説明

駐車場案内装置、駐車場案内方法及びプログラム

【課題】ユーザの好む駐車場を選択する選択条件を入力する入力作業を必要とせず、自動的にユーザの好む駐車場を案内することが可能となる駐車場案内装置、駐車場案内方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】CPU41は、駐車場に駐車する毎に、当該駐車場に関する駐車場情報と、道路交通情報センタ等から定期的に配信された各駐車場の入庫待ち時間や目的施設周辺の渋滞等の情報等とに基づいて、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51に記憶される各情報61〜67の優先度を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場を案内する駐車場案内装置、駐車場案内方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、目的地周辺または車両周辺の駐車場を案内する技術に関して種々提案されている。
例えば、ユーザが入力した必ず守るべき絶対条件(車高、車幅、車長等である。)を満足する駐車場のそれぞれについて、ユーザが入力した絶対条件以外の通常条件(駐車料金、空き率等である。)と重み(ユーザが重視する度合い)とに応じて評価し、第1位にランクされた駐車場を表示する車載用ナビゲーション装置がある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−239076号公報(段落(0009)〜(0037)、図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された車載用ナビゲーション装置では、ユーザは入力装置を介して「絶対条件」、「通常条件」、「重み」をそれぞれ入力する必要があるため、入力作業が煩雑であるという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ユーザの好む駐車場を選択する選択条件を入力する入力作業を必要とせず、自動的にユーザの好む駐車場を案内することが可能となる駐車場案内装置、駐車場案内方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため請求項1に係る駐車場案内装置は、駐車場に関する駐車場情報を記憶する情報記憶手段(25)と、駐車場に駐車する毎に、当該駐車場に関する前記駐車場情報を取得する情報取得手段(13)と、前記情報取得手段によって取得した前記駐車場情報に基づいて、案内する駐車場を選択する複数の選択条件のそれぞれに優先度を設定する選択条件設定手段(13)と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る駐車場案内装置は、請求項1に記載の駐車場案内装置(1)において、前記情報取得手段(13)は、前記駐車場に関する駐車場情報を取得すると共に、当該駐車場に関する混雑状況を示す駐車状況情報を取得し、前記選択条件設定手段(13)は、前記駐車場情報と前記駐車状況情報とに基づいて前記複数の選択条件のそれぞれに優先度を設定することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る駐車場案内装置は、請求項1又は請求項2に記載の駐車場案内装置(1)において、目的地に関する目的地情報を取得する目的地情報取得手段(13)と、前記複数の選択条件を前記優先度に基づいて必須条件と推奨条件とに区分する区分手段(13)と、前記目的地周辺の前記必須条件を満たしている駐車場を抽出する駐車場抽出手段(13)と、前記駐車場抽出手段によって抽出された駐車場を前記推奨条件に基づいて案内する駐車場案内手段(13)と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る駐車場案内装置は、請求項3に記載の駐車場案内装置(1)において、前記駐車場案内手段(13)は、前記推奨条件のそれぞれについて前記優先度に基づいて選択寄与度を設定する選択寄与度設定手段(13)と、前記駐車場抽出手段によって抽出された駐車場に前記選択寄与度に基づいて優先順位を付与する優先順位付与手段(13)と、を有し、該駐車場案内手段(13)は、前記優先順位に基づいて前記目的地周辺の駐車場を案内することを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る駐車場案内は、駐車場に駐車する毎に、駐車場に関する駐車場情報を含む地図情報から当該駐車場に関する前記駐車場情報を取得する情報取得工程と、前記情報取得工程で取得した前記駐車場情報に基づいて、案内する駐車場を選択する複数の選択条件のそれぞれに優先度を設定する選択条件設定工程と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
更に、請求項5に係るプログラムは、コンピュータに、駐車場に駐車する毎に、駐車場に関する駐車場情報を含む地図情報から当該駐車場に関する前記駐車場情報を取得する情報取得工程と、前記情報取得工程で取得した前記駐車場情報に基づいて、案内する駐車場を選択する複数の選択条件のそれぞれに優先度を設定する選択条件設定工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
前記構成を有する請求項1に係る駐車場案内装置では、駐車場に駐車する毎に、取得した駐車場情報に基づいて、案内する駐車場を選択する複数の選択条件のそれぞれに優先度を設定するため、案内する駐車場を選択する選択条件のそれぞれに自動的にユーザの好みに合った優先度を設定することが可能となる。従って、ユーザの好む駐車場を選択する選択条件を入力する入力作業を必要とせず、自動的にユーザの好む駐車場を案内することが可能となる。
【0012】
また、請求項2に係る駐車場案内装置では、駐車場に駐車する毎に、取得した駐車場情報と駐車状況情報とに基づいて、案内する駐車場を選択する複数の選択条件のそれぞれに優先度を設定するため、案内する駐車場を選択する選択条件のそれぞれに自動的にユーザの好みに更に合った優先度を設定することが可能となる。従って、自動的にユーザの更に好みに合った駐車場を案内することが可能となる。
【0013】
また、請求項3に係る駐車場案内装置では、複数の選択条件の中から優先度に基づいて必須条件と選択条件を抽出することによって、ユーザが駐車する際に、強く所望する条件である必須条件を満たす目的地周辺の駐車場を抽出することが可能となる。更に、目的地周辺の必須条件を満たす駐車場から、推奨条件に基づいてユーザの好みにあった駐車場をより正確に抽出することが可能となる。
【0014】
また、請求項4に係る駐車場案内装置では、必須条件を満たす目的地周辺の駐車場に対して、推奨条件に付された選択寄与度に基づいて優先順位を付与することによって、必須条件を満たす目的地周辺の駐車場をユーザの好みに合った順に案内することが可能となる。
【0015】
また、請求項5に係る駐車案内方法では、駐車場に駐車する毎に、取得した駐車場情報に基づいて、案内する駐車場を選択する複数の選択条件のそれぞれに優先度を設定するため、案内する駐車場を選択する選択条件のそれぞれに自動的にユーザの好みに合った優先度を設定することが可能となる。従って、ユーザの好む駐車場を選択する選択条件を入力する入力作業を必要とせず、自動的にユーザの好む駐車場を案内することが可能となる。
【0016】
更に、請求項6に係るプログラムでは、コンピュータは当該プログラムを読み込むことによって、駐車場に駐車する毎に、取得した駐車場情報に基づいて、案内する駐車場を選択する複数の選択条件のそれぞれに優先度を設定するため、案内する駐車場を選択する選択条件のそれぞれに自動的にユーザの好みに合った優先度を設定することが可能となる。従って、コンピュータは、ユーザの好む駐車場を選択する選択条件を入力する入力作業を必要とせず、自動的にユーザの好む駐車場を案内することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る駐車場案内装置、駐車場案内方法及びプログラムをナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0018】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや地図情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17とから構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。
【0019】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、現在の自車の位置、方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0020】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、駐車場データベース(駐車場DB)28及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0021】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26や後述の駐車場学習テーブル51(図2参照)を作成する処理等で使用される駐車場情報27等が格納されている。
また、ナビ地図情報26は、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Pointof Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。また、POIに関する店舗データとしては、施設名、施設ID、施設の位置を示す座標(例えば、中心位置の座標等である。)、提携駐車場の施設ID等が記憶されている。
【0022】
また、ノードデータとしては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)や曲率半径等に応じて設定されたノード点の座標(位置)、ノードID、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクの識別番号であるリンクIDのリストである接続リンク番号リスト、各ノード点の高さ等に関するデータ等が記憶される。
【0023】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各道路リンク(以下、「リンク」という。)に関して、リンクを特定可能なリンクIDに対応付けて、リンクが示す道路の幅員、両端ノードのノードID、勾配、道路属性、道路種別(国道、県道、高速自動車国道など)等が記憶される。
【0024】
また、駐車場情報27は、駐車場に関する各種データ(以下、「駐車場情報」という。)から構成され、駐車場名、上記店舗データに対応する施設ID、地図上における駐車区域を表す座標データ(例えば、駐車区域の境界を表す座標群である。)、中心座標位置(例えば、駐車区域の中心位置の緯度と経度である。)、駐車料金、提携駐車場として契約する提携施設の施設ID、駐車可能時間帯、駐車場構造、駐車場の規模等が記憶されている。
【0025】
ここで、この駐車料金のデータには、時間当たりの駐車料金、料金上限の有・無及び料金上限になる駐車時間、料金一定の有・無等が含まれている。また、この駐車可能時間帯のデータには、午前8時〜午後9時や24時間営業等の駐車場の営業時間が含まれている。また、駐車場構造には、タワー式、出口にゲートが設けられたゲート型平面駐車場、駐車位置に可動式プレートが設けられたプレート型平面駐車場、立体駐車場等の駐車場の型式や、駐車可能な最大地上高、最低車高等のデータ含まれている。また、駐車場規模のデータには、10台未満、30台未満、100台未満や100台以上等の駐車可能台数、又は、駐車場面積等が含まれている。
【0026】
また、地図情報DB25の内容は、不図示の地図情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
また、駐車場DB28には、駐車する毎に学習する後述の駐車場学習テーブル51(図2参照)が格納されている。また、後述のように、駐車場学習テーブル51は駐車場に駐車する毎に更新される(図3参照)。
【0027】
また、図1に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の駐車場学習テーブル51を駐車場に駐車する毎に更新する学習テーブル更新処理(図3参照)や後述の目的施設周辺の駐車場を案内する駐車場案内処理(図4参照)のプログラム等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0028】
更に、前記ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0029】
この操作部14は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地、案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。更に、液晶ディスプレイ15の前面部には、タッチパネルが設けられ、画面に表示されたボタンや地図上を押下することによって各種指示コマンドを入力することが可能に構成されている。
【0030】
また、液晶ディスプレイ15には、現在走行中の地図情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの誘導経路、誘導経路に沿った案内情報、交通情報等が表示される。
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、誘導経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「200m先、○○交差点を右方向です。」等がある。
【0031】
また、通信装置17は、地図情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報や駐車場の空き情報等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0032】
また、渋滞情報には、渋滞区間の距離、渋滞度(混雑/渋滞の別等)、渋滞区間に含まれる各リンクのリンクID、渋滞車線の進行方向等が含まれている。
また、駐車場の空き情報には、駐車場毎に、駐車場を特定する施設IDに対応付けて、駐車場の空きの有・無、駐車場の入庫待ち時間等が含まれている。
【0033】
ここで、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51のデータ構造の一例について図2に基づいて説明する。図2は駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51のデータ構造の一例を示す図である。
【0034】
図2に示すように、駐車場での駐車に関する学習情報を記憶する駐車場学習テーブル51は、提携駐車場情報61と、混雑状況情報62と、駐車場構造情報63と、駐車場規模情報64と、駐車料金情報65と、目的地までの距離情報66と、営業時間情報67とから構成され、それぞれの優先度ポイントが優先度情報として記憶されている。尚、後述のように駐車場構造情報63の「最大地上高」、「最低車高」には、優先度ポイントに替えて数値が記憶されている。
【0035】
この提携駐車場情報61には、提携駐車場に駐車する優先度を表す優先度ポイントが記憶されている。また、混雑状況情報62には、駐車場周囲の渋滞と当該駐車場の混雑状況に対する優先度を表す各優先度ポイントが記憶されている。
また、駐車場構造情報63には、過去に駐車した駐車場の中で1番低い「最大地上高」、過去に駐車した駐車場の中で1番高い「最低車高」が記憶されている。また、この駐車場構造情報63には、駐車場の型式(タワー式、プレート型平面駐車場、ゲート型平面駐車場、立体駐車場)毎に、それぞれの型式の駐車場に駐車する優先度を表す各優先度ポイントが記憶されている。
【0036】
また、駐車場規模情報64には、駐車可能台数が10台未満、30台未満、100台未満や100台以上の各駐車場に駐車する優先度を表す各優先度ポイントが記憶されている。
また、駐車料金情報65には、周囲の駐車場よりも安い駐車場に駐車する優先度と、料金一定の駐車場または料金上限の有る駐車場に駐車する優先度を表す各優先度ポイントが記憶されている。また、目的地までの距離情報66には、目的施設までの距離が1番近い駐車場に駐車する優先度を表す優先度ポイントが記憶されている。また、営業時間情報67には、24時間営業の駐車場に駐車する優先度を表す優先度ポイントが記憶されている。
【0037】
[学習テーブル更新処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、駐車場に駐車する毎に駐車場学習テーブル51を更新する学習テーブル更新処理について図3に基づいて説明する。
【0038】
図3はナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、駐車場に駐車する毎に駐車場学習テーブル51を更新する学習テーブル更新処理を示すフローチャートである。尚、図3にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、CPU41により駐車場に駐車する毎に実行される。具体的には、CPU41は、所定時間毎に現在地検出処理部11を介して自車位置を取得し、ナビ地図情報26に基づいて自車位置周辺に存在する駐車場の施設IDを特定する。そして、CPU41は、駐車場情報27から当該施設IDに対応する駐車場の駐車区域を表す座標データを読み出し、自車位置がこの読み出した駐車場の駐車区域内に位置し、且つ、不図示のイグニッションキーがOFFになった場合に、自車両が駐車場に駐車したと判断して、以下の処理を実行する。
【0039】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車両の座標位置(例えば、緯度と経度である。)を検出して、自車両が駐車した駐車位置の座標データとしてRAM42に記憶する。また、CPU41は、タイマ45から時刻を取得して駐車開始時刻としてRAM42に記憶する。また、CPU41は、発進時等にタッチパネル、操作スイッチ等の操作部14の入力操作等によって設定された目的施設の施設名、施設ID、座標位置等をナビ地図情報26から再度読み出し、RAM42に記憶する。
【0040】
その後、S12において、CPU41は、駐車位置の座標データをRAM42から読み出し、ナビ地図情報26に基づいて駐車位置の座標データに対応する駐車場の施設IDを取得し、駐車場情報27からこの施設IDに対応する駐車場名、地図上における駐車区域を表す座標データ(例えば、駐車区域の境界を表す座標群である。)、中心座標位置(例えば、駐車区域の中心位置の緯度と経度である。)、駐車料金、提携駐車場として契約する提携施設の施設ID、駐車可能時間帯、駐車場構造、駐車場の規模等を読み出し、自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報としてRAM42に記憶する。
【0041】
続いて、S13において、CPU41は、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から、当該駐車場の駐車場構造に関する駐車可能な最大地上高を読み出す。また、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51の駐車場構造情報63から「最大地上高」を読み出す。そして、CPU41は、駐車場学習テーブル51の駐車場構造情報63から読み出した「最大地上高」よりも当該駐車場の駐車可能な最大地上高の方が低い場合には、駐車場構造情報63の「最大地上高」に当該駐車場の駐車可能な最大地上高を代入して、更新し、駐車場学習テーブル51に再度記憶する。一方、駐車場学習テーブル51の駐車場構造情報63から読み出した「最大地上高」よりも当該駐車場の駐車可能な最大地上高の方が高い場合には、駐車場構造情報63の「最大地上高」を更新することなく、駐車場学習テーブル51に再度記憶する。
【0042】
また、CPU41は、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から、当該駐車場の駐車場構造に関する駐車可能な最低車高を読み出す。また、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51の駐車場構造情報63から「最低車高」を読み出す。そして、CPU41は、駐車場学習テーブル51の駐車場構造情報63から読み出した「最低車高」よりも当該駐車場の駐車可能な最低車高の方が高い場合には、駐車場構造情報63の「最低車高」に当該駐車場の駐車可能な最低車高を代入して、更新し、駐車場学習テーブル51に再度記憶する。一方、駐車場学習テーブル51の駐車場構造情報63から読み出した「最低車高」よりも当該駐車場の駐車可能な最低車高の方が低い場合には、駐車場構造情報63の「最低車高」を更新することなく、駐車場学習テーブル51に再度記憶する。
【0043】
CPU41は、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から、当該駐車場の駐車場構造に関する駐車場の型式を読み出す。そして、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から、当該型式の駐車場に駐車する優先度を表す駐車場構造情報63の優先度ポイントを読み出し、当該優先度ポイントに1ポイント加算して、再度、駐車場学習テーブル51に記憶する。つまり、各型式の駐車場に駐車する優先度を表す駐車場構造情報63の優先度を更新する。
【0044】
例えば、自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から読み出した、当該駐車場の構造に関する駐車場の型式が「ゲート型平面駐車場」の場合には、CPU41は、駐車場構造情報63の「ゲート」の優先度ポイントを読み出し、当該優先度ポイントに1ポイント加算して、再度、駐車場学習テーブル51に記憶する。つまり、「ゲート型平面駐車場」に駐車する優先度を表す駐車場構造情報63の優先度を更新する。
【0045】
また、CPU41は、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から、当該駐車場の規模に関する駐車可能台数を読み出す。そして、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から、当該規模の駐車場に駐車する優先度を表す駐車場規模情報64の優先度ポイントを読み出し、当該優先度ポイントに1ポイント加算して、再度、駐車場学習テーブル51に記憶する。つまり、各駐車可能台数の駐車場に駐車する優先度を表す駐車場規模情報64の優先度を更新する。
【0046】
例えば、自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から読み出した、当該駐車場の駐車可能台数が「30台未満」の場合には、CPU41は、駐車場規模情報64の「30台未満」の優先度ポイントを読み出し、当該優先度ポイントに1ポイント加算して、再度、駐車場学習テーブル51に記憶する。つまり、駐車可能台数が「30台未満」の駐車場に駐車する優先度を表す駐車場規模情報64の優先度を更新する。
【0047】
そして、S14において、CPU41は、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から、当該駐車場の駐車可能時間帯のデータを読みだす。そして、CPU41は、当該駐車場の駐車可能時間帯が24時間営業でない場合には、S15の処理に移行する。
【0048】
一方、当該駐車場の駐車可能時間帯が24時間営業の場合には、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から、24時間営業の駐車場に駐車する優先度を表す営業時間情報67の優先度ポイントを読み出す。そして、CPU41は、当該営業時間情報67の優先度ポイントに1ポイント加算して、再度、営業時間情報67の優先度ポイントとして記憶する。つまり、24時間営業の駐車場に駐車する優先度を表す営業時間情報67の優先度を更新する。
【0049】
その後、S15において、CPU41は、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から、当該駐車場の中心座標位置のデータを読み出すと共に、目的施設の座標位置をRAM42から読み出し、当該駐車場から目的施設までの距離を算出してRAM42に記憶する。また、CPU41は、ナビ地図情報26に基づいて目的施設周辺の当該駐車場以外の各駐車場の中心位置座標を読み出すと共に、目的施設の座標位置をRAM42から読み出し、各駐車場から目的施設までの距離を算出してRAM42に記憶する。そして、CPU41は、RAM42に記憶した当該駐車場から目的施設までの距離と、当該駐車場以外の各駐車場から目的施設までの距離とを比較し、当該駐車場から目的施設までの距離が最も近い距離でない場合には、S16の処理に移行する。
【0050】
一方、当該駐車場から目的施設までの距離が最も近い距離の場合には、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から、目的施設までの距離が1番近い駐車場に駐車する優先度を表す目的地までの距離情報66の優先度ポイントを読み出す。そして、CPU41は、当該目的地までの距離情報66の優先度ポイントに1ポイント加算して、再度、目的地までの距離情報66の優先度ポイントとして記憶する。つまり、目的施設までの距離が1番近い駐車場に駐車する優先度を表す目的地までの距離情報66の優先度を更新する。
【0051】
続いて、S16において、CPU41は、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から、当該駐車場の施設IDを読み出し、道路交通情報センタ等から通信装置17を介して受信してRAM42に記憶した交通情報から、当該駐車場の施設IDに対応する駐車場の入庫待ち時間を読み出す。そして、CPU41は、駐車開始時刻における当該駐車場の入庫待ち時間が所定時間以上(例えば、約30分以上である。)か否かを判定する判定処理を実行する。
【0052】
尚、CPU41は、道路交通情報センタ等から定期的(例えば、5分間隔である。)に配信される自車両及び目的施設周辺(例えば、自車両及び目的施設を中心として半径2kmの範囲である。)の道路の渋滞情報や駐車場の空き情報等の交通情報を通信装置17を介して受信した場合には、受信した時刻に基づき最新の渋滞情報や駐車場の空き情報等の交通情報をRAM42に記憶更新する。
【0053】
そして、当該駐車場の入庫待ち時間が所定時間以上の場合には、CPU41は、S17の処理に移行する。
一方、当該駐車場の入庫待ち時間が所定時間以上でない場合には、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から、当該駐車場の混雑状況に対する優先度を表す混雑状況情報62の「入庫待ち時間」の優先度ポイントを読み出し、当該優先度ポイントに1ポイント加算して、再度、駐車場学習テーブル51に記憶する。つまり、当該駐車場の混雑状況に対する優先度を表す混雑状況情報62の「入庫待ち時間」の優先度を更新する。
【0054】
その後、S17において、CPU41は、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場の中心座標位置と目的施設の座標位置とを読み出し、RAM42に記憶する最新の交通情報から、当該駐車場及び目的施設周辺の道路の渋滞情報を読み出す。そして、CPU41は、当該渋滞情報とナビ地図情報26とに基づいて、目的施設から所定範囲内に存在する全てのリンクのうち、渋滞しているリンクの割合を算出する。具体的には、ナビ地図情報26に基づいて目的施設から所定範囲内(例えば、目的施設を中心として半径1kmの円内である。)に存在する全てのリンクのリンクIDを取得すると共に、RAM42に記憶する最新の交通情報から渋滞区間に含まれるリンクのリンクIDを取得し、全てのリンクのリンクIDと渋滞区間に含まれるリンクIDとを比較することにより、目的施設から所定範囲内に存在する全てのリンクのうち、渋滞しているリンクの割合(以下、渋滞リンク割合)を算出する。
【0055】
また、CPU41は、ナビ地図情報26に基づいて、自車両が駐車した駐車場に隣接するリンクのリンクIDを取得すると共に、RAM42に記憶する最新の交通情報から渋滞区間に含まれるリンクのリンクIDを取得し、自車両が駐車した駐車場に隣接するリンクが渋滞区間に含まれるか否かを判定する判定処理を実行する。
【0056】
そして、算出した渋滞リンク割合が所定閾値(例えば、50%である。)以上であり、且つ、自車両が駐車した駐車場に隣接するリンクが渋滞区間に含まれない場合には、CPU14は、自車両は目的施設周辺の渋滞を避けたと判断して、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から、当該駐車場の周囲の渋滞に対する優先度を表す混雑状況情報62の「周囲の渋滞」の優先度ポイントを読み出し、当該優先度ポイントに1ポイント加算して、再度、駐車場学習テーブル51に記憶する。つまり、当該駐車場の周囲の渋滞に対する優先度を表す混雑状況情報62の「周囲の渋滞」の優先度を更新する。
一方、算出した渋滞リンク割合が所定閾値未満、または、自車両が駐車した駐車場に隣接するリンクが渋滞区間に含まれる場合には、CPU41は、S18の処理に移行する。
【0057】
続いて、S18において、CPU41は、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から、提携駐車場として契約する提携施設の施設IDを読み出す。また、CPU41は、RAM42から目的施設の施設IDを読み出し、提携駐車場として契約する提携施設の施設IDの中に当該目的施設の施設IDが含まれているか否かを判定する判定処理を実行する。
【0058】
そして、提携駐車場として契約する提携施設の施設IDの中に当該目的施設の施設IDが含まれていない場合には、CPU41は、S19の処理に移行する。
一方、提携駐車場として契約する提携施設の施設IDの中に当該目的施設の施設IDが含まれている場合には、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から、提携駐車場に駐車する優先度を表す提携駐車場情報61の優先度ポイントを読み出し、当該優先度ポイントに1ポイント加算して、再度、駐車場学習テーブル51に記憶する。つまり、提携駐車場に駐車する優先度を表す提携駐車場情報61の優先度を更新する。
【0059】
そして、S19において、CPU41は、不図示のイグニッションキーがONになると、所定間隔で自車位置を取得すると共に、当該駐車場の駐車区域を表す座標データをRAM42から読み出し、自車位置が当該駐車場の駐車区域の外側に移動するのを待つ、つまり、駐車場から出るのを待つ(S19:NO)。そして、駐車場を出た場合には(S19:YES)、CPU41は、タイマ45から現在時刻を駐車終了時刻として取得する。そして、CPU41は、上記S11で取得した駐車開始時刻をRAM42から読み出し、この駐車開始時刻から駐車終了時刻までの経過時間、つまり、駐車時間を算出してRAM42に記憶後、S20の処理に移行する。
【0060】
続いて、S20において、CPU41は、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から、当該駐車場の駐車料金に関する時間当たりの駐車料金のデータを読み出す。また、CPU41は、ナビ地図情報26に基づいて目的施設周辺の当該駐車場以外の各駐車場の施設IDを読み出し、この各駐車場の施設IDに対応する駐車料金に関する時間当たりの駐車料金のデータを駐車場情報27から読み出す。そして、CPU41は、当該駐車場の駐車料金に関する時間当たりの駐車料金と、当該駐車場以外の各駐車場の駐車料金に関する時間当たりの駐車料金とを比較する。
【0061】
そして、CPU41は、当該駐車場の時間当たりの駐車料金が、目的施設周辺の当該駐車場以外の各駐車場の時間当たりの駐車料金よりも安い場合には、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から、周囲の駐車場よりも安い駐車場に駐車する優先度を表す駐車料金情報65の「周囲の駐車場との料金差」の優先度ポイントを読み出す。そして、CPU41は、駐車料金情報65の「周囲の駐車場との料金差」の優先度ポイントに1ポイント加算して、再度、駐車料金情報65の「周囲の駐車場との料金差」の優先度ポイントとして記憶する。つまり、周囲の駐車場よりも安い駐車場に駐車する優先度を表す駐車料金情報65の「周囲の駐車場との料金差」の優先度を更新する。
【0062】
また、CPU41は、RAM42から当該駐車場の駐車時間を読み出すと共に、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から、当該駐車場の駐車料金に関する料金上限の有・無及び料金上限になる駐車時間、料金一定の有・無のデータを読み出す。そして、当該駐車場の料金に上限が有って、且つ、料金上限になる駐車時間以上駐車していた場合、または、当該駐車場の料金が一定である場合には、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から、料金一定の駐車場または料金上限の有る駐車場に駐車する優先度を表す駐車料金情報65の「料金上限有無」の優先度ポイントを読み出す。
【0063】
そして、CPU41は、駐車料金情報65の「料金上限有無」の優先度ポイントに1ポイント加算して、再度、駐車料金情報65の「料金上限有無」の優先度ポイントとして記憶する。つまり、料金一定の駐車場または料金上限の有る駐車場に駐車する優先度を表す駐車料金情報65の「料金上限有無」の優先度を更新する。その後、CPU41は、当該処理を終了する。
【0064】
一方、CPU41は、目的施設周辺の当該駐車場以外の各駐車場の時間当たりの駐車料金の中に、当該駐車場の時間当たりの駐車料金よりも安い駐車料金があり、更に、当該駐車場の駐車料金に上限が無い場合、又は、当該駐車場の駐車料金が一定で無い場合には、CPU41は、当該処理を終了する。
【0065】
[駐車場案内処理]
次に、ナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、目的施設周辺の駐車場を案内する駐車場案内処理について図4に基づいて説明する。
図4はナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、目的施設周辺の駐車場を案内する駐車場案内処理を示すフローチャートである。尚、図4にフローチャートで示されるプログラムはナビゲーション装置1のナビゲーション制御部13が備えているROM43に記憶されており、タッチパネル、操作スイッチ等の操作部14の入力操作等によって目的施設が設定される毎に、CPU41により実行される。具体的には、CPU41は、操作部14の入力操作等によって目的施設が設定された場合には、ナビ地図情報26に基づいて目的施設の施設ID、座標位置等を取得して、RAM42に記憶後、以下の処理を実行する。
【0066】
図4に示すように、先ず、S111において、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から、ユーザが強く所望していると推定される必須条件を抽出する。
【0067】
具体的には、CPU41は、駐車場学習テーブル51から駐車場構造情報63の「最大地上高」と「最低車高」とのデータを読み出し、必須条件としてRAM42に記憶する。つまり、CPU41は、駐車場に駐車する際の、駐車可能なサイズを抽出して必須条件としてRAM42に記憶する。
【0068】
また、CPU41は、駐車場学習テーブル51から提携駐車場情報61、混雑状況情報62の「入庫待ち時間」、「周囲の渋滞」、駐車場構造情報63の「タワー型」、「プレート」、「ゲート」、「立体駐車場」、駐車場規模情報64の各「駐車可能台数」、駐車料金情報65の「周囲の駐車場との料金差」、「料金上限有無」、目的地までの距離情報66、営業時間情報67のそれぞれの優先度ポイントを読み出し、過去に駐車場に駐車した回数に対するポイント数の割合が90%以上のものを抽出して、必須条件としてRAM42に記憶する。
【0069】
例えば、駐車場構造情報63の「ゲート」の優先度ポイントのポイント数が、過去に駐車場に駐車した回数に対して、90%以上の場合には、CPU41は、「ゲート型平面駐車場」を必須条件としてRAM42に記憶する。
【0070】
そして、S112において、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から必須条件として抽出した学習情報以外を推奨条件として順次抽出して、各推奨条件の「選択寄与度」を設定する。
【0071】
具体的には、CPU41は、駐車場学習テーブル51から提携駐車場情報61、混雑状況情報62の「入庫待ち時間」、「周囲の渋滞」、駐車場構造情報63の「タワー型」、「プレート」、「ゲート」、「立体駐車場」、駐車場規模情報64の各「駐車可能台数」、駐車料金情報65の「周囲の駐車場との料金差」、「料金上限有無」、目的地までの距離情報66、営業時間情報67の中から必須条件として抽出されていないものを「推奨条件」として順次抽出する。そして、CPU41は、各推奨条件の優先度ポイントを順次読み出し、過去に駐車場に駐車した回数に対するポイント数の割合を算出して、各推奨条件の「選択寄与度」として設定する。
【0072】
例えば、CPU41は、駐車場学習テーブル51から駐車料金情報65の「周囲の駐車場との料金差」を「推奨条件」として抽出する。そして、CPU41は、駐車場学習テーブル51から駐車料金情報65の「周囲の駐車場との料金差」の優先度ポイントを読み出す。そして、CPU41は、過去に駐車場に駐車した回数に対する当該優先度ポイントのポイント数の割合を算出して、当該推奨条件の「選択寄与度」としてRAM42に記憶する。
【0073】
尚、駐車場構造情報63の「タワー型」、「プレート」、「ゲート」、「立体駐車場」のうちのいずれかが必須条件として抽出されている場合には、CPU41は、当該駐車場構造情報63の「タワー型」、「プレート」、「ゲート」、「立体駐車場」は推奨条件として抽出しない。また、駐車場規模情報64の各「駐車可能台数」のうちのいずれかが必須条件として抽出されている場合には、CPU41は、当該駐車場規模情報64の各「駐車可能台数」は推奨条件として抽出しない。
【0074】
続いて、S113において、CPU41は、ナビ地図情報26から当該目的施設の周辺(例えば、目的施設を中心として半径約500m以内である。)の各駐車場の施設IDを取得する。そして、上記S111で、必須条件がRAM42に記憶されている場合には、CPU41は、駐車場情報27からこの各駐車場の施設IDに対応する駐車場情報を順次読み出すと共に、RAM42に記憶する最新の交通情報を読み出し、当該必須条件を充足する駐車場を抽出する。そして、この抽出した駐車場を「候補駐車場」としてRAM42に記憶する。
【0075】
例えば、ナビ地図情報26から当該目的施設の周辺(例えば、目的施設を中心として半径約500m以内である。)の各駐車場の施設IDを取得する。そして、上記S111で、「最大地上高:220cm」、「最低車高:25cm」、「タワー式」が必須条件として抽出されていた場合には、CPU41は、駐車場情報27からこの各駐車場の施設IDに対応する駐車場情報を順次読み出し、当該必須条件を充足する駐車場を抽出する。具体的には、CPU41は、最大地上高が220cm以上で、最低車高が25cm以下のタワー式の条件を満たす駐車場を抽出する。そして、CPU41は、この抽出した駐車場を「候補駐車場」としてRAM42に記憶する。
【0076】
そして、S114において、CPU41は、上記S112で設定した選択寄与度と、道路交通情報センタ等から定期的に配信された各駐車場の入庫待ち時間や目的施設周辺の渋滞等の情報をRAM42から読み出すと共に、各候補駐車場に関する駐車場情報を順次読み出し、上記S112で各推奨条件に設定された選択寄与度に基づいて各候補駐車場に案内ポイントを設定する。そして、CPU41は、各候補駐車場の優先順位を当該各候補駐車場に設定された案内ポイントの大きい順に設定して、RAM42に記憶する。
【0077】
ここで、各候補駐車場に案内ポイントを設定する方法の一例について具体的に説明する。先ず、各候補駐車場の案内ポイントに「0」を代入して初期化後、提携駐車場情報61が必須条件に該当しないで、候補駐車場が目的施設の提携駐車場の場合には、CPU41は、当該候補駐車場の案内ポイントに、上記S112で設定された提携駐車場情報61の選択寄与度を加算する。また、混雑状況情報62の「入庫待ち時間」が必須条件に該当しないで、候補駐車場の入庫待ち時間が所定時間以上の場合には、CPU41は、当該候補駐車場の案内ポイントに上記S112で設定された混雑状況情報62の「入庫待ち時間」の選択寄与度を加算する。
【0078】
また、駐車料金情報65の「周囲の駐車場との料金差」が必須条件に該当しないで、候補駐車場の駐車料金が一定でなく、且つ、駐車料金の上限が無い場合には、CPU41は、候補駐車場の案内ポイントに上記S112で設定された駐車料金情報65の「周囲の駐車場との料金差」の選択寄与度を加算する。また、駐車料金情報65の「料金上限有無」が必須条件に該当しないで、候補駐車場の駐車料金が一定、又は、駐車料金の上限が有る場合には、CPU41は、候補駐車場の案内ポイントに上記S112で設定された駐車料金情報65の「料金上限有無」の選択寄与度を加算する。
【0079】
続いて、S115において、CPU41は、各候補駐車場の優先順位をRAM42から読み出し、優先順位が1番目の候補駐車場を液晶ディスプレイ15の地図上に表示して、運転者に案内後、当該処理を終了する。
尚、CPU41は、各候補駐車場を液晶ディスプレイ15に優先順位順に、駐車場名、目的施設までの距離、駐車場構造、駐車料金等の情報等を一覧表示して案内するようにしてもよい。
【0080】
[上記実施例の効果]
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、駐車場に駐車する毎に、当該駐車場に関する駐車場情報と、道路交通情報センタ等から定期的に配信された各駐車場の入庫待ち時間や目的施設周辺の渋滞等の情報等とに基づいて、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51に記憶される各情報61〜67の優先度を更新するため、各情報61〜67の優先度を自動的にユーザの好みに合った優先度に設定することが可能となる。また、ユーザが好みを入力する場合と比較して、「絶対条件」、「通常条件」、「重み」等を入力する必要がないため、入力作業が煩雑であるという問題を解消することができる。
【0081】
従って、CPU41は、駐車場学習テーブル51に記憶される各情報61〜67に設定された優先度に基づいて駐車場を選択することによって、ユーザの好む駐車場を選択する選択条件を操作部14を介して入力する入力作業を必要とせず、自動的にユーザの好む駐車場を案内することが可能となる。
【0082】
また、CPU41は、駐車場学習テーブル51の各情報61〜67の中から、過去に駐車場に駐車した回数に対する優先度ポイントのポイント数の割合が90%以上のものを、ユーザが強く所望していると推定される必須条件として抽出する。これにより、CPU41は、この「必須条件」を充足する候補駐車場を抽出することによって、ユーザが駐車する際に強く所望する条件を満たす目的地周辺の候補駐車場を抽出することが可能となる。
【0083】
更に、CPU41は、駐車場学習テーブル51の各情報61〜67の優先度ポイントを順次読み出し、過去に駐車場に駐車した回数に対するポイント数の割合を算出して、各推奨条件の「選択寄与度」として、各候補駐車場に案内ポイントを設定する。これにより、CPU41は、各候補駐車場に設定された案内ポイントの大きい順に優先順位を決定することによって、必須条件を満たす目的地周辺の候補駐車場をユーザの好みに合った順に案内することが可能となる。
【0084】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0085】
(A)ナビゲーション装置1のCPU41は、駐車場に駐車する毎に、不図示の地図情報配信センタへ目的施設に関する施設情報(例えば、施設ID、座標位置等である。)、駐車した駐車場に関する駐車場情報(例えば、施設ID、座標位置等である。)、駐車した曜日、日時データ、ナビ識別ID等を送信するようにしてもよい。
一方、地図情報配信センタのCPUは、受信したこれらの情報に基づいて、ナビ識別IDで特定されるナビゲーション装置1毎に、上記駐車場学習テーブル51を作成するようにしてもよい。
【0086】
そして、地図情報配信センタのCPUは、ナビゲーション装置1のCPU41から、目的施設に関する施設情報、ナビ識別ID、目的施設周辺の駐車場の案内を要求する要求コマンド等を受信した場合には、上記S111〜S114の処理を実行して、各候補駐車場を優先順位順に当該ナビゲーション装置1に対して送信するようにしてもよい。
これにより、ナビゲーション装置1のCPU41の処理負荷を軽減することが可能となる。
【0087】
(B)また、上記駐車場学習テーブル51において、駐車場構造情報63の「最大地上高」と「最低車高」を、それぞれ複数種類の高さに分類して、それぞれの優先度ポイントを優先度情報として記憶するようにしてもよい。例えば、「最大地上高」を「220cm以上、220cm未満、200cm未満、179cm未満、155cm未満」、「最低車高」を「25cm以上、20cm以上、15cm以上、15cm未満」等に分類して、それぞれの優先度ポイントを優先度情報として記憶するようにしてもよい。
【0088】
また、この場合には、上記S13において、CPU41は、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から、当該駐車場の構造に関する「最大地上高」と「最低車高」を読み出す。そして、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から、当該「最大地上高」と「最低車高」に対応する優先度を表す駐車場構造63の優先度ポイントを読み出し、当該優先度ポイントに1ポイント加算して、再度、駐車場学習テーブル51に記憶するようにしてもよい。
【0089】
若しくは、上記S13において、CPU41は、RAM42に記憶する自車両が駐車した駐車場に関する駐車場情報から、当該駐車場の構造に関する「最大地上高」と「最低車高」を読み出す。そして、CPU41は、駐車場DB28に格納される駐車場学習テーブル51から、優先度ポイントが最大ポイント数になっている「最大地上高」と「最低車高」とを読み出す。
【0090】
そして、CPU41は、この「最大地上高」よりも当該駐車場の「最大地上高」が該当するものの方が小さい場合には、この最大ポイント数になっている「最大地上高」の優先度ポイントを0ポイントに設定すると共に、当該駐車場の「最大地上高」が該当するものの優先度ポイントを最大ポイント数に設定して、駐車場学習テーブル51に再度記憶する。一方、CPU41は、この「最大地上高」よりも当該駐車場の「最大地上高」が該当するものの方が小さくない場合には、駐車場構造情報63の「最大地上高」を更新しないようにしてもよい。
【0091】
また、CPU41は、この「最低車高」よりも当該駐車場の「最低車高」が該当するものの方が大きい場合には、この最大ポイント数になっている「最低車高」の優先度ポイントを0ポイントに設定すると共に、当該駐車場の「最低車高」が該当するものの優先度ポイントを最大ポイント数に設定して、駐車場学習テーブル51に再度記憶する。一方、CPU41は、この「最低車高」よりも当該駐車場の「最低車高」が該当するものの方が大きくない場合には、駐車場構造情報63の「最低車高」を更新しないようにしてもよい。
【0092】
(C)また、図5に示すように、駐車場学習テーブル51に替えて、曜日、時間帯別に提携駐車場情報61と、混雑状況情報62と、駐車場構造情報63と、駐車場規模情報64と、駐車料金情報65と、目的地までの距離情報66と、営業時間情報67とを記憶する各曜日時間帯別学習テーブル71〜78を駐車場DB28に格納するようにしてもよい。また、各曜日時間帯別学習テーブル71〜78は、月曜日から金曜日までを表す「平日」と、土曜日、日曜日及び祝日を表す「休日」とに分類され、更に、「午前」、「午後」、「夕方」、「夜間」の各時間帯にそれぞれ分類されている。これにより、CPU41は、各曜日時間帯別学習テーブル71〜78に基づいて駐車場を選択することによって、曜日、時間帯を考慮してユーザの好む駐車場を案内することが可能となる。
【0093】
(D)また、駐車場に駐車した際に、ユーザにより目的施設が設定されていない場合には、CPU41は、駐車場学習テーブル51を更新する学習テーブル更新処理において、上記S15における目的地までの距離情報66の優先度の更新処理、上記S17における混雑状況情報62の優先度の更新処理、及び、上記S18における提携駐車場情報61の優先度の更新処理を実行しない構成とするようにしてもよい。
【0094】
(E)また、上記S111において必須条件を抽出する場合、及び、上記S112において各推奨条件に対する選択寄与度を設定する場合には、CPU41は、過去所定回数以上又は過去所定期間以上、駐車場に駐車する毎に駐車場学習テーブル51を更新している場合のみ、駐車場学習テーブル51から必須条件を抽出すると共に、必須条件として抽出した学習情報以外を推奨条件として順次抽出して、各推奨条件の「選択寄与度」を設定するようにしてもよい。また、この場合に、CPU41は、駐車場学習テーブル51には、過去所定回数又は過去所定期間における駐車場に駐車する毎に更新した各学習情報のみを格納し、それ以前の各学習情報の優先度ポイントのポイント数を削除するようにしてもよい。これにより、CPU41は、常に、最新の優先度ポイントに基づいて、必須条件を抽出すると共に、各推奨条件の「選択寄与度」を設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】駐車場DBに格納される駐車場学習テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図3】ナビゲーション装置のCPUが実行する処理であって、駐車場に駐車する毎に駐車場学習テーブルを更新する学習テーブル更新処理を示すフローチャートである。
【図4】ナビゲーション装置のCPUが実行する処理であって、目的施設周辺の駐車場を案内する駐車場案内処理を示すフローチャートである。
【図5】他の実施例に係る駐車場DBに格納される各曜日時間帯別学習テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
1 ナビゲーション装置
11 現在地検出処理部
12 データ記録部
13 ナビゲーション制御部
14 操作部
15 液晶ディスプレイ
25 地図情報DB
26 ナビ地図情報
27 駐車場情報
28 駐車場DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 駐車場学習テーブル
71〜78 曜日時間帯別駐車場学習テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場に関する駐車場情報を記憶する情報記憶手段と、
駐車場に駐車する毎に、当該駐車場に関する前記駐車場情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得した前記駐車場情報に基づいて、案内する駐車場を選択する複数の選択条件のそれぞれに優先度を設定する選択条件設定手段と、
を備えたことを特徴とする駐車場案内装置。
【請求項2】
前記情報取得手段は、前記駐車場に関する駐車場情報を取得すると共に、当該駐車場に関する混雑状況を示す駐車状況情報を取得し、
前記選択条件設定手段は、前記駐車場情報と前記駐車状況情報とに基づいて前記複数の選択条件のそれぞれに優先度を設定することを特徴とする請求項1に記載の駐車場案内装置。
【請求項3】
目的地に関する目的地情報を取得する目的地情報取得手段と、
前記複数の選択条件を前記優先度に基づいて必須条件と推奨条件とに区分する区分手段と、
前記目的地周辺の前記必須条件を満たしている駐車場を抽出する駐車場抽出手段と、
前記駐車場抽出手段によって抽出された駐車場を前記推奨条件に基づいて案内する駐車場案内手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の駐車場案内装置。
【請求項4】
前記駐車場案内手段は、
前記推奨条件のそれぞれについて前記優先度に基づいて選択寄与度を設定する選択寄与度設定手段と、
前記駐車場抽出手段によって抽出された駐車場に前記選択寄与度に基づいて優先順位を付与する優先順位付与手段と、
を有し、
該駐車場案内手段は、前記優先順位に基づいて前記目的地周辺の駐車場を案内することを特徴とする請求項3に記載の駐車場案内装置。
【請求項5】
駐車場に駐車する毎に、駐車場に関する駐車場情報を含む地図情報から当該駐車場に関する前記駐車場情報を取得する情報取得工程と、
前記情報取得工程で取得した前記駐車場情報に基づいて、案内する駐車場を選択する複数の選択条件のそれぞれに優先度を設定する選択条件設定工程と、
を備えたことを特徴とする駐車場案内方法。
【請求項6】
コンピュータに、
駐車場に駐車する毎に、駐車場に関する駐車場情報を含む地図情報から当該駐車場に関する前記駐車場情報を取得する情報取得工程と、
前記情報取得工程で取得した前記駐車場情報に基づいて、案内する駐車場を選択する複数の選択条件のそれぞれに優先度を設定する選択条件設定工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−300179(P2009−300179A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153231(P2008−153231)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】