説明

6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体の製造方法及びその製造中間体

【課題】公知の医薬活性成分である6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体(I)の新規な製造中間体(IIa)及び(III)、並びに、製造中間体であるN−(5−置換−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類(II)の大量合成に適した製造方法を提供する。
更に、製造中間体(II)から短工程で効率よく、6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体(I)を製造する方法を提供する。
【解決手段】
下記式
【化1】



(式中、Rは、C1−C6アルキル基等の置換基を有していてもよいフェニル基等であり、Xは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子である。)で表される化合物(I)の製造方法と化合物(I)の製造中間体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体の製造方法及びその製造中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体には、優れたインスリン抵抗性改善作用、血糖低下作用、抗炎症作用、免疫調節作用、アルドース還元酵素阻害作用、5−リポキシゲナーゼ阻害作用、過酸化脂質生成阻害作用、PPAR活性化作用、抗骨粗鬆作用、ロイコトリエン拮抗作用、脂肪細胞化促進作用、ガン細胞増殖抑制作用、カルシウム拮抗作用等を有するものが知られている。これらの6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体は、N−メチルアミノ基が保護された4−置換−N−メチルベンゼン−1,2−ジアミン類と対応するカルボン酸誘導体との縮合反応、引き続く脱保護、及び分子内脱水反応によって合成できることが知られている(例えば特許文献1及び2参照)。
【0003】
N−メチルアミノ基が保護された4−置換−N−メチルベンゼン−1,2−ジアミン類は、例えば、N−(5−置換−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類から合成することができる。
【0004】
従来、N−(5−置換−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類の製造法として、N−(5−ハロゲノ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類のハロゲン原子を、塩基の存在下もしくは非存在下、求核剤で置換する方法が知られている(非特許文献1)。本方法で原料となるN−(5−ハロゲノ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類の製造方法としては、例えば、2,4−ジクロロニトロベンゼンの2位の塩素原子をメチルアミンで置換し、N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンを製造する方法が知られている(特許文献3)。N−(5−置換−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類は、高活性を示す6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体の製造原料となることから、かかる化合物の製造方法として、従来の製造方法に比してより工業的に実用的な、大量合成に適した製造方法の開発が望まれる。
【0005】
また、得られたN−(5−置換−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類から、6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体を製造する方法としては、N−(5−置換−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類のメチルアミノ基を保護したのち還元して得られる、メチルアミノ基が保護されたN−(5−置換−2−アミノフェニル)−N−メチルアミンから製造する方法が知られている(特許文献2参照)が、より短工程でより効率的な、6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体の製造方法の開発が望まれる。
【特許文献1】特開平9−295970号公報
【特許文献2】特開平11−193276号公報
【特許文献3】欧州特許出願公開第385850号明細書
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー[Journal of Medicinal Chemistry](米国)第39巻,p3971−3979(1996年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者等は、6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体(I)、および該誘導体の製造において鍵となる新規な製造中間体のN−(5−置換−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類(IIa)の製造法について鋭意検討した結果、N−(5−置換−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類(IIa)を高収率且つ高純度で得られる製造方法を見出し、さらに、2,4−ジクロロニトロベンゼンを非プロトン性溶媒中、メチルアミンと反応させN−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンを経て、同一容器内でN−(5−置換−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類(II)を製造する方法を見出し、さらにN−(5−置換−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類(II)から短工程で効率よく、目的とする6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体(I)を製造する方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)下記一般式(IIa):
【0008】
【化1】


【0009】
(式中、Rは、ニトロ基、アミノ基又はt-ブトキシカルボニルアミノ基を表す。)
で表される化合物、
(2)下記一般式(III):
【0010】
【化2】


【0011】
[式中、
は、水素原子、
置換基群αから選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、
置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいフェニル基又は
置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよい5又は6員複素環基(該複素環基は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される1乃至4個のヘテロ原子を含む。)
を示し、

Xは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子(該窒素原子は、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C6−C10アリールカルボニル基、C1−C6アルキルスルホニル基及びC6−C10アリールスルホニル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい。)を示す。

置換基群αは、
3−C6シクロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C6−C10アリール基、カルボキシル基、ホルミル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C6−C10アリールカルボニル基、C1−C6アルキルオキシカルボニル基、C6−C10アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、N−C1−C6アルキルカルバモイル基、N,N−ジC1−C6アルキルカルバモイル基、ヒドロキシル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリールオキシ基、C1−C6アルキルカルボニルオキシ基、C6−C10アリールカルボニルオキシ基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C6−C10アリールアミノ基、ジC6−C10アリールアミノ基、メルカプト基、C1−C6アルキルチオ基、C6−C10アリールチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C6−C10アリールスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、C6−C10アリールスルホニル基、スルホン酸基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基を示す。]
で表される化合物、
(3)上記(2)において、Rが、C1−C6アルキル基、又は、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至3個の基で置換されていてもよいフェニル基(該置換基群αは、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基又はハロゲン原子である。)であり、Xが、酸素原子である化合物、
(4)下記一般式(III):
【0012】
【化3】

【0013】
[式中、R及びXは、上記(2)におけるR及びXと同意義を表す。]で表される化合物のニトロ基を還元したのち、分子内で脱水縮合を行わせることを特徴とする、下記一般式(I):
【0014】
【化4】

【0015】
[式中、R及びXは、上記(2)におけるR及びXと同意義を表す。]で表される化合物及びその薬理上許容される塩の製造方法、
(5)上記(4)において、Rが、C1−C6アルキル基、又は、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至3個の基で置換されていてもよいフェニル基(該置換基群αは、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基又はハロゲン原子である。)であり、Xが、酸素原子である化合物、
(6)下記一般式(II):
【0016】
【化5】


【0017】
[式中、R及びXは、上記(2)におけるR及びXと同意義を表す。]で表される化合物と4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ酢酸とを縮合させることを特徴とする、下記一般式(III):
【0018】
【化6】

【0019】
[式中、R及びXは、上記(2)におけるR及びXと同意義を表す。]で表される化合物の製造方法、
(7)上記(6)において、Rが、C1−C6アルキル基、又は、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至3個の基で置換されていてもよいフェニル基(該置換基群αは、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基又はハロゲン原子である。)であり、Xが、酸素原子である製造方法、
(8)2,4−ジクロロニトロベンゼンとメチルアミンとを反応させ、N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンを製造し、N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンを単離することなく塩基の存在下、
一般式R−X−H
[式中、R及びXは、上記(2)におけるR及びXと同意義を表す。]
で表される化合物と反応させることを特徴とする下記一般式(II):
【0020】
【化7】

【0021】
(式中、R及びXは,前記と同義を表す。)で表される化合物の製造方法、
(9)上記(8)において、Rが、C1−C6アルキル基、又は、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至3個の基で置換されていてもよいフェニル基(該置換基群αは、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基又はハロゲン原子である。)であり、Xが、酸素原子である製造方法、
(10)N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンを、不活性溶媒中、塩基の存在下、下記一般式(V):
【0022】
【化8】


【0023】
(式中、Rは、ニトロ基、アミノ基又はt-ブトキシカルボニルアミノ基を表す。)
で表される化合物と反応させることを特徴とする、上記(1)に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法、
(11)上記(10)において、不活性溶媒を脱気することを特徴とする、上記(1)に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法、
(12)上記(10)又は(11)において、抗酸化剤を添加することを特徴とする請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法、及び
(13)上記(12)において、抗酸化剤が、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールである請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法
を提供する。
【0024】
本発明において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子である。置換基群αにおいて、好適には、フッ素原子又は塩素原子である。
【0025】
本発明において、「C1−C6アルキル基」とは、炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、s−ペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル基である。Rおいては、好適には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基であり、更に好適には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル又はイソブチル基である。Xが窒素原子である場合の窒素原子の置換基においては、好適には、メチル、エチル、プロピル又はイソプロピル基であり、更に好適には、メチル又はエチル基である。
【0026】
本発明において「ハロメチル基」とは、1乃至3個の前記「ハロゲン原子」によって置換されたメチル基であり、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ジクロロメチル又はトリクロロメチル基である。Rの定義におけるC3−C6シクロアルキル基、フェニル基、或いは、5又は6員複素環基の置換基として、好適には、フロロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル又はトリクロロメチル基であり、更に好適には、トリフルオロメチル基である。
【0027】
本発明において、「C2−C6アルケニル基」とは、炭素数2乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルケニル基であり、例えば、エテニル、1−プロペニル、3−プロペニル(又はアリル)、2−メチルプロペン−1−イル、2−メチルプロペン−3−イル(又はメタリル)、1−ブテン−1−イル、1−ブテン−2−イル、1−ブテン−3−イル、1−ブテン−4−イル、2−ブテン−1−イル、2−ブテン−2−イル、2−メチル−1−ブテン−1−イル、2−メチル−1−ブテン−3−イル、2−メチル−1−ブテン−4−イル、3−メチル−2−ブテン−2−イル、2−エチル−1−ブテン−1−イル、2,3−ジメチル−2−ブテン−1−イル、1−ペンテン−1−イル、1−ペンテン−2−イル、1−ペンテン−3−イル、1−ペンテン−4−イル、1−ペンテン−5−イル、2−ペンテン−1−イル、2−ペンテン−2−イル、2−ペンテン−3−イル、2−ペンテン−4−イル、2−ペンテン−5−イル、2−メチル−1−ペンテン−1−イル、3−メチル−2−ペンテン−1−イル、3−メチル−2−ペンテン−2−イル、2−エチル−1−ペンテン−1−イル、3−エチル−2−ペンテン−1−イル、3−エチル−2−ペンテン−2−イル、1−ヘキセン−1−イル、1−ヘキセン−2−イル、2−ヘキセン−1−イル、2−ヘキセン−2−イル基である。置換基群αにおいては、好適には、炭素数2乃至5個の直鎖又は分枝鎖アルケニル基であり、更に好適には、エテニル、2−プロペニル又は3−プロペニル基である。
【0028】
本発明において、「C2−C6アルキニル基」とは、炭素数2乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルキニル基であり、例えば、エチニル、1−プロピニル、3−プロピニル(又はプロパルギル)、1−ブチン−1−イル、1−ブチン−3−イル、1−ブチン−4−イル、2−ブチン−1−イル、1−ペンチン−1−イル、2−ペンチン−1−イル、3−メチル−1−ペンチン−1−イル、1−ヘキシン−1−イル、2−ヘキシン−1−イル基である。置換基群αにおいては、好適には、炭素数2乃至5個の直鎖又は分枝鎖アルキニル基であり、更に好適には、エチニル、1−プロピニル又は3−プロピニル基である。
【0029】
本発明において「C3−C6シクロアルキル基」とは、3乃至6員飽和環状炭化水素基であり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基である。
【0030】
尚、Rにおける「C3−C6シクロアルキル基」は、C1−C6アルキル基が置換していてもよく、そのような基を含め、Rにおいては、好適には、シクロプロピル、1−メチルシクロプロピル、2,2−ジメチルシクロプロピル、シクロブチル、3,3−ジメチルシクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル基である。置換基群αにおいては、好適には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル基である。
【0031】
本発明において、「C6−C10アリール基」とは、炭素数6乃至10個の芳香族炭化水素基であり、例えば、フェニル、インデニル、ナフチル基である。置換基群αにおいては、好適には、フェニル基である。
【0032】
本発明において、「窒素、酸素及び硫黄から選択される同一若しくは異なった1乃至4個のヘテロ原子を含む」「5乃至6員複素環基」とは、例えば、1H−ピロール−2−イル、1H−ピロール−3−イル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、1H−ピラゾール−3−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1H−イミダゾール−2−イル、1H−イミダゾール−4−イル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル、2H−1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、3−ピリダジル、4−ピリダジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル、2−ピラジル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4−トリアジン−4−イル、1,2,4−トリアジン−5−イル、1,2,4−トリアジン−6−イル又は1,3,5−トリアジン−2−イル基である。
【0033】
2においては、好適には、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、3−ピリダジル、4−ピリダジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル、2−ピラジル又は1,3,5−トリアジン−2−イル基であり、更に好適には、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、3−ピリダジル、4−ピリダジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル又は1,3,5−トリアジン−2−イル基である。
【0034】
本発明において、「C1−C6アルコキシ基」とは、前記「C1−C6アルキル基」が酸素原子に結合した基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、2−メチルブトキシ、ネオペントキシ、n−ヘキシルオキシ、4−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−メチルペントキシ、3,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、1,3−ジメチルブトキシ、2,3−ジメチルブトキシのような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシ基である。置換基群αにおいては、好適には、メトキシ基である。
【0035】
本発明において、「C6−C10アリールオキシ基」とは、前記「C6−C10アリール基」が酸素原子に結合した基であり、例えば、フェノキシ、α−ナフタレンオキシ、β−ナフタレンオキシ基である。置換基群αにおいて、好適には、フェノキシ基である。
【0036】
本発明において、「C1−C6アルキルカルボニル基」とは、炭素数1乃至6個の脂肪族炭化水素基がカルボニル基に結合した基であり、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ペンタノイル、ピバロイル、バレリル又はイソバレリル基である。
【0037】
尚、上記「C1−C6アルキルカルボニル基」は、ハロゲン原子、C1−C6アルコキシ基が置換していてもよく、また、C1−C6アルキル基が不飽和結合していてもよい。そのような基としては、例えば、クロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチルのようなハロゲン化アルキルカルボニル基;メトキシアセチルのようなC1−C6アルコキシアルキルカルボニル基;(E)−2−メチル−2−ブテノイルのような不飽和アルキルカルボニル基である。Xが窒素原子である場合の窒素原子の置換基及び置換基群αにおいて、好適には、アセチル又はプロピオニル基であり、更に好適には、アセチル基である。
【0038】
本発明において、「C6−C10アリールカルボニル基」とは、前記「C6−C10アリール基」がカルボニル基に結合した基であり、例えば、ベンゾイル、α−ナフトイル、β−ナフトイルのようなアリールカルボニル基、2,4,6−トリメチルベンゾイル、4−トルオイルのような低級アルキル化アリールカルボニル基等の芳香族アシル基が挙げられる。Xが窒素原子である場合の窒素原子の置換基及び置換基群αにおいて、好適には、ベンゾイル基である。
【0039】
本発明において、「C1−C6アルキルカルボニルオキシ基」とは、炭素数1乃至6個の脂肪族炭化水素基又は水素原子がカルボニルオキシ基に結合した基であり、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ピバロイルオキシ、バレリルオキシ又はイソバレリルオキシ基である。
【0040】
尚、上記「C1−C6アルキルカルボニルオキシ基」は、ハロゲン原子、C1−C6アルコキシ基が置換していてもよく、また、C1−C6アルキル基が不飽和結合していてもよい。そのような基としては、例えば、クロロアセチルオキシ、ジクロロアセチルオキシ、トリクロロアセチルオキシ、トリフルオロアセチルのようなハロゲン化アルキルカルボニルオキシ基;メトキシアセチルオキシのようなC1−C6アルコキシアルキルカルボニルオキシ基;(E)−2−メチル−2−ブテノイルオキシのような不飽和アルキルカルボニルオキシ基である。置換基群αにおいて、好適には、無置換のC1−C4アルキルカルボニルオキシ基であり、更に好適には、ホルミルオキシ又はアセチルオキシ基である。
【0041】
本発明において、「C6−C10アリールカルボニルオキシ基」とは、前記「C6−C10アリール基」がカルボニルオキシ基に結合した基であり、例えば、ベンゾイルオキシ、α−ナフトイルオキシ又はβ−ナフトイルオキシ基である。
【0042】
尚、上記「C6−C10アリールカルボニルオキシ基」は、C1−C6アルキル基が置換していてもよく、そのような基としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルオキシ、4−トルオイルオキシのようなC1−C6アルキル化アリールカルボニルオキシ基である。置換基群αにおいて、好適には、ベンゾイルオキシ基である。
【0043】
本発明において、「C1−C6アルキルスルホニル基」とは、前記「C1−C6アルキル基」がスルホニル基に結合した基であり、例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、n−プロパンスルホニル、イソプロパンスルホニル、n−ブタンスルホニル、イソブタンスルホニル、s−ブタンスルホニル、tert−ブタンスルホニル、n−ペンタンスルホニル、イソペンタンスルホニル、2−メチルブタンスルホニル、ネオペンタンスルホニル、n−ヘキサンスルホニル、4−メチルペンタンスルホニル、3−メチルペンタンスルホニル、2−メチルペンタンスルホニル、3,3−ジメチルブタンスルホニル、2,2−ジメチルブタンスルホニル、1,1−ジメチルブタンスルホニル、1,2−ジメチルブタンスルホニル、1,3−ジメチルブタンスルホニル、2,3−ジメチルブタンスルホニル基のような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルカンスルホニル基である。置換基群αにおいては、好適には、炭素数1乃至4個の直鎖又は分枝鎖アルカンスルホニル基であり、更に好適には、メタンスルホニル基である。Xの窒素原子の置換基においては、好適には、メタンスルホニル基である。
【0044】
本発明において、「C6−C10アリールスルホニル基」とは、前記「C6−C10アリール基」がスルホニル基に結合した基であり、例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、α−ナフタレンスルホニル、β−ナフタレンスルホニル基である。置換基群αにおいて、好適には、ベンゼンスルホニル基である。Xの窒素原子の置換基において、好適には、ベンゼンスルホニル又はp−トルエンスルホニル基である。
【0045】
本発明において、「C1−C6アルコキシカルボニル基」とは、前記「C1−C6アルコキシ基」がカルボニル基に結合した基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、s−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニル、イソペントキシカルボニル、2−メチルブトキシカルボニル、ネオペントキシカルボニル、n−ヘキシルオキシカルボニル、4−メチルペントキシカルボニル、3−メチルペントキシカルボニル、2−メチルペントキシカルボニル、3,3−ジメチルブトキシカルボニル、2,2−ジメチルブトキシカルボニル、1,1−ジメチルブトキシカルボニル、1,2−ジメチルブトキシカルボニル、1,3−ジメチルブトキシカルボニル、2,3−ジメチルブトキシカルボニルのような炭素数1乃至6個の直鎖又は分枝鎖アルコキシカルボニル基である。置換基群αにおいては、好適には、tert−ブトキシカルボニル又はメトキシカルボニル基であり、更に好適には、tert−ブトキシカルボニル基である。
【0046】
本発明において、「C6−C10アリールオキシカルボニル基」とは、前記「C6−C10アリールオキシ基」がカルボニル基に結合した基であり、例えば、フェノキシカルボニル、α−ナフタレンオキシカルボニル、β−ナフタレンオキシカルボニル基である。置換基群αにおいて、好適には、フェノキシカルボニル基である。
【0047】
本発明において、「N−C1−C6アルキルカルバモイル基」とは、前記「C1−C6アルキル基」がカルバモイル基の窒素原子に結合した基であり、例えば、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル、N−イソブチルカルバモイル、N−s−ブチルカルバモイル、N−t−ブチルカルバモイル、N−ペンチルカルバモイル、N−イソペンチルカルバモイル、N−s−ペンチルカルバモイル、N−t−ペンチルカルバモイル、N−ネオペンチルカルバモイル、N−ヘキシルカルバモイル基である。置換基群αにおいては、好適には、N−メチルカルバモイル又はN−エチルカルバモイル基である。
【0048】
本発明において、「N,N−ジC1−C6アルキルカルバモイル基」とは、カルバモイル基の窒素原子に同一または異なった前記「C1−C6アルキル基」が2個置換した基であり、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N−ジプロピルカルバモイル、N,N−ジイソプロピルカルバモイル基である。置換基群αにおいては、好適には、N,N−ジメチルカルバモイル又はN,N−ジエチルカルバモイル基である。
【0049】
本発明において、「C1−C6アルキルアミノ基」とは、前記「C1−C6アルキル基」がアミノ基に結合した基であり、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、イソブチルアミノ、s−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、イソペンチルアミノ、2−メチルブチルアミノ、ネオペンチルアミノ、1−エチルプロピルアミノ、n−ヘキシルアミノ、イソヘキシルアミノ、4−メチルペンチルアミノ、3−メチルペンチルアミノ、2−メチルペンチルアミノ、1−メチルペンチルアミノ、3,3−ジメチルブチルアミノ、2,2−ジメチルブチルアミノ、1,1−ジメチルブチルアミノ、1,2−ジメチルブチルアミノ、1,3−ジメチルブチルアミノ、2,3−ジメチルブチルアミノ、2−エチルブチルアミノ基である。置換基群αにおいては、好適には、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ又はイソプロピルアミノ基である。
【0050】
本発明において、「ジC1−C6アルキルアミノ基」とは、アミノ基に同一又は異なった前記「C1−C6アルキル基」が2個置換した基であり、例えば、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N,N−ジn−プロピルアミノ、N,N−ジイソプロピルアミノ、N,N−ジn−ブチルアミノ、N,N−ジイソブチルアミノ、N,N−ジs−ブチルアミノ、N,N−ジtert−ブチルアミノ、N,N−ジn−ペンチルアミノ、N,N−ジイソペンチルアミノ、N,N−ジ2−メチルブチルアミノ、N,N−ジネオペンチルアミノ、N,N−ジ1−エチルプロピルアミノ、N,N−ジn−ヘキシルアミノ、N,N−ジイソヘキシルアミノ、N,N−ジ4−メチルペンチルアミノ、N,N−ジ3−メチルペンチルアミノ、N,N−ジ2−メチルペンチルアミノ、N,N−ジ1−メチルペンチルアミノ、N,N−エチルメチルアミノ、N,N−イソプロピルメチルアミノ基である。置換基群αにおいては、好適には、N,N−ジメチルアミノ基である。
【0051】
本発明において、「C6−C10アリールアミノ基」とは、前記「C6−C10アリール基」がアミノ基に結合した基であり、例えば、フェニルアミノ、インデニルアミノ、ナフチルアミノ基である。置換基群αにおいては、好適には、フェニルアミノ基である。
【0052】
本発明において、「ジC6−C10アリールアミノ基」とは、アミノ基に同一又は異なった前記「C6−C10アリールアミノ基」が2個置換した基であり、例えば、N,N−ジフェニルアミノ基である。置換基群αにおいては、好適には、N,N−ジフェニルアミノ基である。
【0053】
本発明において、「C1−C6アルキルチオ基」とは、前記「C1−C6アルキル基」が硫黄原子に結合した基であり、例えば、メチルチオ、エチルチオ、t−ブチルチオ基である。置換基群αにおいては、好適には、メチルチオ基である。
【0054】
本発明において、「C6−C10アリールチオ基」とは、前記「C6−C10アリール基」が硫黄原子に結合した基であり、例えば、フェニルチオ、α−ナフタレンチオ、β−ナフタレンチオ基である。置換基群αにおいて、好適には、フェニルチオ基である。
【0055】
本発明において、「C1−C6アルキルスルフィニル基」とは、前記「C1−C6アルキル基」がスルフィニル基に結合した基であり、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、t−ブチルスルフィニル基である。置換基群αにおいては、好適には、メチルスルフィニル基である。
【0056】
本発明において、「C6−C10アリールスルフィニル基」とは、前記「C6−C10アリール基」がスルフィニル基に結合した基であり、例えば、フェニルスルフィニル、α−ナフタレンスルフィニル、β−ナフタレンスルフィニル基である。置換基群αにおいて、好適には、フェニルスルフィニル基である。
【0057】
2が置換基を有するC1−C6アルキル基を表す場合、置換基の数は1乃至5個であり、好適には、1乃至3個であり、更に好適には、1乃至2個である。
【0058】
2が置換基を有するC1−C6アルキル基を表し、その置換基の数が2個以上の場合、それらの置換基は互いに同じでも、あるいは異なっていてもよい
2が置換基を有するフェニル基又は複素環基を表す場合、置換基の数は1乃至5個であり、好適には、1乃至4個であり、更に好適には、1乃至3個である。
【0059】
2が置換基を有するフェニル基又は複素環基を表し、その置換基の数が2個以上の場合、それらの置換基は互いに同じでも、あるいは異なっていてもよい。
【0060】
として、好適には、C1−C6アルキル基、又は、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至3個の基で置換されていてもよいフェニル基(該置換基群αは、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基又はハロゲン原子である。)である。
【0061】
Xは、好適には、酸素原子又は窒素原子(該窒素原子は、水素原子、C1−C6アルキルカルボニル基又はC6−C10アリールカルボニル基で置換されていてもよい。)であり、更に好適には、酸素原子である。
【0062】
「その薬理上許容される塩」とは、本発明の一般式(I)を有する化合物は、アミノ基のような塩基性の基を有する場合には酸と反応させることにより、又はカルボキシル基のような酸性基を有する場合には塩基と反応させることにより、塩にすることができるので、その塩を示す。
【0063】
塩基性基に基づく塩は、好適には、塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン酸塩、酢酸塩、りんご酸塩、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩;又はグリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり、好適には、塩酸塩である。
【0064】
一方、酸性基に基づく塩は、好適には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩のようなアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、鉄塩等の金属塩;アンモニウム塩のような無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジルフェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩のような有機塩等のアミン塩;又はグリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩である。
【0065】
本発明の代表化合物としては、例えば、以下の表に記載する化合物を挙げることができるが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0066】
表中の略号は、以下の通りである。
Boc :t−ブトキシカルボニル
Bu :n−ブチル
cBu :シクロブチル
cHex :シクロヘキシル
cPen :シクロペンチル
cPr :シクロプロピル
Et :エチル
Hex :n−ヘキシル
iBu :イソブチル
iPr :イソプロピル
Me :メチル
neoPen :ネオペンチル
Pen :n−ペンチル
Ph :フェニル
Pr :n−プロピル
sBu :sec−ブチル
tBu :tert−ブチル
【0067】
【化9】


【0068】
(表2)
――――――――――――――――――――――――
化合物 X R2
番 号
――――――――――――――――――――――――
1 O Me
2 O Et
3 O Pr
4 O iPr
5 O Bu
6 O iBu
7 O sBu
8 O tBu
9 O Pen
10 O neoPen
11 O Hex
12 O CF3CH2-
13 O cPrCH2-
14 O cBuCH2-
15 O cPenCH2-
16 O cHexCH2-
17 O CH2=CHCH2-
18 O CH2=CHC(Me)H-
19 O MeCH=CHCH2-
20 O CH≡CCH2-
21 O MeC≡CCH2-
22 O CH≡CHC(Me)H-
23 O PhCH2-
24 O PhC(Me)H-
25 O Ph-CH2CH2-
26 O HOCOCH2-
27 O HCOCH2-
28 O MeCOCH2-
29 O PhCOCH2-
30 O MeOCOCH2-
31 O PhOCOCH2-
32 O NH2COCH2-
33 O MeNHCOCH2-
34 O Me2NCOCH2-
35 O HOCH2-
36 O MeOCH2-
37 O MeOCH2CH2-
38 O PhOCH2-
39 O MeCOOCH2-
40 O PhCOOCH2-
41 O NH2CH2-
42 O MeNHCH2-
43 O Me2NCH2-
44 O PhNHCH2-
45 O Ph2NCH2-
46 O HSCH2-
47 O MeSCH2-
48 O MeSCH2CH2-
49 O PhSCH2-
50 O MeSOCH2-
51 O PhSOCH2-
52 O MeSO2CH2-
53 O PhSO2CH2-
54 O HOSO2CH2-
55 O CH2F-
56 O CHF2-
57 O CF3-
58 O CCl3-
59 O NO2CH2-
60 O NO2CH2 CH2-
61 O NCCH2-
62 O NCCH2 CH2-
63 O cPr
64 O 1-Me-cPr
65 O 2-Me-cPr
66 O cBu
67 O 3,3-Me2-cBu
68 O cPen
69 O 3,3-Me2-cPen
70 O cHex
71 O 4-Me-cHex
72 O Ph
73 O 2-Me-Ph
74 O 3-Me-Ph
75 O 4-Me-Ph
76 O 3-Et-Ph
77 O 4-Et-Ph
78 O 2-Pr-Ph
79 O 4-Pr-Ph
80 O 3-Bu-Ph
81 O 4-Bu-Ph
82 O 2-Pen-Ph
83 O 4-Pen-Ph
84 O 3-Hex-Ph
85 O 4-Hex-Ph
86 O 2-iPr-Ph
87 O 4-iPr-Ph
88 O 4-iBu-Ph
89 O 4-sBu-Ph
90 O 4-neoPen-Ph
91 O 2-CH2F-Ph
92 O 4-CH2F-Ph
93 O 3-CHF2-Ph
94 O 4-CHF2-Ph
95 O 2-CF3-Ph
96 O 3-CF3-Ph
97 O 4-CF3-Ph
98 O 2-CCl3-Ph
99 O 3-CCl3-Ph
100 O 4-CCl3-Ph
101 O 3-CBr3-Ph
102 O 2-cPr-Ph
103 O 3-cPr-Ph
104 O 4-cPr-Ph
105 O 2-cBu-Ph
106 O 4-cBu-Ph
107 O 3-cPen-Ph
108 O 4-cPen-Ph
109 O 2-cHex-Ph
110 O 4-cHex-Ph
111 O 2-CH2=CH-Ph
112 O 3-(CH2=CH)-Ph
113 O 3-(MeCH=CH)-Ph
114 O 4-(CH2=CHCH2)-Ph
115 O 4-{CH2=CHCH(Me)}-Ph
116 O 2-(CH≡C)-Ph
117 O 4-(CH≡C)-Ph
118 O 3-(MeC≡C)-Ph
119 O 2-(CH≡CCH2)-Ph
120 O 4-(MeC≡CCH2)-Ph
121 O 2-Ph-Ph
122 O 4-Ph-Ph
123 O 2-HOCO-Ph
124 O 3-HOCO-Ph
125 O 4-HOCO-Ph
126 O 2-HCO-Ph
127 O 3-HCO-Ph
128 O 4-HCO-Ph
129 O 2-MeCO-Ph
130 O 3-MeCO-Ph
131 O 4-MeCO-Ph
132 O 2-PhCO-Ph
133 O 3-PhCO-Ph
134 O 2-MeO-Ph
135 O 3-MeO-Ph
136 O 4-MeO-Ph
137 O 2-EtO-Ph
138 O 4-EtO-Ph
139 O 2-PrO-Ph
140 O 3-PrO-Ph
141 O 4-iPrO-Ph
142 O 3-BuO-Ph
143 O 4-iBuO-Ph
144 O 3-PenO-Ph
145 O 4-neoPenO-Ph
146 O 4-HexO-Ph
147 O 2-PhO-Ph
148 O 4-PhO-Ph
149 O 2-NH2CO-Ph
150 O 3-NH2CO-Ph
151 O 3-MeNHCO-Ph
152 O 3-Me2NCO-Ph
153 O 2-HO-Ph
154 O 4-HO-Ph
155 O 2-MeOCO-Ph
156 O 4-MeOCO-Ph
157 O 4-PhOCO-Ph
158 O 3-MeCOO-Ph
159 O 4-PhCOO-Ph
160 O 2-NH2-Ph
161 O 4-NH2-Ph
162 O 2-MeNH-Ph
163 O 3-MeNH-Ph
164 O 4-MeNH-Ph
165 O 3-EtNH-Ph
166 O 4-PrNH-Ph
167 O 3-PrNH-Ph
168 O 2-iPrNH-Ph
169 O 3-iPrNH-Ph
170 O 4-iPrNH-Ph
171 O 2-BuNH-Ph
172 O 3-BuNH-Ph
173 O 3-sBuH-Ph
174 O 2-iBuNH-Ph
175 O 3-iBuNH-Ph
176 O 4-iBuNH-Ph
177 O 3-PenNH-Ph
178 O 3-neoPenNH-Ph
179 O 4-neoPenNH-Ph
180 O 3-HexNH-Ph
181 O 4-Me2N-Ph
182 O 3-Et2N-Ph
183 O 3-Me2N-Ph
184 O 3-PhNH-Ph
185 O 4-Ph2N-Ph
186 O 2-HS-Ph
187 O 2-MeS-Ph
188 O 2-PhS-Ph
189 O 2-MeSO-Ph
190 O 2-PhSO-Ph
191 O 2-MeSO2-Ph
192 O 2-HOSO2-Ph
193 O 2-F-Ph
194 O 3-F-Ph
195 O 4-F-Ph
196 O 2-Cl-Ph
197 O 3-Cl-Ph
198 O 4-Cl-Ph
199 O 4-Br-Ph
200 O 2-NO2-Ph
201 O 3-NO2-Ph
202 O 4-NO2-Ph
203 O 2-cyano-Ph
204 O 3-cyano-Ph
205 O 4-cyano-Ph
206 O 2,4-Me2-Ph
207 O 3,5-Me2-Ph
208 O 3,5-Me2-4-NH2-Ph
209 O 3,5-Me2-4-MeNH-Ph
210 O 3,5-Me2-4-BocNH-Ph
211 O 3,5-Me2-4-NO2-Ph
212 O 3,5-Me2-4-cyano-Ph
213 O 2,4-F2-Ph
214 O 2,4-Cl2-Ph
215 O 2,3,4,5,6-F5-Ph
216 O 1H-1-Me-pyrrol-2-yll
217 O 2-furyl
218 O 2-thienyl
219 O 1H-1-Me-pyrazol-3-yl
220 O 1H-1-Me-imidazol-2-yl
221 O 3-isooxazolyl
222 O 2-oxazolyl
223 O 3-isothiazolyl
224 O 2-thiazolyl
225 O 1H-1Me-1,2,3-triazol-4-yl
226 O 1,2,4-oxadiazol-3-yl
227 O 1,2,4-thiadiazole-3-yl
228 O 2-pyridyl
229 O 3-pyridyl
230 O 4-pyridyl
231 O 3-pyridazinyl
232 O 2-pyrimidinyl
233 O 1,3,5-triazine-2-yl
234 S Me
235 S Et
236 S Pr
237 S iPr
238 S Bu
239 S iBu
240 S sBu
241 S tBu
242 S Pen
243 S neoPen
244 S Hex
245 S NH2CH2-
246 S MeNHCH2-
247 S Me2NCH2-
248 S cPr
249 S 1-Me-cPr
250 S 2-Me-cPr
251 S cBu
252 S 3,3-Me2-cBu
253 S cPen
254 S 3,3-Me2-cPen
255 S cHex
256 S 4-Me-cHex
257 S Ph
258 S 4-Me-Ph
259 S 3,5-Me2-Ph
260 S 4-F-Ph
261 S 3,5-F2-Ph
262 S 3-NH2-Ph-
263 S 4-NH2-Ph-
264 S 2-MeNH-Ph
265 S 3-MeNH-Ph
266 S 4-MeNH-Ph
267 S 3-EtNH-Ph
268 S 3-PrNH-Ph
269 S 3-iPrNH-Ph
270 S 3-BuNH-Ph
271 S 3-iBuNH-Ph
272 S 2-NO2-Ph
273 S 3-NO2-Ph
274 S 4-NO2-Ph
275 S 1H-1-Me-pyrrol-2-yl
276 S 2-furyl
277 S 2-thienyl
278 S 1H-1-Me-pyrazol-3-yl
279 S 1H-1-Me-imidazol-2-yl
280 S 3-isooxazolyl
281 S 2-oxazolyl
282 S 3-isothiazolyl
283 S 2-thiazolyl
284 S 1H-1Me-1,2,3-triazol-4-yl
285 S 1,2,4-oxadiazol-3-yl
286 S 1,2,4-thiadiazole-3-yl
287 S 2-pyridyl
288 S 3-pyridyl
289 S 4-pyridyl
290 S 3-pyridazinyl
291 S 2-pyrimidinyl
292 S 1,3,5-triazine-2-yl
――――――――――――――――――――――――
本発明の一般式(II)を有する化合物に於て、好適な化合物としては、例示化合物番号:1〜17、21、23、28、30、32、34、36、37、38、47、49、52、57、59、61、68、70、73、75、77、87、97、113、118、120、122、130、133、136、150、152、136、158、162、163、165〜169、172〜175、177、180、181、184、191、193、195、196、198、202、204、205、207〜211、212、213、221、223、234〜236、239、241、243、247、253、257、259、260、261、263、274、282、284、287、289、290、291


である。
更に好適には、例示化合物番号:1、2、4、30、34、37、47、68、75、136、163、165、167、169、175、184、195、202、205、207、208、209、210、211、213、257、260、282、291


である。
【0069】
より好適には、
例示化合物番号1:(2−{4−[(2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ}−N−(5−メトキシ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアセトアミド)、
例示化合物番号169:(2−{4−[2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−5−イル]メチル}フェノキシ}−N−[5−(3−イソプロピルアミノフェノキシ)−2−ニトロフェニル]−N−メチルアセトアミド)、
例示化合物番号208:(N−[5−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−2−ニトロフェニル]−2−{4−[2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−5−イル]メチル}フェノキシ}−N−メチルアセトアミド)、
例示化合物番号210:(4−{3−[({4−[(2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−5−イル)メトキシ]フェノキシ}アセチル)(メチル)アミノ]−4−ニトロフェノキシ}−2,6−ジメチルフェニルカルバミン酸 t−ブチル)、
例示化合物番号211:(N−[5−(3,5−ジメチル−4−ニトロフェノキシ)−2−ニトロフェニル]−2−{4−[2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−5−イル]メチル}フェノキシ}−N−メチルアセトアミド).
である。
【発明の効果】
【0070】
本発明は、公知の医薬活性成分である6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体(I)の新規な製造中間体(IIa)及び(III)を提供する。さらに、製造中間体、N−(5−置換−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類(II)を高収率且つ高純度で得られる製造方法、並びに、当該製造中間体(II)の大量合成に適した製造方法を提供する。本発明の製造方法を用いることにより、原料化合物から、one-potで、製造中間体(II)を簡便に収率よく製造でき、当該製造中間体を大量合成する場合にも収率良く高純度で、安価な試薬を用いて簡便な操作で製造することができる。
【0071】
また、6−置換−1−メチル−1−H−ベンズイミダゾール誘導体(I)も、従来のようなメチルアミノ基の保護反応が必要なN−(5−置換−2−アミノフェニル)−N−メチルアミンを経ず、本発明の方法で製造可能な、N−(5−置換−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン類(II)から、保護反応を実施することなしに短工程で効率よく、製造する事が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0072】
本発明の化合物(I)、化合物(II)、化合物(IIa)及び化合物(III)を製造する方法について、以下に詳細に説明する。
【0073】
化合物(II)は、例えば、以下の方法により製造することができる。
【0074】
なお、新規な製造中間体である化合物(IIa)は、化合物(II)において、Rが、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいフェニル基である化合物であり、より具体的には、Rを、4−置換−3,4−ジメチルフェニル−4−イルで置換した化合物であり、化合物(II)に包含される化合物である。化合物(IIa)は、下記の化合物(II)の製造方法に従って製造されるが、より具体的には、後述する第2工程において、N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンを、ヒドロキシアリール類である下記一般式(V)で表される化合物と反応させて製造することができ、この反応を、特に第2a工程として後述する。
【0075】
【化10】

【0076】
上記式中及び以下の記載において、R1、R及びXは、前述したものと同意義を示す。
【0077】
本発明の方法は、化合物2,4−ジクロロニトロベンゼンとメチルアミンとを反応させ、N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンを製造する第1工程の後、N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンを単離することなく、水、アルコール類、フェノール類、硫化水素、メルカプタン類、アンモニア、アミン類、またはアミド類とを反応させ化合物(II)を製造する第2工程からなる。なお、第1工程で製造されるN−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアニリンを単離したい場合には、例えば特許文献3に記載の方法に準じて単離することができる。
【0078】
以下に第1工程および第2工程について詳しく説明する。
(第1工程)
第1工程は、化合物2,4−ジクロロニトロベンゼンを、常圧下、不活性溶媒中、メチルアミンと反応させ、N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンを製造する工程である。
【0079】
本工程で用いられる不活性溶媒としては、原料となる化合物2,4−ジクロロニトロベンゼン、メチルアミン、およびN−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンをある程度以上溶解し、反応を阻害しないものであれば特に限定はない。そのような溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロプロピルメチルエーテル、ジメチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、又はジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、又はヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシドまたはスルホラン等のスホキシド類;もしくはこれらの混合溶媒が挙げられ、好適には、エーテル類、アミド類、又はスルホキシド類であり、更に好適には、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、又はジメチルスルホキシドである。
【0080】
本工程で用いられるメチルアミンは、気体のまま、または溶液として添加される。溶液として添加される場合、溶媒としてはメチルアミンを溶解するものであれば特に限定はない。そのような溶媒としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール又はメチルセロソルブ等のアルコール類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、又はメシチレン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロプロピルメチルエーテル、ジメチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、又はジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、又はヘキサメチルリン酸トリアミド等のアミド類:もしくはジメチルスルホキシド又はスルホラン等のスホキシド類が挙げられ、好適には、水、アルコール類、エーテル類、アミド類、又はスルホキシド類であり、更に好適には、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、又はジメチルスルホキシドである。
【0081】
本工程において、メチルアミン溶液を用いる場合その濃度には特に限定はないが、通常1%乃至飽和溶液であり、好適には、10%乃至飽和溶液であり、更に好適には、20%乃至飽和溶液である。
【0082】
本工程で使用されるメチルアミンの量は、用いられる化合物(I)に対して1当量以上であれば特に限定はないが、好適には、1乃至10当量であり、更に好適には、3乃至6当量である。
【0083】
本工程の反応温度は、特に限定はないが、通常、0℃乃至還流温度であり、好適には、室温乃至120℃であり、更に好適には、40℃乃至90℃である。
【0084】
本工程における常圧とは大気圧を示すが、反応容器等の構造等の理由によっては大気圧を下回ってもよいし、越えてもよい。この圧力に制限はないが、通常0.5乃至10気圧であり、好適には、0.9乃至2気圧である。
【0085】
本工程の反応時間には特に限定はないが、通常15分乃至24時間であり、好適には、15分乃至6時間であり、更に好適には、30分乃至3時間である。
【0086】
本工程の反応終了後は後処理することなく引き続き第2工程を実施する。

(第2工程)
第2工程は、上記第1工程で製造したN−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアニリンを単離することなく、第1工程に引き続き実施する。
【0087】
第2工程は、N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアニリンを単離することなく、塩基の存在下、水、アルコール類、ヒドロキシアリール類、硫化水素、メルカプタン類、アンモニア、アミン類、又はアミド類と反応させ、化合物(II)を製造する工程である。
【0088】
本工程では、第1工程で使用した不活性溶媒をそのまま使用する。
【0089】
本工程で用いられる塩基は、水、アルコール類、ヒドロキシアリール類、硫化水素、メルカプタン類、アンモニア、アミン類、又はアミド類とをあらかじめ反応させ塩としておいたものを直接反応させてもよい。
【0090】
本工程で用いられる塩基の量は、用いられる水、アルコール類、ヒドロキシアリール類、硫化水素、メルカプタン類、アンモニア、アミン類、又はアミド類に対して通常、1乃至2当量であり、好適には、1乃至1.6当量であり、更に好適には、1.2当量である。
【0091】
本工程で用いられるアルコール類は、置換基を有していてもよい直鎖又は分枝のC1−C6アルキルアルコールであれば特に限定はないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ペンタノール、イソペンチルアルコール、s−ペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、ヘキサノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、ピリジン−4−イルメタノール、2−メトキシエタノール、2−メチルチオエタノール、2,2,2−トリフロロエタノール、又は2−シアノエタノール等であり、好適には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール又はベンジルアルコールである。
【0092】
本工程で用いられるヒドロキシアリール類には特に限定はないが、例えば、フェノール、2−メチルフェノール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、4−プロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−フェニルフェノール、4−カルボキシフェノール、4−ホルミルフェノール、4−アセチルフェノール、4−ベンゾイルフェノール、4−メトキシフェノール、2−エトキシフェノール、4−プロポキシフェノール、3−イソプロポキシフェノール、4−フェノキシフェノール、4−アミノフェノール、2−(N−メチルアミノ)フェノール、3−(N,N−ジメチルアミノ)フェノール、3−(N−イソプロピルアミノ)フェノール、4−アミノ−3,5−ジメチルフェノール、3−モルホリノフェノール、4−(N−フェニルアミノ)フェノール、4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェノール、4−(N−メチルカルバモイル)フェノール、4−(N,N−ジメチルカルバモイル)フェノール、4−(メチルチオ)フェノール、2−(フェニルチオ)フェノール、3−(メチルスルフィニル)フェノール、4−(フェニルスルフィニル)フェノール、4−(メチルスルホニル)フェノール、3−(フェニルスルホニル)フェノール、3−ヒドロキシベンゼンスルホン酸、2−フロロフェノール、3−フロロフェノール、4−フロロフェノール、3,5−ジフロロフェノール、2−クロロフェノール、4−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、4−ブロモフェノール、3−ニトロフェノール、3,5−ジメチル−4−ニトロフェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、2−ヒドロキシピリジン(2−ピリドンの互変異体)、3−ヒドロキシピリジン、4−ヒドロキシピリジンであり、好適には、フェノール、4−メチルフェノール、3−イソプロピルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、4−メトキシフェノール、3−イソプロポキシフェノール、4−アミノフェノール、2−(N−メチルアミノ)フェノール、3−(N,N−ジメチルアミノ)フェノール、3−(N−イソプロピルアミノ)フェノール、4−アミノ−3,5−ジメチルフェノール、3−モルホリノフェノール、4−(メチルチオ)フェノール、2−フロロフェノール、3−フロロフェノール、4−フロロフェノール、3,5−ジフロロフェノール、2−クロロフェノール、4−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、4−ブロモフェノール、3−ニトロフェノール、3,5−ジメチル−4−ニトロフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノールである。
【0093】
本工程で用いられるメルカプタン類には特に限定はないが、例えば、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、イソブチルメルカプタン、s−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ペンチルメルカプタン、イソペンチルメルカプタン、s−ペンチルメルカプタン、t−ペンチルメルカプタン、ネオペンチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、アリルメルカプタン、プロパルギルメルカプタン、ベンジルメルカプタン、ピリジン−4−イルメチルメルカプタン、2−メトキシエチルメルカプタン、フェニルメルカプタン、2−メチルフェニルメルカプタン、4−メチルフェニルメルカプタン、4−エチルフェニルメルカプタン、4−プロピルフェニルメルカプタン、3−イソプロピルフェニルメルカプタン、4−フェニルメルカプタン、4−カルボキシフェニルメルカプタン、4−アセチルフェニルメルカプタン、4−メトキシフェニルメルカプタン、2−エトキシフェニルメルカプタン、4−プロポキシフェニルメルカプタン、3−イソプロポキシフェニルメルカプタン、4−フェノキシフェニルメルカプタン、4−アミノフェニルメルカプタン、2−(N−メチルアミノ)フェニルメルカプタン、3−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルメルカプタン、3−(N−イソプロピルアミノ)フェニルメルカプタン、4−アミノ−3,5−ジメチルフェニルメルカプタン、3−モルホリノフェニルメルカプタン、4−(N−フェニルアミノ)フェニルメルカプタン、4−(メチルチオ)フェニルメルカプタン、2−(フェニルチオ)フェニルメルカプタン、3−(メチルスルフィニル)フェニルメルカプタン、4−(メチルスルホニル)フェニルメルカプタン、3−(フェニルスルホニル)フェニルメルカプタン、2−フロロフェノニルメルカプタン、3−フロロフェニルメルカプタン、4−フロロフェニルメルカプタン、3,5−ジフロロフェニルメルカプタン、2−クロロフェニルメルカプタン、4−クロロフェニルメルカプタン、2,4−ジクロロフェニルメルカプタン、3−ニトロフェニルメルカプタン、3,5−ジメチル−4−ニトロフェニルメルカプタン、2−シアノフェニルメルカプタン、3−シアノフェニルメルカプタン、4−シアノフェニルメルカプタン、2−ピリジルメルカプタン(2−チオピリドンの互変異体)、3−ピリジルメルカプタン、4−ピリジルメルカプタンであり、好適には、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、イソブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、ネオペンチルメルカプタン、アリルメルカプタン、ベンジルメルカプタン、ピリジン−4−イルメチルメルカプタン、フェニルメルカプタン、4−メチルフェニルメルカプタン、4−エチルフェニルメルカプタン、4−プロピルフェニルメルカプタン、3−イソプロピルフェニルメルカプタン、4−フェニルメルカプタン、4−カルボキシフェニルメルカプタン、4−メトキシフェニルメルカプタン、3−イソプロポキシフェニルメルカプタン、4−フェノキシフェニルメルカプタン、4−アミノフェニルメルカプタン、2−(N−メチルアミノ)フェニルメルカプタン、3−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルメルカプタン、3−(N−イソプロピルアミノ)フェニルメルカプタン、4−アミノ−3,5−ジメチルフェニルメルカプタン、3−モルホリノフェニルメルカプタン、4−(N−フェニルアミノ)フェニルメルカプタン、4−(メチルチオ)フェニルメルカプタン、2−(フェニルチオ)フェニルメルカプタン、3−(メチルスルフィニル)フェニルメルカプタン、4−(メチルスルホニル)フェノール、3−(フェニルスルホニル)フェノール、2−フロロフェノニルメルカプタン、3−フロロフェニルメルカプタン、4−フロロフェニルメルカプタン、3,5−ジフロロフェニルメルカプタン、2−クロロフェニルメルカプタン、4−クロロフェニルメルカプタン、2,4−ジクロロフェニルメルカプタン、3−ニトロフェニルメルカプタン、3,5−ジメチル−4−ニトロフェニルメルカプタン、2−シアノフェニルメルカプタン、3−シアノフェニルメルカプタン、4−シアノフェニルメルカプタン、2−ピリジルメルカプタン(2−チオピリドンの互変異体)、3−ピリジルメルカプタン、4−ピリジルメルカプタンである。
【0094】
本工程で用いられるアミン類は特に限定はないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ペンチルアミン、イソペンチルアミン、s−ペンチルアミン、t−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、ヘキシルアミン、アリルアミン、プロパルギルアミン、ベンジルアミン、ピリジン−4−イルメチルアミン、2−メトキシエチルアミン、フェニルアミン、2−メチルフェニルアミン、4−メチルフェニルアミン、4−エチルフェニルアミン、4−プロピルフェニルアミン、3−イソプロピルフェニルアミン、4−フェニルアミン、4−カルボキシフェニルアミン、4−メトキシフェニルアミン、2−エトキシフェニルアミン、4−プロポキシフェニルアミン、3−イソプロポキシフェニルメルアミン、4−フェノキシフェニルアミン、2−(N−メチルアミノ)フェニルアミン、3−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルアミン、3−(N−イソプロピルアミノ)フェニルアミン、4−アミノ−3,5−ジメチルフェニルアミン、3−モルホリノフェニルアミン、4−(N−フェニルアミノ)フェニルメルアミン、4−(メチルチオ)フェニルメルアミン、2−(フェニルチオ)フェニルアミン、3−(メチルスルフィニル)フェニルアミン、4−(メチルスルホニル)フェニルアミン、3−(フェニルスルホニル)フェニルアミン、2−フロロフェノニルアミン、3−フロロフェニルアミン、4−フロロフェニルアミン、3,5−ジフロロフェニルアミン、2−クロロフェニルアミン、4−クロロフェニルアミン、2,4−ジクロロフェニルアミン、3−ニトロフェニルアミン、3,5−ジメチル−4−ニトロフェニルアミン、2−シアノフェニルアミン、3−シアノフェニルメルカプタン、4−シアノフェニルアミン、2−ピリジルアミン、3−ピリジルアミン、4−ピリジルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン、ピロリジン、モルホリン、N−メチル−N−フェニルアミンであり、好適には、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、ネオペンチルアミン、ヘキシルアミン、アリルアミン、ベンジルアミン、ピリジン−4−イルメチルアミン、フェニルアミン、2−メチルフェニルアミン、4−メチルフェニルアミン、4−エチルフェニルアミン、3−イソプロピルフェニルアミン、4−フェニルアミン、4−メトキシフェニルアミン、2−エトキシフェニルアミン、3−イソプロポキシフェニルアミン、4−フェノキシフェニルアミン、2−(N−メチルアミノ)フェニルアミン、3−(N,N−ジメチルアミノ)フェニルアミン、3−(N−イソプロピルアミノ)フェニルアミン、4−アミノ−3,5−ジメチルフェニルアミン、3−モルホリノフェニルアミン、4−(N−フェニルアミノ)フェニルメルアミン、4−(メチルチオ)フェニルメルアミン、2−(フェニルチオ)フェニルアミン、3−(メチルスルフィニル)フェニルアミン、4−(メチルスルホニル)フェニルアミン、2−フロロフェノニルアミン、3−フロロフェニルアミン、4−フロロフェニルアミン、3,5−ジフロロフェニルアミン、2−クロロフェニルアミン、4−クロロフェニルアミン、2,4−ジクロロフェニルアミン、3−ニトロフェニルアミン、3,5−ジメチル−4−ニトロフェニルアミン、2−シアノフェニルアミン、3−シアノフェニルメルカプタン、4−シアノフェニルアミン、3−ピリジルアミン、4−ピリジルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジイソプロピルアミン、ピロリジン、モルホリン、N−メチル−N−フェニルアミンである。
【0095】
本工程で用いられるアミド類には特に限定はないが、例えば、アセタミド、ベンツアミド、メタンスルホニルアミド、ベンゼンスルホニルアミド、N−メチルアセタミド、N−イソプロピルアセタミド、N−フェニルアセタミド、N−メチルベンツアミド、N−メチルメタンスルホニルアミド、N−ブチルメタンスルホニルアミド、N−メチルベンゼンスルホニルアミドがあり、好適には、アセタミド、ベンツアミド、メタンスルホニルアミド、N−メチルアセタミド、N−イソプロピルアセタミド、N−メチルメタンスルホニルアミドがある。
【0096】
本工程の反応温度は特に限定はないが、通常0℃乃至還流温度、好適には、室温乃至180℃、更に好適には、40℃乃至150℃である。
【0097】
本工程の反応時間には特に限定はないが、通常15分乃至24時間、好適には、15分乃至6時間、更に好適には、30分乃至3時間である。
【0098】
本工程の反応終了後、又は、後処理後、生成物である化合物(II)の物性に応じて、酸性、中性、又は塩基性にした後、抽出、濾別等の単離操作を行う。単離後、生成物は、そのまま使用してもよいし、あるいは必要に応じて、蒸留、再結晶、昇華、分配、もしくはクロマトグラフィー等の通常の精製法で精製したのち使用してもよい。
【0099】
特に、第2工程において酸化性の不純物が副生し、目的とする化合物(I)の収率が低下したり、純度を低下させることがある。このような場合は、不活性溶媒を脱気する、あるいは抗酸化剤を添加する、もしくは不活性溶媒を脱気しさらに抗酸化剤を添加すると、不純物の副生が抑えられ、目的の化合物(I)を簡便な操作で高収率かつ高純度に得る事ができる。抗酸化剤としては抗酸化効果が認められているものであれば特に限定はないが、好適には、2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールである。

(第2a工程)
第2a工程は、本発明の新規な製造中間体である化合物(IIa)を製造する工程であり、単離されたN−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアニリンもしくは、第1工程で製造されたN−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアニリンを単離することなく、塩基の存在下、ヒドロキシアリール類のひとつである化合物(V):
【0100】
【化11】

【0101】
(式中、Rは、前述したものと同意義を示す。)
と反応させ、化合物(IIa)を製造する工程を特に取り出して記載したものであり、上述の第2工程に記載の方法に準じて、行うことが出来る。
【0102】

本工程で用いられる塩基は、化合物(V)とをあらかじめ反応させ塩としておいたものを直接反応させてもよい。本工程で用いられる塩基の量は、上述の第2工程と同様に、化合物(V)に対して通常、1乃至2当量であり、好適には、1乃至1.6当量であり、更に好適には、1.2当量である。
【0103】
本工程の反応温度は特に限定はないが、通常0℃乃至還流温度、好適には、室温乃至180℃、更に好適には、40℃乃至150℃である。
【0104】
本工程の反応時間には特に限定はないが、通常15分乃至24時間、好適には、15分乃至6時間、更に好適には、30分乃至3時間である。
【0105】
本工程の反応終了後、又は、後処理後、生成物である化合物(IIa)の物性に応じて、酸性、中性、又は塩基性にした後、抽出、濾別等の単離操作を行う。単離後、生成物は、そのまま使用してもよいし、あるいは必要に応じて、蒸留、再結晶、昇華、分配、もしくはクロマトグラフィー等の通常の精製法で精製したのち使用してもよい。
【0106】
第2a工程において、上記第2工程と同様に、酸化性の不純物が副生し、目的とする化合物(I)の収率が低下したり、純度を低下させることがある。このような場合は、上記第2工程に記載のごとく、不活性溶媒を脱気する、あるいは抗酸化剤を添加する、もしくは不活性溶媒を脱気しさらに抗酸化剤を添加すると、不純物の副生が抑えられ、目的の化合物(I)を簡便な操作で高収率かつ高純度に得る事ができる。抗酸化剤としては抗酸化効果が認められているものであれば特に限定はないが、好適には、2,4−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールである。
【0107】

次に、本発明の化合物(I)及びその製造中間体である化合物(III)を製造する方法について、以下に詳細に説明する。
【0108】
【化12】

【0109】
上記式中及び以下の記載において、R及びXは、前述したものと同意義を示す。
(第3工程)
第3工程は、化合物(II)と4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ酢酸とを縮合させ、本発明の化合物(III)を製造する工程である。
【0110】
本工程は、以下に詳しく述べる、酸ハライド法、活性エステル化法、又は混合酸無水物法で行われる。
(酸ハライド法)
酸ハライド法は、不活性溶媒中、4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ酢酸を塩化チオニル又は塩化オキザリル等のハロゲン化剤と反応させ、ハロゲン化4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシアセチルを製造し、化合物(II)またはその塩と、不活性溶媒中、塩基の存在下、または非存在下、アミド化させることにより行われる。
【0111】
ハロゲン化反応に用いるハロゲン化剤としては、カルボン酸を酸ハロゲン化物に変換可能なものであれば特に限定はない。そのようなハロゲン化剤としては、例えば、塩化チオニル、臭化チオニル、塩化オキザリル、オキシ塩化リン、三塩化リン、五塩化リン等が挙げられ、好適には、塩化チオニル、塩化オキザリル、五塩化リンであり、特に好適には、塩化チオニルである。
【0112】
ハロゲン化反応に用いるハロゲン化剤の量は、用いる4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ酢酸に対し、1当量以上であれば特に限定はないが、好適には、1乃至2当量、更に好適には、1乃至1.2当量である。
【0113】
用いられる不活性溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定はない。そのような溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;スルホラン、及びそれらの混合物であり、好適には、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、エーテル類又はアミド類、及びそれらの混合物であり、更に好適には、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド又はそれらの混合物であり、特に好適には、ジクロロメタン又はアセトニトリルである。
【0114】
ハロゲン化反応は触媒を添加することによって反応がより速やかに進行する場合がある。
【0115】
触媒を添加する場合、触媒としては通常、アミン、アミンの誘導体又は含窒素へテロ環化合物が用いられる。
【0116】
アミンを用いる場合、通常3級アミンが用いられ、そのようなアミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン又はトリブチルアミン等のトリアルキルアミン類;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等のジアルキルアリールアミン類;もしくはジフェニルメチルアミン等のジアリールアルキルアミン類が挙げられる。
【0117】
アミンの誘導体としては、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド等のN,N−ジアルキルアミド類等が挙げられる。
【0118】
含窒素へテロ環化合物としては、ピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、イミダゾールまたはトリアゾール等が挙げられる。
【0119】
好適には、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ピリジン、又はN,N−ジメチル−4−アミノピリジンであり、更に好適には、トリエチルアミン、ジメチルホルムアミド、ピリジン又はN,N−ジメチル−4−アミノピリジンであり、特に好適には、ジメチルホルムアミドである。
【0120】
用いる触媒の量は、特に限定はないが、用いるハロゲン化剤に対して、通常0.01乃至20当量であり、好適には、0.l乃至10当量であり、更に好適には、0.3乃至5当量である。
【0121】
本工程における反応温度は、原料化合物、試薬等により異なるが、通常−20℃乃至150℃であり、好適には、−10℃乃至100℃であり、更に好適には−10乃至40℃である。
【0122】
ハロゲン化反応の反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至80時間であり、好適には、30分間乃至48時間であり、更に好適には、1時間乃至6時間である。
【0123】
ハロゲン化反応の終了後、ハロゲン化4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシアセチルもしくはその塩は単離したのちアミド化反応を実施してもよいし、単離しないままアミド化を実施してもよく、好適には、単離しないままアミド化反応を実施したほうがよい。
【0124】
アミド化反応は、化合物(III)を製造する工程であり、ハロゲン化4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシアセチルと化合物(II)を不活性溶媒中、反応させることにより達成される。
【0125】
本工程では塩基を用いると反応が速やかに進行する場合がある。本工程で塩基を使用する場合、用いる塩基とは、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩類、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物類;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物類;リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ナノ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)のような有機アミン類であり、好適には、有機アミン類であり、さらに好適には、トリエチルアミン、トリブチルアミン又はピリジンであり、特に好適には、トリエチルアミンである。
【0126】
アミド化反応は通常、不活性溶媒中で行われる。不活性溶媒としては反応を阻害しないものであれば特に限定はない。そのような不活性溶媒とは、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;スルホランのようなスルホン類;およびそれらの混合物であり、好適には、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、エーテル類又はアミド類、およびそれらの混合物であり、更に好適には、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド又はそれらの混合物であり、特に好適には、ジクロロメタン又はアセトニトリルである。
【0127】
アミド化反応の反応温度は、原料化合物、試薬等により異なるが、通常、−20℃乃至150℃であり、好適には、−20℃乃至100℃である。
【0128】
アミド化反応の反応時間は、原料化合物、試薬、反応温度等により異なるが、通常、30分間乃至80時間である。好適には1時間乃至48時間である。
【0129】
(活性エステル化法)
活性エステル化法は、塩基の存在下または非存在下、不活性溶媒中、4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ酢酸と活性エステル化剤を反応させ、活性エステル類を製造し、化合物(II)と反応させて化合物(III)を製造することにより行われる。
【0130】
活性エステル化法に用いられる活性エステル化剤は、例えば、N−ヒドロキシサクシンイミド、1−ヒドロキシベンズトリアゾール、又はN−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシルイミドのようなN−ヒドロキシ化合物;ジピリジルジスルフィドのようなジスルフィド化合物;ジシクロヘキシルカルボジイミドのようなカルボジイミド;もしくはカルボニルジイミダゾール、トリフェニルホスフィンのような縮合剤が挙げられる。
【0131】
活性エステル化法に用いられる不活性溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定はない。そのような溶媒とは、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;スルホラン、及びそれらの混合物であり、好適には、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、エーテル類又はアミド類、及びそれらの混合物であり、更に好適には、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド又はそれらの混合物であり、特に好適には、テトラヒドロフラン、ジオキサン、又はアセトニトリルである。
【0132】
活性エステル化法で塩基を用いる場合は、前述の酸ハライド法で用いているものと同様の塩基を用いることができる。
【0133】
活性エステル化法の反応温度は、原料化合物、試薬等により異なるが、通常−70℃乃至150℃であり、好適には、−20℃乃至100℃である。
【0134】
活性エステル化法の反応時間は原料化合物、試薬、反応温度等により異なるが、通常10分間乃至80時間、好適には、30分間乃至12時間である。
【0135】
(混合酸無水物法)
混合酸無水物法は、塩基の存在下または非存在下、不活性溶媒中、4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ酢酸と混合酸無水物化剤を反応させ、混合酸無水物類を製造し、化合物(II)と反応させて化合物(III)を製造することにより行われる。
【0136】
混合酸無水物法に用いられる混合酸無水物化剤としては、例えば、塩化アセチル又は塩化ピバロイルのようなハロゲン化アルカノイル類;クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、またはクロロ炭酸フェニルのようなクロロ炭酸類;シアノホスホン酸ジエチル、シアノホスホン酸ジフェニルのようなシアノリン酸類が用いられる。
【0137】
混合酸無水物法に用いられる不活性溶媒としては、反応を阻害しないものであれば特に限定はない。そのような溶媒とは、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、又は石油エーテルのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素のようなハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;ジメチルスルホキシドのようなスルホキシド類;スルホラン、及びそれらの混合物であり、好適には、ハロゲン化炭化水素類、ニトリル類、エーテル類又はアミド類、及びそれらの混合物であり、更に好適には、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド又はそれらの混合物であり、特に好適には、テトラヒドロフラン、ジオキサン、又はアセトニトリルである。
【0138】
混合酸無水物法で塩基を用いる場合は、前述の酸ハライド法で用いているものと同様の塩基を用いることができる。
【0139】
混合酸無水物法の反応温度は、原料化合物、試薬等により異なるが、通常−70℃乃至150℃であり、好適には、20℃乃至100℃である。
【0140】
混合酸無水物法の反応時間は原料化合物、試薬、反応温度等により異なるが、通常10分間乃至80時間、好適には、30分間乃至12時間である。
【0141】
酸ハロゲン化、活性エステル化法、および混合酸無水物法の反応終了後、化合物(III)は通常の後処理の後、必要に応じて中和処理を行った後、抽出、自然晶析等の操作によって反応混合物から分離される。得られた化合物(III)は、そのまま次の工程に使用いてもよいし、必要であれば、再結晶、再沈殿、クロマトグラフィー等の通常の精製法で精製した後、使用してもよい。
【0142】

(第4工程)
第4工程は、溶媒中で、化合物(III)のニトロ基を還元したのち、さらに分子内で脱水縮合を行わせ、化合物(I)あるいはその薬理上許容される塩を製造する工程であり、中間体として化合物(IV)を経て進行している。
【0143】
本工程におけるニトロ基の還元は、ニトロ基を還元する方法として一般的に知られている方法を用いることができるが、通常、触媒水素添加によって行われる。
【0144】
本工程で用いられる触媒としては、触媒水素添加に通常用いられるものであれば特に限定はない。そのような触媒としては、例えばパラジウム−炭素触媒、白金−炭素触媒、ラネーニッケル、ウィルキンソン錯体等が用いられ、好適には、パラジウム−炭素触媒又は白金−炭素触媒である。
【0145】
本工程での水素圧力は1気圧以上であれば特に限定はないが、通常1乃至20気圧であり、好適には、1乃至10気圧である。
【0146】
本工程で用いられる溶媒としては、化合物(III)をある程度溶解し反応を阻害しないものであれば特に限定はない。そのような溶媒とは、例えば、ヘキサン、ヘプタン、リグロイン、石油エーテル、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化水素類;酢酸のようなカルボン酸類;酢酸エチル、酢酸ブチルのようなカルボン酸エステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルのようなニトリル類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテルのようなエーテル類;ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミドのようなアミド類;およびそれらの混合物であり、好適には、アルコール類、カルボン酸類、カルボン酸エステル類、ニトリル類、エーテル類又はアミド類、およびそれらの混合物であり、更に好適には、メタノール、カルボン酸エステル類、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド又はそれらの混合物であり、特に好適には、メタノール、又はメタノールとジメチルアセトアミドの混合溶媒である。
【0147】
本工程において酸を添加することにより、反応が促進される場合がある。また、そのまま化合物(I)の薬理上許容される塩を取得するために、酸を添加する場合もある。
【0148】
本工程において酸を添加する場合、添加する酸には特に限定はないが、例えば、ヒドロキシ酢酸、シュウ酸、クエン酸のような有機酸類;又は塩酸、臭素酸のようなハロゲン化水素酸類が用いられ、好適には、塩酸である。
【0149】
本工程において酸を添加する場合、添加する酸の量に特に限定はないが、通常、化合物(IV)に対し、1乃至100当量であり、好適には、1乃至10当量である。
【0150】
本工程の反応温度は特に限定はないが、通常、0℃乃至150℃で行われ、好適には、室温乃至100℃である。
【0151】
本工程の反応終了後は、後処理後、生成物の物性に応じて酸性、中性、または塩基性にした後、単離操作を行う。単離後、生成物はそのまま、あるいは必要に応じ、再結晶、もしくはクロマトグラフィー等の通常の精製法で精製してもよい。
【実施例】
【0152】
以下に本発明の実施例を示し、さらに詳しく説明するが、本発明の範囲は、これらに限定されるものではない。
【0153】
(実施例1)
N−[5−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−2−ニトロフェニル]−N−メチルアミン(第2a工程)
N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン4.0gのN,N−ジメチルアセトアミド(56mL)溶液に、氷冷下、4−アミノ−3,5−ジメチルフェノール2.9gとカリウムt−ブトキシド2.9gを加え、75〜80℃で1時間攪拌した。水74mLを加えた後、室温まで徐冷した。析出した結晶を濾取して減圧下で乾燥し、目的化合物を黄色結晶として4.9g得た(収率80%)。
磁気共鳴スペクトル(400MHz、CDCl)δppm:2.20 (s, 6H), 2.90 (d, J = 4.9 Hz, 3H), 3.57 (s, 2H), 6.16−6.21 (m, 2H), 6.71(s, 2H), 8.11 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 8.20 (brs, 1H)。
【0154】
(実施例2)
N−[5−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−2−ニトロフェニル]−N−メチルアミン(第2a工程)
N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン8.00gのN,N−ジメチルアセトアミド(112mL)溶液に、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール0.24gを加えた。ここへ4−アミノ−3,5−ジメチルフェノール6.47gとカリウムt−ブトキシド5.29gを加え、60℃で30分間攪拌した。水4mLを加えた後、水120mLを2時間かけて滴下したのち、室温まで徐冷した。析出した結晶をろ別し、水80mL洗浄後、減圧下で乾燥し、目的化合物を黄色結晶として11.45g得た(収率93%)。
【0155】
得られた目的物は、実施例1で示したものと同様の核磁気共鳴スペクトルを示した。
【0156】
(実施例3)
N−[5−(3,5−ジメチル−4−ニトロフェノキシ)−2−ニトロフェニル]−N−メチルアミン(第2a工程)
N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン0.86gおよび3,5−ジメチル−4−ニトロフェノール0.76gのN,N−ジメチルアセトアミド(12mL)溶液に、室温でカリウムt−ブトキシド0.554gを加え、同温度で20分間、100℃で10分間、125℃で45分間、140℃で1時間攪拌した。反応混合液を0℃まで冷却した後、3規定塩酸を加え、pHを約3とした。析出した結晶を濾別し、3規定塩酸、ついで水で洗浄した。得られた結晶を3日間風乾し、目的化合物を1.16g得た(収率80%)。
磁気共鳴スペクトル(400MHz、CDCl)δppm:2.32 (s, 6H), 2.97 (d, J = 5.1Hz, 3H), 6.23 (dd, J = 9.5 Hz, J = 2.4 Hz, 1H), 6.36 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.82 (s, 2H), 8.20 (d, J = 9.5 Hz, 1H)。
【0157】
(実施例4)
N−(5−メトキシ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン(第1、2工程)
2,4−ジクロロニトロベンゼン3.0gのN,N−ジメチルアセトアミド(30mL)溶液に、室温下、40%メチルアミン水溶液4.9gを加え、75〜80℃で2時間攪拌した。その後28%ナトリウムメトキシド溶液(メタノ−ル溶液)7.6gを加えた後、同温度にて1.5時間攪拌した後、さらにナトリウムメトキシドのメタノ−ル溶液(28%)1.6gを加え、同温度にて1時間攪拌した。水60mLを加えた後、室温まで徐冷した。析出した結晶を濾取して減圧下で乾燥し、目的化合物を黄色結晶として2.2g得た(収率77%)。
核磁気共鳴スペクトル(400MHz、CDCl)δppm: 3.01 (d, J = 4.9 Hz, 3H), 3.89 (s, 3H), 6.13 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.25(dd, J = 9.5 Hz, J = 2.7 Hz, 1H), 8.16 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 8.29 (brs, 1H)。
【0158】
(実施例5)
N−[5−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−2−ニトロフェニル]−N−メチルアミン(第1、2工程)
2,4−ジクロロニトロベンゼン3.0gのN,N−ジメチルアセトアミド(30mL)溶液に、室温下、40%メチルアミン水溶液4.9gを加え、75〜80℃で1.5時間攪拌した。4−アミノ−3,5−ジメチルフェノール2.2g、カリウムt−ブトキシド3.5g、及びN,N−ジメチルアセトアミド15mLを加え、同温度にて3時間攪拌した。水60mLを加えた後、室温まで徐冷した。析出した結晶を濾取して減圧下で乾燥し、目的化合物を黄色結晶として3.0g得た(収率67%)。
【0159】
核磁気共鳴スペクトルは、実施例1で得られたものと一致した。
【0160】
(実施例6)
N−[5−(4−t−ブトキシカルボニルアミノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−2−ニトロフェニル]−N−メチルアミン
実施例5で得られたN−[5−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−2−ニトロフェニル]−N−メチルアミン40.00gのトルエン(400ml)溶液に、室温下、トリエチルアミン21.13g、ジ−t−ブチルジカーボネート33.42gを加え、3時間還流した。ここへジ−t−ブチルジカーボネート12.15g、トリエチルアミン7.04gを加え、さらに2時間還流した。室温まで冷却後、有機層を100mlの10%塩酸で3回洗浄し、さらに60mlの20%塩酸で2回洗浄し、ついで100mlの5%重曹水で2回洗浄し、最後に100mlの水で洗浄した。得られた有機層を一昼夜冷蔵保存し、ここへエチルシクロヘキサン(120ml)を加え、0℃で1時間攪拌した。析出した結晶をろ別し、0℃のトルエン−エチルシクロヘキサン(1:4、100ml)で洗浄した。得られた結晶を減圧下、40℃で乾燥し、目的化合物を48.79g得た(収率91%)。
核磁気共鳴スペクトル(400MHz、CDCl)δppm: 1.53 (brs, 9H), 2.27 (s, 6H), 2.93 (d, J = 4.9 Hz, 3H), 5.84 (brs, 1H), 6.20 (dd, J = 2.4 Hz, J = 9.5Hz, 1H), 6.31 (brs, 1H), 6.80 (s, 2H), 8.14 (d, J = 9.5 Hz, 1H), 8.19 (brd, 1H)。
【0161】
(実施例7)
N−[5−(3,5−ジメチル−4−ニトロフェノキシ)−2−ニトロフェニル]−2−{4−[2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−5−イル]メチル}フェノキシ}−N−メチルアセトアミド(第3工程)(例示化合物番号211)
4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ酢酸1.07gのアセトニトリル(10ml)懸濁液に、0℃で、塩化チオニル0.46g、ジメチルホルムアミド0.2mlを加え、同温度で20分間、10℃で20分間、30℃で20分間、さらに40℃で30分間攪拌した。ここへN−[5−(3,5−ジメチル−4−ニトロフェノキシ)−2−ニトロフェニル]−N−メチルアミン1.01g、N,N−ジメチルアミノピリジン0.04gを加え、53℃で2時間攪拌した。反応液を0℃まで冷却後、3規定−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(80ml)で抽出した。有機層を16mlの飽和重曹水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮乾固すると目的物が橙色アモルファスとして2.09g得られた(収率99%)。
核磁気共鳴スペクトル(主に2種類の回転障害異性体の混合物となっているため、特徴的かつ帰属可能なピークを判別できる範囲で記載する。)(400MHz、CDCl)δppm: 2.33 (s, 6H, Ar−CH), 3.26 and 3.27 (s, 3H, NCH), 8.09 (brm, 1H, CONHCO)。
【0162】
(実施例8)
2−{4−[(2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ}−N−(5−メトキシ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアセトアミド(第3工程)(例示化合物番号1)
4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ酢酸8.00gのアセトニトリル(64ml)懸濁液に、室温で、塩化チオニル3.38g、ジメチルホルムアミド3.2mlを加え25℃で30分間、40℃で30分間攪拌した。ここへN−(5−メトキシ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミン3.84g、N,N−ジメチルアミノピリジン0.32gを加え、さらにアセトニトリル(16ml)を加え、同温度で1時間攪拌した。反応液を0℃まで冷却後、水(32ml)を加え、酢酸エチル(80ml)で抽出した。有機層を16mlの飽和重曹水で2回洗浄後、濃縮乾固すると目的物が橙色アモルファスとして9.67g得られた(収率100%)。
核磁気共鳴スペクトル(2種類の回転障害異性体の混合物となっているため、存在比の大きな異性体について判別できる範囲で記載する。)(400MHz、DMSO−d)δppm: 2.9−3.1 (m, 2H), 3.2 (s, 3H), 3.91 (s, 3H), 4.36 (d, J = 14.9 Hz, 1H), 4.54 (d, J = 14.9 Hz, 1H), 4.6−4.9 (m, 1H), 4.99 (brs, 1H), 6.76 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.0−7.2 (m, 4H), 7.35 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 8.21 (d, J = 9.3 Hz, 1H)。
【0163】
(実施例9)
4−{3−[({4−[(2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−5−イル)メトキシ]フェノキシ}アセチル)(メチル)アミノ]−4−ニトロフェノキシ}−2,6−ジメチルフェニルカルバミン酸 t−ブチル(第3工程)(例示化合物番号210)
4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ酢酸15.00gのアセトニトリル(150ml)懸濁液に、室温で、塩化チオニル6.92g、ジメチルホルムアミド12.0mlを加え室温で1.5時間攪拌した。ここへN−[5−(4−t−ブトキシカルボニルアミノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−2−ニトロフェニル]−N−メチルアミン20.00gのジメチルホルムアミド(60ml)−アセトニトリル(75ml)溶液を加え、さらにアセトニトリル(35ml)を加えた。ここへN,N−ジメチルアミノピリジン2.61gを加え、5時間攪拌した。反応混合物へ酢酸エチル(300ml)を注いだ。有機層を100mlの20%食塩水、100mlの5%重曹水、次いで100mlの水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(酢酸エチル−ヘキサン = 1:10 〜 2:1)、目的物を黄色結晶として24.44g得た(収率70%)。
核磁気共鳴スペクトル(主に2種類の回転障害異性体の混合物となっているため、特徴的かつ帰属可能なピークを判別できる範囲で記載する。)(400MHz、CDCl)δppm: 1.52 (brs, 9H, C(CH)), 2.271 and 2.275 (s, 6H, Ar−CH), 3.25 (s, 3H, NCH), 5.97 (brm, 1H, CONH−Ar), 9.00 (brm, 1H, CONHCO)。
【0164】
(実施例10)
5−[4−(6−メトキシ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イルメトキシ)ベンジル]チアゾリジン−2,4−ジオン 塩酸塩(第4工程)
2−{4−[(2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ}−N−(5−メトキシ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアセトアミド444.7mgのメタノール(20ml)−ジメチルアセトアミド(5ml)溶液に、濃塩酸0.344ml、10%−含水パラジウム炭素触媒244mgを加えた。容器内を水素で置換し(5kg/cm)、50℃で3.5時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応混合物をろ過し、薄黄色のろ液を得た。このろ液を約5gとなるまで濃縮すると、結晶が析出した。得られた結晶をろ別後、メタノールで洗浄し、目的物を白色結晶として210mg得た(収率48%)。
核磁気共鳴スペクトル(500MHz、DMSO−d)δ: 3.11 (dd, J = 8.9 Hz, J = 14.2 Hz, 1H), 3.34 (dd, J = 4.5 Hz, J = 14.2 Hz, 1H), 3.88 (s, 3H), 3.96 (s, 3H), 4.90 (dd, J = 4.5 Hz, J = 8.9 Hz, 1H), 5.60 (s, 2H), 7.12 (brm, J = 8.7 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.46 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 12.03 (s, 1H)。
【0165】
(実施例11)
5−(4−{[6−(4−アミノ−3,5−ジメチルフェノキシ)−1−メチル−1−H−ベンツイミダゾール−2−イル]メトキシ}ベンジル)−1,3−チアゾリジン−2,4−ジオン 2塩酸塩(第4工程)
4−{3−[({4−[(2,4−ジオキソ−1,3−チアゾリジン−5−イル)メトキシ]フェノキシ}アセチル)(メチル)アミノ]−4−ニトロフェノキシ}−2,6−ジメチルフェニルカルバミン酸 t−ブチル1.00gのメタノール(10ml)溶液に、7.5%パラジウム炭素100mg、38%塩酸0.74gを加え、反応容器内を窒素で置換した後、水素で置換した(4kg/cm)。反応混合液を52℃で5時間攪拌し、室温まで冷却した後、不溶物をろ別した。不溶物をメタノール(30ml)で洗浄し、ろ液、洗浄液を合わせ、濃縮した。得られた残渣にメタノール(18ml)を加えた。ここへ38%塩酸0.62gとメタノール(2ml)を加え、4時間還流した。室温まで冷却し、析出した結晶をろ過した後、メタノール(5ml)で洗浄し目的物を微黄色結晶として230mg得た(収率26%)。
核磁気共鳴スペクトル(400MHz、CDOD)δppm: 2.40 (s, 6H), 3.19 (dd, J = 8.5 Hz, J = 13.9 Hz, 1H), 3.39 (dd, J = 3.9 Hz, J = 13.9 Hz, 1H), 4.03 (s, 3H), 4.74 (dd, J = 3.9 Hz, J = 8.5 Hz, 1H), 5.71 (s, 2H), 6.91 (s, 2H), 7.15 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.30 (dd, J = 8.8 Hz, 2H), 7.34 (dd, J = 2.2 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 2.2 Hz,1H), 7.83 (d, J = 8.8 Hz, 1H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(IIa):
【化1】



(式中、Rは、ニトロ基、アミノ基又はt-ブトキシカルボニルアミノ基を表す。)
で表される化合物。
【請求項2】
下記一般式(III):
【化2】



[式中、
は、水素原子、
置換基群αから選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、
置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいフェニル基又は
置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよい5又は6員複素環基(該複素環基は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される1乃至4個のヘテロ原子を含む。)
を示し、

Xは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子(該窒素原子は、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C6−C10アリールカルボニル基、C1−C6アルキルスルホニル基及びC6−C10アリールスルホニル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい。)を示す。

置換基群αは、
3−C6シクロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C6−C10アリール基、カルボキシル基、ホルミル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C6−C10アリールカルボニル基、C1−C6アルキルオキシカルボニル基、C6−C10アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、N−C1−C6アルキルカルバモイル基、N,N−ジC1−C6アルキルカルバモイル基、ヒドロキシル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリールオキシ基、C1−C6アルキルカルボニルオキシ基、C6−C10アリールカルボニルオキシ基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C6−C10アリールアミノ基、ジC6−C10アリールアミノ基、メルカプト基、C1−C6アルキルチオ基、C6−C10アリールチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C6−C10アリールスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、C6−C10アリールスルホニル基、スルホン酸基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基を示す。]
で表される化合物。
【請求項3】
請求項2において、Rが、C1−C6アルキル基、又は、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至3個の基で置換されていてもよいフェニル基(該置換基群αは、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基又はハロゲン原子である。)であり、Xが、酸素原子である化合物。
【請求項4】
下記一般式(III):
【化3】


[式中、
は、水素原子、
置換基群αから選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、
置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいフェニル基又は
置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよい5又は6員複素環基(該複素環基は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される1乃至4個のヘテロ原子を含む。)
を示し、

Xは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子(該窒素原子は、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C6−C10アリールカルボニル基、C1−C6アルキルスルホニル基及びC6−C10アリールスルホニル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい。)を示す。

置換基群αは、
3−C6シクロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C6−C10アリール基、カルボキシル基、ホルミル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C6−C10アリールカルボニル基、C1−C6アルキルオキシカルボニル基、C6−C10アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、N−C1−C6アルキルカルバモイル基、N,N−ジC1−C6アルキルカルバモイル基、ヒドロキシル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリールオキシ基、C1−C6アルキルカルボニルオキシ基、C6−C10アリールカルボニルオキシ基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C6−C10アリールアミノ基、ジC6−C10アリールアミノ基、メルカプト基、C1−C6アルキルチオ基、C6−C10アリールチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C6−C10アリールスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、C6−C10アリールスルホニル基、スルホン酸基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基を示す。]
で表される化合物のニトロ基を還元したのち、分子内で脱水縮合を行わせることを特徴とする下記一般式(I):
【化4】


(式中、R及びXは,前記と同義を表す。)で表される化合物及びその薬理上許容される塩の製造方法。
【請求項5】
請求項4において、Rが、C1−C6アルキル基、又は、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至3個の基で置換されていてもよいフェニル基(該置換基群αは、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基又はハロゲン原子である。)であり、Xが、酸素原子である化合物。
【請求項6】
下記一般式(II):
【化5】


[式中、
は、水素原子、
置換基群αから選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、
置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいフェニル基又は
置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよい5又は6員複素環基(該複素環基は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される1乃至4個のヘテロ原子を含む。)
を示し、

Xは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子(該窒素原子は、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C6−C10アリールカルボニル基、C1−C6アルキルスルホニル基及びC6−C10アリールスルホニル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい。)を示す。

置換基群αは、
3−C6シクロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C6−C10アリール基、カルボキシル基、ホルミル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C6−C10アリールカルボニル基、C1−C6アルキルオキシカルボニル基、C6−C10アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、N−C1−C6アルキルカルバモイル基、N,N−ジC1−C6アルキルカルバモイル基、ヒドロキシル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリールオキシ基、C1−C6アルキルカルボニルオキシ基、C6−C10アリールカルボニルオキシ基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C6−C10アリールアミノ基、ジC6−C10アリールアミノ基、メルカプト基、C1−C6アルキルチオ基、C6−C10アリールチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C6−C10アリールスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、C6−C10アリールスルホニル基、スルホン酸基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基を示す。]
で表される化合物と4−[(2,4−ジオキソチアゾリジン−5−イル)メチル]フェノキシ酢酸とを縮合させることを特徴とする、下記一般式(III):
【化6】


(式中、R及びXは,前記と同義を表す。)で表される化合物の製造方法。
【請求項7】
請求項6において、Rが、C1−C6アルキル基、又は、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至3個の基で置換されていてもよいフェニル基(該置換基群αは、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基又はハロゲン原子である。)であり、Xが、酸素原子である製造方法。
【請求項8】
2,4−ジクロロニトロベンゼンとメチルアミンとを反応させ、N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンを製造し、N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンを単離することなく塩基の存在下、
一般式R−X−H
[式中、
は、水素原子、
置換基群αから選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいC1−C6アルキル基、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基、
置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよいフェニル基又は
置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至5個の基で置換されていてもよい5又は6員複素環基(該複素環基は、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択される1乃至4個のヘテロ原子を含む。)
を示し、

Xは、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子(該窒素原子は、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C6−C10アリールカルボニル基、C1−C6アルキルスルホニル基及びC6−C10アリールスルホニル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい。)を示す。

置換基群αは、
3−C6シクロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6アルキニル基、C6−C10アリール基、カルボキシル基、ホルミル基、C1−C6アルキルカルボニル基、C6−C10アリールカルボニル基、C1−C6アルキルオキシカルボニル基、C6−C10アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、N−C1−C6アルキルカルバモイル基、N,N−ジC1−C6アルキルカルバモイル基、ヒドロキシル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリールオキシ基、C1−C6アルキルカルボニルオキシ基、C6−C10アリールカルボニルオキシ基、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C6−C10アリールアミノ基、ジC6−C10アリールアミノ基、メルカプト基、C1−C6アルキルチオ基、C6−C10アリールチオ基、C1−C6アルキルスルフィニル基、C6−C10アリールスルフィニル基、C1−C6アルキルスルホニル基、C6−C10アリールスルホニル基、スルホン酸基、ハロゲン原子、ニトロ基及びシアノ基を示す。]
で表される化合物とを反応させることを特徴とする下記一般式(II):
【化7】


(式中、R及びXは,前記と同義を表す。)で表される化合物の製造方法。
【請求項9】
請求項8において、Rが、C1−C6アルキル基、又は、置換基群α、C1−C6アルキル基及びハロメチル基から選択される1乃至3個の基で置換されていてもよいフェニル基(該置換基群αは、アミノ基、C1−C6アルキルアミノ基又はハロゲン原子である。)であり、Xが、酸素原子である製造方法。
【請求項10】
N−(5−クロロ−2−ニトロフェニル)−N−メチルアミンを、不活性溶媒中、塩基の存在下、下記一般式(V):
【化8】


(式中、Rは、ニトロ基、アミノ基又はt-ブトキシカルボニルアミノ基を表す。)
で表される化合物と反応させることを特徴とする、請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法。
【請求項11】
請求項10において、不活性溶媒を脱気することを特徴とする、請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法。
【請求項12】
請求項10又は請求項11において、抗酸化剤を添加することを特徴とする請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法。
【請求項13】
請求項12において、抗酸化剤が、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールである請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法。

【公開番号】特開2006−124375(P2006−124375A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−276970(P2005−276970)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000001856)三共株式会社 (98)
【Fターム(参考)】