説明

CCR2受容体アンタゴニストとしてのメルカプトイミダゾール

【化1】


本発明は、式(I)の化合物、それらのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン、多形若しくは立体異性体[式中、Rは水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリール若しくはヘテロアリールを表し;各Rは独立にハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し;Rは水素、シアノ、場合によっては置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6bまたはC(=O)−Rを表し;Rは水素若しくはC1−6アルキルを表し;nは1、2、3、4若しくは5を表し;Zは環式環系を表す]に関する。本発明はまた、式(I)の化合物の製造方法、CCR2アンタゴニストとしてのそれらの使用、およびそれらを含んでなる製薬学的組成物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCR2受容体拮抗特性を有するメルカプトイミダゾール誘導体に関する。本発明はさらに、それらの製造方法およびそれらを含んでなる製薬学的組成物に関する。本発明はまた、CCR2受容体、とりわけCCR2B受容体の活性化により媒介される疾患の予防若しくは処置のための医薬品の製造のための前記化合物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、サイトカイン、とりわけTNF−αおよびIL−βの放出に対する免疫調節および/若しくは阻害活性を有する2−チオ置換イミダゾール誘導体を記述している。
【0003】
特許文献2は、鎮痛薬としてかつその血管拡張活性について有用なチオイミダゾール誘導体に関する。
【0004】
特許文献3は、鎮静薬および鎮痛薬としてのチオイミダゾール誘導体を記述する。
【0005】
特許文献4は、抗炎症活性を有する2−メルカプト−5−(3−ピリジル)−イミダゾール誘導体を記述する。
【0006】
非特許文献1はα−アリールアルキルアミンの合成および特性を記述する。
【0007】
非特許文献2はN−クロルアシル−ベンジルアミンの合成および薬理学を記述する。
【0008】
非特許文献3はイミダゾール誘導体の合成を記述する。
【0009】
本発明の化合物は、構造、それらの薬理学的活性および/若しくは薬理学的効力において従来技術の化合物と異なる。
【特許文献1】第WO 02/066458号明細書
【特許文献2】仏国特許第FR 1,487,326号明細書
【特許文献3】仏国特許第FR 6,751 M号明細書
【特許文献4】米国特許第US 3,850,944号明細書
【非特許文献1】Bull.Soc.Chim.Belg.、73、pp181−188(1964)
【非特許文献2】Archiv der Pharmazie、305(12)、pp891−901(1972)
【非特許文献3】Annales pharmaceutiques francaises、29(1)、pp63−70(1970)
【発明の開示】
【0010】
[発明の要約]
本発明の一局面は、式
【0011】
【化1】

【0012】
の化合物、
そのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン、多形若しくは立体異性体に関し、式中
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリール若しくはヘテロアリールを表し;
各Rは、独立に、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し;
は、水素、シアノ、ヒドロキシ若しくは1−6アルキルオキシで場合によっては置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6bまたはC(=O)−Rを表し;
は水素若しくはC1−6アルキルを表し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し;
6aおよびR6bは、それぞれ独立に、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、カルボニルアミノまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか;あるいは
6aおよびR6bは、それらが結合されている窒素と一緒になって、C1−6アルキルで置換されているピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル若しくはピペラジニルを形成し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し;
Zは、
【0013】
【化2】

【0014】
から選択される環式環系(cyclic ring system)を表し、
各Rは、独立に、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、ピペリジニル、ピペリジニルアミノ、モルホリニル、ピペラジニルまたはニトロを表し;
各Rは独立に水素、ハロ若しくはC1−6アルキルを表し;
nは1、2、3、4若しくは5であり;
アリールは、フェニル、あるいは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されているフェニルを表し;
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、前記複素環のそれぞれは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換されているが;
但し、
1−(3,4−ジメトキシベンジル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−チオール;および
1−(o−クロロベンジル)−5−エチル−4−フェニル−イミダゾール−2−チオールは包含されない。
【0015】
本発明はまた、CCR2受容体の活性化により媒介される疾患を予防若しくは処置するため、とりわけ炎症性疾患を予防若しくは処置するための医薬品の製造のための化合物の使用にも関し、前記化合物は、式(I)
【0016】
【化3】

【0017】
の化合物、
そのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン、多形若しくは立体異性体であり、式中
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリール若しくはヘテロアリールを表し;
各Rは、独立に、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し;
は、水素、シアノ、ヒドロキシ若しくはC1−6アルキルオキシで場合によっては置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6bまたはC(=O)−Rを表し;
は水素若しくはC1−6アルキルを表し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し;
6aおよびR6bは、それぞれ独立に、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、カルボニルアミノまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか;あるいは
6aおよびR6bは、それらが結合されている窒素と一緒になって、C1−6アルキルで置換されているピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル若しくはピペラジニルを形成し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミ
ノカルボニルC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し;
Zは、
【0018】
【化4】

【0019】
から選択される環式環系を表し、
各Rは、独立に、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、ピペリジニル、ピペリジニルアミノ、モルホリニル、ピペラジニルまたはニトロを表し;
各Rは独立に水素、ハロ若しくはC1−6アルキルを表し;
nは1、2、3、4若しくは5であり;
アリールは、フェニル、あるいは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されているフェニルを表し;
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、前記複素環のそれぞれは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場
合によっては置換されている。
【0020】
より具体的には、本発明はまた、CCR2受容体の活性化により媒介される疾患を予防若しくは処置するため、とりわけ炎症性疾患を予防若しくは処置するための医薬品の製造のための化合物の使用にも関し、前記化合物は、式(I)
【0021】
【化5】

【0022】
の化合物、
そのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン、多形若しくは立体異性体であり、式中
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリール若しくはヘテロアリールを表し;
各Rは、独立に、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し;
は、水素、シアノ、ヒドロキシ若しくはC1−6アルキルオキシで場合によっては置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6bまたはC(=O)−Rを表し;
は水素若しくはC1−6アルキルを表し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し;
6aおよびR6bは、それぞれ独立に、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、カルボニルアミノまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか;あるいは
6aおよびR6bは、それらが結合されている窒素と一緒になって、C1−6アルキルで置換されているピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル若しくはピペラジニルを形成し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し;
Zは、
【0023】
【化6】

【0024】
から選択される環式環系を表し、
各Rは、独立に、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、ピペリジニル、ピペリジニルアミノ、モルホリニル、ピペラジニルまたはニトロを表し;
各Rは独立に水素、ハロ若しくはC1−6アルキルを表し;
nは1、2、3、4若しくは5であり;
アリールは、フェニル、あるいは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されているフェニルを表し;
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、前記複素環のそれぞれは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換されているが;
但し、
1−(3,4−ジメトキシベンジル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−チオール;および
1−(o−クロロベンジル)−5−エチル−4−フェニル−イミダゾール−2−チオールは包含されない。
【0025】
本発明の特定の一態様は、上若しくは下に定義されるところの式(I)の化合物であるが、但し、1−(3,4−ジメトキシベンジル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−チオール;1−(o−クロロベンジル)−5−エチル−4−フェニル−イミダゾール−2−チオール、若しくはそれらの製薬学的に許容できる付加塩は包含されない。
【0026】
[発明の詳細な記述]
上若しくは下で使用されるところの基若しくは基の一部としてのC1−4アルキルは、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチルのような1から4個までの炭素原子を有する直鎖若しくは分枝状鎖飽和炭化水素を定義し;基若しくは基の一部としてのC1−6アルキルは、C1−4アルキルについて定義された基およびペンチル、ヘキシル、2−メチルブチルなどのような1から6個までの炭素原子を有する直鎖若しくは分枝状鎖飽和炭化水素基を定義し;C3−7シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルに包括的なものであり;C2−6アルケニルは、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルなどのような1個の二重結合を含有する2から6個までの炭素原子を有する直鎖および分枝状鎖炭化水素基を定義し;C2−6アルキニルは、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどのような1個の三重結合を含有する2から6個までの炭素原子を有する直鎖および分枝状鎖炭化水素基を定義する。
【0027】
上で使用されるところの(=O)という用語は、炭素原子に結合される場合にカルボニル部分を、イオウ原子に結合される場合にスルホキシド部分を、および前記用語の2個がイオウ原子に結合される場合にスルホニル部分を形成する。
【0028】
ハロという用語はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードに包括的なものである。前述若しくは下で使用されるところの基若しくは基の一部としてのポリハロメチルは、一若しくは多ハロ置換メチル、とりわけ1個若しくはそれ以上のフルオロ原子を伴うメチル、例えばジフルオロメチル若しくはトリフルオロメチルと定義され;基若しくは基の一部としてのポリハロC1−6アルキルは一若しくは多ハロ置換C1−6アルキル、例えばポリハロメチルで定義された基、1,1−ジフルオロ−エチルなどと定義される。1個以上のハロゲン原子がポリハロメチル若しくはポリハロC1−6アルキルの定義内の1個のアルキル基に結合されている場合には、それらは同一でも若しくは異なってもよい。
【0029】
若しくはRの定義中のヘテロアリールという用語は、複素環の全部の可能な異性体を包含することを意味しており、例えばピロリルは1H−ピロリルおよび2H−ピロリルを含んでなる。
【0030】
上若しくは下で挙げられるところの式(I)の化合物の置換基(例えばR、R、RおよびZを参照されたい)の定義で列挙されるアリール、ヘテロアリール、複素環系若しくは環式環系は、別の方法で明記されない場合は、適切なようにいずれかの環炭素若しくはヘテロ原子により式(I)の分子の残部に結合されうる。従って、例えばヘテロアリールがイミダゾリルである場合、それは1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリルなどでありうる。
【0031】
いずれかの変動(例えばR6a、R6b)がいずれかの構成要素に1度以上存在する場合、それぞれの定義は独立である。
【0032】
置換基から環系中に引かれた線は、該結合が適する環原子のいずれにも結合されうることを示す。線が二環系中に引かれている場合、それは、該結合が該二環系の2個の環のいずれか一方の適する環原子のいずれにも結合されうることを示す。
【0033】
治療的使用のため、式(I)の化合物の塩は対イオンが製薬学的に許容できるものである。しかしながら、製薬学的に許容できない酸および塩基の塩もまた、例えば製薬学的に許容できる化合物の製造若しくは精製において使用を見出しうる。全部の塩は、製薬学的に許容できようとできなかろうと、本発明の範囲内に包含される。
【0034】
上に挙げられたところの製薬学的に許容できる付加塩は、式(I)の化合物が形成することが可能である治療上有効な非毒性の酸付加塩の形態を含んでなることを意味している。後者は、無機酸、例えばハロ水素酸、例えば塩酸、臭化水素酸など;硫酸;硝酸;リン酸など;若しくは有機酸、例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロパン酸、2−オキソプロパン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒドロキシ安息香酸および類似の酸のような適切な酸で塩基の形態を処理することにより便宜的に得ることができる。逆に、塩の形態はアルカリでの処理により遊離塩基の形態に転化し得る。
【0035】
酸性プロトンを含有する式(I)の化合物は、適切な有機および無機塩基での処理により、それらの治療上有効な非毒性の金属若しくはアミン付加塩の形態に転化しうる。適切な塩基塩の形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリおよびアルカリ土類金属塩、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4種のブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリンおよびイソキノリン、ベンザチン、N−メチル−D−グルカミン、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、ヒドラバミンの塩のような一級、二級および三級脂肪族および芳香族アミンとの塩、ならびに例えばアルギニン、リシンなどのようなアミノ酸との塩を含んでなる。逆に、塩の形態は酸での処理により遊離酸の形態に転化し得る。
【0036】
付加塩という用語は、式(I)の化合物が形成することが可能である水和物および溶媒付加の形態もまた含んでなる。こうした形態の例は例えば水和物、アルコール和物などである。
【0037】
上で使用されるところの「四級アミン」という用語は、式(I)の化合物の塩基窒素と、例えば場合によっては置換されているアルキルハロゲン化物、アリールハロゲン化物若しくはアリールアルキルハロゲン化物、例えばヨウ化メチル若しくはヨウ化ベンジルのような適切な四級化剤の間の反応により式(I)の化合物が形成することが可能である四級アンモニウム塩を定義する。アルキルトリフルオロメタンスルホン酸塩、アルキルメタンスルホン酸塩、およびアルキルp−トルエンスルホン酸塩のような良好な脱離基を伴う他の反応体もまた使用しうる。四級アミンは正に荷電した窒素を有する。製薬学的に許容できる対イオンは、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロ酢酸イオンおよび酢酸イオンを包含する。最適な対イオンはイオン交換樹脂を使用して導入し得る。
【0038】
N−オキシドの形態の本化合物は、1若しくは数個の三級窒素原子がいわゆるN−オキ
シドに酸化されている式(I)の化合物を含んでなることを意味している。
【0039】
式(I)の化合物およびそれらのN−オキシド、付加塩、四級アミン、多形若しくは立体異性体のいくつかは、1個若しくはそれ以上のキラリティー中心を含有することができかつ立体異性体として存在しうることが認識されるであろう。
【0040】
上若しくは下で使用されるところの「立体異性体」という用語は、式(I)の化合物、およびそれらのN−オキシド、付加塩、四級アミン、多形若しくは生理学的に機能的な誘導体が有しうる全部の可能な立体異性体を定義する。別の方法で挙げられ若しくは示されない限り、化合物の化学的呼称は全部の可能な立体異性体の混合物を示し、前記混合物は、他の異性体を実質的に含まない、すなわち10%未満、好ましくは5%未満、とりわけ2%未満、および最も好ましくは1%未満を伴う式(I)およびそれらのN−オキシド、塩、溶媒和物、四級アミン若しくは多形の基本的分子構造の全部のジアステレオマーおよび鏡像異性体ならびに個々の異性体のそれぞれを含有する。従って、式(I)の化合物が例えば(E)と指定される場合、これは該化合物が(Z)異性体を実質的に含まないことを意味している。
【0041】
とりわけ、ステレオジェン中心はR若しくはS配置を有することができ;二価の環状(部分的)飽和基上の置換基はcis若しくはtransいずれの配置も有しうる。二重結合を包含する化合物は、前記二重結合でE(entgegen(反対))若しくはZ(zusammen(同一))の立体化学を有し得る。cis、trans、R、S、EおよびZという用語は当業者に公知である。
【0042】
式(I)の化合物の立体異性体は本発明の範囲内に包含されることを明らかに意図している。
【0043】
本化合物の多形もまた本発明の範囲内にある。上若しくは下で使用されるところの「多形」という用語は、特定の1化合物の全部の可能な結晶配置を定義する。ある化合物の1多形は、同一のしかし異なる結晶配置にある化学的実体である。「多形」という用語は当業者に公知である。
【0044】
製薬学的化合物の多形は、適する投薬形態物の開発に関与する者にとって興味深いとみられる。多形が臨床および安定性試験の間に一定に保持されない場合は、使用若しくは測定される正確な投薬量がロットごとに比較可能でないことがあるからである。製薬学的化合物が使用のため一旦製造されれば、製造工程が同一の形態を使用していること、および同一量の薬物が各投薬量に包含されていることを保証するために、各投薬形態物中に送達される多形を認識することが重要である。従って、単一の多形若しくは多形のいくつかの既知の組合せのいずれかが存在することを保証することが必須である。加えて、ある種の多形は高められた熱力学的安定性を表すことがあり、そして製薬学的製剤中への包含に他の多形より適することがある。
【0045】
式(I)の化合物のいくつかは互変異性体でもまた存在しうる。こうした形態は、上の式(I)に明確に示されないとは言え、本発明の範囲内に包含されることを意図している。
例えば、式(I)は
【0046】
【化7】

【0047】
の互変異性体を包含することを意図している。従って、本発明の化合物は、式
【0048】
【化8】

【0049】
の化合物を包含する。
【0050】
下で使用される場合はいつも、「式(I)の化合物」という用語は、それらのN−オキシドの形態、それらの付加塩、それらの四級アミン、それらの多形若しくはそれらの立体異性体もまた包含することを意味している。立体化学的に純粋である式(I)の化合物がとりわけ興味深い。
【0051】
置換基が例えばR6a若しくはR6bについてのような多数の定義の一覧からそれぞれ独立に選択され得る、上若しくは下で使用される場合はいつも、化学的に可能である全部の可能な組合せを意図している。
【0052】
本発明の第一の興味深い態様は、式
【0053】
【化9】

【0054】
の化合物、
そのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン若しくは立体異性体に関し、式中
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリール若しくはヘテロアリールを表し;
各Rは、独立に、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し;
は、水素、シアノ、ヒドロキシ若しくはC1−6アルキルオキシで場合によっては置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6bまたはC(=O)−Rを表し;
は水素若しくはC1−6アルキルを表し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し;
6aおよびR6bは、それぞれ独立に、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、カルボニルアミノまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか;あるいは
6aおよびR6bは、それらが結合されている窒素と一緒になって、C1−6アルキルで置換されているピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル若しくはピペラジニルを形成し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し;
Zは、
【0055】
【化10】

【0056】
から選択される環式環系を表し、
各Rは、独立に、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロ
1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、ピペリジニル、ピペリジニルアミノ、モルホリニル、ピペラジニルまたはニトロを表し;
各Rは独立に水素、ハロ若しくはC1−6アルキルを表し;
nは1、2、3、4若しくは5であり;
アリールは、フェニル、あるいは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されているフェニルを表し;
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、前記複素環のそれぞれは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換されているが;
但し、
1−(3,4−ジメトキシベンジル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−チオール;および
1−(o−クロロベンジル)−5−エチル−4−フェニル−イミダゾール−2−チオールは包含されない。
【0057】
本発明の第二の興味深い態様は、式
【0058】
【化11】

【0059】
の化合物に関し、
式中
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリール若しくはヘテロアリールを表し;
各Rは、独立に、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し;
は、水素、シアノ、ヒドロキシ若しくはC1−6アルキルオキシで場合によっては置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6bまたはC(=O)−Rを表し;
は水素若しくはC1−6アルキルを表し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し;
6aおよびR6bは、それぞれ独立に、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、カルボニルアミノまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか;あるいは
6aおよびR6bは、それらが結合されている窒素と一緒になって、C1−6アルキルで置換されているピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル若しくはピペラジニルを形成し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し;
Zは、
【0060】
【化12】

【0061】
から選択される環式環系を表し、
各Rは、独立に、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ
若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、ピペリジニル、ピペリジニルアミノ、モルホリニル、ピペラジニルまたはニトロを表し;
各Rは独立に水素、ハロ若しくはC1−6アルキルを表し;
nは1、2、3、4若しくは5であり;
アリールは、フェニル、あるいは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されているフェニルを表し;
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、前記複素環のそれぞれは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換されているが;
但し、
1−(3,4−ジメトキシベンジル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−チオール;および
1−(o−クロロベンジル)−5−エチル−4−フェニル−イミダゾール−2−チオールは包含されない。
【0062】
第三の興味深い態様は、Rが水素、シアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6b若しくはC(=O)−Rを表す、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。
【0063】
第四の興味深い態様は、Rがシアノ、ヒドロキシ若しくはC1−6アルキルオキシで場合によっては置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6b若しくはC(=O)−Rを表す、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。第五の興味深い態様は、Rがシアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6b若しくはC(=O)−Rを表す、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。
【0064】
第六の興味深い態様は、Rが水素、シアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b若しくはC(=O)−R;好ましくはC(=O)−O−R;より好ましくはC(=O)−O−C1−6アルキル;最も好ましくはC(=O)−O−CHを表す、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。
【0065】
第七の興味深い態様は、Zが3−ピリジル以外である、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。
【0066】
第八の興味深い態様は、Zが上で定義されたところの(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)、(a−5)、(a−6)、(a−7)、(a−9)、(a−10)、
(a−11)、(a−12)、(a−13)、(a−14)、(a−15)、若しくは(a−16)から選択される環式環系;好ましくは(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)、(a−9)、(a−10)、(a−12)、(a−13)、(a−14)、(a−16)若しくは(a−18)から選択される環式環系;より好ましくは(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−9)、(a−10)、(a−12)、(a−13)、(a−14)若しくは(a−16)から選択される環式環系;なおより好ましくは(a−1)、(a−2)、(a−9)、(a−10)若しくは(a−13)から選択される環式環系;最も好ましくは式(a−9)の環式環系である、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。
【0067】
第九の興味深い態様は、Zが(a−2)、(a−7)若しくは(a−9)から選択される環式環系、または(a−2)、(a−8)若しくは(a−10)から選択される環式環系であり;好ましくはZが(a−2)、(a−7)若しくは(a−9)から選択される環式環系であり;より好ましくはZが(a−2)、(a−7)若しくは(a−9)から選択される環式環系でありかつRがC(=O)−O−Rを表す、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。
【0068】
第十の興味深い態様は、nが2若しくは3であり;好ましくはnが2である、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。
【0069】
第十一の興味深い態様は、nが2でありかつ前記2個のR置換基がメタおよびパラ位に配置されている、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。
【0070】
第十二の興味深い態様は、Rがハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ若しくはポリハロC1−6アルキル;好ましくはハロ若しくはポリハロC1−6アルキル、とりわけクロロ、フルオロ若しくはトリフルオロメチル;最も好ましくはハロ、とりわけクロロ若しくはフルオロ、より具体的にはフルオロを表す、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。
【0071】
第十三の興味深い態様は、Rが、水素、メチル、エチル、n−プロピル、メトキシメチル、シクロヘキシル、シクロプロピル、ジメチルアミノメチル、2−チエニル、3,4−ジクロロフェニルであり;好ましくはRがC1−6アルキル若しくはC1−6アルキルオキシC1−6アルキル、とりわけメチル、エチル、プロピル、メトキシメチル、より具体的にはメチル、エチル、n−プロピル若しくはメトキシメチルであり;より好ましくは、RがC1−6アルキルとりわけメチル、エチルおよびプロピル、より具体的にはメチル、エチル若しくはn−プロピルであり;最も好ましくはRがエチルである、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。
【0072】
第十四の興味深い態様は、Rが水素である、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。
【0073】
第十五の興味深い態様は、立体化学的に純粋である、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループである。
【0074】
第十六の興味深い態様は、RおよびR置換基を運搬する炭素原子が(S)配置を有する、興味深い態様として上に挙げられたところの式(I)の化合物若しくはそれらのいずれかのサブグループ、すなわち式(I’)
【0075】
【化13】

【0076】
の化合物、そのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン、多形若しくは立体異性体である。
【0077】
また興味深い化合物は、以下の制限すなわち
a)RがC1−6アルキル若しくはC1−6アルキルオキシC1−6アルキル、とりわけメチル、エチル、プロピル若しくはメトキシメチルを表し;
b)Rがハロ、ポリハロC1−6アルキル若しくはアリールオキシ、とりわけハロ、例えばクロロ若しくはフルオロを表し;
c)Rが水素、シアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b若しくはC(=O)−Rを表し;
d)Zが、(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)、(a−5)、(a−6)、(a−7)、(a−9)、(a−10)、(a−11)、(a−12)、(a−13)、(a−14)、(a−15)若しくは(a−16)から選択される環系を表し;
e)Rが水素を表し;
f)nが2若しくは3である
の1つ若しくはそれ以上、好ましくは全部が当てはまる、式(I)の化合物である。
【0078】
また興味深い化合物は、以下の制限すなわち
a)RがC1−6アルキル若しくはC1−6アルキルオキシC1−6アルキル、とりわけメチル、エチル、プロピル若しくはメトキシメチルを表し;
b)Rがハロ、とりわけクロロ若しくはフルオロを表し;
c)Rが水素;シアノ;Rが好ましくは水素、C1−6アルキル若しくはC1−6アルキルオキシC1−6アルキルであるC(=O)−O−R;R6aおよびR6bが好ましくは水素若しくはヒドロキシC1−6アルキルであるC(=O)−NR6a6b;Rが好ましくは場合によっては置換されているチアゾリルであるC(=O)−Rを表し;
d)Zが、(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−4)、(a−9)、(a−10)、(a−12)、(a−13)、(a−14)、(a−16)若しくは(a−18)から選択される環系を表し;
e)Rが水素を表し;
f)nが2である
の1つ若しくはそれが当てはまる式(I)の化合物である。
【0079】
さらなる興味深い化合物は、以下の制限すなわち
a)RがC1−6アルキル、とりわけエチル若しくはプロピルを表し;
b)Rがハロ、とりわけクロロ若しくはフルオロを表し;
c)RがC(=O)−O−R若しくはC(=O)−NR6a6bを表し;
d)Zが(a−1)、(a−2)、(a−9)、(a−10)若しくは(a−13)から選択される環式環系を表し;
e)Rが水素を表し;
f)nが2である
の1つ若しくはそれ以上が当てはまる式(I)の化合物である。
【0080】
なおさらなる興味深い化合物は、以下の制限すなわち
a)Rがエチル若しくはプロピルを表し;
b)Rがクロロ若しくはフルオロを表し;
c)RがC(=O)−O−RとりわけC(=O)−O−CHを表し;
d)Zが環式環系(a−9)を表し;
e)Rが水素を表し;
f)nが2である
の1つ若しくはそれ以上が当てはまる式(I)の化合物である。
【0081】
式(I)の好ましい化合物は、化合物31、6、27、9、24、40、25、7、26、45、48、49、43、36、16、28、33、32、34、51、52若しくは53;それらのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン、多形若しくは立体異性体である。
【0082】
式(I)のより好ましい化合物は、化合物26、48、43、52若しくは53、とりわけ化合物26、43若しくは53;それらのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン、多形若しくは立体異性体である。
【0083】
以下すなわち
化合物が(S)−3−[1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−5−イソキサゾル−5−イル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルである式(I)の化合物、そのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン若しくは多形;
化合物が(S)−3−[1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−5−イソキサゾル−5−イル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルである式(I)の化合物、若しくはそのN−オキシド;
化合物が(S)−3−[1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−5−イソキサゾル−5−イル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルである式(I)の化合物、若しくはその製薬学的に許容できる付加塩;
化合物が(S)−3−[1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−5−イソキサゾル−5−イル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルである式(I)の化合物、若しくはその四級アミン;
化合物が(S)−3−[1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−5−イソキサゾル−5−イル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルである式(I)の化合物;または
化合物が、128.5℃の融点をもつ(S)−3−[1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−5−イソキサゾル−5−イル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルである式(I)の化合物
のいずれか1つが最も好ましい。
【0084】
一般に、Rが水素を表す式(I)の化合物(前記化合物は式(I−a)により表される)は、場合によっては水の存在下に、例えば塩酸などのような適する酸、および例えばアルコール、例えばエタノールのような適する溶媒の存在下で、式(II−a)若しくは(II−b)の中間体をKSCNと反応させることにより製造し得る。
【0085】
【化14】

【0086】
が水素以外である式(I)の化合物(前記RはR3’により表され、また、前記化合物は式(I−b)により表される)は、KSCN、例えば塩酸などのような適する酸、例えばテトラヒドロフラン、若しくはテトラヒドロフランおよび適するアルコール、例えばメタノールの混合物のような適する溶媒、ならびに例えばt−BuONa、LiN(イソプロピル)若しくはNH[Si(CH]のような適する塩基の存在下に、Wが例えばC1−6アルキルオキシ、例えばメトキシ若しくはt−ブチルオキシ、またはハロ、例えばクロロなどのような適する脱離基を表す式(IV)の中間体と式(III)の中間体を反応させることにより製造し得る。
【0087】
【化15】

【0088】
式(I−b)の化合物は、式(V)の中間体を、例えばアルコール、例えばエタノールのような適する溶媒の存在下で例えば水酸化ナトリウムなどのような適する塩基と反応させることによってもまた製造し得る。
【0089】
【化16】

【0090】
Zが場合によっては置換されている1,3,4−オキサジアゾールを表す式(I)の化合物(前記化合物は式(I−c)により表される)は、式(VI)の中間体を、場合によっては例えばテトラヒドロフランのような適する溶媒の存在下でリン酸トリクロリド若しくはBurgess試薬と反応させることにより製造し得る。
【0091】
【化17】

【0092】
がC(=O)−O−R5’(式中R5’はC1−6アルキル若しくはヒドロキシC1−6アルキルを表す)を表す式(I)の化合物(前記化合物は式(I−d)により表される)は、Wが例えばハロ、例えばクロロなどのような適する脱離基を表す式(VII)の中間体を、例えばテトラヒドロフランのような適する溶媒の存在下に式HO−R5’の適切なアルコールと反応させることにより製造し得る。
【0093】
【化18】

【0094】
がC(=O)−NR6a6bを表す式(I)の化合物(前記化合物は式(I−e)により表される)は、式(VII)の中間体を、例えばアセトン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのような適する溶媒の存在下で、例えばNH(若しくは酢酸アンモニウム塩)、ピロリジンなどのような式(VIII)の中間体と反応さ
せることにより製造し得る。
【0095】
【化19】

【0096】
がCH−OHを表す式(I)の化合物(前記化合物は式(I−f)により表される)は、式(VII)の中間体を、例えばテトラヒドロフランのような適する溶媒の存在下に例えばNaBHのような適する還元剤と反応させることにより製造し得る。
【0097】
【化20】

【0098】
式(I’)の化合物は、上述された反応に従って、しかしRおよびR置換基を運搬する炭素原子が(S)配置を有する中間体から出発して製造し得る。
【0099】
あるいは、RおよびR置換基を運搬する炭素原子が(R)配置を有する式(I)の化合物は、上述された反応に従って、しかし、RおよびR置換基を運搬する炭素原子が(R)配置を有する中間体から出発して製造し得る。
【0100】
式(I)の化合物は、技術既知の基変換反応により式(I)の化合物を相互に転化することによりさらに製造しうる。
【0101】
式(I)の化合物は、三価の窒素をそのN−オキシドの形態に転化するための技術既知の手順に従って対応するN−オキシドの形態に転化しうる。前記N酸化反応は、一般に、式(I)の出発原料を適切な有機若しくは無機過酸化物と反応させることにより実施しうる。適切な無機過酸化物は、例えば、過酸化水素、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属過酸化物、例えば過酸化ナトリウム、過酸化カリウムを含んでなり;適切な有機過酸化物は、例えばベンゼンカルボペルオキソ酸若しくはハロ置換ベンゼンカルボペルオキソ酸、例えば3−クロロベンゼンカルボペルオキソ酸のようなペルオキシ酸、ペルオキソアルカン酸、例えばペルオキソ酢酸、アルキルヒドロペルオキシド、例えばtert.ブチルヒドロペルオキシドを含みうる。適する溶媒は、例えば水、低級アルコール、例えばエタノールなど、炭化水素、例えばトルエン、ケトン、例えば2−ブタノン、ハロゲン化炭化水素、例えばジクロロメタン、およびこうした溶媒の混合物である。
【0102】
がC(=O)−O−C1−6アルキルを表す式(I)の化合物は、例えばテトラヒドロフランのような適する溶媒の存在下での例えばLiHBEtのような適する還元剤との反応により、RがCH−OHを表す式(I)の化合物に転化しうる。
【0103】
がC(=O)−O−C1−6アルキルを表す式(I)の化合物は、例えばHO、テトラヒドロフラン、若しくは適切なアルコール、例えばメタノールなどのような適する溶媒の存在下でのNaOHのような適する塩基との反応により、RがC(=O)−OHを表す式(I)の化合物にもまた転化し得る。
【0104】
がC(=O)−O−C1−6アルキルを表す式(I)の化合物は、例えばHOのような適する溶媒中での式NHR6a6bの適切な塩基との反応により、RがC(=O)−NR6a6bを表す式(I)の化合物にもまた転化し得る。
【0105】
がC(=O)−O−O−Hを表す式(I)の化合物は、N’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール、および例えばN,N−ジメチルホルムアミドのような適する溶媒の存在下での式NHR6a6bの適切な塩基との反応により、RがC(=O)−NR6a6bを表す式(I)の化合物に転化し得る。
【0106】
がC(=O)−O−Hを表す式(I)の化合物は、SOClの存在下でのNHOHとの反応により、RがC(=O)−NHを表す式(I)の化合物にもまた転化し得る。
【0107】
がC(=O)−O−C1−6アルキルを表す式(I)の化合物は、NaBHの存在下でのHO−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルとの反応により、RがC(=O)−O−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルを表す式(I)の化合物にもまた転化し得る。
【0108】
がシアノ若しくはC(=O)−O−C1−6アルキルを表す式(I)の化合物は、NHOHとの反応により、Rがアミノカルボニルを表す式(I)の化合物に転化し得る。
【0109】
がシアノを表す式(I)の化合物は、ピリジンのような適する溶媒中、N−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミンの存在下での硫化水素との反応により、RがC(=S)NR6a6bを表す式(I)の化合物にもまた転化し得る。
【0110】
がC(=O)−NR6a6bを表す式(I)の化合物は、テトラヒドロフランのような適する溶媒中でのクロロC1−6アルキルMgとの反応により、RがC(=O)−C1−6アルキルを表す式(I)の化合物に転化し得る。
【0111】
がC(=O)−C1−6アルキルを表す式(I)の化合物は、メタノールのような適する溶媒の存在下でのNaBHのような適する還元剤との反応により、RがヒドロキシC1−6アルキルを表す式(I)の化合物に転化し得る。
【0112】
式(I)の化合物のいくつかおよび本発明の中間体のいくつかは非対称炭素原子を含有しうる。前記化合物および前記中間体の純粋な立体異性体は技術既知の手順の応用により得ることができる。例えば、ジアステレオマーは、選択的結晶化若しくはクロマトグラフィー技術、例えば向流分配、液体クロマトグラフィーおよび類似の方法のような物理的方法により分離し得る。鏡像異性体は、最初に、例えばキラルな酸のような適する分割剤を用いて、ラセミ混合物をジアステレオマー塩若しくは化合物の混合物に転化すること;その後、例えば選択的結晶化若しくはクロマトグラフィー技術、例えば液体クロマトグラフィーおよび類似の方法によりジアステレオマー塩若しくは化合物の前記混合物を物理的に分離すること;ならびに、最後に、前記分離されたジアステレオマー塩若しくは化合物を対応する鏡像異性体に転化することにより、前記ラセミ混合物から得ることができる。純粋な立体異性体はまた、適切な中間体および出発原料の純粋な立体異性体からも得ることができるが、但し、介在する反応が立体特異的に起こる。
【0113】
式(I)の化合物および中間体の鏡像異性体の一代替分離様式は、液体クロマトグラフィー、とりわけキラルな固定相を使用する液体クロマトグラフィーを必要とする。
【0114】
中間体および出発原料のいくつかは既知化合物であり、そして商業的に入手可能でありうるか、若しくは技術既知の手順に従って製造しうる。
【0115】
式(II−a)の中間体は、Wが例えばハロ、例えばブロモのような適する脱離基を表す式(VIII)の中間体を、例えばN,N−ジイソプロピルエタンアミンのような適する塩基および例えばテトラヒドロフランのような適する溶媒の存在下で式(IX)の中間体と反応させることにより製造しうる。
【0116】
【化21】

【0117】
が水素を表す式(IX)の中間体(前記中間体は式(IX−a)により表される)は、式(X)の中間体を、例えばラネーニッケルのような適する触媒、例えばチオフェン溶液のような適する触媒毒、および例えばNHのような適する塩基の存在下で例えばHのような適する還元剤と反応させることにより製造しうる。
【0118】
【化22】

【0119】
式(X)の中間体は、例えばNaCOのような適する塩基および例えばアルコール、例えばエタノールおよび水のような適する溶媒の存在下で、式(XI)の中間体をHO−NHと反応させることにより製造しうる。
【0120】
【化23】

【0121】
式(II−b)の中間体は、例えばアセトニトリルのような適する溶媒の存在下に式(VIII)の中間体を式(XII)の中間体と反応させることにより製造し得る。
【0122】
【化24】

【0123】
式(XII)の中間体は、例えばジクロロメタンのような適する溶媒の存在下で式(XIII)の中間体をトリメチルオキソニウムおよびテトラフルオロホウ酸塩と反応させることにより製造し得る。
【0124】
【化25】

【0125】
が水素である式(XIII)の中間体(前記中間体は式(XIII−a)により表される)は、例えばギ酸のような適する酸の存在下で式(XIV)の中間体をHC(=O)−NHと反応させることにより製造し得る。
【0126】
【化26】

【0127】
式(III)の中間体は、ギ酸若しくは例えばギ酸n−ブチルのようなギ酸エステルの存在下、および例えばキシレンのような適する溶媒の存在下で、式(XV)の中間体から製造し得る。
【0128】
【化27】

【0129】
式(XV)の中間体は、例えばN,N−ジエチルエタンアミンのような適する塩基、および例えばN,N−ジメチルホルムアミド若しくはテトラヒドロフランのような適する溶媒の存在下で、Wが例えばハロ、例えばクロロなどのような適する脱離基を表す式(XVI)の中間体と式(IX)の中間体を反応させることにより製造し得る。式(IX)の中間体は、RおよびRを表す置換基に依存して、RおよびR置換基を運搬する炭素原子に1個のキラル中心を含有しうる。式(IX)の前記立体特異的中間体は式(IX−b)により表される。該反応を式(IX−b)の立体特異的中間体から出発して実施する場合、式(XV)の立体特異的中間体が得られ、前記中間体は式(XV−a)により表される。
【0130】
【化28】

【0131】
*はキラル中心を示し、そしてRおよびR置換基に依存して(R)若しくは(S)でありうる。
【0132】
式(XV−a)の立体特異的中間体は、例えばアルコール、例えば2−プロパノールのような適する溶媒の存在下で、例えば[S−(R*,R*)]−2,3−ビス[(4−メチルベンゾイル)オキシ]−ブタン二酸のような適する立体特異的分割剤と式(XV)の中間体を反応させることによってもまた製造し得る。
【0133】
式(XV−a)の立体特異的中間体を上述された方法に従ってさらに反応させる場合、生じる中間体もまた立体特異的であり、そして、最終的には生じる最終化合物もまた立体特異的である。
【0134】
が水素を表す式(XV)の中間体(前記中間体は式(XV−b)により表される)は、例えばHのような適する還元剤、例えば炭上Pdのような適する触媒、例えばチオフェン溶液のような適する触媒毒、例えばKF若しくは酢酸カリウムのような適する弱塩基、例えば塩酸のような適する酸、および例えばアルコール、例えばメタノールのような適する溶媒の存在下で、式(XXVI)の中間体を式(XXVII)の中間体と反応させることによってもまた製造し得る。
【0135】
【化29】

【0136】
式(IX−b)の中間体は、例えばテトラヒドロフランおよび水のような適する溶媒の存在下で式(XVII)の中間体をトリフェニルホスフィンと反応させることにより、または、例えば炭上Pt若しくは炭上Pdのような適する触媒および例えばアルコール、例えばメタノールのような適する溶媒の存在下に、式(XVII)の中間体を例えばHのような適する還元剤と反応させることにより、製造し得る。
【0137】
【化30】

【0138】
*はキラル中心を示し、そしてRおよびR置換基に依存して(R)若しくは(S)でありうる。
【0139】
式(IX−b)の立体特異的中間体を上述された方法に従ってさらに反応させる場合、生じる中間体もまた立体特異的であり、そして、最終的に生じる最終化合物もまた立体特異的である。
【0140】
式(XVII)の中間体は、2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−ピリミド[1,2−a]アゼピンの存在下、および例えばトルエンのような適する溶媒の存在下に、式(XVIII)の中間体をジフェニルホスホリルアジドと反応させることにより製造し得る。
【0141】
【化31】

【0142】
*はキラル中心を示し、そしてRおよびR置換基に依存して(R)若しくは(S)でありうる。
【0143】
が水素でありかつRがメチル、エチル若しくはn−プロピルである式(XVIII)の立体特異的中間体(前記RはAlkにより表されかつ前記中間体は式(XVIII−a)および(XVIII−b)により表される)は、例えばN,N’−(1R,2R)−1,2−シクロヘキサンジイルビス[1,1,1−トリフルオロ]−メタンスルホンアミドそれぞれN,N’−(1S,2S)−1,2−シクロヘキサンジイルビス[1,1,1−トリフルオロ]−メタンスルホンアミド、Ti(iPrO)のような立体特異的触媒、および例えばトルエンのような適する溶媒の存在下に、Alkがメチル、エチル若しくはn−プロピルを表すZnAlkと式(XIX)の中間体を反応させることにより製造し得る。
【0144】
【化32】

【0145】
式(V)の中間体は、例えばN,N−ジイソプロピルエタンアミンのような適する塩基、および例えばテトラヒドロフランのような適する溶媒の存在下で、Wが例えばハロ、例えばクロロなどのような適する脱離基を表す式(XX)の中間体を式(IX)の中間体および式(XXI)の中間体と反応させることにより製造し得る。
【0146】
【化33】

【0147】
式(VI)の中間体は、例えばテトラヒドロフランのような適する溶媒の存在下、場合によっては例えばN,N−ジエチルエタンアミンのような適する塩基の存在下に、Wが例えばハロ、例えばクロロのような適する脱離基を表す式(XXII)の中間体を式(XXIII)の中間体と反応させることにより製造し得る。
【0148】
【化34】

【0149】
がクロロを表す式(XXII)の中間体(前記中間体は式(XXII−a)により表される)は、場合によっては例えばジクロロメタンのような適する溶媒の存在下で、式(XXIV)の中間体をSOClと反応させることにより製造し得る。
【0150】
【化35】

【0151】
式(XXIV)の中間体は、KSCN、NaOC(CH、例えば塩酸のような適する酸、および例えばテトラヒドロフランのような適する溶媒の存在下で、式(III)の中間体を式(XXVI)の中間体と反応させることにより製造し得る。この反応は式(XXV)の中間体の製造にもまた至る。
【0152】
【化36】

【0153】
式(XXIV)の中間体は、例えば水酸化ナトリウムのような適する塩基の存在下、アルコール、例えばメタノールおよび水のような適する溶媒の存在下で式(XXV)の中間体を加水分解することによってもまた製造し得る。式(XXIV)の中間体は、例えばトリフルオロ酢酸のような適する酸の存在下、例えばジクロロメタンのような適する溶媒の存在下での式(XXV)の中間体の加水分解によってもまた製造しうる。
【0154】
本発明の化合物の製造において、興味深い中間体は、式(IX)
【0155】
【化37】

【0156】
の中間体、それらのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン若しくは立体異性体である。
【0157】
上で既に示されたとおり、式(IX)の中間体は、RおよびRを表す置換基に依存して、RおよびR置換基を運搬する炭素原子に1個のキラル中心を含有しうる。前記炭素原子がキラル中心を表す場合、式(IX)の中間体の好ましい一態様は、該中間体が立体特異的である、すなわち、該中間体がRおよびR置換基を運搬する炭素原子で(R)若しくは(S)配置を有する中間体である(式(IX−b)の中間体。(S)配置を有する式(IX−b)の中間体(式(IX−b−1)の中間体がとりわけ好ましい。
【0158】
従って、本発明はまた、式(IX−b−1)の中間体
【0159】
【化38】

【0160】
それらのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩若しくは四級アミンにも関する。
【0161】
本発明はまた、式(IX−b−1)の中間体にも関するが、但し、n=2かつ各Rがクロロでありかつ前記2個のクロロ置換基がメタおよびパラ位に配置される場合には、Rはエチル以外である。
【0162】
別の好ましい態様は、各Rが独立に、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ若しくはポリハロC1−6アルキルから選択される式(IX−b−1)の中間体であるが、但し、n=2かつ各Rがクロロでありかつ前記2個のクロロ置換基がメタおよびパラ位に配置される場合には、Rはエチル以外である。
【0163】
さらなる一態様は、nが1、2若しくは3、とりわけ2である式(IX−b−1)の中間体であるが、但し、nが2でありかつ各Rがクロロでありかつ前記2個のクロロ置換基がメタおよびパラ位に配置される場合には、Rはエチル以外である。
【0164】
再度別の態様は、nが2でありかつ2個のR置換基がメタおよびパラ位に配置される式(IX−b−1)の中間体であるが、但し、各Rがクロロである場合には、Rはエチル以外である。
【0165】
別の態様は、Rが水素である、上述されたところの式(IX−b−1)の中間体である。
【0166】
が、水素、メチル、エチル、n−プロピル、メトキシメチル、シクロヘキシル、シクロプロピル、ジメチルアミノメチル、2−チエニル、3,4−ジクロロフェニル、とりわけメチル、エチル、n−プロピル、メトキシメチル、より具体的にはメチル、エチルおよびn−プロピルである式(IX)および(IX−b−1)の中間体もまた興味深いが、但し、nが2でありかつRがクロロを表しかつ前記2個のクロロ置換基がメタおよびパラ位に配置され、かつ、Rが水素である場合には、Rはエチル、シクロプロピル フェニル以外であり、また、但し、nが2でありかつRがクロロを表し、かつ、前記2個のクロロ置換基がメタおよびパラ位に配置され、そしてRがメチルである場合には、Rはメチル以外であり、また、但し、nが2でありかつ前記2個のR置換基がメタおよびパラ位に配置されかつメタ位のRがトリフルオロメチルでありかつパラ位のRがフルオロであり、そしてRが水素である場合には、Rはエチル以外である。
【0167】
がクロロ、フルオロ、若しくはトリフルオロメチル、とりわけクロロ若しくはフルオロ、より具体的にはフルオロである上述されたところの式(IX)若しくは(IX−b−1)の中間体もまた興味深い。
【0168】
とりわけ興味深い中間体は、以下の式
【0169】
【化39】

【0170】
を有する式(IX−a)若しくは(IX−b−1)の中間体、それらのN−オキシド、製
薬学的に許容できる付加塩若しくは四級アミンであり、式中、Alkは上でのとおり定義され、すなわち、Alkはメチル、エチルおよびn−プロピルを表し、そして各R2aおよびR2bは独立にクロロ、フルオロ若しくはトリフルオロメチルを表す。
【0171】
興味深い一態様は式(IX−a−1)の中間体であるが、但し、R2aおよびR2bが双方ともクロロである場合、若しくはR2aがトリフルオロメチルでありかつR2bがフルオロである場合には、Alkはエチル以外である。
【0172】
式(IX−a−1)のさらなる興味深い中間体は式(IX−a−1)の中間体であるが、但し、R2aおよびR2bが双方ともクロロである場合には、Alkはメチル、エチル、n−プロピル以外であり、また、但し、R2aおよびR2bが双方ともフルオロであるか、若しくはR2aがトリフルオロメチルでありかつR2bがフルオロであるか、若しくはR2aがフルオロでありかつR2bがトリフルオロメチルである場合には、Alkはエチル以外である。
【0173】
式(IX−b−1−1)の中間体もまた興味深いが、但し、R2aおよびR2bが双方ともクロロである場合には、Alkはエチル以外である。
【0174】
式(IX−b−1−1)のとりわけ興味深い一中間体は、R2aおよびR2bが双方ともフルオロでありかつAlkがエチルを表す中間体、すなわち式(IX−b−1−1−a)の化合物である。
【0175】
【化40】

【0176】
式(I)および(I’)の化合物はCCR2受容体拮抗特性を示す。
【0177】
C−Cケモカイン受容体2(CCR2)およびそのリガンドの単球化学誘引物質(走化性)タンパク質(MCP−1;新たなケモカイン命名法ではCCL2ともまた呼ばれる)は、急性および慢性双方の炎症過程に関係することが認識されている。
【0178】
ケモカイン(「走化性サイトカイン(chemotactic cytokine)」の短縮)は、白血球輸送の最も重要な調節物質である。この生物学的役割は、ヘテロ二量体のGタンパク質に共役されている7膜貫通ドメイン受容体と(標的細胞上で)相互作用することにより発揮される。ケモカインは主として、アミノ末端近くの2個の保存されたシステイン残基(Cにより表される)間のアミノ酸(Xにより表される)の存在に依存して2つの大きなファミリー(C−C若しくはC−X−Cファミリー)にグループ分けされる。一般に、C−Cファミリーからのケモカインは単球、マクロファージ、T細胞およびNK細胞を誘引する。
【0179】
CCR2受容体により作用する1ケモカインは上で示されたところのMCP−1である。従って、CCR2受容体はMCP−1受容体としてもまた知られる。MCP−2、MCP−3およびMCP−4もまた、少なくとも部分的に、この受容体により作用しうる。
【0180】
CCR2受容体およびMCP−1が多様な炎症性疾患の病態生理学においてある役割を演じていることが認識されている。従って、CCR2受容体を遮断するCCR2受容体アンタゴニストは、関節炎、変形性関節症、慢性関節リウマチ、糸球体腎炎、糖尿病性ニューロパシー、肺線維症、特発性肺線維症、サルコイドーシス、血管炎、肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アルツハイマー病のような脳の炎症状態、再狭窄、肺胞炎、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アテローム硬化症、乾癬、皮膚の遅延型過敏反応、炎症性腸疾患、急性若しくは慢性の脳の炎症、例えば多発性硬化症、自己免疫性脳脊髄炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ブドウ膜炎、皮膚炎、アトピー性皮膚炎のような炎症状態と戦うための医薬品としての潜在性を有する。CCR2受容体アンタゴニストは、糖尿病若しくは移植片拒絶、卒中、再灌流傷害、虚血、癌、心筋梗塞、疼痛、とりわけ神経因性疼痛のような自己免疫疾患を処置するのにもまた有用でありうる。
【0181】
本発明の化合物はまた、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の単球およびリンパ球への進入を阻害するのにも使用することができ、それによりAIDS(後天的免疫不全症候群)の処置において治療的役割を有する。
【0182】
CCR2受容体は2種のアイソフォーム、すなわちCCR2AおよびCCR2B受容体で存在する。
【0183】
それらのCCR2受容体拮抗活性、とりわけそれらのCCR2B受容体拮抗活性により、式(I)の化合物、それらのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン、多形若しくは立体異性体は、CCR2受容体、とりわけCCR2B受容体の活性化により媒介される疾患若しくは状態の処置若しくは予防において、とりわけ処置のために有用である。CCR2受容体の活性化に関係する疾患若しくは状態は、関節炎、変形性関節症、慢性関節リウマチ、糸球体腎炎、糖尿病性ニューロパシー、肺線維症、特発性肺線維症、サルコイドーシス、血管炎、肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎、アルツハイマー病のような脳の炎症状態、再狭窄、肺胞炎、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アテローム硬化症、乾癬、皮膚の遅延型過敏反応、炎症性腸疾患、急性若しくは慢性の脳の炎症、例えば多発性硬化症、自己免疫性脳脊髄炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、ブドウ膜炎、皮膚炎、アトピー性皮膚炎のような炎症状態、糖尿病若しくは移植片拒絶、卒中、再灌流傷害、虚血、癌、心筋梗塞、疼痛(神経因性疼痛)のような自己免疫疾患を含んでなる。とりわけ、式(I)の化合物は、炎症性疾患および自己免疫疾患、とりわけ慢性関節リウマチ、アテローム硬化症、多発性硬化症、炎症性腸疾患および慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置若しくは予防において有用である。式(I)の化合物はまた、乾癬、喘息、慢性関節リウマチ若しくは疼痛(神経因性疼痛)、より具体的には乾癬、喘息若しくは慢性関節リウマチの処置若しくは予防においてもとりわけ興味深い。
【0184】
上述された薬理学的特性を鑑みれば、式(I)の化合物、それらのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミンおよび立体異性体を医薬品として使用しうる。とりわけ、本化合物は、CCR2受容体、とりわけCCR2B受容体の活性化により媒介される疾患を処置若しくは予防するための医薬品の製造に使用し得る。より具体的には、本発明の化合物は、炎症性疾患、とりわけ慢性関節リウマチ、アテローム硬化症、多発性硬化症、炎症性腸疾患および慢性閉塞性肺疾患(COPD)を処置若しくは予防するための医薬品の製造に使用し得る。本発明の化合物はまた、とりわけ、乾癬、喘息、慢性関節リウマチ若しくは疼痛(神経因性疼痛)、より具体的には乾癬、喘息若しくは慢性関節リウマチを処置若しくは予防するための医薬品の製造にも使用し得る。
【0185】
式(I)の化合物の有用性を鑑みれば、CCR2受容体の活性化により媒介される、とりわけCCR2B受容体により媒介される疾患に罹っているヒトを包含する温血動物の処
置方法、若しくはヒトを包含する温血動物がそれらに罹ることの予防方法が提供される。前記方法は、有効量の式(I)の化合物、そのN−オキシドの形態、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン、多形若しくは可能な立体異性体のヒトを包含する温血動物への投与を含んでなる。
【0186】
式(I)の本化合物によるCCR2受容体の遮断はMCP−1の正常な機能を阻害する。従って、本化合物はMCP−1阻害剤としてもまた記述され得、そしてこれゆえに、MCP−1により媒介される疾患を予防若しくは処置するために使用し得る。
【0187】
本発明はまた、CCR2受容体、とりわけCCR2B受容体の活性化により媒介される疾患を予防若しくは処置するための組成物も提供する。前記組成物は、治療上有効な量の式(I)の化合物、および製薬学的に許容できる担体若しくは希釈剤を含んでなる。
【0188】
本発明の化合物は、投与の目的上、多様な製薬学的形態物に処方しうる。適切な組成物として、薬物を全身に投与するために通常使用される全部の組成物を引用しうる。本発明の製薬学的組成物を製造するため、有効成分としての、場合によっては付加塩の形態の有効量の特定の化合物を、製薬学的に許容できる担体と緊密な混合状態で組合せ、その担体は投与に望ましい製剤の形態に依存して後半な形態を取りうる。これらの製薬学的組成物は、とりわけ経口で、直腸で、経皮で若しくは非経口注入による投与に適する単位投与剤形で望ましい。例えば、経口投薬形態物での組成物の製造において、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および溶液のような経口の液体製剤の場合には例えば水、グリコール、油、アルコールなど;若しくは、散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合にはデンプン、糖、カオリン、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような固体の担体のような、通常の製薬学的媒体のいずれも使用しうる。投与におけるそれらの容易さのため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口の投薬単位形態物を代表し、その場合には固体の製薬学的担体が明らかに使用される。非経口組成物のためには、担体は通常少なくとも大部分で滅菌水を含むことができるとは言え、例えば溶解性を補助するための他の成分を包含しうる。例えば、担体が生理的食塩水溶液、ブドウ糖溶液若しくは生理的食塩水およびブドウ糖溶液の混合物を含んでなる注入可能な溶液を製造しうる。注入可能な懸濁剤もまた製造することができ、その場合には適切な液体担体、懸濁化剤などを使用しうる。使用直前に液体の形態の製剤に転化されることを意図している固体の形態の製剤もまた包含される。経皮投与に適する組成物中では、担体は、場合によっては小さな比率のいずれかの性質の適する添加物(それらの添加物は皮膚に対する有意の有害な影響を導入しない)と組み合わせられた、浸透増強剤および/若しくは適する湿潤剤を場合によっては含んでなる。前記添加物は皮膚への投与を容易にすることができ、かつ/若しくは所望の組成物の製造に役立ちうる。これらの組成物は多様な方法で、例えば経皮貼付剤として、スポットオン剤として、軟膏剤として投与しうる。
【0189】
本発明の化合物はまた、この方法を介する投与のため当該技術分野で使用される方法および製剤によって吸入(inhalation)若しくは吸入(insufflation)を介しても投与しうる。従って、一般に、本発明の化合物は、溶液、懸濁剤若しくは乾燥粉末の形態で肺に投与しうる。経口若しくは鼻の吸入(inhalation)若しくは吸入(insufflation)を介する溶液、懸濁剤若しくは乾燥粉末の送達のため開発されたいかなる装置も、本化合物の投与に適する。
【0190】
本発明の化合物はまた、滴剤、とりわけ点眼薬の形態で局所でも投与しうる。前記点眼薬は溶液若しくは懸濁剤の形態にありうる。溶液若しくは懸濁剤の点眼薬としての送達のため開発されたいかなる系も、本化合物の投与に適する。
【0191】
前述の製薬学的組成物を、投与の容易さおよび投薬量の均一性のため、単位投与剤形に
処方することがとりわけ有利である。本明細書で使用されるところの単位投与剤形は、単位投薬量として適する物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる製薬学的担体とともに所望の治療効果を生じさせるよう計算された予め決められた量の有効成分を含有する。こうした単位投与剤形の例は、錠剤(割線付き錠剤若しくはコーティング錠剤を包含する)、カプセル剤、丸剤、散剤包、カシェ剤、坐剤、注入可能な溶液若しくは懸濁剤など、およびそれらの分離された倍数である。
【0192】
正確な投薬量および投与頻度は、当業者に公知であるとおり、使用される式(I)の特定の化合物、処置されている特定の状態、処置されている状態の重症度、特定の患者の齢、重量、性、障害の程度および全身の身体状態、ならびに該個体が服用しているかもしれない他の医薬品に依存する。さらに、前記有効1日量は、処置される被験体の応答に依存して、および/若しくは本発明の化合物を処方する医師の評価に依存して、低下若しくは増大させうることが明らかである。
【0193】
式(I)の化合物は、例えばアセチルサリチル酸、ブフェキサマク、ジクロフェナクカリウム、スリンダク、ジクロフェナクナトリウム、ケトロラクトロメタモール、トルメチン、イブプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、チアプロフェン酸、フルルビプロフェン、メフェナム酸、ニフルミン酸、メクロフェナメート、インドメタシン、プログルメタシン、ケトプロフェン、ナブメトン、パラセタモール、ピロキシカム、テノキシカム、ニメスリド、フェニルブタゾン、トラマドール、プロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ベクロメタゾン(beclamethasone)、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、デキサメサゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、インフリキシマブ、レフルノミド、エタネルセプト、CPH 82、メトトレキセート、スルファサラジン、抗リンパ球性(antilymphocytory)免疫グロブリン、抗胸腺細胞性(antithymocytory)免疫グロブリン、アザチオプリン、シクロスポリン、タクロリムス物質、アスコマイシン、ラパマイシン、ムロモナブ−CD3のような、ステロイド、シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、非ステロイド性抗炎症薬、TNF−α抗体のような他の慣習的抗炎症若しくは免疫抑制剤とともに使用してもまたよい。
【0194】
従って、本発明はまた、式(I)の化合物および別の抗炎症若しくは免疫抑制剤の組合せにも関する。前記組合せを医薬品として使用しうる。本発明はまた、CCR2受容体の活性化により媒介される、とりわけCCR2B受容体により媒介される疾患の処置での同時、別個若しくは連続使用のための組合せ製剤としての、(a)式(I)の化合物および(b)別の抗炎症若しくは免疫抑制化合物を含有する製品にも関する。こうした製品中の多様な薬物は製薬学的に許容できる担体と一緒に単一製剤中で組合せうる。あるいは、こうした製品は、例えば、式(I)の化合物を含有する適する組成物を含む容器、および別の抗炎症若しくは免疫抑制化合物を含有する組成物を含む別の容器を含んでなるキットを含みうる。こうした製品は、処置されるべき患者の診断に基づいて医師が各成分の適切な量ならびにそれらの投与の順序およびタイミングを選択し得るという利点を有しうる。
【0195】
以下の実施例は本発明を具体的に説明することを意図している。
【0196】
実験の部
下で「RT」は室温を意味し、「THF」はテトラヒドロフランを意味し、「DIPE」はジイソプロピルエーテルを意味し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を意味し、「DBU」は2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピンを意味し、そして「DMF」はN,N−ジメチルホルミアミドを意味している。
【0197】
A.中間体化合物の製造
実施例A1
a.中間体1の製造
【0198】
【化41】

【0199】
O(150ml)中のNaCOの溶液(0.52molの一部)を、エタノール、p.a.(150ml)中の1−(3,4−ジクロロフェニル)−1−プロパノン(0.345mol)の攪拌混合物に添加し、その後NaCOの残部を添加し、そして、ヒドロキシルアミン一塩酸塩(0.345mol)を活発に攪拌しつつ一部分ずつ添加した。反応混合物を還流温度に加熱し、そして余分のHO(75ml)を添加し、その後生じる混合物を6時間攪拌かつ還流した。余分のヒドロキシルアミン一塩酸塩(2.4g)を添加し、そして混合物をさらに18時間還流した。再度、余分のヒドロキシルアミン一塩酸塩(3g)を添加し;反応混合物を24時間還流し、そして室温で2日間攪拌した。固形物を濾過分離し、EtOH/HO(1/1)で洗浄しかつ56℃で乾燥(真空、空気流)した。収量:71.8gの中間体1(95.4%)。
b.中間体2および3の製造
【0200】
【化42】

【0201】
CHOH/NH(7N)(500ml)中の中間体1(0.3mol)の混合物を、チオフェン溶液(6ml)の存在下に触媒としてラネーニッケル(触媒量)を用いて14℃で水素化した。Hの取り込み(2等量)後に触媒を濾過分離し、そして濾液を蒸発させ、その後トルエンと2回共蒸発させた。残渣を沸騰2−プロパノール(250ml)中で攪拌し、そして混合物を熱時濾過分離した。濾液を室温に達せさせ、そしてHCl/2−プロパノール(6N、150ml)を活発に攪拌しながらゆっくりと添加した。溶媒を蒸発させ、そして残渣をDIPE中で攪拌し、その後濾過分離し、洗浄しかつ60℃で乾燥(真空)した。収量:53gの中間体2(73.4%)。この画分の一部をその遊離塩基に転化した。すなわち、中間体2(18.0g)をCHCl(300ml)中で攪拌し、そして15%水性KCO溶液を添加し、その後生じる混合物を1時間攪拌し、そして50%NaOH溶液を添加してpHを増大させた。有機層を分離し、HOで洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しそして溶媒を蒸発させた。収量:51gの中間体3。
実施例A2
a.中間体4の製造
【0202】
【化43】

【0203】
中間体3(A1.bに従って製造した)(0.00208mol)をTHF(15ml)に溶解し、そしてN−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミン(0.0052mol)、次いで1−(2−アミノ−4−メチル−5−チアゾリル)−2−ブロモ−エタノン一臭化水素酸塩(0.00104mol)を添加した。反応混合物を室温で18時間攪拌し、そしてイソチオシアン酸ベンゾイル(0.003mol)を添加し、その後、混合物を室温で2時間攪拌しかつ氷水(60ml)中に注いだ。生成物をCHClで抽出し、そしてその後有機層を分離し、乾燥し(MgSO)かつ濾過分離した。最後に溶媒を蒸発させた。収量:1.38gの中間体4。
b.中間体5の製造
【0204】
【化44】

【0205】
中間体3(A1.bに従って製造した)(208mg)を、モレキュラーシーブで乾燥したTHF、p.a.(15ml)に溶解し、そしてその後N−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミン(0.0016mol)、次いで1−(2−アミノ−4−メチル−5−チアゾリル)−2−ブロモ−エタノン一臭化水素酸塩(0.00095mol)を添加した。反応混合物を室温で18時間攪拌し、そして生じる沈殿物を濾過分離し、THFで洗浄しかつ真空中で乾燥した。収量:330mgの中間体5。
実施例A3
a.中間体6の製造
【0206】
【化45】

【0207】
ホルムアミド(45ml)およびギ酸(30ml)中の1−(3,4−ジクロロフェニル)−1−プロパノン(0.0748mol)の溶液を22時間攪拌かつ還流し、そしてその後、反応混合物を室温に達せさせた。混合物を50℃に加温し、氷水(400ml)
中に注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。有機層を分離し、HO、飽和水性NaHCO溶液、および再度HOならびに塩水で洗浄し、その後乾燥し(MgSO)かつ濾過分離した。溶媒を蒸発させ、そして残余の油状物を一夜静置させた。生じる固形物を濾過分離し、DIPE中で攪拌し、再度濾過分離し、洗浄しかつ50℃で乾燥(真空)した。収量:14.0gの中間体6(80.6%)。
b.中間体7の製造
【0208】
【化46】

【0209】
CHCl、p.a.(5ml)中の中間体6(0.0032mol)の溶液をN下室温で攪拌し、そしてその後、CHCl、p.a.(5ml)中のテトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウム(0.00331mol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で24時間攪拌し、そして氷を含む水性NaOH溶液にゆっくりと注ぎ、その後CHClを添加した。分離した有機層をNaOHペレットで乾燥し、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させて中間体7を生じ、それを次の段階で使用した。
c.中間体8の製造
【0210】
【化47】

【0211】
2−ブロモ−1−(3,4−ジクロロフェニル)エタノン(0.00284mol)を、N下無水CHCN、p.a.(35ml)中の中間体7(0.00569mol)の攪拌溶液に添加し、そしてその後溶液を24時間攪拌かつ還流した。反応混合物を週末にわたり静置させ、そして溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液勾配:CHCl/CHOH 100/0→99.5/0.5→99/1)により精製した。生成物の画分を収集しそして溶媒を蒸発させた。収量:1.1gの画分1。この画分の一部(0.55g)を逆相高速液体クロマトグラフィー(CHCN)により精製した。生成物の画分を収集しかつ有機溶媒を蒸発させた。水性濃縮物をCHClで抽出し、そして分離した有機層を蒸発させた。収量:0.12gの中間体8。
実施例A4
a.中間体9の製造
【0212】
【化48】

【0213】
モレキュラーシーブで乾燥したDMF、p.a.(150ml)中の中間体2(A1.bに従って製造した)(0.0748mol)およびクロロ酢酸メチルエステル(0.08mol)の溶液をN下室温で攪拌し、そしてEtN(0.224mol)をゆっくりと添加し、その後反応混合物を室温で20時間攪拌し、そして余分のクロロ酢酸メチルエステル(3.3ml)を添加した。混合物を室温で別の20時間攪拌し、そして再度余分のクロロ酢酸メチルエステル(2ml)を添加した。生じる混合物を24時間攪拌し、そしてその後固形物を濾過分離しかつDMFで洗浄した。EtO(800ml)を添加し、そして混合物をHO(500ml)で3回洗浄した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させ、その後トルエンと共蒸発させた。残余の油状物(23.4g)をシリカゲルで濾過した(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)。生成物の画分を収集しそして溶媒を蒸発させ、最後にトルエンと共蒸発させた。収量:20.6gの中間体9(99.7%)。
b.中間体10の製造
【0214】
【化49】

【0215】
キシレン、p.a.(225ml)中のギ酸(7.5ml)および中間体9(0.0746mol)の溶液を4時間攪拌かつ還流し、そしてその後反応混合物を室温に達せさせた。混合物をHOで2回(2×200ml)、飽和水性NaHCO溶液(200ml)および塩水(200ml)で洗浄し、その後分離した有機層を乾燥し(MgSO)かつ濾過分離した。最後に溶媒を蒸発させた。収量:21.3gの中間体10(93.9%)
実施例A5
a.中間体11および20の製造
【0216】
【化50】

【0217】
トルエン(適量)中のN,N’−(1R,2R)−1,2−シクロヘキサンジイルビス[1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミド](0.005mol)およびTi(i−PrO)(0.030mol)の混合物を脱気しかつAr流下に置き、その後反応混合物を40℃で20分間攪拌しそして−78℃に冷却した。EtZn(0.030mol)を一滴ずつ添加し、そして20分後にトルエン(適量)中の3,4−ジクロロベンズアルデヒド(0.0250mol)の混合物を一滴ずつ添加した。反応混合物を0℃に達せさせた。混合物を室温で一夜攪拌し、その後HCl(2N)でクエンチした。この混合物をCHClで抽出した。分離した有機層を洗浄し、乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液 CHCl/CH3OH 98/2)により精製した。生成物の画分を収集しそして溶媒を蒸発させた。収量:5.1gの中間体11。
【0218】
中間体20は、触媒としてN,N’−(1S,2S)−1,2−シクロヘキサンジイルビス[1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミド]を使用することにより、上の反応により製造し得る。
b−1).中間体12の製造
【0219】
【化51】

【0220】
トルエン(50ml)中の中間体11(0.025mol;A5.aに従って製造した)およびジフェニルホスホリルアジド(0.030mol)の混合物を0℃で攪拌し、そして2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン(0.030mol)を添加した。反応混合物を0℃で2時間攪拌し、その後室温で一夜攪拌した。混合物を水およびトルエンで希釈した。有機層を分離し、水で1回、5%HClで1回洗浄し、そして溶媒を蒸発させて中間体12(定量的収量;次の反応段階で使用した)を生じた。
b−2).中間体21の製造
【0221】
【化52】

【0222】
トルエン(適量)中の中間体20(A5.aに従って製造した)(0.127mol)およびジフェニルホスホリルアジド(0.153mol)の混合物を0℃で攪拌した。2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロピリミド[1,2−a]アゼピン(0.153mol)を一滴ずつ添加し、そして反応混合物を0℃で1時間、その後室温で2時間、その後50℃で3時間攪拌した。反応混合物を冷却し、水、0.5M HCl、水で洗浄し、乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 99.5/0.5)により精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。収量:23.5gの中間体21。
c−1.中間体13の製造
【0223】
【化53】

【0224】
THF(70ml)およびHO(20ml)中の中間体12(0.025mol;A5.b−1に従って製造した)、トリフェニルホスフィン(0.027mol)の混合物を室温で一夜攪拌した。溶媒を蒸発させた。残渣を10%HClで処理した。酸性層をDIPEで洗浄し、その後アルカリ性化し、次いでCHClで抽出した。分離した有機層を乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。収量:1.1gの中間体13。
c−2.中間体22の製造
【0225】
【化54】

【0226】
メタノール(適量)中の中間体21(A5.b−2に従って製造した)(0.122mol;23.5g)の混合物を、触媒としてPt/C 5%(5g)を用いて50℃で水素化した。Hの取り込み後に触媒を濾過分離し、そして濾液を蒸発させた。収量:21gの中間体22。
d.中間体14の製造
【0227】
【化55】

【0228】
EtN(0.013mol)およびモレキュラーシーブで乾燥したDMF、p.a.(20ml)中の中間体3(A1.bに従って製造した)(0.0116mol)の溶液を氷浴上で攪拌した。モレキュラーシーブで乾燥したDMF、p.a.(2.5ml)中のクロロアセトニトリル(0.0128mol)の溶液を一滴ずつ添加した。反応混合物を室温で6時間攪拌した。モレキュラーシーブで乾燥したDMF、p.a.(1ml)中のさらなるクロロアセトニトリル(0.0063mol)を一滴ずつ添加した。反応混合物を別の24時間攪拌した。モレキュラーシーブで乾燥したDMF、p.a.(1ml)中のさらなるクロロアセトニトリル(0.0063mol)を一滴ずつ添加し、そして反応混合物を別の24時間攪拌した。さらなるEtN(1ml)を添加し、その後、モレキュラーシーブで乾燥したDMF、p.a.(1ml)中のさらなるクロロアセトニトリル(0.0079mol)を一滴ずつ添加した。反応混合物を20時間攪拌した。沈殿物を濾過分離した。濾液をEtO(200ml)中に注ぎ、そしてHO/NaHCO
(10%;100ml)およびHO(2回)で洗浄した。分離した有機層を乾燥し(MgSO)、濾過しかつ溶媒を蒸発させ、そしてトルエンと共蒸発させた。残渣をシリカゲルで精製した(溶離液:CHCl/MeOH 99:1)。所望の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させ、そしてトルエンと共蒸発させた。収量:2.3gの中間体14(81.6%)。
e.中間体15の製造
【0229】
【化56】

【0230】
中間体14(0.00946mol)およびギ酸n−ブチル(15ml)の混合物を4日間攪拌かつ還流した。溶媒を蒸発させ、その後トルエンと共蒸発させた。収量:2.68gの中間体15。
実施例A6
a.中間体16および17の製造
【0231】
【化57】

【0232】
モレキュラーシーブで乾燥したTHF、p.a.(100ml)中の中間体10(A4.bに従って製造した)(0.0618mol)およびジメチルエタン二酸エステル(0.11mol)の溶液をN雰囲気下で攪拌し、その後2−メチル−2−プロパノールナトリウム塩(0.066mol)を添加し、そして反応混合物を室温で18時間および別の24時間攪拌した。最後に混合物を60℃で4時間攪拌した。余分の2−メチル−2−プロパノールナトリウム塩(4g)および余分のジメチルエタン二酸エステル(6g)を添加し、そして反応混合物を室温で週末にわたり攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をHO(250ml)に溶解し、そしてEtOで2回洗浄した。水層を分離し、そしてCHOH(200ml)、チオシアン酸カリウム塩(10g)およびHCl(36%、p.a.)(適量)を添加し、その後混合物を60℃で18時間攪拌した。溶媒を部分的に蒸発させそして濃縮物をCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣(5g)をシリカゲルでの濾過により精製した(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をヘキサン下で摩砕し、濾過分離し、洗浄し、その後乾燥した(真空、50℃)。収量:5.2gの中間体16。副生成物を含有する画分を合わせ、そして溶媒を蒸発させ、その後ヘキサン/DIPEと共蒸発させた。残渣をEtO/ヘキサン中で攪拌し、そして生じる沈殿物を濾過分離し、ヘキサンで洗浄し、その後乾燥した(真空、50℃)。収量:0.28gの中間体17。
b.中間体18の製造
【0233】
【化58】

【0234】
塩化チオニル(5ml)中の中間体17(0.000257mol)の混合物を室温で一夜攪拌し、その後溶媒を蒸発させそしてトルエン(p.a.)と共蒸発させて、次の段階で使用される中間体18を生じた。
c.中間体19の製造
【0235】
【化59】

【0236】
モレキュラーシーブで乾燥したTHF、p.a.(10ml)中の中間体18(0.000257mol)の溶液をN下で攪拌し、そしてその後ヒドラジンカルボキシアルデヒド(0.0125mol)を添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、そして溶媒を蒸発させた。残渣をHO(10ml)およびCHCl/CHOH(15ml、95/5)中で攪拌した。有機層を分離し、HCl(1N)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させ、その後トルエンと共蒸発させた。収量:800mgの中間体19。
【0237】
実施例A7
a−1.中間体24の製造
【0238】
【化60】

【0239】
O(20ml)およびメタノール(50ml)中の
【0240】
【化61】

【0241】
(A6.aに従って製造した中間体23)(0.0015mol)および1N NaOH(0.030mol)の混合物を室温で20時間攪拌し、その後余分の1N NaOH(10ml)を添加しそして反応混合物を室温で5時間攪拌した。溶媒の半分を蒸発させそして1N HCl(40ml)を添加し、そして沈殿された生成物をCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。収量:5.6gの中間体24。
a−2.中間体28の製造
【0242】
【化62】

【0243】
TFA(2ml)およびCHCl(70ml)中の
【0244】
【化63】

【0245】
(A6.aに従って製造した中間体27)(0.0012mol)の混合物を室温で1日間攪拌し、そしてその後反応混合物を濃縮して中間体28を生じた。
b.中間体25の製造
【0246】
【化64】

【0247】
CHCl(50ml)中の中間体24(A7.a−1に従って製造した)(0.0075mol)およびSOCl(0.015mol)の混合物を油浴上で3時間攪拌かつ還流し、そしてその後溶媒を蒸発させた。残渣をトルエンに溶解し、そして溶媒を再度蒸発させた。収量:2.9gの中間体25。
c.中間体26の製造
【0248】
【化65】

【0249】
THF(30ml)中のヒドラジド酢酸(0.011mol)およびEtN(0.015mol)の混合物を氷浴上0〜5℃で攪拌かつ冷却し、そしてその後THF(20ml)中の中間体25(A7.bに従って製造した)(0.0075mol)の混合物を0〜5℃で30分にわたり一滴ずつ添加した。反応混合物を0〜5℃で1時間攪拌し、そしてその後HOを添加しかつ混合物をCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。得られた残渣をシリカゲルで濾過し(溶離液:CHCl/CHOH 97/3)、その後生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。収量:1.25gの中間体26。
実施例A8
a.中間体30の製造
【0250】
【化66】

【0251】
トルエン(p.a)(500ml)中のN,N’−(1S,2S)−1,2−シクロヘキサンジイルビス[1,1,1−トリフルオロメタンスルホンアミド](触媒量)およびテトラキス(2−プロパノラト)チタン(0.415mol)の溶液をアルゴン下に脱気し、そしてその後1 40℃で20分間攪拌した。この混合物を2−プロパノール/CO浴上で−78℃に冷却し、そしてジエチル亜鉛(0.415mol)を15分にわたり一滴ずつ添加した。生じる混合物を−78℃で15分間攪拌し、そしてその後、トルエン(p.a.)(適量)中の3,4−ジフルオロベンズアルデヒド(0.345mol)の溶液を20分にわたり一滴ずつ添加した。反応混合物を−78℃でさらなる30分間攪拌し、そしてその後0℃にゆっくりと達せさせた。混合物を1N HClでクエンチしそしてCHClで抽出した。有機層および水層双方をディカライトで濾過し、そして得られた濾液の有機層を分離し、その後HOで洗浄し、乾燥し(MgSO)かつ濾過分離した。最後に溶媒を蒸発させた。収量:57.7gの中間体30。
b.中間体31の製造
【0252】
【化67】

【0253】
トルエン(p.a.)(500ml)中の中間体30(0.331mol)およびジフェニルホスホリルアジド(0.4mol)の溶液をN下氷浴上0℃で攪拌し、その後DBU(0.4mol)を一滴ずつ添加しかつ反応混合物を0℃で1時間攪拌した。混合物を室温に達せさせ、そしてその後45℃で1時間および室温で一夜攪拌した。生じる混合物をHO(500ml)中に注ぎかつEtO(500ml)で抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルで濾過した(溶離液:CHCl 100%)。生成物の画分を収集しかつその後溶媒を蒸発させ、そしてトルエンと共蒸発させた。収量:57.2gの中間体31。
c.中間体32の製造
【0254】
【化68】

【0255】
CHOH(600ml)中の中間体31(0.29mol)の混合物を、触媒としてPd/C 10%(2g)を用いて水素化した。Hの取り込み(1等量)後に触媒を濾過分離しかつ濾液を蒸発させた。残渣をCHCl(300ml)に溶解し、そしてその後、溶液を氷浴上で活発に攪拌しつつ1N HClをゆっくりと添加した。この抽出後に、水層を50% NaOH溶液でpH>10にアルカリ性化し、そして生じる混合物をCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。収量:40.0gの中間体32。
d.中間体33の製造
【0256】
【化69】

【0257】
ブロメ酢酸メチルエステル(0.28mol)を、THF(350ml)中の中間体32(0.233mol)およびN−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミン(0.466mol)の攪拌溶液に添加し、そして反応混合物を室温で5日間攪拌した。生じる沈殿物を濾過分離し、THFで洗浄し、そしてその後濾液を蒸発させた。得られた残渣をCHCl中で攪拌し、そしてその後半飽和水性NaHCO溶液および水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつその後溶媒を蒸発させ、そしてトルエンと共蒸発させた。収穫:中間体33。
e.中間体34の製造
【0258】
【化70】

【0259】
ギ酸(23ml)をキシレン(p.a)(400ml)中の中間体33(0.23mol)の攪拌溶液に添加し、その後反応混合物を、Dean−Stark装置を用い4時間攪拌かつ還流した。混合物を室温に達せさせそして溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルで濾過した(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)。>95%の純度を伴う生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させ、そしてトルエンと共蒸発させた。収量:15.2gの中間体34。
実施例A9
a.中間体35の製造
【0260】
【化71】

【0261】
以下の処置を3回行った。[CHOH(700ml)中の1−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−プロパノン(0.43mol)、グリシンメチルエチル塩酸塩(0.5mol)およびKF(0.43mol)の混合物を、チオフェン溶液(2ml)の存在下に触媒としてPd/C 10%(5g)を用い50℃で(Parrの装置中)水素化した。Hの取り込み(1等量)が完了した後に触媒を濾過分離しかつ濾液を蒸発させた。残渣を水中で攪拌し、その後NaHCO(適量)で処理し、そして生成物をCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を2−プロパノール(1000ml)に溶解し、そして6N HCl/2−プロパノールで塩酸塩に転化した。沈殿物を濾過分離し、DIPEで洗浄し(2−プロパノールを除去するため)、その後水中で攪拌した。CHClを添加し、そして混合物をKCO(適量)で処理した。層を分離した。有機層を乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。]収量:221gの中間体35。
b.中間体36の製造
【0262】
【化72】

【0263】
2−プロパノール(1500ml)中の中間体35(0.9mol)の混合物を室温で攪拌した。[S−(R*,R*)]−2,3−ビス[(4−メチルベンゾイル)オキシ]−ブタン二酸(0.9mol)を一部分で添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌した。沈殿物を濾過分離しかつ還流2−プロパノール(1500ml)に溶解した。その後、混合物を室温で攪拌して化合物を再度沈殿させた。沈殿物を濾過分離し、その後沸騰2−プロパノールに再溶解した。混合物を室温に冷まさせ、そして生じる沈殿物を濾過分離しかつ乾燥した。収量:231.4gの中間体36(96%(S))。
c.中間体37の製造
【0264】
【化73】

【0265】
中間体36(370g、0.588mol)をNHOH/CHClの添加に際して遊離塩基に転化した。生成物を抽出して遊離塩基残渣A*を生じた。ギ酸(150ml)およびキシレン(750ml)中のA*(132g、0.543mol)の混合物を120℃で5時間攪拌かつ還流した。溶媒を蒸発させた。残渣を水中で攪拌し、NaHCOで処理しかつその後生成物をCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。収量:さらなる精製なしに次の反応段階で使用される146gの中間体37)。
【0266】
表1は、上の実施例(実施例番号)の1つに従って製造し得る式(IX)の中間体を列挙する。
【0267】
【化74】

【0268】
【表1】

【0269】
【表2】

【0270】
【表3】

【0271】
【表4】

【0272】
B.最終化合物の製造
実施例B1
化合物1の製造
【0273】
【化75】

【0274】
1N NaOH(0.006mol)を、エタノール、p.a.(10ml)中の中間体4(A2.aに従って製造した)(0.0026mol)の溶液に添加し、その後溶液を50℃で1時間攪拌し、そして室温に達せさせた。反応混合物をHO(30ml)中に注ぎ、そして1N HCl(7ml)をゆっくりと添加した。生じる沈殿物を濾過分離し、HOで洗浄しかつ60℃で乾燥(真空)した。粗生成物の一部(0.78gのうち0.68g)を高速液体クロマトグラフィー(溶離液:(HO中0.5% NHOAc)/CHCN 90/10)により精製した。生成物の画分を収集しかつ有機溶媒を蒸発させた。水性濃縮物をCHClで抽出し、その後有機層を分離し、乾燥し(MgSO)かつ濾過分離した。最後に溶媒を蒸発させた。収量:0.24gの化合物1。
実施例B2
a.化合物2の製造
【0275】
【化76】

【0276】
O(10ml)中のチオシアン酸カリウム塩(0.00285mol)の溶液を、メタノール(10ml)中の中間体5(A2.bに従って製造した)(0.00095mol)の攪拌溶液に添加し、その後36% HCl、p.a.(0.00475mol)を添加し、そして反応混合物を55℃で4時間攪拌した。余分のチオシアン酸カリウム塩(0.1g)を添加し、そして混合物を55℃で18時間攪拌した。生じる混合物を室温に達せさせ、そして1時間静置させた。形成された沈殿物を濾過分離し、CHOH/HO(1/1)で洗浄しかつ60℃で乾燥(真空)した。収量:0.16gの化合物2(m.p.:301.8〜303.3℃)。
b−1.化合物3の製造
【0277】
【化77】

【0278】
O(2.5ml)、次いでチオシアン酸カリウム塩(0.00328mol)およびその後濃HCl(0.5ml)を、メタノール(15ml)中の中間体8(A3.cに従って製造した)(0.0013mol)の溶液に添加し、そして反応混合物を室温で20時間攪拌し、その後混合物を55℃で48時間攪拌し、そして余分の濃HCl(0.75ml)を添加した。生じる混合物を60℃で24時間攪拌し、HOを添加しそして混合物をCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を逆相高速液体クロマトグラフィー(NHOAc 10% CHCN)により精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒の半分を蒸発させた。生じる沈殿物をHOで洗浄しかつ50℃で乾燥(真空)した。収量:0.061gの化合物3。
b−2.化合物4の製造
【0279】
【化78】

【0280】
チオシアン酸カリウム塩(0.000314mol)およびその後HCl、1N(0.00086mol)を、メタノール、p.a.(3ml)中の
【0281】
【化79】

【0282】
(A3.cに従って製造した)(0.000286mol)の溶液に添加し、そして反応混合物を室温で4時間攪拌した。HCl(0.5ml、濃)を添加し、そして混合物を55℃で18時間攪拌し、その後余分のチオシアン酸カリウム塩(0.000515mol)を添加しかつ反応混合物を55℃で7時間攪拌した。混合物を18時間静置させ、HO(15ml)を添加し、そして生成物をCHClで抽出した。有機層を分離しかつ蒸発させた。残渣を逆相法を使用する迅速高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集しかつ有機揮発物を蒸発させた。生成物をCHClで抽出し、そして分離した有機層を蒸発させた。収量:0.005gの化合物4。
実施例B3
a.化合物5の製造
【0283】
【化80】

【0284】
中間体10(A4.bに従って製造した)(0.002mol)を0℃でTHF(40ml)中のN−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミンリチウム塩(0.0025mol)の混合物に30分間添加し、そして塩化3,4−ジクロロベンゾイル(0.0033mol)を添加し、その後反応混合物を1時間反応させかつ水でクエンチした。混合物をEtOAcで抽出し、乾燥しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をCHOHで希釈し、そしてその後濃HCl(適量)およびチオシアン酸カリウム塩(1g)を添加した。生じる混合物を70℃で48時間加熱し、そして水とCHClの間で分配した。有機層を分離し、乾燥しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。収量:0.180gの化合物5。
b.化合物6の製造
方法1
【0285】
【化81】

【0286】
中間体10(A4.bに従って製造した)(0.003mol、10ml THF中)を、THF(5ml)中のN−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミンリチウム塩(0.0036mol、THF中2M)の冷(−78℃)溶液に一滴ずつ添加した。30分後に塩化2−チオフェンカルボニル(0.0031mol)を添加し、そして反応混合物を1時間静置した。混合物をNHClでクエンチしかつEtOAcで抽出した。有機層を分離、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をメタノール(25ml)で希釈し、その後チオシアン酸カリウム塩(1g)および濃HCl(1ml)を添加した。生じる混合物を70℃で一夜加熱し、そして溶媒を蒸発させた。残渣をEtOAcと水の間で分配し、その後、分離した有機層を乾燥しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を高速液体クロマトグラフィーにより精製し;生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。収量;0.040gの化合物6。
c.化合物6の製造
方法2
【0287】
【化82】

【0288】
t−BuONa(0.150g)をTHF(5ml)中の中間体10(A4.bに従って製造した)(0.00082mol)の混合物に0℃で添加し、その後塩化2−チオフェンカルボニル(0.001mol)を添加し、そして30分後にチオシアン酸カリウム塩(0.250g)および濃HCl(1ml)を添加した。反応混合物を70℃で18時間加熱しそして水/CHClで処理した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を高速液体クロマトグラフィーにより精製し、その後生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー、およびその後順相高速液体クロマトグラフィーによりさらに精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。収量:45mgの化合物6。
d−1.化合物7の製造
【0289】
【化83】

【0290】
N−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミンリチウム塩(0.0184mol、THF中2M)を、THF(適量)中の中間体29
【0291】
【化84】

【0292】
(A4.bに従って製造した)(0.00924mol)の冷混合物にN下−78℃で一滴ずつ添加した。30分後に塩化5−イソキサゾールカルボニル(0.0110mol)を添加し、そしてその後反応混合物をゆっくりと室温に達せさせた。混合物をNHClでクエンチしそして溶媒を蒸発させた。残渣をCHOH、HOで希釈し、そしてその後チオシアン酸カリウム塩(3g)および濃HClを添加した。反応混合物を80℃で一夜加熱し、その後冷却し、KCOでクエンチしかつCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(勾配溶離液:CHCl/CHOH 100/0→90/10)により精製した。2個の生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて残渣(I)および残渣(II)を生じた。残渣(I)を逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をCHClで希釈しかつ1N HClで3回洗浄した。有機層を分離し、乾燥しかつ溶媒を蒸発させた。収量:0.290gの化合物7。d−2.化合物43の製造
【0293】
【化85】

【0294】
モレキュラーシーブで乾燥したTHF、p.a.(80ml)中の中間体34(A8.eに従って製造した)(0.0169mol)の溶液をN下2−プロパノール/CO冷却浴上で攪拌し、その後N−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミンリチウム塩(0.0179mol;THF/ヘプタン中2M)を−78℃でゆっくりと一滴ずつ添加し、そして混合物をさらに5分間攪拌した。モレキュラーシーブで乾燥したTHF、p.a.(5ml)中の塩化5−イソキサゾールカルボニル(0.02mol)の溶液をゆっくりと一滴ずつ添加し、そして生じる混合物を−78℃で90分間攪拌し、そしてその後10℃に達せさせた。HO(30ml)中のKSCN(0.051mol)の溶液を添加し、次いでCHOH(40ml)およびその後濃HCl(14ml)を添加した。反応混合物を60℃で4時間および70℃で18時間攪拌し、その後混合物を室温に達せさせた。混合物をHO中に注ぎかつCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を高速液体クロマトグラフィー(逆相法「NHOAc 10% CHCN−CHOH」)により精製した。生成物の画分を収集し、その後有機溶媒を蒸発させかつ水性濃縮物をCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。収量:0.269gの最終化合物43。
d−3.化合物53の製造
【0295】
【化86】

【0296】
THF(1000ml)中の中間体37(A9.cに従って製造した)(0.54mol)の混合物を、CO/2−プロパノール浴上−78℃で攪拌かつ冷却した。塩化5−イソキサゾールカルボニル(0.75mol)を添加した。その後、1,1,1−トリメチル−N−(トリメチルシリル)−シランアミンリチウム塩、1M/THF(0.8mol、800ml)を30分にわたり添加した。混合物を−78℃で4時間攪拌した。その後、反応温度を−20℃に上げた。水(400ml)中のHCl、濃(66ml)の溶液を15分にわたり一滴ずつ添加した。有機溶媒(THF)を蒸発させた。水(400ml)を添加した。その後、HCl、濃(280ml)、次いでメタノール(800ml)、その後KSCN(0.8mol)を添加した。反応混合物を60℃で22時間攪拌した。水を添加した。混合物を室温に冷却し、その後KCOおよびNaHCOで処理した。この混合物をCHClで抽出した。分離した有機層を乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣(±200g)を高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をDIPEから結晶化した(2回)。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥した。収量:45.5gの最終化合物53(mp:128.5℃)。実施例B4
化合物8の製造
【0297】
【化87】

【0298】
モレキュラーシーブで乾燥したTHF、p.a.(20ml)中の中間体15(A5.eに従って製造した)(0.00369mol)の溶液を2−プロパノール/CO冷却
浴上で攪拌し、そしてその後、N−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミンリチウム塩(0.0074mol)を−78℃でゆっくりと添加した。生じる混合物を15分間攪拌し、そして塩化5−イソキサゾールカルボニル(0.0037mol)をゆっくりと添加した。混合物を−78℃で10分間攪拌し、そしてその後室温に達せさせた。HO(15ml)中のチオシアン酸カリウム塩(0.011mol)の溶液、次いでCHOH(10ml)およびその後36% HCl(1.3ml)を添加した。反応混合物を60℃で4時間攪拌し、氷水中に注ぎかつCHCl/CHOH(98/2)で抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を逆相高速液体クロマトグラフィー(溶離液:(HO中0.5% NHOAc)/CHCN 10/90)により精製した。生成物の画分を収集しかつ有機溶媒を蒸発させた。水性残渣をフラッシュチューブでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/THF 92/8)により精製した。生成物の画分を収集し、CHCl/CHOH(98/2)中で攪拌し、そして濾過してシリカを除去した。最後に濾液を蒸発させた。収量:0.020gの化合物8。
実施例B5
化合物9の製造
【0299】
【化88】

【0300】
オキシ塩化リン(5ml)中の中間体19(A6.cに従って製造した)(0.00025mol)の溶液を60℃で18時間攪拌し、そしてその後溶媒を蒸発させた。残渣を氷水中で攪拌しかつCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を2−プロパノン(5ml)中で攪拌しかつ混合物をSOガスで15分間処理した。溶媒を蒸発させ、そして残渣を高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集しかつ有機溶媒を蒸発させた。水性濃縮物をCHClで抽出し;有機層を分離し、乾燥し(MgSO)、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。収量:0.010gの化合物9。
実施例B6
化合物10の製造
【0301】
【化89】

【0302】
1N NaOH(1ml)およびメタノール(3ml)中の化合物5(B3.aに従って製造した)(0.00025mol)の混合物を70℃で一夜反応させ、そしてその後
溶媒を蒸発させた。残渣をHClで処理し、そして混合物を濾過し、その後所望の生成物を乾燥した(真空オーブン)。収量:0.070gの化合物10。
実施例B7
a.化合物11の製造
【0303】
【化90】

【0304】
SOCl(5ml)中の化合物10(B6に従って製造した)(0.00015mol)の混合物を70℃で4時間加熱し、その後反応混合物を冷却しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をTHFで希釈し、そして水性NHOH(3ml)を一部分で添加した。反応混合物を15分間攪拌しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をCHClで抽出し、そしてその後有機層を乾燥しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を2−プロパノンに溶解し、そしてSO(気体)を混合物を通して10分間泡立たせた。溶媒を蒸発させ、そして残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHCN 95/5)により精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。収量:15mgの化合物11。
b.化合物13の製造
【0305】
【化91】

【0306】
DMF(8ml)中の化合物12(B6に従って製造した)(0.0012mol)、N’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.0013mol)および1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.0013mol)の混合物を室温で30分間攪拌し、その後NH(気体)に15分間溶液を通過させ、そして反応混合物を1時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、そして得られた残渣をHO中で攪拌し、その後混合物をCHClで抽出した。有機層を分離し、乾燥し、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 96/4)により精製した。純粋な生成物画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をDIPE中で攪拌し、そして生じる固形物を収集した。収量:0.190g。この画分を逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製し、その後純粋な生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。得られた残渣をDIPE中で攪拌し、そしてその後所望の生成物を濾過分離しかつ乾燥した。収量:0.091gの化合物13(m.p.:228〜229℃)。
実施例B8
化合物14の製造
【0307】
【化92】

【0308】
DMF(8ml)中の化合物12(B6に従って製造した)(0.0012mol)、N’−(エチルカルボニミドイル)−N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(0.0012mol)および1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(0.0012mol)の混合物を室温で30分間攪拌し、その後2−アミノエタノール(0.0024mol)を添加しかつ反応混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、そして得られた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 96/4)により精製した。純粋な生成物画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をDIPE中で攪拌し、そしてその後、生じる固形物を濾過分離しかつ乾燥した。収量:0.155gの化合物14(m.p.:165〜166℃)。
実施例B9
化合物16の製造
【0309】
【化93】

【0310】
2−メトキシエタノール(5ml)中の化合物15(B3に従って製造した)(0.00029mol)およびNaBH(0.00211mol)の混合物を100℃で24時間加熱し、そしてその後溶媒を蒸発させた。残渣を逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。収量:0.020gの化合物16。
実施例B10
化合物50の製造
【0311】
【化94】

【0312】
THF(10ml)中の中間体26(A7.cに従って製造した)(0.00125mol)およびBurgess試薬(0.00375mol)の混合物を室温で3時間攪拌し、その後CHClを添加しかつ混合物をHO中で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。得られた残渣をシリカゲルで濾過し(溶離液:CHCl/CHOH 98/2)、その後、生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をDIPE中で攪拌し、そして所望の生成物を濾過分離しかつ乾燥した。収量:0.082gの最終化合物50(m.p.:102.8〜102.9℃)。
【0313】
表2および3は、上の実施例(実施例番号)の1つに従って製造した式(I)の化合物を列挙する。
【0314】
【表5】

【0315】
【表6】

【0316】
【表7】

【0317】
【表8】

【0318】
【表9】

【0319】
C.分析の部
LCMS条件1
HPLC勾配は、40℃に設定したカラムヒーターを伴うWaters Alliance HT 2790装置により供給した。カラムからの流れは、Waters 996フォトダイオードアレイ(PDA)検出器、ならびに陽および陰イオン化モードで作動させたエレクトロスプレーイオン化源を伴うWaters−Micromass ZQ質量分析計に分割した。逆相HPLCは、1.6ml/分の流速を伴い、Xterra MS
C18カラム(3.5μm、4.6×100mm)(12分カラム)で実施した。3種の移動相(移動相A:95% 25mM酢酸アンモニウム+5%アセトニトリル;移動相B:アセトニトリル;移動相C:メタノール)を使用して、6.5分で100%Aから50%Bおよび50%Cまで、1分で100%Bまで、100%B1分間の勾配条件を実施し、そして100%Aで1.5分間再平衡化した。10μLの注入容量を使用した。
【0320】
質量分析スペクトルは、0.1秒の滞留時間を使用して1秒で100から1000まで
走査することにより取得した。キャピラリーニードル電圧は3kVであり、また、イオン源温度は140℃で維持した。窒素をネブライザーガスとして使用した。コーン電圧は陽イオン化モードについて10V、および陰イオン化モードについて20Vであった。データ取得はWaters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いて実施した。
【0321】
LCMS条件2 急速分析
HPLC勾配は、50℃に設定したカラムヒーターを伴うWaters Alliance 2690装置により供給した。カラムからの流れは、Waters 996フォトダイオードアレイ(PDA)検出器、ならびに陽および陰イオン化モードで作動させたエレクトロスプレーイオン化源を伴うWaters−Micromass ZQ質量分析計に分割した。逆相HPLCは、3ml/分の流速を伴い、Xterra MS C18カラム(2.5μm、4.6×20mm)で実施した。3種の移動相(移動相A:95% 25mM酢酸アンモニウム+5%アセトニトリル;移動相B:アセトニトリル;移動相C:メタノール)を使用して、0.9分で100%Aから50%Bおよび50%Cまで、0.37分で100%Bまで、100%B0.18分間の勾配条件を実施し、そして100%Aで0.2分間再平衡化した。2μLの注入容量を使用した。
【0322】
質量分析スペクトルは、0.1秒の滞留時間を使用して1秒で100から1000まで走査することにより取得した。キャピラリーニードル電圧は3kVであり、また、イオン源温度は140℃で維持した。窒素をネブライザーガスとして使用した。コーン電圧は陽イオン化モードについて10V、および陰イオン化モードについて20Vであった。データ取得はWaters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いて実施した。
【0323】
【表10】

【0324】
D.薬理学的実施例
ヒトTHP−1細胞中でのMCP−1誘発性のCaの流れの阻害
CCR2受容体へのMCP−1の結合は、数種の細胞株において、Ca2+(二次性メッセンジャー)の迅速かつ一過性の細胞内放出を誘発する(Charoら、PNAS 1994)。遊離のCa2+のレベルはCa2+感受性色素を使用して測定し得る。CCR2受容体がCCR2受容体アンタゴニストで阻害される場合、Ca2+のMCP−1誘発
性の放出が阻害される。
【0325】
ヒトTHP−1細胞(単球細胞株、ATCC TIB−202)を、10%ウシ胎児血清(FCS)、1% L−グルタミン、ペニシリン(50U/ml)およびストレプトマイシン(50μg/ml)(全部GIBCO BRL、ヘント)を補充したRPMI 1640培地中で培養した。遠心分離後、細胞に、Ca2+感受性蛍光色素Fluo−3 AM(Molecular Probes、オランダ・ライデン)を30分間負荷した(4μM Fluo−3 AM、20mM HEPES、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)および5mMプロベネシドを含有するRPMI培地中2百万細胞/ml)。過剰の色素を、緩衝液(5mM HEPES、140mM NaCl、1mM MgCl、5mM KCl、10mMブドウ糖、2.5mMプロベネシド、1.25mM CaCl、0.1% BSA;全部のさらなるインキュベーションはこの緩衝液中で行った)を用いる三重の(3−fold)洗浄により除去した。細胞を、150000細胞/ウェルの密度で暗色壁96ウェルプレート(Costar、マサチューセッツ州ケンブリッジ)にプレーティングし、そして遠心分離(1分)により沈降させた。細胞を試験化合物とともに20分間前インキュベートした。その後10−7M hMCP−1(Bachem、スイス・ブーベンドルフ)を添加した。細胞内の遊離Ca2+濃度の変化を、蛍光イメージングプレートリーダー(FLIPR、Molecular Devices、ドイツ・ミュンヘン)を使用して測定した。蛍光をMCP−1の添加10秒前から添加後2分まで毎秒記録した(最初の1分:1秒間隔で60記録、第二の1分は3秒間隔で20記録)。この時間枠の間に得られた最大蛍光をさらなる計算に使用した。
【0326】
表5は、式(I)の化合物の上述された試験で得られたpIC50値を報告する。pIC50は−logIC50を定義し、式中IC50は特異的なMCP−1誘発性のCa2+の流れの50%を阻害する試験化合物のモル濃度である。
【0327】
【表11】

【0328】
放射リガンド結合アッセイ。
【0329】
125I−MCP−1結合アッセイを、ウェルあたり40μgのタンパク質を含む96ウェルプレートで実施した。化合物をDMSOに溶解しかつ100倍希釈に希釈した。化合物の10倍濃度範囲を結合緩衝液(10% DSMO)中で調製した。競合結合アッセイは、250μlの総容量中に以下の成分、すなわち25μlの適切な化合物希釈(1%
DMSOの最終濃度)、結合緩衝液に溶解したCCR2BでトランスフェクトしたCHO細胞からの膜200μl、および25μlの125I−MCP−1(Bolton−Hunter標識、Amersham、比活性=2000Ci/mmol、0.15nM最終)を含有した。結合緩衝液は、25mM HEPES、5mM MgCl、1mM CaCl、0.5%プロテアーゼを含まないウシ血清アルブミン、pH7.4から構成された。25℃で90分のインキュベーション後に、0.5%ポリエチレンイミンに前浸積したGF/Bフィルター上に膜を収集し、次いで25mM HEPES、5mM MgCl、1mM CaCl、5mM NaClを含有する緩衝液、pH7.4で洗浄した。フィルターに結合された放射活性を液体シンチレーション計数により測定した。EC50値(μM)およびK値(μM)を計算した。EC50値は、特異的結合部位の半分についてMCP−1と競合する試験化合物の濃度を示し;K値は平衡解離定数、すなわち放射リガンド若しくは他の競合体の非存在下に平衡で結合部位の半分に結合することができる試験化合物の濃度を示す。EC50値およびK値はGraphpad Prismで非線形回帰を使用して計算した。Prismは、ChengとPrusoffの等式
(Biochem.Pharmacol.1973、22:3099−3108)を使用して、競合薬物に対する受容体のKすなわち親和性を計算する。低いKは試験化合物に対する受容体の高親和性を示す。
【0330】
【数1】

【0331】
式中、Kは受容体に対する放射リガンドの親和性、すなわち、競合体の非存在下に平衡で結合部位の半分に結合することができる放射リガンドの濃度を記述する。
【0332】
表6は、式(I)の化合物の上述された試験で得られたK値(μM)を列挙する。
【0333】
【表12】

【0334】
走化性応答
本発明の化合物のCCR2拮抗活性は、例えばMCP−1のようなケモカインの存在下での細胞の走化性応答に対する化合物の効果を測定することによってもまた測定し得る。
【0335】
ヒトヘパリン添加末梢血からの単核細胞(PBMC)を、Ficoll−Paque勾配遠心分離(Amersham Biosciences)を使用して単離した。走化性の応答性のアッセイは、5μm孔径のポリカーボネート(PVPを含まない)フィルターメンブレンを伴う使い捨て96ウェル走化性チャンバー(ChemoTx、Neuro Probe)を使用して実施した。単核細胞を、5μg/mlカルセイン−AM(Molecular Probes、オレゴン州ユージーン)で37℃で30分間蛍光標識した。標識した細胞を2回洗浄し、そして0.2%ウシ血清アルブミンを補充したハンクス液(Gibco BRL)に5×10細胞/mlで再懸濁した。その後、細胞を、DMSO(ジメチルスルホキシド)中の化合物の連続希釈とともに室温で10分間前インキュベートした(0.2%の最終DMSO濃度)。走化性チャンバーの底壁に、28μlの30ng/mlの組換えhMCP−1(R&D)を含有する培地若しくは緩衝液のみを負荷した。前処理した細胞(100,000細胞)をフィルターの上面に三重で添加し(20μl)、そして5%COを含有する加湿空気中37℃でインキュベートした。105分のインキュベーション後に、フィルターをティッシュペーパーで穏やかに拭うことにより、移動しなかった細胞をフィルターの上面から除去した。移動した細胞を、蛍光プレートリーダー(λexcitation=485nm;λemission=538nm)を使用して測定した。走化性応答は、MCP−1の存在下で移動した細胞の平均およびケモカインの非存在下で移動した細胞の平均の比である走化性指数(C.I.)として表し得る。阻害パーセントは、式:
【0336】
【数2】

【0337】
[Fsampleは、10、1、0.1、0.01若しくは0.001μMの化合物とともに前インキュベートしかつ底壁の30ng/ml MCP−1に移動した細胞の蛍光;FMCP−1は、緩衝液すなわち0.2% DMSOとともに前インキュベートしかつ30ng/ml MCP−1に移動した細胞の蛍光、そしてFbufferは、緩衝液すなわち0.2%DMSOとともに前インキュベートしかつ底壁の緩衝液に自発移動した細胞の蛍光]
を使用して計算した。表7は、式(I)の化合物についての上述された試験で得られたIC50値(μM)を列挙する。アッセイは三重で行い、そして2〜7回反復した。
【0338】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

の化合物、
そのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン、多形若しくは立体異性体であって、式中
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリール若しくはヘテロアリールを表し;
各Rは、独立に、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し;
は、水素、シアノ、ヒドロキシ若しくはC1−6アルキルオキシで場合によっては置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6bまたはC(=O)−Rを表し;
は水素若しくはC1−6アルキルを表し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し;
6aおよびR6bは、それぞれ独立に、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、カルボニルアミノまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか;あるいは
6aおよびR6bは、それらが結合されている窒素と一緒になって、C1−6アルキルで置換されているピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル若しくはピペラジニルを形成し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し;
Zは、
【化2】

から選択される環式環系を表し、
各Rは、独立に、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、ピペリジニル、ピペリジニルアミノ、モルホリニル、ピペラジニルまたはニトロを表し;
各Rは独立に水素、ハロ若しくはC1−6アルキルを表し;
nは1、2、3、4若しくは5であり;
アリールは、フェニル、あるいは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されているフェニルを表し;
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、前記複素環のそれぞれは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換されているが;
但し、
1−(3,4−ジメトキシベンジル)−4−フェニル−1H−イミダゾール−2−チオー
ル;および
1−(o−クロロベンジル)−5−エチル−4−フェニル−イミダゾール−2−チオールは包含されない、
上記化合物。
【請求項2】
が、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ若しくはポリハロC1−6アルキルを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がハロ若しくはポリハロC1−6アルキルを表す、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
がハロを表す、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
がフルオロを表す、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
nが2若しくは3である、先行する請求項のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項7】
nが2である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
nが2であり、かつ、前記2個のR置換基がメタおよびパラ位に配置されている、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
Zが、式(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−9)、(a−10)、(a−12)、(a−13)、(a−14)若しくは(a−16)の基を表す、先行する請求項のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項10】
Zが、式(a−1)、(a−2)、(a−9)、(a−10)若しくは(a−13)の基を表す、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
Zが式(a−9)の基を表す、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
が、水素、シアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6b若しくはC(=O)−Rを表す、先行する請求項のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項13】
が、シアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6b若しくはC(=O)−Rを表す、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
がC(=O)−O−Rを表す、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
がメトキシカルボニルを表す、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
がC1−6アルキル若しくはC1−6アルキルオキシアルキルを表す、先行する請求項のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項17】
がC1−6アルキルを表す、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
がエチルを表す、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
が水素を表す、先行する請求項のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項20】
がC1−6アルキル若しくはC1−6アルキルオキシアルキルを表し;Rがハロを表し;Rが水素、シアノ、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=O)−Rを表し;Zが(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−9)、(a−10)、(a−12)、(a−13)、(a−14)若しくは(a−16)から選択される環系を表し;Rが水素を表し;nが2である、請求項1若しくは2に記載の化合物。
【請求項21】
化合物が立体化学的に純粋である、先行する請求項のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項22】
化合物が、以下の式
【化3】

を有する、先行する請求項のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項23】
化合物が、以下の式
【表1】

を有する請求項1に記載の化合物、
そのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン若しくは多形。
【請求項24】
化合物が、(S)−3−[1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−5−イソキサゾル−5−イル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル、そのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン若しくは多形である、請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
化合物が、(S)−3−[1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−5−イソキサゾル−5−イル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル若しくはそのN−オキシドである、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
化合物が、(S)−3−[1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−5−イソキサゾル−5−イル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル若しくはその製薬学的に許容できる付加塩である、請求項24に記載の化合物。
【請求項27】
化合物が、(S)−3−[1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−5−イソキサゾル−5−イル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステル若しくはその四級アミンである、請求項24に記載の化合物。
【請求項28】
化合物が、(S)−3−[1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−5−イソキサゾル−5−イル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルである、請求項24に記載の化合物。
【請求項29】
化合物が、128.5℃の融点をもつ(S)−3−[1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−プロピル]−5−イソキサゾル−5−イル−2−チオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イミダゾール−4−カルボン酸メチルエステルである、請求項24に記載の化合物。
【請求項30】
医薬品としての使用のための、先行する請求項のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項31】
CCR2受容体の活性化により媒介される疾患を予防若しくは処置するための医薬品の製造のための化合物の使用であって、前記化合物が、式(I)
【化4】

の化合物、
そのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩、四級アミン、多形若しくは立体異性体であって、式中
は、水素、C1−6アルキル、C3−7シクロアルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、ジ(C1−6アルキル)アミノC1−6アルキル、アリール若しくはヘテロアリールを表し;
各Rは、独立に、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、C1−6アルキ
ルチオ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ニトロ、アリールまたはアリールオキシを表し;
は、水素、シアノ、ヒドロキシ若しくはC1−6アルキルオキシで場合によっては置換されているC1−6アルキル、C(=O)−O−R、C(=O)−NR6a6b、C(=S)−NR6a6b、S(=O)−NR6a6bまたはC(=O)−Rを表し;
は水素若しくはC1−6アルキルを表し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキルまたはアリールを表し;
6aおよびR6bは、それぞれ独立に、水素、C1−6アルキル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、アリールNH−、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、C1−6アルキルオキシ、カルボニルアミノまたはヒドロキシC1−6アルキルを表すか;あるいは
6aおよびR6bは、それらが結合されている窒素と一緒になって、C1−6アルキルで置換されているピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル若しくはピペラジニルを形成し;
は、水素、C1−6アルキル、ヒドロキシC1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、ポリハロC1−6アルキル、C1−6アルキルオキシC1−6アルキル、アミノC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノC1−6アルキル、アミノカルボニルC1−6アルキル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニルC1−6アルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し;
Zは、
【化5】

から選択される環式環系を表し、
各Rは、独立に、水素、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、ヒドロキシC1−6アルキルアミノ、アリール、アリールオキシ、ピペリジニル、ピペリジニルアミノ、モルホリニル、ピペラジニルまたはニトロを表し;
各Rは独立に水素、ハロ若しくはC1−6アルキルを表し;
nは1、2、3、4若しくは5であり;
アリールは、フェニル、あるいは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノ、フェニルオキシまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1、2、3、4若しくは5個の置換基で置換されているフェニルを表し;
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルを表し、前記複素環のそれぞれは、ハロ、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、ポリハロC1−6アルキル、ポリハロC1−6アルキルオキシ、シアノ、アミノカルボニル、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノカルボニル、アミノ、モノ若しくはジ(C1−4アルキル)アミノまたはニトロからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換されている、
上記使用。
【請求項32】
CCR2受容体の活性化により媒介される疾患を予防若しくは処置するための医薬品の
製造のための、請求項1ないし29のいずれか1つに記載の化合物の使用。
【請求項33】
疾患が炎症性疾患である、請求項31若しくは32に記載の使用。
【請求項34】
製薬学的に許容できる担体、および、有効成分として、治療上有効な量の請求項1ないし29のいずれか1つに記載の化合物を含んでなる、製薬学的組成物。
【請求項35】
製薬学的に許容できる担体が、治療上有効な量の請求項1ないし29のいずれか1つに記載の化合物と緊密に混合されることを特徴とする、請求項34に記載の組成物の製造方法。
【請求項36】
a)式(II−a)若しくは(II−b)の中間体を適する酸および適する溶媒の存在下にKSCNと反応させること
【化6】

、R、R、Zおよびnは請求項1で定義されるとおりである;
b)式(III)の中間体を、KSCN、適する酸、適する溶媒および適する塩基の存在下に、Wが適する脱離基を表す式(IV)の中間体と反応させること
【化7】

、R、R、Zおよびnは請求項1で定義されるとおりであり、また、R3’は水素以外のRを表す;
c)式(V)の中間体を適する溶媒の存在下に適する塩基と反応させること
【化8】

、R、R、Zおよびnは請求項1で定義されるとおりであり、また、R3’は水素以外のRを表す;
d)式(VI)の中間体を、場合によっては適する溶媒の存在下にリン酸トリクロリド若しくはBurgess試薬と反応させること
【化9】

、R、R、R、Rおよびnは請求項1で定義されるとおりである;
e)Wが適する脱離基を表す式(VII)の中間体を、適する溶媒の存在下に、R5’がC1−6アルキル若しくはヒドロキシC1−6アルキルを表す式HO−R5’の適切なアルコールと反応させること
【化10】

、R、R、Zおよびnは請求項1で定義されるとおりである;
f)Wが適する脱離基を表す式(VII)の中間体を、適する溶媒の存在下に式(VIII)の中間体と反応させること
【化11】

、R、R、R6a、R6b、Zおよびnは請求項1で定義されるとおりである;g)式(VII)の中間体を、適する溶媒の存在下に適する還元剤と反応させること
【化12】

、R、R、Zおよびnは請求項1で定義されるとおりである;
あるいは、所望の場合は、式(I)の化合物を、技術既知の変換に従って相互に転化すること、ならびに、さらに、所望の場合は、式(I)の化合物を、酸での処理により治療上有効な非毒性の酸付加塩に、若しくは塩基での処理により治療上有効な塩基付加塩に転化すること、または、逆に、酸付加塩の形態をアルカリでの処理により遊離塩基に転化すること、若しくは塩基付加塩を酸での処理により遊離酸に添加すること;ならびに、所望の場合は、それらの立体異性体、四級アミン若しくはN−オキシドを製造すること
を特徴とする、請求項1に記載の化合物の製造方法。
【請求項37】
およびR置換基を運搬する炭素原子が(S)配置を有する中間体から出発して、請求項36に記載の反応を実施することを特徴とする、請求項22に記載の化合物の製造方法。
【請求項38】
式(IX−b−1−1)
【化13】

[式中、Alkはメチル、エチル若しくはn−プロピルを表し、また、各R2aおよびR2bは、独立にクロロ、フルオロ若しくはトリフルオロメチルを表すが、但し、R2aおよびR2bが双方ともクロロである場合には、Alkはエチル以外である]
の化合物、
そのN−オキシド、製薬学的に許容できる付加塩若しくは四級アミン。
【請求項39】
化合物が、
【化14】

である、請求項38に記載の化合物。

【公表番号】特表2008−500310(P2008−500310A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513921(P2007−513921)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【国際出願番号】PCT/EP2005/052369
【国際公開番号】WO2005/118578
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】