説明

ICコイン処理装置および遊技媒体貸出機

【課題】 受け入れたICコインに対して情報を読み書きするのに、ICコイン保留回転盤を回動させる必要がない効率の良いICコイン処理装置およびこのICコイン処理装置を備えた遊技媒体貸出機を提供することを課題としている。
【解決手段】 ICコイン保留部3の外方に位置してICコイン導入路2aとICコイン排出路4aとに通じるICコイン一時停止部5と、このICコイン一時停止部5にICコイン1を留め置く姿勢と、ICコイン排出路4aへの排出を許容する状態とに切り替え可能な排出規制手段6と、ICコイン一時停止部5に留め置かれたICコイン1に情報を読み書き可能なICコインリーダーライター部7とを備え、このICコインリーダーライター部7は、ICコイン1からICコイン1に記憶された情報を読み込み可能で、かつICコイン1に、情報を書き込み可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばゲームセンターのスロットマシンなどの遊技機に併設され、ICコインと交換に遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機と、このような遊技媒体貸出機に設けられ、ICコインに情報を書き込み可能なICコイン処理装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ICコインと交換に遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機は、ICタグを担持してなるICコインに情報を読み書き可能なICコイン処理装置を備えている。
【0003】
また、このようなICコイン処理装置は、一般にICコイン受け入れ口から受け入れたICコインを一時保留可能なICコイン保留部を備えている。
【0004】
従来、このようなICコイン保留部として、回動軸を中心として回動する円盤部と、ICコインを保持可能な複数の保持部とを有するICコイン保留回転盤が種々提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、回動可能な保持回動体の円周上の位置にICコインを保持可能な複数の保持部を形成するとともに、この保持部の回転軌跡上の所定位置にICコインと非接触状態で通信を行う通信手段を対設したICコイン処理装置の技術が開示されている。
【特許文献1】特開2001−327747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の公報に開示されたICコイン処理装置は、保持部の回転軌跡上の所定位置に通信手段を対設しているので、受け入れたICコインから情報を読み込むのにも、返却するICコインに対して情報を書き込むのにも、保持回動体を通信手段の所定位置にまで回動させる必要があるという問題があった。
【0007】
本発明は上記不具合に鑑みてなされたものであり、受け入れたICコインに対して情報を読み書きするのに際して、ICコイン保留回転盤を回動させてICコインをICコインリーダーライター部に移動させる必要がない効率の良いICコイン処理装置およびこのICコイン処理装置を備えた遊技媒体貸出機を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明に係るICコイン処理装置は、ICコインに情報を読み書き可能なICコイン処理装置であって、ICコインを受け入れるICコイン受け入れ口と、このICコイン受け入れ口から受け入れたICコインを一時保留可能なICコイン保留部と、このICコイン保留部からICコインを排出するICコイン排出口と、ICコイン保留部の外方に位置してICコイン受け入れ口からこのICコイン保留部へのICコイン導入路と、ICコイン保留部からICコイン排出口へのICコイン排出路とに通じるICコイン一時停止部と、このICコイン一時停止部にICコインを留め置く姿勢と、ICコイン一時停止部からICコイン排出路へICコインの排出を許容する状態とに切り替え可能な排出規制手段と、このICコイン一時停止部に臨む位置に設けられ、排出規制手段によりICコイン一時停止部に留め置かれたICコインに情報を読み書き可能なICコインリーダーライター部とを備え、このICコインリーダーライター部は、ICコイン受け入れ口から受け入れられ、ICコイン一時停止部に留め置かれたICコインからICコインに記憶された情報を読み込み可能で、かつICコイン一時停止部に留め置かれたICコインに、情報を書き込み可能であることを特徴とするICコイン処理装置である。
【0009】
本発明に係るICコイン処理装置によれば、ICコイン保留回転盤の外方に位置するICコイン一時停止部に臨む位置にICコインリーダーライター部が設けられているので、受け入れたICコインの情報を読み込むのにも、返却するICコインに対して情報を書き込むのにも、従来技術のようにICコイン保留回転盤を回動させてICコインをICコインリーダーライター部に移動させる必要がない。その結果、ICコイン保留回転盤を回動させることなく、ICコインの受け入れと、ICコインに対する情報の読み書きと、ICコインの返却とを行うことができる。
【0010】
また、ICコイン保留回転盤に保留されるICコインは、すべて同じように情報の書き込み前のICコインとして区別することなく扱うことができる。
【0011】
ここで、このICコイン処理装置は、上記ICコイン保留部が満杯になった状態に対応して、余剰のICコインをICコイン保留部から多数のICコインを回収可能なICコイン回収部へ回収する回収通路を備えていることが好ましい。
【0012】
このようにすれば、ICコイン保留部が満杯になっても、余剰のICコインを回収通路を介してICコイン回収部へ回収するので、ICコインを受け入れることが不能な状態に陥ることがない。
【0013】
また、上記ICコイン保留部は、ICコイン処理装置の中に設けられた平らな静止版と、この静止板に平行に設けられ、回動軸を中心として回動する円盤部、その周縁に沿って配列され、ICコインを保持可能な複数の保持部および、この保持部の間の仕切り部を有し、かつ静止板との間にICコインを保留するICコイン保留回転盤とを備え、上記ICコイン保留回転盤は、回動軸を中心として回動することにより、保持部の間の仕切り部の外周側端部で、ICコインの保持部への導入を規制してICコインをICコイン一時停止部に留め置く留め置き姿勢と、ICコイン一時停止部から保持部にICコインを導入する導入姿勢との間で姿勢変更可能に設けられており、かつ回動軸を中心として回動することにより、保持部に保持されたICコインを保持部の回動軌道上に設けられたガイドローラに当接させて保持部からICコイン一時停止部へと押し出し可能に設けられていることが好ましい。
【0014】
このようにすれば、保持部の間の仕切り部の外周側端部でICコインの保持部への導入を規制するという簡単な構成でICコインをICコイン一時停止部に留め置くことができるだけでなく、この留め置き姿勢からICコイン保留回転盤が回動して導入姿勢に変位するという簡単な構成で、ICコイン一時停止部から保持部にICコインを導入することができる。
【0015】
また、保持部に保持されているICコインは、ICコイン保留回転盤が回動して、ICコイン保留回転盤の回動軌道上に設けられたガイドローラに当接させるという簡単な構成でICコイン一時停止部へ押し出すことできる。
【0016】
このように、特に複雑な機構を追加しなくとも簡単な構成でICコインの導入と排出とを行うことができるので、安価なICコイン処理装置を実現することができる。
【0017】
あるいは、上記ICコイン保留部は、以下のように構成してもよい。
【0018】
すなわち、上記ICコイン保留部は、ICコイン処理装置の中に静止して設けられ、一方の面から他方の面にICコインを挿通可能な挿通孔を有する平らな中間仕切り板と、この中間仕切り板に平行に設けられ、回動軸を中心として回動する円盤部、その周縁に沿って配列され、ICコインを保持可能な複数の保持部および、この保持部の間の仕切り部を有し、かつ中間仕切り板との間にICコインを保留する第1のICコイン保留回転盤と、中間仕切り板を挟んで第1のICコイン保留回転盤と反対側の中間仕切り板の面に平行に設けられ、回動軸を中心として回動する円盤部、その周縁に沿って配列され、中間仕切り板を通して第1のICコイン保留回転盤から供給されたICコインを保持可能な複数の保持部および、この保持部の間の仕切り部を有し、かつ上記中間仕切り板との間にICコインを挟んで保留する第2のICコイン保留回転盤と、を備え、上記第1のICコイン保留回転盤は、その回動軸を中心として回動することにより、保持部の間の仕切り部の外周側端部で、ICコインの保持部への導入を規制してICコインをICコイン一時停止部に留め置く留め置き姿勢と、ICコイン一時停止部から保持部にICコインを導入する導入姿勢との間で姿勢変更可能に設けられており、かつ回動軸を中心として一方に回動することにより、保持部に保持されたICコインを保持部の回動軌道上に設けられたガイドローラに当接させて保持部からICコイン一時停止部へと押し出し可能に設けられており、かつ回動軸を中心として他方に回動することにより、保持部に保持されたICコインを中間仕切り板の挿通孔に設けられた一対の移送ガイド爪の一方に当接させて第1のICコイン保留回転盤の保持部から第2のICコイン保留回転盤の保持部へとICコインを移送可能に設けられており、上記第2のICコイン保留回転盤は、その回動軸を中心として一方に回動することにより、第1のICコイン保留回転盤の保持部から第2のICコイン保留回転盤の各保持部へと移送されるICコインを順次受け入れ可能に設けられており、かつ回動軸を中心として他方に回動することにより、その保持部に保持されたICコインを中間仕切り板の挿通孔に設けられた一対の移送ガイド爪の他方に当接させて第2のICコイン保留回転盤の保持部から第1のICコイン保留回転盤の保持部へとICコインを移送可能に設けられているように、構成することも可能である。
【0019】
このようにすれば、簡単な構成でICコインをICコイン一時停止部に留め置くことができるだけでなく、ICコイン一時停止部から保持部にICコインを導入したり、保持部に保持されているICコインをICコイン一時停止部へ押し出すことできるので、安価なICコイン処理装置を実現することができる。
【0020】
また、第1のICコイン保留回転盤と第2のICコイン保留回転盤が回動することにより、ICコインが第1のICコイン保留回転盤の保持部から中間仕切り板の挿通孔を通して第2のICコイン保留回転盤の各保持部へと順次移送されるので、同じ数量のICコイン保留量であってもICコイン保留回転盤の径を小さく設計することが可能になる結果、奥行きの狭いスペースにも配置することができるICコイン処理装置を実現することが可能になる。
【0021】
さらに、上記ICコイン保留部は、以下のように構成してもよい。
【0022】
すなわち、上記ICコイン保留部は、1つのICコインを保持可能な保持部と、このICコインの保持部への導入を規制してICコインをICコイン一時停止部に留め置く留め置き姿勢と、ICコイン一時停止部から保持部にICコインを導入する導入姿勢との間で姿勢変更可能な保持部受け入れ手段と、保持部に保持されたICコインを保持部からICコイン一時停止部へと押し出し可能に設けられている保持部押し出し手段とを備えているように構成することも可能である。
【0023】
このようにすれば、1つのICコインを保持可能な保持部のスペースがあるだけでよいので、例えばICコイン保留回転盤など、複数のICコインを保持するための機構が不要となり、より小型で安価なICコイン処理装置を実現することができるようになる。
【0024】
ここで、本発明に係るICコイン処理装置は、ICコイン受け入れ口からICコインリーダーライター部へのコインの導入を規制する突出姿勢と、ICコイン受け入れ口からICコインリーダーライター部へICコインを導入する退避姿勢との間で姿勢変更可能な受け入れ口ピンを備えていることが好ましい。
【0025】
このようにすれば、通常は、受け入れ口ピンを退避姿勢にして、ICコインを受け入れ可能な状態にするとともに、一旦ICコインを受け入れた後は、受け入れ口ピンを突出姿勢にしてコインの導入を規制することにより、誤って余分のICコインを受け入れてしまうことを防止することができるようになる。
【0026】
本発明に係るICコイン処理装置は、また、ICコインリーダーライター部で読み取られたICコインが不良ICコインである場合に、この不良ICコインを、一旦受け入れたICコイン保留部からICコインリジェクト口へ導くリジェクト路と、ICコイン保留部からリジェクト路に不良ICコインをリジェクトする退避姿勢と、ICコイン保留部に不良ICコインを留め置く突出姿勢との間で姿勢変更可能なリジェクト規制ピンとを備えていることが好ましい。
【0027】
このようにすれば、ICコインリーダーライター部で読み取られたICコインが不良ICコインである場合に、リジェクト規制ピンを退避姿勢にすることにより、一旦ICコイン保留部に受け入れた不良ICコインをリジェクト路に導いてICコイン保留部からICコイン排出口にリジェクトすることができるようになる。
【0028】
また、本発明に係る遊技媒体貸出機は、ICコインと交換に遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機であって、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のICコイン処理装置と、遊技媒体を払い出す遊技媒体払出部と、少なくともこれらICコイン処理装置と、遊技媒体払出部とを制御する制御部と、この制御部の制御に係る情報を記憶する記憶部と、遊技媒体払出部が遊技媒体を1バッチ分だけ払い出すように要求する遊技媒体払い出し要求信号を制御部に対して発生させる遊技媒体払い出しボタンとを備え、上記制御部は、ICコイン処理装置のICコインリーダーライター部において読み込んだICコインに記憶されたコインの価値に係る情報を、記憶部に記憶させるとともに、遊技媒体払い出しボタンにおける遊技媒体払い出し要求信号の発生に対応して、そのつど記憶部に記憶されたコインの価値に係る情報を確認し、このコインの価値の残高が遊技媒体の払い出しに足る間は、遊技媒体払い出しボタンにおいて遊技媒体払い出し要求信号が発生する度に、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体払出部から払い出し、かつ記憶部に記憶されたコインの価値の残高を払い出した遊技媒体の価額に相当する分だけ減額するように制御するものであり、遊技の終了に際して、このコインの価値の残高の情報をICコインリーダーライター部においてICコインに書き込むとともに、このコインの価値の残高の情報が書き込まれたICコインをICコイン排出口に排出するものであることが好ましい。
【0029】
このようにすれば、コインの価値の残高が遊技媒体の払い出しに足る間は、遊技媒体払い出しボタンにおいて遊技媒体払い出し要求信号が発生する度に、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体払出部から払い出すように制御部が制御するので、この遊技媒体貸出機にICコインを一度投入するだけで、残高が遊技媒体の払い出しに足らなくなるまで、必要なだけ遊技媒体の払い出しを受けることができる。
【0030】
また、遊技の終了に際して、コインの価値について残高があった場合、ICコインリーダーライター部が、この残高の情報をICコインに書き込むとともに、この情報を書き込んだICコインをICコイン排出口に排出するので、いつでも遊技を終了して、残高の情報を書き込んだICコインを受け取ることができる。また、この残高の情報を書き込んだICコインを使用して再び遊技を行うことができるようになる。
【0031】
また、本発明に係る遊技媒体貸出機は、遊技の終了に際して、コインの価値について残高がない場合、ICコインを排出せずにICコイン保留部に保留することが好ましい。
【0032】
このようにすれば、遊技の終了に際して、コインの価値について残高がない場合は、ICコインをICコイン保留部に保留することにより、新たな遊技の開始としてコインの価値について残高がある新しいICコインをICコイン一時停止部に受け入れることができるようになる。
【0033】
また、本発明に係る遊技媒体貸出機は、紙幣を受け入れる紙幣受け入れ口を有して受け入れた紙幣を識別可能な紙幣識別装置を備え、上記ICコイン保留部は、コインの価値に係る情報を書き込み可能なICコインをあらかじめ少なくとも1個保留可能であり、上記制御部は、紙幣識別装置における紙幣の受け入れに対応して、識別した紙幣の価値に係る情報を、記憶部に記憶するとともに、遊技媒体払い出しボタンにおける遊技媒体払い出し要求信号の発生に対応して、記憶部に記憶された価値に係る情報を確認するとともに、この価値の残高が遊技媒体の払い出しに足る間は、遊技媒体払い出しボタンにおいて遊技媒体払い出し要求信号が発生する度に、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体払出部から払い出し、かつ記憶部に記憶された価値の残高を払い出した遊技媒体の価額に相当する分だけ減額するように制御するものであり、遊技の終了に際してICコイン保留部に保留されたICコインの1つをICコインリーダーライター部に排出するとともに、記憶部に記憶された価値の残高の情報をICコインに書き込んでICコイン排出口に返却するものであることが好ましい。
【0034】
このようにすれば、紙幣受け入れ口と、紙幣識別装置とを備えているので、紙幣を受け入れて、この紙幣と交換に遊技媒体を貸し出すことができるようになる結果、わざわざ別に設けられたICコイン発行機まで利用者が移動する必要がない。
【0035】
また、コインの価値の残高が遊技媒体の払い出しに足る間は、遊技媒体払い出しボタンにおいて遊技媒体払い出し要求信号が発生する度に、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体払出部から払い出すように制御部が制御するので、紙幣を一度投入するだけで、残高が遊技媒体の払い出しに足らなくなるまで、必要なだけ遊技媒体の払い出しを受けることができる。
【0036】
また、ICコイン保留部が、情報を書き込み可能なICコインをあらかじめ少なくとも1個保留可能であり、遊技の終了に際して、価値の残高の情報をICコインに書き込んでICコイン排出口に返却するので、いつでも遊技を終了して、価値の残高の情報が書き込まれたICコインを受け取ることができる。また、この価値の残高の情報が書き込まれたICコインを使用して再び遊技を行うことができるようになる。
【0037】
本発明に係る遊技媒体貸出機は、また、遊技を終了してICコインの返却を要求するICコイン返却要求信号を発生させる精算ボタンを備え、上記制御部は、この精算ボタンにおけるコイン返却要求信号の発生に対応して、ICコインリーダーライター部が、コインの価値に係る情報をICコインに書き込むとともに、この情報が書き込まれたICコインをICコイン排出口から返却するように制御するものであることが好ましい。
【0038】
このようにすれば、精算ボタンを押してICコイン返却要求信号を発生させることにより、いつでも遊技を終了して残高に係る情報を書き込んだICコインをICコイン排出口から返却させることができるようになる。
【発明の効果】
【0039】
以上説明したように、本発明によれば、受け入れたICコインに対して情報を読み書きするのにICコイン保留回転盤を回動させてICコインをICコインリーダーライター部に移動させる必要がないICコイン処理装置および遊技媒体貸出機を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。図1は、本発明の実施の形態に係る遊技媒体貸出機20の構成を示す斜視図であり、図2は、遊技媒体貸出機20の制御の構成を示すブロック図である。そして、図3は、遊技媒体貸出機20に設けられるICコイン処理装置10の構成を示す斜視図であり、図4は、図3の背面図である。
【0041】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る遊技媒体貸出機20は、例えばゲームセンターのスロットマシンなどの遊技機に併設され、ICタグ1a(図3)を担持してなるICコイン1と交換に図略の遊技媒体を貸し出す直方体状の装置であり、ICコイン1に情報を読み書き可能なICコイン処理装置10と、遊技媒体を払い出す遊技媒体払出部21と、遊技媒体払出部21が遊技媒体を1バッチ分だけ払い出すように要求する遊技媒体払い出しボタン22と、遊技を終了してICコイン1の返却を要求する精算ボタン23と、紙幣を識別可能な紙幣識別装置30とを備えている。
【0042】
また、この遊技媒体貸出機20は、図2に示すように、これら遊技媒体払い出しボタン22の信号と、精算ボタン23の信号とを受信するとともにICコイン処理装置10と、遊技媒体払出部21と、紙幣識別装置30とを制御する制御部25と、この制御部25の制御に係る情報を記憶する記憶部26とを備えている。
【0043】
上記ICコイン処理装置10は、図3に示すように、ICコイン1を受け入れるICコイン受け入れ口2と、受け入れたICコイン1を一時保留可能なICコイン保留部3と、ICコイン1を排出するICコイン排出口4とを備えている。
【0044】
また、このICコイン処理装置10は、図5に示すように、ICコイン保留部3の外方に位置するICコイン一時停止部5を有しており、さらに、このICコイン一時停止部5にICコイン1を留め置く姿勢と、ICコイン一時停止部5からICコイン排出路4aへICコイン1の排出を許容する状態とに切り替え可能な排出規制手段6と、ICコイン一時停止部5に留め置かれたICコイン1に背面側から情報を読み書き可能なICコインリーダーライター部7(図4)とを備えている。
【0045】
また、このICコイン処理装置10は、突出姿勢と退避姿勢との間で姿勢変更可能な受け入れ口ピン8と、不良ICコインをICコインリジェクト口9aへ導くリジェクト路9と、退避姿勢と突出姿勢との間で姿勢変更可能なリジェクト規制ピン11とを備えている。
【0046】
また、このICコイン処理装置10は、余剰のICコイン1を図外のICコイン回収部へ回収する回収通路12(図4)を備えている。
【0047】
上記ICコイン1は、いわゆるICタグ1aをその構造中に担持してなるコイン状の媒体であり、このICタグ1aにコインの価値に係る情報を記録することが可能になっている。そして、遊技場において、貨幣の代用として図略の遊技媒体と交換することができる。本実施形態においては、このICコイン1は、スロットマシンの遊技媒体である図略のメダルと交換され、このメダルを遊技媒体貸出機20に隣接する図外の遊技機に投入することにより利用者はスロットマシンの遊技を行うことができるようになる。
【0048】
上記ICコイン受け入れ口2は、このICコイン1をICコイン処理装置10に受け入れるためのスリット状の開口であり、外側のコイン投入口24(図1)と通じている。また、このICコイン受け入れ口2の内側には、ICコイン受け入れ口2からICコイン一時停止部5へのコインの導入を規制する突出姿勢と、ICコイン受け入れ口2からICコインリーダーライター部7へICコイン1を導入する退避姿勢との間で姿勢変更可能な受け入れ口ピン8が設けられている。
【0049】
上記ICコイン保留部3は、残高がないICコイン1を図外のICコイン回収部へ回収する前に一時保留するためのものである。また、このICコイン保留部3は、紙幣を受け入れた時の釣銭の代替品として、残高を書き込んだICコイン1を利用者に返却するためにICコイン1を少なくとも1個は、あらかじめ保留することができるようになっている。
【0050】
このICコイン保留部3は、ICコイン処理装置10の中に設けられた平らな静止版3hと、パルスモーターにより駆動され、回動軸3aを中心として回動する静止板3hに平行に設けられた円盤部3bと、その周縁に沿って配列され、ICコイン1を保持可能な複数の保持部3cと、この保持部3cの間の仕切り部3dとを有するICコイン保留回転盤3eを備えている。そして、このICコイン保留回転盤3eは、回動軸3aを中心として回動することにより、保持部3cの間の仕切り部3dの外周側端部3fで、ICコイン1の保持部3cへの導入を規制してICコイン1をICコイン一時停止部5に留め置く留め置き姿勢と、ICコイン一時停止部5から保持部3cにICコイン1を導入する導入姿勢との間で姿勢変更可能に設けられている。
【0051】
また、このICコイン保留回転盤3eは、紙幣識別装置30(図1)に紙幣の受け入れがあった場合、遊技の終了に際して、回動軸3aを中心として回動することにより、保持部3cに保持された釣銭の代替品としてのICコイン1を、保持部3cの回動軌道上に設けられたガイドローラ3g(図10)に当接させて保持部3cからICコイン一時停止部5へと押し出すことができるようになっている。
【0052】
上記ICコイン排出口4は、ICコインリーダーライター部7で残高の情報が書き込まれたICコイン1を利用者に返却するための開口である。また、このICコイン排出口4は、コICコイン保留部3からの釣銭の代替品としてのICコイン1を利用者に返却するためにも用いられる。
【0053】
上記ICコイン一時停止部5は、ICコイン受け入れ口2からこのICコイン保留部3へのICコイン導入路2aと、ICコイン保留部3からICコイン排出口4へのICコイン排出路4aとに通じる位置に設けられた部分であり、ここでICコイン1を一時留め置き、ICコインリーダーライター部7で情報をICコイン1に読み書きする。
【0054】
上記排出規制手段6は、背面に設けられた電磁ソレノイドにより駆動され、ICコイン1を留め置く突出姿勢と、ICコイン排出路4aへICコイン1の排出を許容する退避状態とに切り替えることができるようになっており、排出規制手段6を退避状態にすることにより、ICコイン1が重力で下方に設けられたICコイン排出口4から排出されるようになっている。
【0055】
上記ICコインリーダーライター部7(図4)は、ICコイン一時停止部5に臨む位置に設けられており、この位置で電磁気的な通信手段によりICコイン1と非接触状態で通信を行うものである。このICコインリーダーライター部7はICコイン一時停止部5に留め置かれたICコイン1にコインの価値の残高に係る情報を電磁気的に読み書きすることができるようになっている。
【0056】
上記受け入れ口ピン8は、背面に設けられた電磁ソレノイドにより駆動され、ICコイン受け入れ口2からICコインリーダーライター部7へのコインの導入を規制する突出姿勢と、ICコイン受け入れ口2からICコインリーダーライター部7へICコイン1を導入する退避姿勢との間で姿勢の変更ができるようになっている。
【0057】
上記リジェクト路9は、ICコイン受け入れ口2から受け入れられ、ICコインリーダーライター部7で読み取られたICコイン1が不良ICコインである場合に、不良ICコイン1b(図9)を、一旦受け入れたICコイン保留部3からICコインリジェクト口9aへ導くものである。
【0058】
そして、このICコインリジェクト口9aとICコイン排出口4とは、両方とも外側に設けられ、上方に開口したコイン返却皿25(図1)に通じている。
【0059】
上記リジェクト規制ピン11は、背面に設けられた電磁ソレノイドにより駆動され、ICコイン保留部3からリジェクト路9に不良ICコイン1bをリジェクトする退避姿勢と、ICコイン保留部3に不良ICコイン1bを留め置く突出姿勢との間で姿勢を変更することができるようになっている。
【0060】
上記回収通路12(図4)は、ICコイン保留部3の頂部の背面に設けられた通路であり、ICコイン保留部3が満杯になった状態に対応して、余剰のICコイン1をオーバーフローさせ、図外のICコイン回収部へ回収するように構成されている。そして、この図外のICコイン回収部では、溢れるICコイン1を多数、貯留することができるようになっている。
【0061】
再び、図1を参照して、上記遊技媒体払出部21は、ICコイン1もしくは紙幣の受け入れに基づいて、遊技媒体を利用者に供給するための供給装置である。本実施形態では、遊技媒体払出部21は、図外の遊技媒体貯留部から遊技媒体を受け入れるとともに、ノズルシュート21aから払い出すように構成されている。
【0062】
上記遊技媒体払い出しボタン22は、遊技媒体払出部21が遊技媒体を払い出すように要求する遊技媒体払い出し要求信号を制御部25に対して発生させるものであり、ICコイン1もしくは紙幣の受け入れの後、この遊技媒体払い出しボタン22が押されて遊技媒体払い出し要求信号を発生させると、遊技媒体払出部21が所定の1バッチ分だけ遊技媒体を払い出すようになっている。
【0063】
上記精算ボタン23は、遊技を終了してICコイン1の返却を要求するICコイン返却要求信号を発生させるものである。
【0064】
上記紙幣識別装置30は、紙幣の真偽と金種判定を光学センサーや磁気センサー等の識別センサーからの情報によって識別することができるように構成された装置であり、紙幣を受け入れるためのスリット状の開口である紙幣受け入れ口31を有している。
【0065】
上記制御部25は、ICコイン処理装置10と、遊技媒体払出部21と、紙幣識別装置30とを制御する論理演算回路であり、本実施形態では、ホストコンピュータで構成されている。また、上記記憶部26は、制御部25の制御に係る情報を記憶するものであり、ホストコンピュータに付属する記憶装置で構成されている。
【0066】
この制御部25は、ICコインリーダーライター部7において読み込んだICコイン1に記憶されたコインの価値に係る情報を、記憶部26に記憶させるとともに、遊技媒体払い出しボタン22における遊技媒体払い出し要求信号の発生に対応して、そのつど記憶部26に記憶されたコインの価値に係る情報を確認する。そして、このコインの価値の残高が遊技媒体の払い出しに足る間は、遊技媒体払い出し要求信号が発生する度に、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体払出部21から払い出す。また、払い出した遊技媒体の価額に相当する分だけ記憶部26に記憶されたコインの価値の残高を減額するようにICコイン処理装置10を制御する。
【0067】
そして、遊技の終了に際して、利用者によって精算ボタン23が押され、コイン返却要求信号が発生したならば、これに対応して、ICコインリーダーライター部7が、コインの価値の残高に係る情報をICコイン1に書き込むとともに、この価値の残高の情報が書き込まれたICコイン1をICコイン排出口4から排出して利用者に返却するように制御する。
【0068】
また、この制御部25は、紙幣識別装置30において紙幣が受け入れられた場合は、これに対応して、識別した紙幣の価値に係る情報を、記憶部26に記憶する。また、遊技媒体払い出しボタン22における遊技媒体払い出し要求信号の発生に対応して、記憶部26に記憶された価値に係る情報を確認し、この価値の残高が遊技媒体の払い出しに足る間は、ICコイン1が受け入れられた場合と同様に、遊技媒体払い出しボタン22において遊技媒体払い出し要求信号が発生する度に、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体払出部21から払い出す。そして、記憶部26に記憶された価値の残高を払い出した遊技媒体の価額に相当する分だけ減額する。
【0069】
また、この制御部25は、紙幣が受け入れられた場合、利用者によって精算ボタン23が押され、コイン返却要求信号が発生したならば、これに対応して、ICコイン保留部3に保留されたICコイン1の1つをICコインリーダーライター部7に排出する。そして、記憶部26に記憶された価値の残高の情報をICコイン1に書き込むとともに、この価値の残高の情報が書き込まれたICコイン1をICコイン排出口4から排出して利用者に返却するように遊技媒体貸出機20を制御する。
【0070】
次に図3と、図5〜図10とを参照して、本発明の実施の形態に係る遊技媒体貸出機20とICコイン処理装置10の作用について説明する。
【0071】
図3を参照して、まず最初、ICコイン保留回転盤3eは、ICコイン1を釣銭用として少なくとも1個はICコイン処理装置10内にあらかじめ保留している。また、このICコイン保留回転盤3eは、保持部3cの間の仕切り部3dの外周側端部3fで、ICコイン1の保持部3cへの導入を規制してICコイン1をICコイン一時停止部5に留め置く留め置き姿勢になっている。
【0072】
また、排出規制手段6は、ICコイン一時停止部5にICコイン1を留め置く突出姿勢の状態にある。
【0073】
そして、受け入れ口ピン8は、退避姿勢になっており、この状態で図示のように、ICコイン受け入れ口2からICコイン1が導入される。
【0074】
ここで、図5は、ICコイン受け入れ口2から受け入れられたICコイン1がICコイン一時停止部5に留め置かれている状態を示す説明図である。この状態では、図3の状態に引き続き、ICコイン保留回転盤3eは、留め置き姿勢に、また、排出規制手段6は、突出姿勢の状態にあるが、受け入れ口ピン8は、新たなICコインの受け入れを防止するために、コインの導入を規制する突出姿勢に姿勢変更されている。
【0075】
そして、この状態で、ICコインリーダーライター部7(図4)が、ICコイン1のICタグ1aに記憶されたコインの価値に係る情報を電磁気的に読み込む。また、このコインの価値に係る情報が、記憶部26に記憶される。
【0076】
なお、この図5の状態で遊技媒体払い出しボタン22において遊技媒体払い出し要求信号が発生すると、そのつど記憶部26に記憶されたコインの価値に係る情報が確認され、この残高が遊技媒体の払い出しに足る間は、所定枚数の遊技媒体が遊技媒体払出部21から払い出される。そして、記憶部26に記憶されたコインの価値の残高は、払い出した遊技媒体の価額に相当する分だけ減額されていく。
【0077】
ここで、遊技の終了に際して、利用者によって精算ボタン23(図1)が押され、コイン返却要求信号が発生したならば、これに対応して、ICコインリーダーライター部7が、コインの価値の残高に係る情報をICコイン1に書き込み、図6に示すように、価値の残高の情報が書き込まれたICコイン1が重力で下方に設けられたICコイン排出口4から排出されて、利用者に返却される。図6は、排出規制手段6が、ICコイン1の排出を許容する退避状態に切り替わり、ICコイン1をICコイン排出口4から排出して利用者に返却する状態を示す説明図である。
【0078】
なお、図5に示したICコイン1の留め置きの段階で、コインの価値の残高がもし0以下になったならば、ICコイン保留部3が、回動軸3aを中心として回動してICコイン導入の姿勢をとり、ICコイン一時停止部5から保持部3cにICコイン1を回収する。図7は、ICコイン1が、ICコイン一時停止部5から保持部3cに回収される状態を示す説明図である。
【0079】
この時、ICコイン保留部3が満杯になった場合は、図8に示すように、ICコイン保留部3の頂部の背面に設けられた回収通路12を介して余剰のICコイン1を図外のICコイン回収部へ回収し、貯留する。図8は、ICコイン保留部3が満杯になった状態に対応して、余剰のICコイン1をオーバーフローさせた状態を示す説明図である。
【0080】
ところで、本実施形態では、ICコイン1が不良ICコインである場合にも、ICコイン保留部3が、図7に示したようなICコイン導入姿勢をとり、ICコイン一時停止部5から保持部3cにICコイン1を一旦回収する。
【0081】
そして、一旦回収したICコイン1を、図9に示すように、リジェクト路9へ導く。図9は、ICコイン保留部3からリジェクト路9に不良ICコイン1bをリジェクトしている状態を示す説明図であり、リジェクト規制ピン11が、ICコイン保留部3に不良ICコイン1bを留め置く突出姿勢から姿勢を変更し、このように、不良ICコイン1bをICコイン保留部3からリジェクト路9にリジェクトする。
【0082】
次に、紙幣識別装置30において紙幣受け入れ口31から遊技媒体貸出機20に紙幣が受け入れられた場合について説明する。
【0083】
この場合は、紙幣識別装置30がイメージスキャニングなどの画像処理により受け入れた紙幣の価額を識別する。
【0084】
そして、これに対応して、識別した紙幣の価値に係る情報が、記憶部26に記憶される。
【0085】
また、この状態で、遊技媒体払い出しボタン22における遊技媒体払い出し要求信号が発生したら、記憶部26に記憶された価値に係る情報を確認し、この価値の残高が遊技媒体の払い出しに足る間は、ICコイン1が受け入れられた場合と同様に、遊技媒体払い出し要求信号が発生する度に、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体払出部21から払い出す。
【0086】
そして、記憶部26に記憶された価値の残高を払い出した遊技媒体の価額に相当する分だけ減額する。
【0087】
また、紙幣が受け入れられた場合であっても、遊技の終了に際して、利用者によって精算ボタン23が押され、コイン返却要求信号が発生したならば、これに対応して、ICコイン保留部3に保留されたICコイン1の1つを図10に示すように、ICコイン一時停止部5に排出し、残高の情報を書き込んでICコイン排出口4から利用者に返却する。
【0088】
図10は、ICコイン保留回転盤3eが、保持部3cに保持されたICコイン1を保持部3cの回動軌道上に設けられたガイドローラ3gに当接させて保持部3cからICコイン一時停止部5へと押し出している状態を示す説明図である。この状態でICコイン一時停止部5に留め置かれたICコイン1に、コインの価値の残高に係る情報が書き込まれ、この残高の情報が書き込まれたICコイン1は、図6のようにICコイン排出口4から利用者に返却される。
【0089】
このように、遊技媒体貸出機20によりICコイン1または紙幣が、貨幣の代用として遊技媒体であるメダルと交換される。そして、このメダルを遊技媒体貸出機20に隣接する図略の遊技機に投入することにより利用者はスロットマシンなどの遊技を行うことができるようになる。
【0090】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る遊技媒体貸出機20によれば、ICコイン保留回転盤3eの外方に位置するICコイン一時停止部5に臨む位置にICコインリーダーライター部7が設けられているので、受け入れたICコイン1の情報を読み込むのにも、返却するICコイン1に対して情報を書き込むのにも、従来技術のようにICコイン保留回転盤3eを回動させてICコイン1をICコインリーダーライター部7に移動させる必要がない。その結果、ICコイン保留回転盤3eを回動させることなく、ICコイン1の受け入れと、ICコイン1に対する情報の読み書きと、ICコイン1の返却とを行うことができる。
【0091】
また、ICコイン保留回転盤3eに保留されるICコイン1は、すべて同じように情報の書き込み前のICコイン1として区別することなく扱うことができる。
【0092】
また、この遊技媒体貸出機20によれば、保持部3cの間の仕切り部3dの外周側端部3fでICコイン1の保持部3cへの導入を規制するという簡単な構成でICコイン1をICコイン一時停止部5に留め置くことができるだけでなく、この留め置き姿勢からICコイン保留回転盤3eが回動して導入姿勢に変位するという簡単な構成で、ICコイン一時停止部5から保持部3cにICコイン1を導入することができる。
【0093】
また、保持部3cに保持されているICコイン1は、ICコイン保留回転盤3eが回動して、ICコイン保留回転盤3eの回動軌道上に設けられたガイドローラ3gに当接させるという簡単な構成でICコイン一時停止部5へ押し出すことできる。
【0094】
このように、特に複雑な機構を追加しなくとも簡単な構成でICコイン1の導入と排出とを行うことができるので、安価なICコイン処理装置10を実現することができる。
【0095】
また、この遊技媒体貸出機20によれば、通常は、受け入れ口ピン8を退避姿勢にして、ICコイン1を受け入れ可能な状態にするとともに、一旦ICコイン1を受け入れた後は、受け入れ口ピン8を突出姿勢にしてコインの導入を規制することにより、誤って余分のICコイン1を受け入れてしまうことを防止することができるようになる。
【0096】
また、ICコインリーダーライター部7で読み取られたICコイン1が不良ICコイン1bである場合に、リジェクト規制ピン11を退避姿勢にすることにより、一旦ICコイン保留部3に受け入れたこの不良ICコイン1bをリジェクト路9に導いてリジェクトすることができるようになる。
【0097】
また、コインの価値の残高が遊技媒体の払い出しに足る間は、遊技媒体払い出しボタン22において遊技媒体払い出し要求信号が発生する度に、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体払出部21から払い出すように制御部25が制御するので、この遊技媒体貸出機20にICコイン1を一度投入するだけで、残高が遊技媒体の払い出しに足らなくなるまで、必要なだけ遊技媒体の払い出しを受けることができる。
【0098】
また、遊技の終了に際して、コインの価値について残高があった場合、ICコインリーダーライター部7が、この残高の情報をICコイン1に書き込むとともに、この情報を書き込んだICコイン1をICコイン排出口4に排出するので、いつでも遊技を終了して、残高の情報を書き込んだICコイン1を受け取ることができる。また、この残高の情報を書き込んだICコイン1を使用して再び遊技を行うことができるようになる。
【0099】
また、この遊技媒体貸出機20によれば、ICコイン保留部3が満杯になっても、余剰のICコイン1を回収通路12を介してICコイン回収部へ回収するので、ICコイン1を受け入れることが不能な状態に陥ることがない。
【0100】
また、この遊技媒体貸出機20によれば、紙幣受け入れ口31と、紙幣識別装置30とを備えているので、紙幣を受け入れて、この紙幣と交換に遊技媒体を貸し出すことができるようになる結果、わざわざ別に設けられたICコイン発行機まで利用者が移動する必要がない。
【0101】
また、コインの価値の残高が遊技媒体の払い出しに足る間は、遊技媒体払い出しボタン22において遊技媒体払い出し要求信号が発生する度に、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体払出部21から払い出すように制御部25が制御するので、紙幣を一度投入するだけで、残高が遊技媒体の払い出しに足らなくなるまで、必要なだけ遊技媒体の払い出しを受けることができる。
【0102】
また、この遊技媒体貸出機20によれば、精算ボタン23を押してICコイン返却要求信号を発生させることにより、いつでも遊技を終了して残高に係る情報を書き込んだICコイン1をICコイン排出口4から返却することができるようになる。
【0103】
次に、図11〜図21を参照しながら本発明に係るICコイン処理装置の変形例について詳述する。図11は、変形例に係るICコイン処理装置40の構成を示す正面図であり、図12は、図11を右側から見た側面図であり、図13は、図11の背面図である。また、図14は、中間仕切り板44に設けられた挿通孔44aと移送ガイド爪48a、48bとの構成を示す断面図である。なお、ICコイン処理装置10と同様の構成については同じ符号を付し、説明の重複を避けるものとする。
【0104】
図11〜図14に示すように、変形例に係るICコイン処理装置40においては、ICコイン保留部43は、ICコイン処理装置40の中に静止して設けられた平らな中間仕切り板44と、この中間仕切り板44に平行に設けられた第1のICコイン保留回転盤45と、中間仕切り板44を挟んで第1のICコイン保留回転盤45と反対側の中間仕切り板44の面に平行に設けられた第2のICコイン保留回転盤46(図12、図13)とを備えている。そして、第1のICコイン保留回転盤45と第2のICコイン保留回転盤46とは、共通の回動軸45aを介して相互に連結され、モーター47に接続されたプーリー47aによって駆動されて回動する。
【0105】
上記中間仕切り板44は、ICコイン処理装置40の中に静止して設けられ、一方の面から他方の面にICコインを挿通可能な略扇形の挿通孔44aを有する。
【0106】
上記第1のICコイン保留回転盤45は、回動軸45aを中心として回動する円盤部45b、その周縁に沿って配列され、ICコインを保持可能な複数の保持部45cおよび、この保持部45cの間の仕切り部45dを有し、かつ中間仕切り板44との間にICコイン1を保留する。
【0107】
そして、この第1のICコイン保留回転盤45は、その回動軸45aを中心として回動することにより、保持部45cの間の仕切り部45dの外周側端部で、ICコイン1の保持部45cへの導入を規制してICコイン1をICコイン一時停止部5に留め置く留め置き姿勢と、ICコイン一時停止部5から保持部45cにICコイン1を導入する導入姿勢との間で姿勢変更可能になっている。
【0108】
また、回動軸45aを中心として一方(図11において矢印と反対の方向)に回動することにより、保持部45cに保持されたICコイン1を保持部45cの回動軌道上に設けられたガイドローラ3gに当接させて保持部45cからICコイン一時停止部5へと押し出すことができるようになっている。
【0109】
さらに、回動軸45aを中心として他方(図11において矢印の方向)に回動することにより、保持部45cに保持されたICコイン1を中間仕切り板44の挿通孔44aに設けられた一対の移送ガイド爪48a、48bの一方48aに当接させて第1のICコイン保留回転盤45の保持部45cから第2のICコイン保留回転盤46の保持部46cへとICコイン1を移送することができるようになっている。
【0110】
ここで、一対の移送ガイド爪48a、48bは、図14に示すように、中間仕切り板44の挿通孔44aの両側に対向するようにして、かつそれぞれ中間仕切り板44に対して斜めに設けられたICコイン1の案内部材であり、それぞれ、第1、第2のICコイン保留回転盤45、46に離散的に設けられた仕切り部45d、46dと干渉しないように、フォークの爪状になっており、第1、第2のICコイン保留回転盤45、46の回動を妨げないようになっている。
【0111】
上記第2のICコイン保留回転盤46は、図13に示すように、回動軸45aを中心として回動する円盤部46b、その周縁に沿って配列され、中間仕切り板44を通して第1のICコイン保留回転盤45(図11)から供給されたICコイン1を保持可能な複数の保持部46cおよび、この保持部46cの間の仕切り部46dを有し、中間仕切り板44との間にICコイン1を挟んで保留するように構成されている。
【0112】
この第2のICコイン保留回転盤46は、その回動軸45aを中心として一方(図13において矢印の方向)に回動することにより、第1のICコイン保留回転盤45の保持部45cから第2のICコイン保留回転盤46の各保持部46cへと移送されるICコイン1を順次受け入れ可能に設けられており、かつ回動軸45aを中心として他方(図13において矢印と反対の方向)に回動することにより、その保持部46cに保持されたICコイン1を中間仕切り板44の挿通孔44aに設けられた一対の移送ガイド爪48a、48bの他方48bに当接させて第2のICコイン保留回転盤46の保持部46cから第1のICコイン保留回転盤45の保持部45cへとICコイン1を移送することができるようになっている。
【0113】
また、このICコイン処理装置40は、上記ICコイン保留部43が満杯になった状態に対応して、余剰のICコイン1をICコイン保留部43から多数のICコイン1を回収可能な図略のICコイン回収部へ回収する回収通路49を備えている。
【0114】
ここで、図15〜図22を参照して、変形例に係るICコイン処理装置40の作用について順番に説明する。図15〜図22は、ICコイン1の受け入れから回収通路49への放出までの一連の状態を示す説明図であり、(a)は、ICコイン処理装置40を第1のICコイン保留回転盤45から見た正面図、(b)は、ICコイン処理装置40を第2のICコイン保留回転盤46から見た背面図をそれぞれ示している。
【0115】
図15は、第1のICコイン保留回転盤45がNo.1〜3のICコイン1を保留し、ICコイン一時停止部5がNo.4のICコイン1を留め置いた状態を示している。また、第2のICコイン保留回転盤46はICコイン1を保留しない空の状態になっている。
【0116】
次に図16は、図15の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤45、46が回動し、移送ガイド爪48aが、No.1のICコイン1を第1のICコイン保留回転盤45から第2のICコイン保留回転盤46へと案内している状態を示している。また、第1のICコイン保留回転盤45がNo.2〜4のICコイン1を保留した状態になっている。
【0117】
図17は、図16の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤45、46が回動し、第1のICコイン保留回転盤45がNo.2〜4のICコイン1を保留し、ICコイン一時停止部5がNo.5のICコイン1を留め置いた状態を示している。また、第2のICコイン保留回転盤46がNo.1のICコイン1を保留した状態になっている。
【0118】
図18は、図17の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤45、46が回動し、移送ガイド爪48aが、No.2のICコイン1をNo.1のICコイン1を第1のICコイン保留回転盤45から第2のICコイン保留回転盤46へと案内している状態を示している。また、第1のICコイン保留回転盤45がNo.3〜5のICコイン1を保留し、第2のICコイン保留回転盤46がNo.1のICコイン1を保留した状態になっている。
【0119】
図19は、図18の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤45、46が回動し、第1のICコイン保留回転盤45がNo.3〜5のICコイン1を保留し、ICコイン一時停止部5がNo.6のICコイン1を留め置いた状態を示している。また、第2のICコイン保留回転盤46がNo.1〜2のICコイン1を保留した状態になっている。
【0120】
図20は、図19の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤45、46が回動し、移送ガイド爪48aがNo.3のICコイン1をNo.1のICコイン1を第1のICコイン保留回転盤45から第2のICコイン保留回転盤46へと案内している状態を示している。また、第1のICコイン保留回転盤45がNo.4〜6のICコイン1を保留し、第2のICコイン保留回転盤46がNo.1〜2のICコイン1を保留した状態になっている。
【0121】
図21は、図20の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤45、46が回動し、第1のICコイン保留回転盤45がNo.4〜6のICコイン1を保留し、ICコイン一時停止部5がNo.7のICコイン1を留め置いた状態を示している。また、第2のICコイン保留回転盤46がNo.1〜3のICコイン1を保留した状態になっている。
【0122】
図22は、図21の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤45、46が回動し、移送ガイド爪48aがNo.4のICコイン1を第1のICコイン保留回転盤45から第2のICコイン保留回転盤46へと案内している状態を示している。また、第1のICコイン保留回転盤45がNo.5〜7のICコイン1を保留し、第2のICコイン保留回転盤46がNo.2〜3のICコイン1を保留した状態になっている。また、No.1のICコイン1は、ICコイン保留部43が満杯になった状態に対応して、余剰のICコインとしてICコイン回収部へ回収する回収通路49に放出されている。
【0123】
このように、ICコイン1の受け入れから回収通路49への放出までの一連の状態は、図15から図21まで順に辿ることにより理解することができる。この時、第1のICコイン保留回転盤45と第2のICコイン保留回転盤46とは、図中の矢印の方向に回動し、一方の移送ガイド爪48aがICコイン1を第1のICコイン保留回転盤45から第2のICコイン保留回転盤46へと案内する。
【0124】
なお、ICコイン1の排出に係る一連の状態は、図20から図15まで逆に辿ることにより理解することができる。この時、第1のICコイン保留回転盤45と第2のICコイン保留回転盤46とは、図中の矢印と反対の方向に回動し、他方の移送ガイド爪48bがICコイン1を第2のICコイン保留回転盤46から第1のICコイン保留回転盤45へと案内する。
【0125】
以上説明したように、変形例に係るICコイン処理装置40によれば、第1のICコイン保留回転盤45と第2のICコイン保留回転盤46が回動することにより、ICコイン1が第1のICコイン保留回転盤45の保持部45cから中間仕切り板44の挿通孔44aを通して第2のICコイン保留回転盤46の各保持部46cへと順次移送されるので、同じ数量のICコイン保留量であってもICコイン保留回転盤45、46の径を小さく設計することが可能になる結果、奥行きの狭いスペースにも配置することができるICコイン処理装置40を実現することが可能になる。
【0126】
また、このような構成により、ICコイン保留部43が満杯になっても、余剰のICコイン1を回収通路49を介して図略のICコイン回収部へ回収するので、ICコイン1を受け入れることが不能な状態に陥ることがない。
【0127】
上述した実施の形態は本発明の好ましい具体例を例示したものに過ぎず、本発明は上述した実施の形態に限定されない。
【0128】
例えば、本発明の実施の形態に係る遊技媒体貸出機20は、スロットマシンなどの遊技機に併設されるものに限らない。パチンコ、その他ゲームセンターの遊技機に併設することが可能である。
【0129】
また、ICコイン処理装置10、40は、遊技の終了に際して、コインの価値について残高がない場合、本実施形態では、ICコイン1を排出せずにICコイン保留部3に保留するように構成されているが、必ずしもこのような構成に限定されず、コインの価値について残高がない場合でも、残高0のICコイン1を返却するように構成してもよい。
【0130】
また、本実施形態においては、ICコイン1は、遊技媒体としてのメダルと交換されるようになっているが、遊技媒体の構成は本発明を限定するものではなく、ボール、チップ、その他どのような遊技媒体も採用可能である。
【0131】
本実施形態においては、ICコイン保留部3、43は、釣銭の代替品として残高の情報を書き込み可能なICコイン1をICコイン処理装置10内にあらかじめ保留することができるようになっているが、紙幣を受け入れた場合、ICコイン1の代わりに現金で釣銭を返却するように構成することも可能である。
【0132】
また、本実施形態においては、紙幣の真偽と金種判定を光学センサーや磁気センサー等の識別センサーからの情報によって識別することができる紙幣識別装置30を備えているが、紙幣識別装置30は必ずしも必須でなく、ICコイン1だけを受け入れるように構成してもよい。
【0133】
また、ICコイン処理装置10、40においては、ICコイン保留部3、43は、ICコイン保留回転盤3e、45、46を備えていたが、このICコイン保留回転盤3e、45、46を省略してさらに小型化を図ることもできる。
【0134】
すなわち、図示しないが、ICコイン保留部は、1つのICコインを保持可能な保持部と、このICコイン1の保持部への導入を規制してICコイン1をICコイン一時停止部に留め置く留め置き姿勢と、ICコイン一時停止部から保持部にICコインを導入する導入姿勢との間で姿勢変更可能な保持部受け入れ手段と、保持部に保持されたICコインを保持部からICコイン一時停止部へと押し出し可能に設けられている保持部押し出し手段とを備えているように構成することも可能である。
【0135】
このようにすれば、1つのICコイン1を保持可能な保持部のスペースがあるだけでよいので、ICコイン保留回転盤3e、45、46など、複数のICコイン1を保持するための機構が不要となり、より小型で安価なICコイン処理装置を実現することができるようになる。
【0136】
その他、本発明の特許請求の範囲内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の実施の形態に係る遊技媒体貸出機の構成を示す斜視図である。
【図2】遊技媒体貸出機の制御の構成を示すブロック図である。
【図3】遊技媒体貸出機に設けられるICコイン処理装置の構成を示す斜視図である。
【図4】図3の背面図である。
【図5】ICコイン受け入れ口から受け入れられたICコインがICコイン一時停止部に留め置かれている状態を示す説明図である。
【図6】排出規制手段が、ICコインの排出を許容する退避状態に切り替わり、ICコインをICコイン排出口から排出して利用者に返却する状態を示す説明図である。
【図7】ICコインが、ICコイン一時停止部から保持部に回収される状態を示す説明図である。
【図8】ICコイン保留部が満杯になった状態に対応して、余剰のICコインをオーバーフローさせた状態を示す説明図である。
【図9】ICコイン保留部からリジェクト路に不良ICコインをリジェクトしている状態を示す説明図である。
【図10】保持部に保持されたICコインを保持部の回動軌道上に設けられたガイドローラに当接させて保持部からICコイン一時停止部へと押し出している状態を示す説明図である。
【図11】変形例に係るICコイン処理装置の構成を示す正面図である。
【図12】図11を右側から見た側面図である。
【図13】図11の背面図である。
【図14】中間仕切り板に設けられた挿通孔と移送ガイド爪との構成を示す断面図である。
【図15】第1のICコイン保留回転盤がNo.1〜3のICコインを保留し、ICコイン一時停止部がNo.4のICコインを留め置いた状態を示す説明図である。
【図16】図15の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤が回動し、移送ガイド爪が、No.1のICコインを第1のICコイン保留回転盤から第2のICコイン保留回転盤へと案内している状態を示す説明図である。
【図17】図16の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤が回動し、第1のICコイン保留回転盤がNo.2〜4のICコインを保留し、ICコイン一時停止部がNo.5のICコインを留め置いた状態を示す説明図である。
【図18】図17の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤が回動し、移送ガイド爪が、No.2のICコインをNo.1のICコインを第1のICコイン保留回転盤から第2のICコイン保留回転盤へと案内している状態を示す説明図である。
【図19】図18の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤が回動し、第1のICコイン保留回転盤がNo.3〜5のICコインを保留し、ICコイン一時停止部がNo.6のICコインを留め置いた状態を示す説明図である。
【図20】図19の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤が回動し、移送ガイド爪がNo.3のICコインをNo.1のICコインを第1のICコイン保留回転盤から第2のICコイン保留回転盤へと案内している状態を示す説明図である。
【図21】図20の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤が回動し、第1のICコイン保留回転盤がNo.4〜6のICコインを保留し、ICコイン一時停止部がNo.7のICコインを留め置いた状態を示す説明図である。
【図22】図21の状態から図中の矢印の方向にICコイン保留回転盤が回動し、移送ガイド爪がNo.4のICコインを第1のICコイン保留回転盤から第2のICコイン保留回転盤へと案内している状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0138】
1 ICコイン
1b 不良ICコイン
2 ICコイン受け入れ口
2a ICコイン導入路
3 ICコイン保留部
3a 回動軸45a
3b 円盤部45b
3c 保持部45c
3d 仕切り部45d
3e ICコイン保留回転盤
3f 外周側端部
3g ガイドローラ
4 ICコイン排出口
4a ICコイン排出路
5 ICコイン一時停止部
6 排出規制手段
7 ICコインリーダーライター部
8 受け入れ口ピン
9 リジェクト路
10、40 ICコイン処理装置
11 リジェクト規制ピン
12 回収通路
21 遊技媒体払出部
22 遊技媒体払い出しボタン
23 精算ボタン
25 制御部
26 記憶部
30 紙幣識別装置
31 紙幣受け入れ口
43 変形例に係るICコイン処理装置のICコイン保留部
44 中間仕切り板
44a 挿通孔
45 第1のICコイン保留回転盤
45a 第1のICコイン保留回転盤の回動軸
45b 第1のICコイン保留回転盤の円盤部
45c 第1のICコイン保留回転盤の保持部
45d 第1のICコイン保留回転盤の仕切り部
46 第2のICコイン保留回転盤
46b 第2のICコイン保留回転盤の円盤部
46c 第2のICコイン保留回転盤の保持部
46d 第2のICコイン保留回転盤の仕切り部
48a、48b 移送ガイド爪
49 変形例に係るICコイン処理装置の回収通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICコインに情報を読み書き可能なICコイン処理装置であって、
ICコインを受け入れるICコイン受け入れ口と、
このICコイン受け入れ口から受け入れたICコインを一時保留可能なICコイン保留部と、
このICコイン保留部からICコインを排出するICコイン排出口と、
ICコイン保留部の外方に位置してICコイン受け入れ口からこのICコイン保留部へのICコイン導入路と、ICコイン保留部からICコイン排出口へのICコイン排出路に通じるICコイン一時停止部と、
このICコイン一時停止部にICコインを留め置く姿勢と、ICコイン一時停止部からICコイン排出路へICコインの排出を許容する状態とに切り替え可能な排出規制手段と、
このICコイン一時停止部に臨む位置に設けられ、排出規制手段によりICコイン一時停止部に留め置かれたICコインに情報を読み書き可能なICコインリーダーライター部と、
を備え、
このICコインリーダーライター部は、ICコイン受け入れ口から受け入れられ、ICコイン一時停止部に留め置かれたICコインからICコインに記憶された情報を読み込み可能で、かつICコイン一時停止部に留め置かれたICコインに、情報を書き込み可能であることを特徴とするICコイン処理装置。
【請求項2】
上記ICコイン保留部が満杯になった状態に対応して、余剰のICコインをICコイン保留部から多数のICコインを回収可能なICコイン回収部へ回収する回収通路を備えたことを特徴とする請求項1に記載のICコイン処理装置。
【請求項3】
上記ICコイン保留部は、
ICコイン処理装置の中に設けられた平らな静止版と、
この静止板に平行に設けられ、回動軸を中心として回動する円盤部、その周縁に沿って配列され、ICコインを保持可能な複数の保持部および、この保持部の間の仕切り部を有し、かつ静止板との間にICコインを保留するICコイン保留回転盤とを備え、
上記ICコイン保留回転盤は、回動軸を中心として回動することにより、保持部の間の仕切り部の外周側端部で、ICコインの保持部への導入を規制してICコインをICコイン一時停止部に留め置く留め置き姿勢と、ICコイン一時停止部から保持部にICコインを導入する導入姿勢との間で姿勢変更可能に設けられており、
かつ回動軸を中心として回動することにより、保持部に保持されたICコインを保持部の回動軌道上に設けられたガイドローラに当接させて保持部からICコイン一時停止部へと押し出し可能に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のICコイン処理装置。
【請求項4】
上記ICコイン保留部は、
ICコイン処理装置の中に静止して設けられ、一方の面から他方の面にICコインを挿通可能な挿通孔を有する平らな中間仕切り板と、
この中間仕切り板に平行に設けられ、回動軸を中心として回動する円盤部、その周縁に沿って配列され、ICコインを保持可能な複数の保持部および、この保持部の間の仕切り部を有し、かつ中間仕切り板との間にICコインを保留する第1のICコイン保留回転盤と、
中間仕切り板を挟んで第1のICコイン保留回転盤と反対側の中間仕切り板の面に平行に設けられ、回動軸を中心として回動する円盤部、その周縁に沿って配列され、中間仕切り板を通して第1のICコイン保留回転盤から供給されたICコインを保持可能な複数の保持部および、この保持部の間の仕切り部を有し、かつ上記中間仕切り板との間にICコインを挟んで保留する第2のICコイン保留回転盤と、
を備え、
上記第1のICコイン保留回転盤は、その回動軸を中心として回動することにより、保持部の間の仕切り部の外周側端部で、ICコインの保持部への導入を規制してICコインをICコイン一時停止部に留め置く留め置き姿勢と、ICコイン一時停止部から保持部にICコインを導入する導入姿勢との間で姿勢変更可能に設けられており、
かつ回動軸を中心として一方に回動することにより、保持部に保持されたICコインを保持部の回動軌道上に設けられたガイドローラに当接させて保持部からICコイン一時停止部へと押し出し可能に設けられており、
かつ回動軸を中心として他方に回動することにより、保持部に保持されたICコインを中間仕切り板の挿通孔に設けられた一対の移送ガイド爪の一方に当接させて第1のICコイン保留回転盤の保持部から第2のICコイン保留回転盤の保持部へとICコインを移送可能に設けられており、
上記第2のICコイン保留回転盤は、その回動軸を中心として一方に回動することにより、第1のICコイン保留回転盤の保持部から第2のICコイン保留回転盤の各保持部へと移送されるICコインを順次受け入れ可能に設けられており、
かつ回動軸を中心として他方に回動することにより、その保持部に保持されたICコインを中間仕切り板の挿通孔に設けられた一対の移送ガイド爪の他方に当接させて第2のICコイン保留回転盤の保持部から第1のICコイン保留回転盤の保持部へとICコインを移送可能に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のICコイン処理装置。
【請求項5】
上記ICコイン保留部は、1つのICコインを保持可能な保持部と、
このICコインの保持部への導入を規制してICコインをICコイン一時停止部に留め置く留め置き姿勢と、ICコイン一時停止部から保持部にICコインを導入する導入姿勢との間で姿勢変更可能な保持部受け入れ手段と、
保持部に保持されたICコインを保持部からICコイン一時停止部へと押し出し可能に設けられている保持部押し出し手段とを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のICコイン処理装置。
【請求項6】
ICコイン受け入れ口からICコインリーダーライター部へのコインの導入を規制する突出姿勢と、ICコイン受け入れ口からICコインリーダーライター部へICコインを導入する退避姿勢との間で姿勢変更可能な受け入れ口ピンを備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のICコイン処理装置。
【請求項7】
ICコインリーダーライター部で読み取られたICコインが不良ICコインである場合に、この不良ICコインを、一旦受け入れたICコイン保留部からICコインリジェクト口へ導くリジェクト路と、
ICコイン保留部からリジェクト路に不良ICコインをリジェクトする退避姿勢と、ICコイン保留部に不良ICコインを留め置く突出姿勢との間で姿勢変更可能なリジェクト規制ピンと、
を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のICコイン処理装置。
【請求項8】
ICコインと交換に遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機であって、
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のICコイン処理装置と、
遊技媒体を払い出す遊技媒体払出部と、
少なくともこれらICコイン処理装置と、遊技媒体払出部とを制御する制御部と、
この制御部の制御に係る情報を記憶する記憶部と、
遊技媒体払出部が遊技媒体を1バッチ分だけ払い出すように要求する遊技媒体払い出し要求信号を制御部に対して発生させる遊技媒体払い出しボタンと、
を備え、
上記制御部は、ICコイン処理装置のICコインリーダーライター部において読み込んだICコインに記憶されたコインの価値に係る情報を、記憶部に記憶させるとともに、遊技媒体払い出しボタンにおける遊技媒体払い出し要求信号の発生に対応して、そのつど記憶部に記憶されたコインの価値に係る情報を確認し、このコインの価値の残高が遊技媒体の払い出しに足る間は、遊技媒体払い出しボタンにおいて遊技媒体払い出し要求信号が発生する度に、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体払出部から払い出し、かつ記憶部に記憶されたコインの価値の残高を払い出した遊技媒体の価額に相当する分だけ減額するように制御するものであり、
遊技の終了に際して、このコインの価値の残高の情報をICコインリーダーライター部においてICコインに書き込むとともに、このコインの価値の残高の情報が書き込まれたICコインをICコイン排出口に排出することを特徴とする遊技媒体貸出機。
【請求項9】
遊技の終了に際して、コインの価値について残高がない場合、ICコインを排出せずにICコイン保留部に保留することを特徴とする請求項8に記載の遊技媒体貸出機。
【請求項10】
紙幣を受け入れる紙幣受け入れ口を有して受け入れた紙幣を識別可能な紙幣識別装置を備え、
上記ICコイン保留部は、コインの価値に係る情報を書き込み可能なICコインをあらかじめ少なくとも1個保留可能であり、
上記制御部は、紙幣識別装置における紙幣の受け入れに対応して、識別した紙幣の価値に係る情報を、記憶部に記憶するとともに、遊技媒体払い出しボタンにおける遊技媒体払い出し要求信号の発生に対応して、記憶部に記憶された価値に係る情報を確認するとともに、この価値の残高が遊技媒体の払い出しに足る間は、遊技媒体払い出しボタンにおいて遊技媒体払い出し要求信号が発生する度に、所定枚数の遊技媒体を遊技媒体払出部から払い出し、かつ記憶部に記憶された価値の残高を払い出した遊技媒体の価額に相当する分だけ減額するように制御するものであり、
遊技の終了に際してICコイン保留部に保留されたICコインの1つをICコインリーダーライター部に排出するとともに、記憶部に記憶された価値の残高の情報をICコインに書き込んでICコイン排出口に返却することを特徴とする請求項8または請求項9のいずれかに記載の遊技媒体貸出機。
【請求項11】
遊技を終了してICコインの返却を要求するICコイン返却要求信号を発生させる精算ボタンを備え、
上記制御部は、この精算ボタンにおけるコイン返却要求信号の発生に対応して、ICコインリーダーライター部が、コインの価値に係る情報をICコインに書き込むとともに、この情報が書き込まれたICコインをICコイン排出口から返却するように制御するものであることを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれかに記載の遊技媒体貸出機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2006−48662(P2006−48662A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−192706(P2005−192706)
【出願日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(000230858)日本金銭機械株式会社 (43)
【Fターム(参考)】