説明

3−[2−(3−アシルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−アセチルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸誘導体、およびカスパーゼ阻害剤としてのそれらの使用

本発明は、式(I)の化合物を提供し:ここで、R、R、R、R、およびRは本明細書中に定義するとおりである。本発明はまた、薬学的組成物、およびカスパーゼ媒介性疾患を処置するためにこのような組成物を使用する方法、ならびに本発明の化合物を調製するためのプロセスも提供する。本発明は、医薬品化学の分野にあり、細胞のアポトーシスおよび炎症をもたらすカスパーゼを阻害する化合物およびそれらの薬学的組成物に関連する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、医薬品化学の分野にあり、細胞のアポトーシスおよび炎症をもたらすカスパーゼを阻害する化合物およびそれらの薬学的組成物に関連している。本発明は、これらの化合物を調製するためのプロセスにも関連している。本発明はさらに、カスパーゼが関係している疾患を処置するための、本発明の化合物および薬学的組成物の使用の方法に関連している。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
アポトーシス、すなわちプログラムされた細胞死は、生物体が不必要な細胞を取り除く主なメカニズムである。アポトーシスの調節不全(deregulation)は、過剰のアポトーシスもしくはアポトーシスを受けることができないことのいずれであろうと、多くの疾患(例えば、癌、急性炎症性障害および自己免疫障害、虚血性疾患ならびに特定の神経変性障害)に関係している(一般的に非特許文献1;非特許文献2を参照のこと)。
【0003】
カスパーゼは、アポトーシスおよび細胞分解のためのシグナル伝達経路における重要な伝達物質であるシステインプロテアーゼ酵素のファミリーである(非特許文献3)。これらのシグナルの経路は、細胞のタイプおよび刺激に依存して変わるが、すべてのアポトーシス経路は共通のエフェクター経路に集中して、重要なタンパク質のタンパク分解を起こすようである。カスパーゼは、シグナル伝達経路のエフェクター相およびその開始時のさらに上流の両方に関与している。開始事象に関与している上流カスパーゼは活性化され、そして順に、アポトーシスの後期相で関与する他のカスパーゼを活性化させる。
【0004】
最初に固定されたカスパーゼであるカスパーゼ−1は、インターロイキン変換酵素もしくは「ICE」としても公知である。カスパーゼ−1は、前駆体インターロイキン−1β(「pIL−1β」)を、pIL−1βのAsp−116とAla−117との間での特異的切断によって炎症促進性の活性形態に変換する。カスパーゼ−1に加えて、11種の他の公知のヒトカスパーゼもあり、その全てがアスパルチル残基において特異的に切断する。これらは、切断部分のN末端側に少なくとも4つのアミノ酸残基があることを厳密に必要とすることも観察された。
【0005】
このカスパーゼは、好適なもしくは主に認識されるアミノ酸配列に依存して、3つのグループに分類されている。カスパーゼ1、4、5、および13を含むカスパーゼのグループは、切断部分のN末端側の4位の疎水性芳香族アミノ酸を好むことが示されている。カスパーゼ2、3、および7を含む別のグループは、切断部分のN末端側の1位および4位の両方のアスパルチル残基を認識し、そして好ましくはAsp−Glu−X−Aspという配列を認識する。カスパーゼ6、8、9、および10を含む3番目のグループは、主な認識配列において多くのアミノ酸に耐性があるが、4位で分枝状の脂肪族側鎖(例えば、バリンおよびロイシン)を有する残基を好むようである。
【0006】
このカスパーゼは、これらの分かっている機能によっても分類される。第一のサブファミリーは、カスパーゼ−1(ICE)、4、5および13からなる。これらのカスパーゼは、炎症促進性サイトカインのプロセシングに関与することが示されており、ゆえに、炎症において重要な役割を果たす。このクラス内でもっとも研究されている酵素であるカスパーゼ−1は、タンパク分解性の切断によってIL−1β前駆体を活性化させる。ゆえに、この酵素は、炎症応答において重要な役割を果たす。カスパーゼ−1は、インターフェロンγ誘導因子(IGIF、IL−18としても公知)のプロセシングにも関与しており、これは、抗原提示、T細胞の活性化および細胞接着を調節する重要な免疫調節因子であるインターフェロンγの産生を刺激する。
【0007】
残りのカスパーゼは、第二および第三のサブファミリーを構成する。これらの酵素は、アポトーシスに至る細胞内シグナル伝達経路において中心的な重要なものである。一つのサブファミリーは、アポトーシス経路内での事象(原形質膜からのシグナル伝達が挙げられる)を開始するのに関与している酵素からなる。このサブファミリーのメンバーはカスパーゼ−2、8、9および10を含む。エフェクターカスパーゼ3、6および7からなる他のサブファミリーは、アポトーシスによる細胞の組織的破壊および死を起こす最終的な下流の切断事象に関与している。上流のシグナル伝達に関与しているカスパーゼは、下流のカスパーゼを活性化させ、次いでこれはDNA修復のメカニズムを不能にし、DNAを断片化し、細胞の細胞骨格を分解し、そして最終的には細胞を断片化する。
【0008】
これらのカスパーゼによって主に認識される4アミノ酸配列に関する知識は、カスパーゼ阻害剤を設計するために使用された。可逆性テトラペプチド阻害剤が調製されており、これはCHCO−[P4]−[P3]−[P2]−CH(R)CHCOHの構造を有し、ここで、P2〜P4は最適のアミノ酸認識配列を表し、Rは、カスパーゼのシステインスルフヒドリルに結合し得る、アルデヒド、ニトリルもしくはケトンである。非特許文献4;非特許文献5;非特許文献6。類似のテトラペプチド認識配列をベースにした不可逆性阻害剤が調製された。
【0009】
細胞アポトーシスの増加に関連する種々の哺乳動物の疾患状態を処置するためのカスパーゼ阻害剤の有用性は、ペプチド性カスパーゼ阻害剤を使用して実証された。例えば、げっ歯類のモデルでは、カスパーゼ阻害剤は、梗塞のサイズを小さくし、心筋梗塞後の心筋細胞のアポトーシスを阻害して、発作によって起こる損傷量および神経的不足を軽減し、外傷性の脳損傷における外傷後のアポトーシスおよび神経的不足を軽減し、劇症の肝臓破壊を処置する際に有効となり、および内毒素性ショック後の生存を向上させることが示されている。非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10;非特許文献11;非特許文献12。
【0010】
一般的に、上記で述べたペプチド性阻害剤は、いくつかのカスパーゼ酵素に対して非常に強力である。しかしながら、この効力はアポトーシスの細胞モデル内で常に反映されるわけではない。さらに、ペプチド阻害剤は望ましくない薬理学的特性(例えば、経口吸収性の低さ、低い安定性および急速な代謝)によって典型的に特徴付けられる。非特許文献13。
【0011】
ペプチド性カスパーゼ阻害剤の薬理学的特性を向上させる必要性を認識して、ペプチド模倣性阻害剤(peptidomimetic inhibitor)が報告されている。これらの中で、P3アミノ酸が3−アミノピリジン−2−オンおよび5−アミノピリミジン−4−オンの誘導体によって置き換えられた阻害剤が報告されている(特許文献1(Bemisら);特許文献2(Bemisら);非特許文献14;非特許文献15;非特許文献16)。
【特許文献1】米国特許第5,756,466号明細書
【特許文献2】国際公開第95/35308号パンフレット
【非特許文献1】Science、1998、281、1283−1312
【非特許文献2】Ellisら、Ann.Rev.Cell.Biol.、1991、7、663
【非特許文献3】Thornberry、Chem.Biol.、1998、5、R97−R103
【非特許文献4】Rano and Thornberry、Chem.Biol.4、149−155(1997)
【非特許文献5】Mjalliら、Bioorg.Med.Chem.Lett.3、2689−2692(1993)
【非特許文献6】Nicholsonら、Nature 376、37−43(1995)
【非特許文献7】Yaoitaら、Circulation、97、276(1998)
【非特許文献8】Endresら、J Cerebral Blood Flow and Metabolism、18、238、(1998)
【非特許文献9】Chengら、J.Clin.Invest.、101、1992(1998)
【非特許文献10】Yakovlevら、J Neuroscience、17、7415(1997)
【非特許文献11】Rodriquezら、J.Exp.Med.、184、2067(1996)
【非特許文献12】Grobmyerら、Mol.Med.、5、585(1999)
【非特許文献13】Plattner and Norbeck、Drug Discovery Technologies、Clark and Moos編、(Ellis Horwood、Chichester、England、1990)
【非特許文献14】Dolleら J.Med.Chem.39、2438、(1996)
【非特許文献15】Golecら Bioorg.Med.Chem.Lett.7、2181、(1997)
【非特許文献16】Sempleら、Biorg.Med.Chem.Lett.7、1337、(1997)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このペプチド性阻害剤の固有の問題により、強力で安定性があり、膜を透過してインビボでアポトーシスの有効な阻害を提供する低分子の非ペプチド性カスパーゼ阻害剤の必要性があり続けている。このような化合物は、カスパーゼ酵素が役割を果たす前述の疾患を処置するのに大変有用である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本発明は、式I:
【0014】
【化16】

の化合物を提供し、ここで:R、R、R、R,およびRは本明細書中で定義するとおりである。
【0015】
本発明は、式Iの化合物を含む薬学的組成物、ならびにカスパーゼ媒介性疾患を処置するためのこのような化合物および組成物の使用方法も提供する。本発明は、式Iの化合物を調製するためのプロセスも提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
(発明の詳細な説明)
本発明は、式Iの化合物を提供する:
【0017】
【化17】

ここで:
は、RC(O)−、HC(O)−、RSO−、ROC(O)−、(RNC(O)−、(R)(H)NC(O)−、RC(O)C(O)−、(RNC(O)C(O)−、(R)(H)NC(O)C(O)−、もしくはROC(O)C(O)−であり;
は、水素、−CF、ハロ、−OR、−NO、−OCF、−CN、もしくはRであり;
は、−T−Rであり;
は、−COOHもしくは−COORであり;
は、−CHFもしくは−CHO−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルであり;
は、R6aもしくはR6bであり;2つのR基が、これらが結合している同じ原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し;ここで、この環は、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、それぞれのRは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって独立して置換され;
6aおよびR6bは、それぞれ独立して
(C1−C3)−脂肪族−、
(C4−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール(C1−C12)−脂肪族−であり;
Rは、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、チオキソ、=NR、=N(OR)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(S)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(ORもしくは−P(O)(H)(OR)であり;
2つのR基が、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し、この環は、N、N(R)、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される3つまでのヘテロ原子を有し、ここで、この環は、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、いずれの環もJから独立して選択される3つまでの置換基を有するか;あるいは
それぞれのRは:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、もしくは
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−から独立して選択され;ここで、Rは、Jから独立して選択される3つまでの置換基を有し;
は、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、チオキソ、=NR、=NOR、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(S)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−CN、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(ORもしくは−P(O)(H)(OR)であり;
は、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、もしくは
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、ここで、3つまでの脂肪族炭素原子は、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得、ここで、Rは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって必要に応じて置換される。
【0018】
Tは、直接結合、もしくは(C1−C6)脂肪族であり、ここで、T内の2つまでの脂肪族炭素原子は、化学的に安定した配置で、S、−SO−、SO、O、N(R)、もしくはNによって必要に応じて置換され得;ここで、それぞれのTは3つまでのR置換基によって必要に応じて置換され得;
は、必要に応じて置換された(C6−C10)−アリールもしくは(C5−C10)−ヘテロアリールである。
【0019】
本発明の一つの実施形態によれば、Rは、RC(O)−、(RNC(O)−、RC(O)C(O)−、(RNC(O)C(O)−、(R)(H)NC(O)C(O)−、もしくはROC(O)C(O)−である。いくつかの実施形態において、Rは、R6aである。他の実施形態において、Rは、R6bである。
【0020】
別の実施形態によれば、Rは、HC(O)−、RSO−、ROC(O)−、もしくは(R)(H)NC(O)−である。いくつかの実施形態において、Rは、R6aである。他の実施形態において、Rは、R6bである。
【0021】
別の実施形態によれば、Rは、RC(O)−もしくはRSO−である。別の実施形態において、Rは、RC(O)−である。別の実施形態において、Rは、RSO−である。
【0022】
本発明の別の実施形態によれば、Rは、(RNC(O)−、(R)(H)NC(O)−、もしくは(R)OC(O)−である。好ましい実施形態において、Rは、(RNC(O)−である。別の好ましい実施形態において、Rは、(R)(H)NC(O)−である。別のなお好ましい実施形態において、Rは、(R)OC(O)−である。
【0023】
本発明の一つの実施形態によれば、Rは、R6aである。別の実施形態によれば、Rは、R6bである。3番目の実施形態によれば、Rは、R6aもしくはR6bである。
【0024】
本発明の一つの実施形態において、
6aは、
(C4−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール(C1−C12)−脂肪族−であるか、もしくは2つのR6a基が、それらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し;ここで、この環は、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、R6aは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって置換され;R6bは、R6aもしくは(C1−C3)−脂肪族−である。
【0025】
本発明の別の実施形態において、R6aは、
(C1−C4)−脂肪族、
(C3−C10)−脂環式、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、
(C6−C10)−アリール−、もしくは
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族(必要に応じて3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、R6aは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって必要に応じて置換されるか;もしくはR6aは、本明細書中の実施形態のいずれかに開示されているように置換されると、理解される)である。
【0026】
別の実施形態において、それぞれのR6aは独立して
(C4)−脂肪族、
(C3−C10)−脂環式、
(C3−C10)−ヘテロシクリル、
(C5−C10)−ヘテロアリール、
(C6−C10)−アリール−、もしくは
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族(必要に応じて3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、R6aは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって必要に応じて置換されるか;もしくはR6aは、本明細書中の実施形態のいずれかに開示されているように置換されると、理解される)である。
【0027】
一つの実施形態において、それぞれのR6aは独立して、(C4)−脂肪族−、(C3−C7)−脂環式、(C6−C10)−アリール−、もしくは(C5−C10)−ヘテロアリールであり;ここで、このヘテロアリールおよびアリールは独立してそして必要に応じて置換されるか、もしくはそれぞれのR6aは、それが結合しているN原子と一緒になって、(C3−C7)−脂環式である。
【0028】
別の実施形態によれば、それぞれのR6aは独立して、(C3−C7)−脂環式、(C6−C10)−アリール−、もしくは(C5−C10)−ヘテロアリールであり、ここで、このヘテロアリールおよびアリールは独立してそして必要に応じて置換されるか、もしくはそれぞれのR6aは、それが結合しているN原子と一緒になって、(C3−C7)−脂環式である。
【0029】
別の実施形態において、それぞれのR6aは独立して、(C4)−脂肪族、(C5−C10)−ヘテロアリール−、もしくは(C6−C10)−アリール−であり;ここで、このヘテロアリールもしくはアリールは必要に応じて置換されるか、もしくは2つのR6a基が、これらが結合しているN原子と一緒になって(C3−C7)−脂環式基を形成し;好ましい実施形態においては、それぞれのR6aは独立して(C5−C10)−ヘテロアリールもしくは(C6−C10)−アリール−である。
【0030】
別の実施形態において、それぞれのR6aは独立して、H、(C4)−脂肪族、もしくは(C6−C10)−アリール−である;好ましい実施形態において、それぞれのR6aは、(C6−C10)−アリール−であるか;もしくはそれぞれのR6aは、それが結合しているN原子と一緒になって、(C3−C7)−脂環式である。
【0031】
別の実施形態において、それぞれのR6aは独立して、(C4)−脂肪族、もしくは(C6−C10)−アリール−であり;ここで、このアリールは必要に応じて置換されるか、もしくは2つのR基が、それらが結合しているN原子と一緒になって(C3−C7)−脂環式を形成する;別の実施形態において、それぞれのR6aは独立して(C6−C10)−アリール−である。
【0032】
特定の実施形態によれば、それぞれのR6bは独立してR6aもしくは(C1−C3)−脂肪族である。
【0033】
本発明の一つの実施形態によれば、Rは、水素、C1−、C2−、C3−、もしくはC4−アルキル−、−CF、−Cl、−OR、−NO、−OCF、あるいは−CNである。さらに好ましくは、Rは、水素、C1−アルキル−、C2−アルキル−、もしくはCFである。さらに好ましくは、Rは、水素、もしくはCFである。
【0034】
一つの実施形態によれば、Tは、(C1−C4)脂肪族であり、ここで、1つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、およびSから選択される基によって置換され得る。
【0035】
別の実施形態によれば、Tは、(C1−C4)脂肪族であり、ここで、ゼロ個の脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、およびSから選択される基によって置換される。
【0036】
なお別の実施形態において、Tは、直接結合、−CH−、−CH(Me)−、−CH−CH−、−CH−O−CH−、−CH(Me)−O−CH−、もしくは−CH−CH−O−CH−である。
【0037】
一つの実施形態において、Tは、−CH−もしくは−CH−CH−である;別の実施形態において、Tは、−CH−である。
【0038】
別の実施形態によれば、Rは、必要に応じて置換されたC6−アリールもしくはC5−ヘテロアリールである。
【0039】
一つの実施形態によれば、Rは、置換されたフェニルである。Rにとって好ましいフェニル置換基の例としては、ハロゲン、−OR、−NO、−CF、−OCF、−R、−O−ベンジル、−O−フェニル、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−C(O)R、−COORおよび−CON(Rが挙げられ、ここで、Rは上記で定義したとおりである。
【0040】
別の実施形態によれば、Rは、非置換フェニルである。
【0041】
一つの実施形態によれば、Rは、−CHO−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルである。
【0042】
別の実施形態によれば、Rは、−CHFである。
【0043】
別の実施形態によれば、Rは、(C1−C12)−アルキルである。さらに好ましくは、Rは、(C1−C4)−アルキルである。
【0044】
好ましい実施形態によれば、それぞれのRおよびJは独立して、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、もしくは−OC(O)N(Rである。
【0045】
本明細書中で使用される場合、炭素原子の名称は、指示された整数および任意の間にある1整数を有し得る。例えば、(C1−C4)−アルキル基の炭素原子の数は、1、2、3、もしくは4である。これらの名称は適切な基内の原子の総数を示すことが理解されるべきである。例えば、(C3−C10)−ヘテロシクリル中では、炭素原子およびヘテロ原子の総数は、3(例えば、アジリジン)、4、5、6(例えば、モルホリン)、7、8、9、もしくは10である。
【0046】
本明細書中で使用される場合、脂肪族基は、特定の数の原子を有する、直鎖状の基および分枝状の基を包含する。原子数が特定されていない場合、この脂肪族基は、1〜12個の炭素原子を有する。理解されるように、アルケニル脂肪族基および/もしくはアルキニル脂肪族基は最小2個の炭素原子を有する。好ましい脂肪族基は、アルキル基である(好ましくは、1〜6個の原子を有する)。
【0047】
したがって、そうでないと特定されない限り、本発明の好ましい脂肪族基は、アルキル基であり、1、2、3、4、5、もしくは6個の炭素原子を有する。さらに好ましいアルキル基は、1、2、3、もしくは4個の炭素原子を有する。本発明の好ましいアルケニル基およびアルキニル基は、2、3、4、5、もしくは6個の炭素原子を有し、さらに好ましくは、2、3、もしくは4個の炭素原子を有する。
【0048】
シクロアルキル基およびシクロアルケニル基は、3個と10個との間の炭素原子を有し、そしてこれらは直線状の縮合環、架橋環、もしくはスピロ環を含め、単環式もしくは二環式である。脂環式基は、好ましくは、シクロアルキルもしくはシクロアルケニルである。さらに好ましい脂環式基は、3員、4員、5員、6員、もしくは7員の環であり、すなわち、さらに好ましくはシクロアルキル環である。
【0049】
本明細書中で使用される場合、「芳香族基」もしくは「アリール」は、少なくとも1つの芳香族環を含む、6〜10員の環系をいう。芳香族環の例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0050】
本明細書中で使用される場合、「ヘテロアリール」は、5〜10員を有し、N、N(R)、O、S、SO、およびSOから独立して選択される1個、2個、もしくは3個のヘテロ原子を有し、ここで、少なくとも1つの環がヘテロ芳香族環(例えば、ピリジル、チオフェン、もしくはチアゾール)である、環系を示す。好ましいヘテロアリール基は、1個もしくは2個のヘテロ原子を有する、5員もしくは6員の環である。本発明の特定の実施形態において、さらに好ましいヘテロアリール基は、「=N」基を含むものである。
【0051】
ヘテロアリール環の例としては、2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、N−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、ピリダジニル(例えば、3−ピリダジニル)、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、テトラゾリル(例えば、5−テトラゾリル)、トリアゾリル(例えば、2−トリアゾリルおよび5−トリアゾリル)、2−チエニル、3−チエニル、ベンゾフリル、ベンゾチオフェニル、インドリル(例えば、2−インドリル)、ピラゾリル(例えば、2−ピラゾリル)、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、プリニル(purinyl)、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、キノリニル(例えば、2−キノリニル、3−キノリニル、4−キノリニル)、およびイソキノリニル(例えば、1−イソキノリニル、3−イソキノリニル、もしくは4−イソキノリニル)が挙げられる。
【0052】
本明細書中で使用される場合、「複素環」は、3〜10員を有し、N、N(R)、O、S、SO、およびSOから独立して選択される1個、2個、もしくは3個のヘテロ原子を有し、ここで、いずれの環も芳香族ではない、環系(例えば、ピペリジンおよびモルホリン)を示す。好ましいヘテロシクリル基は、1個もしくは2個のヘテロ原子を有する、5員もしくは6員の環である。
【0053】
複素環式環の例としては、3−1H−ベンズイミダゾール−2−オン、3−(1−アルキル)−ベンズイミダゾール−2−オン、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリノ、3−モルホリノ、4−モルホリノ、2−チオモルホリノ、3−チオモルホリノ、4−チオモルホリノ、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−テトラヒドロピペラジニル、2−テトラヒドロピペラジニル、3−テトラヒドロピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、1−ピラゾリニル(1−pyrazolinyl)、3−ピラゾリニル(3−pyrazolinyl)、4−ピラゾリニル(4−pyrazolinyl)、5−ピラゾリニル(5−pyrazolinyl)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、2−チアゾリジニル、3−チアゾリジニル、4−チアゾリジニル、1−イミダゾリジニル、2−イミダゾリジニル、4−イミダゾリジニル、5−イミダゾリジニル、インドリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ベンゾチオラン(benzothiolane)、ベンゾジチアン(benzodithiane)、および1,3−ジヒドロ−イミダゾール−2−オンが挙げられる。
【0054】
これら脂環式基、ヘテロシクリル基、ヘテロアリール基のいずれも、5員もしくは6員のアリール環もしくはヘテロアリール環と必要に応じて縮合される。さらに、任意の脂肪族、アリール、脂環式、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルのそれぞれは、例えばカルボニルおよびRから独立して選択される適切な置換基(好ましくは、5個まで、さらに好ましくは、3個まで、そしてなおさらに好ましくは、0個もしくは1個)を含み得る。好ましい置換基(RおよびJを含む)は、ハロゲン、−OR、−NO、−CF、−OCF、−R、オキソ、−OR、−O−ベンジル、−O−フェニル、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−C(O)R、−COORもしくは−CON(Rであって、ここで、Rは、本明細書中で定義するとおりである(そして、好ましくは、H、(C1−C6)−アルキル、もしくは(C2−C6)−アルケニルおよびアルキニルであり、(C1−C6)−アルキルがもっとも好ましい)。この定義は、過フッ化(perfluorinated)アルキル基を含むと、理解されるべきである。
【0055】
Rが窒素原子における置換基である、本発明の実施形態において、好ましいR基は、−R、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(S)OR、−C(O)OR、−C(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(OR、および−P(O)(H)(OR)からなる群から選択され、ここで、Rは、本明細書中で定義するとおりである(そして、好ましくは、H、(C1−C6)−アルキル、もしくは(C2−C6)−アルケニルおよびアルキニルであり、(C1−C6)−アルキルがもっとも好ましい)。さらに好ましくは、このようなR基は、−Rおよび−C(O)Rからなる群から選択される。
【0056】
低分子の非ペプチド性カスパーゼ阻害剤と同様に、本発明の化合物は、妥当な数の置換基を、特にそれら自身が置換基である可変物中に有すると、理解されるべきである。したがって、第一のR基が、第二のR基を含むJ置換基を含む場合、この第二のR基は、好ましくは、別のJ基では置換されない。
【0057】
本発明の好ましい化合物において、その立体化学は、以下に表すとおりである:
【0058】
【化18】


【0059】
本発明の代わりの実施形態を提供するために、本明細書中に開示されているいずれの実施形態も組み合わされ得る。本発明の特定の実施形態が、表1の化合物内に記載されている置換基から選択され得る。
【0060】
本発明の化合物は、広範なカスパーゼ阻害剤であり、報告された化合物よりも向上したアポトーシス阻害力を有する。
【0061】
一つの実施形態によれば、本発明は、式Iaもしくは式Ibの化合物を提供する:
【0062】
【化19】


【0063】
別の実施形態によれば、本発明は、式Icもしくは式Idの化合物を提供する:
【0064】
【化20】

ここで、R、R、R、およびRは、本明細書中の実施形態のいずれかに定義するとおりである。
【0065】
さらに好ましい実施形態によれば、本発明は、下記の表1から選択される式IIの化合物を提供する:
【0066】
【化21】


【0067】
(表1.本発明の化合物)
下記の表内で、以下の定義が使用される:「Ph」はフェニルであり、「Bn」はベンジル [−CH−Ph]であり、「Et」はエチル[−CH−CH]であり、そして「I−Pr」はイソプロピル[−CH(CH]である。
【0068】
【表1】

別の実施形態によれば、本発明は:
(a)本明細書中で定義するとおりの式Iの化合物、もしくは薬学的に受容可能なその塩;および
(b)薬学的に受容可能なキャリア、補助剤もしくはビヒクル
を含む、薬学的組成物を提供する。
【0069】
本発明の特定の化合物は、互変異性体もしくは水和物の形態で存在し得、この化合物のこのような形態が全て本発明の範囲内に入ることは、当業者には明らかである。そうでないと述べられていない限り、本明細書中に記載されている構造は、この構造のすべての立体化学の形態を含むことも意図されている;すなわち、それぞれの不斉中心に対するRおよびSの配置。ゆえに、本発明の化合物の、単独の立体化学異性体ならびに鏡像異性体混合物およびジアステレオマー混合物は、本発明の範囲内にある。そうでないと述べられていない限り、本明細書中に示されている構造は、1つ以上の同位体的に濃縮された原子が存在することのみが異なる化合物を含むことも意図されている。例えば、重水素もしくは三重水素による水素の置換、または13C濃縮炭素もしくは14C濃縮炭素による炭素の置換以外は本構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
【0070】
本発明の化合物は、一般的に、類似化合物について当業者に公知である方法、および下記の調製実施例によって、調製され得る。例えば、本明細書中に参考として援用されるWO 2004/106304を参照のこと。説明の目的のために、本発明の化合物の合成についての以下のスキームI〜IIIが提供される。スキーム内に記載されているいずれの保護基も、他の置換基との適合性を考慮して適切に変更され得ることは理解されるべきである。
【0071】
本発明の方法中で、種々の保護基が使用され得る(例えば、T.W.Greene & P.G.M Wutz、「Protective Groups in Organic Synthesis」、3rdEdition、John Wiley & Sons,Inc.(1999)およびこの本の以前の版を参照のこと)。保護されるべき典型的な官能基はアミンである。任意のアミンおよび他の官能基は、当該分野に公知である方法によって保護され得る。アミンを含む化合物は、反応混合物から単離して、もしくは単離せずに、使用され得る。
【0072】
【化22】

上記のスキームIにおいて、以下の略字が使用される:EDCは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドであり;HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールであり;THFはテトラヒドロフランであり;TFAはトリフルオロ酢酸であり;DCMはジクロロメタンであり;DMAPは4−ジメチルアミノピリジンである。酸1はアミノアルコール2とカップリングされる。ここでは、EDC/DMAP/HOBt/THFを使用したカップリングが記載されているが、しかしながら、他の適切な条件もまた使用され得る。RおよびRの性質に依存して、アミノアルコールの代わりにアミノケトンが使用され得、ゆえに、その後の酸化の工程を避け得る。RがCHFであるフルオロメチルケトンの場合、このアミノアルコール2は、Reveszら、Tetrahedron Lett. 1994、35、9693の方法に従って獲得され得る。Rが−CHO−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルであるテトラフルオロフェノキシケトンである場合、アミノアルコール2は、Sempleら、Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters、1997、7、1337(スキームII)の方法に類似した方法によって獲得され得る。
【0073】
最後に、化合物3のヒドロキシ基が酸化され(例えば、Dess−Martinペルヨージナンによって)、そして生じた化合物は、Rの性質に従って適切に処理される。例えば、生成物IでRがカルボン酸である場合は、3におけるRは好ましくは、このスキームの最後の工程で加水分解されるエステルである。このエステルがt−ブチルエステル(すなわち、RがCOtBuである場合)である場合、トリフルオロ酢酸での処理は酸を生じる。Iにおける他の置換基が酸性条件に適合する場合、このエステルは好ましくは、t−ブチルエステルである。
【0074】
生成物IのRがエステルである場合、望ましいエステルは、対応する酸をエステル化することによってか、もしくは化合物2においてすでに存在する望ましいエステル基を有することによって、調製され得る。
【0075】
【化23】

上記のスキームIIにおいて、以下の略字が使用される:KFはフッ化カリウムであり;DMFはN,N−ジメチルホルムアミドであり;ArOHは2,3,5,6−テトラフルオロフェノールであり;THFはテトラヒドロフランであり;MeOHはメタノールである。市販されているブロモケトン4(R=COtBu)を2,3,5,6−テトラフルオロフェノールおよびフッ化カリウムと反応させて、フェノキシケトン5を得る。その後このケトンを適切な還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム)で還元し、アルコール6を得、これは水素ガスおよび適切な触媒(例えば、炭素担持パラジウム)を使用して水素化され、アミノアルコール2が得られる(R=COtBu、R=CHO−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)。
【0076】
【化24】

スキームIIIにおいて、以下の略字が使用される:Cbzはベンジルオキシカルボニル保護基であり;MeOHはメタノールであり;DCMはジクロロメタンであり;TFAはトリフルオロ酢酸であり;DMAPは4−ジメチルアミノピリジンであり;THFはテトラヒドロフランである。ピリドンの酸誘導体1は、スキームIIIに示された合成の順序を使用してキラル形態で調製され得る。市販されているニトロピリドンは、水素およびパラジウム/炭素を使用してアミンに還元される。その後このアミノ基は適切な求電子剤によって官能化される:R=Cbzの場合、ベンジルオキシカルボニル保護アミンは、Warnerら J.Med.Chem.1994、37(19)、3090−3099によって記載されている手順と類似した手順を使用して調製される。もう一つの場合に対しては、このアミンは、標準的な方法を使用して誘導される。(R)−tert−ブチル−2−ヒドロキシエステルが、DCM中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物および2,6−ルチジンで処理され、対応するトリフレートを得る。このトリフレートと、(THF内での水素化ナトリウムによる脱プロトン化によって調製される)官能化された2−ヒドロキシピリジンのアニオンとの反応によって、N−アルキル化ピリドンが得られる。Rがベンジルオキシカルボニル保護基である場合、これは、この段階で水素および炭素担持パラジウムを使用して取り除かれて、アミンが得られ得;その後、これはDCM内での適切な求電子剤、トリエチルアミンおよびDMAPと反応される。例えば、RがRC=O(アミド)である必要がある場合は、適切に置換された酸塩化物が使用され得る。RがRS(=O)(スルホンアミド)である必要がある場合は、適切に置換されたスルホニルクロリドが使用され得る。Rが(RN(C=O)(尿素)である場合は、適切に置換されたカルバモイルクロリドもしくはカルバモイルイソシアネートが使用され得る。もう一つのR基は適宜に調製され得る。その後、酸1は、(例えば、トリフルオロ酢酸を使用した)エステルの脱保護によって調製される。その後、この酸はアミノアルコール2とカップリングされる(スキーム1)。
【0077】
【化25】

スキームIVにおいて、以下の略字が使用される:MeOHはメタノールであり;DPPAはジフェニルホスホリルアジド(diphenylphosporyl azide)であり;BnOHはベンジルアルコールであり;TEAはトリエチルアミンであり;DCMはジクロロメタンであり;TFAはトリフルオロ酢酸であり;THFはテトラヒドロフランである。ピリドン酸誘導体1は、スキームIVに記載されている代わりの手順を使用してキラル形態で調製され得る。メトキシドの存在下での2−(3−メトキシ−アリリデン)−マロン酸ジメチルエステルおよびアミノ酸tert−ブチルエステルの反応によって、環化ピリドン生成物を得る。このメチルエステルの酸への加水分解の後、ベンジルアルコールの存在下でクルチウス転位の条件下でこの酸を処理し、ベンジルオキシカルボニル保護化アミノピリドンを得る。このベンジルオキシカルボニル保護基は、水素化分解条件下で取り除かれ、その後、生じたアミンはDCM中の適切な求電子剤、トリエチルアミンおよびDMAPと反応される。例えば、RがRC=O(アミド)である必要がある場合は、適切に置換された酸塩化物が使用され得る。RがRS(=O)(スルホンアミド)である必要がある場合は、適切に置換されたスルホニルクロリドが使用され得る。Rが(RN(C=O)(尿素)である場合は、適切に置換されたカルバモイルクロリドもしくはカルバモイルイソシアネートが使用され得る。もう一つのR基は適宜に調製され得る。その後、酸1は、(例えば、トリフルオロ酢酸を使用した)エステルの脱保護によって調製される。その後、この酸はアミノアルコール2とカップリングされる(スキーム1)。
【0078】
ゆえに、本発明の別の実施形態は、式Iの化合物を調製するためのプロセスを提供する:
【0079】
【化26】

ここで、R、R、R、RおよびRは、本明細書中の実施形態のいずれかに定義するとおりであり、このプロセスは:
(a)式(III):
【0080】
【化27】

の化合物と、
式(IV):
【0081】
【化28】

の化合物とを、ペプチドカップリングの条件および溶媒の存在下で反応させる工程を包含し、ここで:
10は、−NO、−C(O)OR11、RC(O)N(H)−、RSON(H)−、ROC(O)N(H)−、(RNC(O)N(H)−、RC(O)C(O)N(H)−、(RNC(O)C(O)N(H)−、もしくはROC(O)C(O)N(H)−であり;
11は独立して、水素、(C1−C12)−脂肪族−、(C3−C10)−脂環式−、(C6−C10)−アリール−、(C3−C10)−ヘテロシクリル−、(C5−C10)−ヘテロアリール、(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、(C5−C10)−ヘテロアリール(C1−C12)−脂肪族−であり、ここで、3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N(H)、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、R11は、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって必要に応じて置換され;
R、R、R、およびRは、本明細書中の式(I)の実施形態のいずれかに定義するとおりであり;
Yはカルボニル基もしくはOH基のいずれかであり;そしてRおよびRは、本明細書中の式(I)の実施形態のいずれかに定義するとおりであり;
ただし、YがOH基である場合は、このプロセスは、(b)このOH基を酸化して式(I)の化合物を提供する工程をさらに包含し;そして
ただし、R10が−NO、−C(O)OR11、もしくは−CNである場合は、このプロセスは、この−NO、−C(O)OR11、もしくは−CNを、RC(O)N(H)−、RSON(H)−、ROC(O)N(H)−、(RNC(O)N(H)−、RC(O)C(O)N(H)−、(RNC(O)C(O)N(H)−、もしくはROC(O)C(O)N(H)−に変換するさらなる工程を包含する。
【0082】
このカップリングの条件は、ペプチジル結合を形成することについて当業者には公知の任意のものであり得る。好ましいカップリングの条件は、EDC/DMAP/HOBtである。上記の実施形態における好ましい溶媒はTHFである。
【0083】
好ましい実施形態において、式(III):
【0084】
【化29】

の化合物は、あるプロセスにより調製され、ここで、R、R、およびRは本明細書中で定義するとおりであり:
このプロセスは:
(c)式(v):
【0085】
【化30】

の化合物を、脱保護条件の存在下、溶媒中で反応させる工程を包含し、ここで、R、R、R、およびR10は本明細書中で定義するとおりである。
【0086】
この脱保護化条件は、特定の保護基(すなわち、R11)に依存する。例えば、R11がt−ブチルである場合は、好ましい脱保護条件は、酸加水分解を含む。好ましい酸はTFAである。好ましい溶媒はDCMである。さらに好ましくは、この溶媒およびこの加水分解条件はTFAおよびDCMを含む。R11がメチルもしくはエチルである場合は、好ましい脱保護条件は、塩基性(例えば、水性NaOH)である。R11がベンジルである場合は、このベンジル基は水素化分解によって取り除かれ得る。
【0087】
好ましい実施形態において、式(V):
【0088】
【化31】

の化合物は、あるプロセスにより調製され、ここで、R、R、R10およびR11は本明細書中で定義するとおりであり:
このプロセスは:
(d)式(VI):
【0089】
【化32】

の化合物と、式(VII):
【0090】
【化33】

の化合物とを、溶媒および塩基の存在下で反応させる工程を包含し、ここで、
およびR10は本明細書中で定義するとおりであり;
Xは適切な脱離基であり;そして
およびR11は本明細書中で定義するとおりである。
【0091】
好ましくは、Xは、−I、−Br、−Cl、−OH、アルキルスルホネート、もしくはアリールスルホネートである。Xが−OHである場合、適切な脱離基は、インサイチュで生成され得る(例えば、Mitsunobu反応においてのとおり)。好ましいスルホネートとしては、−O−トリフルオロメタンスルホネート、−O−メタンスルホネート、−O−ベンゼンスルホネート、−O−p−トルエンスルホネート、−O−m−ニトロベンゼンスルホネート、および−O−p−ニトロベンゼンスルホネートが挙げられる。本発明の方法において有用な適切な脱離基は、当該分野では周知である。例えば、「March’s Advanced Organic Chemistry」、5thEd.、Ed.:Smith、M.B.およびMarch,J.、John Wiley & Sons、New York(2001)を参照のこと。
【0092】
アニオンの生成に適合するあらゆる溶媒が使用され得る。好ましい溶媒としては、DMF、トルエンおよびTHFが挙げられる。
【0093】
適切な塩基としては、(V)のヒドロキシ基からプロトンを取り除き得るあらゆる塩基が挙げられる。このような塩基としては、BuLi、LDA、LHMDSおよびNaHが挙げられる。好ましくは、この塩基はNaHである。
【0094】
本発明の別の実施形態は、式(VIII):
【0095】
【化34】

の化合物を調製するためのプロセスを提供し、ここで:
は、−CF、−Cl、−OR、−NO、−OCF、−CNもしくはRであり;
、R、R10およびR11は本明細書中で定義するとおりであり;
このプロセスは、(e)式(IX):
【0096】
【化35】

の化合物と、式(VII):
【0097】
【化36】

の化合物とを、溶媒および塩基の存在下で反応させる工程を包含し、ここで、
およびR10は本明細書中で定義するとおりであり;
およびR11は本明細書中で定義するとおりであり;そして
Xは適切な脱離基である。
【0098】
好ましくは、Xは、−I、−Br、−Cl、−OH、アルキルスルホネート、もしくはアリールスルホネートである。Xが−OHである場合、適切な脱離基は、インサイチュで生成され得る(例えば、Mitsunobu反応においてのとおり)。好ましいスルホネートとしては、−O−トリフルオロメタンスルホネート、−O−メタンスルホネート、−O−ベンゼンスルホネート、−O−p−トルエンスルホネート、−O−m−ニトロベンゼンスルホネート、および−O−p−ニトロベンゼンスルホネートが挙げられる。
【0099】
アニオンの生成に適合するあらゆる溶媒が使用され得る。このような溶媒としては、DMF、トルエンおよびTHFが挙げられる。好ましくは、この溶媒はTHFである。
【0100】
適切な塩基としては、(V)のヒドロキシ基からプロトンを取り除き得るあらゆる塩基が挙げられる。このような塩基としては、BuLi、LDA、LHMDSおよびNaHが挙げられる。好ましくは、この塩基はNaHである。
【0101】
本発明の別の実施形態は、式(I):
【0102】
【化37】

の化合物を調製するためのプロセスを提供し、ここで、R、R、R、RおよびRは本明細書中の実施形態のいずれかに定義するとおりであり、このプロセスは、
(a)式(VIもしくはIX):
【0103】
【化38】

の化合物と、式(X):
【0104】
【化39】

の化合物とを、本明細書中で定義する任意のカップリング条件および溶媒の存在下で反応させる工程を包含し、ここで:
10は、−NO、−C(O)OR11、−CN、RC(O)N(H)−、RSON(H)−、ROC(O)N(H)−、(RNC(O)N(H)−、RC(O)C(O)N(H)−、(RNC(O)C(O)N(H)−、もしくはROC(O)C(O)N(H)−であり;
、RおよびRは、本明細書中で定義するとおりであり;
Yはカルボニル基もしくはOH基のいずれかであり;そしてRおよびRは、本明細書中で定義するとおりであり;
ただし、YがOH基である場合は、このプロセスは、(b)このOH基を酸化して式(I)の化合物を提供する工程をさらに包含し;そして、
ただし、R10が−NO、−C(O)OR11、もしくは−CNである場合は、このプロセスは、この−NO、−C(O)OR11、もしくは−CNを、R6bC(O)N(H)−、R6aSON(H)−、R6bOC(O)N(H)−、(R6bNC(O)N(H)−、R6bC(O)C(O)N(H)−、(R6bNC(O)C(O)N(H)−、もしくはR6bOC(O)C(O)N(H)−に変換するさらなる工程を包含する。
【0105】
これらの組成物中で、本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩が利用される場合、これらの塩は、好ましくは、無機もしくは有機の酸および塩基から誘導される。このような酸性塩としては、以下が挙げられる:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩(camphorate)、ショウノウスルホン酸塩(camphor sulfonate)、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジクルコン酸塩(digluconate)、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセリンリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、蓚酸塩、パモエート、ペクチン酸塩(pectinate)、過硫酸塩、3−フェニル−プロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバレート、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシレート、ウンデカン酸塩。塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウ塩)、有機塩基との塩(例えば、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン)、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リジン)との塩などが挙げられる。
【0106】
また、この塩基性の窒素含有基は、ハロゲン化低級アルキル(例えば、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、臭化メチル、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル);硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジブチルおよび硫酸ジアミル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化デシル、塩化ラウリル、塩化ミリスチル、塩化ステアリル、臭化デシル、臭化ラウリル、臭化ミリスチル、臭化ステアリル、ヨウ化デシル、ヨウ化ラウリル、ヨウ化ミリスチル、ヨウ化ステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジル、臭化フェネチル)などのような因子によって4級化され得る。それにより、水もしくはオイルに可溶もしくは分散可能な生成物が獲得される。
【0107】
本発明の化合物は、選択的生物学的特性を強化するために、適切な官能性を加えることで修飾されてもよい。このような修飾は、当該分野において公知であり、この修飾としては、所定の生物学的系(例えば、血液、リンパ系、中枢神経系)内への生物学的貫通を増加させるもの、経口利用性を向上させるもの、注射による投与を可能にするために溶解度を増加させるもの、代謝を変更するもの、および排出の速度を変更するものが挙げられる。
【0108】
例えば、本発明の化合物中のカルボン酸基は、例えば、エステルとして誘導され得る。好ましいエステルは以下から誘導されたものである:
1−6の直鎖状もしくは分枝状のアルキル、アルケニルもしくはアルキニルであって、ここで、このアルキル、アルケニルもしくはアルキニルは、アリール、CF、Cl、F、OMe、OEt、OCF、CNもしくはNMeにより必要に応じて置換されているもの;
1−6シクロアルキルであって、ここで、このシクロアルキルの1〜2個の炭素原子は、−O−もしくは−NR−によって必要に応じて置換されているもの。
【0109】
カルボニル基を有する本発明の化合物は、例えば、アセタール、ケタール、オキシム(=NOR)、ヒドラジン(=NN(R)、チオアセタールもしくはチオケタールとして、同様に誘導され得る。
【0110】
アミンの適切な誘導体は、当該分野において公知であり、これらも、本発明の範囲内に含まれる。
【0111】
上記の誘導体の特定のものは、当業者に公知の保護基を含む(例えば、T.W.Greene & P.G.M Wutz、「Protective Groups in Organic Synthesis」、3rdEdition、John Wiley & Sons,Inc.(1999)を参照のこと)。保護されねばならない典型的な官能基はアミンである。任意のアミンおよび他の官能基は、当該分野で公知である方法によって保護され得る。アミンを含む化合物は、反応混合物から単離して、もしくは単離せずに、使用され得る。当業者によって理解されるように、これらの保護基もまた本発明のプロセス中で使用され得る。
【0112】
理論によって束縛されることなしに、出願人の環式アセタールの化合物は、プロドラッグであると考えられる。つまり、このアセタールの部分がインビボで切断され、対応する酸−アルデヒド化合物が得られる。当業者によって理解されるように、化学的化合物はインビボで代謝され得る(例えば、プロドラッグの切断部位とは異なる部位で)。このような代謝物質はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0113】
本発明の化合物は、これらのアポトーシス阻害能力、IL−1βの放出、もしくはカスパーゼ活性について直接アッセイされ得る。それぞれの活性についてのアッセイは、当該分野において公知である。しかしながら、当業者によって理解されるように、本発明のプロドラッグ化合物は、プロドラッグ部分が切断されるアッセイ、典型的にインビボでのアッセイにおいてのみ活性であるべきである。選択されたアッセイは、以下に記述される。
【0114】
これらの組成物中で使用され得る薬学的に受容可能なキャリアとしては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清たんぱく質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝剤物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和した植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩、もしくは電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム)、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸塩、ろう、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されない。
【0115】
好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、哺乳動物、好ましくはヒトへの薬学的投与のために処方される。
【0116】
本発明のこのような薬学的組成物は、経口的に、非経口的に、吸入噴霧によって、局所的に、直腸に、鼻に、頬に、膣に、もしくは移植されたレザバーを通して、投与され得る。本明細書中で使用される用語「非経口」は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液包内、胸骨内、鞘内、肝臓内、病変内、および頭蓋内の注射もしくは注入の技術を包含する。好ましくは、この組成物は経口もしくは静脈内投与される。
【0117】
本発明の組成物の滅菌の注射可能な形態は、水性もしくは油性の懸濁液であり得る。これらの懸濁液は、当該分野に公知の技術に従って、適切な分散剤もしくは湿潤剤および懸濁化剤を使用して、処方され得る。この滅菌の注射可能な調製物は、無毒性の非経口的に受容可能な希釈剤もしくは溶媒中の、滅菌の注射可能な溶液もしくは懸濁液でもあり得る(例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として)。使用され得る受容可能なビヒクルおよび溶媒の中でも特に、水、リンゲル溶液および等張性の塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌の固定油は、溶媒もしくは懸濁化媒体として従来使用される。この目的のために、合成のモノ−グリセリドもしくはジ−グリセリドを含め、あらゆる無刺激の固定油が使用され得る。脂肪酸(例えば、オレイン酸)およびそのグリセリド誘導体は、(特にこれらがポリオキシエチル化された形態では)これらが天然の薬学的に受容可能なオイル(例えば、オリーブオイルもしくはヒマシ油)であるので、注射可能物を調製する際に有用である。これらのオイルの溶液もしくは懸濁液は、長鎖アルコール希釈剤もしくは分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロース)、もしくは薬学的に受容可能な投薬形態(エマルジョンおよび懸濁液を含む)の処方の際に一般的に使用される同様の分散剤も含み得る。薬学的に受容可能な固体、液体もしくは他の投薬形態の製造の際に一般的に使用される、一般的に使用される他の界面活性剤(例えば、Tween、Spanおよび他の乳化剤)もしくはバイオアベイラビリティーエンハンサーもまた、処方の目的のために使用され得る。
【0118】
本発明の薬学的組成物は、任意の経口で受容可能な投薬形態(カプセル、錠剤、水性懸濁液もしくは溶液が挙げられるが、これらに限定されない)で、経口投与され得る。経口使用のための錠剤の場合、一般的に使用されるキャリアとしては、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)もまた典型的に加えられる。カプセル形態での経口投与にとって有用な希釈剤としては、ラクトースおよび乾燥コーンスターチが挙げられる。経口使用で水性懸濁液が必要である場合、活性成分は乳化剤および懸濁化剤と合わせられる。望むのであれば、特定の甘味料、矯味矯臭剤もしくは着色剤も加えられ得る。
【0119】
あるいは、本発明の薬学的組成物は、直腸投与用の坐剤の形態で、投与され得る。これらは、薬剤を、室温では固体であるが直腸温度では液体であるので直腸内で融解して薬剤を放出する適切な非刺激性の賦形剤と混合することにより調製され得る。このような物質としては、カカオ脂、蜜ろうおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0120】
本発明の薬学的組成物は、特に処置の標的が局所適用によって容易に到達できる領域もしくは器官を含む場合(眼、皮膚、もしくは下部腸管の疾患が挙げられる)、局所的にも投与され得る。適切な局所処方物は、これらの領域もしくは器官のそれぞれに関して、容易に調製され得る。
【0121】
下部腸管への局所適用は、直腸坐剤処方物(上記を参照のこと)もしくは適切な浣腸処方物においてもたらされ得る。局所的経皮パッチもまた使用され得る。
【0122】
局所適用のために、この薬学的組成物は、1つ以上のキャリア内に懸濁もしくは溶解された活性成分を含む適切な軟膏に処方され得る。本発明の化合物の局所投与のためのキャリアとしては、鉱油、流動石油、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、この薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に受容可能なキャリア内に懸濁もしくは溶解された活性成分を含む、適切なローションもしくはクリームに処方され得る。適切なキャリアとしては、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリールアルコール(cetearyl alcohol)、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
眼への使用のために、この薬学的組成物は、等張性のpH調整された滅菌の食塩水中に微細化された懸濁液として、もしくは好ましくは、等張性のpH調整された滅菌の食塩水中の溶液として、保存剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)を含んでもしくは含まないで、処方され得る。あるいは、眼への使用のために、この薬学的組成物は軟膏(例えば、ワセリン)に処方され得る。
【0124】
本発明の薬学的組成物は、鼻へのエーロゾルもしくは吸入薬によっても投与され得る。このような組成物は、製薬処方の当該分野で周知の技術に従って調製され、食塩水中の溶液として、ベンジルアルコールもしくは他の適切な保存剤、バイオアベイラビリティーを強化させるための吸収促進剤、フルオロカーボン、および/または他の従来の可溶化剤もしくは分散剤を用いて、調製され得る。
【0125】
上記の組成物は、IL−1媒介性疾患、アポトーシス媒介性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、破壊的骨障害、増殖性障害、感染性疾患、変性疾患、細胞死に関連する疾患、もしくは種々の形態の肝臓疾患に関する治療上の適用において特に有用である。このような疾患としては、リウマチ病および自己免疫に関連する疾患(例えば、関節リウマチ、変形性関節症、骨粗しょう症、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーヴズ病、重症筋無力症、自己免疫好中球減少症、自己免疫溶血性貧血、血小板減少症、若年性関節リウマチ、痛風、ベーチェット症候群、スチル症候群、マクロファージ活性化症候群、およびサルコイドーシス);自己炎症性症候群に関連する疾患(例えば、クリオピリン(cryopyrin)に関連した周期性症候群(時々、自己炎症性発熱症候群と呼ばれる)、(マックル−ウェルズ症候群、家族性寒冷じんましん(家族性寒冷自己炎症性症候群としても公知である)、慢性乳児型神経学的皮膚および関節症候群(新生児期発症性多器官炎症性疾患としても公知である)を含む)、家族性地中海熱、TNFR1関連周期性症候群(TRAPS)、高IgD周期性発熱症候群(HIDS)、およびブラウ症候群ならびに全身発症性の若年性特発性関節炎(スティル病としても公知)、およびマクロファージ活性化症候群);皮膚科学に関連する疾患(例えば、乾癬、アトピー性皮膚炎、瘢痕化、脱毛症、尋常性ざ瘡、および天疱瘡ならびに中毒性表皮壊死);呼吸器に関連する疾患(例えば、ぜんそく、成人呼吸促進症候群、嚢胞性腺腫症、気腫、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、および特発性肺線維症);内科に関連する疾患(例えば、炎症性腹膜炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性胃炎、ヘリコバクター・ピロリに関連した胃および十二指腸の潰瘍疾患、糖尿病、膵臓炎、糸球体腎炎、慢性活動性肝炎、過剰な食事性アルコール摂取疾患、腎臓疾患、多嚢胞性腎疾患、熱傷、熱傷傷害後の器官のアポトーシス、出血性ショック、器官不全(例えば、肝不全、急性腎不全、および急性呼吸不全)、および子宮内膜症);移植に関連する疾患(例えば、対宿主性移植片病(GVHD)、および器官移植拒絶反応);腫瘍学に関連する疾患(例えば、白血病および関連障害、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫関連骨障害、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性黒色腫、カポージ肉腫、および多発性骨髄腫);心臓血管に関連する疾患(例えば、慢性心臓疾患、急性心臓疾患、心筋梗塞、心筋虚血、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈バイパス移植(CABG)、および急性冠動脈症候群);中枢神経系および末梢神経系に関連する疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングトン病、ケネディ病、プリオン病、脳虚血、てんかん、脊髄性筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、HIV関連の脳炎、外傷性脳損傷、脊髄損傷、脳卒中による神経系の損傷、糖尿病性腎症、ならびに急性および慢性の疼痛、ならびに発作、発作障害および痙攣);眼科学に関連する疾患(例えば、ブドウ膜炎、網膜障害、糖尿病性網膜症、緑内障、および角膜炎ならびに眼の感染、傷害、アレルギー、化学的刺激、熱傷、眼乾燥、シェーグレン症候群、および眼の老化(例えば、参考として援用されるWO2005/053665を参照のこと));感染性疾患に関連する疾患(例えば、ウイルス媒介性疾患、敗血症、敗血症性ショック、細菌性赤痢、B型肝炎、C型肝炎、G型肝炎、黄熱、デング熱、日本脳炎、HIV感染、結核症、髄膜炎、シュードモナス感染、およびアシネトバクター感染、ならびに他の細菌性、ウイルス性、寄生虫性、もしくは真菌性の感染、特に眼の感染);および他の疾患(例えば、老化)が挙げられる。これらの化合物および組成物はまた、冠状動脈バイパス移植に関連した合併症の処置においても有用である。上記に示した組成物中に存在する化合物の量は、当該分野に公知のアッセイのいずれかによって測定した場合に疾患の重篤度における検出可能な軽減、またはカスパーゼ活性および/もしくは細胞アポトーシスの検出可能な軽減をもたらすに充分であるべきである。
【0126】
別の実施形態によれば、本発明の組成物は、別の治療用薬剤をさらに含み得る。このような薬剤としては、血栓崩壊剤(例えば、組織プラスミノゲン賦活剤およびストレプトキナーゼ)が挙げられるが、これらに限定されない。第二の薬剤が使用される際、この第二の薬剤は、独立した投薬形態としてか、もしくは本発明の化合物もしくは組成物とともに単回投薬形態の一部分としてのいずれかで投与され得る。したがって、同時、独立して、もしくは逐次の使用のための組み合わせた調製が、本発明によって提供される。
【0127】
1日あたり約0.01mg/体重kgと約100mg/体重kgとの間の投薬レベル、好ましくは、1日あたり約0.5mg/体重kgと約75mg/体重kgとの間の投薬レベルの本明細書中に記載のプロテアーゼ阻害剤の化合物は、カスパーゼ活性および/もしくはアポトーシスに関連した疾患の予防および処置のための単一治療において有用である。
【0128】
典型的に、本発明の薬学的組成物は、1日あたり約1回〜約5回、あるいは継続的な注入として、投与される。このような投与は、慢性もしくは急性の治療として使用され得る。単回投薬形態を生成するための、キャリア物質と組み合わされ得る活性成分の量は、処置される宿主および特定の投与形態に依存して、変わる。典型的な調製物は、約5%〜約95%(w/w)の活性化合物を含む。好ましくは、このような調製物は、約20%〜約80%の活性化合物を含む。
【0129】
本発明の組成物が式Iの化合物と1つ以上のさらなる治療用薬剤もしくは予防用薬剤との組み合わせを含む場合、この化合物およびこのさらなる薬剤の両方は、単一治療レジメンにおいて通常投与される投薬量の約10%から100%の間の投薬量レベルで存在すべきであり、さらに好ましくは、約10%から80%の投薬量レベルで存在すべきである。
【0130】
任意の特定の患者に対する特定の投薬量および処置レジメンは、種々の要因(使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、総合的健康、性別、食事、投与の時間、排出の速度、薬の組み合わせ、ならびに処置する医師の判断および処置される特定の疾患の重篤度が挙げられる)に依存することも理解されるべきである。活性成分の量は、組成物中に特定の化合物および他の治療用薬剤が存在する場合、それらにも依存する。
【0131】
好ましい実施形態において、本発明は、前述の疾患のうちの一つを有する哺乳動物を処置する方法を提供し、この方法は、この哺乳動物に上記の薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を含む。本実施形態において、この患者に別の治療用薬剤もしくはカスパーゼ阻害剤も投与される場合、これは、本発明の化合物と一緒に単回投薬形態で、もしくは別の投薬形態として、送達され得る。別の投薬形態として投与される場合、他方のカスパーゼ阻害剤もしくは薬剤は、本発明の化合物を含む薬学的に受容可能な組成物の投与の前に、その投与と同時に、もしくはその投与に続いて、投与され得る。
【0132】
本発明がさらに完全に理解されるために、以下の調製およびテストの実施例が述べられる。これらの実施例は、説明のみの目的のものであって、これらは、本発明の範囲を限定するものとしては決して解釈されるべきではない。H−NMRスペクトルを、Bruker DPX 400機器を使用して、400MHzで記録した。質量分析のサンプルを、エレクトロスプレーイオン化を用いてシングルMSモードで操作されたMicroMass Quattro Micro質量分析器において分析した。
【実施例】
【0133】
(実施例II.1)
(3(R,S)−[2(S)−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0134】
【化40】

(方法A)
((S)−2−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオン酸tert−ブチルエステル)
【0135】
【化41】

ジクロロメタン(50mL)中の(R)−2−ヒドロキシ−3−フェニル−プロピオン酸tert−ブチルエステル(2.50g、15.6mmol)の冷却した(0℃)溶液に、2,6−ルチジン(3.3g、30.8mmol)をゆっくり加え、その後、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(8.25g、29.2mmol)を加えた。得られた混合物を、0℃で1時間攪拌し、その後、tert−ブチルメチルエーテル(200mL)と1MのHCl水溶液(60mL)とに分配した。この有機層をブライン(60mL)で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、そして濃縮して、トリフレートを、明るい茶色の油状物として得た。
【0136】
乾燥THF(100mL)中の(2−オキソ−1,2−ジヒドローピリジン−3−イル)−カルバミン酸ベンジルエステル(P.Warnerら、J.Med.Chem.、37、19、1994、3090−3099)(4.34g、17.8mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(60%分散物、711mg、17.8mmol)を加え、この溶液を室温で45分間攪拌した。その後、この反応混合物をカニューレ(canula)で、THF(30mL)中の上記で調製したトリフレートの溶液上にゆっくり移動させた。この反応混合物を、室温で90分間攪拌し、水性塩化アンモニウム(20mL)でクエンチングした。この溶媒の殆どをエバポレートさせ、残渣をEtOAcと飽和水性NHClとに分配した。この有機層をブライン(30mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、そしてエバポレートした。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、表題の化合物を、無色の油状物(5.1g、76%)として得た;H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.48(9H,s),3.35(1H,dd),3.65(1H,dd),5.23(2H,s),5.53(1H,m),6.18(1H,t),6.85(1H,d),7.12(2H,m),7.20−7.48(8H,m),7.82(1H,s),7.98(1H,m)。
【0137】
(方法B)
((S)−2−(3−アミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオン酸tert−ブチルエステル)
【0138】
【化42】

MeOH(40mL)とEtOAc(10mL)の混合物中の(S)−2−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオン酸tert−ブチルエステル(4g、8.92mmol)の溶液に、10%Pd/C(500mg)を加えた。この混合物のガスを抜いて、室温で4時間、水素雰囲気下(バルーン圧力)攪拌した。この反応混合物を、セライトの短いパッドを通してろ過し、その後このパッドをMeOHで洗い流した。合わせたろ液を、減圧下でエバポレートして、表題の化合物を、白色の固体(2.6g、92%)として得た;H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.48(9H,s),3.32(1H,dd),3.52(1H,dd),3.95(2H,br s),5.55(1H,dd),6.00(1H,t),6.55(1H,d),6.72(1H,d),7.18−7.35(5H, m)。
【0139】
(方法C)
((S)−2−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオン酸tert−ブチルエステル)
【0140】
【化43】

ジクロロメタン(50mL)中の(S)−2−(3−アミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオン酸tert−ブチルエステル(2.6g、8.26mmol)の冷却した(0℃)溶液に、トリエチルアミン(918mg、9.09mmol)およびDMAP(20mg)を加え、続いて、塩化ベンゾイル(1.27g、9.1mmol)を1滴ずつ加えた。この反応混合物を室温で12時間攪拌し、その後、EtOAcと飽和水性NHClとに分配した。この有機層を水(30mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、そしてエバポレートした。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(10〜25%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、表題の化合物を、無色の油状物(2.07g、60%)として得た;H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.48(9H,s),3.35(1H,dd),3.55(1H,dd),5.5(1H,m),6.26(1H,t),6.90(1H,d),7.15(2H,m),7.28(3H,m),7.52(3H,m),7.95(2H,m),8.52(1H,d),9.22(1H,br s)。
【0141】
(方法D)
((S)−2−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオン酸)
【0142】
【化44】

ジクロロメタン(25mL)中の(S)−2−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオン酸tert−ブチルエステル(2.07g、4.95mmol)の溶液を0℃まで冷却した。トリフルオロ酢酸(25mL)を加え、生じた混合物を室温まで温め、そして5時間攪拌した。その後、この混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンに再び溶解した。過剰なトリフルオロ酢酸を取り除くためにこのプロセスを数回繰り返した。生じた固体をジエチルエーテル内にスラリー化させ、ろ過し、さらなるジエチルエーテルで洗浄した。その後、この固体を、真空下で一定の重量になるまで乾燥した。これによって、表題の生成物を、白色の固体(1.61g、90%)として得た;H NMR(400MHz,CDCl)δ 3.48(1H,dd),3.65(1H,dd),5.32(1H,m),6.35(1H,t),6.80(1H,m),7.08(2H,d),7.27−7.35(3H,m),7.56−7.65(3H,m),7.92(2H,d),8.65(1H,d),9.18(1H,br s)。
【0143】
(方法E)
(3(R,S)−[2(S)−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4(R,S)−ヒドロキシ−ぺンタン酸tert−ブチルエステル)
【0144】
【化45】

(S)−2−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオン酸(2.20g、6.07mmol)、3(R,S)−アミノ−5−フルオロ−4(R,S)−ヒドロキシ−ペンタン酸tert−ブチルエステル(1.39g、6.68mmol)、HOBt(902mg、6.68mmol)、DMAP(853mg、6.98mmol)およびTHF(20mL)の攪拌した混合物を0℃まで冷却し、その後、EDC(1.28mg、6.68mmol)を加えた。この混合物を16時間の間に室温まで温めて、その後、減圧下で濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィー(30−70%〜55−45%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、表題の化合物を、白色の泡状物質(1.23g、32%)として得た;H NMR(400MHz,CDCl)δ 0.88−0.93(3H,m),1.35−1.42(9H,2s),2.50−2.65(2H,m),3.20−3.35(2H,m),3.60(1H,m),3.98(1H,m),4.10−4.32(3H,m),5.62−5.70(1H,m),6.44(1H,m),6.80−6.98(1H,m),7.21−7.41(5H,m),7.55−7.62(3H,m),7.95(2H,m),8.58(1H,t),9.18(1H,br s)。
【0145】
(方法F)
(3(R,S)−[2(S)−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸tert−ブチルエステル)
【0146】
【化46】

無水DCM(25mL)中の3(R,S)−[2(S)−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4(R,S)−ヒドロキシ−ぺンタン酸tert−ブチルエステル(1.23g、2.23mmol)の攪拌した溶液を、1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンズヨードキソール−3(1H)−オン(Dess−Martinペルヨージナン)(1.13g、2.67mmol)により0℃で処理した。生じた混合物を0℃で2時間保ち、酢酸エチルで希釈し、その後、飽和した水性炭酸水素ナトリウムと飽和した水性チオ硫酸ナトリウムとの1:1混合物中に、注いだ。この有機層を取り除き、水性層を酢酸エチルで再び抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥し(硫酸マグネシウム)、そして濃縮した。この残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(40−60%酢酸エチル/石油エーテル)によって精製して、表題の化合物を、赤色のゴム状物質(776mg、64%)として得た;H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.32−1.40(3H,s),2.60(1H,m),2.92(1H,m),3.27(1H,m),3.61(1H,m),4.78−4.88(1H,m),4.97−5.05(2H,m),5.77(1H,m),6.43(1H,m),7.22−7.38(7H,m),7.54−7.65(3H,m),7.95(2H,m),8.62(1H,m),9.22(1H,m)。
【0147】
(方法G)
(3(R,S)−[2(S)−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0148】
【化47】

ジクロロメタン(6mL)中の3(R,S)−[2(S)−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸tert−ブチルエステル(776mg、1.41mmol)の溶液を0℃まで冷却した。トリフルオロ酢酸(2mL)を加えて、生じた混合物を室温まで温めて、そして3時間攪拌した。その後、この混合物を減圧下で濃縮し、この残渣をジクロロメタンに再び溶解させた。過剰のトリフルオロ酢酸を取り除くためにこのプロセスを数回繰り返した。その後、この固体を、真空下で一定の重量になるまで乾燥した。これによって、表題の生成物を、ピンク色の固体(627mg、90%)として得た;H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 2.59−2.95(2H,m),3.34−3.47(2H,m),4.30−4.81(2H,m),5.15−5.33(2H,m),5.87−6.09(1H,m),6.38(1H,t),7.15−7.32(5H,m),7.60−7.78(4H,m),7.92(2H,d),8.17−8.21(1H,m),9.01−9.11(1H,m),9.28(1H,m),12.51(1H,br s);19F NMR(376MHz,d6−DMSO,プロトン−デカップリング)δ −226.8,232.6;M+H 494.4,M−H 492.4。
【0149】
(実施例II.2)
(3(R,S)−[2(S)−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−4−フェニル−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0150】
【化48】

方法AにおいてN−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)ベンズアミドおよび(R)−2−ヒドロキシ−4−フェニル−酪酸tert−ブチルエステル(Leiら、J.Carbohydrate Chemistry、15、4、1996、485−500内で報告されている方法と類似した方法を使用して調製した)を使用し、方法Aおよび方法D〜Gにしたがって調製した;白色固体;IR(固体)1643,1578,1521,1490,1213,753cm−1H NMR(400Mhz,d6−DMSO)δ 2.3−2.9(6H,m),3.5−3.7(2H,m),4.3−4.7(3H,m),5.1−5.35(1.5H,m),5.6−5.8(1H,m),6.4−6.45(1H,m),7.2−7.35(5H,m),7.6−7.8(4H,m),7.9−8.0(2H,m),8.3−8.35(1H,m),8.9−9.0(1H,m),9.35−9.4(1H,m);M+H 508.4,M−H 506.4。
【0151】
(実施例II.3)
(3(R,S)−[2(S)−(3−ベンゾイルアミノ−5−メチル−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0152】
【化49】

工程AにおいてN−(5−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンズアミドおよび(R)−2−ヒドロキシ−3−フェニル−プロピオン酸tert−ブチルエステルを使用し、方法Aおよび方法D〜Gにしたがって調製した;白色固体;IR(固体)1650,1516,1224,692cm−1H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 0.83−0.86(3H,m),2.30−2.67(4H,m),4.32−4.95(2H,m),5.12−5.24(1H,m),5.83−6.04(1H,m),7.15−7.61(9H,m),7.86−7.88(2H,m),8.11−8.12(1H,m,8.70−9.02(1H,m),9.21(1H,d),12.41(1H,br s);M+H 508.4,M−H 506.4。
【0153】
(実施例II.4)
(3(R,S)−{2(S)−[3−(2,6−ジメチル−ベンゾイルアミノ)−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル]−3−フェニル−プロピオニルアミノ}−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0154】
【化50】

方法Cにおいて2,6−ジメチル−ベンゾイルクロリドを使用し、方法A〜Gにしたがって調製した;オフホワイト色の固体;H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 2.50(6H,s),2.51−2.98(2H,m),3.15−3.45(2H,m),4.15−3.30(3H,m),5.61−6.00(1H,m),6.25(1H,m),7.00−7.25(8H,m),7.45−7.70(1H,m),8.12(1H,m),8.65−9.10(2H,m);19F(376MHz,d6−DMSO,プロトン−デカップリング)δ −226.8,−226.8,−227.5,−230.8,−231.8,−232.7,−232.8,−232.8,−232.9,−233.4;M+H 522.5,M−H 520.5。
【0155】
(実施例II.5)
(3(R,S)−{2(S)−[3−(2,6−ジクロロ−ベンゾイルアミノ)−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル]−3−フェニル−プロピオニルアミノ}−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0156】
【化51】

方法Cにおいて2,6−ジクロロ−ベンゾイルクロリドを使用し、方法A〜Gにしたがって調製した;H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 2.35−2.99(2H,m),3.05−3.50(2H,m),4.15−5.35(3H,m),5.66−6.05(1H,m),6.29(1H,m),7.10−7.30(5H,m) 7.37−7.52(3H,m),7.51−7.70(1H,m),8.25(1H,m),8.70−9.11(1H,m),10.00−10.15(1H,m);19F(376MHz,d6−DMSO,プロトン−デカップリング)δ −226.7,−226.8,−230.7,−231.4,−232.6,−232.7,−232.9;M+H 562.28,M−H 560.28。
【0157】
(実施例II.6)
(3(R,S)−{2(S)−[3−(3,3−ジエチル−ウレイド)−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル]−3−フェニル−プロピオニルアミノ}−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0158】
【化52】

(方法H)
((S)−2−[3−(3,3−ジエチル−ウレイド)−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル]−3−フェニル−プロピオン酸tert−ブチルエステル)
【0159】
【化53】

ジクロロエタン(3mL)中の(S)−2−(3−アミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオン酸tert−ブチルエステル(500mg、1.59mmol)の冷却した(0℃)溶液に、トリエチルアミン(0.254mL、1.82mmol)を加えた。ジクロロエタン(7mL)中のジホスゲン(0.11mL、0.91mmol)の溶液中に、0℃で10分にわたってこの溶液を一滴ずつ加えた。この反応混合物を室温で90分攪拌し、その後、EtOAcと水性の1MのHClとに分配した。この有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、そしてエバポレートして、イソシアネートを茶色の油状物として得た。
【0160】
ジクロロエタン(8mL)中の上記で調製したイソシアネート(541mg、1.59mmol)の冷却した(0℃)溶液に、トリエチルアミン(0.24mL、1.75mmol)を加え、続いてジエチルアミン(0.16mL、1.59mmol)を加えた。この反応混合物を室温で3時間攪拌し、その後、EtOAcと水性の1MのHClとに分配した。この有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、そしてエバポレートして、茶色の油状残渣を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(25−75%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、ジエチル尿素を明るいピンク色の油状物として得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.48(9H,s),3.35(1H,dd),3.55(1H,dd),5.5(1H,m),6.26(1H,t),6.90(1H,d),7.15(2H,m),7.28(3H,m),7.52(3H,m),7.95(2H,m),8.52(1H,d),9.22(1H,br s)。
【0161】
この中間体を、方法D〜Gで述べた順序に含め、これにより実施例II.6を、薄いピンク色の固体として得た;IR(固体)1794,1737,1664,1640,1588,1515,1458,1414,1382,1353,1220,1066cm−1H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 1.08−1.12(6H,m),2.50−2.90(2H,m),3.20−3.55(6H,m),4.30−5.30(3H,m),5.85(1H,m),6.19(1H,m),7.15−7.37(6H,m),7.64(1H,m),7.86(1H, m),9.00(1H,m);19F(376MHz,d6−DMSO,プロトン−デカップリング)δ −226.8,−226.8,−230.8,−231.6,−232.9,−233.0;M+H 489.4 M−H 487.4。
【0162】
(実施例II.7)
(5−フルオロ−4−オキソ−3(R,S)−[2(S)−(2−オキソ−3−フェニルアセチルアミノ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオニルアミノ−ペンタン酸)
【0163】
【化54】

方法Cにおいてフェニルアセチルクロリドを使用し、方法A〜Gにしたがって調製した;薄いピンク色の固体;IR(固体)1789,1742,1685,1643,1587,1516,1451cm−1H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 2.50−2.90(2H,m),3.27−3.41(2H,m),3.76(2H,s),4.30−5.30(3H,m),5.90(1H,m),6.17(1H,m),7.15−7.31(10H,m),7.50(1H,m),8.00(1H,m),8.85(1H,m),9.25(1H,m);19F(376 MHz,d6−DMSO,プロトン−デカップリング)δ −222.0,−222.1,−226.0,−226.5,−227.9,−228.0;M+H 508.5,M−H 506.5。
【0164】
(実施例II.8)
(3(S)−{2(S)−[3−(2,6−ジクロロ−ベンゾイルアミノ)−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル]−3−フェニル−プロピオニルアミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸)
【0165】
【化55】

方法Cにおいて2,6−ジクロロ−ベンゾイルクロリドを使用し、そして工程Eにおいて3(S)−アミノ−4(R,S)−ヒドロキシ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸tert−ブチルエステルを使用し、方法A〜Gにしたがって調製した;ピンク色の固体;IR(固体)1675,1634,1511,1429cm−1H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 2.61−2.80(2H,m),3.29−3.52(2H,m),4.67−4.73(1H,m),5.22(2H,dd),5.87−5.93(1H,m),6.26−6.31(1H,m),7.12−7.28(5H,m),7.41−7.72(5H,m),8.26(1H,d),9.12(1H,d),10.05(1H,s);19F(376MHz,d6−DMSO,プロトン−デカップリング)δ −140.5,−140.6,−140.6,−140.6,−141.0,−141.0,−141.0,−141.1,−156.9,−156.9,−156.9,−156.9,−157.0;M+H 708.1 M−H 706.0。
【0166】
(実施例II.9)
(5−フルオロ−4−オキソ−3(R,S)−{2(S)−[2−オキソ−3−(3−フェニル−ウレイド)−2H−ピリジン−1−イル]−3−フェニル−プロピオニルアミノ}−ペンタン酸)
【0167】
【化56】

方法Cにおいてフェニルイソシアネートを使用し、方法A〜Gにしたがって調製した;オフホワイト色の固体;IR(固体)1780,1737,1671,1638,1601,1544,1498cm−1H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 2.50−2.90(2H,m),3.20−3.55(2H,m),4.30−5.30(3H,m),5.90(1H,m),6.20(1H,m),6.85(1H,m),7.10−7.45(11H,m),8.00(1H,m),8.50(1H,m),9.00(1H,m),9.50(1H,m),12.50(1H,br s);19F(376MHz,d6−DMSO,プロトン−デカップリング)δ −226.8,−226.8,−227.5,−230.9,−231.3,−232.7,−232.8,−233.4;M+H 509.5 M−H 507.45。
【0168】
(実施例II.10)
(3(R,S)−[2(S)−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−5−トリフルオロメチル−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0169】
【化57】

方法A〜Gにしたがって、N−(2−オキソ−5−トリフルオロメチル−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−カルバミン酸ベンジルエステルから調製した;IR 固体 1655,1521,1450,1322,1173,1127cm−1;; H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 2.60−2.91(2H,m),3.45−3.64(2H,m),4.65(1H,m),5.18−5.37(2H,m),5.81−5.97(1H,m),7.16−7.25(5H,m),7.52−7.63(3H,m),7.89−7.91(2H,m),8.02−8.14(1H,m),8.35(1H,s),9.10−9.19(1H,m),9.41(1H,br s),12.69(1H,br s);19F(376MHz,d6−DMSO,プロトン−デカップリング)δ −61.3. −61.3,−226.7,−226.9,−232.6,−232.7;M+H 562.4,M−H 560.4。
【0170】
(実施例II.11)
(5−フルオロ−3(R,S)−[2(S)−(3−イソブチリルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオニルアミノ]−4−オキソ−ペンタン酸)
【0171】
【化58】

方法Cにおいて塩化イソブチリルを使用し、方法A〜Gにしたがって調製した;オフホワイト色の固体;H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 1.05(6H,m),2.50−2.99(3H,m),3.11−3.50(2H,m),4.20−5.35(3H,m),5.70−6.10(1H,m),6.21(1H,m),7.07−7.28(5H,m),7.40−7.60(1H,m),7.85−8.15(1H,m),8.65−9.10(2H,m);19F(376MHz,d6−DMSO,プロトン−デカップリング)δ −226.7,−226.8,−230.7,−231.3,−232.7,−232.7;M+H 460.2,M−H 458.2。
【0172】
(実施例II.12)
(3(R,S)−[2(S)−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−チオフェン−3−イル−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0173】
【化59】

方法AにおいてN−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンズアミドおよび2−ヒドロキシ−3−チオフェン−3−イルプロピオン酸tert−ブチルエステル(Leiら、J.Carbohydrate Chemistry、15、4、1996、485−500中で報告されている方法と類似した方法を使用して調製された)を使用し、方法Aおよび方法D〜Gにしたがって調製した;IR(固体)1675,1644,1578,1521,705cm−1H NMR(400Mhz,d6−DMSO)δ 2.6−2.9(2H,m),3.5−3.7(2H,m),4.3−4.7(3H,m),5.1−5.35(2H,m),5.7−5.9(1H,m),6.3−6.4(1H,m),6.8−6.9(2H,m),7.15−7.2(1H,m),7.3−7.35(1H,m),7.4−7.6(4H,m),7.9−7.9(2H,m),8.2−8.25(1H,m),9.0−9.1(1H,m),9.25−9.3(1H,m);M+H 500.4,M−H 498.4。
【0174】
(実施例II.13)
(5−フルオロ−4−オキソ−3(R,S)−[2(S)−(2−オキソ−3−プロピオニルアミノ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオニルアミノ]−ペンタン酸)
【0175】
【化60】

方法Cにおいて塩化プロピオニルを使用し、方法A〜Gにしたがって調製した;ベージュ色の固体;H NMR(400Mhz,d6−DMSO)δ 0.99−1.02(3H,m),2.36−2.42(2H,m),2.53−2.94(2H,m),3.21−3.45(3H,m),4.33−5.29(3H,m),5.80−6.02(1H,m),6.16−6.21(1H,m),7.11−7.23(5H,m),7.43−7.53(1H,m),8.08−8.13(1H,m),8.68−9.05(2H,m),12.50(1H,br s);M+H 446.4,M−H 444.4。
【0176】
(実施例II.14)
(3(R,S)−[2(S)−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−チオフェン−2−イル−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0177】
【化61】

方法AにおいてN−(2−オキソ−1,2−ジヒドロ−ピリジン−3−イル)−ベンズアミドおよび2−ヒドロキシ−3−チオフェン−2−イル−プロピオン酸tert−ブチルエステル(Leiら、J.Carbohydrate Chemistry、15、4、1996、485−500内で報告されている方法と類似した方法を使用して調製した)を使用し、方法Aおよび方法D〜Gにしたがって調製した;IR(固体)1644,1521,705cm−1H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 2.6−2.9(2H,m),3.5−3.7(2H,m),4.3−4.7(3H,m),5.1−5.35(1.5H,m),5.7−5.9(1H,m),6.3−6.4(1H,m),6.8−6.9(2H,m),7.3−7.35(1H,m),7.4−7.7(4H,m),7.9−8.0(3H,m),8.2−8.25(1H,m),9.0−9.1(1H,m),9.25−9.3(1H,m);M+H 500.4,M−H 498.4。
【0178】
(実施例II.15)
(3(R,S)−[2(S)−(3−ベンゾイルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−(1H−インドール−3−イル)−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0179】
【化62】

(方法I)
((S)−3−[2−tert−ブトキシカルボニル−2−(3−メトキシカルボニル−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−エチル]−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)
【0180】
【化63】

メタノール(15mL)中の(S)−3−(2−アミノ−2−tert−ブトキシカルボニル−エチル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.5g、7mmol)の溶液に、2−(3−メトキシ−アリリデン)−マロン酸ジメチルエステル(1.5g、7mmol)を加え、室温で一晩攪拌した。ナトリウムメトキシド(78mg、1.4mmol)を加え、室温で3時間攪拌した。この反応混合物を水(50mL)で希釈し、酢酸エチル(60mL)で抽出した。この有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、そしてエバポレートして、粗製生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(30〜70%酢酸エチル/石油エーテル)で精製して、表題の化合物を、白色固体(2.3g、57%)として得た;H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.43(9H,s)1.72(9H,s),3.50(2H,m),3.91(3H,m),5.68(1H,br s),6.08(1H,t),7.2−7.5(5H,m),8.15(2H,m);M+H 497.5,M−H 495.5。
【0181】
(方法J)
((S)−3−[2−tert−ブトキシカルボニル−2−(3−カルボキシ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−エチル]−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)
【0182】
【化64】

ジオキサン(60mL)中の(S)−3−[2−tert−ブトキシカルボニル−2−(3−メトキシカルボニル−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−エチル]−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(2.3g、4.7mmol)の溶液に、水(30mL)中の水酸化リチウム(115mg、4.7mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩攪拌した。この混合物を水で希釈し、1MのHClでpH3まで酸性化し、酢酸エチルで抽出した。この有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、そしてエバポレートして、粗製成物を、白色固体(1.9g、85%)として得、これを次の段階でこれ以上精製することなしに使用した;H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.45(9H,s),1.74(9H,s),3.50(2H,m),5.65(1H,br s),6.08(1H,t),7.2−7.5(5H,m),8.15(2H,m)。
【0183】
(方法K)
(3−[2−(3−ベンジルオキシカルボニルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−2−tert−ブトキシカルボニル−エチル]−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル)
【0184】
【化65】

ジオキサン中の(S)−3−[2−tert−ブトキシカルボニル−2−(3−カルボキシ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−エチル]−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(1.8g、3.7mmol)の攪拌した溶液に、トリエチルアミン(580mg、5.9mmol)、ジフェニルホスホリルアジド(91.5g、5.6mmol)、およびベンジルアルコール(680mg、6.3mmol)を加え、この混合物を100℃で18時間還流した。この混合物を濃縮し、そして酢酸エチルと飽和した炭酸水素塩とに分配した。この有機層をブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO)、ろ過し、そしてエバポレートして、粗製生成物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(30〜70%エチルアセテート/石油エーテル)で精製して、表題の化合物を、白色固体(1.3g、59%)として得た;H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.48(9H,s),1.73(9H,s),3.45(1H,m),3.65(1H,m),5.2−5.25(2H,m),5.60(1H,m),6.15(1H,t),6.85(1H,m),7.25−7.55(9H,m),7.95(1H,m),8.02−8.18(2H,m)。
【0185】
方法Kからの生成物を一連の反応B〜Gに含め、これにより表題の化合物を、オフホワイト色の固体として得た;IR(固体)1669,1643,1578,1522,1490,1212cm−1H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 2.5−2.8(2H,m),3.4−3.6(2H,m),4.35−4.6(1H,m),4.65−4.8(1H,m),5.15−5.3(1H,m),5.85−6.0(1H,m),6.3−6.35(1H,m),6.9−7.1(3H,m),7.25−7.3(1H,m),7.5−7.9(8H,m),8.2−8.25(1H,m),9.1−9.3(2H,m),10.8−10.9(1H,br s);.40−7.60(1H,m),7.85−8.15(1H, m),8.65−9.10(2H,m);19F(376MHz,d6−DMSO,プロトン−デカップリング)δ −226.3,226.7,−232.5,−232.6;M+H 533.0,M−H 530.9。
【0186】
(実施例II.16)
(3(R,S)−[2(S)−(3−エタンスルホニルアミノ−2−オキソ−2H−ピリジン−1−イル)−3−フェニル−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0187】
【化66】

方法Cにおいてエタンスルホニルクロリドを使用し、方法A〜Gにしたがって調製した;薄い青色の固体;IR(固体)1787,1742,1685,1643,1590,1551,1456cm−1H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 1.03−1.14(3H,m),2.51−2.94(4H,m),3.30−3.41(2H,m),4.30−5.30(3H,m),5.90(1H,m),6.20(1H,m),7.14−7.26(7H,m),7.58(1H,m),8.80(1H,m);19F(376MHz,d6−DMSO,プロトン−デカップリング)δ −226.8,−230.8,−232.8,−232.9;M+H 482.4 M−H 480.4。
【0188】
(実施例II.17)
(3(R,S)−[4−ベンジルオキシ−2(S)−(2−オキソ−3−プロピオニルアミノ−2H−ピリジン−1−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0189】
【化67】

方法Aにおいて(R)−4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ−酪酸tert−ブチルエステル(Leiら、J.Carbohydrate Chemistry、15、4、1996、485−500内で報告されている方法と類似した方法を使用して調製した)を使用し、方法Aおよび方法D〜Gにしたがって調製した;薄いピンク色の固体;IR(固体)1784,1740,1675,1589,1515,1451,1368cm−1H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 1.23−1.27(3H,t),2.20(1H,m),2.46−2.48(2H,m),2.50(1H,m),2.75−3.09(2H,m),3.39(1H,m),3.55(1H,m),4.42−4.50(3H,m),4.70−5.01(2H,m),5.47−5.87(1H,m),6.40(1H,m),6.98(1H,m),7.02−7.06(5H,m),7.68(1H,m),8.26(1H,m),8.48(1H,m);19F(376MHz,CDCl,プロトン−デカップリング)δ −230.2,−230.46,−231.9,−232,4;M+H 490.4,M−H 488.4。
【0190】
(実施例II.18)
(3(R,S)−[3(S)−ベンジルオキシ−2(S)−(2−オキソ−3−プロピオニルアミノ−2H−ピリジン−1−イル)−ブチリルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0191】
【化68】

方法Aにおいて3(S)−ベンジルオキシ−2−(R)−ヒドロキシ−酪酸tert−ブチルエステル(Leiら、J.Carbohydrate Chemistry、15、4、1996、485−500内で報告されている方法と類似した方法を使用して調製した)を使用し、方法Aおよび方法D〜Gにしたがって調製した;IR(固体)1738,1644,1518,1371,1205cm−1H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 1.13−1.25(3H,m),1.25−1.35(3H,m),2.40−2.5(2H,m),2.7−3.2(2H,m),4.3−5.2(6H,m),6.40−6.5(1H,m),7.3−7.55(5H,m),7.68(1H,m),8.3−8.4(1H,m),8.5−8.6(1H,m);M+H 490.4,M−H 488.4。
【0192】
(実施例II.19)
(5−フルオロ−4−オキソ−3(R,S)−[2(R,S)−(2−オキソ−3−プロピオニルアミノ−2H−ピリジン−1−イル)−2−フェニル−アセチルアミノ]−ペンタン酸)
【0193】
【化69】

工程Aにおいてブロモ−フェニル−酢酸メチルエステルを使用し、方法Aおよび方法D〜Gにしたがって調製した;IR(固体)1671,1643,1581,1520cm−1H NMR(400Mhz,d6−DMSO)δ 1.0−1.08(3H,m),2.4−2.5(2H,m),2.6−2.9(2H,m),4.3−4.8(2H,m),5.2−5.4(2H,m),6.15−6.25(1H,m),6.7−6.8(1H,m),7.3−7.4(2H,m),7.4−7.5(3H,m),8.2−8.25(1H,m),9.1−9.3(1H,m);M+H 432.4,M−H 430.4。
【0194】
(実施例II.20)
(3(R,S)−[3−ベンジルオキシ−2(S)−(2−オキソ−3−プロピオニルアミノ−2H−ピリジン−1−イル)−プロピオニルアミノ]−5−フルオロ−4−オキソ−ぺンタン酸)
【0195】
【化70】

方法Aにおいて(R)−3−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシ−プロピオン酸tert−ブチルエステル(Leiら、J.Carbohydrate Chemistry、15、4、1996、485−500内で報告されている方法と類似した方法を使用して調製した)を使用し、方法Aおよび方法D〜Gにしたがって調製した;オフホワイト色の固体;H NMR(400MHz,d6−DMSO)δ 1.05(3H,t),2.30−2.90(4H,m),3.95−4.15(2H,m),4.20−4.80(4H,m),5.05−5.40(2H,m),5.70(1H,m),6.35(1H,m),7.30(5H,m),7.40−7.55(1H,m),8.25(1H,m),8.95(1H,m),9.15(1H,m);19F(376MHz,CDCl,プロトン−デカップリング)δ −226.9,−232.9;M+H 476.3。
【0196】
(実施例II.21)
(酵素アッセイ)
カスパーゼ阻害のアッセイは、精製された組換えヒトカスパーゼ−1、−3、もしくは−8による蛍光原基質の切断に基づく。このアッセイは、それぞれの酵素に特異的な基質を使用して、Garcia−Calvoら(J.Biol.Chem.273(1998)、32608−32613)によって報告された方法と本質的に同じ方法で行なわれる。カスパーゼ−1に対する基質は、アセチル−Tyr−Val−Ala−Asp−アミノ−4−メチルクマリンである。カスパーゼ−3および−8に対する基質は、アセチル−Asp−Glu−Val−Asp−アミノ−メチルクマリンである。両方の基質とも当該分野には公知である。
【0197】
特定の阻害剤濃度において、観察される酵素の不活性化の速度kobsは、Thornberryら(Biochemistry 33(1994)、3943−3939)によって導かれた式にデータを直接あてはめ、非線形最小2乗分析のコンピュータープログラム(PRISM 2.0;GraphPadソフトウェア)を使用して計算される。二次速度定数kinactを得るために、kobs値が、これらのそれぞれの阻害剤濃度に対してプロットされ、そしてその後、kinact値は、コンピューター処理された線形回帰によって計算される。
【0198】
本発明の選択された化合物についてのカスパーゼ−1、−3、および−8活性の阻害を、上記の方法により決定した。化合物II.1〜II.20は、カスパーゼ−1を>60,000M−1−1のkinactで阻害し、カスパーゼ−3を0M−1−1と300,000M−1−1との間のkinactで阻害し、そして、カスパーゼ−8を>35,000M−1−1のkinactで阻害した。
【0199】
(実施例II.22)
(PBMC細胞アッセイ)
(ヒト末梢血単核細胞(PBMC)もしくは富化された接着性単核細胞の混合集団を用いたIL−1βアッセイ)
ICEによるプレIL−1βのプロセシングは、種々の細胞源を使用した細胞培養物内で測定され得る。健康なドナーから獲得したヒトPBMCは、リンパ球のサブタイプおよび単核細胞の混合集団を提供し、これらは、多くのクラスの生理学的刺激に応答して種々のインターロイキンおよびサイトカインを産生する。PBMCからの接着性単核細胞は、活性化細胞によるサイトカイン産生の選択的な研究のための正常な単核細胞の富化された細胞源を提供する。
【0200】
(実験の手順)
DMSOもしくはエタノール中のテスト化合物の最初の希釈シリーズを調製し、続いてRPMI−10%FBS培地(2mMのL−グルタミン、10mMのHEPES、50Uおよび50μg/mlのペニシリン/ストレプトマイシンを含む)で希釈し、各々が、0.4%DMSOもしくは0.4%エタノールを含む最終テスト濃度の4倍の薬剤を得る。DMSOの最終濃度は全ての薬剤希釈液について0.1%である。ICE阻害アッセイで決定されるテスト化合物についてのみかけのkを一括して扱う濃度滴定は、一般的に一次化合物スクリーニングに使用される。
【0201】
一般的に、5〜6個の化合物希釈液がテストされ、それぞれの細胞培養物上清について2連のELISA測定によってこのアッセイの細胞成分が二連で行なわれる。
【0202】
(PBMC単離およびIL−アッセイ)
1パイントのヒト血液から単離したバフィコート細胞(40〜45mlの最終体積の血漿+細胞が得られる)を培地で80mLまで希釈し、LeukoPREP分離チューブ(Becton Dickinson)に10mlの細胞懸濁液をそれぞれ上層する。1500〜1800×gで15分間の遠心分離の後、血漿/培地層を吸引し、その後、単核細胞層をパスツールピペットで収集し、15mlのコニカル遠心チューブ(Corning)に移す。培地を加え、体積を15mlにして、反転させることにより細胞を緩やかに混合し、そして300×gで15分間遠心分離する。PBMCのペレットを少量の体積の培地中に再び懸濁させ、細胞数を数え、6×10細胞/mlに調整する。
【0203】
細胞アッセイために、1.0mlの細胞懸濁液を、24ウェル平底組織培養プレート(Corning)の各ウェルに加え、0.5mlのテスト化合物希釈液および0.5mlのLPS溶液(Sigma #L−3012;完全RPMI培地中に調製される20ng/ml溶液;最終的なLPS濃度 5ng/ml)を加える。テスト化合物およびLPSの0.5mlずつの添加は、ウェル内の中身を混合するのに通常充分である。LPSのみ、溶媒ビヒクルコントロール、および/もしくは最終的な培養物体積を2.0mlに調整するためのさらなる培地のいずれかで、それぞれの実験ごとに3つのコントロール混合物を実施する。この細胞培養物を、5%CO存在下で、37℃で16〜18時間インキュベートする。
【0204】
インキュベーション期間の最後に、細胞を収穫し、15mlのコニカル遠心チューブに移す。200×gで10分間の遠心分離の後、上清を収穫し、1.5mlのEppendorfチューブに移す。この細胞ペレットは、プレIL−1β特異的抗血清を使用したWesternブロッティングもしくはELISAによるサイトゾル抽出物内のプレIL−1βおよび/もしくは成熟IL−1β含有量の生化学的評価に利用され得ることに注意され得る。
【0205】
(接着性単核細胞の単離)
上記のようにPBMCを単離し、調製する。ウェルに培地(1.0mL)をまず加え、続いて0.5mlのPBMC懸濁液を加える。1時間のインキュベーションの後、プレートを緩やかに振って、各ウェルから非接着性細胞を吸引する。その後、1.0mlの培地で3回ウェルを緩やかに洗浄し、1.0mlの培地内に最終的に再び懸濁する。接着性細胞の濃縮により一般的に2.5〜3.0×10細胞/ウェルが得られる。テスト化合物の添加、LPS、細胞のインキュベーションの条件、および上清の処理は、上記のようにして行なう。
【0206】
(ELISA)
成熟IL−1βの測定のために、Quantikineキット(R&D Systems)が使用され得る。この製造業者の指示書にしたがって、アッセイを行なう。PBMCおよび接着性単核細胞陽性コントロールの両方において、約1〜3ng/mlのレベルの成熟IL−1βが観察される。LPS陽性コントロールからの上清の1:5、1:10および1:20の希釈液のELISAアッセイを行なって、本テストのパネル内の上清について最適の希釈を選択する。
【0207】
化合物の阻害効力はIC50値によって表され得、この値は、陽性コントロールに比べて50%の成熟IL−1βが上清中に検出される阻害剤濃度である。
【0208】
細胞アッセイによって得られる値は複数の要因に依存し得ることを当業者は理解する。これらの値は、必ずしも良好な定量的結果を表さないかもしれない。
【0209】
本発明の選択された化合物は、300nMと10μMとの間のIC50値でPBMCからのIL−1β放出の阻害に関してテストされた。
【0210】
(抗Fas誘導性アポトーシスアッセイ)
細胞のアポトーシスは、Fasリガンド(FasL)の、その受容体であるCD95(Fas)への結合によって誘導され得る。CD95は、関連受容体のファミリーの一つであり、細胞死受容体(death receptor)として公知であり、これは、カスパーゼ酵素のカスケードの活性化をとおして細胞にアポトーシスを引き起こし得る。このプロセスは、アダプター分子FADD/MORT−1の、CD−95受容体−リガンド複合体の細胞質ドメインへの結合によって開始される。その後、カスパーゼ−8がFADDに結合し、活性化され、下流のカスパーゼの活性化およびそれに続く細胞のアポトーシスを含む事象のカスケードを開始する。アポトーシスは、CD95を発現する細胞(例えば、Jurkat E6.1 T細胞リンパ腫細胞系統)でも、細胞表面のCD95に架橋結合するためにFasLではなく抗体を使用して誘導され得る。抗Fas誘導性アポトーシスは、カスパーゼ−8の活性化をとおして引き起こされ得もする。これは、カスパーゼ−8媒介性アポトーシス経路の阻害について化合物をスクリーニングするための細胞ベースのアッセイの基礎を提供する。
【0211】
(実験の手順)
Jurkat E6.1細胞を、完全培地(RPMI−1640(Sigma No)+10%ウシ胎仔血清(Gibco BRL No.10099−141)+2mMのL−グルタミン(Sigma No.G−7513)からなる)内で培養する。対数増殖期に細胞を収穫する。5〜8×10細胞/mlの100mlの細胞を、滅菌した50mlのFalcon遠心チューブに移し、室温で、100×gで5分間遠心分離する。上清を除去し、合わせた細胞ペレットを、25mlの完全培地中に再び懸濁する。細胞数を数え、完全培地で2×10細胞/mlに密度を調整する。
【0212】
テスト化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma No.D−2650)に溶解し、100mMの保存溶液を得る。これを完全培地中に400μMまで希釈し、その後、細胞アッセイプレートに加える前に、96ウェルプレート内に系列希釈する。
【0213】
100μlの細胞懸濁液(2×10細胞)を、滅菌した96ウェル丸底クラスタープレート(Costar No.3790)の各ウェルに加える。適切な希釈の50μlの化合物溶液および最終濃度が10ng/mlの50μlの抗Fas抗体クローンCH−11(Upstate、Cat No.1 544 675)を、このウェルに加える。抗体を抜き、および化合物を抜き、しかしDMSOの系列希釈物をビヒクルコントロールとして含む、コントロールウェルを用意する。このプレートを、5%COおよび95%湿度で、37℃で16〜18時間インキュベートする。
【0214】
細胞のアポトーシスを、Roche診断薬No.1544 675による「Cell Death Detection Assay」を使用して、DNA断片化の定量により測定する。16〜18時間のインキュベーションの後、このアッセイプレートを、室温で、100×gで5分間遠心分離する。150μlの上清を除去し、150μlの新しい完全培地で置き換える。その後、細胞を収穫し、アッセイキットにおいて供給された200μlの溶解緩衝液を各ウェルに加える。この細胞を粉砕して完全な溶解を確実にし、4℃で30分間インキュベートする。その後、このプレートを、1900×gで10分間遠心分離し、この上清を、提供されるインキュベーション緩衝液内に1:20に希釈する。その後、100μlのこの溶液を、キットと一緒に供給される製造業者の指示書にしたがってアッセイする。SPECTRAmax Plusプレートリーダー(Molecular Devices)において、最後の基質を加えた20分後にOD405nmを測定する。OD405nmを、化合物濃度に対してプロットして、曲線のあてはめプログラムであるSOFTmax Pro(Molecular Devices)を使用し、4−変数あてはめオプションを使用して、それらの化合物のIC50値を計算する。選択された化合物を、このアッセイでテストし、0.013μMと8μMとの間のIC50値で、Jurkat細胞のFas誘導性アポトーシスを阻害することが分かった。
【0215】
本発明者らは本発明の多くの実施形態を述べたが、本発明の化合物および方法を利用する他の実施形態を提供するために、本発明者らの基礎的な実施例は変更され得ることは明らかである。ゆえに、本発明の範囲は、上記の実施例として表された特定の実施形態よりはむしろ添付する特許請求の範囲によって定義されるべきであると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物であって、ここで:
は、RC(O)−、HC(O)−、RSO−、ROC(O)−、(RNC(O)−、(R)(H)NC(O)−、RC(O)C(O)−、(RNC(O)C(O)−、(R)(H)NC(O)C(O)−、もしくはROC(O)C(O)−であり;
は、水素、−CF、−ハロ、−OR、−NO、−OCF、−CN、もしくはRであり;
は、−T−Rであり;
は、−COOHもしくは−COORであり;
は、−CHFもしくは−CHO−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルであり;
は、R6aもしくはR6bであり;2つのR基が、これらが結合している同じ原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し;ここで、いずれの環も、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、それぞれのRは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって独立して置換され;
6aおよびR6bは、それぞれ独立して
(C1−C3)−脂肪族−、
(C4−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール(C1−C12)−脂肪族−であり;
Rは、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、チオキソ、=NR、=N(OR)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(S)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(ORもしくは−P(O)(H)(OR)であり;
2つのR基は、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し、該環は、N、N(R)、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される3つまでのヘテロ原子を有し、ここで、該環は、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、いずれの環もJから独立して選択される3つまでの置換基を有するか;または
それぞれのRは:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、もしくは
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−から独立して選択され;ここで、Rは、Jから独立して選択される3つまでの置換基を有し;
は、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、チオキソ、=N(R)、=NO(R)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(S)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−CN、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(ORもしくは−P(O)(H)(OR)であり;
は、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、もしくは
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、ここで、3つまでの脂肪族炭素原子は、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得、ここで、Rは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって必要に応じて置換され;
Tは、直接結合、もしくは(C1−C6)脂肪族であり、ここで、T内の2つまでの脂肪族炭素原子は、化学的に安定した配置で、S、SO、SO、O、N(R)、もしくはNによって必要に応じて置換され得;ここで、それぞれのTは3つまでのR置換基によって必要に応じて置換され得;
は、必要に応じて置換された(C6−C10)−アリールもしくは(C5−C10)−ヘテロアリールである、化合物。
【請求項2】
が−CHO−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が−CHFである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、RC(O)−、(RNC(O)−、RC(O)C(O)−、(RNC(O)C(O)−、(R)(H)NC(O)C(O)−、もしくはROC(O)C(O)−であり、ここで、RがR6bである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が、HC(O)−、RSO−、ROC(O)−、もしくは(R)(H)NC(O)−であり、ここで、RがR6aである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
がRC(O)−である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
がRSO−である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
が(RNC(O)−である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
が(R)(H)NC(O)−である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
がROC(O)−である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
6aが、
(C4−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール(C1−C12)−脂肪族−であるか、もしくは2つのR6a基が、それらが結合している同じ原子と一緒になって、独立して3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を形成し;ここで、いずれの環も、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、R6aは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって独立して置換され;
6bは、R6aもしくは(C1−C3)−脂肪族−である、請求項1〜3、5〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
6aが、
(C4)−脂肪族、
(C3−C10)−脂環式−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C6−C10)−アリール−、もしくは
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−アルキル−であり;ここで、3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、R6aは、必要に応じて置換される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
6aが、(C5−C10)−ヘテロアリール−もしくは(C6−C10)−アリール−であり;ここで、該ヘテロアリールまたはアリールは必要に応じて置換されるか、もしくはそれぞれのR6aは、それが結合しているN原子と一緒になって、(C3−C7)−脂環式基である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
それぞれのR6aが独立して、(C5−C10)−ヘテロアリール−もしくは(C6−C10)−アリール−であり、ここで、該アリールは必要に応じて置換される、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
それぞれのR6bが、R6aもしくは(C1−C3)−脂肪族である、請求項13〜15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
が、水素、CF、もしくはCHである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
が、水素もしくはCFである、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
Tが、結合もしくは(C1−C4)脂肪族であり、ここで、1個までの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、およびSから選択される基によって置換され得る、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
Tが、直接結合、−CH−、−CH(Me)−、−CH−CH−、−CH−O−CH−、−CH(Me)−O−CH−、もしくは−CH−CH−O−CH−である、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
Tが、(C1−C4)脂肪族であり、ここで、ゼロ個の炭素原子が、O、N、N(R)、およびSから選択される基によって置換される、請求項19に記載の化合物。
【請求項22】
Tが、−CH−もしくは−CH−CH−である、請求項21に記載
の化合物。
【請求項23】
Tが−CH−である、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
が、必要に応じて置換されたC6−アリールもしくはC5−ヘテロアリールである、請求項1〜23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
が、必要に応じて置換されたフェニルである、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
が、非置換フェニルである、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
表1より選択される化合物。
【請求項28】
薬学的組成物であって、該組成物が:
a)請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物;および
b)薬学的に受容可能なキャリア、補助剤もしくはビヒクル
を含む、薬学的組成物。
【請求項29】
患者のIL−1媒介性疾患、アポトーシス媒介性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、破壊的な骨障害、増殖性障害、感染性疾患、変性疾患、細胞死に関連する疾患、ウイルス媒介性疾患もしくは肝臓疾患を処置するための方法であって、該方法は、治療上有効な量の請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物もしくは請求項28に記載の薬学的組成物を、該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項30】
患者の関節リウマチ、変形性関節症、骨粗しょう症、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーヴズ病、重症筋無力症、自己免疫好中球減少症、自己免疫溶血性貧血、血小板減少症、若年性関節リウマチ、痛風、ベーチェット症候群、スチル症候群、マクロファージ活性化症候群、サルコイドーシス、マックル−ウェルズ症候群、家族性寒冷じんましん、慢性乳児型神経学的皮膚および関節症候群、家族性地中海熱、TNFR1関連周期性症候群(TRAPS)、高IgD周期性発熱症候群(HIDS)、ブラウ症候群、乾癬、アトピー性皮膚炎、瘢痕化、脱毛症、尋常性ざ瘡、天疱瘡、ぜんそく、成人呼吸促進症候群、嚢胞性腺腫症、気腫、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患、特発性肺線維症、炎症性腹膜炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、自己免疫性胃炎、ヘリコバクター・ピロリに関連した胃および十二指腸の潰瘍疾患、糖尿病、膵臓炎、糸球体腎炎、慢性活動性肝炎、過剰な食事のアルコール摂取疾患、腎臓疾患、多発性嚢胞腎疾患、熱傷、熱傷傷害後の器官のアポトーシス、出血性ショック、器官不全、子宮内膜症、対宿主性移植片病、器官移植拒絶反応、白血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫関連骨障害、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性黒色腫、カポージ肉腫、多発性骨髄腫、慢性心臓疾患、急性心臓疾患、心筋梗塞、心筋虚血、うっ血性心不全、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈バイパス移植(CABG)、冠状動脈バイパス移植に関連した合併症、急性冠動脈症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングトン病、ケネディ病、プリオン病、脳虚血、てんかん、脊髄性筋萎縮症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、HIV関連の脳炎、外傷性脳損傷、脊髄損傷、脳卒中による神経系の損傷、糖尿病性腎症、急性および慢性の疼痛、ブドウ膜炎、網膜障害、糖尿病性網膜症、緑内障、角膜炎、ウイルス媒介性疾患、敗血症、敗血症性ショック、細菌性赤痢、B型肝炎、C型肝炎、G型肝炎、黄熱、デング熱、日本脳炎、HIV感染、結核症、髄膜炎、シュードモナス感染、アシネトバクター感染もしくは老化を処置するための方法であって、該方法は、治療上有効な量の請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物もしくは請求項28に記載の薬学的組成物を、該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項31】
前記疾患が、変形性関節症、膵臓炎、ぜんそく、成人呼吸促進症候群、糸球体腎炎、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、慢性甲状腺炎、グレーヴズ病、自己免疫性胃炎、インスリン依存性糖尿病(タイプI)、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、血小板減少症、慢性活動性肝炎、重症筋無力症、炎症性腸疾患、クローン病、乾癬、対宿主性移植片病、骨粗しょう症、多発性骨髄腫関連骨障害、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、転移性黒色腫、カポージ肉腫、多発性骨髄腫、敗血症、敗血症性ショック、細菌性赤痢、脳虚血、心筋虚血、脊髄性筋萎縮症、もしくは脳卒中による神経系の損傷である、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記疾患が冠状動脈バイパス移植に関連した合併症である、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
患者のカスパーゼ−媒介性機能を阻害するための方法であって、該方法が治療上有効な量の請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物もしくは請求項28に記載の薬学的組成物を、該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項34】
患者のIGIFもしくはIFN−γ生産を減少させるための方法であって、該方法が治療上有効な量の請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物もしくは請求項28に記載の薬学的組成物を、該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項35】
細胞を保存する方法であって、該方法が、該細胞を、請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物の溶液に浸す工程を包含する、方法。
【請求項36】
前記細胞が:
a)移植目的の器官;もしくは
b)血液生成物
中にある、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
免疫療法を使用して癌を処置する方法であって、該免疫療法が、その成分として請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物を含む、方法。
【請求項38】
患者の感染、眼乾燥、シェーグレン症候群、眼の老化、中毒性表皮壊死、発作、発作障害、痙攣、マクロファージ活性化症候群、もしくは損傷、アレルギー、化学的刺激、もしくは眼の熱傷を処置するための方法であって、該方法が治療上有効な量の請求項1〜27のいずれか一項に記載の化合物もしくは請求項28に記載の薬学的組成物を、該患者に投与する工程を包含する、方法。
【請求項39】
前記方法が、さらなる治療剤の投与を含む、請求項29〜38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
式(I):
【化2】

を調製するためのプロセスであって、ここで
は、RC(O)−、HC(O)−、RSO−、ROC(O)−、(RNC(O)−、(R)(H)NC(O)−、RC(O)C(O)−、(RNC(O)C(O)−、(R)(H)NC(O)C(O)−、もしくはROC(O)C(O)−であり;
は、水素、−CF、−ハロ、−OR、−NO、−OCF、−CN、もしくはRであり;
は、−T−Rであり;
は、−COOHもしくは−COORであり;
は、−CHFもしくは−CHO−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルであり;
は、R6aもしくはR6bであり;2つのR基が、これらが結合している同じ原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し;ここで、いずれの環も、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、Rは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって置換され;
6aおよびR6bは、それぞれ独立して
(C1−C3)−脂肪族−、
(C4−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール(C1−C12)−脂肪族−であり;
Rは、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、チオキソ、=NR、=N(OR)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(S)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(ORもしくは−P(O)(H)(OR)であり;
2つのR基は、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し、該環は、N、N(R)、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される3つまでのヘテロ原子を有し、ここで、該環は、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、いずれの環もJから独立して選択される3つまでの置換基を有するか;または
それぞれのRは:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、もしくは
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−から独立して選択され;ここで、Rは、Jから独立して選択される3つまでの置換基を有し;
は、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、チオキソ、=N(R)、=NO(R)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(S)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−CN、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(ORもしくは−P(O)(H)(OR)であり;
は、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、もしくは
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、ここで、3つまでの脂肪族炭素原子は、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得、ここで、Rは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって必要に応じて置換され;
Tは、直接結合、もしくは(C1−C6)脂肪族であり、ここで、T内の2つまでの脂肪族炭素原子は、化学的に安定した配置で、S、SO、SO、O、−N(R)、もしくはNによって必要に応じて置換され得;ここで、それぞれのTは3つまでのR置換基によって必要に応じて置換され得;
は、必要に応じて置換された(C6−C10)−アリールもしくは(C5−C10)−ヘテロアリールであって、;
該プロセスは:
(a)式(III):
【化3】

の化合物と、
式(IV):
【化4】

の化合物とを、カップリングの条件および溶媒の存在下で反応させる工程を包含し、ここで:
10は、−NO、−C(O)OR11、−CN、RC(O)N(H)−、RSON(H)−、ROC(O)N(H)−、(RNC(O)N(H)−、RC(O)C(O)N(H)−、(RNC(O)C(O)N(H)−、もしくはROC(O)C(O)N(H)−であり;
11は独立して、水素、(C1−C12)−脂肪族−、(C3−C10)−脂環式−、(C6−C10)−アリール−、(C3−C10)−ヘテロシクリル−、(C5−C10)−ヘテロアリール、(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、(C5−C10)−ヘテロアリール(C1−C12)−脂肪族−であり、ここで、3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、R11は、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって必要に応じて置換され;
R、R、R、およびRは、上記に定義するとおりであり;
Yはカルボニル基もしくはOH基のいずれかであり;そしてRおよびRは、上記に定義するとおりであり;
ただし、YがOH基である場合は、該プロセスは、(b)該OH基を酸化して式(I)の化合物を提供する工程をさらに包含し;そして、
ただし、R10が−NO、−C(O)OR11、もしくは−CNである場合は、該プロセスは、該−NO、−C(O)OR11、もしくは−CNを、RC(O)N(H)−、RSON(H)−、ROC(O)N(H)−、(RNC(O)N(H)−、RC(O)C(O)N(H)−、(RNC(O)C(O)N(H)−、もしくはROC(O)C(O)N(H)−に変換するさらなる工程を包含する、プロセス。
【請求項41】
請求項40に記載のプロセスであって、ここで、式(III):
【化5】

の化合物:
ここで、
は、水素、−CF、−ハロ、−OR、−NO、−OCF、−CN、もしくはRであり;
は、−T−Rであり;
10は、−NO、−C(O)OR11、−CN、RC(O)N(H)−、RSON(H)−、ROC(O)N(H)−、(RNC(O)N(H)−、RC(O)C(O)N(H)−、(RNC(O)C(O)N(H)−、もしくはROC(O)C(O)N(H)−であり;
は、R6aもしくはR6bであり;2つのR基が、これらが結合している同じ原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し;ここで、いずれの環も、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、それぞれのRは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって独立して置換され;
6aおよびR6bは、それぞれ独立して
(C1−C3)−脂肪族−、
(C4−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール(C1−C12)−脂肪族−であり;
Rは、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、チオキソ、=NR、=N(OR)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(ORもしくは−P(O)(H)(OR)であり;
2つのR基は、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し、該環は、N、N(R)、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される3つまでのヘテロ原子を有し、ここで、該環は、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、いずれの環もJから独立して選択される3つまでの置換基を有するか;もしくは
それぞれのRは:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、もしくは
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−から独立して選択され;ここで、Rは、Jから独立して選択される3つまでの置換基を有し;
は、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、チオキソ、=NR、=N(OR)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(S)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−CN、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(ORもしくは−P(O)(H)(OR)であり;
は、
(C1−C12)−脂肪族−(C3−C10)−脂環式−、(C6−C10)−アリール−、(C3−C10)−ヘテロシクリル−、(C5−C10)−ヘテロアリール−、(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、もしくは(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、ここで、3つまでの脂肪族炭素原子は、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得、ここで、Rは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって必要に応じて置換され;
Tは、直接結合、もしくは(C1−C6)脂肪族であり、ここで、T内の2つまでの脂肪族炭素原子は、化学的に安定した配置で、S、SO、SO、O、N、もしくはN(R)によって必要に応じて置換され得;ここで、それぞれのTは3つまでのR置換基によって必要に応じて置換され得;
は、必要に応じて置換された(C6−C10)−アリールもしくは(C5−C10)−ヘテロアリールである、化合物が、
(c)式(V):
【化6】

の化合物を、脱保護化条件の存在下、溶媒中で反応させる工程を包含するプロセスによって調製され、
ここで:
11は独立して、水素、
(C1−C12)−脂肪族−(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、ここで、
3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;そして
R、R、R、RおよびR10は、上記に定義するとおりである、請求項40に記載のプロセス。
【請求項42】
式(V):
【化7】

の化合物であって、ここで、R、R、R10およびR11が、請求項41に定義するとおりである化合物が:
(d)式(VI):
【化8】

の化合物と、式(VII):
【化9】

の化合物とを、溶媒および塩基の存在下で反応させる工程を包含するプロセスによって調製され、ここで、
およびR10は請求項41で定義するとおりであり;
Xは適切な脱離基であり;そして
およびR11は上記で定義するとおりである、請求項41に記載のプロセス。
【請求項43】
式(VIII):
【化10】

の化合物を調製するためのプロセスであって、
ここで:
は、−CF、−Cl、−OR、−NO、−OCF、−CN、もしくはRであり;
は、−T−Rであり;
10は、−NO、−C(O)OR11、−CN、RC(O)N(H)−、RSON(H)−、ROC(O)N(H)−、(RNC(O)N(H)−、RC(O)C(O)N(H)−、(RNC(O)C(O)N(H)−、もしくはROC(O)C(O)N(H)−であり;
11は独立して、水素、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール(C1−C12)−脂肪族−であり、ここで、3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N(H)、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、R11は、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって必要に応じて置換され;
は、R6aもしくはR6bであり;2つのR基は、これらが結合している同じ原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し;ここで、いずれの環も、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、それぞれのRは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって独立して置換され;
6aおよびR6bは、それぞれ独立して
(C1−C3)−脂肪族−、
(C4−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール(C1−C12)−脂肪族−であり;
Rは、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、チオキソ、=NR、=N(OR)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(S)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(ORもしくは−P(O)(H)(OR)であり;
2つのR基は、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し、該環は、N、N(R)、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される3つまでのヘテロ原子を有し、ここで、該環は、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され、ここで、いずれの環もJから独立して選択される3つまでの置換基を有するか;または
それぞれのRは:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、もしくは
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−から独立して選択され;ここで、Rは、Jから独立して選択される3つまでの置換基を有し;
は、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、チオキソ、=NR、=N(OR)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(S)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−CN、−C(=NH)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(ORもしくは−P(O)(H)(OR)であり;
は、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、もしくは
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、ここで、3つまでの脂肪族炭素原子は、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得、ここで、Rは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって必要に応じて置換され;
Tは、直接結合、もしくは(C1−C6)脂肪族であり、ここで、T内の2つまでの脂肪族炭素原子は、化学的に安定した配置で、S、SO、SO、O、N、もしくはN(R)によって必要に応じて置換され得;ここで、それぞれのTは3つまでのR置換基によって必要に応じて置換され得;
は、必要に応じて置換された(C6−C10)−アリールもしくは(C5−C10)−
ヘテロアリールであり;
該プロセスは、(e)式(IX):
【化11】

の化合物と
式(VII):
【化12】

の化合物とを溶媒および塩基の存在下で反応させる工程を含み、
ここで、RおよびR10は上記で定義するとおりであり;
およびR11は上記で定義するとおりであり;そして
Xは適切な脱離基である、プロセス。
【請求項44】
式(I):
【化13】

の化合物を調製するためのプロセスであって、
ここで:
は、RC(O)−、HC(O)−、RSO−、ROC(O)−、(RNC(O)−、(R)(H)NC(O)−、RC(O)C(O)−、(RNC(O)C(O)−、(R)(H)NC(O)C(O)−、もしくはROC(O)C(O)−であり;
は、水素、−CF、−ハロ、−OR、−NO、−OCF、−CN、もしくはRであり;
は、−T−Rであり;
は、−COOHもしくは−COORであり;
は、−CHFもしくは−CHO−2,3,5,6−テトラフルオロフェニルであり;
は、R6aもしくはR6bであり;2つのR基は、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し;ここで、いずれの環も、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、3つまでの脂肪族炭素原子が、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得;ここで、それぞれのRは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって独立して置換され;
6aおよびR6bは、それぞれ独立して
(C1−C3)−脂肪族−、
(C4−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であり;
Rは、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、チオキソ、=NR、=N(OR)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(S)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(ORもしくは−P(O)(H)(OR)であり;
2つのR基は、これらが結合している原子と一緒になって、3〜10員の芳香族環もしくは非芳香族環を必要に応じて形成し、該環は、N、N(R)、O、S、SO、もしくはSOから独立して選択される3つまでのヘテロ原子を有し、ここで、該環は、(C6−C10)アリール、(C5−C10)ヘテロアリール、(C3−C10)シクロアルキル、もしくは(C3−C10)ヘテロシクリルに必要に応じて縮合され;ここで、いずれの環もJから独立して選択される3つまでの置換基を有するか;もしくは
それぞれのRは:
水素−、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−、
(C6−C10)−アリール−、
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C6−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)脂肪族−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、もしくは
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−から独立して選択され;ここで、Rは、Jから独立して選択される3つまでの置換基を有し;
は、ハロゲン、−OR、−OC(O)N(R、−NO、−CN、−CF、−OCF、−R、オキソ、チオキソ、=NR、=N(OR)、1,2−メチレンジオキシ、1,2−エチレンジオキシ、−N(R、−SR、−SOR、−SO、−SON(R、−SO、−C(O)R、−C(O)C(O)R、−C(O)C(O)OR、−C(O)C(O)N(R、−C(O)CHC(O)R、−C(S)R、−C(S)OR、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−C(S)N(R、−(CH0−2NHC(O)R、−N(R)N(R)COR、−N(R)N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)CON(R、−N(R)SO、−N(R)SON(R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)R、−N(R)C(S)R、−N(R)C(O)N(R、−N(R)C(S)N(R、−N(COR)COR、−N(OR)R、−CN、−C(=NR)N(R、−C(O)N(OR)R、−C(=NOR)R、−OP(O)(OR、−P(O)(R、−P(O)(ORもしくは−P(O)(H)(OR)であり;
は、
(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−脂環式−、
(C6−C10)−アリール−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−、
(C5−C10)−ヘテロアリール−、
(C3−C10)−脂環式−(C1−C12)−脂肪族−
(C6−C10)−アリール−(C1−C12)−脂肪族−、
(C3−C10)−ヘテロシクリル−(C1−C12)−脂肪族、もしくは
(C5−C10)−ヘテロアリール−(C1−C12)−脂肪族−であり、ここで、3つまでの脂肪族炭素原子は、O、N、N(R)、S、SO、およびSOから選択される基によって置換され得、ここで、Rは、Rから独立して選択される6つまでの置換基によって必要に応じて置換され;
Tは、直接結合、もしくは(C1−C6)脂肪族であり、ここで、T内の2つまでの脂肪族炭素原子は、化学的に安定した配置で、S、SO、SO、O、N、もしくはN(R)によって必要に応じて置換され得;ここで、それぞれのTは3つまでのR置換基によって必要に応じて置換され;
は、必要に応じて置換された(C6−C10)−アリールもしくは(C5−C10)−ヘテロアリールであり;
該プロセスは、
(a)式(III):
【化14】

の化合物と、
式(X):
【化15】

の化合物とを、カップリングの条件および溶媒の存在下で反応させる工程を包含し、ここで:
10は、−NO、−C(O)OR11、−CN、RC(O)N(H)−、RSON(H)−、ROC(O)N(H)−、(RNC(O)N(H)−、RC(O)C(O)N(H)−、(RNC(O)C(O)N(H)−、もしくはROC(O)C(O)N(H)−であり;
、R、およびR11は、上記に定義するとおりであり;
Yはカルボニル基もしくはOH基のいずれかであり;そしてR、RおよびRは、上記に定義するとおりであり;
ただし、YがOH基である場合は、該プロセスは、(b)該OH基を酸化して、式(I)の化合物を提供する工程をさらに包含し;そして、
ただし、R10が−NO、−C(O)OR11、もしくは−CNである場合は、該プロセスは、該−NO、−C(O)OR11、もしくは−CNを、RC(O)N(H)−、RSON(H)−、ROC(O)N(H)−、(RNC(O)N(H)−、RC(O)C(O)N(H)−、(RNC(O)C(O)N(H)−、もしくはROC(O)C(O)N(H)−に変換するさらなる工程を包含する、プロセス。

【公表番号】特表2008−521809(P2008−521809A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543346(P2007−543346)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/042139
【国際公開番号】WO2006/057961
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】