説明

IP端末装置及びIP端末装置の映像モニタ方法

【課題】相手先SIP電話機との通話中に、第三者による不正アクセスを確実に防止しながら、相手先SIP電話機側で通話相手先のネットワークカメラの映像をモニタできるようにした。
【解決手段】ネットワークカメラ4AとLAN接続すると共に、WAN3との通信インタフェースを司るルータ機能を備えたSIP電話機5Aであって、WANを通じて相手先SIP電話機5Bとの通話を確立するSIP呼制御部16と、ネットワークカメラにて撮像した映像をモニタするための接続ポート20を開閉制御するhttpポートインタフェース部21とを有し、httpポートインタフェース部21は、相手先SIP電話機5Bとの通話確立から通話終了までの間に限定して、接続ポートを閉塞状態から開放状態への開閉制御を可能とし、この開放状態の接続ポートを通じて、ネットワークカメラにて撮像した映像を相手先SIP電話機5B側でモニタ可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークカメラとLAN接続し、同ネットワークカメラにて撮像した映像をモニタ可能にしたSIP電話機等のIP端末装置及びIP端末装置の映像モニタ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークカメラの普及に伴って、宅外からインターネット経由で宅内LANに接続されたネットワークカメラの映像をモニタすることができるシステムが広く知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1のシステムによれば、インターネット経由で、複数のパソコンからネットワークカメラを接続したカメラサーバにアクセスし、各パソコンでネットワークカメラにて撮像した映像を共同でモニタすることができるものである。
【0004】
しかしながら、特許文献1のシステムによれば、ネットワークカメラが宅内LANに接続したネットワークカメラの場合、インターネット経由で外部のパソコンから同ネットワークカメラへアクセスする際、宅内LANのルータの外部アクセスポートを常時開放状態にしておく必要があるため、セキュリティ上の問題があった。
【0005】
そこで、このようなセキュリティ上の問題を解決すべく、外部から宅内のネットワークカメラへアクセスするためにパスワードを予め設定しておき、外部、例えば警備会社等の第三者に対して同ネットワークカメラへのアクセスを許可する場合、パスワードを一時的に変更し、この変更したパスワードを第三者に通知するシステムが広く知られている(例えば特許文献2参照)。
【0006】
この特許文献2のシステムによれば、第三者に対して同ネットワークカメラへのアクセスを許可する場合、同アクセスを許可するパスワードを一時的に変更し、この変更したパスワードを第三者に通知し、第三者が同パスワードを使用してネットワークカメラへアクセスしてネットワークカメラの映像を取得し、このネットワークカメラの映像取得後は元のパスワードに戻すようにしたので、先に取得したパスワードを使用して第三者によるネットワークカメラへの不正アクセスを防止することができる。
【0007】
また、近年では、地域の防犯対策として、このようなネットワークカメラを使用し、例えば近隣の知人のパソコンから同ネットワークカメラで撮像した映像を閲覧できる防犯システムが広く普及されつつある。
【特許文献1】特開2003−256947号公報(要約書及び図1参照)
【特許文献2】特開2003−134501号公報(要約書及び図1参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2のシステムによれば、例えば宅内LAN内のネットワークカメラへ第三者による不正アクセスを防止するために、同ネットワークカメラへのアクセスを許可するパスワードを一時的に変更して第三者に通知すると共に、第三者が同パスワードを使用してネットワークカメラへアクセスして映像を取得し、このネットワークカメラの映像取得後は元のパスワードに戻すことで、先に取得したパスワードを使用した第三者による不正アクセスを防止するようにしたが、第三者によるネットワークカメラへのアクセスを許可する度に、同アクセスを許可するパスワードを変更し、映像取得後、同パスワードを元に戻すといった複雑な処理負担を要する。
【0009】
また、このようなネットワークカメラを使用した防犯システムとしては、ネットワークカメラで撮像した映像を近隣の知人にリアルタイムに見せたい場合、電話で近隣の知人に連絡し、同ネットワークカメラのアドレス情報を口頭で伝達し、パソコンを使用して、同アドレス情報に基づき同ネットワークカメラへアクセスして同ネットワークカメラの映像を閲覧できるようにしたが、ネットワークカメラの映像を取得するまでには多大な時間を要する。
【0010】
本発明は上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、相手先端末装置との通話中に、第三者による不正アクセスを確実に防止しながら、複雑な処理を要することなく、簡単にネットワークカメラの映像を相手先端末装置側でモニタすることが可能となるIP端末装置及びIP端末装置の映像モニタ方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明のIP端末装置は、ネットワークカメラとLAN接続すると共に、外部ネットワークとの通信インタフェースを司るルータ機能を備えたIP端末装置であって、前記外部ネットワークを通じて相手先端末装置との通話を確立する呼制御手段と、前記ネットワークカメラにて撮像した映像をモニタするための接続ポートを開閉制御するポート制御手段とを有し、前記ポート制御手段は、前記呼制御手段による前記相手先端末装置との通話確立から通話終了までの間に限定して、前記接続ポートを閉塞状態から開放状態への開閉制御を可能とするようにした。
【0012】
また、上記目的を達成するために本発明のIP端末装置の映像モニタ方法は、ネットワークカメラとLAN接続すると共に、外部ネットワークとの通信インタフェースを司るルータ機能を備えたIP端末装置の映像モニタ方法であって、前記外部ネットワークを通じて相手先端末装置との通話を確立する呼制御ステップと、この呼制御ステップにて前記相手先端末装置との通話を確立すると、前記ネットワークカメラにて撮像した映像をモニタするための接続ポートを開放可能とし、前記相手先端末装置との通話を切断すると、前記接続ポートを閉塞するポート制御ステップとを有するようにした。
【発明の効果】
【0013】
上記のように構成された本発明のIP端末装置によれば、相手先端末装置との通話確立から通話終了までの間に限定して、接続ポートを閉塞状態から開放状態への開閉制御を可能とし、所定のトリガにより接続ポートが開放状態になると、相手先端末装置が開放状態の接続ポートを通じてネットワークカメラにて撮像した映像をモニタ可能にしたので、例えばネットワークカメラへのアクセスを許可する前提となる接続ポートを開放する条件を通話中の通話相手先に限定することで第三者によるネットワークカメラへの不正アクセスを確実に防止すると共に、複雑な処理を要することなく、簡単にネットワークカメラの映像を相手先端末装置側でモニタすることが可能となる。
【0014】
また、上記のように構成された本発明のIP端末装置の映像モニタ方法によれば、相手先端末装置との通話を確立すると、ネットワークカメラにて撮像した映像をモニタするための接続ポートを開放可能とし、相手先端末装置との通話を切断すると、前記接続ポートを閉塞するようにしたので、例えばネットワークカメラへのアクセスを許可する前提となる接続ポートを開放する条件を通話中の通話相手先に限定することで第三者によるネットワークカメラへの不正アクセスを確実に防止すると共に、複雑な処理を要することなく、簡単にネットワークカメラの映像を相手先端末装置側でモニタすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本願請求項1記載のIP端末装置は、ネットワークカメラとLAN接続すると共に、外部ネットワークとの通信インタフェースを司るルータ機能を備えたIP端末装置であって、前記外部ネットワークを通じて相手先端末装置との通話を確立する呼制御手段と、前記ネットワークカメラにて撮像した映像をモニタするための接続ポートを開閉制御するポート制御手段とを有し、前記ポート制御手段は、前記呼制御手段による前記相手先端末装置との通話確立から通話終了までの間に限定して、前記接続ポートを閉塞状態から開放状態への開閉制御を可能とするようにした。
【0016】
従って、本願請求項1記載のIP端末装置によれば、前記相手先端末装置との通話確立から通話終了までの間に限定して、前記接続ポートを閉塞状態から開放状態への開閉制御を可能とし、前記相手先端末装置が開放状態の接続ポートを通じてネットワークカメラにて撮像した映像をモニタ可能にしたので、例えばネットワークカメラへのアクセスを許可する前提となる接続ポートを開放する条件を通話中の通話相手先に限定することで第三者によるネットワークカメラへの不正アクセスを確実に防止すると共に、複雑な処理を要することなく、簡単にネットワークカメラの映像を相手先端末装置側でモニタすることが可能となる。
【0017】
また、本願請求項2記載のIP端末装置は、本願請求項1記載の構成において、前記ポート制御手段は、前記呼制御手段により前記相手先端末装置との通話が確立されると、前記接続ポートを閉塞状態から開放状態に開閉制御するようにした。
【0018】
従って、本願請求項2記載のIP端末装置によれば、本願請求項1記載の効果に加えて、前記相手先端末装置との通話が確立されると、前記接続ポートを閉塞状態から開放状態に開閉制御するようにしたので、複雑な処理を要することなく、簡単にネットワークカメラの映像を相手先端末装置側でモニタすることが可能となる。
【0019】
また、本願請求項3記載のIP端末装置は、本願請求項1記載の構成において、前記相手先端末装置に対して、前記ネットワークカメラにて撮像した映像のモニタを許可するモニタ許可手段を有し、前記ポート制御手段は、前記相手先端末装置との前記通話確立から前記通話終了までの間に、前記モニタ許可手段にて前記モニタを許可すると、前記接続ポートを前記閉塞状態から前記開放状態に開閉制御し、前記ネットワークカメラにて撮像した映像を前記相手先端末装置側でモニタ可能にした。
【0020】
従って、本願請求項3記載のIP端末装置によれば、本願請求項1記載の効果に加えて、前記相手先端末装置との前記通話確立から前記通話終了までの間に、前記モニタ許可手段にて前記モニタを許可すると、前記接続ポートを前記閉塞状態から前記開放状態に開閉制御し、前記ネットワークカメラにて撮像した映像を前記相手先端末装置側でモニタ可能にしたので、複雑な処理を要することなく、簡単にネットワークカメラの映像を相手先端末装置側でモニタすることができると共に、モニタ許可手段を備えることで、通話相手によるネットワークカメラへの不正アクセスを確実に防止することでセキュリティの強化を図ることができる。
【0021】
また、本願請求項4記載のIP端末装置は、本願請求項1,2又は3記載の構成において、前記ネットワークカメラにて撮像した映像を表示する映像表示手段と、所定信号に応じて、前記映像表示手段を起動する起動手段とを有するようにした。
【0022】
従って、本願請求項4記載のIP端末装置によれば、本願請求項1、2又は3記載の効果に加えて、所定信号に応じて映像表示手段を起動するようにしたので、IP端末装置側のユーザは、前記映像表示手段を通じてネットワークカメラにて撮像した映像を確認することができる。
【0023】
また、本願請求項5記載のIP端末装置は、本願請求項1,2,3又は4記載の構成において、前記ポート制御手段は、前記相手先端末装置からのみ、前記接続ポートへのアクセスを許可する認証手段を有するようにした。
【0024】
従って、本願請求項5記載のIP端末装置によれば、本願請求項1,2,3又は4記載の効果に加えて、前記相手先端末装置からのみ、前記接続ポートへのアクセスを許可する認証手段を前記ポート制御手段に設けるようにしたので、第三者によるネットワークカメラへの不正アクセスを確実に防止することができる。
【0025】
また、本願請求項6記載のIP端末装置の映像モニタ方法は、ネットワークカメラとLAN接続すると共に、外部ネットワークとの通信インタフェースを司るルータ機能を備えたIP端末装置の映像モニタ方法であって、前記外部ネットワークを通じて相手先端末装置との通話を確立する呼制御ステップと、この呼制御ステップにて前記相手先端末装置との通話を確立すると、前記ネットワークカメラにて撮像した映像をモニタするための接続ポートを開放可能とし、前記相手先端末装置との通話を切断すると、前記接続ポートを閉塞するポート制御ステップとを有するようにした。
【0026】
従って、本願請求項6記載のIP端末装置の映像モニタ方法によれば、前記相手先端末装置との通話を確立すると、前記ネットワークカメラにて撮像した映像をモニタするための接続ポートを開放可能とし、前記相手先端末装置との通話を切断すると、前記接続ポートを閉塞するようにしたので、例えばネットワークカメラへのアクセスを許可する前提となる接続ポートを開放する条件を通話中の通話相手先に限定することで第三者によるネットワークカメラへの不正アクセスを確実に防止すると共に、複雑な処理を要することなく、簡単にネットワークカメラの映像を相手先端末装置側でモニタすることが可能となる。
【0027】
(実施の形態)
以下、図面に基づいて本発明のIP端末装置に関わる映像モニタシステムについて説明する。図1は本実施の形態を示す映像モニタシステム内部の概略構成を示すブロック図である。
【0028】
図1に示す映像モニタシステム1は、宅内LAN2Aと、相手先宅内LAN2Bと、これら宅内LAN2A,2B同士を通信接続する、例えばインターネット等のWAN3とを有し、宅内LAN2Aは、例えば庭先に配置し、不審者等の被写体を撮像して映像を出力するネットワークカメラ4Aと、このネットワークカメラ4AとLAN接続すると共に、WAN3との通信インタフェースを司るルータ機能を備えたSIP電話機5Aとを有している。
【0029】
また、相手先宅内LAN2Bは、同様に相手先ネットワークカメラ4Bと、この相手先ネットワークカメラ4BとLAN接続すると共に、WAN3との通信インタフェースを司るルータ機能を備えた相手先SIP電話機5Bとを有している。
【0030】
また、WAN3は、例えば宅内LAN2A内のSIP電話機5A及び相手先宅内LAN2B内の相手先SIP電話機5BのグローバルIPアドレスを管理すると共に、SIP電話機5A及び相手先SIP電話機5B間のSIP制御を司るSIPサーバ6を有している。
【0031】
図2は本実施の形態に関わるSIP電話機5A内部の概略構成を示すブロック図である。尚、相手先SIP電話機5Bの内部構成は、SIP電話機5Aの内部構成とほぼ同一の構成であることから同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
【0032】
図2に示すSIP電話機5Aは、WAN3との通信インタフェースを司るWANインタフェース部11と、宅内LAN2Aとの通信インタフェースを司るLANインタフェース部12と、ダイヤル番号を入力するダイヤル部13と、相手先との通話に使用するハンドセット等の音声入出力部14と、様々な情報を表示する映像表示部15と、WANインタフェース部11を通じてSIP呼制御を司るSIP呼制御部16と、WANインタフェース部11を通じて相手先との音声通信を実行する音声通信部17と、WANインタフェース部11又はLANインタフェース部12を通じて映像通信を実行する映像通信部18と、宅内LAN2A内のネットワークカメラ4Aに関わるカメラ情報等を登録管理するカメラ登録部19と、WANインタフェース部11を通じて宅内LAN2Aへのアクセスを許可又は禁止すべく、WAN−LAN間でhttpプロトコルのパケットを転送する接続ポート20を開閉制御するhttpポートインタフェース部21とを有している。
【0033】
カメラ登録部19は、宅内LAN2A内のネットワークカメラ4Aの電源投入に伴うIPアドレス割当要求を受信すると、このIPアドレス割当要求に応じて、同ネットワークカメラ4Aに割り当てるIPアドレスを取得するDHCPサーバ機能19Aを備え、このDHCPサーバ機能19Aにて同ネットワークカメラ4Aに割り当てるIPアドレスを取得すると、このIPアドレス及び接続ポート20のポート番号を含むIPアドレス割当通知をネットワークカメラ4Aに通知するものである。
【0034】
ネットワークカメラ4Aでは、IPアドレス割当要求に応じてIPアドレス割当通知を受信すると、このIPアドレス割当通知に含まれるIPアドレス及び接続ポート20のポート番号を自己のカメラ情報として登録すると共に、自己のIPアドレス及びポート番号を含む登録要求をSIP電話機5Aに送信するものである。
【0035】
SIP電話機5A内のカメラ登録部19は、ネットワークカメラ4Aからの登録要求を、WANインタフェース部11を通じて受信すると、この登録要求に含まれるネットワークカメラ4AのIPアドレス及びポート番号をカメラ情報として登録管理するものである。
【0036】
また、SIP電話機5AのSIP呼制御部16は、例えば相手先SIP電話機5Bに対して発呼する場合、SIPサーバ6を通じて発呼(INVITE)を相手先SIP電話機5Bに送信する際、カメラ登録部19にて登録管理した同ネットワークカメラ4AのIPアドレス及びポート番号を発呼(INVITE)に含めて送信するものである。
【0037】
また、相手先SIP電話機5BのSIP呼制御部16は、SIP電話機5Aから発呼(INVITE)を受信すると、同発呼(INVITE)に対する呼出中(RINGING)をSIPサーバ6経由でSIP電話機5Aに送信する際に、カメラ登録部19にて登録管理した同相手先ネットワークカメラ4BのIPアドレス及びポート番号を呼出中(RINGING)に含めて送信するものである。
【0038】
また、SIP電話機5Aは、宅内LAN2A内のネットワークカメラ4Aの映像を映像表示部15に映像表示するために、映像表示部15を起動する映像モニタスイッチ22と、通話相手先に同宅内LAN2A内のネットワークカメラ4Aの映像の共有化を許可するための映像共有スイッチ23と、通話相手先の相手先宅内LAN2Bの相手先ネットワークカメラ4Bの映像をモニタ要求するリモート映像モニタスイッチ24とを有している。
【0039】
SIP電話機5A内部の映像通信部18は、映像モニタスイッチ22のON操作を検出すると、カメラ登録部19に登録済みの同宅内LAN2Aのネットワークカメラ4Aのカメラ情報に含まれるIPアドレス及びポート番号に基づき、同ネットワークカメラ4Aと通信し、同ネットワークカメラ4A側のパスワード認証が完了すると、同ネットワークカメラ4Aにて撮像した映像をモニタ受信し、このモニタ受信した映像を映像表示部15に表示するものである。
【0040】
また、SIP電話機5A側のhttpポートインタフェース部21は、SIP呼制御部16による同SIP電話機5A及び相手先SIP電話機5B間の通話中に、映像共有スイッチ23のON操作を検出すると、相手先SIP電話機5Bに対して、宅内LAN2A内のネットワークカメラ4Aへの通信アクセス可能を許可すべく、接続ポート20を閉塞状態から開放状態に制御するものである。
【0041】
その結果、ネットワークカメラ4Aは、SIP電話機5A側のhttpポートインタフェース部21に関わる開放状態の接続ポート20を通じて相手先SIP電話機5Bのモニタ要求を受信した場合、相手先SIP電話機5Bをパスワード認証すると、同接続ポート20を通じて同ネットワークカメラ4Aにて撮像した映像を同相手先SIP電話機5B側でモニタ可能である。
【0042】
また、SIP電話機5A側の映像通信部18は、相手先SIP電話機5Bとの通話中で相手先SIP電話機5B側のhttpポートインタフェース部21の接続ポート20が開放状態の場合に、リモート映像モニタスイッチ24のON操作を検出すると、相手先宅内LAN2B内の相手先ネットワークカメラ4Bに対してモニタ要求を送信し、同相手先ネットワークカメラ4Bにて同SIP電話機5Aの認証が完了すると、同開放状態の接続ポート21を通じて同相手先ネットワークカメラ4Bにて撮像した映像を受信し、この受信した映像を映像表示部15にモニタ表示するものである。
【0043】
尚、請求項記載のIP端末装置はSIP電話機5A(相手先SIP電話機5B)、ネットワークカメラはネットワークカメラ4A(相手先ネットワークカメラ4B)、外部ネットワークはWAN3、ルータ機能はWANインタフェース部11及びLANインタフェース部12、呼制御手段はSIP呼制御部16、相手先端末装置は相手先SIP電話機5B(SIP電話機5A)、接続ポートは接続ポート20、ポート制御手段はhttpポートインタフェース部21、映像表示手段は映像表示部15、起動手段は映像モニタスイッチ22、モニタ許可手段はhttpポートインタフェース部21及び映像共有スイッチ23、認証手段はhttpポートインタフェース部21に相当するものである。
【0044】
次に本実施の形態を示す映像モニタシステム1の動作について説明する。図3は映像モニタシステム1のカメラ登録処理に関わる処理動作を示す動作シーケンス図である。
【0045】
図3に示すカメラ登録処理は、例えばネットワークカメラ4Aの電源投入時に同ネットワークカメラ4AのIPアドレス及びポート番号をSIP電話機5Aに登録すると共に、相手先ネットワークカメラ4Bの電源投入時に同相手先ネットワークカメラ4BのIPアドレス及びポート番号を相手先SIP電話機5Bに登録する処理である。
【0046】
図3に示すSIPサーバ6は、SIP電話機5Aからの登録(Register)を受信すると(ステップS11)、応答(200OK)を送信することで(ステップS12)、SIP電話機5Aを登録管理することになる。
【0047】
また、同様に、SIPサーバ6は、相手先SIP電話機5Aからの登録(Register)を受信すると(ステップS13)、応答(200OK)を送信することで(ステップS14)、相手先SIP電話機5Bを登録管理することになる。
【0048】
また、宅内LAN2A内のネットワークカメラ4Aは、電源投入を検出すると(ステップS15)、宅内LAN2A内のSIP電話機5Aに対して、自己に割り当てられるIPアドレスを要求すべく、IPアドレス割当要求を送信する(ステップS16)。
【0049】
SIP電話機5A側のカメラ登録部19は、LANインタフェース部12を通じて、ネットワークカメラ4AからのIPアドレス割当要求を受信すると、DHCPサーバ機能19Aを通じて同ネットワークカメラ4Aに割り当てる、例えばIPアドレス“192.168.1.10”を取得し、この取得したIPアドレスを含むIPアドレス割当通知を、LANインタフェース部12を通じてネットワークカメラ4Aに送信する(ステップS17)。
【0050】
ネットワークカメラ4Aは、SIP電話機5AからのIPアドレス割当通知を受信すると、このIPアドレス割当通知に含まれるIPアドレス“192.168.1.10”及び自己で選択したポート番号“PortA”を自己のアドレス情報として登録し(ステップS18)、これらの登録したアドレス情報を含む登録要求をSIP電話機5Aに送信する(ステップS19)。
【0051】
SIP電話機5A側のカメラ登録部19は、LANインタフェース部12を通じて登録要求を受信すると、登録要求に対する応答を示す登録確認(OK)を、LANインタフェース部12を通じてネットワークカメラ4Aに送信する(ステップS20)。但し、登録要求のあったポート番号が、割り当てできない場合には、別のポート番号を割り当てて、登録確認(OK)に付加して送信するものである。
【0052】
さらに、ネットワークカメラ4Aは、登録確認(OK)を受信すると、登録確認(OK)に対する応答を示す登録確認応答をSIP電話機5Aに送信する(ステップS21)。尚、ここで、SIP電話機5Aから登録確認(OK)によって、別のポート番号に割り当てがあった場合には、アドレス情報登録のポート番号を設定変更するものである。
【0053】
SIP電話機5A側のカメラ登録部19は、LANインタフェース部12を通じて登録確認応答を受信すると、ステップS19にて受信した登録要求に含まれるネットワークカメラ4A側のIPアドレス“192.168.1.10”及びポート番号“PortA”をカメラ情報として登録管理することになる(ステップS22)。
【0054】
また、同様に相手先宅内LAN2B内の相手先ネットワークカメラ4Bは、電源投入を検出すると(ステップS23)、相手先宅内LAN2B内の相手先SIP電話機5Bに対して、自己に割り当てられるIPアドレスを要求すべく、IPアドレス割当要求を送信する(ステップS24)。
【0055】
相手先SIP電話機5B側のカメラ登録部19は、LANインタフェース部12を通じて、相手先ネットワークカメラ4BからのIPアドレス割当要求を受信すると、DHCPサーバ機能19Aを通じて同相手先ネットワークカメラ4Bに割り当てる、例えばIPアドレス“192.168.2.10”を取得し、この取得したIPアドレスを含むIPアドレス割当通知を、LANインタフェース部12を通じて相手先ネットワークカメラ4Bに送信する(ステップS25)。
【0056】
相手先ネットワークカメラ4Bは、相手先SIP電話機5BからのIPアドレス割当通知を受信すると、このIPアドレス割当通知に含まれるIPアドレス“192.168.2.10”及び自己で選択したポート番号“PortB”を自己のアドレス情報として登録し(ステップS26)、これらの登録したアドレス情報を含む登録要求を相手先SIP電話機5Bに送信する(ステップS27)。
【0057】
相手先SIP電話機5B側のカメラ登録部19は、LANインタフェース部12を通じて、登録要求を受信すると、登録要求に対する応答を示す登録確認(OK)を、LANインタフェース部12を通じて相手先ネットワークカメラ4Bに送信する(ステップS28)。但し、登録要求のあったポート番号が、割り当てできない場合には、別のポート番号を割り当てて、登録確認(OK)に付加して送信するものである。
【0058】
さらに、相手先ネットワークカメラ4Bは、登録確認(OK)を受信すると、登録確認(OK)に対する応答を示す登録確認応答を相手先SIP電話機5Bに送信する(ステップS29)。尚、ここで、SIP電話機5Bから登録確認(OK)によって、別のポート番号に割り当てがあった場合には、アドレス情報登録のポート番号を設定変更するものである。
【0059】
相手先SIP電話機5B側のカメラ登録部19は、LANインタフェース部12を通じて登録確認応答を受信すると、ステップS27にて受信した登録要求に含まれる相手先ネットワークカメラ4B側のIPアドレス“192.168.2.10”及びポート番号“PortB”をカメラ情報として登録管理することになる(ステップS30)。
【0060】
図3に示すカメラ登録処理によれば、宅内LAN2A(相手先宅内LAN2B)のネットワークカメラ4A(相手先ネットワークカメラ4B)の電源投入に応じて同ネットワークカメラ4A(相手先ネットワークカメラ4B)のIPアドレス及びポート番号をSIP電話機5A(相手先SIP電話機5B)側のカメラ登録部19に登録管理するようにしたので、SIP電話機5A(相手先SIP電話機5B)側ではネットワークカメラ4A(相手先ネットワークカメラ4B)のカメラ情報を登録管理することができる。
【0061】
次に、このようなカメラ登録処理でSIP電話機5A及び相手先SIP電話機5Bのカメラ登録部19にてネットワークカメラ4A(相手先ネットワークカメラ4B)のカメラ情報を登録管理した後、SIP電話機5Aから相手先SIP電話機5Bへ発呼し、SIP電話機5A側でネットワークカメラ4Aにて撮像した映像をモニタ表示するまでの処理動作、すなわちモニタ時の映像モニタ処理について説明する。図4はモニタ時の映像モニタ処理に関わる映像モニタシステム1の処理動作を示す動作シーケンス図である。
【0062】
図4に示すSIP電話機5A側のSIP呼制御部16は、相手先SIP電話機5Bへの発呼操作を検出すると(ステップS41)、WANインタフェース部11を通じて、SIPサーバ6経由で発呼(INVITE)を相手先SIP電話機5Bに送信する(ステップS42)。尚、SIP呼制御部16は、相手先SIP電話機5Bへの発呼操作を検出すると、カメラ登録部19に登録中のネットワークカメラ4AのIPアドレス及びポート番号を含むカメラ情報を読み出し、この読み出したカメラ情報を含む発呼(INVITE)を送信するものである。
【0063】
相手先SIP電話機5B側のSIP呼制御部16は、WANインタフェース部11を通じて、SIP電話機5Aからの発呼(INVITE)を受信すると、この発呼(INVITE)に含まれるネットワークカメラ4A側のカメラ情報を抽出し、この抽出したネットワークカメラ4A側のカメラ情報をカメラ登録部19に登録管理する(ステップS43)。
【0064】
また、相手先SIP電話機5B側のSIP呼制御部16は、発呼(INVITE)を受信すると、WANインタフェース部11を通じてSIPサーバ6経由で呼出中(RINGING)をSIP電話機5Aに送信する(ステップS44)。尚、SIP呼制御部16は、カメラ登録部19に登録中の相手先ネットワークカメラ4BのIPアドレス及びポート番号を含むカメラ情報を読み出し、この読み出したカメラ情報を含む呼出中(RINGING)を送信するものである。
【0065】
SIP電話機5A側のSIP呼制御部16は、WANインタフェース部11を通じて、SIP電話機5Aからの呼出中(RINGING)を受信すると、この呼出中(RINGING)に含まれる相手先ネットワークカメラ4B側のカメラ情報を抽出し、この抽出した相手先ネットワークカメラ4B側のカメラ情報をカメラ登録部19に登録管理する(ステップS45)。この結果、SIP電話機5A及び相手先SIP電話機5B双方でネットワークカメラ4A及び相手先ネットワークカメラ4Bのカメラ情報を登録管理したことになる。
【0066】
また、相手先SIP電話機5Bは、応答操作を検出すると(ステップS46)、WANインタフェース部11を通じて、SIPサーバ6経由で応答(200OK)をSIP電話機5Aに送信する(ステップS47)。
【0067】
SIP電話機5Aは、WANインタフェース部11を通じて相手先SIP電話機5Bからの応答(200OK)を受信すると、SIPサーバ6経由で応答確認(ACK)を相手先SIP電話機5Bに送信する(ステップS48)。この結果、SIP電話機5A及び相手先SIP電話機5Bは、SIPサーバ6経由で音声通話を確立したことになる(ステップS49)。
【0068】
SIP電話機5Aは、映像モニタスイッチ22のON操作を検出すると(ステップS50)、カメラ登録部19に登録管理中のネットワークカメラ4Aのカメラ情報に基づき、同ネットワークカメラ4Aのモニタ接続を要求するモニタ要求(GET/index.html)を、LANインタフェース部12を通じてネットワークカメラ4Aに送信する(ステップS51)。
【0069】
ネットワークカメラ4Aは、モニタ要求(GET/index.html)を受信すると、パスワード要求(401Unauthorized)をSIP電話機5Aに送信する(ステップS52)。
【0070】
SIP電話機5Aは、LANインタフェース部12を通じてパスワード要求(401Unauthorized)を受信すると、設定登録したパスワード(GET/index.html.Authorization)をネットワークカメラ4Aに送信する(ステップS53)。
【0071】
ネットワークカメラ4Aは、SIP電話機5Aからのパスワードを受信すると、このパスワードを認証する認証処理を実行し(ステップS54)、同認証処理にて同パスワードが認証されると、認証応答(200OK)をSIP電話機5Aに送信する(ステップS55)。
【0072】
SIP電話機5Aは、LANインタフェース部12を通じて認証応答(200OK)を受信すると、ネットワークカメラ4Aに対して映像を要求する映像要求(GET/Data.html)を送信する(ステップS56)。
【0073】
ネットワークカメラ4Aは、映像要求(GET/Data.html)を受信すると、撮像した映像(200OK)をSIP電話機5Aに送信する(ステップS57)。その結果、SIP電話機5Aは、LANインタフェース部12を通じてネットワークカメラ4Aにて撮像した映像(200OK)を受信すると、映像通信部18を通じて映像表示部15に同映像をモニタ表示することになる(ステップS58)。
【0074】
図4に示す映像モニタ表示処理によれば、SIP電話機5A及び相手先SIP電話機5B間の音声通話中に、SIP電話機5A側で映像モニタスイッチ22のON操作を検出し、ネットワークカメラ4A側でSIP電話機5Aのパスワード認証が完了すると、同ネットワークカメラ4Aにて撮像した映像をSIP電話機5A側の映像表示部15にモニタ表示するようにしたので、SIP電話機5A側のユーザは、ネットワークカメラ4Aにて撮像した映像をモニタ表示することができる。
【0075】
次にSIP電話機5A及び相手先SIP電話機5B間の音声通話中にネットワークカメラ4Aにて撮像した映像を相手先SIP電話機5B側の映像表示部15でモニタ表示するための処理動作、すなわちリモートモニタ時の映像モニタ処理について説明する。図5はリモートモニタ時の映像モニタ処理に関わる映像モニタシステム1の処理動作を示す動作シーケンス図である。
【0076】
図5に示す映像モニタ処理は、SIP電話機5A及び相手先SIP電話機5B間の音声通話中に、同相手先SIP電話機5Aの映像表示部15に、SIP電話機5A側のネットワークカメラ4Aにて撮像した映像をモニタ表示するための処理である。
【0077】
図5に示すSIP電話機5Aは、相手先SIP電話機5Bとの音声通話中に、映像共有スイッチ23のON操作を検出すると(ステップS61)、カメラ登録部19に登録管理中のネットワークカメラ4A側のカメラ情報に基づき、同ネットワークカメラ4AのIPアドレス及びポート番号を読み出し、httpポートインタフェース部21を通じて同ネットワークカメラ4Aに使用するポート番号に相当する接続ポート20を閉塞状態から開放状態に開閉制御する(ステップS62)。そして、SIP電話機5A側のユーザは、音声通話中の相手先SIP電話機5B側のユーザに対して映像共有スイッチ23のON操作を口頭で伝えるものである。
【0078】
相手先SIP電話機5Bは、リモート映像モニタスイッチ24のON操作を検出すると(ステップS63)、カメラ登録部19に登録中の相手先であるネットワークカメラ4Aのカメラ情報に含む同ネットワークカメラ4AのIPアドレス及びポート番号に基づき、SIP電話機5A側の開放中の接続ポート20を通じて、モニタ接続を要求するモニタ要求(GET/index.html)をネットワークカメラ4Aに送信する(ステップS64)。
【0079】
ネットワークカメラ4Aは、モニタ要求(GET/index.html)を受信すると、SIP電話機5A側の開放中の接続ポート20を通じて、パスワードを要求するパスワード要求(401Unauthorized)を相手先SIP電話機5Bに送信する(ステップS65)。
【0080】
相手先SIP電話機5Bは、パスワード要求(401Unauthorized)を受信すると、パスワードを入力し(ステップS66)、この入力パスワード(GET/index.html Authorization)をSIP電話機5A側の開放中の接続ポート20を通じて、入力パスワード(GET/index.html Authorization)をネットワークカメラ4Aに送信する(ステップS67)。
【0081】
ネットワークカメラ4Aは、相手先SIP電話機5B側の入力パスワード(GET/index.html Authorization)を受信すると、同入力パスワードの認証及び同入力パスワードの発信元が相手先SIP電話機5BのグローバルIPアドレスであることを認証する認証処理を実行し(ステップS68)、同パスワードが認証されると、SIP電話機5A側の開放中の接続ポート20を通じて、認証応答(200OK)を相手先SIP電話機5Bに送信する(ステップS69)。
【0082】
相手先SIP電話機5Bは、認証応答(200OK)を受信すると、SIP電話機5A側の開放中の接続ポート20を通じて、映像要求(GET/Data.html)をネットワークカメラ4Aに送信する(ステップS70)。
【0083】
ネットワークカメラ4Aは、相手先SIP電話機5Bからの映像要求(GET/Data.html)を受信すると、SIP電話機5A側の開放中の接続ポート20を通じて、撮像した映像(200OK)を相手先SIP電話機5Bに送信する(ステップS71)。
【0084】
その結果、相手先SIP電話機5Bは、WANインタフェース部11を通じてネットワークカメラ4Aにて撮像した映像(200OK)を受信すると、映像通信部18を通じて映像表示部15に同映像をモニタ表示することになる(ステップS72)。相手先SIP電話機5Bのユーザは、通話相手先のSIP電話機5A側の宅内LAN2A内のネットワークカメラ4Aにて撮像した映像をモニタすることができる。
【0085】
さらに、SIP電話機5Aは、切断操作を検出すると(ステップS73)、SIP呼制御部16を通じてSIPサーバ6経由で切断(BYE)を相手先SIP電話機5Bに送信する(ステップS74)。
【0086】
そして、相手先SIP電話機5Bは、切断(BYE)を受信すると、切断操作に応じて(ステップS75)、SIP呼制御部16を通じてSIPサーバ6経由で切断応答(200OK)をSIP電話機5Aに送信する(ステップS76)。
【0087】
SIP電話機5Aは、切断応答(200OK)を受信すると、httpポートインタフェース21を通じて同ネットワークカメラ4Aに使用した開放中の接続ポート20を開放状態から閉塞状態に開閉制御することで(ステップS77)、この処理動作を終了する。この結果、SIP電話機5Aは、httpポートインタフェース部21の接続ポート20を閉塞状態にすることで、宅内LAN2A内のネットワークカメラ4Aに対する第三者の不正アクセスを確実に防止することができる。
【0088】
図5に示すモニタ映像処理によれば、SIP電話機5A及び相手先SIP電話機5B間の音声通話中に、SIP電話機5A側で映像共有スイッチ23のON操作を検出すると、同SIP電話機5A側のhttpポートインタフェース部21を通じて同ネットワークカメラ4Aへのアクセスを可能にするために接続ポート20を開放状態にし、さらに、相手先SIP電話機5B側でリモート映像モニタスイッチ24のON操作を検出すると、相手先SIP電話機5BからSIP電話機5A側の開放中の接続ポート20を通じてネットワークカメラ4Aにアクセスし、同ネットワークカメラ4A側で相手先SIP電話機5Bのパスワード認証が終了すると、同ネットワークカメラ4Aにて撮像した映像を、SIP電話機5A側の開放中の接続ポート20を通じて相手先SIP電話機5B側の映像表示部15にモニタ表示するようにしたので、相手先SIP電話機5B側のユーザは、通話相手先の宅内LAN2Aのネットワークカメラ4Aにて撮像した映像をモニタすることができる。
【0089】
尚、図5に示すモニタ映像処理においては、映像共有スイッチ23のON操作に応じて接続ポート20を開放状態にしたが、ステップS49の音声通話確立時点で接続ポート20を開放状態とするようにしても良く、この場合は、通話確立から通話終了まで開放状態となるため、複雑な処理を要することなく、簡単にネットワークカメラ4Aの映像を相手先SIP電話機5B側でモニタすることができる。
【0090】
本実施の形態に関わるSIP電話機5Aによれば、相手先SIP電話機5Bとの通話確立から通話終了までの間に限定して、すなわち音声通話中に限定して、ネットワークカメラ4Aにアクセスするための接続ポート20を閉塞状態から開放状態への開閉制御を可能とし、相手先SIP電話機5Bが開放状態の接続ポート20を通じてネットワークカメラ4Aからの映像をモニタ可能にしたので、ネットワークカメラ4Aへのアクセスを許可する前提となる接続ポート20を開放する条件を通話中の通話相手先に限定することで第三者によるネットワークカメラ4Aへの不正アクセスを確実に防止すると共に、複雑な処理を要することなく、簡単にネットワークカメラ4Aの映像を相手先SIP電話機5B側でモニタすることが可能となる。
【0091】
また、本実施の形態に関わるSIP電話機5Aによれば、相手先SIP電話機5Bとの通話確立から通話終了までの間、すなわち音声通話中に、モニタ映像スイッチ22のON操作を検出して映像表示部15を起動するようにしたので、SIP電話機5A側のユーザは、接続ポート20を開放状態にする前に、映像表示部15を通じてネットワークカメラ4Aにて撮像した映像を確認することができる。
【0092】
また、本実施の形態に関わるSIP電話機5Aによれば、相手先SIP電話機5Bとの通話確立から通話終了までの間、すなわち音声通話中に、映像共有スイッチ23のON操作後、相手先SIP電話機5B側のリモート映像スイッチ24のON操作に応じてネットワークカメラ4A側のパスワード認証が終了すると、開放状態の接続ポート20を通じて、ネットワークカメラ4Aからの映像を相手先SIP電話機5B側でモニタ可能にしたので、複雑な処理を要することなく、簡単にネットワークカメラ4Aの映像を相手先SIP電話機5B側でモニタすることができると共に、通話相手によるネットワークカメラ4Aへの不正アクセスを確実に防止することでセキュリティの強化を図ることができる。
【0093】
尚、上記実施の形態においては、本願請求項記載のIP端末装置として、WAN3及び宅内LAN2A間の通信インタフェースを司るルータ機能を備えたSIP電話機5Aを例に挙げ、同SIP電話機5Aに、ネットワークカメラ4Aへのアクセスを可能にする接続ポート20を開閉制御するポート制御機能としてhttpポートインタフェース部21を備えるようにしたが、例えば電話機を接続するルータ装置に同ポート制御機能を備え、このポート制御機能を備えたルータ装置を本願請求項記載のIP端末装置としても良く、この場合でも、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0094】
上記のように構成された本発明のIP端末装置によれば、ネットワークカメラへのアクセスを許可する前提となる接続ポートを開放する条件を通話中の通話相手先に限定することで第三者によるネットワークカメラへの不正アクセスを確実に防止すると共に、複雑な処理を要することなく、簡単にネットワークカメラの映像を相手先端末装置側でモニタすることが可能となるため、例えばWANで接続する宅内LAN間の映像モニタシステムに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明のIP端末装置に関わる実施の形態を示す映像モニタシステム内部の概略構成を示すブロック図
【図2】本実施の形態に関わるSIP電話機内部の概略構成を示すブロック図
【図3】本実施の形態におけるカメラ登録処理に関わる映像モニタシステム内部の処理動作を示す動作シーケンス図
【図4】本実施の形態におけるモニタ時の映像モニタ処理に関わる映像モニタシステムの処理動作を示す動作シーケンス図
【図5】本実施の形態におけるリモートモニタ時の映像モニタ処理に関わる映像モニタシステムの処理動作を示す動作シーケンス図
【符号の説明】
【0096】
3 WAN(外部ネットワーク)
4A ネットワークカメラ
5A SIP電話機(IP端末装置)
5B 相手先SIP電話機(相手先端末装置)
11 WANインタフェース部(ルータ機能)
12 LANインタフェース部(ルータ機能)
15 映像表示部(映像表示手段)
16 SIP呼制御部(呼制御手段)
20 接続ポート
21 httpポートインタフェース部(ポート制御手段、モニタ許可手段、認証手段)
22 映像モニタスイッチ(起動手段)
23 映像共有スイッチ(モニタ許可手段)



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークカメラとLAN接続すると共に、外部ネットワークとの通信インタフェースを司るルータ機能を備えたIP端末装置であって、
前記外部ネットワークを通じて相手先端末装置との通話を確立する呼制御手段と、
前記ネットワークカメラにて撮像した映像をモニタするための接続ポートを開閉制御するポート制御手段とを有し、
前記ポート制御手段は、
前記呼制御手段による前記相手先端末装置との通話確立から通話終了までの間に限定して、前記接続ポートを閉塞状態から開放状態への開閉制御を可能とすることを特徴とするIP端末装置。
【請求項2】
前記ポート制御手段は、
前記呼制御手段により前記相手先端末装置との通話が確立されると、前記接続ポートを閉塞状態から開放状態に開閉制御することを特徴とする請求項1記載のIP端末装置。
【請求項3】
前記相手先端末装置に対して、前記ネットワークカメラにて撮像した映像のモニタを許可するモニタ許可手段を有し、
前記ポート制御手段は、
前記相手先端末装置との前記通話確立から前記通話終了までの間に、前記モニタ許可手段にて前記モニタを許可すると、前記接続ポートを前記閉塞状態から前記開放状態に開閉制御し、前記ネットワークカメラにて撮像した映像を前記相手先端末装置側でモニタ可能にしたことを特徴とする請求項1記載のIP端末装置。
【請求項4】
前記ネットワークカメラにて撮像した映像を表示する映像表示手段と、
所定信号に応じて、前記映像表示手段を起動する起動手段とを有することを特徴とする請求項1、2又は3記載のIP端末装置。
【請求項5】
前記ポート制御手段は、
前記相手先端末装置からのみ、前記接続ポートへのアクセスを許可する認証手段を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のIP端末装置。
【請求項6】
ネットワークカメラとLAN接続すると共に、外部ネットワークとの通信インタフェースを司るルータ機能を備えたIP端末装置の映像モニタ方法であって、
前記外部ネットワークを通じて相手先端末装置との通話を確立する呼制御ステップと、
この呼制御ステップにて前記相手先端末装置との通話を確立すると、前記ネットワークカメラにて撮像した映像をモニタするための接続ポートを開放可能とし、前記相手先端末装置との通話を切断すると、前記接続ポートを閉塞するポート制御ステップとを有することを特徴とするIP端末装置の映像モニタ方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−5075(P2009−5075A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163940(P2007−163940)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】