説明

PLL回路とPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法およびプログラム

【課題】 同一のRF周波数で複数の送信所から同一時間、同一内容の電波を送出するSFN(SINGLE FREQUENCY NETWORK)が構築される地上デジタル放送方式においては、受信が重なり合うエリアでは送信信号のFFTクロック精度や送信タイミングにずれが発生すると受信不能(SFNの破綻)が発生する。
【解決手段】 外部同期クロックのエラーを検出した時、正常時トレースし記録しておいた制御電圧を元に、制御電圧の外部同期クロックに対する変化の傾向を計算により推測し、推測し計算した制御電圧を電圧制御発振器に供給する制御電圧とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位相同期回路(PLL)に関し、特に、OFDM伝送方式による地上デジタル放送において単一周波数網を構築した場合に、外部リファレンス同期の破綻やエラーの長時間継続が発生した際でも周波数のずれを押さえ、放送を継続させるためクロックの同期を継続させるための位相同期回路(PLL)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
欧州または日本の地上デジタル放送では、OFDM(Orthogonal frequency Division Multiplexing: 直交周波数分割多重)伝送方式でデジタル変調した信号を用いる。OFDM伝送方式は、時間的に干渉緩和を図るガードインターバルを送信信号中に設け、反射信号や遅延信号の干渉によるマルチパス妨害に強く、同じ内容のテレビ信号を異なる送信所から同一周波数で放送する単一周波数網(SINGLE FREQUENCY NETWORK:SFN)を構築することができる。
【0003】
このような同一内容の電波を送出するSFNの構築にあたっては、各送信所から遅延時間差なしに同一タイミングで同一なOFDM信号を送信する必要がある。つまり、複数の送信所からの電波を同時に受信できるエリア(複数の送信所からの電波が重なるエリア)では、各送信所がGPS等の基準となる外部リファレンスに完全に同期して、各送信所から発射される送信信号のFFT(Fast Fourier Transform)クロック精度、送信タイミング、送信周波数が同じである限りにおいて、正常に送信信号を受信することができる。
【0004】
しかし、ある送信所において外部リファレンスによる同期が破綻して、発射された電波に乗せられた送信信号のFFTクロック精度や送信タイミングにずれが発生すると、この電波が他の電波に対する妨害電波となってしまい、複数の送信所からの電波が重なるエリアでの正常受信ができなくなってしまう。このような状態を「SFNの破綻」と称する。
【0005】
外部リファレンスである基準入力信号が断となっても同期を維持可能とする位相同期回路(PLL)に係る技術が、特開平11−214991号公報に開示されている(特許文献1参照)。
【0006】
当該公報によれば、外部リファレンスである基準入力信号が断となった場合に、自走により同期を維持する周波数安定度の高い予備発振器を設けることなく、簡単な回路を内蔵するだけで同期を維持可能とするPLL回路を提案している。つまり、基準入力信号断検出回路により基準入力信号の異常を検出したときに、VOCの入力を、別途内蔵している、基準入力信号を正常に受信している時と同等な性能を持つ電圧を出力する外部基準電圧源に切り替えて、VOCからの出力周波数を一定値に保持する構成をとっている。
【0007】
また、高い信頼性が要求される装置の同期タイミング系に用いられる冗長構成を図ったリファレンスクロックの現用系から予備系への切替え時に位相変動の発生がないクロック生成回路に関する従来技術が、特開2003−51742号公報に開示されている(特許文献2参照)。
【0008】
当該公報に開示されたクロック生成回路は、第1のリファレンスクロックを入力する第1の位相同期ループ回路と第2のリファレンスクロックを入力する第2の位相同期ループ回路の、それぞれの位相同期ループ回路から出力される第1の出力クロックと第2の出力クロックとの位相差を位相比較器で比較し、その位相差が最小となるように第2の位相同期ループ回路内にあるフィルタのフィルタ係数を制御することにより、第2の出力クロックの位相が、第1の出力クロックおよび第1のリファレンスクロックと同位相となるように制御している。そのため、このクロック生成回路では、リファレンスクロックが現用系から予備系に切替えられた後も、位相の急激な変化は生じない。
【0009】
【特許文献1】特開平11−214991号公報(段落[0006],[0007],[0009]および[0011])
【特許文献2】特開2003−51742号公報(段落[0013],[0015],[0016],[0041],[0043],および[0045])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
地上デジタル放送に用いられるリファレンス同期による従来の位相同期回路(PLL)では、エラーが発生した場合に電圧制御発振器(VCO)の制御電圧を前値ホールドし、突然SFNが破綻することは防止している。しかし、エラーが長時間続いた場合には次第に周波数誤差が大きくなり、ガードインターバル時間を越えていずれはSFNが破綻を起こす。
【0011】
また、エラーからの復帰時には、周波数誤差×時間分フレーム同期のタイミングがずれているため、フレーム同期の再引き込みの発生により、この間出力信号が乱れて、SFNの破綻を生じる。
【0012】
特開平11−214991号公報に開示された位相同期回路の場合、基準入力信号異常時はループ接続を遮断し、VCO入力を予め固定で設定した外部基準電圧源に切り替えてVCOの出力周波数を一定値に保持するように構成しているので、基準入力信号が断となっている時間が長くなると、次第に周波数誤差が大きくなり、ガードインターバル時間を越えていずれはSFNが破綻を起こすことになる。
(発明の目的)
本発明の目的は、地上デジタル放送において、外部リファレンス同期の破綻やエラーが長時間継続発生した場合においても、周波数のずれを押さえ、さらにフレーム同期位相のずれを抑える位相同期回路を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明のPLL回路は、外部リファレンス信号である外部同期クロックに位相同期するアナログPLL回路と、入力TS(Transport Stream)信号から検出したフレーム同期信号を元に位相同期するデジタルPLL回路と、前記外部同期クロックのエラーを検出し、エラーの状況により、前記アナログPLL回路および前記デジタルPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御するための制御信号を生成する検出回路とを備え、前記外部同期クロックが正常時は前記アナログPLL回路により前記電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御し、外部同期クロックのエラーを前記検出回路で検出した時は、前記入力TS信号から検出した前記フレーム同期信号を参照し、前記デジタルPLL回路により前記電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御することを特徴とする。
【0014】
また、第2の発明のPLL回路は、外部同期クロックのエラー終了後、アナログPLL回路における電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルとデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルが同一レベルになったことにより、電圧制御発振器に供給する制御電圧をデジタルPLL回路からアナログPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧に切り替えることを特徴とする。
【0015】
また、第3の発明のPLL回路は、外部同期クロックのエラー終了後、アナログPLL回路における電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルとデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルが同一レベルになった時点が、エラー発生から予め決められた経過時間以内であれば、電圧制御発振器に供給する制御電圧をアナログPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする。
【0016】
また、第4の発明のPLL回路は、外部同期クロックのエラー終了後、アナログPLL回路における電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルとデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルが同一レベルになった時点が、エラー発生から予め決められた経過時間以上であれば、電圧制御発振器に供給する制御電圧をデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧のままとすることを特徴とする。
【0017】
また、第5の発明のPLL回路は、外部同期クロックのエラー終了後、デジタルPLL回路において、入力TS信号から検出したフレーム同期信号の基準信号と内部フレーム信号の位相をデジタル位相比較器により比較し、位相が一致したことにより、電圧制御発振器に供給する制御電圧をアナログPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする。
【0018】
また、第6の発明のPLL回路は、デジタル位相比較器によりフレーム同期信号の基準信号と内部フレーム信号の位相を、カウンタにより比較し、電圧制御発振器に供給する制御電圧を生成することを特徴とする請求項1,2,3,4,または5記載のPLL回路。
【0019】
また、第7の発明のPLL回路は、デジタル位相比較器によりフレーム同期信号の基準信号と、基準信号の周期で決まる値でカウンタをリセットする信号を出力し、リセット信号のタイミングを中心のとしたゲート信号を生成するデコーダから出力されるゲート信号の位相を比較し、電圧制御発振器に供給する制御電圧を生成することを特徴とする。
【0020】
また、第8の発明のPLL回路は、外部同期クロックの正常時の電圧制御発振器に供給する制御電圧をトレースし記録しておくことにより、外部同期クロックのエラーを検出回路で検出した時、トレースし記録しておいた制御電圧を元に、電圧制御発振器に供給する制御電圧を生成することを特徴とする。
【0021】
また、第9の発明のPLL回路は、トレースし記録しておいた制御電圧を元に、制御電圧の外部同期クロックに対する変化の傾向を計算により推測し、推測し計算した制御電圧を電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする。
【0022】
また、第10の発明のPLL回路は、正常時予め決められた一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧を元に、一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧の特定時間の1個の制御電圧を、電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする。
【0023】
また、第11の発明のPLL回路は、正常時予め決められた一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧を元に、一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧の複数個の制御電圧の平均値を、電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする。
【0024】
また、第12の発明のPLL回路は、MPEG信号をデコードするタイムスタンプが埋め込まれている入力TS信号のタイムスタンプ信号と装置内部のCLKでカウントアップするカウンタ値を比較し、値が同じになるように電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御することを特徴とする。
【0025】
また、第13の発明のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法は、外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
外部リファレンス信号である外部同期クロックに位相同期するアナログPLL回路と、入力TS信号から検出したフレーム同期信号を元に位相同期するデジタルPLL回路と、前記外部同期クロックのエラーを検出し、エラーの状況により、前記アナログPLL回路および前記デジタルPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御するための制御信号を生成する検出回路とを備え、前記外部同期クロックが正常時は前記アナログPLL回路により前記電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御し、外部同期クロックのエラーを前記検出回路で検出した時は、前記入力TS信号から検出した前記フレーム同期信号を参照し、前記デジタルPLL回路により前記電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御することを特徴とする。
【0026】
また、第14の発明のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法は、外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
外部同期クロックのエラー終了後、アナログPLL回路における電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルとデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルが同一レベルになったことにより、電圧制御発振器に供給する制御電圧をデジタルPLL回路からアナログPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧に切り替えることを特徴とする。
【0027】
また、第15の発明のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法は、外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
外部同期クロックのエラー終了後、アナログPLL回路における電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルとデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルが同一レベルになった時点が、エラー発生から予め決められた経過時間以内であれば、電圧制御発振器に供給する制御電圧をアナログPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする。
【0028】
また、第16の発明のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法は、外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
外部同期クロックのエラー終了後、アナログPLL回路における電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルとデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルが同一レベルになった時点が、エラー発生から予め決められた経過時間以上であれば、電圧制御発振器に供給する制御電圧をデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧のままとすることを特徴とする。
【0029】
また、第17の発明のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法は、外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
外部同期クロックのエラー終了後、デジタルPLL回路において、入力TS信号から検出したフレーム同期信号の基準信号と内部フレーム信号の位相をデジタル位相比較器により比較し、位相が一致したことにより、電圧制御発振器に供給する制御電圧をアナログPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする。
【0030】
また、第18の発明のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法は、外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
デジタル位相比較器によりフレーム同期信号の基準信号と内部フレーム信号の位相を、カウンタにより比較し、電圧制御発振器に供給する制御電圧を生成することを特徴とする。
【0031】
また、第19の発明のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法は、外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
デジタル位相比較器によりフレーム同期信号の基準信号と、基準信号の周期で決まる値でカウンタをリセットする信号を出力し、リセット信号のタイミングを中心のとしたゲート信号を生成するデコーダから出力されるゲート信号の位相を比較し、電圧制御発振器に供給する制御電圧を生成することを特徴とする。
【0032】
また、第20の発明のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法は、外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
外部同期クロックの正常時の電圧制御発振器に供給する制御電圧をトレースし記録しておくことにより、外部同期クロックのエラーを検出回路で検出した時、トレースし記録しておいた制御電圧を元に、電圧制御発振器に供給する制御電圧を生成することを特徴とする。
【0033】
また、第21の発明のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法は、外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
トレースし記録しておいた制御電圧を元に、制御電圧の外部同期クロックに対する変化の傾向を計算により推測し、推測し計算した制御電圧を電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする。
【0034】
また、第22の発明のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法は、外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
正常時予め決められた一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧を元に、一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧の特定時間の1個の制御電圧を、電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする。
【0035】
また、第23の発明のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法は、外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
正常時予め決められた一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧を元に、一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧の複数個の制御電圧の平均値を、電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする。
【0036】
また、第24の発明のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法は、PLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、MPEG信号をデコードするタイムスタンプが埋め込まれている入力TS信号のタイムスタンプ信号と装置内部のCLKでカウントアップするカウンタ値を比較し、値が同じになるように電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御することを特徴とする。
【0037】
また、第25の発明のプログラムは、外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法の処理をコンピュータに実行させるためのPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御用プログラムである。
【0038】
また、第26の発明のプログラムは、MPEG信号をデコードするタイムスタンプが埋め込まれている入力TS信号のタイムスタンプ信号と装置内部のCLKでカウントアップするカウンタ値を比較し、値が同じになるように電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法の処理をコンピュータに実行させるためのPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御用プログラムである。
【発明の効果】
【0039】
本発明の効果は、1つの送信所の外部リファレンスが異常になった場合もSFNを継続運用することが出来ることである。
【0040】
その理由は、外部リファレンスが異常を起こした場合においても、内部で使用するCLKの周波数精度を、異常前と同等に保つこと、装置内部で生成しているフレーム同期信号のタイミングを外部リファレンスが異常になった場合でもそれ以前のタイミングに保持することが出来るからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明のPLL回路は、地上デジタル放送に使用する、変調器・エキサイタの回路ブロックとして使用される。
【0042】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0043】
図1は本発明のPLL回路の構成を示す構成図である。
【0044】
本発明のPLL回路は、図1に示すように、アナログPLL回路100、デジタルPLL回路200、外部リファレンス信号31の異常の有無を検出する検波器8、検波器8から出力されたアラーム信号32を元に第1の制御電圧切替信号33、第2の制御電圧切替信号34を出力する制御電圧切替回路9から構成される。
【0045】
本発明のPLL回路は、外部同期クロックである外部リファレンス信号31が正常な場合は、アナログPLL回路100にて外部リファレンス信号31に対して電圧制御発振器(VCO)7が同期するように位相同期(PLL)をかける。
【0046】
また、外部リファレンス信号31の異常(エラー)を検出した場合は、次の(1)又は(2)の動作を行う。なお、(1)、(2)は必要に応じて切り替えて使用する。
【0047】
(1)入力TS信号39から検出したフレーム同期信号に対してデジタルPLL200を構成し、電圧制御発振器(VCO)7の制御電圧を生成する。
【0048】
(2)外部リファレンス信号31が正常に供給されていた時点の制御電圧を監視し、外部リファレンス信号31の異常を検出した場合には、それ以前の動作から推測した制御電圧を生成して電圧制御発振器(VCO)7の周波数精度を保つ。
【0049】
外部リファレンス信号31に対して電圧制御発振器(VCO)7を同期させるためのアナログPLL回路100は、外部リファレンス信号31を分周するための分周器1、電圧制御発振器(VCO)7の出力クロック(CLK)38を分周する分周器2、分周器1および分周器2からの2つの分周出力を位相比較するための位相比較器3、位相比較器3から出力されたアナログ信号をデジタル信号の出力35に変換するA/D変換器4、後述のデジタルPLL回路200からのデジタル制御電圧出力信号43とA/D変換器4の出力35を選択するためのセレクタ5、セレクタ5により選択されたデジタル制御電圧出力信号36をアナログ信号の制御電圧37に変換するためのD/A変換器6、制御電圧37の制御の下にクロック(CLK)38を出力する電圧制御発振器(VCO)7から構成されている。
【0050】
また、入力TS信号39から検出したフレーム同期信号に基づいて電圧制御発振器(VCO)7の制御電圧を生成するデジタルPLL回路200は、入力TS信号39からフレーム信号を検出するためのフレーム信号検出器回路10、検出したフレーム信号からジッタを減少させ基準信号40を生成するデジッタ・基準信号生成回路11、内部クロック(CLK)として電圧制御発振器(VCO)7の出力クロック(CLK)38と基準信号40からから内部フレーム信号41を生成する内部フレーム信号生成回路12、基準信号40と内部フレーム信号41の位相比較を行うデジタル位相比較器13、デジタル位相比較器13のデジタルデータ出力からデジタル制御電圧出力信号43を生成する制御電圧生成回路14、制御電圧生成回路14のデジタル制御電圧出力信号44およびA/D変換器4の出力35を監視し、制御電圧の動きをトレースし、外部リファレンス信号31が異常になった場合に、デジタル制御電圧出力信号43制御用のデジタルデータ出力45を制御電圧生成回路14に入力するCPU15から構成されている。
【0051】
次に、本発明を実施するための最良の形態の動作について図面を参照して説明する。
【0052】
外部リファレンス信号31=10MHz、電圧制御発振器(VCO)7出力クロック(CLK)38=10MHzの場合の動作について説明する。
【0053】
また、入力TS信号39から検出されるフレーム信号の周期は500msとする。
【0054】
図2は、本発明のPLL回路のD/A変換器の制御電圧出力のアラーム発生時の時間的な関係を示す推移図である。
【0055】
より具体的に言うと、本発明に係るPLL回路のアナログPLL回路100におけるD/A変換器6から出力される制御電圧37の、アラーム発生時を含む時間的な関係を示す推移図である。
【0056】
まず、通常動作について説明する。
図2に示す異常発生T1(検波器8により外部リファレンス信号31の異常を検出してアラ−ム信号32が出力される)までの間は、通常動作が行われる。
【0057】
前述したように、外部リファレンス信号31が正常な通常動作の場合は、アナログPLL回路100にて外部リファレンス信号31に対して電圧制御発振器(VCO)7が同期するように位相同期(PLL)をかける。
【0058】
つまり、アナログPLL回路100のセレクタ5は、デジタルPLL回路200の制御電圧生成回路14から出力されるデジタル制御電圧出力信号43とA/D変換器4からの出力35を入力しているが、A/D変換器4の出力35を選択して以下の動作が行われる。
【0059】
外部リファレンス信号31を分周器1により分周された分周出力と、電圧制御発振器(VCO)7の出力クロック(CLK)38を分周器2により分周した分周出力とを位相比較器3で位相比較を行い、比較結果をA/D変換器4に入力し、A/D変換器4からの出力35をセレクタ5にて選択してデジタル制御電圧出力信号36を出力する。
【0060】
このようにして出力されたデジタル制御電圧出力信号36がD/A変換器6により制御電圧37にD/A変換され、制御電圧37に従い電圧制御発振器(VCO)7の出力周波数が制御される。
【0061】
つまり、通常動作時においては、図2の長破線で示された制御電圧37がA/D変換器4からの出力35に対応して出力される。
【0062】
次に、外部リファレンスの異常時の動作について説明する。
【0063】
外部リファレンス信号31の異常は検波器8で検出される。図2に示す異常発生時T1に、検波器8は外部リファレンス信号31の異常を検出してアラ−ム信号32を出力し、異常終了時T2に外部リファレンス信号31が正常に復帰したことを検出すると検波器8はアラ−ム信号32の出力を停止する。
【0064】
外部リファレンス信号31の異常を検出して、検波器8からアラーム信号32が出力されると、制御電圧切替回路9から第1の制御電圧切替信号33が論理信号Hとしてセレクタ5に対して出力され、セレクタ5が制御電圧生成回路14からのデジタル制御電圧出力信号43を選択するように切り替わる。なお、図2に点線で示す「デジタル制御電圧出力信号43選択による制御電圧37」は、この切替が行われたことを意味する。
【0065】
また、同時に制御電圧切替回路9から第2の制御電圧切替信号34が論理信号Hとして制御電圧生成回路14に対して出力される。第2の制御電圧切替信号34が論理信号Hとして出力されると、制御電圧生成回路14は、第2の制御電圧切替信号34受信直前のA/D変換器4からの出力35によりデジタル制御電圧出力信号43を一時的に前置ホールドする。
【0066】
デジタル制御電圧出力信号43が一時的に前置ホールドされることによりD/A変換器6の制御電圧37は、図2に示す、アラーム発生時である異常発生時T1における制御電圧37のまま保持される。図2に点線で示す「前置ホールドされた制御電圧37」は、このことを意味する。
【0067】
次に、外部リファレンス信号31が正常に復帰して異常が終了すると(図2に示す異常終了時T2)、検波器8はアラ−ム信号32の出力を停止する。
【0068】
これによりセレクタ5は、A/D変換器4からの出力35と先に前置ホールドされたデジタル制御電圧出力信号43のレベルを比較して、A/D変換器4からの出力35とデジタル制御電圧出力信号43のどちらを選択するかを判断する。
【0069】
A/D変換器4からの出力35とデジタル制御電圧出力信号43が同レベルになった時点の時間T3または時間T3’は、外部リファレンス信号31が異常発生した時間T1からの経過時間により異なる。
【0070】
アラーム信号32が解除された時間が比較的早く、外部リファレンス信号31の異常が発生した時間T1から、A/D変換器4からの出力35とデジタル制御電圧出力信号43が同レベルになる時点までの時間が予め設定された経過時間ΔT以内の場合が、時間T3’であり、アラーム信号32の継続時間が長く、時間T1から、A/D変換器4からの出力35とデジタル制御電圧出力信号43が同レベルになる時点までの時間がΔT以上となった場合が時間T3である。
【0071】
予め設定された経過時間ΔT以内にアラーム信号32が解除された場合は、時間T3’であり、ΔT以上の期間アラームが継続した場合が時間T3である。
【0072】
換言すれば、出力35とデジタル制御電圧出力信号43が同レベルになるまでの経過時間が予め設定された経過時間ΔT以内であればセレクタ5は出力35を選択し(図2の実線で示す「A/D出力35選択による制御電圧37」)、経過時間ΔT以上であればかデジタル制御電圧出力信号43が、先の外部リファレンス信号31が異常発生した時間T1で選択されたまま継続する。(図2の実線で示す「デジタル制御電圧出力信号43選択による制御電圧37」)。
【0073】
A/D変換器4からの出力35かデジタル制御電圧出力信号43を選択することで、セレクタ5からのデジタル制御電圧出力信号36、D/A変換器6からの制御電圧37を通して電圧制御発振器(VCO)7が制御される。
【0074】
さらに、詳細に説明すると、本発明のPLL回路は、外部リファレンス信号31の異常が発生した時間T1から外部リファレンス信号31が正常に復帰して異常が終了する時間T2後、外部リファレンス信号31の異常が発生した時間T1から経過時間ΔTが予め設定された時間内であれば、A/D変換器4からの出力35が前置ホールドされたデジタル制御電圧出力信号43のレベルと同レベルになった時点T3‘で、A/D変換器4からの出力35を用いた制御電圧37を通して電圧制御発振器(VCO)7が制御される。
【0075】
つまり、セレクタ5は、A/D変換器4からの出力35が前置ホールドされたデジタル制御電圧出力信号43のレベルと同レベルになった時点で、A/D変換器4からの出力35を選択出力する。
【0076】
しかし、経過時間ΔTが予め設定された時間を越えて外部リファレンス信号31の異常が継続していた時点T3以降の場合は、デジタルPLL回路200からの制御電圧を用いた動作のままである。
【0077】
図2において、T3’は、経過時間ΔTが予め設定された時間内であり、A/D変換器4からの出力35と前置ホールドされたデジタル制御電圧出力信号43が同レベルになった時点を示す。
【0078】
図2のT3’以降の実線で示す「A/D出力35選択による制御電圧37」は、A/D変換器4からの出力35と前置ホールドされたデジタル制御電圧出力信号43が同レベルになって、A/D変換器4からの出力35に切り替わったことを意味する。
【0079】
一方、図2のT3は、経過時間ΔTが予め設定された時間を越えてデジタルPLL200の動作によるデジタル制御電圧出力信号43が前置ホールドされていた値と同レベルになった時点を示す。
【0080】
図2のT3以降の実線で示す「デジタル制御電圧出力信号43選択による制御電圧37」は、T3以降はデジタルPLL回路200の動作によるデジタル制御電圧出力信号43による、先の外部リファレンス信号31の異常発生時点のT1でデジタル制御電圧出力信号43選択による制御電圧37のまま継続される。
【0081】
このように、外部リファレンス信号31が正常に復帰して異常が終了したときの制御は、セレクタ5においてA/D変換器4からの出力35かデジタル制御電圧出力信号43を選択することで、セレクタ5からのデジタル制御電圧出力信号36、D/A変換器6からの制御電圧37を通して電圧制御発振器(VCO)7が制御される。
【0082】
なお、外部リファレンス信号31が正常に復帰した際の動作として、図2示される位相比較時間T4につき、説明しておく。
【0083】
前述したように、外部リファレンス信号31が正常に復帰して異常が終了したときの制御は、異常が終了したT2時点でデジタルPLL回路200が動作を開始する。
【0084】
そのため、デジタルPLL回路200の動作によるデジタル制御電圧出力信号43を外部リファレンス31による同期制御に戻す際に、内部フレーム信号41の位置によっては、装置出力信号の同期が飛ぶことによりSFNが破綻する場合がある。
【0085】
そのため、デジタル位相比較器13で検出した基準信号40の位相と内部フレーム信号41の位相の差がなくなるまでセレクタ5の切り戻しを行わないようにする必要がある。
【0086】
そして、内部フレーム信号41が基準信号40に対して位相差がなくなった位相比較時間T4の時点で、実線で示す「デジタル制御電圧出力信号43選択による制御電圧37」から「A/D出力35選択による制御電圧37」に切戻しを行うように制御している。
【0087】
このようにして、本発明のPLL回路は、外部リファレンス信号31の異常発生、異常中、異常からの復帰においても信号の破綻、瞬断等なしに運用を継続することが可能となる。
【0088】
次に、デジタルPLL回路200の動作について説明する。
入力TS信号39は揺らぎをもって入力されることがある。このため、フレーム信号検出回路10で検出したフレーム信号は、検出位置が揺らいで検出される。
【0089】
このため、デジッタ・基準信号生成回路11では、入力されるフレーム信号の検出位置の平均をとりジッタ吸収を行ったうえで基準信号40を生成する。
【0090】
また、基準信号40をトリガとして、CLK38を使用して内部フレーム生成回路12により内部フレーム信号41を生成する。
【0091】
デジタル位相比較器13では、基準信号40と内部フレーム信号41の位相比較を行い、比較結果をデジタルデータとして出力する。位相比較のタイミングは500msに一度のタイミングで行われる。
【0092】
なお、デジタルPLL回路200は、基準信号40と内部フレーム信号41の位相比較をデジタル位相比較器13で行い位相同期を行っているのは勿論であることに加えて、外部リファレンス信号31の異常からの復帰時に、内部フレーム信号41が基準信号40に対して位相差がなくなる時点(図2における位相比較による位相差がなくなったT4の時点)まで外部リファレンス信号31への切戻しを行わないように制御している。
【0093】
そのため、異常発生、異常中、異常からの復帰においても信号の破綻、瞬断等なしに運用を継続することが可能となる。
【0094】
デジタルPLL回路200におけるデジタル位相比較の方法としては、2つの方法がある。
【0095】
第1の位相比較を、図3を参照して説明する。
【0096】
図3は、カウント値により電圧制御を実施する本発明のデジタルPLL回路のデジタル位相比較器の構成図である。
本図3の第1の位相比較の動作の目的は、外部からの入力TS信号39から作成された基準信号40をカウンタ211のリセット信号Rsetとして生成し、カウンタ211の基準ホールド信号の値と、内部10MHzClkでカウントし、カウンタ212の内部ホールド信号の値を比較器214で比較し、基準となるタイミングで値を比較し内部カウンタ212でカウントしたカウンタ212の内部ホールド信号の値が、基準信号40でリセットRsetされるカウンタ211の基準ホールド信号の値よりよりも大きかった場合は、位相同期回路の制御電圧37を下げる方向に動作し、逆の場合は位相同期回路の制御電圧37を上げる方向に動作させる。
【0097】
第1の位相比較の動作を説明すると、
カウンタ211は、外部からの入力TS信号39から作成された基準信号40がRset端子にリセット信号として入力されるとカウンタ211はリセットされ、27MHzClkでカウントアップするカウンタ211である。
【0098】
また、基準信号40が入力されたタイミングでホールドしたカウンタ211の基準ホールド信号の値が、比較器214に入力される。
【0099】
カウンタ212は位相同期回路の装置内部で使用している10MHzClkで動作するカウンタ212である。デコーダ213は、カウンタ212のプレカウント信号の値が定められたの値になったときにカウンタ212にリセット信号Rsetとしてカウンタリセット信号を出す。
【0100】
カウンタ212はデコーダ213からカウンタリセット信号がカウンタ212のリセット信号Rsetとして出力されたタイミングでカウンタ212の値をホールドし、内部ホールド信号として比較器214に出力する。
【0101】
また、カウンタ215は初期状態で設定されたリセットのタイミングでリセットを行うカウンタ215で、そのカウンタ215の値がデジタルデータとして出力され図1の制御電圧生成回路14に入力され位相同期回路の制御電圧37が生成される。
【0102】
比較器214では、カウンタ211から入力された基準ホールド信号およびカウンタ212から入力された内部ホールド信号の値を10MHzでカウントした場合の値で比較しカウンタ212からの内部ホールド信号の値がカウンタ211からの基準ホールド信号の値よりも大きかった場合は、カウンタ215のリセットタイミングを下げるようにアップダウン制御を行い。
【0103】
また、逆にカウンタ212からの内部ホールド信号の値がカウンタ211からの基準ホールド信号値よりも小さかった場合は、カウンタ215のリセットタイミングを上げるにアップダウン制御を行う。
【0104】
カウンタ215から出力されるデジタルデータの値によって図1の制御電圧生成回路14から出力される制御電圧37を制御し、図1の電圧制御発振器7から出力されるCLKの周波数を制御する。
【0105】
次に、第2の位相比較を、図4を参照して説明する。
【0106】
図4は、カウント値により電圧制御を実施する本発明のデジタルPLL回路のデジタル位相比較器の構成図である。
【0107】
第2の位相比較の動作を説明すると、
カウンタ222は、アラーム信号32がアラームでない場合は、基準信号40がカウンタ222のRset端子に入力されることによりリセットされる。
【0108】
カウンタ222のプレカウント信号の値はデコーダ223に入力される。デコーダ223は、基準信号40の周期で決まる値(定められた値)でカウンタ222をリセットするカウンタリセット信号を出力する。また、プレリセット信号のタイミングを中心のとしたゲート信号(本実施の形態では、仮に2μsの幅のパルスとする)を生成する。
【0109】
また、カウンタ225は初期状態で設定されたリセットのタイミングでリセットを行うカウンタ225で、そのカウンタ225の値がデジタルデータとして出力され図1の制御電圧生成回路14に入力され位相同期回路の制御電圧37が生成される。
【0110】
アラーム信号32がアクティブ(異常発生)した場合には、カウンタ222は基準信号40では、リセットされなくなり、カウンタ222は、デコーダ223から出力されるプレリセット信号にのみによりリセットされる。
【0111】
比較器224では、デコーダ223から出力されるゲート信号と、基準信号40の位相を比較し、基準信号40がゲート信号の範囲内にある場合は比較器224から、カウンタ225に対してのアップダウン制御は行わない。このため、カウンタ225から出力されるデジタルデータは変化しない。
【0112】
基準信号40がゲート信号下側(−1μs)から外れた場合は、カウンタ225に対してアップ制御が掛かり図1の制御電圧生成回路14に対して図1の電圧制御発振器7に対して周波数を上げる方向に制御する。
【0113】
基準信号40がゲート信号上側(+1μs)から外れた場合は、カウンタ225に対してダウン制御が掛かり図1の制御電圧生成回路14に対して図1の電圧制御発振器7に対して周波数を下げる方向に制御する。
【0114】
基準信号40がゲート信号内に戻った場合は、カウンタ225に対してアップダウン制御は停止する。
【0115】
以上第1と第2の位相比較の動作の違いは、第1の位相比較のようにカウンタをそれぞれ待たせて値を比較するか、第2の位相比較のようにカウンタは一つで、外部から入力される基準信号のタイミングと内部で生成したゲート信号の位相関係を見て比較するかの違いで、第2の位相比較はある程度周波数誤差による、位相の流れが生じてもそれを許容する方式になっている。
【0116】
次に「制御電圧の推測による電圧制御」について、図5を参照して説明する。
【0117】
「制御電圧の推測による電圧制御」とは、外部リファレンス信号31が正常に供給されていた時点の制御電圧を監視し、外部リファレンス信号31の異常を検出した場合には、それ以前の動作から推測した制御電圧を生成して電圧制御発振器(VCO)7の周波数精度を保つ制御機能である。
【0118】
図5は本発明のPLL回路の制御電圧の推測による電圧制御の時間的な関係を示す推移図である。
【0119】
これは、図5の包囲枠で囲まれた部分に示す「正常時トレースする制御電圧の動作状態A」の、正常時に動作しているデジタル制御電圧出力信号43対応の制御電圧37をCPU15にてトレースし記憶しておき、異常時には、正常時に記憶しておいた制御電圧の動作状態Aを元にして制御電圧37を推測制御するものである。
【0120】
CPU15は、制御電圧生成回路14のデジタル制御電圧出力信号44およびA/D変換器4の出力35を監視し、外部リファレンス39が正常な場合の電圧制御発振器(VCO)7の制御電圧37を常時トレースしている(図5の包囲枠で囲まれた部分に示す「正常時トレースする制御電圧の動作状態A」の、長波線で示される「正常時に動作しているデジタル制御電圧出力信号43対応の制御電圧37」)。
【0121】
このトレースにより、制御電圧37の外部リファレンス39に対する変化の傾向を計算により推測する(図5の1点長鎖線で示される「正常時トレースし計算により求めた推測の制御電圧37」)。
【0122】
外部リファレンス31の異常が検出された場合には、前述のように、制御電圧37を生成する基準となる信号を、A/D変換器4の出力35から制御電圧生成回路14のデジタル制御電圧出力信号43にセレクタ5において切替える。このときCPU15は、制御電圧の動きをトレースすることにより推測したデジタル制御電圧出力信号43制御用のデジタルデータ出力45を制御電圧生成回路14に入力する。
【0123】
これにより、CPU15の計算により求めた推測の制御電圧37により電圧制御発振器(VCO)7の出力周波数が制御される。図5に点線で示す「デジタル制御電圧出力信号43選択による制御電圧37」がこの状態を示す。
【0124】
なお、このCPU15の計算により求めた推測の制御電圧37は、前述したように、外部リファレンス31の異常継続時間に応じて、図5のT3’またはT3の時点まで出力される。
【0125】
これにより、本セレクタ5による切替えの動作を実施することによる効果として、外部リファレンス31の異常検出時のA/D変換器4の出力35に基づいて前置ホールドした場合よりも(図5に示す異常発生時T1における前値ホールドとする場合の制御電圧37)、周波数制度のずれを小さくすることが出来る。
【0126】
その理由は、前値ホールドとする場合の制御電圧37は異常が発生する直前のA/D変換器4の出力35に基づくものであるのに対し、正常時の動作を継続的にトレースして推測した値を使用する点で、より正常時の状態に近似できるからである。
【0127】
次に、外部リファレンス31が異常から復帰した場合(図5における異常終了の時間T2時点)、すぐに外部リファレンス31による同期制御に戻した場合、内部フレーム信号41の位置によっては、装置出力信号の同期が飛ぶことによりSFNが破綻する場合がある。
【0128】
このため、デジタル位相比較器13で検出した基準信号40の位相と内部フレーム信号41の位相の差がなくなるまでセレクタ5の切り戻しを行わない。
【0129】
本復帰時の動作を実施することによる効果として、異常からの復帰時に、内部フレーム信号41が基準信号40に対して位相差がなくなった時点(図5における位相比較による位相差がなくなった位相比較時間T4の時点)、で切戻しを行うように制御しているため(図5における位相比較時間T4の時点で、実線で示す「デジタル制御電圧出力信号43選択による制御電圧37」から「A/D出力35選択による制御電圧37」)、異常発生、異常中、異常からの復帰においても早く、信号の破綻、瞬断等なしに運用を継続することが可能となる。
【0130】
その理由は、正常に復帰時の動作において、前値ホールド時の場合に比べて、異常が終了してからの復旧動作が、トレースにより求めた推測の制御電圧37を元に制御されていることにより、より正常時の動作に早く収斂するからである。
【0131】
次に本発明の第2の実施の形態につき説明する。
入力TS信号39のデータには、MPEG信号をデコードする場合に必要とされるタイムスタンプが埋め込まれている。
【0132】
このため、このタイムスタンプ信号と装置内部で27MHzのCLKでカウントアップするカウンタ値を比較し、値が常に同じになるように制御を行い、この結果を10MHz電圧制御発振器(VCO)7への制御電圧37の生成に使用することで10MHzCLK38の周波数精度を保つ制御方法がある。
【0133】
これまでの説明において、PLL回路の電圧制御発振器(VCO)7への制御電圧37を制御電圧として全て説明したが、制御電圧37の代わりに、A/D変換器からの出力35、制御電圧生成回路14からのデジタル制御電圧出力信号43、およびセレクタからのデジタル制御電圧出力信号36等で置き換え制御電圧によるPLL回路の制御を行うことは同等である。
【産業上の利用可能性】
【0134】
地上デジタル放送分野、リファレンス同期を使用した同期システム。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明のPLL回路の構成を示す構成図である。
【図2】本発明のPLL回路のD/A変換器の制御電圧出力のアラーム発生時の時間的な関係を示す推移図である。
【図3】カウント値により電圧制御を実施する本発明のデジタルPLL回路のデジタル位相比較器の構成図である。
【図4】ゲート信号により電圧制御を実施する本発明のデジタルPLL回路のデジタル位相比較器の構成図である。
【図5】本発明のPLL回路の制御電圧の推測による電圧制御の時間的な関係を示す推移図である。
【符号の説明】
【0136】
1,2 分周器
3 位相比較器
4 A/D変換器
5 セレクタ
6 D/A変換器
7 電圧制御発振器(VCO)
8 検波器
9 制御電圧切替回路
10 フレーム信号検出器回路
11 デジッタ・基準信号生成回路
12 内部フレーム信号生成回路
13 デジタル位相比較器
14 制御電圧生成回路
15 CPU
31 外部リファレンス信号
32 アラーム信号
33 第1の制御電圧切替信号
34 第2の制御電圧切替信号
35 出力
36 デジタル制御電圧出力信号
37 制御電圧出力
38 クロック(CLK)
39 入力TS信号
40 基準信号
41 内部フレーム信号
43,44 デジタル制御電圧出力信号
45 デジタルデータ出力
100 アナログPLL回路
200 デジタルPLL回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部リファレンス信号である外部同期クロックに位相同期するアナログPLL回路と、入力TS信号から検出したフレーム同期信号を元に位相同期するデジタルPLL回路と、前記外部同期クロックのエラーを検出し、エラーの状況により、前記アナログPLL回路および前記デジタルPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御するための制御信号を生成する検出回路とを備え、前記外部同期クロックが正常時は前記アナログPLL回路により前記電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御し、外部同期クロックのエラーを前記検出回路で検出した時は、前記入力TS信号から検出した前記フレーム同期信号を参照し、前記デジタルPLL回路により前記電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御することを特徴とするPLL回路。
【請求項2】
外部同期クロックのエラー終了後、アナログPLL回路における電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルとデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルが同一レベルになったことにより、電圧制御発振器に供給する制御電圧をデジタルPLL回路からアナログPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧に切り替えることを特徴とする請求項1記載のPLL回路。
【請求項3】
外部同期クロックのエラー終了後、アナログPLL回路における電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルとデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルが同一レベルになった時点が、エラー発生から予め決められた経過時間以内であれば、電圧制御発振器に供給する制御電圧をアナログPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする請求項1記載のPLL回路。
【請求項4】
外部同期クロックのエラー終了後、アナログPLL回路における電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルとデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルが同一レベルになった時点が、エラー発生から予め決められた経過時間以上であれば、電圧制御発振器に供給する制御電圧をデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧のままとすることを特徴とする請求項1記載のPLL回路。
【請求項5】
外部同期クロックのエラー終了後、デジタルPLL回路において、入力TS信号から検出したフレーム同期信号の基準信号と内部フレーム信号の位相をデジタル位相比較器により比較し、位相が一致したことにより、電圧制御発振器に供給する制御電圧をアナログPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする請求項1,2,3,または請求項4記載のPLL回路。
【請求項6】
デジタル位相比較器によりフレーム同期信号の基準信号と内部フレーム信号の位相を、カウンタにより比較し、電圧制御発振器に供給する制御電圧を生成することを特徴とする請求項1,2,3,4,または5記載のPLL回路。
【請求項7】
デジタル位相比較器によりフレーム同期信号の基準信号と、基準信号の周期で決まる値でカウンタをリセットする信号を出力し、リセット信号のタイミングを中心のとしたゲート信号を生成するデコーダから出力されるゲート信号の位相を比較し、電圧制御発振器に供給する制御電圧を生成することを特徴とする請求項1,2,3,4,または5記載のPLL回路。
【請求項8】
外部同期クロックの正常時の電圧制御発振器に供給する制御電圧をトレースし記録しておくことにより、外部同期クロックのエラーを検出回路で検出した時、トレースし記録しておいた制御電圧を元に、電圧制御発振器に供給する制御電圧を生成することを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,または7記載のPLL回路。
【請求項9】
トレースし記録しておいた制御電圧を元に、制御電圧の外部同期クロックに対する変化の傾向を計算により推測し、推測し計算した制御電圧を電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,または7記載のPLL回路。
【請求項10】
正常時予め決められた一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧を元に、一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧の特定時間の1個の制御電圧を、電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,または7記載のPLL回路。
【請求項11】
正常時予め決められた一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧を元に、一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧の複数個の制御電圧の平均値を、電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,または7記載のPLL回路。
【請求項12】
MPEG信号をデコードするタイムスタンプが埋め込まれている入力TS信号のタイムスタンプ信号と装置内部のCLKでカウントアップするカウンタ値を比較し、値が同じになるように電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御することを特徴とするPLL回路。
【請求項13】
外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
外部リファレンス信号である外部同期クロックに位相同期するアナログPLL回路と、入力TS信号から検出したフレーム同期信号を元に位相同期するデジタルPLL回路と、前記外部同期クロックのエラーを検出し、エラーの状況により、前記アナログPLL回路および前記デジタルPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御するための制御信号を生成する検出回路とを備え、前記外部同期クロックが正常時は前記アナログPLL回路により前記電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御し、外部同期クロックのエラーを前記検出回路で検出した時は、前記入力TS信号から検出した前記フレーム同期信号を参照し、前記デジタルPLL回路により前記電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御することを特徴とするPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法。
【請求項14】
外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
外部同期クロックのエラー終了後、アナログPLL回路における電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルとデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルが同一レベルになったことにより、電圧制御発振器に供給する制御電圧をデジタルPLL回路からアナログPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧に切り替えることを特徴とする請求項13記載のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法。
【請求項15】
外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
外部同期クロックのエラー終了後、アナログPLL回路における電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルとデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルが同一レベルになった時点が、エラー発生から予め決められた経過時間以内であれば、電圧制御発振器に供給する制御電圧をアナログPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする請求項13記載のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法。
【請求項16】
外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
外部同期クロックのエラー終了後、アナログPLL回路における電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルとデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧レベルが同一レベルになった時点が、エラー発生から予め決められた経過時間以上であれば、電圧制御発振器に供給する制御電圧をデジタルPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧のままとすることを特徴とする請求項13記載のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法。
【請求項17】
外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
外部同期クロックのエラー終了後、デジタルPLL回路において、入力TS信号から検出したフレーム同期信号の基準信号と内部フレーム信号の位相をデジタル位相比較器により比較し、位相が一致したことにより、電圧制御発振器に供給する制御電圧をアナログPLL回路からの電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする請求項13,14,15,または請求項16記載のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法。
【請求項18】
外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
デジタル位相比較器によりフレーム同期信号の基準信号と内部フレーム信号の位相を、カウンタにより比較し、電圧制御発振器に供給する制御電圧を生成することを特徴とする請求項13,14,15,16,または17記載のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法。
【請求項19】
外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
デジタル位相比較器によりフレーム同期信号の基準信号と、基準信号の周期で決まる値でカウンタをリセットする信号を出力し、リセット信号のタイミングを中心のとしたゲート信号を生成するデコーダから出力されるゲート信号の位相を比較し、電圧制御発振器に供給する制御電圧を生成することを特徴とする請求項13,14,15,16,または17記載のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法。
【請求項20】
外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
外部同期クロックの正常時の電圧制御発振器に供給する制御電圧をトレースし記録しておくことにより、外部同期クロックのエラーを検出回路で検出した時、トレースし記録しておいた制御電圧を元に、電圧制御発振器に供給する制御電圧を生成することを特徴とする請求項13,14,15,16,17,18,または19記載のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法。
【請求項21】
外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
トレースし記録しておいた制御電圧を元に、制御電圧の外部同期クロックに対する変化の傾向を計算により推測し、推測し計算した制御電圧を電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする請求項13,14,15,16,17,18,または19記載のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法。
【請求項22】
外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
正常時予め決められた一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧を元に、一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧の特定時間の1個の制御電圧を、電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする請求項13,14,15,16,17,18,または19記載のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法。
【請求項23】
外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、
正常時予め決められた一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧を元に、一定時間毎にトレースし記録しておいた制御電圧の複数個の制御電圧の平均値を、電圧制御発振器に供給する制御電圧とすることを特徴とする請求項13,14,15,16,17,18,または19記載のPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法。
【請求項24】
PLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法であって、MPEG信号をデコードするタイムスタンプが埋め込まれている入力TS信号のタイムスタンプ信号と装置内部のCLKでカウントアップするカウンタ値を比較し、値が同じになるように電圧制御発振器に供給する制御電圧を制御することを特徴とするPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法。
【請求項25】
請求項13から請求項23の外部リファレンス信号である外部同期クロックの異常時におけるPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法の処理をコンピュータに実行させるためのPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御用プログラム。
【請求項26】
MPEG信号をデコードするタイムスタンプが埋め込まれている入力TS信号のタイムスタンプ信号と装置内部のCLKでカウントアップするカウンタ値を比較し、値が同じになるように電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御方法の処理をコンピュータに実行させるためのPLL回路の電圧制御発振器に供給する制御電圧の制御用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−141583(P2008−141583A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−327059(P2006−327059)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】