説明

CB2受容体を調節するスルホン化合物

CB2受容体を調節する化合物が開示される。本発明の化合物はCB2受容体に結合し、CB2受容体のアゴニストであり、炎症を治療するのに有益である。アゴニストであるこれらの化合物は更に痛みを治療するのに有益である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願データ
この出願は2008年7月10日に出願された米国仮特許出願第61/079,517号の利益を主張する。
本発明はCB2受容体を調節する新規化合物及び薬物としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
カンナビノイドはカンナビス・サチバ(Cannabis sativa)(またマリファナとして知られている)に見られる約60種の異なる化合物のグループであり、カンナビノール、カンナビジオール及びΔ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)が最も代表的な分子である。カンナビスの治療上の使用は中国の古代王朝に遡ることができ、食欲の欠如、嘔吐、痙攣、月経痛、痙直からリウマチに至る範囲の種々の病気についての適用を含む。カンナビス使用の長い歴史が幾つかの医薬の開発をもたらした。例えば、THC及びその類似のナビロンを夫々ベースとするマリノール及びセサメットが、制吐薬及び食欲刺激薬として使用される。臨床上の利益にもかかわらず、カンナビスの治療上の使用は幻覚、し癖及び依存症を含むその精神活動作用により制限される。Mechoulam R.編集“治療薬としてのカンナビノイド”, Boca Raton, FL; CRC Press, 1986はカンナビスの医療上の使用の総説を提示している。
カンナビノイドの生理学的作用は少なくとも2種のGタンパク質共役受容体、CB1及びCB2により媒介される。オートラジオグラフィー研究はCB1受容体が主として中枢神経系、特に大脳皮質、海馬、脳幹神経節及び小脳中で発現されることを実証していた。それらはまた生殖系及びその他の末梢組織(免疫系のそれを含む)中に一層少ない程度で見られる。CB1受容体はプレ-シナプスニューロンからの神経伝達物質の放出を調節し、カンナビスの陶酔作用及びその他の中枢神経系作用の殆ど、例えば、THC誘発性リング-カタレプシー、低運動性、及び低体温(これらはCB1遺伝子の欠失のあるマウスに完全に不在であるとわかった)を媒介すると考えられる(Zimmerら著“カンナビノイドCB1受容体ノックアウトマウスにおける増大された死亡率、低活動性、及び痛覚鈍麻”, Proc Natl Acad Sci USA. (1999) 96:5780-5785)。
【0003】
CB2受容体は免疫系中に殆ど専ら見られ、脾臓中で最大密度で見られる。免疫細胞中のCB2の発現レベルはCB1よりも約10〜100倍高いと推定される。免疫系内で、CB2はB細胞、NK細胞、単球、小グリア細胞、好中球、T細胞、樹状細胞及びマスト細胞を含む、種々の細胞型中で見られ、広範囲の免疫機能がCB2モジュレーターにより調節し得ることを示唆する(Kleinら著“カンナビノイド系及び免疫系”J Leukoc Biol (2003) 74:486-496)。これはTHCの免疫調節作用がCB2欠乏マウスで存在しないという知見(Bickletら著“カンナビノイドによる免疫調節はカンナビノイドCB2受容体を欠乏しているマウスでは存在しない”Eur J Pharmacol (2000) 396:141-149)により支持される。CB2選択的リガンドが開発され、種々の炎症セッティングでそれらの作用について試験されている。例えば、炎症の動物モデルでは、CB2選択的アゴニスト、逆アゴニスト(インバースアゴニスト)及びアンタゴニストが炎症を抑制するのに有効であると示されている(Hanusら著“HU-308:CB(2)、末梢カンナビノイド受容体に特異性のアゴニスト”Proc Natl Acad USA (1999) 96:14228-14233、Uedaら著“マウスの皮膚炎症におけるカンナビノイドCB(2)受容体媒介応答とカンナビノイドCB(2)受容体逆アゴニスト、JTE-907の効力の関係”Eur J Pharmacol. (2005) 520:164-171及びSmithら著“マウス腹膜炎モデルにおけるカンナビノイド受容体リガンドの抗炎症活性”Eur J Pharmacol. (2001) 432:107-119)。更に、CB2選択的アゴニストは多発性硬化症の動物モデルで疾患重度及び痙直を抑制する(Bakerら著“カンナビノイドは多発性硬化症モデルで痙直及び震えを制御する”Nature (2000) 404:84-87、Arevalo-Martinら著“多発性硬化症のマウスモデルにおけるカンナビノイドの治療作用”J Neurosci. (2003) 23:2511-2516)。まとめると、これらの結果はCB2受容体モジュレーターが炎症性成分を有する医療症状の治療に使用し得るという概念を支持する。
【0004】
炎症に加えて、CB2アゴニストは痛み及び嘔吐を抑制すると示されている。例えば、CB2選択的アゴニストは熱の刺激又はその他の刺激により誘発された痛み応答を鈍化する(Malanら著“CB2カンナビノイド受容体媒介末梢アンチノシセプション(antinociception)”Pain. (2001) 93:239-45及びNackleyら著“カンナビノイドCB(2)受容体の選択的活性化が炎症のラットモデルで脊髄fosタンパク質発現及び痛み挙動を抑制する”Neuroscience (2003) 119:747-57)。CB2活性化はまた神経痛応答を抑制すると実証されている(Ibrahimら著“AM1241によるCB2カンナビノイド受容体の活性化が実験神経痛を抑制する:CNS中に存在しない受容体による痛み抑制”Proc Natl Acad Sci USA (2003) 100:10529-33)。最後に、脳中にCB2が見られなかったという先のデータとは対照的に、最近の文献は脾臓中のレベルの約1.5%で脳中でCB2が発現していること実証した。CB2活性化はこの文献によりエンドカンナビノイドの制吐作用の原因であると示されている(Van Sickleら著“脳幹カンナビノイドCB2受容体の同定及び機能特性決定”Science. 2005 310:329-332)。以上の結果によりCB2アゴニストが炎症の痛み及び神経痛、ならびに嘔吐の治療に使用し得ることが確認される。
【発明の概要】
【0005】
本発明はCB2受容体に結合し、CB2受容体を調節する新規化合物を提供する。また、本発明は治療量のこれらの化合物の投与により炎症を治療するための方法及び医薬組成物を提供する。最後に、本発明は治療量のCB2アゴニストである新規化合物の投与により痛みを治療するための方法及び医薬組成物を提供する。
【0006】
[発明の詳細な説明]
その最も広い一般的態様において、本発明は式Iの化合物又はこれらの医薬上許される塩を提供する。
【0007】
【化1】

【0008】
式中、
R1はアリール(独立にC1-6 アルキル、C3-6 シクロアルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6 アルキルチオ、C1-6 アルキルスルホニル、C1-6 アルコキシカルボニル、C1-6 アルキルアミノカルボニル、C1-6アシルアミノ、C1-6 ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール及びヘテロアリールから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、又は
R1はC1-10 アルキル、C3-6 シクロアルキル、3-10 員飽和複素環(夫々独立にC1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、夫々のR1及びR1 置換基は可能な場合には1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよく、或いは
R1 は3-10員飽和複素環で置換されたC 1-6 アルキル(夫々独立にC 1-10 アルキル、C 3-10 シクロアルキル、C 1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R2 は水素又はC1-C6 アルキルであり、
R3 はヘテロアリール(独立にC1-C6 アルキル(これは部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよい)及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R4 はC1-C6 アルキル、アリール、又はヘテロアリール(夫々独立にC1-C6 アルキル及びC1-C6 アルコキシから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
夫々のR4又はR4置換基は可能な場合には部分又は完全ハロゲン化されていてもよく、
nは1又は2である。
【0009】
第一の下位概念の態様において、本発明は
R1がフェニル、ナフチル(夫々独立にC 1-6 アルキル、C 3-6 シクロアルキル、C 1-6 アルコキシ、C 1-6 アルキルチオ、C 1-6 アルキルスルホニル、C1-6 アルコキシカルボニル、C1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アシルアミノ、C 1-6 ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ及びフェニルから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、又は
R1 がC 1-10 アルキル、C 3-10 シクロアルキル、複素環(テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びピロリジニルから選ばれる)であり、夫々独立にC1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、夫々のR1 及びR1 置換基は可能な場合には1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよく、或いは
R1 が3-10員飽和複素環で置換されたC1-3 アルキル(夫々独立にC1-10 アルキル、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R2が水素又はC1-C5 アルキルであり、
R3 がフラニル、ピラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、チエニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル又はベンゾピラニルであり、夫々必要により独立にC1-C6 アルキル (これは1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
R4 がC1-C5 アルキル、フェニル又はナフチルであり、夫々独立にC1-C5 アルキル及びC1-C5 アルコキシから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、夫々のR4又はR4置換基が可能な場合には部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよく、
nが1である、式Iの化合物を提供する。
【0010】
別の下位概念の態様において、本発明は
R1 がC 1-6 アルキル、C3-6 シクロアルキル及びフェニルであり、夫々独立にC1-3 アルキル、C3-6 シクロアルキル、シアノ、フェニル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよく、又は
R1 がテトラヒドロピラニル又はテトラヒドロフラニル(C1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい)であり、或いは
R1が(C1-10 アルキル、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい)テトラヒドロピラニル又はテトラヒドロフラニルで置換されたメチルであり、
R2が水素又はC1-C4 アルキルであり、
R3 がオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル又はトリアジニルであり、夫々独立にC1-C5 アルキル(これは1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
R4がC1-C5 アルキル又はフェニルであり、夫々独立にC1-C4 アルキル及びC1-C4 アルコキシから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
夫々のR4又はR4置換基が、可能な場合には部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよい、式Iの化合物を提供する。
【0011】
更なる下位概念の態様において、本発明は
R2 が水素又はC1-C3 アルキルであり、
R3 がオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル又はピリジニルであり、
R4がC1-C4 アルキル又はフェニルであり、夫々独立にC1-C3 アルキルで置換されていてもよく、
夫々のR4又はR4置換基が可能な場合には部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよい、式Iの化合物を提供する。
【0012】
別の下位概念の態様において、本発明は
R1がフェニル又はテトラヒドロピラニルであり、夫々部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよく、
R2が水素又はC1-C2 アルキルであり、
R4がC1-C4 アルキル又はフェニルであり、夫々部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよい、式Iの化合物を提供する。
【0013】
更なる下位概念の態様において、本発明は
R1がテトラヒドロピラニル、又はハロゲンで置換されていてもよいフェニルであり、
R2 が水素又はメチルであり、
R3がチアジアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジニル又はトリアゾリルであり、
R4がフェニル、又は部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよいC1-C4 アルキルである、式Iの化合物を提供する。
【0014】
別の下位概念の態様において、本発明は下記式IAの化合物又はこれらの医薬上許される塩を提供する。
【0015】
【化2】

【0016】
上記式(IA) について、
【化3】

が独立に表I中の欄Aから選ばれ、かつ
【0017】
【化4】

が独立に表I中の欄Bから選ばれる。
【0018】
【表1】

【0019】
別の実施態様において、本発明は一般スキーム、実施例及び当業界で知られている方法に鑑みてつくり得る表II中の化合物又はこれらの医薬上許される塩を提供する。
【0020】
【表2】



【0021】
上記化合物のうち、下記の化合物が好ましいCB2 アゴニストである。
【0022】
【表3】

【0023】
別の概念の態様において、本発明は式IBの化合物又はこれらの医薬上許される塩を提供する。
【0024】
【化5】

【0025】
式中、
R1はアリール(独立にC1-6 アルキル、C3-6 シクロアルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6 アルキルチオ、C1-6 アルキルスルホニル、C1-6 アルコキシカルボニル、C1-6 アルキルアミノカルボニル、C1-6アシルアミノ、C1-6 ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール及びヘテロアリールから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、又は
R1はC1-10 アルキル、C3-6 シクロアルキル、3-10 員飽和複素環(夫々独立にC1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、夫々のR1及びR1 置換基は可能な場合には1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよく、或いは
R1 は3-10員飽和複素環で置換されたC 1-6 アルキル(夫々独立にC 1-10 アルキル、C 3-10 シクロアルキル、C 1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R2 は水素又はC1-6 アルキルであり、
R3 はヘテロアリール(独立にC1-6 アルキル(これは部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよい)及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R4 はC1-6 アルキル、アリール、又はヘテロアリール(夫々独立にC1-6 アルキル及びC1-6 アルコキシから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
夫々のR4又はR4置換基は可能な場合には部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよく、
Rは水素又はC 1-6 アルキル(フェニル又は1-3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)であり、かつ
nは1又は2である。
【0026】
第一の下位概念の態様において、本発明は
R1がフェニル、ナフチル(夫々独立にC 1-6 アルキル、C 3-6 シクロアルキル、C 1-6 アルコキシ、C 1-6 アルキルチオ、C 1-6 アルキルスルホニル、C1-6 アルコキシカルボニル、C1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アシルアミノ、C 1-6 ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ及びフェニルから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、又は
R1 がC 1-10 アルキル、C 3-10 シクロアルキル、複素環(テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びピロリジニルから選ばれる)であり、夫々独立にC1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、夫々のR1 及びR1 置換基は可能な場合には1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよく、或いは
R1 が3-10員飽和複素環で置換されたC1-3 アルキル(夫々独立にC1-10 アルキル、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R2が水素又はC1-5 アルキルであり、
R3 がフラニル、ピラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、チエニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル又はベンゾピラニルであり、夫々必要により独立にC1-6 アルキル (これは1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
R4 がC1-5 アルキル、フェニル又はナフチルであり、夫々独立にC1-5 アルキル及びC1-5 アルコキシから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、夫々のR4又はR4置換基は可能な場合には部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよく、
Rが水素又はC1-5 アルキルであり、かつ
nが1である、式IBの化合物を提供する。
【0027】
別の下位概念の態様において、本発明は
R1 がC 1-6 アルキル、C3-6 シクロアルキル及びフェニルであり、夫々独立にC1-3 アルキル、C3-6 シクロアルキル、シアノ、フェニル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよく、又は
R1 がテトラヒドロピラニル又はテトラヒドロフラニル(C1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい)であり、或いは
R1が(必要によりC1-10 アルキル、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい)テトラヒドロピラニル又はテトラヒドロフラニルで置換されたメチルであり、
R2が水素又はC1-4 アルキルであり、
R3 がオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル又はトリアジニルであり、夫々必要により独立にC1-5 アルキル (これは1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
R4がC1-5 アルキル又はフェニルであり、夫々独立にC1-4 アルキル及びC1-4 アルコキシから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
夫々のR4又はR4置換基は可能な場合には部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよく、
Rが水素又はC1-4 アルキルである、式IBの化合物を提供する。
【0028】
更なる下位概念の態様において、本発明は
R2が水素又はC1-3 アルキルであり、
R3 がオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル又はピリジニルであり、
R4がC1-4 アルキル又はフェニルであり、夫々必要により独立にC1-3 アルキルで置換されていてもよく、
夫々のR4又はR4置換基は可能な場合には部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよく、
Rが水素、ベンジル又はC1-3 アルキルである、式IBの化合物を提供する。
【0029】
別の下位概念の態様において、本発明は
R1がフェニル又はテトラヒドロピラニルであり、夫々部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよく、
R2が水素又はC1-2 アルキルであり、
R4がC1-4 アルキル又はフェニルであり、夫々部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよく、
Rが水素又はC1-3 アルキルである、式IBの化合物を提供する。
【0030】
更なる下位概念の態様において、本発明は
R1がテトラヒドロピラニル、又は必要によりハロゲンで置換されていてもよいフェニルであり、
R2が水素又はメチルであり、
R3がチアジアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジニル又はトリアゾリルであり、
R4がフェニル、又は部分ハロゲン化もしくは完全ハロゲン化されていてもよいC1-4 アルキルであり、
Rが水素である、式IBの化合物を提供する。
【0031】
別の下位概念の態様において、本発明は下記式ICの化合物又はこれらの医薬上許される塩を提供する。
【0032】
【化6】

【0033】
上記式(IC)について、
下記の基
【化7】

が独立に表IV中の欄Aから選ばれ、かつ
下記の基
【化8】

が独立に表IV中の欄Bから選ばれる。
【0034】
【表4】

【0035】
表中、Rは水素又はハロゲンである。
【0036】
別の実施態様において、本発明は一般スキーム、実施例及び当業界で知られている方法に鑑みてつくり得る表V中の化合物又はこれらの医薬上許される塩を提供する。
【0037】
【表5】

【0038】
上記化合物のうち、下記の化合物が好ましいCB2アゴニストである。
【0039】
【表6】

【0040】
この出願で先に開示された全ての化合物において、命名法が構造と不一致である場合には、その化合物は構造により特定されることが理解されるべきである。
本発明はまた必要により通常の賦形剤及び/又は担体と組み合わせて、活性物質として本発明の一種以上の化合物、又はその医薬上許される誘導体を含む、医薬製剤に関する。
本発明の化合物はまたそれらの同位元素標識された形態を含む。本発明の組み合わせの活性薬剤の同位元素標識された形態は前記活性薬剤の1個以上の原子が前記原子(これは通常自然に見られる)の原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を有する1個以上の原子により置換されていたという事実以外は前記活性薬剤と同じである。商業上直ぐに入手でき、しかも良く確立された操作に従って本発明の組み合わせの活性薬剤にとり込まれる同位元素の例として、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位元素、例えば、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、及び36Clが夫々挙げられる。上記同位元素及び/又はその他の原子のその他の同位元素の1個以上を含む本発明の組み合わせの活性薬剤、そのプロドラッグ、又はいずれかの医薬上許される塩が本発明の範囲内であると意図されている。
本発明はラセミ体及びラセミ混合物として生じ得る1個以上の不斉炭素原子を含む上記のあらゆる化合物、単一鏡像体、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーの使用を含む。異性体は鏡像体及びジアステレオマーであると定義されるべきである。これらの化合物の全てのこのような異性体形態が本発明に明らかに含まれる。夫々の立体異性の炭素はRもしくはS配置、又はこれらの配置の組み合わせであってもよい。
本発明の化合物の幾つかは一種より多い互変異性体形態で存在し得る。本発明は全てのこのような互変異性体を使用する方法を含む。
【0041】
この明細書に使用される全ての用語は、特にことわらない限り、当業界で知られているようなそれらの通常の意味で理解されるべきである。例えば、“C1-4アルコキシ” は末端酸素を有するC1-4アルキル、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシである。全てのアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基は構造上可能な場合また特に明記されない限り、分岐又は非分岐であると理解されるべきである。その他の一層特別な定義は以下のとおりである。
炭素環基又はシクロアルキル基は3個から12個までの炭素原子を含む炭化水素環を含む。これらの炭素環基又はシクロアルキル基は芳香族環系又は非芳香族環系であってもよい。非芳香族環系はモノ不飽和又はポリ不飽和であってもよい。好ましい炭素環として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプタニル、シクロヘプテニル、フェニル、インダニル、インデニル、ベンゾシクロブタニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、ナフチル、デカヒドロナフチル、ベンゾシクロヘプタニル及びベンゾシクロヘプテニルが挙げられるが、これらに限定されない。シクロアルキルについての或る用語、例えば、シクロブタニル及びシクロブチルは互換可能に使用されるべきである。
【0042】
“複素環”という用語は安定な非芳香族4-8員(しかし好ましくは、5員又は6員)単環式複素環基又は非芳香族8-11員二環式もしくはスピロ環式複素環基(これらは飽和又は不飽和であってもよい)を表す。夫々の複素環は炭素原子と窒素、酸素及び硫黄から選ばれた1個以上、好ましくは1個から4個までのヘテロ原子からなる。複素環はその環のあらゆる原子により結合されてもよく、これが好適な構造の形成をもたらす。
“ヘテロアリール”という用語は1-4個のヘテロ原子、例えば、N、O及びSを含む芳香族5-8員単環式環又は8-11員二環式環を意味すると理解されるべきである。
【0043】
特にことわらない限り、複素環及びヘテロアリールとして、例えば、フラニル、ピラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、チエニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-1λ6-チオモルホリニル、モルホリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、プリニル、キノリニル、ジヒドロ-2H-キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル及びベンゾジオキソリル、又は2-アザ-スピロ[4.5]デク(dec)-2-イル、1-アザ-スピロ[4.5]デク-1-イル、1-アザ-スピロ[4.4]ノン(non)-1-イル、1-アザ-スピロ[4.4]ノン-2-イル、2-アザ-スピロ[5.5]ウンデク(undec)-2-イル、1-アザ-スピロ[5.5]ウンデク-1-イルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
本明細書に使用される“ヘテロ原子”という用語は炭素以外の原子、例えば、O、N、S及びPを意味すると理解されるべきである。
全てのアルキル基又は炭素鎖中で、1個以上の炭素原子が必要によりヘテロ原子:O、S又はNにより置換されてもよく、Nが置換されない場合、それがNHであることが理解されるべきであり、またヘテロ原子が末端炭素原子又は分岐炭素鎖もしくは非分岐炭素鎖内の内部炭素原子を置換してもよいことが理解されるべきである。このような基は本明細書に上記されたようにオキソの如き基により置換されてアルコキシカルボニル、アシル、アミド及びチオキソの如き(これらに限定されないが)定義をもたらし得る。
【0045】
本明細書に使用される“アリール”という用語は本明細書に定義された芳香族炭素環又はヘテロアリールを意味すると理解されるべきである。夫々のアリール又はヘテロアリールは、特に明記されない限り、その部分又は完全水素化誘導体を含む。例えば、キノリニルはデカヒドロキノリニル及びテトラヒドロキノリニルを含んでもよく、ナフチルはテトラヒドロナフチルの如きその水素化誘導体を含んでもよい。本明細書に記載されたアリール化合物及びヘテロアリール化合物のその他の部分又は完全水素化誘導体は当業者に明らかであろう。
【0046】
本明細書に使用される“窒素”及び“硫黄”は窒素及び硫黄のあらゆる酸化された形態並びにあらゆる塩基性窒素の四級化形態を含む。例えば、-S-C1-6 アルキル基について、特に明記されない限り、これは-S(O)-C1-6 アルキル及び-S(O)2-C1-6 アルキルを含むと理解されるべきである。
【0047】
“アルキル”という用語は1個から10個までの炭素原子を含む飽和脂肪族基又は2個から12個までの炭素原子を含むモノ-もしくはポリ不飽和脂肪族炭化水素基を表す。モノ-又はポリ不飽和脂肪族炭化水素基は夫々、少なくとも1個の二重結合又は三重結合を含む。“アルキル”は分岐アルキル基及び非分岐アルキル基の両方を表す。“alk”又は“アルキル”接頭辞を使用するあらゆる組み合わせ用語は“アルキル”の上記定義に従う類似体を表すことが理解されるべきである。例えば、“アルコキシ”、“アルキルチオ”の如き用語は酸素原子又は硫黄原子を介して第二の基に結合されたアルキル基を表す。“アルカノイル”はカルボニル基(C=O)に結合されたアルキル基を表す。
【0048】
本明細書に使用される“ハロゲン”という用語は臭素、塩素、フッ素又はヨウ素、好ましくはフッ素を意味すると理解されるべきである。“ハロゲン化”、“部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化”、“部分フッ素化又は完全フッ素化”、“1個以上のハロゲン原子により置換された”という定義は、例えば、1個以上の炭素原子についてのモノ、ジ又はトリハロ誘導体を含む。アルキルについて、非限定例は-CH2CHF2、-CF3 等であろう。
本明細書に記載された、夫々のアルキル、炭素環、複素環もしくはヘテロアリール、又はこれらの類似体は必要により部分又は完全ハロゲン化されていてもよいと理解されるべきである。
【0049】
本発明の化合物は当業者により理解されるように“化学的に安定”であると意図される化合物のみである。例えば、“ダングリング原子価”又は“カルバニオン”を有する化合物は本明細書に開示された本発明の方法により意図される化合物ではない。
本発明は式(I)の化合物の医薬上許される誘導体を含む。“医薬上許される誘導体”はあらゆる医薬上許される塩もしくはエステル、或いは、患者への投与後に、本発明に有益な化合物を(直接又は間接に)与えることができるあらゆるその他の化合物、又はその薬理学上活性な代謝産物、もしくは薬理学上活性な残基(residue)を表す。薬理学上活性な代謝産物は酵素により、又は化学的に代謝され得る本発明のあらゆる化合物を意味すると理解されるべきである。これは、例えば、本発明のヒドロキシル化又は酸化された誘導体化合物を含む。
医薬上許される塩として、医薬上許される無機及び有機の酸及び塩基から誘導された塩が挙げられる。好適な酸の例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-硫酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-硫酸及びベンゼンスルホン酸が挙げられる。その他の酸、例えば、シュウ酸は、それら自体医薬上許されないが、化合物及びそれらの医薬上許される酸付加塩を得る際に中間体として有益な塩の調製に使用され得る。適当な塩基から誘導された塩として、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、アンモニウム塩及びN-(C1-4アルキル)4+ 塩が挙げられる。
加えて、本発明の範囲内に、本発明の化合物のプロドラッグの使用がある。プロドラッグとして、簡単な化学変換後に、変性されて本発明の化合物を生成する化合物が挙げられる。簡単な化学変換として、加水分解、酸化及び還元が挙げられる。詳しくは、プロドラッグが患者に投与される場合、プロドラッグが先に開示された化合物に変換されて、それにより所望の薬理学的効果を付与し得る。
式Iの化合物は以下に記載される一般合成方法(これらはまた本発明の一部を構成する)を使用してつくられてもよい。
【0050】
<一般合成方法>
本発明はまた式(I)及び(IB)の化合物の製造方法を提供する。式(IA)及び(IC)の化合物は同じスキームによりつくられてもよい。全てのスキームにおいて、特に明記されない限り、下記の式中のR1、R2、R3、R4及びnは上記された本発明の式(I)及び(IB)中のR1、R2、R3、R4及びnの意味を有するべきである。
最適の反応条件及び反応時間は使用される特定の反応体に応じて変化してもよい。特に明記されない限り、溶媒、温度、圧力、及びその他の反応条件は当業者により容易に選ばれてもよい。具体的な操作が合成例のセクションで提示される。典型的には、反応進行が、所望により、薄層クロマトグラフィー(TLC)により監視されてもよく、また中間体及び生成物がシリカゲルによるクロマトグラフィー及び/又は再結晶により精製されてもよい。
以下の実施例は例示であり、また当業者により認められるように、特定の試薬又は条件が過度の実験をすることなく個々の化合物に必要とされるように変更され得る。以下のスキームにおいて、使用される出発物質及び中間体は、市販されており、又は市販の物質から当業者により容易に調製される。
式(I)及び(IB)の化合物はスキーム1に従って調製されてもよい。
【0051】
【化9】

【0052】
<スキーム1>
スキーム1に示されたように、式IIのスルフィン酸ナトリウム塩を好適な溶媒中で、好適な温度で式III(Hal = Br又はI)のα-ハロ-γ-ブチロラクトンと反応させて式IVのラクトンを得る。式IVのラクトンを通常の条件下で式Vの好適なアルキル化剤でアルキル化して式VIのアルキル化生成物を得る。VIを好適な溶媒中で式VIIのアミンと反応させて式(IB)の開環中間体を得る。試薬、例えば、トリフェニルホスフィン及びジエチルアゾジカルボキシレートを使用して中間体(IB)を環化して式(I)の化合物を得る。
当業者に知られており、また下記の実施例で説明される方法による式(I)の初期の生成物の更なる変更が、本発明の付加的な化合物を与える。
【実施例】
【0053】
<<実施例 1: 1-(3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イル)-3-(4-クロロベンゼンスルホニル)-3-メチル-ピロリジン-2-オンの合成>>
【0054】
【化10】

【0055】
<3-(4-クロロベンゼンスルホニル)-ジヒドロ-フラン-2-オン>
エタノール (75 mL)中のα-ブロモ-γ-ブチロラクトン (1.58 g; 9.62 ミリモル) 及び4-クロロベンゼンスルフィン酸ナトリウム塩 (2.39 g; 12.03 ミリモル) の混合物を65℃で10時間加熱し、揮発物を真空で除去した。残渣を酢酸エチルで希釈し、濾過した。揮発物を濾液から除去して残渣を得、酢酸エチル及びヘキサンを溶離剤として使用してそれをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。揮発物を生成物に富む画分から除去して所望の生成物1.58gを得た。1H NMR (CDCl3) δ7.89 (d, 2H), 7.58 (d, 2H), 4.54 (m, 1H), 4.42 (m, 1H), 4.03 (dd, 1H), 3.07 (m, 1H), 2.77 (m, 1H).
【0056】
【化11】

【0057】
<3-(4-クロロベンゼンスルホニル)-3-メチル-ジヒドロ-フラン-2-オン>
0-5℃のDMF (5 mL)中の3-(4-クロロベンゼンスルホニル)-ジヒドロ-フラン-2-オン (0.599 g; 2.29 ミリモル) の混合物にNaH (鉱油中の60%の分散液0.23 g; 5.74 ミリモル)を少しづつ添加した。その混合物を30分間撹拌し、ヨードメタン (0.43 mL; 6.89 ミリモル) を添加した。その反応液を一夜撹拌しながら室温に温め、水で反応停止した。固体を濾過し、真空で乾燥させて所望の生成物を得た。質量0.488 g。 1H NMR (CDCl3) δ7.82 (d, 2H), 7.56 (d, 2H), 4.56 (m, 1H), 4.39 (m, 1H), 3.32 (m, 1H), 2.42 (m, 1H), 1.51 (s, 3H).
【0058】
【化12】

【0059】
<N-(3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イル)-2-(4-クロロベンゼンスルホニル)-4-ヒドロキシ-2-メチル-ブチルアミド>
塩化メチレン(5 mL)中の3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イルアミン (0.421 g; 3.00 ミリモル) の溶液にトリメチルアルミニウム(トルエン中の2.0M溶液1.5 mL; 3.00 ミリモル)を滴下して添加した。その混合物を15分間撹拌し、3-(4-クロロ-ベンゼンスルホニル)-3-メチル-ジヒドロ-フラン-2-オン (0.659 g; 2.40 ミリモル) を添加した。その混合物を3時間撹拌し、約40時間にわたって45℃に加熱し、室温に冷却し、10%のクエン酸水溶液、酒石酸ナトリウム水溶液及びクロロホルムで慎重に反応停止した。有機層を乾燥させた (MgSO4)。揮発物を真空で除去して残渣を得、酢酸エチル及びヘキサンを溶離剤として使用してこれをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。揮発物を生成物に富む画分から除去して所望の化合物0.616gを得た。1H NMR (CDCl3) δ9.85 (bs, 1H), 7.75 (d, 2H), 7.55 (d, 2H), 6.24 (s, 1H), 3.97 (m, 1H), 3.85 (m, 1H), 2.62 (m, 1H), 2.32 (m, 1H), 1.65 (s, 3H), 1.32 (s, 9H). MS (ESI): m/e 415, 417 (M+H).
【0060】
【化13】

【0061】
<1-(3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イル)-3-(4-クロロベンゼンスルホニル)-3-メチル-ピロリジン-2-オン>
塩化メチレン(1 mL)中のジエチルアゾジカルボキシレート (0.067 g; 0.38 ミリモル, DEADC) の溶液にトリフェニルホスフィン(0.076 g; 0.29 ミリモル)を添加した。その混合物を20分間撹拌し、N-(5-tert-ブチル-イソオキサゾール-3-イル)-2-(4-クロロベンゼンスルホニル)-4-ヒドロキシ-2-メチル-ブチルアミド (0.100 g; 0.241 ミリモル) を添加した。4時間後、揮発物を真空で除去した。酢酸エチル及びヘキサンを溶離剤として使用して残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。揮発物を生成物に富む画分から除去して生成物0.086gを得た。1H NMR (CDCl3) δ7.81 (d, 2H), 7.57 (d, 2H), 6.40 (s, 1H), 4.13 (m, 1H), 4.05 (m, 1H), 3.28 (m, 1H), 2.31 (m, 1H), 1.52 (s, 3H), 1.35 (s, 9H). MS (ESI): m/e 397, 399 (M+H).
AD-Hカラムを使用し、ヘキサン中のイソ-プロパノール、エタノール及びジエチルアミンの1:1:0.01の混合物の25%溶液で溶離して鏡像体をキラルクロマトグラフィーにより分離し得る。
【0062】
<<実施例 2: 1-(5-tert-ブチル-イソオキサゾール-3-イル)-3-(4-クロロ-ベンゼンスルホニル)-3-メチル-ピロリジン-2-オンの合成>>
【0063】
【化14】

【0064】
<N-(5-tert-ブチル-イソオキサゾール-3-イル)-2-(4-クロロ-ベンゼンスルホニル)-4-ヒドロキシ-2-メチル-ブチルアミド>
塩化メチレン(5 mL)中の5-tert-ブチル-イソオキサゾール-3-イルアミン (0.280 g; 2.00 ミリモル) の溶液にトリメチルアルミニウム(トルエン中の2.0M溶液1.0 mL; 2.00 ミリモル)を滴下して添加した。その混合物を15分間撹拌し、3-(4-クロロ-ベンゼンスルホニル)-3-メチル-ジヒドロフラン-2-オン (0.440 g; 1.60 ミリモル) を添加した。その混合物を18時間撹拌し、10%のクエン酸水溶液、酒石酸ナトリウム水溶液及びクロロホルムで慎重に反応停止した。有機層を乾燥させた (MgSO4)。揮発物を真空で除去して残渣を得、酢酸エチル及びヘキサンを溶離剤として使用してこれをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。揮発物を生成物に富む画分から除去して所望の生成物0.030gを得た。1H NMR (CDCl3) δ9.4 (bs, 1H), 7.76 (d, 2H), 7.52 (d, 2H), 6.49 (s, 1H), 3.90 (m, 1H), 3.82 (m, 1H), 2.58 (m, 1H), 2.25 (m, 1H), 1.65 (s, 3H), 1.3 (s, 9H). MS (ESI): m/e 415, 417 (M+H).
【0065】
【化15】

【0066】
<1-(5-tert-ブチル-イソオキサゾール-3-イル)-3-(4-クロロ-ベンゼンスルホニル)-3-メチル-ピロリジン-2-オン>
塩化メチレン(1 mL)中のジエチルアゾジカルボキシレート (0.025 g; 0.14 ミリモル) の溶液にトリフェニルホスフィン(0.038 g; 0.14 ミリモル)を添加した。その混合物を20分間撹拌し、塩化メチレン1mL中のN-(5-tert-ブチル-イソオキサゾール-3-イル)-2-(4-クロロベンゼンスルホニル)-4-ヒドロキシ-2-メチル-ブチルアミド (0.030 g; 0.072 ミリモル) を添加した。18時間後、揮発物を真空で除去した。酢酸エチル及びヘキサンを溶離剤として使用して残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。揮発物を生成物に富む画分から除去して生成物0.024gを得た。1H NMR (CDCl3) δ7.83 (d, 2H), 7.55 (d, 2H), 6.73 (s, 1H), 4.03 (m, 1H), 3.95 (m, 1H), 3.25 (m, 1H), 2.29 (m, 1H), 1.52 (s, 3H), 1.35 (s, 9H). MS (ESI): m/e 397, 399 (M+H).
【0067】
<<実施例 3: 1-(3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イル)-3-メチル-3-(テトラヒドロ-ピラン-4-スルホニル)-ピロリジン-2-オンの合成>>
【0068】
【化16】

【0069】
<トルエン-4-スルホン酸テトラヒドロ-ピラン-4-イルエステル>
0-5℃のピリジン(30 mL)中のテトラヒドロ-4-ピラノール (5.00g; 48.9 ミリモル) の溶液にp-トルエンスルホニルクロリド (13.9g; 73.4 ミリモル)を少しづつ添加した。その混合物を室温に徐々に温め、一夜撹拌し、氷中の濃HCl 30 mL に注いだ。15分間撹拌した後、固体を濾過し、真空で乾燥させた。t-ブチルメチルエーテルですり砕いて所望の生成物11.7gを得た。1H NMR (CDCl3) δ7.82 (d, 2H), 7.35 (d, 2H), 4.70 (m, 1H), 3.88 (m, 2H), 3.47 (m, 2H), 2.46 (s, 3H), 1.86 (m, 2H), 1.76 (m, 2H).
【0070】
【化17】

【0071】
<チオ酢酸S-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル) エステル>
DMF (100 mL)中のチオ酢酸カリウム (10.21 g; 87.62 ミリモル) 及びトルエン-4-スルホン酸テトラヒドロ-ピラン-4-イルエステル (11.23g; 43.81 ミリモル) の混合物を12時間にわたって50℃で加熱し、室温に冷却し、エーテルで希釈し、水、飽和NaHCO3 及び食塩水で洗浄し、乾燥させた (MgSO4)。揮発物を真空で除去して残渣を得、これを更に精製しないで先に進めた。
【0072】
【化18】

【0073】
<3-メチル-3-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルスルファニル)-ジヒドロフラン-2-オン>
2-プロパノール (20 mL)中のチオ酢酸S-(テトラヒドロ-ピラン-4-イル) エステル (4.25g; 26.5 ミリモル) にKOH (2-プロパノール中の0.8M溶液36.4 mL; 29.2 ミリモル)を添加した。その混合物を30分間撹拌し、α-ブロモ-α-メチル-γ-ブチロラクトン (3.00 mL; 26.5 ミリモル) を滴下して添加した。その混合物を2時間撹拌し、塩化アセチル (0.62 mL; 8.75 ミリモル) で反応停止し、揮発物を真空で除去した。残渣をエーテルで希釈し、濾過した。揮発物を真空で除去して残渣を得、酢酸エチル及びヘキサンを溶離剤として使用してこれをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物に富む画分を真空で濃縮して所望の生成物2.65gを得た。1H NMR (CDCl3) δ4.45 (m, 1H), 4.29 (dt, 1H), 3.89 (m, 2H), 3.48 (dq, 2H), 3.20 (m, 1H), 2.33 (m, 1H), 2.21 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.88 (m, 1H), 1.86 (m, 2H), 1.65 (s, 3H).
【0074】
【化19】

【0075】
<3-メチル-3-(テトラヒドロ-ピラン-4-スルホニル)-ジヒドロ-フラン-2-オン>
ジオキサン(40 mL) 及び水 (10 mL)中の3-メチル-3-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルスルファニル)-ジヒドロフラン-2-オン (2.62g; 12.1 ミリモル) の溶液にペルオキシモノ硫酸カリウム(オキソン) (22.1g; 36.0 ミリモル)を添加した。その混合物を一夜撹拌し、濾過した。揮発物を真空で除去して残渣を得、これをシリカゲルのプラグで精製し、酢酸エチルで溶離した。生成物に富む画分を真空で濃縮して所望の生成物2.25gを得た。1H NMR (CDCl3) δ4.56 (q, 1H), 4.39 (dt, 1H), 4.09 (m, 2H), 3.85 (m, 1H), 3.48 (m, 2H), 3.27 (m, 1H), 2.30 (dt, 1H), 2.05-1.95 (m, 4H), 1.74 (s, 3H).
【0076】
【化20】

【0077】
<N-(3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イル)-4-ヒドロキシ-2-メチル-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-スルホニル)-ブチルアミド>
塩化メチレン (10 mL)中の3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イルアミン (0.421g; 3.00 ミリモル) の溶液にトリメチルアルミニウム (トルエン中の2.0M溶液1.50 mL; 3.0 ミリモル)を滴下して添加した。その混合物を15分間撹拌し、3-メチル-3-(テトラヒドロ-ピラン-4-スルホニル)-ジヒドロ-フラン-2-オン (0.596 g; 2.40 ミリモル) を添加した。その混合物を一夜にわたって45℃に加熱し、室温に冷却し、メタノール0.5 mLで慎重に反応停止し、シリカゲルのプラグに適用し、酢酸エチルで溶離した。揮発物を真空で除去して残渣を得、酢酸エチル及びヘキサンを溶離剤として使用してこれをシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物に富む画分を真空で濃縮して所望の生成物0.646gを得た。1H NMR (CDCl3) δ9.92 (bs, 1H), 6.29 (s, 1H), 4.11-3.92 (m, 4H), 3.86 (m, 1H), 3.60 (m, 1H), 3.40 (m, 2H), 2.57 (m, 1H), 2.36 (m, 1H), 2.12-1.90 (m, 4H), 1.80 (s, 3H), 1.32 (s, 9H). MS (ESI): m/e 389 (M+H).
【0078】
【化21】

【0079】
<1-(3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イル)-3-メチル-3-(テトラヒドロ-ピラン-4-スルホニル)-ピロリジン-2-オン>
塩化メチレン (2.5 mL)中のジ-tert-ブチルアゾジカルボキシレート (0.126 g; 0.546 ミリモル) の溶液にトリフェニルホスフィン (0.143 g; 0.546 ミリモル)を添加した。その混合物を30分間撹拌し、N-(3-tert-ブチル-イソオキサゾール-5-イル)-4-ヒドロキシ-2-メチル-2-(テトラヒドロ-ピラン-4-スルホニル)-ブチルアミド (0.212 g; 0.546 ミリモル) を添加した。3時間後、揮発物を真空で除去した。酢酸エチル及びヘキサンを溶離剤として使用して残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。揮発物を生成物に富む画分から除去して固体生成物0.105gを得た。1H NMR (CDCl3) δ6.41 (s, 1H), 4.09 (m, 4H), 3.85 (m, 1H), 3.49 (m, 2H), 3.24 (m, 1H), 2.25-1.86 (m, 5H), 1.75 (s, 3H), 1.35 (s, 9H). MS (ESI): m/e 371 (M+H).
【0080】
<<生物学的性質の評価>>
下記のアッセイを使用して式I及び(IA)の化合物の生物学的性質を評価した。
<A.ヒトCB1及びCB2受容体結合:>
(実験方法:)
CB2膜は購入したが、この膜はヒトCB2受容体cDNAを安定的にトランスフェクトしたHEK293 EBNA細胞からつくられている(パーキン・エルマー・ライフ・アンド・アナリティカル・サイエンシズ)。CB1膜をヒトCB1受容体及びGα16cDNAを安定的に共トランスフェクトしたHEK細胞から単離した。膜調製物を、50mMトリス、pH7.5、2.5mM EDTA、5mM MgCl2、0.8%の脂肪酸フリーのウシ血清アルブミンを含むアッセイ緩衝液中で4時間にわたって室温でシンチレーションビーズ(Ysi-Poly-L-リシンSPAビーズ、GEヘルスケアー)に結合させた。未結合膜をアッセイ緩衝液中で洗浄することにより除去した。膜-ビーズ混合物をウェル当り15μgの膜(CB2)又はウェル当り2.5μg(CB1)及びウェル当り1mgのSPAビーズの量で96ウェルアッセイプレートに添加した。化合物を1x10-5Mから1x10-10Mまでの範囲の用量-応答濃度で最終0.25%のDMSOとともに膜-ビーズ混合物に添加した。競合反応を1.5nM(CB2)又は2.5nM(CB1)の最終濃度で3H-CP55940(パーキン・エルマー・ライフ・アンド・アナリティカル・サイエンシズ)の添加で開始した。その反応液を室温で18時間インキュベートし、トップカウントNXTプレートリーダーで読み取った。全結合及び非特異的結合を1.25μMウィン55212(シグマ)の不在下及び存在下で決定した。XLFit4.1の4パラメーターロジスティックモデルを使用して、夫々の化合物に関するIC50値を、受容体への放射能標識リガンドの特異的結合を50%抑制する化合物の濃度として計算した。チェン-プルソフ式を使用してIC50値を抑制定数(Ki)値に変換した。
【0081】
<B.cAMP合成のCR2R媒介調節>
本発明の化合物を下記の実験方法に従ってそれらのCB2アゴニスト又は逆アゴニスト活性について評価した。上記結合アッセイによりCB2に結合すると示されたが、このアッセイによりcAMP合成のCB2R媒介調節を示すと示されなかった化合物はCB2アンタゴニストであると推定した。
(実験方法:)
ヒトCB2Rを発現するCHO細胞(ユーロスクリーン)を384ウェルプレートにウェル当り5000の細胞の密度でプレーティングし、37℃で一夜インキュベートした。培地を除去した後に、細胞を1mM IBMX、0.25%のBSA及び10μMフォルスコリンを含む刺激緩衝液中で希釈された試験化合物で処理した。そのアッセイ物を37℃で30分間インキュベートした。細胞を溶解し、製造業者のプロトコルに従って、ディスカバーX-XS cAMPキットを使用してcAMP濃度を測定した。このセッティングでは、アゴニストがフォルスコリン誘発性のcAMP生成を減少させ、一方、逆アゴニストがフォルスコリン誘発性のcAMP生成を更に増大させるであろう。アゴニストのEC50を以下のように計算した。1μM CP55940により抑制されるcAMPのレベルと較べてフォルスコリンにより生成されるcAMPの最大量を100%と定義する。夫々の試験化合物のEC50値を、フォルスコリン刺激によるcAMP合成の50%が抑制される濃度として測定した。4パラメーターロジスティックモデル(XLfit4.0のモデル205)を使用してデータを分析した。
【0082】
<C.cAMP合成のCB1R媒介調節>
本発明の化合物を下記の実験方法に従ってそれらのCB1アゴニスト又は逆アゴニスト活性について評価した。上記結合アッセイによりCB1に結合すると示されたが、このアッセイによりcAMP合成のCB1R媒介調節を示すと示されなかった化合物はCB1アンタゴニストであると推定した。
(実験方法:)
ヒトCB1Rを発現するCHO細胞(ユーロスクリーン)を384ウェルプレートにウェル当り5000の細胞の密度でプレーティングし、37℃で一夜インキュベートした。培地を除去した後に、細胞を1mM IBMX、0.25%のBSA及び10μMフォルスコリンを含む刺激緩衝液中で希釈された試験化合物で処理した。そのアッセイ物を37℃で30分間インキュベートした。細胞を溶解し、製造業者のプロトコルに従って、ディスカバーX-XS cAMPキットを使用してcAMP濃度を測定した。このセッティングでは、アゴニストがフォルスコリン誘発性のcAMP生成を減少させ、一方、逆アゴニストがフォルスコリン誘発性のcAMP生成を更に増大させるであろう。アゴニストのEC50を以下のように計算した。1μM CP55940により抑制されるcAMPのレベルと較べてフォルスコリンにより生成されるcAMPの最大量を100%と定義する。夫々の試験化合物のEC50値を、フォルスコリン刺激によるcAMP合成の50%が抑制される濃度として測定した。4パラメーターロジスティックモデル(XLfit4.0のモデル205)を使用してデータを分析した。
好ましい化合物は500nM未満のCB2 EC50(nM)を有するであろう。
【0083】
<アゴニスト活性を有する化合物>
上記アッセイの使用により、化合物がアゴニスト活性を示し、こうして痛みの治療だけでなく、炎症の治療に特に良く適していることがわかった。
<治療上の使用>
上記アッセイにより実証し得るように、本発明の化合物はCB2受容体機能を調節するのに有益である。この事実のために、これらの化合物はCB2受容体機能により媒介される疾患状態及び症状を治療する際の治療上の使用又はCB2受容体機能の調節から利益を受ける治療上の使用を有する。
本発明の化合物はCB2受容体機能を調節するので、それらは非常に有益な抗炎症活性及び免疫抑制活性を有し、それらは疾患状態及び症状の治療のために、特に以下に示される医薬組成物の形態の、薬物として患者に使用し得る。
先に述べたように、CB2アゴニストであるこれらの化合物はまた痛みの治療に使用し得る。
【0084】
本発明のアゴニスト化合物は炎症プロセスを伴う下記の疾患状態又は適応症の治療のための薬物として患者に使用し得る。
(i) 肺疾患:例えば、喘息、気管支炎、アレルギー性鼻炎、気腫、成人呼吸困難症候群(ARDS)、ハト愛好者肺、農夫肺、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性喘息を含む喘息(アトピー性又は非アトピー性)、運動誘発気管支収縮、職業性喘息、喘息のウイルス又は細菌による悪化、その他の非アレルギー性喘息及び“喘鳴乳児症候群”、塵肺(アルミニウム肺、炭粉症、アスベスト肺、石粉症、睫毛脱落症(ptilosis)、鉄沈着症、けい肺、たばこ症及び綿肺を含む);
(ii) リウマチ疾患、自己免疫疾患又は筋骨格疾患:リウマチ疾患の全ての形態、特に関節リウマチ、急性リウマチ熱、及びリウマチ性多筋痛;反応性関節炎;リウマチ性軟組織疾患;その他の起源の炎症性軟組織疾患;変性関節疾患における関節性症候(関節症);腱炎、滑液包炎、骨関節炎、外傷性関節炎;あらゆる起源の膠原症(collagenoses)、例えば、全身性エリテマトーデス、硬皮症、多発筋炎、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、スチル病、フェルティ症候群;並びに骨多孔症及びその他の骨吸収疾患;
(iii) アレルギー性疾患:アレルギー反応の全ての形態、例えば、血管神経性浮腫、枯草熱、虫刺され、薬物、血液誘導薬、造影剤等に対するアレルギー反応、アナフィラキシーショック(過敏性)、じんま疹、血管神経性浮腫、及び接触性皮膚炎;
(iv) 脈管疾患:結節性汎動脈炎、結節性多発動脈炎、結節性動脈周囲炎、側頭動脈炎、ウェーグナー肉芽腫症、巨細胞性動脈炎、アテローム硬化症、再潅流障害及び結節性紅斑;
(v) 皮膚病:例えば、皮膚炎、乾癬;日焼け、火傷、湿疹;
【0085】
(vi) 腎疾患:例えば、ネフローゼ症候群;及び腎炎の全ての型、例えば、腎炎;膵臓炎;
(vii) 肝臓疾患:例えば、急性肝細胞崩壊;種々の起源の急性肝炎、例えば、ウイルス肝炎、毒物肝炎、薬物誘発肝炎;並びに慢性活動性肝炎及び/又は慢性間欠性肝炎;
(viii) 胃腸疾患:例えば、炎症性腸疾患、刺激性腸症候群、限局性腸炎(クローン病)、潰瘍性大腸炎;胃炎;アフタ性潰瘍、腹腔疾患、限局性回腸炎、胃食道逆流疾患;
(ix) 神経保護:例えば、卒中、心臓停止、肺バイパス、外傷性脳障害、脊髄障害等の後の神経変性の治療における神経保護;
(x) 眼疾患:アレルギー性角膜炎、ブドウ膜炎、又は虹彩炎;結膜炎;眼瞼炎;視神経神経炎;脈絡膜炎;緑内障及び交感性眼炎;
(xi) 耳、鼻、及び喉(ENT)領域の疾患:例えば、耳鳴;アレルギー性鼻炎又は枯草熱;外耳炎(接触湿疹、感染症等により生じる);及び中耳炎;
(xii) 神経疾患:例えば、脳浮腫、特に腫瘍関連脳浮腫;多発性硬化症;急性脳脊髄炎;脳膜炎;急性脊髄損傷;外傷;痴呆、特に変性痴呆(老人性痴呆、アルツハイマー病;パーキンソン病及びクロイツフェルト-ヤコブ病;ハンチントン舞踏病、ピック病;運動神経疾患を含む)、血管性痴呆(多梗塞痴呆を含む)、頭蓋内空間を占める病巣と関連する痴呆;感染症及び関連症状(HIV感染症を含む);ギラン・バレー症候群;重症筋無力症、卒中;及び眩暈の種々の形態、例えば、点頭痙攣;
(xiii) 血液疾患:後天性溶血性貧血;再生不良性貧血、及び特発性血小板減少症;
(xiv) 腫瘍疾患:急性リンパ性白血病;ホジキン病、悪性リンパ腫;リンパ肉芽腫症;リンパ肉腫;充実性悪性腫瘍;広範囲の転移;
【0086】
(xv) 内分泌疾患:内分泌性眼障害;内分泌性オルビトパチア(orbitopathia);甲状腺中毒発症;ド・ケルバン甲状腺炎;橋本甲状腺炎;バセドウ病;肉芽腫性甲状腺炎;リンパ性甲状腺腫;及びグレーブ病;型I糖尿病(インスリン依存性糖尿病);
(xvi) 臓器移植及び組織移植並びに移植片対宿主疾患;
(xvii) ショックの重度の状態、例えば、敗血症ショック、アナフィラキシーショック、及び全身性炎症反応症候群(SIRS);
(xviii) 急性の痛み、例えば、歯の痛み、術中、術後の痛み、外傷性の痛み、筋肉痛、火傷の皮膚の痛み、日焼け、三叉神経痛、日焼け;胃腸管又は子宮の痙攣、仙痛;
(xix) 内臓痛、例えば、慢性骨盤痛、膵臓炎、消化性潰瘍、間質性膀胱炎、腎仙痛、アンギーナ、月経困難、月経、婦人科の痛み、刺激性腸症候群(IBS)、非潰瘍性消化不良、非心臓の胸の痛み、心筋虚血と関連する痛み;
(xx) 神経痛、例えば、下部背中痛、非ヘルペス性神経痛、ヘルペス後の神経痛、糖尿病性神経障害、神経損傷、後天性免疫不全症候群(AIDS)関連神経痛、頭部外傷、痛みのある外傷性単神経障害、毒素及び化学療法誘発性の痛み、四肢切断後遺痛、痛みのある多発神経障害、視床痛症候群、卒中後の痛み、中枢神経系損傷、術後痛、断端痛、反復運動痛、乳房切除後の症候群により誘発される痛み、多発性硬化症、歯根剥離、開胸後の症候群、痛覚過敏及び異痛と関連する神経痛
(xxi) 骨関節炎、慢性関節リウマチ、リウマチ性疾患、腱滑膜炎、痛風、外陰部痛、筋筋膜痛(筋肉損傷、線維筋痛症)、滑液包炎、骨関節炎、若年性関節炎、脊椎炎、痛風関節炎、乾癬性関節炎、筋骨格痛、線維筋痛症、捻挫及び挫傷、交感神経により維持された痛み、筋炎、偏頭痛、歯痛、インフルエンザ及びその他のウイルス感染症、例えば、風邪と関連する痛み、リウマチ熱、全身性エリテマトーデスの如き疾患により誘発され、又はこれらと関連する炎症性/侵害受容の痛み;
(xxii) 腫瘍、例えば、リンパ性白血病;ホジキン病、悪性リンパ腫;リンパ肉芽腫症;リンパ肉腫;充実性悪性腫瘍;広範な転移により誘発され、又はこれらと関連する癌の痛み;
(xxiii) 頭痛、例えば、群発性頭痛、前兆を伴う又は伴わない偏頭痛、緊張型頭痛、異なる起源による頭痛、頭痛障害(予防の使用及び急の使用を含む);
(xxiv) 経皮の経腔の冠状血管形成後の再狭窄、急性及び慢性の痛み、アテローム硬化症、再潅流障害、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱傷、外傷に伴う多臓器損傷、壊死性全腸炎、血液透析、ロイコフェレーシス(白血球分離)、及び顆粒球輸血と関連する症候群、サルコイドーシス、歯肉炎、発熱、火傷、捻挫又は骨折と関連する外傷から生じる浮腫、脳浮腫及び血管浮腫、糖尿病、例えば、糖尿病性血管障害、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、後毛細管抵抗又はインスリン炎と関連する糖尿病の症候(例えば、高血糖、利尿、蛋白尿並びに増大された亜硝酸塩及びカリクレイン尿排泄)を含む種々のその他の疾患状態又は症状。
【0087】
その他の適応症として、癲癇、敗血症性ショック(例えば、抗血液量減少薬及び/又は抗低血圧薬として)、癌、敗血症、骨多孔症、良性前立腺過形成及び過敏性膀胱、かゆみ、白斑、一般の胃腸障害、呼吸領域、尿生殖器領域、胃腸領域又は血管領域における内臓運動の乱れ、傷、火傷、組織損傷並びに術後発熱、かゆみと関連する症候群が挙げられる。
ヒト治療に有益であることの他に、これらの化合物はまた随伴動物、外来動物及び家畜(哺乳類、げっ歯類等を含む)の獣医治療に有益である。
上記疾患及び症状の治療のために、治療有効用量は一般に本発明の化合物の投薬当り体重1kg当り約0.01mgから約100mgまで、好ましくは投薬当り体重1kg当り約0.1mgから約20mgまでの範囲であろう。例えば、70kgのヒトへの投与について、用量範囲は本発明の化合物の投薬当り約0.7mgから約7000mgまで、好ましくは投薬当り約7.0mgから約1400mgまでであろう。或る程度の常套用量最適化が最適の投薬レベル及びパターンを決めるのに必要とされるかもしれない。活性成分は1日1〜6回投与されてもよい。
【0088】
<一般投与及び医薬組成物>
医薬品として使用される場合、本発明の化合物は典型的には医薬組成物の形態で投与される。このような組成物は医薬業界で公知の操作を使用して調製でき、本発明の少なくとも一種の化合物を含む。本発明の化合物はまた単独で投与されてもよく、又は本発明の化合物の安定性を高め、或る実施態様においてそれらを含む医薬組成物の投与を促進し、増大された溶解又は分散、増大された抑制活性を与え、補助療法を施す等のアジュバントと組み合わせて投与されてもよい。本発明の化合物はそれら自体で使用されてもよく、又は必要によりまたその他の薬理学上活性な物質と連係して、本発明のその他の活性物質と連係して使用されてもよい。一般に、本発明の化合物は治療又は医薬有効量で投与されるが、診断目的又はその他の目的のために一層少ない量で投与されてもよい。
純粋な形態での、又は適当な医薬組成物中の、本発明の化合物の投与は、医薬組成物の投与の受け入れられている様式のいずれかを使用して行ない得る。こうして、投与は、例えば、固体、半固体、凍結乾燥粉末の形態、又は液体投薬形態、例えば、錠剤、座薬、ピル、軟質弾性カプセル及び硬質ゼラチンカプセル、粉末、溶液、懸濁液、又はエアロゾール等の形態、好ましくは正確な用量の簡単な投与に適した単位投薬形態で、経口、頬内(例えば、舌下)、鼻、非経口、局所、経皮、膣、又は直腸投与であってもよい。医薬組成物は一般に通常の医薬担体又は賦形剤及び活性薬剤としての本発明の化合物を含み、加えて、その他の医療薬、医薬物質、担体、アジュバント、希釈剤、ビヒクル、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。このような医薬上許される賦形剤、担体又は添加剤だけでなく、種々の投与様式のための医薬組成物の製造方法が当業者に公知である。その技術水準が、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 第20編, A. Gennaro(編集), Lippincott Williams & Wilkins, 2000; Handbook of Pharmaceutical Additives, Michael & Irene Ash(編集), Gower, 1995; Handbook of Pharmaceutical Excipients, A.H. Kibbe(編集), American Pharmaceutical Ass'n, 2000; H.C. Ansel及びN.G. Popovish, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,第5編, Lea and Febiger, 1990により証明され、これらの夫々がその技術水準を良く記載するために参考として本明細書にそのまま含まれる。
当業者が予想するように、特定の医薬製剤中に利用される本発明の化合物の形態は製剤が有効であるのに必要とされる好適な物理的特性(例えば、水溶性)を有するように選ばれるであろう(例えば、塩)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物又はその医薬上許される塩。
【化1】

[式中、
R1は独立にC1-6 アルキル、C3-6 シクロアルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6 アルキルチオ、C1-6 アルキルスルホニル、C1-6 アルコキシカルボニル、C1-6 アルキルアミノカルボニル、C1-6アシルアミノ、C1-6 ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール及びヘテロアリールから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリールであり、又は
R1はC1-10 アルキル、C3-6 シクロアルキル、3-10 員飽和複素環(夫々独立にC1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、夫々のR1及びR1 置換基は可能な場合には1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよく、或いは
R1 は3-10員飽和複素環で置換されたC 1-6 アルキル(夫々独立にC 1-10 アルキル、C 3-10 シクロアルキル、C 1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R2 は水素又はC1-6 アルキルであり、
R3 は、独立に部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよいC1-6 アルキル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい、ヘテロアリールであり、
R4 は夫々独立にC1-6 アルキル及びC1-6 アルコキシから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい、C1-6 アルキル、アリール、又はヘテロアリールであり、
夫々のR4又はR4置換基は可能な場合には部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよく、
nは1又は2である。]
【請求項2】
R1が、夫々必独立にC 1-6 アルキル、C 3-6 シクロアルキル、C 1-6 アルコキシ、C 1-6 アルキルチオ、C 1-6 アルキルスルホニル、C1-6 アルコキシカルボニル、C1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アシルアミノ、C 1-6 ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ及びフェニルから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい、フェニル、ナフチルであり、又は
R1 がC 1-10 アルキル、C 3-10 シクロアルキル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びピロリジニルから選ばれる複素環であり、夫々独立にC1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、夫々のR1 及びR1 置換基は可能な場合には1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよく、或いは
R1 が3-10員飽和複素環で置換されたC1-3 アルキル(夫々独立にC1-10 アルキル、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R2が水素又はC1-5 アルキルであり、
R3 がフラニル、ピラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、チエニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル又はベンゾピラニルであり、夫々独立に1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1-6 アルキル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
R4 がC1-5 アルキル、フェニル又はナフチルであり、夫々独立にC1-5 アルキル及びC1-5 アルコキシから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、夫々のR4又はR4置換基は可能な場合には部分ハロゲン化又は完全ハロゲン化されていてもよく、
nが1である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1 が夫々独立にC1-3 アルキル、C3-6 シクロアルキル、シアノ、フェニル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい、C 1-6 アルキル、C3-6 シクロアルキル及びフェニルであり、又は
R1 がテトラヒドロピラニル又はテトラヒドロフラニル(必要によりC1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい)であり、或いは
R1がテトラヒドロピラニル又はテトラヒドロフラニルで置換されたメチル(必要によりC1-10 アルキル、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R2が水素又はC1-4 アルキルであり、
R3 がオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル又はトリアジニルであり、夫々必要により独立にC1-5 アルキル (これは必要により1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
R4がC1-5 アルキル又はフェニルであり、夫々必要により独立にC1-4 アルキル及びC1-4 アルコキシから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
夫々のR4又はR4置換基が可能な場合に必要により部分又は完全ハロゲン化されていてもよい、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
R2 が水素又はC1-3 アルキルであり、
R3 がオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル又はピリジニルであり、
R4がC1-4 アルキル又はフェニルであり、夫々必要により独立にC1-3 アルキルで置換されていてもよく、
夫々のR4又はR4置換基が可能な場合に必要により部分又は完全ハロゲン化されていてもよい、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
R1がフェニル又はテトラヒドロピラニルであり、夫々必要により部分又は完全ハロゲン化されていてもよく、
R2が水素又はC1-2 アルキルであり、
R4がC1-4 アルキル又はフェニルであり、夫々必要により部分又は完全ハロゲン化されていてもよい、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
R1がテトラヒドロピラニル、又は必要によりハロゲンで置換されていてもよいフェニルであり、
R2 が水素又はメチルであり、
R3がチアジアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジニル又はトリアゾリルであり、
R4がフェニル、又は必要により部分若しくは完全ハロゲン化されていてもよいC1-4 アルキルである、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
式IAの化合物又はその医薬上許される塩。
【化2】

[式(IA)中、
【化3】

が独立に表I中の欄Aの員から選ばれ、かつ
【化4】

が表I中の欄Bの員から選ばれる。]
【表1】

【請求項8】
下記の化合物から選ばれた化合物又はその医薬上許される塩。
【表2】



【請求項9】
式IBの化合物又はその医薬上許される塩。
【化5】

[式中、
R1はアリール(必要により独立にC1-6 アルキル、C3-6 シクロアルキル、C1-6 アルコキシ、C1-6 アルキルチオ、C1-6 アルキルスルホニル、C1-6 アルコキシカルボニル、C1-6 アルキルアミノカルボニル、C1-6アシルアミノ、C1-6 ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アリール及びヘテロアリールから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、又は
R1はC1-10 アルキル、C3-6 シクロアルキル、3-10 員飽和複素環(夫々必要により独立にC1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、夫々のR1及びR1 置換基は可能な場合には必要により1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよく、或いは
R1 は3-10員飽和複素環で置換されたC 1-6 アルキル(夫々必要により独立にC 1-10 アルキル、C 3-10 シクロアルキル、C 1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R2 は水素又はC1-6 アルキルであり、
R3 はヘテロアリール(必要により独立にC1-6 アルキル (これは必要により部分又は完全ハロゲン化されていてもよい)及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R4 はC1-6 アルキル、アリール、又はヘテロアリール(夫々必要により独立にC1-6 アルキル及びC1-6 アルコキシから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
夫々のR4又はR4置換基は可能な場合に必要により部分又は完全ハロゲン化されていてもよく、
Rは水素又はC 1-6 アルキル(必要によりフェニル又は1-3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)であり、かつ
nは1又は2である]
【請求項10】
R1がフェニル、ナフチル(夫々必要により独立にC 1-6 アルキル、C 3-6 シクロアルキル、C 1-6 アルコキシ、C 1-6 アルキルチオ、C 1-6 アルキルスルホニル、C1-6 アルコキシカルボニル、C1-6 アルキルアミノカルボニル、C 1-6 アシルアミノ、C 1-6 ジアルキルアミノカルボニル、ハロゲン、シアノ、ニトロ及びフェニルから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、又は
R1 がC 1-10 アルキル、C 3-10 シクロアルキル、複素環(テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル及びピロリジニルから選ばれる)であり、夫々必要により独立にC1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、夫々のR1 及びR1 置換基が可能な場合に必要により1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよく、或いは
R1 が3-10員飽和複素環で置換されたC1-3 アルキル(夫々必要により独立にC1-10 アルキル、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R2が水素又はC1-5 アルキルであり、
R3 がフラニル、ピラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、ピロリル、イミダゾリル、チエニル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル又はベンゾピラニルであり、夫々必要により独立にC1-6 アルキル (これは必要により1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
R4 がC1-5 アルキル、フェニル又はナフチルであり、夫々必要により独立にC1-5 アルキル及びC1-5 アルコキシから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、夫々のR4又はR4置換基が可能な場合に必要により部分又は完全ハロゲン化されていてもよく、
Rが水素又はC1-5 アルキルであり、かつ
nが1である、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
R1 がC 1-6 アルキル、C3-6 シクロアルキル及びフェニルであり、夫々必要により独立にC1-3 アルキル、C3-6 シクロアルキル、シアノ、フェニル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよく、又は
R1 がテトラヒドロピラニル又はテトラヒドロフラニル(必要によりC1-10 アルキル、C3-10 シクロアルキル、C1-6 アシル、シアノ、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい)であり、或いは
R1がテトラヒドロピラニル又はテトラヒドロフラニルで置換されたメチル(必要によりC1-10 アルキル、フェニル、オキソ、ヒドロキシル及びハロゲンから選ばれた1-3個の置換基で置換されていてもよい)であり、
R2が水素又はC1-4 アルキルであり、
R3 がオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル又はトリアジニルであり、夫々必要により独立にC1-5 アルキル (これは必要により1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい)及びハロゲンから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
R4がC1-5 アルキル又はフェニルであり、夫々必要により独立にC1-4 アルキル及びC1-4 アルコキシから選ばれた1〜3個の置換基で置換されていてもよく、
夫々のR4又はR4置換基が可能な場合に必要により部分又は完全ハロゲン化されていてもよく、
Rが水素又はC1-4 アルキルである、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
R2が水素又はC1-3 アルキルであり、
R3 がオキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル又はピリジニルであり、
R4がC1-4 アルキル又はフェニルであり、夫々必要により独立にC1-3 アルキルで置換されていてもよく、
夫々のR4又はR4置換基が可能な場合に必要により部分又は完全ハロゲン化されていてもよく、
Rが水素、ベンジル又はC1-3 アルキルである、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
R1がフェニル又はテトラヒドロピラニルであり、夫々必要により部分又は完全ハロゲン化されていてもよく、
R2が水素又はC1-2 アルキルであり、
R4がC1-4 アルキル又はフェニルであり、夫々必要により部分又は完全ハロゲン化されていてもよく、
Rが水素又はC1-3 アルキルである、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
R1がテトラヒドロピラニル、又は必要によりハロゲンで置換されていてもよいフェニルであり、
R2が水素又はメチルであり、
R3がチアジアゾリル、イソオキサゾリル、ピリジニル又はトリアゾリルであり、
R4がフェニル、又は必要により部分もしくは完全ハロゲン化されていてもよいC1-4 アルキルであり、
Rが水素である、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
下記式ICの化合物又はその医薬上許される塩。
【化6】

[上記式(IC)中、
【化7】

が独立に表IV中の欄Aの員から選ばれ、かつ
【化8】

が独立に表IV中の欄Bの員から選ばれる。]
【表3】

(表中、Rは水素又はハロゲンである。)
【請求項16】
下記の化合物から選ばれた化合物又はその医薬上許される塩。
【表4】

【請求項17】
治療有効量の請求項1から16のいずれか1項記載の化合物を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項18】
患者に治療有効量の請求項1から17のいずれか1項記載の化合物を投与することを特徴とする痛みの治療方法。
【請求項19】
肺疾患、リウマチ疾患、自己免疫疾患、筋骨格疾患、アレルギー性疾患、アレルギー反応、脈管疾患、皮膚疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、胃腸疾患、神経変性眼疾患、耳、鼻、及び喉の疾患、神経疾患、血液疾患、腫瘍、内分泌疾患、臓器及び組織の移植及び移植片対宿主疾患、ショックの重度の状態、急性の痛み、内臓痛、胃腸管又は子宮の痙攣、仙痛、神経痛、炎症性かつ痛覚の痛み、癌の痛み、頭痛、再狭窄、アテローム硬化症、潅流障害、うっ血性心不全、心筋梗塞、熱損傷、外傷に伴う多臓器損傷、壊死性全腸炎並びに血液透析、ロイコフェレーシス、及び顆粒球輸血と関連する症候群、サルコイドーシス、歯肉炎並びに発熱から選ばれた疾患又は症状の治療方法であって、患者に治療有効量の請求項1から17のいずれか1項記載の化合物を投与することを特徴とする上記治療方法。

【公表番号】特表2011−527676(P2011−527676A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517460(P2011−517460)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/048392
【国際公開番号】WO2010/005782
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】