説明

EP4受容体作動薬としてのプロスタグランジン類縁体

本発明は、プロスタグランジンE2受容体のEPサブタイプの潜在的な選択的作動薬、緑内障及び患者の目の眼圧上昇に関連するその他の状態の治療におけるそれらの使用又はそれらの製剤に関する。本発明はさらに、骨芽細胞及び破骨細胞の骨モデリング及びリモデリング過程を媒介するための本発明の化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
緑内障は、眼圧が高すぎるために正常に目が機能しにくくなる眼の変性疾患である。その結果、視神経乳頭に障害が生じ、視覚機能が不可逆的に失われる可能性がある。治療しないと、緑内障は最終的に失明に至る可能性がある。高眼圧、すなわち視神経乳頭の障害又は緑内障に特徴的な視野欠損が見られない眼圧が高い状態は、緑内障発症の最も早い段階に過ぎないと眼科医により現在考えられている。
【0002】
緑内障の治療に以前から使用されている薬剤の多くは、満足のいくものではないことが示されている。緑内障の現在の治療方法には、ピロカルピン、炭酸脱水素酵素阻害剤、β遮断薬、プロスタグランジンなどの治療薬使用が含まれる。しかし、これらの治療は、望ましくない局所的作用を生じることが多い。以上のように、現在のところ緑内障及び高い眼圧を治療する方法はいくつかあるが、これらの薬剤の効果及び副作用の特徴は理想的とは言えない。したがって、副作用がほとんどない、又は全くない効果的な新規治療が依然として必要とされている。
【0003】
ヒト及びその他の哺乳類における様々な疾患には、異常な、又は過剰な骨量減少が伴うか、又は関連する。このような疾患には、骨粗鬆症、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、パジェット病、骨代謝の異常増加、歯周病、歯牙損失、骨折、関節リウマチ、人工関節による骨溶解、骨形成不全、転移性骨疾患、悪性の高カルシウム血症及び多発骨髄腫が含まれるが、それだけには限定されない。最も一般的なこれらの疾患の1つは、骨粗鬆症で、閉経後の女性に最も頻繁に発症する。PGE系列などのプロスタグランジンは、骨形成を刺激し、男性を含めた哺乳類の骨量を増加させることが知られている。EP、EP、EP及びEPと称する4種類の異なる受容体サブタイプが骨芽細胞及び破骨細胞の骨モデリング及びリモデリング過程の媒介に関与することが信じられている。骨の主要なプロスタグランジン受容体はEPで、環状AMPを介した情報伝達によって効果をもたらすものと考えられている。本発明では、EPサブタイプ受容体の式I作動薬は骨形成の刺激に有用であることを発見した。WO02/24647、WO02/42268、EP1114816、WO01/46140及びWO01/72268は、EP作動薬を開示している。しかし、本発明の化合物は開示していない。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、プロスタグランジンE2受容体のEPサブタイプの作動薬並びに緑内障及び患者の目の眼圧上昇に関連するその他の状態の治療におけるそれらの使用又はそれらの製剤に関する。特に、本発明は、一連の1,6−2置換ピペリジン−2−オン、3,4−二置換1,3−オキサジナン−2−オン、3,4−二置換1,3−チアジン−2−オン及び4,5−二置換モルホリン−3−オン誘導体並びに眼疾患を治療したり、哺乳類種、特にヒトの目に神経保護効果をもたらしたりするためのそれらの使用に関する。本発明はさらに、骨芽細胞及び破骨細胞の骨モデリング及びリモデリング過程を媒介するための本発明の化合物の使用に関する。
【0005】
より具体的には、本発明は、構造式Iを有する新規EP4作動薬
【0006】
【化2】

(式中、Qは(CH、(CH6〜10アリール、(CH5〜10ヘテロシクリル、(CH3〜10ヘテロシクロアルキル、(CH3〜8シクロアルキル、C(ハロ)であり、前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロシクリルは非置換であるか、又は1個から3個のRで置換されており、
X及びYは独立して、CH、O、NR又はSを表すが、但し、X及びYは同時にO、NR又はSではなく、
UはH、C1〜3アルキルを表すか、又はWが=Oのときは存在せず、
WはOH又は=Oを表し、但し、Wが=OのときUは存在せず、
は、(CHヒドロキシ、(CHCN、(CHCO10、(CHSO、−(CHCFSONH、−(CHSONH、−(CHCONHSO、−(CHSONHCOR、−(CHPO(OH)、(CHCONHPO6、(CHCONHR、(CH1〜4アルコキシ、−(CHシクロアルキル、(CH−ヒドロキシメチルケトン又は(CHヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリルは非置換であるか、又は1個から3個のR基によって置換されており、場合によって酸性水酸基を含有し、
は、独立して、C1〜10アルキル、(CH6〜10アリール、(CH5〜10ヘテロシクリル、(CH3〜10ヘテロシクロアルキル、(CH3〜8シクロアルキル、O−C1〜10アルキル、O−C6〜10アリール、O−C3〜10シクロアルキル、O−C3〜10ヘテロシクロアルキル、O−C3〜10ヘテロシクロアルキルを表し、但し、RがO−C1〜10アルキル、O−C6〜10アリール、O−C3〜10シクロアルキル、O−C3〜10ヘテロシクロアルキル又はO−C3〜10ヘテロシクロアルキルのとき、R及びRはハロゲンではなく、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロシクリルは非置換であるか、又は1個から3個のR基で置換されており、
及びRは独立して、水素、ハロゲン若しくはC1〜6アルキルを表し、又はR及びRは一緒になって、O、S、SO、SO及びNRから選択された1個から2個のヘテロ原子が場合によって割り込んだ3員から7員炭素環を形成し、
及びRは独立して水素又はC1〜4アルキルを表し、
は、水素、アシル又はスルホニルを表し、
は、水素、C1〜6アルキルを表し、前記アルキルは、1個から3個のハロゲン、CN、OH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アシルオキシ又はアミノで場合によって置換されており、
10は、水素、C1〜6アルキル、C3〜10シクロアルキル、(CH6〜10アリール、(CH5〜10ヘテロシクリル、CROC(O)OC3〜10シクロアルキル又はCROC(O)OC1〜10アルキルを表し、
Zは、三重結合、O、S、(C(R又はCH=CHを表し、
は、水素、C1〜6アルキル又はハロゲンを表し、
は、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、CF、ニトロ、アミノ、シアノ、C1〜6アルキルアミノ、ハロゲンを表し、又は、Raはさらにアリール及びヘテロシクリル、SC1〜6アルキル、SC6〜10アリール、SC5〜10ヘテロシクリル、CO、OC6〜10アリール、OC5〜10ヘテロシクリル、CHOC1〜6アルキル、CHSC1〜6アルキル、CHOアリール、CHSアリールを表し、
---は、二重結合又は一重結合を表し、
pは、0から3を表し、
nは、0から4を表し、
mは、0から8を表す。)
又はそれらの薬剤として許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、プロドラッグ又は混合物に関する。
【0007】
本発明のこの態様及びその他の態様は、本発明を全体として調べれば実現されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明について、他に特に指示しない限り以下に定義した用語を使用して、本明細書で詳細に説明する。
【0009】
本明細書では、「治療有効量」という用語は、所望の治療計画に従って投与したとき、所望する治療効果又は応答を惹起するか、又は所望する利益をもたらす式IのEP受容体サブタイプ作動薬の量又は本発明のその他の活性物質の量を意味する。異常な骨吸収の治療に関連する好ましい治療有効量は、骨形成を刺激する量である。同様に、高眼圧症又は緑内障の治療に関連する好ましい治療有効量は、眼圧を低下させ、かつ/又は高眼圧症及び/又は緑内障を治療するために有効な量である。
【0010】
本明細書では、「薬剤として許容される」とは一般的に、毒性又は安全性の観点からヒトを含めた哺乳類に投与するのに適していることを意味する。
【0011】
「プロドラッグ」という用語は、投与吸収後、特許請求した薬剤をインビボにおいてある種の代謝過程を介して放出する薬剤前駆体である化合物を意味する。本発明の化合物のプロドラッグの非限定的な例は、患者に投与した後で酸官能基が容易に加水分解される構造を有するピロリジノン基の酸である。プロドラッグの例には、遊離のCHCOOH基(場合によっては薬剤として許容される塩、たとえば、−CHCOO−Na+の形態であることができる)を有し、通常は環系、好ましくは芳香族環系又は複素環芳香族環系に結合した非麻酔性、非鎮痛性/非ステロイド性抗炎症薬である酢酸誘導体が含まれる。
【0012】
「アルキル」という用語は、特に他に定義しない限り、1個から10個の炭素原子を含有する1価のアルカン(炭化水素)由来の遊離基のことである。直線状、分枝状又は環状であることが可能である。好ましいアルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが含まれる。アルキル基がアルキル基で置換されているというとき、「分枝状アルキル基」と同義に使用される。
【0013】
シクロアルキルは、炭素原子間の二重結合が交互になったり、共鳴したりしない3個から5個の炭素原子を含有するアルキル種である。融合した1個から4個の環を含有することが可能である。シクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルが含まれる。
【0014】
アルコキシとは、アルキル基が本明細書で説明したように場合によって置換されているC1〜6アルキル−O−のことである。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ及びそれらの異性体基である。
【0015】
「ハロゲン」(ハロ)とは、塩素、フッ素、ヨウ素及び臭素のことである。
【0016】
アリールとは、芳香族環、たとえば、フェニル、置換フェニルなどの芳香環、並びにたとえば、ナフチル、フェナントレニルなどの融合環のことである。したがって、アリール基は、少なくとも6個の原子を有する少なくとも1個の環を含有し、このような環は5個まで存在し、それらには炭素原子が22個まで含有されるが、隣接する炭素原子又は適切なヘテロ原子との間の二重結合は交互になる(共鳴する)。好ましいアリール基は、フェニル、ナフチル及びフェナントレニルである。アリール基は、定義したものと同様に置換されることが可能である。好ましい置換アリールには、フェニル及びナフチルが含まれる。
【0017】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環内の炭素原子の1個がO、S又はNから選択されたヘテロ原子によって置換され、他の3個までの炭素原子がヘテロ原子によって置換可能な3個から10個の炭素原子を有するシクロアルキル基(非芳香)のことである。
【0018】
「シクロアルキル」という用語は、3個から10個の炭素原子を有する環状アルキル基(非芳香)のことである。
【0019】
「ヘテロ原子」という用語は、独立して選択されるO、S又はNを意味する。
【0020】
「ヘテロアリール」という用語は、5個又は6個の原子を有する単環式芳香族炭化水素基又は8個から10個の原子を有する二環式芳香基であって、少なくとも1個のヘテロ原子O、S又はNを含有し、炭素又は窒素原子が結合点であり、1個又は2個の他の炭素原子がO又はSから選択されたヘテロ原子によって場合によって置換され、1個から3個の他の炭素原子が窒素ヘテロ原子によって場合によって置換され、前記ヘテロアリール基は本明細書で説明したように場合によって置換されている。この種の例は、ピロール、ピリジン、オキサゾール、チアゾール、テトラゾール及びオキサジンである。本発明のためには、テトラゾールには互変異性体全てが含まれる。他の窒素原子は、最初の窒素及び酸素又は硫黄と一緒に存在することが可能で、たとえばチアジアゾールを生じる。
【0021】
本明細書では、ヘテロシクリル又は複素環式という用語は、安定な5員から7員の単環又は安定な8員から11員の二環を表し、飽和又は不飽和で、炭素原子並びにN、O及びSから成る群から選択された1個から4個のヘテロ原子から構成され、前記で定義した複素環のいずれかがベンゼン環に融合した二環基を含む。複素環にはいずれかのヘテロ原子又は炭素原子が結合することが可能で、それによって安定構造がもたらされる。融合した複素環系は、炭素環を含むことが可能で、必要な複素環は1個のみである。複素環又は複素環式という用語は、ヘテロアリール部分を含む。このような複素環式要素の例には、アゼピニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンズオキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、1,3−ジオキソラニル、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、チアモルホリニル、チアモルホリニル、スルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、チエニル及びトリアゾリルが含まれるが、それらだけには限定されない。
【0022】
本発明の目的のためには、酸性水酸基を含有するヘテロシクリルは、酸性水酸原子を有し、pKaの範囲が3から7であり得るヘテロシクリル基である。酸性水酸基を含有するヘテロシクリルの非限定的例は、
【0023】
【化3】

であり、式中、Gは、−C(R
【0024】
【化4】

−N(R、O又はSであり、
各Rは、独立してH、フッ素、シアノ又はC1〜4アルキルであり、
各Rは、独立してH、C1〜4アルキル又は薬剤として許容される陽イオンであり、
各Rは、独立してH、−C(=O)−R、又は−SOであり、
はC1〜4直鎖状アルキル又はフェニルである。
【0025】
本明細書では、「作動薬」という用語は、式IのEPサブタイプ化合物がEP4受容体と相互作用して、天然の作動薬PGE2と比較して最大、超最大又は最大下の効果を生じることを意味する。Goodman及びGilman、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」9版、1996、第2章を参照されたい。
【0026】
本発明の1実施形態は、Rが(CHCN、(CHCO10、−(CHPO(OH)、(CHCONHPO、(CHCONHR、又は(CHヘテロシクリルで、前記ヘテロシクリルは非置換であるか、又は1個から3個のR基で置換されており、その他の可変要素は全て最初に説明した通りであるときに実現される。本発明の副次的な実施形態は、Zが(C(Rのとき実現される。本発明の他の副次的な実施形態は、Zが硫黄のときである。Rが(CHCO10のとき、Zは硫黄で、該硫黄は6価である。本発明の他の実施形態は、ZがOであるときである。
【0027】
本発明の他の実施形態は、Rが(CHCO10でその他の可変要素は全て最初に説明した通りであるときに実現される。本発明の副次的な実施形態は、X及びYがCHであり、Zが(C(Rであり、Qが(CHであり、R及びRがハロゲンであり、その他の可変要素全てが最初に説明した通りであるときに実現される。
【0028】
本発明の他の実施形態は、Rが(CH5〜10ヘテロシクリルで、前記ヘテロシクリルが非置換であるか、又は1個から3個のR基で置換されており、その他の可変要素全てが最初に説明した通りであるときに実現される。本発明の副次的な実施形態は、Zが(C(Rであるときに実現される。本発明の他の副次的な実施形態は、ZがSであるときである。本発明の他の実施形態は、ZがOであるときである。
【0029】
本発明の他の実施形態は、Rが(CH6〜10アリールで、前記アリールが非置換であるか、又は1個から3個のR基で置換されており、その他の可変要素全てが最初に説明した通りであるときに実現される。
【0030】
本発明の副次的な実施形態は、Rが(CHCO10、−(CHPO(OH)、(CHCONHPO、(CHCONHR又は(CH−テトラゾリルであり、前記テトラゾリルが非置換であるか、又はR基で置換されており、その他の可変要素全ては最初に説明した通りであるときに実現される。本発明の副次的な実施形態は、Zが(C(Rであるときに実現される。本発明の他の副次的な実施形態は、ZがSであるときに実現される。本発明の他の実施形態は、ZがOであるときである。
【0031】
本発明のさらに他の実施形態は、Rが、非置換又は1個から3個のR基で置換されたフェニルであり、その他の可変要素全てが最初に説明した通りであるときに実現される。
【0032】
本発明のさらに他の実施形態は、Rが(CH−テトラゾリルであり、Rがフェニルであり、前記テトラゾリルが非置換であるか、又はR基で置換されており、フェニルが非置換であるか、又は1個から3個のRで置換されており、その他の可変要素全ては最初に説明した通りであるときに実現される。本発明の副次的な実施形態は、Zが(C(Rであるときに実現される。本発明の他の副次的な実施形態は、ZがSであるときである。本発明の他の実施形態は、ZがOであるときである。
【0033】
本発明のさらに他の実施形態は、UがHであり、WがOHであるときに実現される。
【0034】
本発明のさらに他の実施形態は、UがC1〜3アルキルであり、WがOHであるときに実現される。
【0035】
本発明のさらに他の実施形態は、Qが(CH又はC(ハロ)であり、その他の可変要素全てが最初に説明した通りであるときに実現される。本発明の副次的な実施形態は、Zが(C(Rであるときに実現される。他の副次的な実施形態は、ZがSであるときに実現される。さらに他の副次的な実施形態は、ZがOであるときに実現される。
【0036】
本発明のさらに他の実施形態は、YがCHを表し、XがO、S又はCHであり、WがOHであり、UがH又はメチルであり、RがH、F又はCHであり、Rがフェニル、チエニル、ナフチル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル又はビフェニルであり、前記フェニル、チエニル、ナフチル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル又はビフェニルは非置換であるか、又は1個から3個のR基で置換されており、その他の可変要素全ては最初に説明した通りであるときに実現される。
【0037】
本発明の化合物は、
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸;
7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(4S)−4−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸;
7−{(4S)−4−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(4S)−4−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸;
7−{(4S)−4−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸イソプロピル;
7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸イソプロピル;
7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}ヘプタン酸イソプロピル;
(6R)−6−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−1−[6−(2H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]ピペリジン−2−オン;
(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−3−[6−(2H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]−1,3−オキサジナン−2−オン;
(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−3−[6−(2H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]−1,3−チアジナン−2−オン;
(5S)−5−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−4−[6−(2H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]モルホリン−3−オン;
(6S)−6−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−1−[6−(2H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]ピペラジン−2−オン;
(5S)−5−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−4−[6−(2H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]チオモルホリン−3−オン;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸;
(6R)−6−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−1−{3−[5−(2H−テトラアゾール−5−イル)チエン−2−イル]プロピル}ピペリジン−2−オン;
(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−3−{3−[5−(2H−テトラアゾール−5−イル)チエン−2−イル]プロピル}−1,3−オキサジナン−2−オン;
(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−3−{3−[5−(2H−テトラアゾール−5−イル)チエン−2−イル]プロピル}−1,3−チアジナン−2−オン;
(6R)−6−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−1−{3−[5−(2H−テトラアゾール−5−イル)チエン−2−イル]プロピル}ピペリジン−2−オン;
(4S)−4−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−3−{3−[5−(2H−テトラアゾール−5−イル)チエン−2−イル]プロピル}−1,3−オキサジナン−2−オン;
(4S)−4−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−3−{3−[5−(2H−テトラアゾール−5−イル)チエン−2−イル]プロピル}−1,3−チアジナン−2−オン;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
(5E)−7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプト−5−エン酸;
(5E)−7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプト−5−エン酸;
(5E)−7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}ヘプト−5−エン酸;
(5E)−7−{(2R)−2−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプト−5−エン酸;
(5E)−7−{(4S)−4−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプト−5−エン酸;
(5E)−7−{(4S)−4−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}ヘプト−5−エン酸;
2−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1,3−チアゾール−5−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1,3−チアゾール−2−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1,3−オキサゾール−2−カルボン酸;
2−(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1,3−オキサゾール−5−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸;
2−(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸;
2−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1,3−オキサゾール−5−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1,2λ,5λ−オキサジアゾール−2−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸;
5−((1E)−3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロプ−1−エニル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロプ−1−イニル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−((1Z)−3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロプ−1−エニル)チオフェン−2−カルボン酸;
(6R)−6−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−1−{(2Z)−4−[(1H−テトラアゾール−5−イルメチル)チオ]ブト−2−エニル}ピペリジン−2−オン;
[(4−{(2R)−2−[(1E,3S)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ブト−2−イニル)チオ]酢酸;
[((2Z)−4−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ブト−2−エニル)チオ]酢酸;
[(4−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ブチル)チオ]酢酸;
(4−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ブトキシ)酢酸;
3−[(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)チオ]プロパン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3S)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−(2−ナフチル)ブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
(6R)−6−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−フェニルブト−1−エニル]−1−[6−(1H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]ピペリジン−2−オン;
(6R)−6−[(1E,3S)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−フェニルブト−1−エニル]−1−[6−(1H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]ピペリジン−2−オン;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4−(1−ベンゾチエン−2−イル)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
(6R)−6−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−フェニルブチル]−1−[6−(1H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]ピペリジン−2−オン;
(6R)−6−[(3S)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−フェニルブチル]−1−[6−(1H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]ピペリジン−2−オン;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4−(1−ベンゾフラン−2−イル)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4−(3−クロロフェニル)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4−(3−クロロフェニル)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−(3−メトキシフェニル)ブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
6−[(1E)−(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル]−1−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピペラジン−2−オン;
7−{[(1E)−(2R)−2−(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル]−6−オキソ−ピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{[(1E)−(2R)−2−(3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル]−6−オキソ−ピペリジン−1−イル}ヘプタノエート;
イソプロピル7−{(2R)−2−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル]−6−オキソ−ピペリジン−1−イル}ヘプタン酸イソプロピル;
7−{(2R)−2−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル]−6−オキソ−ピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
5−{3−[(2R)−2−((1E)−(3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル]−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル)−チオフェン−2−カルボン酸メチル;
5−{3−[(2R)−2−[(1E)−(3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸;
5−{3−[(2R)−2−((3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸;
5−{3−[(2R)−2−[(1E)−(3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
5−{3−[(2R)−2−(3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
6−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル]−1−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピペリジン−2−オン;
7−{(2R)−2−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸イソプロピル;
7−{(2R)−2−[(3R)−4−(3−ブロモフェニル)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブチル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
5−{3−[(2R)−2−[(1E)−(3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸メチル;
5−{3−{(2R)−2−((3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸;
5−{3−[(2R)−2−(3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル}−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
6−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル]−1−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピペリジン−2−オン;
(5Z)−7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプト−5−エン酸イソプロピル;
(5Z)−7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプト−5−エン酸;
7−{(4R)−4−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−イル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸イソプロピル;
7−{(4R)−4−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−イル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸;
又は薬剤として許容されるそれらの塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、プロドラッグ若しくは混合物である。
【0038】
本発明の他の実施形態は、式IのEP作動薬及び薬剤として許容される担体を場合によって含有する組成物を対象とする。
【0039】
本発明のさらに他の実施形態は、式IのEP作動薬及び薬剤として許容される担体を場合によって含有する組成物を投与、好ましくは局所的又は眼房内投与することによって、上昇した眼圧を減少させるか、又は緑内障を治療するための方法を対象とする。上昇した眼圧又は緑内障又はそれらの組み合わせを治療するための薬剤を製造するために式Iの化合物を使用することもまた、本発明に含まれる。
【0040】
本発明はさらに、式Iの化合物を含む医薬品組成物の製造方法に関する。
【0041】
本発明はさらに、式Iの化合物及び薬剤として許容される担体を含む医薬品組成物の製造方法に関する。
【0042】
請求された化合物は、PGE受容体、特にEPサブタイプ受容体に強く結合して作用し、したがって、緑内障及び高眼圧症を予防及び/又は治療するために有用である。
【0043】
眼球乾燥は、数百万もの人々を悩ます一般的な眼球表面の疾患である。眼球乾燥は、いくつかの関連のない病因から生じる可能性があると思われるが、最終的な結果は共通して涙液膜の破損であり、その結果曝露された眼球外面の乾燥が生じる(Lemp、Report of the Nation Eye Institute/Industry Workshop on Clinical Trials in Dry Eyes、The CLAO Journel、21(4):221〜231(1995))。機能的なEP4受容体は、ヒト結膜上皮細胞で発見され(参照により全体を組み込む米国特許第6344477号を参照されたい)、ヒト角膜上皮細胞(Progess in Retinal and Eye Research、16:81〜98(1997))及び結膜細胞(Dartt他、「ラット結膜の杯状細胞に隣接した神経の局在(Localization of nerves adjacent to goblet cells in rat conjucntiva.)」Current Eye Research、14:993〜1000(1995))の両方が粘液を分泌できることは理解されている。したがって、式Iの化合物は乾燥眼球の治療に有用である。
【0044】
黄斑浮腫は、眼球の後極にある非常に重要な中枢視覚領域における網膜内で肥大する。IOPを低下させるEP作動薬は、黄斑浮腫又は黄斑変性などの黄斑性疾患を治療するために有用であると考えられている。したがって、本発明の他の態様は、黄斑浮腫又は黄斑変性を治療する方法である。
【0045】
緑内障の特徴は、視神経の進行性萎縮で、眼圧(IOP)の上昇を伴うことが多い。しかし、神経保護作用をもたらす薬剤を使用することによって、IOPに必ずしも影響を及ぼすことなく緑内障を治療することが可能である。Arch.Ophthalmol.Vol.112、1994年1月、34〜44頁、Investigative Ophthamol.&Visual Science、32、5、1991年4月、1593〜99頁を参照されたい。IOPを低下させるEP作動薬は、神経保護効果をもたらすために有用であると考えられている。それらはまた、IOPを低下させることによって、網膜及び視神経乳頭の血流速度を増加させ、かつ網膜視神経酸素を増加させるのに有効であると考えられ、両者が一緒になったとき、視神経の健康に有益なものとなる。その結果、本発明はさらに、式IのEP作動薬を使用することによって、網膜及び視神経乳頭の血流速度を増加させる方法、又は網膜及び視神経酸素分圧を増加させる方法、又は神経保護効果をもたらす方法又はこれらを組み合わせた方法に関する。
【0046】
本発明で生成された化合物は、効果的なIOP低下を実現するために、適切かつ公知の薬剤として許容される賦形剤と容易に一緒にして、ヒトを含めた哺乳類に投与することができる組成物を形成する。したがって、本発明はまた、網膜及び視神経乳頭の血流速度を増加させるため、網膜及び視神経酸素分圧を増加させるため、神経保護効果をもたらすため、又はそれらの組み合わせのために、式Iの化合物の1つを単独で、或いは1種又は複数の以下の活性成分、チモロール、ベタキソロール、レボベタキソロール、カルテオロール、レボブノロールなどのβ−アドレナリン作用遮断剤、ピロカルピンなどの副交感神経作動薬、エピネフリン、アイオピジン、ブリモニジン、クロニジン、パラ−アミノクロニジンなどの交感神経作動薬、ドルゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミド又はブリンゾラミドなどの炭酸脱水素酵素阻害剤、コソプト(登録商標)、Penitrem A、パスパリシン、チャリブドトキシン、イベリオトキシン、Paxicillan、Aflitram、VerroculogenなどのMaxi−Kチャンネル遮断薬並びに、いずれも本明細書に参照により全体を組み込むWO03/105868(USSN60/389205)、WO03/105724(60/389222)、WO03/105847(60/458981)、2002年11月8日出願の60/424790(整理番号21260PV)、2002年11月8日出願60/424808(整理番号21281PV)、2001年1月17日出願09/765716及びPCT公開WO02/077168及びWO02/02060863に特に記載されているように、特に、1−(1−イソブチル−6−メトキシ−1H−インダゾール−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−[1−(2,2−ジメチルプロピル)−6−メトキシ−1H−インダゾール−3−イル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−[1−(シクロヘキシルメチル)−6−メトキシ−1H−インダゾール−3−イル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−(1−ヘキシル−6−メトキシ−1H−インダゾール−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−[1−(2−エチルヘキシル)−6−メトキシ−1H−インダゾール−3−イル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−(3−イソブチリル−6−メトキシ−1H−インダゾール−1−イル)ブアン−2−オン、1−(3−イソブチリル−6−メトキシ−1H−インダゾール−1−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン、1−(3−シクロペンチルカルボニル)−6−メトキシ−1H−インダゾール−1−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン、1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−6−メトキシ−1H−インダゾール−3−カルボン酸及び1−[3−(3−ヒドロキシプロパノイル)−6−メトキシ−1H−インダゾール−1−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オンなどのMaxi−Kチャンネル遮断薬、ラタノプロスト、トラバプロスト、ウノプロストン、レスキュラ、S1033(米国特許5889052号、5296504号、5422368号及び5151444号に記載された化合物)などのプロスタグランジン、ルミガン及び米国特許第5352708号に記載された化合物などの抗高血圧脂質、米国特許第4690931号で開示された神経保護薬、特にメマンチンを含めたWO94/13275で開示されたエリプロディル及びR−エリプロディル、及び/又はPCT/US00/31247に記載されたような5−HT2受容体の作動薬、特に1−(2−アミノプロピル)−3−メチル−1H−イミダゾール−6−オール フマレート及び2−(3−クロロ−6−メトキシ−インダゾール−1−イル)−1−メチル−エチルアミンと組み合わせて、式Iの化合物の1つを必要とする患者に投与することによって、高眼圧症、緑内障、黄斑浮腫、黄斑変性を治療する組成物及び方法に関する。
【0047】
高眼圧症、緑内障、黄斑浮腫、黄斑変性を治療するため、網膜及び視神経乳頭の血流速度を増加させるため、網膜及び視神経酸素分圧を増加させるため、神経保護効果をもたらすため、又はそれらの組み合わせのための薬剤を製造するために式Iの化合物を使用することもまた、本発明に含まれる。
【0048】
本発明で使用したEP作動薬は、静脈内、皮下、局所的、経皮的、非経口的又は当業者が公知のその他の任意の方法で治療有効量を投与することができる。眼科用医薬品組成物は、液剤、懸濁剤、軟膏、クリームの形態で、又は固形挿入物として目に局所投与できるように適合させることが好ましい。この化合物の眼科用製剤は、薬剤を0.001%から5%、特に0.001%から0.1%で含有することができる。眼圧を減少させ、緑内障を治療し、血流速度又は酸素分圧を増加させるために有効な用量であれば、より高い投与量、たとえば、約10%までの投与量を使用することができる。単回用量としては、0.001mgから5.0mgまで、好ましくは0.005mgから2.0mgまで、特に0.005mgから1.0mgまでの化合物をヒトの目に適用することができる。
【0049】
化合物を含有する医薬品調製物は、無毒性の医薬品有機担体又は無毒性の医薬品無機担体と都合良く混合することができる。薬剤として許容される一般的な担体は、たとえば、水、水と低級アルカノール又はアラルカノールなどの水混和性溶媒との混合物、植物油、ラッカセイ油、ポリアルキレングリコール、ワセリン、エチルセルロース、オレイン酸エチル、カルボキシメチル−セルロース、ポリビニルピロリドン、ミリスチン酸イソプロピル及びその他の従来から使用されている許容可能な担体である。医薬品調製物はまた、乳化剤、保存剤、湿潤剤、粘度付与剤などの無毒性補助物質、たとえば、ポリエチレングリコール200、300、400及び600、カーボワックス1000、1500、4000、6000及び10000、四級アンモニウム化合物などの抗菌成分、照射滅菌性を備えることが知られており、使用しても有害ではないフェニル水銀塩、チメロサール、メチル及びプロピルパラベン、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、ホウ酸ナトリウムや酢酸ナトリウム、グルコン酸緩衝液などの緩衝成分、並びにモノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン、オレイン酸剤、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、モノチオグリセロール、チオソルビトール、エチレンジアミン四酢酸などのその他の従来成分を含有することができる。さらに、本発明では、従来のリン酸緩衝ビヒクル系、等張性ホウ酸ビヒクル、等張性塩化ナトリウムビヒクル、等張性ホウ酸ナトリウムビヒクルなどを含めた適切な眼科用ビヒクルを担体媒体として使用することができる。医薬品調製物はまた、微粒子製剤の形態であることが可能である。医薬品調製物はまた、固形挿入物の形態であることが可能である。たとえば、該薬剤用の担体として固形水溶性ポリマーを使用することができる。挿入物を形成するために使用するポリマーは、任意の水溶性無毒性ポリマー、たとえば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、(ヒドロキシ低級アルキルセルロース)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸塩、アクリル酸エチル、ポリアクチルアミドなどのアクリレート、ゼラチン、アルギン酸塩、ペクチン、トラガカント、カラヤゴム、ツノマタ、寒天、アカシアゴムなどの天然産物、酢酸デンプン、ヒドロキシメチルデンプンエーテル、ヒドロキシプロピルデンプンなどのデンプン誘導体並びにポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、中和カルボポールなどのその他の合成誘導体、キサンタンゴム、ゲランガム及び前記ポリマーの混合物であってよい。
【0050】
本発明の製剤を投与するために適した対象物は、霊長類、ヒト及びその他の動物、特にヒト並びにネコ、ウサギ及びイヌなどの飼い慣らされた動物を含む。
【0051】
医薬品調製物は、使用する上で無害な、たとえば、チメロサール、塩化ベンザルコニウム、メチル及びプロピルパラベン、臭化ベンジルドデシニウム、ベンジルアルコール又はフェニルエタノールなどの抗菌成分、塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム又はグルコン酸緩衝液などの緩衝成分及びモノラウリン酸ソルビタン、トリエタノールアミン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、エチレンジアミン四酢酸などのその他の従来成分など無毒性補助物質を含有することができる。
【0052】
眼科用液剤又は懸濁剤は、目に許容可能なIOPレベルを維持するために必要な回数で投与することができる。哺乳類の目に対する投与は、1日1回から3回までとする。
【0053】
目に局所投与するために、本発明の新規製剤は、単位用量が治療有効量の活性成分を含むように、又は併用治療の場合はその何倍かの量を含むように調合された液剤、ジェル、軟膏、懸濁剤又は固形挿入物の形態をとることができる。
【0054】
本発明の化合物はまた、骨モデリングと骨芽細胞及び破骨細胞のリモデリング過程を媒介するために有用である。本明細書に参照により全体を組み込む1999年10月12日出願のPCT US99/23757を参照のこと。骨における主要なプロスタグランジン受容体はEPであり、これは環状AMPを介した情報伝達によってその効果をもたらすものと考えられている。本明細書に参照により全体を組み込むIkeda T、Miyaura C、Ichikawa A、Narumiya S、Yoshiki S及びSuda T 1995、「プロスタグランジンE受容体の3種類のサブタイプ(EP、EP及びEP)の胎仔及び新生仔マウスの生体位における局在(In situ Localization of three subtype(EP、EP and EP) of prastaglandin E receptors in embryonic and newborn mice.)」、J Bone Miner Res 10(前記1):S172を参照のこと。骨モデリング及びリモデリング過程を媒介する薬剤を製造するための式Iの化合物の使用もまた、本発明に含まれる。
【0055】
したがって、本発明の他の目的は、骨の形成、すなわち骨形成を刺激する方法を必要とする哺乳類に、式IのEP受容体サブタイプ作動薬の治療有効量を投与することを含む、哺乳類における骨の形成、すなわち骨形成を刺激する方法を提供することである。
【0056】
本発明のさらに他の目的は、骨の形成の刺激方法を必要とする哺乳類に、式IのEP受容体サブタイプ作動薬の治療有効量を投与することを含む、前記哺乳類における骨の形成の刺激方法を提供することである。骨の形成を刺激するための薬剤を製造するための式Iの化合物の使用もまた、本発明に含まれる。
【0057】
本発明のさらに他の目的は、式IのEP受容体サブタイプ作動薬の治療有効量及びビスホスホン酸活性物を含む医薬品組成物を提供することである。
【0058】
本発明のさらに他の目的は、このような治療又は予防を必要とする哺乳類の異常な骨吸収に関連した病状又は症状を治療するか、又は罹患する危険性を減少させる方法であって、治療有効量の式IのEP受容体サブタイプ作動薬を前記哺乳類に投与することを含む方法を提供することである。異常な骨吸収に関連した病状又は症状を治療するか、又は罹患する危険性を減少させる薬剤を製造するための式Iの化合物の使用もまた、本発明に含まれる。
【0059】
異常な骨吸収に関連した疾患状態及び状態には、骨粗鬆症、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、パジェット病、異常に増大した骨代謝、歯周病、歯の損失、骨折、関節リウマチ、人工関節周囲の骨溶解、骨形成不全、転移性骨疾患、悪性の高カルシウム血症及び多発骨髄腫が含まれるが、それだけには限定されない。
【0060】
式IのEP受容体サブタイプ作動薬の治療有効量及びビスホスホン酸活性物を投与することを含む方法で、式IのEP受容体サブタイプ作動薬及びビスホスホネート活性成分の同時投与及び逐次投与はいずれも本発明の範囲内であると見なされる。一般的に、ビスホスホン酸活性成分をベースとしてビスホスホネート活性成分を5mgから10mg含有する製剤が調製される。逐次投与では、該作動薬及びビスホスホネートはどちらからでも投与されることができる。逐次投与のサブクラスでは、該作動薬及びビスホスホネートは一般的に、同じ24時間位内に投与される。さらに別のサブクラスでは、該作動薬及びビスホスホネートは一般的に、互いに約4時間位内に投与される。
【0061】
本発明に有用なビスホスホネート活性物の非限定的な種類は、アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、チルドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、ネリドロネート、オルパンドロネート、リセドロネート、ピリドロネート、パミドロネート、ゾレンドロネート、薬学的に許容されるそれらの塩及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0062】
この場合前記の種類の非限定的なサブクラスは、アレンドロネート、薬学的に許容されるその塩及びそれらの混合物から選択される。
【0063】
該サブクラスの非限定的な例は、アレンドロネート一ナトリウム三水和物である。
【0064】
本発明では、骨の刺激に関連するので、該作動薬は一般的に、所望する治療効果が実現するまで十分な期間にわたり投与される。「所望する治療効果が実現されるまで」という用語は、処置した疾患又は状態に求められる臨床上又は医療上の効果がもたらされたことが、臨床医又は研究者によって認められる時まで、選択した投与計画に従って治療剤又は治療剤類が継続的に投与されることを意味する。本発明の治療方法では、骨の重量又は構造において所望する変化が認められるまで、該化合物は継続的に投与される。このような場合、骨重量の増加又は異常な骨構造と正常な骨構造との置換の実現が所望する目標である。病状又は症状の危険性を減少する方法では、望ましくない状態を予防する必要性がある限り、該化合物は継続的に投与される。このような場合、骨重量密度の維持がしばしば目標となる。
【0065】
投与期間の非限定的な例は、約2週間から哺乳類の寿命が存続するまでの範囲であり得る。ヒトの場合、投与期間は約2週間からヒトの寿命が存続するまで、好ましくは約2週間から約20年まで、より好ましくは約1ヶ月から約20年まで、より好ましくは約6ヶ月から約10年まで、最も好ましくは約1年から約10年までの範囲であり得る。
【0066】
本発明の化合物はまた、骨減少、骨折、骨粗鬆症、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、パジェット病、骨代謝の異常増加、歯周病、歯の損失、骨関節炎、関節リウマチ、人工関節周辺の骨溶解、骨形成不全、転移性骨疾患、悪性の高カルシウム血症及び多発骨髄腫の治療又は予防に有用な公知の薬剤と組み合わせると有用である。本発明で開示した化合物と骨粗鬆症又はその他の骨疾患の治療又は予防に有用なその他の薬剤との組み合わせは、本発明の範囲内である。当業者であれば、どの薬剤の組み合わせが薬剤の特性及び関連する疾患を基にして有用であるか理解するであろう。このような薬剤には、以下の、有機ビスホスホネート、カテプシンK阻害剤、エストロゲン又はエストロゲン受容体修飾因子、アンドロゲン受容体修飾因子、破骨細胞プロトンATPアーゼの阻害剤、HMG−CoA還元酵素の阻害剤、インテグリン受容体拮抗薬、PHTなどの骨芽細胞蛋白質同化剤、カルシトニン、ビタミンD又は合成ビタミンD類縁体及び薬剤として許容されるそれらの塩及びそれらの混合物が含まれる。好ましい組み合わせは、本発明の化合物及び有機ビスホスホネートである。他の好ましい組み合わせは、本発明の化合物及びエストロゲン受容体修飾因子である。他の好ましい組み合わせは、本発明の化合物及びエストロゲンである。他の好ましい組み合わせは、本発明の化合物及びアンドロゲン受容体修飾因子である。他の好ましい組み合わせは、本発明の化合物及び骨芽細胞蛋白質同化剤である。
【0067】
異常な骨吸収及び目の疾患の治療については、式I作動薬のEC50は一般的に、約0.001nMから約100マイクロMであるが、投与量及び投与経路に応じて、この範囲外の活性を有する作動薬が有用であり得る。本発明の他のサブクラスでは、該作動薬のEC50は約0.01マイクロMから約10マイクロMである。本発明のさらに他のサブクラスでは、該作動薬のEC50は約0.1マイクロMから約10マイクロMである。EC50とは、当業者に周知の作動薬活性の一般的な評価基準であり、最大効果の半分、すなわち、50%を生じるために必要な作動薬の濃度又は用量として定義される。本明細書に全体を参照により組み込むGoodman and Gilman′s、The Pharmacologic Basis of Therapeutics、第9版、1996、第2章、E.M.Ross、「薬理学、薬剤作用機構及び薬剤濃度と効果の関係(Phamacodynamics、Mechanisms of Drug Action and the Relationship Between Drug Concentration and Effect)」及び1999年10月12日PCT US99/23757もまた参照されたい。
【0068】
本明細書の実施例は、特許請求した本発明を例示するのであるが、限定するものではない。特許請求の範囲に記載される化合物はそれぞれはEP作動薬であり、いくつかの生理学的な眼及び骨の障害に有用である。
【0069】
本発明の化合物は、いずれも本明細書に全体を参照により組み込む米国特許第6043275号、EP0855389、WO03/047417(USSN60/337228)、WO03/047513(USSN60/338117)、USSN60/406530(メルク文書番号MC060)及びWO01/46140に従い、若干の修正を加えて作製することができる。例示として記載する以下の非限定的なスキームおよび実施例は、本発明を説明するものである。
【0070】
【化5】

【0071】
調製例1
【化6】

MeOH(1.8L)に溶かした(+/−)ピペコリン酸(395g、3.06mole)のスラリーに60℃でL−酒石酸(459g、3.06mole)を添加した。該スラリーを還流するまで温め、1h(時間)熟成させた。該スラリーを23℃まで冷却して、濾過して、所望する(R)−ピペコリン酸/L−酒石酸濾過ケークをMeOH(200mL)で洗浄した。該濾過ケークを空気乾燥して、白色固形物を単離した。該ピペコリン酸酒石酸塩は一般的に85〜89%eeで測定された。
【0072】
固形物全てが溶解するまで、HO/アセトン 2:1(380mL/190mL)に溶かした塩(383g)のスラリーを還流するまで温めた(60〜65℃)。還流を維持しながらアセトン(1330mL)を2時間かけて添加した。該スラリーを1時間かけて15℃から20℃まで冷却し、次いで濾過して、アセトン/HO 4:1(380mL)で洗浄して、次いで真空下で空気乾燥した。ピペコリン酸酒石酸塩313gが単離された(>99%ee)。
【0073】
MeOH(3.0L)に溶かした(R)−ピペコリン酸酒石酸塩(312g)のスラリーに、0.5時間かけて28%NHOH(83mL、1.1当量)を添加した。該白色スラリーを周囲温度で0.5時間熟成させて、次に酒石酸アンモニウムの沈殿を濾過した。該濾過ケーキをMeOH(300mL)ですすいだ。一緒にした濾液及び洗浄液を(1)の白色固形物になるまで濃縮した。
【0074】
調製例2
【0075】
【化7】

テトラヒドロフラン(THF)/HO 1:1(550/550mL)に溶かしたピペコリン酸(109.7g)及びBOCO(222.4g)のスラリーに、50%NaOH(45mL)を添加した。該スラリーを還流するまで温めて、還流して5時間熟成させた。該溶液を23℃まで冷却して、次にヘプタン(550mL)で洗浄して、未反応のBOCOを除去した。次に、水性(aq.)層を5N HCl(170mL)でpH4からpH5まで酸性化した。得られたスラリーをtert−ブチルメチルエーテル(MTBE)550mLで抽出した。有機層をNaSOで乾燥して、次いで(2)の白色固形物になるまで濃縮した。
【0076】
調製例3
【0077】
【化8】

ジメチルホルムアミド(DMF)500mLに溶解したN−BOC−ピペコリン酸(166.5g、726mmole)の溶液に、MeI(123.7g、871mmole)及びKCO(100.4g、726mole)を添加した。該反応混合物をゆっくり40℃まで加熱し、0.5時間後、周囲温度で4時間熟成期間をおいた。MTBE(830mL)を添加し、次いでHO(2x830mL)及び20%食塩水(300mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥して、油状物(3)になるまで濃縮した。
【0078】
調製例4
【0079】
【化9】

MeCN(305mL)に溶かしたブトキシカルボニル(Boc)−Meエステル(152.6g、627mmol)の溶液に、RuCl(2.6g、12.5mmol)を添加した。HO(760mL)に溶かしたNaBrO(142.0g、941mmol)の溶液を2時間かけて添加した。該溶液を周囲温度で12時間熟成させた。EtOAc(760mL)を添加し、水層を除去した。暗色の有機層を10%NaSO(305mL)で洗浄したところ、有機層が透明に変わり、水層が不透明な灰色に変わった。該有機層を飽和食塩水(150mL)で洗浄し、次いでNaSOで乾燥して油状物(4)を得た。
【0080】
調製例5
【0081】
【化10】

イソプロピルアルコール(IPA)135mLに溶かしたBOC−ラクタム(135.4g、526mmol)の溶液に、イソプロピルアルコール(IPA)263mL/1316mmolに溶かした5N HClを15分かけて添加した。気体の激しい発生が15分間生じた後で、該溶液を周囲温度で2.5時間熟成させた。EtOAc(800mL)を添加し、15%NaCO(350mL)で洗浄した。水層をEtOAc(400mL)で抽出した。一緒にした有機層をNaSOで乾燥して、油状物(5)になるまで濃縮した。鏡像体純度を測定すると>99%eeであった。
【0082】
調製例6
【0083】
【化11】

無水エタノール(500mL)に溶かしたラクタムエステル(8.10g、51.7mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(2.5g、1.2当量)を0.5gずつ増加させながら30分かけて添加した。該溶液を室温で3.5時間撹拌した。次に、該混合物を氷酢酸(2.8当量)で処理して、セライトのプラグで濾過することによって沈殿を除去した。次に、濾液を真空中で濃縮して、得られた油状物を真空下に置くことによって固体化した。粗生成物をCHCl(50mL)に溶解して、KHCO(1.5当量)で処理して、1時間熟成させて、セライトのプラグで濾過して、得られた濾液を真空中で濃縮して、表題化合物6を得て、さらに精製することなく次段階で直接使用した。
【0084】
調製例7
【0085】
【化12】

無水CHCl(50mL)に溶かしたラクタムアルコール(10g、77.5mmol、1.0当量)の溶液に、N雰囲気下において0℃でイミダゾール(6.9g、100.8mmol、1.3当量、(イミダゾールの量は前段階からのAcOHを中和するために調節した)及びtert−ブチルジメチルシリルクロリド(TBSCl)14g/93.0mmol/1.2当量を添加した。得られた混合物を室温(RT)まで温めて、4時間熟成させた。反応が完了したことが判断されたら、CHCH(100mL)、次に1N HCl溶液(30mL)を添加した。有機層を分離して、水層をCHCl(2x50mL)で逆抽出した。一緒にした有機層を20%NaHCO溶液(40mL)、食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥して、濾過して真空中で濃縮し、所望する化合物を白色固形物として得た。シリコンを含有する副生成物は、固形物を冷ヘプタン(3mL/g)で、−78℃で洗浄することによって除去し、表題化合物7を得た。
【0086】
調製例8
【0087】
【化13】

THF(KF<200ppm)に溶かしたラクタム7(2.0g、8.22mmol)の15℃の溶液に、テトラヒドロフラン(THF)20mLに溶かした固形カリウムビス[トリメチルシリル]アミド(KHMDS)1.90g/9.04mmoleを添加し、室温(rt)で10分間熟成させた。新たに調製したメシラート(0.93g、8.22mmole、KF<800ppm)を純粋な油として該溶液に添加し、該反応物を50℃まで加熱して、2.5時間から3.5時間熟成させた。該反応物を室温まで冷却して、MTBE(20mL)及び水(20mL)で希釈した。水性(aq.)層を除去し、有機物を飽和食塩水(10mL)で洗浄した。NaSOで乾燥して、溶媒を除去して黄色の粗油状物8を得た。
【0088】
調製例9
【0089】
【化14】

乾燥MTBE(40mL)に溶解したtert−ブチルジメチルシリル(TBS)保護ラクタム(10g、24.2mmol、1当量)の溶液に、N雰囲気下において0℃で15分かけてHF・ピリジン(4.84g、169mmol、7当量)の70%溶液を添加した。得られた混合物をRTまで温め、12時間熟成して、その時点でHPLC及びH NMR分析によって反応の完了を判断した。次に、該混合物をMTBE(100mL)で希釈して、冷HO(30mL)で洗浄した。次に、有機層を飽和NaCO(25mL)で処理して、MgSOで乾燥して、濾過して真空中で濃縮した。得られた粗油状物(9)は次段階に直接使用する。所望するならば、該アルコールはSiOゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl:MeOH 40:1)で精製することができる。
【0090】
調製例10
【0091】
【化15】

ジクロロメタン(95mL)に溶かしたアルコール9(9.46g、31.6mmol)、DMSO(237.3mmol、16.9mL、7.5当量)及びヒューニッヒ塩基(16.5mL、94.9mmol、3当量)の冷溶液(0℃)に、SO・ピリジン(15g、94.9mmol、3当量)を固形物として15分かけて添加した。得られた溶液を0℃で1.5時間熟成させ、この時点で開始物質の完全な消費が認められた。次に、該反応混合物をEtOAc(150mL)で希釈して、冷4N HCl(35mL)で洗浄した。有機層を分離して、飽和NaHCO溶液及び食塩水で連続的に処理した。その後、該溶液をMgSOで乾燥し、濾過して、真空中で濃縮して、対応するアルデヒド(7.8g、測定収率83%)を得て、さらに精製することなく次段階で使用した。
【0092】
調製例11
リン酸ナトリウム14の調製
【0093】
段階1
【0094】
【化16】

ベンゾイルギ酸メチル(PhCOCOMe、25g、0.15mol、1当量)の純粋な溶液に、N下において15℃で、内部温度が45℃未満に維持されるような速度で純粋なジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST、34.4g、0.21mol、1.4当量)を添加した。添加終了後、得られた褐色の溶液をRTまで冷却し、3時間以上熟成し、その時点で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)及びガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)によって開始物質の完全な消費が認められた。次に、該反応混合物をゆっくり氷/HOに注ぎ(注意:発熱!)、生成物をMTBE(3x)で抽出した。次に、一緒にした有機層を冷20%NaCO水溶液でpHが7になるまでゆっくり中和し(注意:ガス発生)、食塩水で洗浄して、MgSOで乾燥して、濾過して真空中で濃縮した。粗生成物を真空蒸留で精製して(24〜25トールでbp=103℃から105℃)、所望する生成物(13)を淡黄色油状物として得た。
【0095】
段階2
【0096】
【化17】

乾燥THF(400mL、KF=30ppm)に溶かしたメチルホスホン酸ジメチル(28g、0.23mol、1.05当量)の溶液に、THF(115mL、0.23mol、1.05当量)に溶かしたビス(トリメチルシリル)アミドナトリウム2M溶液をN下において−78℃でゆっくり15分かけて添加した。得られた溶液を30分間熟成し、その後純粋なメチルジフルオロエステル(PhCFCOMe、40g、0.22mol、1.0当量)で15分間かけて処理した。該反応混合物を−78℃で1時間熟成し、RTまでゆっくり温め、元の量の約4分の1まで濃縮して、0.5時間かけてMTBE(400mL)を添加した。得られた懸濁液をさらにRTで0.5時間熟成して、濾過した。湿ったケークをMTBE(100mL)で洗浄して、真空中でN流下において乾燥させた。生成物を白色固形物(14)として単離した。
【0097】
調製例12
化合物16の調製
【0098】
段階1
【0099】
【化18】

水(250mL)、IPA(1250mL)及び濃縮硫酸(600mL、11.1mole)の10℃溶液に、固形過硫酸カリウム(600g、2.22mole)を1回で添加した。シクロヘプタノン(131.5mL)をIPAで総量250mLに希釈し、添加中の温度を<15℃に維持しながら、この溶液を添加漏斗によって過硫酸スラリーに15分かけて添加した。該反応物を15℃で16時間から20時間熟成させた。シクロヘプタノンが全て反応したら、濾液の冷却を維持しながら該反応物を濾過して塩を除去した。温度を<30℃に維持しながら、該濾液をMTBE(1250mL)、飽和食塩水(1L)及び水(500mL)で希釈した。分離漏斗に移してから、相を1時間静置して、水層を除去した。有機層を飽和NaCO(2x1L)で、又は水性廃液が塩基性に維持されるまで洗浄した。該溶液をヘキサン(1.25L)で希釈し、NaSOで1時間乾燥した。溶媒を真空下で除去して、油状物を真空蒸留して純粋なエステル(16)を得た。(4mmHgでpb125℃)。
【0100】
段階2
【0101】
【化19】

乾燥THF(100mL)に溶かしたエステル(10g、0.05mole)及びトリエチルアミン(11.1mL、0.08mole)の−10℃溶液に、添加中の温度を<10℃に維持しながら、塩化メタンスルホニル(MsCl−4.75mL、0.06mole)を添加した。該反応物を0℃から5℃で30分間熟成した。完了後、該反応物をヘキサン(100mL)で希釈し、水(50mL)で反応を停止した。水層を除去し、有機層をNaSOで30分間乾燥させた。溶媒を真空下で除去して、黄色油状物(16)を得た。不純物を最小限に抑えるためには、ラクタムのアルキル化の前にメシラートを新たに調製すべきであった。
【実施例1】
【0102】
7−{(2R)−2−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸イソプロピル
【0103】
【化20】

THF(130mL)に溶かしたホスホン酸ナトリウム14(13.7g、45.7mmol、1.4当量)の溶液に、窒素下において0℃でZnCl(3.33g、24.5mmol、0.75当量)を添加した。得られた混合物を室温で15分間撹拌し、次にTHF(10mL)に溶かしたアルデヒド10(9.7g、32.66mmol、1当量)の溶液で処理した。次に、得られた懸濁液を50℃で50時間加熱し、この時点で94%から97%の変換が認められた。次に、該混合物を約3分の1の量まで濃縮して、EtOAc(130mL)で希釈し、HO(30mL)及び食塩水で洗浄した。その後、該有機層をMgSOで乾燥して、濾過して濃縮して、黄色油状物(11)を得た。これはSiOゲルフラッシュクロマトグラフィー(トルエン:アセトン19:1→9:1)によって精製することができる。
【実施例2】
【0104】
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタノエート
【0105】
【化21】

無水PhCH又はジクロロメタン(DCM)0.5M/約4.5mL/gに溶かしたエノン(450mg、1mmol、1.0当量)の溶液に、N雰囲気下で、Et3N(0.14mL、1mmol、1.0当量)及びHCOH(0.05mL、1,2mmol、1.2当量)を室温(RT)で添加した。得られた溶液を10分間撹拌して、次いで固形(R,R)−(−)−Ru−TsDPEN−シメン複合体(19mg、0.03mmol、0.03当量)で同時に処理した。次に、該反応混合物をRTで2時間熟成させ、この時点で開始物質の完全な消費が認められた。tert−ブチルメチルエーテル−MTBE(5mL)を添加し、次に1N HCl(2mL)を添加した。該有機層を分離し、飽和NaHCO、食塩水で洗浄し、無水MgSOで乾燥して、濾過して、真空下で濃縮し、最終化合物を粘稠な油状物として得た。
【0106】
触媒はまた、THF(テトラヒドロフラン)に溶かしたKOtBu 1M溶液0.04モル当量の存在下で、DCM(ジクロロメタン)中で[RuCl(p−シメン)]0.02モル当量及び(R,R)−N−トシル−1,2−ジフェニルエチレン−1,2−ジアミン0.04モル当量を混合することによって、原位置で発生させることができる。RTで10分間熟成後、EtNを添加し、その後HCOH及びエノンのDCM溶液を添加した。)
該触媒は、PrOH中で、[RuCl(p−シメン)]1モル当量、(R,R)−N−トシル−1,2−ジフェニルエチレン−1,2−ジアミン2モル当量及びEtN 4.2モル当量を80℃で1h(時間)混合することによって調製した。溶媒を除去した後、固形物を冷HOで洗浄して、MeOHで再結晶化して、該触媒をオレンジ色の固形物として得た。
【実施例3】
【0107】
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸
【0108】
【化22】

段階1:7−[(2R)−2−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−6−オキソピペリジン−1−イル]ヘプタン酸イソプロピル
【0109】
【化23】

DMF(ジメチルホルムアミド)12mLに溶かした7(1.0g、4.1mmol、文献の方法に従って7段階で合成、Synthesis 1998、1141〜1144)の溶液に、60%水素化ナトリウム(172mg、4.3mmol)を添加し、得られた溶液を50℃で30分間撹拌して、その後イソプロピル−7−ヨードヘプタノエート17(1.9g、1.6mL、8.2mmol)及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(50mg)を添加した。該溶液を50℃で一晩撹拌して、その後室温まで冷却して、飽和塩化アンモニウム水溶液にゆっくり注ぎ、エーテルで抽出した。次に、有機層を一緒にして、HO、食塩水で連続的に洗浄して、NaSOで乾燥して、濾過して真空中で濃縮した。該化合物をフラッシュクロマトグラフィーで酢酸エチル/ヘキサン75%から100%を使用して精製して、9を無色油状物として得た。1H NMR(500MHz、アセトン−d6):δ4.95(m、1H)、3.75(m、3H)、3.50(m、1H)2.97(m、1H)、2.25(2t、4H)、2.00(m、1H)、1.93(m、1H)、1.82(m、1H)、1.70〜1.56(m、4H)、1.52(m、1H)、1.40〜1.28(m、4H)、1.22(2s、6H)、0.93(s、9H)、0.11(s、6H)。
【0110】
段階2:7−[(2R)−2−(ヒドロキシメチル)−6−オキソピペリジン−1−イル]ヘプタン酸イソプロピル
【0111】
【化24】

8(0.80g、2.3mmol)の10mL溶液に、TBAF−フッ化テトラブチルアンモニウム(THFに溶かした1M溶液0.25mL)を室温で添加し、18時間撹拌した。次に、該溶液を飽和(satd.)NaHCOで反応停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を一緒にして、水次いで食塩水で洗浄して、MgSOで乾燥して、濾過して、真空中で濃縮して、9を無色油状物として得た。1H NMR(500MHz、アセトン−d6):δ4.95(m、6H)、3.97(t、1H、OH)、3.76(m、1H)、3.66(m、2H)、3.48(m、1H)、2.98(m、1H)、2.24(m、4H)、2.08(m、1H)、1.90(m、1H)、1.79(m、1H)、1.70〜1.56(m、4H)、1.50(m、1H)、1.40〜1.27(m、4H)、1.22(2s、6H)。
【0112】
段階3:7−{(2R)−2−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸イソプロピル
【0113】
【化25】

(g)でパージしたフラスコに、CHCl(40mL)を添加し、次いでジメチルスルホキシド(0.115g、0.10mL、1.48mmol)を添加した。次に、該溶液を−78℃まで冷却して、激しく撹拌しながら塩化オキサリル(0.17g、0.12mL、1.3mmol)を滴下した。30分後、CHCL 5mLに溶かした9(0.35g、1.2mmol)の溶液をカニューレによって添加した。さらに30分間、−78℃で撹拌を継続した。トリエチルアミン(0.31g、0.43mL、3.1mmol)を滴下し、15分撹拌した後、槽を使用せずに真空中で濃縮した。ジエチルエーテル/酢酸エチル1:1の溶液(100mL)を使用して、トリエチルアミン塩を濾過し、該溶液を真空中で濃縮した。次に、粗アルデヒド10をTHF5mLで希釈して、THF15mLに溶かし予め1時間混合した(2−オキソ−3−フェニル−プロピル)−ホスホン酸ジメチルエステル(0.34g、1.4mmol)及び60%水素化ナトリウム(52mg、1.3mmol)の溶液に0℃で添加した。塩化亜鉛(THFに溶かした1M溶液xmLを添加した)及び該反応混合物を一晩50℃で撹拌した。該溶液を塩化アンモニウム飽和水溶液で反応停止し、酢酸エチルで抽出した。次に、有機相を一緒にして、HO、食塩水で連続的に洗浄して、NaSOで乾燥して、濾過して、真空中で濃縮した。該化合物は、フラッシュクロマトグラフィーで50%から80%の酢酸エチル/ヘキサンを使用して精製して、11を無色油状物として得た。1H NMR(400mHz、アセトン−d6):δ7.65〜7.55(m、5H)、7.11(dd、1H)、6.67(d、1H)、4.95(m、1H)、4.40(m、1H)、3.78(m、1H)、2.60(m、1H)、2.25(m、4H)、2.02(m、1H)、1.90(m、1H)、1.68(m、2H)、1.53〜1.36(m、4H)、1.35〜1.17(m、10H)。
【0114】
段階4:7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸イソプロピル
【0115】
【化26】

A.トルエン中におけるブチル−(S)−CBSの合成:トルエン(110mL)に溶かした(S)−CBSリガンド(11.53g、45.5mmol)の溶液に、ブチルボロン酸(5.1g、47.8mmol)を添加し、該混合物をディーンスタークで還流させて一晩加熱した。この最終溶液は0.48Mで、直接使用した。
【0116】
B.還元:トルエン(400mL)に溶かし、−78℃まで冷却したカテコールボラン(3.35mL、31.4mmol)の溶液に、窒素下で(S)−2−ブチル−CBS−オキサザボロリジン溶液68mL(32.6mmol)を添加し、該混合物を室温で1時間(h)撹拌した。トルエン(420mL)に溶かしたケトン11(7g、15.6mmol)を窒素下で1時間かけて滴下し、開始物質が全て消失するまで(通常30分)室温で該混合物を撹拌した。次に、該混合物に1N HCl 200mLを添加して、該混合物を激しく撹拌しながら室温まで温めた。該混合物を酢酸エチルで抽出した(抽出中にエマルジョンが生じたので、該懸濁液をセライトで濾過してエマルジョンを除去した)。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製した。EA/ヘキサン(70〜100%)で溶出すると所望するアルコールが2種類のジアステレオマーの12:1比の混合物として得られた。該混合物は、キラルPak AD(登録商標)カラムを使用した調製用HPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって、溶出液としてiPrOHの50%ヘキサン溶液を使用して容易に分離された(λ214mmでモニターした)。所望しない異性体が最初に溶出し、その後所望する異性体12が溶出した。
【0117】
H NMR(400 MHz、アセトン−d):δ7.6〜7.5(m、2H)、7.5〜7.4(m、3H)、5.80(dd、1H)、5.6(dd、1H)、5.0〜4.9(m、2H)、4.7〜4.6(m、1H)、4.1〜4.0(m、1H)、3.8〜3.7(m、1H)、2.6〜2.5(m、1H)、2.3〜2.2(m、4H)、1.9〜1.8(m、1H)、1.75〜1.55(m、5H)、1.55〜1.4(m、2H)、1.4〜1.22(m、4H)、1.22(d、6H)。
【0118】
段階5:7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸
【0119】
【化27】

THF:MeOH:水2.5:2.5:1、2.75mLに溶かした12(39mg、0.89mmol)の溶液に、0℃で水酸化リチウム(2M水溶液145μL)を添加し、得られた溶液を室温まで温め、一晩撹拌した。該溶液に、HClの1M水溶液(1mL)を添加し、該溶液を酢酸エチルで抽出した。次に、有機層を一緒にして、食塩水で連続的に洗浄して、MgSOで乾燥して、濾過して真空中で濃縮した。該混合物は、フラッシュクロマトグラフィーによって、CHCl/メタノール/酢酸49〜45%/1〜5%/1滴を使用して精製し、18を無色油状物として得た。1H NMR(500MHz、アセトン−d6):δ7.6〜7.5(m、5H)、5.8(dd、1H)、5.6(dd、1H)、5.6(bs、1H)、4.6(m、1H)、4.1(m、1H)、3.7(m、1H)、2.6(m、1H)、2.4〜2.2(m、4H)、1.9〜1.2(m、12H)。
【0120】
以下の実施例4から13は、適切な変更を加えて実施例1〜3に従って生成することができる。
【実施例4】
【0121】
7−{(2R)−2−[(3R)−4−(3−ブロモフェニル)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブチル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸
MS(+ESI):M/Z490.1(M+1)
【0122】
【化28】

【実施例5】
【0123】
7−{[(2R)−2−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル]−6−オキソ−ピペリジン−1−イル}ヘプタン酸
H NMR(400MHZ、CDOD):δ7.3−7.1(M、5H)、3.8〜3.7(M、2H)、3.4(M、1H)、2.9〜2.7(M、3H)、2.3(M、4H)、1.9〜1.3(M、16H);MS(−ESI):M/Z374.2(M−1)
【0124】
【化29】

【実施例6】
【0125】
5−{3−[(2R)−2−[(1E)−(3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル]−6−オキソ−ピペリジン−1−イル}−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸メチル
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.6(d、1H)、7.2〜7.1(m、5H)、6.7(d、1H)、5.5(m、2H)、4.3(m、1H)、3.8〜3.7(m、2H)、3.8(s、3H)、2.8〜2.6(m、6H)、2.3〜2.2(m、2H)、1.9〜1.2(m、6H)。
【0126】
【化30】

【実施例7】
【0127】
5−{3−[(2R)−2−((1E)−(3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}チオフェン−2−カルボン酸
H NMR(400MHZ、CDOD):δ7.6(D、1H)、7.2〜7.1(M、5H)、6.9(D、1H)、5.5(M、2H)、4.3(M、1H)、3.9(M、1H)、3.7(M、1H)、2.9〜2.6(M、5H)、2.2(M、2H)、1.〜1.5(M、6H);MS(−ESI):M/Z412.1(M−1)
【0128】
【化31】

【実施例8】
【0129】
5−{3−[(2R)−2−((3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸
H NMR(400MHZ、CDOD):δ7.6(D、1H)、7.3〜7.1(M、5H)、6.9(D、1H)、3.8(M、2H)、3.4(M、1H)、3.0〜2.9(M、1H)、2.8〜2.5(M、4H)、2.3(M、2H)、2.0〜1.3(M、10H);MS(−ESI):M/Z414.1(M−1)
【0130】
【化32】

【実施例9】
【0131】
5−{3−[(2R)−2−((1E)−(3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.6(d、1H)、7.3〜7.1(m、5H)、6.8(d、1H)、5.5(m、2H)、5.1(m、1H)、4.4(m、1H)、3.9〜3.8(m、2H)、3.3(brs、1H)、2.8(m、4H)、2.7(m、1H)、2.3(m、2H)、1.9〜1.6(m、6H)、1.3(dd、6H);MS(+ESI):M/Z456.4(M+1)
【0132】
【化33】

【実施例10】
【0133】
5−{3−[(2R)−2−((3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル
H NMR(400MHz、CDCl):δ7.6(d、1H)、7.3〜7.1(m、5H)、6.8(d、1H)、5.2(m、1H)、3.9〜3.8(m、2H)、3.3(m、1H)、2.9〜2.8(m、4H)、2.7〜2.6(m、1H)、2.4〜2.3(m、3H)、2.0〜1.2(m、10H)、1.3(d、6H);MS(+ESI):M/Z458.2(M+1)
【0134】
【化34】

【実施例11】
【0135】
6−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル]−1−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピペリジン−2−オン
H NMR(400MHz、CDOD):δ7.3〜7.1(m、5H)、3.8〜3.7(m、2H)、3.3(m、1H)、2.9〜2.7(m、5H)、2.3(m、2H)、1.9〜1.3(m、16H);MS(+ESI):M/Z400.3(M+1)
【0136】
【化35】

【実施例12】
【0137】
(5Z)−7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプト−5−エン酸イソプロピル
MS(+ESI):M/Z450.3(M+1)
【0138】
【化36】

【実施例13】
【0139】
(5Z)−7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプト−5−エン酸
MS(−ESI):m/z406.1(M−1)
【0140】
【化37】

【実施例14】
【0141】
7−{(4R)−4−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−イル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸イソプロピル
MS(+ESI):M/Z454(M+1)
【0142】
【化38】

【0143】
段階1
(4S)−4−[2−(4−メトキシフェノキシ)エチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソランの調製
THFに溶かした2−[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]エタノール(Aldrich、5g、34.2mmol)の溶液に、水素化ナトリウム60%(1.504g、37.6mmol、1.1当量)を小分けして添加し、該混合物を1時間撹拌した(不透明な溶液)。該混合物を0℃まで冷却して、該混合物に4−メトキシベンジルクロリド(5.89g、37.6mmol、1.1当量(eq.))を1回で添加し、該混合物を室温で30分間撹拌して、65℃から70℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後、飽和NHCl/水で反応停止し、該混合物を酢酸エチル(2x)で抽出して、有機抽出物を水、食塩水で洗浄して、MgSOで乾燥した。該混合物を濾過して、濾液を真空中で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(15%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、所望する生成物を無色油状物として得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.28(2H、d)、6.93〜6.91(2H、m)、4.43(2H、s)、4.20〜4.14(1H、m)、4.04〜3.98(1H、m)、3.80(3H、s)、3.56〜3.50(3H、m)、1.88〜1.76(2H、m)、1.31(3H、s)、1.28(3H、s)。
【0144】
段階2
(2S)−4−(4−メトキシフェノキシ)ブタン−1,2−ジオールの調製
AcOH/水に溶かした(4S)−4−[2−(4−メトキシフェノキシ)エチル]−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(8.2g、30.8mmol)の溶液をrtで5時間撹拌して、真空中で濃縮した。残渣をトルエン(3x)と共に留去して、次に高い真空状態下で吸引すると所望する生成物が得られた。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.28(2H、d)、6.91(2H、d)、4.43(2H、s)、3.80(3H、s)、3.77(1H、m)、3.66〜3.42(5H、m)、1.86〜1.76(1H、m)、1.68〜1.60(1H、m)。
【0145】
段階3
(1S)−1−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピルメタンスルホネート
DMF(50mL)に溶かした(2S)−4−(4−メトキシフェノキシ)ブタン−1,2−ジオール(7g、30.9mmol)及びイミダゾール(4.21g)の溶液に、t−ブチルジメチルシリルクロリド(4.88g、32.4mmol、1.05当量)を0℃で1回で添加し、該混合物を室温で1時間撹拌して、水/エーテルで希釈した。層を分離して、水層をエーテル(2x)で抽出した。抽出物を一緒にして、水、食塩水で洗浄して、乾燥して濾過した。濾液を真空中で濃縮して、粗生成物(2S)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−4−(4−メトキシフェノキシ)ブタン−2−オール10.8gを無色油状物として得た。粗生成物のNMRによって、該生成物は純度が95%を上回ることが示されたので、生成せずに直接使用した。H NMR(400MHz、アセトン−d)δ7.28(2H、d)、6.92〜6.90(2H、m)、4.43(2H、s)、3.80(3H、s)、3.75(1H、m)、3.67〜3.51(5H、m)、1.89〜1.81(1H、m)、1.66〜1.58(1H、m)、0.91(s、9H)、0.09(s、6H)。
【0146】
ジクロロメタン(DCM)(50mL)に溶かした(2S)−1−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−4−(4−メトキシフェノキシ)ブタン−2−オール(10.5g、30.8mmol)の溶液に0℃でトリエチルアミン(6.5mL)次いでMsCl(2.9mL)を滴下し、該混合物(淡黄色懸濁物)を1時間撹拌して、水で反応を停止した。層を分離して、有機層をMgSOで乾燥した。該混合物を濾過して、濾液を真空中で濃縮して、所望するメタンスルホネートを得た。NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.29(2H、d)、6.91(2H、d)、4.84〜4.78(1H、m)、4.49〜4.41(2H、m)、3.90(1H、dd)、3.84(1H、dd)、3.80(3H、s)、3.62〜3.54(2H、m)、3.09(3H、s)、2.04〜1.90(2H、m)、0.91(s、9H)、0.12〜0.06(6H、m)。
【0147】
段階4
{[(2R)−2−アジド−4−(4−メトキシフェノキシ)ブチル]オキシ}(tert−ブチル)ジメチルシランの調製
DMF(50mL)に溶かした(1S)−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−3−(4−メトキシフェノキシ)プロピルメタンスルホネート(13g)及びNaN(10g)の溶液をN下において60℃から70℃でo/nで加熱して、rtまで冷却した。該混合物をエーテル/水で希釈して、エーテル(3x)で抽出した。エーテル抽出物を水、食塩水で洗浄して、その後通常通り処理した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(5%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、所望するアジド生成物を得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ7.29(2H、d)、6.92(2H、d)、4.45(2H、s)、3.87(1H、dd)、3.80(3H、s)、3.70〜3.54(4H、m)、1.85〜1.77(1H、m)、1.68〜1.60(1H、m)、0.93(9H、s)、0.11(6H、s)。
【0148】
段階5
(3R)−3−アミノ−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブタン−1−オールの調製
DCM/水19:1に溶かした{[(2R)−2−アジド−4−(4−メトキシフェノキシ)ブチル]オキシ}(tert−ブチル)ジメチルシリル(4.7g、12.86mmol)の溶液に、0℃でDDQ(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン)(3.5g、15.43mmol、1.2当量)添加し、開始物質が全て消失したことがTLC(薄層クロマトグラフィー)分析で示されるまで該混合物を撹拌した(0℃からrtまで)。次に、DCMのほとんどを真空中で除去し、残渣を酢酸エチルに溶解した。淡黄色の有機溶液が得られるまで、該酢酸エチル溶液を水及び飽和NaHCOで繰り返し洗浄した。該有機溶液を乾燥し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(5%アセトン/トルエン)で精製して、所望する生成物(3R)−3−アジド−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブタン−1−オールを得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ3.89(1H、dd)、3.73〜3.65(5H、m)、1.76〜1.68(1H、m)、1.62〜1.54(1H、m)、0.94(9H、s)、0.13(6H、s)。
【0149】
エタノール(50mL)に溶かした(3R)−3−アジド−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブタン−1−オール(2.94g)及びリンドラー触媒(5%Pd/CaCO、1.27g)の混合物を51psiHで3.5時間水素化して、濾過した。濾液を濃縮して、粗生成物(3R)−3−アミノ−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブタン−1−オールを良好な純度で得た。NMR(CDCl、400MHz):3.85(2H、t)、3.54(1H、dd)、3.42(1H、dd)、3.03〜2.97(1H、m)、2.44(3H、brs)、1.64〜1.52(2H、m)、0.92(9H、s)、0.08(6H、s)。
【0150】
段階6
(4R)−4−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−1,3−オキサジナン−2−オンの調製
DCM(100mL)に溶かした(3R)−3−アミノ−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}ブタン−1−オール(2.63g、12mmol)の溶液に0℃でピリジン(3mL)次いでホスゲン(20%トルエン溶液、1.9M、8.5mL)を滴下し、該混合物を30分撹拌し、rtまで加温して、水で反応を停止した。層を分離して、水層をDCMで1回抽出した。有機層を無水MgSOで乾燥して、濾過して濃縮した。所望する生成物(4R)−4−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−1,3−オキサジナン−2−オンは、エーテル/ヘキサンから−20℃で結晶化することによって淡黄色固形物として得た。H NMR(400MHz、CDCl)5.52(brs、1H)、4.38〜4.33(m、1H)、4.28〜4.22(m、1H)、3.70〜3.59(m、2H)、3.46(t、1H)、1.97〜1.93(m、1H)、1.72〜1.67(m、1H)、0.91(s、9H)、0.90(s、6H)。
【0151】
段階7
7−[(4R)−4−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]ヘプタン酸イソプロピルの調製
DMF(10mL)に溶かした(4R)−4−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−1,3−オキサジナン−2−オン(0.51g、2.078mmol)の溶液に、N下においてrtでKHMDS(0.5Mトルエン溶液、5mL)を滴下し(ゲル様沈殿の形成)、該混合物を10分間撹拌した。次に、イソプロピル7−ヨードヘプタノエート(1.24g、4.16mmol、2当量)を1回で添加し、該混合物を65℃でさらに5時間撹拌し、rtまで冷却して、水/エーテルで希釈した。層を分離して、水性層をエーテルで抽出した。有機層を一緒にして、水及び食塩水で洗浄して、MgSOで乾燥して濾過した。濾液を真空中で濃縮して、残渣をカラムクロマトグラフィー(15〜30%アセトン/トルエン)によって精製して、所望する生成物イソプロピル7−[(4R)−4−({[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]ヘプタノエートを無色油状物として得た。NMR(400MHz、アセトン−d):δ4.98〜4.90(1H、m)、4.38〜4.30(1H、m)、4.16〜4.12(1H、m)、3.83〜3.77(2H、m)、3.56〜3.48(2H、m)、3.15〜3.07(1H、m)、2.26(2H、t)、2.11〜2.09(2H、m)、1.69〜1.53(4H、m)、1.41〜1.27(4H、m)、1.21(6H、d)、0.92(9H、s)、0.12(6H、s)。
【0152】
このようにして得られた生成物(0.6g、1.444mmol)のTHF(5mL)溶液に、AcOH(0.06mL)及びTBAF(1M HTF溶液、2.9mL)を添加し、該混合物をrtで30分間撹拌して、次いで濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(30〜50%アセトン/トルエン)で精製して、所望する生成物イソプロピル7−[(4R)−4−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]ヘプタノエートを得た。H NMR(400MHz、アセトン−d):δ5.00〜4.90(1H、m)、4.37〜4.31(1H、m)、4.16〜4.10(2H、m)、3.75〜3.65(2H、m)、3.54〜3.46(2H、m)、3.15〜3.07(1H、m)、2.26(2H、t)、2.18〜1.99(2H、m)、1.67〜1.52(4H、m)、1.41〜1.27(4H、m)、1.21(6H、d、J=6.2Hz)。
【0153】
段階8
7−{(4R)−4−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸イソプロピルの調製
A:アルコールの酸化:DCM(5mL)に溶かしたDMSO(ジメチルスルホキシド)(113μL、1.592mmol、1.2当量)の溶液に、−78℃で塩化オキサリル(128μL、1.46mmol、1.1当量)を滴下し、該混合物を室温で15分間撹拌した。DCM(3mL)に溶かした7−[(4R)−4−(ヒドロキシメチル)−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]ヘプタン酸イソプロピル(400mg、1.327mmol)をカニューレによって添加し、該混合物をさらに15分間撹拌した。次に、トリエチルアミン(429μL、3.05mmol、2.3当量)を1回で添加し、該混合物を−78℃で30分間撹拌して、0℃までゆっくり温め、真空中で濃縮した。該混合物を酢酸エチルに再懸濁して、濾過した。濾液を真空中で濃縮して、粗アルデヒド、7−[(4R)−4−ホルミル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]ヘプタン酸イソプロピルを良好な純度で得た。H NMR(400MHz、CDCl):δ9.69(1H、d)、5.04〜4.96(1H、m)、4.29〜4.23(1H、m)、4.16〜4.00(2H、m)、3.79〜3.71(1H、m)、3.02〜2.94(1H、m)、2.30〜2.24(4H、m)、1.66〜1.58(4H、m)、1.42〜1.28(4H、m)、1.24(6H、d)。
【0154】
B:ジメチル(3,3−ジフルオロ−2−オキソ−3−フェニルプロピル)ホスホネートのナトリウム塩の調製:エーテル(50mL)に溶かしたジメチル3,3−ジフルオロ−2−オキソ−3−フェニルプロピル)ホスホネート(5.24g、18.84mmol)の溶液に、rtで水素化ナトリウム(60%油分散液、791mg、19.78mmol、1.05当量)を少量ずつ添加し、白色懸濁液をrtで1時間撹拌した。該混合物を濾過して、白色固形物をエーテル/ヘキサンで洗浄した。こうして得られた固形物を高い真空下で乾燥して、白色粉末を得た。
【0155】
C:ホーナー−エモンズ−スミス反応:THF(3mL)に溶かした7−[(4R)−4−ホルミル−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル]ヘプタン酸イソプロピル(207mg、0.691mmol)の溶液に、塩化亜鉛(0.5MTHF溶液、1.52mL、0.76mmol、1.1当量)次いでジメチル(3,3−ジフルオロ−2−オキソ−3−フェニルプロピル)ホスホネートのナトリウム塩(270mg、0.898mmol、1.3当量)を固形物として添加し、該混合物を60℃でo/nで加熱して、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(80%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、所望する生成物7−[(4R)−4−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸イソプロピルを淡黄色の油状物として得た。MS(+ESI):m/z452(M+1)
【0156】
段階9
化合物29:7−{(4R)−4−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸イソプロピル
トルエン(1mL)に溶かしたカテコールボラン(107mg)の溶液に、N下において−78℃で(S)−2−メチル−CBS−オキサボロリジン(1Mトルエン溶液、0.89mL)を添加し、該混合物をその温度で1時間撹拌した。トルエン(2mL)に溶かした7−{(4R)−4−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸イソプロピル(200mg)をカニューレによってゆっくり添加し、該混合物をさらに1時間撹拌して、1N HClで反応を停止した。該混合物を室温まで温めて、DCM(x2)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥して、濾過した。濾液を真空中で濃縮して、残渣をカラムクロマトグラフィー(80〜100%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、表題化合物を得た。MS(+ESI):m/z454(M+1)
【実施例15】
【0157】
7−{(4R)−4−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸
MS(−ESI):m/z410(M−I)
【0158】
【化39】

イソプロピルエステル化合物29を最初にメタノール/水に溶かしたLiOHの混合物で処理し、次いで1N HClで酸性化して、酢酸エチルで抽出して表題化合物を得た。MS(−ESI):m/z410(M−1)
【0159】
I.ウサギ及びサルにおける眼圧(IOP)に対するEP4作動薬の影響
動物
薬剤未処理の雄のDutch Beltedウサギ及び雌のカニクイザルをこの研究に使用した。この研究の動物の管理及び処置は、アメリカ国立衛生研究所(NIH)の指針及び視覚眼科学研究協会(Association for Research in Vision and Ophthalmology)(ARVO)の決議に従う。実験方法は全て、Merck and Companyの所内動物管理使用委員会によって承認された。
【0160】
薬剤の調製及び投与
薬剤濃度は、活性成分(ベース)に関して表す。本発明の化合物は、ウサギ用には0.01、0.001、0.0001%で、サル用には0.05、0.005%で生理食塩水に溶解する。薬剤及びビヒクルの一定分量(25μl)を局所的に、片側又は両側に投与する。片側に適用する場合、反対側の目には同量の生理食塩水を与える。眼圧測定前にプロパラカイン(0.5%)を角膜に適用して、不快感を最小限に抑える。眼圧(IOP)は、気道眼圧計(Alcon Applanation Pneumatonograph)又は同等物を使用して記録する。
【0161】
分析
結果は、薬剤又はビヒクルを投与する直前に測定した基準レベルからのIOP変化として表し、平均±標準偏差で示す。統計的な比較は、薬物処理動物の応答とビヒクル処理動物の応答との非対データ、さらに比較可能な時間間隔での同じ側の眼と反対側の眼との対データに関するステューデントt検定を使用して行う。アスタリスクは、p<0.05の有意水準を表す。
【0162】
A.ウサギの眼圧測定
体重2.5kgから4.0kgのオスのDutch Beltedウサギを、12時間の明/暗サイクルで維持し、食餌を与える。全ての実験は、日周リズムに関係したばらつきを最小限に抑えるため、1日のうちの同じ時間で実施する。IOPを、処理前に測定し、次いで本発明の化合物またはビヒクルを、片眼または両眼に点眼し(1滴25ul)、点眼後30、60、120、180、240、300、および360分でIOPを測定する。場合によっては、ビヒクルのみで両眼を処理した同じ数の動物について評価し、並行対照として、薬物処理した動物と比較する。
【0163】
B.サルの眼圧測定
Lee他の方法(1985)を使用した、アルゴンレーザシステム(Coherent NOVUS 2000、Palo Alto、USA)による小柱網の光凝固によって、体重2kgから3kgの雌のカニクイザルの右眼に片側高眼圧症を誘発させる。眼圧(IOP)の増加が長引くことによって、緑内障患者に見られるものと同様の変化が視神経乳頭に生じる。
【0164】
IOP測定では、実験期間中、サルを拘束イスに座らせた位置に保つ。各IOP測定の約5分前に、塩酸ケタミンを筋肉内注射(3〜5mg/kg)することによって動物を軽く麻酔し、0.5%プロパラカインを1滴点眼した後に、IOPを記録した。IOPは、気動眼圧計(Alcon Application Tonometer)又はDigilab気動眼圧計(Bio−Rad Ophthalmic Division、Cambridge、MA、USA)を使用して測定する。
【0165】
IOPは、処理前と、一般的に処理後の30、60、124、180、300及び360分で測定する。基準値はまた、一般的に処理の2日または3日前のこれらの時点で得る。処理は、本発明の化合物(0.05および0.005%)またはビヒクル(生理食塩水)の1滴25ulを点眼することから成る。同じ動物について試験をする前に、少なくとも1週間の洗出し期間を設ける。正常圧(高眼圧とは反対側)の目を、高眼圧の目と全く同じ手法で処理する。両眼に関するIOP測定値を、同じ時点での対応する基準値と比較する。結果は、平均±標準偏差としてmmHgで表す。眼科用としての本発明の化合物の活性範囲は、0.01nMから100000nMの間である。
【0166】
II.放射リガンド結合測定法:
これらの化合物の試験に使用される測定法は、本質的に、Abramovitz M、Adam M、Boie Y、Carriere M、Denis D、Godbout C、Lamontagne S、Rochette C、Sawyer N、Tremblay NM、Belley M、Gallant M、Dufresne C、Gareau Y、Ruel R、Juteau H、Labelle M、Ouimet N、Metters KM、「プロスタグランジン及び関連類縁体の親和性および選択性を決定するための、組換えプロスタノイド受容体の利用(The utilization of recombinant prostanoid receptors to determine the affinities and selectivities of prostaglandins and related analogs.)」、Biochim Biophys Acta 2000年1月17日;1483(2):285〜293に記載されたように、また以下に論じるように、実施した。
【0167】
ヒト胚腎臓(HEK)293(EBNA)細胞系におけるプロスタノイド受容体の安定発現
完全長コード配列に対応するプロスタノイド受容体(PG)cDNAを、哺乳動物発現ベクターpCEP4(Invitrogen)の適切な部位にサブクローニングし、製造業者の取扱説明書に従い、Qiagenプラスミド調製キット(QIAGEN)を使用してpCEP4PGプラスミドDNAを調製し、LipofectAMINE(GIBCO−BRL)を使用してHEK293(EBNA)細胞にトランスフェクトした。ハイグロマイシン耐性遺伝子と共にcDNAを発現するHEK293(EBNA)細胞を、10%熱不活性化ウシ胎児血清、ピルビン酸ナトリウム 1mM、ペニシリン−G 100U/ml、硫酸ストレプトマイシン 100μg/ml、活性GENETICIN(商標)(G418)250μg/ml(全てLife Technologies,Inc./BRLから)、及びハイグロマイシン(Calbiochem)200μg/mlを補ったダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)で選択した。個々のコロニーを、クローニングリング法を使用して選択した状態で2〜3週間増殖させた後に単離し、その後、クローン細胞系内に増殖させた。受容体cDNAの発現を、受容体結合測定法によって評価した。
【0168】
HEK293(EBNA)細胞を、空気中6%COの加湿雰囲気中37℃で、補われたDMEM完全培地で増殖させ、次いで収集し、様々な遠心分離(1000×g 10分間、次いで160000×g 30分間、全て4℃)の後に、プロテアーゼ阻害剤(フェニルメチルスルホニルフルオリド 2mM、E−64 10μM、ロイペプチン 100μM及びペプスタチン 0.05mg/ml)の存在下で氷上で30分間、800psiで窒素キャビテーションを行うことにより細胞溶解することによって膜を調製した。160000×gペレットを、Dounceホモジナイゼーション(Dounce A;10ストローク)によって、EDTA 1mMを含有する10mM HEPES/KOH(pH7.4)にタンパク質約5〜10mg/mlで再懸濁し、液体窒素中で凍結させ、−80℃で貯蔵した。
【0169】
プロスタノイド受容体結合測定法
プロスタノイド受容体結合測定法は、EDTA 1mM、MgCl 10mM(EPサブタイプ)又はMnCl 10mM(DP、FP、IP、およびTP)および放射リガンド[EPサブタイプでは0.5〜1.0nM[H]PGE(181Ci/mmol)、DPでは0.7nM[H]PGD(115Ci/mmol)、FPでは0.95nM[H]PGF2α(170Ci/mmol)、IPでは5nM[H]イロプロスト(16Ci/mmol)、TPでは1.8nM[H]SQ29548(46Ci/mmol)]を含有する10mM MES/KOH(pH6.0)(EPサブタイプ、FPおよびTP)又は10mM HEPES/KOH(pH7.4)(DP及びIP)において、最終インキュベーション量0.2mlで行った。EPアッセイはまた、GTPγS 100μMを含有していた。反応は、160000xg画分からの膜タンパク質(EPでは約30μg、EPでは約20μg、EPでは約2μg、EPでは約10μg、FPでは約60μg、DPでは約30μg、IPでは約10μg、及びTPでは約10μg)を添加することによって開始した。リガンドをジメチルスルホキシド(MeSO)に添加し、これを全インキュベーションにおいて1%(v/v)で一定に保った。対応する非放射性プロスタノイド1μMの存在下で、非特異的結合を測定した。インキュベーションを60分間(EPサブタイプ、FP及びIP)または30分間(DP及びTP)、30℃(EPサブタイプ、DP、FP及びTP)または室温(IP)で実施し、Tomec Mach III 96ウェル半自動化細胞収集機を使用して、EDTAを含まないインキュベーション緩衝液で事前に湿潤させた96ウェルUnifilter GF/C(Canberra Packard)に(4℃で)通して急速濾過して終了させた。フィルターを、同緩衝液3mlから4mlで洗浄し、55℃で90分間乾燥し、個々のフィルターに結合した残留放射能を、1450 MicroBeta(Wallac)を使用してUltima Gold F(Canberra Packard)50μlを添加してシンチレーションカウントすることにより決定した。全結合から非特異的結合を差し引くことによって、特異的結合を算出した。特異的結合は全結合の90%から95%を占め、使用した放射リガンドおよびタンパク質の濃度に対して直線的であった。全結合は、インキュベーション培地に加えられた放射リガンドの5〜10%を占めた。
【0170】
骨に使用される本発明の化合物の活性範囲は、0.01nMから100000nMの間である。
【0171】
骨吸収測定法:
1.動物の処置
mRNA局在化測定法では、5週齢のSprague−Dawleyラット(Charles River)をCOで安楽死させ、その脛骨および頭蓋冠を切除し、軟組織を取り除いてすぐに液体窒素で凍結させる。EP調節実験では、6週齢のラットに対し、ビヒクル(エタノールの7%滅菌水溶液)又はタンパク質同化用量のPGE(Cayman Chemical、Ann Arbor、MI)(同ビヒクル中3〜6mg/kg)を、腹腔内に1回注射する。動物は、注射後の複数の時点で安楽死させ、その脛骨及び頭蓋冠、並びに肺及び腎臓組織の試料を液体窒素中で凍結させる。
【0172】
2.細胞培養
4週齢のSprague−Dawleyラットの脛骨の骨膜細胞の初代培養から、RP−1骨膜細胞を自発的に不死化させ、10%ウシ胎児血清(JRH Biosciences、Lenexa、KS)を含むDMEM(BRL、Gaithersburg、MD)で培養する。これらの細胞は、初期の培養では骨芽細胞表現型マーカーを発現しないが、集密状態になると、I型コラーゲン、アルカリホスファターゼ、及びオステオカルシンを発現し、ミネラル化細胞外基質を生成する。
【0173】
RCT−1及びRCT−3は、コラゲナーゼ/ヒアルロニダーゼ消化の組合せによってラット胎児頭蓋冠から放出された細胞のSV−40ラージT抗原により不死化されたクローン細胞系である。消化の最初の10分間で放出された細胞から得られたRCT−1細胞(画分I)を、10%ウシ胎児血清及びG418(BRL)0.4mg/mlを含むRPMI 1640培地(BRL)で培養する。これらの細胞は、レチノイン酸処理によって分化し、骨芽細胞としての特徴を発現する。骨芽細胞に富む画分III細胞から不死化されたRCT−3細胞は、5%ウシ胎児血清およびG418 0.4mg/mlを含むF−12培地(BRL)で培養する。TRAB−11細胞もまた、成体ラット脛骨のSV40大型T抗原によって不死化し、10%FBSおよびG418 0.4mg/mlを含んだRPMI 1640培地で培養する。ROS17/2.8ラットの骨肉腫細胞は、5%FBSを含有するF−12で培養する。骨芽細胞に富む(画分III)初代ラット胎児頭蓋冠細胞は、19日齢ラット胎児の頭蓋冠をコラゲナーゼ/ヒアルロニダーゼで消化することによって得られる。その全体を本明細書に参考として援用するRodan他、「酸性FGFによるラット頭蓋冠骨芽細胞の増殖刺激(Growth stimulation of rat calvaria osteoblastic cells by acidic FGF、Endocrinology)」、121、1919〜1923(1987)を参照されたい。細胞は、30〜50分の消化で放出され(画分III)、5%FBSを含有するF−12培地で培養する。
【0174】
10%FBSを含むイーグルMEMで培養したP815(マウス肥満細胞腫)細胞及び10%FBSを含むDMEMで培養したNRK(正常なラットの腎線維芽細胞)細胞それぞれを、EP発現の陽性対照及び陰性対照として使用する。いずれもその全体を本明細書に参考として援用する、Abramovitz他、「ヒトプロスタノイド受容体:クローニング及び特徴付け(Human prostanoid receptors:cloning and characterization.In)」:Samulesson B.他編)「プロスタグランジンの発達(Advances in prostaglandin)」、Thrombosznes and leukotriene research、vol.23、第499〜504頁(1995)、及びde Larco他、「上皮性及び繊維芽細胞性ラット腎細胞クローン:EGF受容体及びマウス肉腫ウイルス形質転換の影響(Epithelioid and fibroblastic rat kidney cell clones:EGF receptors and the effect of mouse sarcoma virus transformation)」Cell Physiol.、94、335〜342(1978)を参照されたい。
【0175】
3.ノザンブロット分析
凍結した骨試料を組織ホモジナイザによって微粉砕した後、イソチオシアン酸グアニジニウム−フェノール−クロロホルム法を使用して、脛骨の骨幹端又は骨幹及び頭蓋冠から全RNAを抽出する。その全体を本明細書に参考として援用する、P.Chomczynski他、「酸チオシアネートグアニジウム−フェノール−クロロホルム抽出によるRNAの1段階精製法(Single−step method of RNA isolation by acid guanidium thiocyanate−phenol−chloroform extraction.)」、Analyt Biochem、162、156〜159(1987)を参照されたい。0.9%アガロース/ホルムアルデヒドゲル上でRNA試料(20mg)を分離し、ナイロン膜(Boehringer Mannheim、ドイツ)に移す。膜を、Hybrisol I(Oncor、Gaithersburg、MD)及び超音波処理したサケの精液DNA(Boehringer)0.5mg/ml中において42℃で3時間予備ハイブリダイズさせ、rediprimeキット(Amersham)を使用したランダムプライミングによって[32P]−dCTP(Amersham、Buckinghamshire、UK)で標識したラットEPおよびマウスEPcDNAプローブと42℃でハイブリダイズさせる。ハイブリダイゼーション後、膜を、2×SSC+0.1%SDSで4回、合わせて1時間室温で洗浄し、0.2×SSC+0.1%SDSで1回、55℃で1時間洗浄し、次いで増感紙を使用して、Kodak XAR2フィルムに−70℃で露光する。フィルム現像後、結合したプローブを、80℃の0.1%SDSで2回除去し、負荷対照用に、膜をヒトGAPDH(グリセルアルデヒド3リン酸脱水素酵素)cDNAプローブ(Clontech、Palo Alto、CAから購入)とハイブリダイズさせる。
【0176】
4.インサイツハイブリダイゼーション:
凍結した脛骨を7mmの厚さで冠状に切り取り、その切片を荷電スライド(Probe On Plus、Fisher Scientific、Springfield、NJ)に載せ、ハイブリダイゼーションまで−70℃に保つ。cRNAプローブを、RiboprobeIIキット(Promega Madison、WI)を使用して35S−UTPgS(ICN、Costa Mesa、CA)で標識する。ハイブリダイゼーションは50℃で一晩実施する。いずれもその全体を本明細書に参考として援用する、M.Weinreb他、「インサイツハイブリダイゼーションによって視覚化したラット骨の発達中におけるアルカリホスファターゼ、オステオポンチン及びオステオカルシン発現の様々なパターン(Different pattern of alkaline phosphatase、osteopontin and osteocalcin expression in developing rat bone visualized by in−situ hybridization)」J.Bone Miner Res.、5、831〜842(1990)及びD.Shiner他、「ラット破骨細胞内のインサイツにおけるアルファv及びベータ3インテグリンサブユニットの発現(Expression of alphav and beta3 integrin subunits in rat osteoclasts in situ)」J.Bone Miner.Res.、8、403〜414(1993)を参照されたい。ハイブリダイゼーション及び洗浄の後、グリセロールの6%水溶液で2:1に希釈した42℃のIlford K5エマルジョンに切片を浸漬し、12日から14日の間、4℃で暗闇に曝す。水で1:1に希釈したKodak D−19で15°でスライドを現像し、固定し、蒸留水で洗浄し、ヘマトキシリン染色後にグリセロール−ゼラチン(Sigma)を施す。染色した切片を、明視野または暗視野光学部品を使用して、顕微鏡(Olympus、Hamburg、ドイツ)で見る。
【0177】
5.骨芽細胞系及び骨組織でのEPの発現
骨芽細胞に富む初代ラット頭蓋冠細胞、ラット胎児頭蓋冠又は成体ラット脛骨からの不死化骨芽細胞系及び骨芽細胞骨肉腫細胞系を含む様々な骨由来細胞での、EPおよびEP mRNAの発現について調べる。ラット骨肉腫細胞系ROS17/2.8を除いて骨芽細胞及び細胞系のほとんどは、相当な量の3.8kb EP mRNAを示す。この知見と一致して、PGEによって、RCT−3及びTRAB−11細胞では細胞内cAMPが顕著に誘導されるが、ROS17/2.8細胞では影響を及ぼさない。レチノイン酸でRCT−1細胞を処理すると、その分化を促進するが、EPmRNAの濃度を低下させる。NRK線維芽細胞はEPmRNAを発現しないが、陽性対照として使用したP815肥満細胞腫細胞は大量のEPmRNAを発現する。EPmRNAとは対照的に、検出可能な量のEP mRAを全RNA試料中に発現する骨芽細胞及び細胞系はない。骨芽細胞でのEPmRNAの発現で、EPはまた、5週齢のラットの脛骨及び頭蓋冠から単離された全RNAで発現する。これとは対照的に、脛骨幹のRNAにEPmRNAは見られない。
【0178】
6.PGEは、RP−1骨膜細胞及び成体ラットの脛骨で、EP mRNAの発現を誘発する
PGEは、骨芽細胞及び骨組織においてシクロオキシゲナーゼ2発現を上方制御することによってそれ自体の生成を高め、したがってそれ自体の効果が自動増幅する。PGEはまた、EPmRNA濃度を増大させる。RP−1細胞を、成体ラット脛骨膜の初代培養から不死化させ、調べる。これらの細胞は、集密化すると骨芽細胞表現型マーカーを発現し、ヌードマウスに移植すると、ミネラル化骨基質を形成する。試験したその他の骨芽細胞と同様に、RP−1骨膜細胞は、3.8kbのEP転写物を発現する。PGE(10−6M)で処理することにより、EPmRNA濃度が急速に増大し、処理後2時間でピークに達する。PGEは、より分化したRCT−3細胞においてEPmRNA濃度に影響を及ぼさず、PGEによるEP発現は細胞型特異的調節であることを示している。EPmRNAは、PGEによる処理の前後でRP−1細胞において発現しない。
【0179】
PGEが、組織内でEPmRNA濃度をインビボ調節するかどうか調べるため、5週齢の雄ラットにPGEを注射する(3〜6mg/Kg)。PGEを全身投与することにより、脛骨幹のEPmRNAレベルが急速に増大し、注射後2時間でピークに達する。脛骨幹及び頭蓋冠では、EPmRNAに対してPGEの同様の効果が観察される。PGEは、細胞型特異的及び組織特異的な様式で、骨原性骨膜細胞ではインビトロで、また骨組織ではインビボで、EPmRNA濃度を引き上げる。PGEは、RP−1細胞においても骨組織においても、EPmRNA濃度を引き上げない。
【0180】
7.骨組織におけるEPmRNA発現の局在化
骨中でEPを発現する細胞を局在化させるため、インサイツハイブリダイゼーションを使用する。対照実験(ビヒクル注射)のラットでは、骨髄細胞で検出されるEP発現は少ない。単回タンパク同化用量のPGEを投与することにより、骨髄細胞内でのEP発現が増加した。骨髄全体の銀粒子の分布は均一ではなく、骨幹端の多くの領域で塊や斑が生じる。脛骨の骨幹端では、EP発現は二次海綿質領域に限定され、一次海綿質には見られない。同様の切片とセンスプローブとのハイブリダイゼーション(陰性対照)は、いかなるシグナルも示さない。
【0181】
EPは、骨芽細胞ではインビトロで、また骨髄細胞ではインビボで発現し、そのリガンド、PGEによって上方制御される。
【0182】
8.本発明の作動薬
作動薬活性を測定するための標準的な方法を使用して、以下の化合物を細胞培養及びEP受容体を含まない無細胞系で評価し、この化合物の作動薬活性をそのEC50値に関して決定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式Iを有する化合物
【化1】

(式中、Qは(CH、(CH6〜10アリール、(CH5〜10ヘテロシクリル、(CH3〜10ヘテロシクロアルキル、(CH3〜8シクロアルキル、C(ハロ)であり、前記シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロシクリルは非置換であるか、又は1個から3個のR基によって置換されており、
X及びYは、独立して、CH、O、NR又はSを表すが、但し、X及びYは同時にO、NR又はSではなく、
UはH、C1〜3アルキルを表すか、又はWが=Oのときは存在せず、
WはOH又は=Oを表し、但し、Wが=OのときUは存在せず、
は、(CHヒドロキシ、(CHCN、(CHCO10、(CHSO、−(CHCFSONH、−(CHSONH、−(CHCONHSO、−(CHSONHCOR、−(CHPO(OH)、(CHCONHPO、(CHCONHR、(CH1〜4アルコキシ、−(CHシクロアルキル、(CH−ヒドロキシメチルケトン又は(CHヘテロシクリルを表し、前記ヘテロシクリルは非置換であるか、又は1個から3個のR基によって置換されており、場合によって酸性水酸基を含有し、
は、独立して、C1〜10アルキル、(CH6〜10アリール、(CH5〜10ヘテロシクリル、(CH3〜10ヘテロシクロアルキル、(CH3〜8シクロアルキル、O−C1〜10アルキル、O−C6〜10アリール、O−C3〜10シクロアルキル、O−C3〜10ヘテロシクロアルキル、O−C3〜10ヘテロシクロアルキルを表し、但し、RがO−C1〜10アルキル、O−C6〜10アリール、O−C3〜10シクロアルキル、O−C3〜10ヘテロシクロアルキル、又はO−C3〜10ヘテロシクロアルキルのとき、R及びRはハロゲンではなく、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロシクリルは非置換であるか、又は1個から3個のR基で置換されており、
及びRは、独立して、水素、ハロゲン若しくはC1〜6アルキルを表し、又はR及びRは一緒になって、O、S、SO、SO及びNRから選択された1個から2個のヘテロ原子が場合によって割り込んだ3員から7員の炭素環を形成することができ、
及びRは、独立して、水素又はC1〜4アルキルを表し、
は、水素、アシル又はスルホニルを表し、
は、水素、C1〜6アルキルを表し、前記アルキルは、1個から3個のハロゲン、CN、OH、C1〜6アルコキシ、C1〜6アシルオキシ又はアミノで場合によって置換されており、
10は、水素、C1〜10アルキル、C3〜10シクロアルキル、(CH6〜10アリール、(CH5〜10ヘテロシクリル、CROC(O)OC3〜10シクロアルキル又はCROC(O)OC1〜10アルキルを表し、
Zは、三重結合、O、S、(C(R又はCH=CHを表し、
は、水素、C1〜6アルキル又はハロゲンを表し、
は、C1〜6アルコキシ、C1〜6アルキル、CF、ニトロ、アミノ、シアノ、C1〜6アルキルアミノ、ハロゲンを表し、又は、Raはさらにアリール及びヘテロシクリル、SC1〜6アルキル、SC6〜10アリール、SC5〜10ヘテロシクリル、CO、OC6〜10アリール、OC5〜10ヘテロシクリル、CHOC1〜6アルキル、CHSC1〜6アルキル、CHOアリール、CHSアリールを表し、
---は、二重結合又は一重結合を表し、
pは、0から3を表し、
nは、0から4を表し、
mは、0から8を表す。)
又は薬剤として許容されるそれらの塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、プロドラッグ若しくは混合物。
【請求項2】
が、(CHCN、(CHCO10、−(CHPO(OH)、(CHCONHPO、(CHCONHR又は(CHヘテロシクリルであり、前記ヘテロシクリルは非置換であるか、又は1個から3個のR基で置換されており、その他の可変要素は全て最初に説明した通りである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Zが結合又はSであり、YがCHであり、XがO、S又はCHである、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
が(CHCO10であり、X及びYがCHであり、Zが(C(Rであり、Qが(CHであり、R及びRがハロゲンであり、Rが(CH6〜10アリールであり、前記アリールは非置換であるか、又は1個から3個のR基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
が(CH5〜10ヘテロシクリルであり、UがH又はC1〜3アルキルであり、WがOHであり、Zが結合又はSであり、Rが(CH6〜10アリールであり、前記アリールは非置換であるか、又は1個から3個のR基で置換されており、前記ヘテロシクリルは非置換であるか、又は1個から3個のR基で置換されており、その他の可変要素全てが最初に説明した通りである、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸;
7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(4S)−4−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸;
7−{(4S)−4−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(4S)−4−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸;
7−{(4S)−4−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸イソプロピル;
7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸イソプロピル;
7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}ヘプタン酸イソプロピル;
(6R)−6−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−1−[6−(2H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]ピペリジン−2−オン;
(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−3−[6−(2H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]−1,3−オキサジナン−2−オン;
(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−3−[6−(2H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]−1,3−チアジナン−2−オン;
(5S)−5−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−4−[6−(2H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]モルホリン−3−オン;
(6S)−6−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−1−[6−(2H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]ピペラジン−2−オン;
(5S)−5−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−4−[6−(2H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]チオモルホリン−3−オン;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸;
(6R)−6−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−1−{3−[5−(2H−テトラアゾール−5−イル)チエン−2−イル]プロピル}ピペリジン−2−オン;
(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−3−{3−[5−(2H−テトラアゾール−5−イル)チエン−2−イル]プロピル}−1,3−オキサジナン−2−オン;
(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−3−{3−[5−(2H−テトラアゾール−5−イル)チエン−2−イル]プロピル}−1,3−チアジナン−2−オン;
(6R)−6−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−1−{3−[5−(2H−テトラアゾール−5−イル)チエン−2−イル]プロピル}ピペリジン−2−オン;
(4S)−4−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−3−{3−[5−(2H−テトラアゾール−5−イル)チエン−2−イル]プロピル}−1,3−オキサジナン−2−オン;
(4S)−4−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−3−{3−[5−(2H−テトラアゾール−5−イル)チエン−2−イル]プロピル}−1,3−チアジナン−2−オン;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
5−(3−{(4R)−4−[(1E,3S)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}プロピル)チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
(5E)−7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプト−5−エン酸;
(5E)−7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプト−5−エン酸;
(5E)−7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}ヘプト−5−エン酸;
(5E)−7−{(2R)−2−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプト−5−エン酸;
(5E)−7−{(4S)−4−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプト−5−エン酸;
(5E)−7−{(4S)−4−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブチル]−2−オキソ−1,3−チアジナン−3−イル}ヘプト−5−エン酸;
2−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1,3−チアゾール−5−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1,3−チアゾール−2−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1,3−オキサゾール−2−カルボン酸;
2−(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1,3−オキサゾール−5−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1H−イミダゾール−2−カルボン酸;
2−(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1H−イミダゾール−5−カルボン酸;
2−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1,3−オキサゾール−5−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−1,2λ,5λ−オキサジアゾール−2−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−カルボン酸;
5−((1E)−3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロプ−1−エニル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロプ−1−イニル)チオフェン−2−カルボン酸;
5−((1Z)−3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロプ−1−エニル)チオフェン−2−カルボン酸;
(6R)−6−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−1−{(2Z)−4−[(1H−テトラアゾール−5−イルメチル)チオ]ブト−2−エニル}ピペリジン−2−オン;
[(4−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ブト−2−イニル)チオ]酢酸;
[((2Z)−4−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ブト−2−エニル)チオ]酢酸;
[(4−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ブチル)チオ]酢酸;
[(4−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ブトキシ)酢酸;
3−[(3−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}プロピル)チオ]プロパン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3S)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−(2−ナフチル)ブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
(6R)−6−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−フェニルブト−1−エニル]−1−[6−(1H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]ピペリジン−2−オン;
(6R)−6−[(1E,3S)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−フェニルブト−1−エニル]−1−[6−(1H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]ピペリジン−2−オン;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4−(1−ベンゾチエン−2−イル)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
(6R)−6−[(3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−フェニルブチル]−1−[6−(1H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]ピペリジン−2−オン;
(6R)−6−[(3S)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−3−メチル−4−フェニルブチル]−1−[6−(1H−テトラアゾール−5−イル)ヘキシル]ピペリジン−2−オン;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4−(1−ベンゾフラン−2−イル)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4−(3−クロロフェニル)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4−(3−クロロフェニル)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−(3−メトキシフェニル)ブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
6−[(1E)−(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル]−1−[6−(1H−テトラアゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピペリジン−2−オン;
7−{(1E)−(2R)−2−(3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル]−6−オキソ−ピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
7−{[(1E)−(2R)−2−(3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル]−6−オキソ−ピペリジン−1−イル}ヘプタン酸イソプロピル;
7−{(2R)−2−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル]−6−オキソ−ピペリジン−1−イル}ヘプタン酸イソプロピル;
7−{(2R)−2−(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル]−6−オキソ−ピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
5−{3−[(2R)−2−((1E)−(3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル}−プロピル)−チオフェン−2−カルボン酸メチル;
5−{3−[(2R)−2−((1E)−(3S)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸;
5−{3−[(2R)−2−((3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸;
5−{3−[(2R)−2−((1E)−(3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
5−{3−[(2R)−2−((3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
6−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル]−1−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピペリジン−2−オン;
7−{(2R)−2−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸イソプロピル;
7−{(2R)−2−[(3R)−4−(3−ブロモフェニル)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブチル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸;
5−{3−[(2R)−2−((1E)−(3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブト−1−エニル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸メチル;
5−{3−[(2R)−2−((3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸;
5−{3−[(2R)−2−(3S)3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル)−6−オキソ−ピペリジン−1−イル]−プロピル}−チオフェン−2−カルボン酸イソプロピル;
6−[(3R)−3−ヒドロキシ−4−フェニル−ブチル]−1−[6−(1H−テトラゾール−5−イル)−ヘキシル]−ピペリジン−2−オン;
(5Z)−7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプト−5−エン酸イソプロピル;
(5Z)−7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−イル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプト−5−エン酸;
イソプロピル−7−{(4R)−4−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタノエート;
7−{(4R)−4−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−イル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸である化合物、
又は薬剤として許容されるそれらの塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、プロドラッグ若しくは混合物。
【請求項7】
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸、
7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸、
7−{(2R)−2−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸イソプロピル、
7−{(4R)−4−[(1E,3R)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エニル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸イソプロピル、
7−{(2R)−2−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−オキソ−4−フェニルブト−1−エニル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸イソプロピル、
7−{(2R)−2−[(3R)−4−(3−ブロモフェニル)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシブチル]−6−オキソピペリジン−1−イル}ヘプタン酸、
イソプロピル−7−{(4R)−4−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタノエート、
7−{(4R)−4−[(1E)−4,4−ジフルオロ−3−ヒドロキシ−4−フェニルブト−1−エン−1−イル]−2−オキソ−1,3−オキサジナン−3−イル}ヘプタン酸、
又は薬剤として許容されるそれらの塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、プロドラッグ又は混合物。
【請求項8】
薬剤として許容される担体と請求項1から7のいずれか一項に記載した式Iの化合物とを含む、医薬品組成物。
【請求項9】
高眼圧症又は緑内障の治療を必要とする患者に、請求項1に記載の化合物の治療有効量を投与することを含み、前記化合物が液剤又は懸濁剤として局所製剤に入れて投与される、高眼圧症又は緑内障の治療方法。
【請求項10】
β−アドレナリン作用遮断剤、副交感神経作動薬、交感神経作動薬、炭酸脱水素酵素阻害剤、Maxi−Kチャンネル遮断薬、及びプロスタグランジン、抗高血圧脂質、神経保護薬、及び5−HT2受容体の作動薬から成る群に属する1種又は複数の活性成分が局所製剤に添加される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記β−アドレナリン作用遮断剤が、チモロール、ベタキソロール、レボベタキソロール、カルテオロール又はレボブノロールであり、前記副交感神経作動薬がピロカルピンであり、前記交感神経作動薬がエピネフリン、ブリモニジン、アイオピジン、クロニジン又はパラ−アミノクロニジンであり、前記炭酸脱水素酵素阻害剤がドルゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミド又はブリンゾラミドであり、COSOPT(登録商標)、前記Maxi−KがPenitrem A、パスパリシン、チャリブドトキシン、イベリオトキシン、Paxicillan、Aflitram、Verroculogen、1−(1−イソブチル−6−メトキシ−1H−インダゾール−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−[1−(2,2−ジメチルプロピル)−6−メトキシ−1H−インダゾール−3−イル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−[1−(シクロヘキシルメチル)−6−メトキシ−1H−インダゾール−3−イル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−(1−ヘキシル−6−メトキシ−1H−インダゾール−3−イル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−[1−(2−エチルヘキシル)−6−メトキシ−1H−インダゾール−3−イル]−2−メチルプロパン−1−オン、1−(3−イソブチリル−6−メトキシ−1H−インダゾール−1−イル)ブアン−2−オン、1−(3−イソブチリル−6−メトキシ−1H−インダゾール−1−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン、1−(3−シクロペンチルカルボニル)−6−メトキシ−1H−インダゾール−1−イル)−3,3−ジメチルブタン−2−オン、1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−6−メトキシ−1H−インダゾール−3−カルボン酸、及び1−[3−(3−ヒドロキシプロパノイル)−6−メトキシ−1H−インダゾール−1−イル]−3,3−ジメチルブタン−2−オンであり、前記プロスタグランジンがラタノプラスト、トラバプロスト、ウノプロストン、レスキュラ又はS1033であり、前記抗高血圧脂質がルミガンであり、前記神経保護薬がエリプロディル、R−エリプロディル又はメマンチンであり、前記5−HT2受容体の作動薬が1−(2−アミノプロピル)−3−メチル−1H−イミダゾール−6−オール フマレート又は2−(3−クロロ−6−メトキシ−インダゾール−1−イル)−1−メチル−エチルアミンである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
黄斑浮腫又は黄斑変性の治療、乾燥眼球の治療、網膜及び視神経乳頭の血流速度の増加、網膜及び視神経酸素分圧の増加並びに神経保護の提供を必要とする患者に、請求項1に記載されている化合物の化合物の薬剤有効量を投与することを含む、黄斑浮腫又は黄斑変性を治療し、乾燥眼球を治療し、網膜及び視神経乳頭の血流速度を増加し、網膜及び視神経酸素分圧を増加し、並びに神経保護を提供する方法。
【請求項13】
前記局所製剤が、キサンタンガム又はゲランガムを場合によって含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
骨形成の誘発、異常な骨吸収に関連した病状若しくは症状の治療又は罹患する危険性の減少を必要とする哺乳類に、請求項1に記載されている化合物の治療有効量を投与することを含む、前記哺乳類の骨形成の誘発方法、異常な骨吸収に関連した病状若しくは症状の治療方法又は罹患する危険性の減少方法。
【請求項15】
前記病状又は症状が、骨粗鬆症、グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症、パジェット病、骨代謝の異常増加、歯周病、歯牙損失、骨折、関節リウマチ、人工関節による骨溶解、骨形成不全、転移性骨疾患、悪性の高カルシウム血症及び多発骨髄腫から成る群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
アレンドロネート、シマドロネート、クロドロネート、チルドロネート、エチドロネート、イバンドロネート、ネリドロネート、オルパンドロネート、リセドロネート、ピリドロネート、パミドロネート、ゾレンドロネートからなる群から選択されるビスホスホネート活性物、薬剤として許容されるそれらの塩及びそれらの混合物が、場合によって添加される、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
有機ビスホスホネート、カテプシンK阻害剤、エストロゲン、エストロゲン受容体修飾因子、アンドロゲン受容体修飾因子、破骨細胞プロトンATPアーゼの阻害剤、HMG−CoA還元酵素の阻害剤、インテグリン受容体拮抗薬、骨芽細胞蛋白質同化剤、カルシトニン、ビタミンD、合成ビタミンD類縁体又は薬剤として許容されるそれらの塩若しくはそれらの混合物から選択される他の薬剤を投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
高眼圧症又は緑内障を治療する薬剤の製造における、請求項1から7に記載された式Iの化合物又は薬剤としてそれらの許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、プロドラッグ若しくは混合物の使用。
【請求項19】
医学的治療に使用するための、請求項1から7に記載された式Iの化合物又は薬剤として許容されるそれらの塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、プロドラッグ若しくは混合物。
【請求項20】
黄斑浮腫又は黄斑変性、乾燥眼球の治療、網膜及び視神経乳頭の血流速度の増加、網膜及び視神経酸素分圧の増加又は神経保護の提供のための薬剤の製造における、請求項1から7に記載された式Iの化合物又は薬剤として許容されるそれらの塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、プロドラッグ若しくは混合物の使用。

【公表番号】特表2006−520758(P2006−520758A)
【公表日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504090(P2006−504090)
【出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【国際出願番号】PCT/CA2004/000470
【国際公開番号】WO2004/085430
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(305042057)メルク フロスト カナダ リミテツド (99)
【Fターム(参考)】