CD/DVD/BD/EBDのための3.5Way光ピックアップ機構および医療診断・施術のための光ヘッド機構と立体表示装置
【課題】光の物理原理の肝心な部分の理解が不足していたことと、定量的なコンピューターシミュレーションを行う最適解のフォーマットで製品を提供する。
【解決手段】従来型のCD/DVD/BD用のOPを単純で高機能なものにし、製造コストを大幅に低減する。405nmの波長を使い、BDの25GBの記録容量を40GBにエンハンスし、原理を明確にすることにより正しい製品仕様を定義する。
【解決手段】従来型のCD/DVD/BD用のOPを単純で高機能なものにし、製造コストを大幅に低減する。405nmの波長を使い、BDの25GBの記録容量を40GBにエンハンスし、原理を明確にすることにより正しい製品仕様を定義する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はCD/DVD/BD/EBD用の光ピックアップおよび局所的微細病巣の診断・除去のための光ヘッドと立体表示に関するものである。
【背景技術】
【0002】
20世紀に音楽レコードの置き換えから始まった光ディスクは専ら、短波長化を追及しコンピューター周辺機器としての位置も確立した。光ディスクは今後も半導体メモリに置き換わってしまうこと無く、主要メディアの一つとして生き残こるであろう。しかし21世紀にはこれまでと違った形の光ディスクに方向転換行くと考えるものである。
本論はCDで確立されたLDとPDとレンズからなる光学系で構成されるか、またその短波長化であるDVD/BDが統一化された地上解としての光ディスクの光学系の有様について先ず述べ、そして究極の様態である天上解について述べる。天上解とは、物理原理を見直し地球環境維持が究極的な解決策で実行される技術維新群として、人間社会の全ての科学技術が革新的な変貌を遂げる中で行われるものを言う。地上解は企業間の重複と競争があり、繰り返しと古いフォーマットの破棄があるが、天上解は最初から究極解が与えられ、技術の進化なるものに依存しない。天上解は創造主が初めから用意して置いたものに、地球上の誰かが何時かは行き着く類のものである。天上解は地上解の延長線上には無く、技術的な繋がりもない。多くの製品技術分野に於いて、現状から将来の姿は見えない。天上解は未来から今にやって来るものである。20世紀中にも地上解として集大成されるべきであった光ディスクに誰から見ても不足していたものは
1)光学部品に透過率などの問題が出る400nm以下の波長は追及しないという決意
2)25GBのBDと40GBのEBD(Enhanced−BD)を読み書きできること
3)OPの製造を容易にしてコストを2/3に下げ、同時に1.5倍長寿命化すること
4)3WayOPの1.2mm/0.6mm/0.1mmの保護層厚み問題を克服すること
5)OPの薄型化、小電力化、高速化に対してはっきりしたマイルストーンを示すこと
6)2012年からの天上解へのスムーズでダイナミックな移行への踏み台となること
であり、集大成の目的はこれまでに生み出したフォーマットを、図1に示すように物理的に統一された形で再構成することである。
図1に示すEBDの用途は、決して十分に精細とは言えない1920x1080のHiVision−DTVの解像度と、MPEG2/4、H.264の画像圧縮、それに対応したBDでの2時間平面画像情報記録に画像のデテールに改良の余裕を与え、また天上解として既に解法が見つかっている真性の立体画像表示装置に対応させた、右眼撮像情報と左眼撮像情報の差分画像圧縮信号を挿入記録するための、BDの1.6倍の記録容量を持たせるものである。これはまたPCプラットフォームの3D−GUI化と一体のものである。3D−GUIとは立体表示空間に手を入れて3次元のハンドルでGUIを行うものであり、臨場性ではなくPCの操作性を著しく向上するものである。
【0003】
光ディスクプレイヤーの互換性を維持するためには、非点収差を決める保護表面層の厚み1.2mm/0.6mm/0.1mmの切り替え、レンズのNAの適合性などが維持されなければならない。従来の考え方と本論の考え方を図2で比較する。従来はこれまでのCD/DVD/BDの3Way記録再生のそれぞれに波長の違うLDを使用し、また350nm程度の短波長光源が見つかればX−Discなる高密度記録性能が得られるという考え方であった。しかし既に光ディスクの天上解があり、万物の物理原理がこれまでと違った形でほぼ解明されている以上、光ディスクの地上解がなすべきことは、20世紀型の研究開発・製品導入という消費の悪循環を断ち切り、将来を含めた集大成を計って天上解にバトンタッチすることである。20世紀型の光ディスクの集大成は、ピット高対応のための405nm(BD)と650nm(DVD/CD)の切り替え、NA=0.85の単一レンズ、およびDVD/CDの保護層厚み問題を解決した上で、1系統または2系統LD/PDアレーという光学系で、CD−EBDの間を数点の部品からなるOPでカバーすることである。
リチャードファインマンが明らかにしたようにプラスチックが屈折率を持ち、その屈折率が多少の分散(波長依存性)があるのは、媒質に数式1に示すような分子構造の周波数共振点があり、それから離れた波長では裾野での振動による再放射が屈折という現象になるからである。この分子構造の共振点より高い周波数では媒質は不透明である。共振点より低くても透過性が低下する。LDの現実の発光の仕組みを含むこう言った20世紀に既に分かっている基本事実をわきまえないで、徒らに短波長化と追い求めるのは、消費者・地球生活者に混乱を与える結果を生み、研究者に不満足な人生を送らせる。
【数1】
【0004】
<20世紀科学の落とし子>
従来のPhilips=SonyタイプのCD/DVD/BDの3WayのOPの代表例はPhilipsタイプとSonyタイプである。どちらもOrthodoxな構成であるが、Philipsタイプは光学経路でLDを3つに分け、3WayのPDは同じ場所に置く。Sonyタイプは3波長LDを1箇所に置いて、PDは光学経路でLDを3つに分けている。これに対して新しい3.5WayのPDアレーはLDとPDの鏡像関係の位置合わせが必ずしも必要ではない。
図3にPhilipsタイプを示し、図4にSonyタイプを示す。
従来方式をは、有体に言うならば、実験装置をそのまま製品に持ち込んだもので、古典形式と呼ぶことができる。実験を経ず製品を自在に設計できるには、光学原理が真なる正しい理論で理解され、コンピューターシミュレーションのみで2%の精度で光学システムが設計できなければならない。従来はそのための学問・工業化体系は十分できていなかったばかりでなく、多くの本質的な誤りを犯していた。それでも製品が出来上がっていたのは、技術者の努力の賜物である。
【0005】
<BDの動作状態の検証>
BDはHD−DVDを中止に追い込んだが、それはコップの中の嵐であり、この競争は本質的なものを何も含んでいない。競争し、また対峙しなければならないのは自然律である。20世紀型光ディスクの集大成が行われるためには物理原理が正しく理解され直し、またOPの基本的なアーキテクチャーが根本から整理・再構築される必要がある。古典形式を整理すれば
1)点光源としてのLDで記録・再生する
2)対物レンズを通して再集光された反射光を4分割PDで検出すること
3)ハーフミラーで4分割PDの中心とLDの発光点を鏡像関係で一致させる
4)NA限界で使用し、サイドローブは無いことにする
5)可能なら多値記録をし、また記録時に超解像を使う
本論はこれらの絶対的に正しいと思われていた目標や原理の暗黙のルールが必ずしも正しくないことを同時に示して行く。
図5はこれまでのBDの画一的なOPの構造である。コリメータレンズの使用は本質的な事柄ではない。本質的なことの一つは端面発光のLDの構造上、放射の指向性が楕円になることである。対物レンズで収束されたビームスポット径を小さくするためには、スピルオーバーを許容してレンズ部分への照射を一様分布に近づける。必然LDと対物レンズの間の光路長は長くなり、LDの有限の発光点寸法はa/bのスポット像として小さくなる。これがB体位である。A体位はその逆の特質となり、スピルオーバーは殆どなくなる。
図6は端面発光LDの特定のWxHxLに於ける放射分布のシミュレーション結果を示す。LDの動作の理解を反映していて、実物と極めてよく一致する。通常縦方向の放射全角は40度幅前後、横方向は20度幅前後である。放射分布はレーズドコサイン分布ではなく、数式21に示すコサイン分布(図の中の点線部分)で近似できることが分かる。図の中の二重の円は、LDの放射分布を照射すべき対物レンズの大きさをA体位とB体位で示したものである。
【数2】
このLDの放射分布をNA=0.85の対物レンズに体位Aとして照射(イルミネート)した場合のスポット形状を図7に示す。横軸の目盛は波長単位である。これは周波数帯域幅が広ければ時間軸のパルス幅が狭くなるフーリエ変換の時間軸と周波数軸の関係のようなものである。通常はトラック方向がLDの活性層の幅に対応しており、ピット列方向は活性層の厚みに対応して、ピット列方向の分解能を優先させている。厚みが薄ければ放射角が広がり実効的なNAが大きくなるのでスッポト径は小さくなる。NAが大きくなるとサードローブ応答が大きくなるが、同じピット列のシンボル間干渉であれば、PRMLで誤り訂正は行われるがイコライズはされない。このBDのスポット径は数式3で導かれる。
【数3】
このLDの放射分布をNA=0.85の対物レンズに体位Bとして照射した場合のスポット形状を図8に示す。A体位と比べてビームが細くなり、サイドローブが大きくなるのが分かる。B体位は照射の光量の一部をスピルオーバーによって捨てている。市場に出回っているBDプレーヤーの殆どは主しビームの広いA体位で設計されスピルオーバーという概念はない。数式4はBDのB体位のスポット形成に対応している。数式4はB体位のスポット形状の導出式である。
【数4】
LDの活性層の、長さLの中での位相の分散を考慮しない、断面の位相の分散による等価的な開口ΔWxΔHだけを考えると、スポット径が非点収差となって広がりサイドローブは少し緩和する。数式5がそれを導く式である。
【数5】
LDの活性層の長さLそのものはピット面のスポットの大きさには寄与しない。つまりピット面の光軸に沿った前後で奥行きのある光源像を結像をしない性質がある。LEDの活性層の対物レンズを通した倒立像は奥行きを持つ3次元の像であるが、LDの活性層の対物レンズを通した倒立像は奥行きと幅と高さが位相分散の分だけに縮まった、点に近い像である。ΔLの主要素はGaNの屈折率2.5のために生じる非点収差であるが、これはディスクの保護層の厚みによる非点収差とa:bの比を調整して相殺させることができる。ΔLの副要素は発光の位相が媒質内の光速度からずれる位相分散である。活性層の上下にクラッドを設けて光を閉じ込めようとするのはΔLが大幅に増えるので間違いである。位相が揃えば光は前方にしか進行しない。クラッドを設ければ、LEDモードからLDモードに位相同期する閾値電流を低くすることができるが、その閾値付近を動作点にはしないのでクラッドを設けるのは論外である。
長さLではなく、ΔLだけが結像の大きさに寄与する仕組みは、図10に於いて活性層の最前部から出た光と最深部から出た光の位相が、等価発光点から出た光の位相を挟んで正負が逆であるために、ベクトルP1とP2を足したものの位相はP0の位相に等しくなり、振幅に於いてはベクトル和として図6の放射分布として既に反映されているからである。即ちLDの特性として奥行きのない光源として見えるのである。また幅Wと高さHはその位相分散ΔWxΔHに像倍率b/aをかけた値でピット面で寄与する。
【0006】
<LD光源の性質>
光源にLDを使う場合の放射光はこれまでは理論が確立しておらず、またレーザーとは発振であると言う間違った説明が通っていた。LDの計算による設計は、せいぜい活性層の電流分布の後追い解析程度であり、発光の機構の理解は進まず、専ら実験による試行錯誤で開発されて来た。また新しい素材でのLEDでの発光の確認とLDの商品化までの間の過程で、信頼性の確認は除外しても、遅れがあった。しかし何故か、LED発光すれば必ずいつかLDにすることが出来るという確信だけが業界の中で経験則として育って行った。当たり前の話である。発振現象ではないので、問題は電流を大きくして言った時に結晶構造が維持できるかとうかと言う問題だったのである。
本論述でLDの真の理論が突然に確立し、光学系が単純に十分な精度で計算でき、また短波長LED発光の確認とLDモードへの移行は製品開発として同時進行となる。図11にLDの基本概念を示す。
LDの動作についてはこれまで大きな事実誤認があった。活性発光層の中では両端の鏡面(碧解面)で反射した定在波が立ち、その電界で誘導放出をするのがLDの動作原理である。アインシュタインが説明したと言う誘導放出の理解がいささか怪しげで、何か特別のもののように響くが、それが間違いの始まりである。ダイオードを電気回路的に捉えると、kT/qボルトのボルツマンの温度分布電圧に印加電圧を加えたものが軌道電子の遷移のバンドギャップ電圧を越えると電流になる。この電流は印加電圧の増加に対して指数関数的に増える。LDとはこの印加電圧に、単に往復する光の電界が加わったものが、バンドギャップ電圧を越えるだけの話であり、位相同期するのは当たり前の話である。図12にLDの仕組みを示す。
アインシュタインの解釈で正しかったのは、ブラウン運動とEPRパラドックスのハイゼンベルグへの反論だけであるが、後者は自分で撒いた光電効果という誤りの量子論が招いた種である。活性層の長さLに屈折率nを掛けたnLが光路長であり、往復の光路長は発光波長の整数倍になる。この整数が変化する場合、発光は不安定になる。あるいは複数の整数のまま動作し、それに対応した複数の波長が現れる。
電磁波としての光が両端の鏡面で反射を繰り返すが、図13に示すように、その定在波は2つの進行波の合成である。活性層とその上下の層は同じ屈折率にすると構造解析が簡明になる。
2つの進行波のうち、図14に示すように、復路光は前面への放射には寄与しない。何故なら各原子の発光の位相に合成がなく、その総和はゼロとして取り扱えるからである。また光速で遠ざかるものを見ることができない。これに対して往きの光は波の進行による励起の連鎖が、媒体の波の速度と同じに起こるので、位相の合成が同位相で積算されて行く。活性層は立方体のフェーズとアレー放射器と看做すことができる。
即ちLDの放射パターンは、図15に示すように、HxWxLの立方体に、(今の場合は計算の簡単のために)均一に発光放射点が分布し、その発光の位相が背面から前面への媒質中の光の速度の順になっている放射アンテナである。その上下・左右の指向性半値角は媒質の外に出る際にn倍になる。数式6、数式7、数式8にその指向性を示す。立体表示の放射分布は数式6で、X軸上の放射分布はは数式7で、Y軸上の放射分布は数式8で表される。
【数6】
【数7】
【数8】
図16に放射パターンを示す。
通常のLDの放射指向性が縦長の楕円になるのはH<Wから来ている。このように一度LEDの素材が完成すれば、LDモードの発光とその放射パターンの形成は、今後自由自在にできるのでもう議論の対象にはならない。LDの信頼性とは即ち、往復する光の電磁界が結晶格子のバンドギャップを越えて、結晶が崩れるかどうか(ダークラインはその一側面)ということである。放射光が媒質の外に出る際の屈折で、非点収差を生じる、光ディスクの保護層の非点収差を打ち消す。
LDの放射指向性角は主に活性層の高さと幅に反比例し、活性層の長さにはあまり依存しない。図17はH=3波長、W=10波長でL=20波長とL=80波長を比べたものである。
数式9はその計算式である。
【数9】
LDチップの屈折率をnとすると、チップ内の指向性半値全角はチップ外に出て、その半角の正弦がn倍の指向性半値全角になる。一方Lが長くなければ、指向性半値角はW及びHに反比例する。チップ内では波長は1/nに短縮する。このことから、チップ外部から見た短縮波長によるW及びHの指向性半値全角が、実際に媒体の屈折率が存在して外部に放射される指向性半値角と一致する。本論はLDの放射パターンと活性層の関係を数式的に初めて明らかにする。これによりLDの設計が正確に行えるようになる。発光がレーザーダイオードから扇状に放射しても、平行光線で放射してもピット面で点になる能力に本来差がある訳ではない。しかし細い平行光線ビームではレンズの中央を使うために、実効的なNAが極端に小さくなり、点光源のつもりのスポットは巨大な円になる。扇状の放射はなくてはならないものである。活性層の発光分布は実際には一様ではないが、その3次元の分布の計算は極めて簡単である。ここではLDの具体的な設計が主題ではないので詳細を割愛する。
LDに於いて、Lを長くすることは、波長の精度と電流密度を上げないで済むこと以外の意味は無く、碧解処理が可能な長さと、ウェーファーからの収率だけから決められる。Lが長くても、クラッド層を追加しない限り媒質内では点光源からのずれは概略加わらない。一般的に点光源は、平行光線で波面の位相が揃っていていれば対物レンズを通して像を作った時に点になると言えるが、LDはL方向では進行波として位相はほぼ揃っていて、むしろWxH面内に多く位相の分散があると言える。外部から見た発光中心の深さは、活性層の長さの半分を屈折率で割った値である。LDの点光源の大きさを生む大部分は、媒質の外に出る時の非点収差である。すでに述べたようにディスクの保護層の厚みにポリカーボネイトの屈折率の1.5を掛けた値と、LDの長さLの半分に媒質の屈折率を掛けた値の比がa:bの比に等しければ、対物レンズの両側で非点収差は打ち消し合う。
LD設計技術者は現在全員が、活性層の後方には放射はないが、上下方向には放射があり、クラッドでそれを閉じ込めなければならないと考えている。しかしそれは明確に誤りである。計算してみれば用意に理解できるが、活性層の立方体放射アレーは上下の方向には放射しないのである。これはオリバーヘビサイドが百数十年前に犯したエネルギー放射という誤りを、LD設計技術者全員が未だに信じ込まされているのである。最近米国東部の大学で6m離れた場所に、80%以上の効率で無線電力を送受信できるようになったのは、本人たちが気づいているかどうかは別にして、オリバーヘビサイドの嘘から開放された人々である。図18にLDの外部から見た発光中心の移動を示す。
LDの活性層の屈折率によるLから来る非点収差量と、WxHの開口内の位相分散による非点収差量と、ハーフミラーの斜め透過の非点収差量を加えたものが、対物レンズ反対側のディスクの保護層の板厚による非点収差量と等しければ、お互いに打ち消し合っているので、対物レンズが非点収差を補正する量はゼロである(非点収差ニュートラル)。a/bを大きくすると非点性は小さくピット面に現れるが、対物レンズを照射しないスピルオーバーが増える。これを避けるために図16に示すようにLDの活性層を長くすると、放射角が小さくなる。WとHを変えることは照射角、即ちaと相殺するので意味が無い。その関係を図19に示す。LDの発振については後述する。
【0007】
<戻り光と多波長モード>
LD単体の動作を観察し、単色性や放射角を吟味することは余り意味を持たない。レーザーというものに寓話的な意味合いや、空想の期待を与えたのが20世紀の仮説型物理学である。LDとLEDは同じものである。LD単体で測定した戻り光による擾乱は、実際の系では適切な扱いにより問題がなくなる。また多波長モードも同様に問題がなくなる。次に述べることは光ディスク記録・再生上極めて重要である。
ディスク面からの戻り光がLDの端面から入射して裏面に至る復路の電磁界による誘導放出は、前面への放射には全く寄与しない。あくまでも往路の電磁界による誘導放出だけが前面への放出に寄与するのである。ピット面でNA限界の大きさのスポットに結像しているならば、鏡面部の反射に関しては、ピット鏡面部とLDの裏面の間で波長の整数倍で共振が起こっている。これは長い光路のレーザー共振なので、単色性が極めて高い。このIntrinsic−Beautyに唯一水を挿すのがLDの端面の透過率である。OPが正常に動作している時はこの端面の透過率は100%が好ましいが、現実に設計されて来たことは1%の透過率を与えて、静的にLDを眺めて陶酔する現実である。
本来LDの活性層内の全分子は、相変化記録層の全分子と1対1で対峙しなければならない。活性層の分子数と結合のバンドギャップ電圧を掛け合わせたものは、記録層の分子数と相変化のバンドギャップ電圧を掛け合わせたものより十分に強くなければ、相変化を起こす前に討ち死にしてダークラインとなってしまう。この創造主の摂理に逆らって、LD端面の透過率を1%にしてはならない。活性層はOP全体に寄与しなければならない。上面発光LDの共振長が短いのは表面上のことであって、共振はOP全体で行われているのである。OP全体で波長の整数倍となる条件が満たされないものはOPを構成できないという事実は、CDの開発当初から一貫して守られなければならない大原則である。さもなくば、スポットは形成されない。LD端面は正にセクショナリズムの壁そのものである。
鏡面部だけではなく、ピット部からの戻り光に関しても、この波長の整数倍をいう原則に変わりは無い。多波長モードも戻り光擾乱も好ましくないものではなく、無くてはならないものである。創造主は何一つ不必要なものなど作っていない。報われない努力や、意味の無い存在、貢献の無い出来事など何一つない。それが宇宙と社会の成り立ちである。高速化の観点から言えば、LDの裏面からディスクのピット面までの距離を短くしなければならない。CSOPは2.5mg程度の重さであるから、動作距離を十分に小さくして、変化に対応することが出来る。
【0008】
<コヒーレント性>
コヒーレンシーを正しく理解するだけではなく、正しく定義できる人が今の所世界にはいないように見受けられる。コヒーレンスを誤解しても光ディスクの設計はできるが応用はできない。従って画一的な形が出来上がり最適化とは程遠い。コヒーレンスは無意味な表現であることを正しく理解すれば、その技術者には新しい世界が拓ける。学問・工業世界を観察するならば、レーザー光のために存在する用語コヒーレンシーには5つ観点があるようである。
1)干渉を性が高い
2)遠方まで細い平行ビームを維持できる
3)1点にスポットを絞れる
4)大きなエネルギーを持つ
5)位相が揃っている
光学の世界に身を置く人達は、光と電磁波は全く単一のものであることを完全に理解している。電磁波に関してそれが粒子性を持っていることを意識する人は皆無である。また光が粒子性を持っていることを疑う人も皆無である。その人達は奇妙に光と電磁波を使い分けていてダブルスタンダードになっている。上記1)〜5)を電波が達成しているのと同じ仕組みで光の仕組みとして理解している人は見当たらない。即ち何かのお題目を信じ込まされていて、それに異論を唱える見識は持っていない。
これらの漠然と理解・誤解されていることを1つ1つ明らかにしょう。先ずコヒーレント光の干渉性である。これは明確に誤りである。自然光は位相がまちまちであり、レーザー光は位相が揃っている。その事実とは全く無関係に、干渉は同じ程度に起こる。二重スリットの干渉はレーザー光と自然の単色光で全く差異が無い。油膜の干渉も、反射防止コーティングもレーザー光と自然の単色光で全く差異が無いことを皆はよく理解している。しかしコヒーレント光は干渉性が高いと信じていてその点で先ず完全に論理性を失っている。
彼らは、コヒーレンシーに空間性のコヒーレンシーと時間的なコヒーレンシーがあると例外なく言葉で理解しているが、空間性のコヒーレンシーと時間的なコヒーレンシーの違いの具体例を挙げられる人は誰もいない。電波は通常振動を波形として観測することができるが、光にはそのような検出器がなく、干渉した結果の光強度を知ることしかできない。電波は通常位相が揃った形で利用されるが、光に関しては強度や偏波面を利用するしかないのに、位相が揃っている事を何かの利点に違いないと期待するよう、教授達によってトレーニングされまた企業で押し付けられて来た。
同じ波長の自然光やレーザー光が反対方向から到来して交叉しても干渉は全く起こらない。単にその付近で定在波が定義できるだけである。しかし自然光もレーザー光も大抵は同じ方向からやって来て干渉する。やって来る方向が多少違えば、干渉はある長さの範囲に限られる。コヒーレンシーという用語を学んだ老若の光学者は、それに空間的のコヒーレンシーいう言葉を与えた。最初にコヒーレンシーという言葉を作った光学者が考えたことは、しかし後続の光学者とは全く違う。それはハイゼンベグの、光子は存在確立としてその辺りにある、という気持ちを擁護しただけである。
正確に言うならば、650nmのLEDの測定波長が50nmの広がりがあるとすると、波束は650x650/50/Piの長さであり、軌道遷移が電子の原子核の回りの4周回で完了しているのに対応している。この約4サイクル分の波束は放射方向にはその長さの広がりを持っている。しかし方位方向には、水面に投じた石の波紋が広がるように放散するので、有限の広がりを言うのは無意味である。これはLD光でも同じである。即ち、空間的なコヒーレンシーというのは言った回数だけ空虚になる用語である。LED/LDからの放射光が、20mmの先で対物レンズに当れば、その程度横に広がっており、2m先で巨大な対物レンズに当ればその程度に広がっている。空間的なコヒーレンシーなどと言う必要は何処にもない。
これに対して、LDからは4サイクルの波束が次々と位相を揃えて放射され、個々の単発的な波束の切れ目など見えず、等価的に巨大な長さの波束であると考えてもよい。従ってその巨大な長さの空間的な広がりを持っていると考えてもよいが、そう考えた所で、何かが特別に実用になる訳ではない。LED光は4サイクル程度の波束であるから、ピット高が1/4波長ではなく、10と1/4波長であれば単発の軌道遷移の放射では干渉をしない。LD光なら干渉をする。だからと言って、そんな状態では使わないので意味があるとは言えない。LEDの4サイクル光では干渉しないのがLDでは干渉する経路長差を時間的コヒーレンシーと呼んで見ても、レーザー物差しに利用できるくらいで、工業的な意味はない。
一つの軌道遷移による発光が東の宇宙の果てで再放射を引き起こし、同時に西の宇宙の果てでも再照射を引き起こし、その2つの再放射は再び出会って、2つの45度に傾けた鏡で同じ方向に向かせれば完璧な干渉を起こす。ただ強度が弱くなっているだけである。また地球の空気の揺らぎ(すなわち空気の再放射)で干渉が不安定なだけである。この系で、空間的にも時間的にもコヒーレンシーというだけ、話がややこしくなる。これはまたアインシュタインのEPRパラドックスを擁護するが、そもそも光電効果で嘘をついたので彼自身のパラドックスになってしまい、ニルスボーアに強く言えなかったのである。光量子は光が量子単位を持つのではなく、それに応答する軌道遷移が、遷移したかしなかったかの整数で数えられるだけのことである。
次に遠方まで細い平行ビームが作れるのは、コヒーレンシーとは何ら直接的な関係がない。細い平行光線が作れるというのは、即ち点光源であるということである。点光源であれば、そこから広い角度で放射する光はレンズによって平行光線になる。それは自然光をレーザー光のどちらでも同じである。位相が揃っている事と、点光源であることは何の関係も無い。1点に光束を絞れるということは、平行光線であることと同じなので、2)と3)は同じ意味になる。1つの軌道遷移による発光は理想的な点光源であるが、弱く、また長く続かない。多くの軌道電子を利用すると、強くなり長く続くが、点光源にはならない。LDは強く長く続き、位相同期によりほぼ点光源として扱える。
大きなエネルギーを持つというのは、大抵の場合1点に集まる単位面積当たりの光量を指している場合が殆どである。単位物体当たりの発光能力はLEDとLDで同じであるが、前方に放射を集中する能力はLDの方が100倍程度大きい。しかしこれはコヒーレンシーとは無関係である。位相が揃っていると言う点では、LD光は位相がほぼ100%揃っておりLEDは全くランダムである。
コヒーレンシーと言う言葉は、位相が揃っていることそのものではなく、元々可干渉性のことを言っている。しかし可干渉性は位相が揃っていることは関係が無く、自然光でも、100%近く位相が揃ったレーザー光でも差は無い。即ちコヒーレンシーという用語は全く論理的な意味が無い。想像するに、コヒーレンシーという概念はアインシュタイン=ハイゼンベルグの波動・粒子の二重性を持つという場合の、存在確率というものを意識して導入した曖昧な概念である。アインシュタインとハイゼンベルグは量子論で対立しているが、量子論を作ったのは光電効果と説明したアインシュタインそのものである。電波を量子論で扱う人はいない。従って光学を電波と同じに扱えれば、当面誰も傷つかない。人々がコヒーレンシーを持ち出した途端に、定量性を失う。光学が電波ならコヒーレンシーはやがて忘れ去られる。電波ではコヒーレンシーなどと言わないからである。そして量子論も数年で姿を消すであろう。なぜならば、半導体の構造も、雑音過程も、核融合も、DNA解析も、超伝導、宇宙の構成も、ビッグバン過程も、その全てが量子論を必要としないからである。量子論を排除した時に、学問と産業は大いに発展し、地球環境は見事に救われる。それが21世紀である。
コヒーレンシーという役に立ったことがない用語は、光学をやる上で量子力学が何の貢献もしないにも関わらず、量子力学を擁護するために作り出された面がある。一つだけ明確なのは、レーザーダイオードという手段で位相が揃った発光を行えるが、それは位相が揃っていることを利用するのではなく、強い発光が行えることを利用しているに過ぎない。レーザー加工も、レーザーメスも同じである。天体からの光の観測も、コヒーレンシーなどは何の関係もない。干渉望遠鏡とは遠くの星の1つの原子の軌道電子が、地球上の2点の望遠鏡に位相差を与えるものである。一つの原子から出ているから、100%相関がある。その望遠鏡間の距離には成果は無関係であるので、空間的なコヒーレンシーなど存在しないことが分かる。一つの原子から発せられた光が違う経路を通って1点を通り過ぎる時に干渉する。また別々の原子からの光どうしも同じく干渉し、鏡で反射しても同じである。一つの原子から発する光は通常数サイクルの波束であり、LEDの場合がこれである。この波束をフーリエ変換すると波長は広がって見える。これは別に雑音が介在して違う周波数のスペクトルが発せられているのではなく波束が短いので周波数領域で広がるのである。原子が軌道遷移に合った周波数の電磁界で励起されると、波束は遥かに長くなる。これをポンピング状態であると解釈するのは誤りである。LEDの場合は直流電界の励起であるから一定の短い波束になる。一つの原子から発せられる光の波束は数サイクルから無限大の長さまであり、hvに相当する値でまとまるというのは19世紀末のマックスプランクの単なる妄想である。LEDを直流駆動すればhvに近いサイクル数になる。
【0009】
<LED/LDの雑音>
もう一つ重要なことは、光束に含まれる雑音である。肝心なことであるにも拘らず広くは知られていないが、同じ光量であればLDの発光に含まれる白色雑音は、数式10、数式11に示すように、LED光や自然光の30〜60倍である。
【数10】
【数11】
発光が完全に不規則であるLEDや自然光と比べ、LDでは一つの自然放出が1000〜4000の誘導放出数を引き起こす形になっている。つまり単位電荷が1000〜4000個の塊で行動するので、qの代わりりにmqを代入するという理解でもよい。誘導放出は種の回りに赤信号族が追従し位相が揃うので、雑音の電力は1000〜4000倍になる。これはツエナーダイオードの直流電流に極めて大きな白色雑音電流が含まれるのと同じ原理である。フォトマルチプライヤーも同じ大きな過剰雑音原理を持つ。LDの場合直流電流が小さいとLED動作になる。LEDモードとLDモードの指向性係数は、40度x20度の楕円放射では、GaNの屈折率が2.5であるから100である。電流増加分に対する光出力の増加分の比が、LEDをLDで100倍違うということである。図20にLEDからLDへの切り替わりを示す。
LDの雑音が自然放出から来ていることは多くの光学者に理解されている。しかし創造主の摂理に反して、この自然放出の雑音から逃れようとして、自己撞着に陥る光学者がいる。哀れである。LDの雑音は正確に知るには、図12に示された仕組みに基づかなければならない。kT/qのTは絶対温度であるが、これは即ち原子核とその周りの軌道電子が、外部からの到来電磁界に呼応して過剰の振動をしてしていることを示している。隔絶された原子核と軌道電子は、このような到来電磁界が無いので、過剰の振動はなくT=0度Kである。これが温度の根源的な定義である。室温T=0度Kに置かれたLDは、印加されたVdcにkT/qを加えた電圧で、内殻軌道と外内殻軌道の間のバンドギャップ電圧を越えようとする。しかしTとは即ちその定義全部が雑音(温度=雑音現象)であるから、流れる電流、即ち発光はまちまちである。このボルツマン温度分散を加えたものがバンドギャップ電圧を越えて発生する電流をショット雑音と呼んでいて、その電力はTに比例するが、熱雑音とは全く違うものである。しかしまちまちの発光の電界がVdcに加わるので、雑音の観点から見るとkT/qが1000〜4000倍大きくなったと同じ、雑音の正帰還が起こるのである。
LED動作でもLD動作でも内部量子効率には変わりはないが、LDは誘導放出によって放射が前方に位相合成されるので閾値を境にして前方への外部量子効率が急激に変化する。LD動作をしているダイオードの駆動電流を減らすとLED動作になり、電流の減少と放射が四方になるので、ピット面の照射は急に少なくなる。一方LED動作では雑音が少ないので、m=2500とするとLDの方が光量は100倍でもC/Nは15dBだけLEDより悪い。ピット高による干渉の明暗パターンも、相変化反射率による明暗パターンも、LEDとLD光の差はない。LEDでデフォーカスして参照光の役割に切り替え、ピットの結像がPD面に来るようにすることができる。その場合の解像度の劣化はNA限界に分割PDの大きさによる開口分を加えたものである。一方古典形式では、NA限界にLDの活性層の大きさによる劣化を加えたものである。この両者は同程度である。このように古典形式は必ずしも優位な方法とは言えない。
従来の光学・半導体技術者の説明は、活性層に空間的な負性抵抗を生じて、これが閾値電流を境にした反転分布による発振現象であるとしたが、とんでもない間違いである。具体的には光の往復の電磁界がバンドギャップを超えると各発光点からの放出が位相を揃えるが、閾値以下では発光の位相は完全に不規則になるのである。決して発振している訳ではなく、単に位相の揃う発光機構である。ダイオード自体がトンネルダイオードとして微分的な負性領域を持っている訳ではない。電流と発光量の総和の関係はただひたすら単調増加をし、発熱によって飽和に近づくことは、LEDとLDで全く同じである。
従って、レーザーが時折レーザー発振器と呼ばれるのは、用語として間違いである。ガスレーザーでも、半導体レーザーでも発振機構を持っていない。たとえば導波管や同軸ケーブルに乱れた波を入力しても伝播して行く中で斉一なモードになる。LDは全く同じ原理で斉一な放射をする発光機構である。LDはLEDに比べて、雑音を犠牲にして点光源性を獲得したものである。LEDでは光源の大きさが活性層のWxHxLそのものであるが、LDでは位相同期モードでそれが遠方から見るとΔWxΔHxΔLの大きさになるのである。LDのでも干渉性に関しては、たとえば自然光でもLD光でも無反射コーティングの恩恵を同じに受けるように、LED光とLD光の間には全く差異がない。LD光がコヒーレントだから干渉するというのは全くの出鱈目であり、そのものはコヒーレントという言葉を間違って使っているのである。そればかりかコヒーレントという言葉が何の用途にも使えないのである。暫定案として考えられるのはコヒーレントという用語を廃絶しレーザーダイオード性と言い換えれば、これ以上の間違いの機会は減る。
電流によってマルチスペクトルモードが変化する機構は単純明快である。発光による位相がほぼ揃った電磁界の往復が、活性層のWxHの外側でバンドギャップを越える境界線が、電流の増加とともに広がって行くからである。これは量子井戸などの観念ではではとても3次元解析はできないが、この方法により簡単に、極めて高精度の解析ができる。これにより、LED発光のダイオード開発とLDの開発には全く時間差はなくなり、ダイオード開発と平行してLDモードの動作解析をして置くだけの事になり、レーザー室温発振に成功したというニュースは意味がなくなる。
N倍速再生の光電流の帯域幅を1GHzとすれば、C/N30dBを与えるためのLDをLEDにそれぞれ必要な直流電流は、m=2500として数式12である。LED光の場合は数式13である。
【数12】
【数13】
NAとLEDチップの屈折率を考慮すると、LEDに必要な電流は30uAである。PDの容量を2fFとすると、100MHzでのインピーダンスは800Kオームである。これに信号電流0.1mA/rmsが流れて生じる起電力は十分に大きい。
PDは入射した光を、表面の反射分を除いた分の80%以上を電流に変換することができる。この電流がPDの対地容量に流れて電圧に変換される。従って信号電圧は周波数に反比例する。同時に雑音電流も周波数に反比例するので、PDでのC/NはPDの静電容量値に依存しない。しかしながら初段増幅器の雑音は周波数に依存しないのでPDの容量を減らすことはが極めて重要である。負帰還によって光電圧の応答を周波数に対して平坦にした場合は、初段の増幅器の雑音が周波数に比例して増加する結果をもたらすので、C/Nに変化はない。従来の4分割PDは不必要に面積が大きいので、雑音に関してはよくない方式である。分割PDは像倍率の小さい場所に置くことが正しい設計である。図21にPDアレーと初段増幅器の典型例を示す。PDはSiO2のディープトレンチで側面の接合容量を減らしている。シリコンの屈折率と空気の屈折率の違いでPDの表面の反射損失が起こることを認識しなくてはいけない。405nmの波長でのシリコンへの浸透の深さは極めて短い。
【特許文献1】特開2008−41173
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決すべき課題は以下である。
1)CD/DVD/BDの読み書き用OPを大幅に単純化する
2)BDの25GBの記録容量を立体テレビ情報がを挿入できる40GBにエンハンスする
3)100GB、250GBの天上解光ディスクを波長405nmの条件でProduceする
4)レーザーダイオードの寿命を10倍以上に延ばす
5)光ディスクの記録形態が多岐に亘るのを統一し、全てを消去・再記録可能にする
6)OPの機械的な制御部を電子的なものに置き換える
7)他の記録メディアとの役割分担を分かり易くする
8)真性立体TVが存在していない
であると言うことができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
光ディスク、相変化、レーザーダイオードの物理学を根本から立て直すことが課題を解決するための手段である。その新しい物理原理の理解に基づいて、たとえば前述のように数式が明らかになり、コンピューターのシミュレーションで全ての動作が2%以内の精度で解析できるようにし、世界の設計技術者が到達し得るレベルを大幅に引き上げることができる。20世紀物理学の理解のまま開発を続けるのは急がば回れで、創造主の決まりを理解するのが先である。
【発明の効果】
【0012】
OPは革命的に簡単な構造になった。同時に今後100年間有効であろう天上解の光ディスクの構成も明確になった。諸悪の根源となった領土に旗を立てる開拓者精神を破棄し、産業革命の落とし子である資本主義の弊害から離れ、最再先端技術ではなく、創造主が用意しているものに気づくのが最終的な形である。本論術ではこれまでなし得なかった光ディスクの進展が一挙にもたらされ、同時に将来とも人類がなし得ないことを明確にした。本論術で新しく作り出され、あるいは新しく明らかになったものは
1)BD/DVD/CDの3−WayOPの部品数が半減し簡素化された
2)従来の古典形式と比べて小型の、近代形式OPと現代形式OPが可能になった
3)LDアレーがレンズの役割をする2.5mgのCSOP(チップサイズOP)が可能になった
4)ダークライン成長の真のメカニズムが明らかにされ、、
5)使い切りLD−OPペアにより、プレーヤーの寿命が数倍になる
6)相変化の真のメカニズムが明らかにされ、、
7)消去・記録・再生が同時に行え、また書き直し可能になった
8)真性立体TV、真性立体音響、3D−GUI、画像・音像の個人化の実用化にめど
9)EBD/40GBで立体HiVision読み書きが可能になった
10)SuperVision(100“)、NaturalVision(200”)の実用化にめど
11)SBD/100GBで読み書きが可能になった
12)NBDシート/250GBで読み書きが可能になった
13)NBDシートで1Gbpsの読み書きの転送レートが可能になった
14)光が粒子でも波動でも粒子・波動の二重性でもないことが次第に明らかになり、、
15)OPに於いてコヒーレンシーと言う観念の意味はなく、正確な光学モデルになり、、
16)LD発光の位相同期のメカニズムが明らかになって、評価計算式が与えられた
17)若し色素マーカーをつけられればOPで癌を検知・破壊でき、人は癌で死なない
18)光ディスクのフォーマット開発に数年掛かったのはモデル化により数週間になる
19)LDの多波長モードと戻り光問題を解消
20)従来にない高照射効率の画像表示装置が得られた
21)真性の立体映像表示装置が得られた
22)CSOPがをレーザープリンターの機構的部分の一部を電子的なものに置き換える
という点が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<NA限界とサイドローブの減殺>
古典光学がいうように解像度は1/NAで決まる。しかし人間の眼球レンズのように物体からの放射光が一様分布でレンズに照射されるのが一般的であり、その場合はサードローブ群があらわれる。人間の視神経・画像認識には恐らくこのサイドローブを打ち消すような機構が備わっていると思われる。サイドローブを無くして、主ビームだけにするためにはコサイン分布より更になだらかな照射が必要である。しかしこれは主にレンズの中央を強調して使う訳であるから、NAが等価的に小さくなり主ビームの幅は広くなってしまう。結局サイドローブは必要悪として共存して行くしかない。記録時はサイドローブがあっても、古典的説明で言うキューリ点を越える熱領域は小さいので、トラック間干渉は問題が起こらない。再生時には、人間の視神経のようにサイドローブを打ち消すようなPDアレーでのイコライズが行われればよい。
ここに、LDの波長と対物レンズのNAで決まる解像度の限界則を少し修正させる方法が存在する。点光源と収差の無い対物レンズと照射分布で解像度が決まる。現実のLDは点光源ではなく位相分散の分だけスポット径はNA限界よりも大きい。マルチストライプのLDを調べると、隣接した2本のLDストライプの間には電磁界結合があり、誘導放出の同期が取れて放射の位相が同じになる。図22に示す、結合した2つのLC共振回路の共振電流の間の位相関係と同じである。一列に並べた3本のLDでは、決まった対称的な位相に固定される。
同じ405nmの波長とNA=0.85を使い、サイドローブのない小さいスポットを作るのに2つの方法がある。
1)中央のLDでコサイン分布を照射した対物レンズを通して結像されるスポットの強度分布の裾野を両側の反対位相のスポットで打ち消して、サイドローブを打ち消すこと
2)中央のLDで一様分布を照射した対物レンズを通して結像される小さいスポットのサイドローブを両側の反対位相のスポットで打ち消して全体のスポットを小さくすること
図23は1次元のレンズでマルチストライプ補正を行ったスポットの形状である。その原理は放射の隣り合うサイドローブは逆位相なので、開口を広げればキャンセルし合うものである。この開口逆補正で主ビームが少し広がり、サイドローブは少なくなることが分かる。NAが大きくなるとその効果は少なくなる。実際の2次元のレンズでは、円形分布(一様照射でcotan分布になる)であり、最初から主ビームは広く、またサイドローブは減っている。
数式14はその仕組みを表す式である。
【数14】
図23に示した1次元のサイドローブ減殺術は、実際は図24に示すように2次元で行われる。
数式15はその仕組みを表す式である。
【数15】
【0014】
<ダークラインの回避>
光ディスクドライブの中で、耐久性を決めているのは
1)LDのダークラインの成長
2)レンズにタバコの煙などが微小粒子が付着すること
の2点が他の故障に比べて圧倒的に多く、商品としては存在意義が問われるものである。このうち煙の粒子の付着は清掃が可能であるが、ダークラインの成長に関しては、ドライブを買い換えるしか手が無い。ダークラインの成長はLDの初期エージングで予見できるので、ある程度は組み立ての前に排除ができる。ダークラインは過度の発光による熱の集中で格子欠陥が成長するものであると言われて来た。ハーフミラーを取り除くアーキテクチャーで、ダークラインの市場経年故障率は大幅に低下することが期待できる。また読み出し時は電流の大きいLD動作から電流の少ないLED動作に切り替えることで、大幅な故障率の低下が期待できる。しかしながら市場経年故障率をほぼゼロにするにはマルチストライプのLD/PDを切り替えて使うしか方法がない。ダークラインの成長が次の発光層まで成長する前に切り替えなければならない。この切り替えのシフト許容距離は、図69に示す対物レンズのフォーカル域内である。Skewエラーとして捉えると、Skewの許容角が0.2度ならば、それに動作距離の1mmを乗じ、更にa/bを乗じた30um程度が許容範囲である。
これまでLDがプレーヤー全体の寿命を支配しているダークラインの成長は熱の集中であると説明されて来たが、真相は少し違う。高熱を加えれば、不純物は再拡散し、また格子欠陥は修復される傾向にある。結論を言うならこれは熱問題ではない。それでは起こっている現実を明かそう。
LDの発光とは、結晶構造にある活性層の中の全化合物分子の発光波長での振動である。これに呼応してプラスチックで作られている対物レンズの結晶構造ではない全分子は同期した振動をする。周辺に行くほど経路長が短くなっている対物レンズの同期振動は、LDとは反対側の、3次元空間の1点にだけ位相集中を起こし、3次元空間のそれ以外の場所には何も起こさない。たとえそれが、対物レンズと集中点を結ぶ間の空間であっても、そこには何も起こして居ない。
即ち、活性層の全発光的振動は、相変化記録層のスポットが当った空間に、呼応した振動を、対物レンズの仲介振動を介して行っており、エネルギー的な観念を持ち込むならば、活性層の振動の全エネルギーは相変化記録層のスポットの全振動エネルギーと1:1の関係にある。これはアンテナからの放射電界が距離に反比例して減衰するというようなオリバーヘビサイド的なものではなく、1:1のPoint−to−Pointの関係になるのである。相変化記録層ではこの振動エネルギーは結晶構造を変えるレベルにある。これが記録の基本的な原理である。従って活性層の中の振動エネルギーの自身の結晶構造を変えるレベルにある。
我々はこの摂理に先ず敬意を払わねばならない。相手を傷つけて自分は無傷でいることは摂理に反している。そんな虫のいいことを考えてはいけない。狩猟をしてそれを食するなら、そのものに先ず感謝を捧げるのが豊かな民族である証である。その上で、若し自らはこれからも数限りないピットを消去・記録・再生しなければならないことを告げ、明日も生きることを願うのなら、初めて生き続けることを許されるのである。
層変化記録層の結晶・アモルファスの分子間結合のバンドギャップ電圧と活性層の化合物分子間結合のバンドギャップ電圧のどちらが高いかの勝負をしているのである。分子が大きければ(高分子であれば)、同じバンドギャップ電圧を与えるのにより大きな電界が必要である。活性層の大きさが2umx1umx250umであれば、その全振動エネルギーは0.4umx0.4umx2umほどの立体空間に伝えられる。そのスポット空間の振動はすぐに周辺に伝えられる。
LDの活性層の同期振動が化合物の分子間結合のバンドギャップを越しても、そのまま結晶構造の溶融にはならない。外乱がなければまた何事もなかったかのように結晶であるふりをしているだろう。たとえ化合物の分子間結合のバンドギャップを越していても、それは何時でも結晶が崩壊するには束縛がないと言うだけで、実際には結晶の位置からは移動していないからである。浮石のようなもので、実際に踏まなければ崩落は起きない。
確かに、不純物や、小さな格子欠陥があればそれが成長のきっかけにはなる。しかしダークラインの成長とは、もっと根本的な職業病である。その意味では格子欠陥を無くすことなど意味がない。ダークラインの成長を熱のせいにするのは、学校をずる休みするようなものだ。起こっている現象を正しく認識し、往復光の電磁界が化合物の分子間結合のバンドギャップ電圧をどの位越えるのかを認識しなければならない。20世紀の物理学は、仮説の上に仮説を塗り固めたが、21世紀は全て定量的であって1点の曇りもあってはならない。全ては仮説を用いず、ガリレオまでの正統的な事実で、一歩一歩確実なことで構築されなければならない。
ハーフミラーを用いる古典形式では、損失分だけ活性層の振動を倍にしなければならない。もっと馬鹿げているのは、発光端面の反射鏡の反射率を99%にして、透過率を1%とすることである。そんなことをしたら、端面から出て行って相変化記録層で結晶を崩すエネルギーに対して、活性層に篭るエネルギーは99倍になり、定在波の振幅は198倍になってしまう。相変化記録層で結晶を崩す前に活性層の結晶が崩れてしまうのは当たり前である。
LDに求められるのは何か?それはLED動作では四方に放射される光を、LD動作にして光の強さを図20に示すように、指向性利得として約100にすることである。またこれに伴って点光源の大きさはLEDより格段に小さくなる。しかるに、自己振幅が198倍になったのでは本末転倒である。電流を閾値以上に増やして行ってLDモードにする観念から開放され、発光端面の反射鏡の反射率を徐々に上げて行って、LDモードに切り替わる点を求め、そこから余裕を持ってLD動作をさせるのが正しい設計の手順である。N倍速記録の余裕度も十分に考慮されなければならない。
これまで世界中の人々が20世紀物理学的な観念で間違って設計されたLD、OP、ディスクドライブを持つ、PCやディスクプレーヤーを、このダークライン問題のために、泣く泣く修理を断念し、直せるものを廃棄して来たことであろうか。発光端面の反射鏡の反射率を下げようなどと考えたLDの設計者などいなかったのである。いいこと尽くめのものなどない。創造主は恐るべき公平である。
レーザーダイオードを光ディスクの記録・再生に使う限りに於いては、面発光程度の共振行路長で十分である。また発光面の透過率はできる限り大きくすべきである。レーザーダイオードを機械加工などに使いたい場合は、位相同期したLDを並列に駆動すればよい。
【0015】
<面発光LDのポインター>
レーザーは長い往復長で有効に狭いビームを作っていると考えるのは間違いである。この機構は縦列位相合成放射アレーであって、狭い指向性を持たせるのであれば並列位相合成放射アレーの方がより狭い指向性を持たせることができる。図26は1000波長の長さの縦列位相合成放射アレーと1000波長の長さの並列位相合成放射アレーの放射指向性を示したものである。従来の赤色LDポインターは、端面発光の縦列位相合成放射アレーであり広い放射指向性をエポキシパッケージレンズで細いビームに絞っている。面発光LDの並列位相合成放射アレーのポインターは、同期面発光そのもので既にビームが絞られている
数式16は縦列位相合成放射アレーの指向性である。
【数16】
数式17は並列位相合成放射アレーの指向性である。
【数17】
【0016】
<同期面発光LDによるCSOP>
21世紀真性物理学は創造主の摂理と人々を近づけ、工業製品デザイナーは専ら農業するを主としながら世界の人々に供給する製品技術を耕する道具を作る合間に必要に応じて行うが、それは20世紀の物理学に基づく製品設計のように積み上げられた技術体系の上に屋を設けるのではなく、利用できる材料で土の上に建てるのである。その違いたるを図27お見せすることにしよう。
必要なものは光と眼である。面発光のLDアレーの活性層配置を、ある規則に従って並べれば、NA=0.80(方形)〜0.85(円形)に相当する解像度で、0.1mmの保護層の非点収差を補正して中心線上にスポットを作る。図27の2つの光学系の機能は同等である。シリコンチップと化合物チップを張り合わせた部品は1点と看做して頂くと気持ちがよい。この光学系は、BDの読み書き専用で使うことも、CDもDVDもEBDも読み書きする仕様で使うことも。この21世紀型地上解の光学系はダークラインマターを持たない。
CSOP(チップサイズOP)は軽量であるためにディスク面との距離は0.5mmを許容している。擬似物理学製も真性物理学製も共に、フォーカスサーボコイル駆動、トラッキングサーボコイル駆動、Skewサーボコイル駆動を必要としている。農をしながら世界製品を作る兼業技術者は、土の上で考える。彼は、創造主がどんな問題にも答えを用意していることを知っている。レンズのことは聞いたことがなくても、創造主の摂理は心得ていて、光がピットに集中するように紙と鉛筆で創造主が用意している答えを見つけに森に行くのである。森の中には木漏れ陽があり、光に関することは何でも教えてくれる。
図28はX−Y平面内の20波長角内のスポット形状と、CSOPの寸法である。面発光LDアレーは全活性層が同じ発光位相としてシミュレーションをしているが、プログレッシブに変化する場合には、活性層配置のX−Y座標を位相差に応じてシフトすればよいので、グラフの結果は同じになる。発光面は円形である場合はNA=0.85であり、電流は一様分布である。従来のLDと円形レンズよりビーム径は小さい。真性物理学がもたらすものは簡素であり、LaserCouplerのようなPD−LDの位置合わせはなく、サーボコントロールは以下の如くシンプルである。
1)RF信号:ピット部で(A+B)、(鏡面部/ピット部境界でC,Dを参考)
2)トラッキング:ピット部で(A−B)
3)フォーカス:鏡面部で(A+B)
4)Skew:鏡面部で(A−B)、(C−D)
位相同期した面発光LD2次元アレー各活性層の配置を選べば合成位相光はOPの動作距離の一点に集中し、焦点距離、Skew、トラッキングは電流分布を変えれば電子的な調整・追尾ができるが、地上解ではそれは電子的には固定して、電磁コイルでサーボを掛ける。LDアレーチップの大きさは1.6mm角であり、NAは0.8(方形)である。OEICはシリコンチップであり、2.4mm角である。
数式18はX−Y平面のBD/DVD/CDのスポット形状を導く式であるが、この中に一点にスポットを形成するために活性層配列の配合の秘密が含まれている。
【数18】
【0017】
<ピット面のアルミ層表面反射について>
金属による電波や光の反射を物理学的に正しく理解して置こう。金属は十分な伝導度を持った導体であると考える。どんな場合にでも有効な考え方は、如何なる形の放射体でも、反射する金属を挟んだ鏡像の位置に線対照に虚像を置き、放射体に流れている電流と全く逆向きの電流を流したとすれば、この2つの放射体からの電磁波は、金属の表面に同じ時刻に到達し、金属の表面付近では金属の接線方向の電界がゼロになるばかりでなく、法線方向の電界も表面ではゼロになる。実際には、金属の表面層に再放射電流が流れて、その放射電界の総和が、あたかも鏡像の放射体から逆向きの電流による放射あったのと同じになるのである。
ピット面のアルミ層の反射波とは、到来電磁界(光)によって引き起こされた再放射である。CDが市場に導入された初期は、光ディスクにはコヒーレントなレーザー光源が欠かせない、ピットの明暗像はコヒーレント光によってのみ引き起こされると開発者達による間違った断言がなされ、世界の全員はそれを信じた。しばらくして平坦な層で反射率を変化させる記録方式のCD−Rが実現され広く普及した。コヒーレント光が必要だとか、ピット光の干渉が唯一の方法であるという、ピット型CDの開発者達は傲慢にも間違いを訂正せず、曖昧なまま今日に至っているのが光ディスクの歴史である。その曖昧さを保つのに使われたのがコヒーレント性という用語であった。しかしこれは記録時に於いても、再生時に於いても説明責任も任命責任も果たさない。スポット径の大きさはコヒーレント性とは無関係である。LDが使われる唯一の利点は、前面放射能力がLEDより格段に大きいことだけである。
高低差ピットや相変化ピットからの再放射光が対物レンズを通してどのようなパターンをPD面に結像するか、レンズを通さずどのような明暗分布をPD面に形成するのかは再放射だけで決まり、本論術によって極めて単純な計算で算出されるようになった。大いに活用して頂きたい。再放射を決めるのは到来光の位相と振幅である。LDを光源に使った場合は到来光の位相は揃っている。LED光でも、波束は1波長より長いので、明暗の度合いはLD光と同一である。
これまで人々が疑心暗鬼になるのは一つの光子と呼ばれる単位が一体どのくらいの空間的な広がりを持っているのかと言う、これまでショレディンガーも誰も明らかにしてくれなかったことが分からなかったことである。LED光では一つの光子がピットの程度には時間的・空間的に広がっていてくれなければ、明暗ができることが理解されない。ところが、光子がコヒーレント集団を形成していれば、そのような説明の困難性から逃避できるのである。これが歴史である。しかしLEDとLDでピットの明暗に全く差がない事実を突きつけられると、今度はコヒーレント集団ではなく、技術者集団に逃げ込むのである。これも歴史である。
到来光が単純な領域照明の参照光であれば、対物レンズを通してピット面の像がPD面に、NA限界の解像度で現れる。参照光が対物レンズを通してNA限界で到来したことは直接関係がなくなる。参照光が領域ではなく、当該ピットのみを照明する場合は、PD面の像がマスクされることに相当する。微小PDアレーに於いて、各素子がピット像を捉える場合は、PD面の像がマスクされていることは不必要であり、またマスクの強度分布が信号に変化を与えるので、マスク範囲は広い方がよい。その一方で、隣接トラックがマスクされていれば、その分PD面での隣接トラックからのクロストークが減ることになる。この機構が光ディスクの読み出しの本質の全てを表している。
PDで読み取られる前は全ての光学的動作は位相情報を含んでおり、正の光と負の光を足せばゼロになる。しかしPDで読み取られて直流電流になった後は、正の光も負の光も正の直流電流となりそれを足してもゼロにはならない。この光は足せばゼロになり得るという事実は、光学系の設計に於いて極めて重要である。全ての疑問が氷解するのは、反射とはアルミ層からの再放射だと聞かされたときである。光や電磁波など存在していないのだ。
【0018】
<光ディスク読み出しの物理原理>
古典形式を含む光ディスクの地上解に於いて、LDは本来スポットを選択する参照光であって、位相同期光はスポットを絞ることと可干渉性に於いてはLEDと比べて優位性を持ってはいないことは先に述べた。位相同期光である利点は唯一、前方への放射効率がLEDと比べて100倍ほど高くなることである。高低差ピットや書き込み可能な相変化ピットの反射光分布は、極めて簡単に正確なシミュレーションができるので、今後の光ディスク開発は20世紀物理学的観念のものでも、21世紀真性物理学のものでも短時間で行うことが可能になる。天上解の光ディスクはしかし、2012年からBDを置き換え、フラッシュメモリ、DRAM、HDDとの境界をなくす。天上解の光ディスクは特別な技術開発を必要とせず、ただ創造主が用意した原点に回帰するのである。
小さいビームスポットに絞られた光の反射は、周りの空間に強度パターンを作る。Philips=Sony式OPではこの強度パターンを対物レンズで再び集光させて、4分割PDで検出し、EFM変調信号の他、フォーカス情報、トラッキング情報、Skew情報を取り出しているが、この過程は冗長であり、反射光からこれらの情報を検出するのに、対物レンズを通して行う必要はなく、ただ反射光をピックアップすればいいことは誰もが気づくことである。それをさせなかったのは20世紀物理学の因習である。
【0019】
<読み出しのIntrinsic−Beauty>
スポットに絞られた照射光で、ピット情報を読み出すのに、図30に示すような、驚くほど合理的な方法が存在する。これは20世紀型であるか、21世紀型であるかに関わらず有効で、Intrinsic−Beatyと呼べるものである。ピット面の鏡面部では、コーン状に光束が絞られた光は、鏡面に当って同じコーンの形状をたどって、再び対物レンズに照射される。この戻り光の強度分布は、ピットから対物レンズに至るどの断面で切っても相似関係にある。簡単のために対物レンズの位置で断面を切る。
この断面、即ちディスクからの反射光を対物レンズがピックアップする平面では、必要な情報がそのままの形で存在している。その上、アンダーフォーカスの検出を除いて、必要な情報が対物レンズの外側の領域で検出できる。RF信号波対物レンズの中央で検出した方がいいように一見思うかも知れないが、それは誤りである。必要なものはピットの輪郭であり、それは全て対物レンズの外側の領域にあるのである。考えてみるとこれは当然のことである。何故ならばピットが無い鏡面部では反射光は丁度対物レンズとぴったり重なるので何も変化が無く、若し何かディスク面にあれば必ず外側に情報が現れるからである。
これに対してLDの位置に再び集光した場所では、情報が失われてしまっているか、または間接的な情報になっているかである。
【0020】
<高低差ピットと相変化ピット>
図31に示すようにな、最線専用の高低差ピットでも、記録可能な相変化ピットでも、基本的な反射光のパターンは同じである。スポット径がピット幅より小さいと、高低差ピットではピットの輪郭が現れるだけであるが、実際にはスポット径は、ピット上の面積の光強度とピット外の面積の光強度が同程度になるようにして、変調が最大になるように努力しているので、高低差ピットと相変化ピットは同様のPD応答になるのである。
光ディスクドライブ内部では外光が遮断されており、またLDと対物レンズで絞られたビームスポットは、読み出し・書き込むピットにしか照射されていない。従ってドライブの内部空間の光は、ピット以外の情報が含まれていないという特徴がある。
【0021】
<PDアレーの大きさと周波数特性>
対物レンズによってピットからの反射光の強度パターンをLDと同じ面に結像するとPDの面積は小さくて済むので、PN接合の容量値が小さくなる。レンズを介さない場合は、反射光の空間の広がりを検出するので、PDの面積は大きくなり、PN接合の容量値は大きくなるので、高速化の障害になる。障害はまたこれを克服した時には差別化の機会を与えるのが常である。
PDの対地容量は、OEICにおいては、側面のPN接合容量と底面のPN接合容量からなる。このうち、側面のIsolationはSiO2に置き換えられるので、容量を十分に減らせる。底面はPN接合の逆バイアス電圧を大きくし空乏層を広げ、またP層とN層を低濃度にする。空乏層ではドリフトを受けるので高速である。
天上解では2次元のピットを読むので、速度のストレスが8倍楽になっている。
【0022】
<ピット部での反射光解析>
図32は対物レンズを通さないY方向の反射光の角度分布である。トラックピッチは0.32umであり、屈折率の高い液体中で露光されたマスターディスクからスタンプされたピットの幅はトラックピッチの30%から変化させている。スポットの照射はコサイン分布である。
数式19はピット部反射の角度分布である。
【数19】
【0023】
<PDとLDの鏡像位置合わせ>
Philips=Sonyの古典形式では4分割PDはLDの発光点と鏡像の位置関係にあり、その位置合わせが1um程度の精度を要した。近代形式と現代形式ではこの位置合わせは不必要である。古典形式では4分割PDをトラックピッチ0.32um程度の大きさで作ることはできないので、a:bを大きくしなければならず、OPを小さく作るのには限界があった。近代形式と現代形式にはその要件がない。
【0024】
<Cosine分布照射でのBDのスポット>
先ず405nmのLDのNA=0.85のレンズによるビームスポットを吟味して見よう。この関係は従来明確な理論が存在していなかったが、ここに初めてそれが簡単な方法で明確にされた。それが正しい光ディスクの出発点であり、これによって光ディスクの開発が極めて短期間になることが期待できる。図33にCosine照射分布のBDのスポット強度分布を示す。
数式20はスポットの2次元分布である。
【数20】
【0025】
<a,bの考慮>
図34はa,bのNA寄与をどちらも考慮した場合のスポット形状である。
数式21はその応答式である。
【数21】
【0026】
<点光源の大きさ>
LDを点光源ではなく活性層の実効的な大きさに像倍率を乗じたものとしたときの像が重畳されたスポット分布になる。BDはこの形で動作している。スポット径の定義や、LD光の照射分布に左右されるが、強度半値全角で定義するなら、スポット径は波長の1.2倍をNAで割った値となる。
数式22はスポット径とNAの経験式である。屈折率の媒質中では波長が1/nとなることを示すが、ピットの深さは1/nに浮き上がって上面から見えることになる。しかしスポット径は空気中に形成されるスポット径と同じDである。何故であろうか?それは媒質中ではNAが1/nに小さくなるために、波長が1/nになる効果を打ち消してしまうからである。BDのマスタリング工程のように屈折率の高い液体中で放射された光を結像して露光する場合は解像度が上がるのである。
【数22】
【0027】
<bと無関係なスポット形状>
古典的光学理論が言うように、スポット径は波長とNAだけで決まり、レンズの径には無関係であることが計算式から分かる。図35にNA=0.85を保って、対物レンズとLDピット間の距離bを変化させた時のスポットの強度分布を示す。
数式23はその検証に使う式である。
【数23】
スポット形状はbには依存せず、(1/a+1/b)、即ちNAだけで決まることが分かる。
【0028】
<一様分布照射>
対物レンズに均一な照射を行った場合のスポットの2次元の強度分布を図23に、その式を数式24で示す。BDのNA=0.85ではなく、NA=0.65でもLDの照射を一様分布に近づければ、405nmの波長で同等のスポット径が得られる。サイドローブは若干増加する。
【数24】
【0029】
<中抜き分布照射>
ハーフミラーを使わず、中心軸上のレンズを通さない小さなPDで反射光を検出する場合にレンズや凹面反射鏡の中央にはLDの放射を照射できない。この中抜き照射はNAを更に大きくしたのと同等である。主ビームは細くなり、サイドローブが大きくなる。
中抜き分布の様態を数式25に示す。
【数25】
【0030】
<2分割PDの役割>
ピットのない鏡面部では、入射角に対する強度分布はそのままの分布で反射される。1/4波長の高さのピット部分では中心軸方向の強度が減殺され、両サイドの分布が増加する。BDではトラックピッチは0.32umであり、屈折率の高い液体中で露光されたマスターディスクからスタンプさたものである。
ピット検出の反射光分布を数式26に示す。
【数26】
【0031】
<トラッキングサーボ>
レンズを通して反射光を検出するPhilips=Sonyの古典形式でも、レンズを通さない近代形式/現代形式でも、トラッキング検出のPush−Pull法は等価ピット高が1/4波長ではエラー検出ができないので、検出信号振幅を多少犠牲にしてトラッキング検出を行うことができる。
数式27はトラッキングエラー信号の再放射分布を示す。
【数27】
【0032】
<フォーカスサーボ>
光ディスクの光学系が正常に動作している時は、光のビームスポットは最小であり、アンダーフォーカスの方向にずれても、オーバーフォーカスの方向にずれてもスポット径は大きくなるので、ゼロクロスするS字出力を得るために工夫が要る。どちらかにずらせてみてスポット径が大きくなったら、逆の方向に行き、どちらにずらせてもスポット径が大きくなるならそこが最適であるという収束論理は応答が遅い。ウォブリング信号を重畳するのは系に影響を与える。Philips=Sonyの古典形式では、フォーカスサーボは2枚のかまぼこレンズを使う非点収差法によってS字出力を得る方法が一般的に用いられるが、これはスポット径のよさがかまぼこレンズによって少し損なわれる。現代形式ではPDとLDのフォーカルプレーンがずれているのを利用して、デフォーカスのS字が検出される。近代形式ではピットと対物レンズの間にあるPDに入る光量が対物レンズとディスクのピットの距離の変化に対して直線的に変わるのを検出してゼロクロスするS字出力とする情報を参照する。ゼロクロスの基準はピット部での反射光の光軸上の暗部が、ピット高干渉でも相変化反射でも最低になることで決められる。形式によらず、線速度に対応したRF信号の最高周波成分を見て確認が行われる。
数式28はフォーカスエラー信号の抽出の過程を表す式である。
【数28】
【0033】
<非点収差バランスシートの解決>
非点収差はディスクの保護層の厚みと屈折率、及びLDの活性層の長さと屈折率によって、正負反対の向きで起こる。若しディスク保護層とLDの屈折率が同じで保護層の厚みとLDの発光点の深さが同じなら、両者の非点収差は丁度打ち消すことになる。実際には、非球面レンズ、保護層、ハーフミラー、LDの4者で非点収差はゼロになるように設計される。これに加えて非点収差補正レンズと追加するのは冗長な設計である。
780nm/650nm/405nmの3波長に分化したCD/DVD/BDを読み書きする3WayのOPを単一の波長で実現することは不可能である。それはトラッキングエラー信号の要求が0〜1/4波長であり、単一波長ではその条件が満足されないからである。従って課題は、780nmと650nmの波長で用意されたCDとDVDのディスクを単一の波長で読み書きできるかどうかということになる。その場合780/650=1.2であるからピット高に関しては問題がない。唯一の問題は保護層の厚みがCDでは1.2mmであるのに対して、DVDでは0.6mmであることである。波長は当然のことながら短い方が有利であるから650nmが選ばれる。
保護層がDVDの0.6mmからCDの1.2mmに、+0.6mm増加するための手の施しようがないと思われる非点収差の変化を、特別な光学部品や特別の手段を用いないで打ち消す唯一の方法が存在する。それは同じレンズの焦点距離の元で、a:bの比をDVDとCDの間で2倍変変化させるのである。そうすると光ディスク側で保護層の厚みがDVD/CD切り替えで2倍変化しても、LD側からは一定の保護層の厚みになって見えるので、対物レンズの両側で非点収差が釣り合うことになる。その上で、CDモードで僅かに非点収差を与える側に戻せば、スポット径はDVDのスポット径の2.2倍(=1600nm/740nm)にすることができ、650nmのLD光から作ったその応答は、780nmのLD光から作った応答と比べてサイドローブのない綺麗なスポット形状となる。図41にその原理を示す。
これによって、図42に示すように、単一のInGaAlPの650nmのLDと単一のレンズでDVD用のスポットとCD用のスポットを作り出すことができた。
数式29は1.2mmと0.6mmの厚み切り替えに対応した式である。
【数29】
その他、対物レンズの両側の非点収差をお互いが正負で打ち消し合うようにして、非球面レンズと非点収差ニュートラルが達成され、BD/DVD/CDそれぞれの非点収差補正が不要になった。このようにして、CD/DVD/BDの読み書きの3WayOPは、図43に示すように、2つの光源の波長650nmと405nmの2つで行われることになった。
表1は非点収差バランスである。
【表1】
【0034】
<Skewエラー>
OPが小型・軽量で、対物レンズ・PD・LDを一体として駆動できる場合は、Skewエラーとは、OPの光軸とディスクのピット面が直角とならないために、0.1mmの表面保護層の非点収差の光軸の回りの非対称が現れ、これを一般的には補正できないので、光軸に対して保護層の面が常に直角になるようにX−Yの2軸でOPの姿勢制御をしなければならないのと同義語になる。この他、ピット面が光軸に対して傾くと反射光が対物レンズから外れるがこれは大きな問題にはならない。図44にSkewエラーがあった場合のスポット形状を示す。
数式30はSkewエラー角とスポットのX−Y平面での2次元分布を表す式である。
【数30】
【0035】
<OPの現代形式>
OPの古典形式は
1)LDからピット面の経路、ピット面からPDの経路の双方とも対物レンズを通る
2)LD端面の中心とPD領域の中心が一致して、2つの経路は等しくジャストフォーカスする
3)ハーフミラーを使いLDの発光中心とPDの中心が鏡像関係にある
で定義され、従来のOPは画一的にこの方式である。しかしこの方法は冗長である。一方の現代形式OPは
1)LDからピット面の経路、ピット面からPDの経路の双方とも対物レンズを通るとは限らない
2)LD端面の中心とPD領域の中心は一致せず、2つの経路は等しくジャストフォーカスしない
3)ハーフミラーを使うとは限らない
現代形式は軽量・小型であるために、対物レンズ・PD・LDは一体であり、ピット面を光の収束点で捉えるようにトラッキングサーボとフォーカスサーボでこの光学ユニット全体を駆動する。図45に示されるこの形式の特徴は、光軸上でPDとLDの位置が前後にずれていることである。またA/B/C/Dの4分割PDでトラッキングサーボとフォーカスサーボとSkewサーボを行う。現代形式は無駄のない自然解の一つであると言える。記録時はLDの発光点とディスクのピット面はジャストフォーカスの関係が保たれる。4分割PDの機能は
a)フォーカス:鏡面部照射の(A+B)−(C+D)のS字出力
b)グルーブトラッキング:ピット部照射のC−D
c)X軸Skew:鏡面部照射のA−B
d)Y軸Skew:鏡面部照射のC−D
である。
再生時にはピット面とPD面がジャストフォーカスの関係になる。LD光はピット面でオーバーフォーカスとなり領域の参照光となる。トラッキングエラーの明暗差はC−Dとして検出される。フォーカスエラーの信号は(A+B)−(C+D)でS字を出力する。RF信号の検出はAを線速に反比例した遅延を与えてBと足し合わせる。LDへの戻り光は光束がデフォーカスして広がっているので、LDの共振動作の擾乱は起きない。
現代形式の利点は
1)ハーフミラーを省略した場合、LDの光量が半減されない
2)PD領域の中心と、LD端面の中心のX/Y/Z軸の位置合わせの高い精度を要求しない
3)Skewエラーの影響が軽微である
ことであり、欠点は
4)ハーフミラーを使わない場合はPDアレーを単一チップにできない
である。しかし図46に示すようにbを大きくできる場合は端面発光LDを単一PDアレーチップの上にピギーバックすることができる。
【0036】
<近代形式のレンズ>
地上解は光源にLDと回転ディスクを使うが、天上解は光源にLDかLEDを使い、ディスクは必ずしも回転円盤ではない。現在出回っている光ディスク光学系は全てがPhilips=Sonyタイプの地上解・古典形式であり、且つLDとPDはハーフミラーを介した鏡像関係にある。これは地上解の内で最も原始的なものである。地上解は一方のLDがピット面でビームスポットがNA限界まで絞られることを前提にしている。他方のPD面では古典形式ではLDを参照光としたときのピット像を結像させることを前提にしているが、これは必ずしも必要ではなく、またLDとPDの鏡像関係の位置合わせも必ずしも必要ではない。またPDに関しては対物レンズが必要とは言えない。現代形式に対する近代形式とはPDアレーを対物レンズとディスクの間に置くものである。当然ハーフミラーはなく、LDからの放射光はディスクの鏡面部では反射して全てLDの活性層に戻る。この形式のOPは極めて薄型である。図47に近代形式1と近代形式2の2例を示す。
【0037】
<近代形式のPDアレー>
ピット面からの反射光を、対物レンズを通す前で検出する近代形式のPDアレーは、ピット面からの反射光を対物レンズを通してピットが結像するのを検出する現代形式のそれとは多少異なる。近代形式では反射光は点としてのピットの情報しか持たないのに対して、現代形式では数トラックが領域として照明されているので、PD面ではピット像を結像してCCDイメージャー的な微細な検出をすることになる。どちらの方法も、C/Nを決める光量は十分である。近代形式では結像するのは反射光ではなく、照明光としてのスポットである。
トラッキングエラー信号は図48に示す形で、放射角度で分布がずれるので、大きな面積の2つのPDでも小さな面積のPDでもよく、A−Bが検出されればよい。このエラー信号はマークピットがあるときに現れ、鏡面部では現れない。
RF信号は単純にA+Bとして検出される。トラッキングがずれてもA+Bは変化しないようなPD対の配置が選ばれる。
フォーカスエラー信号検出は最も注意深く設計されなければならない。PDが拾う鏡面部からの反射光はピット面とPDアレーの間の距離の二乗に反比例する。従ってA+Bの光量の変化からOPがピット面に相対的に近づいているか、遠ざかっているかが分かる。しかし動作距離が1mmの場合には、10umの深さの変化は2%の光量変化をもたらすに過ぎない。ピット部では反射光が減りその底値は、スポットの大きさ、ピット高、ピット幅の関数である。VCM駆動がジャストフォーカス点を通り過ぎるときに、底値の変化は折り返す。この2つのA+B信号処理でフォーカスサーボが形成される。付加的に線速度に対応した高周波成分が検出され、折り返し情報として底値情報を助ける。焦点深度は図87に示されるのが代表的である。
Skew調整を必要とする光学系では、反射光コーンの対物レンズからのスピルオーバーを4つの外側のPD(X1/X2/Y1/Y2)の差分を取ることでSkewエラーを検出できる。
【0038】
<近代形式1>
OPの近代形式は、Philips=Sonyの古典形式を本質的なものと因習的なものに選り分け、因習的なものを廃絶するものである。
1)LDの発光点と分割PDの中心をレーザーカプラーのように数uの精度で合わせることに本質的な意味は無い。絞られたLD光のスポットがトラックの中心にあるかどうかの情報がPDに反映されていればそれでよい。ピット面での反射光をPDに当てるのに、その中間にレンズを入れて再びスポットを作る利点が無い。ピット面にLD光のスポットを当てたときに既に選択がされている。
2)LDからのコサインの放射光分布をそのまま対物レンズに照射するのは、小さいスポットを作る上で最適ではない。外縁部を強調する方がよい。
3)ハーフミラーでLD光を減じると、より大きな電流が必要であり、ダークラインの成長でLDの寿命が短くなる。
4)レンズには色収差があり、3WayOPの障害になる。
5)光学系全体を理想的に一体駆動するために、小型・軽量にしたい。
【0039】
<近代形式2>
近代形式2でも凹面反射鏡を使う近代形式1と同様の趣旨を持つが、平面レンズを使うのでより薄型軽量化が可能である。平面レンズと言っても縮退した反射鏡であり、色収差を持たない。平面型レンズは屈折を使うレンチキュラーレンズではない。これが実現できるキーポイントは、反射が離散的な小面積で行われた集合でも、点光源から集光点への2次元のインパルス応答が、通常の連続的なレンズと同じになるからである。LDから放射される光は円錐形ディフーザーへのスピルオーバーを除いて全て集光点に集まる。近代形式2の平面レンズはプラスチックの成型にアルミ膜を張ったものである。微細化ミラーはアライアスを生じない。図50に示す程度に同芯円かスパイラルで分割される。
【0040】
<Enhanced−BD>
Enhanced−BD(EBD)はBDの動作条件を最適化したものでBDと同じ波長405nmを使う。レンズは円形ではNA=0.85で、方形ではNA=0.80である。トラックピッチはBDが0.32umであるのに対して0.24umである。長手方向はBDの1/1.2のマーク長であるので、記録容量はBDが25GBであるのに対してEBDの記録容量は40GBである。図51にその形式を示す。
BDからEBDの間で特に20世紀的観念の進歩はなく、ただ物理原理の初歩が正しく理解され、系の最適化と動作の余裕度が単純な計算で実現できるようになっただけである。BDでは物理的なクロストーク補償は深く追及されずPRMLに頼って来た。EBDではビームの分布が正確に短時間で求められ、物理層の最適化が行われた。結論を言えばBDは60%の未開の余裕があり、やるべきことがやり尽くされなかったと言える。EBDはBDが読み書きできるので、両者は対立するものではない。
記録時にはLDの放射光はピット面でジャストフォーカスし、PDはRF信号の他にプシュプル法のトラッキングエラー信号と、フォーカスエラー信号を検出する。再生時にはLD放射光はピット面ではエリアを照射する参照光となり、ピット列がPD面に結像する。純粋に物理層で行われるEBDの長手方向の再生時のシンボル間干渉補償は、PRMLより遥かに強力であるが、記録時にも強力な干渉の補償が行われている。それはLCDの残像補正のために、時間遅れの信号を負にして本来の信号に加える方法に類似している。予め分かっているシンボル間干渉を負にして、主PDの出力に加える場合に、LCDの残像補正では明るさのDCバイアスは黒が浮き上がり掛けられないので、レベルの不動区間を生じる。これに対して、本方式はDCバイアスを掛けられるので、小さいし大きさでも干渉の補正ができる。
図54はPDアレーと領域照射の対応関係を示す。
図55は領域照射光である。EBDでは再生時のピット領域照射の参照光は、記録時に絞れていたビームを照射領域分だけデフォーカスさせて行われる。この場合NAが大きいと、元々記録時に絞られていた主ビームの回りのサイドローブの影響が残り、領域照射光は多少の凹凸を生じる。この凹凸は再生時のイコライザーの重み付けに反映されなければならない。
EBDではPD面でのピット像の主応答ピークの回りの問題となるサイドローブ応答を2次元的に全て打ち消す。従来は、これらのサイドローブ情報は全て切り捨てられ、PRMLが幾ら努力をしても切り捨てられた情報は回復できなかった。BDは受け取った情報にくらべて60%の情報を切り捨てていた。BDとEBDの動作安定性は同程度である。1次元PDアレーを隣接トラックに対応させた位置に配し、図56に示すように可変遅延線を通した複数出力を線形結合し、遅延量をディスクの線速度の逆数に比例させる、即ちGyratorで構成された遅延回路の電流を線速度に比例させる。全サイドローブ応答の大きさの合計は、主ビーム応答の大きさを越えてはならない。
【0041】
<相変化記録の仕組み>
これまで相変化記録の仕組みの理解・説明は不明確であった。その真相を明らかにしなければ光ディスクは20世紀の遺物のままになる。20世紀物理学は言う:レーザー光のスポットの照射により相変化薄膜と基板は光のエネルギーを受け取って加熱され、相変化薄膜と基板の温度がキューリ点以上になれば急冷する時にアモルファス状態になり、徐冷すれば結晶になると。
そんなのおかしくないか?先ず基板との間の熱抵抗が大きく構成されたと仮定した相変化膜が、若しエネルギーを受け取って高温になれば、その熱は容易には伝導・放射・対流して下がることはできない。従って急冷などできない。急冷という緩和時間が、スポットが最短ピット長を行き過ぎる程度の時間なのか、トラック一周分の時間なのか、それよりも長くディスク全体が冷めるような時間なのか、記録可能なディスクの設計者は何も答えることができない。また結晶状態にある相変化薄膜は反射率が高く、20世紀物理学者がいうような熱エネルギーなるものを受け取ることができないではないか?緩和時間が長いのであれば熱は残り記録時のトラック間干渉を生じてぼやけた記録にしてしまう。熱は一体どこに行くのか?
次に基板との間の熱抵抗が小さく構成された相変化膜が、基板とともにも暖められると仮定した場合も、同じく伝導・放射・対流する放熱はすぐにはできないか、また熱の伝導によってキューリ点を越えるスポットの形状が広がってしまう。相変化記録現象を急冷と解釈しているのは、実験室で材料を試しているときの性質でしか理解していないのである。オブシンスキーが勝手にそう解釈しただけの話である。20世紀の物理学はこのように、仮説を立てて説明が付けばそれでいいという、真実とはかけ離れた無責任な学問であった。
光記録は熱過程ではない。電子レンジの中に水分を含んだものを入れると温まる。この場合熱が出るのは振動が拡散した結果であって、起こっているのは分子のつなぎが電磁波によって振動することは誰もが理解し合意することである。相変化とは振動が分子構造のバンドギャップを越え、やがて振動が小さくなる時に、フリップフロップ回路のように結晶かアモルファスのどちらかに狙って落ち着かせることである。それをどうやって制御するのか?
確実に結晶化できるのは、斉一な光をバンドギャップ電圧以下まで静かに(徐冷という意味ではない)減らして行くことである。確実にアモルファス化できるのは、乱れた光をバンドギャップ電圧以下まで乱れたまま(徐冷でも急冷でもなく)減らして行くことである。しかし我々は乱れた光を持っていない。LDをLEDモードにすると少し大きいスポット径で、位相がランダムな光になるが、強度が1/100になり相変化材料のバンドギャップ電圧を越えられない。
そこで、アモルファスにするために利用するのが、相変化膜のスポットの周辺の熱(即ち雑音)である。結晶構造をそのまま支える斉一なスポットの照射が去った後、回りの雑音振動と交わる十分な時間があればアモルファスになる。急冷とは逆である。
急冷というのは実験室の話で、そこでは相変化材料を単純な熱で高温にし、その場合は材料はばらばらな振動をしていて、徐冷すれば分子が自分で結晶を作って落ち着くが、急冷すれば分子が結晶を作る自律作用が働く間もなく、バンドギャップ電圧如何になる場合である。これは相変化の消去/記録で起こっているのとは全く違った過程である。
なぜ記録時が急冷で、その半分の電流で行われる消去が徐冷なのか?現実は逆である。高い温度から冷えて行く方が、同じ温度まで下がるのに時間がかかるのは当たり前である。20世紀の物理学はとんでもない言い逃れをするものだ。分からなければ分からないと正直に言えばいい。全てが1点の曇りも無く平易な言葉で説明が付くならそれは正しい物理学である。20世紀にはそのようなものがなかった。99%説明がついて1%説明がつかなければ、それは100%間違っているのだ。何故ならその99%説明が付いたと思っていることは、間違った仮定に基づいているからだ。正しい仮定に基づけば、常に100%説明がつくのである。
温度とは分子のつなぎが電磁波によって振動していることそのものであって、他の事柄ではない。熱容量のない微小な温度計を光のスポットの中に入れると温度が上がり、スポットの外に出すと温度は下がる。温度計の熱容量がゼロなら、温度の上がり下がりに時間遅れはない。即ち、温度が高いとか低いとか言えるのは、主として空気や基板や相変化膜ではなくて、光のスポットそのものである。恐らく18世紀の人達はこのことを容易に理解し、現代では技術者も子供も容易に理解ができないであろう。それはそのように教育されているからである。熱とは別の側面、または過程の結果である。今行いたいのは、相変化膜の結晶の組み替えである。それには一度バンドギャップを越えなければならない。バンドギャップを越えるというのは振動そのものである。振動を熱とも呼ぶ。しかし熱は目的や手段ではない。目的は組み換えで、手段は振動である。熱過程ではない。熱とは無秩序な状態であり、LD光を照射すと秩序ある振動をする。LD光の波長と相変化膜の格子の違いは無関係である。
結晶状態にある相変化薄膜の反射率が100%であれば、照射された光は全て反射され、これまでのエネルギー理論でいう熱エネルギーなるものを受け取ることができない。せいぜい光のスポットが周辺の基板を温め、それが伝導して相変化膜を暖めるしかできない。これでは記録スポットが小さな円形には形成されない。このことに何故疑問を感じなかったのか?しかし光ディスクのアルミ反射層や相変化材料の結晶状態が、ほぼ100%光を反射するから殆どエネルギーを受け取らないと考えるのは、俺は高価な原油をいっぱい持っているから金持ちだ、核弾頭がいっぱいあるから強いんだと威張っているのと同じくらい滑稽である。反射とは金属膜や結晶状態にある膜からの再放射である。100%反射する状態が金属膜や結晶が最も強く光の照射に応答して再放射電流(振動)が流れているのである。これに対して光を全て吸収している(黒い)状態は、膜が光の照射に応答して再放射電流が流れている強さは、反射の場合の50%である。先ずこれが重要である。
新しい発見と正しい物理理解は2つとも行なって欲しいものである。しかしそのチャンスはない。物理原理は今全て解かれていて21世紀の物理学を形成し、今後は新材料の現象の確認は全てComputerで確認できるので、偶然な発見は起こらず、説明の間違いも起こらない。創造主はアナログ量の+1と−1の組み合わせだけで、全ての問題が解決できるように予め用意していたのである。
結晶・アモルファスを使い分ける記録材料膜は、例外なく消去・記録・再生が行える3−ヘッド対応にすることができる。光ディスクにもう書き損じは起こらない。
【0042】
<二子山による相変化膜の消去・記録>
図57に示す2ストライプのLDを使うことによって消去・記録を行うことができる。記録時に有効なスポット径はバンドギャップを越える部分であるから、405nmの波長の光で形成される記録スポットは再生時に定義したスポット径と比べれば合理的に小さい。またサイドローブの大きさは主ビームの半分以下でなければならない。消去は先行する副ピークで行われる。また副ピークは同一トラックの先行するピットを消去しても、隣接して先行するトラックを消去して、記録との間に1周分の時間を与えてもよい。消去の役割とは、前に記録されたピット列を整地するものであり、バンドギャップを僅かに越える斉一な振動を与えて、周辺からの擾乱が入り込む前に格子を固定するのである。その直後に記録レベルの斉一な光を与えてもよい。
また図58に示すトリプルピークで消去・記録・再生が同時に行われる。同時消去−記録−再生は同一のトラック上で行ってもよいし、1本ずつトラックをずらせてもよい。
【0043】
<Velocity Modulation>
記録時にビームスポットに長手方向のベロシティモジュレーションを掛けて、ディスクの回転によりスポットが流れることにより、開口効果で分解能が低下するのを防ぐことが可能である。図59は位相同期した4つの活性層からなるLDに於いて、4つの共振チャンネルの位相ではなく強度を変調してビームを振り、ディスクの回転を追いかけることで、照射の強度を等価的に上げるものである。また、記録・再生のN倍速度の回転数を上げたいが、書き込みピット当たりの光の照射が不足す場合は、LDの活性層のチャンネル数を増やして行き、N倍速度の回転数を上げることができ、またLDのダークラインの発生を抑制することができる。
【0044】
<現代形式の3Way方式化>
ピット高の可干渉性と板厚による非点収差の打消しの2点で、LDを405nmと650nmの2つの波長に分けなければ、光源波長では3Way記録・再生は実現できない。単一とは共通のNA=0.85のレンズを使うという定義になる。LDからの照射角がレンズより小さければ、NAも小さくなる。対物レンズは405nmの波長とNA=0.85に最適化されているが、CD/DVDで最適とは言えなくてもスポット径が大きいので問題は無い。単一構成にするための唯一の障害は、ピット高であるから、CDをLegacyとして残す場合は、図60に示すように、新規生産のCDのピット光は低くすることが適当である。一般的にはそれでも従来のプレーヤーでCDを読める。
現代形式の3Way化では、図61に示すように、A/B/C/DのPDアレーはCDとDVDで共通に使用される。フォーカスエラー信号(A+B)−(C+D)をコンパレータに入力するときの閾値によってデフォーカス量、即ちスポットサイズが決定される。
【0045】
<BD用近代形式の実際>
近代形式は凸面の1次反射鏡と凹面/平面の2次反射鏡の組み合わせである。光学プラスチックレンズは波長による屈折率の分散(色収差)があるが、反射のみを使う近代形式には波長依存性がない。図6258はBD用の光学システムの形態図である。近代形式では、2次反射器をディスク面との相対関係として概ね固定し、1次反射器を可動にして、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、Skewサーボを掛けることができる。
図63は中抜き照射の近代形式のビームスポットとトラッキングエラーのシミュレーション結果である。
【0046】
<近代形式の3Way化>
短縮光軸の反射鏡を用いる近代形式OPのCD/DVDとBD対応の3Way化は、波長650nmと405nmの2つのLDを使う。BDでは波長405nm/NA=0.85のスポットをジャストフォーカスさせる。DVDでは波長650nm/NA=0.60照射のスポットをジャストフォーカスさせ、CDでは必要なデフォーカス量でスポットサイズはビット部の切れ込みの深さが一定になるように決められる。PDは対物レンズとディスクの間の共通の領域に置かれる。図64はハーフミラーを使った近代形式の3Way化である。
図65はコサイン分布照射のスポットをデフォーカスさせたビームである。実際には近代形式は中抜きコサインである。
数式31はデフォーカスの過程である。
【数31】
【0047】
<EBDの実際>
EBDは波長=405nm、NA=0.80の方形レンズで、LDの発光端の断面積を小さくして放射角を広げて照射のスピルオーバーを許容し、BDの非対称コサイン分布から均一分布に近づけている。それによって生じるサイドローブ応答は、再生時は領域照射に切り替える現代形式の採用によって等化している。これによって40GBの記録密度が安定して達成される。記録時はサイドローブがキューリ点に達しないので、十分な余裕を持って微細ある。BDと同じ波長で同様のNAを持ちながら1.6倍の記録密度となるのは、再生時に領域照射に切り替えて等化を行うからである。EBDはハーフミラーを使用せず、その分LDとPDの距離を長くしてスピルオーバーを作って照射を一様分布に近づけている。戻り光擾乱は記録時も再生時もデフォーカスされており問題にはならない。ハーフミラーを使わないために、図67に示すようにPDアレーの中央からLD光が放射され、このため主ビームのRF信号検出は、PDを2つに分けてP1・P2としている。
EBDはBDと互換性を保ちながらBDの記録容量を60%増量しているが、そのうちの33%増量は、微細PDアレーでトラック間クロストークをキャンセルしている。線速度の方向は主ビームを細くしてサイドローブが大きくなった分を、イコライズすることで20%増量にしている。
【0048】
<EBDの3.5Way化>
405nmの波長でEBD用に最適化されたLD/PD/非球面レンズやEBD用の等化器を、等化器を持たないBDに使うには、再生時にはピット面とPDアレー面の間を僅かにデフォーカスすればほぼBDと同じ応答が得られる。記録時にも同じくデフォーカスすればよい。その様態を図68に示す。
DVDとCDは、650nmの波長を使いDVD対応としたものを、CDでは必要な量だけデフォーカスを行えばよい。
BDとEBDの関係はVHSとS−VHSの関係に対比できるが、ブランクディスクのPre−Grooveが240nmのトラックピッチでなければ、EBDにはならない。LDが3ストライプであれば、テープレコーダーのような消去・記録・再生が可能になる。
【0049】
<非球面レンズのXY平面内のジャストフォーカスエリア>
ところで、再生時にビームスポットをデフォーカスして数トラック分を領域照射し、解像度はピットとPDの間のNA限界にのみ依存する形式では、物体と実像の関係に於いて、物体は点ではなく点の広がりである。この広がりが光軸から離れた場合、NA限界の強度分布が非球面レンズでどのくらい歪を受けるかを図65に示す。NAの大きな顕微鏡がピントの合う領域は広く、決して光軸の回りだけではないように、数トラック分の広がりでは歪は事実上起きない。これは大きなNAの顕微鏡でも、比較的広い範囲のものがピントが合って見えるのから、用意に理解できる。
数式32は視野範囲でのピントずれをチェックするための式である。
【数32】
世界の生きとし生けるものは皆このフォーカスエリアでサイドローブ付きの像を網膜で捉え、脳で認識している。原始の地球で植物が現れ、そこから珊瑚虫のような動物が派生した。最初は触手に触れるものを捕食していたが、やがて触手と捕食の連鎖機構が神経伝達になった。この段階では神経の結合部は脳にはなり得なかった。光の届く浅瀬では、触手の根元を網膜の原型とし、その表面が突起して集光ができるようになった。この場合触手による認識に対して、網膜上の認識は倒立しているので、触手の感覚と、視覚情報を重ねるためには、神経がツイストする必要があった。このツイスト機構はやがて集光を2系統持つ変異を誘導し、獲物までの距離も分かるようになった。この土台の上に脳なる情報処理器官が遅れて緩やかに発達して行ったのである。この過程で、1)視神経が脳との間で交叉しなければならないこと、2)右脳・左脳に分かれていなければならないこと、が変わることは論理的になかった。生物の発生の過程で眼が脳より先に形成されるのはこのためである。脳とは2眼の根元にある検出器に過ぎない。PRMLは貧弱な眼球の背後にある、ゴージャスな空想器官である。PRMLで幾ら頑張っても25GBであるが、眼を大事にすれば100GBになる。我々は立派な眼球を先ず備えていなければならない。眼球のNAは大きくない。眼球は2つあった方が視差でピット面との距離を的確に知ることができる。
【0050】
<All−Format−Optical−Pickup>
表21に地上解光ディスクの諸元を示す。EBDのOPでBDを読み書きするのは全く問題が無い。従来のBlueRayレコーダーでEBDディスクを読み書きすることはできない。EBDのAFOPで、DVDとCDを読み書きするときの問題点はピット高である。DVDとCDの再生のピット高が記録のPre−Grooveの深さが405nmの波長で干渉を起こさなければお手上げである。ピット高は各社の自由にまかされたつけがここに回ってきている。従ってAFOPでは650nmと405nmの2波長を使わざるを得ない。
【表2】
【0051】
<光と電磁波の狭間にて>
本論述は光と電磁波の間の壁を製品レベルで取り去る。光は粒子ではなく、波動でもない。謂わんや波動=粒子の二重性などない。光を粒子だと考えたのは英国のアイザックニュートンであり、時代を下って波動と考えたのはオランダのクリスティアンホイヘンスである。光を粒子として扱っても、また光を波動として扱っても光ディスクは正しく設計できず、20世紀型の古典形式に止まり、ただ短波長化という退屈な活動になる。光ディスクの設計も、電波送受信アンテナの設計も、波動や粒子や二重性から開放された時に21世紀型の全く違ったものになり、醜い八木=宇田アンテナアンテナもパラボラアンテナも姿を消す。20世紀とは仮説の説明に窮して新しい仮説が用意され、それが増殖していった100年間であった。間違いの創始者はニュートンであるが、連鎖は光量子説から噴出した。
図70に示すように、光や電磁波の放射パターンが遠くと中間で、遠方界として変わらないことはよく知られている。これをホイヘンスの波動理論で説明することはできない。波源が次の波源を生むのでは放射パターンは維持されないからである。従って波動論は間違っている。
一方OPのNA限界やビル影での電波の回り込みは粒子説では説明ができない。従って粒子説は間違っている。光と電波は粒子でもなく波動でもない。光と電波は素粒子と素粒子の遅延項を持つ遠隔的相互作用である。ビオ=サバール則は幸い波動説に立たなくても現象を定量的に説明できるので、これを使うと間違いではなくなる。それに比べるとシュレディンガーの波動方程式やマックスウェルの微分形式は間違っているか有用ではない。それらは存在確率の説明のために用意されていたり、またホイヘンスの言うことを定式化しているだけであり、物事の本質を表していないのである。ビル影で電波が回り込むのは、到来電界によってビルを構成する物体に流れた電流からの再放射のためである。リチャードファインマンはこれを知っていた。
【数33】
【数34】
放射分布が遠くになっても維持される、これまで誰にも明らかにされることがなかった不思議のからくりは、図70と数式33、数式34に示す通りである。これから光を粒子だとオリバーヘビサイドが勘違いしたのも無理からぬことではある。位相差のマジックで、あたかもエネルギーの粒子的放散の形態を取っているのである。
もう一つ数式のからくりがある。それは図26と数式17に示す並列アレーである。木の葉の間から光の筋が見えるのは、太陽の光を木の葉が切り取っているからではない。木の葉からの再放射が、光の筋と影を形作っているのである。ニュートンが光を粒子だと考えたのはやむを得ない。この見事な並列アレーがそののからくりである。これに騙されない人はいない。
二重スリットによる光の干渉縞や、二重スリットによる電子線の干渉縞は、光子なるものや電子が分身の術を使って2つのスリットを不確定に通り抜けるからではない。それはスリットで連続性が途切れる衝立からの再放射に過ぎない。これはスロットアンテナとしてはよく理解されているのに、エルヴィンシュレディンガーの催眠術に掛かった光学者は電波学者とは交流しない。リチャードファインマンもこれに気づかなかった。
物体と物体の相互作用は、137億光年を往復する274億年の遅れがあるので、ニュートンの作用・反作用の法則は間違いである。作用に対する反作用(電圧を印加する作用に対する電流という反作用)があって初めてエネルギーが定義できる。反作用が274億年遅れるのでは、エネルギーは存在し得ない。エネルギーとは、産業革命に始まった損得・貸借・欲得・貯蓄の観念である。しかし実際の宇宙の原理は、催促なしのある時払いである。宇宙の果てから誰かが放射した電波を集めて電球を点灯できる。それが137億年であれば、借金を返したくてもその人はもういないかも知れない。エネルギーの保存則とは現象の一面を我流に解釈しているだけである。
英国のオリバーヘビサイドはエネルギーの流れであるポインティングベクトルが放射すると説明したが、これは粒子説に分類できる。エネルギーを等価断面積で受け取り、そこから有能電力が引き出せると唱えたが、微小なアンテナも大きなアンテナも有能電力に変わりはなく、ポインティングベクトル説は誤りである。また磁気と電気は1つのものの別の側面である。
敬愛すべきニュートンの力学は残念ながら、慣性の法則を除いて、誤りである。作用・反作用の法則だけではなく、F=mαも誤りであり、万有引力の法則も誤りである。万有引力常数Gは数式35で正確に算出することができる。rBはボーア半径、rUはビッグバン球半径(137億光年)である。万有引力の定数は、ビッグバン年齢137億年から算出できるのである。
【数35】
これは単なる一例に過ぎないが、21世紀物理学は既に宇宙の全てを明らかにしている。引力は架空のヒッグス粒子で引き起こされるのではなく、ビッグバン球内の10の80乗の陽子・電子対の膨張によるドブロイ波を、引力による物体の動きのドブロイ波で打ち消そうとする力であることが正確に導かれている。ハッブス宇宙望遠鏡で計測されたビッグバン年齢は137億年±2億年と推定されているが、LHCや望遠鏡の打ち上げに血税を浪費せず地球環境維持に資金を回すべきである。何故なら地上で知ることができる万有引力定数から正確に宇宙年齢が計算できるからである。Gは毎年137億分の1の割合で減少している。米国がリニアコライダーであるデバトロンを中止したのは賢明である。LHCの淡い期待の一つはダークマターの手掛かりである。しかしそれは想像が作り出した悪夢である。
これまで早とちりの天文宇宙学者がダークマターを仮定せざるを得なかったのは、天体の運動が、万有引力の距離の逆二乗則に合致しないからである。それで宇宙を埋める見えないダークマターを持ち出して赤信号を集団で渡っているのが今の天文学のレベルである。これに異を唱えたのがイスラエルのモデルハイミルグロムのMOND仮説であり、二乗則のベキ数2を変えればダークマター仮説は不要であると計算した。しかし、これは湯川秀樹のごとく仮説を新しい仮説で埋め合わせした者でしかない。創造主の摂理はもっと単純であり、Gが毎年137億分の1の割合で減少しているだけの話である。それで数字が符合し、ダークマターはブラックジョークになる。
ガリレイまでは正しかった物理科学は錬金術師ニュートンから間違いの連鎖を始めていた。アインシュタインのE=mC2は右辺と左辺が同じことを繰り返して言っており誤りと言える。ファインマンはアインシュタインのmを電磁的質量と呼び真実に一歩近づいたが、あと99歩の距離を残した。リニアコライダーで光速の99.99%まで東向きに加速した陽子と、光速の99.99%まで西向きに加速した反陽子を衝突させる時の相対速度は光速の199.98%である。ビッグバン球の境界は光速で地球から遠ざかっているが、大半の天文物理学者はその外側は超光速で遠ざかっているが我々とは関わりがないと、超光速を肯定している。アインシュタインの相対性原理は一体何処に行ってしまえばいいのか?葬り去るときは、きちんとした引導を渡さなければならない。
アインシュタインの光量子説は誤りである。軌道電子も自由電子も到来電磁界によって等しく振動を受けているのであり、到来した空間電界がバンドギャップを越えたら、ポンピングされるのではなく、原子核に拘束されているとは言えない浮石だと言うだけの話である。到来電界が去れば、原子核から遊離していないと言えるだけの話である。量子過程などは絵空事である。宇宙で量子過程があるなら雑音だらけになり、電波通信など行うことができない。光量子概念では軌道にいる限り電子が遮蔽されているという認識である。ベルナーハイゼンベルグの不確定性原理も当然誤りである。PDは不確定に到来光を捕捉している訳ではない。これは雑音量を計測すれば明らかである。量子的な振る舞いをするのは、到来する光や電磁波ではなく、原子核の周りの軌道電子の安定点はフガングパウリが示したように幾つか存在するというだけの話である。何れにせよ物理学は既に21世紀用にほぼ完全に精度よく解き明かされている。それは驚くほど単純なアナログ量の1と−1だけが森羅万象を作り出す、見事な創造主の世界であった。その上創造主は悠久の物語を宇宙に埋め込んでいるのである。
光ディスクを扱うものは、これらの原理を正しく理解しなければ、正しい設計はできないのである。本来創造主が与えた極めて単純な原理に沿ったものが天上解である。人は自ら発明・発見をする必要などなく、原理の正しい理解で自然解が信ずるものの前に自ずと姿を現すのである。
【0052】
<BD/EBDの応用>
画像表示装置が、あたかも自然の中に人間がいるような感覚を与えるには、7680x4320程度の画素数が必要である。これを仮にナチュラルビジョンと呼び、3840x2160をスーパービジョン、1920x1080を従来通りハイビジョンと呼ぶ。それぞれに2時間記録できる光ディスクが必要である。スーパービジョン対応の光ディスクは12cm径のディスクで天上解の多ビット記録である。ナチュラルビジョン対応の光ディスクは15cmx25cmの再生紙ディスクの天上解である。技術とは進展するのではなく、自然に回帰し創造主の定めた摂理に従うのである。
【表3】
現在の1920x1080のハイビジョンの表示装置は問題点を抱えている。それはMPEGでもH.264でも必要な情報量が不足しているために、画質が自然さを欠いていることである。EBDはBDの1.6倍の記録容量を持っているので、DCTの互換性を維持しながら見直した情報量の増加分にEBDの60%分の一部を当てることができる。
一方、メガネの着用や視点の固定を求めない立体表示装置が別出願で公知される。これは200インチを10万円で市場に供給することができる。この場合左右の目の与える情報を2倍の50GBとするのではなく、また左右交互に表示して25GBに収めるのでもなく、左右の視差分の15GBを加えた25GB+15GB=40GBとして、EBDに記憶させるものである。また従来の2つのスピーカー、5−1の音響システム、ヘッドフォンによるバイノーラルシステム、ドルビーサラウンドは何れも真の新の臨場感に欠けていた。この問題は既に解決し、自然解としてすでに出願されている。
【0053】
<BD/EBD/SBD/NBD>
既に製造方法の原理設計が完了している天上解の画像表示装置では、製造コストは画素数や画面サイズに依存せず、必然的に壁掛けのロールペーパーである。対角の標準サイズは200インチであり、壁照明としては、白熱球3%、FL管15%の照明効率に対して40%の効率を持ち、寿命は100年程度である。
40GBの記憶容量を持つEBDを最も強く要求している背景は、真性立体TVの実現にめどが立ったことである、立体表示の地上解は、視点固定方式(NTTかSanyo)かメガネ方式(LCD2枚メガネか松下方式)である。空中解は視点追跡方式である。真性の天上解はこれらとは異なる。真性立体TVの要件は、図72に示す光ディスクとの対応関係で
1)単一のScreenであること
2)ホログラム方式のような補助的な光を使用しないこと
3)メガネの着用などが必要でないこと
4)視聴点を固定しなくてよいこと
5)複数の視聴者が見られること
6)Screenの手前に出る立体像を手を入れて触り、ハンドルとしてGUIが可能なこと
である。このために左眼撮像データと右眼撮像データの併せて50GB分を、平面表示と同じ25GBに押し込めるのは、真性立体TVを冒涜するものである。また50GBのまま放置するのは、科学に対する冒涜である。結局40GBのEBDの中に、Hivisionの画質の円滑さ情報の不足の補間、真性3D音場のデータ埋め込みと合わせて、図73に示すように40GBを有効に使うことが望まれる。
天上解立体音像は、10W+10Wの5.1チャンネルを100mW+100mWでの真性3Dの個別音場に変え、家族間で音が分離される。指向性とは方向ではなく、一点集中である。この場合RFIDマーカーで視聴者が追尾されるので視点追跡型の空中解立体テレビとは組み合わせられる。地球環境維持の観点から、これらの生活必需AV製品は、図74に示す形態で、20世紀型として消費電力の1/10以下に、製造コストの1/5以下に、製品寿命(また陳腐化)が5倍以上にならないものは生き残れないと言える。
【0054】
<光学部品一覧>
図75に古典形式、現代形式、CSOPの光学部品構成を示す。古典形式では姿勢制御のフォーカスVCM、トラッキングコイル、Skewコイルを除いて、10点をBlurayだけのOPで必要としていたが、現代形式では3.5Wayの読み書きをして3点であり、CSOPではそれが1点である。
【0055】
<ピット側で絞るかPD側で絞るかの比較>
本論はこれまで光ディスクの再生時に、レコードのサファイヤ針の如くできるだけ細い検出器で、1本のトラックをなぞることを決して踏み外すことのなかったこれまでの画一的な方式に対して、数本のトラックを含む小領域を照らし、その像をPD面に写して信号処理を行うという対立する概念を持ち込むことを含んでいる。
先ずどちらが微細な検出であるかという議論がある。レンズのNAで決まる回折限界と言う点では、点光源がピット面でスポットを形成する広がりと、ピット面内の点がPD面に結像した点の広がりは全く同一でa:bの関係である。従ってLDが点光源と看做せない大きさと、PDが持つ大きさの比較になるが、これはレンズのNAと波長で決まる回折限界の解像度に比べれば両者とも小さいので問題にならず、どちらにも軍配が上がらない。
軍配が上がるのは、トラック間干渉とシンボル間干渉の程度である。細い検出器が1本のトラックをなぞる形式の従来方式の針は、実はサイドローブ波紋が広がって針にくっついている。このサイドローブは記録時にはキューリ点以下に相変化膜を持ち上げないので円周方向のシンボル内干渉以外は影響がないが、再生時にはそのままトラック間干渉とシンボル間干渉を引き起こす。これはPDアレーで検出する方式も全く同様である。
細い針方式では、シンボル間干渉は自己トラック干渉なのでPRMLである程度補償することができる。しかし隣接トラックからのクロストークは補償することができない。これに対して、PDアレーで検出する本論の方式では、隣接トラックを同時に検出しているので補償することができる。この差が結局1.6倍の記録密度の差になっている。両者の量産時の安定性は同程度である。再生時にピットをスポットで照射するか、小領域を照射するかの差がC/Nに与える影響は皆無である。
BDは既に保護層の厚みをDVDの0.6mmから一挙に0.1mmとして、ディスクの誇りや引っかき傷への耐性を放棄してキャディに収納する形式になっている。しかし今後はこのような消費者の実用性を妨げて短波長・高密度かを無理に追及することは慎まなければならない。堅牢で使いやすいことを第一に考えるのが21世紀の商品のあり方である。
【0056】
<遠隔病巣診断・処置装置>
光ピックアップを病理的な目的に使うことができる。レーザーの使い方に2つの方法がある。
1)レーザー加工ビーム、レーザーポインター、レーザーメスのように細い平行なビームに絞ること。これはターゲットに到達する線上の全てを等しく破壊して行く。
2)OPのように奥行きの中の一点にのみ位相集中させる。これはターゲットに集中する間には影響が無い。
携帯電波は空中に広がっているが、携帯電話は耳元に集中している。電子レンジの漏れ電波を怖がっている人が、携帯電話で通話するのは滑稽である。
レーザーポインターは扇状にスプレーされる端面発光の放射に、放射直後の位置で小さい対物レンズをつけて平行光線にしたものである。一方OPでは端面発光の放射に、離れた位置で大きな対物レンズをつけて、ターゲットで再び収束させる。電磁波の波長領域でも、光の波長領域でも、X線の波長領域でも、素粒子線の波長領域でも、3次元の一点でピンポイントに収束させる方が圧倒的に他の組織に対するダメージが少ない。レーザーメスは開腹手術であるが、OP方式では身体の外から開腹せず行うことが出来る。従来は全て平行ビームで考えていた。これはヘビサイドのせいである。各種の放射線治療やレーザーメスである。
片方のビーム型の施術側に対して、他方の診断側では、1)X線撮影、2)超音波診断、3)CTスキャン、4)MRI撮像、などは逆にスプレー型になっている。施術側をスプレー型にしないのは、うっかりである。うっかりさせたのは、100年ほど前に光量子という虚構を作ったものの責任ではないだろうか?
先ず重要なことは、診断側も施術側もピンポイントでターゲットを絞れるスプレー型とし、診断側と施術側を共通化することである。OPの場合、記録する場合ピンポイントにターゲットを絞って光を照射し、再生する場合はピンポイントにターゲットの像をPDで検出するのである。この場合記録と再生が同じ光学系で行われることは極めて重要である。またOPではディスクの表面の引っかき傷は影響が無いように光は分散している。医療の診断と施術も同様に、患部とレンズの間の組織には影響されない仕組みになっている。
OP方式を病理診断・施術に使った場合、マーカーからの電磁応答や病巣からの直接の応答で明確に消去が適当だと分かる場合、それは診断から2日後に除去するのは無意味である。人体組織で数ミクロンの解像度で診断のターゲットを特定した場合、全く同一の光学系で身体が動かぬうちに、数uS以内に消去すべきである。
各国の医療費の高騰や、村での過疎地医療問題の主原因はMRIなどの高額な医療器具である。OP方式の診断・施術器具は携帯端末程度の大きさで、医師の管理のもとで、極端に言えば家庭にいながら、診断・施術を継続して行ける。人体の組織全体を数十ミクロンの解像度で3Dスキャンするには、病院では時間がかかって出来ないからである。
薬で発症を抑制できるようになったAIDSに対して、癌は不治の病である。出アフリカ以来、数万年で人類が極北の脱色素人種と、赤道直下の濃厚メラニン人種に分かれて適応できたのは、皮膚癌とビタミンDの欠乏のどちらで死ぬかの、人間に自然に備わった選択をして来たからである。癌はそこでは必要なものであった。だから癌と闘ってはならない。人間に出来ることは、癌を受け流し、癌を生き抜くことである。
癌は幾ら出来てもよい。また幾ら転移してもよい。数十ミクロンの段階で、片っ端から診断し、片っ端から細胞を壊して、DNAを丸裸にすればよい。その大きさなら組織が焼け残りを固定してくれるので、開腹して除去しなくてもよい。
光束が広がった箇所で、人体の組織の屈折率(誘電率)の分布を補正して、ビームの非点性を補償するのはCSOPの電流分布である。この電流分布を決めるには照射光が絞れるかどうかの、活性層1つ1つの変化に対する部位からの像を見ればよい。可視光・紫外では人体の組織は不透明であるが、ミリ波までのラジオ周波数、赤外、X線、MRI周波数では透過する。スポットを20umに絞れるなら、NA=0.7の場合患部から1cm離れた光軸上では、25万分の1の電磁波・光の強度であるから人体の他の組織は影響を受けない。血管の中の癌でも除去できる。
医療用OPは乾電池で駆動できる。1立方cm(約1グラム)当たりの診断・施術のスキャン時間は125秒である。体重80Kgの人が身体全体をスキャンするには1千万秒である。1日は8万秒であるから、寝ている間の自動スキャンを行わなければ、200日ほどかかる。この器具は1万円ほどで市販ができるので、家庭で行うことが肝要である。
身体のあらゆる方向からスキャンされたポイントの診断データは、背景の臓器を規準として集積し、スキャン漏れが起こらないようにする。
キーポイントはPETマーカーのようなもので部位の電磁応答を区別できるか、あるいは癌が正常な組織と違う電磁応答をする波長を発見できるかどうかである。さもなければ、スキャンの結果を集積して大きなかたまりで画像診断して、全体を焼き切ったあと、内視鏡孔から焼き切った組織を吸引する間接的な方法とするかである。これは地上解である。
現在の放射線によるDNAの破断は、周辺部にDNAの塩基の転換を与え新たな癌を作る。これは地獄解である。天上解はあくまでも、癌と共に生き、数十umの段階で細胞を熱的に破壊して、DNAの増殖の機会を奪うことである。
診断の現時応答が区別できれば、不治の病である癌は不治のままであるが、結核で死ぬ人が戦後いなくなったように、癌で死ぬ人は殆どいなくなるであろう。図76にOP機構を示す。小さな癌がいつも見つかれば、人は皆謙虚でいられる。その謙虚さと揺るぎない寛容があれば、小さな癌の発生確率は大きく低下する。人のことを思いやる上で、限度というものはないのである。
図77は身体の外側から、体内でどのようなスポットを形成できるかをシミュレートしたものである。ピット面までの汚れの影響を受けない光ディスクと同じである。ここで理解は2つに分かれる。やはり光とはエネルギーの流れでありその途中も蓄積して見れば、閾値はあっても影響を受けるのではないかと。そこが粒子や波動との差である。光や電磁波は粒子や波動ではない。単なる遠隔的な作用である。21世紀の物理学は、既にこれを解明し、患部とOPの間は位相集中しなければ無関係である。
【0057】
<新OP製品の成果>
図78に新OP製品の成果を示す。それらの特徴は
1)EBDでBD互換のまま40GBを読み書きでき、立体画像ハイビジョン情報を記録することができる。
2)従来のOPの構造がCSOPなどで革新的に簡単になる。
3)3WayのOPが簡単に製造できる。
というものである。
【0058】
<SBD光ディスクとNBD光ディスクのBlock記録・再生>
同じ405nmの波長を使う光ディスクの天上解にSBD(スーパーブルーレイディスク)とNBD(ナチュラルブルーレイディスク)がある。解が2つ存在するのは、回転するディスクと回転しないシートがあるからである。バーコードに1次元と2次元があって、2次元の方が一瞬で多くのデータを読み取れるように、光ディスクでもSBDとNBDはBlock単位で記録・再生する。図79に示すように、1つのBlockに8x8のピット配列がある。Blockの大きさは、SBDは3.6umx3.6umの大きさであり、NBDは4.8umx4.8umの大きさである。
【0059】
<SBD光ディスクとNBD光ディスクの記録容量>
図80に示すように、8x8のピット配列の中で、1つのピットは8ビットの深さを持っている。ピット高は4段階で2ビットの深さである。X方向の位置は8通りで3ビットの深さである。Y方向の位置は8通りで3ビットの深さである。これらを合わせて
3bit+3bit+2bit=8bit
となる。
12cm径のリジット円盤は9000mm2の有効面積であるから丁度100GBの記録容量である。16cmx25cmの有効面積のシートは丁度250GBの記録容量である。この記録容量はMPEG2/4、H.264の地上解に対して、天上解であるNVC(ナチュラルビデオ圧縮)を持ち、SuperVisionとNaturaiVisionの立体映像を2時間記録・再生することができる。これらの規格はManMadeではなく、自然律によっている。
同じ光学的な条件で、BDは25GBであるのに対してSBDは100GBであるから、、その差が4倍開いていることに我々は着目しなければならない。15GBのHD−DVDと25GBのBDが争うようなことは、産業革命がもたらした弊害である。21世紀にはこのような地上のことに関わるのではなく、創造主の用意したものに気づくように努力しなければならない。25GBと100GBの違いを生む主要因は、Lookup−Tableを用いるか変復調に頼るかである。変復調は画一的な基準で物事を判断するが、Lookup−Tableはどんなことも許容し、どんな小さなことにも眼を向ける概念である。
我々が対峙するのは雑音であって、自ら招いた回転ムラであってはならない。癌があって人間と言う主は適応することができたように、雑音とはビッグバン宇宙にある10の80乗の陽子・電子対の叫びである。それと共に生きることを決めた時に、100GBと250GBの自然律は我々のものになる。
光は非接触で記録・再生するから405nmの波長で100GBになるのが自然律である。ハードディスクは接触であるから、1,000,000nmの波長でも250GBを記録・再生できる。であるから競い合わないことが自然律である。共存するように創造主は用意している。
8列の点光源列は図81に示すように端面発光LDで構成される。端面発光LDは往復長が短いので電磁界が横に漏れやすく、隣接するチャンネルと位相同期を取るのが容易である。またチャンネル長が短いので光の往復モードの安定が速く、端面発光と比べて高周波で変調できる。8つの活性層#1〜#8は図10に示した原理によりそれぞれが点光源に見える。各主活性層はその上下に副活性層を持ち、その上下にどちらかに閾値電流を越える電流を流すとLDモードになり、主活性層と電磁結合して位相同期する。位相同期が起これば、同じく図10に示した原理により、主活性層と副活性層は合わせた一つの点光源を構成して、その位置は電流配分と位相差によって上下に振られる。これがY方向のPPMである。
X方向のPPMはディスクが回転する時間差で行われる。
再生時は図85に示すようにマイクロPDアレー#1〜#8でPPMとPDMが検出される。
従来の光ディスクでは、ディスクとOPの相性の問題があり、ディスクが規格に合致し、OPが規格に合致することが要求され、その間にFlexibilityは存在しなかった。この大きな弊害を取り除くために、SBDではTOCにSaple信号が書き込まれ、それをLookup−Tableとして、PDによって検出されたアナログ量配列データが、Lokup−Table上アナログ量配列の中から一番類似したものを選ぶようにして、ディスクとOPの相性の問題を無くしている。このLookup−Tableは8x8のBlock内干渉を含んでいる。Block間干渉をは含まないために、十分なガイドバンドがある。これはEFMし信号をアイパターンでスライスする方法と比べて圧倒的に深い変調が許され、相性問題がなくなる。このため1スポット当たり(3+3+2)の8ビットの深さを持っている。
また従来のSingle−Track方式と比べて、ディスクの回転ムラとクロックのジッターの影響を受けないようになっている。
図84は端面の透過率とLDの光強度変調の遅れ時間の関係を示す。
NBDでは48umx48umのBlock内にある8x8のピットを、磁気浮上のCSOPで読み書きします。CSOPは方形でNA=0.6の配列です。CSOPは発光素子アレーを電流分布を変えて、結像のX−Y平面のBlock内を位相集中スポットを電子的に高速走査することができる。
図86はSBDの記録・再生形態の例を示す。
図87はSBD/NBD用のCSOPを示す。
記録時にはこの偏向走査により、8x8ピットのPPM/PDM書き込みを行う。再生時にはその戻り光を面発光アレーの中央に配したPDで検出して、PPMとPDMを検出できる。
裏面を着磁したCSOPチップをNBDシートの上で浮上して静止させ、自在に飛び回らせるには磁気3次元ポテンシャルの中に閉じ込め、姿勢を固定しなければならない。NBD用のCSOPは4隅にPDを持つCMOSシリコンICの上に面発光LDアレーチップを載せたものである。これを4重極着磁したしたじゅうたんの上に乗せる。
これを平面配置四重極磁界の中に、N−S極を対向させて置くと、お互いに引っ張られてCSOPの光軸は安定し、CSOPの方位も安定し、Z座標の位置も安定します。しかしX−Y座標位置は中心位置からずれるとどんどんその方向に外れて行ってしまう。
今度は上下配置四重極磁界の中に、N−S極を対向させて置くと、お互いに引っ張られてCSOPの光軸は安定し、CSOPの方位も安定し、X−Y座標位置も安定します。しかしZ座標位置は1度ずれるとどんどん片方の磁極に引っ張られて行ってしまう。
そこでこの両者を組み合わせて、X−Y−Z座標位置、方位、光軸の3つが安定する磁気ポテンシャルの井戸を形成します。一切には上下配置の下側の四重極は省略される。この磁気ポテンシャルの井戸を、両面の直流コイルアレーを切り替え、また4重極のバランスを変えることで任意のX−Y座標位置にすばやく移動できる。
PDを持つOEICはオンチップコイルを有し、上面コイルから電磁結合で電力の供給を受け、その大部分を面発光LDアレーで消費します。書き込み信号とコントロール信号はこの電力搬送波を振幅変調または位相変調し、読み出し信号はBackscatterを位相変調または振幅変調する。
地球環境保全の点から言えば、光ディスクの合計1.2mmは、資源の無駄遣いであり、ごみ問題であり、焼却されて空気の汚染問題となる。回転型ディスクでは円盤の上下動を抑えるためにこの厚みが要求される。またスクラッチの影響を軽減するためには保護層の厚みも必要である。書き損じがなくなり、また再書き込みが繰り返して行われるなら、資源の無駄遣いは半減する。
究極的に人類が光ディスクでやるべきことは明確である。
1.回転円盤方式を止めて、上下動の問題をなくする
2.基板は木質紙かコーン紙にする。
3.0.1mmの保護層だけプラスチックを使う。
4.キャディは使わない、傷のデータはネットで取得して補完する
これはまさに、NBDの定義である。
【0060】
<CSOPによる立体画像の描画>
CSOP1(チップサイズオプティカルピックアップ)によって光ディスクBD/EBD/SBD/NBDで記録・再生された画像データはCSOP2(チップサイズオプティカルプロジェクター)によって立体画像表示される。但しBluRayは平面画像規格である。記録・再生に使われる光の波長は405nmであり、立体画像表示に使われるRGB3原色のLDの波長は650nm、550nm、450nmである。
図94に示すように、3板式のRGBのLDアレーチップは円形アレー放射器を1920x1080のHVでは1つ、3840x2160のSVでは4つ、7680x4320のNVでは16個有している。アレー放射器の偏向の解像度は、アレー円の直径を光の波長で割った数値でほぼ表され、アレーの直径が2.2mmであれば解像度は4000本であり、HVの水平解像度1920本の倍である。即ち、SVはHVの4つ並列であり、NVはHVの16個並列となる。HVのビデオ信号の帯域は100MHzであり、SVとNVもそれぞれ4分割、16分割されているので同じ帯域100MHzである。
立体画像表示方法に
1)左右の目の視差を利用するもの(擬似立体TV)
2)3次元の直方体の中に等価的な発光点を置くこと(真性立体TV)
の2種類がある。先ず2)は、水平の並びの人の目を縦の並びにしても立体画像のままであり、また立体画像と人間が3D−GUIで関わり、また複数の視聴者が1つものもを別々の角度から捉えられるが、1)では目の並びは水平に保ち、3D−GUIとは関われず、視聴者は見る角度を選ぶことができない。
通常そのまま撮影ができるのは、1)の方式に対応した2板式の立体カメラであり、そこで2倍に膨れ上がった情報を、図95に示すように相関をとって圧縮し、50%増し程度の情報量にすることができる。2)の方式の撮像方法はこれと全く異なり、1板式の平面カメラで撮像するが、画素領域(テクスチャー)毎に奥行のインデックスをつけるものであり、情報量は平面画像から殆ど増加しない。ゲームやコンピュータのグラフィックスには、2)が適している。リアリティは圧倒的に2)が適している。
立体画像を表示するには、1)は3板2セットでXY座標の中で行うので高価であるが、2)は3板1セットで結像をXYZ座標の中で行ので安価である。2)は古くから静止画像としてあるいは準動画としてホログラムで実現されて来たが、ホログラムはTVを鑑賞できる可能性をもっていない。唯一2)をおぼつかなく実現しているのが、図96に示す前後に2つのスクリーンを配して2つの像を投影し、その2つの像が重なり合った時には、前後の像の輝度の比で人が中間の場所にそれがあると認識するのを利用している。これは遠近法で前の像を後ろの像より小さく投影して重ね、前のスクリーンを半透明にしなければならない。視聴点は一点に固定される。
1)の方法は1950年代の飛び出す映画から始まり、あらゆる方法が試されたが、左右の視差は人間の立体認識の1部であり、例えば単眼で上下に動いていても立体であると認識しているし、またピントを合わせることも立体感覚に関わることである。1)の方法は高価であるばかりでなく、より大きな情報量を必要とし、コンピュータやゲームのグラフィックスのレンダーリングとマッチしないので、これ以上の検討の価値があるとは思えない。立体表示である以前に、表示装置としての資質を十分に備えていなければならない。
【0061】
<表示装置として存在できるもの>
1)表示装置の代表格であるカラー液晶は、照射効率が15%ほどのFLバックライトを使用し、それをカラーフィルターで選色しているので、限界の1/3より開口率が悪い1/5程度で使用され、全体の照射効率は3%程度である。カラーLCDが将来生き残るチャンスは無い。企業にとって生き残るチャンスがあるのは、そういった画一的なものに投資する資金を持たない企業である。それが世の常である。LEDをバックライトに使うことは照射効率を高める。
2)自発光の有機ELの照明効率の理論限界は25%である。これにも将来は無い。
3)照射効率が75%を越えないものは生き残れない。
4)次なる条件は、画面サイズとコストの関係である。50インチから200インチまで、画面サイズが製造コストに関係するLCDパネル、有機ELパネル、プラズマTVは無関係の要件を満たしていないから、2012年以後は押しなべて生き残ることはできず、製造装置の他用途への転換を計らねばならない。
5)寿命は、今後極めて重要な課題になる。100年間の耐久性が光源に求められる。何よりも大切なことは、方式が存続して100年後の人々の信頼を勝ち得ていることである。方式は人為であってはならない。天意に沿うかどうかが求められる。
6)薄型であることも必要である。液晶パネルはリジッドであるため薄型化の要件を満たさないが、有機ELはこの要件をスレスレで満たしている。表示装置は、本来照明装置であるべきであって、その上でフィルム状の様態を持っていなければならない。あるいは投射型でなければならない。
7)100年後に耐久性の寿命が訪れ廃棄することになった場合、新聞紙を捨てる以上の負担を環境に及ぼしてはならない。
8)LCDや有機ELに使われている透明電極のInなどの希少資源は使わないようにしなければならない。
9)先ず平面テレビとして100年の時代の試練に耐え、そのまま立体表示立体も行えるようにしなければならない。
【0062】
<地上解としてのCSOP2>
CSOP2は地上解であって、天上解は既に存在しているが別の技術群に属するためにこの論述では明らかにされない。しかしながら、CSOP2は上の9つの条件を満足し、LCDはどの条件も満足しない。大型LCDに新しく設備投資を行うものは、すでに道路交通システムに化石燃料を燃やさない方法で解決され、普及の手立て・手順も明らかになっている今、今更グローバル化を目指すのと同じように馬鹿げている。懸念されるのはそれらのグローバル企業が生産したものの廃棄である。
今必要なことは、人類が何ができるかではなく何が自然律で許されないかを明確にすることである。化石燃料を燃やし尽くすことはできない。核融合が地上に存在することはできない。何故ならば人類は太古から太陽という核融合工場を既に持っているからである。磁気浮上鉄道は存続ができない。何故ならば自然律ではないからである。地中1.7mより深い場所では通年温度が一定である。これは成層圏までの空気の熱容量と、1.7mの厚さの土の熱容量が等しく、地球表面の2/3を占める海を含めた熱交換が行われているからである。この原則をわきまえない、特に産業革命以後に作られた人間の道具は快適ではない。単に快適だと信じこまされているだけである。
創造主は常に答えを用意している。CSOP2はそれには合致しない。しかし、地上解としての要件は備えている。CSOP2は極めて良好な走査線TVである。懐かしいインターレースも有効である。CSOPはの照射効率は80%程度であり、75%の上記の審査基準を越えている。解像度は画面サイズ、プロジェクターから画面までの距離、平面TVで使うか立体TVで使うかには依存しない。
CSOP2が立体画像表示の特性を失うのは、1度スクリーンに投影されてスカラー化した場合である。これに対して人の網膜というスクリーンに投影されることになる場合は、立体画像である。
NTT方式のような立体画像実験機に於いて、スクリーンに投影しながらCSOPで強引に立体画像らしくすることはできる。それはNTT方式のように2枚のスクリーンを使い、前側のスクリーンを半透明にして同じ画像が視聴者の視点から見て重なり合うようにし、前後のスクリーンに結像した輝度を比例配分すれば、1台のプロジェクターを視聴者の脇に置いて、同様のものずっと簡単な手続きで実現できる。しかしこれは人の脳を含めた画像認識上の錯覚に基づいており、意味がある装置だとは言えない。CSOP2を壁に置いて視聴者の方を向かせ、その周りの90cmx160cmの枠に画像を等価的な点光源の集まりとして置き、10mm以下の厚みの薄型ディスプレーにこだわりたければそのまま使用し、こだわりがなければ90cmx160cmx80cmのHxWxDの奥行きを持った空間に立体画像を表示すればよい。この2つの使い方は、CSOP2として部品構成や製造コストに差はない。従って90cmx160cmx<0〜80cm>の立体空間に最初から投影すればいいのである。こうして見れば薄型化を推進しているのは供給メーカーの思い込みであって、そんなものはあなたの顔は平面的ですねと言われているのと同じである。そんなことよりも、廃棄する時にとの位の環境負荷になりますか、デバイスマイルはどのくらいですか、と聞きたいものである。
CSOP2にとって重要な課題は熱の放射である。従来40WであったLCD−TVはCSOP−TVでは1.5Wになる。視野角はLCD−TVと大差はない。立体TVを横から見ることは無意味であるから、視野角を言う概念は廃絶し、個人化に着目しなければならない。1.5Wの内200mW程度がLDアレーチップから有効な光ではなく熱として放熱され、また駆動するシリコンチップから500mW程度の発熱がある。CRTを使ったプロジェクターの液体循環冷却や、LCDプロジェクターに必要なキセノン球のような大きな発熱はないが、21世紀型の製品としては異例の発熱量である。
CSOP2の解像度は、LDアレーチップ内の位相同期に依存している。NVで16個の円形放射アレー列になっている場合は、円内の位相同期だけが重要である。16個の分割走査は、自動車の2つのワイパーのように同じタイミングで走査するので、光が円形放射間で干渉することはないからである。CSOP1のように光ディスクの反射面との間のBig−Phased−Loopが存在しないので、LDチップの裏面に距離のある反射板を置いて、Big−Phased−Loopを構成している。
CSOP2は3原色方式であり、RGBの3板LDアレーを、ハーフミラー、ダイクロイックミラーを介さず重ね合わせている。このためラスター歪、コンバージェンスはCRTと同じ問題を持っているが、数式的な演算で電子的に制御される。
RGB1セットで、異なる2つのスクリーンに描画することができ、また真性立体TV表示もRGB1セットのままである。これを3板1セットと呼ぶ。
光学系の正しい設計を進めるに当って、なんぴともコヒーレンシーという曖昧な用語を廃絶しなければ、それを使う技術者を落伍者にしてしまう。
【0063】
<携帯電話端末>
CSOP2は、携帯電話端末に埋め込んで20cmx30cmx10cmの立体画像空間で等価結像する(虚像)のは、部品コストが2500円程度であり、太陽光の下でも明るく、立体的な画像を得るのにこれまでの小さなLCDパネルよりも低コストであり、消費電力は少ない。3D−GUIはタッチパネル方式より快適であるために、タッチパネル方式は生き残れないであろう。CSOP2と従来の小さなLCDパネルを併用する意味は残らないであろう。
旅行先で50インチの大きさでTVを鑑賞すると、900mAHのリチュウムイオンバッテリーでは1時間しか鑑賞できない。しかし、外部電源に接続して200インチのNV立体TVを家族で見るのには最も適している。
自然律は携帯電話端末を1〜3年で買い換えることを無意味にしている。何故なら、800MHz帯を使いながら、1.5GHz帯、1.7GHz帯、2.0GHz帯、2.5GHz帯の通信のバンド幅を全てを800MHz帯に移し、且つ現在の転送レートを倍増して、基地局の負担を軽減するシステムがすでに21世紀物理学に基づいて開発されており、その科学原理の元で通信事業者は事業を辞めるか、100年寿命規律を守るかの選択しか与えられないからである。
携帯電話端末にRGB3板のCSOPを組み込んだ状態を考えると、2通りの表示方法がある。
1)スクリーンに投影する平面TV
2)RGB3板を覗き込む立体TV
この内、1)については従来のプロジェクションTVと同じ観念で理解がし易いであろう。2)の立体TVに関しては、正しい理解をする時間が必要である。SF映画でペンや携帯電話端末で空中に描画するが、あれは無理である。何故ならそこにスクリーンがないからである。RGB3番は人に向けなければならない。自動車のヘッドアップディスプレイは斜めの窓ガラスがあるから前方に描画できる。CSOPでは3板の周りのXYZの座標にスポットを結像できる。これを人間の両眼の網膜が捉える像は、人間の立体空間を捉える状態と同じである。図97に2つのモードの違いを示す。
携帯電話端末は、CSOP2及びRyo‘sキーボード/マウスと組み合わせた場合、すでに多機能の電話端末の意味合いを越えた責任と義務を与えられ、地球に住む人々が根源的な科学の恩恵を受け自然に返る手立ての1つとなるのである。MITのネグロポンテのいう手回し発電機付の100ドルPCが、真の意味でここに準備されるのである。
図98にCSOP2の基本機能をおさらいする。
【0064】
<ウェアラブルPC>
ビルゲーツの言うウェアラブルPCは、むしろハードウェアの重要さを忘れないアップルコンピュータによって身近なものになる。図98はその代表的な形態である。キーボードとマウスはワイヤレス/無電地で量産に移行できる準備が完了している。ディスプレイはCSOP2でスクリーンに投影するか、直視する立体型である。Ryo‘sフルキーボードは丸めて胸のポケットに仕舞うことができる。
CSOPは癌を撲滅はできないが、癌で死ぬ人は地球上からいなくなると考えられるので、ウェアラブルPCを提唱したビルゲーツに残された課題は、3D−GUIのためのウィンドウOSプラットフォームの僅かな変更と、AIDSで死ぬ人を無くすことである。ビスタウィンドウストリームはその流れに乗るのに矛盾は無い。
【実施例】
【0065】
本発明の製品としての実施例群を図99に示す。
【産業上の利用可能性】
【0066】
光ディスクの100年先を原理的に可能なものと不可能なものに選り分け、DRAM、Flashメモリ、ハードディスク、放送/ワイヤレスによる直接配信等と正しい棲み分けを現時点で行い、正しい在り方を決めて行く。光ディスクはプラスチックの塊であり、これを使い捨てにすることは許されない。究極的には土に返る紙で作ることが望ましい。本発明はそれに道を拓くものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】はCD/DVD/BD/EBDの3.5Wayのディスクドライブの系統を表したものである。
【図2】は従来の光学系のコンパチビリティと、本論術による光学系のコンパチビリティを対比させたものである。
【図3】は古典形式の3Wayのうち、Philips形式の光学系のPreferenceを示したものである。
【図4】は古典形式の3Wayのうち、Sony形式の光学系のPreferenceを示したものである。
【図5】はBDの光学系のPhilips=Sony形式のアーキテクチャーである。
【図6】はBDのLD放射角の対物レンズへの照射の具体例を示したものである。
【図7】は点光源からA体位照射でのBDのNA限界を具体的に示したものである。
【図8】は点光源からB体位照射でのBDのNA限界を具体的に示したものである。
【図9】はLD光源の位相分散による点光源の大きさWxHの広がりを加味したB体位照射でのBDのスポットの形状を示す。
【図10】は活性層の長さLがLDモードではスポットの大きさに寄与しない仕組みを現している。
【図11】はLDの活性発光層と遠方放射である。
【図12】はLDの共振に実体である。
【図13】はLDの多波長モードの仕組みである。
【図14】はLDの前方放射位相合致の仕組みである。
【図15】はLDの放射指向性の数値原理である。
【図16】はLDの放射パターンの代表例である。
【図17】はLDの活性層の長さLと放射指向性の関係である。
【図18】はLDの指向性半値角と屈折率の関係を示す。
【図19】はスポットを小さくするためのWxHxLの最良設計である。
【図20】はLED動作とLD動作の切り替わりを示す。
【図21】はOEICにおけるPDと初段増幅器の要点を示す。
【図22】はLDの端面発光と上面発光のマルチストライプである。
【図23】はスポットの形状のサイドロープのマルチストライプ補正である。
【図24】は2次元的ストライプによるサイドロープの減殺である。
【図25】はダークライン回避のための使い切りLD/PD列である。
【図26】は赤色LDポインターの仕組みである。
【図27】はチップサイズOPの構造である。
【図28】はCSOPのLDスポットサイズである。
【図29】はアルミピット層の行路差反射を示す。
【図30】は対物レンズへの再照射の Smart Pickupを示す。
【図31】は読み出し専用ピットと書き込み可能層を示す。
【図32】は対物レンズの前のY軸方向の反射光分布を示す。
【図33】はLDの対物レンズへのコサイン分布照射とスポット形状を示す。
【図34】はビームスポットとNAを示す。
【図35】はbの長さとスポット形状の関係を示す。
【図36】はNAとスポット径である。
【図37】は中央部1/4径を照射しない中抜き照射のスポット形状である。
【図38】はレンズを通さない反射光の2分割PDによる検出である。
【図39】はPush−Pull法によるトラッキングServoを示す。
【図40】は近代形式のフォーカスエラーのゼロクロス性を示す。
【図41】同一のレンズLDによるDVDとCDの読み書きのディスク保護層の厚み差補償である。
【図42】非点収差を利用したDVDとCDのスポット形状切り替えである。
【図43】は非点収差中立による3Way−PDの簡素化を示す。
【図44】はSkew エラーのビームスポットを示す。
【図45】は現代形式の記録・再生時動作を示す。
【図46】はハーフミラーなしのレーザーカプラーを示す。
【図47】は近代形式/地上解を示す。
【図48】は近代形式/地上解のPDである。
【図49】は近代形式1(凹面鏡)を示す。
【図50】は近代形式2(平面レンズ)を示す。
【図51】はEnhanced−BDを示す。
【図52】は一様照射分布でのスポット平面形状を示す。
【図53】はEnhanced−BDの記録・再生を示す。
【図54】はBD/EBDの一様照射分布でのスポット平面形状を示す。
【図55】はデフォーカス時の領域照明の強度分布を示す。
【図56】はEBDのPDアレーとイコライザーを示す。
【図57】は二子山による同時消去・記録を示す。
【図58】は三つ峠による同時消去・記録・再生を示す。
【図59】はVelocity−Modulationを示す。
【図60】は3WayOPのピット高、LD光波長、保護層、NA照射を示す。
【図61】はデフォーカスに対応した3Way記録・再生のPDアレーを示す。
【図62】は中抜き反射鏡と中抜き平面レンズによる近代形式OPを示す。
【図63】は中抜き反射鏡によるビームスポットとPD−Arrayを示す。
【図64】は近代形式の3Way読み書きOPを示す。
【図65】はコサイン分布照射の3WayLDのデフォーカスビームを示す。
【図66】はトラッキングエラーと2分割PDアレーを示す。
【図67】は現代形式によるハーフミラーなしEBD用OPの実際を示す。
【図68】はCD/DVD/BD/EBDの3.5WayのOP構成を示す。
【図69】は光軸の周りのピント領域(フォーカルエリア)を示す。
【図70】は波動でも粒子でもない光・電磁波の大原則を示す。
【図71】は二重スリットによる干渉を示す。
【図72】は壁新聞用の壁画像を示す。
【図73】はEBDの真性立体画像情報の2時間記録内容を示す。
【図74】は個別立体音像を示す。
【図75】は各形式OPの光学部品構成を示す。
【図76】は微小癌診断と癌細胞熱破壊施術の光ヘッドの構成図である。
【図77】は光ピックアップによる癌細胞のピンポイントアタックである。
【図78】は形式によるOPの違いである。
【図79】はSBDとNBDの8x8の2次元ピットBlockである。
【図80】はSBDとNBDのピットの2次元位置・深さ変調である。
【図81】は記録容量を決めるものである。
【図82】はSBDとNBDのピットの2次元位置・深さ変調である。
【図83】は副活性層による発光点の偏向である。
【図84】は端面発光LD の活性層内の光往復時間による応答の遅れである。
【図85】はSBDの再生PDアレーである。
【図86】はSBDの記録体位と再生体位である。
【図87】はFlying−CSOPの電子制御である。
【図88】はFlying−CSOPのBlock内高速スキャンである。
【図89】は4隅を4重極着磁されたFlying−CSOPである。
【図90】は水平面配置4重極磁場の中の安定である。
【図91】は上下配置4重極磁場での安定である。
【図92】は重力を利用した全安定磁場である。
【図93】は位置制御・姿勢制御方式である。
【図94】はCSOPのアレーサイズと投影画像の解像度である。
【図95】はDirect−View立体表示とステレオメガネ方式の情報量の差である。
【図96】はNTT型前後重み付け立体表示装置である。
【図97】は3原色レーザーポインターによる画像表示である。
【図98】はCSOPの画像描画の動作原理である。
【図99】は3D−GUIとウェアラブルノートブックである。
【技術分野】
【0001】
本発明はCD/DVD/BD/EBD用の光ピックアップおよび局所的微細病巣の診断・除去のための光ヘッドと立体表示に関するものである。
【背景技術】
【0002】
20世紀に音楽レコードの置き換えから始まった光ディスクは専ら、短波長化を追及しコンピューター周辺機器としての位置も確立した。光ディスクは今後も半導体メモリに置き換わってしまうこと無く、主要メディアの一つとして生き残こるであろう。しかし21世紀にはこれまでと違った形の光ディスクに方向転換行くと考えるものである。
本論はCDで確立されたLDとPDとレンズからなる光学系で構成されるか、またその短波長化であるDVD/BDが統一化された地上解としての光ディスクの光学系の有様について先ず述べ、そして究極の様態である天上解について述べる。天上解とは、物理原理を見直し地球環境維持が究極的な解決策で実行される技術維新群として、人間社会の全ての科学技術が革新的な変貌を遂げる中で行われるものを言う。地上解は企業間の重複と競争があり、繰り返しと古いフォーマットの破棄があるが、天上解は最初から究極解が与えられ、技術の進化なるものに依存しない。天上解は創造主が初めから用意して置いたものに、地球上の誰かが何時かは行き着く類のものである。天上解は地上解の延長線上には無く、技術的な繋がりもない。多くの製品技術分野に於いて、現状から将来の姿は見えない。天上解は未来から今にやって来るものである。20世紀中にも地上解として集大成されるべきであった光ディスクに誰から見ても不足していたものは
1)光学部品に透過率などの問題が出る400nm以下の波長は追及しないという決意
2)25GBのBDと40GBのEBD(Enhanced−BD)を読み書きできること
3)OPの製造を容易にしてコストを2/3に下げ、同時に1.5倍長寿命化すること
4)3WayOPの1.2mm/0.6mm/0.1mmの保護層厚み問題を克服すること
5)OPの薄型化、小電力化、高速化に対してはっきりしたマイルストーンを示すこと
6)2012年からの天上解へのスムーズでダイナミックな移行への踏み台となること
であり、集大成の目的はこれまでに生み出したフォーマットを、図1に示すように物理的に統一された形で再構成することである。
図1に示すEBDの用途は、決して十分に精細とは言えない1920x1080のHiVision−DTVの解像度と、MPEG2/4、H.264の画像圧縮、それに対応したBDでの2時間平面画像情報記録に画像のデテールに改良の余裕を与え、また天上解として既に解法が見つかっている真性の立体画像表示装置に対応させた、右眼撮像情報と左眼撮像情報の差分画像圧縮信号を挿入記録するための、BDの1.6倍の記録容量を持たせるものである。これはまたPCプラットフォームの3D−GUI化と一体のものである。3D−GUIとは立体表示空間に手を入れて3次元のハンドルでGUIを行うものであり、臨場性ではなくPCの操作性を著しく向上するものである。
【0003】
光ディスクプレイヤーの互換性を維持するためには、非点収差を決める保護表面層の厚み1.2mm/0.6mm/0.1mmの切り替え、レンズのNAの適合性などが維持されなければならない。従来の考え方と本論の考え方を図2で比較する。従来はこれまでのCD/DVD/BDの3Way記録再生のそれぞれに波長の違うLDを使用し、また350nm程度の短波長光源が見つかればX−Discなる高密度記録性能が得られるという考え方であった。しかし既に光ディスクの天上解があり、万物の物理原理がこれまでと違った形でほぼ解明されている以上、光ディスクの地上解がなすべきことは、20世紀型の研究開発・製品導入という消費の悪循環を断ち切り、将来を含めた集大成を計って天上解にバトンタッチすることである。20世紀型の光ディスクの集大成は、ピット高対応のための405nm(BD)と650nm(DVD/CD)の切り替え、NA=0.85の単一レンズ、およびDVD/CDの保護層厚み問題を解決した上で、1系統または2系統LD/PDアレーという光学系で、CD−EBDの間を数点の部品からなるOPでカバーすることである。
リチャードファインマンが明らかにしたようにプラスチックが屈折率を持ち、その屈折率が多少の分散(波長依存性)があるのは、媒質に数式1に示すような分子構造の周波数共振点があり、それから離れた波長では裾野での振動による再放射が屈折という現象になるからである。この分子構造の共振点より高い周波数では媒質は不透明である。共振点より低くても透過性が低下する。LDの現実の発光の仕組みを含むこう言った20世紀に既に分かっている基本事実をわきまえないで、徒らに短波長化と追い求めるのは、消費者・地球生活者に混乱を与える結果を生み、研究者に不満足な人生を送らせる。
【数1】
【0004】
<20世紀科学の落とし子>
従来のPhilips=SonyタイプのCD/DVD/BDの3WayのOPの代表例はPhilipsタイプとSonyタイプである。どちらもOrthodoxな構成であるが、Philipsタイプは光学経路でLDを3つに分け、3WayのPDは同じ場所に置く。Sonyタイプは3波長LDを1箇所に置いて、PDは光学経路でLDを3つに分けている。これに対して新しい3.5WayのPDアレーはLDとPDの鏡像関係の位置合わせが必ずしも必要ではない。
図3にPhilipsタイプを示し、図4にSonyタイプを示す。
従来方式をは、有体に言うならば、実験装置をそのまま製品に持ち込んだもので、古典形式と呼ぶことができる。実験を経ず製品を自在に設計できるには、光学原理が真なる正しい理論で理解され、コンピューターシミュレーションのみで2%の精度で光学システムが設計できなければならない。従来はそのための学問・工業化体系は十分できていなかったばかりでなく、多くの本質的な誤りを犯していた。それでも製品が出来上がっていたのは、技術者の努力の賜物である。
【0005】
<BDの動作状態の検証>
BDはHD−DVDを中止に追い込んだが、それはコップの中の嵐であり、この競争は本質的なものを何も含んでいない。競争し、また対峙しなければならないのは自然律である。20世紀型光ディスクの集大成が行われるためには物理原理が正しく理解され直し、またOPの基本的なアーキテクチャーが根本から整理・再構築される必要がある。古典形式を整理すれば
1)点光源としてのLDで記録・再生する
2)対物レンズを通して再集光された反射光を4分割PDで検出すること
3)ハーフミラーで4分割PDの中心とLDの発光点を鏡像関係で一致させる
4)NA限界で使用し、サイドローブは無いことにする
5)可能なら多値記録をし、また記録時に超解像を使う
本論はこれらの絶対的に正しいと思われていた目標や原理の暗黙のルールが必ずしも正しくないことを同時に示して行く。
図5はこれまでのBDの画一的なOPの構造である。コリメータレンズの使用は本質的な事柄ではない。本質的なことの一つは端面発光のLDの構造上、放射の指向性が楕円になることである。対物レンズで収束されたビームスポット径を小さくするためには、スピルオーバーを許容してレンズ部分への照射を一様分布に近づける。必然LDと対物レンズの間の光路長は長くなり、LDの有限の発光点寸法はa/bのスポット像として小さくなる。これがB体位である。A体位はその逆の特質となり、スピルオーバーは殆どなくなる。
図6は端面発光LDの特定のWxHxLに於ける放射分布のシミュレーション結果を示す。LDの動作の理解を反映していて、実物と極めてよく一致する。通常縦方向の放射全角は40度幅前後、横方向は20度幅前後である。放射分布はレーズドコサイン分布ではなく、数式21に示すコサイン分布(図の中の点線部分)で近似できることが分かる。図の中の二重の円は、LDの放射分布を照射すべき対物レンズの大きさをA体位とB体位で示したものである。
【数2】
このLDの放射分布をNA=0.85の対物レンズに体位Aとして照射(イルミネート)した場合のスポット形状を図7に示す。横軸の目盛は波長単位である。これは周波数帯域幅が広ければ時間軸のパルス幅が狭くなるフーリエ変換の時間軸と周波数軸の関係のようなものである。通常はトラック方向がLDの活性層の幅に対応しており、ピット列方向は活性層の厚みに対応して、ピット列方向の分解能を優先させている。厚みが薄ければ放射角が広がり実効的なNAが大きくなるのでスッポト径は小さくなる。NAが大きくなるとサードローブ応答が大きくなるが、同じピット列のシンボル間干渉であれば、PRMLで誤り訂正は行われるがイコライズはされない。このBDのスポット径は数式3で導かれる。
【数3】
このLDの放射分布をNA=0.85の対物レンズに体位Bとして照射した場合のスポット形状を図8に示す。A体位と比べてビームが細くなり、サイドローブが大きくなるのが分かる。B体位は照射の光量の一部をスピルオーバーによって捨てている。市場に出回っているBDプレーヤーの殆どは主しビームの広いA体位で設計されスピルオーバーという概念はない。数式4はBDのB体位のスポット形成に対応している。数式4はB体位のスポット形状の導出式である。
【数4】
LDの活性層の、長さLの中での位相の分散を考慮しない、断面の位相の分散による等価的な開口ΔWxΔHだけを考えると、スポット径が非点収差となって広がりサイドローブは少し緩和する。数式5がそれを導く式である。
【数5】
LDの活性層の長さLそのものはピット面のスポットの大きさには寄与しない。つまりピット面の光軸に沿った前後で奥行きのある光源像を結像をしない性質がある。LEDの活性層の対物レンズを通した倒立像は奥行きを持つ3次元の像であるが、LDの活性層の対物レンズを通した倒立像は奥行きと幅と高さが位相分散の分だけに縮まった、点に近い像である。ΔLの主要素はGaNの屈折率2.5のために生じる非点収差であるが、これはディスクの保護層の厚みによる非点収差とa:bの比を調整して相殺させることができる。ΔLの副要素は発光の位相が媒質内の光速度からずれる位相分散である。活性層の上下にクラッドを設けて光を閉じ込めようとするのはΔLが大幅に増えるので間違いである。位相が揃えば光は前方にしか進行しない。クラッドを設ければ、LEDモードからLDモードに位相同期する閾値電流を低くすることができるが、その閾値付近を動作点にはしないのでクラッドを設けるのは論外である。
長さLではなく、ΔLだけが結像の大きさに寄与する仕組みは、図10に於いて活性層の最前部から出た光と最深部から出た光の位相が、等価発光点から出た光の位相を挟んで正負が逆であるために、ベクトルP1とP2を足したものの位相はP0の位相に等しくなり、振幅に於いてはベクトル和として図6の放射分布として既に反映されているからである。即ちLDの特性として奥行きのない光源として見えるのである。また幅Wと高さHはその位相分散ΔWxΔHに像倍率b/aをかけた値でピット面で寄与する。
【0006】
<LD光源の性質>
光源にLDを使う場合の放射光はこれまでは理論が確立しておらず、またレーザーとは発振であると言う間違った説明が通っていた。LDの計算による設計は、せいぜい活性層の電流分布の後追い解析程度であり、発光の機構の理解は進まず、専ら実験による試行錯誤で開発されて来た。また新しい素材でのLEDでの発光の確認とLDの商品化までの間の過程で、信頼性の確認は除外しても、遅れがあった。しかし何故か、LED発光すれば必ずいつかLDにすることが出来るという確信だけが業界の中で経験則として育って行った。当たり前の話である。発振現象ではないので、問題は電流を大きくして言った時に結晶構造が維持できるかとうかと言う問題だったのである。
本論述でLDの真の理論が突然に確立し、光学系が単純に十分な精度で計算でき、また短波長LED発光の確認とLDモードへの移行は製品開発として同時進行となる。図11にLDの基本概念を示す。
LDの動作についてはこれまで大きな事実誤認があった。活性発光層の中では両端の鏡面(碧解面)で反射した定在波が立ち、その電界で誘導放出をするのがLDの動作原理である。アインシュタインが説明したと言う誘導放出の理解がいささか怪しげで、何か特別のもののように響くが、それが間違いの始まりである。ダイオードを電気回路的に捉えると、kT/qボルトのボルツマンの温度分布電圧に印加電圧を加えたものが軌道電子の遷移のバンドギャップ電圧を越えると電流になる。この電流は印加電圧の増加に対して指数関数的に増える。LDとはこの印加電圧に、単に往復する光の電界が加わったものが、バンドギャップ電圧を越えるだけの話であり、位相同期するのは当たり前の話である。図12にLDの仕組みを示す。
アインシュタインの解釈で正しかったのは、ブラウン運動とEPRパラドックスのハイゼンベルグへの反論だけであるが、後者は自分で撒いた光電効果という誤りの量子論が招いた種である。活性層の長さLに屈折率nを掛けたnLが光路長であり、往復の光路長は発光波長の整数倍になる。この整数が変化する場合、発光は不安定になる。あるいは複数の整数のまま動作し、それに対応した複数の波長が現れる。
電磁波としての光が両端の鏡面で反射を繰り返すが、図13に示すように、その定在波は2つの進行波の合成である。活性層とその上下の層は同じ屈折率にすると構造解析が簡明になる。
2つの進行波のうち、図14に示すように、復路光は前面への放射には寄与しない。何故なら各原子の発光の位相に合成がなく、その総和はゼロとして取り扱えるからである。また光速で遠ざかるものを見ることができない。これに対して往きの光は波の進行による励起の連鎖が、媒体の波の速度と同じに起こるので、位相の合成が同位相で積算されて行く。活性層は立方体のフェーズとアレー放射器と看做すことができる。
即ちLDの放射パターンは、図15に示すように、HxWxLの立方体に、(今の場合は計算の簡単のために)均一に発光放射点が分布し、その発光の位相が背面から前面への媒質中の光の速度の順になっている放射アンテナである。その上下・左右の指向性半値角は媒質の外に出る際にn倍になる。数式6、数式7、数式8にその指向性を示す。立体表示の放射分布は数式6で、X軸上の放射分布はは数式7で、Y軸上の放射分布は数式8で表される。
【数6】
【数7】
【数8】
図16に放射パターンを示す。
通常のLDの放射指向性が縦長の楕円になるのはH<Wから来ている。このように一度LEDの素材が完成すれば、LDモードの発光とその放射パターンの形成は、今後自由自在にできるのでもう議論の対象にはならない。LDの信頼性とは即ち、往復する光の電磁界が結晶格子のバンドギャップを越えて、結晶が崩れるかどうか(ダークラインはその一側面)ということである。放射光が媒質の外に出る際の屈折で、非点収差を生じる、光ディスクの保護層の非点収差を打ち消す。
LDの放射指向性角は主に活性層の高さと幅に反比例し、活性層の長さにはあまり依存しない。図17はH=3波長、W=10波長でL=20波長とL=80波長を比べたものである。
数式9はその計算式である。
【数9】
LDチップの屈折率をnとすると、チップ内の指向性半値全角はチップ外に出て、その半角の正弦がn倍の指向性半値全角になる。一方Lが長くなければ、指向性半値角はW及びHに反比例する。チップ内では波長は1/nに短縮する。このことから、チップ外部から見た短縮波長によるW及びHの指向性半値全角が、実際に媒体の屈折率が存在して外部に放射される指向性半値角と一致する。本論はLDの放射パターンと活性層の関係を数式的に初めて明らかにする。これによりLDの設計が正確に行えるようになる。発光がレーザーダイオードから扇状に放射しても、平行光線で放射してもピット面で点になる能力に本来差がある訳ではない。しかし細い平行光線ビームではレンズの中央を使うために、実効的なNAが極端に小さくなり、点光源のつもりのスポットは巨大な円になる。扇状の放射はなくてはならないものである。活性層の発光分布は実際には一様ではないが、その3次元の分布の計算は極めて簡単である。ここではLDの具体的な設計が主題ではないので詳細を割愛する。
LDに於いて、Lを長くすることは、波長の精度と電流密度を上げないで済むこと以外の意味は無く、碧解処理が可能な長さと、ウェーファーからの収率だけから決められる。Lが長くても、クラッド層を追加しない限り媒質内では点光源からのずれは概略加わらない。一般的に点光源は、平行光線で波面の位相が揃っていていれば対物レンズを通して像を作った時に点になると言えるが、LDはL方向では進行波として位相はほぼ揃っていて、むしろWxH面内に多く位相の分散があると言える。外部から見た発光中心の深さは、活性層の長さの半分を屈折率で割った値である。LDの点光源の大きさを生む大部分は、媒質の外に出る時の非点収差である。すでに述べたようにディスクの保護層の厚みにポリカーボネイトの屈折率の1.5を掛けた値と、LDの長さLの半分に媒質の屈折率を掛けた値の比がa:bの比に等しければ、対物レンズの両側で非点収差は打ち消し合う。
LD設計技術者は現在全員が、活性層の後方には放射はないが、上下方向には放射があり、クラッドでそれを閉じ込めなければならないと考えている。しかしそれは明確に誤りである。計算してみれば用意に理解できるが、活性層の立方体放射アレーは上下の方向には放射しないのである。これはオリバーヘビサイドが百数十年前に犯したエネルギー放射という誤りを、LD設計技術者全員が未だに信じ込まされているのである。最近米国東部の大学で6m離れた場所に、80%以上の効率で無線電力を送受信できるようになったのは、本人たちが気づいているかどうかは別にして、オリバーヘビサイドの嘘から開放された人々である。図18にLDの外部から見た発光中心の移動を示す。
LDの活性層の屈折率によるLから来る非点収差量と、WxHの開口内の位相分散による非点収差量と、ハーフミラーの斜め透過の非点収差量を加えたものが、対物レンズ反対側のディスクの保護層の板厚による非点収差量と等しければ、お互いに打ち消し合っているので、対物レンズが非点収差を補正する量はゼロである(非点収差ニュートラル)。a/bを大きくすると非点性は小さくピット面に現れるが、対物レンズを照射しないスピルオーバーが増える。これを避けるために図16に示すようにLDの活性層を長くすると、放射角が小さくなる。WとHを変えることは照射角、即ちaと相殺するので意味が無い。その関係を図19に示す。LDの発振については後述する。
【0007】
<戻り光と多波長モード>
LD単体の動作を観察し、単色性や放射角を吟味することは余り意味を持たない。レーザーというものに寓話的な意味合いや、空想の期待を与えたのが20世紀の仮説型物理学である。LDとLEDは同じものである。LD単体で測定した戻り光による擾乱は、実際の系では適切な扱いにより問題がなくなる。また多波長モードも同様に問題がなくなる。次に述べることは光ディスク記録・再生上極めて重要である。
ディスク面からの戻り光がLDの端面から入射して裏面に至る復路の電磁界による誘導放出は、前面への放射には全く寄与しない。あくまでも往路の電磁界による誘導放出だけが前面への放出に寄与するのである。ピット面でNA限界の大きさのスポットに結像しているならば、鏡面部の反射に関しては、ピット鏡面部とLDの裏面の間で波長の整数倍で共振が起こっている。これは長い光路のレーザー共振なので、単色性が極めて高い。このIntrinsic−Beautyに唯一水を挿すのがLDの端面の透過率である。OPが正常に動作している時はこの端面の透過率は100%が好ましいが、現実に設計されて来たことは1%の透過率を与えて、静的にLDを眺めて陶酔する現実である。
本来LDの活性層内の全分子は、相変化記録層の全分子と1対1で対峙しなければならない。活性層の分子数と結合のバンドギャップ電圧を掛け合わせたものは、記録層の分子数と相変化のバンドギャップ電圧を掛け合わせたものより十分に強くなければ、相変化を起こす前に討ち死にしてダークラインとなってしまう。この創造主の摂理に逆らって、LD端面の透過率を1%にしてはならない。活性層はOP全体に寄与しなければならない。上面発光LDの共振長が短いのは表面上のことであって、共振はOP全体で行われているのである。OP全体で波長の整数倍となる条件が満たされないものはOPを構成できないという事実は、CDの開発当初から一貫して守られなければならない大原則である。さもなくば、スポットは形成されない。LD端面は正にセクショナリズムの壁そのものである。
鏡面部だけではなく、ピット部からの戻り光に関しても、この波長の整数倍をいう原則に変わりは無い。多波長モードも戻り光擾乱も好ましくないものではなく、無くてはならないものである。創造主は何一つ不必要なものなど作っていない。報われない努力や、意味の無い存在、貢献の無い出来事など何一つない。それが宇宙と社会の成り立ちである。高速化の観点から言えば、LDの裏面からディスクのピット面までの距離を短くしなければならない。CSOPは2.5mg程度の重さであるから、動作距離を十分に小さくして、変化に対応することが出来る。
【0008】
<コヒーレント性>
コヒーレンシーを正しく理解するだけではなく、正しく定義できる人が今の所世界にはいないように見受けられる。コヒーレンスを誤解しても光ディスクの設計はできるが応用はできない。従って画一的な形が出来上がり最適化とは程遠い。コヒーレンスは無意味な表現であることを正しく理解すれば、その技術者には新しい世界が拓ける。学問・工業世界を観察するならば、レーザー光のために存在する用語コヒーレンシーには5つ観点があるようである。
1)干渉を性が高い
2)遠方まで細い平行ビームを維持できる
3)1点にスポットを絞れる
4)大きなエネルギーを持つ
5)位相が揃っている
光学の世界に身を置く人達は、光と電磁波は全く単一のものであることを完全に理解している。電磁波に関してそれが粒子性を持っていることを意識する人は皆無である。また光が粒子性を持っていることを疑う人も皆無である。その人達は奇妙に光と電磁波を使い分けていてダブルスタンダードになっている。上記1)〜5)を電波が達成しているのと同じ仕組みで光の仕組みとして理解している人は見当たらない。即ち何かのお題目を信じ込まされていて、それに異論を唱える見識は持っていない。
これらの漠然と理解・誤解されていることを1つ1つ明らかにしょう。先ずコヒーレント光の干渉性である。これは明確に誤りである。自然光は位相がまちまちであり、レーザー光は位相が揃っている。その事実とは全く無関係に、干渉は同じ程度に起こる。二重スリットの干渉はレーザー光と自然の単色光で全く差異が無い。油膜の干渉も、反射防止コーティングもレーザー光と自然の単色光で全く差異が無いことを皆はよく理解している。しかしコヒーレント光は干渉性が高いと信じていてその点で先ず完全に論理性を失っている。
彼らは、コヒーレンシーに空間性のコヒーレンシーと時間的なコヒーレンシーがあると例外なく言葉で理解しているが、空間性のコヒーレンシーと時間的なコヒーレンシーの違いの具体例を挙げられる人は誰もいない。電波は通常振動を波形として観測することができるが、光にはそのような検出器がなく、干渉した結果の光強度を知ることしかできない。電波は通常位相が揃った形で利用されるが、光に関しては強度や偏波面を利用するしかないのに、位相が揃っている事を何かの利点に違いないと期待するよう、教授達によってトレーニングされまた企業で押し付けられて来た。
同じ波長の自然光やレーザー光が反対方向から到来して交叉しても干渉は全く起こらない。単にその付近で定在波が定義できるだけである。しかし自然光もレーザー光も大抵は同じ方向からやって来て干渉する。やって来る方向が多少違えば、干渉はある長さの範囲に限られる。コヒーレンシーという用語を学んだ老若の光学者は、それに空間的のコヒーレンシーいう言葉を与えた。最初にコヒーレンシーという言葉を作った光学者が考えたことは、しかし後続の光学者とは全く違う。それはハイゼンベグの、光子は存在確立としてその辺りにある、という気持ちを擁護しただけである。
正確に言うならば、650nmのLEDの測定波長が50nmの広がりがあるとすると、波束は650x650/50/Piの長さであり、軌道遷移が電子の原子核の回りの4周回で完了しているのに対応している。この約4サイクル分の波束は放射方向にはその長さの広がりを持っている。しかし方位方向には、水面に投じた石の波紋が広がるように放散するので、有限の広がりを言うのは無意味である。これはLD光でも同じである。即ち、空間的なコヒーレンシーというのは言った回数だけ空虚になる用語である。LED/LDからの放射光が、20mmの先で対物レンズに当れば、その程度横に広がっており、2m先で巨大な対物レンズに当ればその程度に広がっている。空間的なコヒーレンシーなどと言う必要は何処にもない。
これに対して、LDからは4サイクルの波束が次々と位相を揃えて放射され、個々の単発的な波束の切れ目など見えず、等価的に巨大な長さの波束であると考えてもよい。従ってその巨大な長さの空間的な広がりを持っていると考えてもよいが、そう考えた所で、何かが特別に実用になる訳ではない。LED光は4サイクル程度の波束であるから、ピット高が1/4波長ではなく、10と1/4波長であれば単発の軌道遷移の放射では干渉をしない。LD光なら干渉をする。だからと言って、そんな状態では使わないので意味があるとは言えない。LEDの4サイクル光では干渉しないのがLDでは干渉する経路長差を時間的コヒーレンシーと呼んで見ても、レーザー物差しに利用できるくらいで、工業的な意味はない。
一つの軌道遷移による発光が東の宇宙の果てで再放射を引き起こし、同時に西の宇宙の果てでも再照射を引き起こし、その2つの再放射は再び出会って、2つの45度に傾けた鏡で同じ方向に向かせれば完璧な干渉を起こす。ただ強度が弱くなっているだけである。また地球の空気の揺らぎ(すなわち空気の再放射)で干渉が不安定なだけである。この系で、空間的にも時間的にもコヒーレンシーというだけ、話がややこしくなる。これはまたアインシュタインのEPRパラドックスを擁護するが、そもそも光電効果で嘘をついたので彼自身のパラドックスになってしまい、ニルスボーアに強く言えなかったのである。光量子は光が量子単位を持つのではなく、それに応答する軌道遷移が、遷移したかしなかったかの整数で数えられるだけのことである。
次に遠方まで細い平行ビームが作れるのは、コヒーレンシーとは何ら直接的な関係がない。細い平行光線が作れるというのは、即ち点光源であるということである。点光源であれば、そこから広い角度で放射する光はレンズによって平行光線になる。それは自然光をレーザー光のどちらでも同じである。位相が揃っている事と、点光源であることは何の関係も無い。1点に光束を絞れるということは、平行光線であることと同じなので、2)と3)は同じ意味になる。1つの軌道遷移による発光は理想的な点光源であるが、弱く、また長く続かない。多くの軌道電子を利用すると、強くなり長く続くが、点光源にはならない。LDは強く長く続き、位相同期によりほぼ点光源として扱える。
大きなエネルギーを持つというのは、大抵の場合1点に集まる単位面積当たりの光量を指している場合が殆どである。単位物体当たりの発光能力はLEDとLDで同じであるが、前方に放射を集中する能力はLDの方が100倍程度大きい。しかしこれはコヒーレンシーとは無関係である。位相が揃っていると言う点では、LD光は位相がほぼ100%揃っておりLEDは全くランダムである。
コヒーレンシーと言う言葉は、位相が揃っていることそのものではなく、元々可干渉性のことを言っている。しかし可干渉性は位相が揃っていることは関係が無く、自然光でも、100%近く位相が揃ったレーザー光でも差は無い。即ちコヒーレンシーという用語は全く論理的な意味が無い。想像するに、コヒーレンシーという概念はアインシュタイン=ハイゼンベルグの波動・粒子の二重性を持つという場合の、存在確率というものを意識して導入した曖昧な概念である。アインシュタインとハイゼンベルグは量子論で対立しているが、量子論を作ったのは光電効果と説明したアインシュタインそのものである。電波を量子論で扱う人はいない。従って光学を電波と同じに扱えれば、当面誰も傷つかない。人々がコヒーレンシーを持ち出した途端に、定量性を失う。光学が電波ならコヒーレンシーはやがて忘れ去られる。電波ではコヒーレンシーなどと言わないからである。そして量子論も数年で姿を消すであろう。なぜならば、半導体の構造も、雑音過程も、核融合も、DNA解析も、超伝導、宇宙の構成も、ビッグバン過程も、その全てが量子論を必要としないからである。量子論を排除した時に、学問と産業は大いに発展し、地球環境は見事に救われる。それが21世紀である。
コヒーレンシーという役に立ったことがない用語は、光学をやる上で量子力学が何の貢献もしないにも関わらず、量子力学を擁護するために作り出された面がある。一つだけ明確なのは、レーザーダイオードという手段で位相が揃った発光を行えるが、それは位相が揃っていることを利用するのではなく、強い発光が行えることを利用しているに過ぎない。レーザー加工も、レーザーメスも同じである。天体からの光の観測も、コヒーレンシーなどは何の関係もない。干渉望遠鏡とは遠くの星の1つの原子の軌道電子が、地球上の2点の望遠鏡に位相差を与えるものである。一つの原子から出ているから、100%相関がある。その望遠鏡間の距離には成果は無関係であるので、空間的なコヒーレンシーなど存在しないことが分かる。一つの原子から発せられた光が違う経路を通って1点を通り過ぎる時に干渉する。また別々の原子からの光どうしも同じく干渉し、鏡で反射しても同じである。一つの原子から発する光は通常数サイクルの波束であり、LEDの場合がこれである。この波束をフーリエ変換すると波長は広がって見える。これは別に雑音が介在して違う周波数のスペクトルが発せられているのではなく波束が短いので周波数領域で広がるのである。原子が軌道遷移に合った周波数の電磁界で励起されると、波束は遥かに長くなる。これをポンピング状態であると解釈するのは誤りである。LEDの場合は直流電界の励起であるから一定の短い波束になる。一つの原子から発せられる光の波束は数サイクルから無限大の長さまであり、hvに相当する値でまとまるというのは19世紀末のマックスプランクの単なる妄想である。LEDを直流駆動すればhvに近いサイクル数になる。
【0009】
<LED/LDの雑音>
もう一つ重要なことは、光束に含まれる雑音である。肝心なことであるにも拘らず広くは知られていないが、同じ光量であればLDの発光に含まれる白色雑音は、数式10、数式11に示すように、LED光や自然光の30〜60倍である。
【数10】
【数11】
発光が完全に不規則であるLEDや自然光と比べ、LDでは一つの自然放出が1000〜4000の誘導放出数を引き起こす形になっている。つまり単位電荷が1000〜4000個の塊で行動するので、qの代わりりにmqを代入するという理解でもよい。誘導放出は種の回りに赤信号族が追従し位相が揃うので、雑音の電力は1000〜4000倍になる。これはツエナーダイオードの直流電流に極めて大きな白色雑音電流が含まれるのと同じ原理である。フォトマルチプライヤーも同じ大きな過剰雑音原理を持つ。LDの場合直流電流が小さいとLED動作になる。LEDモードとLDモードの指向性係数は、40度x20度の楕円放射では、GaNの屈折率が2.5であるから100である。電流増加分に対する光出力の増加分の比が、LEDをLDで100倍違うということである。図20にLEDからLDへの切り替わりを示す。
LDの雑音が自然放出から来ていることは多くの光学者に理解されている。しかし創造主の摂理に反して、この自然放出の雑音から逃れようとして、自己撞着に陥る光学者がいる。哀れである。LDの雑音は正確に知るには、図12に示された仕組みに基づかなければならない。kT/qのTは絶対温度であるが、これは即ち原子核とその周りの軌道電子が、外部からの到来電磁界に呼応して過剰の振動をしてしていることを示している。隔絶された原子核と軌道電子は、このような到来電磁界が無いので、過剰の振動はなくT=0度Kである。これが温度の根源的な定義である。室温T=0度Kに置かれたLDは、印加されたVdcにkT/qを加えた電圧で、内殻軌道と外内殻軌道の間のバンドギャップ電圧を越えようとする。しかしTとは即ちその定義全部が雑音(温度=雑音現象)であるから、流れる電流、即ち発光はまちまちである。このボルツマン温度分散を加えたものがバンドギャップ電圧を越えて発生する電流をショット雑音と呼んでいて、その電力はTに比例するが、熱雑音とは全く違うものである。しかしまちまちの発光の電界がVdcに加わるので、雑音の観点から見るとkT/qが1000〜4000倍大きくなったと同じ、雑音の正帰還が起こるのである。
LED動作でもLD動作でも内部量子効率には変わりはないが、LDは誘導放出によって放射が前方に位相合成されるので閾値を境にして前方への外部量子効率が急激に変化する。LD動作をしているダイオードの駆動電流を減らすとLED動作になり、電流の減少と放射が四方になるので、ピット面の照射は急に少なくなる。一方LED動作では雑音が少ないので、m=2500とするとLDの方が光量は100倍でもC/Nは15dBだけLEDより悪い。ピット高による干渉の明暗パターンも、相変化反射率による明暗パターンも、LEDとLD光の差はない。LEDでデフォーカスして参照光の役割に切り替え、ピットの結像がPD面に来るようにすることができる。その場合の解像度の劣化はNA限界に分割PDの大きさによる開口分を加えたものである。一方古典形式では、NA限界にLDの活性層の大きさによる劣化を加えたものである。この両者は同程度である。このように古典形式は必ずしも優位な方法とは言えない。
従来の光学・半導体技術者の説明は、活性層に空間的な負性抵抗を生じて、これが閾値電流を境にした反転分布による発振現象であるとしたが、とんでもない間違いである。具体的には光の往復の電磁界がバンドギャップを超えると各発光点からの放出が位相を揃えるが、閾値以下では発光の位相は完全に不規則になるのである。決して発振している訳ではなく、単に位相の揃う発光機構である。ダイオード自体がトンネルダイオードとして微分的な負性領域を持っている訳ではない。電流と発光量の総和の関係はただひたすら単調増加をし、発熱によって飽和に近づくことは、LEDとLDで全く同じである。
従って、レーザーが時折レーザー発振器と呼ばれるのは、用語として間違いである。ガスレーザーでも、半導体レーザーでも発振機構を持っていない。たとえば導波管や同軸ケーブルに乱れた波を入力しても伝播して行く中で斉一なモードになる。LDは全く同じ原理で斉一な放射をする発光機構である。LDはLEDに比べて、雑音を犠牲にして点光源性を獲得したものである。LEDでは光源の大きさが活性層のWxHxLそのものであるが、LDでは位相同期モードでそれが遠方から見るとΔWxΔHxΔLの大きさになるのである。LDのでも干渉性に関しては、たとえば自然光でもLD光でも無反射コーティングの恩恵を同じに受けるように、LED光とLD光の間には全く差異がない。LD光がコヒーレントだから干渉するというのは全くの出鱈目であり、そのものはコヒーレントという言葉を間違って使っているのである。そればかりかコヒーレントという言葉が何の用途にも使えないのである。暫定案として考えられるのはコヒーレントという用語を廃絶しレーザーダイオード性と言い換えれば、これ以上の間違いの機会は減る。
電流によってマルチスペクトルモードが変化する機構は単純明快である。発光による位相がほぼ揃った電磁界の往復が、活性層のWxHの外側でバンドギャップを越える境界線が、電流の増加とともに広がって行くからである。これは量子井戸などの観念ではではとても3次元解析はできないが、この方法により簡単に、極めて高精度の解析ができる。これにより、LED発光のダイオード開発とLDの開発には全く時間差はなくなり、ダイオード開発と平行してLDモードの動作解析をして置くだけの事になり、レーザー室温発振に成功したというニュースは意味がなくなる。
N倍速再生の光電流の帯域幅を1GHzとすれば、C/N30dBを与えるためのLDをLEDにそれぞれ必要な直流電流は、m=2500として数式12である。LED光の場合は数式13である。
【数12】
【数13】
NAとLEDチップの屈折率を考慮すると、LEDに必要な電流は30uAである。PDの容量を2fFとすると、100MHzでのインピーダンスは800Kオームである。これに信号電流0.1mA/rmsが流れて生じる起電力は十分に大きい。
PDは入射した光を、表面の反射分を除いた分の80%以上を電流に変換することができる。この電流がPDの対地容量に流れて電圧に変換される。従って信号電圧は周波数に反比例する。同時に雑音電流も周波数に反比例するので、PDでのC/NはPDの静電容量値に依存しない。しかしながら初段増幅器の雑音は周波数に依存しないのでPDの容量を減らすことはが極めて重要である。負帰還によって光電圧の応答を周波数に対して平坦にした場合は、初段の増幅器の雑音が周波数に比例して増加する結果をもたらすので、C/Nに変化はない。従来の4分割PDは不必要に面積が大きいので、雑音に関してはよくない方式である。分割PDは像倍率の小さい場所に置くことが正しい設計である。図21にPDアレーと初段増幅器の典型例を示す。PDはSiO2のディープトレンチで側面の接合容量を減らしている。シリコンの屈折率と空気の屈折率の違いでPDの表面の反射損失が起こることを認識しなくてはいけない。405nmの波長でのシリコンへの浸透の深さは極めて短い。
【特許文献1】特開2008−41173
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決すべき課題は以下である。
1)CD/DVD/BDの読み書き用OPを大幅に単純化する
2)BDの25GBの記録容量を立体テレビ情報がを挿入できる40GBにエンハンスする
3)100GB、250GBの天上解光ディスクを波長405nmの条件でProduceする
4)レーザーダイオードの寿命を10倍以上に延ばす
5)光ディスクの記録形態が多岐に亘るのを統一し、全てを消去・再記録可能にする
6)OPの機械的な制御部を電子的なものに置き換える
7)他の記録メディアとの役割分担を分かり易くする
8)真性立体TVが存在していない
であると言うことができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
光ディスク、相変化、レーザーダイオードの物理学を根本から立て直すことが課題を解決するための手段である。その新しい物理原理の理解に基づいて、たとえば前述のように数式が明らかになり、コンピューターのシミュレーションで全ての動作が2%以内の精度で解析できるようにし、世界の設計技術者が到達し得るレベルを大幅に引き上げることができる。20世紀物理学の理解のまま開発を続けるのは急がば回れで、創造主の決まりを理解するのが先である。
【発明の効果】
【0012】
OPは革命的に簡単な構造になった。同時に今後100年間有効であろう天上解の光ディスクの構成も明確になった。諸悪の根源となった領土に旗を立てる開拓者精神を破棄し、産業革命の落とし子である資本主義の弊害から離れ、最再先端技術ではなく、創造主が用意しているものに気づくのが最終的な形である。本論術ではこれまでなし得なかった光ディスクの進展が一挙にもたらされ、同時に将来とも人類がなし得ないことを明確にした。本論術で新しく作り出され、あるいは新しく明らかになったものは
1)BD/DVD/CDの3−WayOPの部品数が半減し簡素化された
2)従来の古典形式と比べて小型の、近代形式OPと現代形式OPが可能になった
3)LDアレーがレンズの役割をする2.5mgのCSOP(チップサイズOP)が可能になった
4)ダークライン成長の真のメカニズムが明らかにされ、、
5)使い切りLD−OPペアにより、プレーヤーの寿命が数倍になる
6)相変化の真のメカニズムが明らかにされ、、
7)消去・記録・再生が同時に行え、また書き直し可能になった
8)真性立体TV、真性立体音響、3D−GUI、画像・音像の個人化の実用化にめど
9)EBD/40GBで立体HiVision読み書きが可能になった
10)SuperVision(100“)、NaturalVision(200”)の実用化にめど
11)SBD/100GBで読み書きが可能になった
12)NBDシート/250GBで読み書きが可能になった
13)NBDシートで1Gbpsの読み書きの転送レートが可能になった
14)光が粒子でも波動でも粒子・波動の二重性でもないことが次第に明らかになり、、
15)OPに於いてコヒーレンシーと言う観念の意味はなく、正確な光学モデルになり、、
16)LD発光の位相同期のメカニズムが明らかになって、評価計算式が与えられた
17)若し色素マーカーをつけられればOPで癌を検知・破壊でき、人は癌で死なない
18)光ディスクのフォーマット開発に数年掛かったのはモデル化により数週間になる
19)LDの多波長モードと戻り光問題を解消
20)従来にない高照射効率の画像表示装置が得られた
21)真性の立体映像表示装置が得られた
22)CSOPがをレーザープリンターの機構的部分の一部を電子的なものに置き換える
という点が挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<NA限界とサイドローブの減殺>
古典光学がいうように解像度は1/NAで決まる。しかし人間の眼球レンズのように物体からの放射光が一様分布でレンズに照射されるのが一般的であり、その場合はサードローブ群があらわれる。人間の視神経・画像認識には恐らくこのサイドローブを打ち消すような機構が備わっていると思われる。サイドローブを無くして、主ビームだけにするためにはコサイン分布より更になだらかな照射が必要である。しかしこれは主にレンズの中央を強調して使う訳であるから、NAが等価的に小さくなり主ビームの幅は広くなってしまう。結局サイドローブは必要悪として共存して行くしかない。記録時はサイドローブがあっても、古典的説明で言うキューリ点を越える熱領域は小さいので、トラック間干渉は問題が起こらない。再生時には、人間の視神経のようにサイドローブを打ち消すようなPDアレーでのイコライズが行われればよい。
ここに、LDの波長と対物レンズのNAで決まる解像度の限界則を少し修正させる方法が存在する。点光源と収差の無い対物レンズと照射分布で解像度が決まる。現実のLDは点光源ではなく位相分散の分だけスポット径はNA限界よりも大きい。マルチストライプのLDを調べると、隣接した2本のLDストライプの間には電磁界結合があり、誘導放出の同期が取れて放射の位相が同じになる。図22に示す、結合した2つのLC共振回路の共振電流の間の位相関係と同じである。一列に並べた3本のLDでは、決まった対称的な位相に固定される。
同じ405nmの波長とNA=0.85を使い、サイドローブのない小さいスポットを作るのに2つの方法がある。
1)中央のLDでコサイン分布を照射した対物レンズを通して結像されるスポットの強度分布の裾野を両側の反対位相のスポットで打ち消して、サイドローブを打ち消すこと
2)中央のLDで一様分布を照射した対物レンズを通して結像される小さいスポットのサイドローブを両側の反対位相のスポットで打ち消して全体のスポットを小さくすること
図23は1次元のレンズでマルチストライプ補正を行ったスポットの形状である。その原理は放射の隣り合うサイドローブは逆位相なので、開口を広げればキャンセルし合うものである。この開口逆補正で主ビームが少し広がり、サイドローブは少なくなることが分かる。NAが大きくなるとその効果は少なくなる。実際の2次元のレンズでは、円形分布(一様照射でcotan分布になる)であり、最初から主ビームは広く、またサイドローブは減っている。
数式14はその仕組みを表す式である。
【数14】
図23に示した1次元のサイドローブ減殺術は、実際は図24に示すように2次元で行われる。
数式15はその仕組みを表す式である。
【数15】
【0014】
<ダークラインの回避>
光ディスクドライブの中で、耐久性を決めているのは
1)LDのダークラインの成長
2)レンズにタバコの煙などが微小粒子が付着すること
の2点が他の故障に比べて圧倒的に多く、商品としては存在意義が問われるものである。このうち煙の粒子の付着は清掃が可能であるが、ダークラインの成長に関しては、ドライブを買い換えるしか手が無い。ダークラインの成長はLDの初期エージングで予見できるので、ある程度は組み立ての前に排除ができる。ダークラインは過度の発光による熱の集中で格子欠陥が成長するものであると言われて来た。ハーフミラーを取り除くアーキテクチャーで、ダークラインの市場経年故障率は大幅に低下することが期待できる。また読み出し時は電流の大きいLD動作から電流の少ないLED動作に切り替えることで、大幅な故障率の低下が期待できる。しかしながら市場経年故障率をほぼゼロにするにはマルチストライプのLD/PDを切り替えて使うしか方法がない。ダークラインの成長が次の発光層まで成長する前に切り替えなければならない。この切り替えのシフト許容距離は、図69に示す対物レンズのフォーカル域内である。Skewエラーとして捉えると、Skewの許容角が0.2度ならば、それに動作距離の1mmを乗じ、更にa/bを乗じた30um程度が許容範囲である。
これまでLDがプレーヤー全体の寿命を支配しているダークラインの成長は熱の集中であると説明されて来たが、真相は少し違う。高熱を加えれば、不純物は再拡散し、また格子欠陥は修復される傾向にある。結論を言うならこれは熱問題ではない。それでは起こっている現実を明かそう。
LDの発光とは、結晶構造にある活性層の中の全化合物分子の発光波長での振動である。これに呼応してプラスチックで作られている対物レンズの結晶構造ではない全分子は同期した振動をする。周辺に行くほど経路長が短くなっている対物レンズの同期振動は、LDとは反対側の、3次元空間の1点にだけ位相集中を起こし、3次元空間のそれ以外の場所には何も起こさない。たとえそれが、対物レンズと集中点を結ぶ間の空間であっても、そこには何も起こして居ない。
即ち、活性層の全発光的振動は、相変化記録層のスポットが当った空間に、呼応した振動を、対物レンズの仲介振動を介して行っており、エネルギー的な観念を持ち込むならば、活性層の振動の全エネルギーは相変化記録層のスポットの全振動エネルギーと1:1の関係にある。これはアンテナからの放射電界が距離に反比例して減衰するというようなオリバーヘビサイド的なものではなく、1:1のPoint−to−Pointの関係になるのである。相変化記録層ではこの振動エネルギーは結晶構造を変えるレベルにある。これが記録の基本的な原理である。従って活性層の中の振動エネルギーの自身の結晶構造を変えるレベルにある。
我々はこの摂理に先ず敬意を払わねばならない。相手を傷つけて自分は無傷でいることは摂理に反している。そんな虫のいいことを考えてはいけない。狩猟をしてそれを食するなら、そのものに先ず感謝を捧げるのが豊かな民族である証である。その上で、若し自らはこれからも数限りないピットを消去・記録・再生しなければならないことを告げ、明日も生きることを願うのなら、初めて生き続けることを許されるのである。
層変化記録層の結晶・アモルファスの分子間結合のバンドギャップ電圧と活性層の化合物分子間結合のバンドギャップ電圧のどちらが高いかの勝負をしているのである。分子が大きければ(高分子であれば)、同じバンドギャップ電圧を与えるのにより大きな電界が必要である。活性層の大きさが2umx1umx250umであれば、その全振動エネルギーは0.4umx0.4umx2umほどの立体空間に伝えられる。そのスポット空間の振動はすぐに周辺に伝えられる。
LDの活性層の同期振動が化合物の分子間結合のバンドギャップを越しても、そのまま結晶構造の溶融にはならない。外乱がなければまた何事もなかったかのように結晶であるふりをしているだろう。たとえ化合物の分子間結合のバンドギャップを越していても、それは何時でも結晶が崩壊するには束縛がないと言うだけで、実際には結晶の位置からは移動していないからである。浮石のようなもので、実際に踏まなければ崩落は起きない。
確かに、不純物や、小さな格子欠陥があればそれが成長のきっかけにはなる。しかしダークラインの成長とは、もっと根本的な職業病である。その意味では格子欠陥を無くすことなど意味がない。ダークラインの成長を熱のせいにするのは、学校をずる休みするようなものだ。起こっている現象を正しく認識し、往復光の電磁界が化合物の分子間結合のバンドギャップ電圧をどの位越えるのかを認識しなければならない。20世紀の物理学は、仮説の上に仮説を塗り固めたが、21世紀は全て定量的であって1点の曇りもあってはならない。全ては仮説を用いず、ガリレオまでの正統的な事実で、一歩一歩確実なことで構築されなければならない。
ハーフミラーを用いる古典形式では、損失分だけ活性層の振動を倍にしなければならない。もっと馬鹿げているのは、発光端面の反射鏡の反射率を99%にして、透過率を1%とすることである。そんなことをしたら、端面から出て行って相変化記録層で結晶を崩すエネルギーに対して、活性層に篭るエネルギーは99倍になり、定在波の振幅は198倍になってしまう。相変化記録層で結晶を崩す前に活性層の結晶が崩れてしまうのは当たり前である。
LDに求められるのは何か?それはLED動作では四方に放射される光を、LD動作にして光の強さを図20に示すように、指向性利得として約100にすることである。またこれに伴って点光源の大きさはLEDより格段に小さくなる。しかるに、自己振幅が198倍になったのでは本末転倒である。電流を閾値以上に増やして行ってLDモードにする観念から開放され、発光端面の反射鏡の反射率を徐々に上げて行って、LDモードに切り替わる点を求め、そこから余裕を持ってLD動作をさせるのが正しい設計の手順である。N倍速記録の余裕度も十分に考慮されなければならない。
これまで世界中の人々が20世紀物理学的な観念で間違って設計されたLD、OP、ディスクドライブを持つ、PCやディスクプレーヤーを、このダークライン問題のために、泣く泣く修理を断念し、直せるものを廃棄して来たことであろうか。発光端面の反射鏡の反射率を下げようなどと考えたLDの設計者などいなかったのである。いいこと尽くめのものなどない。創造主は恐るべき公平である。
レーザーダイオードを光ディスクの記録・再生に使う限りに於いては、面発光程度の共振行路長で十分である。また発光面の透過率はできる限り大きくすべきである。レーザーダイオードを機械加工などに使いたい場合は、位相同期したLDを並列に駆動すればよい。
【0015】
<面発光LDのポインター>
レーザーは長い往復長で有効に狭いビームを作っていると考えるのは間違いである。この機構は縦列位相合成放射アレーであって、狭い指向性を持たせるのであれば並列位相合成放射アレーの方がより狭い指向性を持たせることができる。図26は1000波長の長さの縦列位相合成放射アレーと1000波長の長さの並列位相合成放射アレーの放射指向性を示したものである。従来の赤色LDポインターは、端面発光の縦列位相合成放射アレーであり広い放射指向性をエポキシパッケージレンズで細いビームに絞っている。面発光LDの並列位相合成放射アレーのポインターは、同期面発光そのもので既にビームが絞られている
数式16は縦列位相合成放射アレーの指向性である。
【数16】
数式17は並列位相合成放射アレーの指向性である。
【数17】
【0016】
<同期面発光LDによるCSOP>
21世紀真性物理学は創造主の摂理と人々を近づけ、工業製品デザイナーは専ら農業するを主としながら世界の人々に供給する製品技術を耕する道具を作る合間に必要に応じて行うが、それは20世紀の物理学に基づく製品設計のように積み上げられた技術体系の上に屋を設けるのではなく、利用できる材料で土の上に建てるのである。その違いたるを図27お見せすることにしよう。
必要なものは光と眼である。面発光のLDアレーの活性層配置を、ある規則に従って並べれば、NA=0.80(方形)〜0.85(円形)に相当する解像度で、0.1mmの保護層の非点収差を補正して中心線上にスポットを作る。図27の2つの光学系の機能は同等である。シリコンチップと化合物チップを張り合わせた部品は1点と看做して頂くと気持ちがよい。この光学系は、BDの読み書き専用で使うことも、CDもDVDもEBDも読み書きする仕様で使うことも。この21世紀型地上解の光学系はダークラインマターを持たない。
CSOP(チップサイズOP)は軽量であるためにディスク面との距離は0.5mmを許容している。擬似物理学製も真性物理学製も共に、フォーカスサーボコイル駆動、トラッキングサーボコイル駆動、Skewサーボコイル駆動を必要としている。農をしながら世界製品を作る兼業技術者は、土の上で考える。彼は、創造主がどんな問題にも答えを用意していることを知っている。レンズのことは聞いたことがなくても、創造主の摂理は心得ていて、光がピットに集中するように紙と鉛筆で創造主が用意している答えを見つけに森に行くのである。森の中には木漏れ陽があり、光に関することは何でも教えてくれる。
図28はX−Y平面内の20波長角内のスポット形状と、CSOPの寸法である。面発光LDアレーは全活性層が同じ発光位相としてシミュレーションをしているが、プログレッシブに変化する場合には、活性層配置のX−Y座標を位相差に応じてシフトすればよいので、グラフの結果は同じになる。発光面は円形である場合はNA=0.85であり、電流は一様分布である。従来のLDと円形レンズよりビーム径は小さい。真性物理学がもたらすものは簡素であり、LaserCouplerのようなPD−LDの位置合わせはなく、サーボコントロールは以下の如くシンプルである。
1)RF信号:ピット部で(A+B)、(鏡面部/ピット部境界でC,Dを参考)
2)トラッキング:ピット部で(A−B)
3)フォーカス:鏡面部で(A+B)
4)Skew:鏡面部で(A−B)、(C−D)
位相同期した面発光LD2次元アレー各活性層の配置を選べば合成位相光はOPの動作距離の一点に集中し、焦点距離、Skew、トラッキングは電流分布を変えれば電子的な調整・追尾ができるが、地上解ではそれは電子的には固定して、電磁コイルでサーボを掛ける。LDアレーチップの大きさは1.6mm角であり、NAは0.8(方形)である。OEICはシリコンチップであり、2.4mm角である。
数式18はX−Y平面のBD/DVD/CDのスポット形状を導く式であるが、この中に一点にスポットを形成するために活性層配列の配合の秘密が含まれている。
【数18】
【0017】
<ピット面のアルミ層表面反射について>
金属による電波や光の反射を物理学的に正しく理解して置こう。金属は十分な伝導度を持った導体であると考える。どんな場合にでも有効な考え方は、如何なる形の放射体でも、反射する金属を挟んだ鏡像の位置に線対照に虚像を置き、放射体に流れている電流と全く逆向きの電流を流したとすれば、この2つの放射体からの電磁波は、金属の表面に同じ時刻に到達し、金属の表面付近では金属の接線方向の電界がゼロになるばかりでなく、法線方向の電界も表面ではゼロになる。実際には、金属の表面層に再放射電流が流れて、その放射電界の総和が、あたかも鏡像の放射体から逆向きの電流による放射あったのと同じになるのである。
ピット面のアルミ層の反射波とは、到来電磁界(光)によって引き起こされた再放射である。CDが市場に導入された初期は、光ディスクにはコヒーレントなレーザー光源が欠かせない、ピットの明暗像はコヒーレント光によってのみ引き起こされると開発者達による間違った断言がなされ、世界の全員はそれを信じた。しばらくして平坦な層で反射率を変化させる記録方式のCD−Rが実現され広く普及した。コヒーレント光が必要だとか、ピット光の干渉が唯一の方法であるという、ピット型CDの開発者達は傲慢にも間違いを訂正せず、曖昧なまま今日に至っているのが光ディスクの歴史である。その曖昧さを保つのに使われたのがコヒーレント性という用語であった。しかしこれは記録時に於いても、再生時に於いても説明責任も任命責任も果たさない。スポット径の大きさはコヒーレント性とは無関係である。LDが使われる唯一の利点は、前面放射能力がLEDより格段に大きいことだけである。
高低差ピットや相変化ピットからの再放射光が対物レンズを通してどのようなパターンをPD面に結像するか、レンズを通さずどのような明暗分布をPD面に形成するのかは再放射だけで決まり、本論術によって極めて単純な計算で算出されるようになった。大いに活用して頂きたい。再放射を決めるのは到来光の位相と振幅である。LDを光源に使った場合は到来光の位相は揃っている。LED光でも、波束は1波長より長いので、明暗の度合いはLD光と同一である。
これまで人々が疑心暗鬼になるのは一つの光子と呼ばれる単位が一体どのくらいの空間的な広がりを持っているのかと言う、これまでショレディンガーも誰も明らかにしてくれなかったことが分からなかったことである。LED光では一つの光子がピットの程度には時間的・空間的に広がっていてくれなければ、明暗ができることが理解されない。ところが、光子がコヒーレント集団を形成していれば、そのような説明の困難性から逃避できるのである。これが歴史である。しかしLEDとLDでピットの明暗に全く差がない事実を突きつけられると、今度はコヒーレント集団ではなく、技術者集団に逃げ込むのである。これも歴史である。
到来光が単純な領域照明の参照光であれば、対物レンズを通してピット面の像がPD面に、NA限界の解像度で現れる。参照光が対物レンズを通してNA限界で到来したことは直接関係がなくなる。参照光が領域ではなく、当該ピットのみを照明する場合は、PD面の像がマスクされることに相当する。微小PDアレーに於いて、各素子がピット像を捉える場合は、PD面の像がマスクされていることは不必要であり、またマスクの強度分布が信号に変化を与えるので、マスク範囲は広い方がよい。その一方で、隣接トラックがマスクされていれば、その分PD面での隣接トラックからのクロストークが減ることになる。この機構が光ディスクの読み出しの本質の全てを表している。
PDで読み取られる前は全ての光学的動作は位相情報を含んでおり、正の光と負の光を足せばゼロになる。しかしPDで読み取られて直流電流になった後は、正の光も負の光も正の直流電流となりそれを足してもゼロにはならない。この光は足せばゼロになり得るという事実は、光学系の設計に於いて極めて重要である。全ての疑問が氷解するのは、反射とはアルミ層からの再放射だと聞かされたときである。光や電磁波など存在していないのだ。
【0018】
<光ディスク読み出しの物理原理>
古典形式を含む光ディスクの地上解に於いて、LDは本来スポットを選択する参照光であって、位相同期光はスポットを絞ることと可干渉性に於いてはLEDと比べて優位性を持ってはいないことは先に述べた。位相同期光である利点は唯一、前方への放射効率がLEDと比べて100倍ほど高くなることである。高低差ピットや書き込み可能な相変化ピットの反射光分布は、極めて簡単に正確なシミュレーションができるので、今後の光ディスク開発は20世紀物理学的観念のものでも、21世紀真性物理学のものでも短時間で行うことが可能になる。天上解の光ディスクはしかし、2012年からBDを置き換え、フラッシュメモリ、DRAM、HDDとの境界をなくす。天上解の光ディスクは特別な技術開発を必要とせず、ただ創造主が用意した原点に回帰するのである。
小さいビームスポットに絞られた光の反射は、周りの空間に強度パターンを作る。Philips=Sony式OPではこの強度パターンを対物レンズで再び集光させて、4分割PDで検出し、EFM変調信号の他、フォーカス情報、トラッキング情報、Skew情報を取り出しているが、この過程は冗長であり、反射光からこれらの情報を検出するのに、対物レンズを通して行う必要はなく、ただ反射光をピックアップすればいいことは誰もが気づくことである。それをさせなかったのは20世紀物理学の因習である。
【0019】
<読み出しのIntrinsic−Beauty>
スポットに絞られた照射光で、ピット情報を読み出すのに、図30に示すような、驚くほど合理的な方法が存在する。これは20世紀型であるか、21世紀型であるかに関わらず有効で、Intrinsic−Beatyと呼べるものである。ピット面の鏡面部では、コーン状に光束が絞られた光は、鏡面に当って同じコーンの形状をたどって、再び対物レンズに照射される。この戻り光の強度分布は、ピットから対物レンズに至るどの断面で切っても相似関係にある。簡単のために対物レンズの位置で断面を切る。
この断面、即ちディスクからの反射光を対物レンズがピックアップする平面では、必要な情報がそのままの形で存在している。その上、アンダーフォーカスの検出を除いて、必要な情報が対物レンズの外側の領域で検出できる。RF信号波対物レンズの中央で検出した方がいいように一見思うかも知れないが、それは誤りである。必要なものはピットの輪郭であり、それは全て対物レンズの外側の領域にあるのである。考えてみるとこれは当然のことである。何故ならばピットが無い鏡面部では反射光は丁度対物レンズとぴったり重なるので何も変化が無く、若し何かディスク面にあれば必ず外側に情報が現れるからである。
これに対してLDの位置に再び集光した場所では、情報が失われてしまっているか、または間接的な情報になっているかである。
【0020】
<高低差ピットと相変化ピット>
図31に示すようにな、最線専用の高低差ピットでも、記録可能な相変化ピットでも、基本的な反射光のパターンは同じである。スポット径がピット幅より小さいと、高低差ピットではピットの輪郭が現れるだけであるが、実際にはスポット径は、ピット上の面積の光強度とピット外の面積の光強度が同程度になるようにして、変調が最大になるように努力しているので、高低差ピットと相変化ピットは同様のPD応答になるのである。
光ディスクドライブ内部では外光が遮断されており、またLDと対物レンズで絞られたビームスポットは、読み出し・書き込むピットにしか照射されていない。従ってドライブの内部空間の光は、ピット以外の情報が含まれていないという特徴がある。
【0021】
<PDアレーの大きさと周波数特性>
対物レンズによってピットからの反射光の強度パターンをLDと同じ面に結像するとPDの面積は小さくて済むので、PN接合の容量値が小さくなる。レンズを介さない場合は、反射光の空間の広がりを検出するので、PDの面積は大きくなり、PN接合の容量値は大きくなるので、高速化の障害になる。障害はまたこれを克服した時には差別化の機会を与えるのが常である。
PDの対地容量は、OEICにおいては、側面のPN接合容量と底面のPN接合容量からなる。このうち、側面のIsolationはSiO2に置き換えられるので、容量を十分に減らせる。底面はPN接合の逆バイアス電圧を大きくし空乏層を広げ、またP層とN層を低濃度にする。空乏層ではドリフトを受けるので高速である。
天上解では2次元のピットを読むので、速度のストレスが8倍楽になっている。
【0022】
<ピット部での反射光解析>
図32は対物レンズを通さないY方向の反射光の角度分布である。トラックピッチは0.32umであり、屈折率の高い液体中で露光されたマスターディスクからスタンプされたピットの幅はトラックピッチの30%から変化させている。スポットの照射はコサイン分布である。
数式19はピット部反射の角度分布である。
【数19】
【0023】
<PDとLDの鏡像位置合わせ>
Philips=Sonyの古典形式では4分割PDはLDの発光点と鏡像の位置関係にあり、その位置合わせが1um程度の精度を要した。近代形式と現代形式ではこの位置合わせは不必要である。古典形式では4分割PDをトラックピッチ0.32um程度の大きさで作ることはできないので、a:bを大きくしなければならず、OPを小さく作るのには限界があった。近代形式と現代形式にはその要件がない。
【0024】
<Cosine分布照射でのBDのスポット>
先ず405nmのLDのNA=0.85のレンズによるビームスポットを吟味して見よう。この関係は従来明確な理論が存在していなかったが、ここに初めてそれが簡単な方法で明確にされた。それが正しい光ディスクの出発点であり、これによって光ディスクの開発が極めて短期間になることが期待できる。図33にCosine照射分布のBDのスポット強度分布を示す。
数式20はスポットの2次元分布である。
【数20】
【0025】
<a,bの考慮>
図34はa,bのNA寄与をどちらも考慮した場合のスポット形状である。
数式21はその応答式である。
【数21】
【0026】
<点光源の大きさ>
LDを点光源ではなく活性層の実効的な大きさに像倍率を乗じたものとしたときの像が重畳されたスポット分布になる。BDはこの形で動作している。スポット径の定義や、LD光の照射分布に左右されるが、強度半値全角で定義するなら、スポット径は波長の1.2倍をNAで割った値となる。
数式22はスポット径とNAの経験式である。屈折率の媒質中では波長が1/nとなることを示すが、ピットの深さは1/nに浮き上がって上面から見えることになる。しかしスポット径は空気中に形成されるスポット径と同じDである。何故であろうか?それは媒質中ではNAが1/nに小さくなるために、波長が1/nになる効果を打ち消してしまうからである。BDのマスタリング工程のように屈折率の高い液体中で放射された光を結像して露光する場合は解像度が上がるのである。
【数22】
【0027】
<bと無関係なスポット形状>
古典的光学理論が言うように、スポット径は波長とNAだけで決まり、レンズの径には無関係であることが計算式から分かる。図35にNA=0.85を保って、対物レンズとLDピット間の距離bを変化させた時のスポットの強度分布を示す。
数式23はその検証に使う式である。
【数23】
スポット形状はbには依存せず、(1/a+1/b)、即ちNAだけで決まることが分かる。
【0028】
<一様分布照射>
対物レンズに均一な照射を行った場合のスポットの2次元の強度分布を図23に、その式を数式24で示す。BDのNA=0.85ではなく、NA=0.65でもLDの照射を一様分布に近づければ、405nmの波長で同等のスポット径が得られる。サイドローブは若干増加する。
【数24】
【0029】
<中抜き分布照射>
ハーフミラーを使わず、中心軸上のレンズを通さない小さなPDで反射光を検出する場合にレンズや凹面反射鏡の中央にはLDの放射を照射できない。この中抜き照射はNAを更に大きくしたのと同等である。主ビームは細くなり、サイドローブが大きくなる。
中抜き分布の様態を数式25に示す。
【数25】
【0030】
<2分割PDの役割>
ピットのない鏡面部では、入射角に対する強度分布はそのままの分布で反射される。1/4波長の高さのピット部分では中心軸方向の強度が減殺され、両サイドの分布が増加する。BDではトラックピッチは0.32umであり、屈折率の高い液体中で露光されたマスターディスクからスタンプさたものである。
ピット検出の反射光分布を数式26に示す。
【数26】
【0031】
<トラッキングサーボ>
レンズを通して反射光を検出するPhilips=Sonyの古典形式でも、レンズを通さない近代形式/現代形式でも、トラッキング検出のPush−Pull法は等価ピット高が1/4波長ではエラー検出ができないので、検出信号振幅を多少犠牲にしてトラッキング検出を行うことができる。
数式27はトラッキングエラー信号の再放射分布を示す。
【数27】
【0032】
<フォーカスサーボ>
光ディスクの光学系が正常に動作している時は、光のビームスポットは最小であり、アンダーフォーカスの方向にずれても、オーバーフォーカスの方向にずれてもスポット径は大きくなるので、ゼロクロスするS字出力を得るために工夫が要る。どちらかにずらせてみてスポット径が大きくなったら、逆の方向に行き、どちらにずらせてもスポット径が大きくなるならそこが最適であるという収束論理は応答が遅い。ウォブリング信号を重畳するのは系に影響を与える。Philips=Sonyの古典形式では、フォーカスサーボは2枚のかまぼこレンズを使う非点収差法によってS字出力を得る方法が一般的に用いられるが、これはスポット径のよさがかまぼこレンズによって少し損なわれる。現代形式ではPDとLDのフォーカルプレーンがずれているのを利用して、デフォーカスのS字が検出される。近代形式ではピットと対物レンズの間にあるPDに入る光量が対物レンズとディスクのピットの距離の変化に対して直線的に変わるのを検出してゼロクロスするS字出力とする情報を参照する。ゼロクロスの基準はピット部での反射光の光軸上の暗部が、ピット高干渉でも相変化反射でも最低になることで決められる。形式によらず、線速度に対応したRF信号の最高周波成分を見て確認が行われる。
数式28はフォーカスエラー信号の抽出の過程を表す式である。
【数28】
【0033】
<非点収差バランスシートの解決>
非点収差はディスクの保護層の厚みと屈折率、及びLDの活性層の長さと屈折率によって、正負反対の向きで起こる。若しディスク保護層とLDの屈折率が同じで保護層の厚みとLDの発光点の深さが同じなら、両者の非点収差は丁度打ち消すことになる。実際には、非球面レンズ、保護層、ハーフミラー、LDの4者で非点収差はゼロになるように設計される。これに加えて非点収差補正レンズと追加するのは冗長な設計である。
780nm/650nm/405nmの3波長に分化したCD/DVD/BDを読み書きする3WayのOPを単一の波長で実現することは不可能である。それはトラッキングエラー信号の要求が0〜1/4波長であり、単一波長ではその条件が満足されないからである。従って課題は、780nmと650nmの波長で用意されたCDとDVDのディスクを単一の波長で読み書きできるかどうかということになる。その場合780/650=1.2であるからピット高に関しては問題がない。唯一の問題は保護層の厚みがCDでは1.2mmであるのに対して、DVDでは0.6mmであることである。波長は当然のことながら短い方が有利であるから650nmが選ばれる。
保護層がDVDの0.6mmからCDの1.2mmに、+0.6mm増加するための手の施しようがないと思われる非点収差の変化を、特別な光学部品や特別の手段を用いないで打ち消す唯一の方法が存在する。それは同じレンズの焦点距離の元で、a:bの比をDVDとCDの間で2倍変変化させるのである。そうすると光ディスク側で保護層の厚みがDVD/CD切り替えで2倍変化しても、LD側からは一定の保護層の厚みになって見えるので、対物レンズの両側で非点収差が釣り合うことになる。その上で、CDモードで僅かに非点収差を与える側に戻せば、スポット径はDVDのスポット径の2.2倍(=1600nm/740nm)にすることができ、650nmのLD光から作ったその応答は、780nmのLD光から作った応答と比べてサイドローブのない綺麗なスポット形状となる。図41にその原理を示す。
これによって、図42に示すように、単一のInGaAlPの650nmのLDと単一のレンズでDVD用のスポットとCD用のスポットを作り出すことができた。
数式29は1.2mmと0.6mmの厚み切り替えに対応した式である。
【数29】
その他、対物レンズの両側の非点収差をお互いが正負で打ち消し合うようにして、非球面レンズと非点収差ニュートラルが達成され、BD/DVD/CDそれぞれの非点収差補正が不要になった。このようにして、CD/DVD/BDの読み書きの3WayOPは、図43に示すように、2つの光源の波長650nmと405nmの2つで行われることになった。
表1は非点収差バランスである。
【表1】
【0034】
<Skewエラー>
OPが小型・軽量で、対物レンズ・PD・LDを一体として駆動できる場合は、Skewエラーとは、OPの光軸とディスクのピット面が直角とならないために、0.1mmの表面保護層の非点収差の光軸の回りの非対称が現れ、これを一般的には補正できないので、光軸に対して保護層の面が常に直角になるようにX−Yの2軸でOPの姿勢制御をしなければならないのと同義語になる。この他、ピット面が光軸に対して傾くと反射光が対物レンズから外れるがこれは大きな問題にはならない。図44にSkewエラーがあった場合のスポット形状を示す。
数式30はSkewエラー角とスポットのX−Y平面での2次元分布を表す式である。
【数30】
【0035】
<OPの現代形式>
OPの古典形式は
1)LDからピット面の経路、ピット面からPDの経路の双方とも対物レンズを通る
2)LD端面の中心とPD領域の中心が一致して、2つの経路は等しくジャストフォーカスする
3)ハーフミラーを使いLDの発光中心とPDの中心が鏡像関係にある
で定義され、従来のOPは画一的にこの方式である。しかしこの方法は冗長である。一方の現代形式OPは
1)LDからピット面の経路、ピット面からPDの経路の双方とも対物レンズを通るとは限らない
2)LD端面の中心とPD領域の中心は一致せず、2つの経路は等しくジャストフォーカスしない
3)ハーフミラーを使うとは限らない
現代形式は軽量・小型であるために、対物レンズ・PD・LDは一体であり、ピット面を光の収束点で捉えるようにトラッキングサーボとフォーカスサーボでこの光学ユニット全体を駆動する。図45に示されるこの形式の特徴は、光軸上でPDとLDの位置が前後にずれていることである。またA/B/C/Dの4分割PDでトラッキングサーボとフォーカスサーボとSkewサーボを行う。現代形式は無駄のない自然解の一つであると言える。記録時はLDの発光点とディスクのピット面はジャストフォーカスの関係が保たれる。4分割PDの機能は
a)フォーカス:鏡面部照射の(A+B)−(C+D)のS字出力
b)グルーブトラッキング:ピット部照射のC−D
c)X軸Skew:鏡面部照射のA−B
d)Y軸Skew:鏡面部照射のC−D
である。
再生時にはピット面とPD面がジャストフォーカスの関係になる。LD光はピット面でオーバーフォーカスとなり領域の参照光となる。トラッキングエラーの明暗差はC−Dとして検出される。フォーカスエラーの信号は(A+B)−(C+D)でS字を出力する。RF信号の検出はAを線速に反比例した遅延を与えてBと足し合わせる。LDへの戻り光は光束がデフォーカスして広がっているので、LDの共振動作の擾乱は起きない。
現代形式の利点は
1)ハーフミラーを省略した場合、LDの光量が半減されない
2)PD領域の中心と、LD端面の中心のX/Y/Z軸の位置合わせの高い精度を要求しない
3)Skewエラーの影響が軽微である
ことであり、欠点は
4)ハーフミラーを使わない場合はPDアレーを単一チップにできない
である。しかし図46に示すようにbを大きくできる場合は端面発光LDを単一PDアレーチップの上にピギーバックすることができる。
【0036】
<近代形式のレンズ>
地上解は光源にLDと回転ディスクを使うが、天上解は光源にLDかLEDを使い、ディスクは必ずしも回転円盤ではない。現在出回っている光ディスク光学系は全てがPhilips=Sonyタイプの地上解・古典形式であり、且つLDとPDはハーフミラーを介した鏡像関係にある。これは地上解の内で最も原始的なものである。地上解は一方のLDがピット面でビームスポットがNA限界まで絞られることを前提にしている。他方のPD面では古典形式ではLDを参照光としたときのピット像を結像させることを前提にしているが、これは必ずしも必要ではなく、またLDとPDの鏡像関係の位置合わせも必ずしも必要ではない。またPDに関しては対物レンズが必要とは言えない。現代形式に対する近代形式とはPDアレーを対物レンズとディスクの間に置くものである。当然ハーフミラーはなく、LDからの放射光はディスクの鏡面部では反射して全てLDの活性層に戻る。この形式のOPは極めて薄型である。図47に近代形式1と近代形式2の2例を示す。
【0037】
<近代形式のPDアレー>
ピット面からの反射光を、対物レンズを通す前で検出する近代形式のPDアレーは、ピット面からの反射光を対物レンズを通してピットが結像するのを検出する現代形式のそれとは多少異なる。近代形式では反射光は点としてのピットの情報しか持たないのに対して、現代形式では数トラックが領域として照明されているので、PD面ではピット像を結像してCCDイメージャー的な微細な検出をすることになる。どちらの方法も、C/Nを決める光量は十分である。近代形式では結像するのは反射光ではなく、照明光としてのスポットである。
トラッキングエラー信号は図48に示す形で、放射角度で分布がずれるので、大きな面積の2つのPDでも小さな面積のPDでもよく、A−Bが検出されればよい。このエラー信号はマークピットがあるときに現れ、鏡面部では現れない。
RF信号は単純にA+Bとして検出される。トラッキングがずれてもA+Bは変化しないようなPD対の配置が選ばれる。
フォーカスエラー信号検出は最も注意深く設計されなければならない。PDが拾う鏡面部からの反射光はピット面とPDアレーの間の距離の二乗に反比例する。従ってA+Bの光量の変化からOPがピット面に相対的に近づいているか、遠ざかっているかが分かる。しかし動作距離が1mmの場合には、10umの深さの変化は2%の光量変化をもたらすに過ぎない。ピット部では反射光が減りその底値は、スポットの大きさ、ピット高、ピット幅の関数である。VCM駆動がジャストフォーカス点を通り過ぎるときに、底値の変化は折り返す。この2つのA+B信号処理でフォーカスサーボが形成される。付加的に線速度に対応した高周波成分が検出され、折り返し情報として底値情報を助ける。焦点深度は図87に示されるのが代表的である。
Skew調整を必要とする光学系では、反射光コーンの対物レンズからのスピルオーバーを4つの外側のPD(X1/X2/Y1/Y2)の差分を取ることでSkewエラーを検出できる。
【0038】
<近代形式1>
OPの近代形式は、Philips=Sonyの古典形式を本質的なものと因習的なものに選り分け、因習的なものを廃絶するものである。
1)LDの発光点と分割PDの中心をレーザーカプラーのように数uの精度で合わせることに本質的な意味は無い。絞られたLD光のスポットがトラックの中心にあるかどうかの情報がPDに反映されていればそれでよい。ピット面での反射光をPDに当てるのに、その中間にレンズを入れて再びスポットを作る利点が無い。ピット面にLD光のスポットを当てたときに既に選択がされている。
2)LDからのコサインの放射光分布をそのまま対物レンズに照射するのは、小さいスポットを作る上で最適ではない。外縁部を強調する方がよい。
3)ハーフミラーでLD光を減じると、より大きな電流が必要であり、ダークラインの成長でLDの寿命が短くなる。
4)レンズには色収差があり、3WayOPの障害になる。
5)光学系全体を理想的に一体駆動するために、小型・軽量にしたい。
【0039】
<近代形式2>
近代形式2でも凹面反射鏡を使う近代形式1と同様の趣旨を持つが、平面レンズを使うのでより薄型軽量化が可能である。平面レンズと言っても縮退した反射鏡であり、色収差を持たない。平面型レンズは屈折を使うレンチキュラーレンズではない。これが実現できるキーポイントは、反射が離散的な小面積で行われた集合でも、点光源から集光点への2次元のインパルス応答が、通常の連続的なレンズと同じになるからである。LDから放射される光は円錐形ディフーザーへのスピルオーバーを除いて全て集光点に集まる。近代形式2の平面レンズはプラスチックの成型にアルミ膜を張ったものである。微細化ミラーはアライアスを生じない。図50に示す程度に同芯円かスパイラルで分割される。
【0040】
<Enhanced−BD>
Enhanced−BD(EBD)はBDの動作条件を最適化したものでBDと同じ波長405nmを使う。レンズは円形ではNA=0.85で、方形ではNA=0.80である。トラックピッチはBDが0.32umであるのに対して0.24umである。長手方向はBDの1/1.2のマーク長であるので、記録容量はBDが25GBであるのに対してEBDの記録容量は40GBである。図51にその形式を示す。
BDからEBDの間で特に20世紀的観念の進歩はなく、ただ物理原理の初歩が正しく理解され、系の最適化と動作の余裕度が単純な計算で実現できるようになっただけである。BDでは物理的なクロストーク補償は深く追及されずPRMLに頼って来た。EBDではビームの分布が正確に短時間で求められ、物理層の最適化が行われた。結論を言えばBDは60%の未開の余裕があり、やるべきことがやり尽くされなかったと言える。EBDはBDが読み書きできるので、両者は対立するものではない。
記録時にはLDの放射光はピット面でジャストフォーカスし、PDはRF信号の他にプシュプル法のトラッキングエラー信号と、フォーカスエラー信号を検出する。再生時にはLD放射光はピット面ではエリアを照射する参照光となり、ピット列がPD面に結像する。純粋に物理層で行われるEBDの長手方向の再生時のシンボル間干渉補償は、PRMLより遥かに強力であるが、記録時にも強力な干渉の補償が行われている。それはLCDの残像補正のために、時間遅れの信号を負にして本来の信号に加える方法に類似している。予め分かっているシンボル間干渉を負にして、主PDの出力に加える場合に、LCDの残像補正では明るさのDCバイアスは黒が浮き上がり掛けられないので、レベルの不動区間を生じる。これに対して、本方式はDCバイアスを掛けられるので、小さいし大きさでも干渉の補正ができる。
図54はPDアレーと領域照射の対応関係を示す。
図55は領域照射光である。EBDでは再生時のピット領域照射の参照光は、記録時に絞れていたビームを照射領域分だけデフォーカスさせて行われる。この場合NAが大きいと、元々記録時に絞られていた主ビームの回りのサイドローブの影響が残り、領域照射光は多少の凹凸を生じる。この凹凸は再生時のイコライザーの重み付けに反映されなければならない。
EBDではPD面でのピット像の主応答ピークの回りの問題となるサイドローブ応答を2次元的に全て打ち消す。従来は、これらのサイドローブ情報は全て切り捨てられ、PRMLが幾ら努力をしても切り捨てられた情報は回復できなかった。BDは受け取った情報にくらべて60%の情報を切り捨てていた。BDとEBDの動作安定性は同程度である。1次元PDアレーを隣接トラックに対応させた位置に配し、図56に示すように可変遅延線を通した複数出力を線形結合し、遅延量をディスクの線速度の逆数に比例させる、即ちGyratorで構成された遅延回路の電流を線速度に比例させる。全サイドローブ応答の大きさの合計は、主ビーム応答の大きさを越えてはならない。
【0041】
<相変化記録の仕組み>
これまで相変化記録の仕組みの理解・説明は不明確であった。その真相を明らかにしなければ光ディスクは20世紀の遺物のままになる。20世紀物理学は言う:レーザー光のスポットの照射により相変化薄膜と基板は光のエネルギーを受け取って加熱され、相変化薄膜と基板の温度がキューリ点以上になれば急冷する時にアモルファス状態になり、徐冷すれば結晶になると。
そんなのおかしくないか?先ず基板との間の熱抵抗が大きく構成されたと仮定した相変化膜が、若しエネルギーを受け取って高温になれば、その熱は容易には伝導・放射・対流して下がることはできない。従って急冷などできない。急冷という緩和時間が、スポットが最短ピット長を行き過ぎる程度の時間なのか、トラック一周分の時間なのか、それよりも長くディスク全体が冷めるような時間なのか、記録可能なディスクの設計者は何も答えることができない。また結晶状態にある相変化薄膜は反射率が高く、20世紀物理学者がいうような熱エネルギーなるものを受け取ることができないではないか?緩和時間が長いのであれば熱は残り記録時のトラック間干渉を生じてぼやけた記録にしてしまう。熱は一体どこに行くのか?
次に基板との間の熱抵抗が小さく構成された相変化膜が、基板とともにも暖められると仮定した場合も、同じく伝導・放射・対流する放熱はすぐにはできないか、また熱の伝導によってキューリ点を越えるスポットの形状が広がってしまう。相変化記録現象を急冷と解釈しているのは、実験室で材料を試しているときの性質でしか理解していないのである。オブシンスキーが勝手にそう解釈しただけの話である。20世紀の物理学はこのように、仮説を立てて説明が付けばそれでいいという、真実とはかけ離れた無責任な学問であった。
光記録は熱過程ではない。電子レンジの中に水分を含んだものを入れると温まる。この場合熱が出るのは振動が拡散した結果であって、起こっているのは分子のつなぎが電磁波によって振動することは誰もが理解し合意することである。相変化とは振動が分子構造のバンドギャップを越え、やがて振動が小さくなる時に、フリップフロップ回路のように結晶かアモルファスのどちらかに狙って落ち着かせることである。それをどうやって制御するのか?
確実に結晶化できるのは、斉一な光をバンドギャップ電圧以下まで静かに(徐冷という意味ではない)減らして行くことである。確実にアモルファス化できるのは、乱れた光をバンドギャップ電圧以下まで乱れたまま(徐冷でも急冷でもなく)減らして行くことである。しかし我々は乱れた光を持っていない。LDをLEDモードにすると少し大きいスポット径で、位相がランダムな光になるが、強度が1/100になり相変化材料のバンドギャップ電圧を越えられない。
そこで、アモルファスにするために利用するのが、相変化膜のスポットの周辺の熱(即ち雑音)である。結晶構造をそのまま支える斉一なスポットの照射が去った後、回りの雑音振動と交わる十分な時間があればアモルファスになる。急冷とは逆である。
急冷というのは実験室の話で、そこでは相変化材料を単純な熱で高温にし、その場合は材料はばらばらな振動をしていて、徐冷すれば分子が自分で結晶を作って落ち着くが、急冷すれば分子が結晶を作る自律作用が働く間もなく、バンドギャップ電圧如何になる場合である。これは相変化の消去/記録で起こっているのとは全く違った過程である。
なぜ記録時が急冷で、その半分の電流で行われる消去が徐冷なのか?現実は逆である。高い温度から冷えて行く方が、同じ温度まで下がるのに時間がかかるのは当たり前である。20世紀の物理学はとんでもない言い逃れをするものだ。分からなければ分からないと正直に言えばいい。全てが1点の曇りも無く平易な言葉で説明が付くならそれは正しい物理学である。20世紀にはそのようなものがなかった。99%説明がついて1%説明がつかなければ、それは100%間違っているのだ。何故ならその99%説明が付いたと思っていることは、間違った仮定に基づいているからだ。正しい仮定に基づけば、常に100%説明がつくのである。
温度とは分子のつなぎが電磁波によって振動していることそのものであって、他の事柄ではない。熱容量のない微小な温度計を光のスポットの中に入れると温度が上がり、スポットの外に出すと温度は下がる。温度計の熱容量がゼロなら、温度の上がり下がりに時間遅れはない。即ち、温度が高いとか低いとか言えるのは、主として空気や基板や相変化膜ではなくて、光のスポットそのものである。恐らく18世紀の人達はこのことを容易に理解し、現代では技術者も子供も容易に理解ができないであろう。それはそのように教育されているからである。熱とは別の側面、または過程の結果である。今行いたいのは、相変化膜の結晶の組み替えである。それには一度バンドギャップを越えなければならない。バンドギャップを越えるというのは振動そのものである。振動を熱とも呼ぶ。しかし熱は目的や手段ではない。目的は組み換えで、手段は振動である。熱過程ではない。熱とは無秩序な状態であり、LD光を照射すと秩序ある振動をする。LD光の波長と相変化膜の格子の違いは無関係である。
結晶状態にある相変化薄膜の反射率が100%であれば、照射された光は全て反射され、これまでのエネルギー理論でいう熱エネルギーなるものを受け取ることができない。せいぜい光のスポットが周辺の基板を温め、それが伝導して相変化膜を暖めるしかできない。これでは記録スポットが小さな円形には形成されない。このことに何故疑問を感じなかったのか?しかし光ディスクのアルミ反射層や相変化材料の結晶状態が、ほぼ100%光を反射するから殆どエネルギーを受け取らないと考えるのは、俺は高価な原油をいっぱい持っているから金持ちだ、核弾頭がいっぱいあるから強いんだと威張っているのと同じくらい滑稽である。反射とは金属膜や結晶状態にある膜からの再放射である。100%反射する状態が金属膜や結晶が最も強く光の照射に応答して再放射電流(振動)が流れているのである。これに対して光を全て吸収している(黒い)状態は、膜が光の照射に応答して再放射電流が流れている強さは、反射の場合の50%である。先ずこれが重要である。
新しい発見と正しい物理理解は2つとも行なって欲しいものである。しかしそのチャンスはない。物理原理は今全て解かれていて21世紀の物理学を形成し、今後は新材料の現象の確認は全てComputerで確認できるので、偶然な発見は起こらず、説明の間違いも起こらない。創造主はアナログ量の+1と−1の組み合わせだけで、全ての問題が解決できるように予め用意していたのである。
結晶・アモルファスを使い分ける記録材料膜は、例外なく消去・記録・再生が行える3−ヘッド対応にすることができる。光ディスクにもう書き損じは起こらない。
【0042】
<二子山による相変化膜の消去・記録>
図57に示す2ストライプのLDを使うことによって消去・記録を行うことができる。記録時に有効なスポット径はバンドギャップを越える部分であるから、405nmの波長の光で形成される記録スポットは再生時に定義したスポット径と比べれば合理的に小さい。またサイドローブの大きさは主ビームの半分以下でなければならない。消去は先行する副ピークで行われる。また副ピークは同一トラックの先行するピットを消去しても、隣接して先行するトラックを消去して、記録との間に1周分の時間を与えてもよい。消去の役割とは、前に記録されたピット列を整地するものであり、バンドギャップを僅かに越える斉一な振動を与えて、周辺からの擾乱が入り込む前に格子を固定するのである。その直後に記録レベルの斉一な光を与えてもよい。
また図58に示すトリプルピークで消去・記録・再生が同時に行われる。同時消去−記録−再生は同一のトラック上で行ってもよいし、1本ずつトラックをずらせてもよい。
【0043】
<Velocity Modulation>
記録時にビームスポットに長手方向のベロシティモジュレーションを掛けて、ディスクの回転によりスポットが流れることにより、開口効果で分解能が低下するのを防ぐことが可能である。図59は位相同期した4つの活性層からなるLDに於いて、4つの共振チャンネルの位相ではなく強度を変調してビームを振り、ディスクの回転を追いかけることで、照射の強度を等価的に上げるものである。また、記録・再生のN倍速度の回転数を上げたいが、書き込みピット当たりの光の照射が不足す場合は、LDの活性層のチャンネル数を増やして行き、N倍速度の回転数を上げることができ、またLDのダークラインの発生を抑制することができる。
【0044】
<現代形式の3Way方式化>
ピット高の可干渉性と板厚による非点収差の打消しの2点で、LDを405nmと650nmの2つの波長に分けなければ、光源波長では3Way記録・再生は実現できない。単一とは共通のNA=0.85のレンズを使うという定義になる。LDからの照射角がレンズより小さければ、NAも小さくなる。対物レンズは405nmの波長とNA=0.85に最適化されているが、CD/DVDで最適とは言えなくてもスポット径が大きいので問題は無い。単一構成にするための唯一の障害は、ピット高であるから、CDをLegacyとして残す場合は、図60に示すように、新規生産のCDのピット光は低くすることが適当である。一般的にはそれでも従来のプレーヤーでCDを読める。
現代形式の3Way化では、図61に示すように、A/B/C/DのPDアレーはCDとDVDで共通に使用される。フォーカスエラー信号(A+B)−(C+D)をコンパレータに入力するときの閾値によってデフォーカス量、即ちスポットサイズが決定される。
【0045】
<BD用近代形式の実際>
近代形式は凸面の1次反射鏡と凹面/平面の2次反射鏡の組み合わせである。光学プラスチックレンズは波長による屈折率の分散(色収差)があるが、反射のみを使う近代形式には波長依存性がない。図6258はBD用の光学システムの形態図である。近代形式では、2次反射器をディスク面との相対関係として概ね固定し、1次反射器を可動にして、フォーカスサーボ、トラッキングサーボ、Skewサーボを掛けることができる。
図63は中抜き照射の近代形式のビームスポットとトラッキングエラーのシミュレーション結果である。
【0046】
<近代形式の3Way化>
短縮光軸の反射鏡を用いる近代形式OPのCD/DVDとBD対応の3Way化は、波長650nmと405nmの2つのLDを使う。BDでは波長405nm/NA=0.85のスポットをジャストフォーカスさせる。DVDでは波長650nm/NA=0.60照射のスポットをジャストフォーカスさせ、CDでは必要なデフォーカス量でスポットサイズはビット部の切れ込みの深さが一定になるように決められる。PDは対物レンズとディスクの間の共通の領域に置かれる。図64はハーフミラーを使った近代形式の3Way化である。
図65はコサイン分布照射のスポットをデフォーカスさせたビームである。実際には近代形式は中抜きコサインである。
数式31はデフォーカスの過程である。
【数31】
【0047】
<EBDの実際>
EBDは波長=405nm、NA=0.80の方形レンズで、LDの発光端の断面積を小さくして放射角を広げて照射のスピルオーバーを許容し、BDの非対称コサイン分布から均一分布に近づけている。それによって生じるサイドローブ応答は、再生時は領域照射に切り替える現代形式の採用によって等化している。これによって40GBの記録密度が安定して達成される。記録時はサイドローブがキューリ点に達しないので、十分な余裕を持って微細ある。BDと同じ波長で同様のNAを持ちながら1.6倍の記録密度となるのは、再生時に領域照射に切り替えて等化を行うからである。EBDはハーフミラーを使用せず、その分LDとPDの距離を長くしてスピルオーバーを作って照射を一様分布に近づけている。戻り光擾乱は記録時も再生時もデフォーカスされており問題にはならない。ハーフミラーを使わないために、図67に示すようにPDアレーの中央からLD光が放射され、このため主ビームのRF信号検出は、PDを2つに分けてP1・P2としている。
EBDはBDと互換性を保ちながらBDの記録容量を60%増量しているが、そのうちの33%増量は、微細PDアレーでトラック間クロストークをキャンセルしている。線速度の方向は主ビームを細くしてサイドローブが大きくなった分を、イコライズすることで20%増量にしている。
【0048】
<EBDの3.5Way化>
405nmの波長でEBD用に最適化されたLD/PD/非球面レンズやEBD用の等化器を、等化器を持たないBDに使うには、再生時にはピット面とPDアレー面の間を僅かにデフォーカスすればほぼBDと同じ応答が得られる。記録時にも同じくデフォーカスすればよい。その様態を図68に示す。
DVDとCDは、650nmの波長を使いDVD対応としたものを、CDでは必要な量だけデフォーカスを行えばよい。
BDとEBDの関係はVHSとS−VHSの関係に対比できるが、ブランクディスクのPre−Grooveが240nmのトラックピッチでなければ、EBDにはならない。LDが3ストライプであれば、テープレコーダーのような消去・記録・再生が可能になる。
【0049】
<非球面レンズのXY平面内のジャストフォーカスエリア>
ところで、再生時にビームスポットをデフォーカスして数トラック分を領域照射し、解像度はピットとPDの間のNA限界にのみ依存する形式では、物体と実像の関係に於いて、物体は点ではなく点の広がりである。この広がりが光軸から離れた場合、NA限界の強度分布が非球面レンズでどのくらい歪を受けるかを図65に示す。NAの大きな顕微鏡がピントの合う領域は広く、決して光軸の回りだけではないように、数トラック分の広がりでは歪は事実上起きない。これは大きなNAの顕微鏡でも、比較的広い範囲のものがピントが合って見えるのから、用意に理解できる。
数式32は視野範囲でのピントずれをチェックするための式である。
【数32】
世界の生きとし生けるものは皆このフォーカスエリアでサイドローブ付きの像を網膜で捉え、脳で認識している。原始の地球で植物が現れ、そこから珊瑚虫のような動物が派生した。最初は触手に触れるものを捕食していたが、やがて触手と捕食の連鎖機構が神経伝達になった。この段階では神経の結合部は脳にはなり得なかった。光の届く浅瀬では、触手の根元を網膜の原型とし、その表面が突起して集光ができるようになった。この場合触手による認識に対して、網膜上の認識は倒立しているので、触手の感覚と、視覚情報を重ねるためには、神経がツイストする必要があった。このツイスト機構はやがて集光を2系統持つ変異を誘導し、獲物までの距離も分かるようになった。この土台の上に脳なる情報処理器官が遅れて緩やかに発達して行ったのである。この過程で、1)視神経が脳との間で交叉しなければならないこと、2)右脳・左脳に分かれていなければならないこと、が変わることは論理的になかった。生物の発生の過程で眼が脳より先に形成されるのはこのためである。脳とは2眼の根元にある検出器に過ぎない。PRMLは貧弱な眼球の背後にある、ゴージャスな空想器官である。PRMLで幾ら頑張っても25GBであるが、眼を大事にすれば100GBになる。我々は立派な眼球を先ず備えていなければならない。眼球のNAは大きくない。眼球は2つあった方が視差でピット面との距離を的確に知ることができる。
【0050】
<All−Format−Optical−Pickup>
表21に地上解光ディスクの諸元を示す。EBDのOPでBDを読み書きするのは全く問題が無い。従来のBlueRayレコーダーでEBDディスクを読み書きすることはできない。EBDのAFOPで、DVDとCDを読み書きするときの問題点はピット高である。DVDとCDの再生のピット高が記録のPre−Grooveの深さが405nmの波長で干渉を起こさなければお手上げである。ピット高は各社の自由にまかされたつけがここに回ってきている。従ってAFOPでは650nmと405nmの2波長を使わざるを得ない。
【表2】
【0051】
<光と電磁波の狭間にて>
本論述は光と電磁波の間の壁を製品レベルで取り去る。光は粒子ではなく、波動でもない。謂わんや波動=粒子の二重性などない。光を粒子だと考えたのは英国のアイザックニュートンであり、時代を下って波動と考えたのはオランダのクリスティアンホイヘンスである。光を粒子として扱っても、また光を波動として扱っても光ディスクは正しく設計できず、20世紀型の古典形式に止まり、ただ短波長化という退屈な活動になる。光ディスクの設計も、電波送受信アンテナの設計も、波動や粒子や二重性から開放された時に21世紀型の全く違ったものになり、醜い八木=宇田アンテナアンテナもパラボラアンテナも姿を消す。20世紀とは仮説の説明に窮して新しい仮説が用意され、それが増殖していった100年間であった。間違いの創始者はニュートンであるが、連鎖は光量子説から噴出した。
図70に示すように、光や電磁波の放射パターンが遠くと中間で、遠方界として変わらないことはよく知られている。これをホイヘンスの波動理論で説明することはできない。波源が次の波源を生むのでは放射パターンは維持されないからである。従って波動論は間違っている。
一方OPのNA限界やビル影での電波の回り込みは粒子説では説明ができない。従って粒子説は間違っている。光と電波は粒子でもなく波動でもない。光と電波は素粒子と素粒子の遅延項を持つ遠隔的相互作用である。ビオ=サバール則は幸い波動説に立たなくても現象を定量的に説明できるので、これを使うと間違いではなくなる。それに比べるとシュレディンガーの波動方程式やマックスウェルの微分形式は間違っているか有用ではない。それらは存在確率の説明のために用意されていたり、またホイヘンスの言うことを定式化しているだけであり、物事の本質を表していないのである。ビル影で電波が回り込むのは、到来電界によってビルを構成する物体に流れた電流からの再放射のためである。リチャードファインマンはこれを知っていた。
【数33】
【数34】
放射分布が遠くになっても維持される、これまで誰にも明らかにされることがなかった不思議のからくりは、図70と数式33、数式34に示す通りである。これから光を粒子だとオリバーヘビサイドが勘違いしたのも無理からぬことではある。位相差のマジックで、あたかもエネルギーの粒子的放散の形態を取っているのである。
もう一つ数式のからくりがある。それは図26と数式17に示す並列アレーである。木の葉の間から光の筋が見えるのは、太陽の光を木の葉が切り取っているからではない。木の葉からの再放射が、光の筋と影を形作っているのである。ニュートンが光を粒子だと考えたのはやむを得ない。この見事な並列アレーがそののからくりである。これに騙されない人はいない。
二重スリットによる光の干渉縞や、二重スリットによる電子線の干渉縞は、光子なるものや電子が分身の術を使って2つのスリットを不確定に通り抜けるからではない。それはスリットで連続性が途切れる衝立からの再放射に過ぎない。これはスロットアンテナとしてはよく理解されているのに、エルヴィンシュレディンガーの催眠術に掛かった光学者は電波学者とは交流しない。リチャードファインマンもこれに気づかなかった。
物体と物体の相互作用は、137億光年を往復する274億年の遅れがあるので、ニュートンの作用・反作用の法則は間違いである。作用に対する反作用(電圧を印加する作用に対する電流という反作用)があって初めてエネルギーが定義できる。反作用が274億年遅れるのでは、エネルギーは存在し得ない。エネルギーとは、産業革命に始まった損得・貸借・欲得・貯蓄の観念である。しかし実際の宇宙の原理は、催促なしのある時払いである。宇宙の果てから誰かが放射した電波を集めて電球を点灯できる。それが137億年であれば、借金を返したくてもその人はもういないかも知れない。エネルギーの保存則とは現象の一面を我流に解釈しているだけである。
英国のオリバーヘビサイドはエネルギーの流れであるポインティングベクトルが放射すると説明したが、これは粒子説に分類できる。エネルギーを等価断面積で受け取り、そこから有能電力が引き出せると唱えたが、微小なアンテナも大きなアンテナも有能電力に変わりはなく、ポインティングベクトル説は誤りである。また磁気と電気は1つのものの別の側面である。
敬愛すべきニュートンの力学は残念ながら、慣性の法則を除いて、誤りである。作用・反作用の法則だけではなく、F=mαも誤りであり、万有引力の法則も誤りである。万有引力常数Gは数式35で正確に算出することができる。rBはボーア半径、rUはビッグバン球半径(137億光年)である。万有引力の定数は、ビッグバン年齢137億年から算出できるのである。
【数35】
これは単なる一例に過ぎないが、21世紀物理学は既に宇宙の全てを明らかにしている。引力は架空のヒッグス粒子で引き起こされるのではなく、ビッグバン球内の10の80乗の陽子・電子対の膨張によるドブロイ波を、引力による物体の動きのドブロイ波で打ち消そうとする力であることが正確に導かれている。ハッブス宇宙望遠鏡で計測されたビッグバン年齢は137億年±2億年と推定されているが、LHCや望遠鏡の打ち上げに血税を浪費せず地球環境維持に資金を回すべきである。何故なら地上で知ることができる万有引力定数から正確に宇宙年齢が計算できるからである。Gは毎年137億分の1の割合で減少している。米国がリニアコライダーであるデバトロンを中止したのは賢明である。LHCの淡い期待の一つはダークマターの手掛かりである。しかしそれは想像が作り出した悪夢である。
これまで早とちりの天文宇宙学者がダークマターを仮定せざるを得なかったのは、天体の運動が、万有引力の距離の逆二乗則に合致しないからである。それで宇宙を埋める見えないダークマターを持ち出して赤信号を集団で渡っているのが今の天文学のレベルである。これに異を唱えたのがイスラエルのモデルハイミルグロムのMOND仮説であり、二乗則のベキ数2を変えればダークマター仮説は不要であると計算した。しかし、これは湯川秀樹のごとく仮説を新しい仮説で埋め合わせした者でしかない。創造主の摂理はもっと単純であり、Gが毎年137億分の1の割合で減少しているだけの話である。それで数字が符合し、ダークマターはブラックジョークになる。
ガリレイまでは正しかった物理科学は錬金術師ニュートンから間違いの連鎖を始めていた。アインシュタインのE=mC2は右辺と左辺が同じことを繰り返して言っており誤りと言える。ファインマンはアインシュタインのmを電磁的質量と呼び真実に一歩近づいたが、あと99歩の距離を残した。リニアコライダーで光速の99.99%まで東向きに加速した陽子と、光速の99.99%まで西向きに加速した反陽子を衝突させる時の相対速度は光速の199.98%である。ビッグバン球の境界は光速で地球から遠ざかっているが、大半の天文物理学者はその外側は超光速で遠ざかっているが我々とは関わりがないと、超光速を肯定している。アインシュタインの相対性原理は一体何処に行ってしまえばいいのか?葬り去るときは、きちんとした引導を渡さなければならない。
アインシュタインの光量子説は誤りである。軌道電子も自由電子も到来電磁界によって等しく振動を受けているのであり、到来した空間電界がバンドギャップを越えたら、ポンピングされるのではなく、原子核に拘束されているとは言えない浮石だと言うだけの話である。到来電界が去れば、原子核から遊離していないと言えるだけの話である。量子過程などは絵空事である。宇宙で量子過程があるなら雑音だらけになり、電波通信など行うことができない。光量子概念では軌道にいる限り電子が遮蔽されているという認識である。ベルナーハイゼンベルグの不確定性原理も当然誤りである。PDは不確定に到来光を捕捉している訳ではない。これは雑音量を計測すれば明らかである。量子的な振る舞いをするのは、到来する光や電磁波ではなく、原子核の周りの軌道電子の安定点はフガングパウリが示したように幾つか存在するというだけの話である。何れにせよ物理学は既に21世紀用にほぼ完全に精度よく解き明かされている。それは驚くほど単純なアナログ量の1と−1だけが森羅万象を作り出す、見事な創造主の世界であった。その上創造主は悠久の物語を宇宙に埋め込んでいるのである。
光ディスクを扱うものは、これらの原理を正しく理解しなければ、正しい設計はできないのである。本来創造主が与えた極めて単純な原理に沿ったものが天上解である。人は自ら発明・発見をする必要などなく、原理の正しい理解で自然解が信ずるものの前に自ずと姿を現すのである。
【0052】
<BD/EBDの応用>
画像表示装置が、あたかも自然の中に人間がいるような感覚を与えるには、7680x4320程度の画素数が必要である。これを仮にナチュラルビジョンと呼び、3840x2160をスーパービジョン、1920x1080を従来通りハイビジョンと呼ぶ。それぞれに2時間記録できる光ディスクが必要である。スーパービジョン対応の光ディスクは12cm径のディスクで天上解の多ビット記録である。ナチュラルビジョン対応の光ディスクは15cmx25cmの再生紙ディスクの天上解である。技術とは進展するのではなく、自然に回帰し創造主の定めた摂理に従うのである。
【表3】
現在の1920x1080のハイビジョンの表示装置は問題点を抱えている。それはMPEGでもH.264でも必要な情報量が不足しているために、画質が自然さを欠いていることである。EBDはBDの1.6倍の記録容量を持っているので、DCTの互換性を維持しながら見直した情報量の増加分にEBDの60%分の一部を当てることができる。
一方、メガネの着用や視点の固定を求めない立体表示装置が別出願で公知される。これは200インチを10万円で市場に供給することができる。この場合左右の目の与える情報を2倍の50GBとするのではなく、また左右交互に表示して25GBに収めるのでもなく、左右の視差分の15GBを加えた25GB+15GB=40GBとして、EBDに記憶させるものである。また従来の2つのスピーカー、5−1の音響システム、ヘッドフォンによるバイノーラルシステム、ドルビーサラウンドは何れも真の新の臨場感に欠けていた。この問題は既に解決し、自然解としてすでに出願されている。
【0053】
<BD/EBD/SBD/NBD>
既に製造方法の原理設計が完了している天上解の画像表示装置では、製造コストは画素数や画面サイズに依存せず、必然的に壁掛けのロールペーパーである。対角の標準サイズは200インチであり、壁照明としては、白熱球3%、FL管15%の照明効率に対して40%の効率を持ち、寿命は100年程度である。
40GBの記憶容量を持つEBDを最も強く要求している背景は、真性立体TVの実現にめどが立ったことである、立体表示の地上解は、視点固定方式(NTTかSanyo)かメガネ方式(LCD2枚メガネか松下方式)である。空中解は視点追跡方式である。真性の天上解はこれらとは異なる。真性立体TVの要件は、図72に示す光ディスクとの対応関係で
1)単一のScreenであること
2)ホログラム方式のような補助的な光を使用しないこと
3)メガネの着用などが必要でないこと
4)視聴点を固定しなくてよいこと
5)複数の視聴者が見られること
6)Screenの手前に出る立体像を手を入れて触り、ハンドルとしてGUIが可能なこと
である。このために左眼撮像データと右眼撮像データの併せて50GB分を、平面表示と同じ25GBに押し込めるのは、真性立体TVを冒涜するものである。また50GBのまま放置するのは、科学に対する冒涜である。結局40GBのEBDの中に、Hivisionの画質の円滑さ情報の不足の補間、真性3D音場のデータ埋め込みと合わせて、図73に示すように40GBを有効に使うことが望まれる。
天上解立体音像は、10W+10Wの5.1チャンネルを100mW+100mWでの真性3Dの個別音場に変え、家族間で音が分離される。指向性とは方向ではなく、一点集中である。この場合RFIDマーカーで視聴者が追尾されるので視点追跡型の空中解立体テレビとは組み合わせられる。地球環境維持の観点から、これらの生活必需AV製品は、図74に示す形態で、20世紀型として消費電力の1/10以下に、製造コストの1/5以下に、製品寿命(また陳腐化)が5倍以上にならないものは生き残れないと言える。
【0054】
<光学部品一覧>
図75に古典形式、現代形式、CSOPの光学部品構成を示す。古典形式では姿勢制御のフォーカスVCM、トラッキングコイル、Skewコイルを除いて、10点をBlurayだけのOPで必要としていたが、現代形式では3.5Wayの読み書きをして3点であり、CSOPではそれが1点である。
【0055】
<ピット側で絞るかPD側で絞るかの比較>
本論はこれまで光ディスクの再生時に、レコードのサファイヤ針の如くできるだけ細い検出器で、1本のトラックをなぞることを決して踏み外すことのなかったこれまでの画一的な方式に対して、数本のトラックを含む小領域を照らし、その像をPD面に写して信号処理を行うという対立する概念を持ち込むことを含んでいる。
先ずどちらが微細な検出であるかという議論がある。レンズのNAで決まる回折限界と言う点では、点光源がピット面でスポットを形成する広がりと、ピット面内の点がPD面に結像した点の広がりは全く同一でa:bの関係である。従ってLDが点光源と看做せない大きさと、PDが持つ大きさの比較になるが、これはレンズのNAと波長で決まる回折限界の解像度に比べれば両者とも小さいので問題にならず、どちらにも軍配が上がらない。
軍配が上がるのは、トラック間干渉とシンボル間干渉の程度である。細い検出器が1本のトラックをなぞる形式の従来方式の針は、実はサイドローブ波紋が広がって針にくっついている。このサイドローブは記録時にはキューリ点以下に相変化膜を持ち上げないので円周方向のシンボル内干渉以外は影響がないが、再生時にはそのままトラック間干渉とシンボル間干渉を引き起こす。これはPDアレーで検出する方式も全く同様である。
細い針方式では、シンボル間干渉は自己トラック干渉なのでPRMLである程度補償することができる。しかし隣接トラックからのクロストークは補償することができない。これに対して、PDアレーで検出する本論の方式では、隣接トラックを同時に検出しているので補償することができる。この差が結局1.6倍の記録密度の差になっている。両者の量産時の安定性は同程度である。再生時にピットをスポットで照射するか、小領域を照射するかの差がC/Nに与える影響は皆無である。
BDは既に保護層の厚みをDVDの0.6mmから一挙に0.1mmとして、ディスクの誇りや引っかき傷への耐性を放棄してキャディに収納する形式になっている。しかし今後はこのような消費者の実用性を妨げて短波長・高密度かを無理に追及することは慎まなければならない。堅牢で使いやすいことを第一に考えるのが21世紀の商品のあり方である。
【0056】
<遠隔病巣診断・処置装置>
光ピックアップを病理的な目的に使うことができる。レーザーの使い方に2つの方法がある。
1)レーザー加工ビーム、レーザーポインター、レーザーメスのように細い平行なビームに絞ること。これはターゲットに到達する線上の全てを等しく破壊して行く。
2)OPのように奥行きの中の一点にのみ位相集中させる。これはターゲットに集中する間には影響が無い。
携帯電波は空中に広がっているが、携帯電話は耳元に集中している。電子レンジの漏れ電波を怖がっている人が、携帯電話で通話するのは滑稽である。
レーザーポインターは扇状にスプレーされる端面発光の放射に、放射直後の位置で小さい対物レンズをつけて平行光線にしたものである。一方OPでは端面発光の放射に、離れた位置で大きな対物レンズをつけて、ターゲットで再び収束させる。電磁波の波長領域でも、光の波長領域でも、X線の波長領域でも、素粒子線の波長領域でも、3次元の一点でピンポイントに収束させる方が圧倒的に他の組織に対するダメージが少ない。レーザーメスは開腹手術であるが、OP方式では身体の外から開腹せず行うことが出来る。従来は全て平行ビームで考えていた。これはヘビサイドのせいである。各種の放射線治療やレーザーメスである。
片方のビーム型の施術側に対して、他方の診断側では、1)X線撮影、2)超音波診断、3)CTスキャン、4)MRI撮像、などは逆にスプレー型になっている。施術側をスプレー型にしないのは、うっかりである。うっかりさせたのは、100年ほど前に光量子という虚構を作ったものの責任ではないだろうか?
先ず重要なことは、診断側も施術側もピンポイントでターゲットを絞れるスプレー型とし、診断側と施術側を共通化することである。OPの場合、記録する場合ピンポイントにターゲットを絞って光を照射し、再生する場合はピンポイントにターゲットの像をPDで検出するのである。この場合記録と再生が同じ光学系で行われることは極めて重要である。またOPではディスクの表面の引っかき傷は影響が無いように光は分散している。医療の診断と施術も同様に、患部とレンズの間の組織には影響されない仕組みになっている。
OP方式を病理診断・施術に使った場合、マーカーからの電磁応答や病巣からの直接の応答で明確に消去が適当だと分かる場合、それは診断から2日後に除去するのは無意味である。人体組織で数ミクロンの解像度で診断のターゲットを特定した場合、全く同一の光学系で身体が動かぬうちに、数uS以内に消去すべきである。
各国の医療費の高騰や、村での過疎地医療問題の主原因はMRIなどの高額な医療器具である。OP方式の診断・施術器具は携帯端末程度の大きさで、医師の管理のもとで、極端に言えば家庭にいながら、診断・施術を継続して行ける。人体の組織全体を数十ミクロンの解像度で3Dスキャンするには、病院では時間がかかって出来ないからである。
薬で発症を抑制できるようになったAIDSに対して、癌は不治の病である。出アフリカ以来、数万年で人類が極北の脱色素人種と、赤道直下の濃厚メラニン人種に分かれて適応できたのは、皮膚癌とビタミンDの欠乏のどちらで死ぬかの、人間に自然に備わった選択をして来たからである。癌はそこでは必要なものであった。だから癌と闘ってはならない。人間に出来ることは、癌を受け流し、癌を生き抜くことである。
癌は幾ら出来てもよい。また幾ら転移してもよい。数十ミクロンの段階で、片っ端から診断し、片っ端から細胞を壊して、DNAを丸裸にすればよい。その大きさなら組織が焼け残りを固定してくれるので、開腹して除去しなくてもよい。
光束が広がった箇所で、人体の組織の屈折率(誘電率)の分布を補正して、ビームの非点性を補償するのはCSOPの電流分布である。この電流分布を決めるには照射光が絞れるかどうかの、活性層1つ1つの変化に対する部位からの像を見ればよい。可視光・紫外では人体の組織は不透明であるが、ミリ波までのラジオ周波数、赤外、X線、MRI周波数では透過する。スポットを20umに絞れるなら、NA=0.7の場合患部から1cm離れた光軸上では、25万分の1の電磁波・光の強度であるから人体の他の組織は影響を受けない。血管の中の癌でも除去できる。
医療用OPは乾電池で駆動できる。1立方cm(約1グラム)当たりの診断・施術のスキャン時間は125秒である。体重80Kgの人が身体全体をスキャンするには1千万秒である。1日は8万秒であるから、寝ている間の自動スキャンを行わなければ、200日ほどかかる。この器具は1万円ほどで市販ができるので、家庭で行うことが肝要である。
身体のあらゆる方向からスキャンされたポイントの診断データは、背景の臓器を規準として集積し、スキャン漏れが起こらないようにする。
キーポイントはPETマーカーのようなもので部位の電磁応答を区別できるか、あるいは癌が正常な組織と違う電磁応答をする波長を発見できるかどうかである。さもなければ、スキャンの結果を集積して大きなかたまりで画像診断して、全体を焼き切ったあと、内視鏡孔から焼き切った組織を吸引する間接的な方法とするかである。これは地上解である。
現在の放射線によるDNAの破断は、周辺部にDNAの塩基の転換を与え新たな癌を作る。これは地獄解である。天上解はあくまでも、癌と共に生き、数十umの段階で細胞を熱的に破壊して、DNAの増殖の機会を奪うことである。
診断の現時応答が区別できれば、不治の病である癌は不治のままであるが、結核で死ぬ人が戦後いなくなったように、癌で死ぬ人は殆どいなくなるであろう。図76にOP機構を示す。小さな癌がいつも見つかれば、人は皆謙虚でいられる。その謙虚さと揺るぎない寛容があれば、小さな癌の発生確率は大きく低下する。人のことを思いやる上で、限度というものはないのである。
図77は身体の外側から、体内でどのようなスポットを形成できるかをシミュレートしたものである。ピット面までの汚れの影響を受けない光ディスクと同じである。ここで理解は2つに分かれる。やはり光とはエネルギーの流れでありその途中も蓄積して見れば、閾値はあっても影響を受けるのではないかと。そこが粒子や波動との差である。光や電磁波は粒子や波動ではない。単なる遠隔的な作用である。21世紀の物理学は、既にこれを解明し、患部とOPの間は位相集中しなければ無関係である。
【0057】
<新OP製品の成果>
図78に新OP製品の成果を示す。それらの特徴は
1)EBDでBD互換のまま40GBを読み書きでき、立体画像ハイビジョン情報を記録することができる。
2)従来のOPの構造がCSOPなどで革新的に簡単になる。
3)3WayのOPが簡単に製造できる。
というものである。
【0058】
<SBD光ディスクとNBD光ディスクのBlock記録・再生>
同じ405nmの波長を使う光ディスクの天上解にSBD(スーパーブルーレイディスク)とNBD(ナチュラルブルーレイディスク)がある。解が2つ存在するのは、回転するディスクと回転しないシートがあるからである。バーコードに1次元と2次元があって、2次元の方が一瞬で多くのデータを読み取れるように、光ディスクでもSBDとNBDはBlock単位で記録・再生する。図79に示すように、1つのBlockに8x8のピット配列がある。Blockの大きさは、SBDは3.6umx3.6umの大きさであり、NBDは4.8umx4.8umの大きさである。
【0059】
<SBD光ディスクとNBD光ディスクの記録容量>
図80に示すように、8x8のピット配列の中で、1つのピットは8ビットの深さを持っている。ピット高は4段階で2ビットの深さである。X方向の位置は8通りで3ビットの深さである。Y方向の位置は8通りで3ビットの深さである。これらを合わせて
3bit+3bit+2bit=8bit
となる。
12cm径のリジット円盤は9000mm2の有効面積であるから丁度100GBの記録容量である。16cmx25cmの有効面積のシートは丁度250GBの記録容量である。この記録容量はMPEG2/4、H.264の地上解に対して、天上解であるNVC(ナチュラルビデオ圧縮)を持ち、SuperVisionとNaturaiVisionの立体映像を2時間記録・再生することができる。これらの規格はManMadeではなく、自然律によっている。
同じ光学的な条件で、BDは25GBであるのに対してSBDは100GBであるから、、その差が4倍開いていることに我々は着目しなければならない。15GBのHD−DVDと25GBのBDが争うようなことは、産業革命がもたらした弊害である。21世紀にはこのような地上のことに関わるのではなく、創造主の用意したものに気づくように努力しなければならない。25GBと100GBの違いを生む主要因は、Lookup−Tableを用いるか変復調に頼るかである。変復調は画一的な基準で物事を判断するが、Lookup−Tableはどんなことも許容し、どんな小さなことにも眼を向ける概念である。
我々が対峙するのは雑音であって、自ら招いた回転ムラであってはならない。癌があって人間と言う主は適応することができたように、雑音とはビッグバン宇宙にある10の80乗の陽子・電子対の叫びである。それと共に生きることを決めた時に、100GBと250GBの自然律は我々のものになる。
光は非接触で記録・再生するから405nmの波長で100GBになるのが自然律である。ハードディスクは接触であるから、1,000,000nmの波長でも250GBを記録・再生できる。であるから競い合わないことが自然律である。共存するように創造主は用意している。
8列の点光源列は図81に示すように端面発光LDで構成される。端面発光LDは往復長が短いので電磁界が横に漏れやすく、隣接するチャンネルと位相同期を取るのが容易である。またチャンネル長が短いので光の往復モードの安定が速く、端面発光と比べて高周波で変調できる。8つの活性層#1〜#8は図10に示した原理によりそれぞれが点光源に見える。各主活性層はその上下に副活性層を持ち、その上下にどちらかに閾値電流を越える電流を流すとLDモードになり、主活性層と電磁結合して位相同期する。位相同期が起これば、同じく図10に示した原理により、主活性層と副活性層は合わせた一つの点光源を構成して、その位置は電流配分と位相差によって上下に振られる。これがY方向のPPMである。
X方向のPPMはディスクが回転する時間差で行われる。
再生時は図85に示すようにマイクロPDアレー#1〜#8でPPMとPDMが検出される。
従来の光ディスクでは、ディスクとOPの相性の問題があり、ディスクが規格に合致し、OPが規格に合致することが要求され、その間にFlexibilityは存在しなかった。この大きな弊害を取り除くために、SBDではTOCにSaple信号が書き込まれ、それをLookup−Tableとして、PDによって検出されたアナログ量配列データが、Lokup−Table上アナログ量配列の中から一番類似したものを選ぶようにして、ディスクとOPの相性の問題を無くしている。このLookup−Tableは8x8のBlock内干渉を含んでいる。Block間干渉をは含まないために、十分なガイドバンドがある。これはEFMし信号をアイパターンでスライスする方法と比べて圧倒的に深い変調が許され、相性問題がなくなる。このため1スポット当たり(3+3+2)の8ビットの深さを持っている。
また従来のSingle−Track方式と比べて、ディスクの回転ムラとクロックのジッターの影響を受けないようになっている。
図84は端面の透過率とLDの光強度変調の遅れ時間の関係を示す。
NBDでは48umx48umのBlock内にある8x8のピットを、磁気浮上のCSOPで読み書きします。CSOPは方形でNA=0.6の配列です。CSOPは発光素子アレーを電流分布を変えて、結像のX−Y平面のBlock内を位相集中スポットを電子的に高速走査することができる。
図86はSBDの記録・再生形態の例を示す。
図87はSBD/NBD用のCSOPを示す。
記録時にはこの偏向走査により、8x8ピットのPPM/PDM書き込みを行う。再生時にはその戻り光を面発光アレーの中央に配したPDで検出して、PPMとPDMを検出できる。
裏面を着磁したCSOPチップをNBDシートの上で浮上して静止させ、自在に飛び回らせるには磁気3次元ポテンシャルの中に閉じ込め、姿勢を固定しなければならない。NBD用のCSOPは4隅にPDを持つCMOSシリコンICの上に面発光LDアレーチップを載せたものである。これを4重極着磁したしたじゅうたんの上に乗せる。
これを平面配置四重極磁界の中に、N−S極を対向させて置くと、お互いに引っ張られてCSOPの光軸は安定し、CSOPの方位も安定し、Z座標の位置も安定します。しかしX−Y座標位置は中心位置からずれるとどんどんその方向に外れて行ってしまう。
今度は上下配置四重極磁界の中に、N−S極を対向させて置くと、お互いに引っ張られてCSOPの光軸は安定し、CSOPの方位も安定し、X−Y座標位置も安定します。しかしZ座標位置は1度ずれるとどんどん片方の磁極に引っ張られて行ってしまう。
そこでこの両者を組み合わせて、X−Y−Z座標位置、方位、光軸の3つが安定する磁気ポテンシャルの井戸を形成します。一切には上下配置の下側の四重極は省略される。この磁気ポテンシャルの井戸を、両面の直流コイルアレーを切り替え、また4重極のバランスを変えることで任意のX−Y座標位置にすばやく移動できる。
PDを持つOEICはオンチップコイルを有し、上面コイルから電磁結合で電力の供給を受け、その大部分を面発光LDアレーで消費します。書き込み信号とコントロール信号はこの電力搬送波を振幅変調または位相変調し、読み出し信号はBackscatterを位相変調または振幅変調する。
地球環境保全の点から言えば、光ディスクの合計1.2mmは、資源の無駄遣いであり、ごみ問題であり、焼却されて空気の汚染問題となる。回転型ディスクでは円盤の上下動を抑えるためにこの厚みが要求される。またスクラッチの影響を軽減するためには保護層の厚みも必要である。書き損じがなくなり、また再書き込みが繰り返して行われるなら、資源の無駄遣いは半減する。
究極的に人類が光ディスクでやるべきことは明確である。
1.回転円盤方式を止めて、上下動の問題をなくする
2.基板は木質紙かコーン紙にする。
3.0.1mmの保護層だけプラスチックを使う。
4.キャディは使わない、傷のデータはネットで取得して補完する
これはまさに、NBDの定義である。
【0060】
<CSOPによる立体画像の描画>
CSOP1(チップサイズオプティカルピックアップ)によって光ディスクBD/EBD/SBD/NBDで記録・再生された画像データはCSOP2(チップサイズオプティカルプロジェクター)によって立体画像表示される。但しBluRayは平面画像規格である。記録・再生に使われる光の波長は405nmであり、立体画像表示に使われるRGB3原色のLDの波長は650nm、550nm、450nmである。
図94に示すように、3板式のRGBのLDアレーチップは円形アレー放射器を1920x1080のHVでは1つ、3840x2160のSVでは4つ、7680x4320のNVでは16個有している。アレー放射器の偏向の解像度は、アレー円の直径を光の波長で割った数値でほぼ表され、アレーの直径が2.2mmであれば解像度は4000本であり、HVの水平解像度1920本の倍である。即ち、SVはHVの4つ並列であり、NVはHVの16個並列となる。HVのビデオ信号の帯域は100MHzであり、SVとNVもそれぞれ4分割、16分割されているので同じ帯域100MHzである。
立体画像表示方法に
1)左右の目の視差を利用するもの(擬似立体TV)
2)3次元の直方体の中に等価的な発光点を置くこと(真性立体TV)
の2種類がある。先ず2)は、水平の並びの人の目を縦の並びにしても立体画像のままであり、また立体画像と人間が3D−GUIで関わり、また複数の視聴者が1つものもを別々の角度から捉えられるが、1)では目の並びは水平に保ち、3D−GUIとは関われず、視聴者は見る角度を選ぶことができない。
通常そのまま撮影ができるのは、1)の方式に対応した2板式の立体カメラであり、そこで2倍に膨れ上がった情報を、図95に示すように相関をとって圧縮し、50%増し程度の情報量にすることができる。2)の方式の撮像方法はこれと全く異なり、1板式の平面カメラで撮像するが、画素領域(テクスチャー)毎に奥行のインデックスをつけるものであり、情報量は平面画像から殆ど増加しない。ゲームやコンピュータのグラフィックスには、2)が適している。リアリティは圧倒的に2)が適している。
立体画像を表示するには、1)は3板2セットでXY座標の中で行うので高価であるが、2)は3板1セットで結像をXYZ座標の中で行ので安価である。2)は古くから静止画像としてあるいは準動画としてホログラムで実現されて来たが、ホログラムはTVを鑑賞できる可能性をもっていない。唯一2)をおぼつかなく実現しているのが、図96に示す前後に2つのスクリーンを配して2つの像を投影し、その2つの像が重なり合った時には、前後の像の輝度の比で人が中間の場所にそれがあると認識するのを利用している。これは遠近法で前の像を後ろの像より小さく投影して重ね、前のスクリーンを半透明にしなければならない。視聴点は一点に固定される。
1)の方法は1950年代の飛び出す映画から始まり、あらゆる方法が試されたが、左右の視差は人間の立体認識の1部であり、例えば単眼で上下に動いていても立体であると認識しているし、またピントを合わせることも立体感覚に関わることである。1)の方法は高価であるばかりでなく、より大きな情報量を必要とし、コンピュータやゲームのグラフィックスのレンダーリングとマッチしないので、これ以上の検討の価値があるとは思えない。立体表示である以前に、表示装置としての資質を十分に備えていなければならない。
【0061】
<表示装置として存在できるもの>
1)表示装置の代表格であるカラー液晶は、照射効率が15%ほどのFLバックライトを使用し、それをカラーフィルターで選色しているので、限界の1/3より開口率が悪い1/5程度で使用され、全体の照射効率は3%程度である。カラーLCDが将来生き残るチャンスは無い。企業にとって生き残るチャンスがあるのは、そういった画一的なものに投資する資金を持たない企業である。それが世の常である。LEDをバックライトに使うことは照射効率を高める。
2)自発光の有機ELの照明効率の理論限界は25%である。これにも将来は無い。
3)照射効率が75%を越えないものは生き残れない。
4)次なる条件は、画面サイズとコストの関係である。50インチから200インチまで、画面サイズが製造コストに関係するLCDパネル、有機ELパネル、プラズマTVは無関係の要件を満たしていないから、2012年以後は押しなべて生き残ることはできず、製造装置の他用途への転換を計らねばならない。
5)寿命は、今後極めて重要な課題になる。100年間の耐久性が光源に求められる。何よりも大切なことは、方式が存続して100年後の人々の信頼を勝ち得ていることである。方式は人為であってはならない。天意に沿うかどうかが求められる。
6)薄型であることも必要である。液晶パネルはリジッドであるため薄型化の要件を満たさないが、有機ELはこの要件をスレスレで満たしている。表示装置は、本来照明装置であるべきであって、その上でフィルム状の様態を持っていなければならない。あるいは投射型でなければならない。
7)100年後に耐久性の寿命が訪れ廃棄することになった場合、新聞紙を捨てる以上の負担を環境に及ぼしてはならない。
8)LCDや有機ELに使われている透明電極のInなどの希少資源は使わないようにしなければならない。
9)先ず平面テレビとして100年の時代の試練に耐え、そのまま立体表示立体も行えるようにしなければならない。
【0062】
<地上解としてのCSOP2>
CSOP2は地上解であって、天上解は既に存在しているが別の技術群に属するためにこの論述では明らかにされない。しかしながら、CSOP2は上の9つの条件を満足し、LCDはどの条件も満足しない。大型LCDに新しく設備投資を行うものは、すでに道路交通システムに化石燃料を燃やさない方法で解決され、普及の手立て・手順も明らかになっている今、今更グローバル化を目指すのと同じように馬鹿げている。懸念されるのはそれらのグローバル企業が生産したものの廃棄である。
今必要なことは、人類が何ができるかではなく何が自然律で許されないかを明確にすることである。化石燃料を燃やし尽くすことはできない。核融合が地上に存在することはできない。何故ならば人類は太古から太陽という核融合工場を既に持っているからである。磁気浮上鉄道は存続ができない。何故ならば自然律ではないからである。地中1.7mより深い場所では通年温度が一定である。これは成層圏までの空気の熱容量と、1.7mの厚さの土の熱容量が等しく、地球表面の2/3を占める海を含めた熱交換が行われているからである。この原則をわきまえない、特に産業革命以後に作られた人間の道具は快適ではない。単に快適だと信じこまされているだけである。
創造主は常に答えを用意している。CSOP2はそれには合致しない。しかし、地上解としての要件は備えている。CSOP2は極めて良好な走査線TVである。懐かしいインターレースも有効である。CSOPはの照射効率は80%程度であり、75%の上記の審査基準を越えている。解像度は画面サイズ、プロジェクターから画面までの距離、平面TVで使うか立体TVで使うかには依存しない。
CSOP2が立体画像表示の特性を失うのは、1度スクリーンに投影されてスカラー化した場合である。これに対して人の網膜というスクリーンに投影されることになる場合は、立体画像である。
NTT方式のような立体画像実験機に於いて、スクリーンに投影しながらCSOPで強引に立体画像らしくすることはできる。それはNTT方式のように2枚のスクリーンを使い、前側のスクリーンを半透明にして同じ画像が視聴者の視点から見て重なり合うようにし、前後のスクリーンに結像した輝度を比例配分すれば、1台のプロジェクターを視聴者の脇に置いて、同様のものずっと簡単な手続きで実現できる。しかしこれは人の脳を含めた画像認識上の錯覚に基づいており、意味がある装置だとは言えない。CSOP2を壁に置いて視聴者の方を向かせ、その周りの90cmx160cmの枠に画像を等価的な点光源の集まりとして置き、10mm以下の厚みの薄型ディスプレーにこだわりたければそのまま使用し、こだわりがなければ90cmx160cmx80cmのHxWxDの奥行きを持った空間に立体画像を表示すればよい。この2つの使い方は、CSOP2として部品構成や製造コストに差はない。従って90cmx160cmx<0〜80cm>の立体空間に最初から投影すればいいのである。こうして見れば薄型化を推進しているのは供給メーカーの思い込みであって、そんなものはあなたの顔は平面的ですねと言われているのと同じである。そんなことよりも、廃棄する時にとの位の環境負荷になりますか、デバイスマイルはどのくらいですか、と聞きたいものである。
CSOP2にとって重要な課題は熱の放射である。従来40WであったLCD−TVはCSOP−TVでは1.5Wになる。視野角はLCD−TVと大差はない。立体TVを横から見ることは無意味であるから、視野角を言う概念は廃絶し、個人化に着目しなければならない。1.5Wの内200mW程度がLDアレーチップから有効な光ではなく熱として放熱され、また駆動するシリコンチップから500mW程度の発熱がある。CRTを使ったプロジェクターの液体循環冷却や、LCDプロジェクターに必要なキセノン球のような大きな発熱はないが、21世紀型の製品としては異例の発熱量である。
CSOP2の解像度は、LDアレーチップ内の位相同期に依存している。NVで16個の円形放射アレー列になっている場合は、円内の位相同期だけが重要である。16個の分割走査は、自動車の2つのワイパーのように同じタイミングで走査するので、光が円形放射間で干渉することはないからである。CSOP1のように光ディスクの反射面との間のBig−Phased−Loopが存在しないので、LDチップの裏面に距離のある反射板を置いて、Big−Phased−Loopを構成している。
CSOP2は3原色方式であり、RGBの3板LDアレーを、ハーフミラー、ダイクロイックミラーを介さず重ね合わせている。このためラスター歪、コンバージェンスはCRTと同じ問題を持っているが、数式的な演算で電子的に制御される。
RGB1セットで、異なる2つのスクリーンに描画することができ、また真性立体TV表示もRGB1セットのままである。これを3板1セットと呼ぶ。
光学系の正しい設計を進めるに当って、なんぴともコヒーレンシーという曖昧な用語を廃絶しなければ、それを使う技術者を落伍者にしてしまう。
【0063】
<携帯電話端末>
CSOP2は、携帯電話端末に埋め込んで20cmx30cmx10cmの立体画像空間で等価結像する(虚像)のは、部品コストが2500円程度であり、太陽光の下でも明るく、立体的な画像を得るのにこれまでの小さなLCDパネルよりも低コストであり、消費電力は少ない。3D−GUIはタッチパネル方式より快適であるために、タッチパネル方式は生き残れないであろう。CSOP2と従来の小さなLCDパネルを併用する意味は残らないであろう。
旅行先で50インチの大きさでTVを鑑賞すると、900mAHのリチュウムイオンバッテリーでは1時間しか鑑賞できない。しかし、外部電源に接続して200インチのNV立体TVを家族で見るのには最も適している。
自然律は携帯電話端末を1〜3年で買い換えることを無意味にしている。何故なら、800MHz帯を使いながら、1.5GHz帯、1.7GHz帯、2.0GHz帯、2.5GHz帯の通信のバンド幅を全てを800MHz帯に移し、且つ現在の転送レートを倍増して、基地局の負担を軽減するシステムがすでに21世紀物理学に基づいて開発されており、その科学原理の元で通信事業者は事業を辞めるか、100年寿命規律を守るかの選択しか与えられないからである。
携帯電話端末にRGB3板のCSOPを組み込んだ状態を考えると、2通りの表示方法がある。
1)スクリーンに投影する平面TV
2)RGB3板を覗き込む立体TV
この内、1)については従来のプロジェクションTVと同じ観念で理解がし易いであろう。2)の立体TVに関しては、正しい理解をする時間が必要である。SF映画でペンや携帯電話端末で空中に描画するが、あれは無理である。何故ならそこにスクリーンがないからである。RGB3番は人に向けなければならない。自動車のヘッドアップディスプレイは斜めの窓ガラスがあるから前方に描画できる。CSOPでは3板の周りのXYZの座標にスポットを結像できる。これを人間の両眼の網膜が捉える像は、人間の立体空間を捉える状態と同じである。図97に2つのモードの違いを示す。
携帯電話端末は、CSOP2及びRyo‘sキーボード/マウスと組み合わせた場合、すでに多機能の電話端末の意味合いを越えた責任と義務を与えられ、地球に住む人々が根源的な科学の恩恵を受け自然に返る手立ての1つとなるのである。MITのネグロポンテのいう手回し発電機付の100ドルPCが、真の意味でここに準備されるのである。
図98にCSOP2の基本機能をおさらいする。
【0064】
<ウェアラブルPC>
ビルゲーツの言うウェアラブルPCは、むしろハードウェアの重要さを忘れないアップルコンピュータによって身近なものになる。図98はその代表的な形態である。キーボードとマウスはワイヤレス/無電地で量産に移行できる準備が完了している。ディスプレイはCSOP2でスクリーンに投影するか、直視する立体型である。Ryo‘sフルキーボードは丸めて胸のポケットに仕舞うことができる。
CSOPは癌を撲滅はできないが、癌で死ぬ人は地球上からいなくなると考えられるので、ウェアラブルPCを提唱したビルゲーツに残された課題は、3D−GUIのためのウィンドウOSプラットフォームの僅かな変更と、AIDSで死ぬ人を無くすことである。ビスタウィンドウストリームはその流れに乗るのに矛盾は無い。
【実施例】
【0065】
本発明の製品としての実施例群を図99に示す。
【産業上の利用可能性】
【0066】
光ディスクの100年先を原理的に可能なものと不可能なものに選り分け、DRAM、Flashメモリ、ハードディスク、放送/ワイヤレスによる直接配信等と正しい棲み分けを現時点で行い、正しい在り方を決めて行く。光ディスクはプラスチックの塊であり、これを使い捨てにすることは許されない。究極的には土に返る紙で作ることが望ましい。本発明はそれに道を拓くものである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】はCD/DVD/BD/EBDの3.5Wayのディスクドライブの系統を表したものである。
【図2】は従来の光学系のコンパチビリティと、本論術による光学系のコンパチビリティを対比させたものである。
【図3】は古典形式の3Wayのうち、Philips形式の光学系のPreferenceを示したものである。
【図4】は古典形式の3Wayのうち、Sony形式の光学系のPreferenceを示したものである。
【図5】はBDの光学系のPhilips=Sony形式のアーキテクチャーである。
【図6】はBDのLD放射角の対物レンズへの照射の具体例を示したものである。
【図7】は点光源からA体位照射でのBDのNA限界を具体的に示したものである。
【図8】は点光源からB体位照射でのBDのNA限界を具体的に示したものである。
【図9】はLD光源の位相分散による点光源の大きさWxHの広がりを加味したB体位照射でのBDのスポットの形状を示す。
【図10】は活性層の長さLがLDモードではスポットの大きさに寄与しない仕組みを現している。
【図11】はLDの活性発光層と遠方放射である。
【図12】はLDの共振に実体である。
【図13】はLDの多波長モードの仕組みである。
【図14】はLDの前方放射位相合致の仕組みである。
【図15】はLDの放射指向性の数値原理である。
【図16】はLDの放射パターンの代表例である。
【図17】はLDの活性層の長さLと放射指向性の関係である。
【図18】はLDの指向性半値角と屈折率の関係を示す。
【図19】はスポットを小さくするためのWxHxLの最良設計である。
【図20】はLED動作とLD動作の切り替わりを示す。
【図21】はOEICにおけるPDと初段増幅器の要点を示す。
【図22】はLDの端面発光と上面発光のマルチストライプである。
【図23】はスポットの形状のサイドロープのマルチストライプ補正である。
【図24】は2次元的ストライプによるサイドロープの減殺である。
【図25】はダークライン回避のための使い切りLD/PD列である。
【図26】は赤色LDポインターの仕組みである。
【図27】はチップサイズOPの構造である。
【図28】はCSOPのLDスポットサイズである。
【図29】はアルミピット層の行路差反射を示す。
【図30】は対物レンズへの再照射の Smart Pickupを示す。
【図31】は読み出し専用ピットと書き込み可能層を示す。
【図32】は対物レンズの前のY軸方向の反射光分布を示す。
【図33】はLDの対物レンズへのコサイン分布照射とスポット形状を示す。
【図34】はビームスポットとNAを示す。
【図35】はbの長さとスポット形状の関係を示す。
【図36】はNAとスポット径である。
【図37】は中央部1/4径を照射しない中抜き照射のスポット形状である。
【図38】はレンズを通さない反射光の2分割PDによる検出である。
【図39】はPush−Pull法によるトラッキングServoを示す。
【図40】は近代形式のフォーカスエラーのゼロクロス性を示す。
【図41】同一のレンズLDによるDVDとCDの読み書きのディスク保護層の厚み差補償である。
【図42】非点収差を利用したDVDとCDのスポット形状切り替えである。
【図43】は非点収差中立による3Way−PDの簡素化を示す。
【図44】はSkew エラーのビームスポットを示す。
【図45】は現代形式の記録・再生時動作を示す。
【図46】はハーフミラーなしのレーザーカプラーを示す。
【図47】は近代形式/地上解を示す。
【図48】は近代形式/地上解のPDである。
【図49】は近代形式1(凹面鏡)を示す。
【図50】は近代形式2(平面レンズ)を示す。
【図51】はEnhanced−BDを示す。
【図52】は一様照射分布でのスポット平面形状を示す。
【図53】はEnhanced−BDの記録・再生を示す。
【図54】はBD/EBDの一様照射分布でのスポット平面形状を示す。
【図55】はデフォーカス時の領域照明の強度分布を示す。
【図56】はEBDのPDアレーとイコライザーを示す。
【図57】は二子山による同時消去・記録を示す。
【図58】は三つ峠による同時消去・記録・再生を示す。
【図59】はVelocity−Modulationを示す。
【図60】は3WayOPのピット高、LD光波長、保護層、NA照射を示す。
【図61】はデフォーカスに対応した3Way記録・再生のPDアレーを示す。
【図62】は中抜き反射鏡と中抜き平面レンズによる近代形式OPを示す。
【図63】は中抜き反射鏡によるビームスポットとPD−Arrayを示す。
【図64】は近代形式の3Way読み書きOPを示す。
【図65】はコサイン分布照射の3WayLDのデフォーカスビームを示す。
【図66】はトラッキングエラーと2分割PDアレーを示す。
【図67】は現代形式によるハーフミラーなしEBD用OPの実際を示す。
【図68】はCD/DVD/BD/EBDの3.5WayのOP構成を示す。
【図69】は光軸の周りのピント領域(フォーカルエリア)を示す。
【図70】は波動でも粒子でもない光・電磁波の大原則を示す。
【図71】は二重スリットによる干渉を示す。
【図72】は壁新聞用の壁画像を示す。
【図73】はEBDの真性立体画像情報の2時間記録内容を示す。
【図74】は個別立体音像を示す。
【図75】は各形式OPの光学部品構成を示す。
【図76】は微小癌診断と癌細胞熱破壊施術の光ヘッドの構成図である。
【図77】は光ピックアップによる癌細胞のピンポイントアタックである。
【図78】は形式によるOPの違いである。
【図79】はSBDとNBDの8x8の2次元ピットBlockである。
【図80】はSBDとNBDのピットの2次元位置・深さ変調である。
【図81】は記録容量を決めるものである。
【図82】はSBDとNBDのピットの2次元位置・深さ変調である。
【図83】は副活性層による発光点の偏向である。
【図84】は端面発光LD の活性層内の光往復時間による応答の遅れである。
【図85】はSBDの再生PDアレーである。
【図86】はSBDの記録体位と再生体位である。
【図87】はFlying−CSOPの電子制御である。
【図88】はFlying−CSOPのBlock内高速スキャンである。
【図89】は4隅を4重極着磁されたFlying−CSOPである。
【図90】は水平面配置4重極磁場の中の安定である。
【図91】は上下配置4重極磁場での安定である。
【図92】は重力を利用した全安定磁場である。
【図93】は位置制御・姿勢制御方式である。
【図94】はCSOPのアレーサイズと投影画像の解像度である。
【図95】はDirect−View立体表示とステレオメガネ方式の情報量の差である。
【図96】はNTT型前後重み付け立体表示装置である。
【図97】は3原色レーザーポインターによる画像表示である。
【図98】はCSOPの画像描画の動作原理である。
【図99】は3D−GUIとウェアラブルノートブックである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一チップ上で複数の活性層からなる面発光のLD(レーザーダイオード)であって、発光面から中心軸上の動作距離Fだけ離れた焦点に波長・NA(開口数)限界のスポットが形成されて、LDと対物レンズの機能を併せ持つようにすること。同じ共振長Lを持つ隣接した活性層からの光の放射は、それぞれが同一の波長で共振して発光するが、同時に発光チャンネルが電磁結合により位相同期して同一の位相の光を放射する。基本的な形態として活性層を中心軸の回りに同心円状に細分化して配置し、それを多重に半径Rまで配置して行く。集光レンズとしてのNAはRとFがなす正弦である。外部から見た各発光チャンネルの発光中心は表面からL/2を媒質の屈折率nで割った長さだけ表面から入った点である。焦点にスポットが形成される条件は、各活性層の発光中心から焦点までの長さを波長で測った波数の差が波長の整数倍であることであり、これにより位相集中が起きる。スポットの径はおよそ1.2波長/NAである。多重同心円状の配置だけに限らず、チップの形状に合わせた多重方形の配置を含む。各発光チャンネルに同じ電流を流すと一様分布であり、従来の通常のLD−対物レンズの関係のコサイン分布までの間の分布を自由に選べるようにすること。各ダイオードの駆動電流を個別にコントロールするシリコンICチップの上にLDチップを乗せ、半田バンプなどの方法により接合すること。また外側の同心円の活性層の駆動電流を流さないようにすることで、NAの値を選択できるようにすること。
【請求項2】
焦点に位相集中を起こす各同心円を二重円にして、それらの半径rと半径rrが焦点距離Fと焦点距離FFに対応するようにチップ全体の活性層配置を行い、2つの同心円の活性層を駆動する電流電流を切り替えて、焦点距離が2つの中から選べるようにすること。また各活性層がLED動作からLD動作に移り変わる閾値電流より大きな電流を流す条件下で、二重円に流れる駆動電流の比を変えて、焦点がFからFFの間を連続的に変えられる(フォーカス)ようにすること。また同心円を180度で2つに分け、片半分の二重円電流比ともう半分の二重円電流比を逆に変化させて、スポットが同じ焦点距離を保ちながら、分割した方向に振れる(トラッキング)ようにすること。また、LDと焦点の間に0.1mm〜1.2mmの厚みの透明な板が挿入された場合、それに応じた非点収差を生じるが、多重同心円の半径が挿入された板の光の屈折率による波長短縮も合わせた波数の差が整数となるように二重円の電流比を配置された半径位置に応じてプログレッシブに変化させて、非点収差を補正するが、そのときにLDの発光中心までの深さによって与えられる非点収差も併せて補正すること。また非点収差量補正量が二重円の電流比を変えて選べるようにして、0.1mm/0.6mm/1.2mmの3種類の板の厚みの非点収差補正が切り替えられるようにすること。また同心円を90度で4つに分け、四半分の二重円電流比をX方向とY方向で変化させ、非点収差が挿入された板とLDチップの中心軸が直角からずれることにより起こる非点収差の非対称分(スキューエラー)をX方向とY方向で補正出来るようにすること。実際にはこれらの補正をLDアレーチップの円内の全体で連続的な変化として与えること。
【請求項3】
LDチップを載せる台であるシリコンチップをLDチップより大きくして、LDチップの四辺の中央に当る位置のLDチップの外側でシリコンチップ上に、4つのPD(フォトダイオード)をLDチップに近接して配して、スポットに照射された戻り光を検出し、戻り光強度、フォーカスエラー、トラッキングエラー、スキューエラー信号として利用すること。
【請求項4】
4分割PDを持ち多活性層LDチップを駆動する形のCSOP(チップサイズオプティカルピックアップ)を、電磁的なサーボ機能を電子的な電流コントロールに置き換えた光ディスクのピックアップとして使用すること。またCSOPの電子的な電流コントロールは数um〜数十umの高速・小範囲なものとし、低速・中範囲の制御は電磁的なサーボ機能を使用すること。またCSOPの電子的な電流制御は板厚補正とオフセット補正に留め、全体的な運動制御は電磁的なサーボ機能を使用すること。
【請求項5】
4分割PDを持ち多活性層LDチップを駆動する形のCSOPを光ディスクの記録・再生に使う上で、CD/DVD/BDのそれぞれに必要なスポット径を、発光活性層からなる各同心円帯の電流を位相集中から分散させることによって得ること。
【請求項6】
通常光ディスクに使用される端面発光LDの共振行路長と比べて、面発光LDの共振行路長は短く作られ波数が少ないので、多波長モードにはなりにくい。共振路の裏面は100%に近い反射率とし、放射面は透過率を通常より大幅に引き上げて数十%以上として、放射面での内部への反射はLEDモードからLDモードへの推移に必要な量に留め、主として共振路の裏面の100%に近い反射率とディスク面の100%の反射率に近い鏡面部のスポット状態に於ける動作の間で往復共振を確立し、波長の単色を高め、多波長モードを無くし、戻り光擾乱という言葉の意味を失わせ、ダークラインの発生を抑え、LD光の強度変調の周波数応答を極限まで高め、電流消費を大幅に少なくし、系を安定させること。ピット部にスポットが当っている場合はLDチップ全体で戻り光の濃淡分布が出来るが、それを含んで共振系を最適化して使うこと。その大きな共振ループとは、活性層の裏面と光ディスクの鏡面で取る場合、ディスクには斜めに入射するために2往復で元の活性層に戻ることになる。
【請求項7】
4分割PDを持ち多活性層LDアレーチップを駆動する形のCSOPを光ディスクの記録・再生に使う上で、LDアレーが円状分布の場合、空き地であるLDチップの四隅にそれぞれ発光点を設けること。これらの4つの発光は円内の発光と位相同期が取れている。これらの4つのマーカーLDに等しい電流を流すか、順次電流を切り替えるか、4つの周波数で変調するか、順番が分かる形で1つの変調周波数で順次切り替えるかを行う。これらの4つのマーカーは第一義的に、フォーカスサーボがディスクの鏡面部ではオーバーフォーカス時に4辺に配された4分割PDでフォーカスエラーに対応した光量変化が無くなるのを補い、第二義的にはフォーカスエラー、トラッキングエラー、スキューエラー全体の検出に使うものである。
【請求項8】
集光レンズ機能を持ったLDアレーで、共振を活性層の裏面と光ディスクの鏡面で取る場合は、従来の端面発光LDを使うのと比べて、ダークラインの発生は殆ど無くなると言えるが、発生した場合はその箇所を避けて(電流オフ)、光学的な特性を、Testピットでの戻り光分布を見て、アダプティブに再構成すること。
【請求項9】
CSOPを使った光ディスクの再生時に、照射光を5つ程の多周波で強度変調し、円形のLDアレーの中で、それぞれの周波数の強さの割合が選択できるようにして、照射光は複数のトラックを含む領域かBlockを照射しているが、各周波数に着目したスポットは別々のトラックにフォーカスされて、NAで決まっているサイドローブによるクロストークを補償するのに使われるか、1Block内の8x8のピットのそれぞれを独立に検出するに使われるようにし、4分割PDでそれを検出した後の5つ程のフィルターで分離すること。
【請求項10】
シングルスパイラルの光ディスクをマルチピット列、例えば<1プリグルーブ+8トラック>のシングルスパイラルとしてディスクの回転数をたとえば1/8程度とした場合において、CSOPを用いて8トラックを同時に書き込むのを、円形のLDアレーの電流分布に8トラック分の別々の分布を割り振ることにより実現すること。
【請求項11】
単一の波長で、単一のCSOPで8並列トラックを別々に記録することが可能であるが、回転数がたとえば1/8程度となってビームが8倍長い時間同じ場所に滞在していることを利用し、発光を高周波変調して、アモルファス状態になるのを助けること。
【請求項12】
並列に活性層が配置された3ストライプの端面発光LDの発光チャンネルを電磁的に結合して位相同期させた放射光を対物レンズで絞ったときに、主ビームの両隣のサイドローブが各発光チャンネルの重み付け加算で1次元として打ち消されるようにすること。また3x3の発光チャンネルを持つ面発光LDを同様に電磁的に結合して位相同期させ、同様の2次元サイドローブ打消しを行うこと。また3x3アレーの4隅のチャンネルは設けず、十字形の形で同様の2次元サイドローブ打消しを行うこと。
【請求項13】
光ディスクプレイヤーの寿命は、主としてLDのダークラインの格子欠陥成長で決められているのを救済するために、マルチストライプの端面発光LDと、PDアレーから4分割PDの組み合わせを取り出すものを、光学的に対応させて列の中から選ぶことにより、ダークラインが数万時間で成長したものを捨てて隣の組み合わせに切り替えて行くようにしたOP(オプティカルピックアップ)装置。
【請求項14】
単一の位相同期した面発光LDアレーを用いて、消去可能な光ディスクの記録・再生を同時に行うために、特定の電流配分で先行する求められた強度の消去スポットを形成し、また別の電流配分で求められた強度の記録スポットを形成し、記録電流はON−OFF動作としたものを重畳した電流配分をLDアレーに与えること。
【請求項15】
CSOPの構成に置いて、LDアレーの中央部を無放射として、その場所に4分割PDを置くこと。
【請求項16】
PDアレーとLDの光路はハーフミラーで分離して鏡像関係を保つことは行わない光ディスクのOPであって、PDアレーとLDの光軸に沿った前後位置は必ずしも一致させず、PDアレー列の間から細いLD光が放射するようにすること。記録時に於いてはLDの放射光は相変化/色素反射率変化の記録層で最小スポットとなり、PDアレーはプリグルーブからのトラッキングエラー/フォーカスエラー/スキューエラー情報を必ずしも記録面がPD面にフォーカスしない形で検出し、再生時は記録面/ピット面の明暗像はPDアレー面にジャストフォーカスし、LDの放射光は記録面/ピット面で必ずしもフォーカスせず領域の照射光として機能するようにすること。このOPの機構を現代形式と呼び、従来のPDとLDを鏡像関係に置きハーフミラーを必ず使う画一的な方法を古典形式と呼ぶ。従来存在したOPは全て古典形式である。
【請求項17】
LDの放射光を鏡面の1次反射鏡、2次反射鏡の2回反射を経てピット面で色収差なく収束させ、PDアレーは1次反射鏡の背後でディスク面に向けて配置し、レンズ・反射鏡を通すことなく記録面/ピット面からの反射光に含まれるRF信号/トラッキングエラー/フォーカスエラー/スキューエラーを検出するようにした、小型・軽量・薄型・低い製造コスト・少ない部品点数が得られるOPの機構。これを近代形式と呼ぶ。また近代形式で、ディスクとOPの相対位置関係に於いて、2次反射鏡はおおむね固定し、主として1次反射鏡を動かすことによってトラッキングサーボ/フォーカスサーボ/スキューサーボがかけられるようにすること。また2次反射鏡を、パラボラ鏡だけに限らず、図50に定義する平面反射鏡を用いること。
【請求項18】
Blue−Rayディスク(BD)と同じ光の波長405nmとレンズのNA(=0.85)を持ち、微細化PDアレーでトラック間干渉と同一トラック内のシンボル間干渉を補正できるようにし、これをEnhanced−BD(EBD)と呼び、EDが25GBであるのに対して、EDBは40GBが読み書きできるようにすること。BDのトラックピッチは0.32umであるのに対して、EBDのトラックピッチを0.24umとすること。EBDのOPでBDが読み書きできるようにすること。再生時にトラック間干渉を補償するために、LDの放射光を記録面/ピット面でデフォーカスさせて、5トラック分かそれ以上の範囲を領域照射する。また記録時にもシンボル間干渉を補正するイコライズを行うこと。
【請求項19】
2本ストライプLDのツインピークスポットによって、同時消去・書き込み可能なものとして使うこと。
【請求項20】
光ディスクの記録方式時に書き損じが頻繁に起き、資源と時間の無駄遣いになるのを回避する目的で、3つのストライプを持つ端面発光LDで3つのスポットを形成して、消去・記録・再生を連続して行うことにより、書き直しができるようにすること。
【請求項21】
マルチストライプの端面発光LDで複数のスポットを形成し、線速度に応じた遅延量を与えて分散して読み書きすることで、速度変調による開口補正、S/Nの向上、光電流の低減、ダークラインの成長抑制に役立てること。
【請求項22】
.CD/DVDを波長650nmを持つ単一のLD光源で読み書きするOPの構造であって、DVDの動作条件であるディスクの保護層厚み0.6mm、NA=0.6でトラックピッチ0.74umに対応した光のスポット径からを、新たな部品や機構を追加することなく、CDの動作条件であるディスクの保護層厚み1.2mm、NA=0.4〜0.45でトラックピッチ1.6umに対応した光のスポット径をと作り出す目的で、最も問題となる保護層の厚みの差の0.6mmによる非点収差問題を解消するために、ディスクと対物レンズの間の距離bに対する対物レンズとLD発光点までの距離aの割合a/bをDVDモードとCDモードでは2倍違うようにして、CDの保護層の厚みの像をDVDの保護層の厚みの像と同じ大きさに見えるようにすること。
【請求項23】
CD/DVD/BD(/EDB)を読み書きする単一のOPであって、波長650nmと波長405nmの2つの光源のみを使用し、その2つ光路はハーフミラーで分離し、650nmの波長ではDVDとCDを読み書きし、共通のレンズであるNA=0.85をCD/DVD用途では650nmのLDの放射角でNA=0.6の範囲を照射する。またディスクの保護膜がCD/DVDでは等価的に0.6mmであり、BD/EBDでは等価的に0.1mmであるための非点収差量の対物レンズの反対側での補償は、それぞれハーフミラーの透過パスの非点収差量とLDの発光点の深さによる非点収差量の和に等しくなるようにして、従来の多くの非点収差補正板に相当するものを除去すること。
【請求項24】
癌その他の病巣を、MRI、CTスキャン、レントゲン撮影、超音波、触診、内視鏡、PETマーカーなどで発見・特定し、メス、レーザーメス、放射線照射、抗がん剤の投与などで施術する方法に置き換わるかそれらと併用し、早期癌から中期癌までを受け持ち、皆が癌にかかるが癌で死ぬ人はいないようにすることを目的とし、病巣の検知・施術を1mSec以下の間隔で行って位置ずれの誤差を減らすために、電磁波領域を含む適切な単一波長または複合波長の光ピックアップを使い、医師の指示の元に家庭で微小癌を検出・処置できる、充電電池駆動の、携帯電話端末程度の大きさの、1万円以下で購入が可能な医療器具である。従来は微細な癌を特定する手段と、その位置に対して施術する手段が分かれていたために施術の効果が殆ど得られなかったものを、検知・施術が同時に行えるための効果と、放射線照射ではスポット径が大きいだけではなく、身体の外部から病巣に至る間の組織全体が損傷を受けていたのを、光ピックアップ方式では奥行きを含めた数十umに限定して細胞を破壊して癌のDNAの居場所を無くすことができる。また従来のレーザーメスは細いビームであったために、患部に至る中間に組織があれば、また背後に組織があればそれらは全て損なわれるが、光ピックアップ方式では遠隔的な位相集中であるために、レーザー出力は僅かで済み、また多くの場合開腹しなくてもよい。最新の放射線照射治療では発見された中期・末期の癌の部位への照射範囲を3次元のブロックで囲って他の正常な組織の損傷を軽減するようにしているが、光ピックアップ方式では癌細胞が発生し、20年ほど掛けて人間の健康を損なう大きさになる未病の状態でクリーンアップすることに重点を置いている。放射線照射治療はでは3段階の影響をDNAや細胞にもたらし、1)DNAを破断する、2)DNAの塩基をつけかえる、3)細胞を破壊する、に分かれるが、DNAの破断を目指しているために、照射レベル低くなる照射周辺部ではDNAの塩基の付け替えが起こり、それはまた予期せぬ癌を将来引き起こすことになる。宇宙の全てものは広がり、位相集中が起こる手段があれば1点に現れる。微細な点をスキャンして身体全体を終えるのは長い時間がかかるので、家庭でこれを行えるようにする。また病巣の点の背後には蔵器があり、走査点を立体的な画像として繋ぎ合わせて行くと、蔵器と身体の立体画像が得られ、これを基準としてチェック漏れの点が残っていないかの手段とすること。また充電乾電池駆動の検知・施術端末をワイヤレスでPCと結び、画像集積をPCで行う。また身体の表面から病巣までの組織の屈折率の濃淡で、光は1点に収束しなくなるので、照射光が病巣部の電磁再放射として帰って来たPDアレー上の画像の先鋭さをLDアレーの電流分布を調整して最適化する。得られるPD上の画像が先鋭であれば、照射スポットも先鋭であることが約束されている。病巣部の照射光に対する電磁応答の違いで病巣が見分けられるか、またはPET、光たんぱく質などのマーカーで区別ができるようにし、また適切な光/電磁波の波長が選ばれる。
【請求項25】
BlueRayと共通のLD光波長405nm、ディスク径120mm、ディスクの保護層0.1mm、対物レンズNA=0.85(円形)の条件で、BlueRay仕様の25GBに対して100GBの記録容量を持つ天上解SBD(Super−Blue−Ray)を構成すること。主な違いはBDが1次元の線記録であるのに対して、SBDは2次元の面記録であり、BDが1920x1080のHivisionを2時間記録する目的であるのに対して、SBDは天上解画像データ圧縮NPEGを使い100GBの記録容量(BDの4倍)で3840x2160の画素数を持つSuperVisionを2時間記録することができる。8x8のピット数を持つBlockを3..6umx3.6umの大きさにする。8列のLDアレーと使い、2次元のBlockに8x8のピットを記録する。8つのLDの活性層は上下に副活性層を持ち、その電流により、スポット径が広がらないで、スポットを上下に偏向することができる。スポットはまたLDのパルス電流を遅らせることで、円周方向にブロックのなかのスポットの位置を偏向することができる。このようにして、1つのピットは隣接するピットに影響を与えながら、X−Y平面内のスポットの偏向量を8x8(3bit+3bit)の組み合わせで変えることができる。またピットの深さか、スポットの大きさを4通り(2bit)選ぶことができる。即ち1つのピットは8bitの深さ(3+3+2)を持つ。8x8のBlockの外周に隣接するBlockとの間で共有するアドレスグルーブを持つ。再生時にはLD列は領域照明光になる。ピットの像は細分化した2次元のPDアレーで検出する。検出された2次元データはTOC部分に書き込まれた基準2次元データをLookup−Tableに使ってと比較することで復調を行い、ディスクやOPのばらつきや相性で復調できないことや、エラーレートが増えるのをさける。
【請求項26】
7680x4230のNV(Natural−Vision)画像・音声情報を記録再生することを主目的とするNBD(Natural−Blue−Ray)を16cmx25cmの有効面積の木質紙ベースで定義すること。SBDと同様に8x8のピットを持つBlockの単位で記録・再生する。Blockのセンターラインの寸法は4.8umx4.8umであり、SBDの寸法の4/3倍である。BlueRayと共通のLD光波長405nm、ディスク径120mm、ディスクの保護層0.1mm、対物レンズNA=0.85(円形)を使用する。SBDと同じ動作モードで記録容量は250GBである。記録・再生は磁気浮上するFlying−CSOPで行われる。CSOPの面発光LDアレーの集光形態は、電流分布をコントロールすることで、8x8のBlock内を高速で単一スポット走査することができ、また1つのピットに対して3bit+3bit+2bitの変調を掛けることができる。LDアレーチップは、PDとRFピックアップコイルを持つシリコンチップの上にマウントされ、シリコンチップによりLDアレー電流を制御される。Flying−CSOPはNBDシートの上下に配されるコイルの電流を切り替えることで、4重極の磁界により姿勢制御され、瞬間移動に近い速さで1つの番地から別の番地に移る。IC駆動電流とLD駆動電流は無線で送られ、CSOPを乗せたシリコンチップのオンチッップコイルで検波されて供給される。書き込み信号とコントロール信号はこの電力搬送波を振幅変調または位相変調し、読み出し信号はBackscatterを位相変調または振幅変調する。
【請求項27】
赤色レーザーポインターが端面発光LDとレンズで構成されているものを、面発光LDに切り替えて、光チャンネルを電磁的に結合して位相同期させ、レンズを用いなくても極細のスポットが形成され、また発熱の分散も十分になされるようにすること。
【請求項28】
スクリーン上にTV画像をレーザー光で描画するのに、従来のMEMS可動マイクロミラーを用いて走査する代わりに、面発光3原色レーザーポインターを用いて位相同期したLDアレーの電流分布を変えて画面全体を走査するマイクロプロジェクター(CSOP)を構成し、高解像度であると同時に、カラーLCDの照射効率が3%程度でありバックライトの寿命が3万〜5万時間であるのに対して、80%程度の照射効率と100万時間以上の寿命を与えること。
【請求項29】
面発光3原色レーザーポインターを用いて位相同期したLDアレーの電流分布を変えて画面全体を走査するマイクロプロジェクターをにおいて、スクリーン全体を線順次で走査するのではなく、LDアレーの各発光素子からの複素量の重ねとして分割走査を行い低速化すること。
【請求項30】
CSOPをnxmのそれぞれの面内で位相同期したアレーブロックに分け、それぞれのブロックからの画像ブロックへの線順次走査が同期して集中点が近づかないようにし、ブロック単位で解像度を確保し、駆動するLDの電流分布の周波数が上がらないようにすること。
【請求項31】
CSOPの機構でスクリーン上に平面画像を走査で描画し、またCSOPの発光面の周辺の3次元空間に立体画像の等価発光点列(虚像)を描画して、結局は人の2次元的な網膜上に立体認識画像を結像する装置に於いて、解像度の目標は円形LDアレーの直径を光の波長で割った値になる光学原理からは光源の非単色性のために外れがちになるのに対し、LDアレーの各活性層への電流供給路を妨げない形で、LDチップの背面の離れた距離に反射鏡を配し、レーザー動作の共振の平均の往復長がCSOPと結像点までの距離に近いかそれより大きくなるように放射面の反射率を選び、光源に必要な単色性及びアレー内の位相同期が保てるようにすること。
【請求項32】
CSOPに流れる2次元の電流分布は、投影された2次元画像、または3次元が像のDCT(ディスクリートコサイントランスフォーム)変換であることを利用して、適切な天上解NPEGを定義し圧縮されたDCTデータを2次元画像あるいは3次元画像に復元しないでCSOPの2次元駆動電流分布として、2次元画像または3次元画像変換を投影空間で実行すること。
【請求項33】
光学レンズを要せず、印刷用紙からの反射光検出PDを持ち、2次元複数スポットを同時に発生できるCSOPを、レーザープリンターの機構の一部として従来の機械的な部分を置き換え、また大幅な高速化を計ること。
【請求項1】
単一チップ上で複数の活性層からなる面発光のLD(レーザーダイオード)であって、発光面から中心軸上の動作距離Fだけ離れた焦点に波長・NA(開口数)限界のスポットが形成されて、LDと対物レンズの機能を併せ持つようにすること。同じ共振長Lを持つ隣接した活性層からの光の放射は、それぞれが同一の波長で共振して発光するが、同時に発光チャンネルが電磁結合により位相同期して同一の位相の光を放射する。基本的な形態として活性層を中心軸の回りに同心円状に細分化して配置し、それを多重に半径Rまで配置して行く。集光レンズとしてのNAはRとFがなす正弦である。外部から見た各発光チャンネルの発光中心は表面からL/2を媒質の屈折率nで割った長さだけ表面から入った点である。焦点にスポットが形成される条件は、各活性層の発光中心から焦点までの長さを波長で測った波数の差が波長の整数倍であることであり、これにより位相集中が起きる。スポットの径はおよそ1.2波長/NAである。多重同心円状の配置だけに限らず、チップの形状に合わせた多重方形の配置を含む。各発光チャンネルに同じ電流を流すと一様分布であり、従来の通常のLD−対物レンズの関係のコサイン分布までの間の分布を自由に選べるようにすること。各ダイオードの駆動電流を個別にコントロールするシリコンICチップの上にLDチップを乗せ、半田バンプなどの方法により接合すること。また外側の同心円の活性層の駆動電流を流さないようにすることで、NAの値を選択できるようにすること。
【請求項2】
焦点に位相集中を起こす各同心円を二重円にして、それらの半径rと半径rrが焦点距離Fと焦点距離FFに対応するようにチップ全体の活性層配置を行い、2つの同心円の活性層を駆動する電流電流を切り替えて、焦点距離が2つの中から選べるようにすること。また各活性層がLED動作からLD動作に移り変わる閾値電流より大きな電流を流す条件下で、二重円に流れる駆動電流の比を変えて、焦点がFからFFの間を連続的に変えられる(フォーカス)ようにすること。また同心円を180度で2つに分け、片半分の二重円電流比ともう半分の二重円電流比を逆に変化させて、スポットが同じ焦点距離を保ちながら、分割した方向に振れる(トラッキング)ようにすること。また、LDと焦点の間に0.1mm〜1.2mmの厚みの透明な板が挿入された場合、それに応じた非点収差を生じるが、多重同心円の半径が挿入された板の光の屈折率による波長短縮も合わせた波数の差が整数となるように二重円の電流比を配置された半径位置に応じてプログレッシブに変化させて、非点収差を補正するが、そのときにLDの発光中心までの深さによって与えられる非点収差も併せて補正すること。また非点収差量補正量が二重円の電流比を変えて選べるようにして、0.1mm/0.6mm/1.2mmの3種類の板の厚みの非点収差補正が切り替えられるようにすること。また同心円を90度で4つに分け、四半分の二重円電流比をX方向とY方向で変化させ、非点収差が挿入された板とLDチップの中心軸が直角からずれることにより起こる非点収差の非対称分(スキューエラー)をX方向とY方向で補正出来るようにすること。実際にはこれらの補正をLDアレーチップの円内の全体で連続的な変化として与えること。
【請求項3】
LDチップを載せる台であるシリコンチップをLDチップより大きくして、LDチップの四辺の中央に当る位置のLDチップの外側でシリコンチップ上に、4つのPD(フォトダイオード)をLDチップに近接して配して、スポットに照射された戻り光を検出し、戻り光強度、フォーカスエラー、トラッキングエラー、スキューエラー信号として利用すること。
【請求項4】
4分割PDを持ち多活性層LDチップを駆動する形のCSOP(チップサイズオプティカルピックアップ)を、電磁的なサーボ機能を電子的な電流コントロールに置き換えた光ディスクのピックアップとして使用すること。またCSOPの電子的な電流コントロールは数um〜数十umの高速・小範囲なものとし、低速・中範囲の制御は電磁的なサーボ機能を使用すること。またCSOPの電子的な電流制御は板厚補正とオフセット補正に留め、全体的な運動制御は電磁的なサーボ機能を使用すること。
【請求項5】
4分割PDを持ち多活性層LDチップを駆動する形のCSOPを光ディスクの記録・再生に使う上で、CD/DVD/BDのそれぞれに必要なスポット径を、発光活性層からなる各同心円帯の電流を位相集中から分散させることによって得ること。
【請求項6】
通常光ディスクに使用される端面発光LDの共振行路長と比べて、面発光LDの共振行路長は短く作られ波数が少ないので、多波長モードにはなりにくい。共振路の裏面は100%に近い反射率とし、放射面は透過率を通常より大幅に引き上げて数十%以上として、放射面での内部への反射はLEDモードからLDモードへの推移に必要な量に留め、主として共振路の裏面の100%に近い反射率とディスク面の100%の反射率に近い鏡面部のスポット状態に於ける動作の間で往復共振を確立し、波長の単色を高め、多波長モードを無くし、戻り光擾乱という言葉の意味を失わせ、ダークラインの発生を抑え、LD光の強度変調の周波数応答を極限まで高め、電流消費を大幅に少なくし、系を安定させること。ピット部にスポットが当っている場合はLDチップ全体で戻り光の濃淡分布が出来るが、それを含んで共振系を最適化して使うこと。その大きな共振ループとは、活性層の裏面と光ディスクの鏡面で取る場合、ディスクには斜めに入射するために2往復で元の活性層に戻ることになる。
【請求項7】
4分割PDを持ち多活性層LDアレーチップを駆動する形のCSOPを光ディスクの記録・再生に使う上で、LDアレーが円状分布の場合、空き地であるLDチップの四隅にそれぞれ発光点を設けること。これらの4つの発光は円内の発光と位相同期が取れている。これらの4つのマーカーLDに等しい電流を流すか、順次電流を切り替えるか、4つの周波数で変調するか、順番が分かる形で1つの変調周波数で順次切り替えるかを行う。これらの4つのマーカーは第一義的に、フォーカスサーボがディスクの鏡面部ではオーバーフォーカス時に4辺に配された4分割PDでフォーカスエラーに対応した光量変化が無くなるのを補い、第二義的にはフォーカスエラー、トラッキングエラー、スキューエラー全体の検出に使うものである。
【請求項8】
集光レンズ機能を持ったLDアレーで、共振を活性層の裏面と光ディスクの鏡面で取る場合は、従来の端面発光LDを使うのと比べて、ダークラインの発生は殆ど無くなると言えるが、発生した場合はその箇所を避けて(電流オフ)、光学的な特性を、Testピットでの戻り光分布を見て、アダプティブに再構成すること。
【請求項9】
CSOPを使った光ディスクの再生時に、照射光を5つ程の多周波で強度変調し、円形のLDアレーの中で、それぞれの周波数の強さの割合が選択できるようにして、照射光は複数のトラックを含む領域かBlockを照射しているが、各周波数に着目したスポットは別々のトラックにフォーカスされて、NAで決まっているサイドローブによるクロストークを補償するのに使われるか、1Block内の8x8のピットのそれぞれを独立に検出するに使われるようにし、4分割PDでそれを検出した後の5つ程のフィルターで分離すること。
【請求項10】
シングルスパイラルの光ディスクをマルチピット列、例えば<1プリグルーブ+8トラック>のシングルスパイラルとしてディスクの回転数をたとえば1/8程度とした場合において、CSOPを用いて8トラックを同時に書き込むのを、円形のLDアレーの電流分布に8トラック分の別々の分布を割り振ることにより実現すること。
【請求項11】
単一の波長で、単一のCSOPで8並列トラックを別々に記録することが可能であるが、回転数がたとえば1/8程度となってビームが8倍長い時間同じ場所に滞在していることを利用し、発光を高周波変調して、アモルファス状態になるのを助けること。
【請求項12】
並列に活性層が配置された3ストライプの端面発光LDの発光チャンネルを電磁的に結合して位相同期させた放射光を対物レンズで絞ったときに、主ビームの両隣のサイドローブが各発光チャンネルの重み付け加算で1次元として打ち消されるようにすること。また3x3の発光チャンネルを持つ面発光LDを同様に電磁的に結合して位相同期させ、同様の2次元サイドローブ打消しを行うこと。また3x3アレーの4隅のチャンネルは設けず、十字形の形で同様の2次元サイドローブ打消しを行うこと。
【請求項13】
光ディスクプレイヤーの寿命は、主としてLDのダークラインの格子欠陥成長で決められているのを救済するために、マルチストライプの端面発光LDと、PDアレーから4分割PDの組み合わせを取り出すものを、光学的に対応させて列の中から選ぶことにより、ダークラインが数万時間で成長したものを捨てて隣の組み合わせに切り替えて行くようにしたOP(オプティカルピックアップ)装置。
【請求項14】
単一の位相同期した面発光LDアレーを用いて、消去可能な光ディスクの記録・再生を同時に行うために、特定の電流配分で先行する求められた強度の消去スポットを形成し、また別の電流配分で求められた強度の記録スポットを形成し、記録電流はON−OFF動作としたものを重畳した電流配分をLDアレーに与えること。
【請求項15】
CSOPの構成に置いて、LDアレーの中央部を無放射として、その場所に4分割PDを置くこと。
【請求項16】
PDアレーとLDの光路はハーフミラーで分離して鏡像関係を保つことは行わない光ディスクのOPであって、PDアレーとLDの光軸に沿った前後位置は必ずしも一致させず、PDアレー列の間から細いLD光が放射するようにすること。記録時に於いてはLDの放射光は相変化/色素反射率変化の記録層で最小スポットとなり、PDアレーはプリグルーブからのトラッキングエラー/フォーカスエラー/スキューエラー情報を必ずしも記録面がPD面にフォーカスしない形で検出し、再生時は記録面/ピット面の明暗像はPDアレー面にジャストフォーカスし、LDの放射光は記録面/ピット面で必ずしもフォーカスせず領域の照射光として機能するようにすること。このOPの機構を現代形式と呼び、従来のPDとLDを鏡像関係に置きハーフミラーを必ず使う画一的な方法を古典形式と呼ぶ。従来存在したOPは全て古典形式である。
【請求項17】
LDの放射光を鏡面の1次反射鏡、2次反射鏡の2回反射を経てピット面で色収差なく収束させ、PDアレーは1次反射鏡の背後でディスク面に向けて配置し、レンズ・反射鏡を通すことなく記録面/ピット面からの反射光に含まれるRF信号/トラッキングエラー/フォーカスエラー/スキューエラーを検出するようにした、小型・軽量・薄型・低い製造コスト・少ない部品点数が得られるOPの機構。これを近代形式と呼ぶ。また近代形式で、ディスクとOPの相対位置関係に於いて、2次反射鏡はおおむね固定し、主として1次反射鏡を動かすことによってトラッキングサーボ/フォーカスサーボ/スキューサーボがかけられるようにすること。また2次反射鏡を、パラボラ鏡だけに限らず、図50に定義する平面反射鏡を用いること。
【請求項18】
Blue−Rayディスク(BD)と同じ光の波長405nmとレンズのNA(=0.85)を持ち、微細化PDアレーでトラック間干渉と同一トラック内のシンボル間干渉を補正できるようにし、これをEnhanced−BD(EBD)と呼び、EDが25GBであるのに対して、EDBは40GBが読み書きできるようにすること。BDのトラックピッチは0.32umであるのに対して、EBDのトラックピッチを0.24umとすること。EBDのOPでBDが読み書きできるようにすること。再生時にトラック間干渉を補償するために、LDの放射光を記録面/ピット面でデフォーカスさせて、5トラック分かそれ以上の範囲を領域照射する。また記録時にもシンボル間干渉を補正するイコライズを行うこと。
【請求項19】
2本ストライプLDのツインピークスポットによって、同時消去・書き込み可能なものとして使うこと。
【請求項20】
光ディスクの記録方式時に書き損じが頻繁に起き、資源と時間の無駄遣いになるのを回避する目的で、3つのストライプを持つ端面発光LDで3つのスポットを形成して、消去・記録・再生を連続して行うことにより、書き直しができるようにすること。
【請求項21】
マルチストライプの端面発光LDで複数のスポットを形成し、線速度に応じた遅延量を与えて分散して読み書きすることで、速度変調による開口補正、S/Nの向上、光電流の低減、ダークラインの成長抑制に役立てること。
【請求項22】
.CD/DVDを波長650nmを持つ単一のLD光源で読み書きするOPの構造であって、DVDの動作条件であるディスクの保護層厚み0.6mm、NA=0.6でトラックピッチ0.74umに対応した光のスポット径からを、新たな部品や機構を追加することなく、CDの動作条件であるディスクの保護層厚み1.2mm、NA=0.4〜0.45でトラックピッチ1.6umに対応した光のスポット径をと作り出す目的で、最も問題となる保護層の厚みの差の0.6mmによる非点収差問題を解消するために、ディスクと対物レンズの間の距離bに対する対物レンズとLD発光点までの距離aの割合a/bをDVDモードとCDモードでは2倍違うようにして、CDの保護層の厚みの像をDVDの保護層の厚みの像と同じ大きさに見えるようにすること。
【請求項23】
CD/DVD/BD(/EDB)を読み書きする単一のOPであって、波長650nmと波長405nmの2つの光源のみを使用し、その2つ光路はハーフミラーで分離し、650nmの波長ではDVDとCDを読み書きし、共通のレンズであるNA=0.85をCD/DVD用途では650nmのLDの放射角でNA=0.6の範囲を照射する。またディスクの保護膜がCD/DVDでは等価的に0.6mmであり、BD/EBDでは等価的に0.1mmであるための非点収差量の対物レンズの反対側での補償は、それぞれハーフミラーの透過パスの非点収差量とLDの発光点の深さによる非点収差量の和に等しくなるようにして、従来の多くの非点収差補正板に相当するものを除去すること。
【請求項24】
癌その他の病巣を、MRI、CTスキャン、レントゲン撮影、超音波、触診、内視鏡、PETマーカーなどで発見・特定し、メス、レーザーメス、放射線照射、抗がん剤の投与などで施術する方法に置き換わるかそれらと併用し、早期癌から中期癌までを受け持ち、皆が癌にかかるが癌で死ぬ人はいないようにすることを目的とし、病巣の検知・施術を1mSec以下の間隔で行って位置ずれの誤差を減らすために、電磁波領域を含む適切な単一波長または複合波長の光ピックアップを使い、医師の指示の元に家庭で微小癌を検出・処置できる、充電電池駆動の、携帯電話端末程度の大きさの、1万円以下で購入が可能な医療器具である。従来は微細な癌を特定する手段と、その位置に対して施術する手段が分かれていたために施術の効果が殆ど得られなかったものを、検知・施術が同時に行えるための効果と、放射線照射ではスポット径が大きいだけではなく、身体の外部から病巣に至る間の組織全体が損傷を受けていたのを、光ピックアップ方式では奥行きを含めた数十umに限定して細胞を破壊して癌のDNAの居場所を無くすことができる。また従来のレーザーメスは細いビームであったために、患部に至る中間に組織があれば、また背後に組織があればそれらは全て損なわれるが、光ピックアップ方式では遠隔的な位相集中であるために、レーザー出力は僅かで済み、また多くの場合開腹しなくてもよい。最新の放射線照射治療では発見された中期・末期の癌の部位への照射範囲を3次元のブロックで囲って他の正常な組織の損傷を軽減するようにしているが、光ピックアップ方式では癌細胞が発生し、20年ほど掛けて人間の健康を損なう大きさになる未病の状態でクリーンアップすることに重点を置いている。放射線照射治療はでは3段階の影響をDNAや細胞にもたらし、1)DNAを破断する、2)DNAの塩基をつけかえる、3)細胞を破壊する、に分かれるが、DNAの破断を目指しているために、照射レベル低くなる照射周辺部ではDNAの塩基の付け替えが起こり、それはまた予期せぬ癌を将来引き起こすことになる。宇宙の全てものは広がり、位相集中が起こる手段があれば1点に現れる。微細な点をスキャンして身体全体を終えるのは長い時間がかかるので、家庭でこれを行えるようにする。また病巣の点の背後には蔵器があり、走査点を立体的な画像として繋ぎ合わせて行くと、蔵器と身体の立体画像が得られ、これを基準としてチェック漏れの点が残っていないかの手段とすること。また充電乾電池駆動の検知・施術端末をワイヤレスでPCと結び、画像集積をPCで行う。また身体の表面から病巣までの組織の屈折率の濃淡で、光は1点に収束しなくなるので、照射光が病巣部の電磁再放射として帰って来たPDアレー上の画像の先鋭さをLDアレーの電流分布を調整して最適化する。得られるPD上の画像が先鋭であれば、照射スポットも先鋭であることが約束されている。病巣部の照射光に対する電磁応答の違いで病巣が見分けられるか、またはPET、光たんぱく質などのマーカーで区別ができるようにし、また適切な光/電磁波の波長が選ばれる。
【請求項25】
BlueRayと共通のLD光波長405nm、ディスク径120mm、ディスクの保護層0.1mm、対物レンズNA=0.85(円形)の条件で、BlueRay仕様の25GBに対して100GBの記録容量を持つ天上解SBD(Super−Blue−Ray)を構成すること。主な違いはBDが1次元の線記録であるのに対して、SBDは2次元の面記録であり、BDが1920x1080のHivisionを2時間記録する目的であるのに対して、SBDは天上解画像データ圧縮NPEGを使い100GBの記録容量(BDの4倍)で3840x2160の画素数を持つSuperVisionを2時間記録することができる。8x8のピット数を持つBlockを3..6umx3.6umの大きさにする。8列のLDアレーと使い、2次元のBlockに8x8のピットを記録する。8つのLDの活性層は上下に副活性層を持ち、その電流により、スポット径が広がらないで、スポットを上下に偏向することができる。スポットはまたLDのパルス電流を遅らせることで、円周方向にブロックのなかのスポットの位置を偏向することができる。このようにして、1つのピットは隣接するピットに影響を与えながら、X−Y平面内のスポットの偏向量を8x8(3bit+3bit)の組み合わせで変えることができる。またピットの深さか、スポットの大きさを4通り(2bit)選ぶことができる。即ち1つのピットは8bitの深さ(3+3+2)を持つ。8x8のBlockの外周に隣接するBlockとの間で共有するアドレスグルーブを持つ。再生時にはLD列は領域照明光になる。ピットの像は細分化した2次元のPDアレーで検出する。検出された2次元データはTOC部分に書き込まれた基準2次元データをLookup−Tableに使ってと比較することで復調を行い、ディスクやOPのばらつきや相性で復調できないことや、エラーレートが増えるのをさける。
【請求項26】
7680x4230のNV(Natural−Vision)画像・音声情報を記録再生することを主目的とするNBD(Natural−Blue−Ray)を16cmx25cmの有効面積の木質紙ベースで定義すること。SBDと同様に8x8のピットを持つBlockの単位で記録・再生する。Blockのセンターラインの寸法は4.8umx4.8umであり、SBDの寸法の4/3倍である。BlueRayと共通のLD光波長405nm、ディスク径120mm、ディスクの保護層0.1mm、対物レンズNA=0.85(円形)を使用する。SBDと同じ動作モードで記録容量は250GBである。記録・再生は磁気浮上するFlying−CSOPで行われる。CSOPの面発光LDアレーの集光形態は、電流分布をコントロールすることで、8x8のBlock内を高速で単一スポット走査することができ、また1つのピットに対して3bit+3bit+2bitの変調を掛けることができる。LDアレーチップは、PDとRFピックアップコイルを持つシリコンチップの上にマウントされ、シリコンチップによりLDアレー電流を制御される。Flying−CSOPはNBDシートの上下に配されるコイルの電流を切り替えることで、4重極の磁界により姿勢制御され、瞬間移動に近い速さで1つの番地から別の番地に移る。IC駆動電流とLD駆動電流は無線で送られ、CSOPを乗せたシリコンチップのオンチッップコイルで検波されて供給される。書き込み信号とコントロール信号はこの電力搬送波を振幅変調または位相変調し、読み出し信号はBackscatterを位相変調または振幅変調する。
【請求項27】
赤色レーザーポインターが端面発光LDとレンズで構成されているものを、面発光LDに切り替えて、光チャンネルを電磁的に結合して位相同期させ、レンズを用いなくても極細のスポットが形成され、また発熱の分散も十分になされるようにすること。
【請求項28】
スクリーン上にTV画像をレーザー光で描画するのに、従来のMEMS可動マイクロミラーを用いて走査する代わりに、面発光3原色レーザーポインターを用いて位相同期したLDアレーの電流分布を変えて画面全体を走査するマイクロプロジェクター(CSOP)を構成し、高解像度であると同時に、カラーLCDの照射効率が3%程度でありバックライトの寿命が3万〜5万時間であるのに対して、80%程度の照射効率と100万時間以上の寿命を与えること。
【請求項29】
面発光3原色レーザーポインターを用いて位相同期したLDアレーの電流分布を変えて画面全体を走査するマイクロプロジェクターをにおいて、スクリーン全体を線順次で走査するのではなく、LDアレーの各発光素子からの複素量の重ねとして分割走査を行い低速化すること。
【請求項30】
CSOPをnxmのそれぞれの面内で位相同期したアレーブロックに分け、それぞれのブロックからの画像ブロックへの線順次走査が同期して集中点が近づかないようにし、ブロック単位で解像度を確保し、駆動するLDの電流分布の周波数が上がらないようにすること。
【請求項31】
CSOPの機構でスクリーン上に平面画像を走査で描画し、またCSOPの発光面の周辺の3次元空間に立体画像の等価発光点列(虚像)を描画して、結局は人の2次元的な網膜上に立体認識画像を結像する装置に於いて、解像度の目標は円形LDアレーの直径を光の波長で割った値になる光学原理からは光源の非単色性のために外れがちになるのに対し、LDアレーの各活性層への電流供給路を妨げない形で、LDチップの背面の離れた距離に反射鏡を配し、レーザー動作の共振の平均の往復長がCSOPと結像点までの距離に近いかそれより大きくなるように放射面の反射率を選び、光源に必要な単色性及びアレー内の位相同期が保てるようにすること。
【請求項32】
CSOPに流れる2次元の電流分布は、投影された2次元画像、または3次元が像のDCT(ディスクリートコサイントランスフォーム)変換であることを利用して、適切な天上解NPEGを定義し圧縮されたDCTデータを2次元画像あるいは3次元画像に復元しないでCSOPの2次元駆動電流分布として、2次元画像または3次元画像変換を投影空間で実行すること。
【請求項33】
光学レンズを要せず、印刷用紙からの反射光検出PDを持ち、2次元複数スポットを同時に発生できるCSOPを、レーザープリンターの機構の一部として従来の機械的な部分を置き換え、また大幅な高速化を計ること。
【図1】
【図2】
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【図4】
【図5】
【図6】
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【図96】
【図97】
【図98】
【図99】
【公開番号】特開2010−97658(P2010−97658A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268017(P2008−268017)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(708002676)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(708002676)
【Fターム(参考)】
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