説明

3次元再構成のための放射線画像法並びにその方法を実施するコンピュータプログラムおよび装置

【課題】3次元再構成のための放射線画像法を提供する。
【解決手段】3次元再構成のための放射線画像法であって、オブジェクトを表すモデルの3次元形状は、公知のオブジェクトの幾何学的モデルから算出し、2つの画像において見られる幾何学的パターン、および、放射線源の位置の知識から推定される、オブジェクトの体積から得られる。オブジェクトの推定値を用いることによって、オブジェクトを表すモデルの幾何学的特徴を設定することができる情報を含む、幾何学的モデルを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元再構成のための放射線画像法並びにその方法を実施するコンピュータプログラムおよび装置に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、照準領域において画像化する少なくとも1つのオブジェクトの3次元モデルを算出し、3次元再構成のための、前記オブジェクトは少なくとも1つの特徴部を有する放射線画像法であって、c)前記オブジェクトを表すモデルの3次元形状は、公知のオブジェクトの幾何学的モデルに基づいて算出するステップを、含む。
【背景技術】
【0003】
例として、このような方法は、仏国特許出願公開第0008123号明細書に記載されており、ユーザは、手作業で前記オブジェクトに属する制御マークを識別しなくてはならない。前記制御マークは、各画像内の点、セグメント、直線、円弧、外形、輪郭等であってもよい。従って、ユーザに対して、長い時間、制御マークを正確に設定するための解剖学の知識、高い精度、投影のバイアス効果を実質的に推定することを、同時に要する。あまり専門的知識のない作業員が行う場合、莫大な人的介入により、特に再構成の再現性が特に制限される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の特定の目的は、専門家による介入を制限する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このために、本発明によれば、課題となっているそのような方法は、ステップb)は、前記オブジェクトの前記特徴部の体積に基づいて、前記オブジェクトの少なくとも1つの幾何学的特徴に対応する、少なくとも1つの推定値を算出し、画像を撮影する間、2つの非並列画像撮影方向に沿った放射源から得た前記照準領域の2つの2次元放射線画像に見られる、少なくとも1つの幾何学的パターン、および、前記放射源から、前記体積を推定し、前記幾何学的モデルは、同じ種類のオブジェクトの3次元形状に対応した情報を含み、前記オブジェクトを表すモデルの前記幾何学的特徴を、前記推定値から推定することを含む。
【0006】
これらの構成により、エラーを発生しやすい、オブジェクトの各画像内の多数のマークを識別する処理を、幾何学的モデルに含まれる同じ種類のオブジェクトに関する確実な情報と置き換える。そして、専門家でなくても識別できる少ない数の入力に基づいて、特定のモデルの形状を素早く、簡単に復元することができる。
【0007】
本発明の好ましい実施例では、以下の1つ以上の態様を任意的に実施してもよい。
【0008】
前記ステップc)は、c1)少なくとも各画像に見られる前記幾何学的パターンから得た情報に基づいて、前記オブジェクトに対応したローカル基準系(X、Y、Z)を推定するステップと、c2)前記推定値を用いて、前記幾何学的モデル上の推論により、前記ローカル基準系内の前記オブジェクトに関する制御マークの3次元位置を決めるステップと、c3)前記オブジェクトに対応する所定の共通モデルを変形することによって算出したモデルの3次元形状を計算するステップと、を含み、前記ステップc3)においては、前記共通モデルは、前記制御マークに対応するマークを有し、前記オブジェクトを表す前記算出したモデルを前記共通モデルの等長変換に近い形状に近似しつつも、変形した前記共通モデルと前記制御マークとの間の一致を維持することを含む。
【0009】
前記幾何学的モデルは、少なくとも1つの特性に対応した幾何学的情報を含むデータベースから構成され、当該特性は、1組の同じ種類の前記オブジェクトの前記制御マークの座標と、1組の同じ種類の前記オブジェクトの特徴次元と、を含む。
【0010】
前記ステップc)は、前記推定値を予測値として用いることにより、前記データベースに基づく統計的な推論により実行される。
【0011】
前記ステップb)の間、第1の画像を撮影しながら、前記体積は、前記オブジェクトの前記特徴部を当該第1の画像および第1の放射源の軌道に投影して導出した、少なくとも1つの前記幾何学的パターンで定義したルールド面から定義され、前記ルールド面は、第2の画像を撮影しながら、前記オブジェクトの前記特徴部を当該第2の画像および第2の放射源の軌道に投影して導出した、少なくとも1つの前記幾何学的パターンで定義される。
【0012】
前記幾何学的パターンは、各画像上でユーザが手作業で識別される。
【0013】
前記幾何学的パターンは、各画像をデジタル処理によって決定し、当該画像の輝度を分析することによって得られる。
【0014】
α)脊椎体の推定される特徴線を算出するステップと、β)一度直線化した前記特徴線が実質的に直線セグメントとなるように、第1の変形を実施することにより、画像を直線化するステップと、前記直線化した画像に対して前記デジタル処理を実施し、少なくとも1つの前記直線化した幾何学的パターンを得るステップと、ζ)ステップβ)で得た前記直線化した幾何学的パターンに適用することにより、前記幾何学的パターンを得るステップと、を含み、前記ステップζ)においては、前記第2の変形は、前記直線化した画像に適用して得たパターンが元の画像のパターンの近傍に位置することを含む。
【0015】
前記オブジェクトが脊椎であり、各画像上において、γ)各脊椎体を投影することから導出した側面を推定するステップと、δ)脊椎間を含む照準領域のゾーンを投影することにより導出した画像の最も低い濃度レベルの少なくとも1つの前記ゾーンを推定するステップと、ε)前記側面を有する前記脊椎間の交点として、前記幾何学的パターンの少なくとも1つのコーナーを定めるステップと、を実行し、ステップδ)においては、前記ゾーンは、画像の輝度特性を分析することにより、側面に対して実質的に垂直であることを含む。
【0016】
前記ステップδ)の間に、δ1)平均輝度値は、画像面の前記特徴線に垂直な画像のピクセルの各線に対して推定し、δ2)前記脊椎間の投影は、輝度閾値を前記平均値に適用することにより推定する。
【0017】
前記ステップγ)の間に、前記脊椎体の前記側面投影は、前記幾何学的モデルから推定される最初の側面を変形することにより推定する。
【0018】
ステップγ)の間に、前記側面の前記投影は、前記画像のコントラストで示されるコスト関数および脊椎体のデータベースから推定される前記脊椎体の平均側面を最小化することによって推定される。
【0019】
前記オブジェクトは脊椎の一部であり、ステップα)の間に、前記特徴線は、ユーザが提供されるとおりに投影した前記脊椎の適切な数の点を補間することによって算出される。
【0020】
各画像の各ピクセルに対して得た光度を、同じ前記オブジェクトの圧縮したぼやけた画像の輝度値で分割する。
【0021】
前記圧縮したファジー画像は、隣接するピクセルの前記輝度値の加重平均を各ピクセルに対して取得した各ピクセルに関する、各画像平均輝度値を再調整することによって得られる。
【0022】
少なくとも1つの介入する解剖学的構造による介入は、当該解剖学的構造について公知である特徴に基づいて得た、前記介入する解剖学的構造の影響を表す減衰画像を前記画像から減算することによって、少なくとも1つの画像内で減る。
【0023】
ステップa)の間に、前記2つの画像は、走査方向における照準領域を同時に走査し、照準領域を通り抜ける、2つの非並列X線ビームから信号を検出し、照射面を形成することによって得られ、前期走査方向は前記照射面と同一平面となる。
【0024】
前記走査を検出と適切に同期し、照準領域の同じゾーンから入力する連続信号を検出する間に積算される。
【0025】
別の態様では、本発明は、少なくとも1つの第2のオブジェクトをさらに含む照準領域で画像化されるように第1のオブジェクトの3次元モデルを算出し、3次元再構成のための、前記第1のオブジェクトおよび前記第2のオブジェクトそれぞれが、少なくとも1つの特徴部を有して、前記第1のオブジェクトと3次元関係を表す放射線画像法であって、c)公知のオブジェクトの幾何学的モデルから、前記第1のオブジェクトを表すモデルの3次元形状を算出するステップと、前記幾何学的モデルが、同じ種類のオブジェクトの前記3次元形状に対応した情報を含み、前記第1のオブジェクトを表すモデルの幾何学的特徴を前記推定値から推定できるステップと、を含み、前記ステップc)の公知のオブジェクトの幾何学的モデルから、前記第1のオブジェクトを表すモデルの3次元形状を算出するステップにおいては、ステップb)の間、体積に基づいて、少なくとも前記3次元関係に対応する少なくとも1つの推定値を算出し、2つの非並列画像撮影方向に沿った放射源から得た前記照準領域の2つの2次元放射線画像に見られる、各オブジェクトを表す少なくとも1つの幾何学的パターンと、画像を撮影する間の当該放射源と、から前記体積を推定することを含む。
【0026】
別の態様では、本発明は、照準領域で画像化する少なくとも1つのオブジェクトの3次元モデルを算出し、3次元再構成のための、前記オブジェクトは少なくとも1つの特徴部を有する放射線画像装置であって、
c)、前記オブジェクトの公知の幾何学的モデルから、前記オブジェクトを表すモデルの3次元形状を算出する手段と、
b)前記オブジェクトの前記特徴部の体積から、前記オブジェクトの少なくとも1つの幾何学的特徴に対応する少なくとも1つの推定値を算出する手段と、を備え、
前記体積は、2つの非並列画像撮影方向に沿って得られる前記照準領域の2つの2次元放射線画像に見られる少なくとも1つの幾何学的パターンと、前記放射源の位置とから推定され、
前記幾何学的モデルは、前記オブジェクトを表すモデルの前記幾何学的特徴を前記推定値から推定されるように、同じ種類の前記オブジェクトの3次元形状に対応した情報を含む。
【0027】
さらに別の態様では、本発明は、このような方法のステップを実行するためのプログラムコード部を含む、コンピュータプログラムを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の他の特徴および利点は、本願明細書に添付の図面を参照し、限定されない例によって与えられる実施形態から明らかとなろう。
【0029】
各図において、同じ参照は、同一または同様の要素を示す。
【0030】
図1は、3次元再構成のための放射線装置を示す。装置は、モータ駆動下において縦型ガイド3に沿って、両方向に並進3a移動可能な可動フレーム2を備える。
【0031】
フレームは、照準領域4を取り囲む。例えば、患者の骨格の骨の位置を観察するため、照準領域4において、立った状態(側湾症を患っている患者にとって重要)となるように、患者Pを立ち姿勢で配置する。
【0032】
可動フレーム2は、第1の放射源5と、領域4の向こう側の放射源5に面して配置される検出装置のセルの少なくとも1つの水平線6aを含む、第1の検出装置6とを有している。例として、検出装置6は、例えば、仏国特許追加公開第749402号明細書または仏国特許追加公開第754068号明細書に記載されるように、低量のガスを検出するガス検出装置であってもよい。もちろん、他の種類の検出装置を、本発明の条件で用いてもよい。
【0033】
放射源5は、検出装置6による検出に適した特定のX線における電離放射線を画像撮影方向7に放射するように構成される。画像撮影方向7は、患者Pの前後方向で、電離放射線の水平ビーム10を照準領域4において生成するために、X線は金属板等の照準マスク9に形成した水平スリット8を通過させる。
【0034】
また、可動フレーム2は、放射源5と同様の第2の放射源11と、範囲4の向こう側の放射源11に面して配置される、検出装置6と同様の第2の検出装置12のセルの少なくとも1つの水平線12aを含む。
【0035】
放射源11は、電離放射線を画像撮影方向13に放射するように構成される。画像撮影方向13は患者Pの横方向で、電離放射線の水平ビーム16を照準領域4において生成するために、金属板等の照準マスク15に形成した水平スリット14を通過する。
【0036】
もちろん、2つ以上の放射源および検出装置があってもよく、これらの各種の放射源の画像撮影方向を必要に応じて、互いに直交する配置以外に構成してもよく、水平にする必要もない。
【0037】
2つの検出装置6、12は、以下を備える、マイクロコンピュータ37またはその他の電子制御システムに接続している。
・少なくともキーボード18と、一般にマウス(図示せず)とを含む入力インターフェース
・少なくとも画面19を含む出力インターフェース
【0038】
また、マイクロコンピュータ37は、本願明細書に記載の方法を実行するように構成したコンピュータプログラムを実行する手段を有してもよい。
【0039】
また、マイクロコンピュータ37を、ガイド3に収容されるモーター駆動の駆動手段(図示せず)と、放射源5および11とに接続して、フレームの縦方向の移動と、および電離放射線の放射を制御する。
【0040】
検出は、純粋な直線検出装置(1回につき1本の線の画像)または任意のアスペクト比を有するマトリックス検出装置により行われてもよい。その放射源と検出装置の距離における動作の高さの比により与えられる、検出装置の受ける角度により、患者から拡散する放射線から発生する干渉信号を最小にする関数を推定することができる。受容角度が小さいと、任意の照射線に対して画像品質(ノイズが少ない)を向上したり、同等の画像品質に対して、より少ない照射線を用いたりすることができる。しかしながら、受容角度が小さすぎると、使用可能な放射源から放出するX線量が非常に小さくなってしまうので、使用可能な画像を得るのに必要な掃引速度が低下することになる。これらの2つの対立する効果の間の好ましい幾何学的妥協点は、中間受容角度に対して得られる。例えば、放射源から1.5メートル(m)の位置に、1ミリメートル(mm)から20ミリメートル(mm)の範囲の高さに検出装置を配置する。純粋な直線検出装置の分離力と同じレベルにおける分離力を走査方向に保つため、検出装置を所望の解像度以下の縦方向セグメントにセグメント化してもよい。
【0041】
掃引の間、より良い解像度を得るためには、患者の同じ部分から送信されるものの、連続瞬間における連続スライスにわたって配信される信号を加算することもできる。このような加算を、信号をデジタル化した後の段階と同様に、放射線を信号に変換する処理(電荷加算、アナログ加算)における早い段階で実行することができる。特に、例えば、移動一体型の検出装置の条件において、個々の測定時間における部品の移動がスライスの縦方向の大きさと確実に同じになるように、マイクロコンピュータ37によって適切に同期することにより達成される。
【0042】
上記装置は、次のように動作する。
【0043】
マイクロコンピュータ37を用いて、例えば、脊柱および骨盤を観察する患者の部位に一致する高さ、または実際には全骨格に対して、照準領域4で電離放射線ビーム10および16を走査させることによって、最初に患者Pの2つの放射線画像を撮影する。このために、フレームは、高さ70センチ(cm)以上、少なくとも1メートル以上移動可能であることが好ましい。
【0044】
この移動の間、検査中の患者の部位の2つのデジタル放射線画像は、マイクロコンピュータ37のメモリに保存される。例えば、それぞれ前後方向の画像および横方向の画像を、図3aに示すマイクロコンピュータの画面19で見ることができる。
【0045】
脊柱を参照することにより、本願明細書において方法が説明される。しかしながら、同様の方法を、1本の骨、1つの脊椎、靭帯構造等、または下肢、上肢等の1組の解剖学的構造の公知の知識を利用できる、いかなる単純な構造に対しても同様に、十分に用いることができる。
【0046】
放射線画像に示されるオブジェクトに関するデータベースもまた、利用することができる。特に図2に示すように、脊椎に関するデータベースであり、靭帯等の他の解剖学的構造に関するものであってもよい。
【0047】
データベースは、脊椎の特定の参照マークに関するデータを含んでもよい。例として、図2に示すような、脊椎の特性点C1〜C23の位置、各脊椎の特性長L1〜L8、オブジェクトの特徴であるセグメント、直線または円弧、および/または、オブジェクトの外形および輪郭を含む。
【0048】
特性点または線の座標は、例えば、ローカル基準系X、Y、Zで表すこともできる。記載の例では、Z軸は脊柱の軸方向に対応して、X軸は、X軸およびZ軸が脊椎20の前後方向面を定義するように算出され、Y軸は、上記X軸およびZ軸に直交している。また、基準フレームの原点Oを、脊椎の主「管」部の2つの軸端面の間に配置する。原点Oは、脊椎の主な部分の上部軸面をマークC1において通過するように配置される。前記マークC1から前記軸面の前端C7の距離が、前記上部軸面の前後方向断面の前端C7と後端C8との間の全距離の約3分の2に等しい。
【0049】
脊椎については、例えば、解剖学的位置の機能などの各種の副分類におけるデータベース中に分類されてもよい。例えば、胸椎を頚椎および腰椎と区別する場合である。あるいは、脊柱と考えられる各脊椎に対応して、データベースが利用される。健康な人々の脊椎または側湾症を患う人々の脊椎に関するデータベースの一部を確立することもできるし、同様に、体重、大きさ、年齢、または必要と思われる個人のいずれの任意のタイプのパラメータの関数として、各脊椎を特徴づけることができる。
【0050】
データベースから構築した幾何学的モデルが、データベースの代わりとなってもよい。例として、モデルは、データベースの各パラメータの統計的データ(平均、分散量等)や、実際には、前記オブジェクトの推定値パラメータの値に基づいて、特性点の任意のオブジェクト位置を決める数式を含んでもよい。データベースは、例えば、脊椎の角度方向およびその脊椎のレベルでの脊柱の湾曲等の、特定の対象の脊柱における脊椎の相対位置に関するデータについても含む。
【0051】
例えば、データベースから設定して、脊椎の数百から数千の点をメッシュして定められた共通モデルを利用することもできる。
【0052】
図3aに示す2つのX線図は、検出装置を含む平面に投影した、照準領域4を含む患者の体の部分のグレースケール画像を示す。患者の脊椎17の投影は、色の薄いゾーンの形で観察できる。このような色の薄いゾーンでは、例えば、2つの脊椎17の間の椎間18をより濃いゾーンで投影し、観察することができる。しかしながら、脊柱全体が観察できなくてもよい。側面図である図3aの例では、上部が見えないのは、患者の腕19が脊柱の識別に難しい色の薄いゾーンを形成しているからである。
【0053】
2つの図それぞれにおいて、例えば、画像化される構造を投影して得られる、幾何学的パターンの任意の数の点20を識別することができる。脊柱を投影して得られる幾何学的パターンの中心線として見られる任意の点等である。各図の各パターンの上部端および底部端の数個の点21を識別することもできる。例として、点20および21を、ユーザが手入力で提供してもよい。ユーザは、所定の点20および21、例えば、脊椎の上面または下面の所定の幾何学的位置に位置する特定の点を必ずしも入力する必要はないが、任意の線または表面のおおよそ属する、定義した幾何学的特徴を有する点を単に入力するのみである。
【0054】
各画像の点20を補間して、各図の中心線22を形成する。例えば、250マイクロメートル(μm)間隔を置いた1組の点で構成される。この線22は、前に配置した点21を含む、上部線24と底部線25との間の各図に伸びている。点20をユーザが入力する場合は、新規の中心線22が入力される新規の点20をそれぞれ算出して、新規の中心線22と前の中心線22との間の距離を求めることにより、線22のリアル感の程度をモニターすることができる。中心線22が基となる点20の数は、2つの連続する中心線22の間の距離が所定の値より小さくなったら、十分な数であると言える。
【0055】
次に、脊柱の投影の上部および底部の直線化部分D(24)とD(25)との間に伸びるセグメントD(22)の形でそれぞれ表されるように、各図の中心線22を直線化するために、変形範囲Dを全画像に適用する。従って、患者固有の脊柱の湾曲に対応し、特に、深刻な病理学的変形の場合に自動化方法の妨げになる制約を回避する。
【0056】
ダイナミックレンジが大きい画像環境でコントラストを徹底的に考察するためには、眼が最適に反応する中間調の範囲内に各コントラストが含まれるようにすることが重要である。中間調の平均が数ミリの範囲で各点が得られるように、元の画像を補正し、最初にファジー画像を生成することによって、効果的に達成することができる。次に、ファジー画像を元々の画像から減算する。従って、色の薄い部分や、光が多すぎたり少なすぎたりする条件において、あまり機能しない眼がとらえることが難しい色の濃い部分に含まれるコントラストを、最適に把握できるのは、すべて中間黒の範囲に入っているからである。しかしながら、ファジー画像を単に減算しただけでは、比較可能な輝度レベルで見える全器官によって、画像のダイナミックレンジが拡大する傾向があるので、全体的に画像の読取がさらに難しくなってしまう。従って、上記動作を実行する前に、ファジー画像のダイナミックレンジをある程度圧縮することが好ましい(例えば、一次関数またはγ関数を用いる)。ダイナミックレンジが減少したファジー画像を元の画像から減算することにより、コントラストを好ましい中間調範囲にし、同時に、放射線画像の従来の画像と互換性がある全体的なダイナミックレンジを画像に保存することができる。
【0057】
次に、脊柱の投影したパターンの側面D(23)を求める。図3bでは、上部線D(24)と底部線D(25)との間の中心線D(22)のどちらかの側に伸びる最初の側面を定義することにより開始できる。脊柱の投影に沿って、連続反復により、側面D(23)に近づくことができる。上記のように、例えば、前記はじめの側面近傍の光度の勾配ベクトルの強度に基づくことによって、定義したはじめの側面から開始する。側面の公知の幾何学的特性を利用することも可能である。例えば、典型的な幅が平均である、考察中の脊椎の種類に対して典型的な幅であり、データベースの脊椎の適した副分類を参照することができる(データベースに提供された健康な人々または側湾症を患う人々の大きさ、年齢、体重等に基づく)。
【0058】
椎間18の投影は、以下の直線化画像において見られる。直線化画像では、椎間の投影は実質的に、水平に伸びる濃い領域に対応している。従って、図3bの各図では、2つの側面D(23)の間の各画像線の光度の値の平均をとり、図3cに示すような中間調表現を得ることができる。左側および右側のストリップはそれぞれ、図3bの直線化画像の左側および右側に対応している。このデータは、演算により容易に処理できる1次元データである。例えば、脊柱の統計的特性にできる限り近くなるように、データベースで定義されるように、フィルタリングすることができる。次に、輝度閾値を適用することにより、観察した脊柱の椎間の投影の正確な位置を突き止めることができる。例えば、画像から得たデータが不十分であることが判明した場合に、データベースから得た統計的情報等を利用することができる。
【0059】
次に、椎間の投影位置を識別した直線化画像に対して、変形Dを反転した変形D-1といった、適切な変形を行うことにより、位置は図3dの画像に示すように得られる。各図で、各脊椎は、脊椎体の投影に対応する幾何学的パターンである4つのコーナー27、28に関する4つの点で表されている。
【0060】
あるいは、変形DおよびD-1の組み合わせを必ずしも用いる必要はない。その代わりとして、コーナーは、図3aの非直線化画像から直接検出される。
【0061】
あるいは、4つのコーナーをユーザが各図に単に手入力のみであり、正確な解剖学的知識を必要とされない。
【0062】
考察したオブジェクトにより、手作業で、または、1つおよび/または他の画像のパターンの外形を演算することによって識別できる。
【0063】
データベースを用いることにより、コーナー27、28、または前に得た外形に基づいて、脊柱の3次元モデルを再構成する。このために、以下の動作を行う。
【0064】
3次元での脊椎体の位置を特定するために、16個の3次元点を以下のように計算する。各図および各脊椎に対して、脊椎体を投影して得られる幾何学的パターンの側面および上部面および底部面を囲むルールド面を定義する。矢状断面に関して、矢状断面の脊椎体を投影することにより得られる幾何学的パターンの4つの点27と、走査する放射源11により定義される矢状ルールド面29を定義する。同様に、4つのコーナー28と放射源5を走査することにより定義した線とを用いることにより、正面ルールド面30を定義する。ルールド面29の輪郭と、ルールド面30の側面を含むルールド面との交点として、8個の3次元点を定義する。これらの8個の点が、矢状六面体31のコーナーを構成する。同様の方法で、ルールド面30の輪郭と、ルールド面29の側面を含むルールド面との交点を求めることにより、正面六面体32を得る。これらの2つの六面体31および32を図4bに示す。放射SおよびFの放射源を固定される特殊な場合である。
【0065】
2つの六面体31および32から関連情報を抽出することにより、脊椎体の体積を得る。特に、体積の側面の位置および向きを、六面体の各側面に対応付けられた六面体31および32の平均面として得る。その平均面を、2つの六面体31および32それぞれの上部面および底部面の中央の重心に配置することができる。正面および矢状断面の六面体31および32それぞれの上部面および底部面の投影に対して垂直ベクトルのベクトル積に基づいて、その平均面の向きを求める。これらの平均面および側面の交点により、六面体35の体積を定義することができる。次に、六面体35の体積の重心として、各脊椎体を算出する。
【0066】
脊椎に対応付けられた各六面体35の体積の投影から、脊椎の矢状および横方向の角度方向を算出する。脊柱の矢状および正面投影から得られる幾何学的パターンの中心線の曲線と、データベースからの情報とを用いて、各脊椎の軸方向の回転を推定する。これにより、前記重心に配置した各脊椎のローカル基準フレームX、Y、Zを定義することができる。
【0067】
各脊椎の六面体35の体積および計算した角度方向を用いることにより、脊椎体の幾何学的特徴を推定する。例えば、脊椎体の正面、背面、左右の高さ、幅、および、脊椎体の上部面と底部面の幅と奥行きであり、これらは、データベースの各脊椎の長さL1〜L8に対応する(図2)。必ずしも長さを推定する必要はないが、任意的に座標、範囲等を推定することができる。
【0068】
前記上記で定義した幾何学的特徴を推定値として用いることと、例えば線形回帰等の直線データベースを用いた統計的推論により、脊椎体の点C1〜C23または他の制御参照マークの位置を推定する。これにより、脊椎の基準ローカルフレームで考察されるオブジェクトの制御マークまたは点の3次元位置を構成する。前に推定したように、六面体の中心の位置および方向に基づいて、全体的な基準フレームで表すことができる。3次元方向のセグメントから、あるいは、他の幾何学的プリミティブから制御マークを得てもよい。
【0069】
課題となる脊椎を表すモデルの3次元形状を算出する。算出したモデルは、データベースから得た共通モデルを変形することで得られる、算出したモデルが共通モデルを等長変換した形状にできる限り近くなるように、変形した共通モデルの制御マークと、前に定めた制御マークの3次元における位置との一致を維持するように変形して、共通モデルの全ての点が結び付けられる。
【0070】
特に、クリギングとして公知の方法により、検査中の各オブジェクトの3次元モデルを得ることができる。
【0071】
次に、得られたモデルを、正面および矢状面に任意的に投影して、その投影とX線画像との間で完全に一致するように、再び正確に変形してもよい。
【0072】
脊柱で特別な場合は、体積を各画像の脊椎体の投影に対応付けられた幾何学的パターンから定めてもよいが、対応する脊椎の両方の推定値を推定するために、隣接する対の脊椎の間の椎間の投影に対応する幾何学的パターンを識別したものを利用することもできる。
【0073】
特定の再構成方法は本願明細書で記述されるが、体積から求められる推定値を用いることによってモデルが決定されるいかなる方法が本発明に含まれる。特に、推定値を用いてデータベースから共通モデルを選択してもよい。モデルは、オブジェクトの画像に繰り返し投影して、オブジェクトの画像に近づくために変形される。
【0074】
図3に示すように、特定利用に関して、特定の構造がオブジェクトを視る妨げとなることがある。例えば、腕が、上部胸椎の妨げとなるような場合である。一旦骨の外観を再構成すると、ビームパラメータ(例えば、電源の電圧および電流、放射源とオブジェクトの間の距離等)の知識に基づいて行うことができる。そして、遮蔽体として振舞う骨の均一性について特定の仮定を行なうことによって、前記遮蔽体を形成する骨による減衰率と、前記骨の放射線学的性質を定め、各平面図の各点を求める。次に、例えば単に減算することにより減衰した形で現れる遮蔽体を形成する骨の構造は、もっと読み取りやすい画像で再構成することができる。例えば、これを応用して、脊椎をより読み取りやすくするために、上腕骨等の骨を削除したり、あるいは、椎間板をよりはっきりと見えるように、脊椎を削除したりする。
【0075】
従って、人または動物の部位、特に、骨または軟骨の部位の画像化に用いることができる、効果的な検査器具を提供する。この器具は、側湾症の診断、または、手術を行う場合の術前術後の観察に有用である。
【0076】
もちろん、検査中の構成体の幾何学的配置のいずれかに対応した、所定の臨床的指数を算出することもできる。あるいは、必要に応じて、放射線画像から推定されるように、検査されるオブジェクトの構成または密度を算出することもできる。
【0077】
必要に応じ、放射線装置1を適用することは、外傷を受けたうつ伏せの患者の検査に欠かせない。このような状況では、患者Pを支持台にうつ伏せにして、放射源5、11が検出装置6、12とともに水平に移動して、電離放射線10および16のビームがともに鉛直面を照射するようにする。
【0078】
もちろん、前述のように、本発明を実施するために、2つのマスク(例えば、2つの別個のスリットを1枚の金属板に形成する)を用いて、2つのビームに対向して、放射源およびマスクに同期して移動する2つの検出装置を用いることにより、1つの放射源から発生する2つの非並列イオン化ビームを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態を構成し、患者の正面画像および側面画像を撮影可能な放射線装置の概略図である。
【図2】脊椎に対応する幾何学的モデルの斜視図である。
【図3a】患者の脊柱正面および側面X線画像である。
【図3b】図3aに対応する直線化後の画像である。
【図3c】図3bのそれぞれに対応し、図3bの縦軸に沿って得られた輝度値を示す図である。
【図3d】図3aに対応して、幾何学的パターンの特性点を識別した図である。
【図4a】図3dに示す識別した点から各脊椎体の体積の求め方を示す斜視図である。
【図4b】図3dに示す識別した点から各脊椎体の体積を求め方を示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照準領域において画像化する少なくとも1つのオブジェクトの3次元モデルを算出し、3次元再構成のための、前記オブジェクトは少なくとも1つの特徴部を有する放射線画像法であって、
c)前記オブジェクトを表すモデルの3次元形状は、公知のオブジェクトの幾何学的モデルに基づいて算出するステップを、含み、
ステップb)は、前記オブジェクトの前記特徴部の体積に基づいて、前記オブジェクトの少なくとも1つの幾何学的特徴に対応する、少なくとも1つの推定値を算出し、画像を撮影する間、2つの非並列画像撮影方向に沿った放射源(5、11)から得た前記照準領域の2つの2次元放射線画像に見られる、少なくとも1つの幾何学的パターン(17)、および、前記放射源から、前記体積を推定し、
前記幾何学的モデルは、同じ種類のオブジェクトの3次元形状に対応した情報を含み、前記オブジェクトを表すモデルの前記幾何学的特徴を、前記推定値から推定する、放射線画像法。
【請求項2】
前記ステップc)は、
c1)少なくとも各画像に見られる前記幾何学的パターン(17)から得た情報に基づいて、前記オブジェクトに対応したローカル基準系(X、Y、Z)を推定するステップと、
c2)前記推定値を用いて、前記幾何学的モデル上の推論により、前記ローカル基準系内の前記オブジェクトに関する制御マークの3次元位置を決めるステップと、
c3)前記オブジェクトに対応する所定の共通モデルを変形することによって算出したモデルの3次元形状を計算するステップと、を含み、
前記ステップc3)においては、前記共通モデルは、前記制御マークに対応するマークを有し、前記オブジェクトを表す前記算出したモデルを前記共通モデルの等長変換に近い形状に近似しつつも、変形した前記共通モデルと前記制御マークとの間の一致を維持することを含む、請求項1に記載の放射線画像法。
【請求項3】
前記幾何学的モデルは、少なくとも1つの特性に対応した幾何学的情報を含むデータベースから構成され、当該特性は、
1組の同じ種類の前記オブジェクトの前記制御マークの座標と、
1組の同じ種類の前記オブジェクトの特徴次元と、を含む請求項1または2に記載の放射線画像法。
【請求項4】
前記ステップc)は、前記推定値を予測値として用いることにより、前記データベースに基づく統計的な推論により実行される、請求項3に記載の放射線画像法。
【請求項5】
前記ステップb)において、前記体積(35)は、第1の画像を撮影しながら、前記オブジェクトの前記特徴部を当該第1の画像および第1の放射源(5)の軌道に投影して導出され、少なくとも1つの前記幾何学的パターンによって定義したルールド面と、
第2の画像を撮影しながら、前記オブジェクトの前記特徴部を当該第2の画像および第2の放射源(11)の軌道に投影して導出された、少なくとも1つの前記幾何学的パターンによって定義されるルールド面と、から定められる、請求項1から4いずれかに記載の放射線画像法。
【請求項6】
前記幾何学的パターン(17)は、各画像上でユーザによって手作業で識別される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記幾何学的パターン(17)は、各画像をデジタル処理によって決定し、当該画像の輝度を分析することによって得られる、請求項5に記載の放射線画像法。
【請求項8】
α)脊椎体の推定される特徴線(22)を算出するステップと、
β)一度直線化した前記特徴線が実質的に直線セグメントとなるように、第1の変形を実施することにより、画像を直線化するステップと、
前記直線化した画像に対して前記デジタル処理を実施し、少なくとも1つの前記直線化した幾何学的パターンを得るステップと、
ζ)ステップβ)で得た前記直線化した幾何学的パターンに適用することにより、前記幾何学的パターン(17)を得るステップと、を含み、
前記ステップζ)においては、前記第2の変形は、前記直線化した画像に適用して得たパターンが元の画像のパターンの近傍に位置することを含む、請求項7に記載の放射線画像法。
【請求項9】
前記オブジェクトが脊椎であり、各画像上において、
γ)各脊椎体を投影することから導出した側面(23)を推定するステップと、
δ)脊椎間を含む照準領域のゾーンを投影することにより導出した画像の最も低い濃度レベルの少なくとも1つの前記ゾーンを推定するステップと、
ε)前記側面を有する前記脊椎間の交点として、前記幾何学的パターン(17)の少なくとも1つのコーナー(27、28)を定めるステップと、を実行し、
ステップδ)においては、前記ゾーンは、画像の輝度特性を分析することにより、側面に対して実質的に垂直であることを含む、請求項7または8に記載の放射線画像法。
【請求項10】
前記ステップδ)の間に、
δ1)平均輝度値は、画像面の前記特徴線(22;D(22))に垂直な画像のピクセルの各線に対して推定し、
δ2)前記脊椎間の投影は、輝度閾値を前記平均値に適用することにより推定する、請求項9に記載の放射線画像法。
【請求項11】
前記ステップγ)の間に、前記脊椎体の前記側面(23)投影は、前記幾何学的モデルから推定される最初の側面を変形することにより推定される、請求項9または10に記載の放射線画像法。
【請求項12】
ステップγ)の間に、前記側面(23)の前記投影は、前記画像のコントラストで示されるコスト関数および脊椎体のデータベースから推定される前記脊椎体の平均側面を最小化することによって推定される、請求項9から11のいずれかに記載の放射線画像法。
【請求項13】
前記オブジェクトは脊椎の一部であり、ステップα)の間に、前記特徴線(22)は、ユーザが提供されるとおりに投影した前記脊椎の適切な数の点(20)を補間することによって算出される、請求項8から12のいずれかに記載の放射線画像法。
【請求項14】
各画像の各ピクセルに対して得た光度を、同じ前記オブジェクトの圧縮したファジー画像の輝度値で分割する、請求項1から13にいずれかに記載の放射線画像法。
【請求項15】
前記圧縮したファジー画像は、隣接するピクセルの前記輝度値の加重平均を各ピクセルに対して取得した各ピクセルに関する、各画像平均輝度値を再調整することによって得られる、請求項14に記載の放射線画像法。
【請求項16】
少なくとも1つの介入する解剖学的構造(19)による介入は、当該解剖学的構造について公知である特徴に基づいて得た、前記介入する解剖学的構造の影響を表す減衰画像を前記画像から減算することによって、少なくとも1つの画像内で減る、請求項1から15いずれかに記載の放射線画像法。
【請求項17】
ステップa)の間に、前記2つの画像は、走査方向(3a)における照準領域を同時に走査し、照準領域を通り抜ける、2つの非並列X線ビーム(10、16)から信号を検出し、照射面を形成することによって得られ、前期走査方向は前記照射面と同一平面となる、請求項1から16のいずれかに記載の放射線画像法。
【請求項18】
前記走査を検出と適切に同期し、照準領域の同じゾーンから入力する連続信号を検出する間に積算される、請求項17に記載の放射線画像法。
【請求項19】
少なくとも1つの第2のオブジェクトをさらに含む照準領域で画像化されるように第1のオブジェクトの3次元モデルを算出し、3次元再構成のための、前記第1のオブジェクトおよび前記第2のオブジェクトそれぞれが、少なくとも1つの特徴部を有して、前記第1のオブジェクトと3次元関係を表す放射線画像法であって、
c)公知のオブジェクトの幾何学的モデルから、前記第1のオブジェクトを表すモデルの3次元形状を算出するステップと、
前記幾何学的モデルが、同じ種類のオブジェクトの前記3次元形状に対応した情報を含み、前記第1のオブジェクトを表すモデルの幾何学的特徴を前記推定値から推定できるステップと、を含み、
前記ステップc)の公知のオブジェクトの幾何学的モデルから、前記第1のオブジェクトを表すモデルの3次元形状を算出するステップにおいては、ステップb)の間、体積に基づいて、少なくとも前記3次元関係に対応する少なくとも1つの推定値を算出し、2つの非並列画像撮影方向に沿った放射源(5、11)から得た前記照準領域の2つの2次元放射線画像に見られる、各オブジェクトを表す少なくとも1つの幾何学的パターン(17)と、画像を撮影する間の当該放射源と、から前記体積を推定することを含む、放射線画像法。
【請求項20】
照準領域で画像化する少なくとも1つのオブジェクトの3次元モデルを算出し、3次元再構成のための、前記オブジェクトは少なくとも1つの特徴部を有する放射線画像装置であって、
c)、前記オブジェクトの公知の幾何学的モデルから、前記オブジェクトを表すモデルの3次元形状を算出する手段と、
b)前記オブジェクトの前記特徴部の体積から、前記オブジェクトの少なくとも1つの幾何学的特徴に対応する少なくとも1つの推定値を算出する手段と、を備え、
前記体積は、2つの非並列画像撮影方向に沿って得られる前記照準領域の2つの2次元放射線画像に見られる少なくとも1つの幾何学的パターン(17)と、前記放射源(5、11)の位置とから推定され、
前記幾何学的モデルは、前記オブジェクトを表すモデルの前記幾何学的特徴を前記推定値から推定されるように、同じ種類の前記オブジェクトの3次元形状に対応した情報を含む、放射線画像装置。
【請求項21】
請求項1から19いずれかに記載の方法のステップを実行するためのプログラムコード部を含む、コンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−527434(P2006−527434A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516261(P2006−516261)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001394
【国際公開番号】WO2004/111948
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(505450744)バイオスペース インスツルメンツ (1)
【出願人】(505351201)セントレ ナシオナル デ ラ ルシェルシェ シエンティフィーク セエヌエールエス (14)
【Fターム(参考)】