説明

4×4スイッチ

【課題】順列出力が可能で、かつ、各信号経路間、ポート間の特性の均一性が得られる4×4スイッチを提供する。
【解決手段】2×2スイッチを5個用い、信号入力端子1〜1を接続する第1、第2の2×2スイッチ12,12と後段に配置する第3、第4の2×2スイッチ12,12との間を第1〜第4の伝送線路521〜524で接続し、第3、第4の2×2スイッチ12,12それぞれの一方の出力端子を第5の2×2スイッチ12に、他方の出力端子を抵抗425,426を介して第5、第6の伝送線路525,526の一端に接続する。第3、第4の2×2スイッチ12,12の他方の出力端子および第5、第6の伝送線路525,526の他端を、信号出力端子2〜2に接続する。さらに、第5、第6の伝送線路525,526の他端と第1、第4の信号出力端子2,2との接続点に第1、第2のオープンスタブ531,532を接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4入力4出力の4×4スイッチに関し、特に、電界効果トランジスタ(FET)等をオン/オフすることにより信号経路を切り替える4入力4出力(4×4)スイッチに関わる。
【背景技術】
【0002】
Field Effect Transistor(FET:電界効果トランジスタ)を用いたSingle−Pole n−Throw(SPnT:単極n投)スイッチやn−Pole n-Throw(nPnT:n極n投)スイッチは、広帯域、低消費電力および高速切替速度という特徴から、無線通信用携帯端末の送受切替スイッチや、入力信号を任意の出力に切り替えて出力する多入力多出力のスイッチマトリクスなどに広く利用されている。
【0003】
従来より、スイッチマトリクスのポート数すなわち入出力信号端子数を増加させる手法として、複数の2入力2出力(2×2)スイッチを多段接続して構成する手法が知られている。多入力多出力のスイッチマトリクス構成のうち、4入力4出力の4×4スイッチについて、特許文献1の特開2005−323297号公報「4×4スイッチおよび8×8スイッチ」に記載されている従来例がある。図7は、前記特許文献1に記載された従来の4×4スイッチのブロック構成を示すブロック構成図である。
【0004】
図7における従来の4×4スイッチは、5個の2×2スイッチ12〜12と6本の伝送線路521〜526とによって構成されており、最少の2×2スイッチ数で4個の信号入力端子1〜1に入力される入力信号を4個の信号出力端子2〜2のいずれにも出力することが可能な構成つまり順列出力可能な構成となっている。さらに、第1、第2の2×2スイッチ12,12と第3、第4の2×2スイッチ12,12との間を接続する第1ないし第4の伝送線路521〜524の配線長を等長にし、かつ、第5の2×2スイッチ12の通過特性(振幅・位相)と同等の通過特性を有する第5、第6の伝送線路525,526を備えることによって、信号経路毎の通過特性を均一にすることが期待される構成とされている。
【0005】
さらに、前記特許文献1には、図7の2×2スイッチ12〜12として、FETを用いたSPDTスイッチ(単極双投スイッチ)により構成した図8中に示すような回路構成が記載されている。図8は、前記特許文献1に記載された従来の4×4スイッチの回路構成を示す回路図である。
【0006】
図8中に示すような2×2スイッチ12〜12の回路構成を適用して、4×4スイッチを構成した場合、信号線がグランドに接続されていないことから、直流成分を有する信号についても、そのまま、切り替えて出力することができる。したがって、汎用性のあるスイッチを構成することができるとともに、所要FET数が少なくて済むことから、スイッチを小型化することができるという利点も得られる。
【0007】
また、SPDTスイッチを動作させる閾値電圧が負電圧であるノーマリーオン型FETを用いた場合においても、FETのソース/ドレインの電位を持ち上げることができ、正電源動作が可能になるという特徴も兼ね備えている。さらに、図8に示すように、第5の2×2スイッチ12のSPDTスイッチを構成するFETのON抵抗とほぼ同一の抵抗値を有する抵抗425,426を第5、第6の伝送線路525,526と直列に挿入することにより、挿入損失の信号経路依存性が少ないスイッチを実現することが期待されている。
【0008】
しかしながら、図8に示すような従来の回路構成においては、高周波領域で特性のポート間均一性を保つことが困難になるという問題点が生じる。つまり、例えば、第5の2×2スイッチ12においては、SPDTスイッチとして、FET391,3101がON、FET392,3102がOFFという“バー”接続状態と、FET391,3101がOFF、FET392,3102がONという“クロス”接続状態との切り替えが行われる。
【0009】
したがって、第5の2×2スイッチ12においては、第2の信号出力端子2、第3の信号出力端子2それぞれからOFF状態のFETまでの伝送線路(“バー”接続状態の場合、第5の2×2スイッチ12内の第2、第4の伝送線路592,5102、“クロス”接続状態の場合、第5の2×2スイッチ12内の第1、第3の伝送線路591,5101)が、オープンスタブとして動作し、当該第5の2×2スイッチ12とは接続されていない第1、第4の信号出力端子2,2への信号経路と比較して、等価的に容量成分が増加してしまい、高周波領域における通過特性としてポート間の均一性を保つことが困難になってしまう。
【0010】
かくのごとき問題点は、2×2スイッチを6個使用する構成を採用することによって解決することができるが、制御端子数および回路規模が増大してしまい、スイッチの小型化を阻害してしまうという問題点が生じる。
【特許文献1】特開2005−323297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前述のような従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、所要構成要素や所要単位スイッチ数が少ない構成において、いずれの信号入力端子に入力される入力信号であっても信号出力端子のいずれにも出力することができる順列出力が可能であって、かつ、各信号経路の通過特性を均一にし、ポート間特性の均一性が得られる4×4スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、前述の課題を解決するために、以下のごとき各技術手段から構成されている。
【0013】
第1の技術手段は、4個の信号入力端子と、第1ないし第5の5個の2×2スイッチと、4個の信号出力端子と、2個の伝送手段とを少なくとも備え、
前記第1ないし第5の5個の2×2スイッチは、それぞれ、第1および第2の入力端子と第1および第2の出力端子とを備え、
前記第1および第2の入力端子それぞれに入力された信号を、前記第1および第2の出力端子、または、前記第2および第1の出力端子にそれぞれ出力し、
前記4個の信号入力端子それぞれは、前記第1および第2の2×2スイッチそれぞれの第1および第2の入力端子にそれぞれ接続され、
前記第1の2×2スイッチの第1の出力端子は、前記第3の2×2スイッチの第1の入力端子に接続され、前記第2の2×2スイッチの第1の出力端子は、前記第3の2×2スイッチの第2の入力端子に接続され、前記第1の2×2スイッチの第2の出力端子は、前記第4の2×2スイッチの第1の入力端子に接続され、前記第2の2×2スイッチの第2の出力端子は、前記第4の2×2スイッチの第2の入力端子に接続され、
前記第3および第4の2×2スイッチの第1の出力端子それぞれは、前記2個の伝送手段の一端にそれぞれ接続され、前記第3および第4の2×2スイッチの第2の出力端子それぞれは、前記第5の2×2スイッチの第1および第2の入力端子にそれぞれ接続され、
前記4個の信号出力端子それぞれは、前記2個の伝送手段の他端と前記第5の2×2スイッチの第1および第2の出力端子とにそれぞれ接続され、
前記2個の伝送手段それぞれを通過する信号の通過時間が、前記第5の2×2スイッチを通過する信号の通過時間と同一となるように設定した4×4スイッチであって、
前記第1ないし第4の4個の2×2スイッチは、すべて、同一構成で、かつ、それぞれの接続経路の長さが等長であり、一方、前記第5の2×2スイッチは、1個の共通端子と2個の個別端子とをそれぞれに有する第1および第2の単極双投スイッチと、第1ないし第4の4本の伝送線路と、から構成され、
前記第1の単極双投スイッチの前記2個の個別端子それぞれは、前記第1および第2の伝送線路の一端にそれぞれ接続され、前記第2の単極双投スイッチの前記2個の個別端子それぞれは、前記第3および第4の伝送線路の一端にそれぞれ接続され、
前記第1ないし第5の5個の2×2スイッチの第1および第2の入力端子のそれぞれまたは第1および第2の出力端子のそれぞれが、前記第1および第2の単極双投スイッチの前記共通端子にそれぞれ接続され、
前記第1ないし第5の5個の2×2スイッチの第1および第2の出力端子のそれぞれまたは第1および第2の入力端子のそれぞれが、前記第1および第3の伝送線路の他端同士の接続点、および、前記第2および第4の伝送線路の他端同士の接続点にそれぞれ接続され、
さらに、第1および第2のオープンスタブを備え、前記第1および第2のオープンスタブそれぞれが、前記2個の伝送手段の他端と前記信号出力端子との接続点にそれぞれ接続されてなることを特徴とする。
【0014】
第2の技術手段は、前記第1の技術手段に記載の4×4スイッチにおいて、前記第1および第2のオープンスタブに代わり、第1および第2のキャパシタを備え、前記第1および第2のキャパシタそれぞれの一端が、前記2個の伝送手段の他端と前記信号出力端子との接続点それぞれに接続され、前記第1および第2のキャパシタそれぞれの他端が、接地されてなることを特徴とする。
【0015】
第3の技術手段は、前記第1または第2の技術手段に記載の4×4スイッチにおいて、前記4個の信号入力端子と前記4個の信号出力端子とを入れ替えた構成とすることを特徴とする。
【0016】
第4の技術手段は、前記第1ないし第3の技術手段のいずれかに記載の4×4スイッチにおいて、前記2個の伝送手段それぞれの挿入損失または利得が、前記第5の2×2スイッチの挿入損失または利得と、所望の帯域において同一となるように設定したことを特徴とする。
【0017】
第5の技術手段は、前記第1ないし第3の技術手段のいずれかに記載の4×4スイッチにおいて、2個の抵抗をさらに備え、前記2個の抵抗のそれぞれは、前記2個の伝送手段それぞれに直列に接続され、前記直列に接続された抵抗と前記伝送手段との合計の挿入損失または利得が、それぞれ、前記第5の2×2スイッチの挿入損失または利得と、所望の帯域において同一となるように設定したことを特徴とする。
【0018】
第6の技術手段は、前記第1ないし第5の技術手段のいずれかに記載の4×4スイッチにおいて、前記2個の伝送手段、前記第1および第2のオープンスタブ、前記第1ないし第5の2×2スイッチ内の前記第1ないし第4の伝送線路、および、前記第1ないし第5の2×2スイッチ間を接続する伝送線路、のすべてまたは一部が、ストリップライン、マイクロストリップライン、スロットライン、コプレーナ導波路、あるいは、同軸線路のいずれかを用いて構成されることを特徴とする。
【0019】
第7の技術手段は、前記第1ないし第6の技術手段のいずれかに記載の4×4スイッチにおいて、前記第1ないし第4の4個の2×2スイッチが、それぞれ、少なくとも2個以上の単極双投スイッチを用いて構成されることを特徴とする。
【0020】
第8の技術手段は、前記第1ないし第7の技術手段のいずれかに記載の4×4スイッチにおいて、前記第1ないし第5の5個の2×2スイッチをそれぞれ構成する前記単極双投スイッチが、少なくとも2個以上のFETを用いて構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係わる4×4スイッチによれば、5個の2×2スイッチを使用する回路構成において、スイッチのON/OFFによって生じる信号経路上のオープンスタブの影響を相殺する構成を採用しているので、以下のごとき効果を奏することができる。
【0022】
本発明に係わる4×4スイッチは、FET等の所要構成要素が少ない2×2スイッチを5個使用する構成であっても、信号の通過特性およびポート間特性の均一性が高く、かつ、任意の信号入力端子の入力信号を任意の信号出力端子に出力することができる順列出力が可能なスイッチを実現することができる。また、スイッチを動作させる閾値電圧が負電圧であるノーマリーオン型FETを用いた場合においても、FETのソース/ドレインの電位を持ち上げることができ、正電源動作が可能になるという特徴も兼ね備えている。
【0023】
このため、制御端子数が少なく、かつ、回路規模も小さい4×4スイッチを提供することができるため、イーサネット(登録商標)などのLAN用のスイッチやルータの小型化・高性能化に資するところが大である。また、正電源動作も可能になるため、無線通信端末の小型高性能化にも寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、本発明に係わる4×4スイッチの最良の実施の形態について、その一例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
(本発明の特徴)
本発明の実施の形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明に係わる4×4スイッチは、構成要素(例えば、FETなど)が少ない2×2スイッチを5個使用する回路構成において、スイッチのON/OFFによって生じる信号経路上のオープンスタブの影響を相殺するように、特定の信号出力端子(例えば、5個目の2×2スイッチが挿入されていない信号出力端子)にオープンスタブまたはシャントキャパシタを挿入することを特徴としており、而して、各ポート間の容量成分などのインピーダンスを均一にして、各信号経路間の通過特性、各ポート間の特性を均一にすることを可能としている。
【0026】
(第1の実施の形態)
まず、本発明に係わる4×4スイッチの第1の実施の形態のブロック構成およびその具体的な回路構成について、図1および図2を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる4×4スイッチのブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、2×2スイッチを単位スイッチとして5個備えている例を示している。図2は、本発明の第1の実施の形態に係わる4×4スイッチの回路構成の一例を示す回路図であり、図1のブロック構成の具体的な回路構成の一例として、FET等の構成要素数を最少とするように、各2×2スイッチを、2個のFETを有する2個の単極双投スイッチ(SPDTスイッチ)を用いて構成している例を示している。
【0027】
図1、図2の4×4スイッチにおける構成における、図7、図8に示した従来の4×4スイッチにおける構成との相違は、第5の2×2スイッチ12の出力端子に接続されていない信号出力端子すなわち第1、第4の信号出力端子2,2それぞれに第1、第2のオープンスタブ531,532を追加して接続していることである。つまり、図1、図2に示す本実施の形態の4×4スイッチは、図7、図8に示した従来の4×4スイッチに対して、さらに、第1、第2のオープンスタブ531,532を、第5の伝送線路525の他端(信号の出力側の端子)と第1の信号出力端子2との接続点、第6の伝送線路526の他端と第4の信号出力端子2との接続点にそれぞれ接続している。
【0028】
図1、図2の本実施の形態の4×4スイッチは、図7、図8の従来の4×4スイッチの場合と同様、まず、第1〜第4の4個の信号入力端子1〜1と、第1〜第5の5個の2×2スイッチ12〜12と、第1〜第4の4個の信号出力端子2〜2と、信号入力端子1〜1側に配置する第1、第2の2個の2×2スイッチ12,12と後段に配置する第3、第4の2個の2×2スイッチ12,12との間を接続する伝送手段である第1〜第4の4個の伝送線路521〜524と、後段に配置する第3、第4の2個の2×2スイッチ12,12と第5の2×2スイッチ12との間を接続する伝送線路と、後段に配置する第3、第4の2個の2×2スイッチ12,12と第1、第4の2個の信号出力端子2,2との間を接続する2個の伝送手段として第5、第6の伝送線路525,526と、を少なくとも備えている。
【0029】
図1、図2の本実施の形態の4×4スイッチにおいて、第1〜第5の5個の2×2スイッチ12〜12は、それぞれ、第1および第2の入力端子と第1および第2の出力端子とを備え、第1および第2の入力端子それぞれに入力された信号を、各2×2スイッチごとに2つずつ接続された制御端子611,612〜651,652それぞれに印加される制御用差動信号によって、第1および第2の出力端子、または、第2および第1の出力端子にそれぞれ出力する。
【0030】
第1〜第4の4個の信号入力端子1〜1それぞれは、第1および第2の2×2スイッチ12,12それぞれの第1および第2の入力端子にそれぞれ接続される。
【0031】
第1の2×2スイッチ12の第1の出力端子は、後段に配置する第3の2×2スイッチ12の第1の入力端子に第1の伝送線路521により接続され、第2の2×2スイッチ12の第1の出力端子は、後段に配置する第3の2×2スイッチ12の第2の入力端子に第3の伝送線路523により接続される。また、第1の2×2スイッチ12の第2の出力端子は、後段に配置する第4の2×2スイッチ12の第1の入力端子に第2の伝送線路522により接続され、第2の2×2スイッチ12の第2の出力端子は、後段に配置する第4の2×2スイッチ12の第2の入力端子に第4の伝送線路524により接続される。
【0032】
信号出力端子2〜2側に配置する第3および第4の2×2スイッチ12,12の第1の出力端子それぞれは、2個の信号出力端子2,2との間を接続する2つの伝送手段つまり第5、第6の伝送線路525,526の一端にそれぞれ接続され、第3および第4の2×2スイッチ12,12の第2の出力端子それぞれは、第5の2×2スイッチ12の第1の入力端子と第2の入力端子とにそれぞれ接続される。
【0033】
第1〜第4の4個の信号出力端子2〜2それぞれは、前記2個の伝送手段のうち一方の伝送手段つまり第5の伝送線路525の他端、第5の2×2スイッチ12の第1および第2の出力端子、前記2個の伝送手段のうち他方の伝送手段つまり第6の伝送線路526の他端にそれぞれ接続され、かつ、前記2個の伝送手段つまり第5、第6の伝送線路525,526それぞれを通過する信号の通過時聞が、第5の2×2スイッチ12を通過する信号の通過時間と同一となるように設定されている。
【0034】
さらに、第1〜第5の5個の2×2スイッチ12〜12は、図2に示すように、それぞれ、1個の共通端子と2個の個別端子とをそれぞれに有する第1および第2の単極双投スイッチ9,9〜9,910と、各2×2スイッチ12〜12内の第1〜第4の4本の伝送線路511,512,521−1,522−1〜591,592,5101,5102と、から構成されている。そして、第1〜第5の各2×2スイッチ12〜12内の接続方法については、全て同じであり、例えば、第1の2×2スイッチ12においては、第1の伝送線路511の一端は、第1の単極双投スイッチ9の一方の端子に、第2の伝送線路512の一端は、第2の単極双投スイッチ9の一方の端子に、第3の伝送線路521−1の一端は、第2の単極双投スイッチ9の他方の端子に、第4の伝送線路522−1の一端は、第1の単極双投スイッチ9の他方の端子に、それぞれ接続される。
【0035】
また、第1〜第5の各2×2スイッチ12〜12の第1および第2の入力端子のそれぞれまたは第1および第2の出力端子のそれぞれが、第1および第2の単極双投スイッチ9,9〜9,910の共通端子にそれぞれ接続される。例えば、信号入力端子1〜1側に配置する第1の2×2スイッチ12においては、第1の出力端子が第1の単極双投スイッチ9の共通端子に、第2の出力端子が第2の単極双投スイッチ9の共通端子に、それぞれ接続される。また、後段に配置する第3の2×2スイッチ12においては、第1の入力端子が第1の単極双投スイッチ9の共通端子に、第2の入力端子が第2の単極双投スイッチ9の共通端子に、それぞれ接続される。
【0036】
そして、第1〜第5の各2×2スイッチ12〜12の第1および第2の出力端子のそれぞれまたは第1および第2の入力端子のそれぞれが、第1および第3の伝送線路の他端同士の接続点、および、第2および第4の伝送線路の他端同士の接続点にそれぞれ接続される。例えば、信号入力端子1〜1側に配置する第1の2×2スイッチ12においては、第1および第2の入力端子のそれぞれが、第1および第2の伝送線路511,512の他端同士の接続点、および、第3および第4の伝送線路521−1,522−1の他端同士の接続点に、それぞれ接続され、後段に配置する第3の2×2スイッチ12においては、第1および第2の出力端子のそれぞれが、第1および第2の伝送線路551,552の他端同士の接続点、および、第3および第4の伝送線路561,562の他端同士の接続点に、それぞれ接続される。
【0037】
さらに、図1、図2の本実施の形態の4×4スイッチにおいては、前述したように、図7、図8の従来の4×4スイッチとは異なり、第1および第2のオープンスタブ531,532を備えており、第1および第2のオープンスタブ531,532それぞれが、第1、第4の信号出力端子2,2にそれぞれ接続されている2個の伝送手段それぞれに、つまり、第5、第6の伝送線路525,526の他端と第1、第4の信号出力端子2,2との接続点それぞれに、接続されている。
【0038】
なお、図1、図2の本実施の形態においては、従来の4×4スイッチの場合と同様に、まず、第1〜第5の2×2スイッチ12〜12内の第1〜第4の各伝送線路511,512,521−1,522−1〜591,592,5101,5102の配線長を等長にすることによって、第1〜第5の2×2スイッチ12〜12のバー経路とクロス経路との通過特性(振幅、位相)が同一になるように構成している。
【0039】
さらに、従来の4×4スイッチの場合と同様に、第1〜第4の2×2スイッチ12〜12間を接続する第1〜第4の伝送線路521〜524の配線長を等長にし、かつ、第5の2×2スイッチ12の通過特性(振幅、位相)と同等の通過特性を有する第5、第6の伝送線路525,526を、第5の2×2スイッチ12とは接続されない第3、第4の2×2スイッチ12,12の第1の出力端子と第1、第4の信号出力端子2,2との間に備えることにより、第1〜第4の信号入力端子1〜1から第1〜第4の信号出力端子2〜2までの各信号経路の通過特性(所要時間つまり位相)が同一になるように構成している。
【0040】
さらに、従来の4×4スイッチの場合と同様に、第5の2×2スイッチ12の単極双投スイッチを構成するFETのON抵抗とほぼ同一の抵抗値を有する抵抗425,426を第5、第6の伝送線路525,526と直列に挿入する構成とすることにより、第1〜第4の信号入力端子1〜1から第1〜第4の信号出力端子2〜2までの各信号経路の通過特性(振幅)も同一になるように構成している。つまり、直列に接続された抵抗425と第5の伝送線路525との合計、および、抵抗426と第6の伝送線路526との合計が、それぞれ、所望の周波数帯域において、第5の2×2スイッチ12と同等の挿入損失または利得が得られるように構成している。
【0041】
さらに、図1、図2の本実施の形態においては、従来の4×4スイッチの場合とは異なり、前述のように、第5の2×2スイッチ12の出力端子に接続されていない信号出力端子すなわち第1、第4の信号出力端子2,2に第1、第2のオープンスタブ531,532を追加して備えることにより、信号経路毎の通過特性(位相、振幅)、ポート間の特性をほぼ均一にすることができることに加えて、高周波領域をも含めて、各信号経路間の通過特性、ポート間の特性の均一化を実現することができる。
【0042】
なお、第1、第2のオープンスタブ531,532の電気長は、第5の2×2スイッチ12内の伝送線路(第1〜第4の伝送線路591,592,5101,5102)と比較して若干長めに設定している。このような長さの第1、第2のオープンスタブ531,532を第1、第4の信号出力端子2,2に接続される第5、第6の伝送線路525,526の他端に接続することによって、第5の2×2スイッチ12のON/OFF動作時に、第2、第3の信号出力端子2,2からOFF状態のFETまでの伝送線路(“バー”接続状態の場合、第5の2×2スイッチ12内の第2、第4の伝送線路592,5102、“クロス”接続状態の場合、第5の2×2スイッチ12内の第1、第3の伝送線路591,5101)におけるオープンスタブと同等の効果を、第1、第4の信号出力端子2,2に齎すことができる。さらに、第1、第2のオープンスタブ531,532のオープンスタブ長を伝送線路(第5の2×2スイッチ12内の第1〜第4の伝送線路591〜5102)よりも若干長くすることによって、FETのOFF容量の影響も含めて、特性の均一化を図ることを期待することができる。
【0043】
かくのごとき通過特性、ポート間特性の効果をシミュレーションによって評価した結果について、アジレント社製シミュレータADSを用いて確認した通過特性、ポート間特性を、それぞれ、図5、図6に示している。図5は、図2の4×4スイッチにおける挿入損失の信号経路間のバラツキの一例を示す特性図であり、横軸に伝送する信号の周波数(GHz)、縦軸に各信号経路間の挿入損失のバラツキ(dB)を示し、0dBが信号経路間のバラツキがないことを示している。また、図6は、図2の4×4スイッチにおける反射損失のポート間のバラツキの一例を示す特性図であり、横軸に伝送する信号の周波数(GHz)、縦軸に各ポート間の反射損失のバラツキ(dB)を示し、0dBがポート間の特性のバラツキがないことを示している。また、従来技術との比較を示すために、図5、図6のいずれにも、図8の従来の4×4スイッチにおける特性を含めて示している。
【0044】
図5に示すように、例えば、第5の伝送線路525の他端に接続される第1の信号出力端子2から出力される経路の挿入損失と、第5の2×2スイッチ12の第1の出力端子に接続される第2の信号出力端子2から出力される経路の挿入損失との差は、図2に示す本実施の形態の回路構成においては、第1のオープンスタブ531を第5の伝送線路525の他端と第1の信号出力端子2との接続点に備えることによって、20GHzの高周波領域に至るまで、0.05dB以下と、ほぼ0dBのバラツキに抑えることができる。これに対して、図8に示す従来の回路構成においては、周波数が高くなるにつれ、両者の信号経路間の挿入損失の差が拡大していき、20GHzでは、約0.6dBの差が生じてしまう。
【0045】
また、第1の信号出力端子2と第2の信号出力端子2との反射損失のポート間の差についても、図6に示すように、図2に示す本実施の形態の回路構成においては、20GHzの高周波領域に至るまで、約1dB以下の差に抑えることができるが、図8に示す従来の回路構成においては、周波数が高くなるにつれ、両者のポート間の反射損失の差が拡大していき、20GHzの高周波領域では、約5dBの差が生じてしまう。
【0046】
かくのごとく、第1、第2のオープンスタブ531,532を追加した本実施の形態の回路構成は、図7、図8のような従来の回路構成に比して、高周波領域に至るまで、所望の周波数帯域において、各信号経路間やポート間の特性のバラツキが格段に小さくなっていることが分る。これは、第5の2×2スイッチ12のON/OFF動作時において生じるオープンスタブとほぼ同等の機能を、第1、第2のオープンスタブ531,532によって実現しているためである。
【0047】
さらに、図1、図2に示すような本実施の形態の4×4スイッチにおいては、2個ずつのFETからなる2個の単極双投スイッチ(SPDTスイッチ)という少ない構成要素によって2×2スイッチを単位スイッチとして構成する場合であっても、信号の通過特性およびポート間特性の均一性が高いスイッチを実現することができることに加えて、任意の信号入力端子の入力信号を任意の信号出力端子に出力することができる順列出力が可能なスイッチを実現することができる。また、スイッチを動作させる閾値電圧が負電圧であるノーマリーオン型FETを用いた場合においても、FETのソース/ドレインの電位を持ち上げることができ、正電源動作が可能になるという特徴も兼ね備えている。
【0048】
なお、本実施の形態に例示した伝送線路(第1〜第4の2×2スイッチ12〜12間を接続する伝送線路例えば第1〜第4の伝送線路521〜524、第1〜第5の2×2スイッチ12〜12内の第1〜第4の各伝送線路511,512,521−1,522−1〜591,592,5101,5102)および第1、第2のオープンスタブ531,532は、それらの一部またはすべてにおいて、ストリップラインのみに限らず、マイクロストリップライン、スロットライン、コプレーナ導波路、同軸線路などの他の高周波伝送手段を使用しても構わない。
【0049】
(第2の実施の形態)
次に、本発明に係わる4×4スイッチの第2の実施の形態のブロック構成およびその具体的な回路構成について、図3および図4を用いて説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態に係わる4×4スイッチのブロック構成の一例を示すブロック構成図であり、第1の実施の形態の図1の場合と同様、2×2スイッチを単位スイッチとして5個備えている例を示している。図4は、本発明の第2の実施の形態に係わる4×4スイッチの回路構成の一例を示す回路図であり、第1の実施の形態の図2の場合と同様、図3のブロック構成の具体的な回路構成の一例として、FET等の構成要素数を最少とするように、各2×2スイッチを、2個のFETを有する2個の単極双投スイッチ(SPDTスイッチ)を用いて構成している例を示している。
【0050】
図3、図4の4×4スイッチにおける構成における、図7、図8に示した従来の4×4スイッチにおける構成との相違は、第5の2×2スイッチ12の出力端子に接続されていない信号出力端子すなわち第1、第4の信号出力端子2,2それぞれに1個ずつのキャパシタすなわち第1、第2のシャントキャパシタ731,732をそれぞれ追加して接続していることである。つまり、図3、図4に示す本実施の形態の4×4スイッチは、図1、図2に示す第1の実施形態における第1、第2のオープンスタブ531,532の代わりに、第1、第2のシャントキャパシタ731,732を、第5の伝送線路525の他端(信号の出力側の端子)と第1の信号出力端子2との接続点と接地部との間、第6の伝送線路526の他端と第4の信号出力端子2との接続点と接地部との間にそれぞれ接続している。
【0051】
第1、第2のシャントキャパシタ731,732は、第5の2×2スイッチ12のON/OFF動作時においてオープンスタブとして容量成分が増加する状況と同等の容量成分として作用するものであり、第1の実施の形態における図1、図2の第1、第2のオープンスタブ531,532と同等の機能を実現することができる。したがって、第1の実施の形態の場合と同様に、通過特性の信号経路間、ポート間のバラツキを大幅に低減することができる。さらに、第1の実施の形態における第1、第2のオープンスタブ531,532の場合と比較して、IC上においては第1、第2のシャントキャパシタ731,732の方が、占有面積を小さくすることができるので、ICの小型化ならびに低コスト化も図ることができるという利点が得られる。
【0052】
さらに、図3、図4に示すような本実施の形態の4×4スイッチにおいては、第1の実施の形態の場合と同様、2個ずつのFETからなる2個の単極双投スイッチ(SPDTスイッチ)という少ない構成要素によって2×2スイッチを単位スイッチとして構成する場合であっても、信号の通過特性およびポート間特性の均一性が高いスイッチを実現することができることに加えて、任意の信号入力端子の入力信号を任意の信号出力端子に出力することができる順列出力が可能なスイッチを実現することができる。
【0053】
なお、本実施の形態においても、第1の実施の形態の場合と同様、伝送線路(第1〜第4の2×2スイッチ12〜12間を接続する伝送線路例えば第1〜第4の伝送線路521〜524、第1〜第5の2×2スイッチ12〜12内の第1〜第4の各伝送線路511,512,521−1,522−1〜591,592,5101,5102)は、それらの一部またはすべてにおいて、マイクロストリップラインのみに限らず、マイクロストリップライン、スロットライン、コプレーナ導波路、同軸線路などの他の高周波伝送手段を使用しても構わない。
【0054】
(その他の実施の形態)
前述の各実施の形態に示した図1〜図4は、本発明のブロック構成、回路構成の一例を例示したものであって、本発明は、かくのごときブロック構成、回路構成に限定されることなく、例えば、信号入力端子1〜1と信号出力端子2〜2とを互いに入れ替えた構成としても構わないし、第1〜第5の2×2スイッチ12〜12のうち、1個以上の2×2スイッチを左右反転した構成としても構わない。
【0055】
また、前述の各実施の形態においては、第5の2×2スイッチ12のみならず、第1〜第4の2×2スイッチ12〜12についても、2個の単極双投スイッチを用いて構成する場合について例示したが、第1〜第4の2×2スイッチ12〜12については、必ずしも、2個の単極双投スイッチ(SPDTスイッチ)を用いて構成する必要はなく、各2×2スイッチが、同一の回路構成であって、かつ、それぞれの接続経路の長さが等長であれば、いかなる構成のスイッチを用いても構わない。例えば、2個に限らず2個以上の単極双投スイッチ(SPDTスイッチ)を用いて構成するようにしても構わない。
【0056】
また、FETのON抵抗とほぼ同一の抵抗値を有する抵抗425,426を第5、第6の伝送線路525,526と直列に挿入して、それぞれ、直列に接続された抵抗425,426と第5、第6の伝送線路525,526との合計として(つまり、直列に接続された抵抗425と第5の伝送線路525との合計、および、抵抗426と第6の伝送線路526との合計として)、所望の周波数帯域において、第5の2×2スイッチ12と同等の挿入損失または利得が得られるように構成する代わりに、第5、第6の伝送線路525,526の導体幅や導体厚などを調整することによって、所望の周波数帯域において、第5の2×2スイッチ12と同等の挿入損失または利得が得られるような回路構成としても構わない。
【0057】
あるいは、各単極双投スイッチ(SPDTスイッチ)について、2個のFETを用いて構成する例を示したが、最少となる2個に限らず2個以上のFETを用いて構成するようにしても構わない。また、各単極双投スイッチ(SPDTスイッチ)を、FETを用いる代わりに、微小機械スイッチ(MEMS:Micro−Electro−Mechanical Switch)によって構成するようにすることも可能である。
【0058】
さらに、本発明に係わる4×4スイッチを単位スイッチとして用いることにより、より多くの信号入出力端子を有する多入力多出力スイッチ(例えば8×8スイッチ、16×16スイッチ)の回路構成に拡張することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる4×4スイッチのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わる4×4スイッチの回路構成の一例を示す回路図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係わる4×4スイッチのブロック構成の一例を示すブロック構成図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係わる4×4スイッチの回路構成の一例を示す回路図である。
【図5】図2の4×4スイッチにおける挿入損失の信号経路間のバラツキの一例を示す特性図である。
【図6】図2の4×4スイッチにおける反射損失のポート間のバラツキの一例を示す特性図である。
【図7】従来の4×4スイッチのブロック構成を示すブロック構成図である。
【図8】従来の4×4スイッチの回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0060】
…第1の信号入力端子、1…第2の信号入力端子、1…第3の信号入力端子、1…第4の信号入力端子、2…第1の信号出力端子、2…第2の信号出力端子、2…第3の信号出力端子、2…第4の信号出力端子、311,312,321,322,〜,391,392,3101,3102…FET、411,412,421,422,〜,491,492,4101,4102…抵抗、425,426…抵抗、521…第1の伝送線路、522…第2の伝送線路、523…第3の伝送線路、524…第4の伝送線路、525…第5の伝送線路、526…第6の伝送線路、531…第1のオープンスタブ、532…第2のオープンスタブ、511…第1の2×2スイッチ内の第1の伝送線路、512…第1の2×2スイッチ内の第2の伝送線路、521−1…第1の2×2スイッチ内の第3の伝送線路、522−2…第1の2×2スイッチ内の第4の伝送線路、…、591…第5の2×2スイッチ内の第1の伝送線路、592…第5の2×2スイッチ内の第2の伝送線路、5101…第5の2×2スイッチ内の第3の伝送線路、5102…第5の2×2スイッチ内の第4の伝送線路、611,612,〜,651,652…制御端子、731…第1のシャントキャパシタ、732…第2のシャントキャパシタ、9,9,〜,9,910…単極双投スイッチ(SPDTスイッチ)、11,〜,11…配線交差部(クロスオーバ)、12…第1の2×2スイッチ、12…第2の2×2スイッチ、12…第3の2×2スイッチ、12…第4の2×2スイッチ、12…第5の2×2スイッチ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
4個の信号入力端子と、第1ないし第5の5個の2×2スイッチと、4個の信号出力端子と、2個の伝送手段とを少なくとも備え、
前記第1ないし第5の5個の2×2スイッチは、それぞれ、第1および第2の入力端子と第1および第2の出力端子とを備え、
前記第1および第2の入力端子それぞれに入力された信号を、前記第1および第2の出力端子、または、前記第2および第1の出力端子にそれぞれ出力し、
前記4個の信号入力端子それぞれは、前記第1および第2の2×2スイッチそれぞれの第1および第2の入力端子にそれぞれ接続され、
前記第1の2×2スイッチの第1の出力端子は、前記第3の2×2スイッチの第1の入力端子に接続され、前記第2の2×2スイッチの第1の出力端子は、前記第3の2×2スイッチの第2の入力端子に接続され、前記第1の2×2スイッチの第2の出力端子は、前記第4の2×2スイッチの第1の入力端子に接続され、前記第2の2×2スイッチの第2の出力端子は、前記第4の2×2スイッチの第2の入力端子に接続され、
前記第3および第4の2×2スイッチの第1の出力端子それぞれは、前記2個の伝送手段の一端にそれぞれ接続され、前記第3および第4の2×2スイッチの第2の出力端子それぞれは、前記第5の2×2スイッチの第1および第2の入力端子にそれぞれ接続され、
前記4個の信号出力端子それぞれは、前記2個の伝送手段の他端と前記第5の2×2スイッチの第1および第2の出力端子とにそれぞれ接続され、
前記2個の伝送手段それぞれを通過する信号の通過時間が、前記第5の2×2スイッチを通過する信号の通過時間と同一となるように設定した4×4スイッチであって、
前記第1ないし第4の4個の2×2スイッチは、すべて、同一構成で、かつ、それぞれの接続経路の長さが等長であり、一方、前記第5の2×2スイッチは、1個の共通端子と2個の個別端子とをそれぞれに有する第1および第2の単極双投スイッチと、第1ないし第4の4本の伝送線路と、から構成され、
前記第1の単極双投スイッチの前記2個の個別端子それぞれは、前記第1および第2の伝送線路の一端にそれぞれ接続され、前記第2の単極双投スイッチの前記2個の個別端子それぞれは、前記第3および第4の伝送線路の一端にそれぞれ接続され、
前記第1ないし第5の5個の2×2スイッチの第1および第2の入力端子のそれぞれまたは第1および第2の出力端子のそれぞれが、前記第1および第2の単極双投スイッチの前記共通端子にそれぞれ接続され、
前記第1ないし第5の5個の2×2スイッチの第1および第2の出力端子のそれぞれまたは第1および第2の入力端子のそれぞれが、前記第1および第3の伝送線路の他端同士の接続点、および、前記第2および第4の伝送線路の他端同士の接続点にそれぞれ接続され、
さらに、第1および第2のオープンスタブを備え、前記第1および第2のオープンスタブそれぞれが、前記2個の伝送手段の他端と前記信号出力端子との接続点にそれぞれ接続されてなることを特徴とする4×4スイッチ。
【請求項2】
請求項1に記載の4×4スイッチにおいて、前記第1および第2のオープンスタブに代わり、第1および第2のキャパシタを備え、前記第1および第2のキャパシタそれぞれの一端が、前記2個の伝送手段の他端と前記信号出力端子との接続点それぞれに接続され、前記第1および第2のキャパシタそれぞれの他端が、接地されてなることを特徴とする4×4スイッチ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の4×4スイッチにおいて、前記4個の信号入力端子と前記4個の信号出力端子とを入れ替えた構成とすることを特徴とする4×4スイッチ。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の4×4スイッチにおいて、前記2個の伝送手段それぞれの挿入損失または利得が、前記第5の2×2スイッチの挿入損失または利得と、所望の帯域において同一となるように設定したことを特徴とする4×4スイッチ。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の4×4スイッチにおいて、2個の抵抗をさらに備え、前記2個の抵抗のそれぞれは、前記2個の伝送手段それぞれに直列に接続され、前記直列に接続された抵抗と前記伝送手段との合計の挿入損失または利得が、それぞれ、前記第5の2×2スイッチの挿入損失または利得と、所望の帯域において同一となるように設定したことを特徴とする4×4スイッチ。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の4×4スイッチにおいて、前記2個の伝送手段、前記第1および第2のオープンスタブ、前記第1ないし第5の2×2スイッチ内の前記第1ないし第4の伝送線路、および、前記第1ないし第5の2×2スイッチ間を接続する伝送線路、のすべてまたは一部が、ストリップライン、マイクロストリップライン、スロットライン、コプレーナ導波路、あるいは、同軸線路のいずれかを用いて構成されることを特徴とする4×4スイッチ。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の4×4スイッチにおいて、前記第1ないし第4の4個の2×2スイッチが、それぞれ、少なくとも2個以上の単極双投スイッチを用いて構成されることを特徴とする4×4スイッチ。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の4×4スイッチにおいて、前記第1ないし第5の5個の2×2スイッチをそれぞれ構成する前記単極双投スイッチが、少なくとも2個以上のFETを用いて構成されることを特徴とする4×4スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−147880(P2009−147880A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−326013(P2007−326013)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】