説明

駐車場監視システム、監視装置、及び車載用装置

【課題】監視カメラ又は車載用カメラによる撮像精度の高い空き領域へ優先的に車両を誘導することが可能な駐車場監視システム、監視装置、及び車載用装置を提供する。
【解決手段】本発明の駐車場監視システムは、車載用カメラの制御を行う車載用装置と、駐車場の撮像を行う監視カメラと、車両の検知を行う車両検知装置と、これら装置に接続されて駐車場の監視を行う監視装置とを含む。車載用装置は、車載用カメラにより撮像可能な範囲を示す第二監視情報を監視装置に送信する。監視装置は、監視カメラにより撮像可能な範囲を示す第一監視情報を記録した記録部と、監視カメラ又は車載用カメラにより撮像可能な空き領域を第一監視情報又は第二監視情報に基づいて判別し、判別した空き領域を示す空き領域情報を車載用装置へ送信する空き領域通知部を備えている。車載用装置は、受信した駐車場情報及び空き領域情報を示す画像を生成して表示装置へ表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラを用いた駐車場管理システム、監視装置、及び車載用装置に関するものであり、特に監視精度の高い駐車スペースを車両操縦者に対して提示する駐車場監視システム、監視装置、及び車載用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、駐車中における車両の盗難や損傷、又は車上狙いによる盗難が増加する傾向にある。このため駐車場の監視システムとして、駐車場に設置された監視カメラだけではなく、駐車中の車両に搭載された車載用カメラと連動して監視を行う駐車場監視システムの開発が進められている。
【0003】
しかしながら車外に設置された遠隔操作可能な可動式カメラであっても、監視範囲の死角を完全に無くすことはできない。また車載用カメラは、カメラを搭載した車両が移動する等により監視状態が変化する可能性があるため、死角を完全に無くせる保障がない。
【0004】
以上のことから、同じ駐車場内であっても、車載用カメラを搭載した車両の駐車状況に応じて、各駐車スペースの監視精度が変化する。このため、駐車可能な駐車スペース(以下、「空き領域」という)が複数存在する場合、より監視精度の高い空き領域を割り出し、割り出した空き領域へ車両を誘導することがより望ましい。
【0005】
上記に関連して、特許文献1においては、自車に搭載しているカメラに加え、自車の周辺に駐車している車両、又は駐車場等の施設に設置されているカメラと連携することにより監視範囲を広げるとともに、監視の信頼性を向上させることを目的とした車両監視装置が開示されている。
【0006】
この車両監視装置は、自車の現在位置を検出する位置検出手段と、異常通報用広域通信手段と、周辺に位置する同じ車両監視装置との間で通信するための狭域通信手段と、制御装置とを備えている。制御装置は、周辺に位置する同じ車両監視装置からの自車監視依頼の情報を狭域通信手段で受信し、依頼を受けた車両を自車のカメラにて撮像し、異常を検知した場合に通報する。また周辺に位置する車両監視装置から、自車に異常が発生した旨の通報を狭域通信手段を通して受信する。
【0007】
また特許文献2においては、携帯電話等の端末を利用して、駐車場内の空き領域へ移動誘導する情報を提供することにより、ユーザが駐車場内で迷うことなく、空き領域へスムーズに移動できること目的とした駐車場管理/誘導システムが開示されている。
【0008】
この駐車場管理/誘導システムは、駐車場の誘導方式を示す情報、及び駐車場の構造を示す情報を管理計算機がデータベースとして保持している。そして上記の各情報と駐車場の利用情報とを集約し、随時、空き領域情報を更新する。そしてインターネットを用いて、駐車場の空き領域情報を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−312447号公報
【特許文献2】特開2005−190448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
通常、駐車場の監視カメラによる撮像範囲は駐車場の利用者に公開されることはなく、どの場所に駐車すれば撮像範囲に入るのかを利用者が把握することはできない。また目視により監視カメラの位置を把握し、その近くへ駐車したとしても、撮像範囲に入っているか否かを確認することは困難である。
【0011】
この問題に対して特許文献1には、自車搭載カメラと他車搭載カメラによる相互監視を実現し、異常発生時には駐車場使用者への通知を行う技術が示されている。しかし、どの車両が監視装置を搭載しているかを、駐車場の監視システムが把握することはできない。従って、監視装置を搭載した車両が多数存在していたとしても、例えば各車両が離れて駐車されている場合等は、十分な監視精度が期待できない。
【0012】
また特許文献2には、空き領域情報を提供する技術については示されているが、監視状況に応じて空き領域の中から優先的に誘導対象とする空き領域を決定する技術については開示も示唆もなされていない。
【0013】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、駐車場内に空き領域が複数存在する場合に、監視カメラ又は車載用カメラによる監視精度の高い空き領域領域へ優先的に車両を誘導することが可能な駐車場監視システム、監視装置、及び車載用装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために本発明の駐車場監視システムは、車両に搭載された車載用カメラの制御を行う車載用装置と、予め定められた駐車場に設けられて前記駐車場の撮像を行う監視カメラと、前記駐車場に設けられた駐車用領域における車両の有無を検知する車両検知装置と、前記車載用装置、前記監視カメラ、及び前記車両検知装置を無線通信又は有線通信により接続する接続部と、車両が駐車されていない前記駐車用領域である空き領域を前記車両検知装置を用いて判別する空き領域判別部と、前記監視カメラにより撮像可能な範囲を示す第一監視情報を記録した記録部とを備える監視装置とを含む駐車場監視システムにおいて、前記車載用装置が、前記車載用カメラにより撮像可能な範囲を示す第二監視情報を前記監視装置に送信する情報送信部を備え、前記監視装置が、前記空き領域のうち前記監視カメラ又は前記車載用カメラにより撮像可能な範囲にある前記空き領域を前記第一監視情報、又は前記第二監視情報に基づいて判別し、判別した前記空き領域を示す空き領域情報を生成して前記車載用装置へ送信する空き領域通知部とを備えることを特徴としている。
【0015】
この構成によると、本発明の駐車場監視システムは、車載用カメラの制御を行う車載用装置と、駐車場の撮像を行う監視カメラと、車両の検知を行う車両検知装置と、車載用装置、監視カメラ、及び車両検知装置に接続されて駐車場の監視を行う監視装置とを含む。車載用装置は、車載用カメラにより撮像可能な範囲を示す第二監視情報を監視装置に送信する情報送信部を備えている。監視装置は、空き領域を車両検知装置を用いて判別する空き領域判別部と、監視カメラにより撮像可能な範囲を示す第一監視情報を記録した記録部とを備える。また監視装置は、監視カメラ又は車載用カメラにより撮像可能な空き領域を第一監視情報又は第二監視情報に基づいて判別し、判別した空き領域を示す空き領域情報を車載用装置へ送信する空き領域通知部を備えている。これにより、監視カメラ及び車載用カメラによる監視状況に応じて、監視可能且つ駐車可能な空き領域へ車両を誘導することが可能である。
【0016】
また上記の目的を達成するために本発明の駐車場監視システムは、前記監視装置が、前記駐車場の構造を示す駐車場情報を前記車載用装置へ送信し、前記車載用装置が、表示装置と、受信した前記駐車場情報及び前記空き領域情報を示す画像を生成して表示するよう前記表示装置を制御する情報表示部とを備える。
【0017】
この構成によると、監視装置は、駐車場の構造を示す駐車場情報を車載用装置へ送信する。車載用装置は、監視装置より受信した駐車場情報及び空き領域情報を示す画像を生成して表示装置へ表示する情報表示部を備えている。これにより、表示装置を使用した空き領域への誘導を車両の操縦者に対して行うことが可能である。
【0018】
また上記の目的を達成するために本発明の駐車場監視システムは、前記第一監視情報が、前記監視カメラにより撮像可能な範囲にある前記駐車用領域に対する撮像精度を示す第一撮像精度情報を含んでおり、前記空き領域通知部が、前記空き領域のうち前記第一撮像精度情報において撮像精度が予め定められた値より高いことが示されている前記空き領域を示す空き領域情報を生成して前記車載用装置へ送信する。
【0019】
この構成によると、第一監視情報は、監視カメラが撮像可能範囲にある駐車用領域を撮像する際の領域毎の撮像精度(=監視制度)を示す第一撮像精度情報を含んでいる。例えば、監視カメラの設置位置から駐車用領域への距離が離れる程、撮像精度は低下する。空き領域通知部は、空き領域のうち撮像精度が所定値より高い空き領域を、第一撮像精度情報により判別する。そして判別した空き領域を示す空き領域情報を生成して車載用装置へ送信する。これにより、より撮像精度の高い空き領域へ優先的に車両を誘導することが可能である。
【0020】
また上記の目的を達成するために本発明の駐車場監視システムは、前記監視装置が、前記車載用カメラにより撮像可能な範囲にある前記駐車用領域に対する撮像精度を示す第二撮像精度情報を、前記車載用装置より受信した一又は複数の前記第二監視情報に基づいて生成する精度情報生成部を備え、前記空き領域通知部が、前記空き領域のうち前記第二撮像精度情報において撮像精度が予め定められた値より高いことが示されている前記空き領域を示す空き領域情報を生成して前記車載用装置へ送信する。
【0021】
この構成によると、監視装置は、車載用カメラの撮像可能範囲に含まれる駐車用領域毎の撮像精度、例えば何台の車載用カメラから監視可能であるか等を示す第二撮像精度情報を、第二監視情報に基づいて生成する精度情報生成部を備えている。空き領域通知部は、空き領域のうち撮像精度が所定値より高い空き領域を第二撮像精度情報により判別する。そして判別した空き領域を示す空き領域情報を生成して車載用装置へ送信する。これにより、常に変化する可能性のある車載用カメラの設置位置に応じて、より撮像精度の高い空き領域へ優先的に車両を誘導することが可能である。
【0022】
また上記の目的を達成するために本発明の駐車場監視システムは、前記情報送信部が、前記車両に搭載されている前記車載用カメラの有無、前記車載用カメラの台数、及び前記車載用カメラの撮像可能範囲を示す車両情報を前記第二監視情報に含めて送信するとともに、前記車両が前記駐車用領域に駐車された後、前記車両の駐車方向を示す方向情報を前記第二監視情報に含めて送信し、前記精度情報生成部が、前記第二撮像精度情報を、前記車両情報又は前記方向情報に基づいて生成する。
【0023】
この構成によると、車載用装置が備える情報送信部は、例えば自車が駐車場に入場した場合等に、自車に搭載されている車載用カメラの有無、車載用カメラの台数、及び車載用カメラの撮像可能範囲を示す車両情報を第二監視情報に含めて送信する。また自車が駐車用領域に駐車された場合に、自車の駐車方向を示す方向情報を第二監視情報に含めて送信する。これを受けた監視装置の精度情報生成部は、第二撮像精度情報を車両情報又は方向情報に基づいて生成する。これにより、駐車車両に搭載されている装置の状態に応じて、より撮像精度の高い空き領域へ優先的に車両を誘導することが可能である。
【0024】
また上記の目的を達成するために本発明の駐車場監視システムは、前記情報送信部が、前記車両に搭載されている前記車載用カメラの有無、前記車載用カメラの台数、及び前記車載用カメラの撮像可能範囲を示す車両情報を前記第二監視情報に含めて送信するとともに、前記車両が前記駐車用領域に駐車された後、前記車両の駐車方向を示す方向情報を前記第二監視情報に含めて送信し、前記空き領域通知部が、前記車載用カメラにより撮像可能な前記空き領域を、前記車両情報又は前記方向情報に基づいて判別する。
【0025】
この構成によると、空き領域通知部は、車載用カメラにより撮像可能な空き領域を、車両情報又は方向情報に基づいて判別する。これにより、駐車車両に搭載されている装置の状態に応じて、空き領域へ車両を誘導することが可能である。
【0026】
また上記の目的を達成するために本発明の駐車場監視システムは、前記車両が、前記車両の状態異常を検知して検知結果を前記車載用装置へ通知する異常検知装置を備え、前記車載用装置が、前記異常検知装置より前記車両の状態異常を通知された場合に前記監視装置へ状態異常通知を送信する異常通知部を備え、前記監視装置が、前記状態異常通知を受信した場合に、前記状態異常通知の発信元車両を撮像可能な車載用カメラを搭載している車両を、前記車両情報又は前記方向情報に基づいて判別し、該車両に搭載されている車載用装置に対して電源起動指示及び撮像指示を送信する撮像指示部を備える。
【0027】
この構成によると、車両の状態異常を検知して検知結果を車載用装置へ通知する異常検知装置を車両が備えている。異常検知装置は、車載用装置が備える接続部等により車載用装置へ接続可能である。車載用装置は、異常検知装置が車両の状態異常を検知した場合に、監視装置へ状態異常通知を送信する異常通知部を備えている。監視装置は、状態異常通知を受信した場合に、状態異常車両を撮像可能な車両を車両情報又は方向情報に基づいて判別する撮像指示部を備えている。撮像指示部は、判別した車両に搭載されている車載用装置に対して、電源起動指示及び撮像指示を送信する。これにより、常に車載用装置及び車載用カメラの電源を起動させておく必要がなく、状態異常が発生した場合のみ、起動を行うようにすることができる。
【0028】
また上記の目的を達成するために本発明の駐車場監視システムは、前記監視装置が、前記状態異常通知を受信した場合に、前記状態異常通知を送信した車両に予め関連付けられている連絡先に対して、予め生成されている連絡用データを送信する連絡部を備える。
【0029】
この構成によると、監視装置は、状態異常通知を受信した場合に、状態異常車両に予め関連付けられている連絡先に対して状態異常の連絡を行うための連絡用データ、例えば電子メール等を送信する連絡部を備えている。これにより、車両から離れているユーザに対して、迅速に車両の状態異常を伝えることができる。
【0030】
また上記の目的を達成するために本発明の監視装置は、車両に搭載された車載用カメラの制御を行う車載用装置、予め定められた駐車場に設けられて前記駐車場の撮像を行う監視カメラ、及び前記駐車場に設けられた駐車用領域における車両の有無を検知する車両検知装置を、無線通信又は有線通信により接続する接続部と、車両が駐車されていない前記駐車用領域である空き領域を前記車両検知装置を用いて判別する空き領域判別部と、前記監視カメラにより撮像可能な範囲を示す第一監視情報を記録した記録部とを備える監視装置において、前記車載用カメラにより撮像可能な範囲を示す第二監視情報を前記車載用装置より受信し、前記空き領域のうち前記監視カメラ又は前記車載用カメラにより撮像可能な範囲にある前記空き領域を前記第一監視情報、又は前記第二監視情報に基づいて判別し、判別した前記空き領域を示す空き領域情報を生成して前記車載用装置へ送信する空き領域通知部を備えることを特徴としている。
【0031】
また上記の目的を達成するために本発明の監視装置は、前記第一監視情報が、前記監視カメラにより撮像可能な範囲にある前記駐車用領域に対する撮像精度を示す第一撮像精度情報を含んでおり、前記空き領域通知部が、前記空き領域のうち前記第一撮像精度情報において撮像精度が予め定められた値より高いことが示されている前記空き領域を示す空き領域情報を生成して前記車載用装置へ送信する。
【0032】
また上記の目的を達成するために本発明の監視装置は、前記車載用カメラにより撮像可能な範囲にある前記駐車用領域に対する撮像精度を示す第二撮像精度情報を、前記車載用装置より受信した一又は複数の前記第二監視情報に基づいて生成する精度情報生成部を備え、前記空き領域通知部が、前記空き領域のうち前記第二撮像精度情報において撮像精度が予め定められた値より高いことが示されている前記空き領域を示す空き領域情報を生成して前記車載用装置へ送信する。
【0033】
また上記の目的を達成するために本発明の監視装置は、前記第二監視情報が、前記車両に搭載されている前記車載用カメラの有無、前記車載用カメラの台数、及び前記車載用カメラの撮像可能範囲を示す車両情報と、前記車両の駐車方向を示す方向情報とを含み、前記精度情報生成部が、前記第二撮像精度情報を、前記車両情報又は前記方向情報に基づいて生成する。
【0034】
また上記の目的を達成するために本発明の監視装置は、前記第二監視情報が、前記車両に搭載されている前記車載用カメラの有無、前記車載用カメラの台数、及び前記車載用カメラの撮像可能範囲を示す車両情報と、前記車両の駐車方向を示す方向情報とを含み、前記空き領域通知部が、前記車載用カメラにより撮像可能な前記空き領域を、前記車両情報又は前記方向情報に基づいて判別する。
【0035】
また上記の目的を達成するために本発明の監視装置は、前記車両の状態異常を示す状態異常通知を前記車載用装置より受信した場合に、前記状態異常通知の発信元車両を撮像可能な車載用カメラを搭載している車両を前記車両情報又は前記方向情報に基づいて判別し、該車両に搭載されている車載用装置に対して電源起動指示及び撮像指示を送信する撮像指示部を備える。
【0036】
また上記の目的を達成するために本発明の監視装置は、前記状態異常通知を受信した場合に、前記状態異常通知の発信元車両に予め関連付けられている連絡先に対して、予め生成されている連絡用データを送信する連絡部を備える。
【0037】
以上の構成によると、上述の駐車場監視システムに含まれる監視装置と同様の作用が得られる。
【0038】
また上記の目的を達成するために本発明の車載用装置は、表示装置と、請求項9〜請求項15のいずれかに記載の監視装置より前記駐車場の構造を示す駐車場情報及び前記空き領域情報を受信し、受信した前記駐車場情報及び前記空き領域情報を示す画像を生成して表示するよう前記表示装置を制御する情報表示部とを備えることを特徴とする。
【0039】
以上の構成によると、上述の駐車場監視システムに含まれる車載用装置と同様の作用が得られる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、駐車状態にある車両より得られる各種情報に基づいて、監視カメラ及び車載用カメラによる撮像精度の高い空き領域へ優先的に車両を誘導する。このように、防犯効果の高い空き領域を示す情報を駐車車両に提供できるため、駐車場の利用者がより安心して駐車できるようになる。
【0041】
また本発明によれば、車載用カメラによる車両バッテリーへの負担を考え、常時動作を行わず異常検出時のみ動作するようにしている。このため、車両が搭載するバッテリーの電力をより効率良く使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の車載用装置の装置構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の監視装置の装置構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の駐車場監視システムのシステム構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の監視装置による監視処理を示すフロー図である。
【図5】本発明の監視装置による監視処理を示すフロー図である。
【図6】本発明の車載用装置による監視処理を示すフロー図である。
【図7】本発明の監視ポイントテーブルを示すテーブル図である。
【図8】本発明の監視装置が管理する駐車場情報の一例を示す模式図である。
【図9】本発明の監視装置が管理する駐車場情報の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
〈1.駐車場監視システムの構成について〉
図3は、本発明の一実施形態に係る駐車場監視システムの構成を示すブロック図である。本システムは少なくとも、車両1、監視装置2、監視カメラ3、及び車両センサ41(=車両検知装置)を含むように構成されている。
【0044】
車両1は、後述する車載用装置100が搭載された車両であり、特に本発明の駐車場監視システムが備えられた駐車場に入場して駐車状態にある車両を示す。
【0045】
監視装置2は、監視カメラ3の監視範囲と、駐車状態にある車両1の駐車スペース(=駐車用領域)と、車両1による監視範囲とを把握する。なお車両1により占有されている駐車スペースは、駐車場の各駐車スペースに設けられた車両センサ41を用いて判別する。車両センサ41は、例えば加重により車両1を検知する圧力センサや、赤外線により車両1を検知する赤外線センサ等を含む。
【0046】
監視装置2は、車両1が駐車場へ入場したのを検知すると、監視精度の高い駐車スペースを割り出す。なお監視精度が高い場所の例としては、例えば監視カメラ3による撮像精度が他の駐車スペースより高い場所がこれに相当する。又は、駐車場の出入り口に近い等、人目に付きやすい場所がこれに相当する。監視装置2は、割り出した駐車スペース示す情報である好適スペース情報(=空き領域情報)を車載用装置100へ提供する。
【0047】
監視装置2は予め、図8に示すような、駐車場の構造及び監視カメラ3の監視可能範囲を示す駐車場情報(=第一監視情報)を記録している。駐車場情報には少なくとも、監視カメラ3、駐車スペース51、及び監視可能範囲52の位置関係が含まれている。監視装置2は、監視可能範囲52や周辺環境等により、駐車スペース51に監視ポイントを設定する。
【0048】
例えば、図7(a)に示す監視ポイントテーブルA(=第一撮像精度情報)を用いて、監視ポイントを設定する。図8に示されているように、駐車スペース51aは監視カメラ3に近いので、鮮明な画像による監視が可能であり(=撮像精度が高い)、5ポイントの監視ポイントを付加している。反対に駐車スペース51eは監視カメラ3から遠いため、1ポイントの監視ポイントを付加している。さらには、一般道路又は駐車場入り口からの距離等を考慮して監視ポイントを設定してもよい。
【0049】
さらに監視装置2は、駐車場に入場した車両1から、車両1に関する情報及び車両1が搭載している車載用装置に関する情報(以下、「車両情報」という)を無線通信により取得する。そして駐車スペース51に対する監視ポイント付加に利用する。通信手段としては、例えば無線LANによる狭域通信手段を用いたり、既存のETC用アンテナを流用したりすることが可能である。
【0050】
車両情報は、車両1が駐車場へ入場した時点で送信する情報(以下、「入場時情報」という)と、車両1が駐車スペース51へ駐車完了した時点で送信する情報(以下、「駐車時情報」という)との二つに大別できる。入場時情報には、監視機能を備えた車載用装置の有無、車載用カメラ有無、車載用カメラ台数、車載用カメラ撮像可能方向等を示す情報が含まれている。駐車時情報には、駐車方向を示す情報(=方向情報)が含まれている。
【0051】
これらの車両情報に基づいて監視装置2が生成する駐車場情報(=第二監視情報)を、図9を用いて説明する。なお、図中の車両1にふられているA、B、Cという記号は、車両1の車載用カメラ有無を示している。図9の例では、A=カメラなし、B=前方撮像カメラあり、C=後方撮像カメラあり、を示している。
【0052】
また図中の実線矢印は、車両1の駐車方向を示している。また破線矢印は、車載用カメラの撮像方向を示している。これにより、各駐車スペース51に対して、車載用カメラによる監視ポイントを付加することができる。図7(b)は、この車載用カメラにより付加する監視ポイントの一例を示した監視ポイントテーブルB(=第二撮像精度情報)である。
【0053】
図7(b)に示すように監視ポイントテーブルBは、左から順に「駐車スペース」欄、「他車からの監視可否状況」欄、及び「付加ポイント」欄の三つの欄から構成されている。
【0054】
「駐車スペース」欄は、図8及び図9に示す駐車スペース51の位置を示す欄である。「他車からの監視可否状況」欄は、図9の破線矢印に示す車載用カメラ撮像方向により、何台の車両1から監視可能であるかを示す欄である。従ってこの欄に含まれる情報は、駐車状態の車両1が移動する等により変化する。
【0055】
「付加ポイント」欄は、「他車からの監視可否状況」欄の内容に応じて駐車スペース51に付加される監視ポイントである。図7(b)に示す例では、一台の車両1から監視可能である場合に1ポイント、二台の車両1から監視可能である場合に2ポイントの監視ポイントが付加されるようになっている。
【0056】
監視装置2は、監視ポイントテーブルAにより得られる監視ポイントと監視ポイントテーブルBにより得られる監視ポイントとを合算し、各駐車スペース51の監視ポイントを算出する。そして算出結果に基づいて上述の好適スペース情報を生成し、車両1へ送信する。
〈2.車載用装置の構成について〉
図1は、本発明の一実施形態に係る車載用装置100の内部構成示すブロック図である。なお本実施形態の車載用装置100は、車両1に搭載されて駐車場監視システムの一部を構成する電子機器である。
【0057】
図1のブロック図に示すように、本発明の車載用装置100は少なくとも、制御部11、アンテナ12、通信制御部13、LCD(Liquid Crystal Display)14、表示制御部15、操作部16、車載用カメラ17、フラッシュメモリ18、ジャイロセンサ19、及び接続I/F(Interface)部20を含むように構成されている。
【0058】
制御部11は、車載用装置100の各部材の駆動を有機的に制御して、駐車スペース51への案内処理や、車両1に対する侵入者を検知する監視処理等を統括制御するための中央処理装置である。また制御部11は、制御部11が備える演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現される機能部として、情報送信部11a〜情報表示部11cを備えている。なお、各機能部が実施する処理の詳細については後述する。
【0059】
アンテナ12は、監視装置2から送られてくる所定周波数の電波、例えば無線LANの規格であるIEEE802.11bにおいて用いられる5GHz帯の電波等を送受信するための送受信機である。例えば複数のダイバーシティアンテナ等が用いられる。
【0060】
通信制御部13は、アンテナ12により受信した無線電波の復調を行う。また、アンテナ12を用いて、各種情報の送信制御を行う。
【0061】
LCD14は、車載用装置100が保持する各種情報、例えば監視装置2より受信した好適スペース情報等を表示する装置である。表示制御部15は、画像データをLCD14の信号フォーマットにあわせた信号にエンコードした後、D/A変換を行い、画像信号を出力する。表示制御部15から出力された画像信号はLCD14に送られ、画像として表示される。
【0062】
操作部16は、車両1の操縦者が車載用装置100に対する各種指示を行うための入力インタフェースである。操作部16は、例えば複数のプッシュボタンやタッチセンサ等を含むように構成されている。
【0063】
車載用カメラ17は、画像撮像素子及び広角レンズを備えた小型の撮像装置であり、180度前後の画角を持つ。なお画像撮像素子としては、例えばCCD(Charge Coupled Device)を用いる。CCDは撮像レンズユニット(不図示)により結像された被写体の光像(光学情報)をR(赤)・G(緑)・B(青)の色成分の画像データに光電変換して出力する。この画像データを含む信号が、制御部11へ送られる。
【0064】
なお車載用カメラ17は、車両1に複数搭載することが可能である。本実施形態では、車両1の前方向又は後方向を撮像する向きに一台又は二台設置されているものとする。なお車載用カメラ17の設置数及び設置向きは上記に限定されるものではなく、例えば横方向を撮像する向きに設置する等、運用の形態にあわせて適宜変更可能である。
【0065】
フラッシュメモリ18は、各種データを記録するための記録媒体である。フラッシュメモリ18は例えば、車載用カメラ17で撮像した撮像画像や、監視装置2より受信した好適スペース情報等を記録するのに用いられる。
【0066】
ジャイロセンサ19は、車両1の向きの変化を計測する角速度センサである。本実施形態では、駐車時における車両1の駐車方向(図9の実線矢印)を取得するのに用いられる。ジャイロセンサ19は、取得した駐車方向を制御部11に与える。
【0067】
接続I/F(Interface)部20は、車両1が備えるセキュリティ装置31(=異常検知装置)を車載用装置100へ接続するためのインタフェースである。セキュリティ装置31は、例えば車両1の窓ガラスが破壊される等、悪意ある第三者により車両1に危害が加えられる(=状態異常が発生する)のを監視する装置である。
【0068】
セキュリティ装置31は、例えば赤外線センサや振動センサ等を備えている。これらのセンサにより車両1の状態異常を検知した場合、その検知結果を接続I/F部20を介して制御部11へ与える。
〈3.監視装置の構成について〉
図2は、本発明の一実施形態に係る監視装置2の内部構成示すブロック図である。なお本実施形態の監視装置2は、一駐車場に一台設置されているものとして説明する。ただし、一駐車場に複数台の監視装置2が設置されることにより、分散処理を行ったり、駐車場内のエリア毎に個別処理を行ったりする形態でもよい。
【0069】
図2のブロック図に示すように、本発明の監視装置2は少なくとも、制御部21、接続I/F部22(=接続部)、フラッシュメモリ23(=記録部)、アンテナ24、及び通信制御部25を含むように構成されている。
【0070】
制御部21は、監視装置2の各部材の駆動を有機的に制御して、監視処理や案内処理等を統括制御するための中央処理装置である。また制御部21は、制御部21が備える演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現される機能部として、空き領域判別部21a〜連絡部21eを備えている。なお、各機能部が実施する処理の詳細については後述する。
【0071】
接続I/F部22は、駐車場の駐車スペース51に設置されている監視カメラ3及び車両センサ41を接続するための通信インタフェースである。接続I/F部22は、例えば通信ケーブルを接続する接続端子等を含む。
【0072】
フラッシュメモリ23は、監視装置2が保持する各種データを記録するための記録媒体である。フラッシュメモリ23は例えば、車両センサ41より受信した車両検知情報や、監視ポイントテーブル(図7)を記録するのに用いられる。
【0073】
アンテナ24は、車両1との間で無線電波の送受信を行うための無線通信装置である。通信制御部25は、アンテナ24により送受信する無線電波の変調及び復調を行う。
〈4.監視装置側の処理について〉
ここで、本発明の一実施形態に係る監視装置2が実施する監視処理の概要を、図4のフロー図を用いながら説明する。図4に示す処理フローは、駐車場に設置された監視装置2が稼働状態となった時点で開始される。なお通常は、監視装置2は常時稼働しているものとする。
【0074】
本処理の開始後、制御部21はアンテナ24及び通信制御部25を用いて、定期的にシステム検出信号を発信する。これにより、本システムに対応した車載用装置100を搭載した車両1の検出活動を行う。そしてステップS110において、システム検出信号に対する正常応答を検知したか否かを判定する。
【0075】
応答を検知していない場合、該当する車両1の入場が検知されなかったとみなし、後述するステップS180へ移行する。応答を検知した場合、該当する車両1の入場が検知されたとみなし、ステップS120へ移行する。
【0076】
空き領域通知部21bはステップS120において、好適スペース情報を車載用装置100へ送信する。なお好適スペース情報は、後述するステップS170において空き領域通知部21bが生成してフラッシュメモリ23に記録しているものを用いる。
【0077】
次に制御部21はステップS130において、入場時情報の送信要求を車載用装置100に対して送信する。そして制御部21はステップS140において、車載用装置100より入場時情報を受信したか否かを判定する。受信した場合、受信情報をフラッシュメモリ23に記録した後、ステップS150に移行する。
【0078】
受信していない場合、ステップS145に移行し、送信要求を所定回数を超えて試行したか否かを判定する。所定回数を超えていない場合、ステップS140に移行する。所定回数を超えている場合、本システムに対応した車載用装置100を搭載していない、又は通信を拒否しているとみなし、ステップS150に移行する。
【0079】
次に空き領域判別部21aはステップS150において、入場した車両1が駐車を行った駐車スペース51を、車両センサ41を用いて判別し、駐車場情報(図9)へ反映する。次に制御部21はステップS160において、車載用装置100より駐車時情報を受信し、フラッシュメモリ23に記録する。なお、入場した車両1が本システムに対応していない場合、ステップS160の処理は省略する。
【0080】
次に空き領域通知部21bはステップS170において、車両センサ41により駐車が検知された駐車スペース51と、受信した入場時情報及び駐車時情報とに基づき、駐車場情報の更新を行う。さらにテーブル生成部21c(=精度情報生成部)は、更新された駐車場情報に基づき、監視ポイントテーブルB(図7(b))の更新を行う。
【0081】
さらに空き領域通知部21bは、更新された駐車場情報、及び監視ポイントテーブルを用いて好適スペース情報を生成し、フラッシュメモリ23に記録する。なお空き領域通知部21bは、付加ポイントが所定の閾値を超える駐車スペース51を割り出し、該当する駐車スペース51を示す好適スペース情報を生成する。或いは、付加ポイントが最も高い駐車スペース51を示す好適スペース情報を生成する形態でもよい。
【0082】
例えば図7〜図9の例では、空き状態の駐車スペース51(51c、51d、51g、51h)のうち、駐車スペース51gが最も付加ポイントが高い(3ポイント+2ポイント=5ポイント)。このため、駐車スペース51gを示す好適スペース情報が生成される。
【0083】
次に撮像指示部21dはステップS180において、駐車状態にある車両1のいずれかから、状態異常通知を受信したか否かを判定する。受信していない場合、ステップS110に移行する。
【0084】
受信した場合、連絡部21eはステップS190において、発信元車両に関連する連絡先が予めフラッシュメモリ23に記録されているか否かを判定する。記録されている場合、上記連絡先への連絡を行う。具体的には例えば、所定のメールアドレスに対して状態異常検知を通知する電子メールを送信したり、所定の電話番号に対して発呼を行い、合成音声により状態異常の発生を通知したりする。なお、記録されていない場合は特に処理を行わない。
【0085】
次に撮像指示部21dはステップS200において、状態異常通知の発信元車両が駐車されている駐車スペース51を判別する。さらに、判別した駐車スペース51を撮像可能な車両1に対して、撮像指示を送信する。
【0086】
例えば駐車状態が図9に示す状態であり、発信元車両が駐車スペース51iに駐車されていたとする。この場合、駐車スペース51nの車両1の車載用装置100に対して撮像指示を送信する。なお、撮像可能な車両1が複数存在する場合は、その全てに撮像指示を送信する。
【0087】
次に撮像指示部21dはステップS210において、撮像指示に応じて送信されてくる画像の取得を行う。取得した画像は、所定期間フラッシュメモリ23に記録される。
【0088】
次に撮像指示部21dはステップS220において、状態異常通知の発信元車両より、状態異常の解除通知を受信したか否かを判定する。受信していない場合、ステップS200に移行し、継続して撮像指示を行う。受信した場合、車載用装置100へ撮像停止を指示した後、ステップS110へ移行する。
【0089】
次に、図4の処理フローと並行して実施される、車両1の退出検知処理の処理フローを、図5のフロー図を用いながら説明する。図5に示す処理フローは、駐車場に設置された監視装置2が稼働状態となった時点で開始される。
【0090】
本処理の開始後、空き領域通知部21bはステップS310において、駐車状態にある車両1の移動を検知したか否かを判定する。移動を検知していない場合、再びステップS310へ移行する。
【0091】
移動を検知した場合、空き領域通知部21bはステップS320において、検知した移動内容に応じて駐車場情報の更新を行う。更新が完了すると、ステップS310へ移行する。例えば車両1が駐車場より退出した場合、駐車状態にあった駐車スペース51を空き状態に変更する。或いは車両1が移動した場合、移動前と移動後との駐車スペース51の状態を変更する。
〈5.車載用装置側の処理について〉
ここで、本発明の一実施形態に係る車載用装置100が実施する監視処理の概要を、図6のフロー図を用いながら説明する。図6に示す処理フローは、車載用装置100が稼働状態となった時点で開始される。
【0092】
本処理の開始後、情報送信部11aはステップS410において、監視装置2が車両1を検知するために定期的に送信している検知信号を、監視装置2より受信したか否かを判定する。受信していない場合、再びステップS410に移行する。受信した場合、情報送信部11aは、自車両が監視システムに対応した車載用装置100を搭載している旨を返信し、ステップS420へ移行する。
【0093】
次に情報表示部11cはステップ420において、好適スペース情報を監視装置2より受信する。そして受信した好適スペース情報をLCD14に表示し、ユーザが監視精度の高い空き領域へ移動できるようにする。
【0094】
次に情報送信部11aはステップ430において、自車両情報の送信が許可されているか否かの判定を行う。なおこの判定は、予め車載用装置100に設定されている設定情報に基づいて行う。つまりユーザが自車両情報を提供したくない場合、ユーザは予め、自車両情報の送信禁止を設定しておく。
【0095】
送信禁止が設定されている場合、情報送信部11aはその旨を監視装置2へ通知するか、或いは返信を行わず、本処理を終了する。この場合、監視装置2はこの車両1をシステム未対応の車両、又は応答拒否車両とみなす。
【0096】
送信許可が設定されている場合、情報送信部11aはステップS440において、入場時情報を監視装置2へ送信する。さらに情報送信部11aはステップS450において、車両1の駐車が完了した時点でジャイロセンサ19により駐車方向の判別を行う。そして駐車方向を示す方向情報を含む駐車時情報を、監視装置2へ送信する。
【0097】
次に制御部11はステップS460において、車両1のエンジンが停止されることにより、車載用装置100を待機状態に移行させる。次に異常通知部11bはステップS470において、セキュリティ装置31により車両異常が検知されたか否かを判定する。
【0098】
車両異常が検知されていない場合、後述するステップS510へ移行する。車両異常が検知された場合、異常通知部11bはステップ480において、監視装置2に対して検知結果を通知し、他車両による監視を要請する。この要請は一定周期で行われ、所定時間が経過するか、又は異常状態が回避されて正常状態に復帰するまで継続される。
【0099】
次に異常通知部11bはステップS490において、車載用カメラ17を用いて自車周辺の撮像を開始する。そして撮像により得られた画像を、監視装置2へ送信する。次に異常通知部11bはステップS500において、車両異常が検知されてから所定時間が経過する、又は異常状態から正常状態に復帰することにより、監視状態を解除する。そして監視装置2へ、監視解除通知を送信する。
【0100】
次に異常通知部11bはステップS510において、他車監視要求を監視装置2から受信したか否かを判定する。受信していない場合、ステップS470に移行する。受信した場合、異常通知部11bはステップS520において、車載用カメラ17による自車周辺の車両1の撮像を開始する。
【0101】
そして撮像により得られた画像を、監視装置2へ送信する。なお監視装置2は、セキュリティ動作開始時間を示す情報、及び一連の監視行動により得られた情報(撮像画像を含む)を一定期間保存し、その後破棄する。
【0102】
次に異常通知部11bはステップS530において、他車監視停止要求を監視装置2から受信することにより、他車監視状態を解除した後、ステップS470に移行する。なお本処理は、例えば車両1のエンジンが駆動されて走行状態となった場合、つまり駐車状態ではなくなった場合に終了する。
【0103】
以上に説明した本実施形態によれば、駐車状態にある車両1より得られる各種情報に基づいて、監視精度の高い駐車スペースへ入場車両を優先的に誘導することが可能である。このように、防犯効果の高い空き領域を示す情報を駐車車両に提供できるため、駐車場の利用者がより安心して駐車できるようになる。
【0104】
また、監視用カメラ3は常に動作しているが、車載用カメラ17については車両バッテリーへの負担を考え、常時動作を行わないようにしている。つまり、車載用カメラ17については異常検出時のみの動作を想定している。このため、車両1が搭載するバッテリーの電力をより効率良く使用することが可能である。
[その他の実施の形態]
以上、好ましい実施の形態及び実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形して実施することができる。
【0105】
従って本発明は、以下の形態にも適用可能である。
【0106】
(A)上記実施形態では、本発明の各種処理に関わる車載用装置100、及び監視装置2の各機能部が、マイクロプロセッサ等の演算処理装置上でプログラムを実行することにより実現されているが、これら機能部が複数の回路により実現される形態でもよい。
【0107】
(B)上記実施形態では、アンテナ12による無線LAN通信により車載用装置100と監視装置2とが通信を行っているが、これ以外の通信方法により通信を行う形態でもよい。例えば、車両1に搭載されているETCアンテナ(不図示)を用いて、予め通信装置2との間で取り決めが行われている周波数により通信を行う形態でもよい。
【0108】
(C)上記実施形態では、監視ポイントテーブルにおいて、監視カメラ3及び車載用カメラ17による撮像精度に基づいて監視ポイントを設定しているが、これ以外の要素を加味して監視ポイントを設定してもよい。例えば駐車スペース51から出入り口(又は一般道路)までの距離、立体駐車場におけるフロア階数、日照量、過去の使用履歴等を考慮して、監視ポイントを設定する形態でもよい。
【符号の説明】
【0109】
1 車両
2 監視装置
3 監視カメラ
100 車載用装置
11 制御部
11a 情報送信部
11b 異常通知部
11c 情報表示部
12 アンテナ
13 通信制御部
14 LCD(表示装置)
15 表示制御部
16 操作部
17 車載用カメラ
18 フラッシュメモリ
19 ジャイロセンサ
20 接続I/F部
21 制御部
21a 空き領域判別部
21b 空き領域通知部
21c テーブル生成部(精度情報生成部)
21d 撮像指示部
21e 連絡部
22 接続I/F部(接続部)
23 フラッシュメモリ(記録部)
24 アンテナ(接続部)
25 通信制御部(接続部)
31 セキュリティ装置(異常検知装置)
41 車両センサ(車両検知装置)
51 駐車スペース(駐車用領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載用カメラの制御を行う車載用装置と、
予め定められた駐車場に設けられて前記駐車場の撮像を行う監視カメラと、
前記駐車場に設けられた駐車用領域における車両の有無を検知する車両検知装置と、
前記車載用装置、前記監視カメラ、及び前記車両検知装置を無線通信又は有線通信により接続する接続部と、車両が駐車されていない前記駐車用領域である空き領域を前記車両検知装置を用いて判別する空き領域判別部と、前記監視カメラにより撮像可能な範囲を示す第一監視情報を記録した記録部とを備える監視装置と
を含む駐車場監視システムにおいて、
前記車載用装置が、前記車載用カメラにより撮像可能な範囲を示す第二監視情報を前記監視装置に送信する情報送信部を備え、
前記監視装置が、前記空き領域のうち前記監視カメラ又は前記車載用カメラにより撮像可能な範囲にある前記空き領域を前記第一監視情報、又は前記第二監視情報に基づいて判別し、判別した前記空き領域を示す空き領域情報を生成して前記車載用装置へ送信する空き領域通知部とを備えること
を特徴とする駐車場監視システム。
【請求項2】
前記監視装置が、前記駐車場の構造を示す駐車場情報を前記車載用装置へ送信し、
前記車載用装置が、表示装置と、受信した前記駐車場情報及び前記空き領域情報を示す画像を生成して表示するよう前記表示装置を制御する情報表示部とを備える、
請求項1に記載の駐車場監視システム。
【請求項3】
前記第一監視情報が、前記監視カメラにより撮像可能な範囲にある前記駐車用領域に対する撮像精度を示す第一撮像精度情報を含んでおり、
前記空き領域通知部が、前記空き領域のうち前記第一撮像精度情報において撮像精度が予め定められた値より高いことが示されている前記空き領域を示す空き領域情報を生成して前記車載用装置へ送信する、
請求項1に記載の駐車場監視システム。
【請求項4】
前記監視装置が、前記車載用カメラにより撮像可能な範囲にある前記駐車用領域に対する撮像精度を示す第二撮像精度情報を、前記車載用装置より受信した一又は複数の前記第二監視情報に基づいて生成する精度情報生成部を備え、
前記空き領域通知部が、前記空き領域のうち前記第二撮像精度情報において撮像精度が予め定められた値より高いことが示されている前記空き領域を示す空き領域情報を生成して前記車載用装置へ送信する、
請求項1に記載の駐車場監視システム。
【請求項5】
前記情報送信部が、前記車両に搭載されている前記車載用カメラの有無、前記車載用カメラの台数、及び前記車載用カメラの撮像可能範囲を示す車両情報を前記第二監視情報に含めて送信するとともに、前記車両が前記駐車用領域に駐車された後、前記車両の駐車方向を示す方向情報を前記第二監視情報に含めて送信し、
前記精度情報生成部が、前記第二撮像精度情報を、前記車両情報又は前記方向情報に基づいて生成する、
請求項4に記載の駐車場監視システム。
【請求項6】
前記情報送信部が、前記車両に搭載されている前記車載用カメラの有無、前記車載用カメラの台数、及び前記車載用カメラの撮像可能範囲を示す車両情報を前記第二監視情報に含めて送信するとともに、前記車両が前記駐車用領域に駐車された後、前記車両の駐車方向を示す方向情報を前記第二監視情報に含めて送信し、
前記空き領域通知部が、前記車載用カメラにより撮像可能な前記空き領域を、前記車両情報又は前記方向情報に基づいて判別する、
請求項4に記載の駐車場監視システム。
【請求項7】
前記車両が、前記車両の状態異常を検知して検知結果を前記車載用装置へ通知する異常検知装置を備え、
前記車載用装置が、前記異常検知装置より前記車両の状態異常を通知された場合に前記監視装置へ状態異常通知を送信する異常通知部を備え、
前記監視装置が、前記状態異常通知を受信した場合に、前記状態異常通知の発信元車両を撮像可能な車載用カメラを搭載している車両を、前記車両情報又は前記方向情報に基づいて判別し、該車両に搭載されている車載用装置に対して電源起動指示及び撮像指示を送信する撮像指示部を備える、
請求項5又は請求項6に記載の駐車場監視システム。
【請求項8】
前記監視装置が、前記状態異常通知を受信した場合に、前記状態異常通知を送信した車両に予め関連付けられている連絡先に対して、予め生成されている連絡用データを送信する連絡部を備える、
請求項7に記載の駐車場監視システム。
【請求項9】
車両に搭載された車載用カメラの制御を行う車載用装置、予め定められた駐車場に設けられて前記駐車場の撮像を行う監視カメラ、及び前記駐車場に設けられた駐車用領域における車両の有無を検知する車両検知装置を、無線通信又は有線通信により接続する接続部と、
車両が駐車されていない前記駐車用領域である空き領域を前記車両検知装置を用いて判別する空き領域判別部と、
前記監視カメラにより撮像可能な範囲を示す第一監視情報を記録した記録部とを備える監視装置において、
前記車載用カメラにより撮像可能な範囲を示す第二監視情報を前記車載用装置より受信し、前記空き領域のうち前記監視カメラ又は前記車載用カメラにより撮像可能な範囲にある前記空き領域を前記第一監視情報、又は前記第二監視情報に基づいて判別し、判別した前記空き領域を示す空き領域情報を生成して前記車載用装置へ送信する空き領域通知部を備えること
を特徴とする監視装置。
【請求項10】
前記第一監視情報が、前記監視カメラにより撮像可能な範囲にある前記駐車用領域に対する撮像精度を示す第一撮像精度情報を含んでおり、
前記空き領域通知部が、前記空き領域のうち前記第一撮像精度情報において撮像精度が予め定められた値より高いことが示されている前記空き領域を示す空き領域情報を生成して前記車載用装置へ送信する、
請求項9に記載の監視装置。
【請求項11】
前記車載用カメラにより撮像可能な範囲にある前記駐車用領域に対する撮像精度を示す第二撮像精度情報を、前記車載用装置より受信した一又は複数の前記第二監視情報に基づいて生成する精度情報生成部を備え、
前記空き領域通知部が、前記空き領域のうち前記第二撮像精度情報において撮像精度が予め定められた値より高いことが示されている前記空き領域を示す空き領域情報を生成して前記車載用装置へ送信する、
請求項9に記載の監視装置。
【請求項12】
前記第二監視情報が、前記車両に搭載されている前記車載用カメラの有無、前記車載用カメラの台数、及び前記車載用カメラの撮像可能範囲を示す車両情報と、前記車両の駐車方向を示す方向情報とを含み、
前記精度情報生成部が、前記第二撮像精度情報を、前記車両情報又は前記方向情報に基づいて生成する、
請求項11に記載の監視装置。
【請求項13】
前記第二監視情報が、前記車両に搭載されている前記車載用カメラの有無、前記車載用カメラの台数、及び前記車載用カメラの撮像可能範囲を示す車両情報と、前記車両の駐車方向を示す方向情報とを含み、
前記空き領域通知部が、前記車載用カメラにより撮像可能な前記空き領域を、前記車両情報又は前記方向情報に基づいて判別する、
請求項11に記載の監視装置。
【請求項14】
前記車両の状態異常を示す状態異常通知を前記車載用装置より受信した場合に、前記状態異常通知の発信元車両を撮像可能な車載用カメラを搭載している車両を前記車両情報又は前記方向情報に基づいて判別し、該車両に搭載されている車載用装置に対して電源起動指示及び撮像指示を送信する撮像指示部を備える、
請求項12又は請求項13に記載の監視装置。
【請求項15】
前記状態異常通知を受信した場合に、前記状態異常通知の発信元車両に予め関連付けられている連絡先に対して、予め生成されている連絡用データを送信する連絡部を備える、
請求項14に記載の監視装置。
【請求項16】
表示装置と、
請求項9〜請求項15のいずれかに記載の監視装置より前記駐車場の構造を示す駐車場情報及び前記空き領域情報を受信し、受信した前記駐車場情報及び前記空き領域情報を示す画像を生成して表示するよう前記表示装置を制御する情報表示部とを備えること
を特徴とする車載用装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−277420(P2010−277420A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130718(P2009−130718)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】