説明

2点間通信方法、装置及び装置用プログラム

【課題】 PPPレイヤより上位のレイヤの処理を行うソフトウェアが、符号種別選択のため下位層の状況を把握する必要をなくし、かつ、データは、網状態に応じた符号種別で符号化され、更に必要に応じてFEC符号を適用して伝送する通信方法、前記方法に使用する通信装置及び前記通信装置用プログラムを提供する。
【解決手段】 設定したPPPリンクの品質情報に基づき、PPPリンク設定装置間でネゴシエーションをして、上位レイヤパケットが格納するデータに対してPPPリンク区間で使用する符号種別及び/又はFEC符号の適用の有無を決定し、送信側において、前記決定に基づき、送信パケットが格納しているデータの符号変換及び/又はFEC符号を適用して送信し、受信側において、データを元の符号種別に変換及び/又はFEC符号に基づく誤り訂正処理をする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PPP(Point to Point Protocol)リンクによるパケット通信において、通信品質を改善する方法、前記方法に使用する装置及び前記装置用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、PPPリンクによる通信例を説明する図である。図4において、端末61がインターネット70上にあるサーバ63と通信を行っているものとする。端末61はインターネットへのアクセスポイントにあるアクセスサーバ等の、信号を中継する中継装置62との間にPPPリンク80を設定している。図4において符号81は、アプリケーションレベルでの通信、つまり、端末61とサーバ63間で送受信される音声、データ、画像等を示す。符号81が示す端末61とサーバ63間で送受信されるデータ等は、使用するプロトコルの規定に従うパケットに格納され、端末61〜中継装置62の区間においては、PPPリンク内を伝送、つまり、PPPフレームの情報フィールドに格納されて伝送される。
【0003】
図5は、PPPリンク80において送受信されるPPPフレームフォーマットを示す図である。PPPフレームのプロトコルフィールドは、例えばIPパケットといった、情報フィールドに格納されている上位レイヤのパケットのプロトコル種別を示す。
【0004】
PPPフレームの情報フィールドには、アプリケーションレベルでの通信で送受信されるデータが、1以上の上位プロトコルのパケットに格納された形式で格納されている。例えば、インターネットを通してRTPにより音声通信が行われている場合、プロトコルフィールドはIPパケットを示し、音声は符号化された後、RTPパケットに格納され、RTPパケットはUDPパケットに格納され、UDPパケットはIPパケットに格納され、IPパケットが情報フィールドに格納されている。
【0005】
また、PPPフレームのFCS(Frame Check Sequence)は、PPPフレームの誤り検出のために付加される。
【0006】
インターネット等のパケット網を用いて、音声や画像等のリアルタイムなアプリケーションの通信を行う場合、時間と共に変動するスループットやビットエラーに対処するために、音声符号化、画像符号化等の、送受信される情報に使用する符号種別の選択や、符号化されたデータ又は上位パケットに対してFEC(Foward Error Correction)符号の適用を行うか否かの選択が重要となる。符合種別、FEC符号の適用及び適用する場合のパラメータ等は、当該送受信される情報に対しての符号化処理を行うソフトウェア、つまり、PPPレイヤより上位のレイヤの処理を行うソフトウェアが情報を収集し、収集した情報を元に選択している。符号種別の変更等に関しては、例えば、非特許文献2に記載がなされている。
【0007】
【非特許文献1】W.Simpson、 “The Point-to-Point Protocol (PPP)”、IETF RFC1661、1994年7月
【非特許文献2】M.Handley et al “SDP: Session Description Protocol”、IETF RFC2327、1998年4月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上位レイヤのソフトウェアが、情報源に対して使用する符号種別、FEC符号の使用の有無、FEC符号を使用する場合の各パラメータの決定を行うためには、上位レイヤのソフトウェアが、現在接続されている網及びその性質を把握した上で、通信相手の同じレイヤと通信能力、例えば、対応できる符号化等の能力を交換することが必要となる。即ち、上位レイヤのソフトウェアが、本来の階層構造を超えて、下位層の状況を把握する必要があることを意味する。
【0009】
しかし、上位レイヤのソフトウェア等が、下位層の状況を把握し、符号種別の変更等を行うことは、時間と共に変動するスループット及び/又はエラー発生に対しての追随性において問題がある。特に、リアルタイムなアプリケーションの通信が行われている場合には、前記符号種別選択の追随性の悪さに基づく受信側における通信品質の劣化が顕著となってしまう。
【0010】
従って、本発明は、PPPレイヤより上位のレイヤの処理を行うソフトウェアが、使用する符号種別の選択及び/又はFEC符号の必要性を判断するために、下位層の状況を把握する必要をなくし、かつ、データは、網状態に応じた符号種別で符号化され、更に必要に応じてFEC符号を適用して伝送する通信方法を提供することを目的とする。
【0011】
更に、前記方法に使用する通信装置及び通信装置用プログラムを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明における通信方法によれば、
装置間にPPPリンクを設定し、前記設定したPPPリンクを用いて上位レイヤのパケットの送受信をする通信方法において、設定したPPPリンクの品質情報に基づき、前記装置間でネゴシエーションをして、上位レイヤが送受信するパケットが格納するデータに対してPPPリンク区間で使用する符号種別及び/又はPPPリンク区間での上位レイヤのパケットに対するFEC符号の適用の有無を決定し、PPPリンク終端点の送信側において、前記決定に基づき、送信パケットが格納しているデータの符号種別を前記決定した符号種別に変換及び/又はFEC符号を適用して送信し、PPPリンク終端点の受信側において、受信パケットが格納している前記決定した符号種別により符号化されたデータを元の符号種別に変換及び/又はFEC符号に基づく誤り訂正処理をすることを特徴とする。
【0013】
本発明の通信方法における他の実施形態によれば、
上位レイヤで、RTPが使用されている場合にのみ前記ネゴシエーションを行うことも好ましい。
【0014】
また、本発明の通信方法における他の実施形態によれば、
前記ネゴシエーションは、通信の開始時にのみ行い、その後のPPPリンクの品質情報に基づくPPPリンク区間で使用する符号種別は、送信側において受信側とネゴシエーションすることなく決定し、受信側において受信パケットに格納されているデータから判断することも好ましい。
【0015】
本発明における通信装置によれば、
送受信するパケットに対して、装置の目的に応じた処理を行う上位レイヤ処理手段と、PPPリンクの設定及び終了を制御し、PPPリンクの設定中においては、上位レイヤ処理手段から入力される送信パケットを、PPPフレームの情報フィールドに格納して物理レイヤ処理手段に出力し、物理レイヤ処理手段から入力される信号よりPPPフレームを認識し、認識したPPPフレームの情報フィールドに格納されている上位レイヤの受信パケットを抽出して上位レイヤ処理手段に出力するPPP処理手段と、通信媒体への信号の送信及び通信媒体からの信号の受信を行う物理レイヤ処理手段とを有する通信装置において、前記PPP処理手段は、更に、設定したPPPリンクの品質情報に基づき、前記PPPリンクを終端する他の装置とネゴシエーションをして、上位レイヤが送受信するパケットが格納するデータに対してPPPリンク区間で使用する符号種別及び/又はPPPリンク区間での上位レイヤのパケットに対するFEC符号の適用の有無を決定し、送信パケットに対しては、前記決定に基づき、送信パケットが格納しているデータの符号種別を前記決定した符号種別に変換及び/又はFEC符号を適用した後、PPPフレームの情報フィールドに格納し、受信パケットに対しては、受信パケットが格納している前記決定した符号種別により符号化されたデータを元の符号種別に変換及び/又はFEC符号に基づく誤り訂正処理をした後、上位レイヤ処理手段に出力することを特徴とする。
【0016】
本発明におけるプログラムによれば、
送受信するパケットに対して、装置の目的に応じた処理を行う上位レイヤ処理手段と、通信媒体へ信号の送信及び通信媒体からの信号の受信を行う物理レイヤ処理手段とを有する通信装置を、前記本発明の通信装置として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
PPPリンクの品質情報により、網状態に応じ使用する符号及び/又は誤り訂正符号の適否を、高い追随性をもって制御可能となる。また、PPPリンク区間で任意の符号種別を使用することが可能であるため、柔軟な網構成が可能となる。
【0018】
通信途中での網の切替等が発生した場合でも、上位のソフトウェアでの処理が発生することなく、高い追随性をもって網状態に応じた符号の選択が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明を実施するための最良の実施形態について、以下では図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明による通信装置の機能ブロック図である。図1によると、本発明による通信装置は、PPP処理部1と、物理レイヤ処理部2と、上位レイヤ処理部3とを含む。
【0021】
物理レイヤ処理部2は、PPP処理部1と通信媒体の間にあって、光ファイバ、銅線、無線といった通信媒体種別及び通信方式に応じた信号の送受信を通信媒体との間で行い、前記送受信する信号をPPP処理部1との間で入出力する機能を有する。
【0022】
PPP処理部1は、対向装置との間でPPPリンクの設定及び終了、PPPリンク設定後は、設定したPPPリンクを終端、つまり、上位レイヤのパケットを設定したPPPリンクを用いて送受信する機能を有する。このとき、後述するように、PPPリンクの品質情報に応じて、上位レイヤのパケットに格納されているデータの符号種別の変換及び/又はFEC符号の適用を行う。
【0023】
上位レイヤ処理部3は、いわゆるネットワーク層のみを意味するのではなく、PPPレイヤの上位層すべてを含む機能ブロックである。例えば、通信装置がIPパケットのルーティングを行うルータであれば、IPルーティング処理総てを、通信装置がIP電話器であれば、入力音声の符号化から、IPパケットへのカプセル化までの総ての処理を含む機能ブロックを意味し、具体的な処理内容は通信装置の使用状態、目的に応じて異なる。
【0024】
PPP処理部1は、符号変換/FEC処理部11と、上位レイヤヘッダ圧縮/展開部12と、PPPフレーム処理部13と、制御部14とを含む。尚、対向装置との間でPPPリンクの設定及び終了を制御するLCP(Link Control Protocol)や、リンク品質監視のためのLQM(Link Quality Monitoring)等、PPPで使用される公知の他の機能ブロックは、簡単のため省略する。
【0025】
以下、図示しない公知のPPPの一部であるLCPにより、対向装置との間でPPPリンクが設定されている場合の動作を説明する。
【0026】
上位レイヤ処理部3からの入力パケットは、符号変換/FEC処理部11において、制御部14からの指示に基づき、入力パケットに格納されているデータの符号種別の変換及び/又はFEC符号の適用が行われる。符号種別の変換とは、例えば、データが音声でありITU−T G.711で規定される64kbpsPCMで符号化されている場合に、第3世代移動体通信システムの標準化プロジェクト(3GPP)で規定されている4.75kbpsAMRに変換するなど、同じ情報源に対しての異なる符号化方法に変換することを意味する。FEC符号の適用とは、BCHやリードソロモン符号等の誤り訂正符号を適用することを意味する。尚、FEC処理は、音声データ等の上位レイヤ処理部3から入力されるパケットのある部分のデータに対してのみ適用することも、入力パケット全体に対して適用することも可能である。
【0027】
符号変換/FEC処理部11で処理されたパケットは、上位レイヤヘッダ圧縮/展開部12に入力され、必要に応じて、公知のヘッダ圧縮処理が行われる。続いて、PPPフレーム処理部13に入力され、PPPフレームの情報フィールドに格納された上で、プロトコルフィールドに必要な情報が書き込まれ、誤り検出のためのFCSが付与され、通信装置の物理レイヤ処理部2に出力される。
【0028】
通信装置が受信した信号は、物理レイヤ処理部2経由で、PPPフレーム処理部13に入力される。PPPフレーム処理部13で、PPPフレームの認識を行い、FCSによるエラー検出処理等のフレーム終端処理を行った後、上位レイヤヘッダ圧縮/展開部12において、必要に応じ、圧縮された上位レイヤのヘッダ展開が行われる。続いて、符号変換/FEC処理部11において、制御部14からの指示に基づき、上位レイヤパケットに格納されているデータの符号変換及び/又はFEC符号に基づく誤り訂正処理が行われ、上位レイヤ処理部3に出力される。
【0029】
制御部14は、PPPフレーム処理部13で検出するPPPリンクの品質情報に基づき、PPPリンクを終端する対向通信装置のPPP処理部1の制御部14とネゴシエーションし、PPPリンク区間で使用する符号種別及びFEC符号の適用の有無、FEC符号を使用する場合は、FEC種別及びパラメータを決定する。決定により符号変換が必要な場合は、符号変換/FEC処理部11に符号変換の指示を行う。同様にFEC符号を使用する場合は、使用するFEC種別及びパラメータを指定する。
【0030】
PPPフレーム処理部13は、PPPリンクの品質情報を、例えば、PPP内のヘッダ圧縮プロトコルECRTP(Enhanced Compressed RTP)又はROHC(Robust Header Compression)における、CONTEXT_STATEパケット情報や、PPPのLQM(Link Quality Monitoring)情報、その他PPPリンク上のフィードバック情報により検出する。
【0031】
図2は、本発明による通信方法を説明する図である。図2において、端末50と端末53が、RTPにより音声通信を行っている。中継装置51及び52は、IPルータ又はアクセスサーバ装置といったIPパケットの交換/中継を行う装置であり、中継装置51は端末50とPPPリンクを設定し、中継装置52は端末53とPPPリンクを設定している。また、中継装置51/52は、それぞれ、端末50/53からのIPパケットの中継を行っている。
【0032】
図2において、音声信号は、アプリケーションにおいて、ITU−T G.711で規定される64kpsで符号化及び復号化されている。PPPリンクの品質情報に基づき、端末50及び中継装置51のPPP処理部1は、ネゴシエーションの結果、音声符号化として、3GPPで規定される4.75kbpsAMR符号を、FEC符号は未使用を選択している。よって、端末50から中継装置51の方向で説明すると、PPPリンク終端点の送信側である端末50のPPP処理部1において、上位レイヤからの64kbpsPCMで符号化されたデータは、4.75kbpsAMRに変換され送信される。PPPリンク終端点の受信側である中継装置51のPPP処理部1において、受信パケットに格納されている4.75kbpsAMRに変換された音声データを、再度64kbpsPCMに変換する。
【0033】
中継装置52及び端末53のPPP処理部1は、ネゴシエーションの結果、音声符号化として、ITU−T G.711で規定される64kbpsPCM符号を、FEC符号は使用を選択している。FEC符号種別及びパラメータについてもネゴシエーション済みであるものとする。従って、中継装置52から端末53の方向で説明すると、PPPリンク終端点の送信側である中継装置52のPPP処理部1において、ネゴシエーションの結果に基づき、中継装置51から受信したパケット全体又は格納されているデータに対してFEC符号化が行われ、PPPリンク終端点の受信側である端末53のPPP処理部1において誤り訂正処理が行われる。最終的には、端末53の上位レイヤには、端末50の対応するレイヤで生成された信号が到着し、上位レイヤは、PPPレイヤでの処理に影響されることなく、信号の処理を行うことができる。
【0034】
尚、PPP処理部1は、PPPリンクの品質情報から、使用する符号やFECの有無を動的に対向装置のPPP処理部1とネゴシエーションし、品質の変化に応じて最適な符号等を選択する。
【0035】
ただし、例えば、AMRでのビットレートといった同じ符号化種別でのビットレートは、その仕様より受信データから判別可能であるため、送信側においてネゴシエーションなしに変更することが可能である。更に、AMRからPCMといった異なる符合化種別への変更においても、瞬間的な品質劣化を許容すれば受信側で受信データから判別することが可能である。従って、通信の開始時においてのみネゴシエーションを行い、その後の符号種別の変更は、送信側がPPPリンクの品質情報からネゴシエーションすることなく行い、受信側では受信パケットに格納されているデータから判断することで、網状態の変化に対して使用する符号種別の選択の追随性が更に改善され、リアルタイムなアプリケーションに対する全体の通信品質が改善される。
【0036】
図3は、本発明の通信装置を用いたシステム構成例を示す図である。図3において、端末54及びアクセスサーバ57は、本発明による通信装置である。対向端末55及びアクセスサーバ56は、本発明による通信装置であってもなくてもよい。端末54とアクセスサーバ56は高速のアクセス回線で接続されており、端末54は、対向端末55とアクセスサーバ56経由で64kbpsによる音声通信を行っている。端末54が、例えば、端末54とアクセスサーバ56間の回線断や、端末54の移動等の理由により、インターネットへのアクセス回線を、低速なアクセス回線で接続されるアクセスサーバ57に切替たものとする。この場合、端末54とアクセスサーバ57間のPPP処理部1は、PPPリンク上での符号化として4.75kbpsを選択し、結果として端末54〜アクセスサーバ57間は4.75kbpsで、対向端末55〜アクセスサーバ57間は64kbpsでの通信となる。
【0037】
上記のように、伝送路障害や通信端末の移動により、スループットの異なる網へ切替えを行った場合でも、アプリケーション側で使用する符号種別を変更する必要はなく、網の状態を直接認識できるPPPレイヤで高い追随性を持って、網の特性の違いを吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による通信装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明による通信方法を説明する図である。
【図3】本発明の通信装置を用いたシステム構成例を示す図である。
【図4】PPPリンクによる通信例を説明する図である。
【図5】PPPフレームフォーマットを示す図である。
【符号の説明】
【0039】
1 PPP処理部
11 符号変換/FEC処理部
12 上位レイヤヘッダ圧縮/展開部
13 PPPフレーム処理部
14 制御部
2 物理レイヤ処理部
3 上位レイヤ処理部
56、57 アクセスサーバ
50、53、54、61 端末
51,52、62 中継装置
55 対向端末
63 サーバ
70 インターネット
80 PPPリンク
81 アプリケーションレベルの通信

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置間にPPPリンクを設定し、前記設定したPPPリンクを用いて上位レイヤのパケットの送受信をする通信方法において、
設定したPPPリンクの品質情報に基づき、前記装置間でネゴシエーションをして、上位レイヤが送受信するパケットが格納するデータに対してPPPリンク区間で使用する符号種別及び/又はPPPリンク区間での上位レイヤのパケットに対するFEC符号の適用の有無を決定し、
PPPリンク終端点の送信側において、前記決定に基づき、送信パケットが格納しているデータの符号種別を前記決定した符号種別に変換及び/又はFEC符号を適用して送信し、
PPPリンク終端点の受信側において、受信パケットが格納している前記決定した符号種別により符号化されたデータを元の符号種別に変換及び/又はFEC符号に基づく誤り訂正処理をすることを特徴とする通信方法。
【請求項2】
上位レイヤで、RTPが使用されている場合にのみ前記ネゴシエーションを行うことを特徴とする請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記ネゴシエーションは、通信の開始時にのみ行い、その後のPPPリンクの品質情報に基づくPPPリンク区間で使用する符号種別は、送信側において受信側とネゴシエーションすることなく決定し、受信側において受信パケットに格納されているデータから判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信方法。
【請求項4】
送受信するパケットに対して、装置の目的に応じた処理を行う上位レイヤ処理手段と、
PPPリンクの設定及び終了を制御し、PPPリンクの設定中においては、上位レイヤ処理手段から入力される送信パケットを、PPPフレームの情報フィールドに格納して物理レイヤ処理手段に出力し、物理レイヤ処理手段から入力される信号よりPPPフレームを認識し、認識したPPPフレームの情報フィールドに格納されている上位レイヤの受信パケットを抽出して上位レイヤ処理手段に出力するPPP処理手段と、
通信媒体への信号の送信及び通信媒体からの信号の受信を行う物理レイヤ処理手段とを有する通信装置において、
前記PPP処理手段は、更に、設定したPPPリンクの品質情報に基づき、前記PPPリンクを終端する他の装置とネゴシエーションをして、上位レイヤが送受信するパケットが格納するデータに対してPPPリンク区間で使用する符号種別及び/又はPPPリンク区間での上位レイヤのパケットに対するFEC符号の適用の有無を決定し、
送信パケットに対しては、前記決定に基づき、送信パケットが格納しているデータの符号種別を前記決定した符号種別に変換及び/又はFEC符号を適用した後、PPPフレームの情報フィールドに格納し、受信パケットに対しては、受信パケットが格納している前記決定した符号種別により符号化されたデータを元の符号種別に変換及び/又はFEC符号に基づく誤り訂正処理をした後、上位レイヤ処理手段に出力することを特徴とする通信装置。
【請求項5】
送受信するパケットに対して、装置の目的に応じた処理を行う上位レイヤ処理手段と、
通信媒体へ信号の送信及び通信媒体からの信号の受信を行う物理レイヤ処理手段とを有する通信装置のためのプログラムにおいて、
通信装置に、
PPPリンクの設定及び終了を制御する機能と、
PPPリンクの設定中においては、上位レイヤ処理手段から入力される送信パケットを、PPPフレームの情報フィールドに格納して物理レイヤ処理手段に出力し、物理レイヤ処理手段から入力される信号よりPPPフレームを認識し、認識したPPPフレームの情報フィールドに格納されている上位レイヤの受信パケットを抽出して上位レイヤ処理手段に出力する機能と、
設定したPPPリンクの品質情報に基づき、前記PPPリンクを終端する他の装置とネゴシエーションをして、上位レイヤが送受信するパケットが格納するデータに対してPPPリンク区間で使用する符号種別及び/又はPPPリンク区間での上位レイヤのパケットに対するFEC符号の適用の有無を決定する機能と、
送信パケットに対しては、前記決定に基づき、送信パケットが格納しているデータの符号種別を前記決定した符号種別に変換及び/又はFEC符号を適用した後、PPPフレームの情報フィールドに格納し、受信パケットに対しては、受信パケットが格納している前記決定した符号種別により符号化されたデータを元の符号種別に変換及び/又はFEC符号に基づく誤り訂正処理をした後、上位レイヤ処理手段に出力する機能とを実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−121142(P2006−121142A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−303849(P2004−303849)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】