説明

ETC利用ゲート口の標識装置

【課題】ETC利用ゲート口の存在を昼間での曇り状態、更には夜間における視界の悪い状態において、そのゲート口の存在認識が遅れない様にするという課題を解決しようとするものである。
【解決手段】ETC利用ゲート口、スピード減速度等の注意喚起を文字にて一定間隔で断続的に点滅表示させるEL表示部と、このEL表示部の点滅を制御する明暗動作対応型の自動点滅器とで標識本体を成し、これをETC利用ゲート口の近傍前方であって、而も走行に支障しない位置に設置することにより、昼間での曇り状態、更には夜間における視界の悪い状態においてもゲート口の存在認識が遅れない様にするということの課題も解決することとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有料道路を通過するために要する料金をICカード利用によって車両を停止させることなく徴収する所謂、ETC利用ゲート口を認識させる標識装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にETCシステムとは、ゲート口(有料道路入口、料金徴収口)での混雑を軽減するために導入されたシステムでる。
然しながら、ゲート口での有料道路入場券、更には料金徴収が不要であることから、当該ゲート口での車両スピードがさほど減速されないまま通過されることもあり、極めて危険な状態にある。
特に、昼間の明るい時間帯においてはそのゲート口及び遮断バーの存在を意識できるが、昼間での曇り状態、更には夜間においては視界も極めて減少しており、車両スピードの減速移行が遅れることとなる。
これらの予測される危険性とは別に文献1、2の如く、システムの効率化、精度向上の技術開発が先行している。
【0003】
【特許文献】特開平8−96187号・・・・・文献1 特開2004−62540号・・・文献2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ETC利用ゲート口の存在を昼間での曇り状態、更には夜間における視界の悪い状態において、そのゲート口の存在認識が遅れない様にするという課題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために本発明は、ETC利用ゲート口、スピード減速度等の注意喚起を文字にて一定間隔で断続的に点滅表示させるEL表示部と、
このEL表示部の点滅を制御する明暗動作対応型の自動点滅器とで標識本体を成し、これをETC利用ゲート口の近傍前方であって、而も走行に支障しない位置に設置することにより、昼間での曇り状態、更には夜間における視界の悪い状態においてもゲート口の存在認識が遅れない様にするETC利用ゲート口の標識装置。
【発明の効果】
【0006】
(1)ETC利用ゲート口、スピード減速度等の注意喚起文字を表示するEL表示部にて表示する様にした標識本体を、ETC利用ゲート口の近傍に設置することによって、昼間での曇り状態、更には夜間における視界が悪い時間帯においてもゲート口を鮮明に標示し、不足の事故発生を避けることができる。
而もそのEL表示部の注意喚起文字の表示は、一定間隔で断続的に点滅して行っているから、注意喚起がより一層効果的となる。
また、そのEL表示部の点滅は明暗動作対応型の自動点滅器により自動制御しているから、明るい昼間での無駄な照射がなく、省エネ指向ともなる。
【0007】
(2)標識本体の表面にはEL表示部と、それ以外の部分には夜光シートが貼着されているから、標識本体全形をその夜光シートにて映し出してETC利用者にその存在を認識させ、同時にEL表示部にて鮮明に照射されている注意喚起文字により一層インパクトが与えられることとなる。
【0008】
(3)EL表示部を無機性とすることによって、AC電源をインバータ回路を介して無機性EL表示部に直接印加でき、電圧降下、更にはAC−DC変換の整流回路も必要ない。
(4)更に、EL表示部を一定間隔で断続的に点滅表示させる発振回路をフリップフロップ回路として、その出力振幅を変化させる様にしたから、EL表示部の表示部位毎に点滅時間の変化を与え、より注意喚起を助長させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明を実施形態の図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る標識本体の正面図であって、合成樹脂製となっている。具体的には標識本体1は、風圧に耐えられる様に内部にバランサーと共に、後述する電気回路の配線等も収納することもある。下開口の円筒型に形成され、且つ下端には地面Tへの取付台座2を有し、且つ交流電源ACのコード3を引出している。
【0010】
而して、円筒型標識本体1の表面1aには太陽光、白色燈等からの紫外線を吸収蓄積し、その後周囲が暗くなると発光する所謂、ポリ塩化ビニル製の夜光シート4を貼着している。また、この夜光シート4以外の表面1aにはETC利用ゲート口、スピード減速度等の注意を喚起する文字を形取ったEL表示部5が貼着されている。このEL表示部5の貼着は、前記夜光シート4の上面に重ね合わせ貼りするか、または夜光シート4を予めそのEL表示部5の文字に合わせて刳り貫いておき、直接に標識本体1の表面1aに貼着することとなる。
【0011】
図2、3はEL表示部5の文字をETC利用ゲート口とした実施例を示す模擬図であって、3文字の例としてEL表示部5の3個の発光セグメント5a、5b、5cを示している。具体的には図3に示す如く、背面の陽極6と上面の透明性陰極7、発光層8、更にはラミネート基板9とで構成されており、一方端の背面の陽極6と他方端の上面の透明性陰極7との間に直流電源DCを接続印加する。
更に図4は上記模擬図に基づEL表示部5を具体的に示した実施例であって、上面の透明性陰極7にはラミネート製のトップコート10を、また背面の陽極6と発光層8との間には絶縁シート11を介在させており、円筒型標識本体1の外周表面1aに副って巻き付ける様、可撓性となっている。
【0012】
図5は有機性のEL表示部5を一定間隔で断続的に点滅表示させる回路図の具体例であって、交流電源ACを電源スイッチ12、電源表示ランプ13と共に、DC変換用の整流回路14、トランス15にと接続し、その1次側15aから10数Vに降圧された2次側の一方15bには明暗動作対応型の自動点滅器16を接続している。
また、2次側の他方15cには図7に示す如く、CRよりなる発振回路17及び発振回路17にはフリップフロップ回路18を接続しており、出力振幅の変化(図9)を各々のEL表示部5に出力し、EL表示部5の表示部位、例えばETC利用ゲート口或いはスピード減速度等の注意喚起を文字毎に点滅時間を変化させる。
【0013】
尚、この2次側の他方15cには前記明暗動作対応型の自動点滅器16のリレー19のリレー接点19aが挿入されており、昼間での曇り状態、更には夜間における視界の悪い状態において、オン動作し、明るい時間帯はオフ状態とする。
また、EL表示部5は並列に3列接続したものと、1列のものを図示しているが、これは一例であって、文字数、表示部位数によって、任意となる。
図6はEL表示部5を無機性とすることによって、交流電源ACの100V、200Vを直接にインバータ回路20に接続して高周波数に変換し、EL表示部5のチラつきを無くする。
また、同図においては降圧用トランス15を設けているが、これは自動点滅器16の電として設けているのであって別電源とすれば不要となる。
上記インバータ回路20、DC変換用の整流回路14、トランス15等を電源ボックス21にて収納する。
更に、この無機性EL表示部5が一定間隔で断続的に点滅表示するのを、該インバータ回路20の出力にて行うこととし、発振回路17を省略してもよい。
【動作】
【0014】
次に本発明に係るETC利用ゲート口の標識装置の動作を図5に基づいて説明すると、先ず昼間での曇り状態、更には夜間における視界の悪い状態になると、明暗動作対応型の自動点滅器16の動作によってリレー接点19aがオンし、交流電源AC、整流回路14、トランス15、2次側の他方15cとの閉回路が形成され、発振回路17、フリップフロップ回路18からの出力によりEL表示部5は一定間隔で断続的に点滅する。この点滅をETC利用ゲート口或いはスピード減速度等の注意喚起する文字にて行なうこととなる。
勿論、明るい時間帯は、明暗動作対応型の自動点滅器16が感知し、不必要な点滅表示は行わないこととなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 本発明に係る標識本体の正面図
【図2】 本発明に係るEL表示部の拡大図
【図3】 同上のEL表示部の模擬図
【図4】 同上の異なる実施例を示す模擬図
【図5】 本発明ETC利用ゲート口の標識装置に係る回路図
【図6】 同上の異なる実施例を示す回路図
【図7】 同上の発振回路図
【図8】 フリップフロップ回路図
【図9】 同上の出力波形図
【符号の説明】
【0016】
T 地面
AC交流電源
1 標識本体
4 夜光シート
5 EL表示部
14DC変換用の整流回路
16自動点滅器
17発振回路
18フリップフロップ回路
20インバータ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ETC利用ゲート口の近傍であって、而も走行に支障ない位置に設置される標識本体と、この本体の表面に装着されると共に、ETC利用ゲート口、スピード減速度等の注意喚起を文字にて一定間隔で断続的に点滅表示するEL表示部と、このEL表示部の点滅を制御する明暗動作対応型の自動点滅器とで成したことを特徴とするETC利用ゲート口の標識装置。
【請求項2】
標識本体の表面は、注意喚起を文字にて表示するEL表示部と、更にEL表示部以外の部分に貼着された夜光シートとで成したことを特徴とする請求項1記載のETC利用ゲート口の標識装置。
【請求項3】
EL表示部を有機性とし、電源をAC−DC変換する整流回路と、この整流回路からのDC出力にてEL表示部を一定間隔で断続的に点滅表示させる発振回路とで成したことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1記載のETC利用ゲート口の標識装置。
【請求項4】
EL表示部を無機性とし、AC電源をインバータ回路を介して無機性EL表示部に直接印加し、この無機性EL表示部を一定間隔で断続的に点滅表示する様、該インバータ回路の出力にて行うことを特徴とする請求項1〜2のいずれか1記載のETC利用ゲート口の標識装置。
【請求項5】
発振回路をフリップフロップ回路として、その出力振幅を変化させてEL表示部の表示部位毎に点滅時間を変化させたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1記載のETC利用ゲート口の標識装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−209878(P2008−209878A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−80078(P2007−80078)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(505413255)阪神高速道路株式会社 (46)
【出願人】(393022470)三重重工業株式会社 (6)
【出願人】(501337317)エヌケイシー株式会社 (3)
【Fターム(参考)】