、
前記電子回路は、前記半導体モジュールの電源ラインに介在するチョークコイルを有しており、
前記チョークコイルは、前記側壁の径方向内側に配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の駆動装置において、
前記ヒートシンクは、前記側壁の一部に不連続部分を形成する前記シャフトの中心線方向の切り欠き部を有していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記ヒートシンクは、前記相互に離間する複数の側壁を有しており、
前記半導体モジュールは、複数の駆動系統に対応するよう設けられ、一つの側壁に対し一つの駆動系統が対応するように前記側壁に配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項10】
請求項9に記載の駆動装置において、
前記側壁は、径方向に所定の厚みを有する厚肉板状を呈していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項11】
請求項10に記載の駆動装置において、
前記側壁は、その端部に、軸方向に貫通する固定用穴が形成された接続部を有していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項12】
請求項9〜11のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記側壁は、互いに連結されて、単一のヒートシンクを構成していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項13】
請求項9〜12の何れか一項に記載の駆動装置において、
前記ヒートシンクは、第1駆動系統に対応する前記半導体モジュールが設けられる第1側壁及び、第2駆動系統に対応する前記半導体モジュールが設けられる第2側壁を有すること
を特徴とする駆動装置。
【請求項14】
請求項13に記載の駆動装置において、
前記側壁は、前記シャフトの中心を基準にして対称となるよう設けられていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記電子回路は、前記半導体モジュールを制御する制御回路を有し、
前記制御回路は、前記モータケースに対し前記シャフトの中心線方向に配置されたプリント基板を用いて構成されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項16】
請求項15に記載の駆動装置において、
前記プリント基板は、その基板面が前記シャフトの中心線に対し垂直となるよう配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項17】
請求項15又は16に記載の駆動装置において、
前記プリント基板は、前記中心線方向において、前記半導体モジュールに対し、前記モータケースの反対側に配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項18】
請求項17に記載の駆動装置において、
前記モータケースの前記ヒートシンク側に、前記半導体モジュールを覆う有底筒状のカバーが取り付けられており、
前記プリント基板は、前記ヒートシンクと前記カバーの底部との空間に配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項19】
請求項15又は16に記載の駆動装置において、
前記プリント基板は、前記中心線方向において、前記半導体モジュールに対し前記モータケースと同じ側に配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項20】
請求項15〜19のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、前記シャフトの中心線方向における一端側に制御用端子を有し、当該制御用端子が前記プリント基板に接続されて配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項21】
請求項15〜20のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、前記プリント基板とは反対側の他端側に巻線用端子を有し、当該巻線用端子が前記ステータの巻線に接続されて配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項22】
請求項21に記載の駆動装置において、
前記巻線用端子は、径方向へ折れ曲がり、前記半導体モジュール近傍の径方向の空間を利用して、前記ステータの巻線に接続されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項23】
請求項22に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュール近傍の空間は、前記半導体モジュールの径方向外側の空間であること
を特徴とする駆動装置。
【請求項24】
請求項15〜23のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記シャフトの回転位置を検出する回転位置検出手段を備えていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項25】
請求項24に記載の駆動装置において、
前記回転位置検出手段は、
前記シャフトの前記プリント基板側の端部に設けられたマグネットと、
前記プリント基板上に実装され、前記マグネットの回転位置を検出する検出部と、
を有していることを特徴とする駆動装置。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか一項に記載の駆動装置において、
特定の半導体モジュールは、予めバスバーで連結されてモジュールユニットを構成していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記ヒートシンクは、前記モータケースと同一部材で一体成形されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項28】
請求項1〜27のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記ヒートシンクは、前記シャフトの中心線周りに径外方向へ向く側壁面を有していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項29】
請求項28に記載の駆動装置において、
前記側壁面は、前記モータケースの端部から離間するに連れて前記シャフトの中心線に近づくように傾斜していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項30】
請求項28に記載の駆動装置において、
前記側壁面は、前記モータケースの端部から離間するに連れて前記シャフトの中心線から離れるように傾斜していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールと前記コンデンサとは、前記シャフトの中心線に垂直な方向に並べて配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項32】
請求項1〜31のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、半導体チップ面の垂線が前記シャフトの中心線に垂直となるよう配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記コンデンサは、前記半導体モジュールの近傍に配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項34】
請求項1〜33のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記コンデンサは、円柱形状を呈し、その軸が前記シャフトの中心線と平行になるよう配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項35】
請求項1〜33のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記コンデンサは、円柱形状を呈し、その軸が前記シャフトの中心線に垂直になるよう配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項36】
請求項1〜35のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記ヒートシンクは、前記シャフトの中心線に対し前記側壁面が傾斜するよう構成されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項37】
請求項1〜36のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、その放熱面が前記ヒートシンクの側壁面に接触するよう配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項38】
請求項1〜37のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記ヒートシンクは、前記中心線に垂直な断面における形状が直線形状の側壁面を少なくとも一部に有していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項39】
請求項38に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、その放熱面が前記ヒートシンクの側壁面を構成する平面に当接するよう配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項40】
請求項39に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールの放熱面は、前記ヒートシンクの側壁面に合わせ平面となっていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項41】
請求項1〜40のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、前記複数相の巻線のうち特定相の巻線に対応する半導体スイッチ素子を構成する半導体チップを有していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項42】
請求項1〜41のいずれか一項に記載の駆動装置において、
特定の半導体モジュールは、逆接保護のための半導体スイッチ素子を構成する半導体チップを有していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項43】
請求項1〜42のいずれか一項に記載の駆動装置において、
特定の半導体モジュールは、前記半導体チップを制御する制御回路の少なくとも一部を有していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項44】
請求項1〜43のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記各半導体モジュールに対し一つずつ前記コンデンサが配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項45】
請求項1〜44のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、前記コンデンサ用の専用端子を有しており、
前記コンデンサは、その端子が前記専用端子に直接接続されて配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項46】
請求項1〜45のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記ヒートシンクは、前記中心線方向に垂直な断面における形状が曲線形状の側壁面を少なくとも一部に有していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項47】
請求項46に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、その放熱面が前記ヒートシンクの側壁面を構成する曲面に当接するよう配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項48】
請求項47に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールの放熱面は、前記ヒートシンクの側壁面に合わせ曲面となっていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項49】
請求項1〜48のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記ヒートシンクは、前記シャフトの中心線周りに径内方向へ向く側壁面を有していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項50】
請求項49に記載の駆動装置において、
前記側壁面は、前記モータケースの端部から離間するに連れて前記シャフトの中心線から離れるように傾斜していること
を特徴とする駆動装置。
【請求項51】
請求項1〜50のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、前記モータケースの端部のうち前記シャフトの出力側とは反対側の端部に配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項52】
請求項1〜51のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、前記モータケースの端部のうち前記シャフトの出力側の端部に配置されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項53】
請求項1〜52のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、前記半導体チップが樹脂でモールドされて構成されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項54】
請求項1〜53のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、前記半導体チップが基板に実装されて構成されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項55】
請求項1〜54のいずれか一項に記載の駆動装置において、
前記半導体モジュールは、樹脂でモールドされた半導体チップが基板に実装されて構成されていること
を特徴とする駆動装置。
【請求項56】
請求項54又は55に記載の駆動装置において、
前記基板は、金属基板であること
を特徴とする駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図96】
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【図97】
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【図98】
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【図99】
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【図100】
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【公開番号】特開2011−177001(P2011−177001A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117686(P2010−117686)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】