説明

高圧メラミン化粧板、耐水合板及び防音機能層が積層された裏面溝加工強化床板並びにその製造方法

【課題】 高圧メラミン化粧板を耐水合板層に積層した裏面溝加工強化床板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 下から順に第2コアー層25、第1コアー層23、紋様紙層22及び表面保護紙層21が積層されてなされる上部高圧メラミン化粧板20が接着剤層40を挟んで裏面溝加工された耐水合板層10で積層され構成されることを特徴とする。これにより従来の技術の下部HPL30を省略したり、上部HPL20'の中で第1コアー層23と第2コアー層25との間ガラス繊維層24を省略またはコアー層に代替し、耐水合板層10の裏面に溝を形成させることにより、下部HPL30または上部HPL20'のガラス繊維層を省略しても製品施工後同等以上の寸法安定性及びカーリング性を確保したし、裏面溝加工された耐水合板層10が床との接着力を高める効果を与えて床との施工性が一層優秀であった。また防音機能層をさらに積層することにより防音機能も付与した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高圧メラミン化粧板((High Pressure Melamine Laminate;以下、"HPL"と称する)を耐水合板層に積層した裏面溝加工された強化床板及びその製造方法に係り、さらに詳しくは下から順番に第2コアー層25、第1コアー層23、紋様紙層22及び表面保護紙層21が積層されなされる上部高圧メラミン化粧板が接着剤層を挟んで裏面溝加工された耐水合板層と積層され構成されることを特徴とする耐水合板とHPLが積層された裏面溝加工された耐水合板強化床板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のHPLが積層された耐水合板強化床板は、図1の断面図から分かるように、上下部バランス安定化のための下部HPL30を積層したり、あるいはこれを省略しガラス繊維層24が補強された上部HPL20'が接着剤層40を挟んで耐水合板層10'と積層された構造を有する。
【0003】
この際、上部HPL20'は厚さに応じて1ないし3枚のコアー層25、23が積層された構造で構成され、または床との接着性向上及び経済性を改善するために下部HPL30を省略し、上部HPL20'にガラス繊維層24を補強して、下から第2コアー層25、ガラス繊維層24、第1コアー層23、紋様紙層22及び表面保護紙層21を順次に積層した。各層について簡単に説明すれば次の通りである。
【0004】
耐水合板層10'は5ないし7層の単板をフェノール樹脂またはメラミン樹脂接着剤を使って木目方向が直交するように接着しプレスで圧着して製造した。
【0005】
上部HPL20'をなすコアー層はクラフト紙にフェノール樹脂及びメラミン樹脂を含浸させ厚さに応じて多数層で積層して製造した。
【0006】
上部HPL20'をなす第1コアー層23はクラフト紙にフェノール樹脂を含浸させ製造したし、紋様紙層22は酸化チタン含有セルロース紙に所定の紋様が印刷された紋様紙をメラミン樹脂で含浸させ製造したし、表面保護紙層21はセルロース紙に耐磨耗シリカまたはアルミナが均一に分布され含有されたオーバーレイ紙をメラミン樹脂で含浸させ製造した。
【0007】
このような従来のHPLが積層された耐水合板強化床板は中密度繊維板(Medium Density Fiberboard:MDF)の代りに耐水合板層10'を使うことにより熱及び湿気について寸法安定性に優れるのみならず、表面にメラミン樹脂で含浸された表面保護紙層21と紋様紙層22が積層されることにより表面物性に優れた長所はあった。
【0008】
しかし、従来の上部HPL20'と耐水合板層10'を積層した耐水合板強化床板の場合、80℃の温度で24時間加熱した後収縮される寸法を100分率で計算した時自体の寸法変化率が−0.1ないし−0.2%であり、80℃の温度で24時間加熱した後カーリングされる程度を測定した時のカーリング性が0.5ないし5.0mmであり、施工後80℃の温度で24時間加熱した後収縮される寸法を100分率で計算した時自体の寸法変化率が−0.03ないし−0.08%であって、オンドル用600mm長さの製品の場合最大0.48mmの間隙が生ずるが、これはユーザが認知またはクレーム(claim)の可能性が高いため、これをできるだけ小さく設計するのが今までの技術的課題であった。また、床との浮き上がりによる実用性が低下する問題点があった。
【0009】
この際、施工後寸法変化率測定値は通常のオンドル床施工法に基づき一定サイズのコンクリート模型上に製品をオンドル床用接着剤で施工した後、常温で72時間放置させて接着剤を十分に硬化させた後80℃の温度で24時間加熱した後収縮される寸法を100分率で計算した値である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前述したような従来の問題点を解決するために案出されたもので、その目的は強化床板裏面溝加工を通じて従来の技術の下部HPL30を下部に積層したり、上部HPL20'にガラス繊維層を省略したりコアー層に代替させても施工後の寸法安定性、間隙及び床との浮き上がりを画期的に改善し、床との接着性に優れたHPLが積層された裏面溝加工耐水合板強化床板及びその製造方法を提供するところにある。
【0011】
本発明の他の目的は防音機能が追加された裏面溝加工耐水合板強化床板及びその製造方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は高圧メラミン化粧板と耐水合板が積層された裏面溝加工強化床板に係り、上から高圧メラミン化粧板、接着剤層及び耐水合板層が積層された強化床板において、前記高圧メラミン化粧板が下から第2コアー層、第1コアー層、紋様紙層及び表面保護紙層の順番で積層され、前記耐水合板層の裏面に溝が形成されていることを特徴とする。
【0013】
前記溝の幅は1ないし2mm、前記溝の高さは1ないし4mmであることが望ましい。望ましくは、前記耐水合板層の裏面に5ないし10個の溝を含む第1溝部、5ないし20個の溝を含む第2溝部及び5ないし10個の溝を含む第3溝部が形成されており、前記第1溝部または第3溝部と側端との間隔がそれぞれ10ないし30mmであり、前記第1溝部または第3溝部と前記第2溝部との間隔がそれぞれ10ないし90mmであり、各溝部内で溝間の間隔が10ないし30mmであることが望ましい。前記寸法範囲は製品工程上及び構造上の特徴に設定された最適の公称寸法である。
本発明の強化床板は層間騒音を改善し防音機能を付与する目的から、(a)高圧メラミン化粧板と耐水合板層の間、及び(b)耐水合板層の下部のうち選ばれる一つ以上の位置に防音機能層がさらに積層されうる。
【0014】
本発明の高圧メラミン化粧板と耐水合板が積層された裏面溝加工強化床板を製造する方法は、5ないし7層の単板をフェノール樹脂またはメラミン樹脂接着剤を使って木目方向が直交するように接着しプレスで圧着して耐水合板層を製造する段階と、セルロース紙に耐磨耗シリカまたはアルミナを均一に分布させたオーバーレイ紙をメラミン樹脂で含浸させ表面保護紙層を製造する段階と、酸化チタン含有セルロース紙に所定の紋様を印刷した紋様紙をメラミン樹脂で含浸させ紋様紙層を製造する段階と、クラフト紙をレゾール型フェノール樹脂で含浸させ第1コアー層を製造する段階と、クラフト紙をメラミン樹脂で含浸させ第2コアー層を製造する段階と、下から第2コアー層、第1コアー層、紋様紙層及び表面保護紙層を載置した後加熱及び加圧して上部高圧メラミン化粧板を製造する段階と、前記耐水合板層の上部に接着剤を塗布して接着剤層を形成された後上部高圧メラミン化粧板を積層する段階と、耐水合板層の裏面に溝加工する段階とを含む。望ましくは、層間騒音を改善し防音機能を付与する目的から、(a)高圧メラミン化粧板と耐水合板層との間、及び(b)耐水合板層の下部の中から選ばれる一つ以上の位置に防音機能層を積層する段階をさらに含む。
【発明の効果】
【0015】
以上述べたように、本発明のHPLが積層された耐水合板強化床板は従来の発明の下部HPL30及び上部HPL20'のガラス繊維層24を省略し耐水合板層10の裏面に溝加工することにより、従来の技術より寸法変化が少く床との接着性に優れて、施工後80℃で24時間経過した後寸法変化率が−0.02ないし−0.04%であり、オンドル用600mm長さの製品の場合施工後間隙が0.24mm以内であって通常にユーザが認知またはクレームの可能性の高い基準である0.4mm以下なので従来の技術の課題を画期的に改善し、また施工後床の浮き上がり現象も画期的に改善された。また、防音機能層をさらに積層することにより防音機能も付与した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付した図面及び実施例に基づき本発明を詳述する。しかし、添付した図面及び実施例により本発明の権利範囲が限定されることではない。
【0017】
図2は本発明の一実施例により下部HPL及びガラス繊維層が省略され、ガラス繊維層がコアー層に代替されたHPLが積層された裏面溝加工耐水合板強化床板の断面図であって、上部HPL20が接着剤層40を挟んで耐水合板層10の上部に積層された構造を有する。
【0018】
この際、上部HPL20は下から順番に第2コアー層25の1ないし3層、第1コアー層23の1ないし3層、紋様紙層22及び表面保護紙層21とから構成される。
【0019】
耐水合板層10は5ないし7層の単板をフェノール樹脂またはメラミン樹脂接着剤で接着した耐水合板であって、裏面に溝が形成されている。
【0020】
本発明によりガラス繊維層が省略または代替された裏面溝加工された耐水合板強化床板をなす各層について詳述した後、各層を積層して完成品を形成する過程を説明する。
【0021】
耐水合板層10は5ないし7層の単板をフェノール樹脂またはメラミン樹脂接着剤を使ってを使って木目方向が直交するよう接着し、プレスで圧着して製造した後裏面に溝加工した耐水合板よりなる層であって、熱及び湿気による寸法変化が極めて少くてオンドル用として適している。
【0022】
この耐水合板層10は80℃の温度で24時間加熱した後収縮される寸法を100分率で計算した時−0.05ないし−0.2%の寸法変化率を有する。
【0023】
次いで、上部HPL20をなす各層について説明する。
【0024】
まず、耐磨耗性、耐スクラッチ性等の表面物性を与える表面保護紙層21を製造する。
【0025】
表面保護紙層21は称量20ないし100g/m2のセルロース紙に耐磨耗シリカまたはアルミナが均一に分布され含有されたオーバーレイ紙(overlay paper)をオーバーレイ紙称量対比150ないし300重量%のメラミン樹脂で含浸させた後、100ないし150℃のオーブンで0.5ないし4分間乾及び半硬化させたものである。
【0026】
前記メラミン樹脂はメラミン30ないし45重量%、フォルムアルデヒド20ないし40重量%、溶剤である水18ないし27重量%、改質剤であるジエチレングリコール1ないし5重量%、pH調節剤である水酸化ナトリウム1重量%内外及び硬化剤であるアミン系の塩基性触媒2ないし10重量%を反応させ液状に製造するのが望ましい。
【0027】
この際使われた耐磨耗粒子とメラミン樹脂によって表面保護紙層21は磨耗紙で研磨する際200ないし20、000回程の耐磨耗性を有するようになる。
【0028】
次いで、表面保護紙層21の下部に位置して印刷紋様効果創出により強化床板に紋様を付与する紋様紙層22を製造する。
【0029】
紋様紙層22は称量80ないし120g/m2の酸化チタン含有セルロース紙にグラビアなどの方法により所定の紋様が印刷された紋様紙を紋様紙称量対比60ないし150重量%のメラミン樹脂で含浸させた後、80ないし150℃のオーブンで0.5ないし4分間乾燥及び半硬化させたものである。
【0030】
前記メラミン樹脂はメラミン30ないし45重量%、フォルムアルデヒド20ないし40重量%、溶剤である水18ないし27重量%、改質剤であるジエチレングリコール1ないし5重量%、pH調節剤である水酸化ナトリウム1重量%内外及び硬化剤であるアミン系の塩基性触媒2ないし10重量%を反応させ液状に製造することが望ましく、この際メラミン樹脂以外もポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂またはフェノール樹脂も使用することができる。
【0031】
次いで、表面保護紙層21と紋様紙層22を支持してHPLでシート化できるようにし、厚さを提供する第1コアー層23、第2コアー層25を製造する。
【0032】
第1コアー層23は称量80ないし300g/m2のクラフト紙をクラフト紙称量対比30ないし60重量%のレゾール型フェノール樹脂で含浸させた後、150ないし200℃のオーブンで10ないし60秒間乾燥及び半硬化させたものである。
【0033】
前記フェノール樹脂はフェノール33ないし54重量%、フォルムアルデヒド30ないし46重量%、溶剤であるエチルアルコール4ないし6重量%と水2ないし5重量%及び改質剤であるアミン系の塩基性触媒5ないし15重量%を反応させ液状にしたレゾル型である。
【0034】
この第1コアー層23は厚さに応じて多数枚を使用することもできる。
【0035】
第2コアー層25は称量80ないし300g/m2のクラフト紙をクラフト紙称量対比40ないし150重量%のメラミン樹脂で含浸させた後、80ないし150℃のオーブンで0.5ないし3分間乾燥及び半硬化させたものである。
【0036】
前記使用されたメラミン樹脂はメラミン30ないし45重量%、フォルムアルデヒド20ないし40重量%、溶剤である水18ないし27重量%、改質剤であるジエチレングリコール1ないし5重量%、pH調節剤である水酸化ナトリウム1重量%内外及び硬化剤であるアミン系の塩基性触媒2ないし10重量%を反応させ液状に製造するのが望ましい。
【0037】
この第2コアー層25は厚さに応じて多数枚を使用することもできる。
【0038】
以上のように製造された上部HPL20をなす各層を下から第2コアー層25、第1コアー層23、紋様紙層22及び表面保護紙層21の順に載置した後、プレスで125ないし155℃の温度条件下で60ないし100kg/cm2の圧力で15ないし60分間加熱及び加圧した後、同じ圧力下で同時に15ないし30分間冷却して上部HPL20を完成する。
【0039】
この上部HPL20は80℃の温度で24時間加熱した後収縮される寸法を100分率で計算した時−0.05ないし−0.3%の寸法変化率を有し、80℃の温度で24時間加熱した後カーリングされる程度を測定した時のカーリング性が0.5ないし5.0mmである。
【0040】
最後に、このように製造された上部HPL20と耐水合板層10を接着させる役割を果たす接着剤層40を耐水合板層10の上部に形成させる。
【0041】
接着剤層40をなす接着剤は常温硬化型ウレタン樹脂を使う。
【0042】
このような常温硬化型ウレタン樹脂を耐水合板層10の上部に塗布量を80ないし200g/m2で塗布して接着剤層40を形成された後、上部HPL20を載置して常温で5kgf/cm2の圧力で2時間圧着し、80℃で2時間乾燥させれば接着が完了される。
【0043】
このように耐水合板層10と上部HPL20を常温条件下で圧着させることにより熱による変形を最小化することができる。
【0044】
このように製品の構成が完了すれば耐水合板強化床板の裏面溝加工を施す。図2のHは溝の高さであって、1ないし4mmの高さで溝切削加工する。さらに詳しい溝加工構造を見ると、図3に示したように、L1は10ないし30mm、L2は1ないし2mm、L3は10ないし30mm、L4は10ないし90mmで溝切削加工し、この際図3の溝個数N1は5ないし10個、N2は5ないし20個、N3は5ないし10個の範囲で切削加工して完製品化する。
【0045】
図3は多数の溝が形成された耐水合板層の裏面を示した図であって、N1は第1溝部、N2は第2溝部、N3は第3溝部であり、L1は第1溝部または第3溝部と側端との間隔、L2は溝の幅、L3は各溝部で溝間の間隔、L4は第1溝部または第3溝部と第2溝部との間隔である。
【0046】
図4は本発明の他の実施例であって、図2において防音機能層がさらに積層された強化床板の断面図である。図4では第1防音機能層50が上部HPL20と接着剤層40との間に、第2防音機能層51は耐水合板層10の下部にそれぞれ積層されているが、防音機能層の位置及び数は別に制限されない。
【0047】
前記防音機能層の材質はポリエチレン(PE: Polyethylene)、エチレンビニルアセテート(EVA: Ethylene vinyl acetate)、ポリプロピレン(PP: Polypropylene)、ポリウレタン(PU: Polyurethane)、ポリエステル(Polyester)不織布、クロロプレンゴム(CR: Chloroprene rubber)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR: Acrylonitrile Butadiene rubber)等があり、化学的に架橋し発泡して成形する工法と加圧発泡による方法で製造する。
【実施例】
【0048】
1. 耐水合板層10の製造
5層の単板をフェノール樹脂接着剤を使って木目方向が直交するように接着し、プレスで圧着して耐水合板層10を製造した。
【0049】
2. 上部HPL20の製造
1) 表面保護紙層21の製造
称量38g/m2のセルロース紙にアルミナが均一に分布され含有されたオーバーレイ紙をオーバーレイ紙称量対比250重量%のメラミン樹脂で含浸させた後、130℃のオーブンで3分間乾燥させると同時に半硬化させ表面保護紙層21を製造した。
【0050】
この際、メラミン樹脂はメラミン37重量%、フォルムアルデヒド33重量%、水25重量%、ジエチレングリコール1重量%、水酸化ナトリウム0.3重量%及びアミン系の塩基性触媒3.7重量%を反応させて液状に製造した。
【0051】
2) 紋様紙層22の製造
称量100g/m2の酸化チタン含有セルロース紙にグラビア印刷で所定の紋様を印刷した紋様紙を紋様紙称量対比100重量%のメラミン樹脂で含浸させた後、120℃のオーブンで2分間乾燥させると同時に半硬化させ紋様紙層22を製造した。
【0052】
この際、メラミン樹脂はメラミン37重量%、フォルムアルデヒド33重量%、水25重量%、ジエチレングリコール1重量%、水酸化ナトリウム0.3重量%及びアミン系の塩基性触媒3.7重量%を反応させ液状に製造した。
【0053】
3) 第1コアー層23の製造
称量200g/m2のクラフト紙をクラフト紙称量対比60重量%のフェノール樹脂で含浸させた後、190℃のオーブンで30秒間乾燥させると同時に半硬化させ第1コアー層23を製造した。
【0054】
この際、フェノール樹脂はフェノール49重量%、フォルムアルデヒド33重量%、エチルアルコール5重量%、水3重量%、アミン系の塩基性触媒10重量%を反応させ液状に製造した。
【0055】
4) 第2コアー層25の製造
称量200g/m2のクラフト紙をクラフト紙称量対比100重量%のメラミン樹脂で含浸させた後130℃オーブンで3分間乾燥させると同時に、半硬化させ第2コアー層25を製造した。
【0056】
この際、メラミン樹脂はメラミン37重量%、フォルムアルデヒド33重量%、水25重量%、ジエチルグリコール1重量%、水酸化ナトリウム0.3重量%及びアミン系の塩基性触媒3.7重量%を反応させ液状に製造した。
【0057】
5) 上部HPL20の製造
以上のように製造された1)ないし4)の層を下から第2コアー層25の1ないし3層、第1コアー層23の1ないし3層、紋様紙層22及び表面保護紙層21の順に載置した後、プレスで130℃の温度と100kg/cmの圧力で30分間加熱及び加圧した後、同じ圧力下で同時に25分間冷却して上部HPL20を製造した。
【0058】
3.耐水合板層10の上部に接着剤層40を形成した後上部HPL20を積層
耐水合板層10の上部に常温硬化型ウレタン樹脂を塗布量120g/mで塗布して接着剤層40を形成させた後、上部HPL20を載置して常温で5kgf/cmの圧力で2時間圧着し80℃で2時間乾燥させた。
【0059】
4.耐水合板層の裏面溝加工
最後に、耐水合板強化床板の裏面溝加工を次のように施した。図2のHは1ないし4mmの高さで溝切削加工した。図3のL1は10ないし30mm、L2は1ないし2mm、L3は10ないし30mm、L4は10ないし90mmで溝切削加工したし、この際図3の溝個数N1は5ないし10個、N2は5ないし20個、N3は5ないし10個の範囲で切削加工して本発明の耐水合板強化床板を仕上げた。
【0060】
このように製造した本発明の耐水合板強化床板(実施例)と図1のように溝加工を施さない従来の強化床板(比較例)の施工後寸法変化率を比較すれば次の表1の通りである。
【表1】

【0061】
ここで、施工後寸法変化率測定値は通常のオンドル床施行法により一定サイズのコンクリート模型上に製品をオンドル床用接着剤で施工した後、常温で72時間放置させ接着剤を十分硬化させてから、80℃の温度で24時間加熱した後収縮される寸法を100分率で計算した値である。
【0062】
表1に示したように、本発明に係る耐水合板強化床板は従来の強化床板に比べて施工後寸法変化率が小さく、寸法変化による間隙程度が0.24mmであってクレームの可能性の高い基準である0.4mm以下である。すなわち、本発明の耐水合板強化床板は耐水合板層の裏面に溝が形成されていて、従来の技術の下部HPL30及び上部HPL20'のガラス繊維層24を省略しても温度や外部の応力に対する変形を最小化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は床との施工性に優れ、防音機能が付与されたHPLが積層された裏面溝加工耐水合板強化床板及びその製造方法に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】従来の下部HPLが積層されたり、これを省略しガラス繊維層が補強された耐水合板強化床板の断面図である。
【図2】本発明の一実施例によるHPL及び裏面溝加工耐水合板が積層された強化床板の断面図である。
【図3】本発明の一実施例によるHPL及び裏面溝加工耐水合板が積層された強化床板の裏面図である。
【図4】本発明の他の実施例であって、図2において防音機能層がさらに積層された強化床板の断面図である。
【符号の説明】
【0065】
10、 10': 耐水合板層
20、 20': 上部HPL
21: 表面保護紙層
22: 紋様紙層
23: 第1コアー層
24: ガラス繊維層
25: 第2コアー層
30: 下部HPL
40: 接着剤層
50: 第1防音機能層
51: 第2防音機能層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上から高圧メラミン化粧板、接着剤層及び耐水合板層が積層された強化床板において、
前記高圧メラミン化粧板が下から第2コアー層、第1コアー層、紋様紙層及び表面保護紙層の順番で積層され、
前記耐水合板層の裏面に溝が形成されていることを特徴とする高圧メラミン化粧板と耐水合板が積層された裏面溝加工強化床板。
【請求項2】
前記溝の幅が1ないし2mmであることを特徴とする請求項1に記載の高圧メラミン化粧板と耐水合板が積層された裏面溝加工強化床板。
【請求項3】
前記溝の高さが1ないし4mmであることを特徴とする請求項1に記載の高圧メラミン化粧板と耐水合板が積層された裏面溝加工強化床板。
【請求項4】
前記耐水合板層の裏面に5ないし10個の溝を含む第1溝部、5ないし20個の溝を含む第2溝部及び5ないし10個の溝を含む第3溝部が形成されており、
前記第1溝部または第3溝部と側端との間隔がそれぞれ10ないし30mmであり、前記第1溝部または第3溝部と前記第2溝部との間隔がそれぞれ10ないし90mmであり、各溝部内で溝間の間隔が10ないし30mmであることを特徴とする請求項1に記載の高圧メラミン化粧板と耐水合板が積層された裏面溝加工強化床板。
【請求項5】
(a) 高圧メラミン化粧板と耐水合板層との間、及び(b)耐水合板層の下部のうち選ばれるいずれか一つ以上の位置に防音機能層がさらに積層されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の高圧メラミン化粧板と耐水合板が積層された裏面溝加工強化床板。
【請求項6】
5ないし7層の単板をフェノール樹脂またはメラミン樹脂接着剤を使って木目方向が直交するように接着しプレスで圧着して耐水合板層を製造する段階と、
セルロース紙に耐磨耗シリカまたはアルミナを均一に分布させたオーバーレイ紙をメラミン樹脂で含浸させ表面保護紙層を製造する段階と、
酸化チタン含有セルロース紙に所定の紋様を印刷した紋様紙をメラミン樹脂で含浸させ紋様紙層を製造する段階と、
クラフト紙をレゾール型フェノール樹脂で含浸させ第1コアー層を製造する段階と、
クラフト紙をメラミン樹脂で含浸させ第2コアー層を製造する段階と、
下から第2コアー層、 第1コアー層、紋様紙層及び表面保護紙層を載置した後加熱及び加圧して上部高圧メラミン化粧板を製造する段階と、
前記耐水合板層の上部に接着剤を塗布して接着剤層を形成させた後上部高圧メラミン化粧板を積層する段階と、
耐水合板層の裏面に溝加工する段階とを含む高圧メラミン化粧板と耐水合板が積層された裏面溝加工強化床板の製造方法。
【請求項7】
(a) 高圧メラミン化粧板と耐水合板層との間、及び(b)耐水合板層の下部の中から選ばれる一つ以上の位置に防音機能層を積層する段階をさらに含む請求項6に記載の高圧メラミン化粧板と耐水合板が積層された裏面溝加工強化床板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−515391(P2006−515391A)
【公表日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568800(P2004−568800)
【出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【国際出願番号】PCT/KR2003/001995
【国際公開番号】WO2004/076177
【国際公開日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(502202007)エルジー・ケム・リミテッド (224)
【Fターム(参考)】