説明

1H−インドール−5−イル−ピペラジン−1−イル−メタノン誘導体

本発明は、式(1)(式中、R〜Rは、本明細書および特許請求の範囲に定義されたとおりである)で示される化合物、および薬学的に許容され得るその塩に関する。該化合物は、H3受容体のモジュレーションに関連する疾患の治療および/または予防に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な1H−インドール−5−イル−ピペラジン−1−イル−メタノン誘導体、その製造、それを含む医薬組成物、および医薬としてのその使用に関する。本発明の活性化合物は、肥満および他の疾患を処置する際に有用である。
【0002】
特に、本発明は、一般式:
【0003】
【化1】

【0004】
[式中、
は、低級アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、水素またはハロゲンであり;
は、水素または低級アルキルであり;
は、−(CR−NRまたは−(CR−ヘテロシクリルであり、
ここで、mは、2または3であり;
は、水素または低級アルキルであり;
は、水素または低級アルキルであり;
およびRは、互いに独立して、低級アルキル、非置換フェニルもしくは低級アルキルにより置換されたフェニル、低級フェニルアルキルおよび低級ヒドロキシアルキルからなる群から選択されるか、または;
およびRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、酸素もしくは硫黄から選択される更なるヘテロ原子を場合により含む3、4、5、6もしくは7員飽和複素環を形成しており、前記複素環は、非置換であるか、もしくは低級アルキルにより置換されており;
nは、0、1、2または3であり;
ヘテロシクリルは、ピロリジン、ピロリジン−2−オン、ピペリジンおよびモルホリンから選択されるN−複素環であり、その窒素原子は、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている]で示される化合物および薬学的に許容され得るその塩に関する。
【0005】
式Iで示される化合物は、ヒスタミン3受容体(H3受容体)でのアンタゴニストおよび/またはインバースアゴニストである。
【0006】
ヒスタミン(2−(4−イミダゾリル)エチルアミン)は、体全体(例えば胃腸管)に広く分布するアミン作動性神経伝達物質の一種である(Burks 1994 Johnson L. R. ed., Physiology of the Gastrointestinal Tract, Raven Press, NY, pp211-242)。ヒスタミンは、胃酸分泌、腸運動(Leurs et al., Br J. Pharmacol. 1991, 102, pp 179-185)、血管運動反応、腸炎症反応およびアレルギー反応(Raithel et al., Int. Arch. Allergy Immunol. 1995, 108, 127-133)のような消化器の様々な病理生理学的イベントを調節する。ホ乳類の脳では、ヒスタミンは、後部視床下部基底部の結節乳頭核で中心的に見出されるヒスタミン作動性細胞体内で合成される。ヒスタミン作動性細胞体は、そこから様々な脳領域に投射する(Panula et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1984, 81, 2572-2576; Inagaki et al., J. Comp. Neurol 1988, 273, 283-300)。
【0007】
現在の知識によれば、ヒスタミンは、4種の異なるヒスタミン受容体:ヒスタミンH1、H2、H3およびH4受容体を通して、CNSおよび末梢両方での作用の全てを仲介する。
【0008】
H3受容体は、主に中枢神経系(CNS)に局在する。H3受容体は、自己受容体としては、ヒスタミン作動性ニューロンからのヒスタミンの合成および分泌を構成的に阻害する(Arrang et al., Nature 1983, 302, 832-837; Arrang et al., Neuroscience 1987, 23, 149-157)。H3受容体は、異種受容体としては、中枢神経系および末梢器官(例えば、肺、心臓血管系および胃腸管)両方で、他の神経伝達物質、とりわけ、アセチルコリン、ドパミン、セロトニンおよびノルエピネフリンの放出も調節する(Clapham & Kilpatrik, Br. J. Pharmacol. 1982, 107, 919-923; Blandina et al. The Histamine H3 Receptor(Leurs RL and Timmermann H eds, 1998, pp27-40, Elsevier, Amsterdam, The Netherlands)。H3受容体は、構成的に活性であり、つまり外来ヒスタミンが存在しなくても、受容体が持続的に活性化される。H3受容体などの阻害受容体の場合、この本来の活性により、神経伝達物質の放出が持続的に阻害される。それゆえ、H3Rアンタゴニストがインバースアゴニスト活性も有するため、外来ヒスタミン効果が遮断され、そして受容体が構成的活性(阻害)形態から中立状態にシフトされることが、重要となる可能性がある。
【0009】
ホ乳類CNSでH3受容体が広く分布していることから、この受容体の生理学的役割が示される。それゆえ、様々な適応症における新規な薬物開発目的のために可能性のある医薬として提案された。
【0010】
アンタゴニスト、インバースアゴニスト、アゴニストまたは部分アゴニストとしてのH3Rリガンドの投与は、脳および末梢のヒスタミンレベルまたは神経伝達物質の分泌に影響を与える可能性があり、こうして複数の障害の処置に有用となり得る。そのような障害としては、肥満(Masaki et al; Endocrinol. 2003, 144, 2741-2748; Hancock et al., European J. of Pharmacol. 2004, 487, 183-197)、心臓血管疾患(例えば、急性心筋梗塞)、痴呆および認知障害(例えば、注意欠陥多動性障害(ADHD)およびアルツハイマー病)、神経障害(例えば、統合失調症)、うつ病、てんかん、パーキンソン病、および発作または痙攣、睡眠障害、ナルコレプシー、疼痛、胃腸障害、前庭機能障害(例えば、メニエール病)、薬物中毒および乗り物酔い(Timmermann, J. Med. Chem. 1990, 33, 4-11)が挙げられる。
【0011】
それゆえ、本発明の目的は、選択的で直接作用するH3受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニストを提供することである。そのようなアンタゴニスト/インバースアゴニストは、特にH3受容体のモジュレーションに関連する疾患の治療および/または予防において、治療活性物質として有用である。
【0012】
本明細書において、単独でまたは他の基と一緒に用いられる用語「アルキル」は、炭素原子1〜20個、好ましくは炭素原子1〜16個、より好ましくは炭素原子1〜10個の、分枝鎖または直鎖一価飽和脂肪族炭化水素基を指す。
【0013】
単独でまたは一緒に用いられる用語「低級アルキル」または「C〜C−アルキル」は、炭素原子1〜7個の直鎖または分枝鎖アルキル基、好ましくは炭素原子1〜6個の直鎖または分枝鎖アルキル基、特に好ましくは炭素原子1〜4個の直鎖または分枝鎖アルキル基を意味する。直鎖および分枝鎖C〜C−アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル異性体、ヘキシル異性体およびヘプチル異性体であり、好ましくはメチルおよびエチルであり、最も好ましくはメチルである。
【0014】
単独でまたは一緒に用いられる用語「低級アルケニル」または「C2〜7−アルケニル」は、オレフィン結合を1個および炭素原子を7個まで、好ましくは6個まで、特に好ましくは4個まで含む、直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。アルケニル基の例は、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニルおよびイソブテニルである。好ましい例は、2−プロペニルである。
【0015】
単独でまたは一緒に用いられる用語「低級アルキニル」または「C2〜7−アルキニル」は、三重結合を1個および炭素原子を7個まで、好ましくは6個まで、特に好ましくは4個まで含む、直鎖または分枝鎖炭化水素残基を意味する。アルキニル基の例は、エチニル、1−プロピニルまたは2−プロピニルである。好ましい例は、2−プロピニルである。
【0016】
用語「シクロアルキル」または「C〜C−シクロアルキル」は、炭素原子を3〜7個含む飽和炭素環基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを示す。特に好ましいのは、シクロブチルおよびシクロペンチルである。
【0017】
用語「アルコキシ」または「低級アルコキシ」は、基:R’−O−(式中、R’は、低級アルキルであり、用語「低級アルキル」は、先に示された意義を有する)を指す。低級アルコキシ基の例は、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシであり、好ましくはメトキシおよびエトキシであり、最も好ましくはメトキシである。
【0018】
用語「低級アルコキシアルキル」または「C1〜7−アルコキシ−C1〜7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、アルコキシ基、好ましくはメトキシまたはエトキシにより置き換えられた、先に定義された低級アルキル基を指す。とりわけ好ましい低級アルコキシアルキル基は、2−メトキシエチルまたは3−メトキシプロピルである。
【0019】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指し、フッ素、塩素および臭素が好ましい。
【0020】
用語「低級ハロゲンアルキル」または「ハロゲン−C〜C−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、ハロゲン原子、好ましくはフルオロまたはクロロ、最も好ましくはフルオロにより置き換えられた、先に定義された低級アルキル基を指す。とりわけ好ましいハロゲン化低級アルキル基は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、フルオロメチルおよびクロロメチルであり、トリフルオロメチルまたは2,2−ジフルオロエチルが特に好ましい。
【0021】
用語「低級フェニルアルキル」または「フェニル−C1〜7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、フェニル基により置き換えられた、先に定義された低級アルキル基を指す。好ましい低級フェニルアルキル基は、ベンジルまたはフェネチルである。
【0022】
用語「低級シアノアルキル」または「シアノ−C1〜7−アルキル」は、低級アルキル基の水素原子の少なくとも1個が、シアノ基により置き換えられた、先に定義された低級アルキル基を指す。好ましいシアノアルキル基は、シアノメチルである。
【0023】
一般に用語「ヘテロシクリル」は、窒素、酸素および/または硫黄から選択される原子を1、2または3個含むことができる、飽和または部分不飽和環を指す。ヘテロシクリル環の例としては、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼピニル、ピペラジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、オキシラニル、オキセタニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニルおよびチオモルホリニルが挙げられる。
【0024】
用語「N−複素環」は、窒素原子を少なくとも1個含むヘテロシクリル基を指す。「N−複素環」の例としては、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼピニル、ピペラジニル、モルホリニルおよびチオモルホリニルが挙げられるが、更なるカルボニル基を含む環、例えばピロリジン−2−オンも包含する。好ましい「N−複素環」は、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルおよびピロリジン−2−オンである。
【0025】
用語「酸素または硫黄から選択される更なるヘテロ原子を場合により含む3、4、5、6または7員飽和複素環を形成する」は、更なる酸素または硫黄原子を場合により含んでいてもよいN−複素環、例えば、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、またはアゼパニルを指す。該複素環は、非置換であっても、または低級アルキルにより置換されていてもよい。
【0026】
用語「薬学的に許容され得る塩」は、遊離塩基または遊離酸の生物学的有効性および性質を保持し、生物学的にも他についても不適切でないそれらの塩を指す。その塩は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など、好ましくは塩酸)および有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、サリチル酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸、N−アセチルシステインなど)で形成されている。加えて、これらの塩は、無機塩基または有機塩基を遊離酸に添加して、製造してもよい。無機塩基から誘導される塩としては、非限定的に、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム塩などが挙げられる。有機塩基から誘導される塩としては、非限定的に、第一級、第二級および第三級アミン、天然由来の置換アミンなどの置換アミン、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リシン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が挙げられる。式Iで示される化合物は、双性イオンの形態で存在することもできる。特に好ましい、式Iで示される化合物の薬学的に許容され得る塩は、塩酸塩である。
【0027】
式Iで示される化合物は、溶媒和(例えば、水和)されていてもよい。溶媒和は、例えば、製造工程で実行されてもよいが、または最初は無水の式(I)で示される化合物の吸湿性の結果として起こってもよい(水和)。用語「薬学的に許容され得る塩」は、生理学的に許容され得る溶媒和物も包含する。
【0028】
「異性体」は、同一の分子式を有するが、その原子の性質もしくは結合順序、または空間におけるその原子の配列が異なる化合物である。空間におけるその原子の配列が異なり、不斉炭素原子を1個以上有する異性体を、「立体異性体」と呼ぶ。互いに鏡像ではない立体異性体を、「ジアステレオ異性体」と呼び、重ね合わせることができない鏡像である立体異性体を、「鏡像異性体」または場合により光学異性体と呼ぶ。
【0029】
詳細には、本発明は、一般式:
【0030】
【化2】

【0031】
[式中、
は、低級アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、水素またはハロゲンであり;
は、水素または低級アルキルであり;
は、−(CR−NRまたは−(CR−ヘテロシクリルであり、
ここで、mは、2または3であり;
は、水素または低級アルキルであり;
は、水素または低級アルキルであり;
およびRは、それらが互いに独立して、低級アルキル、非置換フェニルもしくは低級アルキルにより置換されたフェニル、低級フェニルアルキルおよび低級ヒドロキシアルキルからなる群から選択されるか、または;
およびRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、酸素もしくは硫黄から選択される更なるヘテロ原子を場合により含む3、4、5、6もしくは7員飽和複素環を形成しており、前記複素環は、非置換であるか、もしくは低級アルキルにより置換されており;
nは、0、1、2または3であり;
ヘテロシクリルは、ピロリジン、ピロリジン−2−オン、ピペリジンおよびモルホリンから選択されるN−複素環であり、その窒素原子は、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている]で示される化合物および薬学的に許容され得るその塩に関する。
【0032】
好ましいのは、
が、−(CR10−ヘテロシクリルであり、ここで、
nが、0、1、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
10が、水素または低級アルキルであり;
ヘテロシクリルが、ピロリジン、ピロリジン−2−オン、ピペリジンおよびモルホリンから選択されるN−複素環であり、その窒素原子が、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている、本発明の式Iで示される化合物である。
【0033】
本発明の式Iで示される化合物の好ましい群は、
が、−(CR10−ヘテロシクリルであり、ここで、
nが、0、1、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
10が、水素または低級アルキルであり;
ヘテロシクリルが、ピロリジンおよびピロリジン−2−オンから選択されるN−複素環であり、その窒素原子が、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている、ものである。
【0034】
特に好ましいのは、
が、−(CR10−ヘテロシクリルであり、ここで、
nが、0、1、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
10が、水素または低級アルキルであり;
ヘテロシクリルが、ピロリジン−3−イルであり、その窒素原子が、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている、本発明の式Iで示される化合物である。
【0035】
本発明の式Iで示される好ましい化合物の別の群は、
が、−(CR10−ヘテロシクリルであり、ここで、
nが、0、1、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
10が、水素または低級アルキルであり;
ヘテロシクリルが、ピペリジンおよびモルホリンから選択されるN−複素環であり、その窒素原子が、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている、ものである。
【0036】
特に好ましいのは、
が、−(CR10−ヘテロシクリルであり、ここで、
nが、0、1、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
10が、水素または低級アルキルであり;
ヘテロシクリルが、ピペリジン−3−イルであり、その窒素原子が、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている、本発明の式Iで示される化合物である。
【0037】
更に、Rが、−(CR10−ヘテロシクリルであり、そのヘテロシクリル基の窒素原子が、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニルからなる群から選択される基により置換されている、本発明の式Iで示される化合物が、好ましい。
【0038】
好ましくは、RおよびR10は、水素である。
【0039】
整数:nは、0、1、2または3の意義を有する。好ましくは、nは、0、1または2である。より好ましくは、nは、0または1である。
【0040】
本発明の式Iで示される更に好ましい化合物は、
が、−(CR−NRであり、ここで、mが、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
が、水素または低級アルキルであり;
およびRが、互いに独立して、低級アルキル、非置換フェニルもしくは低級アルキルにより置換されたフェニル、低級フェニルアルキルおよび低級ヒドロキシアルキルからなる群から選択されるか、または;
およびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、酸素もしくは硫黄から選択される更なるヘテロ原子を場合により含む3、4、5、6もしくは7員飽和複素環を形成しており、前記複素環が、非置換であるか、もしくは低級アルキルにより置換されている、ものである。
【0041】
本発明の式Iで示される好ましい化合物の一群は、
が、−(CR−NRであり、ここで、mが、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
が、水素または低級アルキルであり;
およびRが、互いに独立して、低級アルキル、非置換フェニルまたは低級アルキルにより置換されたフェニル、低級フェニルアルキルおよび低級ヒドロキシアルキルからなる群から選択される、ものである。
【0042】
本発明の式Iで示される好ましい化合物の別の群は、Rが、−(CR−NRであり、ここで、mが、2または3であり、RおよびRが、水素であり、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、酸素または硫黄から選択される更なるヘテロ原子を場合により含む3、4、5、6または7員飽和複素環を形成しており、前記複素環が、非置換であるか、または低級アルキルにより置換されている、ものである。
【0043】
整数:mは、2または3の意義を有する。好ましくは、mは、2である。
【0044】
およびRは、好ましくは水素である。
【0045】
より好ましくは、本発明の式Iで示される化合物は、Rが、−(CR−NRであり、ここで、mが、2または3であり、RおよびRが、水素であり、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、モルホリンおよびチオモルホリンからなる群から選択される複素環を形成しており、前記複素環が、非置換であるか、または低級アルキルにより置換されている、ものである。
【0046】
特に好ましいのは、Rが、−(CR−NRであり、ここで、mが、2であり、RおよびRが、水素であり、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジンおよびアゼパンからなる群から選択される複素環を形成している、本発明の式Iで示される化合物である。
【0047】
好ましいのは、Rが、低級アルキルである、本発明の式Iで示される更なる化合物であり、Rが、イソプロピルまたはtert−ブチルである、式Iで示されるそれらの化合物が、特に好ましい。
【0048】
同じく好ましいのは、Rが、シクロアルキルである、本発明の式Iで示される化合物であり、Rが、シクロブチルまたはシクロペンチルである、式Iで示されるそれらの化合物が、特に好ましい。
【0049】
つまり、Rが、イソプロピル、tert−ブチル、シクロブチルおよびシクロペンチルからなる群から選択される化合物が、特に好ましい。
【0050】
は、水素またはハロゲンである。好ましくは、Rは、水素またはクロロである。
【0051】
より好ましいのは、Rが、水素である、本発明の式Iで示される化合物である。
【0052】
は、水素または低級アルキルである。好ましくは、Rは、水素またはメチルである。
【0053】
より好ましいのは、Rが、水素である、本発明の式Iで示される化合物である。
【0054】
本発明の式Iで示される好ましい化合物は、以下のもの:
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−メチル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(3−モルホリン−4−イル−プロピル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−イソプロピル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−エチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−メチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−エチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−イソプロピル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
4−[5−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−1−メチル−ピロリジン−2−オン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−メチル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−エチル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−(1−エチル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−エチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−イソプロピル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
4−[5−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−1−メチル−ピロリジン−2−オン、
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−メチル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
3−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−((S)−1−メチル−ピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−((S)−1−ベンジル−ピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピペリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
4−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
4−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
2−{2−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−エチル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
(S)−3−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−4−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピロリジン−2−オン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{1−[1−(4−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−4−イル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{1−[1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−4−イル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン、
3−[5−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
[1−((S)−1−ベンジル−ピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピペリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
4−[5−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
4−[5−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
2−[5−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−モルホリン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル、
2−{2−[5−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−エチル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
3−[5−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
(S)−3−[5−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
4−[5−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−1−(3,4−ジクロロ−フェニル)−ピロリジン−2−オン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−{1−[1−(4−メトキシ−フェニル)−ピペリジン−4−イル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン、
(R)−2−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
(S)−2−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−メチル−ピペリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
3−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−{1−[2−(1−メチル−ピペリジン−2−イル)−エチル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン、
(R)−2−[5−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
(S)−2−[5−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−エチル−ピペリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−{1−[1−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ピペリジン−4−イル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン、
[1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
{1−[2−(エチル−m−トリル−アミノ)−エチル]−1H−インドール−5−イル}−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
{1−[2−(ベンジル−メチル−アミノ)−エチル]−1H−インドール−5−イル}−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−(2−アゼパン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−(3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチル−プロピル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{1−[3−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−ジエチルアミノ−エチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−フェニルアミノ−エチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−{1−[2−(エチル−m−トリル−アミノ)−エチル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン、
{1−[2−(ベンジル−メチル−アミノ)−エチル]−1H−インドール−5−イル}−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(2−アゼパン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(3−ジメチルアミノ−2,2−ジメチル−プロピル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−{1−[3−(2−メチル−ピペリジン−1−イル)−プロピル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−{1−[2−(1−メチル−ピロリジン−2−イル)−エチル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(3−ピペリジン−1−イル−プロピル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−ジメチルアミノ−エチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−ジメチルアミノ−2−メチル−プロピル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−(1−{2−[(2−ヒドロキシ−エチル)−メチル−アミノ]−エチル}−1H−インドール−5−イル)−メタノン、
[1−(2−アジリジン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−tert−ブチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−メチル−ピペリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−tert−ブチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−エチル−ピペリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−tert−ブチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−メチル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−tert−ブチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−イソプロピル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−tert−ブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−(1−エチル−ピペリジン−3−イル)−2−メチル−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[3−クロロ−1−(1−メチル−ピペリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[3−クロロ−1−(1−エチル−ピペリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
{4−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−ピペリジン−1−イル}−アセトニトリル、
{1−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−ピペリジン−4−イル]−1H−インドール−5−イル}−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−プロピル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−ピペリジン−3−イルメチル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン、
{(R)−3−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−ピロリジン−1−イル}−アセトニトリル、
[1−((S)−1−エチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
{(S)−3−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−ピロリジン−1−イル}−アセトニトリル、
[1−((S)−1−シクロペンチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−イソプロピル−ピペリジン−4−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
および薬学的に許容され得るその塩である。
【0055】
特に好ましいのは、以下の化合物:
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−イソプロピル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−エチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−イソプロピル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−エチル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−エチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−イソプロピル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−((S)−1−ベンジル−ピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピペリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−((S)−1−ベンジル−ピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−メチル−ピペリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−{1−[2−(1−メチル−ピペリジン−2−イル)−エチル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン、
[1−(2−アゼパン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(2−アゼパン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−ジメチルアミノ−2−メチル−プロピル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−エチル−ピペリジン−3−イル)−2−メチル−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−((S)−1−シクロペンチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
および薬学的に許容され得るその塩である。
【0056】
更に、式Iで示される化合物の薬学的に許容され得る塩および式Iで示される化合物の薬学的に許容され得るエステルは、それぞれが本発明の好ましい実施形態を構成する。
【0057】
式Iで示される化合物は、酸(例えば、従来の薬学的に許容され得る酸)での酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、サリチル酸塩、硫酸塩、ピルビン酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、酒石酸塩およびメタンスルホン酸塩を形成していてもよい。好ましいのは、塩酸塩である。同じく式Iで示される化合物の溶媒和物および水和物、ならびにそれらの塩は、本発明の一部を形成する。
【0058】
式Iで示される化合物は、不斉炭素原子を1個以上有することができ、光学的に純粋な鏡像異性体、鏡像異性体混合物、例えば、ラセミ体、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体のラセミ体、またはジアステレオ異性体のラセミ体の混合物の形態で存在することができる。光学活性形態は、例えば、ラセミ体の分割、不斉合成、または不斉クロマトグラフィー(asymmetric chromatography)(キラル吸着剤または溶離液を用いるクロマトグラフィー)により得ることができる。本発明は、これらの形態の全てを包含する。
【0059】
本発明の一般式Iで示される化合物が、官能基で誘導体化されて、インビボで親化合物に戻り得る誘導体を与えることは理解されよう。インビボで一般式Iで示される親化合物を生成し得る生理学的に許容され得て、代謝により変化し易い誘導体も、本発明の範囲に含まれる。
【0060】
本発明の更なる態様は、
式II:
【0061】
【化3】

【0062】
(式中、RおよびRは、本明細書の先に定義されたとおりである)で示される化合物を、塩基性条件下、カップリング試薬の存在下で式III:
【0063】
【化4】

【0064】
(式中、Rは、本明細書の先に定義されたとおりである)で示されるピペラジンと反応させて、式IV:
【0065】
【化5】

【0066】
(式中、R、RおよびRは、本明細書の先に定義されたとおりである)で示される化合物を得て、式I:
【0067】
【化6】

【0068】
(式中、Rは、本明細書の先に定義された基である)で示される化合物に変換し、所望なら、
得られた化合物を薬学的に許容され得る酸付加塩に変換することを含む、先に定義された式Iで示される化合物の製造方法である。
【0069】
適切なカップリング試薬は、例えば、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)である。好ましくは、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)およびO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)からなる群から選択されるカップリング試薬が、用いられる。反応は、適切な塩基の存在下、適切な溶媒、例えばジメチルホルムアミド(DMF)またはジオキサン中で実施される。トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンのような塩基が好ましい。
【0070】
式IBで示される化合物への変換は、式IAで示される化合物を無水条件下、適切な溶媒中の適切な塩基(例えば、DMF中の水素化ナトリウム)で処理し、中間体のアニオンをアルキル化剤またはアシル化剤:R−X(式中、Xは、脱離基、例えばヨージド、ブロミド、メタンスルホナートまたはクロリドを意味する)と反応させて、式IB(式中、Rは、低級アルキル、低級ヒドロキシアルキル、低級アルコキシアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級シクロアルキルアルキル、低級アルカノイル、低級シアノアルキル、低級アルキルスルホニルまたはフェニルスルホニルを意味する)で示される化合物を得ることを意味するか、または式IBで示される化合物への変換は、式IAで示される化合物を、適切な溶媒(例えばジクロロメタン)中で適切な触媒(例えば酢酸銅(II))および塩基(例えばピリジン)を用いて、場合により置換されたフェニルボロン酸と反応させて、式IB(式中、Rは、ヘテロシクリル基を意味する)で示される化合物を得ることを意味する。
【0071】
より詳細には、式Iで示される化合物は、以下に示す方法により、実施例に示す方法により、または類似の方法により製造することができる。本発明の式Iで示される化合物の製造は、連続的または集中的な合成経路で実施してもよい。反応の実施および得られた生成物の精製に必要な技能は、当業者に公知である。以下の方法の記載で用いられる置換基および指数は、反することが記載されない限り、本明細書の先に記載された意義を有する。各反応ステップの適切な反応条件は、当業者に公知である。反応順序は、スキーム1に示したものに限定されず、出発原料およびそれらの各反応性に応じて、反応ステップの順序を自由に変更することができる。出発原料は、市販されているか、あるいは以下に示す方法と類似の方法により、明細書に引用された参考文献もしくは実施例に記載された方法により、または当該技術分野で公知の方法により製造することができる。
【0072】
【化7】

【0073】
a)インドール−5−カルボン酸:IIは、市販されているか、または当業者に公知の方法により合成することができる。(そのような反応に影響を及ぼす文献に記載された反応条件については、例えば、Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition, Richard C. Larock, John Wiley & Sons, New York, NY. 1999を参照されたい)。しかし、我々は、カップリング試薬を用いることにより、置換ピペラジン(適宜、市販されているか、または参考文献に記載された方法もしくは当該技術分野で公知の方法により入手できる)を用いたアミドカップリングを通して、インドール−5−カルボン酸誘導体:II を各ピペラジンアミド:IVに変換することが簡便であることを見出した。その反応は、溶媒および塩基の存在下または非存在下で実施してもよい。用いられる溶媒が、関わる反応または試薬に対して有害作用を有しないこと、そして試薬を少なくともある程度は溶解し得ることが前提ならば、その溶媒の性質には特別な制限はない。適切な溶媒の例としては、DMF、THF、ジオキサンなどが挙げられる。この段階で用いられる塩基の性質に特別な制限はなく、この種の反応で一般に用いられるいずれの塩基も、ここで同等に用いることができる。そのような塩基の例としては、NEtまたはDIPEAなどが挙げられる。この段階で用いられるカップリング試薬の性質に特別な制限はなく、この種の反応で一般に用いられるいずれのカップリング試薬も、ここで同等に用いることができる。そのような還元剤の例としては、N,N’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸(EDCI)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム−3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU)、1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール(HOBT)、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)などが挙げられる。その反応は、広範囲の温度で実行することができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。我々は、周囲温度から還流まで加熱することで反応を実行することが簡便であることを見出した。反応に必要な時間も、多くの因子、特に反応温度および試薬の性質に応じて広範囲で変動してもよい。しかし、化合物:IVを生成させるのに、通常は0.5時間〜数日の期間で十分であろう。
【0074】
b)IVにおけるインドール窒素は、多くの方法で、そして当業者に公知の様々な反応条件下で置換することができる。しかし我々は、インドール誘導体:IVを適宜、トシラート、メシラート、ハロゲン化物(適宜、市販されているか、または参考文献に記載された方法もしくは当該技術分野で公知の方法により入手できる)のいずれかと反応させることが簡便であることを見出した。その反応は、溶媒および塩基の存在下または非存在下で実施してもよい。用いられる溶媒が、関わる反応または試薬に対して有害作用を有しないこと、そして試薬を少なくともある程度は溶解し得ることが前提ならば、その溶媒の性質には特別な制限はない。適切な溶媒の例としては、THF、ジオキサンなどが挙げられる。この段階で用いられる塩基の性質に特別な制限はなく、この種の反応で一般に用いられるいずれの塩基も、ここで同等に用いることができる。そのような塩基の例としては、KOtBuまたはNaHなどが挙げられる。その反応は、広範囲の温度で実行することができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。我々は、周囲温度から還流まで加熱することで反応を実行することが簡便であることを見出した。反応に必要な時間も、多くの因子、特に反応温度および試薬の性質に応じて広範囲で変動してもよい。しかし、式Iで示される化合物を生成させるのに、通常は0.5時間〜数日の期間で十分であろう。
【0075】
そのような手順の補足として、インドール誘導体:IVを、カップリング試薬および溶媒の存在下で、適切なアルコール(適宜、市販されているか、または参考文献に記載された方法もしくは当該技術分野で公知の方法により入手できる)と反応させてもよい。この段階で用いられるカップリング試薬の性質に特別な制限はなく、この種の反応で一般に用いられるいずれのカップリング試薬も、ここで同等に用いることができる。そのような還元剤の例としては、シアノメチレントリ−n−ブチルホスホランまたはシアノメチレントリメチルホスホランなどが挙げられる(文献:THL2002,43,2187−2190)。用いられる溶媒が、関わる反応または試薬に対して有害作用を有しないこと、そして試薬を少なくともある程度は溶解し得ることが前提ならば、その溶媒の性質には特別な制限はない。適切な溶媒としては、トルエンなどが挙げられる。その反応は、広範囲の温度で実行することができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。我々は、周囲温度から還流まで加熱することで反応を実行することが簡便であることを見出した。反応に必要な時間も、多くの因子、特に反応温度および試薬の性質に応じて広範囲で変動してもよい。しかし、化合物:Iを生成させるのに、通常は0.5時間〜数日の期間で十分であろう。しかし、得られた化合物は、窒素原子が非置換であるN−複素環を含む式Iで示される化合物の誘導体である(R中で示されたいずれかの窒素原子から保護基(R’=−COOR)を除去すると、R’=Hとする化合物に達する)。これらの誘導体を、多くの可能な反応条件下で連続反応に供する。しかし我々は、適切な条件下でアルキル化または還元アミノ化することにより、前記脱保護された窒素を置換することが簡便であることを見出した。アルキル化は、塩基の存在下または非存在下で、そして溶媒の存在下または非存在下で、いずれかの適切なアルキル化剤を用いて実行することができる。用いられる溶媒が、関わる反応または試薬に対して有害作用を有しないこと、そして試薬を少なくともある程度は溶解し得ることが前提ならば、その溶媒の性質には特別な制限はない。適切な溶媒の例としては、THF、ジオキサンなどが挙げられる。この段階で用いられる塩基の性質に特別な制限はなく、この種の反応で一般に用いられるいずれの塩基も、ここで同等に用いることができる。そのような塩基の例としては、KOtBuまたはNaHなどが挙げられる。その反応は、広範囲の温度で実行することができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。我々は、周囲温度から還流まで加熱することで反応を実行することが簡便であることを見出した。反応に必要な時間も、多くの因子、特に反応温度および試薬の性質に応じて広範囲で変動してもよい。しかし、式Iで示される化合物を生成させるのに、通常は0.5時間〜数日の期間で十分であろう。還元アミノ化は、還元剤を用いて、適切な溶媒の存在下または非存在下、酸性条件下で実施することができる。用いられる溶媒が、関わる反応または試薬に対して有害作用を有しないこと、そして試薬を少なくともある程度は溶解し得ることが前提ならば、その溶媒の性質には特別な制限はない。適切な溶媒の例としては、THF、ジオキサン、メタノールなどが挙げられる。この段階で用いられる酸の性質に特別な制限はなく、この種の反応で一般に用いられるいずれの酸も、ここで同等に用いることができる。そのような酸の例としては、酢酸などが挙げられる。この段階で用いられる還元剤の性質に特別な制限はなく、この種の反応で一般に用いられるいずれの還元剤も、ここで同等に用いることができる。そのような還元剤の例としては、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなどが挙げられる。その反応は、広範囲の温度で実行することができ、正確な反応温度は、本発明にとって重要ではない。我々は、周囲温度から還流まで加熱することで反応を実行することが簡便であることを見出した。反応に必要な時間も、多くの因子、特に反応温度および試薬の性質に応じて広範囲で変動してもよい。しかし、化合物:Iを生成させるのに、通常は0.5時間〜数日の期間で十分であろう。
【0076】
式Iで示される化合物は、不斉中心を複数含むことができ、光学的に純粋な鏡像異性体、鏡像異性体混合物、例えば、ラセミ体、光学的に純粋なジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ジアステレオマーのラセミ体、またはジアステレオマーのラセミ体の混合物の形態で存在することができる。光学活性形態は、例えば、ラセミ体の分割、不斉合成、または不斉クロマトグラフィー(キラル吸着剤または溶離液を用いるクロマトグラフィー)により得ることができる。
【0077】
先に記載されたとおり、本発明の式Iで示される化合物は、H3受容体のモジュレーションに関連する疾患の治療および/または予防のための医薬として用いることができる。
【0078】
本明細書において、表現「H3受容体のモジュレーションに関連する疾患」は、H3受容体のモジュレーションにより治療および/または予防され得る疾患を意味する。そのような疾患としては、非限定的に、肥満、代謝症候群(シンドロームX)、アルツハイマー病などの神経疾患、痴呆、年齢に関係する記憶機能不全、軽度認知障害、認知欠陥、注意欠陥多動性障害、てんかん、神経因性疼痛、炎症痛、片頭痛、パーキンソン病、多発性硬化症、卒中、めまい、統合失調症、うつ病、中毒、乗り物酔い、およびナルコレプシーなどの睡眠障害、ならびに他の疾患、例えばぜん息、アレルギー、アレルギー性気道反応、うっ血、慢性閉塞性肺疾患および胃腸障害が挙げられる。
【0079】
好ましい態様において、表現「H3受容体のモジュレーションに関連する疾患」は、肥満、代謝症候群(シンドロームX)、および他の摂食障害に関し、肥満が特に好ましい。
【0080】
それゆえ本発明は、先に定義された化合物ならびに薬学的に許容され得る担体および/または佐剤を含む医薬組成物にも関する。
【0081】
更に、本発明は、治療活性物質として、特にH3受容体のモジュレーションに関連する疾患の治療および/または予防のための治療活性物質として用いられる先に定義された化合物に関する。
【0082】
別の実施形態において、本発明は、治療活性量の式Iで示される化合物をヒトまたは動物に投与することを含む、H3受容体のモジュレーションに関連する疾患を治療および/または予防する方法に関する。肥満を治療および/または予防する方法が、好ましい。
【0083】
本発明は、更に、H3受容体のモジュレーションに関連する疾患の治療および/または予防のための、先に定義された式Iで示される化合物の使用に関する。
【0084】
加えて、本発明は、H3受容体のモジュレーションに関連する疾患を治療および/または予防する医薬を製造するための、先に定義された式Iで示される化合物の使用に関する。肥満を治療および/または予防する医薬を製造するための、先に定義された式Iで示される化合物の使用が、好ましい。
【0085】
更に本発明は、リパーゼ阻害剤(特に、リパーゼ阻害剤が、オルリスタットである)での処置も受けている患者の肥満を治療および予防する医薬を製造するための、式Iで示される化合物の使用に関する。
【0086】
本発明の更なる好ましい目的は、治療有効量の式Iで示される化合物を、肥満または摂食障害の処置のための治療有効量の他の薬物と組み合わせまたは関連させて投与して、効果的な緩和を提供することを含む、肥満または肥満関連障害の治療または予防の方法を提供することである。適切な他の薬物としては、非限定的に、食欲抑制剤、リパーゼ阻害剤、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)および体脂肪の代謝を刺激する薬剤が挙げられる。上記薬剤の組み合わせまたは関連付けは、分別投与、連続投与または同時投与を包含してもよい。
【0087】
用語「リパーゼ阻害剤」は、リパーゼ(例えば、胃リパーゼおよび膵リパーゼ)の作用を阻害し得る化合物を指す。例えば、米国特許第4,598,089号に記載されたオルリスタットおよびリプスタチンは、リパーゼの強力な阻害剤である。リプスタチンは、微生物由来の天然産物であり、オルリスタットは、リプスタチンの水素化から得られるものである。他のリパーゼ阻害剤としては、一般にパンクリシンと呼ばれる化合物類が挙げられる。パンクリシンは、オルリスタットの類似体である(Mutoh et al, 1994)。用語「リパーゼ阻害剤」は、例えば、国際特許出願WO99/34786(Geltex Pharmaceuticals Inc.)に記載されたポリマー結合リパーゼ阻害剤も指す。これらのポリマーは、リパーゼを阻害する基1個以上により置換されていることを特徴とする。用語「リパーゼ阻害剤」は、これらの化合物の薬学的に許容され得る塩も含む。用語「リパーゼ阻害剤」は、好ましくはテトラヒドロリプスタチンを指す。治療有効量の式Iで示される化合物を、治療有効量のテトラヒドロリプスタチンと組み合わせまたは関連させて投与することが、特に好ましい。
【0088】
テトラヒドロリプスタチン(オルリスタット)は、肥満および高脂血症の管理または予防に有用な公知の化合物である。オルリスタットを製造する方法も開示された1986年7月1日発行の米国特許第4,598,089号、および適切な医薬組成物が開示された米国特許第6,004,996号を参照されたい。更に適した医薬組成物は、例えば、国際特許出願WO00/09122およびWO00/09123に記載されている。オルリスタットの更なる製造方法は、欧州特許出願公報第0185359号、同第0189577号、同第0443449号、および同第0524495号に開示されている。
【0089】
本発明の化合物と併用される適切な食欲抑制剤としては、非限定的に、APD356、アミノレクス、アンフェクロラール、アンフェタミン、アクソカイン、ベンゾフェタミン、ブプロピオン、クロルフェンテルミン、クロベンゾレクス、クロフォレクス、クロミノレクス、クロルテルミン、CP945598、シクレキセドリン、CYT009−GhrQb、デクスフェンフルラミン、デクストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N−エチルアンフェタミン、フェンブトラザート、フェンフルラミン、フェニソレクス、フェンプロポレクス、フルドレクス、フルミノレクス、フルフリルメチルアンフェタミン、レバンフェタミン、レボファセトペラン、マジンドール、メフェノレクス、メタンフェプラモン、メタンフェタミン、メトレレプチン、ノルプソイドエフェドリン、ペントレクス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、ピシロレクス、リモナバント、シブトラミン、SLV319、SNAP7941、SR147778(スリナバント)、ステロイド系植物抽出物(例えば、P57)、およびTM30338、ならびに薬学的に許容され得るそれらの塩が挙げられる。
【0090】
最も好ましい食欲抑制剤は、シブトラミン、リモナバントおよびフェンテルミンである。
【0091】
本発明の化合物と併用される適切な選択的セロトニン再取込み阻害剤としては、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン、ならびに薬学的に許容され得るその塩が挙げられる。
【0092】
体脂肪の代謝を刺激する適切な薬剤としては、非限定的に、成長ホルモンアゴニスト(例えば、AOD−9604)が挙げられる。
【0093】
リパーゼ阻害剤、食欲抑制剤、選択的セロトニン再取込み阻害剤および体脂肪の代謝を刺激する薬剤からなる群から選択される化合物での処置も受けている患者の肥満を治療および予防する医薬の製造における式Iで示される化合物の使用も、本発明の目的である。
【0094】
リパーゼ阻害剤、好ましくはテトラヒドロリプスタチンでの処置も受けている患者の肥満を治療および予防する医薬の製造における式Iで示される化合物の使用も、本発明の目的である。
【0095】
更に好ましい目的は、治療有効量の式Iで示される化合物を、治療有効量のリパーゼ阻害剤(特に、リパーゼ阻害剤が、テトラヒドロリプスタチンである)と組み合わせまたは関連させて投与することを含む、ヒトのII型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))の治療または予防の方法を提供することである。同じく本発明の目的は、式Iで示される化合物およびリパーゼ阻害剤(特に、テトラヒドロリプスタチン)を同時投与、分別投与または連続投与するための、上記の方法である。
【0096】
更に好ましい目的は、治療有効量の式Iで示される化合物を、治療有効量の抗糖尿病剤と組み合わせまたは関連させて投与することを含む、ヒトのII型糖尿病(非インスリン依存性糖尿病(NIDDM))の治療または予防の方法を提供することである。
【0097】
用語「抗糖尿病剤」は、1)ピオグリタゾン(アクトス)またはロシグリタゾン(アバンディア)などのPPARγアゴニスト;2)メトホルミン(グルコファージ)などのビグアニド;3)グリベンクラミド、グリメピリド(アマリール)、グリピジド(グルコトロール)、グリブリド(ディアベータ)などのスルホニル尿素;4)ナテグリニド(スターリックス)、レパグリミド(プランジン)などの非スルホニル尿素;5)GW−2331などのPPARα/γアゴニスト;6)LAF−237(ビルダグリプチン)、MK−0431、BMS−477118(サキサグリプチン)またはGSK23AなどのDPP−IV阻害剤;7)例えばWO00/58293A1に開示された化合物などのグルコキナーゼ活性剤;8)アカルボース(プレコース)またはミグリトール(グリセット)などのα−グリコシダーゼ阻害剤、からなる群から選択される化合物を指す。
【0098】
同じく本発明の目的は、式Iで示される化合物および治療有効量の抗糖尿病剤を同時投与、分別投与または連続投与するための、上記の方法である。
【0099】
抗糖尿病剤での処置も受けている患者のII型糖尿病を治療および予防する医薬の製造における式Iで示される化合物の使用も、本発明の目的である。
【0100】
更に好ましい目的は、治療有効量の式Iで示される化合物を、治療有効量の脂質低下剤と組み合わせまたは関連させて投与することを含む、ヒトの脂質異常症の治療または予防の方法を提供することである。
【0101】
用語「脂質低下剤」は、1)コレスチラミン(クエストラン)、コレスチポール(コレスチド)などの胆汁酸捕捉剤;2)アトルバスタチン(リピトール)、セリバスタチン(バイコール)、フルバスタチン(レスコール)、プラバスタチン(プラバコール)、シンバスタチン(ゾコール)などのHMG−CoAリダクターゼ阻害剤;3)エゼチミブなどのコレステロール吸収阻害剤;4)トルセトラピブ、JTT705などのCETP阻害剤;5)ベクロフィブラート、ゲムフィブロジル(ロピド)、フェノフィブラート(リピジル)、ベザフィブラート(ベザリップ)などのPPARαアゴニスト;6)ナイアシンなどのリポ蛋白質合成阻害剤;および7)ニコチン酸などのナイアシン受容体アゴニスト、からなる群から選択される化合物を指す。
【0102】
同じく本発明の目的は、式Iで示される化合物および治療有効量の脂質低下剤を同時投与、分別投与または連続投与するための、上記の方法である。
【0103】
脂質低下剤での処置も受けている患者の脂質異常症を治療および予防する医薬の製造における式Iで示される化合物の使用も、本発明の目的である。
【0104】
更に好ましい目的は、治療有効量の式Iで示される化合物を、治療有効量の抗高血圧剤と組み合わせまたは関連させて投与することを含む、ヒトの高血圧の治療または予防の方法を提供することである。
【0105】
用語「抗高血圧剤」または「血圧降下剤」は、1)ベナゼプリル(ロテンシン)、カプトプリル(カポテン)、エナラプリル(バソテック)、フォシノプリル(モノプリル)、リシノプリル(プリニビル、ゼストリル)、モエキシプリル(ユニバスク)、ペリンドプリル(コベルスム(coversum))、キナプリル(アキュプリル)、ラミプリル(アルテース)、トランドラプリル(マビク)などのアンギオテンシン変換酵素(ACE);2)カンデサルタン(アタカンド)、エプロサルタン(テベテン)、イルベサルタン(アバプロ)、ロサルタン(コザール)、テルミサルタン(ミカディスク(micadisc))、バルサルタン(ディオバン)などのアンギオテンシンII受容体アンタゴニスト;3)アドレナリン遮断薬(末梢または中枢)、例えば、アセブトロール(セクトロール(sectrol))、アテノロール(テノーミン)、ベタキソロール(ケルロン)、ビソプロロール(ゼベタ)、カルテオロール(カルトロール(cartrol))、メトロプロロール(ロプレッサー:トプロール−XL)、ナドロール(コルガード)、ペンブトロール(レバトール)、ピンドロール(ビスケン)、プロプラノロール(インデラル)、チモロール(ブロカドレン)などのβ−アドレナリン遮断薬;例えば、カルベジロール(コレグ)、ラベタロール(ノルモジン)などのα/β−アドレナリン遮断薬;例えば、プラゾシン(ミニプレス)、ドキサゾシン(カルデュラ)、テラゾシン(ヒトリン)、フェノキシベンザミン(ジベンジリン)などのα−1アドレナリン遮断薬;例えば、グアナドレル(ヒロレル(hylorel))、グアネチジン(イスメリン)、レセルピン(セルパシル)などの末梢アドレナリン作動性ニューロン遮断薬;例えば、α−メチルドパ(アルドメット)、クロニジン(カタプレス)、グアナベンズ(ワイテンシン(wytensin))、グアンファシン(テネクス(tenex))などのα2アドレナリン遮断薬;4)ヒドララジン(アプレソリン)、ミノキシジル(ロニトレン(lonitren))、クロニジン(カタプレス)などの血管拡張薬;5)アムロジピン(ノルバスク)、フェロジピン(プレンジル)、イスラジピン(ダイナシルク)、ニカルジピン(カルジンsr(cardine sr))、ニフェジピン(プロカルジア、アダラート)、ニソルジピン(スラー(sular))、ジルチアゼム(カルジゼム)、ベラパミル(イソプチル)などのカルシウムチャネルブロッカー;6)利尿薬、例えば、ヒドロクロロチアジド(ヒドロジウリル、ミクロジド(microzide))、クロロチアジド(ジウリル)、クロルタリドン(ハイグロトン)、インダパミド(ロゾール(lozol))、メトラゾン(ミクロクス)などのチアジドおよびチアジド様薬剤;ブメタニド(ブメックス)、フロセミド(ラシックス)、エタクリン酸(エデクリン)、トルセミド(デマデックス)などのループ利尿薬;例えば、アミロライド(ミダモール(midamor))、トリアムテレン(ディレニウム(dyrenium))、スピロノラクトン(アルダクトン)、およびチアメニジン(シムコール)などのカリウム保持性利尿薬;7)メチロシン(デムセル(demser))などのチロシンヒドロキシラーゼ阻害剤;8)BMS−186716(オマパトリラート)、UK−79300(カンドキサトリル)、エカドトリル(シノルファン)、BP−1137(ファシドトリル)、UK−79300(サムパトリラート)などの中性エンドペプチダーゼ阻害剤;ならびに9)テゾセンタン(RO0610612)、A308165などのエンドセリンアンタゴニスト、からなる群から選択される化合物を指す。
【0106】
同じく本発明の目的は、式Iで示される化合物および治療有効量の抗高血圧剤を同時投与、分別投与または連続投与するための、上記の方法である。
【0107】
抗高血圧剤での処置も受けている患者の高血圧を治療および予防する医薬の製造における式Iで示される化合物の使用も、本発明の目的である。
【0108】
上記のとおり、式Iで示される化合物および薬学的に許容され得るその塩は、有益な薬理学的特性を保有する。特に、本発明の化合物は、良好なヒスタミン3受容体(H3R)アンタゴニストおよび/またはインバースアゴニストであることが見出された。
【0109】
式(I)で示される化合物の活性を測定するために、以下のテストを実施した。
【0110】
H(R)α−メチルヒスタミンを用いた結合アッセイ
【0111】
Takahashi, K., Tokita, S., Kotani, H. (2003) J. Pharmacol. Exp. Therapeutics 307, 213-218に記載されたとおり調製されたHR3−CHO膜を用いて、飽和結合実験を実施した。
【0112】
適切な量の膜(60〜80μg蛋白質/ウェル)を、増加する濃度のH(R)α−メチルヒスタミン二塩酸塩(0.10〜10nM)と共にインキュベートした。200倍過剰の冷(R)α−メチルヒスタミン二臭化水素酸塩(最終濃度500nM)を用いて、非特異的結合を測定した。室温でインキュベーションを実施した(ディープウェルプレートで3時間振とう)。各ウェルの最終容積は、250μlであった。インキュベーションの後、GF/Bフィルター(Tris 50mM中の0.5%PEI 100μlと共に200回転で2時間振とうして予浸)で急速にろ過した。細胞採取装置を用いてろ過を行い、その後、0.5M NaClを含む氷冷した洗浄緩衝液で、ろ過プレートを5回洗浄した。採取した後、プレートを55℃で60分間乾燥させ、その後、シンチレーション液を添加して(Microscint 40、各ウェルに40ミクロール(microl))、プレートを室温で200回転で2時間振とうした後、フィルター上の放射能の量をパッカードトップカウンタで測定した。
【0113】
結合緩衝液:50mM Tris−HCl pH7.4および5mM MgCl・6HO pH7.4。洗浄緩衝液:50mM Tris−HCl pH7.4、5mM MgCl・6HOおよび0.5M NaCl pH7.4。
【0114】
H3Rインバースアゴニストの親和力の間接的測定:ヒトHR3−CHO細胞系の膜を利用して、常時、12種の増加する濃度(10μM〜0.3nMの範囲)の選択された化合物を、競合結合実験でテストした。適切な量の蛋白質(例えば、KdでのRAMHの結合が約500cpm)を、H(R)α−メチルヒスタミンの存在下、96穴プレート中の最終容積250μl中で、室温で1時間インキュベートした(最終濃度1nM=Kd)。200倍過剰の低温(R)α−メチルヒスタミン二臭化水素酸塩を用いて、非特異的結合を測定した。
【0115】
化合物は全て、一濃度を二重測定でテストした。50%を超える[H]−RAMHの阻害を示す化合物を再度テストして、系列希釈実験でIC50を決定した。Kiは、Cheng Prusoff式に基づくIC50から計算した(Cheng, Y, Prusoff, WH (1973) Biochem Pharmacol 22, 3099-3108)。
【0116】
本発明の化合物は、約1nM〜約1000nM、好ましくは約1nM〜約100nM、より好ましくは約1nM〜約30nM、最も好ましくは約1nM〜約20nMの範囲内のKi値を示した。以下の表は、本発明の選択された幾つかの化合物の測定値を示す。
【0117】
【表1】

【0118】
本発明の化合物の更なる生物活性の実証を、当該技術分野で周知のインビトロ、エクスビボ、およびインビボアッセイで実行してもよい。例えば、肥満関連障害(例えば、糖尿病、シンドロームX、またはアテローム性硬化症)および関連障害(例えば、高トリグリセリド血症および高コレステロール血症)を処置する薬剤の有効性を実証するために、以下のアッセイを用いてもよい。
【0119】
血糖値を測定する方法
【0120】
db/dbマウス(Jackson Laboratories, Bar Harbor, MEから得る)を、採血して(眼または尾静脈から)、同等の平均血糖値により群分けする。それらに、試験化合物を1日1回7〜14日間、経口投与する(薬学的に許容され得る担体中で胃管強制投与による)。この時点で、動物の眼または尾静脈から再度、採血し、血糖値を測定する。
【0121】
トリグリセリド値を測定する方法
【0122】
hApoAlマウス(Jackson Laboratories, Bar Harbor, MEから得る)を、採血して(眼または尾静脈から)、同等の平均血清トリグリセリド値により群分けする。それらに、試験化合物を1日1回7〜14日間、経口投与する(薬学的に許容され得る担体中で胃管強制投与による)。その後、動物の眼または尾静脈から再度、採血し、血清トリグリセリド値を測定する。
【0123】
HDL−コレステロール値を測定する方法
【0124】
血漿HDL−コレステロール値を測定するために、hApoA1マウスを採血して、同等の平均血漿HDL−コレステロール値により群分けする。マウスに担体または試験化合物を1日1回7〜14日間経口投与し、その後、翌日に採血する。血漿のHDL−コレステロールを分析する。
【0125】
式(I)で示される化合物ならびにその薬学的に許容され得る塩およびエステルは、例えば、経腸投与、非経口投与または局所投与用の医薬製剤の形態で、医薬として用いることができる。それらは、例えば、経口投与(例えば、錠剤、コート錠、糖衣錠、ハードおよびソフトゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤または懸濁剤の形態で)、経直腸投与(例えば、坐剤の形態で)、非経口投与(例えば、注射液または輸液の形態で)、または局所投与(例えば、軟膏、クリームまたはオイルの形態で)を行うことができる。
【0126】
該医薬製剤の製造は、式(I)で示される上記の化合物およびその薬学的に許容され得る塩を、適切な非毒性で不活性の治療適合性固体または液体担体材料、および所望なら通常の医薬佐剤と共に生薬投与形態にすることにより、当業者に知られる手法で実行することができる。
【0127】
適切な担体材料は、無機担体材料だけでなく、有機担体材料でもある。つまり、例えば、ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩を、錠剤、コート錠、糖衣錠、およびハードゼラチンカプセル剤用の担体材料として用いることができる。ソフトゼラチンカプセル剤用の適切な担体材料は、例えば、植物油、ワックス、脂肪ならびに半固形および液体ポリオールである(しかし、活性成分の性質にもよるが、ソフトゼラチンカプセルの場合、担体は必要とならない)。液剤およびシロップの製造用の適切な担体材料は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖などである。注射液用の適切な担体材料は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、および植物油である。坐剤用の適切な担体材料は、例えば、天然油、硬化油、ワックス、脂肪、および半液体または液体ポリオールである。局所製剤用の適切な担体材料は、グリセリド、半合成および合成グリセリド、硬化油、液体ワックス、流動パラフィン、液体脂肪アルコール、ステロール、ポリエチレングリコール、ならびにセルロース誘導体である。
【0128】
通常の安定化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、稠度改良剤、風味改良剤、浸透圧を変動させる塩、緩衝物質、可溶化剤、着色剤、マスキング剤および抗酸化剤が、医薬佐剤として考慮される。
【0129】
式(I)で示される化合物の投与量は、管理される疾患、患者の年齢および各条件、ならびに投与様式に応じて広い限界内で変動してもよいが、もちろん、個々の症例の各要件に適合させる。成人患者では、日用量 約1mg〜約1000mg、特に約1mg〜約100mgが、考慮される。投与量に応じて、日用量を複数の用量単位で投与することが簡便である。
【0130】
該医薬製剤は、簡便には、式(I)で示される化合物を約0.1〜500mg、好ましくは0.5〜100mg含む。
【0131】
以下の実施例は、本発明をより詳細に例示するものである。しかしそれらは、その範囲を限定するものではない。
【0132】
実施例
中間体1
(1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン
DMF 50mL中のインドール−5−カルボン酸(市販)3.23g(20mmol)、1−(2−プロピル)−ピペラジン(市販)3.07g(24mmol)、TBTU 8.03g(25mmol)及びDIPEA10.3mL(60mmol)の混合物を、室温で2時間撹拌した。すべての揮発物を蒸発した後、残留物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層をMgSOで乾燥させて、蒸発乾固した。続いて、残留物を、DCM、MeOH及びNH水溶液から形成した混合物で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、合わせた生成物画分を蒸発した後、標記化合物5.1g(94%)を明褐色の泡状物として得た。MS(m/e):272.3(MH)。
【0133】
中間体2
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−(1H−インドール−5−イル)−メタノン
(1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(中間体1)の合成に関する記載の手順に従って、標記化合物をインドール−5−カルボン酸(市販)及び1−シクロブチル−ピペラジン(市販)から調製した。MS(m/e):284.0(MH)。
【0134】
中間体3
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−(1H−インドール−5−イル)−メタノン
(1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(中間体1)の合成に関する記載の手順に従って、標記化合物をインドール−5−カルボン酸(市販)及び1−シクロペンチル−ピペラジン(市販)から調製した。MS(m/e):298.5(MH)。
【0135】
中間体4
(4−tert−ブチル−ピペラジン−1−イル)−(1H−インドール−5−イル)−メタノン
(1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(中間体1)の合成に関する記載の手順に従って、標記化合物をインドール−5−カルボン酸(市販)及び1−tert.−ブチル−ピペラジン(市販)から調製した。MS(m/e):286.1(MH)。
【0136】
中間体5
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−(2−メチル−1H−インドール−5−イル)−メタノン
(1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(中間体1)の合成に関する記載の手順に従って、標記化合物を2−メチル−1H−インドール−5−カルボン酸(市販)及び1−(2−プロピル)−ピペラジン(市販)から調製した。MS(m/e):158.3(MH−i−プロピル−ピペラジン)。
【0137】
中間体6
トルエン−4−スルホン酸 1−メチル−ピペリジン−3−イルメチルエステル
DCM 30mL中の1−メチル−3−ピペリジンメタノール2.07g(16mmol)、p−トルエンスルホニルクロリド3.35g(18mmol)、4−ジメチルアミノピリジン0.58g(5mmol)及びNEt 2.23mL(16mmol)の混合物を、室温で2時間撹拌した。混合物を水で洗浄し、蒸発乾固して、標記化合物4.5g(99%)を黄色の油状物として得、それを更に精製しないで使用した。MS(m/e):284.1(MH)。
【0138】
中間体7
トルエン−4−スルホン酸 1−イソプロピル−ピロリジン−3−イルエステル
トルエン−4−スルホン酸 1−メチル−ピペリジン−3−イルメチルエステル(中間体6)の合成に関する記載の手順に従って、標記化合物を1−イソプロピル−3−ピロリジノール(市販)及びp−トルエンスルホニルクロリド(市販)から調製した。MS(m/e):284.0(MH)。
【0139】
中間体8
トルエン−4−スルホン酸 1−エチル−ピロリジン−3−イルエステル
トルエン−4−スルホン酸 1−メチル−ピペリジン−3−イルメチルエステル(中間体6)の合成に関する記載の手順に従って、標記化合物を1−エチル−ピロリジン−3−オール(市販)及びp−トルエンスルホニルクロリド(市販)から調製した。MS(m/e):270.0(MH)。
【0140】
中間体9
トルエン−4−スルホン酸 1−メチル−ピロリジン−3−イルエステル
トルエン−4−スルホン酸 1−メチル−ピペリジン−3−イルメチルエステル(中間体6)の合成に関する記載の手順に従って、標記化合物を1−メチル−ピロリジン−3−オール(市販)及びp−トルエンスルホニルクロリド(市販)から調製した。MS(m/e):256(MH)。
【0141】
中間体10
トルエン−4−スルホン酸 1−ベンジル−ピロリジン−3−イルエステル
トルエン−4−スルホン酸 1−メチル−ピペリジン−3−イルメチルエステル(中間体6)の合成に関する記載の手順に従って、標記化合物を1−ベンジル−ピロリジン−3−オール(市販)及びp−トルエンスルホニルクロリド(市販)から調製した。MS(m/e):332(MH)。
【0142】
中間体11
トルエン−4−スルホン酸 1−メチル−5−オキソ−ピロリジン−3−イルエステル
トルエン−4−スルホン酸 1−メチル−ピペリジン−3−イルメチルエステル(中間体6)の合成に関する記載の手順に従って、標記化合物を4−ヒドロキシ−1−メチル−ピロリジン−2−オン(市販)及びp−トルエンスルホニルクロリド(市販)から調製した。MS(m/e):270(MH)。
【0143】
中間体12
トルエン−4−スルホン酸 1−ベンジル−ピペリジン−3−イルメチルエステル
a)工程1:3−(トルエン−4−スルホニルオキシメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
トルエン−4−スルホン酸 1−メチル−ピペリジン−3−イルメチルエステル(中間体6)の合成に関する記載の手順に従って、標記化合物を3−ヒドロキシメチル−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(市販)及びp−トルエンスルホニルクロリド(市販)から調製した。MS(m/e):270(MH−Boc)。
【0144】
b)工程2:トルエン−4−スルホン酸 ピペリジン−3−イルメチルエステル、塩酸塩
ジオキサン30mL中の3−(トルエン−4−スルホニルオキシメチル)−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル8.5g(23mmol)とジオキサン中の4N HCl 28.7mL(115mmol)の混合物を蒸発乾固した。これにより標記化合物7.57g(97%)を粘性で黄色の油状物として得、それを更に精製しないで使用した。MS(m/e):270(MH)。
【0145】
c)工程3:トルエン−4−スルホン酸 1−ベンジル−ピペリジン−3−イルメチルエステル
THF 25mL中のトルエン−4−スルホン酸 ピペリジン−3−イルメチルエステル塩酸塩1.4g(4.6mmol)、ベンズアルデヒド(市販)2.43g(23mmol)、酢酸2.62mL(46mmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム2.9g(14mmol)の混合物を、90℃に加熱した。揮発物を蒸発した後、isoluteを加え、続いてDCM、MeOH及びNH水溶液から形成した混合物で溶離するフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、合わせた生成物画分を蒸発した後、標記化合物1.03g(50%)を明黄色の油状物として得た。MS(m/e):360(MH)。
【0146】
中間体13
トルエン−4−スルホン酸 1−エチル−ピペリジン−3−イルメチルエステル
アセトニトリル20mL中のトルエン−4−スルホン酸 ピペリジン−3−イルメチルエステル、塩酸塩1g(3.2mmol)、ヨウ化エチル(市販)1.02g(7mmol)及び炭酸ナトリウム0.6g(10mmol)の混合物を、65℃で一晩振とうした。炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、混合物をDCMで抽出した。合わせた有機画分を蒸発乾固して、残留物を精製しアセトニトリル/水/NEtから形成した勾配で溶離する逆相の分取HPLCにより精製した。合わせた生成物画分を蒸発して、標記化合物40mg(4%)を黄色の油状物として得た。MS(m/e):298(MH)。
【0147】
中間体14
トルエン−4−スルホン酸 3−モルホリン−4−イル−プロピルエステル
トルエン−4−スルホン酸 1−メチル−ピペリジン−3−イルメチルエステル(中間体6)の合成に関する記載の手順に従って、標記化合物を2−モルホリン−4−イル−エタノール(市販)及びp−トルエンスルホニルクロリド(市販)から調製した。MS(m/e):300.1(MH)。
【0148】
中間体15
(3−クロロ−1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン
a)工程1:3−クロロ−1H−インドール−5−カルボン酸メチルエステル
メタノール40mL中の1H−インドール−5−カルボン酸メチルエステル1.4g(8mmol)及びN−クロロスクシンイミド1.28g(9.6mmol)の混合物を、室温で16時間撹拌した。混合物を蒸発乾固し、DCMに取り、1N NaHCO水溶液で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固して、標記化合物1.05g(62%)を得た。MS(m/e):210.1(MH)。
【0149】
b)工程2:(3−クロロ−1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン
THF、メタノール、水中の3−クロロ−1H−インドール−5−カルボン酸メチルエステル1.05g(5mmol)とLiOHO 1.05g(25mmol)の混合物を、50℃で4時間撹拌した。混合物を蒸発乾固し、対応する酸を更に精製しないで次の工程に使用した。1−(2−プロピル)−ピペラジン0.77g(6mmol)、TBTU 2.4g(7.5mmol)、NEt 2.5g(25mmol)及びDMF 20mLを加え、混合物を室温で4時間撹拌した。1N NaHCOを加えて、混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、濾過して、蒸発した。残留物を、ヘプタン、酢酸エチル、メタノール及びNEtから形成した勾配で溶離するシリカのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。合わせた生成物画分を蒸発して、標記化合物0.67g(44%)を明褐色の固体として得た。MS(m/e):306.3(MH)。
【0150】
実施例1
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−メチル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン
THF 20mL中の(1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(中間体1)1.06g(3.9mmol);KOtBu 0.484g(4.3mmol)及びトルエン−4−スルホン酸 1−メチル−ピペリジン−3−イルメチルエステル(中間体6)1.33g(4.7mmol)の混合物を、60℃で3時間振とうした。混合物のすべての揮発物を蒸発した後、酢酸エチルを加えて、水で洗浄した。有機相をMgSOで乾燥させて、蒸発乾固した。残留物を、DCM、メタノール、NEtから形成した溶媒混合物で溶離するシリカのカラムクロマトグラフィーにより精製した。合わせた生成物画分を蒸発して、標記化合物1.44g(91%)を明黄色のガム状物として得た。MS(m/e):383.5(MH)。
【0151】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−メチル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン(実施例1)の合成に関する記載の手順と同様にして、更にインドール誘導体を、表1に記載したそれらの対応する出発物質から合成した。あるいは化合物の精製は、アセトニトリル、水、NEtから形成した勾配で溶離する逆相の分取HPLC精製により達成できた。実施例を表1に示し、実施例2〜実施例21を含む。
【0152】
【表2】







【0153】
実施例22
3−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
トルエン1.5mL中の(1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(中間体1)21.7mg(0.08mmol)、3−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(市販)24.1mg(0.12mmol)、シアノメチレントリ−n−ブチルホスホラン38.6mg(0.16mmol)の混合物を、長時間、110℃に加熱した。蒸発した後、残留物をアセトニトリル/水/NEtから形成した勾配で溶離する逆相の分取HPLCにより精製した。合わせた生成物画分を蒸発して、標記化合物14.3mgを得た。MS(m/e):455.4(MH)。
【0154】
実施例22の合成に関する記載の手順と同様にして、更にインドール誘導体を表2に記載したようにそれらの対応する出発物質から調製した。実施例を表2に示して、実施例22〜84を含む。
【0155】
【表3】





















【0156】
実施例85
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−プロピル−ピペリジン−4−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン
4−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(実施例26)を、ジオキサン中の4N HClで処理して、蒸発乾固した。残留物を、更に精製しないで次の工程で使用した。残留物をTHFに溶解し、KOtBuで処理した。ヨウ化プロピルを加えて、60℃に加熱した。蒸発乾固した後、残留物をメタノール/DMFに溶解し、アセトニトリル/水/NEtから形成した勾配で溶離する逆相の分取HPLCによる精製に付した。合わせた生成物画分を蒸発して、標記化合物を得た。MS(m/e):397.3(MH)。
【0157】
実施例86
{4−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−ピペリジン−1−イル}−アセトニトリル
実施例83の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、出発物質として4−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(実施例26)及びヨードアセトニトリル(市販)から調製した。MS(m/e):394.3(MH)。
【0158】
実施例87
{1−[1−(2,2−ジフルオロ−エチル)−ピペリジン−4−イル]−1H−インドール−5−イル}−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン
実施例83の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、出発物質として4−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(実施例26)及び2−ブロモ−1,1−ジフルオロエタン(市販)から調製した。MS(m/e):419.3(MH)。
【0159】
実施例88
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−プロピル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン
実施例83の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、出発物質として3−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(実施例47)及びヨウ化プロピル(市販)から調製した。MS(m/e):411.5(MH)。
【0160】
実施例89
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−{1−[1−(2−メトキシ−エチル)−ピペリジン−3−イルメチル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン
実施例83の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、出発物質として3−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(実施例47)及び2−ブロモエチルメチルエーテル(市販)から調製した。MS(m/e):427.3(MH)。
【0161】
実施例90
{(R)−3−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−ピロリジン−1−イル}−アセトニトリル
実施例22及び83の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、出発物質として(1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(中間体1)、(S)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(市販)及びヨードアセトニトリル(市販)から調製した。MS(m/e):380.4(MH)。
【0162】
実施例91
[1−((S)−1−エチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン
実施例22及び83の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、出発物質として(1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(中間体1)、(R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(市販)およびヨウ化エチル(市販)から調製した。MS(m/e):369.4(MH)。
【0163】
実施例92
{(S)−3−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−ピロリジン−1−イル}−アセトニトリル
実施例22及び83の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、出発物質として(1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(中間体1)、(R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(市販)及びヨードアセトニトリル(市販)から調製した。MS(m/e):380.4(MH)。
【0164】
実施例93
[1−((S)−1−シクロペンチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン
標記化合物を、(S)−3−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イル]−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル((1H−インドール−5−イル)−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン(中間体1)及び(R)−3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(市販)から実施例22の合成に関する記載の手順と同様にして入手可能)から合成し、続いて保護基を開裂し、シクロペンタノン(市販)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムで標準の還元的アミノ化して、アセトニトリル、水及びNEtから形成した勾配で溶離する逆相の分取HPLCで反応混合物を精製した。MS(m/e):409.4(MH)。
【0165】
実施例94
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−イソプロピル−ピペリジン−4−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン
実施例91の合成に関する記載の手順と同様にして、標記化合物を、出発物質として3−[5−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−カルボニル)−インドール−1−イルメチル]−ピペリジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(実施例47)及びアセトン(市販)から調製した。MS(m/e):411.5(MH)。
【0166】
実施例A
下記の成分を含有するフィルムコーティング錠は常法により製造することができる:
成分 1錠当たり
核:
式(I)の化合物 10.0mg 200.0mg
微晶質セルロース 23.5mg 43.5mg
含水乳糖 60.0mg 70.0mg
ポビドンK30 12.5mg 15.0mg
デンプングリコール酸ナトリウム 12.5mg 17.0mg
ステアリン酸マグネシウム 1.5mg 4.5mg
(核重量) 120.0mg 350.0mg
フィルムコート:
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.5mg 7.0mg
ポリエチレングリコール6000 0.8mg 1.6mg
タルク 1.3mg 2.6mg
酸化鉄(黄色) 0.8mg 1.6mg
二酸化チタン 0.8mg 1.6mg
【0167】
活性成分を篩にかけ、微晶質セルロースと混合し、混合物をポリビニルピロリドンの水溶液で造粒する。顆粒をデンプングリコール酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムと混合し、圧縮して、それぞれ120又は350mgの核を得る。上記のフィルムコートの水溶液/懸濁液を核に塗布する。
【0168】
実施例B
下記の成分を含有するカプセル剤は、常法により製造することができる:
成分 1カプセル当たり
式(I)の化合物 25.0mg
乳糖 150.0mg
トウモロコシデンプン 20.0mg
タルク 5.0mg
【0169】
成分を篩にかけ、混合し、サイズ2のカプセルに充填する。
【0170】
実施例C
注射液は下記の組成を有することができる:
式(I)の化合物 3.0mg
ゼラチン 150.0mg
フェノール 4.7mg
炭酸ナトリウム 最終pH 7を得るため
注射用水 全量を1.0mLにする量
【0171】
実施例D
下記の成分を含有するソフトゼラチンカプセル剤は常法により製造できる:
カプセル内容物
式(I)の化合物 5.0mg
黄ろう 8.0mg
硬化大豆油 8.0mg
部分的硬化植物油 34.0mg
大豆油 110.0mg
カプセル剤の重量 165.0mg
ゼラチンカプセル
ゼラチン 75.0mg
グリセロール85% 32.0mg
Karion 83 8.0mg(乾物)
二酸化チタン 0.4mg
酸化鉄黄 1.1mg
【0172】
活性成分を、温かく溶融している他の成分に溶解し、混合物を適切な大きさのソフトゼラチンカプセルに充填する。充填されたソフトゼラチンカプセルを、当該技術で使用される通常の手順に従って処理する。
【0173】
実施例E
下記の成分を含有するサッシェは常法により製造できる:
式(I)の化合物 50.0mg
乳糖、微細粉末 1015.0mg
微晶質セルロース(AVICEL PH 102) 1400.0mg
カルボキシメチルセルロースナトリウム 14.0mg
ポリビニルピロリドンK 30 10.0mg
ステアリン酸マグネシウム 10.0mg
風味添加剤 1.0mg
【0174】
活性成分を、乳糖、微晶質セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウムと混合し、水中のポリビニルピロリドンの混合物と共に造粒する。顆粒をステアリン酸マグネシウム及び風味添加剤と混合し、サッシェに充填する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式:
【化8】


[式中、
は、低級アルキルまたはシクロアルキルであり;
は、水素またはハロゲンであり;
は、水素または低級アルキルであり;
は、−(CR−NRまたは−(CR10−ヘテロシクリルであり、
ここで、mは、2または3であり;
は、水素または低級アルキルであり;
は、水素または低級アルキルであり;
およびRは、互いに独立して、低級アルキル、非置換フェニルもしくは低級アルキルにより置換されたフェニル、低級フェニルアルキルおよび低級ヒドロキシアルキルからなる群から選択されるか、または;
およびRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、酸素もしくは硫黄から選択される更なるヘテロ原子を場合により含む3、4、5、6もしくは7員飽和複素環を形成しており、前記複素環は、非置換であるか、もしくは低級アルキルにより置換されており;
nは、0、1、2または3であり;
は、水素または低級アルキルであり;
10は、水素または低級アルキルであり;
ヘテロシクリルは、ピロリジン、ピロリジン−2−オン、ピペリジンおよびモルホリンから選択されるN−複素環であり、その窒素原子は、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている]で示される化合物および薬学的に許容され得るその塩。
【請求項2】
が、−(CR10−ヘテロシクリルであり、ここで、
nが、0、1、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
10が、水素または低級アルキルであり;
ヘテロシクリルが、ピロリジン、ピロリジン−2−オン、ピペリジンおよびモルホリンから選択されるN−複素環であり、その窒素原子が、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている、請求項1記載の式Iで示される化合物。
【請求項3】
が、−(CR10−ヘテロシクリルであり、ここで、
nが、0、1、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
10が、水素または低級アルキルであり;
ヘテロシクリルが、ピロリジンおよびピロリジン−2−オンから選択されるN−複素環であり、その窒素原子が、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている、請求項1または2記載の式Iで示される化合物。
【請求項4】
が、−(CR10−ヘテロシクリルであり、ここで、
nが、0、1、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
10が、水素または低級アルキルであり;
ヘテロシクリルが、ピロリジン−3−イルであり、その窒素原子が、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている、請求項1〜3のいずれか1項記載の式Iで示される化合物。
【請求項5】
が、−(CR10−ヘテロシクリルであり、ここで、
nが、0、1、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
10が、水素または低級アルキルであり;
ヘテロシクリルが、ピペリジンおよびモルホリンから選択されるN−複素環であり、その窒素原子が、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている、請求項1または2記載の式Iで示される化合物。
【請求項6】
が、−(CR10−ヘテロシクリルであり、ここで、
nが、0、1、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
10が、水素または低級アルキルであり;
ヘテロシクリルが、ピペリジン−3−イルであり、その窒素原子が、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニル、ならびに−COOR11(式中、R11は、低級アルキルである)からなる群から選択される基により置換されている、請求項1または2記載の式Iで示される化合物。
【請求項7】
が、−(CR10−ヘテロシクリルであり、ヘテロシクリル基の窒素原子が、低級アルキル、シクロアルキル、低級フェニルアルキル、低級シアノアルキル、低級ハロゲンアルキル、低級アルコキシアルキル、非置換フェニル、または低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロゲンアルキルおよびハロゲンからなる群から選択される基1〜3個により置換されたフェニルからなる群から選択される基により置換されている、請求項1〜6のいずれか1項記載の式Iで示される化合物。
【請求項8】
およびR10が、水素である、請求項1〜7のいずれか1項記載の式Iで示される化合物。
【請求項9】
nが、0または1である、請求項1〜8のいずれか1項記載の式Iで示される化合物。
【請求項10】
が、−(CR−NRであり、ここで、mが、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
が、水素または低級アルキルであり;
およびRが、互いに独立して、低級アルキル、非置換フェニルもしくは低級アルキルにより置換されたフェニル、低級フェニルアルキルおよび低級ヒドロキシアルキルからなる群から選択されるか、または;
およびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、酸素もしくは硫黄から選択される更なるヘテロ原子を場合により含む3、4、5、6もしくは7員飽和複素環を形成しており、前記複素環が、非置換であるか、もしくは低級アルキルにより置換されている、請求項1記載の式Iで示される化合物。
【請求項11】
が、−(CR−NRであり、ここで、mが、2または3であり;
が、水素または低級アルキルであり;
が、水素または低級アルキルであり;
およびRが、互いに独立して、低級アルキル、非置換フェニルまたは低級アルキルにより置換されたフェニル、低級フェニルアルキルおよび低級ヒドロキシアルキルからなる群から選択される、請求項1または10記載の式Iで示される化合物。
【請求項12】
が、−(CR−NRであり、ここで、mが、2または3であり、RおよびRが、水素であり、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、酸素または硫黄から選択される更なるヘテロ原子を場合により含む3、4、5、6または7員飽和複素環を形成しており、前記複素環が、非置換であるか、または低級アルキルにより置換されている、請求項1または10記載の式Iで示される化合物。
【請求項13】
が、−(CR−NRであり、ここで、mが、2または3であり、RおよびRが、水素であり、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、モルホリンおよびチオモルホリンからなる群から選択される複素環を形成しており、前記複素環が、非置換であるか、または低級アルキルにより置換されている、請求項1、10および12のいずれか1項記載の式Iで示される化合物。
【請求項14】
が、−(CR−NRであり、ここで、mが、2であり、RおよびRが、水素であり、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、ピロリジン、ピペリジンおよびアゼパンからなる群から選択される複素環を形成している、請求項1、10、12および13のいずれか1項記載の式Iで示される化合物。
【請求項15】
が、低級アルキルである、請求項1〜14のいずれか1項記載の式Iで示される化合物。
【請求項16】
が、イソプロピルまたはtert−ブチルである、請求項1〜15のいずれか1項記載の式Iで示される化合物。
【請求項17】
が、シクロアルキルである、請求項1〜14のいずれか1項記載の式Iで示される化合物。
【請求項18】
が、水素である、請求項1〜17のいずれか1項記載の式Iで示される化合物。
【請求項19】
が、水素である、請求項1〜18のいずれか1項記載の式Iで示される化合物。
【請求項20】
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−イソプロピル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−エチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−イソプロピル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−エチル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−エチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−イソプロピル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピペリジン−3−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロブチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−((S)−1−ベンジル−ピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−(1−ベンジル−ピペリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−((S)−1−ベンジル−ピロリジン−2−イルメチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−[1−(1−メチル−ピペリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−{1−[2−(1−メチル−ピペリジン−2−イル)−エチル]−1H−インドール−5−イル}−メタノン、
[1−(2−アゼパン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−ピロリジン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(2−アゼパン−1−イル−エチル)−1H−インドール−5−イル]−(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
(4−シクロペンチル−ピペラジン−1−イル)−[1−(2−ジメチルアミノ−2−メチル−プロピル)−1H−インドール−5−イル]−メタノン、
[1−(1−エチル−ピペリジン−3−イル)−2−メチル−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
[1−((S)−1−シクロペンチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−5−イル]−(4−イソプロピル−ピペラジン−1−イル)−メタノン、
からなる群から選択される、請求項1記載の式Iで示される化合物および薬学的に許容され得るその塩。
【請求項21】
式II:
【化9】


(式中、RおよびRは、請求項1に定義されたとおりである)で示される化合物を、塩基性条件下、カップリング試薬の存在下で式III:
【化10】


(式中、Rは、請求項1に定義されたとおりである)で示されるピペラジンと反応させて、式IV:
【化11】


(式中、R、RおよびRは、請求項1に定義されたとおりである)で示される化合物を得て、式I:
【化12】


(式中、Rは、請求項1に定義された基である)で示される化合物に変換し、そして所望なら、
得られた化合物を薬学的に許容され得る酸付加塩に変換することを含む、請求項1〜20のいずれか1項記載の化合物の製造方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法により製造される、請求項1〜20のいずれか1項記載の化合物。
【請求項23】
請求項1〜20のいずれか1項記載の化合物ならびに薬学的に許容され得る担体および/または佐剤を含む医薬組成物。
【請求項24】
H3受容体のモジュレーションに関連する疾患の治療および/または予防のための、請求項23記載の医薬組成物。
【請求項25】
治療活性物質として用いられる、請求項1〜20のいずれか1項記載の化合物。
【請求項26】
H3受容体のモジュレーションに関連する疾患の治療および/または予防のための治療活性物質として用いられる、請求項1〜20のいずれか1項記載の化合物。
【請求項27】
請求項1〜20のいずれか1項記載の化合物の治療活性量を、それを必要とするヒトまたは動物に投与するステップを含む、H3受容体のモジュレーションに関連する疾患の治療および/または予防のための方法。
【請求項28】
H3受容体のモジュレーションに関連する疾患の治療および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1〜20のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項29】
肥満の治療および/または予防のための、請求項28記載の使用。
【請求項30】
請求項1〜20のいずれか1項記載の式Iで示される化合物の治療有効量を、リパーゼ阻害剤、食欲抑制剤、選択的セロトニン再取込み阻害剤、および体脂肪の代謝を刺激する薬剤からなる群から選択される化合物の治療有効量と組み合わせまたは関連させて投与することを含む、ヒトまたは動物の肥満を治療または予防する方法。
【請求項31】
請求項1〜20のいずれか1項記載の式Iで示される化合物の治療有効量を、抗糖尿病薬の治療有効量と組み合わせまたは関連させて投与することを含む、ヒトまたは動物のII型糖尿病を治療または予防する方法。
【請求項32】
リパーゼ阻害剤での処置も受けている患者の肥満の治療または予防用の医薬の製造における、請求項1〜20のいずれか1項記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項33】
抗糖尿病薬での処置も受けている患者のII型糖尿病の治療または予防用の医薬の製造における、請求項1〜20のいずれか1項記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項34】
脂質低下剤での処置も受けている患者の脂質異常症の治療または予防用の医薬の製造における、請求項1〜20のいずれか1項記載の式Iで示される化合物の使用。
【請求項35】
実質的に本明細書に記載された、新規な化合物、工程および方法、ならびにそのような化合物の使用。

【公表番号】特表2009−537472(P2009−537472A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510406(P2009−510406)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054415
【国際公開番号】WO2007/131907
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】